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1948/11/24 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 本会議 第19号
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1948/11/24 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 本会議 第19号

#1
第003回国会 本会議 第19号
昭和二十三年十一月二十四日(水曜日)
 議事日程 第十八号
    午後一時開議
 第一 自由討議
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 寒冷地における煖房手当並びに寒冷地手当支給に関する決議案(小川原政信君外三十五名提出)
 衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律等の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
 中小企業危機突破に関する緊急質問(笹口晃君提出)
 公團及び地方公共企業体の労働組合に関する緊急質問(辻井民之助君提出)
 中央並びに地方檢察官の業務執行に関する緊急質問(野上健次君提出)
    午後三時二十三分開議
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 寒冷地における煖房手当並びに寒冷地手当支給に関する決議案(小川原政信君外三十五名提出)(委員会審査省略要求事件)
#3
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、小川原政信君外三十五名提出、寒冷地における煖房手当並びに寒冷地手当支給に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に 御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 寒冷地における煖房手当並びに寒冷地手当支給に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。館俊三君。
    ―――――――――――――
  寒冷における煖房手当並びに寒冷地手当支給に関する決議案
   寒冷地における煖房手当並びに寒冷地手当支給に関する決議
  北海道居住の官公職員に対し煖房用石炭購入資金の至急並びに北海道その他寒冷地域居住官公職員に対する寒冷地給の早急支給をなすため、政府は、速やかにこれが補正予算を計上し、本國会に提出すべきである。
  右決議する。
    ―――――――――――――
  〔館俊三君登壇〕
#6
○館俊三君 今議長から宣告されました、北海道の官公労働組合の諸君に対する家庭用の暖房石炭の購入資金を即時支給してもらいたいということ、もう一つは、北海道及び東北六縣を主体とする地方、新潟・長野・北陸・信越地方を主体とするいわゆる雪寒地帯に対する寒冷地給をも即時支給してもらいたいという決議案でございますが、この決議案を上程するにあたりましては、ことに雪寒地帯に住むところの職員の熱望によりまして、各党派の諸君たちが熱心にこれを支持されておるのであります。從つて、この提案は共同提案という形になつて提出されたのでありますが、わが労働者農民党がその趣旨を弁明するという役目を承りましたので、ここでそれがいかに緊喫なものであるかということを説明いたしまして、諸君の御賛成をお願いしたい次第であります。
 極寒地に住んでおりますところの北海道の全官公職員というものは、薄給な上に、冬季におけるところの石炭その他まきというものに対する家庭用燃料の獲得に対しては非常に困難をきわめておつたのであります。戰爭当時におきましては、軍閥やその他の圧迫のために、われわれは一寸も動くことのできないような窮境に置かれまして、そういうことのために、残念ながらこの要求を提出することができない、さんたんたる光景になつておつた。そこで、終戰と一緒に、昭和二十年の年から二十一年、二十二年、今年の二十三年にかけまして、毎年のごとく、主として北海道の全官公労、國鉄及び全逓が中心になりまして、はるばる上京して参りまして、政府当事者を説得し、いろいろの方法によつて、毎年不足ながらもこの給與を受けておりました。その後、この給與がいかに必要であるかということが、みんなに徹底して参りましたので、昭和二十年ごろから、北海道におけるところの出先機関である各省、各局の首長も、これと同調いたしまして、組合の提出する石炭購入資金あるいは寒冷地手当の支給と同時に、各局の首長会議が持たれまして、これからも、ほとんどそれと同じ要求が、それぞれの省に向つて提出されております。ことに去年のごときは、組合が調査した必要資金よりも、各局の、たとえば出先の鉄道局長あるいは海運局長あるいは商工局長などの首長会議の決定したところの資金の方がかさ高になつておつたくらいなものなのであります。
 そうしておるうちに、今度は東北六縣及び新潟縣、長野縣、それらにおける全官公労の諸君も、從來も冬の仕度に困つておつたのでありますから、これに同調いたしまして、相ともどもこの、資金の獲得のために猛運動を続けておりました。この運動が効を奏しました結果、今度の政府及びその前の芦田内閣においても、聞くところによりますと、大体この雪寒地帯における職員に支給する寒冷地給及び北海道の職員に対する暖房用石炭その他の燃料の講入資金については、相当のめどをもつて予算を編成しておるかのように聞いておるのであります。
 しかるに、今北海道にしろ、東北六縣その他は、すでにもう寒冷期に臨んでおりまして、北海道のごときはすでに最南端の函館でも降雪を見ておる次第であります。しかも、各駅の駅頭には、配給すべき石炭が十五万トンくらい停滞をいたしておりまして、資金の欠乏から、これを各自が家庭に引取ることができないような状態になつておるのであります。寒冷地において、そういうふうな状態でありましては、職員が自分の職責を全うする上においても非常な困難を來しておりますし、また冬を控えて――今すでに冬に入つておるのですが、その際に、そういう家庭に必要なところの――北海道では食糧と燃料が最も大事で、東北六縣あるいは新潟、長野の地区においても、これのために非常な困難を感じておるのでありますが、それを早急に支給してもらえるだろう、こういうふうに、今年に入つてからの運動においても感じておつたところが、今もつてその予算がこの議会に提出されておらないということで、それらの人がいかに焦慮し、いかに煩悶しておるかということは、ここにいて、手にとつて見るがごとき状態であります。そういうことでありまして、今ここに政府が、公務員法が通つたらばただちに解散をするのじやないか、賃金ベースはきまらず、これもきまらないで解散する場合における北海道の職員あるいは東北六縣その他の職員の窮状は、目にあまるものがあるのでございます。從つて、今この議場の外には、それらの組合員及び官廳筋、北海道知事初め、やつきとなつて、各省を運動してまわつておりのでありまするが、幸いにして、各党にこぞつてのこの提案に対する支持でございまするので、詳しいことは私申し述べませんが、絶対にここでこの案を支持していただいて、政府をして、ただちにこの二つの單独予算を本議場に提出せしめ、今生活燃料その他に対して困難をしておるところのこれらの地方の職員を一時も早く救済をしてやりたい、救済をしなければならない、そういうことで提案の趣旨の説明を終りたいと思うのでありまするが、どうかこの点十分に了承していただいて、一刻も早くやつていただきたい。政府当局といたしましても、今もつて予算案の提出ができない、しておらない、こういうことが、いかにこれらの地方における職員を不安焦躁の氣持に陷らしめておるか、わからないのであります。これは家族全部が、一家そろつての悲痛な氣持から、この決議案に対する説明をしておるのであります。これで私の趣旨説明を終る次第であります。(拍手)
