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1948/11/25 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第9号
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1948/11/25 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第9号

#1
第003回国会 農林委員会 第9号
昭和二十三年十一月二十五日(木曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 坂本  實君
   理事 田口助太郎君 理事 寺本  齋君
      佐々木秀世君    中嶋 勝一君
      八木 一郎君    金野 定吉君
      小林 運美君    鈴木 強平君
      飯田 義茂君   的場金右衞門君
      松澤  一君    山口 武秀君
      加藤吉太夫君
 出席政府委員
        農林政務次官  伊藤 郷一君
 委員外の出席者
        議     員 冨永格五郎君
        議     員 荒木萬壽夫君
        農林事務官   鈴木 征六君
        農 林 技 官 玉井 幸夫君
        農林事務官   伊藤 嘉彦君
        農林事務官   伊藤  佐君
        農 林 技 官 片山  哲君
        農 林 技 官 小竹 二郎君
        專  門  員 片山 徳次君
        專  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
  請願
 一 茨城縣の雹害救済に関する請願(原彪君紹
   介)(第一一二号)
 二 零細農家に産米保有量増加の請願(大石ヨ
   シエ君紹介)(第一六二号)
 三 金納小作料の引上並びに農地法による政府
   買上金即通支拂の請願(松原一彦君紹介)
   (第二二六号)
 四 北相馬郡における食糧供出割当軽減の請願
   (小野瀬忠兵衞君紹介)(第二四七号)
 五 越中堰用水改良工事施行の請願(金野定吉
   君紹介)(第三〇七号)
 六 釧路競馬場を地方競馬場に編入の請願(森
   三樹二君外一名紹介)(第三一八号)
 七 日向川沿岸用水改良工事促進の請願(金野
   定吉君紹介)(第三二〇号)
 八 白羽村開墾事業助成の請願(加藤靜雄君紹
   介)(第三二一号)
 九 初倉村地内農業水利工事施行の請願(加藤
   靜雄君紹介)(第三二二号)
一〇 遊佐町に冷害農事試驗場設置の請願(金野
   定吉君紹介)(第三二三号)
一一 楮及び漆の増産奬励に関する請願(海野三
   朗君紹介)(第三二四号)
一二 感謝献穀救済制度実施の請願(森三樹二君
   紹介)(第三二五号)
一三 兒島湾第七区干拓工事完成促進の請願(森
   山武彦君外一名紹介)(第三二九号)
一四 北佐久郡の食糧供出割当軽減の請願(小林
   運美君紹介)(第三三九号)
一五 知内原野開発に関する請願(冨永格五郎君
   紹介)(第三四二号)
一六 姫治村分田地区及び吉の本地区の開墾計画
   中止の請願(荒木萬壽夫君紹介)(第三四
   二号)
一七 農地法に関する請願(松原一彦君紹介)(
   第三五〇号)
一八 南佐久郡の供出割当軽減の請願(小林運美
   君紹介)(第三六二号)
一九 九州の開拓事業に関する請願(松野頼三君
   紹介)(第三七〇号)
二〇 森林組合強化に関する請願(松野頼三君紹
   介)(第三七一号)
二一 造林資金融資に関する請願(松野頼三君紹
   介)(第三七八号)
二二 春日井市に國営競馬場設置の請願(早稻田
   柳右エ門君紹介)(第三八二号)
  陳情書
 一 雪害耕地復旧助成等に関する陳情書(北信
   五県雪害対策連盟会長新潟縣知事岡田正
   平)(第七号)
 二 耕地の利用高度化に関する陳情書(北信五
   縣雪害対策連盟会長新潟縣知事岡田正平)
