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1948/11/20 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 本会議 第17号
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1948/11/20 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 本会議 第17号

#1
第003回国会 本会議 第17号
昭和二十三年十一月二十日(土曜日)
 議事日程 第十六号
    午後一時開議
 第一 馬匹去勢法を廃止する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 馬匹去勢法を廃止する法律案(内閣提出)
 吉田内閣の施政一般に関する緊急質問(岡田春夫君提出)
 吉田内閣の施政一般に関する緊急質問(榊原亨君提出)
 吉田内閣の施政一般に関する緊急質問(高倉定助君提出)
 議事進行に関する発言(赤松勇君)
 吉田内閣の施政一般に関する緊急質問(徳田球一君提出)
 証券民主化運動に関する決議案(大上司君外二十四名提出)
    午後二時五十八分開議
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 第一 馬匹去勢法を廃止する法律案(内閣提出)
#3
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、馬匹去勢法を廃止する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長坂本實君。
    ―――――――――――――
  〔坂本實君登壇〕
#4
○坂本實君 ただいま議題と相なりました、内閣提出、農林委員会付託にかかります馬匹去勢法を廃止する法律案に関しまして、審議の経過並びに結果の概要を御報告いたします。
 馬匹去勢法は、明治三十四年、主として軍馬去勢の要請より制定せられ、爾來、牡馬は原則として府縣單位の官行去勢を行つて來たのであります。しかるに、馬匹去勢の現状をみまするに、一般農民の自覚が高まりますとともに、官行去勢は漸減し、むしろ自主的去勢が次第に増加する趨勢にあり、また去勢に從事する一般開業獣医師の数も相当の数に上つておるのであります。また、去勢期たる三、四月ごろは農繁期に当りまして、この時期に強制的官行去勢を行うことは不適当なる事情もあり、また第二國会を通過いたしました種畜法の精神と多少矛盾する点もございますので、この際思い切つて、馬匹去勢法はこれを廃止し、今後はもつぱら農民の自主的措置にゆだねようというのが、本廃止法律案提出の主要なる理由でございます。
 本法律案は、十一月十日、農林委員会付託となり、十六日、政府より提案理由の説明を聞き、十九日、簡單なる事項につきまして質疑應答を行いましたが、本法律案の趣旨は至つて明瞭であり、現行法を廃止するも優良種畜を確保する上にいささかの心配もないのみならず、むしろ農民の自主的活動を尊重するという建前よりいたしまして妥当な措置と認められまするので、討論を省略して、ただちに表決に付しましたるところ、全員一致をもつて原案の通り可決すべきものと議決いたした次第でございます。
 簡單ではございますが、以上をもつて御報告を終ります。
#5
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 吉田内閣の施政一般に関する緊急質問(岡田春夫君提出)
#7
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、岡田春夫君、榊原亨君、高倉定助君及び徳田球一君提出、吉田内閣の施政一般に関する緊急質問を逐次許可されんことを望みます。
#8
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 吉田内閣の施政一般に関する緊急質問を許可いたします。岡田春夫君。
  〔岡田春夫君登壇〕
#10
○岡田春夫君 私は、労働者農民党を代表いたしまして、政府の施政方針に対する演説を、いまだに遺憾ながら承ることのできないことに対しまして、まず冒頭に、きわめて遺憾であることを表明いたしたいと思います。
 まず私の伺いたいことについて、大綱に分けて、次の四点を御質問いたしたいと思います。第一の点は、國家公務員法と吉田内閣の態度について、第二の点は、官公吏の給與とその財源の問題について、第三の点は、重要基礎産業のストライキに対する政府の態度について、最後の問題といたしましては農地改革の基本方針、この四点について、政府の所信を承りたいと思う次第であります。
 まず第一に、今次の國会におきまする吉田内閣の態度について承りたいと思います。去る十五日の衆議院本会議におきまして、吉田総理は、われわれから提出をいたしまして、院議をもつて決せられましたところの、施政演説要求に関する決議案に対しまして、特に発言を求めまして、今度の第三國会は國家公務員法の制定のために開かれたところの國会であるということ、それと同時に、國家公務員法は現在の國家経済再建復興のために不可欠なる法制であるからして、ぜひとも緊急に御審議を願いたいとの一つの要点についての御発言があつたのでございます。われわれといたしましても、今度の國家公務員法が、その前提となつておりまする第二百一号政令とともに、日本の新憲法の精神に違反する疑義のある点から見ましても、あるいはまた、国家公務員法と不可分なる関係にある官公吏の給與の問題が、財源の問題を通しまして、日本経済の基本的なる動向を決すべき点から見ましても、今度提出されておりまする國家公務員法の重要性というものは、きわめて重大であるということは、いまさら言うまでもございませんが、しからば政府は、先ほど私が申し上げた通りに、吉田総理大臣が、國家公務員法は国家経済の復興再建のために不可欠なる法制であると言われた点から見まして、なぜ現在における國家経済の再建復興の基本方針を施政演説において明らかにせられぬのであるか、この点について、まず第一にお伺いいたしたいと思います。
 この施政方針において、日本経済の復興再建についての基本方針を明らかにせられない限りにおいては、これと不可分なる法制と言われるところの國家公務員法の審議も、いたずらに國会の審議において、無方針なるままで、これを終始しなければならないという結果になつてしまう。吉田総理は、不可分なる法制であると言われておりますにもかかわらず、はたしてこれが不可分のものであるかどうかという判断を下すためにも、まず冒頭において施政方針の演説を行われなければならないと、われわれは考えるのであります。(拍手)
 しかも、これに対して吉田総理は、施政方針を行わない理由の一つといたしまして、この法案の作成は、芦田内閣当時にすでに立案されたものであり、現内閣は、ほとんどそのまま、それをうのみにして提案したものであるからして、当時の與党の諸君は十分御存じのはずであるから、その具体的な内容については、あらためて施政方針演説を打つてこれを皆さんに申し上げる必要はないであろうというがごときことの御答弁があつたのでありますが、私は、今度の国家公務員法の提出にあたりまして、前の芦田内閣が国家公務員法に対しましてとつた態度と、吉田内閣が現在とつておりまする態度については、根本的に相異なつたところの態度があるということを、まず第一に指摘しなければなりません。
 それは何かと申し上げますと、私がただいま冒頭に申し上げました通りに、十五日の吉田総理の発言の中において、國家公務員法及びその関係の法規の制定は、去る七月のマツカーサー書簡によつて勧告せられたものであるということを、お話しになつておられますが、芦田内閣がマツカーサー書簡に対してとりました態度は、七月二十九日の閣議によつて明らかな通りに、マツカーサー書簡を勧告とは解釈せずに、あらゆる法律に優先する命令であると解釈をいたしております。
 勧告と命令との違いというものは、これは單なる言葉の問題ではない。命令と勧告との相違が、過去数箇月間にわたりまして、國内のあらゆる問題の論議の焦点になり、また四箇國理事会におけるシーボルト議長の発言においても明らかな通り、國際問題としても、この二つの言葉の相違というものは、きわめて重大な問題になつておるのでございます。しかも、この芦田内閣が命令と解釈をしたことによつて、われわれから見まするならば、すでに完全に死滅し、無効になつておると考えておりまする勅令第五百四十二号、すなわちポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件という勅令によりまして、この命令という考え方の上に立つて、マツカーサー書簡を、第二百一号の政令をもつて、これを実際上に実施いたしておるのでございます。
 芦田内閣のとりました態度は、五百四十二号が無効であるにもかかわらず、あえて、この無効の法規、二百一号の政令というものを勤労階級の彈圧のために適用した。しかしながら、吉田内閣は、マツカーサー書簡を命令とは解釈しないで、これを勧告と解釈するならば、たとい百歩讓つて有効であつたといたしましても、この五百四十二号の適用を受け得ないのであります。そうなつて参りますと、当然この第二百一号の政令というものは、現在において完全に無効となつておると、われわれは考えざるを得ないのであります。
 この間、人事委員会の御答弁において、吉田総理は、勧告ではあるが、單なる勧告ではなくして、要求を含んだ勧告である旨の御答弁があつたと、われわれは聞いておるのでありますが、しからば、要求を含んだ勧告とは一体何であるか。私たちの解釈をもつてすれば、これは勧告には間違いないと思う。要求を含んだ勧告という言葉の限りにおいても、あくまでもこれが勧告でありまする限りにおいて、当然第二百一号の政令というものは無効になつていると、われわれは解釈をいたしておりまするが、これについて総理大臣の御意見を伺いたいと思います。第一の質問は、この点でございます。
 第二の点は、官公吏の給與と財源の問題について承りたいと思います。全官公労働者の諸君は、本年四月以降、五千二百円の賃金ベースの支給を要求して参りましたが、当時の芦田内閣は、きわめて不誠意にも、これを引延ばしまして、六月に至りまして、ようやく三千七百円の賃金ベースを暫定的に決定をいたしました。その後において、醜悪なる疑獄事件によつて芦田内閣は崩壞いたしましたが、吉田内閣ができまする今日に至るまで、いまだに官公吏の給與は三千七百円という賃金ベースのままで、くぎずけをされている。全国三百万の労働者諸君は、きわめて窮乏の状態に陷つており、現に昨日の本会議におきまして、院議によつて、二十五日に支給すべき官公吏の給與を五日間繰上げて本日支給せよということを決議として決定をいたしましたほど、これほど官公吏諸君の生活は、きわめて窮乏の状態に陷つておるのであります。これに対しまして吉田内閣は、芦田前内閣にも劣らぬ――給與問題に関しては、まさるとも劣らぬ無能力を明らかにいたしております。
 まず第一に、先般臨時人事委員会において六千三百七円の賃金ベースが発表されたのに対しても、いまだに給與の水準というものが決定されておらない。そればかりではない。六千三百七円の賃金ベースに対して、先日のこの本会議の議場において、泉山大藏大臣は、財政の面においては、この六千三百七円ベースというものは、とうていこれは妥当とは考えられないというようなことを、御答弁になつておる。そうかと思うと、人事委員会において、吉田総理大臣は、臨時人事委員会の決定した六千三百七円は大体において妥当であるというがごとき御答弁を行つている。このように、一つの内閣においてさえ、泉山大藏大臣と吉田総理大臣が、賃金の水準に関する態度すら、いまだにきまつておらないというような、きわめて不統一な状態でございます。
 このような状態に対して、この六千三百七円ベースは、戰前の物價にこれを換算いたしますと、大体において十四円二銭にしかならない状態である。戰爭以前において、いかに物價が安かつたとはいえ、十四円で生活ができるとは考えられない。しかも、このように安い六千三百七円のベースに対して、財政面においてこれを賄うことができないからといつて、これ以下に賃金ベースの査定をしようというような考えを吉田内閣がもつておられるということは、明らかに吉田内閣が追加予算に対する編成の能力がないということを暴露しておる。