#7
○議長(松岡駒吉君) 討論の通告があります。これを許します。森三樹二君。
  〔森三樹二君登壇〕
#8
○森三樹二君 私は、ただいま議題となりました、各党共同提案にかかわる寒冷地における官公職員に対し暖房手当並びに寒冷地手当支給に関する決議案に対し、賛成の意見を申し述べるものであります。
 北海道を初め東北、北信、山陰等の寒冷積雪地帯におきましては、すでに積雪三十センチ以上の地域もありまして、氣温は急激に降下し、風速また冬季型の猛威を示しまして、その峻烈は骨をさすの趣きがすでにあるのであります。しかも、その期間は約半年に及ぶところさえあるのでありまして、例を私の故郷でありますところ北海道にとりますれば、嚴冬の一月あるいは二月のごときは、零下二十七、八度という温度は珍しいことではないのであります。五月ごろまでもストーブをとることができないというような寒冷の地帯でありまして、今や寒氣に対する防禦準備こそは、現下絶対的な急務であります。
 また、現在のインフレ物價に対しましては、わずか三千七百九十一円ベースの支給では、多数の官公廳の職員諸君は日常の食糧等の配給物の購入に事を欠いている次第でありまして、暖房用の石炭、まき、衣料等を購入する資金は、とうてい及びもつかない次第であります。端的に言えば、食うだけがようやつとでありまして、それ以外の防寒設備等は、とうていなし得ない眞相であります。たとい賃金ベースが改訂せられたといたしましても、物價高騰の比率には追いつき得ない経済状態の今日におきまして、賃金と別途にこれらの手当を支給すべきことは、理論上正当と言わなければならないのであります。
 われわれ寒冷地におけるところの議員は、前内閣当時から強くこの要求をいたしまして、すでに芦田内閣当時におきましても、これが決定を見ておつた次第であります。政府が責任をもつて、今明日中にもこの手当の追加予算を國会に提出されて、來月早々寒冷地の官公廳職員に対し現実に手当を支給されることを強く要望するものであります。(拍手)
 本問題に関しましては、冬仕度を憂慮しております寒冷地の職員からは、多数の電報、書面等が、われわれの机上にうず高く積まれているのでありますが、これは切実なるところの現地からの叫びでありまして、われわれは、一日もこれを等閑に付することはできないのであります。(拍手)われわれは、過般來、大藏当局に対しまして、その具体的措置をしばしば要求したのでありますが、その実現こそは、一日千秋の思いで、あの寒冷の地において官公職員は待つているのであります。
 本月二十日の新聞紙上によりますと、大藏大臣は、十九日の定例閣議におきまして、追加予算として総額五百六十四億円を提出し、翌二十日の新聞には、閣議においてこの泉山試案を六百二十五億円に修正した旨を発表されているのでありますが、この追加予算中には、暖房炭及び寒冷地手当として十五億円が計上されているということであります。しかしわれわれは、直接政府当局の責任ある説明は聞いていないのでありまして、幾ばくが正確に計上されているかということに対しましては、非常に憂慮をいたしている者であります。
 私の計算をもつていたしますと、暖房用石炭手当につきましては、一世帯二トン三分といたしまして、十四万世帯に対して、その金額七億五千万円、寒冷地手当については約十二億円、合計十九億五千万円程度を絶対に私は必要であると考えているのでありますが、政府は、この際何をおいても、本予算については出し惜しみをしないで計上せられたいと思うのであります。政府当局が、この決議案に対して、以上の予算的措置を明確に説明していただくならば、私は非常に幸いであると考えるのであります。月末の解散の声もしきりに放送されているのであります。万が一、かような状態になりました場合においては、これらの一刻も放任できないこの寒冷地暖房炭並びに手当に対しまして、政府はいかなる措置をもつて支給せんとするのであるか、この点についても、泉山藏相の明確なる御説明を願うならば、まことに私は、それらの人々に対して仕合せである、かように考える次第であります。
 私は、積雪と寒氣にふるえているところの官公廳員諸君の生命を守るたあに、政府はこれらの手当をすみやかに支給されることを要望するものであります。今会期中に本予算が通過して、來月早々現実に支給することができないとするならば、多数の凍死者、病人等が続出することも予想せられまして、事態はまことに重大を予想せられるのであります。この点、強く壇上より政府に対して警告を発すると同時に、以上所見を述べまして、本決議案に賛成の意を表する次第であります。(指手)
#9
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
 この際大藏大臣より発言を求められております。これを許します。大藏大臣泉山三六君。
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#11
○國務大臣(泉山三六君) ただいま御決議の御趣旨は了承いたしました。石炭購資入金並びに寒冷地給の支給に関しましては……。
  〔議長退席、副議長着席〕
北海道その他の寒冷積雪地におきます生活の実情にかんがみ、政府といたしましては早急に措置すべき重要なる問題と考えておりますので、できるだけ早い機会にこれが成案を得べく、目下関係方面との間に折衝中でございまして、追加予算の編成ともにらみ合せ、十分御決議の御趣旨に沿うよう努力いたしたい所存でございます。
 右、御了承を願います。
  〔森三樹二君「予算の内容をちよと言つてください」と呼び、その他発言する者あり〕
     ――――◇―――――
 衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律等の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
#12
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、地方行政委員長提出、衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律等の一部を改正する法律案を、委員会の審査を省略してこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
#13
○副議長(田中萬逸君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔(異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。地方行政委員長山口好一君。
  〔山口好一君登壇〕
#15
○山口好一君 ただいま上程になりました衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律等の一部を改正する法律案につき、法案の内容及び委員会における審議の経過並びに結果につきまして簡單に御報告申し上げます。
 本法律案につきましては、去る十一月十六日、千賀康治君を小委員長とする十名の起草小委員会を設け、鋭意立案に努力いたしました結果、去る十一月二十日、別紙のような成案を得ましたので、本日これを千賀小委員長より地方行政委員会に報告し、本委員会において愼重審議をいたしたのであります。
 まず法案の内容から申し上げますと、この法律案は、衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律、選挙運動の文書図画等の特例に関する法律及び地方自治法の各一部を改正しようとするものでありまして、全文三箇條から成つております。