   (第八号)
 三 雪害復旧並びに増産用物資配給に関する陳
   情書(北信五縣雪害対策連盟会長新潟縣知
   事岡田正平)(第九号)
 四 農林産物搬出助成の陳情書(北信五縣雪害
   対策連盟会長新潟縣知事岡田正平)(第一
   〇号)
 五 雹害対策に関する陳情書(農林省分室内農
   業家畜保險協会副会長東浦庄治)(第一三
   号)
 六 農村婦人の作業衣増配に関する陳情書(鳥
   取縣婦人團体協議会長田中花子)(第一五
   号)
 七 畜産局存置の陳情書外一件(岩手縣馬匹組
   合連合会会長藤田萬治郎外一名)(第一六
   号)
 八 觀光資源保護に関する陳情書(全日本観光
   連盟会長松平恒雄)(第一七号)
 九 農業手形の適用範囲拡大に関する陳情書(
   富山縣農業会長会議代表高原耕造)(第一
   九号)
一〇 旧川西航空機会社所有地を農地に指定の陳
   情書(兵庫縣武庫郡良元耕作者代表定本春
   太郎)(第二四号)
一一 農業協同組合事業分割に関する陳情書(東
   北地区農村工業協議会長藤岡亘)(第四〇
   号)
一二 土地利用高度化に関する陳情書(石川縣知
   事柴野知喜夫)(第四五号)
一三 農村復興資金融通の陳情書(福岡縣会議長
   大竹作摩)(第四六号)
一四 農地調整法並びに自作農創設特別措置法の
   運用に関する陳情書(埼玉縣森林組合連合
   会長平沼彌太郎)(第四七号)
一五 杉、檜の害虫駆除に対する國庫補助の陳情
   書(福岡縣議会議長稻員稔)(第五一号)
一六 食糧調整委員会経費全額國庫補助の陳情書
   (福岡縣議会議長稻員稔)(第五二号)
一七 災害復旧耕地事業費全額國庫負担に関する
   陳情書(岩手縣町村会長下飯坂元)(第五
   七号)
一八 林野開拓事業緩和の陳情書(福岡縣議会議
   長稻員稔)(第六七号)
一九 畜産振興に関する陳情書(日本畜産協会長
   岸良一)(第七四号)
二〇 畜産局を畜産廳に昇格の陳情書(大阪府畜
   産協会長井坂豊光)(第七五号)
二一 耕地の地方調査費國庫補助増額の陳情書(
   長崎縣議会議長岡本直行)(第七九号)
二二 未墾開拓地是正に関する陳情書(宮城縣森
   林連合代表佐々木源六外一名)(第八四
   号)
二三 土地対價支拂に関する陳情書(茨城縣久慈
   郡町村会長宮田重文)(第八五号)
二四 杉の害虫駆除費國庫補助の陳情書(宮崎縣
   知事安中忠雄)(第八九号)
二五 能登地方綜合開発に関する陳情書(石川縣
   議会議長岡島友作)(第九〇号)
二六 町村食糧調整委員会経費全額國庫負担の陳
   情書(全國町村会長生田和平)(第九七
   号)
二七 農業災害補償法に関する陳情書(福島縣農
   業共済組合長会議長佐藤善太)(第一〇〇
   号)
二八 牛疫予防注射反應被害牛に対し國庫補助増
   額の陳情書(長崎縣議会議長岡本直行)(
   第一〇一号)
二九 林業振興に関する陳情書(金澤市南安江町
   乙四十番地石川縣造林振興協力会長大森玉
   木)(第一〇三号)
三〇 山形縣における米の縣外移出に対する奨励
   金交付の陳情書(山形縣議会議長加藤富之
   助)(第一〇七号)
三一 主食代替の砂糖配給並びに主食供出報奨用
   物資に関する陳情書(長崎市長大橋博外九
   名)(第一一〇号)
三二 杉の害虫駆除費國庫補助の陳情書(宮崎縣
   議会議長甲斐善平外一名)(第一一四号)
三三 蔬菜及び漬物配給規則改正に関する陳情書
   (京都府会議長中川源一郎)(第一一六
   号)
三四 農地改革に関する陳情書(福岡縣山門郡大
   和村大字皿垣沖魁夫外百二十名)(第一一
   七号)
三五 菜種増産に関する陳情書(愛知縣議会議長
   大見爲次)(第一一八号)
三六 新潟縣に蚕糸試驗地設置の陳情書(新潟縣
   議会議長兒玉龍太郎)(第一二一号)
三七 農業共済團体事務費國庫負担増額の陳情書
   (愛媛縣農業共済組合長会議代表重松峯行
   外八名)(第一二二号)
三八 競馬法改正に関する陳情書(京都市会議長
   内藤清次郎)(第一三〇号)
三九 主食の自由販賣その他に関する陳情書(茨