 この点から見ましても、全官公廳労協のわれわれといたしましては、七千三百円の手取り支給の問題に対しまして絶対に支持の方針をとつておりますが、最近に至りまして、政府は、予算編成に完全に自信を失いまして、昨日朝日新聞においては、佐藤官房長官が、今会期中においては新給與水準の決定をすることは困難であるということまで発表するに至つておるのでございます。その後の模樣を各般の情勢から聞いてみますると、大体において新給與水準を基礎にする追加予算というものは、編成にきわめて困難を予想されまして、今のところ、とりあえず越年資金として暫定の予算だけでこれを処理するというような方針がきめられたということを聞いておりますが、新給與の水準がいまだにきまらないということや、あるいは暫定給與で今議会を切拔けて行くというような窮余の一策の方法というものは、まず第一に、去る十六日に、この本会議におきまして、政府職員の新給與に関する決議案というもの、この院議を吉田内閣自体が無視したことになるばかりではなく、單に暫定給與でこれを切拔けるというような考え方は、マツカーサー書簡の中に明らかに書いておりまするように、常に政府職員の福祉及び利益のために十分なる保護手段を講じなければならないとする政府の義務を怠つている、官公吏諸君の最低の生活を保障するという政府の義務を怠つているということを言わなければならない。
 そこで、私たちのお伺いしたいことは、まず第一に、官房長官の言明のごとく、今期國会中に新賃金ベースの決定を行わないつもりであるかどうか、暫定給與でその場のがれをなさるつもりであるかどうかということを、大藏大臣にお伺いをいたします。それと同時に、もし暫定給與の問題として、これを一時的な便法として、その場のがれで行かれた場合には、当然これによつてある種の障害と不測の事態というものが起らないとは言い切れないのでありますが、この暫定給與によつて不測の事態が生じました場合においては、これは明らかに全官公労の側に責任があるのではなくて、マツカーサー書簡の中にうたわれておりまする義務を履行しない吉田内閣の責任であるということを、われわれは言わなければならない。(拍手)この点について、大藏大臣の責任ある御答弁を伺いたいと思います。
 その次に、かように予算の編成がきわめて困難になつておりまする原因といたしまして、財源の捕捉にきわめて困難を感じているという点が、本日の新聞においても発表されております。民自党が今まで野党時代において一枚看板として発表されて参りました取引高税の廃止と、それから官業料金の値上げ反対、この二つの看板を、今日の新聞を見ますると、さつそく取下げられまして、取引高税の徹底的な徴税の強化、これによつて大体百億円の財源を見積る、それと同時に、タバコの値上げによりまして四十億円の財源を見出そうということが傳えられております。これは、まず第一に、吉田内閣の財政政策の行き詰まりを表わしているものといわなければならない。
 そこで、本日明敏なる泉山大藏大臣が登場をされております。しかも安本長官を兼務されておられるわけでありますが、もし眞に財源の捕捉をやろうとお考えがあるならば、今お考えになつておられない別な面において大口な財源の豊庫があるということをお考えにならなければならない。それは、大口の脱税を徹底的に徴收することである。この点につきまして、いろいろと申し上げたいのでありますが、簡單な一例だけを申し上げました場合において、國民総所得……。
#11
○議長(松岡駒吉君) 岡田君、時間が参りました。結論を急いでください。
#12
○岡田春夫君(続) 國民総所得の調査において、安本においては、大体國民の所得額は本年度において一兆一千億円であると言つております。ところが、大藏省の調査においては、実際の所得税の課税の対象になりました所得税は、七千三百五十九億にしか見込んでおりません。その差額約四千億円というものは、これは明らかに大口脱税になつておるのであります。この点を、もし徹底的に追求されるだけでも、五百億や六百億の財源はあるはずである。こういう点についても、もつと具体的に私は御質問いたしたいのでありますが、制限の時間になつて参りましたので、簡單に要点だけを申し上げます。要するに、現在の泉山大藏大臣、公約をいたしました取引高税の廃止、あるいは官業料金の値上げ反対、これらの問題を一切合財捨てられまして、相かわらず資本主義財政の大衆課税、大衆收奪の方式をもつて財源の捕捉を試みようとしておるのであるかどうか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
 それから、時間がありませんので、簡單に申し上げます。
#13
○議長(松岡駒吉君) 結論をお急ぎください。
#14
○岡田春夫君(続) 第三は、重要産業のストライキに対する根本の方針だけを伺いたいと思います。芦田内閣の大衆收奪予算と同時に、吉田内閣のこの反動的なる政策によつて現在七千三百円の全官公廳の賃金ベースを初めといたしまして、産業労働の面においても、電産、炭鉱あるいは鉱山、鉄鋼その他多くの産業労働組合が、一万円の賃金ベースを要求いたしました。現在の物價高のために、みずからの生活を擁護するために鬪つております。これに対しまして、吉田内閣は、組閣の最初において、電産の問題は前内閣の方針を踏襲するということだけを……。
#15
○議長(松岡駒吉君) 岡田君、結論をつけてください。
#16
○岡田春夫君(続) ことだけを取上げただけで、そのあと何ら具体的な方針を示しておりません。あるいは炭鉱ストにおいても同樣でありますが、炭鉱ストの問題について、最後に簡単にお伺いをいたしておきます。
 炭鉱ストの問題について先般來商工省がこの間に立ちまして、炭鉱労資の調停に努めているということを聞いておりますけれども、現在炭鉱労働組合が要求をしております額、坑外三百三十八円と、坑内六百七十二円の要求に対しまして、十一月十七日に、この賃金の値上げ要求に対して、相かわらず現在通りの賃金をもつて実施をしたい、今まで通りの月額四千円の賃金で参りたいということを、炭鉱資本家側は回答しております。しかも、その理由として、炭鉱の経営は赤字であるから、これ以上の賃金は上げられないと言つている。しかし、炭鉱の経営が赤字であるという点は、これは明らかにうそであります。この点について詳しく申し上げたいのでありますが、時間がありませんので、簡單な例を申し上げます。
 石炭廳の経理調査によりますと、現在会社側の……。
#17
○議長(松岡駒吉君) 岡田君、結論をつけてください。
#18
○岡田春夫君(続) 会社側の報告によると、原價は、大体五%から二%までは全部インチキである。それによつて、現在炭鉱は、ほとんど大半の炭鉱において黒字になつておる。実例をあげれば、宇部の櫻山炭鉱にしても、千二百三十円のトン当りの黒字になつている。あるいは北海道の赤平、新幌内は、それぞれ、千二百円から千円の黒字であります。このようなときにおいて、炭鉱の経営が赤字であるから、前通りの四千円で、賃金をこれ以上支給できないというような考え方は、これは炭鉱資本家が、労働者を飢餓賃金に追い込めて、労賃の低下によつて炭鉱の増産をさせようとしているのである。この事実を考えました場合において、少くとも炭鉱の資本家が回答している四千円のベースというのは、吉田内閣がきわめて不徹底に全官公廳に五千三百円のベースをきめられようとしているが、全官公廳のこの五千三百円のべースから見ても、まだ千三百円も低い。こういうような低賃金を押し切ろうとしているが、このようなことに対して、吉田内閣は、この低賃金政策について……
#19
○議長(松岡駒吉君) 時間が來ましたから、結論をおつけください。
#20
○岡田春夫君(続) あくまでも資本家側の謀略であると考えるが、いかに考えられるか。それと同時に、この炭鉱災害の問題として、炭鉱保安法というものを提出しなければならないということに、関係方面から勧告があつたと傳えられておるが、この炭鉱保安法を、なぜ吉田内閣はすみやかに提出をされないのか。われわれの考え方としては、労働力の保護の見地に立つて、当然これは労働省から炭鉱保安法を提出しなければならない。これらの問題についても十分なる御回答を得たいのでありまするし、私もまた十分に論議をいたしたいのでございまするが、遺憾ながら、わが党に與えられましたところの時間では、十分に論議をいたすことができません。今後において、あらゆる委員会において十分の質問をいたしたいと思います。(拍手)
  〔國務大臣吉田茂君登壇〕
#21
○國務大臣(吉田茂君) 岡田君にお答えをいたします。施政方針の演説をなぜしないかということについては、去る十五日においても申し、その後しばしば申しておるのでありまするが、この内閣は、しばしば申すようでありまするが、公務員法制定のために召集せられた臨時議会であつて、政府としては、これを法制化することの義務を持つており、また現在の労働状況から申しても、公務員法の制定は一日もすみやかならんことを政府としては希望せざるを得ない事態にあるのであつて、切に諸君のすみやかにこの問題を取上げられることを切望するのであります。重ねて切望するのであります。また施政方針演説は、公務員法が議了せられた後においては、いつにおいてもいたすということは、私がしばしば言明いたした通りであります。
 また、マッカーサー元帥の書簡にある事項は勧告なりやいなや。これもこの前――要求を含んだ勧告である。ゆえに、ポツダム宣言によつて芦田内閣が政令をこしらえられるに至つたのは勧告であり、それは要求を含んだ勧告である。政府としては、これを政令に制定することが政府の義務であるから、ゆえに政令二百一号になつた次第であつて、これは単なる勧告文であると申したことは、私はその後において訂正いたしたのであります。
 また、新給與の問題について一言つけ加えまするが、私が委員会において申したことは、人事院の発表した六千三百余円の新給與については、人事院として相当の理由のあるように聞いておるから、政府といたしては十分に研究をすると申したのであつて、その新給與そのものがいい、道理があると申したのではないのであります。これは新聞の誤報であります。私の申したのは、人事院の言うところも相当の理由のあることだから政府としては考える、のみならず、私一個としては、現在日本の復興のためには、労働大衆が生産に協力するということが必要であるから、でき得べくんばその線に個人としては沿いたいと思う、しかしながら、財源の関係もあるから、ただちにこれに應ずることはできぬかもしれないが、個人としては、なるべく公務員の生活の安定向上をはかることを希望するから、なるべくその線に沿いたいと、個人としては思つておる、こう申したのであります。訂正をいたします。
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#22
○國務大臣(泉山三六君) 岡田議員のお尋ねにお答え申し上げます。私に対する御質問の第一点は、本國会中に新ペースを決定する意思ありやいなや、第二点は、新給與ペース予算の財源はこれを何に求むるや、かようの点であつたのであります。
 まず第一の御質問に対しましては、新ベースは本國会中にこれを決定いたすべく、目下鋭意その準備を進めておる次第でございます。なおこれに関連いたしまして、人事委員会の提案にかかります六千三百七円は、とうていこれはのめない。かようのことを私の話としてお話いたされたのでございましたが、かようなことは、私は本議場で申し上げておらないのでありまして、私の申しましたのは、全官公労の御要求になります七千三百円は高過ぎる、かようのことを申したのでありますから、誤解のないようにお願いいたしたいのであります。
 第二点といたしまして、新給與の予算の財源につきまして、まず大口やみ所得、これを捕捉してはどうか、こういうことでございました。まことにごもつとものお話でございますので、政府といたしましても、全力をあげてその方面に向つて努力を重ねておるのでありますが、何分にも、現時のごとく一日ずつ激動いたします社会情勢のもとにおきましては、所期の成績をあげることは、なかなか容易ならざるものがあることを、御了承願いたいと思うのであります。
 なお本財源につきまして、本内閣におきましては、取引高税はむしろこの財源調達のためにこれを引上げる、あるいはまた官業、鉄道、通信の値上げは、逆にこれを認める、こういうようなことの御指摘がありましたが、いずれもその根拠のないものであることを明言いたしたいと思うのであります。
  〔発言する者多し〕
#23
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#24
○國務大臣(泉山三六君)(続) 取引高税につきましては、たびたび申し上げました通り、これは撤廃の意思でございます。官業の鉄道及び通信料金の値上げのごとき問題は、今日これを考慮いたしたことはないのであります。
