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1948/11/29 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 水産委員会 第12号
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1948/11/29 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 水産委員会 第12号

#1
第003回国会 水産委員会 第12号
昭和二十三年十一月二十九日(月曜日)
    午後一時五十九分開議
 出席委員
   委員長 西村 久之君
   理事 冨永格五郎君 理事 外崎千代吉君
      石原 圓吉君    川村善八郎君
      關内 正一君    仲内 憲治君
      平井 義一君    加藤 靜雄君
      矢後 嘉藏君    小松 勇次君
      三好 竹勇君    岡田 勢一君
      鈴木 善幸君
 出席政府委員
        水産廳長官   飯山 太平君
 委員外の出席者
        議     員 井谷 正吉君
        農 林 技 官 高橋清三郎君
        專  門  員 小安 正三君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した事件
  請 願
 一 宮古市磯鶏に漁港築設の請願(鈴木善幸君
  紹介)(第二四号)
 二 函館市に漁港築設の請願(冨永格五郎君外
  二名紹介)(第五三号)
 三 漁船保險対策に関する請願(坂本實君紹介
  )(第六七号)
 四 同(川野芳滿君紹介)(第六九号)
 五 同(多賀安郎君紹介)(第七〇号)
 六 漁船保險対策に関する請願(石原圓吉君紹
  介)(第一六八号)
 七 同(周東英雄君紹介)(第一八七号)
 八 同(小島徹三君紹介)(第一八八号)
 九 同(梁井淳二君紹介)(第一九一号)
 一〇 苫小牧市前濱に漁港築設の請願(三好竹
  勇君紹介)(第二〇七号)
 一一 漁区拡張に関する請願(西村久之君紹介
  )(第八三号)
 一二 水産業対策に関する請願(石原圓吉君紹
  介)(第八六号)
 一三 全國内水面魚族増殖対策に関する請願(
  田中源三郎君紹介)(第二一号)
 一四 知床半島宇登呂に漁港築設の請願(永井
  勝次郎君紹介)(第二二号)
 一五 磯谷村尻別川河口に船入澗築設の請願(
  小川原政信君紹介)(第八四号)
 一六 縣立濱田水産試驗場浦郷分場を國立水産
  試驗場分場に昇格の請願(木村小左衞門君紹
  介)(第八五号)
 一七 安浦漁港防波堤築設費國庫補助の請願(
  武田キヨ君紹介)(第八七号)
 一八 遠別村に船入澗築設の請願(坂東幸太郎
  君紹介)(第八八号)
 一九 垣生村に船溜築設の請願(馬越晃君紹介
  )(第一〇九号)
 二〇 伊座敷港を漁港並びに避難港として指定
  の請願(前田郁君紹介)(第一四〇号)
 二一 苫前船入澗拡張並びに苫前村字力晝に船
  入澗築設の請願(坂東幸太郎君紹介)(第一
  四四号)
 二二 神湊港浚渫に関する請願(中島茂喜君紹
  介)(第一八二号)
 二三 音調津漁港修築の請願(高倉定助君紹介
  )(第一八四号)
 二四 兵庫縣に魚政事務局設置の請願(田中源
  三郎君紹介)(第一八六号)
 二五 頓別村漁港修築の請願(坂東幸太郎君紹
  介)(第一九六号)
 二六 天賣船入澗拡張工事施行の請願(坂東幸
  太郎君紹介)(第一九八号)
 二七 渡波港浚渫の請願(内海安吉君紹介)(
  第二五七号)
 二八 三瓶漁港修築に関する請願(井谷正吉君
  外八名紹介)(第二五七号)
 二九 漁船保險対策に関する請願(田中源三郎
  君紹介)(第二七七号)
 三〇 内入漁港に防波堤築設の請願(受田新吉
  君紹介)(第二七八号)
 三一 歯舞村に漁港築設の請願(森三樹二君紹
  介)(第二七九号)
 三二 漁船保險対策に関する請願(金野定吉君
  紹介)(第三一六号)
 三三 田野畑港修築の請願(鈴木善幸君紹介)
  (第三一七号)
 三四 漁船保險対策に関する請願(中村嘉壽君
  紹介)(第三三六号)
 三五 知内村涌元に船入澗築設の請願(冨永格
  五郎君紹介)(第三四一号)
 三六 漁船保險保策に関する請願(内藤友明君
  紹介)(第三四七号)
 三七 同(若松虎雄君外一名紹介)(第三四八
  号)
 三八 同(斎藤昇君紹介)(第三六一号)
 三九 同(庄司彦男君紹介)(第三七五号)
 四〇 同(三好竹勇君外二名紹介)(第四〇〇
  号)
 四一 茂生船入澗拡張工事施行の請願(苫米地
  英俊君紹介)(第四〇八号)
 四二 豊ノ浦漁港修築の請願(井谷正吉君外八
  名紹介)(第四一七号)
 四三 大津村厚内に漁港築設の請願(高倉定助
  君外一名紹介)(第四二四号)
 四四 漁船保險対策に関する請願(小松勇次君
  紹介)(第四四三号)
 四五 同外三件(馬越晃君紹介)(第四四四号
  )
 四六 同外三件(椎熊三郎君外三名紹介)(第
  四四八号)
 四七 釣懸船入澗拡張並びに稻穂及び神威脇に
  船溜築設の請願(川村善八郎君紹介)(第四
  七五号)
 四八 漁船保險対策に関する請願(鈴木善幸君
  紹介)(第四九三号)
 四九 同(川村善八郎君紹介)(第四九三号)
 五〇 御疊瀬船澗口に防波堤築設の請願(長野
  長廣君紹介)(第四九四号)
 五一 根付漁業中に「ばら寄魚漁業」を編入の
  請願(石原圓吉君紹介)(第五〇〇号)
 五二 普代村太田名部港に船溜築設の請願(鈴
  木善幸君紹介)(第五〇一号)
 五三 水産高等教育改善に関する請願(加藤靜
  雄君紹介)(第五一〇号)
 五四 漁船保險対策に関する請願(川村善八郎
  君紹介)(第五三〇号)
 五五 漁業法の一部を改正する請願(岡田勢一
  君外一名紹介)(第五七〇号)
 五六 厚田村船入澗築設工事継続施行の請願(
  椎熊三郎君紹介)(第五七一号)
 五七 霧多布漁港築設工事継続の請願(伊藤郷
  一君紹介)(第五七八号)
 五八 宮戸村大濱湾に船溜防波堤築設の請願(
  内海安吉君紹介)(第五八二号)
 五九 昂布の自由出荷並びに自由販賣の請願(
  仲内憲治君紹介)(第五八五号)
