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1948/11/26 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 本会議 第21号
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1948/11/26 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 本会議 第21号

#1
第003回国会 本会議 第21号
昭和二十三年十一月二十六日(金曜日)
 議事日程 第二十号
    午後一時開議
 第一 皇室会議の予備議員の互選
 第二 皇室経済会議の予備議員の互選
 第三 海事仲裁等に関する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 皇室会議の予備議員の互選
 日程第二 皇室経済会議の予備議員の互選
 日程第三 海事仲裁等に関する法律案(内閣提出)
 水産業協同組合法案(内閣提出)
 水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案(内閣提出)
 漁業権等臨時措置法案(内閣提出)
 参議院の緊急集会の権限に関する決議案(荊木一久君提出)
 塩收納に関する決議案(石田博英君外十九名提出)
 国民健康保險組合に対する國庫補助金増額の今期追加予算計上に関する決議案(石田博英君外九名提出)
 災害対策に関する緊急質問(宮村又八君提出)
 府縣條例の制定に関する緊急質問(森山武彦君提出)
 低地帯農村の経済に関する緊急質問(佐藤觀次郎君提出)
    午後二時四十六分開議
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
 昨日の池谷君の発言中、不穏当と思われる点がありますから、議長において適当に処理いたすことといたします。
     ――――◇―――――
 第一 皇室会議の予備議員の互選
#3
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、皇室会議の互選を行ないます。
    ―――――――――――――
#4
○今村忠助君 皇室会議の予備議員の互選は、その手続を省略して議長において指名せられ、その職務を行なう順序は議長において定められんことを望みます。
#5
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。議長は
  樋貝 詮三君  木村小左衞門君
を皇室会議の予備議員に指名します。
 なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 第二 皇室経済会議の予備議員の互選
#7
○議長(松岡駒吉君) 日程第二、皇室経済会議の予備議員の互選を行います。
    ―――――――――――――
#8
○今村忠助君 皇室経済会議の予備議員の互選は、その手続を省略して、議長において指名せられ、その職務を行う順序は議長において定められんことを望みます。
#9
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。議長は
  樋貝 詮三君  木村小左衞門君
を皇室経済会議の予備議員に指名いたします。
 なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 第三 海事仲裁等に関する法律案(内閣提出)
#11
○議長(松岡駒吉君) 日程第三、海事仲裁等に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長有田二郎君
  〔有田二郎君登壇〕
#12
○有田二郎君 ただいま議題となりました海事仲裁等に関する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を簡單に申し上げます。
 本法案は、去る十一月二十二日、本委員会に付託され、二十四日、まず運輸大臣より提案理由の説明を聽取し、二日間にわたり、これを愼重に審議いたしたのでありまして、本法案の趣旨を簡單に御説明申し上げますと、過般制定せられました事業者團体法が、一般的には事業者團体が紛爭の仲裁、解決等に関する行爲をすることを禁止しておりますが、海事に関しては、海事取引の特殊性からこれが除外例を必要とするので、運輸大臣が特に認可した海運の公益法人については、特に海事仲裁等の行爲を行い得るようにしようとするものであります。
 本法案に対する質疑につきましては、各委員と政府側との間に熱心なる質疑應答が続けられたのでありますが、そのおもなるものをあげますと、本法案を早急に成立させる必要性についていかんとの質疑に対しましては、政府側より、事業者團体の経過的除外規定により、去る十月二十六日までは、日本海運集会所は海事仲裁を行い得たのでありますが、期限経過後の今日では、海事仲裁を行い得ず、海事取引の円滑を阻害しておりますので、一日も早く仲裁行爲のできるようにする必要のある旨答弁がありました。その他詳細は会議録に讓ることといたします。
 しかして本委員会におきましては、二十五日質疑を終了し、討論を省略して、ただちに採決に入り、全会一致をもつて本法律案を可決いたした次第であります。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#13
