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1948/11/19 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 水産委員会 第8号
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1948/11/19 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 水産委員会 第8号

#1
第003回国会 水産委員会 第8号
昭和二十三年十一月十九日(金曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 西村 久之君
   理事 冨永格五郎君 理事 藤原繁太郎君
   理事 外崎千代吉君
      石原 圓吉君    川村善八郎君
      關内 正一君    仲内 憲治君
      夏堀源三郎君    平井 義一君
      野上 健次君    小松 勇次君
      三好 竹勇君    坪井 亀藏君
      鈴木 善幸君
 委員外の出席者
        水産廰次長   藤田  巌君
        專 門 員   小安 正三君
    ―――――――――――――
十一月十八日
 三瓶漁港修築に関する請願(井谷正吉君外八名
 紹介)(第二五七号)
 漁船保険対策に関する請願(田中源三郎君紹
 介)(第二七七号)
 内入漁港に防波堤築設の請願(受田新吉君紹
 介)(第二七八号)
 歯舞村に漁港築設の請願(森三樹二君紹介)(
 第二七九号)
 漁船保險対策に関する請願(金野定吉君紹介)
 (第三一六号)
 田野畑港修築の請願(鈴木善幸君紹介)(第三
 一七号)
 漁船保険対策に関する請願(中村嘉壽君紹介)
 (第三三六号)
 知内村涌元に船入澗築設の請願(冨永格五郎君
 紹介)(第三四一号)
 漁船保険対策に関する請願(内藤友明君紹介)
 (第三四七号)
 同(若松虎雄君外一名紹介)(第三四八号)
 同(齋藤晃君紹介)(第三六一号)
 同(庄司彦男君紹介)(第三七五号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 水産業協同組合法案(内閣提出第一五号)
 水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整
 理等に関する法律案(内閣提出第一六号)
 漁業権臨時措置法案(内閣提出第一七号)
    ―――――――――――――
#2
○西村委員長 これより会議を開きます。
 水産業協同組合法案、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案、並びに漁業権等臨時措置法案を一括議題といたします。政府の内容に対する御説明を求めます。
#3
○藤田説明員 まず水産業協同組合法案につきまして逐條的にそのおもなる点につきまして御説明して参りたいと考えます。
 第一章総則におきまして御説明いたしたい点は第一條であります。第一條は水産業協同組合法の目的を示し、間接には協同組合の機能を明らかにしているわけであります。特にこの條文で御説明をしておきたいと考えておりますのは、協同組合は経済的、社会的地位の向上をはかる團体でありまして、從つて政治活動をすることを本来の任務とはいたしておりません。從つて政治的地位の向上をはかるということは、この協同組合法の目的とはしておりませんわけであります。
 それから第二條につきましてはこれは組合の種類を列挙したわけでありまして、漁業協同組合、漁業生産組合及び漁業協同組合連合会という一系統の團体と、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会という別系統になるわけであります。この二つの系統を種類として明らかにしておるわけでありまして、ただこの法律中組合という字が各所に出ておりますけれども、この組合という字は、各所ごとに違いますので、たとえば本章の組合と第二章及び第四章の組合あるいは第三章、第五章、第六章の組合、第七章の組合、こういうものはそれぞれその各章によつて組合という字の使い方がかわつております点を御注意願いたいと考えております。
 それから第四條の組合の目的でございますが、これは特に今回の協同組合法に新しく入りました規定であります。協同組合というものは、その組合員が組合の経営に参加をし、組合員がその組合の営む事業から直接に便宜を受けるような組織、それが協同組合の本質であります。從つて会社と違います点がそこにあるわけでありまして、会社は單に利益の配当を受ける、株主に対して利益の配当をするということで、それでいいのでありますが、組合員は組合から出資による配当を受けるというふうなことだけでは、これは協同組合とは申せないのであります。つまりその行う事業によつて、協同組合の組合員あるいは連合会の会員のために、組合員の利益になるように、その事業を通じて利益となるように、その事業を通じて利益となるように直接の奉仕をするということが、この協同組合の目的であります。農業の協同組合と多少字句が違つておりまして、農業では、最大の奉仕をなすことを目的とし、営利を目的として事業を行つてはならぬというふうに書いてあります。こちらでは漁業生産事業を営むわけであります。その書き方を若干かえまして直接の奉仕をすることを目的とする。というふうには書いてございますが、いずれにいたしましてもその趣旨は協同組合の本質を明らかにするという規定であります。
