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1948/11/18 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 水産委員会 第7号
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1948/11/18 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 水産委員会 第7号

#1
第003回国会 水産委員会 第7号
昭和二十三年十一月十八日(木曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 西村 久之君
   理事 冨永格五郎君 理事 藤原繁太郎君
   理事 馬越  晃君 理事 外崎千代吉君
      石原 圓吉君    川村善八郎君
      關内 正一君    仲内 憲治君
      夏堀源三郎君    庄司 彦男君
      野上 健次君    小松 勇次君
      三好 竹勇君    鈴木 善幸君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 周東 英雄君
 出席政府委員
        水産廳長官   飯山 太平君
 委員外の出席者
        水産廳次長   藤田  巖君
        農林事務官   久宗  高君
        農林事務官   矢野 靜男君
        專  門  員 小安 正三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 水産業協同組合法(内閣提出第一五号)
 水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整
 理等に関する法律案(内閣提出第一六号)
 漁業権等臨時措置法案(内閣提出第一七号)
    ―――――――――――――
#2
○西村委員長 これより会議を開きます。
 水産業協同組合法案外二法案の審議をいたします。農林大臣に対して馬越君より通告の順位になつておるのでありまするけれども、農林大臣の御出席がありませんので、大臣の御出席の機会に馬越君の通告は讓ることにいたしまして、次の通告者である川村善八郎君にお許しをいたします。川村君。
#3
○川村委員 終戰後すべての角度から民主化されなければならないというので、もうすでに実行に移されつつあるものが多いのであります。しかしながらひとり水産業に関する民主化は遅々として進まないばかりでなく、その根本となるべき法案ですら、ようやく今回の國会に上程されることに相なつたのであります。内容すべてを見まするときに、われわれの意に沿わないものがたくさんありまするし、また基礎となるべきところの漁業法も、諸種の事情から今回提出することができないというようなことで、まことに遺憾であります。しかしながら漁民といたしましては、今やこの協同組合法をすみやかに制定をして新発足せしめなければ、漁村の混乱は申すに及ばず、漁民の今後行くべき、経済的にもまた思想的にも及ぼす影響が重大である。かように考えまして、言いかえるならば、混乱の極をきわめまして、民主化どころか、かえつて惡化するようなことに陥りはしないかと私はひそかに憂うるものであります。でありまするけれども、この法案に先ほども申しました遺憾の点がありまするので、國会の会期が十分にありまするならば、内容を十分に檢討いたしまして、修正すべきところは修正し、漁民の意に沿うべくわれわれは審議をしたいし、通過さしたいのでありまするけれども、その時間の余裕がないのでありまして、会期もすでに余すところ十数日というぐあいで、その間公聽会も開かなければならないし、結論に達しまするまでには相当の時間の研究も必要だと考えております。いろいろこういう点から考えまして、この法案の通過には困難性のあることを予想しておるのでありまするけれども、これとても委員長初め水産廳当局並びに委員諸君の協力一致によつて、極力この通過に努めるならば、私はさまで困難なことはない。内容の不備等については、先般の御答弁によりまして、当局は漁業法が第四回の通常國会に提案される場合には、不備の点は改正してもよろしい、かようにほんとうに心を打明けてわれわれに御答弁願つたのでありまするから、そういつた見地から見ましても、不備は不備として、上下ともにこれを通過させるべく努めますならば、たとえ第三國会は短期間であるといえども、私は困難を克服することができると信じておるものであります。しかしながらこの点においていろいろ折衝しなければならぬところや、あるいは手続等には相当また困難もあるでありましようが、そういう困難をこの際克服して、これを通過するという強い意思が、水産廳の長官を初め当局の方々並びに委員長にありやということを、私はまずお伺いいたしたいのであります。
#4
○飯山政府委員 ただいま川村委員からの御質問に対しましては、満腔の同感をもつてお答えしたいと思います。もちろん内容につきましては、先般來各委員の方々から具体的に詳細に御意見を拜聽しておつたのです。それらに基きまして、できるだけ早い機会において内容を整備する、完備する、これについては全力を費いで努力いたしたいと考えておるのであります。なおこの短期間におきまして、われわれといたしましては、関係方面ともできるだけ密接な連絡をとり、またわれわれも努力いたしまして、ぜひとも通過いたしまするように、われわれとしてなすべきことは十分になし遂げたい、こう考えております。
#5
○川村委員 ただいまの御答弁において熱意のあることは十分承知いたしました。私はこの協同組合法案の内容をずつと暼見いたしまするに、目的はまさに百パーセントと言わなければならぬのでありますけれども、はたして目的通りなし得るかどうか、ということについて総括的に申し上げますと、まず事業面で見ますると、過去の漁業会の事業よりははるかに多くなつておりまして、倉庫事業やあるいは團体の協約やら、教育事業というような新たな事業も織り込んでおるのであります。また漁業もなし得るというように織り込んでおります。しかしながらこの事業を遂行いたしまするに、まず漁業権の問題が一番私は重要になると思います。漁業権は根つき漁業権あるいは区画漁業権も一部しか協同組合が保有することができないとするならば、事業を起したくとも、一体その事業の收入になるべきところの財源をいかにして求めるか、この法案から見ますると、出資によるということが重点に置かれておるように思われますが、出資はこれまでの側から見ましても、また今後の協同組件の組織から見ましても、零細漁民を主としておるようであります。制限も加わつておりまするので、おそらく出資は事業に貢献するだけに見るべき出資か、私は不可能でないかと考えるのであります。さらに組合の地区におきましても、定隷で定めるということになりますと、一つの協同組合をつくりますのに、おそらく一部落にも地区が重なるというようなこともあり得るのでありましようし、一箇町村にいたしましては、むろんそういうようなこともあり得ると思うのであります。しかも組合員の資格といたしましては、三十日以上九十日の間で漁業を経営する者、あるいは漁獲に携わる労働者というふうになつておりまして、はたして一体組合員たる資格をもつ漁民の判定をどこでつけるかというようなことも、われわれが漁業を長くやつてきており、しかも組合運動を三十年もやつてきた経驗をもつておるけれども、なお苦しんでおるということを言われるのであります。なお組合員の資格の中に正組合員、准組合員があつて、准組合員には議決権も選挙権ももたせないということであれば、ほんとうに組合を信じて加入する者があるかどうかといつたようなことも考えられるのであります。あらゆる点から見まして、はたしてこの協同組合を設立したところで目的通りの成果をあげ得る確信を、御当局はお持ちになるかどうか。もしお持ちにならない、やつてみなければわからないというようなお考えでありましたならば、漁業法が第四回國会に提案される場合に、そうした不備を補うために本法を改正する意思があるかどうか、これは前者も質問しておりますが、私は重ねてお伺いしたいと思います。
#6
○藤田説明員 御趣旨の通り、漁村と申しますのは非常に民度の低い現状でございます。從つてこのたびの協同組合の考え方は、組合員の自主的な意思に基いて、その組合の設立なり運営をやつて行くというふうな考え方でございますが、これの協同組合の設立なり運営がうまく行くかどうかということは、一にかかつて漁民の自覚の程度によるものでありますから、現状におきましてはいろいろ御懸念の点もわれわれといたしましても感じておる次第ではございますが、しかしながら、これはやはりこの協同組合の趣旨の普及、宣傳、啓蒙を別途にやつて行きまして、漸次この協同組合の趣旨が漁民に徹底をして、りつぱな協同組合ができるように、あらゆる面から指導して行く、それ以外に方法がないのではないかというふうに考えております。
#7
○川村委員 ただいま次長からの御答弁で、自主的に協同組合を設立して行くというようなことでありますが、先日も石原委員からそのことについて当局に質問をしたのでありますが、漁民の総意とか自主的というようなことはまことにりつぱなことではありますが、はたして一体日本の零細漁民は、御当局の考えておるようにそれだけ知識が発達しておるかということであります。それゆえに目的の一項に教育事業というものを入れたことは非常によい方法だと考えてはおりますが……。
    〔委員長退席、冨永委員長代理着席〕
まだまだ自主的にといつたようなことで、のんきな方法をとつておるならば、おそらくかえつて困難をするのではないか、從つて先日も問題になりましたように、役員の優秀な人たちが、眞に自覚して組合運動に挺身する、すなわち漁民を指導して行くというふうなことでなければ、この組合の発展が期せられないような漁村の実情であります。けれどもその点においては農業協同組合法とは相当に開きがあつて、たとえ前役職員であつても、りつぱな人はその線によつて入つて行くことはさしつかえないという御答弁もいただいておるのでありますが、われわれ漁村におきましては、すなわち自主的にやつて行くとなれば、ややその点においては成功し得ると思うのであります。しかしながら何をいいましても漁業協同組合で一番脅威を感じたのは、今度根つき漁業、区画漁業しか権利はもち得ないということが一番大きな打撃だと思います。自主的に加入するにしましても、地方によつては根つき漁業などはほとんどない所があるのであります。その点を緩和するためには、生産組合をつくつて云々ということがありますので、その点で緩和して行けばよいと思います。しかし今後加入します組合員は、この権利を自分たち漁民が利用できないという立場にある人は、はたして加入するかどうか、私は加入しないと見ておるのであります。そうしたことから考えまして、この法案がかえつて骨抜きになるきらいがないでもないのでありますが、漁業権の制度の改革の場合におきまして、根つき漁業というものをいま少し拡大する意思があるかどうか、言いかえれば、根つき漁業というものは当局の見解では海藻とか、貝類とか、あるいは海虫類というようなものを考えておられますが、われわれ漁業者一般の考え方からいうと、根つき漁業というものは、あぶらこだとかそいだとか、いわゆる暗礁、俗に根といつておりますが、その根についていて底から一本ばりでつるとか、あるいはわずかの区域でほんとうに零細漁民がつり漁業をやるというようなことがたくさんあるのであります。せめてはそうしたものを根つき漁業権に加えるか、もしくはこれまで零細漁民が寄合つて、小定置漁業というようなものも経営して参つたのであります。そうした点からいわゆる漁業会の財源をとり、また会員がそれぞれ生活の財源を求めて参つたのでありますが、この合組の漁業権について、將來もし根つき漁業権を保有して運用した場合に、漁民の先ほど申し上げましたような点について漁業権の拡大をはかることができ得るかどうかという点をお伺いしておきたい。