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 水産業協同組合法案(内閣提出)
 水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案(内閣提出)
 漁業権等臨時措置法案(内閣提出)
#15
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、水産業協同組合法案、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案及び漁業権等臨時措置法案の三案を一括議題となし委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#16
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 水産業協同組合法案、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案、漁業権等臨時措置法案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。水産委員長西村久之君。
  〔西村久之君登壇〕
#18
○西村久之君 ただいま議題となりました、政府提出、水産委員会付託にかかわる水産業協同組合法案及び水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案並びに漁業権等臨時措置法案に関し、一括してその審議の経過及び結果の概要を御報告いたします。
 まず第一に、水産業協同組合法案につきましては、政府提案の理由を説明いたします。
 現行水産業團体制度は、戦時中、水産業團体法に基いて水産業の統制を行うことを主要な目的として組織されたものであり、新しい水産業政策には性格的に入れられぬものを持つております。從いまして、現行制度を廃止するとともに、これにかわる新しい團体制度として、漁民及び水産加工業者が自主的に組織する協同組合組織の発達を促進して、漁民及び水産加工業者の経済的、社会的地位の向上と水産業の発展をはかり、漁村の民主化を促進いたそうとするのが、本法案提出の主要な理由であります。
 本法案は、全文九章、百三十一箇條より成つており、その内容のおもな事項につき、概略御説明いたします。
 まず第一に、組合は漁民または水産加工業者の職能的な共同組織としたことであります。すなわち、組合に加入し得る者の資格を漁民または水産加工業者に限定しているのであります。そして、漁民と水産加工業者との組合も全然別系統といたしております。第二は、組合の設立、地区及び加入、脱退等は、従來と異なり、すべて自由であります。第三は、組合のうちに、中小漁民が主体となる漁業の共同経営体として、漁業生産組織を設けたことであります。第四は、行政廳の監督権はきわめて制限しておる点であります。
 次に、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案の大要を御説明いたします。
 本法律案は、水産業協同組合法の制定に伴い、現行水産業團体法を廃止し、水産業團体を整理する等の必要な手続を定めたもので、全文二十七箇條より成つておりまして、その内容のおもなる事項につき、概略御説明いたします。
 まず第一は、水産業團体の解散でありますが、本法施行から八箇月を期限として、すべて解散することとなつております。ただ特例として、漁業権及び入漁権等を持つ漁業会は、漁業制度改正との関係上、期限後でも、漁業権整理の終るまで、これらの権利の管理に必要な範囲内での認めることになつております。第二は、水産業團体の財産の処分の問題でありまして、できるだけ新しい協同組合へ移轉するような措置を講じられております。第三は、関係諸法律の一部改正で、これは税法、中央金庫法及び事業者團体法等に関するものであります。
 次に、漁業権等臨時措置法案につきまして、政府提出の理由を御説明いたします。
 現行漁業制度の根本的欠陷に基き、政府は目下関係各方面と折衝を重ね、漁業制度の根本的改革を考究中でありまして、次の國会には改革法案を提案いたす所存であるとのことでありますが、現在この改革を見越して、漁業権をめぐつて種々紛爭が生じておりますし、また新しい体制への移行には約二箇年の準備期間が必要なので、この改革の実施に障害となるような事実の発生を防止する必要がありますので、漁業権等の現状を不当に変更することを防止する臨時措置をとろうとするのが、本法案提出のおもな理由であります。
 本法案は、全文八箇條より成つておりまして、その内容のおもなる事項について、概略御説明申し上げます。まず第一は、新規免許及び変更許可をしないことで、主として補償問題との関連において、不当な策動の行われることを防止せんとするものであります。第二は、漁業権の讓渡及び抵当権の設定に認可制をとり、漁業権の所有関係が不当に変更されるのを防止せんとするものであります。第三は、漁業権者が不当に貸付契約を解約もしくは解除し、または更新を拒み、漁業経営者の地位を脅かすのを防止しようとするものであります。また入漁権についても同様の措置をとろうとするものであります。
 以上が、提案されました三法案の内容のおもなる事項であります。
