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1948/11/27 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 厚生委員会 第5号
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1948/11/27 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 厚生委員会 第5号

#1
第003回国会 厚生委員会 第5号
昭和二十三年十一月二十七日(土曜日)
    午前十時三十八分開議出席委員
   委員長 佐々木盛雄君
   理事 田中 松月君 理事 野本 品吉君
      内海 安吉君    村上 清治君
      福田 昌子君    武藤運十郎君
      山崎 道子君    金光 義邦君
      武田 キヨ君    平工 喜市君
      松谷天光光君    榊原  亨君
      齋藤  晃君
 出席政府委員
        厚生政務次官  庄司 一郎君
        厚生事務官   慶松 一郎君
 委員外の出席者
        大藏事務官   塩崎  潤君
        厚生事務官   宮崎 太一君
        厚生事務官   小島 徳雄君
        厚生事務官   安田  巖君
        厚 生 技 官 東 龍太郎君
        厚 生 技 官 石橋 卯吉君
        復員事務官   岡林 諄吉君
        専  門  員 川井 章知君
十一月二十五日
 委員師岡榮一君辞任につき、その補欠として山
 下榮二君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十六日
 委員大石武一君辞任につき、その補欠として鈴
 木正文君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
 委員野本品吉君辞任につき、その補欠として松
 本瀧藏君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月二五日
 高山授産所拡張費補助の請願(岡村利右衞門君
 紹介)(第四〇六号)
 國民健康保険の診療施設に対する國庫補助増額
 の請願(岡村利右衞門君紹介)(第四一九号)
 遺族の援護強化に関する請願(齋藤晃君紹介)
 (第四二九号)
 遺族の援護対策に関する請願(齋藤晃君紹介)
 (第四三〇号)
 國民の営養行政確立に関する請願(田中松月君
 紹介)(第四三一号)
 國民健康保険の診療施設に対する國庫補助増額
 の請願(野本品吉君紹介)(第四七七号)
 同(大村清一君紹介)(第五〇二号)
 戰歿者及び傷痍者等の待遇に関する請願(受田
 新吉君紹介)(第五〇三号)
 職事犠牲者に対する公務災害補償強化に関する
 請願(山崎道子君紹介)(第五〇五号)
 國民健康保険の診療施設に対する國庫補助増額
 の請願(大石武一君外一名紹介)(第五三八
 号)
 盲人福祉法制定に関する請願(山崎道子君紹
 介)(第五三九号)
 保健婦助産婦看護婦法の改正に関する請願(福
 田昌子君紹介)(第五六六号)
 國民健康保険の診療施設に対する岡庫補助増額
 の請願(山口喜久一郎君紹介)(第五七九号)
 児童福祉事業振興に関する請願(田中松月君紹
 介)(第五九〇号)
 社会保障制度の確立に関する請願(田中松月君
 紹介)(第五九一号)
 社会事業基本法制定に関する請願(田中松月君
 紹介)(第五九二号)
 國民健康保険法の診療施設に対する國庫補助増
 額の請願(近藤鶴代君外一名紹介)(第五九三
 号)
 國民癩療養所の施設並びにその生活改善に関す
 る請願(武藤運十郎君紹介)(第六〇七号)
 函館病院外来診療棟整備の請願(館俊三君紹
 介)(第六二六号)
 山中病院厚生寮施設拡充費國庫補助の請願(松
 谷天光光君紹介)(第六六七号)
を本委員会に付託された。
同日
 国民健康保険診療施設に対する國庫補助増額の
 陳情書(茨城縣多賀郡豊浦町長日渡東介)(第
 三六六号)
 癩患者の待遇改善に関する陳情書(國立療養所
 長愛生園入園者代表田中文男)(第四〇二号)
 厚生年金保険積立金の運用に関する陳情書(日
 本経営者團体連盟代表常任理事諸井貫一)(第
 四〇四号)
 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増額の
 陳情書外五件(石川縣鹿島郡瀧尾村國民健康保
 険組合大田專治外五名)(第四〇七号)
 五島病院返還に関する陳情書(長低縣南松浦郡
 町村組合管理者烏山豊吉)(第四一三二号)
 遺族の援護強化に関する陳情書(本良縣廳世話
 課内奈良縣遺族厚生会長坂口義一)(第四一五
 号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 医療制度及び医療資材問題等に関する説明聽取
  請願
 一 蔵王山を國立公園に指定の請願(小野孝君
   外一名紹介)(第三四号)
 二 同(小野孝君紹介)(第二一六号)
 三 國立出目療養所施設拡充の請願(井谷正吉
   君外八名紹介)(第二一三号)
 四 戰歿者及び傷痍者等の待遇に関する請願外
   一件(受田新吉君紹介(第二三九号)
 五 衞生班設置補助費増額並びに衞生費補助概
   算交付の請願(山本幸一君紹介)(第二八
   八号)
 六 盲人福祉法制定に関する請願(竹内克巳君
   紹介)(第三〇四号)
 七 山形市保育所工事費國庫補助の請願(海野
   三朗君紹介)(第三〇八号)
 八 山形市母子寮修理費國庫補助の請願(海野
   三朗君紹介)(第三〇九号)
 九 岩手縣の水害地における国民健康保險組合
   に対する國庫補助の請願(淺利三朗君紹
   介)(第三六四号)
一〇 高山授産所拡張費補助の請願(岡村利右衞
   門君紹介)(第四〇六号)
一一 國民健康保険の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願(岡村利右衞門君紹介)(第四
   一九号)
一二 遺族の援護強化に関する請願(齋藤晃君紹
   介)(第四二九号)
一三 遺族の援護対策に関する請願(齋藤晃君紹
   介)(第四三〇号)
一四 國民の営養行政確立に関する請願(田中松
   月君紹介)(第四三一号)
一五 國民健康保険の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願(野本品吉君紹介)(第四七七
   号)
一六 同(大村清一君紹介)(第五〇二号)
一七 戰歿者及び傷痍者等の待遇に関する請願(
   受田新吉君紹介)(第五〇三号)
一八 戰爭犠牲者に対する公務災害補償強化に関
   する請願(山崎道子君紹介)(第五〇五
   号)
一九 國民健康保険の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願(大石武一君外一名紹介)(第
   五三八号)
二〇 盲人福祉法制定に関する請願(山崎道子君
   紹介)(第五三九号)
二一 保健婦助産婦看護婦法の改印に関する請願
   (福田昌子君紹介)(第五六六号)
二二 国民健康保険の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願(山口喜久一郎君紹介)(第五
   七九号)
二三 兒童福祉事業振興に関する請願(田中松月
   君紹介)(第五九〇号)
二四 社会保障制度の確立に関する請願(田中松
   月君紹介)(第五九一号)
二五 社会事業基本法制定に関する請願(田中松
   月君紹介)(第五九二号)
二六 国民健康保険法の診療施設に対する國庫補
   助増額の請願(近藤鶴代君外一名紹介)(
   第五九三号)
二七 國立癩療養所の施設並びにその生活改善に
   関する請願(武藤運十郎君紹介)(第六〇
   七号)
二八 函館病院外来診療棟整備の請願(館俊三君
   紹介)(第六二六号)
二九 山中病院厚生寮施設拡充費國庫補助の請願
   (松谷天光光君紹介)(第六六七号)
  陳情書
 一 困窮者生活保護の徹底実施に関する陳情書
   (神奈川縣知事内山岩太郎外九名)(第二
   五号)
 二 九州における國立公園施設強化に関する陳
   情書(福岡縣議会議長稻員稔)(第七〇
   号)
 三 引揚者及び留守家族援護に関する陳情書(
   若松市五反町二丁目北九州引揚者留守家族
   大会代表石黒周一)(第九九号)
 四 出羽、藏王吾妻磐梯公園を國立公園に指定
   の陳情書(山形縣議会議長加藤富之助)(
   第一〇六号)
 五 五島病院返還に関する陳情書(長崎市羽衣
   町縣衞生部内杉山宗次郎外一名)(第二一
   三号)
 六 民生委員より議員並びに官公吏除外保留に
   関する陳情書(石川縣連合民生委員会)(
   第一四八号)
 七 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(長野縣北安曇郡陸郷村國民健
   康保険組合理事長廣澤輔一)(第一六五
   号)
 八 地方衞生研究所及び保健所経費に関する陳
   情書(京都府知事木村惇外九名)(第一八
   八号)
 九 消費生活協同組合法施行に伴う府縣事務費
   國庫補助の陳情書(京都府知事木村惇外九
   名)(第一九二号)
一〇 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書外四件(富山縣西礪波郡太美村
   國民健康保険組合長中山常次郎外十名)(
   第一九八号)
一一 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(福島縣岩瀬郡大屋村役場内大
   屋村國民健康保險組合直営診療所)(第二
   一三号)
一二 富士箱根國立公園施設拡充等に関する陳情
   書(富士箱根國立公園地方委員会長神奈川
   縣知事内山岩太郎)(第二二一号)
一三 國民健康保険拡充強化に関する陳情書外五
   件(福島縣西白河郡古関村國民健康保険組
   合代表熊崎新右エ門外五名)(第二四九
   号)
一四 保健所の市移管に伴う財源措置に関する陳
   情書(函館市長宗藤大陸外一名)(第二八
   〇号)
一五 遺族の援護に関する陳情書(佐世保市遺族
   会長阿部浩)(第二八一号)
一六 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(和歌山縣那賀郡安楽川村國民
   健康保険組合長田中功外二百六十八名)(
   第二八三号)
一七 國民健康保険拡充強化に関する陳情書(福
   島縣西白河郡白坂村國民健康保険組合代表
   川崎中順)(第二八七号)
一八 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(石川縣鹿島郡越路町長ト部修
   三)(第二九二号)
一九 海外引揚者及び留守家族救済に関する陳情
   書(大分縣海外引揚者團体連盟会長首藤
   定)(第二九四号)
二〇 浮浪者の保護対策に関する陳情書(兵庫縣
   会議長加藤秋一)(第三二二号)
二一 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(茨城縣眞壁郡伊讃村長大山隆
   資)(第三二五号)
二二 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書外二件(茨城縣稻敷郡奥野村長
   吉田鉄之助外一名)(第三三二号)
二三 國民健康保険拡充強化に関する陳情書(福
   島縣西白河郡三神村國民健康保険組合代表
   淺川和茂)(第三三四号)
二四 盲人福祉法制定の陳情書(京都府立盲学校
   内鳥居篤治郎)(第三五七号)
二五 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(茨城縣多賀郡豊浦町長日渡東
   介)(第三六六号)
二六 癩患者の待遇改善に関する陳情書(國立療
   養所長島愛生園入園者代表田中文男)(第
   四〇二号)
二七 厚生年金保険積立金の運用に関する陳情書
   (日本経営者團体連盟代表常任理事諸井貫
   一)(第四〇四号)
二八 國民健康保険診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書外五件(石川縣鹿島郡瀧尾村國
   民健康保險組合大田專治外五名)(第四〇
   七号)
二九 五島病院返還に関する陳情書(長崎縣南松
   浦郡町村組合管理者烏山豊吉)(第四一三
   号)
三〇 遺族の援護強化に関する陳情書(奈良縣廳
   世話課内奈良縣遺族厚生会長坂口義一)(
   第四一五号)
    ―――――――――――――
#2
○佐々木委員長 それではただいまより会議を開きます。
 体用は医療制度、医療資材及び兒童問題等に関して、厚生当局より説明を伺う予定でありますが、便宜上委員各位よりの質疑に感ずる形式で説明を求めることにいたしました。よつて通告順に発言を許します。山崎道子君。
#3
○山崎(道)委員 私は先日大臣に御質問申し上げたのでありますが、まことに要領を得ませんので、責任の地位にあられる局長から、私は納得の行くまでひとつお伺いいたしたいと考えるものでございます。
 まず第一にお伺いいたしたいことは、先日から新聞をにぎわしておりますところの、輸血によつて性病を感染された事件でございますが、その後いろいろ調査してみますと、何としても、私はこのままでは放置するわけに行かない重大なものをそこに見出したのでございます。先ず第一にお伺いしておきたいことは、過失と申しましようか、今回のような問題に対しまとては、一体どこが責任を負われるべき筋合いであろうか、この点から明確にしていただきたいと思います。
#4
○東説明員 ただいまの御質問は責任の所在を明らかにしろというお話でありますが、責任の所在を明らかにいたしますには、その事態について十分に間違いのない事実を突きとめる必要があると存じますので、私どももその点については東京都を通じまして、あるいはまた直接調査に当つておりますが、まだ完全な調査はできておりません。昨日までのところ、日赤病院の件につきましては、ほぼ終了いたしておりますが、東大分院の件につきましては、当該の医師並びに関係者が全部目下警視廳の方に参つておりますので、十分なる調査ができない状態であります。その点は事実をもつとつつ込みまして、責任のあるところはここだというところまで申し上げられればまことにけつこうだと存じますが、それにつきましても、厚生省ではどのような段を演じておるかということになるのでございますが、御承知の通り、輸血取締規則なるものは、昭和二十年二月二十二日から昨年の十二月末日まで存在いたしておりました。この輸血取締規則は、その当時の専門家の意見を十分に徴されまして、また戰時中にありましたいろいろの事態を予想して、当時としては相当完全なものであつたように承知いたしております。しかしながら何しろそれが効力を発生いたしましたのが、すでに終戰の年の二月という社会情勢が相当騒がしい中でありましたので、この規則が十分にその効力を発揮したとは思われないように伺つております。從つて現在と規則のありました昨年までとの間に、輸血に関する取締りがどのくらい実際においてよく行われておつたかどうかということにつきましては、私は相当疑いを持つているのであります。すなわち規則がありましても、ございませんでもほぼ同じことが行われているではないかというように私は存じております。今回のことにつきましても、医師の特別の不注意があつたとか、あるいは特にひどい何か不正があつて、その結果起つたというようなことは、ただいままでの調査では存じておりません。これは輸血に伴う病毒の感染ということにつきまして、現在医学において解決し得ない問題が残つております。それがかような結果を來すこともあることを、今回の例についても認めております。しかしながら私の考えといたしましては、昨年末日をもつて失効というような輸血取締りに関する法規は、やはり必要であろうと存じます。このことはこの法規がありましても、輸血による黴毒、マラリヤ等の感染発病を絶対に解決することはできないといたしましても、なおさような法規のありますことは、この際このことを契機といたしまして、必要であろうと存じますので、われわれといたしましても、かような法規を新たにつくることに早速努力いたしたいと存じております。