 以上、簡單にお答え申し上げます。(拍手)
#25
○議長(松岡駒吉君) 商工大臣は要務のため出席いたしかねるとのことでありますから、適当な機会に答弁を願うことといたします。
  〔國務大臣増田甲子七君登壇〕
#26
○國務大臣(増田甲子七君) 岡田議員の御質問のうち、私に関する部分についてお答え申し上げます。
 石炭のマル公は、現在のところはペイしておるというお話でございますが、必ずしも採算がとれていない山も相当あるのでございまして、融資がなかつたならば操業が継続できないという山も多々あることは、石炭に御造詣の深い岡田議員も同感されると私は思う次第であります。そこで、十七日に一つの提案が鉱業連盟からなされまして、これを基礎として、今せつかく私と商工大臣とであつせんをいたしまして、折衝、商議を継続しております。どうぞ御了承願いたいと存じます。
 それから鉱山保安法につきましては、趣旨はよくわかりましたが、目下せつかく商工省との間で研究中でございます。この点で、どうぞ御了承願いたいと存じます。
#27
○議長(松岡駒吉君) 岡田君、自席で発言を許します。
#28
○岡田春夫君 先ほどの大蔵大臣の答弁中に答弁漏れがございました。大藏大臣あるいはお忘れになつたのかと思いますので、簡單に申し上げますが、新給與水準を今期國会中に実現し得なかつた場合、万一それによつて不測の事態が起つた場合には、当然それは全官公廰の責任ではなくて吉田内閣の責任であるということをはつきり私は申し上げます。これはマッカーサー書簡にある義務の不履行から生じたものであるということにおいて、大藏大臣を初めといたしまして、吉田内閣はその責任をいかに考えるかということについて、御答弁漏れがあるのであります。その点を伺いたいと思います。
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#29
○國務大臣(泉山三六君) ただいまの再質問に対しましてお答え申し上げます。ただいまの御議論に対しましては、答弁の限りではございません。
     ――――◇―――――
 吉田内閣の施政一般に関する緊急質問(榊原亨君提出)
#30
○議長(松岡駒吉君) 榊原亨君。
  〔榊原亨君登壇〕
#31
○榊原亨君 私は、新自由党準備会を代表いたしまして、政府の施政に関し、すでに各党より行われたものを除き、きわめて簡潔に質疑をいたしたいと存ずるものでございます。
 現内閣は、在野一年有半、その間すでに諸般の政務につき的確なる御調査を終えられ、施政の実際についても確固たる方針を定められた民主自由党の單独内閣でありますから、いまさらあらためて政府の施政方針を御質問するまでもなく少くとも組閣後、ただちに政府より進んで國会にこれを率直に開陳さるべきものと信ずるのであります。政府並びにその與党たる民主自由党は、過般の首班選挙において白票投票が行われたことを、きわめて重要視しておられるようでありますが、その可否の論議は別といたしまして、わが党といたしましては、現実政治の立場から、そのほとんど大部分において吉田総理に投票し、なお組閣後も、ただちに内閣に対して、民自党本來の公約たる取引高税の廃止、料理飲食店の再開等、自由経済の確立を実行さるるならば、積極的に政府を支持する旨を申し入れたのであります。從つて、政府といたしましては、わが党の質疑に対しては、誠意をもつて答えられることは、政治上の道議の上から申しましても当然の責任と存ずる次第であります。(拍手)
 私どもは、吉田総理の祖國再建の熱情につきましては、率直に敬意を拂うものでありますが、しばしば各議員より申されましたように、目下わが國は連合軍の占領下にあるのでありまするから、かたつむりのからの中に閉じこもつた、ひとりよがりの、独善的な、頑固な主張だけでは、政治の円滑な運営のできないことは、明らかであります。進んで関係当局とも円満なる了解のもとに、わが國情にも適合した政治が行わるべきものであると信じますが、組閣以來、政府の施政の実際を見ておりますと、今後二十五年ないし百年後わが國が完全独立を許された時代の政治をやつておられるのではないかと思う節々があるのでございます。政府は、現在日本が占領下にあるという正しい御認識の上に立つて政治を行つておられるかどうか、首相のお考えを承りたいと存ずる次第であります。
 私どもは、吉田首相の対外的態度について憂慮しているばかりでないのでありまして、対内的にも、先日來國会における御言動を拝見しておりますと、國会を尊重し、これと協調するというようなお考えは毛頭なく、あたかも親のかたきにあつたことく、きわめて挑戦的なお態度に出ておられることは、特に吉田首相のため、はなはだこれを借しむ次第であります。首相も、公務員法その他の関係法規を通過したる後國会を解散する由言明しておられるのでありますが、政府がいたさんとしておりますところの國会解散は、憲法第四十一條の國会を最高意思機関とお認めの上、これをなさんとするのであるか、また第七條を主権在民の見地から御解釈されて、これを行わんとするのであるか、総理大臣の簡明なる御意見を承りたいのであります。
 近來、内外の新聞に発表報道せらるる致治記事の中には、政府の軽重をも問われるようなものがあるばかりでなく、國際信用上重大な関心を持たざるを得ないようなものが続出しているのであります。これに対して政府は、常に新聞の誤報であると、新聞社側にその責任を轉嫁しておられるのでありますが、この点に関し、政府に反省の御意思があるかどうか承りたいと存ずるのであります。
 次に、政府の民主自由党在野時代の公約中、生鮮魚介統制撤廃、料理飲食店の再開、主食供出後の自由販賣等の実現は、國会の議を要せずして、ただちに一片の政令をもつて実行し得るものであり、その具体的方策については、在野中十分御研究の上公約されたことと存じますが、いまだこれが実現し得ない理由は何であるか。政府は、そのうちやると言われると思うのでありますが、この際承りたい点は、これらの政策は、連合國より好意的食糧援助を受けておつても、なおこれを実現し得るものであるかないかという、首相の明確なる御意見を承りたいのであります。(拍手)また、主食供出後の自由販賣については、先日農林大臣は、超過供出との混乱を防ぐため、ただちに行わぬと申されたのでありますが、しからば、超過供出完了後ただちに行わんとされるのでありますか。なお、その時期を明確にお答え願いたいと存ずるのであります。(拍手)
 政府はしばしば、國家公務員法は前内閣より引継ぎされたものであり、司令部よりの指令に基くものであるから、賃金ベースを含む予算と関係なくすみやかに審議を終了するよう要求されておるのでありますが、單に法案を審議決定して公布することは確かにできるでありましよう。しかし政治は、國民の納得の上に立つて初めてこれを行わるべきものであります。少なくとも争議の手段によらずして、りつぱに生活権を維持できるという安心感を與えたる上、決定すべきものであります。政府は、はたして公務員並びにその家族の諸君の生活の切実なる叫びをまじめに聞いおるのでありましようか。もし、この点につき正しい理解と認識を有するならば、賃金ベースその他の予算の編成が公務員法と不可分なことは当然わかるわけでありまして、この点に関し、首相の御答弁を煩わす次第であります。(拍手)
 政府は、インフレ対策として生産増強第一主義を主唱しておらるることは、私ども同感であります。しかし、現在のごとき苛斂なる課税においては、国民の担税能力はほとんど底をつき、重税のため購買力は減殺し、企業は萎縮して、生産破綻の寸前にあるのでありまして、この点、政府の主唱せらるる増産意図とまつたく反対の結果を示しているのであります。すなわち、この際政府は、この点に関し課税の是正軽減をはからるる意思ありやいなや。また鉄道運賃、タバコの値上はされぬ由言明せられたのでありますが、酒その他の大衆課税全般にわたり値上されぬのであるかいなかを承りたいと存じます。
 政府は、予算編成の財源追求の一端として、三割方行政整理をなさんと言われたのでありますが、ただいま行政整理を行うといたしましても、退職金その他の一時的支出のため、財政上においては所期の目的を達し得ないと存ずるのであります。また政府は、行政整理断行を揚言しておられますが、各地方にある政府の出先機関の整理を断行さるる意思があるか承りたいのであります。また、すでに今國会に提案されておりまする國立國語研究所のごとき、一見急を要せざる施設を行い、行政整理によつて生ずる剰員のはけ口をつくるがごとき御態度につき、疑義なきを得ない次第でありますが、この点、関係閣僚の答弁を要求いたします。
 國家財政の收入は、窮極するところ、税金によるか公債によるかよりほかに道なき次第であります。今、その直接たると間接たるとを問わず、課税がこれ以上増加さるることは、とうていできないことでありまして、むしろ増産のため減税すべき今日、貨幣の増加を意味せず、ただその循環を良好にするところの公債、すなわち日銀引受けを行わず、地方銀行の現金あり高に従い割当するがごとき公債を発行し、もつて増産実現のあかつき、國民の課税により漸次これを銷却する処置を講ずることが、今日最も賢明な策と信じておるものでありますが、この点に関し、大藏大臣は、関係当局にその理由と利益を十分説明、了解を求めたる上、これを実行する意思ありやいなや、承りたいのであります。
 また政府は、取引高税の廃止につき再三その実行を言明されたのでありますが、いまだその時期を明示されておらないのであります。もし、その実現に相当の日時を要するものとするならば、農村報奨物資や医薬品、理髪師の理容等、民間において、その除外を盛んに理由をあげて要望せられておるものについては、とりあえずの処置として、至急これを除外する意見ありやいなやを承りたいのであります。なほ、この取引高税にいたしまても、政府がこれを廃止すると発表せられたために、すでにこれを厳守しない者が日を次いで増加しつつあるのでありますが、檢察当局として、この取締り並びに処罰に関し、いかなる態度をおとりになるか、当局の御方針を承りたいのであります。
 次に、在来農村においては、公務員その他の俸給勤労者の給與が次々と増額せられて行くことにつき、また労働基準法等により規定せられた勤労時間等につき、農業者の收入及び労働時間等との均衡がとれていないことに、多大の不満を示しているのであります。政府の御言明によれば、俸給勤労者の勤労時間につき改正の意思なく、また給與の増額もこの際考慮されているようでありますが、しからば、農業生産物資の價格に対しても、均衡を失せざるよう増額される意思があるのでありますか。また増額さるるとすれば、これと勤労者の賃金とをいかに調整されんとするのでありますか、その具体的方策をお示し願いたいのであります。農相は、農村の生活及び生産必需物資の適正配給をもつてその一部をカバーせんとの御意思のように承つたのでありますが、今日農村においては、報獎物資等については、ほとんど信用もなく、その要求もないのでありまして、農村の眞に要求しているものは、必要でもない高價な報獎物資ではなく、適正な農産物の價格をもつて農業者の貨幣の收入を増加されんことを望んでおるのであります。
 また、早場米等に対する報奨金等に関しても、早場米のできる北陸、東北地方は別といたしまして、関西以西においては、早場米はほとんど出ないのであり、またこれらの地方においても、稲の品種をかえれば、採算上は相当の利益をもつて早場米を出し得るのではありますが、この場合著しき減産を示すことは、專門家の明らかに指示しているところでありまして、このような点から申しましても、獎励金をもつて増産供出を促進せんとすることは、農民諸君に対して不公平と不満とを買い、かえつて減産等所期の目的を達し得ないと信じますので、この点からも、正々堂々と農産物の價格そのものを適正に定められんことを要望し、農相の御意見を承るものであります。
 さらに、農村工業化、電力化等に関して、前者はその実際上の運営の困難、後者は小ダムより下流の河床の沈下等のため、実施不能となることは明らかでありますが、なおも農林大臣は、在來の通り農村の工業化あるいは電力化について御獎励なさる御意思があるのでございまするか。また農業に対する資金調達の目的より、農業基金法のごときものを制定さるる意思がありますか、承りたいのであります。
 日本農業も、世界農業の影響の外に立つことはできない。漸次、世界農産物が戰前生産の水準に回復して來ている今日、來るべき農村の恐慌に備え、單に農業協同組合の活動をもつてこれを救済せんとするがごときことは、はなはだ危険なことでございまして、さらに國家としてなすべき施策につき、農林大臣の具体的方策を承りたいのであります。