 御承知の通り、この三法案は、わが國の漁村及び漁業の民主化並びに水産業の経営に大きな関係を有する事実にかんがみ、委員会は、十一月十三日、本法案が付託されると同時に審査に入りまして、十五日、政府委員より提案理由に説明を聽取、爾後二十日までに四回の委員会を開き、次いで二十二日、二十四日の両日は、全國各界代表三十名を招致し、本法案に関する意見を聞く公聽会を開催し、さらに二十五日法案の逐條審議に入りまして、委員と政府委員との間に質疑應答が行われましたが、その詳しい内容につきましては会議録に讓ることといたします。
 かくて、委員会は二十六日討論に入りまして、各党代表より、漁業法の伴わざる法律案であります関係上、いろいろな希望を述べられ、漁業法制定後本協同組合法について改正の要あることを力説せられ、賛成の意見が開陳されました。しかして採決に入り、全会一致をもつて、政府提案の三法案はいずれも可決された次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#19
○議長(松岡駒吉君) 三案を一括して採決いたします。三案は委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#20
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて三案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 参議院の緊急集会の権限に関する決議案(荊木一久君提出)(委員会審査省略要求事件)
#21
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、荊木一久君提出、参議院の緊急集会の権限に関する決議案は、提出者の要求通り委員会の審査を省略して、ただちにこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
#22
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 参議院の緊急集会の権限に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。荊木一久君。
  〔荊木一久君登壇〕
#24
○荊木一久君 まず冒頭に、この決議案の要旨を申し述べておきます。
 一般的な問題としては、憲法第五十四條第二項但書によつて内閣が参議院の緊急集会を求めることのできるのは、衆議院の解散中に原因を発生した緊急事態の廳念措置に限るべきであつて、この例外規定の拡張解釈は絶対に許されてはならないということであります。つまり、國会の構成が衆参両議院によつて嚴存している際にその原因がすでに発生し、その当時明らかに國会の審議を必要とすると予見せられていた事項については、その國会においてただちに審議を求めるか、しからずんば次の國会の構成を待つべきであつて、この種の案件を緊急集会で措置することは許されてはならないということであります。具体的な当面の事例をあげて言うならば、第三國会開会以来、最も重大な案件として、衆参両院ともに院議をもつて政府に提出を迫つている公務員の新給與及び災害復旧の追加予算は、もし万一政府がこの國会に提出しない場合には、憲法の解釈論として、当然次の國会を待つべきであつて、これらの予算を参議院の緊急集会に持ち込むようなことがあれば、それは明らかに憲法違反であるということであります。(拍手)
 以上の諸点を要約して、ただいま上程せられた決議案は、次のようにこれを述べております。
  憲法第五十四條第二項但書によつて、内閣が参議院の緊急集会を求めることのできるのは、衆議院の解散中に突発した非常事態の臨時措置に限るべきであつて、この例外規定の拡張解釈は嚴にこれを愼まなければならない。
  第三國会開会以来、重大な懸案として院議を以て政府に提出を迫つている公務員新給與並びに災害復旧の追加予算の措置について政府は國会の審議を避けて参議院の緊急集会にこれを提案するような邪道を択んではならない。
  右決議する。
 本國会の開会以來、あるいは緊急質問において、あるいは決議案の討論において、各派の代表者が入りかわり立ちかわり政府に迫つて来たのは、公務員に対する新給與と災害復旧の予算をなぜ早く出さぬかということであります。これに対して政府は、必ず出すとも言い、ぜひ出したいとも言い、あるいは他の追加予算と合せて一本にして提出するとも言い、遷延遂に今日に及んだのであります。会期余すところ四日に迫つたが、依然として政府は、どちらの予算案も本國会に提出しておらぬのであります。國家公務員法と新ベース予算案とが審議上一体不可分であるかどうかは、連合軍司令官の要請を良心的に把握しているかどうかの問題と、公務員諸君に対して求めるべきは求め、そのかわり、同時に與べきは與うる親心があるかどうかによつて決する問題で、本決議案の説明においては、正面からこれを取上げる必要はないのであります。
 ただ、ここにはつきりしていることは、人事院はすでに給與ベースを決定して、その善処方を求めているということ、災害はすでに第三國会前に起つてしまつて、一日もすみやかな復旧を期待しているということ、從つて第三國会は、開会以来、この二つの予算案の提出を首を長くして待つているということ、これらの諸点は、吉田総理大臣といえども、毫末も異論のないはずであつて、嚴然たる事実であります。(拍手)それにもかかわらず、予算は依然として出て來ない。会期はすでに盡きようとしている。一体政府は、これをどうしようというのであろうか。