#8
○藤田説明員 このたびの漁業法によりまして、漁業権の所有は、これを経営する場合に認める。みずから経営するものに漁業権を與えるということが、このたびの漁業法の原則でございます。ただ特別な外例といたしまして、根つき漁業及び区画漁業権の一部につきましては、漁業協同組合にこれを與える。そうしてその経営はその組合員がみずからやるというような建前になつておる次第であります。從いまして生産組合なり、漁業協同組合がみずから漁業を経営するという場合におきましては、根つき漁業権と区画漁業権の一部以外のものでも当然もち得るわけであります。しかもそういうふうに生産組合あるいはまた漁業協同組合が自営いたしますという場合につきましては、漁業法中におきましてそれを優先的に考慮するということにも相なつております。またそういうふうな問題につきましては、今後も資金なり資材の面についても、できるだけの配慮を拂つて行きたい。こういうような考え方でおるわけであります。それから根つき漁業権の範囲がいわゆる根つき、磯つきに限られている。これをもう少し拡げる意思がないかというようなお話であります。今度の考え方は、権利というものはどうしてもそれを排他的に所有せしめ、権利として保護するにあらずんば、その経営自体が立ち行かないというようなものに権利は限定をするというふうな考え方で参りましたので、從來の專用漁業権の中の浮負漁業というものについては、これをむしろ権利のそとにおきまして、権利としてこれをやるのではなく、漁業調整委員会の調整方式によつて、これを調整して行くというような建前にしたわけであります。その点はいろいろと漁業権に対する私どもの構想も第一次、第二次、第三次とかわつてまいりました。現在とつております考え方の根本的な点であります。相当この点については根本的な問題でございますので、全体の構想とにらみ合せて、愼重にこれを考究いたさなければ、各方面の考え方にまた行き違いが起つてくると考えております。しかしながらこの点につきましては、法案自体もすでに公開をしているわけであります。公聽会その他によつていろいろ忌憚のない御意見を伺いまして、そしてその意見のあるところによ誠て、なお各関係方面との折衝によつて、直すべきものは直していくということは、私は何もさしつかえないことであるというふうに思つております。
#9
○川村委員 次の地区の問題でありますが、この法案を見ますと、定款で定めるということになつております。そうしますと、かりに甲の発起人によつてどこにそこの区域を定める。乙の発起人によつて同じ区域を定款に定めるという場合があつたときには、一体どういうふうにとりはからつたらよいか。また当局といたしまして、こうしたようなことについてどういう態度をとるか。そういう点について伺います。
#10
○藤田説明員 私どもの考え方といたしましては、一つの組合によつて完全にうまく行われていりような地方におきましては、やはり一つの協同組合ができまして、そこで円満に仕事をやつて行くことになることが、きわめて望ましいというふうに考えております。しかしながらこれは漁民諸君の自由意思に基くものでありますから、場合によりますれば、そういうようなものが二つできるというようなことも、これは法律の建前からしては避けることができないというふうに思いますが、漁業権の保有主体としての協同組合というものは、これはその地区内の根つき漁業を営んでおります者、つまり組合員たるの資格を持つている者の三分の二以上その組合に加入をいたしている組合に対して與える。そういうことになつているわけでありますから、漁業権をどの組合に與えるかという問題につきましては、そこにいくらたくさん組合ができましても、おのずから一つに限定され、その点は支障はないのではないかというふうに思つておる次第であります。しかしわれわれといたしましては、先ほど申しましたように、円満に行つておりますところは、できるだけ一つのものができて行くということを希望いたしている次第であります。
#11
○川村委員 次長さんの考え方はそれでいいのでありますけれども、もし根つき漁業権のない場合であります。いずれにいたしましても、協同組合をつくらなければならないということは、根つき漁業権のあるとないとを問わず、漁民がひとしく考えておるところであります。從つて今次長さんの言われる漁業権問題云々というようなことよりも、もつと思想的にも相容れないところのものが、その部落あるいは町村に二つあるというような場合は、漁業権の問題とかけ離れて、やはり二つにも三つにも分離されても、自由な意思でありますから、これはかまわないのでありますけれども、私らに言わしめれば、今まで一箇町村一つでやつて來ましたのが、まあ言いかえれば、分離されたというようなかつこうになるのでありますが、こうしたことによつて、かえつて協同組合の方がりつぱであつても、内容的にはいわゆる漁民の不幸を見るという場合ができますので、そういう質問をしたわけでありますが、でき得れば指導の面で、先ほど次長さんが言われたように、せめては部落單位、できれば一町村一つというふうに、大きくいわゆる協同組合をつくるというように御指導を願いたいと思うのであります。
 次に組合員の資格でありますが、この法案から見ますると一年を通じて三十日から九十日までの間で漁業をやつておる者、あるいはこれに働いておる者とありますが、こうなりますと実際問題はこういうことがあります。北海道のいかつり漁業のごときは最も簡單な漁業でありまして、子供でも学校の教員でも女でも、いずれも船さえあつてあのつり道具さえあれば、漁業することができる。しかもこれは一年を通じて九十日や百日の問題ではない。半年以上その業に携わつておるというようなことが北海道にはたくさんあるのであります。こうしたような場合に、本業は学校の先生である、あるいは農業であるというようなことであるけれども、九十日以上もその漁業に携わつておるという場合に、この判定を一体だれがするか、協同組合ができる前に、すでにこの組合員の資格というものが明らかにならなければならぬにもかかわらず、そうした判定をする機関をどこにするのかということに、私は悩んでおるのであります。こうした点において、次長さんはどういう方法で御指導なさるか、御所見を伺いたい。
    〔冨永委員長代理退席、馬越委員長代理着席〕
#12
○藤田説明員 この漁業協同組合の組合員たる資格をもつておりまするのは、漁業を営む者または漁業を営む者のために水産動植物の採捕もしくは養殖に從事する者、こういうふうになつておるわけでありまして、営業としてまずそれを営むということが先決の要件であります。從つてこれが営業と見られるかどうかという点について、まずふるいがかかるわけでありますが、これはやはりその考え方は、一般の社会的、経済的な通念によつてこれを律して行くというふうに考えております。社会一般的の通念によりましてまず組合自体がこれを判断をする、そしてその組合自体の判断においてもしも問題があります場合は、これを訴訟の形式においてはつきりと確定をする、こういうふうな考え方になつておるわけであります。しかしながらこれについては、私どもとしても、主な場合についていかなるものが漁業者であるか、あるいは漁民であるかということについては、できるだけその趣旨を明らかにいたしまして、誤解のないように実際問題としてはその趣旨の普及宣傳に努めて参りたい。やはり私どもとして判断します基準も、これは具体的な事例についていろいろな條件を勘案いたしまして、社会的、経済的通念によつてこれを処理するというふうなこと以外には、方法はないのであります。そういうふうな例を漸次つくつて行くことによりまして、ああいう一つの有限的な会社をつくり上げて行くということになるわけであります。
#13
○川村委員 組織後にいたつては、協同組合の役員会なりあるいは総会なり、総代会なりで判定することができるでありましようけれども、まず組織する時分が一番問題になるのであります。この法案を見て、おそらく三十日から九十日までというと、今度はおれも組合員になれるのだというような人がたくさんあると思う。まずその組織人の資格に当てはまる正組合員の判定であります、これにわれわれが悩んでおるということなんであります。その点がでこが組織人か、はつきりしていないということであります。
#14
○矢野説明員 川村さんのおつしやいますように、組合ができましてから、まず組合の定款のきめるとこめに從いまして、組合の理事会で一應判定するということになると思います。組合ができる前にどうするかという問題については、これはまず設立前には発起人の発起のもくろみ書というものをつくります。そこで大体の漁民の概念といいますか、わくというものが出るわけであります。その次にそのわくに必ずしも拘泥せずに、自分でそういう資格があると考える者が設立準備会に出席するわけでございます。そのときに総会の準備会の会議の結果、自分ではそういうような出席資格を持つておるというような者がありましても、そこであれは資格はないというような具体的な問題がいろいろ出て來ると思います。その総会で、先ほど次長の御説明のありましたように、社会的な、経済的なその地区の一般基準によりまして、出席資格を持つ漁民であるかどうかということがそこで論議されて、設立前はその準備総会においてその基準がきまるというように考えております。
#15