 農地改革の結果、祖先傳來の自作地を放棄いたしまして、たとえば小学校の教員や地方の開業医等が、本來の職業の片手間に農業自作をやつているのでございますが、これらの方々は、農業には未熟であり、本來の職業の片手間でありますために、農産物生産の実績が上らず、また本來の職業遂行上にも非常な障害を來しておるのであります。さらに重大なることに、学業優秀なる農家の子弟が、祖先傳來の田畑を放棄するに忍びず、農村の一農夫として一生を終り、あたら優秀なる人材を失いつつある今日、この点に関して、関係当局はいかなる御見解を持つておられるか、承りたいいと存ずるのであります。
 政府が眞に行政整理を断行せられる場合、各種企業においても、これが整備を具体化することは必至であります。また一方において國家公務員法の立法が実現しました場合、憲法第二十五條の精神よりいたしましても、当然國家保障の問題が強く要求されることは明らかでありますが、政府は厚生、保健の問題等につきいかなる対策を持つておられるか、厚生大臣に承りたいと存ずるのであります。ことに現在切実なる問題は、各市町村において、國民健康保劍組合設立に関して、國民生活の現状よりいたしましても、いかなる犠牲を拂つても医療費の低減をはかることは焦眉の急でありますが、各市町村の財政は、六・三制の学校建築、あるいは自治体警察等のために、その財源は、ほとんど皆無の状態になつているのでございまして、この際は、ぜひとも國民健康保険組合設立のために、財政上國庫補助を相当額増加しなければ、決して國民の衛生行政を全からしめることはできないと存ずるのであります。厚生大臣並びに大藏大臣の、この点に関する具体的御所見を承りたいと存ずる次第であります。
 以上、きわめて概略的に施政に関する質問をいたしたのでございますが、冒頭において述べましたように、わが党の政府に対する立場をよく了解せられて、懇切丁寧、率直なる御答弁を要求いたしまして、私の質問を終る次第であります。(拍手)
  〔國務大臣吉田茂君登壇〕
#32
○國務大臣(吉田茂君) 榊原君にお答えをいたします。
 連合軍司令部の占領政策に対してどうというお話でありますが、今日連合軍司令部の占領政策は、日本の復興再建を全力をあげて助けたいという趣意においては、はなはだ明瞭であります。ゆえに、從來の内閣でもそうであつたと思いますが、吉田内閣においては、單に條約上の義務というようなことに制限せられずに、占領政策の趣意に賛成して、積極的に協力する方針であります。この点は、どうぞ御安心を願いたいと思う。決して独善的に行動をするというようなことは、現にいたしておらないのみならず、その趣意は毛頭ないのであります。
 また、國会とも密接なる連絡のもとに、協調的に政治を行うべきであるという御趣意は、はなはだごもつともで、御同感であります。私において挑戰的な気持ちはかつてないのでありますが、議員諸君から相当挑戰的に私に攻撃のあつたことは諸君においても十分お認めになるだろうと思います。今後は、どうぞ國政運行のために政府と協力して、円満に國会の議事を進捗せしめられるように、特に公務員法の議了についてはすみやかに願いたいということを、再びここに諸君に懇請いたします。
 また、國会の解散ということについてお尋ねでありますが、十五日の私の演説の中にも申しております通り、この内閣は少数党内閣であります。ゆえに、憲法の常識から申せば、冒頭において解散すべきでありましようが、公務員法議了という政府としての義務を持つているものでありますから、公務員法の議了の後において解散するという方針であることは、十五日の演説の中に十分述べておいたつもりであります。しからば、この解散はいかにするか。これは、そのときにおいて――簡單に抽象的に申せば、憲法の趣意に從つて解散をする、こうお答えするほか、今日においては事態をを予想してお話をすることはできないと思います。
 その他は主管大臣からお答えいたします。(拍手)
  〔國務大臣周東英雄君登壇〕
#33
○國務大臣(周東英雄君) 榊原君の御質問にお答えいたします。いろいろ農村改革に対しまして適切な御意見を承りまして、敬意を表するものであります。
 第一点の、超過供出後において自由販賣をするかというお尋ねでありますが、これが切りかえにつきましては、今日の情勢におきまして、よほどその時期と方法について愼重を要するものと考えます。従いまして、その実施の時期につきましては、常にあらゆる諸般の情勢を考慮に入れて考えるのでありますから、今日は実施の時期をあらかじめ申し上げる時期ではないと考えます。
 第二点のお尋ねであります、労銀が上昇するに礎つて農産物の價格もまた引上げることが、農家收入を増加するために必要ではないかとのお尋ねであります。もちろん、賃金の引上げに関連いたしまして、農家の農業経営必需品または生活必需品等の生産費に影響を及ぼすような賃金の引上げが行われますれば、それと均衡を得せしめるように農産物の價格を引上げることが必要だと考えます。常に農産物の再生産に必要な限度に考慮をして、各労働賃金その他の物價との均衡を得せしめるように農産物の價格を決定して行くことが必要であろうかと存じます。
 第三の御質問でありますが、農家の必需物資について、従來報獎物資等につきまして適正な配給が行われないのみか、あまり必要でない物が配られておることはいけないのではないか、むしろ、こういうものはやめたらどうかという御意見でありますが、まことにその御意見に対しましては、私も同感であります。ただ、今日のやむを得ざる経過の措置といたしまして報獎物資を認めておりますが、今年度におきましては、御趣旨の線に沿いまして、農家のあまり好まず、しかも丈夫でないようなめいせん等は、これを廃しまして、お話のように、農家の最も欲する作業衣、地下たび等につきまして、優良な綿物をこれに配給するように十分に措置をつけ、また時期を失わないように各地方に配置して、準備をいたしておるような次第であります。
 その次のお尋ねでありますが、早場米獎励金等は、これを置くことが、かえつて増産を妨げるのではないかという御質問でありますが、私は根本の趣旨については賛成であります。いつまでも農家に対して褒美を與えることによつて生産を励ましたり供出をさせるという行き方は、これは常道ではないと存じます。でき得るならば、そういうことを廃する方面に向つて進むのが適当であり、それにつきましては、御趣旨のように、農産物の價格が他の物と適正を得て、農家が手取りした金でもつて必要な物を買い得るように、工業物價その他の値下げを考えることが適当ではないかと思つております。
 それから、次の農村工業その他電力化の問題でありますが、これにつきましてしても、一概に抽象的に獎励するということは、お話の通り、これは誤りであると存じます。その地方地方に即したる適当な方向でもつてこれを奨励して行きたいと考えております。
 次に、農業基金法等の制定をする意思はないかというお話であります。内容につきまして、よくわかりかねるのでありますが、お話の趣旨は、農業金融基金というものが今日不備であるから、これについて適当な方法を講ずることは考えておらぬかという御趣旨と思います。お話の通り、一番遅れておるものが、終戰後における農業金融制度の確立であります。最近におきまして、政府におきましては、さしあたり農漁業復興資金として、本年度中に四十億ほどわくをきめておりますが、将來に向いましては、これらのものを恒久化するか、あるいは特殊の國家の特別会計による金庫をつくるか、何か一つ特殊な農村金融に対する基本を確立することが適当かと考えておりまして、目下研究中でございます。
 次のお尋ねは、農業恐慌が起るおそれがあると思うがどうか、それに対する処置というお話でありますが、今日の状態としまして、農産物過剩から起るところの恐慌の状況は、あるいはいまだしと思いますけれども、御心配のごとく、私は農産物價格と農業必需品等の價格の不均衡、あるいは農村における課税の重圧というようなところから、再生産に必要な余剩を持ち得ないようなことから起る恐慌ということは、心配でございます。これらにつきましては、一番目には、やはり農産物の價格を工業生産品價格と均衡を得せしむるよう、工業生産品の原料、材料の増加により、これが生産の増加をはかる一面と、その生産に関して拂われる生産コストの引下げに合理的な処置を講ずることによつて均衡を得るよう是正をする。さらに、農業あるいは農村における課税の問題については、根本的にこれは財務当局とも相談をいたしまして、過重負担にならざるよう農業租税というものを考えて行くというのが一つの考え方ではないか。それから、それらのことにつきまして、多角的農家経営により收入を上げさせますために、農業協同組合などを中心とした生産活動、配給活動について、全面的に農家経済を助長するがごとくはかつて行くことも、一つの方法ではないかと思いますが、御趣旨の点を考えまして、よく研究を進めて行きたいと考えます。
 最後にお尋ねの農地改革に関連しての問題であります。今日、幸いにして施行後二箇年たちまして、政府の買收いたしました土地の面積は約百八十万町歩、拂い渡しましたものはすでに百五十七万町歩余ありまして、一應小作農家に土地を與えて自作自営農民をつくるという線は確立いたしたのでありますが、これらの根本精神を十分生かしまして、健全な、平和な農村を確立する上におきましても、從來改革の途上におきまして、社会的に不合理な点のあつた部分につきましては、これを是正することが、むしろこの改革の趣旨を生かすゆえんかと考えまして、目下慎重に考究中でございます。
 以上、御答弁申し上げます。(拍手)
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#34
○國務大臣(泉山三六君) 榊原議員のお尋ねにお答え申し上げます。
 第一点は、政府は三割の行政整理をするということであるが、退職金などを出さねばならぬ関係上、当面の財政のバランスには、それではプラスにならぬではないかというお尋ねでありますが、まず三割の行政整理、さような問題につきましては、政府といたしましては、今日考慮をいたしておらないのであります。しかしながら、その退職金と財政との関連につきましては、まつたくお示しの通りでございますので、さようの場合におきましては別途の方策を立てたい、かように考えておる次第であります。
 御質問の第二点は、取引高税の廃止に関連して脱税の事実があるようであるか、どうか、かようのことであるのでありますが、さようのうわさもあるやに聞いておるのでありますけれども、その事実はないのであります。しかしながら、例の租税の完全徴收は、今日わが税制対策といたしまして最も重点を置くべき問題でございますので、政府は鋭意完全徴收に向つてあらゆる努力を拂いたい、かように考えておるのであります。なお、取引高税の免税範囲を拡大する考えはないか、かようのお尋でございましたが、先ほども岡田議員にお答え申し上げました通り、政府は取引高税はこれを撤廃いたします考えでございますので、免税範囲を拡大する考えは、ただいまのところ、これを持つておらないのでございます。
 第三のお尋ねは、鉄道運賃、通信料金等の値上げ、また酒、タバコの値上げ等、大衆課税をするのかしないのか、こういうことであつたと思うのでありますが、政府は、追加予算の編成にあたりましては、その財源調達にあたりまして、でき得る限り、大衆課税の重課となるようなものを絶対的に避けたい、かように思うのでございます。右、御了承願いたいと存じます。(拍手)
  〔國務大臣下條康麿君登壇〕
#35
○國務大臣(下條康麿君) 榊原君のお尋ね中、國語研究所の問題についてお答え申し上げます。
 國家的な國語研究所を設けたいということは、非常に前から問題になつておつたところでありまして、特に終戰後、その必要が強く要望されておつたのでありますが、すでに第一回國会におきましても、これに関する請願が通つておりまするし、さきに來朝いたしましたアメリカの教育使節團から、非常に強くこの点の要望があつたのであります。政府といたしましては、國語の合理化をはかりますことは、現在わが國が当面しておりますところの教育改革の前提條件であり、急務である、一日もゆるがせにできない急務であるというふうに考えまして、この國会に提案した次第でございます。なお本件に関する予算は、すでに第二回國会で通過いたしております。さような次第でありますから、この研究所に採用いたします人は、おおむね斯道の專門家でありまして、この設置によりまして、行政整理のためのはけ口を設けるというような趣意でないことを、御了承願いたいとたいと思います。(拍手)
#36
○議長(松岡駒吉君) 厚生大臣は要務のため出席いたしかねるとのことでありますから、適当の機会に答弁を願うことといたします。