 六〇 小橋港修築に関する請願(大石ヨシエ君
  紹介)(第六一四号)
 六一 久慈漁港修築の請願(青木孝義君外一名
  紹介)(第六二七号)
  陳情書
 一 漁業水域の拡張に関する陳情書(東北海道
  商工会議所協議会帶廣商工会議所)(第二〇
  号)
 二 漁業制度改正促進の陳情書(東京都港区芝
  海岸通一丁目二十番地漁業経営者團体連盟会
  長飯山太平)(第三一号)
 三 漁業手形制度実施の陳情書(西日本水産振
  興会委員長林與一郎外七名)(第一〇九号)
 四 瀬戸内海区に漁政廳設置の陳情書(西日本
  水産振興会案員長林與一郎外七名)(第一二
  三号)
 五 名護屋港修築に関する陳情書(佐賀縣東松
  浦郡名護屋村大字名護屋漁業会長山崎三一郎
  外十九名)(第二六〇号)
 六 漁船保險対策に関する陳情書(大分縣漁船
  保險組合長代理今津繁藏外一名)(第三五二
  号)
 七 同(京都府漁船保險組合長倉繁次)(第三
  六三号)
 八 水産業協同組合法制定促進の陳情書(宮城
  縣水産業会長須田次麿)(第三九四号)
 九 和歌山縣の漁業災害復旧費國庫補助の陳情
  書(和歌山縣知事小野眞次外四名)(第三九
  五号)
 一〇 漁業法案並びに水産業協同組合法案に関
  する陳情書(宮城縣本吉郡唐桑村字馬場二百
  六番地梶原克志外四名)(第四〇〇号)
 一一 柏原漁港に防波堤築設の陳情書(福岡縣
  議会議長稻員稔)(第四二一号)
 一二 水産業協同組合法制定に関する陳情書(
  塩竈市漁業会長円野實外四十名)(第四四六
  号)
#2
○西村委員長 これより会議を開きます。
    ―――――――――――――
 請願の審議に入ります。日程第一ないし日程第一〇は、すでに審査をしておりまするので、採決いたすのでありまするが、一時留保いたします。なお日程第二九、第三二、第三四、第三六ないし第四〇、第四四ないし第四六、第四八、第四九及び第五四の請願は、いずれも漁船保險対策に関する請願であります。すでに審査いたしました日程第三ないし第九の各請願と同一の趣旨の請願でありますので、審査を省略して、採決を一時留保することといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○西村委員長 御異議ないようですから、さよう決定いたします。
 次に日程第一一、漁区拡張に関する請願及び第一二、水産業対策に関する請願は、前会紹介議員の説明は済んだのでありまするが、政府の説明が留保になつておりまするので、両請願を議題として政府の説明を求めます。
#4
○飯山政府委員 日程一一の漁区拡張に関する請願を先にお答えいたします。漁区拡張の点は、日本の現状から見まして最も重要かつ緊急な問題であると考えておるのであります。從つて当局としては、これが拡張に対してあらゆめ機会に努力しておるのでありまするが、御承知のように、これは連合軍最高司令部の意思によつてきめられることでありますのと、また連合軍最高司令部におきましても、司令部のみでは解決のできない問題、極東十一箇國の國際関係がある。こういうことで日本の実情に対しては相当同情と理解を持つておられるのでありますが、いまだわれわれの努力が実現するようになつておりません。しかし政府としては、あくまでこれが実現に努力を続けておるわけであります。
 第一二の水産業対策に関する請願の、生産資材の入手手続の簡易化につていバ実際において漁業は漁期の関係がありますので、漁具を迅速に入手れるということは最も必要なことであります。從つてその手続ができるだけ簡便であることは必要でありますが、現在物資割当の規則によつてやつておりますので、これをただちに簡易化するということは困難な事情があるのでありますが、できるだけ、たとえば地方廳と調整事務所との関係というようなことが、手続の上に煩瑣であろうと思うのでありますが、これらの関係につきましては、政府においてもできるだけ簡易化するという方向に研究を加えておるのであります。
 それから第二の実情に即した魚價の設定、おそらく実情に即したというのは、実際の漁業者の経営に対應し得る魚價、こういうことだと思います。もちろん漁業を経営して行く上におきましては、漁價が妥当でなければ経営ができないことも当然であります。從つてそれぞれの魚種に対して適正な價格をきめるということは最も必要なことであります。しかしこれも魚價だけを取上げて、他の物價との関連性を無視するわけにも行きませんのと、それから物價関係は物價廳の主管になつておりますので、水産廳としてはできるだけ物價廳に対して、その実際に即したような魚價の設定をしてもらいたいということは、絶えず努力をしております。現に最近においても、不漁対策というような意味において、魚價の適正改訂を要望しておるような事情であります。
 第三に生産資材の完配。これも漁獲を十分にあげようとするならば、もちろんこれに要する資材は完配されなければならぬのでありますが、日本の漁業資材というものは大半輸入にまつておるのであります。米國を初め、その他の海外諸國に供給を求めております関係上、日本の財政関係から、十分な配給ができるような数量を得ることができないのでありますが、しかしこれも関係方面の理解ある御努力によりまして、よほど好轉しつつあるのでありますので、近い將來においてはこの御要望にも沿い得るようになると思います。
 第四は、すでに水産業協同組合法案が提出になつておりまして、御承知の通り衆議院並びに参議院の水産常任委員各位の特別なる御熱意ある御努力によりまして、めでたく昨日参議院の本会議を通過して、これはすでに目的は達成したわけであります。不日実施になることと思います。漁業法の改正につきましては、これも両院の案員会におきまして、漁業協同組合法の憲本でありますので、同時提出の御要望も強かつたのでありまするが、いろいろ関係方面との折衝その他のために、同時提出ができなかつたのでありますが、これも最も近い機会において提出する運びにいたしたい。こういうふうに考えております。
 第五の水産加工冷凍設備に対する國庫補助金の請願。水産の発達をはかろうとするならば、加工業と冷凍業というものをこれに並行させて発達させなければならぬということは、これは絶対の條件であります。從つて水産業の完全なる発達を望むならば、水産加工並びに冷凍事業の発達をはからなければならぬ。それをはかる上において、これが助成のために補助金を出すということは必要でありまするが、関係方面の意向では、政府の補助金というものについては、從來のあり方と非常に違つた見解を持つておられますので、われわれといたしましては、できるだけ理解を求めてこれが助成に努めたい。こういうふうに考えております。以上で第十二の水産業対策に関する請願に対する政府の見解といたします。