 まず第一條は、衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律の有効期間を延長しようとするものであります。この法律は、いわゆる臨時名簿の調製に関する法律でありまして、選挙人名簿の調製について定時名簿主義を採用いたしております現行制度の欠陷を補うため、選挙の都度新たな有権者、脱漏者、引揚者等を登録する臨時選挙人名簿を調製するため昨年一月制定せられたものでありますが、これが本年十二月二十日をもつて失効いたしますので、この際その効力を延長して、十二月二十日以後に行われまする選挙につきましても、臨時に衆議院議員選挙人名簿を調製することにいたし、もつて國民の選挙権行使に万遺憾なからしめようとするものであります。
 次に第二條は、選挙運動の文書図画等の特例に関する法律の有効期間を延長しようとするものであります。衆議院議員の選挙について、先般第二回國会を通過いたしました選挙運動等の臨時特例に関する法律が適用せられることになりました後でも、参議院議員の選挙及び地方公共團体の選挙には選挙運動の文書図画等の特例に関する法律が適用せられるわけでありますが、本年末をもつてその効力を失うことになつておりますので、現下の用紙その他の状況にかんがみまして、当分の間その効力を延長しようとするものであります。
 次に第三條は、都道府縣及び市町村等の選挙管理委員会の委員の現行二年の任期を三年に改めようとするものであります。これらの選挙管理委員の任期が現在二年とされておりますのは、選挙管理委員制度を初めて設けます際には、選挙管理委員がその在職中関係区域において被選挙権を停止せられたり、または選挙運動を禁止せられるというような、相当不利益を伴うことを考慮した結果でありますが、制度実施の結果に徴しますと、これらの不利益は選挙管理委員を選びます上に支障を伴つていないのでありまして、かえつて二年という任期は、選挙管理委員の職務が專門的知識を要するものであることよりしましても短きに過ぎると考えられますので、これを全國選挙管理委員の任期と同じく三年にしようとするものであります。なお、現在の選挙管理委員の任期はすでに満了しておるものもありますが、いまだ後任者の選挙の行われていない所も多く、これらのものにつきましては、目前に農業調整委員の選挙その他重要な選挙を控えております関係上、せつかく選挙の事務になれておりますこれらの人々を引続き存在せしむることが適当と考えられますので、附則第二項のごとき経過規定を設け、このような委員についても、その在任期間を一年延長しようとするものであります。
 以上第一條及び第二條の関係はいずれも緊急を要し、必要な改正であり、また第三條も、現在の事情及び選挙の実際から考え、選挙管理委員の任期を延長することが適当と思料いたす次第であります。以上をもつて法案の概略説明といたします。
 なお委員会の審議につきましては、この種委員の任期はだんだん短くするのが今日一般の趨勢であるのに、これに逆行して長くするのはいかがかとの説も出ましたが、それは前に述べましたような理由の方が強いので、原案のままとすることになりました。、また第三條において地方自治法を改正するごときは、附則で他の法律を改正するという戰時中の一時的便法にならつておるものであつて、今日なおさようなことを続けて法律の体系を乱るがごときは不適切であるとの意見も出ましたが、今日はとりあえずこの程度で進行するということになりました。
 なお、本法案起草の協議にあたりましては、常に全國選挙管理委員会事務当局の出席を求め、連絡協調を保ちつつ成案を得たものであることを附言いたしておきます。
 以上、御報告申し上げます。
#16
○副議長(田中萬逸君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決されました。
     ――――◇―――――
#18
○副議長(田中萬逸君) 先刻議決いたしました決議案に関連して、大藏大臣より重ねて発言を求められております。これを許します。大藏大臣泉山三六君。
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#19
○國務大臣(泉山三六君) 先ほど、寒冷地におきましての暖房用手当並びに石炭手当その他の手当等につきまして、の決議案に対しまして、私は政府といたしましての決意を申し上げたのでございましたが、なお重ねてさらに詳細にわたつて、かようの切なる御希望がございましたので、政府といたしまても、まさに同様の氣持にございまするので、私は重ねて詳細に御答弁を申し上げたいと思うのでございます。寒冷地、雪冷地におきましての特別手当の予算化につきましては、政府といたしましても、すでに相当額の計上を予定いたしておるわけでございまするが、何分にも目下関係方面との折衝中に属しますので、その計数につきましては、いまだ具体的にここに言明することができないのを遺憾とするところでございます。
 右、御了承願います。(拍手)
     ――――◇―――――
 中小企業危機突破に関する緊急質問(笹口晃君提出)
#20
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、笹口晃君提出、中小企業危機突破に関する緊急質問、辻井民之助君提出、公園及び地方公共企業体の労働組合に関する緊急質問、野上健次君提出、中央並びに地方檢察官の業務執行に関する緊急質問を逐次許可されんことを望みます。
#21
○副議長(田中萬逸君) 今村の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 中小企業危機突破に関する緊急質問を許可いたします。笹口晃君。
  〔笹口晃君登壇〕
#23
○笹口晃君 中小企業が非常な窮乏のどん底に陷りつつありますことは、すでに皆様もよく御承知でありますので、ことに多言を要しないことと思うのであります。中小工場の閉鎖等が相次で起りますし、また中小商業者の倒産、店じまい等が相次いで目撃せられまする今日、私どもは、中小企業の將來というような問題よりは、中小企業をして、さしあたつてどうしてこの危機を切拔けさせるかということにつきまして、この際政府の所信をきわめて明確にしておいていただきたいと思うのであります。問題は、金融の問題と課税の問題その他一、二の問題に限局をいたしまして、しかもきわめて緊急性のある問題に限定をいたしまして質問を申し上げますので、どうか落ちなく御答弁をいただきたいと思うのであります。
 まず第一番に、中小企業が窮乏のどん底に陷りました一番大きな原因は、何と申しましても今日の金融逼迫によるものであろうと思うのであります。これに対して、先般成重君よりも質問をされたのでありましたが、そのときの商工大臣の御答弁は、いささか数字等に相違がございましたが、私どもといたしましては、中小企業の金融難を打開することこそ今日の企業危機突破の最大の方策であると考えております。
 しかるに、前内閣によりまして中小企業金融の途が開かれまして、さしあたり復金は、十億の融資わくによつて二十億の金を使い得る方策を講じたのでございますが、その後における実態はどうであろうかと申しますと、大体代理貸付方面おいて、われわれの調査したところによりますれば、申込者のわずか一割弱くらいしかこの資金融通を受けることのできない実情にあります。さらに損失補償によりまする地方銀行経由の貸付に至りましては、ほとんど成果の見るべきものがございません。銀行といたしましてはこの金を貸し出すということを喜ばないような事態が幾多起つておるのであります。從つて、現在資金難に陷つておりまする業者は、あるいは銀行の門をたたき、あるいは復金において行列をいたしまして、いささかでも金を手に入れるということについて狂奔いたしておりますのが、今日の実情であります。