#5
○山崎(道)委員 私は今のお話ではなはだ不満に思いますことは、輸血取締法規があつてもなくても同じような結果になつているということでございまして、いくら法律をつくつても、それを十二分にやつてくださる医師がないならば、つくる必要がないわけでありまして、私はその点非常に不満でございます。つい一昨日の新聞を見ますと、二十二年一ぱいで輸血取締規則が失効して、その取締りは全然ないそうでございます。これを今日まで置いたということはどういうわけでありますか。それから予定されている厚生省のこの取締法規等御準備ができましたらすぐ見せていただきたいと思います。
 そこで東大分院の方はまだ責任の所在が明らかになつていないということでございましたが、私はこの被害者本人の供述書を手に入れましたが、これを読んでみますと、あまりにも病院側が怠慢であつたではないかということをここに発見いたすのでございます。この患者は非常に教養のある人で、女学校の教諭もし、現在では戰災者あるいは引揚者、軍人等の遺家族たちのために衣料の修理とか、あるいは更生とか加工などの一部を引受けて、自宅を無料で提供して仕事場とし、これらの人たちのために、ほんとうに生活の支援者ともなり、協力者ともなつて、とうとい仕事を続けて來ておられるのでございます。この人がたまたま子宮筋腫になつて、いろいろ研究した結果、國の最高の東大病院が医療機関としては最も信頼ができるというので東大を選ばれて、それに入院されるような結果になつた。手術前に一回輸血を受けておりまするが、その場合のあり方といたしましても、自分が輸血提供者を選ぶよりも、病院の信ある方へおまかせした方がよい、医者の方でも引受けるということで始まつたわけでございます。これはあなたのおつしやるように、非常にむずかしい医学上の問題もあるという点は、私もずぶの素人でもございませんから了承いたします。けれどもこれによりますと、この病院では再三起きているのでございます。しかも医者が言つている言葉の中に、こういうことがあるのでございまして、これらに対しましても、一体医務局長はどういうふうにお考えになるかということを聞いておきたいと思うのでございます。まず七、八月ごろ絶えず回診に來ていた中川というお医者さんの話で、職事前は決してこんな不祥事はありませんでしたが、敗戰後はたびたびこういうことが起るものですから、そのたびごとに氣をつけるのですが、しばらくないと氣をゆるめるようなことになります。するとまた起る。実に困つたことです。供出者は証明書を持つて来るのですからね、ということがあるのです。そこで私は、たびたび起る問題に対して、ただ困るということで放置していたことと、いま一つ、氣をつけていればなくなるが、少し氣をゆるめるとこういうことが起る、医者として責任ある患者の生命を守つている人が、氣を許すということは一体どういうことになるでありましようか。いま一つは、この患者さんは病氣に感染して、二週間か三週間で丈夫になつて家へ帰られるということを言われて手術した。手術後微熱がどうしてもとれない。そのために病氣でいろいろ手当をしたけれども下らない。医者は手術のあとは良好で、微熱の原因はまつたく不明である、かぜでも引いたのではないかくらいのことでお茶を濁して來ているのでございますが、しかし二月に感染しましたものが八月ごろまでもその原因がわからなかつた。ことに輸血によつてできたのだから、前もたびたびそういうことがあつたと言つている以上は、私はその方面の疑いをまずもつて調査すべきではないかというふうに考えるのですが、それも不可抗力というふうに医務局長はお考えになるでしようか、その点をちよつと伺いたいと思います。
#6
○東説明員 取締規則があつてもなくても同じような結果なら、つくらなくてもよいではないかというようなお話でございましたが、この取締規則がつくられました時期が昭和二十年春というふうなときでありましたので、この規則を徹底的に完全に遂行させるだけの努力をいたす余裕を持たなかつたために、大体においてこの規則が一般の人にのみ込めておつたというところで今日まで來ておつたのであります。昨年末これが失効になりましたのは、決して厚生省におきまして、私がさように申しましたように、あつてもなくても同じだからやめてしまえというようなつもりではないのでありまして、この規則を的確に正確に守らせることによつて、輸血の災害を少しでも少くし得るということを信じておりましたので、さようなつもりで努力をいたしたのでありますが、まことに遺憾ながら私どもの努力の足りません結果、遂に失効といたさなければならないような結果になつたのであります。從つてかような不祥事の起りましたものを契機に、あらためて――元の規則をそのまま生かすというのではなく、なお一層進んだ、そうしてまたなお選んでは生の血を輸血するような危険のものよりも進んだ乾燥血漿でありますとか、あるいはまた保存血というような進んだ医学の知識に基いて、そういうものを奬励し、日本においてもそれが行われるようになるような、積極的な意図までも含めました輸血取締りに関する法規を至急つくりたいというのが私の考えでございます。
 それからただいまの患者に対する医師の態度についての御発言を伺いましたが、私はこれらの医師の行為を是なりとするものでは絶対にございません。かような例を医師の中からあげられますことは、私自身医師の一人といたしましてまことに慨嘆にたえないのであります。そういうふうな点に敗戰後の道義の頽廃と申しますよりも、むしろ混乱があることを私も認め得るのでありまして、ことに人命を扱いまする医師としては、ほかのこと以上にさような点については留意いたさなければならぬものと信じております。ただいまお示しのありました医師の言動がそのままといたしますれば、そこに非難されるもののあることを私は否定いたしません。ただこの生の血を輸血いたします問題につきましては、今いかにりつぱな法規をつくりましても、病毒感染の機会を絶無にすることができないという欠点のあることはこれを承知いたしまして、しかしながら事が人命を救うか救わないかという大きな問題であることにかんがみまして、さような学問上あるいは理論上の欠点を持ちながらも、さような法規をつくるつもりであります。今回の日赤の場合を、私どもの知り得ました範囲で見ますと、給血者の血液は、輸血の前におきましても、また後におきましても、黴毒血清反感が陰性になつておる記録が残つております。さような意味で血液検査が陰性であるということが、必ずしも血液の無病毒であるということを証明しないという、この理論上の欠点を現わしておると存ずるのでありますが、いずれにいたしましても、今回の不祥事につきましては、旧輸血取締規則そのままが行われておつたならば、あるいは防ぎ得られた場合が、この数例のうちにはあつたかもしれぬということは言えると思いますが、しかしながら今回のこのことに限つて、特に医者の処置が非難されるべきものがあつたというふうな事実については、私どもはまだ十分な報告を得ておらないという意味で、先ほど申し上げたのであります。
#7
○山崎(道)委員 私の伺いたいのは、輸血でそういうようにしばしば失敗と申しましようか、同じような事件が起きているにもかかわらず、これを読んでみますと、その後発熱したり、背筋の両側が痛くなつて来て、いろいろ黴毒の症状のように、私たちにすら考えられることが、医者に考えられないということは、責任を回避するような意味でやつていたのではないかというような、私はここに一つの疑問を持ちますので、その点を私は問題にしたいと思つております。ことにこの四月、五月の二箇月間に、そのために死んだ人さえあるということがここに明らかに出ている。そこで、こんなふうな状態がしばしば起きているということに対して、一体私たちはどうしたらいいのだろうと、国民のほとんどすべての人がこの点を非常に不安に思つていると思いますので、その点を押問答しておりましても時間もございませんし、いたしかたございませんが、どうぞ今後は十二分に取締ると同時に、医師に対しましても、もつと良心的に扱つていただくように御指示が願いたい、私はかように考えるものでございます。
 それからこの輸血の普及会というものでございますか、これは一体どこが取締るというか、監督していることになつているのでございましようか。それと同時にふしぎなのは、この青年は一月に血液検査を受けている。そうして今度の問題が起つてから大あわてで呼び出して檢査をした結果、青年が青くなつたとかいうことでございますが、輸血する人はそんなに二箇月も三箇月も四箇月も血の検査をしないでいいものなのでございましようか。
#8
○東説明員 この給血あつせん業者と申しますのは、現在東京に六つあるということが、東京都の調べで出ております。もちろん東京都がそれらのものに対する監督権を持つていると思います。その中の一つは社團法人になつているごとき報告が出ておりますが、他の五つはそれぞれ給血者の会員組織というようなぐあいになつております。
 次に血液の検査でありますが、元の輸血取締規則には六箇月ごとに検査するということになつておりました。現在は、これらの業者の申しますことでは、三箇月ないし二箇月ごとに調べているということを申しております。もちろん血液のことでありますから頻繁に検査がせられ、あるいは輸血の直前に検査をせられるということが最もいいことは申すまでもありません。しかしながら給血者本人が、その間にみずからの血液を汚すような機会を絶対につくらない人であるならば、六箇月ごとの検査でも、あるいは何箇月ごとの検査でも、少しもさしつかえないわけでありますが、ただいまのところ、実際において行われますのは、大体二、三箇月に一回の検査のようであります。この意味におきましては、輸血取締規則にあるよりもなお頻繁にやつておるということが、全部とは言いませんが、ある会においては事実でありま
#9
○山崎(道)委員 そういたしますと、この輸血業者の監督責任者はどこでありますか。あなたのところでありますか。
#10
○東説明員 厚生省で輸血業者を取締るというのではないと思います。東京都が業者を監督しておるというぐあいに私は承知いたしております。從つて今回のことにつきましても、いわゆる輸血あつせん業者の実態、並びにその処置についての報告の提出を関係当局から徴せられましたのは東京都であります。
#11
○山崎(道)委員 私はますます不安になるのでございまして、大切な血を提供する業者はもつともつと信頼できる機関でなければならぬと存じますので、今後輸血取締法などできます場合におきましては、その点を明確にしてもつと信用のできる機関にしていただかなければ、絶対に承服できないと私は考えております。どこにも責任がないという場合には、一生かたわになつたり、不具者になつたりいたしましても、その賠償の請求をどこへも持つて行きようがないということになりはしないですか。あなたのお話になるように、医者にも責任がない、それからその取締りもあまりはつきりした監督官廳がないというようになると、われわれ国民は泣き寝入りするより道はないという結果になるのでしようか。
#12
○東説明員 医者に責任がないと申しましたのは、責任がないと私は断言したのではなく、ただいまのところ、特に医者の責任を問うような事実は、今までの調査では認めてないと私は申し上げたのでございます。その後その事件のうちの一つは、東京帝國大学総長を相手として民事に、そして当該の医師を相手として刑事に、訴訟を提起せられておるということを聞いております。さようなものの処置を見れば、そこにおのずから輸血を受けて損害をこうむつた方が、泣き寝入りをしなければならないかどうかということが明らかになると思うのであります。何も決して泣き寢入りしなければならぬと私は思いません。それからこの輸血ということについて、私は特に一般の注意を喚起したいのは、これは命を救う――実に九死に一生を得るという有効なものでありますが、それだけに非常に注意をして行わなければならぬものである。ただいまは黴毒感染の問題が大きて取上げられておりますが、私どもから言いますと、むしろそれ以外に血液型の問題なども大きな問題を藏しておるのではないかと思うのでありまして、これは輸血という名前に刺戟されて、あまりにも輸血の濫用が起りませんようにということを願つておる次第であります。
#13
○山崎(道)委員 時間がありませんので、私は今後のお取締り等の上において御必要だと思いますので、これはあとでよく御研究願いたいと存じます。なおこの患者が切々として訴えておりますのは、「日本における最高権威の府として、全國民的な信用を持つておる帝大病院において治療を受けながら、一人私のみか、私の前にもまたそのあとからも、私と同じような病毒を医者の過失、不注意、怠慢、無責任等々から感染せしめられて、悲惨なうき目にあつておる人々のことを思いますと、またさらに現在から將來にわたつてこのままにして置けば、なお幾百幾千人もの皆さんがこんな悲惨な目にあわせられるのかと考えますと、人道上ゆゆしい重大問題であるばかりでなく、まつたく天人ともに許しがたい不祥事であると思います。こういうことは被害省の泣き寢入りにして置くべきではなく、すべからく人道の名のもとに嚴重に法の審判に付さるべきであろうと考え、自分の名前が悪く知られることはまつたくはずかしい限りでありますが、今はそれを超越して、ここに正しい法に訴えることの決意をするに至つたのであります。」かようなことが切切として訴えられておりますので、私は全國民に安心を與えるという意味から行きましても、また医療の権威を保つという上から行きましても、今後十二分なる御監督と医者の責任感を喚起していただきますよう、私は医務局長に特にお願いいたしておきたいと思います。時間もなくなつたようでありますので、私は輸血の点につきましては、その程度にいたしたいと思います。
#14
○榊原(亨)委員 ただいま山崎委員からのお話に対する当局の御答弁を聞いたのでありますが、私は大体次の四点についてお伺いいたしたいと思うのであります。第一は、浜口総理大臣が受難されましてから、この輸血ということが非常に民間に行き渡りまして、この術によつて起死回生をすることができるということが徹底しておるのでありますが、今この輸血の不祥事が新聞に公表されましたために、今後民衆の間に輸血をあまり恐れ過ぎるという害が起りはしないかということを私は考えておるのでありますがこの際厚生省当局において輸血の正しい知識を與えて、何ら危險がないということを民衆に周知徹底される実際上の方途をお考えになつていらつしやるかどうか。ことに私は先ほどの東医務局長のお話を聞いて驚いたのでありますが、生の輸血をすることは、非常に危険である、從つて乾燥輸血あるいは血漿の輸血というさらに進んだものがあるのだから、それを廣めるように努力する、こういう暴言を吐かれたことについて私は非常に遺憾に思うのであります。医務局長は医者でございますから御承知ではありましようが、生の輸血をするのが一番いいのでございまして、乾燥輸血あるいは血漿の輸血等は、これができない場合の代用のためにあるのであります。それを今厚生省自身が、生の輸血は危險だから、乾燥輸血あるいは血漿輸血を廣めるのだというお話でございますると、厚生省自身が輸血に対して正しい判断をしておらぬと断ぜざるを得ないのでありまして、この点医務局長のはつきりしたお考えと、民衆に正しい輸血の知識を周知徹底させるためにどういう御方針をおどりになるかということをまず承りたいと存ずるのであります。