 それから第五條の、「組合は、法人とする。」この法人は民法の第三十三條によりまして「法人ハ本法其他ノ法律ノ規定ニ依ルニ非サレハ成立スルコトヲ得ス」と規定してございますが、「其他ノ法律」といたしましてこの協同組合法によつてつくられておるのであります。この協同組合の性格は、これは從來の水産業團体とは異なりまして、公法関係によつて律せられる部面というものはございません。從つてその性格はこれを公法人と申すわけには参らぬ。つまり私法人的な性格の強い特別法によつて設立されたところの特別法人、從つてその規定の適用については、民法の規定を準用をいたしております部分もございますし、そのほか特に民法の例外規定を本法の中で書いておる。いずれも私法人としての扱いの色彩が強い特別法人、こういうふうに解釈いたしております。
 それから第七條でありますが、第七條はこれは独占禁止法との関係を規定してあるのでありまして、独占禁止法の第二十四條によりますと、独占禁止法の適用の一部を除外をする組合といたしましては四つの條件があるのでありまして、第一は小規模の事業者または消費者の相互扶助を目的とすること。第二が、任意に設立され、かつ組合員が任意に加入しまたは脱退すること。第三は各組合員が平等の議決権をもつておるごと。第四に組合員に対する利益配当には、その限度が法令または定款に定められておること。この四つの條件を満たします組合または連合会については、独占禁止法の適用が一應除外されておるわけであけます。本法による協同組合が、はたしてこの第二十四條に該当するやいなやについては、個々にこれを檢討いたしますと、はつきりいたさない部分がたくさんあるのであります。たとえば事業、これは小規模の漁業者に該当するか。すべてのものが小規模の漁業者に該当するか。あるいは任意の設立ということは、かりに行政廳の認可を要するという規定があつてもこれはさしつかえないか。あるいは議決権については準組合員については議決権はないか、これは平等の議決権を持つというように解釈できるか。いろいろ疑義が生ずるわけであります。この第七條によつてその疑義を明らかにしておる。つまりこの第七條第一項第一号によりまして、「左の表の上欄の漁業種類の一種若しくは数種を営む者又はこれを從事する者に限つている漁業協同組合であつて、且つ、漁業を営む者たる組合員の総数の三分の一以上が左の下欄の経営規模以上のもの」こういうふうな組合以外の組合、逆に申しますと、これ以外の組合は、独占禁止法の適用については、「これを同法第二十四條各号の要件を備える組合とみなす」つまり適用を除外される組合と見る、こういう趣旨であります。第一項の第二号、第三号、第四号についても、同じような趣旨で、独禁法の適用除外になつているわけであります。それで、この規定に掲げてある組合、つまり独禁法の適用を受けるという組合でありましても、この規定から直接それは当然独禁法に該当するというわけではないのでありまして、それは個々の組合についてこれを檢討する。そういうことになるのでありまして、從つてその檢討をいたします場合には、七條第二項によりまして、「前項第一号、第三号及び第四号の組合は、同項の法律の適用については、これを同法第二十四條第三号の要件を備える組合とみなす。」つまり議決権が平等でなければならぬという三号の條件については、これは協同組合法では準組合員の規定がございまして、必ずしも平等ともいえないのでありますが、これは一應平等の三号の要件は備えている組合とみなす。その他の各号に該当するかどうかによつて、独占禁止法の適用を受けるかどうかということが檢討されるという趣旨であります。
 それから次の第八條の免税の規定でございますが、これはむしろ免税と書いてあるのも多少おかしいのでありますが、「組合の所得のうち組合の事業を利用した割合又は組合の事業に從事した割合」、初めの方は一般組合であります。一般の組合の事業を利用した割合、それから次の組合の事業に從事した割合とありますのは生産組合、その割合に應じて組合、その割合に應じて組合が配当した剰余金の金額に相当する、これについては所得と見るべきものではないのであります。從つてこれはつまりそれだけの分を余分にとつておるという関係で当然もどさなければならぬ金でございますので、これについては当然租税はかからないという規定であります。なおその他の税の関係につきましては、法人税といわゆる事業税との関係があるのでありますが、一般法人税につきましては純益の百分の三十五でございますが、協同組合法につきましては、これは逓減税率、つまり百分の二十五の法人税がかかる。それから事業税につきましては、一般の営利法人には百分の七・五でございますが、協同組合には百分の五かかるというふうに、それぞれ逓減税率が採用されております。その規定は各税法にこれを規定してあるわけであります。
 それから第九條でございますが、これは登記を対抗要件とする規定でございます。但し設立及び合併につきましては、第六十七條及び第七十一條によりまして登記が成立要件と相なつております。
 それから十條でありますが、これは漁業または水産加工業の定義を下しておるのであります。「『漁業』とは、水産動植物の採捕又は養殖の事業をいい、」と書いてございますが、われわれの解釈といたしましては、採捕または養殖に関連をして、これに付随するところの業務は当然包括されるものと解釈をいたしておるのであります。次に漁民及び水産加工業者の定義を揚げておるのでございますが、「『漁民』とは、漁業を営む個人又は漁業を営む者のために水産動植物の採捕若しくは養殖に從事する個人をいい、」と個人をさしておる。これはいずれも営業とする場合を言つておるのでありまして、遊漁者は漁民には包含をいたしません。それから漁業者というのは、自己の名において漁業を営む者、すなわち漁業という営業の主体であつて、漁業に関して法律上権利、義務の主体となる、そういうことを考えております。從つて法律上権利、義務の主体となり得ないところの仕込みをする問屋でありますとか、あるいは加工屋でございますとか、会社の株主、重役、これは漁業者ではございません。それから從業者というのは、これは漁業者のために家族労働により、あるいは雇用関係によつて採捕、養殖に從事する者を言うのであります。採捕という観念は、これは社会通念上、採捕という連続的行為の一部分に從事すればよいと考えております。從つて漁船の船長でありますとか、機関長というふうな船に乗り組んでおる者等は、直接その者が採捕には從事はいたしませんけれども、やはりこれは漁民と観念をいたしております。