 この問題を打開して参りまするのには、われわれへの考えといたしましては、どうしてもこの資金わくを拡大していただくよりほかに根本的な解決策がない。先般、商工大臣の御答弁によりますと、拡大するがごとき御意見でごさいましたが、実際に数字を検討いたしてみますと、從來よりもむしろ縮小するような数字をお述べになつております。私どもといたしまして考えるのには、現在この資金難を打開いたすためには、最小限度一期間五十億の金の融通をしなければならないであろうという結論が出て來ているのであります。このうち約二十億は代理貸付によりまして、あとの三十億は、これは十億だけを政府資金のわくから出していただき、現在と同じような保証貸付によりまして三十億円まで融資をしていただく、大体この程度までいたしましても、それでも現在資金を必要とするものの約二割五分くらいしか充足せられないだろうと思いまするが、この程度に拡充される御意思はないかどうか。復金がただいま貸付をいたしておりまする金額は、総額にしまして九百八十億と承知いたしておりますが、そのうち一期間五十億くらいを中小商工業者にまわしていただくことは当然であろうと存じます。この点について、大藏大臣はすみやかにかような資金わく拡大の処置をとられる御意思があるかどうか、これが第一点であります。
 次には、この資金を借入れまするのに、融資準則に基きまする融資順位というものがございます。この融資順位というものは、戰時中に行いました融資準則あるいは融資順位、これを今日でもまだ踏襲をいたしておるようなきらいがございまして、平和産業に立ちもどりました現在といたしましては、きわめて実情に即さないものがある。すなわち重点産業、傾斜生産本位の融資準則でございまして、特にこの融資準則の中でわれわれが不満に考えまするのは、商業者を丙の位に取扱つておることであります。商業者と申しましても、一般流通部門を担当いたしておりまする人々が、資金難で今日配給を受けることができない。割当がありましても割当を辞退しなければならないというような事態が起つておりまする際に、はたして商業者を融資順位丙位に置くことはどうであろうか、こういうものは、もつと実情に即して改訂してもらつたらどうであろうか、かように考えるのでございますが、この融資順位を変更なさる御意思がございますかどうか。
 第三点としましては、金融逼迫の大きな原因といたしまして、これは本議場でもたびたび指摘せられておりまするが、政府支拂の遅滞という問題がございます。この問題については、前大藏大臣以來、常に口を開きますれば、すみやかに促進するというような御答弁を得ておるのでありますが、末端に参りますると一向徹底いたしておりません。いまだにこの問題が澁滞をいたしておりまするために、これが金融難に拍車をかけておるという実情でございますが、政府支拂の促進については、大藏大臣はいかような措置をとられるか、御答弁いただきたいのであります。
 第二番目の問題としまして、課税の問題を御質問いたします。まず、今日燎原の火のごとく全国に広がりましたのは、中小企業者を中心といたしまする不適正課税に対する反対運動でござやます。すでに関東におきましても、鎌倉その他の市におきまして、あるいは西の方へ参りますれば、福岡を中心とした北九州一帯の都市におきましては、一日業務を休みまして、これに対する運動を展開いたしておるような事実があるのであります。
#24
○副議長(田中萬逸君) 結論に入つてください。
#25
○笹口晃君(続) この問題は、すでに各員からも、いろいろな角度で質問をされておるのでございまするが、私としては、とりあえず政府にやつていただきたいことは、更正決定がございましたものに対して、あるいは再審査の請求をいたされました場合、追徴金や延滞利息あるいは加算税等を減免なさる処置ができないかどうか。これは前内閣におきましては、北村大藏大臣が措置をとられたのでありますが、今次の内閣においては、これをおやりになる御所存かどうか。もう一つは、税金の支拂が非常に困難でございまするので、分割拂を認められるかどうか。これも、法律をかえませんでも、大藏省の御措置によつてできることと思いまするが、この二点、とりあえずお伺いをいたしておきたいのであります。
 さらに、商工大臣に一言お伺いいたしたいのは、現在の資材割当で、クーポン制を再検討しなければならぬときがきているのではないかと考えます。切符によりまする割当制度というものが、ようやく軌道に乗つて参りました。ところが、業者がこれに対して相当の熱意を示しているにもかかわらず、クーポンの発行が遅滞いたしておしまするために、心ならずも、製品はあつてもこれを流通面に流すことができない。それがために事業が非常に遅れているというような事実がございまするし、もう一つは、せつかくチケツトを集めましても、これに対する原料あるいは材料の裏づけが予定通り参りませんで、予定量の二分の一あるいは三分の一、はなはだしき原料に至つては四分の一ぐらいの割当しかいたしませんために、業者のこれに対する熱意がはなはだ薄くなつて來ているのであります。こういうような問題がやはり中小企業窮乏の一原因となつており、しかも物資流通秩序を確立いたしまする点からは、きわめてまずい結果を招來していると思いまするが、この点について、商工大臣は是正なさる御用意ありやいなや。
#26
○副議長(田中萬逸君) 時間です。
#27
○笹口晃君(続) 最後に、價格の最高統制額を再檢討なさる御意思があるかどうか。時間がございませんから、これで結論といたしまするが、要は、今日の最高統制制度というものが現在の中小商工業に非常な災いをなしております。実例はあげるまでもなく、すでに商工大臣御存じであろうと思いまするが、價格行政をいかにお扱いになるつもりであるか、この際明確にしていただきたいと思います。私の質問は以上で終ります。(拍手)
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#28
○國務大臣(泉山三六君) 笹口議員のお尋ねに御答え申し上げます。
 まず、中小商工業者に対する金融のわくを広げる考えはあるか。中小企業に対しましては、現在復興金融金庫の代理貸し制度、保証融資制度、日銀の中小企業に対する資金供給の制度及び復興金融金庫の直接融資制度等によりまして、必要なる資金の供給について努力いたしておるのでございまするが、今後とも、この方面に対する融資につきましては、これらの企業の実情に即応するよう、しかしてまたその総額につきましても、加及的にこれを増加するよう、特段の努力をいたしたい所存でございます。
 質問の第二点は、資金融通準則の融資順位表を訂正する考えはあるか、かようなことでございまするが、今日の資金融通準則は、その制度以來相当日子を経過いたしておりまするので、これを現状に即應いたしますよう、目下その改正について檢討中でございまして、近く成案を得次第、ただちに発表の運びと相なる見込みでございます。
 質問の第三点は、政府支拂遅延につきまして、これが対策いかん、かようなことでございましたが、お示しの通り、政府支拂の遅延につきましては、民間企業の金詰りに関連いたしまして、最近殊に論議の対象となつておりまするので、政府といたしましても、先般來、これが原因の究明と、しこうしてその改善の対策について、せつかく研究を進めておる次第でございます。
 御質問の第四点以下は、税金に関する問題であります。
 まずその一つは、税金の更正決定について再審査の請求ある場合の御質問でございましたが、再審査の請求がございましたるあかつき、誤謬を認めました場合には、すみやかにこれを訂正することはもちろんでございます。また更正決定を行いました場合、申告不足額につきまして、加算税、延滞利息を課することは、やむを得ないと存ずる次第であります。
 税金につきましてのお尋ねの第二点、税金の分割拂いをこの際便宜的にやつてはいかがか、かようのことでございまするが、所得税につきましての分割拂いを認めることは、今日税法上できないことに相なつておりまするので、御了承願いたいと存じます。
