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1948/11/15 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 本会議 第12号
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1948/11/15 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 本会議 第12号

#1
第003回国会 本会議 第12号
昭和二十三年十一月十五日(月曜日)
 議事日程 第十一号
    午後一時開議
 第一 内閣総理大臣の施政方針の演説に関する決議案(細川隆元君外七名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第二 政府職員の新給與に関する決議案(赤松勇君外八名提出)(委員会審査省略要求事件)
第三 災害対策に関する補正予算の本國会提出に関する決議案(竹山祐太郎君外九名提出)
第四 國際電氣通信條約に加入することについて承認を求めるの件
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 内閣総理大臣の施政方針の演説に関する決議案(細川隆元君外七名提出)
    午後五時五十二分開議
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 第一 内閣総理大臣の施政方針の演説に関する決議案(細川隆元君外七名提出)(委員会審査省略要求事件)
#3
○議長(松岡駒吉君) 日程第一は提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。日程第一、内閣総理大臣の施政方針の演説に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。細川隆元君。
    ―――――――――――――
  内閣総理大臣の施政方針の演説に関する決議案
   内閣総理大臣の施政方針の演説に関する決議
  政府はその施政方針を明らかにするため直ちに衆議院本会議において総理大臣より施政方針の演説をなすべし。
  右決議する。
    ―――――――――――――
  〔細川隆元君登壇〕
#5
○細川隆元君 私は、ただいま上程になりました日本社会党、民主党、國民協同党、社会革新党、労働者農民党準備会、第一議員倶楽部、新自由党準備会及び日本共産党、以上八党派の共同提案になる決議案の趣旨説明をいたしたいと存じます。
 本決議案の趣旨は、吉田内閣総理大臣は、その施政の内容と全貌を國会を通じて國民の前に明らかにするため、ただちに衆議院本会議場において施政方針の演説をなすべきことを、院議をもつて強く要求するの決議案であります。(拍手)
 去る九日、十日両日にわたる衆議院本会議におきまして、各会派はそれぞれ代表者を送りまして、何ゆえに吉田総理大臣は國会多年の傳統である國会冒頭における施政方針の演説を回避するかにつきまして、緊急質問の形においてその意見を求めたのであります。これに対して吉田総理大臣は、國家公務員法改正案の審議はこれを急ぐから、適当な時機においてこれを行うと、たつた一枚の答弁要旨をたよりに、繰返し繰返し答弁いたされたのであります。(拍手)諸君、國家公務員法改正案は、これが本会議における政府の趣旨説明は、すでに去る十三日をもつて完了いたしまして、ただいま本案は、人事委員会において非常に眞劍な審議が開始いたされておるのであります。從つて私どもといたしましては、今こそ施政方針の演説をなすべき適当な時機であると認定をいたすのであります。(拍手)何でこれが國家公務員法改正案の審議のさしさわりになるでありましよう。かかる見地に立ちまして、私どもは、國会独自の立場から、ここに院議をもつて、吉田総理大臣はただちに本会議において施政方針の演説をなすべきことを要求いたすのであります。(拍手)
 そもそも一國の総理大臣が、しかも新憲法上、眞に議院内閣制度のもとにおける内閣首班者が、院議をもつて施政方針の演説を迫られるがごとき醜態は、わが議会史上その例を見ないのみならず、外國の民主主義諸國家におきましても、古今東西を通じて、まつたくの異例に属する、遺憾千万なできごとであると申さなければなりません。(拍手)何ゆえにわれわれをしてかかる決議案を提出する態度に出でしめたか、これまつたく吉田内閣の國会無視の態度、その非民主的にして非立憲的な態度がそうせしめたのである。(拍手)われらは、このおおうべからざる事実を國民の前に明らかにして、もつて良識ある國民大衆の批判に訴えたいと存ずるのであります。(拍手)
 思うに吉田内閣はその在野時代に公約しました取引高税の廃止、料飲店の再開、供出後の米の自由販賣‥‥。
  〔発言する者多し〕
#6
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#7