    ―――――――――――――
#5
○西村委員長 便宜紹介議員の御出席の案件を繰上げて審査に移りたいと考えますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○西村委員長 御異議ないようですから、その通りとりはからいます。
 日程第二八、三瓶漁港修築に関する請願、井谷正吉君外八名紹介、文書表番号第二五七号、日程第四二、豊ノ浦漁港修築の請願、井谷正吉君外八名紹介、文書表番号第四一七号を一括して議題といたします。紹介議員の説明を求めます。
#7
○井谷正吉君 三瓶漁港修築に関する請願の要旨を申し上げたいと思います。大体請願書で詳しくなつておりますから、大要を申し上げたいと思います。
 三瓶漁港は愛媛縣の西端西宇和郡の南部に位しておりまして、北方五里余にして八幡浜に達すべく、南方宇和島市とは十里余を隔てておるのでありますが、これは自然の良港でありまして、港内は絶対に平穏で、港口また狹小でありますがゆえに天然の良港であるけれども、港内の利用がはなはだ困難であるという状態にあるのであります。さらに昭和十七、八、九年の大風水害によりまして大さん橋が埋沒せられまして、まつたくその機能を喪失しておるという状態であります。現状は國庫補助等によつて浚渫をしておるのでありますけれども、漁業方面における対策が講ぜられておらないという現状であります。三瓶町、及びこれに連続しております西宇和郡眞穴村、二不生村、三島村、東宇和郡高山村の漁獲高は、優に年額一億円を超過しております。各種漁船あるいは機帆船が二千そうに余つておるのでありますが、これらを收容する良港がない、こういう現状にあるわけであります。從いましてこの漁港の修築ということについて、格段の御同情をもつて、これの実現いたしますようにお願いをいたしたいと思うのであります。
 次は伊方村豊ノ浦漁港修築の請願の要旨であります。現に船だまりがあるのでありますが、これは規模が病常に狹小でありまして、漁船の收容力なきのみならず、構造が古く不完全なものでありまして、しけごとに漁船の被害をこうむることが少くないのであります。やむを得ず数里隔つております八幡浜あるいは伊方湊、浦港等に避難をしておる実情でありまして、多年の宿望である該船だまりの修築を完成し、もつて漁業者唯一の財産である漁船の安全をはかられたい、こういう目的なんであります。現船だまりは港内面積が狹小でありまして、この部落で持つております漁船は三百五十そうあるのでありますが、ようやく九十数そうを收容する程度であるにすぎないのでありまして、漁船の大半は常に港外に繋留せねばならないという状態であります。ゆえに一朝風波に遭遇しますと、他に避難のいとまがなく、遭難をするということを年々繰返しておるわけであります。どうか格別の御配慮をもちまして、これの実現いたしますようにお力添えのほどお願い申したいと思うのであります。以上であります。
#8
○西村委員長 ただいまの議題の二件に対します政府の御意見を求めます。
#9
○飯山政府委員 ただいまの三瓶と豊の浦の両港につきまして考えを申し上げます。御説の通りこの周囲の事情から見まして、最も必要なことと存ずるのであります。しかし現在の財政において許す限りこれが実施に当りたいと考えておるのでありますが、五箇年計画というものを現在当局において立てております。その計画には両方とも加えて、これを五箇年計画実施にあたつて実現するように努力したい、さように考えております。
#10
○西村委員長 ただいまの二件に対して、御意見ございませんか。――御意見ないと認めます。
    ―――――――――――――
#11
○西村委員長 次に日程第三三、田野畑港修築の請願鈴木善幸君紹介、文書表第三一七号、並びに日程第五二、普代村太田名部港に船溜築設の請願、鈴木善幸君紹介、文書表第五〇一号、この二案を一括して議題に供します。紹介者の説明を求めます。鈴木善幸君。
#12
○鈴木(善)委員 岩手縣会議長村上順平君外十八名の請願にかかるところの田野畑港修築に関する請願の要旨を申し上げます。
 田野畑港は三陸航路はもちろん、北海道航路の主要目標地点に相当すると同時に、しかも三陸北部航路の難所とせられておるところであります。また宮古港以北八戸港に至る間は船だまり程度の泊地にして、大型貨物船及び漁船の寄港避難に適する港がきわめて少いために、本港の修築は岩手縣の漁民はもとよりのこと、青森縣、宮城縣等においても、これが修築を非常に強く要請いておるのであります。
 さらに本地域は、近海航路に近く、好漁場に惠まれておりまして、漁船の航行すこぶる多く、既往の実績に徴しましても、当港がこれら船團の避難港として、常に利用せられておるのであります。本港は天然にてできましたところの良港でありまして、これに修築を加えますれば現在までのような難破難船等がなくなるばかりでなく、また地元漁民も不安なく出漁できますし、これにより漁獲高は数百倍に上り、漁獲物はまた容易に宮古に輸送せられまして、三陸沿岸の漁民の生活が非常に向上するわけであります。
 以上の諸点よりいたしまして、本港の修築工事は最も重要かつ急を要するものでありますから、縣議会の決議をもつて、國会に対してこれが御採択をお願いする次第であります。
 次に普代村太田名部港に船だまり築設の請願の要旨を申し上げます。