 第二におきましては、医師の責任あるいは当局者の責任ということは、今お話になりましたように、目下御調査中でございますから、いずれ判明するとは存じまするが、この場合私が一つお伺いしたいことは、この法規はいずれつくつて來議会にこれを出すというお話でございまするが、今現に輸血によつて急救されておる民衆は毎日々々出ているのであります。從つてこの際法規を出すと言われても、法規が出るまでにさらに一箇月なら一箇月の期間を要すると思うのでありまするが、この際厚生省といたしましては、たとえば日本医師会、あるいは給血の業者並びに厚生省の当局のお方が協議会という形でお開きになりまして、少くとも法規が出るまでは、業者が自発的に保健所その他の的確なところによつて期日をきめて血液の檢査をする。その血液の検査をしたものについて輸血をする。もしもかようなことを励行しない場合には、今後正規の法律が出ました場合に、これらの業者に対してはこれを許さないというようなことによつて懸念の便法を講ぜられる意思があるかどうか。その点を第二に承りたいのであります。
 第三は、承るところによりますると、関係当局におきまして、血を賣るということそれ自身に疑義があるということで、輸血の法規が廃棄されたという風聞がありまするが、この点はいかがでありましようか。その三点について承りたいと思います。
#15
○東説明員 お答えが逆になりますが、最後のお尋ねからお答え申し上げたいと思います。輸血取締規則が昨年末をもつて失効いたしましたそのわけにつきましては、ただいま御質問のありましたような事柄でこのものが日の目を見なかつたというわけではないと私は存じでおります。最も率直に申しまして、この法律の精神については、私が直接その衝に当つておりませんでしたので、はつきりした言葉のやりとりまで考えて今お答えのできないことははなはだ遺憾でありますが、單にそういうふうな一点に集中せられて、このことが埋沒せられたのではないと信じております。その証拠に、もしもそれが根本の思想でありますならば、このたび再び輸血に関する法規をつくるということも、同じうき目を見るはずだと思いますが、私自身の見通しは、今回はさようなうき目を見ることのないという目算を持つております。
 それから應急措置として、適当な処置を講ずる意思があるかというお話でありますが、これはまことに適切な御指摘でありまして、私どももさつそくさような段取りにいたしますように、日本医師会等と提携してこの法規をつくり、それに対する應急の措置をしようということは、すでに医師会の方にも二、三の理事を通じて申し入れてありまして、来週の火曜日の理事会に、なお私の方から積極的に発言をいたす予定であります。従つてただいまのお言葉を十分参酌いたしまして、適当な應急対策を講ずることにいたします。
 それから輸血の生の血液の問題につきましては、私から榊原委員と問答いたしますことは、おとなと子供の相撲に相なるのでありまして、私自身はそういうふうな輸血の経験を持つていない医師であります。しかしながら私が申し上げましたのは、生の血液の輸血がその他のものに引きかえ、それ以上のものであるという意味で申し上げたのではないのでありまして、生の輸血には現在の医学では避け得られない危險がそこに藏せられておるのであつて、從つて何でもかんでも生輸血でなくてはならないということはないし、また生の輸血が適当な給血者の得られないという地域、地方、あるいはそういう状況であつても、他にこれにかわるべき方法に置きかえることはできないが、それに匹敵するものがあるという考慮においてやつて行こう。生の輸血一本だけを輸血の方法としてやろうというふうには、持つて行かないようにする。從つて第一に仰せられました通りの輸血に関する正しい知識を十分徹底させるということを頭に置いて、というふうな意味で申し上げたのであります。
#16
○福田(昌)委員 今まで御説明を伺つておりまして、あらためて承る必要はないかと思いますが、私は應急の措置ということにつきまして、どれだけの考えがあるかということを伺いたいのでございます。
#17
○東説明員 まずこの問題の起りました東大の病院――正確には東大附属分院での事件でありますが、これは東大の医院全体として、あるいは医学部全体として、すでに対策委員会を設けまして協議いたしておりますが、それとは別個に、ひとり問題は何々病院の問題ではなく、日本全体の問題でありますから、日本医師会と協力いたしまして事を進めたいと存じます。ただいま榊原委員のお話にありましたように、まず一方には輸血業者を十分に法規院の取締りはできないと思いますが、それ以外にもそれらのものを教育し、あるいは正しいことを教える道はあると存じます。一方業者を十分にその内容を調べ、そうしてかくあるべきものということを指示いたしたいと存じます。それが具体的な問題としては第一であると存じます。なおそれと同時に、輸血に関する正しい知識を各種の報道、あるいは文化、教育機関の手段を使いまして、これを周知徹底させるようにいたすのもいいと存じております。
#18
○福田(昌)委員 ただいまたいへん抽象的な應急の措置というものを承りまして、具体的な面に入りましたら、さだめし至れり盡せりの処置をおとりくださることとは存じますが、あまりにも抽象的にすぎまして、私としましては非常に不安なものがたくさん残されておる感じがいたすのであります。山崎委員、また榊原委員からるる輸血に関する質問が出ましたので、重ねてお伺いする必要はないと思いますが、輸血というものは患者の危急存亡の命を救うために、時間的に余裕のない非常に急を要する措置でありますので、医師のこれを取扱いまする立場におきましても、いろいろと科学的なむずかしい調査ということはできないかと思いますが、これを取扱いまする場合におきましても、私は医師といたしましたら、少くとも血液検査の検査表というものを十分拜見するでありましようし、そういつた場合におきまして、半年も一年も前の血液検査というものを見てそのまま輸血したということは、どう考えましても、その間の給血者の地理的、衞生的な生活環境というものを保障し得ない限りにおきましては、とりもなおさず医師の怠慢であろう。法律的にはどうであるか存じませんが、少くとも精神的には、医師の業務上の怠慢であると感ずるのであります。從いまして今後医師というものは、少くとも輸血というような重大問題を取扱う場合におきましては、給血者の簡單な身体検査あるいは黴毒類したような徴候を聞いてみるなり、あるいはその血液檢査の証明書に対しても、もつと医学的な、良心的な検査をした上でなければ、給血者の血を簡單に輸血してはならないと思うのであります。そういつたようなことも――私はそういうことは至つて簡單なことだと思いますから、早急に輸血を取扱う者全般にわたつて指示する必要があるかと考えます。
 それから輸血業者の組合に対して、ことに給血者の血液検査というものを二月か三月前にやつておるというようなことではなくして、必ず毎月やるとか、少くとも二月に一ぺんは必ずやるとか、二箇月以内の血液検査の証明書があるものでなければ、給血者としての資格がないというぐらいの應急の措置を即刻とられることを切望するものであります。
#19
○東説明員 ただいまの福田委員のお話はよく私も了承いたします。私が抽象的に申し上げましたようでありますが、少くとも元ありました輸血取締規則――今この規則はありませんが、その中の実体と精神とを実現させるように指導するということが私の考えであつたのであります。それからそのうちで、ただいま話がありましたように、六箇月になつておるのはあまり長過ぎる。これを二箇月にいたしますか、一箇月にいたしますかにつきましては、それぞれ專門の医学者、医師の方々ともよく相談をいたしまして、あの輸血取締規則をもう一歩時宜に適したようなものにしてその形においてこれを実現させるように指導指示いたしたい。さように存じております。今仰せになりましたようなすべての注意は、全部元の輸血取締規則には含まれております。ただ輸血の時期以外は全部含まれておると思いますから、つとめてやるつもりであります。
#20
○佐々木委員長 それでは輸血に関する質疑はこの程度にとどめまして、次に移ります。なおこの際各委員に御了解を求めておきたいのでありますが、先刻來御承知の通り、速記が時間的に非常に制約を受けておりますので、質疑はなるべく切り詰めて簡単にいたしていただくことをお菊の毒ながらお願いしておきます。
#21
○山崎(道)委員 私はこの際委員長のお言葉もございますので、ごく簡單にお伺いをいたします。まず藥務局長にお伺いいたしたいのでございますが、私は本委員会におきまして、しばしば不良藥品の取締りにつきましては御質問申し上げ、当局もそれぞれ御答弁をしておいでになつたのでございますが、しかもまた最近におきましていろいろな問題が起つております。まず山形縣に昨年八月厚生省から引揚者、要援護者用として割当てられました家庭常備藥、これは二十種類三万五千九百二点が本年二月に入荷したそうでございますが、この大部分が主藥の入つていない不良藥品であることが、縣の衞生部で検査の結果わかつたという、厚生省から送つたものが縣の衞生部の検査によつて、その不良が発見されている。しかも本省へ嚴重抗議して、近く全部返送することになつたということでございますが、ことにこの藥のうち消毒用のマーキユロのごときは水に色をつけただけであつた。あるいは解熱剤のごときは主藥が規定の三分の一も入つていない、水銀軟膏の中には水銀が少しも入つていない、こういうことが新聞に発表されているのでございます。これらにつきましていかなる検査をしておいでになるのか。不良藥品を製造した会社に対しては、営業停止等の処分をしなければいかぬのではないかというようなことをこの前にも御質問したのでございますが、藥とか医者とかいうものは、ほんとうに国民の心から不幸なときに頼りにしているものでございますので、この頼りにいたしますものが、平氣でこういう不良品が販賣されている。しかも厚生省から配給の薬品であるというようなことになりますと、私は國民の名において了承することができないのでございますが、この点につきまして藥務局長の責任ある御答弁を伺いたい。また各地で起きております中毒等の問題につきましても、結局この製藥に対する業者の良心がなければだめだと言つて逃げられればそれまででございますが、それだからこそ取締る必要があるのでございまして、いかなる取締りをなされており、その後取締りによつて不良藥品がどの程度に発見されているか。どういうふうにそれは処罰されているかということを伺いたいと思います。
#22
○慶松政府委員 まず第一に山形縣におきます不良藥品のことにつきましてお答え申し上げます。これにつきましては、実はやつとごく最近山形縣から報告があつた次第でありまして、それについて目下詳細を山形縣と打合せをいたしましてこれにつきまして嚴重な処分をするつもりでおります、しかしながら事そういうふうに至りました経緯をいささか申し述べまして、御了解を得たいと存ずるのであります。この品は実ははなはだ申し訳ないのでございますが、私どもの存じないうちに配給されたものであります。と申しますわけは、これは元来浅野物産の援護物資部なるものが保管をしておりましたもので、過去の第二復員省が所管をしておつたもので、これを私どもごく最近知つたのでございますが、厚生省の社会局と第二復員省と協議いたしました結果、東北六縣と北海道の要援護者等に配給することになつたそうであります。そうして昭和二十二年の八月九日に厚生省の社会局長から、そういう通達が浅野物産株式会社の援護物資部にありまして、そうしてこれが東北六縣と北海道に配給されたそうで、それらの家庭藥は昭和二十二年十二月から二十三年三月ごろまでの間に発送されております。ところがこれを山形縣においてはそのまま配給をしないで置いておきまして、これをその後本年に至りまして山形縣の衞生部で検査いたしました結果、その大部分が不良の藥品であることを発見いたしましたので、この物の廃棄または製造元へ返還方の処分を実は扱つておりましたのが山形縣の衞生部でございます。それはなぜかと申しますと、援護者に対するものでございますので、衞生部から申し出たわけでございます。しかしこれは本年の十月に入つてからのことでございます。そこで本年の十一月のごく最近の二十三日に山形縣から浅野物産会社に対しまして、全部現品を引取つてくれということを指示しました結果、浅野物産会社におきましては山形縣の衞生部に参りまして、どうしてこれをどうするかという協議をいたしました。しかしながらせつかくこれは物資下足の際であるから配給するように、できればこれを再生することによつて活用をしたらどうかというので、目下そのことにつきましては浅野物産と、そうして再生を委託された会社との間において、具体的な方法を研究中であるということの報告を私どもが受けましたのはここ数日来のことでございます。しかしながらこの内容あるいは試験成績を見ますと、それはとても再生その他できるものではございません。従いまして当然私ども藥務局といたしましてはこれを廃棄せしめ、かつまたその製造者は嚴罰に処せらるべきものであると存じます。なおこれはひとり山形縣だけでなくて、山形以外の府縣にもこれに似た品が行つておると存じます。はなはだ申し訳ございませんが、ほんとうに私どもがこの件につきまして知りましたのはここ数日來のことでございますので、至急にこれにつきましては、これが行つておると考えられます各府縣に対しまして、嚴重に通牒を出しましてとめますとともに、この製藥会社に対しましては、適当なる処置を講ずるつもりであります。なお私は本日、今年に至りましてから全國一齊に檢査をいたしました報告を数字にしたものを持つて参つております。はなはだ遺憾なことでございますが、成績はまことによくありません。と申しますのは、大体やりましたものが半分よくない。半分はいいのでありますが、それに対しましては営業停止その他をやりましたものもございますし、またその罪が軽くて、適当に注意あるいはその品を廃棄することによつて処置したものもございます。と申しますわけは、先般の國会におきまして御審議願いました藥事法の施行前におきまする藥の処分に対する行政的な処置あるいは罰則、これが今回のものに比べまして非常に弱いものでございます。從いましてそれによつて処置したもの等もございますので、しかしながら今回は先般の國会を通過させていただきました藥事法によりまして処分するものも相当できて來ると思います。なお目下司法処分をいたしますために懸案になつておりますものも、相当程度ございますことを御報告申し上げまして、御了解願いたいと思います。
#23
○山崎(道)委員 私はただいまの御答弁によりまして、これ以上追究いたしますことも時間の関係上省略いたしますが、ぜひ慶松局長の良心をもつて、今後こうした問題を積極的に取締りをやつていただきたいと思います。そして今までとかく業者の取締りが緩慢であり、かつ刑罰が軽過ぎた。この点から申しまして、各省ともにいろいろな疑獄事件が起きておりますが、厚生省だけは消費的な面で、あまりないのでございますが、ただ藥務関係におきましては、非常に社会から誤解を受けております。いろいろなとりざたもされておるときでありますから、これを一掃する意味におきましても、私は慶松局長に期待をしておりますので、ぜひ積極的にやつていただきたいと思います。