     ――――◇―――――
 吉田内閣の施政一般に関する緊急質問(高倉定助君提出)
#37
○議長(松岡駒吉君) 高倉定助君。
  〔高倉定助君登壇〕
#38
○高倉定助君 私は、日本農民党を代表いたしまして、吉田総理初め関係大臣に対して二、三御質問を申し上げたいと存ずるのであります。
 吉田内閣は、組閣以來すでに一箇月余を経過しておるのでありますが、いまだその施政方針の明示を避けて、野党よりのはげしい追究にかかわらず、この臨時國会の召集の主目的は國家公務員法の改正案の通過にある、これを通過せしめた後において施政方針を明示する、まずこれに全幅的の協力をお願いすると、繰返し繰返し答弁せられておるのであります。なるほど、この臨時國会は芦田内閣の召集であり、芦田内閣が存続しておつたなれば、当然芦田内閣のもとに審議せられることになつておつたにかかわらず、芦田内閣は昭電疑獄事件に連坐いたしまして、醜状を天下にさらして、あえない退陣をしたのであります。その後に吉田内閣が成立したのであります。ゆえに吉田内閣は、この法案をまず通過せしむることが政治的道義であるとの見解に基きまして、施政方針の明示をあとまわしにすることが、はたして妥当であるか否かは別といたしまして、吉田内閣総理大臣は、國家公務員法通過と同時に、必ず施政方針を明示せらるるや、それとも、ただちに國会の解散を断行せらるるや、この点についての御意思を、この際お尋ねしたいのであります。
 解散問題につきましては、憲法の解釈に疑義が生じ、政府は解散権を有しないとか、あるいは國会に属すべきだとかの議論もありますが、また法理的論議も起りつつあるのでありますけれども、いずれにいたしましても、少数與党を基盤とするところの現政府は、その政策の実現に困難であることは言うまでもないところであります。ここにおいて、政府與党であるところの民自党は、野党側の連続的なる政府に対する不信任的攻撃に対しまして、何ゆえに信任案をすみやかに提出して、黒白を國会に問わないのか、また野党側におきましても、いたずらに政府に食い下つて、國民の前に醜態をさらすの愚をやめまして、何ゆえにすみやかに不信任案を提出して現内閣の退陣を要求するところの勇気を持たないか、私は、この点まつたく不可解に存ずるのであります。野党といわず、與党といわず、この際解散旋風におびえることなく、すみやかに黒白を決し、政界を明朗にすることが、國民に対する大きな責任であると思うのであります。(拍手)
 次に、この際緊急を要するところの農村問題につきまして、二、三質問を試みたいと存ずるのであります。
 第一に、農村金融についてであります。農業を近代化し、その生産を高度に高めることが、現在の農村にとつて最も重要なる問題でありますとともに、國民生活の安定が期し得られることは、現段階におけるわが國の最も重要な課題であります。そのためには、まず土地の改良、施設の改善等を積極的に推進しなければなりません。しかして、その資金をどこに求めるか。今日の農村の経済状態から見まして、とうていこれを負担する余力がないのでありまして、当然國家において長期の低利資金を融通して、積極的にこの事業を助成して行かなければならないと思うのであります。そのためには、恒久的な農村金融機関の急速なる設置が特に痛感されるのであります。(拍手)政府では、片山内閣時代に農村復興金庫案が企画され、また芦田内閣においても、これが実現を公約された。しかしながら「客観的情勢がこれを許さずして、遂にお流れとなつたのであります。これにかわるものとして新たに制定されたとか、されないとか聞きますところの金融業法の趣旨に基きまして、金融懇談会が中心となつて考究中のようでありますが、その構想をこの際発表願いたい。
 さらに政府では、それまでの暫定措置といたしまして、去る九月、二十三年度分として、農林中金を経て四十億の融資が決定したそうであります。これについて農林省では、第三・四半期の分といたしまして、二十億円を要求したのでありますが、今回安定本部の査定も終つたので、融資の準備を進めておられるということであります。しかしながら、この二十億円は、今回の第三・四半期の復金資金配分総額三百八億円に比しますと、わずかに六・五%に当るのみであります。農林省の調査によりますれば、農林関係の復興資金として要するところの費用の概算は、物價改訂前の物價基準にいたしまして、年間二百億と見積つておるのでありますが、これを現在の物價で計算すれば、実に三倍以上の巨額になるのであります。それがわずかに四十億程度では、農林、漁業の復興にどれだけの寄與をすることができるか、私ははなはだ心細い感じがするのでありまするが、これに対して大藏大臣の御意見を承りたい。
 第二に、農村課税の問題であります。終戰後、ひところ好景気を傳えられて参りました農村は、今年の初めから急角度に轉落の一途をたどつて、今や農村は、経済の窮迫、全面的な金詰まりの状態におおわれつつあるのであります。その原因はいろいろあるでありましようけれども、第一に、生産費を償わないところの農産物の價格であります。第二には、農産物價と工業物價との價格差であります。第三には、自主性を欠くところの不合理な供出制度であります。第四には、すなわち課税の重圧、これらをあげ得るのでありまするが、その中で最も直接的な原因は、何といつても、あの苛酷をきわめましたところの課税問題であろうと思うのでありまして、芦田内閣の当時、この問題は大きな問題として論議されたのであります。
 この税金問題も、いろいろな点から論議されておるのでありますけれども、まず第一に、税制の改正によつて所得税が一元化され、税率も高額累進附加税が適用され、課税の方法も、從來の独善的な、天くだり式なものではなく、新たに申告制が採用されたのでありましたが、これは課税の形から申しますれば、農民の自主性を尊重した民主的、近代的な方法でありますけれども、実際には、この申告制を完全に無視したところの、無謀なる更正決定によつて、過重な負担が課せられたのであります。しかも、その査定にあたつて不合理な点が多く、反当所得と税務署の査定したものとの開きが、申告に対して五割増という苛酷なものであつたのであります。その上、反当課税の傾向にあつたので、小農家あるいは貧農家層には重くなつて、都市附近と山村と比較するときは、山村や單作地帯の方がはるかに過重になつているというような逆現象が現われておるようになつておるのであります。この結果、農村は非常に混乱し、全國的な問題となつているのであります。すなわち、耕作放棄や土地返還、あるいは東北地方の一部におきましては、娘の身賣りまで惹起して、社会問題を起しておるような窮状にまで追い込んでおるのであります。
 政府におきましては、かかる実情を嚴正に反省して、課税対策の具体案として、徴税にあたつては農民の團体交渉権を認めるとともに、公選によるところの農業所得審査委員会を設けること、これらについては、農林省において、新たに中央に農業所得税調査協議会を設け、地方には連絡協議会をつくる計画を進めておられるようでありますが、かかる連絡協議会的な性格のものは形式的に流れやすいものでありまして、より以上強力な機関の設置を要望するものであります。第二に、農業に対するところの收入計算にあたりましては、税務当局の一方的なやみ價格の推定計算によらず、正しい農家の実収入を基礎とする良心的な申告によることであります。第三には、基礎控除及び扶養控除を増額いたしまして、物價の変動に應じて是正することであります。第四には、早期供出獎励金、供出完了特別報励金、超過供出代金等の獎励金には課税をしないこと。これらをわが党は要望するものでありますが、これに対して、どういう考えを持つておられるか、関係大臣にお伺いしたいのであります。これに関連しまして、小さい問題のようで大きな問題であり、緊急を要する問題は、農業協同組合に対する電話公債の問題であります。これに関連してお尋ねしたいのは、農業協同組合における電話公債は、去る六月公布施行されました電話加入申込者等に公債を引受けさせるための臨時措置に関する法律、これによりますと、農業協同組合が旧農業会より電話を引継ぐ場合にも同法の適用を受けることになるのであります。全國で農業協同組合及び同連合会が引継ぐところの電話機の数は、少くとも二万五千以上と推定されるのでありまして、台に三万六千円の公債を買わされるといたしますと、約十億の巨額を支出しなければならぬことに相なるのであります。現在新発足いたしました農業協同組合は、連合会は分化され、系統機関への出資さえ金詰まりの今日に、ただ名儀の変更のみでこの巨額の資金を食われることは、金詰まりに拍車をかけることになりまして、今後の経営にも支障を来す次第であります。農業協同組合は、旧農業会から継承取得するところの不動産には、特別をもつて免税措置がとられておるのでありまして、電話の名儀を変更する場合は実質的には承継するという実情でありますので、公債の引受は当然免除すべきものであると思うのであります。農業協同組合ばかりでなく、法律によつて名儀の変更を余儀なくされた各種の公共團体に対しましても、同様免除すべき臨時措置を講ずべきものであると考えますが、これに対していかなるお考えを持つておられるか、関係大臣にお尋ねしたいのであります。
 次に、農村工業の促進育成についてであります。農民解放令によつて出発した近代農村は、土地改革の実施によりまして一應地ならしされ、それに新しい農業協同組合を一つのよりどころとして、建設が進められているわけであります。それを側面から固めて行きますには、農村工業の育成が最も重要であり、ことに、來るべき農業経済恐慌に備えるためにも、これが健全なる発達は急務中の急務であると信ずるのであります。農林省においては、これが重要にかんがみられて、農村工業の推進育成に大いに力を注いでおられることは、まことに意を強うするところでありますけれども、その資金において、現在農村工業に特別融資のわくといたしまして、復金に十億円を計上されており、その融資の計画は、第二・四半期において一億五千万円、第三・四半期において三億四千万円、第四・四半期において五億円の融資でありまして、第二、第三・四半期の分として、今回二億円の融資が正式に決定いたしましたので、近く貸出しを開始するとのことでありますが、わずか十億円程度では、このインフレの今日、とうていその目的を達成することはできないと思うのであります。もつと多くの資金を融通することが絶対に必要であると思います。これに対して農林大臣並びに大藏大臣はいかなるお考えを持つておられるかをお伺いしたいのであります。
 次に、農村の問題ではありませんが、北海道の総合開発計画の問題についてお伺いいたしたいのであります。敗戰の結果、混乱のさ中に立つているわが國の現況をながめて、いかなる方向に、またいかなる手段によつて、わが國の再建をはかるべきか、これに対しては、政府当局はもちろんのこと國民一人一人が眞劍になつて考えなければならない事柄であります。しかるに世間では、いたずらに目先のことのみに眩惑されまして、きわめて安易な方法によりたがるきらいがあり、日本再建という大きな根本問題を忘れている感じがするのであります。狭小なる國土に八千万という多くの人口をかかえ、一方これを養う生産が伴わず、縮小生産を続け、またインフレは停止せず、今や日本は経済危機に直面して來ているのであります。これに対して、いかなる方途によつて経済再建を行うつもりであるか、今日まで、これに対して、確たる根本的方針を政府は樹立し発表していないのであります。たまたま安本においては、長期五箇年計画なるものの発表があつたのでありますが、この計画の裏づけになる國内事情に対して、的確なる資料を持つていないようであります。
 わが國は、天然資源にはあまりにも恵まれていない國であります。と同時に、今後拡大再生産をなすべき原料資源の持合せがない國であります。この点が、日本再建の上にとつて大きな欠点であります。しかるに、幸いなることには、北海道がいまだ開発途上にありまして、未開発資源の唯一の賦存地であることは、何人も首肯し得られるところでありまして、北海道の資源開発をなすことが、ただちに日本再建の基礎をつくり出すものなのであります。すなわち、今後における北海道の開発程度いかんが日本再建の尺度となると言つても過言ではないと信ずるのであります。
 北海道の包藏する資源及び將來につきましては、時間の関係上省略いたしますが、北海道開道八十年、耕地七十四万町歩、人口四百余万に達しておりまして、わが國の経済上、社会上きわめて重要な地位を占むるに至つたのであります。しかるに、大正五年以來、北海道廳のもとに多額の國費をもつて行われてきました北海道拓殖事業は、現在その独立総合性を廃しまして、まつたく府縣同様に、行政組織をもつて行うことに決定し、開発運営につきましては、先の内閣において数度にわたつて檢討されました結果、諸般の客観情勢の推移に從いまして、地方開発協議会を安本内に設置いたしまして……。