 本請願は岩手縣下閉伊郡普代村太田名部港に船だまりを修築せられんことを請願いたしておるのであります。太田名部港は、本村における、また附近沿岸町村中における最も惠まれたる自然の良港であります。從つて近海漁業を操業する廻來船は、本村黒崎沖を中心として南北において操業してをり、その大半は太田名部港を休憩地としておるのであります。本村には動力船二十隻、無動力船三百五十隻あり、さばはえなわ、いわし刺網漁業、いかつり漁業、ぶり船引網漁業が非常に盛んでありまして、その漁獲高は百二十万貫の多きに上るのであります。また本村に優秀な定置漁場六箇所がありまして、特に太田名部港地先の漁場は最も漁獲高の多い漁場であるのであります。太田名部港に船だまり場を築設いたしたい念願は、村民一同多年にわたり切実なものでありまして、本村が僻村のために、重要性並びに良港である点が今日まで認められていなかつたのはきわめて遺憾であるのであります。さいわい同沿岸は陸上の運輸交通も開通せられまして、もしここに船だまり場ができまするならば、漁業の振興とこれが海陸交通の輸送の改善と相まちまして、わが國の食糧事情に寄與することがきわめて大きいことを確信いたすものであります。なお隣村田野畑村の私有林及び安家村の廣大なる國有林内の木材は、道路開発に伴い、近時さかんに本村に搬出せられており、これが移出は陸運のみにては運送力貧弱でありますため、主として海上輸送に依存しなければならない状況にありますが、本村太田名部港をおいて他に適当な良港がないのであります。安家村の國有林等、本村に搬出するに便利な区域にある木材は約八千万石、地下資源は、良質の大理石及び石炭岩の層が無限に近いものが埋藏されており、これが開発は一にかかつて太田名部港の築設にあると申しても過言ではないのであります。かくのごとく太田名部港は海陸ともに経済開発上重要な地位にあり、ぜひ船だまり場の築設をお願いする次第であります。
 以上請願申し上げますが、何とぞ村民全体の窮状を御賢察の上、御同情ある御審議を賜わらんことをお願いする次第であります。
#13
○西村委員長 本件に対して政府の御意見を伺います。
#14
○飯山政府委員 最初の田野畑港に対する政府の考えを申し上げます。ただいまの請願によりまして、その必要性は十分に認められるのでありますから、縣の方から具体的の計画を立てられて、その申請があつた場合に、財政の許す範囲においてこれか実現に努力したいと存じます。
 それから第二の太田名部船だまりの件であります。ただいまの請願によりまして、その必要は十分に認められますので、予算の許す限り二十四年度の計画にこれを加えたい。こういうふうに考えております。
#15
○西村委員長 他の御意見はございませんか。……御意見ないと認めます。
    ―――――――――――――
#16
○西村委員長 次に委員でお急ぎの方があられますので、順序を変更いたしまして、日程第五三、水産高等教育改善に関する請願。加藤靜雄君紹介、文書表第五一〇号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。加藤君。
#17
○加藤(靜)委員 私は、請願人でありまする全國水産高等学校長協会代表靜岡縣立燒津水産高等学校長瀬沼秀夫氏の水産高等教育改善に関する請願について紹介説明申し上げたいと思います。
 去る七月十五、六日の両日にわたりまして、靜岡縣燒津水産高等学校において、文部省学校教育局太田高等教育課長が臨席して、全國水産高等学校長協会主催の全國水産高等学校長会議を開催しました際に決定を見た、全國水産高等学校長の総意としての請願でありますが、この請願の第一は、水産高等学校の國立移管という点であります。水産学校の沿革を見ますと、昭和十五年以前に創立せられたものが十五校、昭和十六年以降二十年までの戰時中に創立せられたものが十三校、終戰後創立せられたものが十四校でありまして、從來わが國における水産業の地位が重要なるにもかかわらず、業界の政治力の貧弱と、水産教育は多額の経費を要するという見地から、識者の間には斯教育の重要性を認めながらも、戰前はきわめて不振な状態にあつたけれども、戰爭勃発以來、終戰後に及んで、食糧自給の重要性が強く世論に反映し、急速に各地方において水産学校の創設を見たのであるが、各学校の経費はきわめて貧弱で、新設校のいずれもが実習設備を持つていないありさまであり、私立ではほとんど経営に困難な状態である。時あたかも今回の学制改革にあたつて、高等学校に昇格せしめねばならぬこととなつたために、各学校はますます経営に困難を來し、すでに最近三校の廃校を算するに至り、なお現在三十八校中創立日浅き二十四校は、いずれもはなはだしく不振の現状であります。事態このままで推移するときは、せつかく拡充の途上にある斯教育も、数年ならずして再び衰微の極に至るものと予想せられ、寒心にたえない次第であります。ここにおいて國家は、水産業の重要性と、國家的地位とを認識し、商船教育以上に、世界の海に活躍する水産指導者の教育が國家的であり、國際平和と人類の福祉に寄與するところ甚大なるに思いをいたし、水産学校中適当なるものにつき、國立移管を行い、國費の支出において水産高等教育の急速なる拡充刷新をはかられんことを要望いたしております。
 第二番目は、水産高等学校を総合高等学校に入れないこと。この点については、最近諸種類の高等学校の合併が各所で行われているが、水産教育は他の実業教育や普通教育に比し、峻別さるべき特殊性があるから、総合高等学校に入れることは、特色ある水産教育を行く上に大きな支障があるのであります。すなわち水産教育には海洋を対象とする技術教育と、水産魂とも言うべき氣力、鬪志の涵養を主とする精神教育とを兼備せねばならず、これがためには特殊なる教育環境を必要とするため、総合高等学校では理想的な教育の実施は望みがたいのであります。商船学校が新制高等学校に轉換して後も、國立單科の高等学校で進むよう仄聞いたしますけれども、海洋教育の特殊性に徴し、その理由とするところは水産教育とまつたく同じであります。すでに水産高等学校中、地方の要請によりまして、総合高等学校に入つたものが五校あり、その訓育の結果は、いずれも寒心すべき状態にあるのであります。もつとも総合高等学校については、地方軍政部の強き慫慂もあるようであるから、特に中央において、文部当局の支援の下に、CIE方面にも、かかる水産教育の特異性を十分認識せしめるよう、おとりはからいを願い、地方軍政部に至るまで御認識を徹底せしめていただきたいというのであります。なおかかる改惡を防止する上においても、水産高等学校を國立に移管することが最も確実安全な方策であるというのであります。
 三番目には、公私立水産高等学校に対する國庫補助の強化であります。水産教育が実習設備に多額の経費を要するは、すでに述べた通りでありますから、國立移管に漏れた学校に対しては、現在の設備に対する國庫補助の画期的増加をはかり、特に戰時以後に創設せられた学校の設備充実には、格段の御援助を願いたいと存ずるのであります。