 次に第二章の漁業協同組合でございますが、第十一條は事業の種類を列挙しておるのでありまして、本法においては制限列挙主義をとつておりますが、ほかの法律によつて特別な事業を行うことができる、または特別の能力が與えられることも当然できるわけであります。しかしながら本法に掲ぐるもの及び他の法律によつて特別の能力を與えられているもの以外の事業は、これを行うことができないわけであります。先般いろいろ御御説明をいたしておりますところの漁業権の保有の問題というのは、改正漁業法中にこれを規定いたしておるわけであります。第十一條に列挙いたしております事業は、從來の漁事業会の営んでおりました経済部面の事業と大体同じでございます。ただこのたびの漁業協同組合の事業中特に新しいと考えておりますのは、十号の「水産に関する技術の向上及び組合事業に関する組合員の知識の向上を図るための教育並びに組合員に対する一般的情報の提供に関する施設。」いわゆる教育事業、これが新しい組合の事業として掲げられておるわけであります。次に十一号の「組合員の経済的地位の改善のためにする團体協約の締結。」これも新しい規定であります。これは組合員の経済的地位の改善のため組合が乾場の使用の問題につきまして、倉庫の利用の問題につきまして、倉庫の利用の問題につきまして、あるいは漁船の修理の問題、あるいは市場利用の関係につきまして、それぞれ使用料及び利用料その他の経費について一定のとりきめをする、そうするとそのとりきめをいたしました場合は、組合員はそれよりも不利なる契約をしいられることはないという規定であります。これはやはりその考え方は、いわば労働協約というふうに労資対立の問題をこの團体協約で締結するのではなくて、組合員の経済的地位の改善のためにする團体協約ということを考えておるわけであります。漁業協同組合の内部において、私どもは労資対立の問題を決定さそうということは考えていないのであります。それは第一條に申しましたように、組合員の社会的、経済的地位の向上をはかることが目的であつて、政治的地位の向上をはかるという趣旨ではないのであります。從つて労資のいろいろ労働條件の問題、労資間に起るところの問題については、これは別に労働組合法の結成によつて、健全な運営においてこれを解決して行くべきものと考えておるわけであります。第二項は協同組合に二種類ございまして、出資組合と非出資組合と二つにわかれております。非出資組合はしかしながら信用事業、つまり資金の貸付及び貯金の受入れ、この信用事業は行うことができない。両方はもちろん、一緒にほかの経済事業とともに行うことができない。つまり他の事業を営みながら、あわせて貸付の事業を行うなり、あるいは貯金の受入れの事業を行わんとするならば、これは非出資組合ではだめであつて、出資組合をつくらなければならぬ、こういうことであります。次は第三項は員外利用の規定でございます。この員外利用の規定を置きましたのは、漁業協同組合は本來職能的團体でありますと同時に、漁村における生活協同体としての面も持つているわけであります。また漁業の性質から考えまして、ほかの船が他の協同組合の販賣施設等を利用する場合も相当多いわけでありますから、そういう考え方から員外利用者を認めているのであります。員外利用の事業を利用するところの分量の制限につきましては、漁業の性質から考えまして、農業の方では員外利用の事業分量は、その組合員が利用する事業分量の五分の一を越えてはならないことになつておりますが、本法においてはそれをもつと緩和をいたしておりまして、員外利用の事業の分量の総額は組合員が利用する事業の分量の総額を越えてはならない、こういうように緩和をいたしているわけであります。
 それから第十二條ないし十五條は新しく入りました規定でございまして、協同組合は倉荷証券を発行することができる。農業協同組合におきましては農業倉庫業法がございまして、農業協同組合は農業倉庫業者としてなり得るわけであります。漁業協同組合につきましては、さような規定がございません。本法は商工協同組合の例にならつて、倉荷証券を発行する規定を新しく追加いたした次第でございます。
 次に第十七條、漁業の経営でございます。これは先ほど申し上げました組合事業のほか、特に生産組合と大体同じような條件を備えますところの漁業協同組合につきましては、みずから漁業及びこれに附帶する事業が行える。これによりまして生産組合を別につくらなくても漁業協同組合一本で、それをあわせて二つの組合の事業を行えるという弁法を設けたのであります。ただこれは生産組合及び協同組合を通じましてこの考え方でございますが、この制限が非常に窮屈であるという点がわれわれも考えられるのでありますが、この制限を非常に緩和して参りますと、たとえば漁業権を取得するところの順位の問題、あるいは先ほど申し上げましたような税法上の特典の問題、そういうような点につきまして、ほかのいろいろの形態のものが、生産組合なり、協同組合という名のもとに組織することによつて、これを免れるという点も予想をされるわけであります。各方面に影響を持つわけでありますから、われわれといたしましては、若干その間の区別を明らかにすることが必要であると考えましたので、特にこういうふうな制限をつけているわけであります。