○細川隆元君(続) 統制の大幅撤廃など、みごとに在野時代の公約を裏切つて、早くもその実現難に遭遇しておるのである。(拍手)從つて、國会冒頭において、正々堂々とこれらの施策についてその内容を明らかにすることができず、その結果、言を左右にして、施政方針の演説を國会の最終日まで引延ばそうとする魂胆であることは、明瞭に看取いたされるのであります。(拍手)そうして、他面議員からは施政演説に対する質問の機会を奪い去つて、言論圧迫と発言封鎖の魂胆であることは、非常に明瞭なのであります。まことに驚き入つた暴挙といわなければならない。(拍手)われらは、かかるフアツシヨ的暴力に対しては、断固闘わねばなりません。(拍手)最近世間では、かかる吉田内閣の暴挙に対しまして、ようやく非難の声が鋭く、あるいは吉田内閣を評して横車内閣と言い、あるいはこれを指さして食い逃げ内閣と称し、あるいはまた、いか墨内閣の尊称さえ奉られておる現状であります。
 諸君、議院内閣制をとつておりまする英國におきましては、まず國会開会の冒頭において、時の政府の國会に臨む諸方策が、英國皇帝の議会演説において、いとも嚴粛に明らかにいたされております。三権分立の最も嚴格なアメリカにおいてさえも、毎期國会開会の初めにあたりまして、大統領のメツセージ、教書が朗読されておるのが、うるわしき政局的慣例になつておるのであります。しかも、アメリカのトルーマン現大統領になりましてからは、第三者をして單にメツセージを朗読せしめていた従來の慣例を打破つて、大統領自身國会に出席をいたして、みずからメツセージを朗読し、國会を通して國民の前に施政の方針を明らかにするという、すこぶる民主的態度に出ておるほどであります。
 しかるに、吉田総理大臣の態度はどうであろうか。國会多数の強き要望にこたえず、その施政に対して一言の意思表示さえ行わず、逆に國会に要求し來つたものは、公務員法の期限付審議要求であつたのであります。これが議会軽視でなくて何でありましよう。保守反動でなくて何でありましよう。(拍手)幸いにして、かかる横車的議会軽視の態度に対しましては、去る十一日の衆議院議院運営委員会におきまして、國会の審議権を圧迫するがごとき政府のフアツシヨ的期限付審議要求のごときは、まつたく不当な申入れであると認定して、國会は議院で決定した会期中に公務員法改正案を議了するとの建前から、断固政府の不当申入れを、民自党を除く全会派一致によつて一蹴することに決定したのであります。(拍手)
 元來、吉田総理大臣の冒頭施政演説に関しましては、與党民自党内においても問題となつたことであります。(拍手)吉田総裁のわがままと、反動的なのには、ほとほと困つたものであると、議論のあつた問題であります。独裁的なこと、ものぐさとわがまま、貴族趣味と殿様氣分は、民主主義には許されないことである。さればこそ、民自党内におきまして、吉田総裁を含めての一部幹部たな上げ論が行われ、その結果が、民自党内に山崎首班擁立運動の火の手が上つたのは、なるほどとうなずかれるのであります。この吉田総理大臣に対するたな上げ論は、民自党ばかりでなく、吉田内閣が成立するや、世界の輿論は、まことに日本にとつて遺憾なものがある。(拍手)吉田内閣の反動性が強く批判の対象となりまして、アメリカ、イギリス、中華民國、フランス、オーストラリア等の諸國におきまする輿論が、きびしき指彈を行つておることは、諸君御承知の通りであります。吉田内閣たるもの、もし一片の愛國の情があるとするならば、内、自己の與党内における正論に聞くべきはもちろん、世界の輿論にこたえるの心がけこそ必要ではないでしようか。(拍手)かかる意味から申しましても、吉田総理大臣は、この際一日もすみやかに、一刻もすみやかに施政方針演説を試みて、日本國会の民主主義運営に協力して、世界的信用を少しでも高めようという態度に出ることが適当であると考えられるのであります。(拍手)
 本決議案は、おそらく圧倒的多数をもつて本院を通過するものと信じます。そうしてまた吉田総理大臣は、この穏当な院議にかんがみて、ただちに施政方針演説をとり行うものと信じて疑いません。吉田総理大臣は、よろしくできることはできる、できないことはできないと率直に施政の内容を明らかにすべきであります。もし万一、院議決定にもかかわらず、なおもわがままを押し通して、院議は尊重するが、適当な機会にこれを行うという口実のもとに、これ以上施政方針の演説を引延ばすならば、それこそ國会軽視どころではない、國会無視の態度であると見られても、やむを得ないのである。國会に対しては期限付審議を要求し、みずからはなすべきことをなさずして遷延政策に出るならば、そのときこそ、われらはさらに第二段、第三段の手段に訴えて政府を追究するの用意と覚悟のあることを、明瞭にいたしておきたいと存じます。(拍手)
 本決議案の全文は
 政府はその施政方針を明らかにするため直ちに衆議院本会議において総理大臣より施政方針の演説をなすべし。
というのであります。何とぞ満場の御賛成を希望いたします。(拍手)
#8
○議長(松岡駒吉君) ただいまの趣旨弁明中、不穏当な点の取消しの申込みがありましたが、議長は速記録を取調べの上、もし不穏当な言葉がありますれば、適当に処理いたします。
 これより討論に入ります。本間俊一君。
  〔本間俊一君登壇〕
#9
○本間俊一君 私は、民主自由党を代表して、ただいま上程されました内閣総理大臣の施政方針に関する演説を直ちに行うべしとの決議案に対して反対の討論をなさんとするものであります。
 われわれは、在野時代に臨時國会の開会を要求いたしましたが、この國会は、当時の野党の要求によつて開会されたものではありません。この第三國会は、前芦田内閣が國家公務員法を初め緊急の案件を審議するために開いた臨時國会でありますることは、明々白日の事実であります。(拍手)現内閣が、その跡始末をするために再開をいたしたのでありますから、劈頭國家公務員法を提出するのが、吉田現内閣の第一に果すべき当然の義務であります。