 第四番目は、水産高等学校漁業科卒業者に対する上級海技免状――甲種二等航海士免状授與と、海技教育の向上刷新、並びに國立海洋漁業訓練所の設置をしてほしいというのであります。最近漁船の船型増大と、漁場の遠洋化によりまして、水産学校漁業科卒業者の海技免状も、当然上級のものを要求するに至つたのであります。時あたかも高等学校へ昇格するにあたり、從來の業界の要望を満たすため、海技教育の向上をはかり、運輸省当局の上級免状認定を得る必要があるのであります。これがためには航海、運用、実驗、実習設備の拡充と、斯教科の教員の向上をはかるとともに、一方文部省より運輸省に対しても、よろしく折衝方おとりはからい願いたい。なお海洋漁業実習については、現下の地方費をも誠てしては、とうてい運輸省の要求には沿いがたいから、高等学校專攻科の課程に相当する海洋漁業訓練所に文部省において設置して、全國水産高等学校漁業科卒業生の共用実習教育施設とせられたい。こう要望しております。
 第五番目は、文部省に水産教育担任の專任視学官を設置してほしい。水産教育の重要性にかんがみ、かつは学校の数の増加に徴して、文部省に專任の視学官を設置し、水産教育の刷新改善を指導せられるとともに、斯教育について一層の普及振興をはかられたい。こういう請願であります。
 何とぞ本委員会において愼重に御審議の上、この請願を御採択くださいまして、この要望の実現のために格段の御配慮を願いたいと思うのであります。
#18
○西村委員長 本件に対する政府の御意見を求めます。
#19
○飯山政府委員 ただいまの請願は、水産高等学校の主管は文部省に属しておる、從つと國立ということになれば、文部省の関係になるかと思いますので、以下各四校とも水産廳の主管には属しておりませんので、この五件は、水産廳としては手の施しようがないと思います。しかし水産教育そのものが、水産業の発展に重大なる関係を持つておることは申し上げるまでもないのであります。こういう水産高等学校のあり方についての要望は、水産廳としても、できるだけこれが実現されることを望みます。また実現するについて、水産廳が協力を必要とする場合には協力をいたします。
#20
○加藤(靜)委員 今水産廳長官から御説明があつたのですけれども、文部当局にも積極的に格段の御努力が願いたいと思います。
#21
○飯山政府委員 文部省に対しましても、できるだけ努力いたします。
#22
○石原(圓)委員 加藤委員の述べられた趣旨は、私は全面的にその必要を感じ、同感であります。六・三・三制実施のために、地方の水産教育というものは、その校舍の関係というようなことから、根本的な水産教育が與えにくくなつて來たような情勢であります。このことはいわゆる現地の水産教育を非常に不徹底にするものでありまして、ゆゆしきことであると思うのであります。水産廳においては、すでに日本の水産の最高学府というべき水産講習所を管理しておるのでありまするから、その趣旨を、全國の中等程度の從來の水産学校の教育に対して、何らかの方法で助成するという道を明けてもらいたいと思うのであります。そうしていわゆる第一線の水産教育を水産廳が主導者となつて、根本的に能率のすみやかに上るような教育の方法を講じてもらいたい、こういう希望を持つものであります。
#23
○西村委員長 ほかに御意見はございませんか。御意見なしと認めます。
    ―――――――――――――
#24
○西村委員長 次に日程第三五、知内村湧元に船入澗築設の請願、冨永格五郎君紹介、文書表第三四一号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。
#25
○冨永委員 ただいま議題となりました知内村湧元船入澗築設の請願につきまして、北海道上磯郡知内村村長永田信熊氏から請願がございました。紹介議員として、簡單に御説明申し上げたいと思います。
 本請願の要旨は、北海道上磯郡知内村は津軽海峽に面しまして、豊富なる魚田を眼前に控えてはおりますが、適当なる漁船の碇泊地がないために、思うような漁獲物をあげ得ないような実情であります。ついては最もその立地條件に惠まれた本村の湧元に船入澗を築設してもらいたいというのであります。なおこの船入澗築設に関しましては、本年六月経済安定本部係官の方々が数名來村せられまして、基本調査をせられておりまするし、さらに九月に水産廳林漁港課長もおいでになられまして、実地に調査を遂げておられる次第であります。なおまだ北海道廳におきましても、急速にこれが実現の必要性を認められまして、すでに測量も完了しておるような実情でございますので、これらの事情を総合せられまして、ぜひ実現するように願いたいというのが請願の趣旨でございます。
#26
○西村委員長 本件に対する政府の御意見を伺います。
#27
○飯山政府委員 ただいまの請願、湧元に船入澗築設の件について、政府の見解を申し上げます。請願の内容にもあります通り、その知内村にとりまして非常に重要であることは認められますので、近い將來において、財政の許す限り、できるだけ早くこれが着工をするようにいたしたい、こう考えております。
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#28
○西村委員長 次は日程四七、釣懸船入澗拡張並びに稻穗及び神威脇に船溜築設の請願、川村善八郎君紹介、文書表第四七五号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。
#29
○川村委員 本請願は、北海道奧尻郡奧尻村長津山久雄外二名にかかる請願であります。一は釣懸漁港の拡張、二は新設であります。簡單に理由を申し上げます。
 まず釣懸から申し上げます。本船入澗は、昭和八年度において漁村振興事業として着手せられ、年度内竣功を要する関係から当初予算二十四万円を半減し、十三万七千円をもつて第一期工事として実現を見、爾來諸種の事情から、後半工事は放置のまま現在に至つておるのでありますが、間内狹隘のため、所在地域の発動機船四十余隻の收容すら困難な状態にあるのであります。ことに毎年夏秋のいか漁漁期には、道内外より数十隻の入漁船があるために一層狹隘となり、一朝荒天に際しては、先を爭つて間内に逃避する船群の衝突、死傷等の惨事は類例にいとまなく、関係住宅のこれが報張工事の施行を熱望するところ、切なるものがあるのであります。しかして本村生産の現状は、主産業である漁業生産のみについて言うも、その年額三億と言われ、北海道の宝庫として自他ともに許しておるのでありますが、本船入澗の拡張により予想される増産額は、約一億と称されておるのであります。なお本村と対岸を結ぶ定期貨客船の出入に唯一の安住港である本船入澗は、小規模かつ浅間のため出入も意のごとくならず、非常な困難を來しておるのであります。右事情を勘案の上、急速に本工事の施行に着手せられるようにお願いしたいと思うのであります。