   城縣那珂郡町村会長西野仁兵衞外二名)(
   第一三一号)
四〇 旱害対策施設費國庫補助の陳情書外一件(
   岡山縣知事西岡廣吉外四名)(第一五三
   号)
四一 農業共済掛金國庫負担の陳情書(愛媛縣農
   業共済組合長会議越賀正夫外九名)(第一
   五五号)
四二 徳島縣販賣農業協同組合連合会業務停止の
   陳情書(徳島縣美馬郡東部畜産農業協同組
   合長前田彰一)(第一六七号)
四三 農地改良法案制定実施に関する陳情書(近
   畿府縣知事会議代表大阪府知事赤間文三)
   (第一七三号)
四四 土地改良事業費國庫補助の陳情書(京都府
   知事木村惇外九名)(第一九四号)
四五 農業共済團体事務費國庫負担増額の陳情書
   (農業共済保險協会長東浦庄治外七名)(
   第二〇三号)
四六 昭和井路開設事業費増額の陳情書(大分縣
   議会議長荒金啓治)(第二〇五号)
四七 食糧調整委員会経費全額國庫負担の陳情書
   (廣島縣議会議長小谷傳一)(第二二〇
   号)
四八 農業調整委員会経費全額國庫補助の陳情書
   (神奈川縣議会議長添田良信)(第二二四
   号)
四九 小笠郡の農業風水害対策に関する陳情書(
   靜岡縣小笠郡町村会長蔦ケ谷龍太郎)(第
   二三九号)
五〇 長崎縣における農業試驗研究機関存続の陳
   情書(長崎縣議会議長岡本直行)(第二四
   一号)
五一 開拓事業促進に関する陳情書(徳島縣農地
   委員会長阿部五郎)(第二五五号)
五二 靜岡縣の農業水害対策に関する陳情書(靜
   岡縣町村会長加田萬藏)(第二五九号)
    ―――――――――――――
#2
○坂本委員長 これより会議を開きます。
 都合により請願日程の順序を変更して審査いたします。まず請願日程第五、越中堰用水改良工事施行の請願、金野定吉君紹介、第三〇七号を議題に供します。紹介議員の紹介説明を求めます。
#3
○金野委員 山形縣越中堰は東田川郡東、黒川、廣瀬の三村にわたる灌漑区域を有する重要な水路でありますが、これが取入口の河床低下と堰堤の不完全なこと、あるいは構はんの破損等によりしして導水が困難となり、そのため干害による農作物の減産ははなだしく、該地方の農業経営は非常に困難な状態となつているのでありまか。ついては本堰堤用水の改修工事を縣営として早急に施行せられ、もつて該地方の困窮を打開せらるるようお願いいたす次第であります。
#4
○坂本委員長 本請願に関する農林当局の意見を求めます。
#5
○伊藤(佐)説明員 本堰堤用水の改修工事は、当局におきましてもその必要を認めまして本年度予算においてはその編成を見なかつたのでありますが、昭和二十四年度においてはその予算を計上いたすつもりであります。この予算とにらみ合せ、折角工事完成に努力いたしたいと思つております。
#6
○坂本委員長 御質疑はありませんか。――別にないようでありますから採決を行います。
 本請願は議院の会議に付するを要するものとして、採択の上、内閣に送付するを適当と認むるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○坂本委員長 御異議なしと認めましてさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○坂本委員長 次に日程第七、日向川沿岸用水改良工事促進の請願、金野定吉君紹介、第三二〇号を議題に供します。紹介議員の紹介説明を求めます。
#9
○金野委員 山形縣営の日向川沿岸用水の改良工事は、日向川を中心とした南北両地帶における灌漑用水の分水施設を根本的に改良しようとして企図せられた重要な工事でありまして、昭和十七年に三箇年継続事業として着工されたものでありますが、戰爭及びその後の経済事情等のためいまだその完成を見ないのでありまして、そのため資材の腐蝕、土砂の崩落等きわめて危險な状態におかれているのであります。ついては本工事費の割当を増加し、もつて昭和二十四年度までにはぜひともこれを完成せられたいのであります。
#10
○坂本委員長 本請願に対する農林当局の意見を求めます。
#11