#39
○議長(松岡駒吉君) 高倉君、時間が参りました。結論を急いでください。
#40
○高倉定助君(続) 北海道その他、地方総合開発の連絡協議機構たらしめて、これが円滑なる推進をはかることとなりました。この協議会は、まず北海道を取上げることを、その運営方針として決定されたのでありまするが、政府は、この北海道開発問題に対して、既定方針をそのまま継承し実行せられるところの考えであるかいなかを、お尋ねしたいのであります。この問題は、日本全体が眞劍になつて考えなければならないところの重要な問題でありますので、組閣後なお日浅いところの内閣のことでありますから、今後研究いたしましようという答弁であるかわかりませんけれども、これを急速に研究して、実行に移してもらいたいと思うのであります。
 以上の諸点につきまして、各関係大臣の答弁を求める次第であります。(拍手)
  〔國務大臣吉田茂君登壇〕
#41
○國務大臣(吉田茂君) 高倉君にお答えをいたします。
 私の施政の演説は、しばしば申す通りに、公務員法の議了を待つて――公務員法のために召集せられたこの臨時議会において、公務員法の議了後においていたすということを、しばしば明言いたしておる通りであります。また解散については、公務員法通過後において解散いたしたいと考えておるものであります。
 その他の問題については、関係大臣から御説明いたします。(拍手)
  〔國務大臣周東英雄君登壇〕
#42
○國務大臣(周東英雄君) 高倉君の御質問にお答えいたします。第一点は、農業金融の根本を考えて、政府は農業復興金庫等のような、根本的な金融機構を確立する意思がないかというようなお話でありました。先ほどもお答えをいたしましたように、今日最も遅れているものが、農漁業関係に対する金融の問題でありまして、わずかに農業復興資金として四十億一應のわくができたということは、御指摘の通りでありますが、私どもは、將來に向つて、この四十億のわくがきめられたのを、長期基金としての基本としてこれを制度化するということが必要ではないか、かように考えておりますと同時に、これは大体長期の資金が主でありますが、今日最も枯渇している中期短期の資金等についても同様に、いかなる形にこれを持つて行くかということについて十分に研究を遂げて、すみやかに成案を得たいと考えている次第であります。
 それから、それと関連いたしまして、先ほど農村工業に対する融資のわくが十億では少いではないかというお話でありましたが、これも同様に、農村の農業経営の向上と農民生活の向上等から考えましても、農村を多角経営化する一つの手段として、農村工業は最も適切なものと考えます。これにつきましては、適地に適当な工業の形が計画的に確立されますに相應いたしまして、これに対する金融関係を考慮して行くことを考えたいと思います。
 それから、私に対してのお尋ねの部になつておつたと思いますが、農村課税の問題につきましては、これは主として大藏大臣の方からお答えがあると思います。
 最後の北海道の開発問題でありますが、今日、敗戰後縮小せられた日本の土地を考えますときに、北海道は單に農業のみならず、農商工各般にわたつて、日本の経済の一つの大きな中心になり得るものと思います。これらの開発につきましては、まだ計画を聞いておりませんけれども、今後総合的に相当に力を入れて実現するような計画を立てて進むべきものと私は考えております。(拍手)
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#43
○國務大臣(泉山三六君) 高倉議員のお尋ねにお答え申し上げます。まず第一に、農村金融につきまして、農村復興金庫というようなものを設置する考えがあるかどうか、また農林中央金庫から四十億の融資が決定したというが、これはさらに増額する考えがあるかどうか、さらに農村課税の問題につきまして、その徴税にあたりまして、農林團体に交渉権を認める意思があるかどうか、さらに早場米及び超過供出米に対しまして、報償金に対する課税を免除する考えがあるか、かような御質問であつたのであります。
 まず第一に、農村復興金庫の設立につきましては、金融制度全体の問題の一環といたしまして、目下研究中でございます。このような特別な機関を設けるといなとにかかわりませず、農村金融の措置につきましては、今後とも努力を重ねたいと存じます。農林中央金庫からの農村融資四十億円のわくにつきましては、今日の資金の状況から見まして、これを適当と認めたのであります。しかしながら、事情がこれを許しますならば、さらに増額いたしたいと存ずる次第であります。
 農村の課税につきまして、團体交渉権の問題は、制度としてこれを設けることは適当ではないと考えております。農業だけにつきまして農業所得審査委員会を設けるというような考えは、現在持つておらないのでございます。なお早場米及び超過供出米の代金の課税につきましては、制度として、免税の形においては、これはできにくい事情がございまするが、早場米及び超過供出米などは、その必要経費におきまして一般に比較しまして、余分にこれを必要といたします技術等にかんがみまして、その所得の計算上、これを特別に考慮いたすことといたしまして、農民の方々に相当程度免税と同一の効果をもたらすべき方法を講ずることに決定いたし、すでにこれに関する手続を完了いたしました。
 以上三点につきましてお答え申し上げます。
  〔國務大臣降旗徳弥君登壇〕
#44
○國務大臣(降旗徳弥君) 高倉君にお答えいたします。ただいま、農業協同組合に関する電話公債について、るる御説明がありました。御趣旨については、もつともだと思います。從つて、この問題につきましては、國会の意見を尊重して、しかるべく善処したいと思つております。(拍手)
     ――――◇―――――
#45
○議長(松岡駒吉君) 赤松勇君より議事進行の発言を求められております。この際これを許します。赤松勇君。
  〔赤松勇君登壇〕
#46
○赤松勇君 御承知のごとく、今國会は、国家公務員法及びそれと関連する賃金ベースの問題を審議するために召集された國会であるのでございます。しかるに、当面の責任者でありまする、ただいまここに答弁に出ました泉山國務大臣は、この重要なる人事委員会に法案が付託されまして以來十一日、今日までたつた三回より出席しておりません。時間を申し上げますならば、ほとんど三時間か四時間にすぎないのであります。昨日も委員会に入つて参りまして、委員長の許可を得ることなく、ただちに退席をいたしました。本日も午前十時から、ずつとわれわれは待つておつたのでございますが、一回の出席もない。
 私どもは、本会議が開かれました際には、委員会の審議を中止しておるのでございますが、少くとも今日、お正月を前に控えまして、しかも、あの三千七百円ベースからずつとずれてきておりまする今日、全國の官廳に勤務いたしまする多くの労働者諸君は、このベースの決定されることをば、ほんとうに心から待つておるのでございます。マッカーサー書簡に示されておりまする、この表裏一体をなす賃金ベ―スの問題につきまして、その所管大臣たる大藏大臣が、かくのごとき不熱心を示すということは、そうしてそのことが、國会における國家公務員法の審議の上に重大なる障害となつたといたしまするならば、その責任は全部吉田内閣にあると言わざるを得ないのであります。(拍手)新聞の上には、こういうことがはつきりしておりませんので、一般國民は、その審議状況がわかりませんが、われわれは、こういうような政府怠慢、政府の不熱心を指摘いたしまして、議長におかれましては嚴重に警告を発しまして、今後委員会の審議の進行に政府が熱心であるように警告されんことをばお願いしておきます。(拍手)
#47
○議長(松岡駒吉君) お答えいたします。ただいまの議事進行の発言は、大藏大臣におかれてもお聞きの通りであります。もしお答えがあれば、この際お願いいたします。
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#48
○國務大臣(泉山三六君) ただいまの赤松議員の御発言に対しましては、私は深く遺憾の意を表する次第であります。今日國家公務員法の問題がいかに重要かつ緊急であるかについては、不肖私といえども、深くこれを認識いたすのであります。しかして、官公吏の新賃金ベースの決定、これに引続いて、これを実行に移すべく鋭意努力をいたしておりますことは、度々申し上げました通りであります。しかしながら、そのベースの決定にあたりまして、その名よりもその実を與えるべく、これが実体たる追加予算の編成につきましては、政府といたしましては万全の努力をささげております実情にございますので、自然時間をその方面に割かなければならない事情がございますことが一つ、なおさらに私は、先ほど赤松議員からも御指摘の通り、委員会の途中に委員長の承諾なくして退席しましたことは、まことに不注意千万のことでありました。深くおわびを申し上げる次第であります。しかしながら、なお他方におきましては、私が参りました委員会……。
  〔発言する者多し〕
#49
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に。
#50
○國務大臣(泉山三六君)(続) 委員会がお待ちである、かようなことでございますので、私がとるものもとりあえず参りましたにかかわりませず、すでに散会になりましたことが、三回あつたのでございます。なお本日は、災害対策特別委員会の方に出席をいたしておりました。その災害復旧の問題も、今日またこれと並行して、すでに國民をあげての熱誠なる御要望にあるのであります。また本院におきましても、各党一致の御決議によりまして、すでに御決議がございますことは、これまた私深く了承いたしておるところであります。かような意味合いにおきまして、この委員会に出席の間に人事委員会が散会されましたことは、私の遺憾とするところでございす。
 以上、事情を率直に申し述べまして、この機会をもちまして私の心境を申し述べる次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 吉田内閣の施政一般に関する緊急質問(徳田球一君提出)
#51
○議長(松岡駒吉君) 徳田球一君。
  〔徳田球一君登壇〕
#52
○徳田球一君 吉田内閣は、現在のこの経済の破綻状態に対しまして、すべてをあげて貿易によらなければならない、また外資の導入を基礎にしない限り、一切この復興はできないという主張をしておるのである。この点は、民自党の政策もそうでありますが、これまで首相の言われておる片言隻句からも十分うかがわれるところである。しかるに、事実この貿易によつて、はたして生産ができるかいなか、この点につきまして、私は全力をあげて質問をしたいと思う次第であります。
 第一、この終戰以來の輸入は、今年六月までに、実に総額十一億六千万ドルになつているのである。しかるに、輸出は毎々減りまして、この結果、入超が六月までに七億八千万ドルという、驚くべき額になつているのである。これを一ドル三百円に換算いたしますと、実に二千三百四十億円という厖大な負債を生じておるのである。
 この負債がいかなるものによつて構成せられているかと言いますと、大体日本の船舶は輸送をいたしませんので、外國船の運賃が大体三億ドルである。さらに外國における独占價格の操作のために失つておるところの損失が二億五千万ドルと推算される。さらに日本から輸出しますところの物價が低物價であるために、六千万ドルを喪失しておるのである。これを合せますと、六億二千万ドルという驚くべき損失をしておる。これは実際上の物におきましては、わずかに一億六千万ドルしか入超できないのである。かかる不公正な貿易をしておる結果、この大部分が、われわれの血を外國資本にささげなければならない状態に陷つておるのである。
 これをやや具体的に申しますれば、鉄鉱石の米國産は、山元における價格わずかに一トン六ドルであるにかかわらず、日本の港で渡すときには二十ドルになつておるのである。石炭におきましては、アメリカの山元では五ドル半でありますのに、日本の港で渡すときには二十九ドルである。しかるに、この鉄と石炭とを輸入しまして、日本で生産し、これを外國に輸出しますところの亞鉛引きの薄鋼板の輸出は、バイヤーすなわち外國商人の買います値段は一トン百七十ドルであるのに、これをフイリツピンでかれらの賣る値段は、実に三百二十五ドルという驚くべき價格である。それゆえに、この差は百四十八ドルというのである。これがバイヤーの利益になつておるのである。こういうやり方で行きますと、百二十万トンの鉄鋼の生産によりまして、いかなる財政負担をしなければならないかと申しますと、四百二十五億円という財政負担をわれわれはしなければならぬ、こういうみじめな状態である。