○川村委員 大体わかりましたが、加入の場合には加入できないようなむりな條件をつけてはならないという一項があるのでお伺いしたいのですが、どうかこうした組合員の資格という問題については、当局は漁村を混乱せしめないように、今から基準になるべき御指導の方針を伺つておきたいと思います。それから準組合員でありますが、この中に加工業協同組合に入らない加工業者、こうあるのでありますが、私ら漁村におりまして実は漁村の加工というものは一次加工、すなわち処理加工が重点におかれております。言いかえるならば漁業と加工業とは一貫性をもつているものでありまして、漁民でないといえば漁民でありませんが、漁民と同じ立場において漁獲と処理というものが相一致して、すなわち生産を増強することができると私は考えるのであります。なお加工組合のことについては、私らと当局とは考が違うかしれませんが、私は漁村においてはすべて加工業協同組合というものをつくらせたくないということが、かつてのわれわれ組合を運営して参つて事実からの考えでありまして、どうも漁村に加工組合と漁業協同組合とできますと利害相反することができる。一つになつていると非常に緩和しやすい。でありますけれども、規則ができますと必ず二つになるということなんですが、それについて、かりに二つになつておりましても、加入を快くせしめるということになりますと、いわゆる決議権と選挙権を拡大しなければ喜んで加入しないことになりはしないか。この四分の三と、四分の一とこうなつておりますが、やはり定款で、あるいは規則ではつきり四分の三なら三というものは漁民から、その以外の者から四分の一というふうにして、四分の一のそうした準組合員たるべきところの選挙等については、それはやはり私は組合に與えた方がいいのじやないかと考えているのであります。この点につきまして、漁村の実情から私はお話し申し上げたのでありますが、御所見を伺いたいと思います。
#16
○藤田説明員 この点につきましては、漁村の事情によりましてそれぞれ必ずしも一律には参らぬと考えております。いろいろの事情の所があるわけでありますから、これを必ずどうするというようにきめてかかることは、また実情に沿わぬ点があろうというふうに考えます。從つて、漁業協同組合に加工業協同組合の組合員たらざる加工業者も準組合員として入るということにいたしておりますが、やはり漁業協同組合の本來の漁民の團体であるという建前は失いたくない。それを沒却いたしまして、あるいは例外をつくりまして、他の者が正組合員として入るというような構成にいたしますと、場所によりますと、本來漁民が中心であるべき協同組合が、他の漁民以外の人のために左右されるというようなおそれもあるわけであります。やはりその建前は堅持して参りたいと考えます。それから役員は、四分の三は正組合員から出す。それから四分の一は他の者から出す、この問題につきましても、本來を申しますれば、やはり正組合員の中からすべての役員が出ることが建前としてはいいわけであります。ただ漁村の実情から考えまして、それもそうきめてしまうことはまた非常に困るということで例外を置いたわけでありますから、特に四分の一は必ず外から出すということをいたしますことも、これは行き過ぎだというように考えるのです。それは地方々々の事情がございますので、運営において適当にこれをしかるべく決定して行くということが、一番いいんじやないかというふうに思つております。
#17
○川村委員 しかし事情は先ほど私が申し上げたようなことでありますから、この法案が通りまして、協同組合を運営してみた後において、多分そういうことが私はできると思いますが、改正すべき点があれば改正するという御趣旨でありますから、よろしゆうございます。
 次に役員の任期のことにつきまして、先日各委員から申し上げたので、ただ私は要望だけ申し上げます。役員の任期は一年とありますが、それでは短かいと思います。いくら短かくても三年なければならないと思います。それで実は三年ということを定款で定めることにしたいという要望だけ申し上げておきます。
 それから次に生産組合の問題であります。生産組合のところを見ますと、非常に制限がやかましくついています。出資は働く者が半分以上持たなければならぬ、あるいは一人で平均の二倍以上を持つてはならぬというようなむずかしい條件がついておるのでありますが、はたしてそういつたようなむずかしい條件をつけて生産組合が成り立つかどうか、いわゆる事業の運営ができるかどうかと心配するのであります。先ほども申し上げましたように、働く者に事業の大半の出資を認めてと言われましても、出資は不可能であります。それから資本家が持つということも、一應私は納得が行きますけれども、そうしたことを條件けつけるというと、今日一つの漁業を営むにしても、百万や二百万のものでは仕事が成り立ちません。そうすると、これらの資金を全部出資でまかなえということでやりましたならば、とうていまかない得ないことは、はつきり言えるのであります。それを借入金でまかなうという御答弁が先日あつたようでありますが、はたして一体今日働いている者に、中央金庫なりあるいは復金なり、政府資金で融資をしてくれれば別でありますけれども、商業銀行は働く人にどの程度の信用を持つか。私はかつての事実からいたしまして、働く人が百人集つて百万円の金を借りるよりも一人で信用のある、力のある人が借りやすい。そうしますと、どうも利益は働く者にだけ持つて行かれて、信用とか、財産とかいうことを当てにして金融機関がほんとうに事業資金というものを、貸してくれるかどうかいうことを考えてみたいのであります。そうした意味からいたしまして、この生産組合の趣旨には賛成はしますけれども、この生産組合設立のあかつきにおきましては、政府資金を十分これに補いをつけて、生産組合の実をあげていただくように要請する次第であります。なお設立につきましていろいろ意見もありますけれども、他の委員の質問もうると思いますから、私の質問はこれで打切りますが、後刻また必要に應じてはさらに質問をいたしたいと思います。これで私の質問を終ります。
#18
○馬越委員長代理 川村君にちよつと申し上げますが、あなたの御発言中に役員の任期の点がございまして、政府へ向つて要望をするというお言葉をお使いになつたのであります。すでに法案は本委員会に御提出になられ、これを修正するもしないも本委員会の意思によつて決定すべきものであると思うのであります。この際において、任期の点について委員から政府へ要望するというきとは、委員会の権威の上において、どうもそうした記録を残すことは將來よろしくないと思うのでありますが、お取消し願うなりあるいは他のお言葉で表現をせられるなりしていただきたいと思います。
#19
○川村委員 わかりました。これはかりにかように原案通り決定をいたしましても、運営の上において必ず支障の來る場合を私は見越して要望するのであります。もし運営した後において、そうした欠陷が出ました場合には必ず改正を要望する。こういう意味において申し上げております。
#20
○冨永委員 去る十一月十五日、本法案に対する農林大臣の提案理由の説明につきまして、実は今日御質問申し上げたいと思いましたが、大臣の御出席がありませんので、この点は一應保留させていただきまして少しこまかくなりますが、逐條的に御質問を申し上げたいと思います。第七條の私的独占禁止及び公正解引の確保に関する法律の適用について「上欄の漁業種類の一種若しくは数種を営む者又はこれに從事する者に限つている漁業協同組合」とありますがとその方欄の漁業の種類以外の者が一人でも入つておればさしつかえないのかどうか、第七條第二項を規定するのは実質的にどういう理由があるのか、それが一点。それから第十條の二項、漁民の定義ですが、これは各委員からもいろいろお話がありましたが、「「漁民」とは、漁業を営む個人又は漁業を営む者のために水産動植物の採捕若しくは養殖に從事する個人」とありますが、漁業を営む者という意義がきわめて不明になつておるのであります。もし漁業を営む者に漁業を営む会社も入るとすれば、会社は漁業協同組合への加入は認められていないのに、その從事員たる会社の漁業從事員が、漁業に從事するけれども、支拂いは大体抱料でもつてやつておる人々が漁業協同組合員になれぬという説明が先般あつたのですが、この点は非常に不合理だと私は考えるのですが。法がこうなつておるからという御説明もさることながら、政府委員はこの点に関する矛盾、不合理をお考えにならないかどうかという点をお伺いいたしたいと思います。「漁業を営む者」を、「漁業協同組合、または当該漁業協同組合の組合員たる漁業を営む個人」というふうに訂正することが妥当のように考えられますが、政府の御見解はどうか、お伺いいたします。
    〔馬越委員長代理退席、西村委員長着席〕
#21
○藤田説明員 まず第七條の御質問でございますが、上欄に掲げてございます漁業種類以外のものが一人でも入つている場合はさしつかえないかということでありますが、私どもとしては、そういうような場合は特に予想はいたしませんけれども、解釈といたしましては、ここにございますように、上欄の漁業種類の一種または数種を営む者、またはこれに從事する者に限つている漁業協同組合であつて、ここに規定をいたしております。從つてそれ以外の者が入つております場合はこれには該当しないということになるわけであります。しかしかような場合はあまり私どもとしては予想していないわけであります。それから、特に上欄の四種類の漁業に限つた理由でありますが、私どもといたしましては、独占禁止法の適用をできるだけ漁業協同組合は排除したいというふうな考え方でございますので、ここにあげておりますものは、これは非常に大きな状態のものであり、また、これを経営するについて必ずしも零細な漁民とも言えないように感じましたので、これは代表的なものとして除いたのであります。これ以外のものは、いろいろの状態がございますが、これは特に問題としない、これは全部適用を除外するという中に入れておるわけであります。それから、第十條の「「漁民」とは、漁業を営む個人又は漁業を営む者のために」と特にここに書きわけてございます趣旨は、これを一應私どもとしては意識的に書きわけておるのでありまして、從業者は、その協同組合の組員員である個人の從業者以外に、会社の從業者もこれを含む、こういうふうな解釈でございます。その趣旨は非常に矛盾するのじやないかというふうな御質問で、一應ごもつともと考えておりますが、私どもといたしましては、この協同組合の考え方は、漁村の民主化を達成するために必要な漁村の基法の母体というふうに考えておるのであります。そうしてしかも協同組合は、その事業といたしまして、いわば流通部面の仕事もあるわけでありますけれども、そのほかに生活の部面の仕事がある。漁民の生活という問題も強く触れておるわけであります。それからまた水産に関する技術の向上、及び組合事業に関する組合員の知識の向上、こういうふうな啓蒙運動というものも相当重点的に取上げておるわけであります。そういうふうな事由からいたしまして、廣く一般的に常識的に漁民と考えられておる者は、できるだけこれを拾つて、そうして協同組合の事業を通じて、漁民の経済的、社会的治位の向上をはかつて行きたいというふうな趣旨から考えまして、特にまた、漁業会社と申しましても、非常にその規模内容においてはまちまちでございます。大きな会社は別といたしまして、小さな会社の從業者というものは、かりにこの協同組合法の適用から排除いたしますれば、それらに対する組織というものがないことになります。從つて、私どもといたしましては、一應そういうふうな会社の從業員も同じく協同組合の組合員として参加をせしめる機会を與えて、それによつて啓蒙運動をやる、あるいはまた生活の問題についてもいろいろめんどうを見るというようなことをやる方が、漁村の実情に適應しておるというふうな考え方から、かようにいたしたわけであります。それから第七條の第二項についての御質問でございますが、独占禁止法の第二十四條第三号と申しますのは、これは議決権が平等でなければならないという規定でございます。ところが協同組合法では、議決権は正組合員と準組合員によりまして從ずしも平等でございません。御承知の通り準組合員には議決権を與えておりません。そういうふうな考え方からいたしまして、議決権の点については違うのでありますけれども、少くともこの議決権平等の要件につきましては、これはその要件を備えておる組合とみなす。かりに独占禁止法の適用を受ける前項第一号、第三号及び第四号の組合であつても、ほかの條件によつて独占禁止の條項の適用を受けるということがありましても、少くも議決権の関係においては、これは除かれる方の組合と同じように議決権平等の組合とみなすという趣旨でございます。