 しかるに、施政方針の演義を聞かないうちは政府の施政の方針が不明であるから法案の審議ができないかのごとき御意見が、しばしば表明せられておるのでありますが、片山内閣は、四党政策協定のもとにできた内閣であり‥‥。
  〔発言する者多し〕
#10
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#11
○本間俊一君(続) 芦田内閣は三党政策協定の上に成立した内閣でありますから、施政方針の演説があるなしにかかわらず、その内閣の性格と施政の方針は、ほぼ明らかになつておるのであります。これは政党内閣の当然の帰結であります。吉田現内閣は、政党内閣であり、しかも民主自由党の單独内閣でありますから、施政の方針はきわめて明瞭であります。(拍手)しかるに、施政方針の演説がなければ、その施政の大綱がわからないというに至りましては、政党に身を置きながら、政党政治の何たるかを解せざるものといわなければなりません。
 國家公務員法の提案の理由は、十一日の趣旨説明において明らかであります。この法案の審議に際して必要なる事項については、本会議において、また委員会において十分質疑をなさるがよろしい。政府との間における質疑應答の進展に從つて、納得が行かず、不明の点があつて、どうしてもこの法案に賛成ができない人があるならば、その際において反対をすべきものであります。しかるに、施政方針の演説とあたかも不可分の関係があるかのごとき言辞を弄するがごとき態度は、國会みずからその審議権を冒涜するものと断ぜざるのを得ないのであります。
 政府は内外の情勢を勘案いたし、國家公務員法のすみやかなる審議を求めておるのであります。われわれがそれを希望し、懇望いたしましても、野党の諸君がこれを審議することができないというのでありますならば、これはいたし方のないことであります。審議するもしないも、否決するもしないも、野党諸君の自由であります。われわれは、決して野党の自由を束縛しようとする考えは、毛頭ありません。いわんや、審議を強制せんとするがごとき意はありません。これは自由に処理されてしかるべきものであると信ずるのであります。
 取引高税の撤廃でありますとか、料飲店の再開でありますとか、わが党が在野時代に主張いたして参りました諸政策が実行できないから、現内閣は解散を急いでおるのであるとのお説も拜聽いたしたのでありますが、わが吉田内閣は、國会における少数派の内閣であります。わが党の政策主張が、政界の今日の現状におきまして、ただちに実行できないことは、三歳の童兒といえども、わきまえておるのでありましてわれわれは決してうぬぼれてはいないのであります。(拍手)國会に多数を擁していない政府は、その國会を乗り切ることのできないのも、また政党政治の常識であります。(拍手)從つて、冒頭に解散を行い、國民に信を問うべきでありましよう。(拍手)
 しかしながら、わが國の現状に照して、國家公務員法の改正が最も緊要な案件でありますから、劈頭これを上程し、適当なる時機に施政方針に関する演説を行う旨の首相の言明があつたのであります。ところが、総理ははたしていつやるのだろうかというて、たいへん氣をもんでおられる方がおられるようでありますが、遅くとも今月中に行うことは、これまた明らかであります。(拍手)政府の準備に即應して適当な時機に行えばよいのであります。しかるに國会が、いつこれを行うべしというような決議をすることは、政府の行動に対して國会がいらないおせつかいをするものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)今かりに百歩を讓つて、政府の態度が民主主義を蹂躪する行為であり、國会の権威を否定する行動であるというならば、これは民主政治にとりまして、きわめて大事なことでありますから、野党の諸君は堂々と不信任案を提出されることが当然のことと思うのであります。(拍手)しかるに私は、野党がかかる行為になぜ出られないのか、はなはだ了解に苦しむところであります。(拍手)民主主義における善悪は絶対的のものではなくして、現在あるものの中で比較的よりよいものを自由に選択するのでありまして、絶対的のものではなくして相対的のものであります。しかるに、首班の指名において答案なしの白票を投じて、われこそみずから民主政治家なりと言うに至つては、その厚かましさ、まさにきわまれりといわなければなりません。(拍手)行動はいかなる雄弁にもまさるのであります。國民の嚴正なる批判は、その軍配を必ずわれわれの側にあげることを私は信じて疑いません。(拍手)
 以上の理由によりまして、この決議案に反対をいたすものであります。(拍手)
#12
○議長(松岡駒吉君) ただいまの発言中に不穏当と思われるような点があつたようでありますから、後刻速記録を調査の上、適当に処理いたします。――圖司安正君。
  〔圖司安正君登壇〕
#13
○圖司安正君 私は、民主党を代表いたしまして本決議案に賛成するものであります。