 さらに、外國からの輸入と日本における生産とがいかに不均等であるかという例を示すために、昭和四年一九二九年、世界恐慌の最後に起つた前の年でありますが、このときの一に対しまして、今年の八月は、綿織物が実に二千六百九十二倍に達している。しかるに、國内の石炭は百八十八倍。いかに相違しているか。問題になります米におきましては、わずかに百四倍である。さらに一般男子の工場労働者の実收賃金は、七十一倍にすぎないのである。かかるごとき不均等な状態が、この貿易の上においていかなる結果を來すか、驚くべきものであることは明々白々たる事実ではないか。
 さらに今度は、輸出におきまして、いかなる生産を高めておるか。この輸出を見たならば、すべて損して賣つておるという事実を、ここに明らかにする。紡績機械におきましては、一錘当り二十八ドルでバイヤーが買つて行つているのに、これと同様のものが、米國市場においては五十ないし六十ドルで賣買されておるのである。光学器械で、小西六のコニカという写眞機でありますが、これが十五ドルでバイヤーが買つているのに、アメリカ市場においては、驚くべき價格、七十五ドルという價格で賣られておる。双眼鏡の十七倍物十六ドル四十セントであるものが、米國市場で百七十ドルで賣られているのである。貿易をすればするほど、われわれの血がかれて行くという状態になるのである。
 さらに、日本から輸出する最も重大なる輸出物生糸においていかん。生糸において、昭和二十一年の七月一日におきましては、ニユーヨークにおける生糸の一俵の價格は八ドル十八セントである。しかるに、翌二十二年の二月八日におきましては、四ドル四十セントになつておる。先の年のものを一〇〇といたしますれば五・七、約半分になつておる。今年はどうだ。今年におきましては、二ドル五十五セントでありまして、前々の年に比較しますと三一・二、すなわち三分の一以下に下つておるのである。かくのごとくして、日本の物價は上り、賃金は上るのに、この生糸は三分の一以下でダンピングしておるという驚くべき事実が存在するのである。
 この相場の実に残酷であるという点を示すために、もう一つ比較を示してみたいのである。アメリカ相場にしますると、生糸俵で小麦が四・五トン買えるのである。しかるに、國内の相場で行きますれば、國内の公定價格の小麦の相場では八トン買える。だから、いかにアメリカでの賣り方が非常に安いものであるかが、よくわかる。これをさらにアメリカの輸入小麦の横浜着の値段で行きますと、二・六トンしか買えないのである。行き帰りで実にみじめな状態になつていることが、明らかにここに立証されている。しかるに、戰前の値段で行きますと、小麦九トン買えたのである。
 こういう不等價な状態で貿易をしますということは、みずからの首を絞めると同様である。それに対しまして、政府はかかる政策をいつまで続けるつもりであるか。今後どういう貿易政策をとつて、そうしてこの貿易によつて日本の経済を復興するつもりか。これは非常に重大な問題である。さらに為替レートを單一化すると申しますが、この為替レートを單化して、もと一ドル三百円程度にでもしますと、日本の産業というものは、非常に保護されている綿産業だとか、石炭だとか、鉄鋼だとかいう以外のものは、全部倒壊せざるを得ない。一体このような貿易におきまして、為替レートをどういうふうに單一化するか、どう決定するか、非常に重大な問題であると思う次第である。この点につきまして、大藏大臣兼安本長官であられまする泉山三六君に御答弁をお願いしたい次第である。
 第二の問題は、外資の導入が実際行われまするとしますと、今のような貿易政策ならば、日本の企業は全面的に外國資本の下請作業にならざるを得ないのである。すなわち、原料を外國から持つて來まして、これを日本につくらして、そうして賣るときには、外國の資本、すなわちバイヤーがこれをやるということになりますれば、日本の工業というものは、すべてこの外國資本の材料を供給され、彼らをもうけさせるための下請作業にすぎない、小さい工場と同様な結果になるのである。現に八幡製鉄所もそうであります。東京芝浦電気の状態もこうである。こういうように、全面的に下請作業に墜落して行く。
 しかるに、この時に際しまして、この大企業が下請作業になつているのに、政府並びに金融資本は、計画的にこの下請作業である大資本に対しまして資材と資金を供給することに集中し、その他日本において実際働き、日本人民の生活のために非常に有用である中小企業家に対しましては、資金も資材もこれをほとんど締め出すという状態になつておるのである。こうなりますると、どうです。日本の産業は壊滅してしまい、すべての日本の労働力は外國のために下げられるという、実に悲しむべき状態になるではないか。事実、中小企業におきましては賃金は遅滞する。不拂いがたくさん積る。労働は強化せられる。実際悲惨この上ないところである。なおかつ、こういう貿易政策をもつて日本の生産が復興せらるると考えらるるかいなか。事実、大企業に対しまする資金と資材との集中は何をもたらしたか。非常な不正と腐敗とをもたらしたのである。昭和電工事件はその一端でありまして、幾多の企業の中に、この復金を通じ、もしくは政府の直接の援助を仰いでおるもの、すべてこれが不正と腐敗の元になつておるのである。私が一一言うまでもなく、すでに世間周知の事実である。日本人を破滅させるためにわれわれの生活を破滅させるために、さらにここに大資本家をめぐつての不正と腐敗とが横行するに至りましては、まつたくがまんのならないことと信じますが、大藏大臣、また安本長官も兼ねておられる泉山君は、いかなる考えを持つておられるか、今後どうこれをやり直して行くか、この点が第二点である。
 第三点は、かかる貿易または産業計画のために莫大な損失をこうむつておるのでありますが、この損失の補給金とし、また融資として莫大な金を使われておる。われわれの考えておりますところでは、一箇年に大体、あらゆる融資やいろいろのものを込めまして、千七百億使つておると推定されておるのである。かかる厖大な補給金と融資とが大衆課税をもつてやられ、その結果は、下の方の仕事ができないために、ここでは強制寄付が実行されておる。すなわち、六・三制の問題にしろ、その他土木工事の施行にしましても、税でとることができないために、皆強制寄付にせられているのである。
 さらに、現在の税におきましては、実に不当課税きわまるものでありまして、この点につきましては、すでに皆さんから御質問のあつた通りでありまして、私がこれ以上加えることは、よしたいと思う。しかしながら、ここに重大な点を一つ指摘したい。すなわち更正決定におきまして、全予算の額から言いますれば、昨年に対しては一・九倍である。すなわち二倍に近いものでありますのに、実際に更正決定で課されて來ますのは、最低で三倍、多いものは十五倍という、驚くべき更正決定をしておる。これがいかに不当であるかは、もはやここにおいて論ずるまでもないと思います。さらにこれに対しまして、今度は二百億の自然増收を見積つております。そうすれば、一層この比率は高まるに違いない。事実は、このために、もう中小商工業者も農民も、その他の人々も、ほとんど今度こそはというので、けつをまくつて闘つておる。おそらくこの予定されているものは、とれないと思います。非常に反抗が強い。それであるのに、さらに二百億もこれに追加いたしますれば、今年の末から來年初めにかけましては、税闘争において非常な事態が引起ると考えるのである。
 事実こういうことがあるのに、大資本家や大企業に対しましては免税をやり、また減税を事実やつておる。現に、この導入せられた外國資本に対しましては、吉田総理が減税または免税をするということは、実際声明されておる通りである。しかるに、吉田総理の総合所得税を見ますと、昨年は一万四千三百八十九円納めておられる。今年は八千八百九十七円でありまして、昨年に比しまして六千円以上少い。これは税務署の調べでありまして、決して別のものではない。一方は三倍も十五倍も上つているのに、吉田首相が下つているというのは、どういうことだ。大資本家がいかに免税、減税をせられておるかということの一つの大きな例証としても、これはぜひとも考えて行かなければならないことであると信ずる。かくのごとくにすれば、人民の生活はいかになります。人民の生活は破壊せられ、民族は壊滅せざるを得ないのである。
 その次に申しますのは、独占資本に対しては高價格である。農民、漁民、中小商工業者の生産物に対してはいかに低價格であるかということを立証したいのである。これは、昭和九年から十一年を一といたしまして、二十三年――今年の七月は、銑鉄が四百六十二倍になり、石炭が三百十八倍である。硫安は二百六十倍である。しかるに、農産物はいかん。農産物は、わずかに六十一ないし九十二倍にしか過ぎない。賃金はいかん。賃金は、驚くなかれ、わずかに五十五倍である。これを見ましても、独占資本、大資本の生産物に対しては高價格であり、農民、労働者に対しては実に驚くべき低價格であるということが、はつきりしているのである。(「それをやつたのは芦田内閣だよ」と呼ぶ者あり)むろん芦田内閣は罪がある。罪はあるが、吉田内閣は、この結果をひつくり返そうとせずに、かえつて自由経済をもつて、これを引上げようとしている、驚くべき事実があるから、私はこれを責めるのである。(「事実をあげよ」と呼ぶ者あり)事実を與えるであろう。
 まず石炭について申しますれば、石炭は、これを質的にしました結果、下の方の中小企業は、全部壊滅せざるを得なくなつておる。北海道におきましては四千五百カロリー以上でなければならない。ほかでは三千七百五十カロリー以上でなければいけない。しかるに、三井の三池炭鉱のごときは実に七千カロリーの上質のものであるため、百八十三という價格で買い上げられる。すなはち、普通百に対して八十三だけ余計の値段で買い上げられるのである。こういうことは一体どうだ。これで自由競争をさせるならば、いよいよますます中小企業者は壊滅せざるを得ない。それは結局するところ投げ賣りせざるを得ない。從つて、この價格は、独占資本は高額、中小企業家の方が低額にならざるを得ないのではないか。
 さらに、眞空管につきましてもどうだ。このわくをはずした。はずすことに賛成したのは、東芝以下大資本家である。これを組み立ててラジオにして賣る中小企業家諸君がみな反対したのは何ゆえか。すなわち割当がなければ、この独占資本の引上げ價格に追随せざるを得ない。自分らの商賣は上つたりである。これが事実。
 亞炭においてもそうだ。亞炭において、これを自由にしたらどうなる。亞炭は大資本家が買い占める。これらが輸送もすべて支配したために、中小企業家は、全部亞炭は破滅したのである。(「違う」と呼ぶ者あり)違うのじやない。あげるならあげなさい。証拠をあげなさい。これは壊滅的である。(「机上の空論だ」と呼ぶ者あり)机上の空論ではない。さらに……(「違う違う」と呼ぶ者あり)そんなことはない。これはちやんと新聞が報告しておるのだから違わない。
 さらに諸君は、りんごを見よ。りんごは、これは自由販賣にしてからどうだ。すべて大きいやつらが買い占めた結果、かえつてこれら中小企業家は破滅。弘前のごときは、送れない企業家は、送れない商業家は、これはみな…。
  〔発言する者多し〕
#53
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。徳田君、時間がすでに経過しておりますから、結論を急いでください。
#54
○徳田球一君(続) しかるに…(発言する者多し)まあまあ待てよ、がやがや言う必要はない。
 さらに賃金に対しましては、赤字融資を停止し、物價水準に影響を與える賃金の引上げを禁止し、財政の均衡を前提とすることの三大原則をきめまして、これを実行するとしておりますが、この結果はどうか。この結果、賃金はまつたくくぎづけになりました。物價は上る、賃金はくぎづけ、これでどうなるのだ。この点について、昭和十二年を基準に百として、ちよつと現在までのことをはつきりさせたい。昭和十二年の実際の賃金は五十三円六十二銭。千八百円ベース片山内閣のときに、あれほど非難された千八百円ベ―スは、この十二年に換算しますれば二十六円四銭、すなわち四八・五%、まだよい方である。三千七百円ベースになつたら、これは十円七十三銭であつて、実に二〇%、すなわち五分の一に下つておるのである。今これを、泉山君の主張によりまして五千三百円としますれば、わずかに十二円である。これは二二・三%にすぎない。六千三百円にしましても十四円二銭であつて、二六・一%であり、四分の一にしかすぎない。これでも四分の一。七千三百円手取りにしても十九円五十四銭にしかすぎなく、実に三六・四%にすぎないのである。そういたしますれば、これでも三分の一…。