 次に第二節の組合員でありますが、第十八條は組合員たる資格を規定しているのでありまして、第一項は地区組合における正組合員の資格を規定いたしております。第二項は業種別組合員たる資格を規定いたしております。
 それから第三項は准組合員たる組合員の資格を規定しておるわけであります。地区組合におきましては、定款をもつて組合員たる資格を非常に制限することはできない建前でありまして、その制限のできますのは、ただ三十日ないし九十日までの間で定款で定める日数、この間の決定は定款で定めることができるのでありますが、いやしくも漁民たる者について、ある種の漁民はこれを地区組合から排除するということは、法律では許さなれい。いやしくも法律上漁民としての資格がある者は、漁業者であろうが從業者であろうが、すべて地区組合の組合員たる資格を持つという建前であります。しかしながら業種別の組合につきましては、これはむしろ目的が非常に職能的な――その業種についての特別の利益をはかつて行くという色彩が強いわけでありますから、これは「特定の種類の漁業を営む者又はこれに從事する者」と書いてございます。必要がございますれば、これは漁業者だけで業種別組合をつくることが可能であるわけであります。准組合員につきましては御説明をすることはないと思います。特に漁業生産組合は法人ではございますけれども、漁業協同組合と非常に関連が深いわけであります。法人はその協同組合を通じて法人加入は全然認めておりませんけれども、漁業生産組合についてのみ特例を開いて准組合員としての資格を與えておるわけであります。
 第十九條は出資組合の基本的な事項に関する規定であります。たとえば、組合員は必ず出資組合たる以上は、出資一口以上を持たなければならない。それから出資金額の均一の原則をとらなければならない。責任は有限責任制度をとる。出資の拂込については相殺を禁止する規定をおいておる。これは從来とも各協同組合を通じての原則でございますので、特別御説明をいたす必要もないかと思います。ただ出資口数の最高限については、特別に最高限を幾らにするということは、本法では規定をいたしておりません。出資口数の最高限は定款でこれを規定する第三十二條第六号によりまして、出資組合についての定款についての必要的記載事項と相なつておるわけであります。それからそのほかの出資金額均一の原則であるとか相殺禁止の規定とかは、他の法制につきましても同様の原則でございますから説明は省略いたしまも持分の譲渡及び共有禁止の規定につきましても、これは会社と協同組合との建前の相違から來る規定でございまして、これも御説明は格別する必要はないと思います。
 第二十一條は議決権及び選挙権に関する規定でございますが、正組合員はおのおの一個の議決権及び役員の選挙権を持ち、准組合員はこれを持たないという規定でありまして、本條の趣旨は、漁民の團体とし、漁民以外の者の勢力によつてその漁業組合が支配されるということを防止する建前から、こういうふうになつておるわけであります。出費口数等に関係なく、各自一個を持つということは協同組合の根本的な原則から來ておるわけであります。次に書面議決及び代理議決の規定を置いておるわけでありまして、書面議決及び代理議決につきましては、一定の制限を考えておりまして、第一はあらかじめ通知のあつた事項についてやれるということ、それから「代理人は、二人以上の組合員を代理することができない。」つまり一人しか他の組合員を代理することができない。こういうようなことで制限を付して認めているわけであります。次に第二十二條は経費の規定でございます。定款で経費の賦課を認めないこともできる。自由であります。「定款の定めるところにより、組合員に経費を賦課することができる。」つまり経費をとらないでも、出資によつてまかない得る組合については、それで支障がないのであります。定款で経費の賦課をとると認めた場合に、その経費をとることになるわけであります。経費の賦課及び徴收方法については総会できめる。こういうふうな規定に相なつております。
 それから第二十三條は過怠金の規定でありますが、これは組合の定めたところの事項に違反する、あるいは組合員としての義務に違反する者に対して課するものであります。本來自由ではありますけれども、組合事業の目的の達成のために團体をつくりました以上、その目的を遂行するために必要な團体的規則は、当然維持していかなければならぬものであります。その考え方からいたしまして、過怠金の規定を置いているわけであります。
 次に第二十四條は専用契約であります。これは新しく入りました規定であるわけであります。これは組合が行つておりますところの施設、たとえば共同販賣でありますとか、共同購買でありますとか、こういうような施設をもつぱら組合員は、それだけを利用するというふうな旨の契約を、組合と組合員とが締結をする。締結をいたしました場合には、必ずその共同施設によらなければならない。たとえば共同販賣組合の共同販賣施設を必ず利用するという契約をいたしました場合には、組合員はその漁獲物を必ずその共同販賣施設に持つて來なければならない。ほかのものに直接賣ることはできない。こういう規定であります。これも自由の原則からいたしますれば一つの制限であると考えますが、やはり組合として事業を営みます以上は、組合施設をどの程度まで組合員が利用するかということが、一定の限度までいかなければ、組合事業の遂行についても非常に支障を生ずる、手違いを生ずるわけでありますから、一年を越えない期間を限つてそのような專用利用契約を結ぶ。しかしながらこの締結すると否とは全然組合員の自由でありまして、この締結は組合員の任意である。組合は締結を拒んだことを理由として、その組合員がたまたまその組合の施設を利用したいという場合に、拒んではならないというふうな規定が次に置いてあるわけであります。