 次に稻穗部落に船入澗築設の請願であります。理由を申し上げます。豊富な海田に囲繞される本村の資源開発上最も急務とするところは船入澗施設でありまして、つとにその重要性が認められて、南端に青苗小漁港、中央に釣懸船入澗の築設を見たとはいえ、いずれも狹隘のため漁船の半ばを收容し得る程度にすぎないのであります。ことに最も魚族の豊富な稻穗方面にはまつたくその施設がないために冬期間は出漁することができず近海にはすけとうの棲息するよい漁場があるにもかかわらず、根拠地のないため漁業者はいずれも海難を恐れと無為に過すの実情にあることは、まことに遺憾にたえないところであります。もし本施設の実現を見るときは、一躍生産の倍加となるは明白な事実で、その年産は一億円と推定されているのであります。水産資源の増産が強く要望せられている今日本船入澗の築設は焦眉の急を要しております現状を御賢察たまわり、急速本工事の施行方について格別の御詮議を仰ぎたい次第であります。
 次に神威協に船溜築設の請願であります。理由を申し上げます。道南宝庫をもつて任ずる本村漁業生産の現状は、周囲二十一里のうち全島海岸線の半ばである東海岸のみを基礎とするものでありまして、西海岸は何ら施設のないため居住するもの少く、莫大な魚族を擁したまま、まつたく未開の宝庫として眼つているのであります。終戰後未開発地帶の開鑿はようやく斯界の認めるところとなり、近時各方面からの実情調査等屡次にわたつて行われているのでありますが、いまだ具体的な施策なく、その開発は時局下焦眉の問題として重視せられているのであります。特に終戰により、初めての千島引揚集團移民として、昭和二十二年夏西海岸に入地した三百名は末路の土地開鑿に不眼の努力を続け、近時ようやくその緒につきつつあるのでありますが、いかんせん西の激浪に備える船入澗施設のないため、いたずらに厖大な漁群を目前に、拱手傍観する状態であり、なおかつ生産物の陸揚げ運搬についても、東海岸に通ずる横断通路がおよそ原始当時そのままの観を呈し、荒廃の極に達しているため意に任せず、因憊この上ない実情なのであります。以上生産倍加の見地からも西海岸神威脇地区に船だまりを築設するこそ本村に課せられた重要問題であり、國家的にも軽視でき得ない実情を御賢察賜わり、これが総合的開発促進に格別の御高配を仰ぎたい次第であります。
 以上が奧尻村村長外二名の請願であります。これにつけ加えて申し上げたいのでありますが、本奧尻は北海道の南端にありまする新魚田開発に、北海道として大きな計画を立て目下進行中であります。これらの漁港並びに船入澗の築設によつて一大増産をすることができますので、これに向つては愼重審議されまして、ぜひ御採択あらんことをお願いする次第であります。
#30
○西村委員長 本件に対して政府の意見を求めます。
#31
○飯山政府委員 ただいまの請願のうち釣懸船入澗の拡張ということは運輸省の所管として現在考えられることになつているそうであります。これは道廳から運輸省の方にそういう申し入れをされておるということでありますので、その方で考えられることと存じます。それから稻穗及び神威脇の両船だまりについては、ただいまの御紹介のお話の通り、奧尻等の漁業開発のために最も必要と認められまするので、なるべく近い將來においてこれが実現するように努力したいと思います。
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#32
○西村委員長 次に日程第五一根付漁業中に「ぼら寄魚漁業」を編入の請願、石原圓吉君紹介、文書表第五〇〇号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。石原圓吉君。
#33
○石原(圓)委員 本請願は岡山縣水産会長永井寛次君、岡山縣漁業振興対策協議会委員長松本五代松君の提出であります。ぼら寄魚漁業は從來專用漁業権の中に編入されておるものであります。しかるに今次漁業権の改正にあたりまして、專用漁業の制度がなくなり、根つけ漁業になる。その根つけ漁業の法案の第六條第五項にはこのぼら寄魚漁業は除外されておる。これでは困るというのがこの請願の趣旨であります。ぼらの寄魚漁業というのは、瀬戸内海を初め、太平洋の沿岸その他各地にありまして、これは特殊の漁法であります。季節的にあるいは沿岸の波靜かな所にひとりでに集團するのでありまして、その場所もほとんど限られておる。そうして一網打盡にこれをとるというのが從來の漁法であつて、それは專用漁業に編入されておるのであります。これらの漁業をもし根つけ漁業より切り離したならば、全然この漁業は種々の漁業者に撹乱されて、結局ぼら寄魚漁業というものは壞滅に帰するだろう。そういうことではたいへんなことになるから、この際寄魚漁業も根つけ漁業のうちに編入されたいというのがこの請願の趣旨であります。この種の漁業はひとりぼら寄魚漁業のみならず、たくさんの複雜なものがあると思うのであります。漁業法の改正にあたりまして、愼重なる考慮を拂わなければ、各地方に漁業者の混乱紛爭は絶えなくなり、かつ漁獲が激減するだろうというのでありまして、ぜひこれを根つけ漁業に編入されたい。こういう趣旨であります。
#34
○西村委員長 本件に対する政府の意見を求めます。
#35
○飯山政府委員 ただいまのぼら寄魚漁業を專用漁業権としい編入するようにという請願に対して見解を申し上げます。漁業法の改正の中に專用漁業権は大体海草、貝類というようなこれらを根つけ漁業と称して、それに限定されるというような考え方ではありますけれども、しかし実際の場合にあたつては、ただいまお話のような問題が多々あることと思います。つきましてはこれが決定にあたつては、漁業法の改正につきましてはさらに業者関係の意見もできるだけ聽した上で改正を加えようと考えておりますので、その際にはお説の通りできるだけ愼重に考慮したいと考えております。
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#36