#22
○冨永委員 ただいまの点は大体了承いたしますが、この点についてはなお考慮の余地もあると思いますから保留しておきます。
 次にお尋ね申し上げますが、第十一條の漁業協同組合で行うところの事業のうち、船だまり、船揚場という文字は從來使いならされておつたのでありますが、わが國の漁業の情勢から考えまして、これは漁港というような廣義に解されるものに改正する方がよいのではないかと信じますが、どういうものでございますか。なお、これによりますれば、同一地区内に数個の漁業協同組合もできるようになるのでありますが、はたしてこうしてできた漁業協同組合が、漁港の修築者となれるような強力な組合員ができるのだというふうに当局は考えておられますかどうか、それについての御意見を伺いたい。
#23
○藤田説明員 この船だまり、船揚場という字でございますが、これはお話のございましたように、漁港の一種、すなわち小さな漁港というふうな考え方で、同一にいたしますことも支障はないと考えます。ただ氣持は、漁業協同組合が取上げますものは、そんな大きな漁港という意味ではないのでありまして、いわば普通に言つておりますところの船だまり程度というふうに考えまして、特にこの字の方が実情に合うのではないかと思つておりますが、これは言葉の使い方でございますので、どちらでもよろしかろうと考えております。それから、こういうふうな問題について、はたして漁業協同組合がこれを取上げるだけの資格があるものであるかという御質問でございますが、もちろん漁港、船だまりにいたしましても相当厖大な資金がいるわけでございます。私どもといたしましては、やはり生産を基礎としての漁港、船だまりというものを漸次完成して行くことがきわめて必要であると思つております。將來の問題としては、やはり漁業協同組合に対しましても、積極的にこういうふうに仕事をやらせる、またこれに対して國ができるだけ積極的な援助をもつて進んで行くというふうな態勢で進めて参りたい。もちろんこれは貧弱な漁業協同組合としてはできないのでありますが、事業としては、やはり將來の方向を明らかにするために、こういうふうにいたしておきたいというふうな意味であります。
#24
○冨永委員 漁業協同組合がそうした事業をやり得る立場に行けるところまで政府当局は認めて行こうという、たいへんお力強い御意見を拜聽して了承した次第であります。
 次に第十七條によりますと、一定の條件を具備した漁業組合は「漁業及びこれに附帶する事業を営むことができる。」というのですが、その漁業というのは一体どういう意味をさすのか、具体的にお示しを願いたい。ただ漠然と漁業という意味では非常に不明になると思うのです。また漁業に附帶する事業の具体的な範囲はどういうものをお考えになつておるか。要するに改正漁業法とにらみ合せなければ、本條の規定の内容は不明であると思われますが、この点に対する御意見を伺います。
 次に根つき漁業の保有が可能であると、先ほどわかの委員からの質問に対して説明がありましたが、根つき漁業権というものの法的の内容はどういう点でありますか。また根拠が何によつて明らかになるのか。ここにも改正漁業法との関係が非常に不明になるように思われる。漁業協同組合に付與される漁業権が根つき漁業権や区画漁業権の一部のようなものだけで、はたしてわが國の沿岸零細漁業者の協同組合が、第一條の組合の目的を十分に達せられると思われるかどうか。この点はほかの委員の方々からも質問があつて、重複するようでありますが、こうした問題を取上げる場揚、どうなつておるか伺いたい。ことに第十條に掲げるかつお、まぐろ、機船底曳、あぐり網、定置漁業等の経営者たちが、第十八條第二項の規定による業種別の漁業協同組合をつくつて、いわゆる地区漁業協同組合と別個なものとなつて、零細な沿岸漁業者のみでつくつた漁業協同組合が從來取得していた、相当内容豊富な專用漁業権であるとか定置漁業権というものを失つてしまつた場合に、弱小沿岸漁業者が水産業協同組合法によつて與えられた実質的なものは一体何なのか、具体的に明確な御答弁を承つておきたいと思います。これもまたこの法律を審議するにあたりまして、改正漁業法の全貌が明らかでないのがたいへん大きな欠陷と思われるのであります。水産廳が発表した改正漁業法案第十六條によりますれば、定置漁業の免許優先順位は、一、漁業者または漁業從事者、二、前号に掲ぐる以外の者となつて、漁業協同組合は別段明記せられておらないようでありますが、これで沿岸の零細漁業者は一体立つて行けると思われておるのか、政府の見解をこの場合これに関連して承つておきたいと思います。
 次に第十七條によりますれば、漁業協同組合が漁業を営むことのできる條件はかなりむずかしくなつております。これらの條件を整えた漁業協同組合でないと、組合みずから漁業を営むことができないことになりますと、組合自営の漁業はかなり限定されるのですが、そのような條件具備の組合のみが漁業の自営ができることが、一体わが國漁業生産の増強となるものとはどうも考えられないのですが、これに対する政府の具体的な説明を一應一括して伺いたいと思います。
#25
○藤田説明員 第十七條の「漁業及びこれに附帶する事業」の内容でありますが、漁業という内容につきましては定置漁業、区画漁業その他漁業権による漁業及び許可漁業、自由漁業、いずれもこれを包含しておるわけであります。つまりいやしくも組合員みずからこれを自営する限り、営めるということであります。それでこれに附帶する事業と申しますのは、それの加工であるとか、保管であるとか、輸送であるとか、製造の設備、そういうふうな、附帶事業として通常考えられておりますものも全部これに包含をいたしておる趣旨であります。
 それから根つき漁業権という内容についての御質問がございましたが、これは漁業法の規定でこれを書いてあるのでありまして、改正漁業法の六條の第五項に規定しております根つき漁業とは、海藻、貝類または主務大臣の定める定着性の水産動物を目的とする漁業であつて、一定の水面を專用して営むものを言う、こういうふうに考えております。すなわち海藻、貝類、それからまた回遊をしない、大体そこに定着をしておりますもの、たとえばなまこ、うに、ほや、えさむし、いせえび、ひとで、しやこ、かしぱん、そういうような定着性水産動物、こういうようなものを目的とする漁業、そういうふうに私どもとしては定義をいたしておるわけであります。それでこういうふうな範囲のもので、はたしてこれだけの漁業権を得て組合は成り立つて行くのか、かんじんな漁業が全部拔けてしまつて成り立つて行くのかというお話でございますが、これも先ほど川村委員からの御質問に対しましてお答えいたしましたように、今度の改正では浮魚というものは、これは漁業権の外に置きまして、漁業調整委員会の調整によつてこれを許して行くというふうな建前をとつたのであります。從つて從來の漁業者、漁民が漁業権を通じましてこれを行使しておりました形は、今度は漁業調整委員会の調整方式によつてこれを育成して行く、その保護によつてやつて行くというふうに方式がかわつて行くわけであります。むしろ地方漁業については、権利の外において規定いたして行くことが、從來一方には漁業権が非常に独占であるというふうな弊害が唱えられております場所もあるわけでありますから、そういうふうな考え方から、これは方式としては非常にむずかしいと考えますけれども、その方式によつて処置されるというふうに考えております。
 それから地区組合と業種別組合との関係でございます。業種別組合をどんどん認めて行く結果、はたして地区組合に何が残るかという考え方であります。われわれといたしましては、今度の法案の建前は、先ほも申しましたように自由設立というような考え方で貫いております。從つて特別の業種のものがそれだけで集まるということについて、これを否定することも行き過ぎであろうと思つております。ただ地区については、市町村業種別組合というものは市町村の地区以上にこれをつくらなければならぬというふうな考え方で、区別をいたしておるわけであります。これは、要はその組合の運営の問題に関係して來るであろうと思つています。われわれといたしましては、やはり地区組合というものはその地区の漁村における各種の漁業政策を推進する一つの母体として、十分大きな使命啓発する母体として、十分大きな使命をもつておるわけでありますから、かりに業種別組合に入つておりますものといえども、地区組合とは相当な関連性を持つと考えております。從つてそういうふうな地区組合が強力にできますことについては――われわれとしてはそういうふうな大きな業種別組合をつくつておる人たちについても、やはり地区組合を通じて仕事をする部面が相当あるわけでありますから、そういうふうにできるだけ地区組合もまたこれが強力にでき上るように、実際問題としては指導して行きたいというふうに思つております。
#26
○冨永委員 次に第五十六條の剰余金の配当のことですが、剰余金というのは貸借対照表上から見まして純財産が拂込済出資額、法定準備金、任意準備金の和を超過する場合、超過額を意味するものと解しておりますが、はたしてこの見解に誤りがないといたしますならば、剰余金の処分につきまして、第五十六條の「組合は、損失を填補し」というこの損失とは一体どいうことを意味しておるか、これを具体的に伺いたいと思います。
#27
○藤田説明員 この損失と申しますのは、ちようど実質的な損失を意味しているわけであります。
#28
○冨永委員 実質的な損失と言えば損失に違いないのですが、もつと具体的に明示していただかぬと、この意味が非常に不明になると思われます。
 なお第八十七條の第四項に、漁業協同組合は信用事業と他の事業との兼営が認められておるのですけれども、漁業協同組合連合会は信用事業と他の事業との兼営が認められていないので、これは実質上非常に支障になるのですが、その認められていないのは一体いかなる根拠に基く理由があるか、この点を伺いたいと思います。
 それから第一項第八号に漁業協同組合連合会の事業のうち、「法人たる所属員の監査及び指導」とありますが、この監査というのは所属員の申込み及び承諾を要すると思いますが、政府の所見を伺いたいと思います。次に監査は指導的立場においてのみ行うべきであつて、監督的には作用せず、從つて強制力はないものと思われるのですが、かように解してさしつかえないかどうか、この点お伺いしておきたいと思います。