 それから次の第二十五條は加入自由の原則。第三十六條は脱退自由の原則を規定いたしておるわけであります。この脱退に二種類ございまして、第二十六條はいわば予告脱退という規定であります。第二十七條は法定脱退の規定であります。組合員は任意に六十日前までに予告をいたしまして、事業年度の終りに脱退ができる。事業年度の終りといたしたのは、適当の時期にいつも任意の時期に脱退されますと、組合の事務の処理上非常に煩瑣であります。持分の計算規定がございますので、これは事務処理の便宜上、事業年度の終りということにいたしたわけであります。法定脱退の規定は組合員たる資格の喪失、死亡または解散、除名、こういうようなことが法定脱退の理由であります。当然この事由が起りますれば、組合員は脱退をいたさなければならぬのであります。ただ從來ございましたような禁治産及び破算というものを、特に脱退理由とはいたしておりませんが、これは生産者たる漁民がそういうふうな宣告を受けましても、漁業生産を営むに支障ないような場合もあるわけであります。そういうふうな者については、必ずしもこれを法定脱退とする必要はないということで、それを削除いたしておるわけであります。
 次に第二十八條は脱退者の持分の拂いもどしの方法及び限度等を書いてあるわけであります。脱退の場合には「定款の定めるところにより、その持分の全部又は一部の拂戻を請求することができる。」ここにいわゆる持分と申しますのは、組合員が組合財産に対して持つておるところのわけ前であります。これは定款の定めるところによつて、全部と規定する場合と、一部と規定する場合、これは定款で決定する、たとえば除名をいたしますような場合には、当然定款規定によりまして一部の拂いもどしをすることも当然支障ないわけであります。それからそのほかは、脱退をいたしました組合員に拂いもどすべき持分の計算方法についての規定及び時効の規定等であります。なお持分拂いもどしの停止に関する規定、これが第三十條。それから第三十一條は出資口数の減少の規定、出資口数の減少ということは大体脱退と同様に考えていくというような趣旨からいたしましたわけであります。從つて脱退に関する規定を準用いたしております。第三十一條につきましては、準用いたしておりませんのは、これは相変らず組合員たる地位を持つているという関係でございますので、特に第三十條の適用の必要がないということでございます。次に第三部の管理でございますが、これは定款に記載すべき事項を規定してあるわけでありまして、必要的の記載事項と、任意的の記載事項とに分れるわけであります。第三十二條の但書に該当いたしますものは、大体任意的の記載、そのほかは必要的記載事項を必ず書かなければならぬ。またこういう組合については必ず規定しなければならぬというふうな條項であるわけであります。なお從來と違つております点は、この第二項でございます。出資にこのたび現物出資の規定を認めております。現物出資をいたします場合の規定であります。これが新しく從來とかわつて加わつているわけであります。
 第三十三條は、これは定款で定めなければならない事項を除いて、これを規約で定めたのであります。たとえば「一総会又は総代会に関する規定」の中で議事の細則でございますとか、あるいはまた業務の執行及び会計に関する規定でありますとか、特に定款上書かなければならぬと列挙してあります以外の細目であります。あるいは役員に関して、役員会及び報酬に関する規定、あるいはまた組合員に関して各種の調査または報告に関する規定、そのほか職員に関する規定であります。こういうふうなこまこましたもの、これは特に定款できめなければならない改訂をなす事項以外は規約できめる。規約できめると申します点は、これはつまり特別決議を要せず、また行政官廳の認可を要せずときめられておるということが定款と違うわけであります。第三十四條は、役員の定員及び選挙の規定であります。この中で特に從來とかわつております点は、役員の選挙は総会で無記名投票で行う、これが從來と異つております方法であります。それからもう一点は、第七項の「組合の理事の定数の少くとも四分の三は、正組合員で(准組合員を除く)でなければならない。但し、設立当時の理事の少くとも四分の三は、設立の同意を申し出た漁民でなければならない。」この規定も先ほど來申しておりますように、勤労漁民としての組合の自主的な性格を貫いて行く、ただ実際の実情から見ますところの運営の円滑を期するために、若干の役員につきましては、これを正組合員以外から出し得るということにいたしたわけであります。
 第三十五條、役員の任期につきましてはいろいろ御意見が出ており、これが非常に短かく感じられておるわけでありますが、この趣旨は役員の専制化ということを防止いたしまして、できるだけ組合が民主的運営を期する機会を多くするというような趣旨でかようになつておるわけであります。
 あとは総会の招集関係、役員の兼職禁止、組合員に対する通知の問題、あるいは定款その他の書類の提出、備えつけ及び閲覧、決算関係、これらはいずれも從來の国体法規にある規定と大同小異でありまして、格別の御説明はいらないと思うのであります。要はこれは組合事業が公正に運営され、そうして組合員及び組合員債権者の利益を保護するために必要な規定であります。
 次に第四十四條、これはいわゆるリコール制の問題であります。「総組合員の(准組合員を除く。)の五分の一以上の連署をもつて、その代表者から役員の改選を請求することができる。」これについてちよつと申し上げておきたいと思いますのは、二項にございますように、「改選の請求は、理事の全員又は監事の全員について、同時にこれをしなければならない。」つまり一人の人のリコールということは考えておりません。理事の全員または監事の全員について、同時に改選を請求するということであります。それから改選の請求がありました場合は、「理事は、これを総会の議に附さなければならない。」総会できめる際に、理事は総会の日から七日前までに、当該請求にかかる役員に対して書類をつくつて、かつ総会においてこれを弁明する機会を與える、その改選に対して一方の役員の弁明をするところの機会を與え、そこにおいてよく弁明をいたしまして、それをいろいろ事情を判断して総会でこれを決定するという建前になるわけであります。