○西村委員長 日程第五五、漁業法の一部を改正する請願、岡田勢一君外一名紹介、文書表第五七〇号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。岡田勢一君。
#37
○岡田(勢)委員 この請願は徳島縣知事以下名前を省略いたしますが、徳島縣議会議長、徳島縣水産業会長、和歌山縣知事、和歌山縣議会議長、和歌山縣水産業会長、和歌山縣水産業振興対策委員会会長等の連名の請願でありまして、漁業法の一部を改正してもらいたいというのであります。これは昭和十二年十二月四日農林省令第四十七号瀬戸内海漁業取締規則第一條第一項第一号により「紀伊國紀伊日の御崎の燈台より阿波國伊島及び前島を経て蒲生田岬に至る直線」と規定せられ、和歌山縣においては有田郡、和歌山市及び海草郡等の一市二郡が、徳島縣におきまして那賀郡、勝浦郡、徳島市、鳴門市及び板野郡等の二市三郡の海面がそれぞれ瀬戸内海の区域に指定せられて來たのでありますが、このたび漁業法の改正に際会してこの区域を「鳴門市大磯崎東端より沼島南端沖の島燈台及び地の島北端を経由して和歌山縣、大阪府の両縣界に至る直線」と変更をお願いいたしたいと考えておるのであります。
 これは右海区が、外海ときわめて同一條件にあるところであつて、この見地から外海と引離して各種の漁業について特別の制限を付することは奈合理であり、かつ著しく漁業者の生産意欲を阻害することになつておるのでありますから、この際きわめて民主的なる漁業法の制定に際会して多年業者の要望もありますので、この要望を入れられて、右海区を縮小してくださいますよう陳情する次第であります。なお右海区における漁業の調整につきましては、和歌山、徳島両縣の関係者により連合海区漁業調整委員会を設置して同一歩調で進みたいと考えております。よろしく御考慮をお願いしたいと思います。
#38
○西村委員長 本件に対する政府の説明を求めます。
#39
○高橋説明員 ただいまの請願の御説明にありました瀬戸内海につきましては、今度の改正いたします漁業法の中で、特に瀬戸内海連合漁業調整委員会というものを別途につきりまして、特別な行政措置を講ずるという予想になつております関係上、この区域につきましては相当愼重に考えなければならぬという建前で進んでおります。ただいま御説明のありました件につきましては、各関係縣の当局からもそれぞれ詳細にお話を伺つておりますので、これにつきましてはただいまお申出の各縣の御要望の線に沿いたいという意味で愼重に考慮を進めております。
#40
○岡田(勢)委員 よろしくお願いいたします。
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#41
○西村委員長 紹介議員関係の請願はこれをもつて終了いたしました。
 なおこの際お諮りいたします。日程第一三ないし第二七に至る十五件、及び日程第三〇ないし第三一、日程第四一、第四三、第五〇、日程第五六ないし第六一に至る各請願は紹介議員の説明及び当局の意見を省略して、文書表によつて審議いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○西村委員長 御異議ないようですからその通りとりはからいます。
 右各案を一括して議題といたします。御意見はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○西村委員長 御異議ないと認めます。從いまして水産委員会に付託になりました請願全部一通り審議を終えたことになります。すなわち日程第一より第六一に至る請願でありますが、会期の都合がありますので、引続いてこれを議に付して採択あるいは不採択を決したいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○西村委員長 御異議ないと認めますからその通りとりはからいます。よつて日程第一より第六一に至る請願全部を一括して議題に供します。
 各請願はいずれも採択とし内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○西村委員長 御異議ないと認め、各請願はいずれも採択とし内閣に送付すべきものと決しました。
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#46
○西村委員長 次に陳情書の審査に入ります。本日日程となつております日程第一より第一二に至る各陳情書を一括して議題としたし、その内容は陳情書によつて明瞭でありますから、説明を省略して審査いたしたいと考えますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○西村委員長 御異議ないと認めますからその通りとりはからいます。
 ただいま議題といたしました日程第一より第一二に至る陳情書は御異議がないということにして、委員会で承認することに決して御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○西村委員長 御異議ないと認めますから承認することに決しました。從いまして本日の日程は全部議了いたしました。この際外崎君より発言を求められております。これを許します。
#49
○外崎委員 陳情書はまだ出ておりませんが、熱心なる日本旋網漁業協会々長小高熹郎さんから特に陳情がありましたので申し上げたいと思います。
 関東北いわし、あぐり網漁業大不漁に対する根本策として左の方途を講ぜられるよう陳情申し上げます、内容はわが國においても最近科学の進歩に伴い寒暑台風による災害はある程度予測さるるにいたりしも、まだ潮流の異変による災害に対しては現在の調査研究にては予測すること不可能にして、われわれのごとく回遊魚たるいわしを目的とするあぐり網漁業者が、現行漁業法により許可せられたる漁場仙台湾沖において、例年九月初めより十二月ごろまでに漁獲せらるるいわし数千万貫なりしも、本年はいわしの使游皆無のため大不漁に遭遇し破産のやむなき状態に立ち至り、このまま推移するときは本邦重要水産物たるいわしの生産は著しく減退するのみならず、これに関係ある者のこうむる被害はすこぶる甚大にしてゆゆしき大問題なり。しかるに旱魃、台風による災害には補償制度あるにかかわらず、後者の場合には何らの災害補償なきはきわめて不合理なり。よつて当漁業維持育成のため左記事項の実現方切に要望いたすものである。以下の項目につき考慮を願うのである。