 ただいま民主自由党の本間君は、この決議案は厚かましさはなはだしきものなりとの結論を與えられたのでありますが、この言葉こそ、本間君に私は、まずもつて返上いたしたいのであります。(拍手)本間君は、國家公務員法の一部改正法律案がすべての案件に先行するものであるから、総理は施政方針の演説をなさらなくとも、あるいはあとまわしにしてもよろしいというようなことを申したのでありますけれども、國家公務員法なるものは、まさしく吉田内閣の責任において審議せられなければならない問題であるのであります。吉田内閣の責任においてこれを提出し、吉田内閣によつてその施政の一部となつておりまする今日におきましては、その根本の性格を明らかにして施政方針をなすということこそ、立憲政治家としてなさなければならない当然の責務であろうと私は思うのであります。(拍手)
 吉田総理は、ややもすれば、あたかも平清盛のごとく、衣の陰から解散刀をちらつかせながら、國会の審議権に対してかれこれ言うのでありますけれども、それはあたかも、林銑十郎内閣がかつて食い逃げ解散をなしたるがごとく、国家公務員法を議会をして通過せしめたる後におきまして、吉田内閣は食い逃げ解散をなさんとする卑怯なる覚悟があると私は思うのであります。(拍手)すなわち吉田総理は、がんこにして、しかも独善であるが、その独善のほかに、さらに卑怯なる態度をこれに加えんとするものであると、私は立憲政治のために悲しまざるを得ないのであります。(拍手)われわれは断じて解散を恐れない。しかしながら、その解散は、あくまでも新憲法の精神にのつとらなければならないと思う。政界のもやもやは、一刻も早くこれを一掃すべきものである。しかしながら、それは憲政の大道を破つてはならないと思うのであります。(拍手)今吉田総理は、憲政の大道に逆行して食い逃げ解散をなさんとするがごとき卑怯なる態度があればこそ、私どもは、まずもつて吉田総理の施政方針を聞き、これに対して、われわれ十二分に批判すべきものは批判し、しかして、吉田内閣をして憲政の大道を誤らしめないように、われわれとしては監視する義務を持つのであります。
 世間におきましては吉田内閣は吉田の内閣ではあるけれども、民主自由党党の内閣ではないと申しておるのであります。(拍手)すなわち民主自由党は、その在野時代、いな今日におきましても、取引高税の廃止、料飲店の再開、あるいは供出後の食糧の自由販賣を主張しておるのでありますけれども、これらの問題は、とうてい今日の国際情勢のもとにおいては許されない政策なることは、民主自由党それ自身においてもよく知つておるのである。(拍手)この許されざるところの政策であればこそ、吉田総理は、國家公務員法のみを通過さして、しかして食い逃げ解散をなして國民に対しようとするものであります。
 さらに、この本会議において、人事委員会におきまして、あるいは大藏省において、新賃金ベースは現在の状態のもとにおいては不可能なる事実を示しておる。かつて芦田内閣に対して、お茶を濁すというような言葉を使つたのであるけれども、さすがに民主自由党はお茶も濁さなかつただけに、今日追加予算の編成さえできがたい状態に陷つておるではないか。(拍手)災害四百億に余るところの災害民の窮状を、民主自由党の諸君、いな吉田内閣の閣僚は、その耳に聞くだけの余裕も持たないのである。災害の予算も組むことができず、建設公債をもつてするとか、いろいろなことを口には出しておけるけれども、何一つ実行できがたいことのみが山積いたしておるではないか。(拍手)(「解散をしてやるのだ」と呼ぶ者あり)解散をすると言うけれども、解散をすることは、食い逃げ解散以外の何ものをも考えておらないのではないか。さらに、外資導入であるとか、いろいろなことを口には出しておるけれども、民主自由党のようなものに、だれが一文の外資でも入つて來ると思う者があるか。(拍手)
 今、電産であるとか、石炭であるとか、あるいは金属工業の各方面においては、労働爭議が炎々として燃えつつある。しかして、この労働爭議を解決するに、ただ不逞のやからが煽動するというようなことを申して、それで解決のできる吉田総理の考え方は、われわれとして徹底的に究明しなければならないと同時に、この壇上において明らかにせなければならない問題であると思う。さらに、国際的感覚のゆたかであり、しかも國際的情勢に明るいはずであるところの吉田総理が、世界の政治の潮流に逆行して、しかして十九世紀に終りを告げたところの資本主義、死んだ子供をまたひつぱり出して、その屍臭紛々たる状態を國民にまき散らすというに至つては、われわれは断固これに反対しなければならぬのである。この考え方を、吉田総理はこの壇上において明示する必要があると思う。
 政治は人類進化の原理にのつとらなければならないと思うけれども、吉田総理の政治の考え方、政治的感覚、しかしてその施策の全般は、ことごとく進化の原理に反して退化の一途をたどりつつあるのである。(拍手)われわれは、こうしたいろいろな吉田内閣の性格とその政策をこの議場に宣明し、吉田総理のお國自慢である、ふんどし一本四つに組んで、正々堂々とこの壇上に野党と相撲を取るということこそ、これこそが吉田総理としてなさなければならぬ問題であると思う。口を開けば憲政の常道を唱えておるところの吉田総理、口を開けば民主政治を唱えておるところの吉田総理、その総理は、前國会においては、出席わずか三日に過ぎなかつたのではないか。かくのごとき言行不一致の総理‥‥。
#14
○議長(松岡駒吉君) 時間を急いでください。
#15