 なお最後に、取引高税に関しまして、もしこれの即時撤廃が困難なようでありますならば、サービス業等について免税措置を考慮する意思はないか、かようのことでございましたが、取引高税の問題につきましては、私が本議場におきましてたびたび声明いたしました通り、近き將來におきまして撤廃をいたします考えでございますので、かような問題は自然消滅いたすのでございます。
 右、御了承願います。
  〔國務大臣大屋晋三君登壇〕
#29
○國務大臣(大屋晋三君) 笹口君の御質問に対しましてお答えをいたします。中小工業の非常に重大であること、かつまた中小工業が非常に困難に直面しておるということは、笹口君とまつたく同感でございまして金融の点、資材の点、また價格の点に対する政府の所見を、まず金融の点からお答えいたします。
 これは、ただいま大藏大臣がお答えをいたしました通り、現在は復興金融金庫の方の額のわくは十億円でありまするが、將來これを五十億円ぐらいに拡大する意思はないか、こういうお話でありました。商工省といたしましては、予算に増額を要求いたしておるのでありまするが、現在この復金の十億円の内容が、代理貸付と損失補償制度の割合を、代理貸付の方を御承知の通り八億五千万円に拡大いたしましたので、大分從來よりもこの機能が高まるということを御承知を願いたいのであります。また、日本銀行の中小工業に対するわくが、現在三億五千万円ないし四億万円ございますが、このほかにさらに数億の増額をいたしたいと、目下それぞれ折衝中でございます。さようにしまするというと、少くとも約二千億の金融がこの面におきまして流通されるということを御承知を願いたいと思います。
 さらに資材の点でございますが、これは各業種々々におきまして、それぞれの資材の配給の審議会をつくりまして、適切にこれを運用して行きたいと思つております。また貿易関係の資材につきましては、ただちにクーポンを貿易廳の方から発行いたさせるというような方式を、從來よりももつと敏速にいたしたいと考えております。
 さらに最後に、最高價格方式を是正する考えはないかというお尋ねでございまするが、これは一連の債務政策とにらみ合せをいたしまして、なるべく不要なるところの統制を撤廃するという線に沿いまして、御希望に沿うように盡力いたしたいと思います。(拍手)
#30
○笹口晃君 簡單でありますから、自席で再質問をお許し願います。
#31
○副議長(田中萬逸君) よろしゆうございます。
#32
○笹口晃君 ただいまの大藏大臣の御答弁で、税金の問題についての答弁が、はなはだ冷淡きわまるものであると思つておるのであけます。私どもは、現在の法規の範囲あるいは政府の処置でできることをやつてもらいたいと希望いたすのであります。と申しまするのは、本年一月、二月に、昭和二十二年度の更正決定に対する再審査請求が殺到いたしました際には、政府は、これに対して適当な処置を講じて、一應切抜けて参つて来ておるのであります。それは、先ほど申し上げました通りに、善意の滞納者、しかも事情やむを得ずして納入を遅滞するような者に対しましては、政府としましては、これに対して、あるいは加算税、延滞利息というようなものを、一箇月間免除をいたした実例があるのであります。であるから、これを今回もこのような方針でやつてもらえないかという質問であります。前内閣でできたことであるから、当然この内閣でもその措置はとれるものと私どもは考えて、質問をいたしたのであります。(拍手)
 さらに税金の分割拂いが、税法上これが不適当であるということは、承知いたしておりますが、実際の取扱いとして、今日の商人なり、あるいはまた中小工場なりが、多額の現金を一時に納入するだけの資金繰りができないために、延滞をいたしておる者が非常に多いのであります。こういう者に対しては、やはり便宜的に分割拂いを認めることによつて納税を促進させることができますから、私どもはかように申し上げる。これも、過去において税務署等の取扱いにおいてやつて來た実例でございまするから、特に大藏大臣の御考慮をお願いいたした次第でありますが、これに対してはなはだ冷淡なお答えは遺憾であります。
 もう一度、この二つの問題について、やつてもらえるか、もらえないか、ことに中小企業者に対して、非常に理解あるところの現政府が、かような処置ぐらいがやれなかつたならば、看板に偽りがあるという結論になることおよく御承知の上、答弁していただきたいと思うのであります。
  〔「その通り」と呼び、その他発言する者多し〕
#33
○副議長(田中萬逸君) 靜粛に願います。
  〔國務大臣泉山三六君登壇〕
#34
○國務大臣(泉山三六君) 笹口議員のお尋ねに、重ねてお答え申し上げます。
 その御再質問の第一点は、税金の更正決定についての再審査の場合に、これを特に認めまして、加算税、延滞利息を課しないことがあつた、かようの前例についてのお話しでございましたが、なおその御趣旨につきましては、政府といたしましても十分これを了承して、善処いたしたいと思うのであります。
 御再質問の第二点は、税金の分割拂いをこの際認めてはどうか。この点につきましても、その御希望のございますところは、よく了承いたしたのでございまして、なるべくこれを研究の上にお答えしたい、かように思うのであります。
     ――――◇―――――
 公團及び地方公共企業体の労働組合に関する緊急質問(辻井民之助君提出)
#35
○副議長(田中萬逸君) 公園及び地方公共企業体の労働組合に関する緊急質問を許可いたします。辻井民之助君。
  〔辻井民之助君登壇〕
  〔「総理大臣はどうした」「総理大臣を呼べ」と呼ぶ者あり〕
#36
○副議長(田中萬逸君) 総理大臣は、ただいま議院運営委員会に出席中であります。出席を求めております。
#37
○辻井民之助君 私は、日本社会党を代表いたしまして、公務員に関する若干の重大問題について、総理大臣、労働大臣並びに臨時人事委員長に質問をしたいと思います。
 憲法第二十八條には、勤労者に対して團結権、團体交渉権及び團体行動をなす権利、すなわち労働組合運動の自由を保障してあるのであります。しかるに、官公吏その他公務員に対しては、この憲法の保障する基本的人権を、國家公務員法並びに労働関係調整法等によつて、はなはだしく制限をいたしております。しかるに、今回政府が提案いたしました國家公務員法の改正案並びに公共企業体労働関係法案によりますると、この制限をさらに極端に拡大強化せんとしておるのであります。
 この基本的人権の制限に対し、労働大臣並びに臨時人事委員長は、公務員は全体の奉仕者である、公共の福祉のためにはやむを得ない、これは決して憲法違反ではないと主張しておるのであります。私は必ずしも、この主張に全面的に反対するものではありません。しかしながら、労働階級のこれらの基本的人権は、勤労者にとつて、その生活を守るための実に唯一の武器であります。それだからこそ、憲法は、これを基本的人権として保障しておるのであります。從つて、この重大な権利を制限するためには、政府は当然公務員の生活の保障をはかるべき責任があるのであります。この点に対しましても、政府の二法案に対する方針には重大な疑義を持つものでありまするが、それはあとで、あらためて質問をすることにいたします。
 次に、どうしてもやむを得ず公務員からこの重大な人権を制限する、取上げるためには、その範囲を極力縮小し、狭い範囲に制限しなければならぬと考えます。第一に申した問題につきましては、マツカーサー元帥の書簡にも、次のように述べられておる。「國家の公益を擁護するために、政府職員に課せられた特別の制限があるという事実は、政府に対して常に政府職員の福祉並びに利益のために十分な保護の手段を講じなければならぬ義務を負わせている」、これは当然過ぎるほど当然なことであると考えます。しからば政府は、この基本的人権を制限しながら、はたしてこの政府の責任を果しておるかどうか。私は断じていなと言わざるを得ぬのであります。この事実を、ただ給與の一点だけについて論じてみたいと考えます。