 その他第四十五條は役員に関する民法の準用規定、これは普通ございますように、第四十四條第一項は法人の不法行為能力の規定、第五十二條第二項は法人内部の事務執行は理事の過半数によるという規定、第五十三條から第五十六條までは理事の法人代理権に関する規定、第五十九條は監事に関する規定、第六十一條第一項は臨時総会招集に関する規定等であります。
 次に参事及び会計主任、これは特別に新しく入りました規定でありまして、先ほど申し上げましたように、役員は四分の一しかほかのものから出せないという規定がございます。組合の運営を円滑にいたしますために、使用人ではありますけれども、特に役員に準じて重要な参事及び会計主任というものをつくつて、これによつて他の方面から適当な人を選び出して行き、そうして組合の運営に支障なからしむるという趣旨であるのであります。参事及び会計主任につきましては、商法の規定を準用いたしまして、代理人、支配人の規定を準用することに相なつております。なお役員に準じて重要な地位でございますので、リコール制についても同様これを採用いたします。そのほかはずつと総会の議決事項で、これは從來と特別かわりはありません。ただ第四十九條の第三項で、議長は組合員として総会の議決に加わる権利を有しない。これは從來議長はキヤステイング・ボートをもつておつたわけであります。つまり組合員としての議決権のほか、さらに議長としての一票を持つておつたわけでありますが、今度の規定においてはその点ははつきりいたしまして、議長は組合員として総会の議決に加わる権利を持たないということを明らかにしておるわけであります。そのほかの特別決議は従來御説明いたした通りでございます。
 次に総代会の規定でありますが、これは総会でやることが原則でありますけれども、総会一本で参りますと、非常に議事の進行上あるいは決定をいたします上に不便なこともたくさんあるわけでありまして、総代会の規定を置いておるわけであります。農業関係は組合員の総数が一千人を越える場合に二百人以上の総代を置くというふうになつておりますけれども、漁業関係はそれを緩和いたしまして、組合員の総数が二百人を越える組合につきまして五十人以上の総代を置くというようにいたしております。
 それ以外は出資一口の金額の減少の規定、準備金及び繰越金の規定、これは特別従來とかわつたところはありませんが、ただ繰越金につきまして從來とかわつております点は、第五十五條の第四項でありまして、「組合は、第十一條第一項第十号の事業の費用に充てるため、毎事業年度の剰余金の二十分の一以上を翌事業年度に繰り越さなければならない。」この規定が從來ありません新しい規定であります。
 次に剩余金の配当の規定でありますが、これは「組合は、損失を填補し、前條第一項の準備金及び同條第四項の繰越金を控除した後でなければ、剩余金の配当をしてはならない。」という規定であるわけであります。損失とほどういうことかという御質問がありましたので、実質上の損失だと簡單に御説明いたしたのでありますが、この損失という字はいろいろに考えられるのであります。たとえば毎事業年度の決算におきまして、総益金から総損金を控除いたしまして不足する金額、これも一つの損失と考えられるわけであります。それから貸借対照表上、負債が資産を超過するというふうな場合も損失と考えられておるわけであります。それから組合財産をもつて組合の債務を完済することができないというような場合も損失というふうに考えられるわけであります。しかしこれらはいずれも、本來こういうふうな場合には剩余金というものが大体出て來ないのであります。また組合債務を完済できないような場合には破産となる場合でありまして、剩余金処分は出て來ないのであります。ここで今考えておるのは、実質上損失のある場合で、この意味は、あるいは資産の不正評價あるいは過小評價によつて、実質上損失のあるものを隠しておる、あるいはどうしても回收不能の債権を取立てないで、しかも相かわらず資産にあげておいて、損失のないような形にして剩余金を出して剩余金の配当をする。こういうようないわばたこ配的なやり方はやはり禁止をしなければならない。やはり組合としては実質上の損失はあくまでよく檢討して、それを填補したのちに剩余金の配当をしなければならぬという趣旨を書いたわけであります。そのあとは從來と大した違いはありません。
 次に第四節の設立の規定でありますが、設立のやり方は、これはちよつと御説明をいたしましたが、從來と異つておる点があるのであります。それは組合を設立いたします発起人が二十人以上の漁民でなければならないということです。それから從來発起人は定款を作成いたしますと、すぐに創立総会を開くという手続であつたのでありますが、今回はその以前に設立準備会を開かなければならない。そしてその設立準備会において定款作成委員というものを選定いたしまして、それが定款作成に当る。その準備をいたしましたあとで創立総会を開く。こういうやり方が從來の設立手続とかわつておる点であります。