 一、不漁の救済資金として政府資金中より六億四百万円支出をはかられたい。
 二、融資は五箇年以上の長期資金とすること。
 三、漁業は今日までの経驗からして五年――十年を一期として收支を見なければならない状況である、今回の不漁はたまたまその間において発生した事態にして、水産業政策を確立する際に常時考慮さるべき事項と信ず。ことに今日のごときインフレーシヨン時において、なお一層その重要性を確信されるものである。
 四、これと同時に不漁時における一つの根本策として、漁業許可の取扱方針を漁業の多種経営をなし得るよう方途を講ずること。
 こういうわけであります。こういう場合に対し政府は十分考慮くださいまして、またどういう方法が最もよいか。またこの陳情書も素人が書いたもので多少不備の点があるかも知れませんが、政府としてもこの業者らの立つような方法をもつてやつてもらいたいと思います。この点が一つ。
 いま一つは今の漁港、船入澗の問題でありますが、これも簡單に申し上げますが、わが青森縣ではまだ請願書は出しておりませんけれども、しばしば本議場でも申し上げましたが、御承知の通り日本海の沿岸は秋田あるいは新潟、富山各方面から北海道の奥北航路の中心をなしておるものである。しかるに青森縣の西海岸における完全なる漁港船入澗がない。そうして避難港が不完全のために年々災害をこうむるところの、遭難するところの船があり、また人命は非常に失われておる。これも先日岸漁港課長に詳しく申し上げておきましたが、そういう点について政府はほとんど考慮を拂つておらないと言うてもさしつかえないほど不完全なものであつて、なかんずく青森縣のこの西海岸における岩崎港は昨年から着工されまして、今年は継続事業としてやつてくれるということを伺つて非常に安心しておりますが、その次に深浦港という良港があるが、これまた非常に完備しないために、常に非常な豊漁を見る場所にありながら船の出入にさえ不完全で、風浪の場合にはいかんともなす方法のない場所であることを十分に考えていただきたい。もう一つは北金ケ沢港であります。ここは非常に貧乏な漁村でありまして、しかもそこは非常に良港であるけれども、いかんせんこれは地元民の力が足りないのか、今日まで投げ捨てられておるのであります。これをも政府は十分考慮して、こういう場所に十分なる漁港船入澗をつくるべきが当然であると考えております。その次は鰺ケ沢港であります。これは八百万円もかけてつくつて、その後もまた政府が数百万円の金を投じてくれましたけれども、ここにも完全なる漁港がないために、ここは年々五そうないし十隻くらいの船は難破しておつて、常に多くの人命が失われておる。こういうようなりつぱな漁港を有しながら、家の前において親、兄弟を失わなければならぬというような状態は、ひつきようするに政府の補助金の問題が、一番大きな問題であろうと考えるのでありますが、これらも十分考慮して一日も早く完備していただきたい。もう一つは北郡の小泊村、これは北海道と目の前の村でありますが、御承知の通り漁港というものは昔七万円かけてつくつたというにすぎずして、その不完備なところに修理さえも完全にしないのであります。ところが北海道の福山にかけてのいかの漁は相当あるが、いかんせん船の出入が不完備のために、これまた不漁を來しておる。ついこの間のごとき、これも風浪に追われて帰つて來たいかの船が遭難して、その漁港に入ることができ得ずして二十五名一挙に死んでおる。こういうようなぐあいから顧みれば、日本の漁港はまことに不完全きわまるものであつて、昨年もそこにおいでになる太田技官と当時の福田局長も一緒に行きましたが、日本海沿岸並びに太平洋哉岸方面に視察して見るに、いずれも完全なる漁港はないのである。その漁港はなぜできないかと言うに、これは政府の補助金が一番の問題である。四割や五割の補助金を出して、お前たちが漁港をつくれと言いましても、どこの漁師の町に参りましても今日何百万円、何千万円かけなければ完成しないというものに、わずかに四割、五割の補助金を出して、お前たちでやれと言つてもできるものではない。魚の多い少いは問題ではない。三百五十万の漁民の生命を保障するという建前から参りましても、全額國庫負担をもつて、日本全國の漁港をして一時でなくても、順次改良して行かなかつたならば、この漁師の生命を一体いかにするのか。こういうことをも考えずして、わずか四割や五割の補助金をもつて、お前たちの命は勝手に守るべし、そして魚は公定價格で出すべしというような、無暴きわまる國民の生命を保障しないような國は世界中どこにもない。なかんずく今日困つておる日本においては重要なる産業として、また食糧としてでもこれほど大きなものはないのでありまして、米に次ぐ海の宝、これをとるとらないはその漁師の命にかかわるのであつて、この命を完全に守るためには、あくまで政府は全額國庫負担をもつてしてもやるという決心をもつてやらなければ、漁師の生命を守ることができない。こういうような観点から、わが青森縣は請願書は出しませんけれども、太田技官はわが青森縣の沿岸は、なかんずくみずから設計を組まれたところん漁港さえもある。この場合幸い太田技官がおいでになつておられますし、こういう観点に立つて、青森縣は当然見てもらわなければならない。なかんずく太平洋沿岸の大間、白糠、あるいは大畑、横浜、野辺地、小湊、また青森というような場所にも大きな漁獲の場所がたくさんある。御承知の通り三面海をもつて囲まれておる青森縣において、漁港船入澗が不完全なために海に出られないという状態にある。この問題に対して政府に御答弁を伺いたいと思います。また十分考慮してやつていただきたいと思います。
#50
○西村委員長 政府の方から御答弁はないようでございますが、水産委員長として外崎君にお答えを申し上げます。外崎君の申し述べられました陳情の御趣意は委員会において了承いたしますが、手続を正規にふんでありませんので、正式にここで審議するわけに参らぬことを御了承願います。しかし外崎君のへ述べの趣意は、政府においても十分了承をして善処する意のあるものと信じますので御了承を願いたいと存じます。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後三時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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