#29
○藤田説明員 單位組合においては信用事業は兼営することができるのでありますが、連合会におきましての信用事業は他種事業との兼営を認めておらない、その差別はどうかということであります。本來信用事業は、いわば組合員または会員の預金を預かるのでありまして、それについては十分それの保護ということを考えなければならない。從いましてその事業を営む團体が、みずから各種の他の事業を兼営いたします場合には、その事業による危險というものが與えられるわけであります。そういう考え方から、信用事業はこれを全部を通じて別の系統で行うべしというような強い意見も実は一方的には出ておるわけであります。私どもといたしましては、その点についてはできるだけ信用事業も縣單位まで行うということにいたしたいと考えまして、いろいろ折衝いたしたのでありますが、一方先ほど申し上げましたような預金者保護の立場から、單位組合についてはこれを実情によつて認める、縣の連合会の團体にありましては、これを別にやはり営むということによつて、現在の法案に書いてありますような程度に関係各方面と御連絡をいたしました結果決定いたしました。さよう御了承いただきたいと思います。
 それから監査はこれを強制的に行うのかどうかということでありますが、監査はこれを強制的に行うのではございませんので、組合の自主的な意思に基いて監査をするという建前に私どもとしては考えております。
 それから最後の御質問につきましてちよつと聞き落しましたが、もう一度御趣旨を言つていただきたいと思います。
#30
○冨永委員 監査は指導的立場においてのみ行われるべきであつて、監査的には作用せず、從つて強制力はないと思われるが、その見解はどうかというお尋ねをしたのですが、大体強制力がないという今の御答弁ですから、それで了承しておきます。
 私の質問は以上で打切りますが、ただ先ほどの第五十六條の「組合は、損失填補し」というその損失の具体的な意味を伺いたかつたのです。ところが損失とは損失だという御答弁で非常に不満足でありますが、これは別の機会に讓ることといたしまして、これをもつて私の質問を一應終をことにいたします。
#31
○西村委員長 この際お諮りいたします、午前の時間ももう間近かでございますので、午前の会議はこの程度にとどめまして、午後に会議を続行いたしたいと思いますが、午後会議を開きましてさしつかえございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○西村委員長 それでは午後一時半から会議を開くことにいたしまして、それまで休憩いたします。
    午前十一時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十七分開議
    〔筆 記〕
#33
○西村委員長 これより午前の会議を継続いたします。
 農林大臣が御出席でありまするので馬越晃君にお願いいたします。
#34
○馬越委員 私どもが最も尊敬し思慕しておりました周東先輩が、今回農林大臣に御就任になられましたことは、水産事業といたしましてこれほど喜ばしいことはありませんし、かつ多大の期待を持つておる次第であります。なおまた新発足いたしました水産廳長官には斯界の十分な経驗を持つておられまする飯山氏を迎えましたこと、これまた欣快にたえません、これに配するに事務方面におきましては、老練な藤田次長の御就任を願うことができまして、ここにわが國におきまする水産に関する行政機構というものは、まつたく完結をしたものと考えまして、私どもはかくのごとき陣容のもとに、根本的のわが國の水産行政が強力に推し進められるということを、衷心から欣快に存じておる次第であります。從いまして、この機会にこそわれわれが多年翹望しておりました。業界におけるあらゆる事案が議決を見ることであろうと、非常な大きな期待を持つておりますることはただに私のみにとどまりませず、全國水産人の等しく考えておるところであろうと推測いたしておるのであります。しかしながら、周東農林大臣が何時までも農林大臣に御就任になつておられるのではないのでありまして、私どもはもともと水産廳発足にきしましては、水産廳に昇格することによつて決して満足いたしておつたのではないのであります。これは近ごろに水産省が独立して設置せられるであろう前提條件としての水産廳の発足であつたのでありまして、現在のように水産に十分な誠意を持つていただいておりまする大臣が農林大臣に就任しておられるならば、何も私どもは改めて水産省の必要を感じないのでありますが、しかしただいま申し上げまするように決して永続的なものではないのであります、でありますから、私どもはこの多年の翹望をこういう機会にこそ実現を見るように、最大の努力を拂わなければならぬ、かく考えておるのであります。この事柄につきましては、周東農林大臣におかれましても十分なお考えがあることと思うのでありますが、とかく人はそれぞれそのいすにすわりますと、その立場上、日ごろお考えになつておりました事柄もややともすればそれが忘れられて、現在の地位に立つていろいろと処理をせられなければならぬようなことになり、またそうなつて來るのが普通のことにように思うのでありますが、しかしながらこの水産省の独立昇格というものは、これは業界における多年の懸案でありまして、どうしてもこれが実現は期せなければならぬのであります、これに対しまする周東農林大臣の現在のお考えまたは、これに対してどういうふうに対処して行かれんとするか、そうした事柄につきまして御見解を承りたいと思うのであります。
#35
○周東國務大臣 お答えを申し上げますが、その前に馬越委員からまことに過分な期待とおほめの言葉をいただいたんですが私はそれに價する者でないことを自覚しておりますので、まことに忸怩たるものがあります、しかし皆さんの御鞭撻と御協力によりまして、水産のために努力をいたしたいとかように考えております。
 ただいまの御質問の点でありますが、從來農林行政の中で水産関係がかく継子で取残されておつたということに対しましては、確に同感であります。それらにつきましては、これは役所の問題もありますが、やはり業界の方も水産に対して力強い團結がなかつたということもありましようし、一般的に水産というものが食糧問題の一部というぐらいにしか考えられておらなかつたのでありますが、実際問題として食糧の問題としても大きな重要な地位を占めまするし、また從來はともかく國際経済の方においても水産の地位が相当大きかつたが、今後もいろいろのことを考え合せますときに、日本の貿易増大というときに際して、水産の占める地位というものはより大きな國際的問題であるということを考えますときに、ただいまのような御意見の出ることはもつともであります。幸い水産の重要性がだんだん認められまして、先日も委員か方からお話がありましたように、國会における常任委員会の改組にあたつても、水産委員会だけが、各省別の委員会にかわるときにこれが残されたということは、皆さん委員の一致の結束の賜であり、かつ一般に水産の重要性を認めたからだと私は思います。將來この力と、それから水産廳の独立したこの意義というものをよく考えまして、進んで水産省えの御希望等に対してはせつかく努力してみたいと思います。ただこの問題は根本的には日本の敗戰後の日本の行政機構というものはどうあるべきかという問題と関連すべき問題だと思います。私どもは敗戰前にあつた日本の中央地方を通ずる行政機構が、敗戰後そのままであるのがよろしいか、將來日本が進むべき道に應じていかなる形ちにあんばいし、新設し配置するとかを考えることが今必要だと思うのであります。そういう面と考え合せまして、できる限り水産のために努力してみたいと考えております。
#36
○馬越委員 今までの過去の経過から省みまして、水産省設置の問題につきましては、各党各派、また衆議院たると参議院たるとを問わず、ひとしくその必要性を痛感いたしておりまして、各党派におきましてはそれぞれ党議をもつて決定をいたしておるのであります。かくのごとく超党派的にそれぞれ党議としてまでも決定していることが何ゆえ実現できないかという原因は一つは、かかつてこの官僚のセクシヨナリズムの結果によるのであります、たとえと申しまするならば、商工省にありますところの漁網綱の纖維事務、また運輸省にありますところの魚船事務というようなものが、これだ現在の方産廳に移行されることになりますならば、ここに一つの省として名実ともに実現できる可能性が生じてくるのであります。しかしながらあるいは商工大臣におかれましても、運輸大滝におかれましても、一肥その地位につかれますと、日ごろ水産省を設置しなければならぬということを痛切に感じておりながら、その事柄に反対の態度をおとりになる、こうした事柄が今日の水産廳設置がなかなか困難であり、また私どもが最初予想したおつたような強力な機構にならなかつた原因もそこにあり、また水産省の独立が阻害されておりますことも一にかかつてそこにあるのであります。ところが現在の吉田内閣は民自党の單一内閣でございまして、同じ党派から出ておられまする大臣各位が忌憚なく御懇談せられることによりまして、こうした今までの内閣で実現することが不可能であつた事柄が、あるいは可能になつて來たのではないかと、私どもは非常な希望を持つているのであります。この場合諸般の情勢が一挙に水産省に持つて行くことができないといたしましたならば、最初私どもが水産省に昇格いたさんと志しましたものは、先ほど申し上げましたように、およそ水産に関係いたしまする諸般の行政は、すべて水産廳においてこれを処置しうる状態の水産廳が望ましかつたのであります。
 せめてこれだけでも現吉田内閣において、ひとつ実現を見るようにせつかく周東農林大臣の政治的なお努力が望ましいと思うのであります。これに対しまする御所見を承りたいと思うのであります。
#37
○周東國務大臣 お話の点でありますが、せつかくできた水産廳でありまするから、ある程度水産廳長官の発言権の増大とか、あるいは水産廳において処理する案件が相当各廳にまたがつているものを、ひとつ統合してやり得るようにしてもらうことが、水産省設置へ至る過程として、まず第一に必要であろうという御意見につきましては、大体において同感、賛成であります。ただこの点については、具体的にどういう案件をつかまえて、これを水産廳に統合するかというようなことを、具体的にひとつ研究してみたいと思いまするし、また中にはかえつて小さく水産廳だけにまとめることが、必要資材確保の上において適当でないものもあろうかと思います。それらの点は事案を統合的に処理するという具体的の問題について、研究を進めてみたいとかように考えます。
#38