 これに対して、最近数日來、特に目立つて、各種の会談で、吉田総理大臣は、いかにも奇怪な発言をいたしておられる。それを要約してみると、予算も一應は出そうと考えてもみたが、なかなかむずかしいからやめにしたい、そして、何よりも衆議院解散が先決問題だ、しかし年末ともなれば官公吏も相当困るだろうから、その場合は、次の國会を待たずに、参議院の緊急集会を求めてやればやれる、というふうに受取れる言動であります。現に、衆参両院は嚴として存在している。この両院によつて國政審議の唯一の憲法機関はりつぱに構成されており、しかも開会中であります。それのみならず、開会以来國会は、院議をもつて政府に対し、この二本の予算の提出を迫つている。しかるにもかかわらず、政府がこれを出さないのであります。この事態は、憲法解釈論の上に立つて理解するならば、災害予算も公務員給與もあまり急ぐに及ばないから次の第四國会に提出するものと理解するほかに道がないのであります。
 しかるに、総理大臣が最近あちらこちらで不用意に発言せられているように、この状態を知りつつ衆議院を解散し、國会の構成の欠けたところで、残念ながら衆議院がございませんからという理由で、予算を参議院の緊急集会に持ち込むような意図が、万一にも総理の腹中にありとすれば、これはゆゆしき一大事であります。憲法第五十四條第二項の但書は、衆議院の解散中に予想もしなかつた不測の事態の突発した場合に、万やむを得ず、臨時應急の措置として許さるべき、まつたくの例外規定であります。(拍手)
 吉田総理は、口を開かれれば、常に、新憲法によき慣行をつくらなければならぬと言われる。一切の成敗利鈍を超越して、身をもつてその範を垂れたいと言つておられる。その吉田総理が、立法機関が嚴として存立しているときに、しかも当然にその審議を進めなければならない状態に置かれている案件をその國会には提出せず、次の國会も待ちきれず、ことさらに立法機関の機能を停止せしめておいて、参議院の緊急集会にその救済を求めようとする悪例をつくるような意図は絶対にあるまいとわれわれは確信したいのであるが、総理の最近の言動は、これを裏切るかのような感が深いのであります。よつて、この決議案を、衆議院の院議を明らかにいたしておきたいと考えて提出いたした次第であります。
 決議案中に用いられました用語は、いかにも穏やかではありまするが、國民の付託によつて、衆議院の嚴正なる院議をもつて憲法の正しい運営を守り抜こうという不動の決意が裏づけされていることを、了承願いたいのであります。何とぞ同僚諸君のあげてこれに賛同せられんことを希望するとともに、あわせて吉田総理のこれに対する御発言を期待しまして、私の説明を終わることにいたします。(拍手)
#25
○議長(松岡駒吉君) 討論の通告があります。これを許します。今村忠助君。
  〔今村忠助君登壇〕
#26
○今村忠助君 私は、ただいま上程されております参議院の緊急集会に関する決議案に、民主自由党を代表いたしまして反対を表明するものであります。(拍手)
 大体参議院の緊急集会は、憲法第五十四條第二項において認められておりますところの、行政府におきます一つの活動であります。すなわち、衆議院が解散されておつた場合において、政府が最も民主的にどういうような行動をとつてよいかを、明らかにしているものであります。ことに民主政治の理想といたしましては、三権分立の上に立たねばならぬのでありまして、いわゆる立法府の活動が完全でありましても、やはり行政府におきます活動がこれと同様に完全なものでなかつたならば、結局民主政治の理想は実現せられぬものと思うのであります。すなわち、衆議院の解散における場合のことを憲法が明らかにしておるというにすぎないのであります。しかるに、現在まだ議会が解散されておらないのにかかわらず、何ゆえ野党が、この際もしも議会が解散された場合のことをおそれて、かくのごとき決議をするのか……。
  〔発言する者多し〕
#27
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#28
○今村忠助君(続) 私は疑わなければならぬものがあると思うのであります。
大体この決議案は、初め緊急質問として提出されるものであつたものが、いわゆる野党の一つの野望のもとに、遂にこれが決議案にかえられたものでありまして、内閣が解散の場合において、いかなる態度をとるかということをおそれまして、解散がいつあるのかわからぬのに、あわてて、しかも恐れて、この決議をするということは、まことに議会政治においては見られがたい一つのできごとといわなければなりません。
 なぜであるかといいますると、いわゆる少数與党、言いかえれば多数野党のこの不自然な現象が來さしめたものでありまして、当然、片山哲君が言うたごとく、また芦田均君が言うたごとく、臨時國会の冒頭において解散させるべきであるということが、今日の情勢において必然性をもつておるということを考えなければなりません。もしも多数の野党の人たちが、將來内閣がけしからぬことをするというので信用ができないのであるなら、なぜこの際不信任案を出さないかと私は言いたいのであります。(拍手)
  〔発言する者多し〕
#29
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#30