 全官公労働組合は、去る六月十二日に、給與引上げの切実な要求を政府に提出いたしました。その後数回にわたる交渉にもかかわらず、容易に解決の見込みが立たないために、遂に七月七日、中央労働委員会に対して、これが調停の提訴を行つたのであります。しかるに、七月二十二日のマ元帥の書簡による政令二百一号の公布によりまして、給與問題は中労委より臨時人事委員会に移されました。そうして今日に至つたのであります。この間、実に半箇年を経過いたしております。この半箇年の間にも、もとよりインフレはぐんぐんと高進を続け、生活費は毎日高騰を続けて來ておるのであります。これに対しまして、民間における労働者の賃金は、曲りなりにも物價に追随をして上つて來ておることは、統計が明らかに示しております。
 私は、このインフレ下に、六箇月間にもわたつて給與をストツプされておる公務員の生活の不安と窮乏とが、いかにはなはだしいものであるかは、ここにくどく説明を要しないと考えます。そうして、ようやく十一月の初めに至りまして、人事委員会は新給與ベースを決定して、これを発表いたしました。しかるに政府は、財源がないとの理由で、ほとんどこの決定に一顧も與えず、いとも簡單にこれを拒否したのであります。そうして、政府独自の立場より、一方的に新給與べースを決定せんとしておるようでありまするが、これは実に重大な問題であると考えます。
 臨時人事委員会は、從來の天皇の官吏たる古い官僚制度をぶちこわして、新しい国民の奉仕者、國民の公僕たる民主的な公務員制度を打立てるとともに、さらに給與、人事行政についての権限をあずかるところの機関であることは、申すまでもありません。現在の臨時人事委員会制度の上には、なお非民主的な点が少くない。相当な批判のあること事実でありますが、とにもかくにも政界、経済界、学閥等の影響を防いで、内閣よりも相当独立した機関であることは、これを認めないわけには行かないと考えます。この臨時人事委員会が五箇月間相当苦心研究をして決定しましたところの賃金ベース――この内容の金額の批判は別といたしまして、この苦心に対しましては、相当これを認めなければならぬと考えます。
 わが社会党が、片山内閣当時、同じ全官公の給與の問題に関する中央労働委員会の決定を政府に迫りまして、全面的に承認せしめたことは、なお諸君の御記憶にも新たなところであろうと考えます。中央労働委員会は、いわば政府とは完全に独立した機関である。しかるに臨時人事委員会は、比較的独立性が保たれておるとはいえ、総理大臣に直属する、いわば政府内部の機関であります。この機関が決定したものを、政府みずから拒否するというようなことでは、せつかく新しくできました人事委員会の権威というものは、どうして維持されるでありましようか。これでは、全國二百七十万の全公務員の人事委員会に対する信頼は、まつたく地に落ちるのほかはない、といわなければなりません。
 次に、人事委員会が決定をいたしました六千三百円の給與ベースでありまするが、政府がのむことができないほど高過ぎるかというならば、断じて私は高過ぎない、低過ぎても高過ぎはしないと考えるものであります。(拍手)全官公が今要求しておりまする額は七千三百円であります。これも私は決して高過ぎるとは考えない。しかしながら、経済復興が容易に進まず、一般の勤労者がはなはだしい窮乏の生活にあえいでおりまする今日、公務員といえども、また最低の生活に耐えるべきであると考えます。かような見地から、社会党におきましては、全國工業從業員平均賃金、あるいは消費者物價指数、その他あらゆる信用するに足る統計や資料に基きまして、最も合理的に新しい給與ベースを算定し、決定したのでありますが、これによれば、七月から十二月までの給與額は六千六百円であります。これによつても、人事委員会の決定が断じて高過ぎるとは考えられないのであります。
 しかるに政府は、財源を理由にして、これを拒否したのである。財源によつてこのような給與を決定せんとするのは、本末轉倒であるといわなければなりません。現在のこの最低賃金は、公務員がその生活を再生産するための、絶対的な、何らのゆとりもないところの最低の生活費であります。政府は、物資を購入する場合、予算がない、財源がないの理由をもつて、一くれの石炭といえども、生産費以下の價格によつて入手することができるであろうか。断じてできないはずであります。財源がないというのは、資本家的な立場に立つているがためでありまして、勤労階級の立場に立ちますならば、確かに困難であることは認めるが、断じて財源を見出せないはずはないとわれわれは確信いたします。(拍手)この点につきましては、やがて追加予算案の審議にあたりまして、具体的にこれを諸君に示す考えであります。
 民間企業においてならば、資本家は財源を理由に労働者側の正当な要求を拒否することも自由でありましよう。そのかわり、資本家階級に対しては、労働者にもまた、その正当なる要求を貫徹せんがために、最後の武器たるサボタージユ、ストライキ等によつて闘うことが許されているのであります。しかるに吉田内閣は、公務員に対して、全体の奉仕者、公共の福祉を理由にして、憲法の保障する生活防衛のための唯一の武器を奪い、手も足も縛り上げておいて、食うこともできない給與を一方的に押しつけんとしているのであります。吉田総理大臣が、労働者の指導者を不逞のやから呼ばわりをしたことは、実に有名であるが、これでは、公務員を不逞のやからどころではない、まさに奴隷扱いせんとするものであると言つてさしつかえないと考えます。(拍手)
 憲法十八條には、「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。」と規定している。私は、吉田内閣のかくのごとき態度は、マツカーサー書簡の趣旨にも反し憲法を躊躇するものであつて、かつての東條軍閥以下の日本軍閥のフアシヨ的な態度と何ら選ぶところがないと断言してはばからないものであります。
#38
○副議長(田中萬逸君) 辻井君、時間です。
#39
○辻井民之助君(続) 吉田内閣のかようなフアツシヨ的方針が強行せられまするならば、全國二百七十万の公務員は、栄養失調で餓死するか、あくまでも生きんとするならば、副收入をかせぐために公務を怠るか、あるいは役得を行うか、あるいは卑屈な行偽をとり得ない者は、やむを得ず非合法的な手段によつて政府に反抗するのほかなきに至るであろうと考えます。吉田内閣は、綱紀粛正を一枚看板としているが、かようなことで、一体どうして綱紀の粛正が実現されるでありましようか。第一、私は吉田内閣が人事委員会の決定を拒否した結果は、人事委員会の権威をはなはだしく失墜せしめるものであると考えるが、どうであるか。
#40
○副議長(田中萬逸君) 辻井君に重ねて注意いたします。
#41
○辻井民之助君(続) 第二、人事委員会の決定を拒否し、一方的に食つて行けない給與を押しつけんとするがごときは、憲法並びにマ書簡に違反するものと考えるが、どうであるか。第三、その結果は、綱紀の粛正はおろか、ますます綱紀は紊乱するに至ると考えるが、どうか。
 なお最後に、いよいよ結論に入りますが、去る二十二日に総理大臣が内閣記者團に発表した談話によれば、「公務員法を決定してから、その規定に基き給與の計算をするというのが、原則的だ論理と思う。從つて政府は、いざとなれば参議院の緊急集会ででもこれを処理したいと考えている」云々と談話を発表している。私は、吉田総理大臣は、人事委員会が芦田内閣以來五箇月間にわたつて苦心研究して來たところの新給與ベースに対し、單にその金額だけにどどまらず、その努力、人事委員会そのものまでも全面的に否定せんとしているものであると考えるのでありますが、この点についても、吉田総理のはつきりした答弁を承りたい。
 なお、いざとなれば参議院の緊急集会ででもこれを処理したいと申しているのでありまするが、國会法によれば、参議院が緊急集会は、國に緊急の必要があるときのみに認められているのであります。しかるに給與の問題は、六箇月も前からの懸案である。しかも現在、臨時國会は開会中である。引続き通常國会もすでに召集せられている。ことに予算審議に対しましては‥‥。