#55
○議長(松岡駒吉君) 結論を急いでください。
#56
○徳田球一君(続) そろそろ結論を急ぐことにしましよう。
 かくのごとく労働を強化すると言つております。そうして、そのために行政整理をするのでありますが、事実行政整理はどうなつておる。昭和七年の百に対しまして、昭和二十二年を見ますと、勅任級が六百五十四、すなわち六・五四倍になつておる。奏任級が六百十七、判任級に至りましては、わずかに三百二十七にしかすぎない。いかに下を酷使していて、上の腐敗堕落している者がうずを巻いて上昇して行くかということが、よくわかる。だから、雇員やその他の人々は、実にもつともつと低い程度にしか上つていない。だからして、首を切るというならば、大頭株だけどんどん切らざるを得ない。現に、首を切る、首を切ると言いますが、税務官吏なんかどうだ。定員は七万五千人、しかるに実際の現員は三万六千人、半分にしかすぎない。どこを首を切るか。半分にまた首を切つたならば四分の一になる、それで仕事ができるか。鉄道は、現業員の不足は大体三割である。病人の続出は非常に多く、結核の増加は非常に多い。今は大体九%。これは四・五%くらいが普通である。実際二倍になつている。これは診察した結果でありますから、決して無法なものではない。しかも、全逓などの定員は実に少く、ある郵便局のごときは、半分しか電話手がいないために労働過重になる。この過重勤務の手当さえも拂われない。(「多過ぎる」と呼ぶ者あり)多過ぎる、多過ぎると言う。それならやつてみるがよろしい。首を切つてみるがよろしい。すべてのものがとまるであろう。だから、君らがやつてみるがいい…。
#57
○議長(松岡駒吉君) 徳田君、相手になつていないで結論を急いでください。
#58
○徳田球一君(続) それでは、相手になりつつ結論を急ぎましよう。そうしなければ結論にならない。
 從つて、行政整理はする。企業整備はする。首切りは來る。だからストライキが起るのである。首を切らずに優遇をすれば、だれがストライキをやるか。(「君が煽動するからだ」と呼ぶ者あり)ばかなことを言うな。いくらおれが煽動したつて、おれが魔術を用いたつて、そうストライキというものは、たやすく起るものではない。しかるに、勞働組合に対する彈圧はひどく、公務員法は労働者の全権利を奪い、これを一般労働組合運動に及ぼしますとすると、えらいことになる。しかも、最近の労働組合運動は、いわゆるポツ政令でありますが、非常に重罰主義である。こんなわずかなことでも八年や十年というのがある。一方政界、官界、財界の腐敗の摘発は怠慢である。これらの人には、みな軽罰主義である。うんと大衆を苦しめ、國家の金を盗んでいる連中が、なあに、たいがいは執行猶予である。たいがいは証拠不十分である。なんてばかなことをする。これでもつてうまく行くという考えを持つたら、たいへんなことである。これは結局フアシズムに進みつつある。これに対して勞働者、農民、漁民、中小商工業者諸君が、全人民をあげて一大闘争をしようとすることは、当然ではないか。さて、かかる状態に対しまして、吉田首相は、植民地になつてもいいじやないか、こう言われる。共産党が反対するかもしれんけれども、いいじやないか。アメリカは、かつては植民地であつたが、今は大國になつているという、まつたく哀れな夢物語りをするに至りましては…。
#59
○議長(松岡駒吉君) 徳田君、結論を急いでください。
#60
○徳田球一君(続) 結論はすぐにつきますから――ごらんの通りすぐです――でありますから、この首相の妄想は実に政治を託するに足らないと思うがいかん。この点につきまして特に吉田首相の明快なる御答弁をいただきたいと思います。
 第七点におきまして、政界、官界、財界の粛正を、民自党はこれを一枚看板にしてやつておりますけれども、事実地方におきまする現在の檢挙は、民主自由党員の檢挙が非常に多い。腐敗堕落の事実は続発しつつある。もし諸君が、この官界、財界、政界を粛正するならば、民主自由党の首は、すぽつとここに落ちてしまうが、いかん。(拍手)はたしてやれるかどうか。事実ひどいところにおきますと、八王子のごときは、検察廳も裁判所も税務署も、すべて大やみ屋と結託して、ひどいことをやつている。しかもこれには、民自党の市会議員その他がみな檢挙されているのである。かかる事実にかんがみまして、諸君の政界の粛正及び官界、財界の粛正に対しまして、特に吉田首相がいかなる実際上の行動をなされるかにつきまして、明快なる回答を望む次第である。(拍手)
  〔國務大臣吉田茂君登壇)
#61
○國務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。
 政府は行政整理をするかしないかという御質問でありますが、これはいたすつもりであります。またいたす必要があるのであります。日本が敗戰後の今日、領土は縮小せられ、そうして一面にはインフレーションが進行するために、どうしても日本の財政は縮小せしめなければならない、とすれば、自然行政整理もこれを考えなければならない必要のもとにあるのであります。(拍手)しかしながら、その行政整理のいたし万によつては、失業者その他國民の苦難も考えなければならぬのでありますから、政府としては、なるべく万全を期して、あまり急激な、苛酷な状態に陷らないように、万全を期していたす覚悟であるということは、けさ人事委員会においても申した通りであります。
 また、疑獄事件等の整理、始末については、いろいろお話もありましたが、政府としては、断然これは始末いたすつもりであります。これが民自党に関しても関しないでも、これは國民の納得の行くまでに十分なる処置をいたす考えでおります。一應お答えといたします。(拍手)
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#62
○國務大臣(泉山三六君) 徳田さんにお答え申し上げます。
 まず第一に、不等價貿易と申しますか、それをいつまで続けるのか、こういうことでございました。その意味合いにつきましては、私はつきり了解はいたしかねるのでありますが、日本の現在の対外貿易状況は、なるほど一種の異常状態にあることは、まことに遺憾とするところであります。わが國といたしましても、一日もすみやかに正常なる取引を外國との間になし得るような態勢に持つて行くことが必要であると考えまして、その方向に向つて不断の努力を拂つておる次第であります。ただ、ただいま徳田さんのあげられましたいろいろの数字につきましては、まことに理解しにくいのでございまして、この点はお許しを願いたいと思うのであります。
 なお、外資の導入と労働の搾取、こういうようなお話もございましたが、この点につきましては、政府の見解はその反対であることを表明いたしたいと思うのであります。(拍手)
 第三の点は、所得税の更正決定についてのお尋ねでございました。租税の適正徴收につきましては、かねてから政府におきましても万全の努力をいたしておる次第でございますが、この更正決定の問題につきましては、特に課税の適正を期したいと考えておる次第であります。しかしながら、今日所得税申告の実情におきまして、必ずしも十分の成績をあげておりませんことは、まことに遺憾とするところであります。
 以上、簡單に申し上げまして、なお聞き漏らしがございましたならば、お許しを願いたいと思うのであります。(拍手)
#63
○徳田球一君 議長。
#64
○議長(松岡駒吉君) 登壇は許しません。時間が十分間経過しておりますから、発言するなら自席でやつてください。
#65
○徳田球一君 政府の答弁はいずれも抽象的でありまして、何ら聞くに値いしない、答弁に値しないと信ずるのであります。かくのごとき政府をもつてしましては、今激変しつつある日本のこの情勢において、特に國際的な情勢が激変しつつある中におきまして、日本を再建しなければならない重任をになう政府としては、まつたく不適当でありまして、われわれは、この政府に対しまして徹底的に不信任であることをここに表明しまして、質問を終りたいと思う次第であります。
     ――――◇―――――
 証券民主化運動に関する決議案(大上司君外二十四名提出)
     (委員会審査省略要求事件)
#66
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、大上司君ほか二十四名提出、証券民主化運動に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
#67
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。証券民主化運動に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。川合彰武君。
  〔川合彰武君登壇〕
#69
○川合彰武君 各派共同提案になりますところの証券民主化運動に関する決議案の趣旨弁明を、ごく簡單に申し上げます。その前に、決議案の案文を朗読いたします。
   証券民主化運動に関する決議
  日本経済の再建にあたり資本の不足が大きな障害となつている。
  しかるに、今日では財閥解体等によつて大企業の資本力が減退し、國民の手による蓄積即ち大衆資本の動員にまつところが大である。
  また、現在急務となつているインフレーシヨン收束のためにも貯蓄の獎励と証券の投資は強力に推進されなければならない。
  この意味において、証券の民主的な消化は経済再建の基礎というべきであり、資本の大衆化を通じて経済政策の基本である経済民主化を実現するものである。
  かくて、われわれは経済再建の見地から、証券民主化の重要な意義を認め、國民各層の積極的な協力の下にその実現を促進するため、関係各界と相はかり全國にわたつて一大運動を展開せんとする次第である。
  右決議する。
以上が決議の案文であります。
 すでに、この決議案の案文によつて御承知の通りでありまするが、若干つけ加えますならば、日本経済の民主的再建にあたつて、証券の民主化がこういうように大きな問題をなすわけでありまするが、現在まだ旧財閥保有株の民主的な消化という問題もありますし、あるいは軍需補償打切りに伴う企業の再建整備も、増資の実現というようなことにまたねはならぬようなことになつております。同時にまた、経済の民主化というものは、独占資本を排除する、從つて各企業に大衆資本を動員せしめねばならないということに、当然なるわけであります。ところが、現在この証券に対する國民の理解というものは、投資と投機とを非常に混同しておる憂いがあるのであります。從いまして、私どもとしましては、証券取引に國民が安心して参加するような方法を考えねばならぬというように思つておるわけであります。そこで、今後國民全体が証券に対する理解の度を深め、みずからの貯蓄によつて直接に産業に投資するというようなことをはかるために、われわれとしましては、証券の民主化運動を各方面にわたつて展開したい、かように思つて、ここに本決議案を提案した次第であります。何とぞ御賛成を賜わらんことを切望いたします。(拍手)
#70
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際大藏大臣より発言を求められております。これを許します。大藏大臣泉山三六君。
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#72
○國務大臣(泉山三六君) ただいまの御決議の御趣旨は、よく了承いたしました、証券の民主化は、インフレを克服し、日本経済を民主的に再建いたしますためには、欠くべからざる重要事項でございます。政府といたしましては、從來証券の民主化のために各般の施策を講じて参つたのでありまするが、ただいまの御決議の御趣旨は十分これを尊重いたしまして、証券の民主化徹底のために、なお一層の努力をささげたいと存ずる次第であります。(拍手)
#73
○議長(松岡駒吉君) 明後二十二日月曜日は定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後五時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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