 それからちよつと申し上げておきたいと思いますのは、第六十二條の第四項でございまして、創立総会では定款は修正ができるわけでありますが、地区及び組合員たる資格に関する規定については、設立準備会において一應決定するわけであります。これは変更しない。これを変更して行きますと設立準備会を設けた趣意が沒却してしまう。すつかりかわつてしまたのでは設立準備会を設けた意味がないというわけでありますから、この規定だけはいじれないことにしておるわけであります。從つて地区及び組合員たる資格を変更しようという場合には、新しくまた別に設立準備会からやつて行かなければならないということであります。それ以外は大体お読みいただければおわかりになると考えます。それから第五節の解散及び清算につきましても、これは從來の規定とほとんど同様でございますので、これも特に御説明を要しないと考えております。
 それから第三章の漁業生産組合、これは新しく協同組合法に入りました規定でございます。これは特に漁業及びこれに附帶する事業を、漁民の同志的な結合によつて営むものでありまして、從來はこれを任意組合の形でやつておりましたのを、新しく法人格を持たし、資金の融通その他に便宜になるように規定をいたしたのであります。ただ先ほど申し上げましたように各種の制限がついておりますのは、漁業権の取得に関する優先順位、あるいは國税法上の特典等の関係上、ほかのものと区別をいたしますためにかような制限に相なつたわけであります。大体生産組合についてはそれ以外の点について格別御説明を要しないと思います。
 それから第四章の漁業協同組合連合会の規定でありますが、これも從來と同じような考え方でありまして、漁業協同組合の連合体の必要な事業を列挙いたしておるわけであります。大体漁業協同組合の行う事業は、いずれも漁業協同組合連合会においてこれを行い得るわけでありますが、ただ信用事業につきましては、單位組合と違つて兼営をすることができないという点と、漁業をみずから営むことができないという点以外は、大体漁業協同組合と同じであると御了解いただけばいいのではないかと考えております。
 それから会員たる資格、これについても御説明は要しないと思います。この漁業協同組合連合会は、その連合会の地区の全部または一部を地区とする漁業協同組合、または漁業協同組合連合会及び連合会の地区内に住居を有する漁業生産組合、これが正会員として入る。それから連合会の地区内に住所を有し、かつ法律に基いて設立された他の協同組合、たとえば水産加工業協同組合、あるいはまた商工協同組合でありまして、前二号の者の事業と同種の事業を行うもの、これについてに準組合員として加入ができるということであります。
 第八十九條の規模の制限につきましては、御質問によつてお答えをした通りであります。
 そのほか総会の議決事項等につきましては、大体協同組合の規定を準用いたしておりますので、御説明を要しないと考えます。
 それから第五章の水産加工業協同組合につきましても、これは水産加工業者の協同組合として特別にこれを法律上に認めたのでありまして、漁業協同組合と違います点は、その組合員は加工業者をもつて組織する。從つて加工業を営む者に從事する者はこの協同組合の組合員とはいたさない。営業主をもつてつくるという点が漁業協同組合と違う点であります。そのほか事業につきましては、たとえば第九十三條の第一項第六号のような規定が加工業組合としての必要上加わつているわけであります。そのほか加工業協同組合については大体漁業協同組合と同じような規定と御了承願いたいと思います。
 それから第六章の水産加工業協同組合連合会につきましても、漁業協同組合連合会または水産加工業組合と大体同じような考えでありまして、條文をごらんいただけば違つておる点は御了承いただけるかと思います。
 次は第七章の登記であります。登記は大体從來の協同組合法を通じてのやり方でありまして、ちつともわかりません。他は省略いたします。
 第八章の監督でありますが、今度の漁業協同組合はきわめて自主性の強い團体でございますので、行政官廳の監督権は極度に制限をいたしております。從つて行政職というものは、これを非常に強制をするとか、あるいは命令をするというような規定は、全部これを除いて、必要の限度にとどめておるわけであります。たとえば、第百二十三條の檢査の規定にいたしましても、組合員からの請求がある場合、あるいはまた行政廳の処分または定款もしくは規約に違反する疑いがあることを理由として檢査を請求した場合、それからまた組合の業務または会計が法令、法令に基いてする行政廳の処分または定款もしくは規約に違反する疑いがある、こういうふうな場合に限つて、業務または会計の状況を檢査するというように限定されておるわけであります。そのほか特に監督権は、從來とは異つて非常に少くなつております。
 それから第九章、これは罰則の規定でございまして、これについては他の協同組合を通じて同程度の罰則を付しておるわけでございまして、説明を省略いたしたいと思います。
 それから最後に附則の問題でございます。「この法律施行の期日は、その公布の日から起算して九十日をこえない期間内において、政令でこれを定める。」こういうことになつておるのでありますが、私どもといたしましては、一日も早くこの法律が施行されるということを希望をいたしておるものであります。九十日とは書いてございますが、もちろん九十日もかからないうちに、できるだけ早く諸般の準備を整えて、これを施行いたしたい。現在の私どもの心構えといたしましては、少くとも二月一日からこれを施行するというふうな心構えで準備を進めて参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 大体非常に粗雜でございましたが、この水産業協同組合法案のおもな点についてお話申し上げました。