 それから次にお伺いいたしたいのは、このごろ非常にいやな新聞記事ばかり出て参りまして、われわれの心を暗くいたしております。また先日京都のジフテリアの予防注射によつて起きた中毒事件、引続きましてまた今日の新聞に島根縣下において、注射後七十九名が重態になつておるというような記事が載つております。これは十一月の十一日に島根縣下の松江で起きた問題でございますが、ことに私驚きましたことは、五十四名に注射したところ、五十名が三十八度五分程度の熱を出し、そうしてそのうち数名が非常な水ぶくれができて大騒ぎをしておる。また二十五日までの注射全人員九百二十二名のうち、副作用を起した者三百四十八名に上り、うち七十九名が重症患者であるというようなことが載つており、石橋防疫課長の談話も発表されておるのであけますが、前國会におきまして、予防接種法というものが通過しております。ことに來年度からは、これが全面的に施行になりまするとき、それでなくてすらBCG等に対しては、わが國に反対の意見を持つ方もあるのでございます。それで私たちは國民健康保持の立場から、こういうものを決定いたしましたにもかかわらず、これを全面的施行前にこういうことが各所に起るということは、非常に国民に不安を與え、反対者に対して口実を與えることになると思うのでございます。これらに対しまして、予防局におきましては、万全の策を講じなければならないと存じまするが、これらに対しましては、どのようなお考えをお持ちになつておられるか。それからまた不良で副作用を起すところのワクチン等に対しましては、どういうふうな試験制度を行つておいでになるか。それから私、きようは手元にありませんが、未檢定のワクチンが横行しておるというようなこともちよつと耳にいたしたのであります。こういうものが出ておること自体がおかしいと思いますが、それらについての御答弁を伺いたいと思います。
#24
○慶松政府委員 実はこの問題はもちろん予防局に関係がございます。それから石橋防疫課長も参つておられますから、予防局からも御答弁があるかと存じますが、ワクチン等の製造と檢定とを私の方でやつておりますのでお答え申したいと思います。
 まず第一は島根で問題を起しましたジフテリア予防液のことでございます。島根で今回問題を起しましたと私どもも聞いております。このジフテリアの予防液は、これはまことに残念なことでございますが、大阪の日赤研究所でつくられたものでございます。大阪日赤研究所でつくりましたもので、今回配給されましたものにつきましては、全部私どもの方に、どこに出たかということがわかつておりますので、京都の問題が起りました際に、ただちにこの使用方を禁止する電報を打つたのでございます。そうして私どもの承知しております限りにおきましては、予防の接種の実施されました日は、昨日島根縣からの電話によりますと、新聞によりますと十一日となつておりますが、十三日から十五日の間に接種が行われたようであります。そうして京都の事件が私どもの方にはつきりいたしましたのが十一日でございまして、私どもの方では十二日にただちに島根にも電報を打ちまして、日赤の品の使用方をとめたのでございますが、残念なことには、その電報が間に合わなかつたのではなかろうかと存じております。京都で直接事件を起しましたと考えられます品につきましては島根ではわかつておりませんで、多少違つたものを使つたのではないかと考えられる節もございますが、それはいまだはつきりいたしておりません。いずれにいたしましても、京都その他島根で事件を起しました今日までとつた処置を申し上げますと、それは行き先がわかつておりますので一切使用をとめておりまして、ほかの土地においては起つておらないということを御承知願いたいと思います。なおワクチンあるいは血清あるいは痘苗のごときものは、当然國家檢定を受けなければならないことになつておりまして、國家檢定を受けないものについては、これを一切賣らせないことになつております。國家檢定を通つたものでなければ賣らせないようにいたしておりまして、ただ國家檢定にある程度の時間と申しますか、日にちがかかりますことは、今日におきましてはなはだ遺憾でございます。それはいろいろな種類のワクチン、血清等の國家檢定をやりますためと、予防接種が行われるために、急に需要がふえたためにいささか手不足の点がなきにしもあらずのようでありますが、しかしこれにつきましては漸次整備されることと思います。大体私から以上申し上げておきます。
#25
○石橋説明員 予防接種法が施行されまして今回の不祥事を引起しましたことは、私どもは心からおわびする氣持でおるのであります。今回の事件を起しました原因は、結局製造所でつくりますワクチンが四つのびんで五リツトル入れたものを、でき上りにおいて一つの二十リツトルの大きなびんに混和して、その混和したものを小さいびんに小わけにしまして、その四本のびんのどれにでも悪いものがあれば必ず檢定で不合格になる仕組みになつておるのであります。ところが最後に大きな容器に混和することをいたしませんで、各容器から小わけのびんにわけたのを監視員が行つて拔いたならば、その四本のびんにつくりましたものの中に、一本か二本かしりませんが、とにかく不良のものがあつた。そうして引拔いたものが不幸にも合格すべきよくできたものを引拔いてこちらに來たのであります。でありますので、実際に発賣せられたものの中に不良品があつた。そういう事実がわかつております。それはどういうわけでそういう間違いをしたかと申しますと、これは厚生省の指示に從わなかつたということに盡きるのでありまして、たとえば一ロツトと申しますが、一口に檢定を受けるやつ二十リツトルを單位といたしまして、二十リツトルから千本のびんができるわけでありますが、千本のびんの中から八本を拔きとつて檢定に出すのでありますから、そういうように別々のものでつくつたものをまぜておかれましては、千本のうち八本ですから、何が当るかわからぬので、必ず最後にはよく混和してやるのだ――びんで別々につくること自体もあまり感心しておりませんけれども、とにかくこの制度がスタートしたばかりでありますので、製造過程のコースは一應よいが、最後は必ずプールしてやるべきものだ、これは固く指示してあるし、また檢査員が行つてそれを見つけますれば、注意いたしますが、そういう点におきまして、今回の不祥事が起きたのであります。それから松江の方でも、たしか京都と同樣の事件が、これは少しは小規模ではありますが、起つておるように私どももきのう電報を受けております。ただいま京都におります技官を向うへすぐはせ参じさせまして、残品のワクチン等を收集いたしまして、詳しい檢査をする予定であります。
 この責任につきましては、もちろん私どもこれに関係しております者、府縣と厚生省におきまして、やはり相当の責任が生じて来るものと思います。これについては、とにかく今回の事件によつて、やはり生命を失つた小兒があるのでありまして、決してうやむやに済ますという所存はないのでありまして、あくまで、場合によつては司直の手においても、これをよく究明して、処置したいと思います。しかしいろいろ法律上の解釈等あると存じますので、この点につきましてはまたよく研究しまして、大臣なり、次官なりから申し上げた方が適当だろうと思いますので、私はここで申し上げません。
#26
○山崎(道)委員 私はこれで終りにいたします。但し私は、今の質問は何も厚生省いじめではないのであります。とにかく國家公務員法は、社会公共の福祉のために、つまり國民に奉仕すべきものであるという建前で、今日非常に問題になつて、争議権すら剥奪ざれようとしておる。ところがお医者さんであるとか、製藥業者であるとかいうようなものは、ことに不幸な病人を対象にしてやつている仕事だと思うのです。にもかかわらず、弱い病人はこんなものの、今言つたような過程は知らぬのですから、注射を信じ、医者を信じ、輸血を信じておるのです。それによつて不幸にも病氣を重らせたり、とんでもない病氣を感染させられたり、あるいはききもしない藥に高額な金をとられたりしていて、結局泣寢入りにならなければならないというようなことなんです。こういう状態が毎日の新聞をにぎわしている現状におきましては、國民は安心ができぬと思う。從つて私がお願いいたしたいことは、四本建にして、一本にするのをしなかつたというような、サボつたところには、徹底的な処罰をもつて報いてもらいたい。それから輸血の問題に対しまして、もつと責任ある御研究が願いたい。そうして少くとも私たちが安心して行けるように、ひとつ心から要望したくて、今日発言したようなわけでして、その場の答弁さえうまく行けばよいのではございませんので、國民を代表して御質問申し上げておるわけでございまするからぜひ安心のできるような取締り、あるいはその結果につきましては、こういう問題に対してはこういう処罰をしたということを、天下に公表して、今後これら業者あるいはお医者さんあるいは血を提供する人たちが、もつと良心的に、自粛自戒していただけるように、ひとつ御指導をお願いいたしたいと存じます。時間がございませんので、私はこの程度で質問をとりやめたいと思います。
#27
○佐々木委員長 皆さんにお諮りいたします。ただいま大藏委員会におきまして、二つの法案を審議しておりますので、ぜひとも速記がほしいということを要求して参つておりますので、二十分間だけの期限付で、速記を向うに提供したいと考えるのであります。從いまして、速記がなくなつてもおよろしい質問者に、その時間の間、質問をお許しいたしたいと思いますが、いかがでございましよう。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○佐々木委員長 それではさようにいたします。
    〔以下筆記〕
#29
○榊原(亨)委員 私は取引高税の問題に関し、ごく簡單にお尋ねいたします。先般本会議において大藏大臣に質問したのでありますが、要領を得ませんでしたのでその点お聞きします。取引高税廃止問題については、目下のところ廃止困難なる模樣でありますが、廃止をいたさぬのなら、とりあえず医療藥品についてだけでも除外されたいのでありますが、大藏当局はどうお考えですか。
#30
○塩崎説明員 取引高税に関しての廃止問題は御存じの通り、非常に問題となつておるのでありますが、医藥品の税額は非常に大きいので、これの廃止に関しましては、他の賦課税との関係もございますので、目下研究いたしておる次第であります。
#31
○榊原(亨)委員 それでは、医療藥品の取引高税廃止について努力しておるのか、おられないのか、この点をお聞きしたい。
#32
○塩崎説明員 目下努力いたしております。
    〔以下速記〕
#33
○佐々木委員長 ただいままでの分は筆記にして記録にどどめることにいたします。速記の手配がつきましたから、これより速記をつけまして会議を継続いたします。
#34
○庄司政府委員 ただいままことに、さばけたおおらかなお心持の上からお話をいただきました問題に関して私見を申し上げてごあいさつにかえたいと思います。労調法による組合の團結権とかいうような小やかましい上からでなく、患者が自衞のための一つの会を結んでおる点においては、過般厚生大臣が他の場所でお答えをなされたと同樣に、原則的にはさような会の名前が他の別な名前であろうが、これは官僚的な干渉がましい態度をとつて、それを壞滅させるような態度は望ましくない態度であると考えます。ただお話の中にあられたように、國立病院のある地方においては、二、三、あるいは五、三病院の患者の中から、あるいは病院外より積極的に病院の中に入つて参りまして、絶対安静を要する第二期あるいは第三期症状の重病人が枕を並べておるにかかわらず、インターナシヨナルの革命歌を高唱したり、あるいは赤旗を院内において振りまわして極端な行動をとられるというような行き過ぎが、地方においては行われておつたようでございます。そういうことの善悪よりも、特に国立病院の関係においては、肺結核の病人が比較的多いのでございますから、絶対安静が根本的に必要なる患者が多く收容されておる病院等において、喧騒にわたるような行き過ぎの行動がなされる場合において、一般患者、あるいは重病患者等にも精神上あるいは生理上シヨツクを與えて、安静を保ち得ないというような病院もあつたろうと思います。そこで厚生大臣が本会議でございましたか答弁されたように、過激にわたらない、でき得るならば穏健中正な態度をもつて、秩序正しき團結をもつて行かれるということでありますならば、何ぞ積極的に干渉がましい態度をとつて、その会の解散を命ずるようなことは望ましくないと私は考えております。ただ心配でならぬのは、ただいま申し上げたように、私は医学関係においてはまつたくずぶのしろうとでございますが、実は私の三男もただいま結核病院に入院しております。平和な心、おおらかな心をもつて医師、看護婦の指導のもとに、一日も早く國立病院に收容されておる患者諸君が、回復期に向うことを念願する上から、つとめて穏健な團結、穏健な会の運営をしてほしいものである。かようの念願を親心の上から、特にただいま打明けて申し上げたように、自分の子供が海軍予科練上りでございますけれども、海軍当時における肋膜か何かが原因して入院したのですが、いよいよ最近数日の間に、氣胸だけではいけないというので、手術をする状態に相なつている関係上、願わくば尊い人命を治療する病院においては、できるだけ穏健な態度をとつてほしいという意味において、念願をしている次第でございます。しかしお説のように圧迫的に、強圧的に患者の諸会合等を解散を命ずるというようなことは再考を要することである。かように考えております。
#35
○佐々木委員長 委員長として議事の整理上、進行に関して二言お願いをしておきたいと思います。御承知のように今國会の会期もきわめて切迫しておりまするので、このときに、請願並びに陳情に表われまする國民の声を審議未了に終らせることはどうかと考えますので、ぜひとも本日請願並びに陳情を上げたいと考えます。従いまして重ねて委員長からお願いしておきまするが、お氣の毒でありますが、質問並びに答弁はきわめてひとつ簡明に切り詰めてお願いしたいと考えます。なお速記も非常に無理を願つて晝食の時間も割いて來てもらつておりまするし、また一時からは他の委員会がここを使用することになつておりますので、この際このことを重ねて委員並びに政府委員にお願いをしておきます。
    ―――――――――――――
#36
○佐々木委員長 それでは次に請願日程第二七、國立癩療養所の施設並びにその生活改善に関する請願、文書表第六〇七号を議題といたします。まず紹介議員の請願の紹介説明を求めます。紹介議員武藤運十郎君。
#37
○武藤(運)委員 國立癩療養所の施設並びに生活改善に関する請願につきまして、その請願の要旨を説明いたしたいと存じます。まず申し上げておきたいことは、この請願は全國五箇所の國立癩療養所すなわち栗生樂泉園、東北新生園、駿河療養所、菊地惠楓園、星塚敬愛園の入所患者一同合計三千二百七十六名の共同請願でございます。ただいま委員長から簡單にという御注意がございましたので、御趣旨に沿いましてなるべく簡單に説明したいと存じまするけれども、かような請願でございますから、多少詳細にわたるかもしれませんが、お許しを願いたいと存じます。