○伊藤(佐)説明員 本工事は昭和十七年三箇年計画をもつて施行せられたのでありますが、戰時中、予算関係にて中止せられたものであります。当局としてもその完成を期して、目下二百九十万円の予算を編成中であります。
#12
○坂本委員長 何か御質疑はありませんか。――別に質疑もないようですから採決いたします。
 本請願は議院の会議に付するを要するものとして採択の上、内閣に送付するを適当と認むるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○坂本委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#14
○坂本委員長 次に日程第一六、姫治村分田地区及び吉の本地区の開墾計画中止の請願、荒木萬壽夫君紹介、文書表番号第三四三号を議題といたします。紹介議員の紹介説明を求めます。
#15
○荒木萬壽夫君 福岡縣浮羽郡姫治村分田地区及び吉の本地区は、福岡縣農地部において集團開墾されることを計画されているのでありますが、本両地区は縣下にても優秀なる人工植林地帶であり、これを開墾するときは必ず治山治水に甚大なる障害を與え、またこの地区は山腹にあつて寒風強く、土質が惡い上に交通が不便で、農耕に適しないこと明瞭であり、ひいては森林業の発展に惡影響を及ぼすこととなるのであります。ついては本両地区の開墾計画を中止し、あまり適当でない農耕のため優良なる森林地帶を犠牲にすることのないようとりはからはれたいのであります。
#16
○坂本委員長 本請願に対する政府当局の意見を求めます。
#17
○伊藤(郷)政府委員 開拓は治山治水の実をあげるを目的とするものでありまして、この観点より本請願も檢討を加えたく思つております。
#18
○坂本委員長 御質疑はありませんか。――別にないようですから採決を行います。
 本請願は議院の会議に付するを要するものとし、採択の上、内閣に送付するを適当と認むるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○坂本委員長 異議なきものと認めさよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#20
○坂本委員長 次に請願日程第一五、知内原野開発に関する請願冨永格五郎君紹介、文書表番号第三四二号を議題といたします。紹介議員の紹介説明を求めます。
#21
○冨永格五郎君 北海道上磯郡知内村地内重内字森越を中心として約三百町歩にわたる知内原野は、泥炭地で農耕作されず、ただ單に採草地、放牧地等として利用せられているにすぎない状態であります。食糧増産が現下的大の要請であるとき、この三百町歩にわたる原野を放置せられることなく、すみやかに開発せられ、食糧増産の一助とせられんことを望む次第であります。
#22
○坂本委員長 本請願に関する農林当局の意見を求めます。
#23
○伊藤(佐)説明員 知内原野は農林当局におきましてもその開発の必要を認めているのでありますが、この土地はかなり土地改良費が高くつきますので、予算上金のかからぬ所からやつているのでありまして、そのため当地の開発も遅れているのでありますから、いましばらくその施行を待たれたいのであります。
#24
○坂本委員長 別に質疑もないようですから採決をいたします。
 本請願は議院の会議に付するを要するものとして、採択の上内閣に送付するを適当と認むるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○坂本委員長 異議なきものと認めさよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#26
○坂本委員長 次に日程第一〇、遊佐町に冷害農事試驗場設置の請願、金野定吉君紹介、文書表番号第三二三号を議題に供します。紹介議員の紹介説明を求めます。
#27
○金野委員 山形縣飽海郡遊佐町は山形縣の北端に供し、標高位置が高く、耕地の大部分が標高百米から二百五十米の位置にある郡内随一の最高原、農耕作地であるため、水温氣温ともに低く、毎年冷害による被害著しいものがあるのであります。つきましては本町山間部に冷害農事試驗場を設置し、すみやかに増産対策を樹立せられたいのであります。