 次に、水産業協同組合法の制定に伴う水産業国体の整理等に関する法律案の御説明を申し上げます。これは特に御説明を加えるところもないと考えますが、從來の水産業團体は、協同組合法施行の日から起算をいたしまして、八箇月を経過いたしましたときに解散をする。法律施行後八箇月以内に当然解散になるという規定であるわけであります。ただ漁業会が漁業権もしくは入漁権等を持つております場合には、漁業権制度の改正によつて、その漁業権に対する補償が決定して参りますまでは、完全に清算をすることができないわけでありまして、從つて八箇月を経過いたしましても、漁業権あるいは入漁権等の管理につきましては、引続いてやつて行くという変則的なやり方にならざるを得ないというふうに考えます。
 それから次は、水産業團体の資産処分の制限の規定であります。これは從來もやつておりますように、水産業團体は本法施行後はその資産を任意に処分してはならない、但し通常の業務として行う場合は別でありますが、資産の処分につきましては行政官廳の認可を要するということにいたしまして、できるだけ現在の水産業團体の資産が、新しく生れますところの漁業協同組合に引継がれまして、あるいは水産加工業協同組合に引継がれまして、その新しい組合の運営にできるだけ支障を來さないようにいたしたい、その健全な発達を庶幾したいということが、そのねらいであるわけであります。
 それから、水産業團体の財産分配の問題は、第四條に、水産業国体の財産の分配は、各会員にその持分に應じて平等に分配しなければならぬという規定がありますが、しかしながら一つの地区に二以上の協同組合ができたというふうな場合には、これはその次の漁業会の財産の分割という手続に行くわけであります。新しい協同組合から、從來の漁業会が持つておりました財産について、分割を請求する。その分割は、結局従来の漁業会の会員であつて、新しく漁業協同組合の組合員たるものの持分の総額の占める割合に感じまして、当該漁業協同組合に帰属すべき財産を定めて行く、非常にめんどうな手続になるわけであります。これが具体的に協議がととのわない場合には、行政職に対して裁定を申請をいたします。その裁定がありますれば、その裁定の効果といたしまして当然そのものは物権的に移轉をするというふうな建前をとつておりますわけであります。なお分割以外に第十條によりまして、漁業会の資産の譲り渡しまたは債務の引渡しという手続も、これはとることができるということに相なつております。ただこれまで説明をいたしましたのは、これは漁業協同組合に対する規定でございまして、都道府縣水産業会等の資産の譲渡または債務の引渡しにつきましては、具体的にその資産の譲り渡しまたは債務の引受に関する協議をいたしまして、その協議によつてきめて行く。協議がきまらなければ、裁定によつてきめて行く、こうい建前をとつておるのでありまして、財産の分割ということは、都道府縣水産業会等については、これはございませんわけであります。
 それから水産業團体の解散準備総会でありますが、これはこの法律が施行されました際に、現在ございます水産業團体は、中水は別であります。これは閉鎖機関になつておりますから、当然別でありますが、それ以外の水産業團体は、法律施行二箇月以内に総会を招集いたしまして、解散準備総会を開かなければならぬわけであります。解散準備総会を開きました場合に、特に御注意を申し上げたいと思いますのは、第十三條の二項でありまして、解散準備総会におきまして、前項の理事または清算人は同項の総会において水産業協同組合法及びこの法律に関し詳細な報告をしなければならぬ。つまり新しくできる水産業協同組合法はこういう趣旨でできるという趣旨を、よく組合員に納得さすために、この法律に関して詳細な報告をしなければならぬ。それによつて組合員は、新しくできる協同組合はどういう理念に立つて、どういうふうにつくつて行くかということが初めてわかるわけであります。この手続をしなければならぬ。そうしてこの第一項の総会では、資産処理委員会の委員を選挙する、その委員が資産の処理に当る、こういうことになるわけであります。從つて趣旨の説明をいたしましたあとは從來の役員といえども、やはりこれは新しい組合の設立運動に参加してもよろしい、趣旨の説明のあるまでは、これは非常に誤解を招くわけでありますから、解散準備総会までは從來の役員は新しい協同組合設立の運動に参加してはならないというふうなことになるわけであります。この点をちよつと御注意いただきたいと思うのであります。それ以外は、大体お読みいただけばわかると思います。以上で水産業團体の整理等に関する法律案については、それ以外は御説明を省略いたしたいと思います。
 なお漁業権等臨時措置に関する法律案につきましては、これはごく簡單な法律案でございます。たびたび御説明をいたしましたので、御了解を得ておるかと思うのでありますが、新しい漁業法が施行されるまでの間、漁業権等に関する現状を不当に変更することを防止する。從つて新規免許につきましては、実質上更新免許であるようなもの以外は免許あるいは変更の許可はしない。漁業権の譲渡、または抵当については認可を要す。そのほか漁業権の貸付契約あるいは漁業権の設定契約については、これは正当な事由がなければその更新を拒むことができない。あるいはその内容を解除もしくは解約をすることがない。その場合都道府縣知事の認可を受けなければならないというような規定であります。これは別にくどくどしく御説明申し上げる必要もないと思います。
#4
○西村委員長 本日は午後会議を開くはずでございましたけれども、小委員会を開く都合上、午後の会議は開かれませんから、さよう御了承おきを願います。
 明日は本委員会に付託になつておりまする請願並びに陳情の件を審議いたしたいと考えます。なお二十二日及び二十四日に開かれます公聽会の公述人も明日は選定いたしたいと考えます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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