 まず第一に申し上げたいことは、癩療養所に終身隔離されている患者の立場についてであります。一たびこの病を病むや、終生癒ゆることかたき病苦と鬪い、牢固として拔くべからざる社会的因襲の重圧に苦しむ癩患者は、かつて健康であつた日の美しき夢と希望を失い、あたたかい肉身とのきずなを断つて、この人生を癩病院に終らねばならぬ悲しい運命のもとにありますが、なおその上に結核等を併発して、二重三重の病苦に苦しみ悩まねばならぬ実情は、全國五箇所の國立癩療養所における死亡原因の六〇%が、結核である統計を見ても明らかでございます。実はこの趣旨の請願につきましては、從來も國会並びに政府当局に対しまして、再三いたしておるのでございますけれども、いまだ十分にこれが実現せられておらぬことは、まことに遺憾と申さねばなりません。
 第二、療養所の医師看護婦その職員を増強し、癩患者の療養生活を安定していただきたいと存じます。現在結核療養所は、患者六名に対して看護婦一名の割合でありますのに、癩療養所は患者六十六名に対して看護婦一名というまつたく比較にならない現状であります。國の医療機関である國立の療養所において、このような差別的な扱いがなされるということは、癩患者にとりましても非常に遺憾であり、看護婦が少いために、患者が患者を看護しなければならないという実情でございます。もつとも同病相あわれむという精神から、これを進んでいたしてはおりますけれども、肉体的にはおのずから限度があるのでありまして、このような状態に長く置かれますことは、決して療養生活の万全を期するゆえんではないのであります。少くとも患者二十名に対して看護婦一名、患者八十名に対して医師一名その他の職員を増強して、この療養所に苦しむ患者の療養養生活を安定していただきたいと存じます。
 第三、療養所の職員の待遇を改善していただきたいと存じます。癩患者の日常より感謝しておるこれらの職員は、おおむね親戚知己の反対を押し切り、世の因襲的偏見と鬪いながら、朝に夕に患者を献身的に看護し、あるいはよき相談相手となつて、物心両面にわたつて愛の手を親しく差延べておるのであります。しかるに人員不足による労働過重と給與の不足は、著しくその生活の基礎を脅かし、あるいは病に倒れ、あるいは心ならずも離職される場合も少くないので、職員の定着率はきわめて低いのであります。特に癩療養所は、おおむね僻陬の地にあつて、文化の惠みに浴すること乏しく、その子女の教育、就職、結婚等すべて人知れぬ悪條件のもとに置かれておることが、いよいよ前期の事情を悪化させておるものと考えます。どうかかような実情を御了察くださいまして、適切なる措置を講ぜられんことを望む次第でございます。
 第四、療養所に夫婦舎を創設していただきたいのであります。現在療養所に收容されておる夫婦患者は、十二壘半の部屋に四組、あるいは三十六疊の部屋に十五組の夫婦が雑居生活をしておるのであります。引揚者、戰災者、避難民の場合のような一時的仮收容ならば、これでもあるいはがまんしなければならないかと存じますが、癩患者は病氣の性質上、悲しいかなここで一生を過さなければなりません。終生の安住地であるがためには、住居の安定感が絶対に必要であることは申すまでもございません。どうかこの実情をお察しくださいまして、独身者の普通舎にあつても、できるならば現在の收容定員一人当り三疊の割合にしていただきたいと存じます。
 第五、癩療養所入所患者の教育慰安施設を確立していただきたいと存じます。文化國家の建設が日本の目標であると同樣に、文化療園の建設を通じて日本再建に自主的に協力したいのが、癩患者の切なる願いであります。この願いを達するためには、教育が先決問題でございます。そのためには宗教を普及し、学藝を奬励し、療養所内におけるあらゆる文化施設を拡充強化しなければならないのでありますが、現在の癩療養所予算中には、患者教育費がなく、名士を招聘して講話を聞くこともできなければ、読みたい図書も購入できず、社会と交流する唯一の途であり、希望である文藝の研究も外部の慈善團体または篤志家の寄付金を仰いで辛うじて維持するという、まことに不安定な実情であるのであります。癩患者の教育費最低必要額等につきましては、請願書に明細に掲げてございます。
 第六、慰安金並びに作業慰労金を増額していただきたいと存じます。現存の慰安金一人一箇月百五十円、これは一日五円の割合でありますが、これを三百六十円、一日十二円に増額していただきたい。すなわち現在の二・四倍の増額でございます。現在の作業慰労金一人一箇月平均百二十五円二十八銭、これは一日四円十七銭六厘の割合でございますが、これを百六十九円十二銭、一日五円六十三銭七厘に増額していただきたい。これは現在の三割五分の増額であります。國会並びに厚生省当局のあたたかい御配慮によりまして、昭和二十三年度より癩療養所予算中に、慰安金の予算費目並びに患者作業慰労金の予算費目が設定せられ、これは四月でありますが、当時の物償基準に基いて、慰安金は患者一人に対して一箇月百五十円、一日五円の割合、患者作業慰労金は患者一人に対して一箇月平均百二十五円二十八銭、これは一日四円十七銭六厘の割合で給與されておるのでありますが、七月の物償補正によつて、七割ないし十割の値上りとなり、入所患者の生活は右の收入をもつてしては、いよいよ不安な状態になりましたので、ここに全日本療養患者の收支状態を御報告申し上げまして、当局のあたたかい御配慮によつて、一日も早く慰安金並びに作業慰労金が適当に増額されますようお願いする次第でございます。なおその詳細は請願書に記載してございます。
 第七、新藥プロミンによる治療をすみやかに全國入所入院患者に実施をいただきたいと存じます。新藥プロミンの出現によりまして、長い間暗黒の地獄にもがき苦しんで來ました癩患者にも、希望の曙光がもたらされたようでございます。プロミンはすでにアメリカでは癩の特効藥として確認せられ、わが國におきましても、実験の結果は好成績を上げておると報告せられております。政府においても、この新藥対策については万全の策を講ぜられておるということを伺つておりますけれども、なお全國の入院患者に対して、一日も早くこの新藥による治療が実施できますように、特別の措置をお願いする次第でございます。
 第八、ほうたい。ガーゼの増配を早急に実施されたいと存じます。癩患者は外傷その他による外科手術を要する場合が特に多いのであります。現在ほうたい、ガーゼの配給割当は、四箇月分で辛うじて一箇月分の需要を満たす状況であります。それで癩患者はやむを得ず死人の衣類や私物の古衣類などをさいて、その不足を補つて来たのでありますが、各自の古衣類も、もはやまつたく使い果している実情であります。癩病の特殊事情を御了承くださいましで、ほうたい、ガーゼの適正な増配をお願いしたい次第でございます。
 第九、施設の改善並びに修理復旧を促進していただきたいと存じます。項目だけを申し上げます。一、修理復旧をまず早急に実施していただきたい。二、水道施設を完備されたい。三、冷藏庫を設けられたい。四、納骨堂を建てていただきたい。五、重病患者の病室、いわゆる重病棟を増設されたい。第十、被服類や生活必需品を早急に給與していただきたいのであります。癩入園患者は、ここ数年來被服類等の給與が中絶されております。しかもほうたい、ガーゼが極度に不足しております結果、入園当時少しばかりあつた患者の被服類をさいて、これに使つて参りましたことは、ただいま申し上げた通りでございます。もはやこれすらなくなつておりますので、何とぞこの点に関する御考慮をしていただきたいと存じます。
 第十一、癩患者保護法を制定していただきたいのであります。現行の癩予防法は、遠く明治四十年の制定に属し、当時社会に横行した浮浪徘徊の徒を急速に隔離する必要から制定されたものであつて、その後三回の改正がございましたけれども、隔離患者の保護対策の面が等閑に付されているので別に癩患者保護法を制定し、入所患者の生活権を保護していただきたいというのが、この法律を制定していただきたいという趣旨であります。
 なお癩患者の希望要項を簡單に申し上げます。一、癩患者の社会的取扱いに対しては、あくまで科学精神と人道主義の精神に基いて、患者の基本的人権を尊重すべきことを規定すること。二、癩に関する正しい教育並びに啓蒙方針を科学的に確立することを規定すること。三、療養所に入所して一定期間治療を受けた者で、医師の診断の結果病毒傳播のおそれなしと認定された者に対しては、本人の申請により軽快退所を許可をすることを規定すること。四、癩患者の身上に関する祕密保持を嚴守すること。五、癩患者が癩療養所に入所することによつて、その家族が生活の保護を要する状態にある場合には、保護を行わなければならないことを規定すること。六、職業を禁止または廃止された場合には、必要と認められる生業資金の交付を行うことを規定すること。七、必要以上の恐怖観念を一般國民に與えないように配慮せられること。
 最後に第十二、癩の根本的対策を確立し、それを積極的に実施されたいのであります。以上申し上げました請願の十二項目は、すべて癩療養所に終身隔離されている癩患者の切実なる血の叫びであります。それぞれの項目の解決のためには、それに伴う相当の経費を必要とし、かつ現下の國家財政の困難を思うとき、そこに大きな隘路が存在することは、十分に認識しておるのであります。しかしながら癩患者がこれをあえて請願するゆえんのものは、國家の癩患者隔離政策が所期の目的を達成するためには、入所患者の生活安定が絶対の條件であり、これなくしてはなお社会に存在する多数の癩患者をいかに強制的に收容いたしましても、これが徒労に終ることを確信し、この悲しむべき病を根絶し、文化的祖國再建のための運動に協力せんとする癩患者の切なる願いから、請願をする次第でございます。どうかすみやかに政府が癩患者の意のあるところを了察されまして、癩の根本的対策に思いをいたされ、積極的にこれが実施に奮起せられることをお願いする次第でございます。以上であります。
#38
○佐々木委員長 政府の御意見を伺います。
#39
○東説明員 ただいまの請願、私途中から参りまして、はなはだ失礼いたしました。一應ここで全部の項目を伺いましたが、すでにこれらの問題は、ほとんど全部いろいろな機会に、いろいろな筋から私どもが伺つておりまして、すべてごもつともなことと考えます。昨年草津療養所において、いろいろな事件がありましたとき以來、何回かの機会におきまして、私自身もそれらの意見に対して十分同意の言葉を申し述べております。またそれに対して、できるだけ努力をするというお約束もいたしております。また些少ではありますが、そのうちの一、二は、実現の緒についたものもあるので、まことに患者の方々としては待ち遠しいまだるつこいといううらみを持つておいでになると思いますが、私ども決してゆるがせにいたしておるわけではなくて、できるだけの努力はして参つております。また一番重大な問題であります癩に対する根本的の対策というものを確立することは、これはきわめて緊急必要事でありまして、この点につきましては癩予防法等との関係もあり、あるいは癩予防法の改正ということも考えまして、予防局とも十分打合せいたしました上、積極的な癩対策というものを樹立いたしたいと存じております。幸いにこの患者が一日千秋の思いでおりますプロミンの製剤は、國内において生産がされるように相なりましたし、また。プロミンより一歩進みましたプロミゾールも、最近はその生産ができて、そのサンプルを数日前私どもいただいております。そのようなぐあいにいたしまして、私どまがもし十分な予算を獲得することを得ましたならば、癩患者の全部に対して、この進んだ治療藥による治療を與えることもできる。その日の遠からざることを私は信じておるのでありまして、癩というものは、普通の社会から締め出していわゆる隔離をして、結局その隔離をしたままで、癩療養所に一生を送らせるのだというふうな考えではなく、癩療養所は治療をするところである、癩療養所に入つて治療を受けて、再び世の中に活動し得る人が、その中に何人か、あるいは何百人かあり得るというようなことを目標としたような、癩に対する根本対策――癩のいわゆる根絶策といいますか、全部死に絶えるのを待つ五十年対策というのではなく、これを治癒するということを目標としておる癩対策というようなものを立てるべきじやないかと私ども考えております。ただいまの武藤委員からのお話の筋は、十分私ども承つてもうよく承知いたしておりますので、今後ともでき得る限りの努力はいたします。
    ―――――――――――――
#40
○佐々木委員長 次に日程第六及び第三〇、盲人福祉法制定に関する請願、文書表第三〇四号及び第五三九号を議題といたします。紹介議員より請願の紹介説明を求めます。紹介議員山崎道子君。
#41
○山崎(道)委員 私は盲人福祉法制定に関する請願の趣旨を弁明さしていただきます。盲人福祉法を別表のごとく急速に制定公布せらるるよう請願いたします。新憲法において、基本人権の尊重が宣言せられ、またことに最近社会一般の盲人問題に対する認識理解も急激に高まつて参りましたことは、まことに喜ばしいことであります。このときにあたり、ヘレン・ケーラー女史の來朝を機会に当局においては盲人の生活を安定し、その福祉を増進させるために、盲人福祉法を制定すべく、鋭意御努力いただいておる由にも承り、衷心より感謝感激にたえません。御承知のごとく、盲人は失明という一大不幸に加え、社会生活上一般普通人に比し二重、三重の重荷を背負つており、ことに最近のはげしいインフレが深刻なる経済不安に直面し、物心両面における苦悩は実に想像以上である。その保護対策は実に焦眉の急を要するものがあります。御当局におかれましては、この盲人の窮迫せる事情を御賢察賜わり、また欧米諸國においてもすでに実施せられておることでありますので、格別の御同情をもつて、すみやかに盲人福祉法を制定公布せられ、文化國家の一個の人間としての生活を営ましめられたく、ここに京都府盲人協会会員一同謹んで請願いたすものでございます。これにつきまして、いろいろとお願いの点がここに書かれておりまするが、時間の関係上、ただこの理由だけを申し上げまして、御採択あらんことをお願いいたす次第でございます。
#42
○佐々木委員長 本件に関する政府の御意見を伺います。
#43
○安田説明員 ただいまお話になりましたことは、まことにごもつともなことでありまして、ヘレン・ケラー女史がこちらに見えました際に、自分が日本を去るまでに何かそういう案ができないものかというようなお話もあつたくらいでございまして、よく請願の内容も十分檢討いたしまして、至急研究いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#44
○佐々木委員長 次に日程第一八、戰災犠牲者に対する公務災害補償強化に関する請願、文書表第五〇五号を議題といたします。紹介議員山崎道子君。
#45
○山崎(道)委員 戰爭によりまして障害を受けました人々に対しまして、ぜひこの際、公務災害補償強化拡充に関しまして、特別の御配慮をお願いいたしたい、かように存じてここに請願いたした次第であります。詳しいことは書類に十分現われておりますので、ただ簡單に申し上げさしていただきます。
 私たちが今ここに述べんといたしますることは、戰争犠牲者たる旧軍人軍属などに対して、特別の恩典を與えよと説くのではございません。また昭和二十年勅令第五四二号、ポツダム宣言の受諾に伴い発生せられた恩給法の特例を撤廃せよと言うのではないのでございます。何となれば、かかることは連合軍または國民一般が考えているように、戰爭再発の温床となり得る公算があるからでございます。しかしながら旧軍人軍属などは多く召集によつて出征したものであり、かつ國のため唯一の生命を捨て、とり返しのつかない災害をこうむつたのであります。公務のために殉じたことについては、戰いの勝敗や平戰両時によつて何ら差異があるはずがないと存じます。これらの人に対しては、すべからく一般の公務災害者と同一の補償を付與すべきであると存じます。われわれ國民には、新憲法によつて平等で最低の生活が保障されているはずであります。しかるに現在の補償によると、はなはだしい矛盾があり、非合理性があり、不平等が現存していて、これら軍人軍属であつたもの、あるいはその遺族は最低の生活さえ脅かされております。今ここに述べんとする意見は、まさにかかる不合理について指摘し、これら氣の毒な戰事犠牲者の生活を保障し、もつて全國民平等で、不平不満のない明朗な新日本の建設を念願するほか、何ら他意ないのでございます。これにつきまして、ここに一、二の例といたしまして、軍人軍属の災害補償の現況につきまして、少し申し上げさしていただきたいと存じます。