○馬越委員 わが國の水産行政の根本的な発展は、一にかかつて漁区の拡張と、金融の円滑化と、輸入資材特に燃油等の増量にまたなければならぬと思うのであります。金融の問題につきましては、先般から他の委員各位からいろいろ御意見もございまするし、政府当局の御答弁も承りましたので、この問題には触れないことにいたしますが、先ず第一に漁区の拡張の問題であります。漁区の拡張につきましては、私どもよりも農林大臣の方が、一層痛切にこの問題と取組まれて、眞劍に努力をせられたのでありますが、さてみずから大臣に御就任になつたのでありますので、漁区の拡張の必要性につきましては、今さらここで私が大臣に申し上げるなどという、釈迦に説法のようなことは申しませんが、とにかく現在までの漁区拡張に対しまする政府の努力というものは、非常に足らなかつたのではないかという氣持がいたしておるのであります。たとえば、いままでの農林大臣が漁区拡張についてどんな手を打つたかという具体的な事実を、私どもは承知いたしておりません。また最近頻々として拿捕せられておりまする以西底引網の漁船等の問題につきましても、いままでの農林当局がどういうふうな手段をとつておるかという、具体的な方法について尋ねてみましても、目下研究中であるというような答えをこの席上で承つたのみであります。私どもはその当時も、これは一農林省の一水産局をもつてこれほどの大きな問題を解決することは困難だから、これはひとつ外務省とも密接な連絡をとつて、外交方面にも御援助を願うようにして、あらゆる方を結集してこういう問題の解決に当つてもらいたいということを、私はこの席上でお願したことがあるのであります。この漁区拡張につきまして、農林大臣はどういうような構想のもとに今後進んで行かれようとせられるか、なおまたこの輸入資材特に燃油の問題でありますが、他の漁網綱等につきましては、今日において將來の見通しもつきますし、ある程度まで安心をいたしておるのでありますが、しかしながら燃油につきましては決して安心する域には達していないと思うのであります。先般のお話によりますと、量は減つてはいないのだが、漁船がふえたのでこの割当量が自然に減つたというようなお話もありましたけれども、事実におきましては燃油の供給というものが非常に減少いたしまして、操業上に著しい影響を與えておりますることは事実であります。これに対しまする根本的の見通しにつきましてできるだけの御説明が願いたいと思うのであります。
#39
○周東國務大臣 お答えをしますが、わが國の漁業の中で遠洋漁業方面についての漁区の制限を受けておりますことは、漁獲物の増大をはからなければならぬ現在、まことに困つた現状にありますることは、御承知の通りであります。この問題につきましては関係しておりまする方面からいろいろ努力を続けて來ておつたのであります。当時の政府におきましても、かなり努力はいたされたようでありますが、事柄が御承知のように國際問題が大分ありまするのと、遺憾なことには、やむを得ざる事情であつたのかもしれませんが、かなり制限区域を越えて操業したという事実があつて、そういうことからいたしまして、かなり日本の漁業者に対する信用が問題になつたようであります。從つて私どものいき方としては、先ず漁区の制限された範囲内で、忠実に苦しいところもしばらくがまんして操業する。そうして、これで現実に成立たないで困るということの現状を誠実によつて示すことによつて、徐々に連合國の了解を得て拡大といいますか、撤廃の方に向つていただくことが一番正しいのではないか、まず自からを責めよ、もちろん私ども個人的立場に立つてみますると、狹められた範囲に多数の漁船が操業することは、この漁獲の事情からいいましてもなかなか成立たないということも、つい区域を犯すということになつたと思いますけれども、それは私情であつて、どこまでも國際的に見ると、きめられた範囲を犯すことは惡いのでありまして、これを大いに自粛しまして、了解と同情を得て、廣めてもらいたいということに努力してみたいと思います。お話のように農林省の問題だけでなく、外務省あるいは大きく言えば内閣の責任において、各方面との折衝を今後続けて行きたいと考えておる次第であります。
 それから資材の問題でありますが、漁網綱については幸に最近ふえたようでありますが、金融につきましては逆に見通しが非常に惡いようであります。この点も非常に憂慮いたしておるのでありますが、現下の國際情勢のもとに非常に大切な油の問題が、日本へ送ることを制限されておるという実情で、非常に困つておるようであります。これにつきましてもできるだけ食糧問題の解決の上から行きましても、また小さくは業者の漁業経営の上から見ましても、連合國の理解ある援助を受けるように今後も努力をしたいと考えております。
#40
○馬越委員 私はこの燃油の問題につきましてはかように考えておるのであります。いままでのままの状態で、いわゆる連合國にすつかり依存してしまつて、すべての輸入の方法なり、輸送から何から依存しておつて、積極的には日本政府がちつとも何らの手も打たないというような行き方では、現在の緊迫した國際情勢がこれを許さないのではないかというふうに私どもには思われます。先般この捕鯨船團の一部を使つて、ペルシヤ湾に石油をとりにいつたのが新聞に出ておりましたが、今後は進んでああいうような手段をとることを関係方面に申出でて、そうしてわが國の船で石油を持つて帰るというようなことについて、政府がいろいろな立案をせられまして、連合國方面に御折衝になることが一番必要ではないのかと考えるのであります。この点に対しまする政府のお考えを承りたいと思います。
#41
○周東國務大臣 ただいまのお話はまことにごもつともでありまして、いろいろの関係で日本に供給せられる燃油が確保できまするような場合において、せめて運搬船等に故障があるというようなことを見越して、日本の適当な船をそれにまわして行つたらどうかかということに対しては、まつたく賛成であります。この前すでにお話のような前例もございますので、適当な船がその時期にありさえすればこれを活用して、せめて運搬をすることも、できる限り日本の船を使つて行くというようなことにつきましては、ぜひそういうふうな方向へ努力してみたいと思います。
#42
○馬越委員 次は海上の密漁取締りにつきまして政府のお考えを承りたいと思うのであります。近次瀬戸内海方面におきましては、機船底引網が禁漁区域を侵害いたしておりますことが頻々としてあるのであります。このためには沿岸漁業者と機船底引網業者との間に相当熾烈な鬪爭が行なわれた事実も、最近幾らもあるのであります。また最近におきましてはダイナマイトを使用いたしまして密漁をやる、これを沿岸漁業者がおつかけますと、ダイナマイトをぶつつけられて非常に多くの負傷者を出したという不祥事もしばしは新聞その他によりまして事実が報道されておるのであります。ところが海上取締りの現在のわが國の機構というものが、よくこれらの取締りを完全にすることのできる状態にまで立ち至つていないのであります。惻前におきましては、御承知のように農林省におきましても、特に瀬戸内海に対しましては取締船を常駐させまして、取締りに遺憾なきを期しておつたのであります。現在そういうような取締船の配備もないのであります。海上保安につきましては、一切をあげて海上保安廳にゆだねておるのであります。海上保安廳の機構はいまだに整つていないのでありまして、瀬戸内海等におきましては、海上はほとんど無警察の状態に置かれ、密漁は、もうすみすみまでも、密漁をしておるのがあたりまえのような無取締りの状態に放任せられておるのであります。私どもは海上保安廳の成立が一日も早く完了いたしまして、完全なる海上取締りができることを望んでおりました。これは実際近い將來にただちに実現できるものとは考えられないのであります。こういう密漁取締りにつきましては、農林省自体が独自な立場におきまして、お考えにならなければならぬと思うのであります。こうしたような情報につきましては、十分当局におかれましても承知しておられることと思うのでありますが、こうした事柄に対しまする対策について、どういうふうに考えておられるのか、この点を承りたいと思うのであります。
#43
○周東國務大臣 御意見まことにごもつともでありまして、今日漁業が成立たないような状況において、底引網の漁船等が沿岸を荒すということが起りがちであります。ことに先ほどお話になりました以西の底引網漁船について、制限区域がないということは、以西の底引網が制限区域外に入つて來る。そういうことがこもごも起りまして、沿岸の禁止区域を荒すということが起つておるようであります。この点はまことにゆゆしき問題でありまして、今にして早く何とかしなければ、せつかく戰時中に沿岸魚族が繁殖しておつたであろうと思うところが、数年ならずして荒されてしまうということが起りまして、問題だと思うのです。ところがお話のように、戰前におきましては農林省の取締船が特に相当数ありまして、各海区ごとに配置されており、各県にもそれに呼應した形において取締船があつたようであります。戰後これらの船がいろいろな事情であるいはなくなり、あるいは非常に数を減らしておるのでありまして、困つた現状にあります。從つて今農林省といたしましては、國の予算で取締船を増加するように要求はいたしておりますが、いろいろな財政上の都合で急速に増加が困難な状況にあるように聞いております。できるだけ御趣旨に沿いたいと存じまするし、またさらに海上保安廳と連絡し、漁業取締官農林省関係の官吏を乘せて、その方にも協力を仰ぐことも一つの行き方ではないかと思つております。
#44
○馬越委員 これにつきまして私は一つの考えをもつておるのであります。御参考までに当局にも十分聞いていただきたいと思います。いままで海上保安廳ができます以前におきましては、各府縣におきましてはそれぞれ水上警察署がありまして、それぞれ水上警察が警察船をもつて海上保安の任に当つておつたのであります。ところが海上保安廳ができまし前、何でも四十トン以上の船は全部海上保安廳へ出して、海上保安廳の所属になることになつた、ところがその未満の船が海上保安廳の方に接收されず、さりとて海上については府縣の警察は何ら権限が及ばないのでありまして、府縣の警察に対しましては、これを動かす燃料すらもない現状なのであります。さよういたしまして小型の警備船というものは、それぞれ港に繋留せられたまま放置せられておる。これは瀬戸内海の沿岸の各府縣みな同樣であります。これを動かす経費もない。また動かすべき燃料の配給もない。いたずらに港に繋乗して腐るばかりでして、腐りつつあるのでありますが、こうした船を農林省自体が御活用になることが一番早道であり、かつ効果的であると考えます。これに対しましてどういうようにお考えになりますか承りたいと思います。
#45
○周東國務大臣 御趣旨の点は十分考慮に入れて、ひとつ考えてみたいと思います。どのくらい全國の水上警察の船が保安廳に收容されて残つておるかという、何かお調べでもありましたら参考にいただければなおけつこうだと思います。なお私どももよく調べてみたいと思います。
#46