#28
○坂本委員長 本請願に対する農林当局の意見を求めます。
#29
○伊藤(郷)政府委員 寒冷地における農業対策は、私としましてもその必要を痛感するところでありまして、早急にその善処をいたしたいと存じます。
#30
○坂本委員長 別に御質疑もないようですから採決を行います。
 本請願は議院の会議に付するを要するものとして、採択の上内閣に送付するを適当と認むるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○坂本委員長 御異議なきものと認めましてさよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#32
○坂本委員長 なお、この際お諮りいたします。
 請願日程第八、白羽村開墾事業助成の請願、加藤靜雄君紹介、文書表番号第三二一号、
 日程第九、初倉村地内農業水利工事施工の請願、加藤靜雄君紹介ゐ文書表番号第三二二号、
 日程第一三、兒島湾第七区干拓工事完成促進の請願、森山武彦君外一名紹介、文書表番号第三二九号、
 日程第一九、九州の開拓事業に関する請願、松野頼三君紹介、文書表番号第三七〇号、
 日程第六、釧路競馬場を地方競馬場に編入の請願、森三樹二君外一名紹介、文書表番号第三一八号、
 日程第一一、楮及び漆の増産奬励に関する請願、海野三朗君紹介、文書表番号第三二四号、
 日程第二一、造林資金融資に関する請願、松野頼三君紹介、文書表番号第三七八号、
 日程第一七、農地法に関する請願、松原一彦君紹介、文鳥表番号第三五〇号
 日程第三、金納小作料の引上並びに農地法による農地買上金即時支拂の請願、松原一彦君紹介、文書表番号第二二六号以上を一括して議題に供し、審査の順序も以上のようにいたしたいと存じますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○坂本委員長 御異議なきものと認めましてさよう決定いたしました。各請願の紹介議員が見えませんので便宜上專門員からその趣旨を朗読いたさせます。
#34
○岩隈專門員 日程第八の請願の要旨を説明いたします。本請願の要旨は、戰時中陸軍射撃用地として買收された靜岡縣榛原郡白羽村西南海岸耕地一帶は、祖先が血と汗を胤して開拓した土地で、終戰以來極度の食糧難と復興意鍋に燃えた村民は再び荒廃せる同地帶の開墾に鋭意努力中であるが、過小な村財政をもつてしてはとうていこの大事業を成し遂げることができない。ついては該事業を委託開墾事業として助成されたいというのである
 次に日程第九について説明いたします。本請願の要旨は、靜岡縣榛原郡初倉村地内湯田区及び坂本区の内沼伏は南北を小丘によつて囲まれた山間地で、同村内の他地区と全然地形を異にして、ひとり水利の恩惠に浴していないため、年々旱害を免れない状況にある、ついては隧道によつて湯田区鎌塚地先大井川より引水し得るよう農業水利工事を施工されたいというのである。
 次に日程第一三について説明いたします。本請願の要旨は、岡山縣兒島湾第七区干拓工事は農地造成の目的をもつて昭和十九年に着工されたが、いまだ完成されず、現在工事は停頓状態にあるため、工事担当者及び同工事によつて轉業を余儀なくされた漁業者の苦痛はあまりあるものがあり、また工事遅延によつて隣接町村の関係農民は塩害により、大なる被害を受けている。ついては該工事を完成を促進されたいというのである。
 次に日程第一九について説明いたします。本請願の要旨は、開拓事業は食糧増産に欠くことのできない緊急要務であるが、九州地方の開拓予定地を見るととうてい農地として不適当と思われる森林地帶までが含まれている。これは経費その他の面から國策として賢明でないことはもちろん、國土の保安上森林の國家的重要性を無視したものである。ついては九州の開拓事業実施に際しては林野開墾にあわせと、同地方に最も適当である海面の干拓事業を推進されたいというのである。
 次に日程第六について説明いたします。本請願の要旨は釧路市は北海道における唯一の戰災都市で、その復興は意のごとくならず、市財政は極度に窮迫している。ついては同地方財政の打開と産業経済の振興をはかるとともに、他に卓越せる同地方馬産資源の確保のため、本市に隣接する鳥取町所在釧路競馬場を地方競馬場に編入されたいというのである。