 死歿者の遺族補償につきましては、戰歿旧軍人の死亡賜金、遺族補償にかわるべきものは、現在一律に二百七十円であり、軍属に対しては当時の月俸の最大二十箇月分を支給される。しかし一般労働者に対しましては、労働基準法により平均賃金の千日分と定められております。すなわち旧軍人に対しましては、二百七十円、軍属に対しましては千円、一般平時における労務者に対しましては七万円ということに相なつておりまするので、この不平等を御賢察の上、ぜひ平等にお扱い願いたい。かようなことがその主眼になつておるのでございます。
 次に國立病院の療養所患者まかない料に対しましても、最低生活すらできない状態にあり、ことに療養に対しましては非常な支障を来しておるような例もここに明細書がつけ加えてございますので、ぜひ御檢討願い、重ねて御配慮を願いたいと存じます。また療養患者に対して強制退院を命ぜられておるというようなことに対しましても、ここに書類をもつて十二分にお願いをいたしてございますので、これも御研究の上、御採択を願いたいと存じます。
 それから傷痍者に対しまして特別パスの御発行を願いたい。従来パスが與えられていたのでございますが、これが今日廃止された現状に置かれておるのでありまして、これらについても、特に軍人であるからと言うわけではございません、一般傷痍者を含めまして、公務によりますものをぜひ特別に御配慮願いたいという意味でございます。
 未曽有の敗戰の結果、國家公務による身体障害者及び不幸病魔に冒された盲聾唖者は五十万人と推定せられ、高進するインフレと諸種の社会的悪條件は、これら身体障害者の生活を困窮の極に追い込み、今や所々に社会問題を惹起しつつあるとき、はからずも國鉄無賃パスは傷痍軍人に対する特権的扱いなりとの理由のもとに停止されるに至りました。現行旅客運賃による旅行は、満足に收入のない身体障害者にとつては全然不可能と言うべく、加えて肉体的悪條件に伴う療養あるいは義手、義足の修理等は、原病院以外においては不可能にして、必然的に不時の旅行を余儀なくされる現況下にありましては、今回の措置はその経済生活を脅かし、新憲法第二十五條「すべて國民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。國は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衞生の向上及び増進に努めなければならない。」とうたわれております。國民としての最低の権利すらも剥奪さるる結果を招来するものであります。ここにおきまして、國家は、公務によりあるいは不幸病魔に冒され、身体障害者となつた者に対して、適切なる施策をなさなければ、これら障害者をして更生の意欲を喪失せしめるのみならず、ひいては国家に対する怨嗟となり、あるいは過激極端なる思想に走り、新日本再建の自由の大道は阻まれ、一大障害となる公算は大きいのであります。これら五十万の身体傷害者は、憲法の示すところにより、國家の義務においてその人間的生活を保障すべき施策の早急な確立をお願い申し上げたく、その一環として、鉄道無賃バスも別紙案を御審議、特別の御配慮くださらんことを切望するものであります。全國五十万の身体障害者をして更生の意欲に燃えしめ、一日も早く祖国再建の一翼たらしめるよう格別の御高配を切にお願いいたします。
 これが陳情の趣旨でございます。簡單に主文だけを申し上げまして、ぜひとも委員諸君の特別の御審議によりまして、御採択あらんことを切にお願いいたすものであります。
#46
○佐々木委員長 政府の御意見を伺います。
#47
○岡林説明員 私、復員局の業務課長の岡林であります。ただいまの請願に対しまして、旧軍人軍属に対する公務災害補償の適用をして、労働基準法の示す最低限の線並のことをやるべきであるという御意見、御希望は、復員局に勤めております私どもといたしましては、元の同僚であり、戰友であるこれらの氣の毒な人々に対して、きわめてごもつともなる御意見であり、私どももその実現に向つて実は念願しつつ推進しております。しかしながら結論的に申しますならば、なかなかいろいろ制約がございまして、思う通りに右から左に解決しないという点がございまして残念に思つておるのであります。
 まず公務災害補償のうち、内容的にわけて簡單に申しますれば、最初の療養補償、すなわち病院、療養所等の療養費の問題であります。昨年六月にこれらのものがすべて有料になりまして、これら公務傷病の患者が自費で治療を受けなければならないという事態になりました。爾後生活保護法の適用という線によつて、極力これの減免をはかられております。しかし少くとも公務によつて傷つき、あるいは病氣になつたこれらの人々に対して、生活保護法によつて処理することは、私どもといたしましては、はなただ残念でございますので、何とか方法はないか、いろいろ交渉いたしまして、一時公務災害補償の適用をなし得るごとくに考えられましたので公務災害補償の適用ありということについて実は通牒を出したことがあるのであります。その後いろいろと檢討せられました結果、これはぐあいが悪いということになりまして、現在未復員者給與法の改正という線において、この問題を解決するように進めつつあります。現にこれは大藏省の提案の法案でございますが、療養費を復員後二年間は無料というか、療養費を支給するという案で現在進めつつあります。この会期中に提案すべく大藏省の方も努力しておられますが、まだ即急に提案し得る運びになつておりません。と申しますのは、きよう関係方面のある一部の御了解を得られたものと思いますが、なお関係方面の中におけるその他のところの御了解を得なければなりませんので、まだ若干の時日を要するのではないか。こういう次第であります。
 それから障害補償につきましては、これは御承知のように、ポツダム政令によります勅令第六十八号の傷病恩給があるのみであります。この傷病恩給も、昨年の國会以來特に当委員会におかれまして非常に御熱望になられました結果、最近やつと五倍に増額せられたのであります。しかし五倍になりましたと言つても、両眼盲のような方がわずかに年額三千二百円でありまして、もちろん問題にならない額であります。しかしながらこれを増額するためには、その基準になつております厚生年金保險法の方の額を増額することがどうしても前提になるのであります。從つてこの点も公務災害補償、すなわち労働基準法に示される最低限の線にはとうてい及びもつきません。そういう現況にあります。
 最後に遺族補償、すなわち最もお氣の毒なる御遺族に対しましては、御指摘のようにわずかに遺骨埋葬の経費として、今二百七十円と申されましたが、それは少し古い金額でありまして、現在は一千円であります。それのみでございます。この遺族補償につきましても、何とか方法はないと考えておるのでありますけれども、これはやはり終戰直後に出ました昭和二十年十一月二十四日の恩給等の停止の覚書によりまして制約を受けておるのでありまして、軍人、軍属の御遺族に対して遺族補償をすることは、その制約の面から、右から左に成立たないという、まことにどうにもならない事情があるのであります。しかしながらこれも絶対に解決の方法はないのではないと私どもは実は考えておるのでありまして、今後も何とかこのお氣の毒な人に対して、補償の方法を講ずるように、関係方面とも折衝もし、またその他の方法を講じたいと考えております。公務災害補償関係について御答弁申し上げます。
#48
○東説明員 ただいまの山崎委員のお述べになりましたうち、私どもの関係の國立病院、療養所等におけるまかない費の問題、あるいは療養所の強制退所の問題につきましては、すでに他の機会にも御説明申し上げてあると存じますが、まかない費が低額に過ぎるということはしばしば陳情も受けておりますし、私どもといたしましても、でき得る限りの努力をいたしまして、その時代のまかない費に遅れないように、増額を努力して参つておるのであります。現在のところ二千カロリー、あるいは二千三百カロリーというところが、せいぜい実現の最大限になつておりますが、患者の要求は二千四百あるいはそれ以上ということであります。もつとも食物は、人間である限りだれにとつても重要であるが、特に療養生活者にとつては、これは單なる食品ではなく、治療藥の一部分であるという観点から、特に他の一般の健康者よりは高カロリーを要求いたしますので、私どももその意味におきまして、それぞれ関係方面と折衝いたしておるわけであります。足らざることは十分自覚いたしておりますが、われわれの力の及ぶ限りの努力をいたしておることを申し上げておきます。また今後ともこの努力は続けるつもりでおります。それから強制退所の問題につきましては、詳しいことはただいま御朗読に相なりませんでしたが、私にはよくその意味もわかつております。強制退所というと、いかにもいやがる者をむりやりに外に押し出すようにとれて、はなはだ残酷に聞えるのでありますが、決してさような意味ではないのでありまして、私の方から指示いたしておりますのは、療養所の病床を明け渡してさしつかえのないと思われるような状態にまでなつた方は、一日も早くこれを明けていただく。とにかく結核に関しては、療養を必要とする者が大多数でありまして、療養所において療養しておる人が少数なのでありますからし参て、他のそういう療養を希望する多数の人に、一日も早くベツドを明け渡してもらいたいということを指示して退所していただくというので、決して押し出したり、引ずり出したりするというようなことを考えておるのではないことを申し上げまして、その点についてもいろいろ誤解なり、あるいはまた末端における実際の扱い上において、何らか非難を受けますようなことのないように十分注意はいたします。
#49
○松谷委員 ただいまの局長の御答弁に対して、ちよつとお伺いいたします。強制退所の件でございますが、今医務局長がお述べになられたような理由によつて、空床を一人でも多くの患者に與えるという意味において、療養所から、もうベツドを必要としないという患者の退所を指示するということは、これは当然そうあるべきであると私も考えるのでございますが、今日実際の状態を見ておりますと、しばしば全國において一万を越えるところの空床があるという調査の報告を受けたことがございますので、この一万以上の空床を控えながら、次の病人にベツドを渡すためにという理由によつて、強制退所がなされるという点について、私は一つの不可解な疑問を持つのでございますが、この点はいかがでございましようか。
#50
○東説明員 お答えいたします。今お話の通り、結核療養所は全國を通じましては、一万といわず、おそらく一万四、五千の空床があると存じます。それだけあるのになぜ人を出さなければならぬかというお話、一應ごもつともでございますが、今のようなべツドの循環を必要といたしますのは、全國おしなべてというわけにまいりませんで、あるところにおいては空床がまつたくない。そして待つておる人が何百人おる。たとえば東京に例をとりますと、それぞれの療養所に何百人か、あるいは百何十人かが入院を待つておる状況であります。かようなところにおきましては、どうしても今のような病床明け渡しと申しますか、私どもは強制退所という言葉をはなはだ好みませんので、病床明け渡しと申しておりますが、病床明け渡し運動をやつていただくよりしかたがない。地方によりましては空床の方が多い。五〇%以上空床というような療養所もございます。そういうところにおきまして、しいて本人の方々が行くところがないから困る、あるいは帰つてからは十分な療養ができなくて困ると言われるのに、ベツドを明けて出て行つていただきたいと言うことは、これは無理だと思います。全体としては空床がございますが、空床のない地域が多々あるというところに、ただいまのような処置を必要とするところがあるのだということを御了承願いたいと思います。
#51
○松谷委員 なお空床の問題は、ただいま御指摘のような地域の別のみだけの原因ではなくして、もちろんそこには看護婦さんの数であるとか、あるいは経費であるとか、種々な問題が原因となつて起つておるものだと考えております。待つてこの空床問題の解消については、また後日ときを十分得まして、とくと御懇談をさせていただきたいし、また御協議もしたいと考えております。ただ一言お伺いしておきたいのは、今の局長のお話によりますと、その一つの地域において空床があるにもかかわらず、特にベツドを明け渡すというために、ベツドの明け渡しなり、強制退所なりということが起つた場合には、なおその事実を局長に報告いたしますならば、適当な処置がとつていただけると考えてよろしゆうございますか。その点だけひとつ……。
#52
○東説明員 もともと病床の明け渡しは、その出て行きます患者が、病院における医療の必要がないということを標準にいたすのでありますから、その際にもうよくなつて医療の必要がないが、なおそれ以上長くここにおる方が便利だから云々というふうなことになつては、これは困ると思うのであります。しかしただいまのようにもう家へ帰つてもよいかどうかということは、これはなかなかデリケートな問題でありまして、出る本人にしても、うちにおるよりはもう少し病院におる方がよいということはごもつともであります。そういうことがありました場合に、空床があるような療養所においてはそこに相当の考慮の余地を残してよいと思います。東京のような場合と違いまして、もはや退院してもよろしいというのは、一本の線ではなくしてそこに幅がありますので、東京のようなところはそこの最低の線を標準といたしますが、そうでないところは、最高の線を標準とするというような幅を持たせることは当然だと思つております。
#53
○佐々木委員長 なお山崎委員の質問に対する政府側の答弁が残つておるようでありますので、安田説明員。
#54
○安田説明員 先ほど盲人福祉法の請願の中に、盲人に対する鉄道のパスを……。
#55
○山崎(道)委員 盲人だけではない。公務障害者……。
#56
○安田説明員 公務障害者に対する鉄道のパスの問題は、いろいろ関係方面との関係もございまして、簡單にまいらない問題だと思いますけれども、また國内的に申しましても、厚生省と申しますよりは、運輸省の所管になつておりますので、今後またひとつ研究もし、努力もして行きたいと存じます。
    ―――――――――――――
#57
○佐々木委員長 ただいま紹介説明いたされました四件以外の請願の紹介説明は、先ほど委員長から反復旧し述べましたような諸般の事情もありますので、便宜これを省略して採決いたしたいと存じますが、異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○佐々木委員長 それではこれより本日の請願日程二十九件全部を一括議題として採決いたします。ただいま議題となつております請願二十九件は、いずれも会議に付するを要するものとして、採択の上内閣へ送付すべきものと議決するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○佐々木委員長 異議がなければさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#60