#42
○副議長(田中萬逸君) 辻井君、発言を‥‥。
  〔発言する者多く、聴取不能〕
#43
○辻井民之助君(続) 衆議院に優先権があるのであります。これでは、まつたく國会を無規し、審議権を否定せんとするところの、これまた明白なるフアツシヨ的な態度であると思う。この点に対して、吉田総理の明快な答弁を承りたいと思うのであります。
#44
○副議長(田中萬逸君) 辻井君の発言中不穏当な言辞がありましたならば、速記録を調べて、しかるべく処理いたします。
  〔「何が不穏当だ」と呼び、その他発言する者あり〕
  〔國務大臣吉田茂君登壇〕
#45
○國務大臣(吉田茂君) 辻井君にお答えいたします。政府は決して人事委員会の決定を無視もしなければ、またこれを度外視する、もしくは人事委員会の権威を失墜せしめるようなことは、いたしておらないのであります。人事委員会の決定の理由をつまびらかにしながら、一方においては、政府はこの第三國会以前より財源の研究をいたしておるのであります。またそのうちに人事委員会の決定が出ましたら、その人事委員会の決定についても、なるべくでき得べくんばその線に沿いたいと考えて、当局はしきりに研究をいたしておるのが事実であります。また政府としては、この十二月に至れば、年末に至れば、公務員の俸給等からいろいろな諸税を差引かれるのであつて、手取りは三分の一にすぎないほど少額な手取になるというような事実状態にあることを承知いたして、何とかしてその窮乏を救い、もしくは生活を安定せしむるようにいたしたいと、爾來種々当局においては研究もすれば、また調査もいたしておるのであります。しかしながら、問題は單に給與ばかしでなくて、物價にも影響し、インフレーシヨンにも影響するということであり、また民間の諸企業の労働賃金にも影響することでありますから、軽々しく決定ができないだけであつて人事委員会の決定を無視もしなければ度外視もいたしておるわけではないのであります。この点は辻井君の誤解と考えますから、よく御調査を願いたいと考えます。
    〔國務大臣増田甲子七君登壇〕
#46
○国務大臣(増田甲子七君) 辻井君の御質問にお答え申し上げます。政府と公務員との特別の関係にかんがみまして各種の制限があるというこの事実は、また同じく官公吏の福祉及び利益を擁護するために特別の配慮がされなければならぬ、こういうふうに同時的なものであるということは、われわれよく認識しておるつもりでございます。そこで政府といたしましては、できるだけ給與状況をよくしようというわけで、予算措置をせつかく進行中であることは、どうか御了解願いたいと存じます。
 それから次に、民主自由党あるいは吉田内閣の労働政策が反動的であるというようなお言葉がございましたが、私は、どうか実績を見てほしい、悪口はお互いに公党たる政党はしてほしくないと思うのであります。われわれは、進歩的な、また積極的な、文化的な労働政策を大いに実行いたしまして、そうして労働の生産性を高めたい、こういう念願のもとに一生懸命努力中でございますからどうか御了承願いたいと存じます。
     ――――◇―――――
 中央並びに地方檢察官の業務執行に関する緊急質問(野上健次君提出)
#47
○副議長(田中萬逸君) 中央並びに地方檢察官の業務執行に関する緊急質問を許可いたします。野上健次君。
  〔野上健次君登壇〕
#48
○野上健次君 終戰以來わずか三年、昭電疑獄を初め隠退藏物資、兵器処理、石炭國管、繊維事件等、およそ疑獄史上類例を見ざるスキヤンダルが、政界、財界、官界の知名の士によつて演ぜられ、國民大衆の疑惑は今や頂点に達しまして、政治に対する不信の声は、ほうはいとして高まつておるのであります。今こそ、これら一切の疑惑という疑惑を一掃し、徹底的に追放することなしには、國際的には信を失墜し、國内的には、おそるべき無秩序と混乱が予想されるのであります。ポツダム宣言には、「日本國政府は、日本國國民の間における民主主義的諸傾向の復活強化に対する一切の障礙を除去すべし」と命じておるのである。これらの反民主主義的一連の疑獄に対し、政府はいかなる決意を持つて國民にこたえんとされるか。
 二十日、本議場において、吉田総理は、共産党の徳田君の質問に対し、たとい民主自由党から多数の犠牲者を出すとも政界浄化を断行すると言明された。まことに壮烈なる言辞であり、替辞を呈するにやぶさかでないが、單にかけ声や決意のみでは、事件は一歩も解決されないのである。吉田総理は、組閣直後、ただちに綱紀粛正委員会を設けて官界浄化をはかると声明されたが、はたしてその用意があるか、委員会の機関が、いつ、どこにできたか、そのことを具体的に承りたいのである。
 中央地方を通じて、大小類似の疑獄事件が相次ぎ、まさに犯罪のるつぼ化さんとしておる。これら醜怪なる疑獄事件通じて受ける私の感じは、勤労大衆の一方的犠牲によつて日本資本主義の再建強化、独占支配を確立せんとするところの反動資本家並びにこれが走狗となり、これに奉仕せんとするところの反動政治家及び官僚の、手段を選ばざる野望達成の片鱗を示すものであつて、明らかにポツダム宣言に反し、日本民主化の敵である。かかる現状に対し、單に國民道義の高揚という抽象的な精神運動では、今日の日本を救うことは断じてできない。このためには組織が必要である。強力なる民主的運動の展開が必要であると思うのである。檢察当局が断固たる決意をもつて事件の糾明に日夜健闘されておることは、国民とともに感謝にたえないところであるが不幸にして、神聖なるべき司法権の行使にあたつて、しばしば、一部檢事の汚職あるいは権利の濫用ありとするところのうわさを聞くことは、遺憾中の遺憾事である。この際、檢察官の業務能率の向上と正しき法の適用をはかつて、もつて人権の尊重と檢察制度の民主化のために、檢察業務の援助あるいは監査督励の機関を民間人によつて構成するところの御意思はないか、この点、総理にお伺いしたい。
 次に法務総裁にお尋ねするが、かつて資本家政府及び政党並びに軍閥政府のもとに、國民の自由と行動を蹂躙するため忠勤をぬきんでたところの思想檢事の一團、檢察権のもとに政界支配を確立せんとしたところの平沼騏一郎、塩野季彦等司法ファツシヨの名をもつて呼ばれる系統、そうした当然檢察制度民主化のために追放せらるべき人たちが、なお今日旧憲法意識をもつて檢察陣営に指導的役割を果していないかどうか。これらはすみやかに再檢討されて、陣容が刷新されなければならないと思うが、法務総裁はどう考えられるか。
 まず人を洗わんとすれば、みずからの手を清めなければならぬ。最近昭電事件の推移に從つて、澤田最高檢察廳の檢事等数名の人が退職して、出射檢事が最高檢に轉属されたが、その理由はいずれも明確でない。退職検事が何らかの訴追を受けたかどうか、いかに処分されるのか、こういう点が國民の知りたいところである。この機会に詳細に御報告をお願いしたい。
 十一月二十日以來連日、読賣新聞は、福島の檢察廳のボス退治と題して、福島地方檢察廳と町の顔役を結ぶ醜聞糾明に当つておる。はたして報道のごとき事実があつたかどうか。また、平檢察廳、秋田縣の横手檢察廳においても同様な事件が報道されておる。これが眞相はどうか。人民は政党及び政府に対し多大なる不平と不満をもつておる。かかるとき、檢察廳の活動こそ大いに期待されるところである。しかるに、その檢察廳が汚職に満ちたものであるとしたならば、人民の不平不満はどこに行くか、想像するだに眞に恐るべきものがある。封建的ボス勢力と結ぶところの檢察権は、まさにこれ檢察権のフアツシヨ化である。人権は何によつて尊重されるか。憲法はどこに生きておるか。私は、かかる反革命的一連の行動こそ世界平和に弓を引く、最も許しがたき犯罪なりと思うが、法務総裁はどう考えられるか。