 次に日程第一一について説明いたします。本請願の要旨は、パルプ資源の欠乏と紙不足の現状にかんがみ、紙の原料として楮の増産が緊急に要望されている、またわが國の漆器は最も品質がすぐれ、輸出品として將來を有望視されている、ついては楮及び漆生産の指導機関を設ける等その増産を奬励されたいというのである。
 次に日程第二一について説明いたします。本請願の要旨は、戰時中荒廃せる森林資源の復旧のため造林事業の促進は最も緊急を要するが、現在資金の行詰まりでなかなか思うようにはかどらない。このときにあたつて農林漁業者復興資金融通の措置が講ぜられたことは多とするが、この融資に関しては、貸出利率の引下並びに木炭倉庫、製材設備、木工設備に対する必要資金の貸出の方途を講ずる等の処置を講ぜられたいというのである。
 次に日程第一七について説明いたします。本請願の要旨は、農地法によつて地主は土地を無償に等しい價格で買上げられ、年貢米は低廉な金納となつたため、零細地主の生計は成り立たなくなり、その生活は窮迫している。ついては零細地主にも最小限度一二町の保有田を認め、その生活を維持できるように農地法を改正されたいというのである。
 次に日程第三について説明いたします。本請願の要旨は、地主は生活の基礎である農地が農地法で買收されたが、二年も経つた現在いまだに買上金が支拂われず、残つた僅少の貸地についても小作料よりも地租税その他の雜費が割高のため赤字となり、生活が維持できない。ついては地主の生活を安定させるためすみやかに政府売上金を支拂う金納小作料を引き上げられたいというのである。
#35
○坂本委員長 各請願に関する農林当局の意見を求めます。
#36
○伊藤(佐)説明員 日程第八に関しましては、すでに十月八日付をもつてこれを採択いたし、目下五十五町歩の耕地を開発いたしておりまして、本年度におきましてはその予算を期待いたすことはできないのでありますが、來年度予算においてはできる限り努力いたし、これだ開拓助成に力をいたしたいも思つております。
 次に日程第九に関しましては、実情をよく檢討いたしました上、干害対策を施行いたしたく、隧道の必要あればすみやかにこれを完成いたしたいと存じます。
 次に第一三についてお答えいたします。本請願に関しましては問題が二つあると思います。第一は兒島湾開拓そのものの促進であり、第二は塩害に対する処置の問題であります。第一に関しましては、本年四月をもつてその工事拡張を一應締切り、六千万円の予算をもつて施行中であり、その干拓面積千七百町歩に及ぶものでありますが、技術面にも現在のままでは完成しがたい状況でありまして、何とか最低程度の補強をいたしたいと思つている次第であります。入植者の件につきましては昭和十九年より希望者二百数十名が人夫として自発的に開拓工事に從事しており、その大半は引揚者をもつて構成されているのであり、完成後は耕作権を持つ事になつているのでありますが、予算の点でこの人々の困窮も救われるものであります。第二の問題に関しましては、本年度一般干害による塩害に対する対策及び該地方特別の被害につき両面より調査いたし、適切なる対策を処理いたしたいと思います。
 次に日程第十九に関しましてお答えいたします。開拓は治山治水の実をあぐるをもつて目的とするものであり、その点で適切なる干拓はできる限りやりたいと思つております。
#37
○伊藤(嘉)説明員 日程第六についてお答えいたします。地方競馬場の数は競馬法第十九條の規定によつて定められており、北海道においては六箇所と制限せられているのであります。すなわちすでに岩見澤、帶廣、北見旭川、室蘭及び小樽の六箇所が開設せられていますので、釧路競馬場を地方競馬場に編入するためには、法律を改正することを要するものであります。しかし勝馬投票券の発賣金額及び競爭馬の点から見まして、地方競馬場を増加することは必ずしも適当ではないよう思われるのであります。
#38
○片山説明員 日程第一一について申し上げます。本請願につきましては農林当局といたしましてもその趣旨とはまつたく同感でありまして、楮については、その増産の必要を認め増殖のためその予算の増額を要求中であります。また漆に関しましては、加工藝品としての漆器の重要性にかんがみまして、昭和二十三年度から、生産地府縣に対しまして苗木の養成を委託して増産をはかつている次第であります。