○圖司安正君(続) しかも、この壇上において施政方針だに述べられないというに至つては、日本のために、いな世界のために、悪きレコードを二つつくることになるのであるから、こうした悪例をつくらしめないためにも、吉田総理は進んで世界の前に、世界環視のこの國会に施政の大綱を述べるということは、やらなければならない義務であると私は思うのであります。この意味において本決議案に賛成いたすものであります。(拍手)
#16
○議長(松岡駒吉君) 石田一松君。
  〔石田一松君登壇〕
#17
○石田一松君 私は、ただいま提案されました、首相の施政方針演説をただちに本会議場において行うべしという決議案に、國民協同党を代表いたしまして賛成の討論をなすとともに、いささか意見を申し述べてみたいと思うものであります。
 吉田内閣が成立いたしまして、第三國会が開会以來、吉田総理大臣の言動は、ことごとく國会を軽視し、あるいはまた議員を刺激する言動に終始しているのであります。このことは、新しき憲法下における議会政治の発達の上に、まことに私は遺憾なることであると思います。すなわち、野党各派の緊急質問に対して一括答弁を行おうとするなど、あるいはまた國家公務員法の一部を改正する法律案の審議の期間に期限を付そうとしたことなど、野党各派の正しい議論の前には、これを強引に押し通すこともできず、いずれも前言を翻して、ついにわが野党の言う通りの行動に吉田総理は從わなければならなかつたのであります。
 第三國会の会期を延長するに際しましても、吉田内閣は、この延長を十日間に要望し來り、しかも臨時会、特別会の会期の決定は、國会法第十一條によりまして、これは國会の権限であります。この國会の独自の権限を暗々裡に制約せんといたしまして、この手段として吉田内閣は、國会法第二條による常会の召集がたまたま十二月上旬に規定されていることを奇貨といたしまして、第三國会の会期延長が両院によつて議決される前に、吉田内閣は、通常國会の召集を十二月一日とすることを閣議によつて決定したのであります。しかも、第三國会の再開前の七、八日時分にこの手続きをとりまして、いわゆる天皇の國事に関する行為であるところの通常会召集の手続をとつたのであります。要するにこの行為は、両院が特別会、臨時会の会期を決定する権能に制限を加えるために、最悪の場合十一月の末日以降はこの第三國会を延長することのできない手段を策謀したのであります。(拍手)しかも、このことによつて、天皇の國事に関する詔書の出されることによつて國会の意思を蹂躪しようとした吉田内閣の考えは、いわゆる天皇の詔書ということによつてこの國会の独自の権限を制約しようとした、恐るべき封建的なる考え方であるといわなければなりません。(拍手)
 しかも、傳えるところによりますと、吉田内閣は、第三國会がすでに一週間以上を経過いたしましても、いまだに施政方針をやらない、しかも吉田内閣は早期解散説を唱えているということを聞いておりますが、この点に関しましての本年十月号の「実業之日本」という雑誌の紙上に、前内務大臣大村清一君は、國会を解散する権能は内閣には絶対にないという、強い論文を雑誌に掲げているのであります。(拍手)
 今ただちに衆議院を解散することによつて起る最も重要な問題は、衆議院における不当財産取引調査特別委員会の権能が中断されるということであります。すなわち、この不当財産委員会において現に調査しつつあるところの昭和電工疑獄事件並びに石炭國管案に対する反対運動のためにされた疑獄事件、これらの一連の疑獄事件の特別委員会の調査は、この解散によつて中断されることになるのであります。(拍手)すなわち福岡の地方檢察廳が、石炭國管案に対してある業者を收容し、相当中央にまでこれが波及しようというとき、この國会を解散する。すなわち、この早期の解散を唱えていらつしやる方々は、かかる事件に対して――もちろん吉田内閣では、そんなことははございますまいが、相当危險を感じておる方が、まず早期解散を唱えるのだと言われても、一言の弁解の辞もありません。
 われわれ國民協同党は、吉田内閣成立当初から、賃金ベースの決定を裏づけるところの國家公務員法の改正、災害対策に関する予算的措置並びにただいま申し上げました政界、財界、官界の徹底的粛正をすみやかになしたる後、ただちに議会を解散すべしという党議は、すでに吉田内閣成立当時から決定をしております。これにつきましても、吉田総理がいかなる方針をもつてこの政権を担当しようとなさるか、われわれ國民協同党は、吉田総理の施政方針を聞かざる以上、この内閣に対しての批判も檢討も行えないのであります。
#18
○議長(松岡駒吉君) 結論を急いでください。
#19
○石田一松君(続) ただいま民主自由党の本間君の反対討論の中に、野党が施政方針の演説にひつかけて審議を遅らしておるかのごとき言辞がございましたけれども、これは國会法規の條文を御存じない方の議論でありまして、衆議院規則の第四十一條但書、あるいはまたあらゆる條文から察しまして、委員会と本会議とは並行することができるのであります。首相の施政方針演説を行いましても、國家公務員法の審議には何ら支障のないということは、國会法規があざやかに規定しておるのであります。
#20
○議長(松岡駒吉君) 石田君、結論を急いでください。
#21
○石田一松君(続) 私は、かかる観点に基きまして、すみやかに吉田総理が、ほんとうに施政方針演説がやれないならやれない、やれないというのは、今まで野党のときに公約した事々が全部実行不能であるからやれませんとか、はつきりこの際ここで言明をなさるべきだと思う。特に施政方針演説をなされんことを要望いたしまして、本決議案に対する賛成の討論にかえる次第であります。(拍手)