○佐々木委員長 次に公報掲載の陳情書日程全部を議題といたし、審査の手編を省略してただちに採決に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○佐々木委員長 御異議がなければ陳情書の採決に入ります。陳情書日程第七文書表第一六五号、日程第一〇文書表第一九八号、日程第一一文書表第二一三号、日程第一三文書表第二四九号、日程第一六文書表第二八三号、日程第一七文書表第二八七号、日程第一八文書表第二九二号、日程第二一文書表第三二五号、日程第二二文書表第三三二号、日程第二三文書表第三三四号、日程第二五文書表第三六六号及び日程第二八文書表第四〇七号、以上十三件国民健康保險診療施設に対する國庫補助増額の各陳情書は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものとし、その他の陳情書は、日程第六民生委員より議員並びに官公吏除外保留に関する陳情書文書表第一四八号を除き、いずれも委員会に於て了承と議決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○佐々木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
 なお衆議院規則第八十六條による報告書作成は、委員長に一任いたされたいと存じますが、御了承願います。
    ―――――――――――――
#63
○佐々木委員長 それでは請願並びに陳情書日程を終了いたしまして再び委員の質問に返ります。榊原亨君。
#64
○榊原(亨)委員 時間がございませんので、簡單に御質疑申し上げまして、なおその質疑の残りにつきましては、來議会にこれをお願いいたしたいと存ずるのであります。私の質問の要点は、京都事件並びに島根事件のジフテリア血清注射に関する事件でございます。この事件は單にけが人を出したとか、あるいは死亡者を出したとかいうだけの問題ではないのでありまして、この事件によつて今後のわが國におきます予防注射の上に非常な障害を來すごとに相なるのではないかと思うのであります。その点に対する厚生省当局の責任も重大なものと考えるのであります。なお先ほど御答弁になりましたようにこれらの藥の檢定にあたりましては、四つのびんを集めて檢定することをしないで、そこに間違いが起つたというようなお話がございましたが、その責任はただそれだけではないのであります。私の聞き及ぶところによりますと、すでにこの製造所は再三再四試験に合格せざる藥品を製造しておつたものでありまして、今回の事件を起しました許可をもらつたのは最初であるということであります。もう一つは、これらの製造所の責任者が病氣のために、その製造所に出席しておらないときに起つたということであります。かような特殊な事情から申しましても、厚生省当局の御責任は重大であると存ずるのでございますが、ここに私は概略いたしまして、四つの点について御質疑を申し上げたいと思うのであります。
 第一番目は、被害を受けました方々に対して国家は、厚生省はいかなる補償をしようとしておられるのか。この問題につきましてはすでに太田典禮君から本会議において御質問があつたのでありますが、はなはだ驚き入つたことには、厚生大臣の御答弁は、連合國から示唆を受けましたところの社会保險その他の国家保障の問題と、はき違えて御答弁をしておいでになることでございます。太田君が質問をいたしましたのは、これらの被害に対していかなる損害賠償をするかということ、並びにこれらの損害賠償の責任を國家は負うかという御質問であつたと存じますが、厚生省当局のお答えは、全然違つたお門違いの御答弁をなさつたのであります。これはしろうとでございます厚生大臣としては、あるいはやむを得ないことかもしれませんけれども、この点についてはつきりとした具体的なお答えをお願いいたしたいと思うのであります。
 第二番目の問題は、目下御調査中とは思いますが、先ほど冒頭に私が申し上げましたようなことが事実であるといたしますならば、その責任の範囲はどこまで及ぼされるおつもりであるかということを、厚生大臣がおいでになりませんから、政務次官の御責任あるお答えをお願いいたしたいと存ずるのであります。なおつけ加えて私が申しますのは、この製造所は日赤とわかれた建物にはございますけれども、その責任は日赤当局にも及ぶものでございますか、この点もあわせて承りたいのでおります。
 第三点は、今後の処置といたしまして、これらの藥品を檢定なさる場合に、具体的にいかなる点を御改良になろうというのか、たとえて申しますと、今の檢定の方法ができます前には、四つのびんなら四つのびんからおのおのピペツトでこれを吸い上げまして、檢定いたします方法をおとりになつておつたのでございますが、かような方法は雜菌が入るから、今施行せられておるような方法に御改良になつたと私は承知しております。この点について具体的にいかなる改良をしようと思つていらつしやるのか。また今の檢定の方法でいいと考えていらつしやるのであるか。なおつけ加えて承りたいことは、厚生省当局は、これらの檢定の人員を増すと言つておる。ところがこれは各官職がいつでもこういうことが起りますと、ただちに人員が足りないからと簡單におつしやるのでございますが、少くとも今度の事件の眞相を見ますときに、これは人員が少いためではないのであります。その取締り、あるいは檢定する人の常識並びに責任感の稀薄に基いたと存ずるのでございますが、こういうことに関しまして、厚生省当局はどのようなふうに今後なさろうとするのか。
 第四番目は、一般の藥品、ことに注射藥の副作用は非常にたくさんあるのでございまして、ただ今度はこれが予防注射液でございましたために、その被害がはつきり現われたのでございます。一般の注射藥の不良品の多いことは実に寒心にたえない。その副作用も非常にたくさんあるということは、当局もお認めのところと思うのでありますが、この藥品の檢定を今具体的にどんなふうにしておいでになりますか。また御改良になるといたしますれば、どんなふうな方法によつてこの藥品の不良を見つけ出そうとせられるか。なおさらに追加してお伺いいたしたいことは、この場合に、官廳が独善的に――独善的と言うのは失礼でございますが、官職だけの力によつてこの檢定をし、試験をし、取締りをしようとされるか、あるいはたとえばこの医藥品を使いますところの日本医師会というようなものの力も借りて、協力的にこれをやろうとする御意思がないのであるか、この点について承りたいと存ずるのであります。
#65
○庄司政府委員 政務官に対するお尋ねに関する範囲においてお答えを申し上げます。
 お尋ねの責任の限界、ラインについてのお尋ねの点は、公務上主務大臣である厚生大臣以下、いやしくも指導監督の地位にある者は、道義的にその責任を回避することはでき得ない、まことに遺憾千万な問題でありまして、心から遺憾の意を表さしていただきたいと存じます。再びかようなあやまちをなからしめるために万全を期して、大臣以下それぞれ深き道義的の責任、また公務員としての責任を反省さしていただきたいと存じます。責任問題については、道義的とあわせて刑事訴追に関する法律上の責任問題がございまして、お尋ねの御趣旨は、もつぱら刑事訴追に関する限界でなかろうかと、私は御推察を申し上げるのでございますが、刑事問題上あるいは刑法上等の法律上の責任の問題につきましては、ただいま突然のお尋ねでございまして、私御答弁の用意がございません。ありのまお正直に申し上げますが、十分研究調査をいたしまして、いやしくもあいまい模糊なる態度をとらず、相当法律法令上の責任の限界線を明らかにして、國民に対しても謝さなければならないと考えております。この程度で御宥恕を願いたいと存じます。
#66
○慶松政府委員 私檢定方法の点と不良注射液の取締りの点につきましてお答え申し上げます。血清ワクチンあるいは予防液等の檢定方法につきましては、それに関しまする多くの学者方の御意見の結果、並びに関係当局の指示あるいは忠告等によりまして、きまつているものでございまして、その間におきまして、先ほど榊原委員からもお話にありましたように、今回のジフテリア予防液につきましては、採取法等にいささか誤りがございましたが、しかしながらこれはまつたく特殊な例でございまして、ほかのジフテリア予防液をつくつております業者、あるいは研究所の人々をすべて集めまして、そういうやり方をしておるかということを確かめたのでありますが、どこもやつておりませんので、この研究所だけが誤つてやつておつたことであります。從つてそういう点ではあらためて学者方の御意見を承ることは必要でありますが、たまたままことに不幸なことに、こういうことが起つたということを御了承いただきたいのであります。なおもちろん檢定方法の改良については、関係の学者方の御意見を十分承りまして、改良すべき点は改良いたしたいと存じます。なお注射藥の不良品の取締り方法の点については、私も機会あるごとにこの委員会等でもお話申し上げております通り、その点についてはできるだけのことをやるべく覚悟いたしております。また私の配下並びに各府縣の関係官等にも申しておる次第でございます。先ごろ御審議いたしました藥事法に基きまして、藥事監視員なる制度が確立いたしました。それで最近全國の四十六都道府縣に百七十名の藥事監視員を任命いたしましたし、また近く厚生省の関係官約五十数名を任命することにいたしております。それらの人が常時藥品の取締りのために各製造所等に参じまして、十分なる監督をいたすことに相なると存じます。なお注射藥等の檢査は、これは今日においては拔取り檢査をやつております。一々檢定をやつておるものは、これは特殊なもの、すなわち黴毒の治療に使うマフアルゾールとか、サルチル酸ゾールの注射藥とか、あるいはスルフアミンゾールの注射藥等であつて、あとのものは今日においては拔取り檢査によつて取締つておるのでございますが、しかしそういう点で特に弊害の多いと考えられます注射藥については、國家檢定を要するようにいたすべく、目下私の局内において檢討いたしている次第でございます。なおこれらにつきまして医師会その他の関係團体の御協力を仰ぐことについては、私は全面的な賛意を表する次第でありまして、できるだけ廣い範囲の皆樣方の御協力を得まして、かつ政府自身においてもできるだけの責任と、そして覚悟と努力をもつて善処いたしたいと存じておる次第でございます。
#67
○佐々木委員長 この際、松谷委員並びに福田委員に申し上げておきますが、両委員にはまことにお氣の毒に存じますが、先刻來重ねて申し上げておるような事情でございますので、なるべく質疑應答は簡明にお願いしたいのでございます。通告順によつて松谷委員。
#68
○松谷委員 ただいまの委員長の御指示によりまして、残念でありますが簡單に急所だけを質問いたしたいと思います。
 前委員会において、すでに厚生大臣からその根本的な意見を伺つておきました、例の九州地方の療養所患者自治会に対する解散通牒の件について、医務局長のお考えをお尋ねしたいと思います。医務局長は厚生大臣とは異なられまして、すでにこの問題についても十分御了承くださると考えますので、こまかい点は省きます。医務局長の考えといたされて、この福岡縣の清光園の一患者の投書に端を発して、今回九州地方全般に起つて参りました患者自治会の解散命令の通牒に対して、これが佐賀縣また奈良、愛知と各縣にも波及しつつあることも、すでに御承知だと考えておりますが、従來患者自治会のその存在は、各病院当局からも、あるいはまたその從業員からも、あるいは患者自身にも相当大きな貢献をして來つつあつたということは、医務局長もすでにお認めになつておられるところと私は信じておるのでございますが、まず局長のお考えとされて、この患者自治会を存在さす、長期療養患者に患者自治会なるものの組織を持たせるということが、今回の通牒の中に現われておりますように、組織を持つこと自体が療養の妨害になる、かような言を吐いておりますところの九州地方の出張所長の意見でありますが、これに対する局長の御意見はどうであるか、この点を一点伺いたいと思います。つまり組織が療養の邪魔になると考えるか。もちろん私どもは組織を持つ場合においては、患者である限りにおいて、その患者の持つところの性格なり、あるいは患者自治会が守らねばならぬところの、一つの嚴然たる範囲があることは重々了承いたしております。待つてこの範囲内におけるところの組織をもつての自治会の行動を、局長は認められるかどうかという点を伺いたいと思います。
#69
○東説明員 その点についてのみお答えをしてもいいのでありますが、問題を簡單にいたしますために、ただいま問題を起しました九州地区の病院療養所に対する、いわゆる自治会解散の指令についてでありますが、この問題については、これはただいま申されたような事情から起つたことだと思いますが、その結果としてとられた処置については、これは医務局の九州出張所長の名前において、各施設長に與えました指示が問題であると思います。これは全文十箇條のものでありまして、その内容については私はそのそれぞれについて問題であると存じております。その中の第一にありますことがただいまの問題になつたことでありますが、私がこの指示を読んで見まして、私個人としては自分の考えていることと少しもかわつていないと思うのであります。今お話になりましたことは、患者が自治会をつくつて活動することが、いいか悪いか意見を聞こうということでございますが、そういうふうな團体を組織することは、これはすべて個人に與えられた自由であります。ただしかしながらその個人が療養所あるいは病院の生活をいたしておるという限り、それは自由としても、療養に害があることは、これを患者の自由として認めることはできないと思います。從つて療養生酒に害のないような、なお進んでは療養生活の内容を向上する、療養生活をしてより効果あらしめるということのために組織せられた、またその範囲を逸脱していないのは当然許さるべきものと思います。今度のこの九州における通牒が、それと反しているではないかというところが、本日の御質問の中心であると思います。私はこの通牒を読みまして、それが反しているとは私は解釈いたさないのであります。と申しますのは、読み方によりましては、いかなる名称たるとを問わず、いやしくも組織をつくつて團体的な行動、あるいは團体を背景として行動してはならぬと書いてあるではないか、これは著しく團結権と申しますか、結社の権利というふうなものもあるのにそれを無視しているではないかというようなことになると思いますが、そうではないのでありまして、いやしくも本人または他の患者の治療の妨げになるような組織をつくつてという前提があります限りには、これはきわめて当然のことだと思うのであります。重ねて申しますが、患者の療養生活が病院の主体でありますから、その療養生活というものを中心に置いて考えたときに、思考としてこれは当然であり、また患者としてはなすべきことであるという範囲のことを、決して否定するものではございません。
#70