○馬越委員 次は鮮魚介の統制撤廃の問題につきましてお尋ねいたしたいと思います。鮮魚介の統制撤廃は、もとよりこの吉田内閣の民自党といたしましては高らかに國民に呼びかけられておる事柄でありまするし、また私どもの所属しております民主党といたしましても、こういう方向に進むべく政策も打立てられておるのでありますが、しかし実際問題といたしまして、私どもが今日まで水産委員会といたしまして、この問題を大きく取上げて、実際努力してみたのでありますけれども、現在の客観情勢におきましては、なかなかこの実現は困難であるのであります。おそらく吉田内閣といたされましても、この問題と取組んでずいぶん今後御苦労なさることと思うのでありますけれども、さてその効果のほどがどうかと、私どもは過去の経緯から見て非常に疑うものが多いのであります。私どもはこの全面的な鮮魚介の統制撤廃ということはもとより望むところでありますし、この目的はそこに置かなければならぬと思うのでありますが、今さしあたつてこの実現をはかるという困難さを考えますときには、暫定措置といたしまして、先般高級魚の統制撤廃をいたしましたが、あのわくをもつと押し進める、その範囲を拡大するというような方向へもつて行くことが一番いいのではないか、こういうふうに考えておるのであります。なおまた加工水産物の統制の問題でありますが、先般数種類にわたりまして統制を撤廃せられたのでありますが、なおかついわし製品であるとか、にしん製品であるとか、たら製品であるとか、まだ加工品で残つておりますものは相当数あるのであります。ところがこの加工水産物の中で、最も政府が重視しておりますところのいわし製品中の煮ぼしいわしについて考えてみましても、本年度におきましてはこの製品の供給が非常に需要を上まわる。いわゆる飽和点以上に達しまして、そこで生産品の賣れ行きが非常に惡い、漁村におきましての水産倉庫には一ぱい詰まつており、また消費者の大都市における入荷機関の倉庫にも一ぱい詰まつて、品質が低下しつつあるにもかかわらず、一向さばけない。こういう状態が現在の実状であります。ところがこの金融の逼迫に伴いまして、これらの品物が倉庫に寢ておりますと金融状態が惡化いたしまして、純のために生産者の生産にも支障を來すし、なお荷受機関等の操作の上にも非常に困難を感じておる。しかるに統制がありますものですから、農林省の出荷命令の範囲によつて、これらの品物を動かさなければならないというような状態にあるのであります。私どもはもうすでに飽和点に到達して需給状態が戰前の状態に復帰したような加工水産物に対しましても、なおかつ統制を続けている現在の状態というものが、私どもは納得できないのであります。そこで私どもは、第一に申し上げましたように、生鮮魚介類の全面的統制撤廃はもとより望むところであるし、そうした方角に行くことを目的としなければならませんけれども、それが諸種の事情で非常に困難といたしまするならば、高級魚の授制撤廃の範囲を拡大するということと、加工水産物の需給関係がすでに飽和点に到達したこれらのものに対しては、即時統制を撤廃するような現実主義に立つて施政をして行くのがいいのではないかと考えるのでありますが、これに対しまする御意見を承りたいと思うのであります。
#47
○周東國務大臣 生鮮魚介類の統制を撤廃するという事柄につきましては、お話の通り御自党の政策目標であります。從つてまた現内閣におきましても、それが実現については努力したいと思つておりますが、お話のように、現在の段階におきましては、油その他の資材がバーターになつており、それらの点からいつた相当にこれは実施につきましては、その切替の時期と方法について愼重な考慮を要するものと考かております。從つてただいまお話になつたような二段構えについたの考慮も愼重にいたしておりまするが、ただいまのところいかなる時期にどういうものを外するのがよろしいということについて、研究を進めている最中であります。それらの御意見についても多分に同感の点もありまするし、その実施の際にどういうものを維持するという御示唆の点については、十分考慮に入れて研究を進めたいと思つております。
#48
○馬越委員 次は水産協同組合法が通過いたしますと、当然この水産團体の改組が行われることになるのであります。ところがこの改組後におきまして現在の水産團体の整理の問題につきましては、私ども非常に憂慮しておるものがあるのであります。たとえば中央水産業会がすでに解散をいたしましたが、この中央水産業会の解散後における整理の状態をじつと見ておりますと、いつまでたつても整理が完結しない、そうして非常に多くの人員を要して莫大な経費を使い、いつ整理が完了するという、その予測すら立たないような状態にあるのであります。それでこの中央水産業会におきましても、これが実施はそれぞれ各府縣の水産業会が実施いたしておるのでありますが、私どもは結局この地方の水産業会の出資金も整理をする。この事務費、人件費等にすつかり消費されてしまつたときに、初めてこの整理が完了するのではないか、言いかえますれば、現在整理の任に当つておられる人々が、この整理の期間が長くなればなるほど、自分たちの生活がそれだけ安定しておるのだというような考えのもとに、至急に完結するものでもかえつて長引かしておるのではないかというような疑を持つ点を多々あるのであります。各府縣の水産業会等が整理をいたします場合に、中央水産業会と同じような方法でもつてやりますと、その出資者が零細な市町村の漁業会のことでありますので、今後の改組せられた後の漁業協同組合の存亡にも非常に大きな影響を與えるのであります。私はこの法案が通過後、現在の水産業団体の解散後の整理の方法を、現在の中央水産業会のような整理の行き方でもつて進められるということは、これはもうたいへんな問題だと思うのであります。本法案が通過いたしまして、実際に実施せられまして後における水産漁業團体の整理方法につきまして、政府の現在考えておられまする施策を承つてみたいて思うのであります。
#49
○飯山政府委員 ただいまの整理の問題につきましては、お説の通り非常に支障を來しておりますので、この法案が通りますれば、通過した後には八箇月以内に解散をする、こういうことに相なつておるのであります。從つてその間に今の中央水産業会におけるような整理の行き方は、御意見に從いまして迅速に処理するように努力する積りでおります。その一々の整理の具体策は現在持つておりません。しかしながらこの協同組合法案が成立いたしますればそこに自から解決の道があり資産を受継ぐ相手方のできるのでありますから、はつきりして両方の関係者において迅速に処分ができることになると思います。中央水産團体は方の引継ぐ相手方がきまつていない。こういうことの点において愼重に審議して、整理して行こうと思います。組合において資産は引継ぐということに相なるかと思います。遅延することは防ぎ得ると考えております。
#50
○馬越委員 府縣農業会のこの種の整理の方法は、中央ならば金庫にこれを委ねまして、そうして金庫が整理の任に当つておるのであります。私どもはそうしたような行き方に反対するのであります。そういうようなことになりますと、先ほど私が申し上げましたようないろいろな弊害がそこに伴つて、結局出資金というものはすつかり無くなつてしまうと考えられます。この点につきましては、私どもは非常に心配をいたしておるのでありますが、水産團体の解散後における整理の方法も、農業團体の整理の方法と同じように、中金に委ねられるお氣持であるのかどうか、この点をはつきりとお伺いしておきたいと思います。
#51
○飯山政府委員 協同組合法案が通過しますれば、單位の組合すなわち漁業会連合会の資産処理につきましては、中金に委ねられるという方法をとらず、自主的に整理委員会をつくつて、その委員会でそれを処理する、とこういうことになります。
#52
○馬越委員 今の政府当局の御答弁を承りまして私ども安心をいたした次第であります。ぜひそういうような方法をとつていただきたいと思うのであります。そこで現在の府縣の水産業会の実状は、すでに改組前でありますので、現在の貨幣價値から申しますれば、現在の出資を倍にしても、なおかつ足りないという状態にあります、普通の場合なれば当然増資をするべき状態にあるのであります。しかしながらこの整理前のことでありますので、出資金の増額を会員にはかりましたところで、とうていこの出資の増額は望むべくもないのでありまして、從いまして各府縣水産業会におきましては、金融の非常な制圧を受けまして非常に苦しんでおる状態であります。なおこれまでやつておりました事業は、すべて複数制をとられました関係で、事業も思うようには参りません、さりとて從業員に完全雇庸を主張いたしまするし、私どもといたしましても、もはや解散を前にして今人員の整理をしようなどというような考えも持たないのであります。從いまして現在相当数の陣容を擁しており、かつ事業は從前よりも非常に縮少せられ、なお運轉資金はほとんど枯渇の状態にある府縣水産業会の苦境は、はかり知れないものがあるのであります。ところが一方におきまして水産業会は、戰時中いろいろな事業に投資をし着手をいたしておるのであります。たとえば漁船の修理工場、あるいは機関の修理工場、造船所、あるいは製繩工場とか鉄工所、いろいろな間接的な事業に携つており、從つて工場をたくさん持つております。だがこれらの工場というものは、現在の状態におきましては、戰時中と違つて幾らでも市中において用を達し得ることから、水産業会自体が、これらの工場を今なお持つておらなければならぬというような状態ではないのであります。こうしたような不要な工場を整理いたすことによりまして、そこに相当な余裕金もできて來る。そうすると、そうした金でもつて解散に至るまでの人件費その他もまかなうことができると思うのであります。ところが先般の農林省令によりまして、府縣の水産業会の資産の処理というものが非常にきゆうくつになつておるのであります。しかしこの場業省令の各府縣の水産業会の資産凍結にも、等しくこの処理につきましては関係当局の認可を得なければならないというようなことになりました、その目的というものは、現在の役職員が解散を前にして不当に処理をすることを嚴に戒めているものと心得ておるのでありますが、先ほど私が申し上げましたような善意の財産処理につきましては、その処理はきゆうくつに考えておるのではないというふうに私は信じておるのでありますが、今後各府縣水産業会も、今申上げましたような理由によつて、不要財産の処分方を農林省に認可申請をすることが次第に多くなつて來ると思うのであります。そういう場合においては、農林省は迅速に許可して、そうして今日の水産業会の財政的窮乏を、救うてやるというような行き方で進めて行つてもらうことが望ましいと思うのでありますが、こうした事柄につきまして、農林当局の水産業当局の御意見を承つておきたいと思います。
#53
○飯山政府委員 ただいまのお答えをいたします。もちろんこの團体に不要のものあれば、御意見の通りでさしつかえなかろうと思いますが、後で生れるところの連合会なりの発展の上に支障を來さない、こういうことでなければならぬと思います。その範囲に属さない場合には、当局といたしましてはできるだけ地方の実状に則するように迅速に処理すべきだと思います。
#54