#22
○議長(松岡駒吉君) 討論発言者の言辞の中に不穏当な点がありますれば、速記録を調べた上、適当に処理いたします。松谷天光光君。
  〔松谷天光光君登壇〕
#23
○松谷天光光君 労働者農民党を代表いたしまして、ただいま上程されました内閣総理大臣の施政方針の演説に関する決議案に対しまして賛成の意を表するものであります。
 本日ここに院議をもつて要請しなければ施政方針を明らかにしないというような、まことにやつかい千万な総理大臣が出て來たということは、まさに國民の政治的悲劇であります。吉田総理は、施政方針演説をやらないのではない、時機を待つてやると言つておるのでありますが、それは、ひとりよがりのわがままというものであつて、今日の民主主義時代には通用するものではありません。
 そもそも新政権が樹立せられて、政府の首班が國会の劈頭にあたつて施政方針を明らかにしないというようなことは、洋の東西を問わず、世界の議会史上まれに見るところであります。(拍手)かつてフアツシヨ反動の本山といわれたナチス政権でさえも、かかることをあえてしたということを聞かないのであります。
 元來、施政方針演説は議会の劈頭になされるべきものでありまして、議会は、その方針の全貌を把握いたしまして、これを批判検討しながら個々の法案の審議に入るべきであります。與党は、芦田内閣が頓死して急に政権を握つたので、施政方針が整つていないと言つておるようでありますが、しからば、施政方針を整理するまで國会は休会すべきでありまして、政策や方針を持たない無責任な政府によつて、その日その日のでき心で場当りなことをやられたのでは、迷惑するのは國民であつて、危険千万であります。今回の非立憲的、非民主的、保守反動的な吉田総理の態度は、國会を冒涜し、国民を侮辱するものであります。
 わが党は、変態的畸形内閣である吉田内閣に対して、一片の政策を実施することをも期待するものではないのでありますが、吉田総理が、なおかつ強引に院議を無視するならば、今日の提案者は再び立つて吉田内閣不信任案を提出するであろうということを信じ、かつ國会の権威を維持するために、本決議案に賛成する次第であります。(拍手)
#24
○議長(松岡駒吉君) 榊原亨君。
  〔榊原亨君登壇〕
#25
○榊原亨君 私は、新自由党準備会を代表いたしまして、本案に賛成するものであります。
 元來私どもは、内閣総辞職の場合、必ず在野第一党が首班を握るべしという吉田総理の憲政常道論とは、その意見を異にしておるものであります。すなわち、首班の指名を受けんとする者は、首班選挙に先だち、まず大体組閣後の施政方針を議員の前に明らかにすべきものであり、これに基き、各議員がその当時の現実の國情を勘案して、正しい判断のもとに首班選挙を行うべきものと信ずるのであります。しかるに、先般の首班選挙におきましては、吉田総理は在野第一党の総裁が当然首班の指名を受けるべきものとし、組閣の方針をも、施政の大綱をも示さないで、是が非でも自分を選挙せよというような、きわめて封建的な態度を示されたのであります。
 私は、今ここで憲法解釈上の相違を論議をするものではないのでありますが、少くとも一方において、組閣の前に施政の方針を明確にすべしという見解がある以上、今日の政情から見ましても、はたまた政治の円満運営上よりいたしましても、ただちに施政方針を明確にすべきは首班の当然の義務であると考える次第であります。
 施政演説はやるにはやる、そのうちにやるというのでありましては、是が非でも試験に及第させろ、試験の答案はそのうち出すというのと同じでありまして、そのりくつに合わないことは、小学校一年生といえどもよく了解し得るところと信ずるのであります。(拍手)
 民主自由党は、在野一年有半、すでに諸般の政務につきましては的確なる御調査を終えられ、施政の実際につきましても確固たる方針をもつて組閣せられたことと信じているのでありますが、それにもかかわらず、この際施政方針を明示できないと言わるることは、おそらくそれは、予期せざる、政府のいわゆる諸般の事情が出て來たことと存ずるのでありますから、政府はこの際、その理由を率直に開陳すべきものであると思うのであります。今その理由を明らかにせずして、そのうちに演説をやるの一点ばりを主張せられるならば、一つには、政府は確固たる方針なくして組閣せられたものであり、二つには、内閣はとつたものの、在野当時の公約を実現できず、やむを得ず議会を解散に導き、解散直前に、一方的、独善的の施政方針演説を行い、野党の質問を封ぜんとする党略的の企図であると断ぜられても、いたしかたないと信ずる次第であります。(拍手)
 私どもは、吉田総理を選挙したものでありますが、かように施政の方針のきまつておらなかつた首相を選挙したということになると、單に私どもの責任上よりいたしましても、全國民に対して、まことに申訳ない次第と存ずるのであります。
 わが党といたしましても、現内閣に対しては、民主自由党多年の公約である取引高税の廃止、料理飲食店の再開、主食供出後の自由販賣、輸入物資以外のマル公の撤廃並びに自由経済の確立等を実行されるならば、積極的に現内閣を支持することを、組閣直後に申したのでありまするが、吉田内閣の性格が明瞭でない以上、わが党の態度につきましても、やむを得ず野党的立場をとらざるを得ないことを、はなはだ遺憾とするものであります。