 また、繊維事件に関し民主自由党の星島二郎氏に関係ありと傳えられ、檢察廳はこれをもつぱら押えているといううわさがあるが、はたしてどうか。さらに炭鉱國管に関する不当財産委員会並びに檢察廳の調査は、すでに事件の核心をつかんだと聞くが、現議員に十数名の関係者があり、そのために選挙を急ぐとさえも言われておる。これは、いつ、いかにして明白にされるか。
 先般、大分縣の竹田町において、町長リコール選挙が行われた。問題は学校建設に対する不満からであるが、町長が町議会の議決をまじめに執行しただけである。しかるに解職要求派の一部有志たる地方有力者と町警察は、あらゆる手段をもつて町長を打ち倒そうとした。竹田町の一公安委員は、選挙前に町長に対し、退職を勧告し、君がやめるまで警察は追及するだろうと言つておる。また警察署長は、その筋の命によつて逮捕するとおどかしておる。その他事件の取調べに当つて、昔ながらの岡つ引根性があらゆるところに発揮されている。町民大会は数度開かれて、町自治警察の行き過ぎに対して痛烈なる反省を促している。しかるに、大分の地方檢察廳は、選挙直前に至つて俄然活動を開始し、地方新聞紙にその見解を発表して、さらに町長を背任、虚偽公文書作成行使という罪名によつて起訴した旨の大型ポスターを作成し、町内の数箇所及び投票所の入口に、檢察廳みずからこれを貼付いたしておる。選挙は檢察廳の意図するところと違つて、賢明なる竹田地方の民衆は、逆に檢察廳不信の意思表明を投書によつて明示しておる。
#49
○副議長(田中萬逸君) 野上君、お時間です。
#50
○野上健次君(続) 現町長は圧倒的に支持されたのでありますが、かかる檢察廳の行動は、権利の濫用であり、明らかに非常識である。司法権の威嚇による行政権の侵害と言わざるを得ない。この際檢察廳は、事件の起訴とともに、これを公衆に徹底周知せしめるようなポスター公告の方法を採用されているかどうかを聞きたい。私は、まだ寡聞にして、わが國檢察制度始まつて以來かかる例を知らないのである。
 また私は、念のためにこの際伺つておきたい。刑法上、虚偽公文書作成行使なる罪名は初めてであるが、法務廳檢務局においても、公文書偽造行使というのはあるが、虚偽公文書作成行使という罪名はないと言われている。そうした罪がどこに規定してあるかということをお伺いしておきたい。檢務局の解釈によると、大分地方檢察廳はみずから公文書偽造行使ということになるのです。このことは、ひとり竹田町長に関するところではないのであつて、すでに同様罪の容疑において、大分縣宇佐郡絲口村長と、同じく下毛郡山移村長等が起訴されておるのであるが、ことに絲口村長の起訴にあたつては、係の檢事は、共産党があまりにやかましく言うからこれを起訴したと言明しておる。檢察廳は、いつ共産党の指揮下に入つたのであるか。これらの事件の蔭に、一部勢力ないし政党の力を感ぜしめることは、はなはだ不愉快である。法の行使はあくまで厳正なるべし。しかも万人に対して平等に適用さるべきである。人によつて法律の使いわけは許されません。
#51
○副議長(田中萬逸君) 野上君、お時間です。
#52
○野上健次君(続) 私は檢察廳を攻撃せんとする意思は毛頭ない。正しく人民の基本的権利の擁護をなし、檢察制度の強化と民主的運営による政界、官界、財界の淨化徹底を念願するのあまり、ここに質問に立つた次第である。檢察権行使にあたつて、いささかでも疑惑を持たれるようなことがあるとすれば、最も悲しむべきことであり、國民大衆の憤懣のやり場がないから、総理並びに法務総裁の親切なる御答弁をお願いする次第であります。(拍手)
  〔國務大臣吉田茂君登壇〕
#53
○國務大臣(吉田茂君) 野上君にお答えいたします。
 疑獄事件につきましては、檢察当局が、政党政派のいかんにかかわらず、最も厳正に、最も公平な処置を現にとつていることは、御承知の通りであります。
 また官紀粛正の問題につきましては、現に岩本國務大臣のもとに委員会をこしらえて、着々その粛正のために各種の方法を講じて研究しておりますから、必ず諸君の御期待に沿い得る結果を見るであろうと期待いたしております。(拍手)
  〔國務大臣殖田俊吉君登壇〕
#54
○國務大臣(殖田俊吉君) お答え申し上げます。
 お話の中に、思想係檢事であつたものを、まだ使つておりはせぬか、というお言葉がございましたが、思想係檢事でありまして、追放さるべきものは、全部追放しておりまして、今残つておりますものは、追放に当らないもののみでございます。
 また、福島の事件であるとか秋田の事件等につきましてお話がございましたが、まことに遺憾に存じております。目下、その眞相につきまして鋭意取調べをいたしておりますが、まだその完全なる報告を得ませんので、どういう処置をするかということを、ここで申し上げられませんが、ああいう事件が所々方々に起りますことは、檢察のためにまことに遺憾と考えていることでありまして、私は断然これに戒飭を加えたいと考えております。このために司法権の独立を疑われるような、また厳正公平を疑われるようなことがありましては、まことに國民に相済まぬことと考えておりまして、十分の努力をいたしまして善処いたしたいと考えております。それから、先ほど大分縣のお話のことがございましたが、竹田町におきまする事件は、なるほどお話の通りのようなことがありましたが、これはたとえば、その中にございました虚偽公文書作成行使という罪名がどこにあるかということでありますが、これは刑法第百五十六條に公文書の内容偽造行使罪というものがあります。そのことを申したのでございます。但し、この竹田町の事件は、その時と場合にかんがみまして、必ずしも適当でなかつたと私は考えます。從いまして、これについては、今後十分な取締りと申しますか、考慮を加えまして、お話のごとき間違いのないような運用を期して行きたいと考えております。せんだつてございました事件は私は遺憾の点が相当多かつたように考えます。これは今後十分注意をいたすつもりであります。
 その他大分縣に行われました幾つかの事例につきましてお話がございました。それらにつきまして、私は今ここに報告を得ておりませんから、断定的なお答えはできませんが、もしさようなことがありましたならば、むろんこれは厳重に戒飭を加えまして、今後また決してさようなことが起らないように処置するつもりであります。これらの点につきましては、よく取調べをいたしまして、その上で善処いたしますから、さよう御承知願いたいと思います。(拍手)
#55
○野上健次君 簡單でありますから、自席から再質問を許していただきたいと思います。
 ただいま内閣総理大臣の御答弁によりますと、綱紀粛正委員会が岩本國務大臣のもとにおいてすでに構成せられ、研究されているように伺つたのでありますが、幸い岩本國務大臣も御出席になつておりますので、どういうふうに具体的に進んでいるか、どういう構想を持ち、どういう仕事を今からなされんとするか、そうした点を、岩本國務大臣から詳細御答弁を煩わしたいと思います。(拍手)
  〔國務大臣岩本信行君登壇〕
#56
○國務大臣(岩本信行君) 綱紀粛正問題は、お尋ねの通りまことに重大なことであり、特に占領下の現在の日本といたしましては、外國の信頼を受けるためにも、徹底してこの問題は解決すべきであると考えております。但し、まことに重大なることでありますので、拙速主義をとらずに、ただいま愼重なる檢討を遂げております。本日も午前中、行政監察委員会の総会を開きまして、この問題を特に重要視して研究を願つたわけであり、今夕もまたその問題について会議を開いておる次第でございまするから、なるべくすみやかに徹底したる粛正の方法を皆さんの前にお話できると、かように存じておる次第であります。
    ―――――――――――――
#57
○今村忠助君 残余の日程はこれを延期し、明二十五日定刻より本会議を開くこととし、本日はこれにて散会されんことを望みます。
#58
○副議長(田中萬逸君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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