○馬越委員 次は法案の事柄につきまして、二、三お尋ねいたしたいと思うんであります。他の同僚各位からもお尋ねがあつたのでありますが、漁村の今日の文化の程度というものは、農村のそれに比較いたしますれば著しく遅れておるのであります。年にいたしましても、ある人は十年も遅れている、ある人は二十年も遅れていると言つております。とにかく漁業の性質から申しまして、夜間多く操業して朝帰つて來て晝間は寢ているというのが多いのでありまして、從いまして、新聞を読んだり何かするいとまもない非常に文化の程度が遅れておるのであります。そこでこうしたような漁村の実情というものを十分に考えずして、農村におけると同じようなものをもつて漁村にこれを強行しようといたしますと、私は非常な失敗が起ると思うのであります。今度の組合の問題でありますが、漁業協同組合等は各市町村等におきまして加入、脱退が任意でありますから、幾らでもできることになつておる、しかしながら漁民はとにかく煽動に乘りやすい、一部ためにせんとする人達の煽動に乘りやすい状態にあるのでありまして、この法案にありますように加入脱退が自由でありまた指導者中にいろいろな者がありまして、そうして小さな漁村を幾つもに分割して組合が設立せられるというようなことになりますと、これは経済的にもまた対外的にも非常な微力なものになつてきます。そのために組合の発達を阻害することはもちろんのこと、漁業者自体の幸福も望めないという結果になるのでありますが、農林大臣あるいは水産廳長官は、今回の改組はまつたく民主的にやつて行きたいのであつて、官僚はこれに対して容喙がましいことは嚴に愼しむということを言つておられますが、その氣持は非常にいいと思います。がしかしながら、この程度の低い、文化の程度の低い漁民に、相当文化が進んでおるところの農民の協同組合を改組したような、そうしたような態度そのままで臨むということは、私はどうもあてはまらないのではないか、それでその官僚統制になるというようなそうしたものでなくして、十分に親切に指導啓発してやるというような氣持でもつて、この改組を円滑に完了するというふうな指導方針をおとりになることが、実際漁村に対してあてはまつたことだというふうに考えておるのであります。これに対しまするお考えも承つておきたいと思います。
#55
○飯山政府委員 ただいまの点につきましてはお説の通りで、私どもも考えております。その考えに基いて実施に当てたい。こういうふうに考えております。
#56
○馬越委員 最後に一つ、これは事務的なことでありますが、私はこの法案立案中に、事務当局に再三御注意申上げておいたのでありますが、総会の有効成立数を出席者の半数以上としてはどうかということを、あるいはまた、これは最初からこういうふうに持つて行くことが困難であるとすれば、何とかしてこうした方法を担書で付する必要があるということを、たびたび申し上げておいたのでありますが、先ほど申しますような漁村の実状におきましては、総会に開きましても、普通の総会は定足数はありません。これには半数以上が出席して、その決議権の三分の二以上の決議を必要とするということになつておりますが、実際問題として半数以上ということは困難であります。私が会長をやつております今治漁業会においては、三百八十人ばかり会員がおりまして、盆と正月に総会を開くことになつておりますがそれは盆と正月にはくにへ帰つておりますので、その時期をねらつて総会を開くというのがずつと前から慣例になつております。盆と正月をねらつてやりましても、半数集めるということは絶対不可能なんです。そのために私どもは、ここ数年にわたつて正式の法規による総会を開くことができないという状態にあるのであります。そこで私は、法の建前からいつて、あるいは総会は半数以上が出席してその議決権の三分の二以上の多数によつて議決を必要とするという根本の点はそれでいいと思うのでありますが、これはどうしても半数以上を招集することができないという、不能の場合における処置が何らか講じておられなければならぬというふうに考えるのであります。これに対しましては、法案立案当時すでにたびたび当局に向つて申上げておつたのでありますが、どこにも見当らないように思うのであります。これは一体法的には今後どういうふうにして運営して行くか、これは私どもの手元で修正してもいいと思うのでありますが、しかし修正しなくてもこの法案のどこかで仕組ができれば修正の必要もないと思います。これに対して事務当局の御見解を承りたいと思います。
#57
○久宗説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。問題は第五十條でございますが、第五十條は特剔抉議に関する問題でありまして、定款の変更、組合の解散、または合併、組合員の除名、漁業権またはこれに関する物権の設置得喪または変更、ここに書いてありますように重要な問題ばかりでございます。これにつきましてはここに組合員の半数以上が出席し、その議決権の三分の二の多数による議決を必要とすると書いてあります、これはこういうふうな重要な事項につきましては、特にこれを特剔抉議事項といたしまして、これだけの数を要求しておるわけでございます。これに対する問題といたしましては、第二十一條に議決件につきましての代理人の問題が書いてございます、これによりますと代理人は二人以上の組合員を代理することができない、ということになつておりますので、最少限度総組合員の四分の一はどうしても集まらなければならぬということになります。それ以上のゆるい條件においてこの特剔抉議事項を決議するということはこの法案ではできないことになつております。
#58
○馬越委員 この法案ではできないというのはこれはあなた方が立案せられた法案ではできないのであつて、実際問題としては、漁村においてはそういうことはもうしばしば――これは、よその大きな組合は存じませんが、瀬戸内海のようなところでありましたら、どんな重要な問題でありましても、漁民というものは案外無関心なもので、これは自分達が任したところの役員がいいようにしてくれるだろうという氣分でもつて、案外無関心で総会に出て來ない。いくら督促しても出ない。どこまでも関係当局が固守せられるならば、法的に有効な決議というものは絶対できないということになります。こういうような場合において、一應は第五十條に基いて招集してやるが、何辺やつてもできない場合には出席者の半数以上でよいというような特例は設けて、一向さしつかえないように思います。それは現在のわが國の漁村の実情に照して、私はさしつかえないように思います。これにつきまして、もう一つ御見解を承つておきたいと存じます。
#59
○久宗説明員 この点につきましては、今のお話のような実情は私たちもよく存じておりますし、これにつきまして、実際問題として集らない、そのためにこういう議決ができないと、関係方面にもその事情を説明したのでありますが、この点につきましては、最も大事な点だ、組合の事業に組合員が無関心であるということは、協同組合の精神からいえば非常にまずいことであつて、この点は特に啓蒙を要する点だといつて絶対に困るというような意見が非常に強かつたわけで、私たち自身といたしましても、四分の一という数字につきましては、四分の一程度の者が集つてきめるのでなければ、このような組合の全体の運営に重大な影響のあるような議決事項については、当然それだけの数が必要だろうと、かように考えておりますので、組合員が集まつて來ないという問題につきましては、地理的な事情、その他いろいろの問題がございますけれども、少くともそれが組合の全体の問題に関するような問題につきまして無関心であるという状態は、できるだけ趣旨を宣傳、啓蒙いたしまして、そういうことのないように努めて行きたいと考えております。
#60
○石原(圓)委員 私は緊急問題として当局にお尋ねしたいのであります。それはけさの新聞に川南造船所所属の船が四隻拿捕されて、その船の船員は銃殺された者もあるし、いろいろあつて、その残りは帰還を許されて帰つた。という記事があつたのです。これは確めてもらいたい問題でありまするが、以西低引が從來区域外へ出て漁業をするとかしないとかで、今の川南の船を加えたならば二十隻くらいはもうすでに拿捕されているのではないかと思うのであります。これは一面には仕込資金を政府へ融資を申請した結果が未だ落着しない。そうしていつそれが実現するかわからぬという船主としては、非常な苦境に陷つて、年末の出漁ができるできないということに苦心している。そこにこういう拿捕されて銃殺されたということが起れば、私は以西底引は非常な脅威を受けて、この年末年始を控えて出漁数が減る、また船員が沖へ出ることを忌避して、無理に出せば特別の待敢をしなければ出ない、結局出るにしても仕込資金は政府の方では間に合わさない。これは結局以西底引は急激な打撃のもとに、たいへんな不振の結果になりはせぬかと思うのでありますが、これに対する対象なり、お考えはどうなるのでありましようか、これは緊急な問題としてお尋ねしたいのであります。
#61
○飯山政府委員 ただいまの不祥の記事につきましては、私どもはまだ確報は受けておりません。まことにその点は相済まぬと思つております。かねてから関係先には、この拿捕についてはいろいろ訴えはいたしておりますが、反則だということで、一應向うとしてはそういうことは許されないということを、いつも言われて困つておつたのであります。人の拿捕船に対することにつきまして、いずれ詳細に調査の報告を申上げますが、最後のお話の以西底引のことにつきましては、お説の通りであります。私どももこの金融対策について、大体八、九億円が以西底引に対して融資ができるようになつたということを聞いておつたのであります。しかるに昨日実は以西底引の委員の方々が見えまして、市中銀行からの融資で思うようにはかどらぬ。何とか打開の策を講じなければならぬというお話を承りまして、本日全員がそろうので、打合せて、日本銀行に対して改めて対策を講じようということで、私がお伴して行く約束をしたのであります。私これは水産廳だけの力では容易に解決ができかねる場合もあるので、その際に幸い本委員会に小委員会も設立されたようでありますので、私どもは有力なる委員会各位の御協力を仰いで、少くともこの八億融資に対しましては一日も早く実現できるように努力したいと考えております。
#62
○石原(圓)委員 仕込資金の問題につきましては、以西底引業者の申出が少し理由等が惡かつたために、一應政府は拒否した、そしてさらに了解を求めて今日に及んでおるので、結局数週間を経過して、すでに漁期を失うということになりかけておるのであります。これは由々しき問題と思うのであります。ゆえにすみやかにこの問題を解決するように、金融委員会にも、小委員会において活動するということもすでに遅いと思うのでありますが、どうか特にこれを取上げて、急速に解決をすることを強く要望する次第であります。なおこの拿捕等に関する件についての方策、方法について、私はいくらか腹案を持つておるのでございますが、一應私の質問はこれで終ります。
#63
○西村委員長 本日はこれをもつて会議を閉じます。明日の日程は本日の日程でありました水産業協同組合法案ほか二件であります。この三件に関しまする逐條審査をいたすつもりであります。
 これにて散会いたします。
    午後三時散会
ソース: 国立国会図書館
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