 先刻來しばしばお話がありましたように、國家公務員法の及ぼす範囲はきわめて廣汎であります。給與の問題、予算問題、さらに施政の全般に通ずる大体の施政方針を明らかにしない限り、單独に国家公務員法のみを審議するのは、群盲象を探るの類でありまして、吉田内閣の要求は、あたかも砂上に樓閣を築くにもひとしいものであると断ぜざるを得ないのであります。吉田内閣が砂上の樓閣として倒壊することは御自由でありまするが、少くともわれら國民は、その下敷となることだけは、ぜひともごめんこうむりたいと存ずるのであります。
 以上、わが党といたしましても、ただちに吉田総理の施政方針演説をされんことを要望し、本案に賛成する次第であります。(拍手)
#26
○議長(松岡駒吉君) 徳田球一君。
  〔徳田球一君登壇〕
#27
○徳田球一君 共産党を代表しまして、この決議案に賛成するものであります。理由はきわめて簡單である。
 大体吉田内閣は、劈頭に解散すべきものである。劈頭解散しないというのは、吉田内閣がのたれ死にする原因をつくつておる。それくらいなら、最初から引受けねばいい。やるくらいならば、劈頭解散すべきである。少数党でありますから、少数党である以上、吉田内閣の政策が通らないことは、あたりまえである。そんなことは、わかり切つておる。それなのに、こういうふうにひつかかつて來たのは、実に愚劣千万ものである。(拍手)でありますから、冒頭解散をする勇氣があるならば、最初から施政方針演説を堂々と述べて、批判を仰いだ結果、われわれが不賛成である場合は、ただちに解散すべきである。
 公務員法の早期通過ということを期しておられると言いますけれども、そんなことは、いつだつていいぢやないか。(拍手)現に公務員法が通過しようがすまいが、力関係上、公務員法が通過したのも何したのも、大体同じ状態である。そういうことは、少々がまんしたつてかまわない。だからして、早くどんどん自分の力でやれるかどうか、ためしてみればいい。同時に、早期解散とか、冒頭解散とか、その名前はどうでもいいが、ぜひとも解散しなければならないのは、全労働者階級が解散に対して要求しておる。全農民も要求しておる。中小商工業者といえども、とても解散しなくては政治は納まらないことを、よく知つておるからである。(拍手)この彈圧に対してこの現状の政策の遂行を継続することに対して、すベてが反対しておるのである。むろん民自党に対しましても、必ずしも賛成してない。ことに労働者諸君が、全体としてこれに反対しておることは明らかである。從つて、やれるならばやつてみるがよろしい。そういう点で、吉田総理が劈頭施政方針演説をやらなかつたことは、政治家として、きわめて大きな汚点を印したといわざるを得ない。
 さらに吉田首相は、いつか都合のいいときにやると言つておるが、これはいかん。自分の都合でやるべき性質のものでない。これは劈頭やらなければならない、ちやんとした約束がある。この約束を履行しないということは、吉田首相が実際上政治を運用することに対して、政治家的風貌をみずから抹殺したものといわざるを得ない。政治家は態度を堂々とやるべきだ。共産党は、常に正々堂々と、いかなる反対があろうが何があろうが、損をしようが得をしようが、そのときどきの変化には全然かまわない。堂々とやるところに共産党の偉大なる威力があるのである。
 さらに公務員法の問題につきましても、何としても施政方針演説をして、全体の政策がちやんとわかつてからでなければ、公務員法を論議するといつても、できやしない。現に公務員法の人事委員会におきましては、この施政方針演説でせらるべきものに対して、どんどん、質問が出て、事実上人事委員会では、施政方針を発表せざるを得ないように追い込まれつつある。そういうふうなことでは、かえつて公務員法の通過は遅れる。おそらくこれは、会期中にはとうていできまい。どんどんこれは追い込まれるであろう。(「遷延さすのではないか」と呼ぶ者あり)遷延さすのではない。遷延しなければならないようなことを、みずからつくつたのである。
 もうたくさん言わなくともよろしい。簡單でよろしい。そういう意味におきまして、ただちに施政方針演説をやつて、悪ければ、これに対してわれわれは不信任案を堂々と出すから、ただちに諸君はこの不信任案に対して賛成していただきたい。これは民自党も賛成であろう。ほかの諸君も、今聞いてみると、吉田内閣に対しては反対であるから、これは義理にも賛成せざるを得ないであろう。わが党の提出するこの不信任案が全会一致賛成せられ、たちまち解散せられることを希望する次第であります。かかる意味におきまして、私はこの施政方針演説をただちになすべしということに大々的に賛成する次第である。(拍手)
#28
○議長(松岡駒吉君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#29
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。
 この際内閣総理大臣より発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣吉田茂君。
  〔國務大臣吉田茂君登壇〕
#30
○國務大臣(吉田茂君) この決議案の御趣意は、とくと了承いたしました。吉田内閣の性格及びこの國会に対する、このたびの会期に対する現内閣の方針の一端を申し述べます。