○松谷委員 ただいまの局長の御答弁に対しまして、私どもは根本的には患者自治会なるものの存在も、むしろ喜ぶものではございません。われわれの理想から行くならば、患者は何らそうした患者自体の自治会を持つことなしに、完全に療養に安心して進むことができるような事態を私どもは望んでおりますが、少くとも今日の状態から参りまして、政治の力が貧困にして患者みずからの團体をつくり、そうしてなお患者みずからもその療養生活に協力をするという状態が、最も望ましい現段階にある場合におきましては、今局長の言われるように、私はその療養生活をより向上せしめる、あるいはまた將來の患者の問題をもなお確立させて行くというような意味においての患者自治会の存在というものを、私も局長が言われると同じように、この考えに立つて患者自治会なるものの存在をぜひあらしめたいと考えているものでございますが、ここに出て参りました九州地区の具体的な問題で、患者からの陳情によりますと、いわゆる清光園の一患者からの投書の内容の事実は、九月にフイーヤマン中尉が清光園に來園されたときの調査によりますと、その投書の内容の事実はないということが認められたという患者からの陳情が参つております。この事実があるかないかということは別といたしまして、もしもかりにわれわれが希望するところの患者の療養生活を逸脱しなければならなかつた、あるいはしたというような事実がかりにあつたとするならば、これはむしろ患者自治会自体の解散を命ずるのではなくして、患者自治会に対する一つの注意にとどむべきではないだろうか、あるいはそうした患者自治会の規則を逸脱する者があつたとするならば、これは患者自治会の責任において、私はその逸脱した者に対する処断をとるのが、患者自治会の責任であろうと考えるのでございますが、この場合にその患者自治会に対する忠告を逸脱いたしまして、患者自治会自体を解散させるという行動に出られたということは、ただ單にここに出て來た一つの具体的な例をもつて解散せいというのではなくして、もう一つその奥に存在するところの、いわゆる患者自治会なるものの組織を持たせるという根本的な考え方に、大きな相違があるのではないかと私はかように思うのでございますが、局長はこの場合において、いかがでございましようか、私はこの九州の今回出て参りました問題は、その具体的な例に対してこれを忠告すればよろしいのであつて、患者自治会全体を解散せいというところまで発展さすべきではないと私は考えるのでございます。この患者自治会自体を解散せいということになりますと、ただいま局長がおつしやつた御意見といささか相違するものがあるように私は受取れるのでございますが、この点はいかがでございましようか。
#71
○東説明員 この問題はどういう事実から端を発して、どういう経過を経てかような結果になつたかということにつきましては、実はその詳細は私は承知いたしておりません。と申しますと、はなはだうかつであり、はなはだ無責任なように聞えるのでありますが、私どもの持つております各出張所長は、これは医務局の出張所長でありまして、各その地域における病院療養所を指導監督する直接の地位にあるものであります。私といたしましては、締つてそれらのもとにあります施設の実際の指導監督につきましては、ほとんどまつたくその権利をこれらにゆだねているのでございます。また当然それだけのことをやり得る人を配置しておるつもりであります。從つて今回のことにつきましては、一々詳しい状況等の報告は私は受けておりません。ただその結論としての報告を受けているのみでありまして、待つてただいま御調査になりましたところをお聞かせ願いまして、それでどう思うかということに対しては、私はこの九州の地区に対しては、私は九州の出張所長のやりましたことをただいまとしては是認いたしているのであります。と申しますのは、これにはおそらくいろいろの経緯がありまして、その結果かような指示をしなければならないような状況になつたものと思つております。ただその指示の内容について、著しく私どもの考えと異なつていることがありますれば、それに対しては、私としても積編的な行動をとらざるを得ないのでありますが、少くとも一から十までのものを私が見まして、私の考えと根本的に違つているものを少しも認めませんのでこの指示の通りにいたしております。すなわち何ゆえにわずかの好ましからざる事実に基いて自治会そのものを解散するに至つたか、その処置が不当でないかという御質問でありますが、これに対しては私は何とも申し上げ得ないのでありまして、その事情を逐一承知いたし、なおその考えの道筋を全部追究いたしませんでは、何とも申し上げかねるのであります。そういうお考えもありましようが、あるいはこれを一應は現在のそれを否定しなければならないような事柄があつたかもしれませんし、その点については私としては今何ともお答え申し上げかねるのであります。ただ私の根本に持つております考えは、療養生活の中で必要な集まりというものは、私はけつこうなことだと思つておりますし、また先ほどおつしやいましたように、根本的にはかようなものを必要とすることは私どもはこれを恥じております。この大部分の仕事は病院、療養所において当然やるべきことであつて、患者を煩わすべきことは、その中のごく少数のいわゆる患者そのものの間における文化的、修養的な事柄、こういうようなことは当然患者がいつになつてもやられることと思いますが、それ以外にはいろいろな現在自治会のやつておられますような仕事と、診療というものは当然これは療養所の方においてなすべきことという意味において、患者自治会ができなくてもよいような時代を待つことは、ただいまのお話とまつたく同感であります。
#72
○松谷委員 どうも私は残念ながら局長のただいまの御答弁によりまして、満足することはできないのでございます。時間がありませんのでまことに残念でありますが、いま一点だけ承つておきたいのは、第一は医務局長が地方出張所に対して持たれるところの権限は、どのような程度であるかということ、どのような関係にあるかということを伺つておきたいと思います。
 それから先ほど局長が御指摘になられたつまりこの通牒の中にはいかなる名称を使用するを問わず、いやしくも本人または他の患者の療養を妨げるような組織をつくつて、團体的行動をしてはならないという文章であるから、さして心配することはない。かように言われておるのでありますが、そういたして見ますならば、局長のように解釈いたしますならば、私どもは今後自治会が本人または他の患者の療養を妨げるような行動をしない限り、患者自治会なるものの組織が存在いたしてもさしつかえないと解釈をいたしてよろしゆうございますか。それとももう全然患者自治会なるものの組織は、解消しなければ相ならぬというその考えで、この言葉を読めと言われるのでありますか。その点、先ほどの局長の心配はないではないかというお考えから考えまするならば、私は前者にとりたいと思うのでございます。この点いかがでございましようか。
#73
○東説明員 あとの御質問からお答えいたしますが、私は今までも自治会の方々ともしばしば会つておりますし、いろいろな機会にこの問題については話し合つておりますから、私がこれをどういうぐあいに解釈しておるかということは、すでにおわかりと存じます。先ほどから繰返して申しておりますように、本人並びに他の患者、すなわち療養者全体を含めて、あるいは大きく言えば療養所全体の患者を含めて、その療養に妨げをするようなものであつては困るが、そうでないものならば、これは患者の自由意思によつて適当に処理せられてよいのではないか。必要があると思われる療養所についてはつくられましようし、そういうものはいらぬと思う所はつくらないでしようが、こちらからおつくりなさいとまでは申しませんが、しかしながら今のような範囲内で患者が一番よく知つておられる範囲内の活動をやられるならば、御自由にというのが私の今の態度でございます。さような意味でそれを解釈いたしておるのであります。ただ九州においてこれがどういうふうに解釈されておるかということは、実は当人もしくはその他からはつきり聞いておりません。私はさようにこの通牒を解釈しておりますが、九州においてやられましたことは、九州のローカルな特殊事情として考えております。その措置は私どもと中央関係当局との間において、これと類似の話合いをしておる次第ではまつたくありません。
 それから出張所長と医務局長の問題でございますが、あくまでも出張所長は医務局長の配下でございます。從つて必要なる事柄は、私の方から一々指示通達はいたしております。しかしながら地方の病院の直接の監督等につきましては一々指示もいたしませんし、また多くの事柄はすべて事後報告を受けておるだけであります。たとえばこれこれの病院についての施設、人事等における改良とか改善というようなことにつきましても、相談を受ければいたしますが、また指示したことはその通りやらせますが、それ以外のことは出張所長の権限内においてでございます。
#74
○松谷委員 それではぜひひとつ、ただいま御説明になりましたこの通牒に出ております。解釈につきまして、ただいま局長の言われた見解を出張所長に対して指示していただきたいと思いますが、この指示をしてくださる御意思があるかどうか。それからいま一つは、こまかい点もなお御討論申し上げたいのですが、あとの御質問の時間もございますので、きようは患者の自治会の代表者も見えておりますので、ひとつこの委員会が終りましたあとで懇談をしていただきたいと思いますが、おさしつかえないかどうか。その二点だけ伺つておきたいと思います。
#75
○東説明員 この問題につきましては、私どもの方で出張所長会議というものを定期にやつております。ほとんど毎月やつておりますが、その席上においてあらためて本日の御質問のありましたことから、これはひとり九州出張所長といわず、全出張所長と私はみな意見を交換いたします。それから本日のことでありますが、私は何時まででも一向さしつかえないのであります。みなさんの御都合におまかせいたします。
#76
○松谷委員 ただいま出張所長の会議において十分討論するというお話でございましたが、実はこの問題は福岡縣から佐賀、奈良、愛知とだんだん東に向つて東上しつつある問題でございまして、全國の自治会に対して派生するものと私どもは考えておりますので、一刻も早く、できれば特別に九州出張所長をお呼びいただくなり、本省から御調査團を派遣していただくなりして、即座にこの問題の御処理にあたつていただくことを希望いたしまして私の質問を終ります。
#77
○佐々木委員長 次に福田君。
#78
○福田(昌)委員 時間も迫りましたから簡單に質問いたします。答弁も簡單でけつこうでございます。今インターンの学生は非常に学資の問題に困つておりますが、インターンというような新しい制度に対しまして、しかもインターンの学習というものは一日中費すほど忙しくもない今の状態から考えまして、私は二つのことをお伺いいたしたいと思います。あのインターンの学者制度というものに対して、私は大いに改革をしなければならない多くの点があると思うのでありますが、そういうことに対してのお考え、それからインターンの学生の生活保障の問題、この二つについてお答え願いたいと思います。
#79
○東説明員 第一の御質問でありますが、インターンの制度が現在不完全であるということは私どもが最もよく承知いたしております。從つてこのインターンの制度については、これを國家の試験の制度と合せまして、これを十分に改革、改良するという用意を持つておりまして、すでに國家試験委員並びにインターンの審議会の委員両者に対して改善についての御相談を始めております。從つてその制度については何らかの改良進歩のあることを期待いたしております。
 それから生活保障の問題は、これは切実な叫びでありまして、私どもも何回となくインターンの学生から陳情も受けておりますし、その実情をも調査いたしております。とにかく学生ではなし、医者ではなしというはなはだ不利益なる状態に置かれておりますので、学生としての特権は奪われ、医師としての特権は與えられない、まつたくみじめな状態である。何らかのことをしてあげたいということは私どもも十分に考えておりまして、実は目下関係方面といろいろ審議中であります。來年度の予算に対しても、せめて食事一食だけでもインターンの負担を軽くしたいというふうな意図をもつて話し合つておりますが、何しろインターンというものに対する認識と解釈が、先進国であります英米等とわが國と比べまして、まことに雲泥の開きがありますので、いろいろと了解を得るのに苦しんではおります。ただ私どもといたしましても、最後のインターンの姿は、こちらが生活の保障をしなければならないようなものであつてはならないのでありまして、各病院が喜んで受入れておるものであり、從つて喜んでインプルーヴしなければならぬものでありますが、そういう状態に達するまで、何年間かいわゆる暫定処置としては、やはり何らかインターンに対して、積極的な援助をすべきだということを私どもは考えておりまして、その努力を今拂つているところであります。なお学生として持つておりますような乗車券の割引の問題にいたしましても、運輸省等と十分折衝を続けておりますが、なかなかいろいろな規則をたてにとつて反撃を受けますので、私どもとしてはたじたじの状態であるのが現状であります。しかしなお望みは捨てておりませんで、できる限り何とかいたしたいと思つております。これも第一のインターンの制度の改革というものと合せてやはり考えなければならない問題だと思うのでありまして、要するにインターン制度はこれを今日よりもより合理的な、そしてまたより効果的なものにいたすというために、準備を始めていることを申し上げておきます。
#80
○福田(昌)委員 せつかく御努力をお願い申し上げます。重ねても一つ、これは別個のものでありますが、これもはなはだ簡單な質問であります。今日家政婦とか看護婦組合、こういつた各家庭に出張して看護に当る仕事をおもにやつている連中の会というものが、労働基準法に触れて非常な支障を來しております。患者の側も、また看護婦または家政婦としての職業によつて生活している連中も、両方とも困つた状態に置かれております。結局労働基準法をくぐつたいろいろな便法を考えてやつておりますが、これに対して厚生当局の積極的な、また一日も早い適正な処置をお願い申し上げたいと思います。これに対してただいまどういうお考えでいらつしやるか、伺いたい。
#81
○東説明員 まことにこれはおはずかしい話になりますが、その問題については率直に申し上げると、ただいまのところ、少くとも私のレベルにおいては何もいたしておりません。ただしかしながら、新しく看護課も設置いたされましたことでありますし、看護課の問題としては、これは一つの当面の問題として、十分取上げるべき問題と思いますので、私からも看護課長に申しますが、なお看護課長等の意見も十分に聞いてみたいと思つております。ただいまのところ何もいたしておりません。もしこういうようなことをというような御意見でもありますれば、十分伺つて実現に努力いたしたいと思います。
#82
○福田(昌)委員 家政婦というのはほかの職業に比べてみますと、まつたく日雇い業者みたような立場にあるものかと思いますが、ただ日雇い業者のごとく時間を切り、あるいはまたいつでもいいというようなわけに参らない急を要する患者の看護に当る人たちのことでございますから、日雇い業者の組合のごときに類したものをつくりまして、これをまた職業安定所あたりの差配によつて動くというようなことにすることも非常に私は派出婦の場合においては不合理なものがあると思うのであります。從いまして最も合理的な適当な方法というものは、労働省とよく折衝をいただきまして、例外的な特別な組合なり、あるいは今のシステムにおいてしかもこの会長あたりが不純な氣がねをするというようなことが、行われないような合理的な方法を労働当局と折衝いただきましておきめいただきたいと私は思つております。
#83
○佐々木委員長 先刻來厚生省保險局長宮崎太一君より社会保障制度の審議に関して発言を求められております。これを許します。宮崎局長。
#84
○宮崎説明員 ただいまの問題でございますが、これは速記をとめていただきたいと思いますが……。
#85
○佐々木委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#86
○佐々木委員長 それでは本日はこの程度にして散会いたします。
    午後一時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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