#39
○小竹説明員 日程第二一について申し上げます。本請願の要点は第一に利率の引下げ、第二に共同施設の設備資金という二点であると思います。第一の利率の引下げにつきましては、現在の農林漁業復興金融の暫定措置におきましては、九分五厘ないし一割という利率は蓋しやむを得ないものがあると思うものであります。何となれば右暫定措置の資金源は、農林中央金庫が農林債券を発行しそれを復興金融金庫が七分五厘で引受けることによつて獲得されるのであり、これに貸出の実務を取扱う農林中央金庫の事務費を加えると、どうしても貸出利率は最低九分五厘とならざるを得ないわけであります。しかし將來金融業法の一環として誕生するはずの恒久的措置においては、以上の貸出利率なかんずく造林関係資金の貸出利率は、適正利潤まで引下げる必要があると思いますので、その実現に努力いたしたいと存じます。第二の共同施設の設備資金につきましては、組合の共同施設として木炭倉庫、製材設備、木工設備等の設備資金につきましても融資の道を講ずべきはもちろんでありまして、これにつきましては恒久的措置決定のあかつきのおいて、できうれば第四、四半期よりこれが実現を期したいと存じている次第であります。
#40
○鈴木説明員 日程第一七につきまして申し上げます。現在地主の保有地は一町歩を限度とすると農地法によりきめられており、これを十二町歩等に改正するということは、事務当局としては不可能なことであり政治的問題として解決せらるべきものだと存じます。
 次に日程第三について申し上げます。金納小作料に関しましては前の請願については同樣なことが言えるのでありますが、農地法により政府買上金の支拂いに関しましては、現在農地法による地主の土地買收はその目標の大半を終了しましたが、買收に全力をそそいだためこれにのみかたより、買上金の支拂いが遅れる結果となりましたことは遺憾に存ずるところであります。今年をもつて買上の八割を終了いたしましたのでデ大体、今後はその支拂いに力を入れることとなると存じます。現在までの買上期日を八回に分ち、各期ごとにまとめて支拂いをなしていますが、目下第三回まで進捗いたし、買收総額の二四%を終了いたしております。今年中にはその大判を終りたく、円滑にゆかぬ点をさらに檢討し、せつかくその支拂いに努力いたしたく存じます。
 小作料の値上に関しまして一言つけ加えたいことは、現行小作料は昭和二十一年の農地改革の一環として決定せられたもので、地主米價より上値にあり石当り七十五円となつておりましたが、その後の経済事情激変のため現在ではその妥当性を欠き当然檢討を加えられる余地ありと考えるものであります。
#41
○坂本委員長 この際お諮りいたします。日程第二二、春日井市に國営競馬場設置の請願、早稻田柳右衞門君紹介、文書表番号第三八二号は、同君紹介、文書表番号第一一一号と全然同一でありますので紹介説明を省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○坂本委員長 それではさよう決定いたしました。以上の各請願に関して何か御質疑はありませんか。――別にないようでありますから、各請願を一括して採決を行います。
 日程第八、第九、第一三、第一九、第六、第一一、第二一、第一七、第三、第二二の各請願は議院の会議に付するを要するものとし、採択の上、内閣に送付をするを適当と認むるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○坂本委員長 御異議なしと認めましてさよう決定いたしました。なお、報告書の作成は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○坂本委員長 それではさよう取計らいます。なお残余の各請願及び陳情書はいずれも延期し、本日はこれにて散会いたします。
   正午散会
ソース: 国立国会図書館
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