 現内閣は、疑獄事件によつて辞職せる芦田内閣の後をうけて出現いたしました内閣であります。(拍手)首班指名の当時、私を支持せられたものは百八十有余であつて、二百有余の白票を投ぜられた現衆議院において首班の指名を受けたる少数党内閣であります。この少数内閣は、まず信を国民に問うがために冒頭解散することが政治の常識であり、またわが國朝野の輿論となつておるのであります。
 しかしながら、去る七月マ元帥書簡によつて勧告せられたる國家公務員法及びその関係法規の制定は、わが政府の義務でありまして、また國家経済再建復興のため欠くべからざる法制として、公務員法制定のために第三國会は召集せられた臨時國会であります。ゆえに、この通過をまつて現衆議院を‥‥。
  〔発言する者多し〕
#31
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#32
○國務大臣(吉田茂君)(続) 解散し、あらためて信を國民に問うことが当然であるのであります。(拍手)また民主政治の精神に沿うゆえんであると信ずるのであります。從つて、前内閣以來公約せられている公務員法及びその関係法規以外には、特に緊急やむを得ざる議案を除き、國会に提案すべきものでないと信ずるのであります。しかして、芦田内閣当時すでに立案せられ、現内閣において、ほとんどそのまま提案せられたる公務員法及びその関係諸法案は、当然当時の政府與党諸君におかれて、すでにご了承のことと信ずるのであります。(拍手)
 私は、本件に関する諸君の審議を切り詰めてくれというような意図は毛頭ないのであります。もし、いたずらにその審議を遅延し、これが必然の結果といたしまして、國政の運用を澁滯せしめ、世界列國にも、またわが國祖國再建の熱意について疑いをさしはさましむるがごときことがありましたならば、國家再建を急務とする今日、まことに遺憾であります。(拍手)これらの事情を了察せられて、時局救済のために政府に十分協力せられんことを切望してやまないのであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#33
○今村忠助君 残余の日程を延期し、明十六日‥‥(発言する者多く、議場騒然、聽取不能)本日はこれにて散会せられんことを望みます。
#34
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議あり」「異議なし」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
#35
○議長(松岡駒吉君) 散会の動議について異議の有無を聞きましたが、異議があるそうでありますから、起立によつて採決いたします。
 ただいまの今村君の動議に賛成の方の御起立を願います。
  〔議場騒然〕
#36
○議長(松岡駒吉君) 散会の動議を起立によつて採決いたします。賛成の方は起立願います。
  〔賛成者起立〕
#37
○議長(松岡駒吉君) 起立少数。よつて散会の動議は否決されました。
  〔発言する者多し〕
     ――――◇―――――
#38
○淺沼稻次郎君 議事進行について発言を求めます。
#39
○議長(松岡駒吉君) ただいま淺沼稻次郎君より議事進行に関する発言を求められています。これを許します。
  〔淺沼稻次郎君登壇〕
#40
○淺沼稻次郎君 ただいま総理大臣の演説を伺つたのでありまするが、総理大臣の演説は、細川君の総理大臣の施政方針演説要求に関する演説の後になされたものでありまして、この要求に関する政府の意思表示であるといつても当然だと思うのであります。しかるに、この意思表示を伺うと、全然院議を無視いたしまして、政府の一方的見解のみを述べて、院議に從うという意思の何らの表明もございません。私は、この総理大臣の院議無視の言動に対しましては、はなはだ遺憾至極に存ずる次第であります。(拍手)少くとも私どもは、今までの衆議院において、院議ひとたび下れば、その院議に從うのが、その院の構成者あるいは政府のとるべき態度でなければならぬと思考するのであります。從いまして私は、総理大臣の眞意をさらに伺うために、ただちに総理大臣にこの議場に出ていただきたいということを、議長を通じて総理大臣に要求するものであります。(拍手)從つて、さらに私どもは総理大臣の考えを伺つた上にわれわれの態度を決定したいと考える次第であります。
#41
○議長(松岡駒吉君) ただいまの議事進行の御発言に対しましては、議長においてしかるべくとりはからうことにいたします。
    ―――――――――――――
#42
○今村忠助君 残余の日程を延期し、明十六日は……。(発言する者多く、議場騒然、聽取不能)散会せられんことを望みます。
#43
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議あり」「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり〕
#44
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後七時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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