○今村忠助君(続) 堂々と不信任案を出して、議場において正当なる活動をすることができずして、このまま解散されて不利であるのではなかろうかというような立場から、何とかしてこの際、政府側に何らか解散後における野党に都合のいいところの問題を引起さんがために単なる議場のかけひきとして、しかも憲法に明示されておるところの問題を取上げて、あえてもつて決議案とせんとするがごときこの態度を、私は民主主義確立の上から、はなはだ野党のために惜しむものであります。
  〔発言する者多し〕
#31
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#32
○今村忠助君(続) しかも、議会はまだ解散されず、いつ解散されるかもはつきりしておる時期ではない。ただ野党が恐れて、しかもまた、その上に解散後に何らか有利な言辞を得んがための、いわゆる野党が多数なるがためにつくり上げんとするところの決議案であるといわざる得ないのであります。(拍手)
 かような、憲法の上に明らかにされておるものを、ことさら決議案として、いわゆる行政府の活動を制限せんとするがごときことに対しては、当然私として並びに與党の側として、反対せざるを得ないものがあると思うのであります。この意味から、この決議案に反対することを明らかにするものであります。(拍手)
#33
○議長(松岡駒吉君) 久保田鶴松君。
  〔久保田鶴松君登壇〕
#34
○久保田鶴松君 私は、参議院の緊急集会に関しまして民主党から出されましたこの決議案に、日本社会党を代表いたしまして賛成の意を表すものでございます。(拍手)
 財政上の問題と憲法五十四條の問題とをあわせて考えてみます場合において、この問題は、どうしても賛成しなければならない問題なのでございます。(拍手)と申しますのは、私たちは財政法十七條の問題を考えた場合におきましても、二十四年度の予算に対しましては、十二月中をもつてこれを編成しなければならないことも、皆さん御承知の通りであります。それにもかかわらず、賃金ベースの問題をめぐりまして、また給與の問題をめぐりまして考えます場合においては、皆さん、この問題は緊急に起つた問題ではないのであります。それにもかかわらず、この問題をして緊急を要するということに対しましては、断じてこれは許せないのであります。(拍手)
 皆さん、吉田さんは、各同僚より早く施政方針を発表せよということを再三言われておりましたにもかかわらず、その方針は発表しない。われわれは、賃金ベースの問題をめぐつて、また給與の問題をめぐつて、労働者の生活を考えましたときにおいて、この給與の問題をめぐつての予算は、一日も早く出さなければならないところの問題なのでございます。(拍手)それにもかかわらず、それをなさない。
 私たちは、人事委員会、労働委員会において、この法案を愼重審議いたしまして、一日も早く衆議院を通過させたいと思つているのでございますが、各大臣の答弁は、的はずれの答弁ばかりしておるのである。これは、吉田総理が施政方針演説をなさないために、その答弁ができないのである。これに対して世間では、フアツシヨ内閣である、また同志同僚の集まりの内閣ではないのである、殿様の家來の集まりの内閣である、吉田さんがこわいために答弁できないのである、というようなことを言つておるのであります。こういうような意味から考えます場合において、私たちは、この予算の問題に対しまして、一日でも早くこれを出さなければならぬと思うのであります。
 労働者は空気を吸つて生きていくのでは断じてないのであります。また生きて行けないのであります。法律で縛つて、その生活の保障をしないというようなことは、われわれは断じて許せないのであります。(拍手)ですから、この公務員法と不可分である、離すことのできない給與の問題を解決しなければならないことは、当然のことでございます。こういう意味において、吉田総理は、國民の代表に対して、何でもかでもかまわぬ、おれの言う通りについて來いということでは、東條よりもつとひどい横車を押す吉田内閣であると私はいわざるを得ない。(拍手)ですから、十二月を迎えてのこの労働者の問題を考えましたときにおいては、断じてこの予算を出させない限りにおいて、この参議院に対する緊急集会は絶対に許されてはならぬのであります。(拍手)
 今、今村さんの演説によりますと、憲法第五十四條の問題、財政法十七條の問題、これらに対して、まつたく的はずれの話をいたしておられるのであります。ですから、私たちは、この國会に予算を出すことが、物價の値上げ等を見なければその財源を見出すことができないというようなことを國民全体に知らせること、またそのことを行いますことは選挙が不利になるというような立場から、國民を欺瞞し、國民にうそをつくことで、こういうことが、いわゆるこの参議院の緊急集会の権限に関する決議案が出たゆえんであると思うのでございます。こういう意味から、本決議案に対して賛意を表すものでございます。(拍手)
#35
○議長(松岡駒吉君) これにて討論は終結いたしました。
採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#36
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。
  〔拍手〕
     ――――◇―――――
 塩收納に関する決議案(石田博英君外十九名提出)(委員会審査省略要求事件)
#37
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、石田博英君外十九名提出、塩收納に関する決議案は、提出者の要求通り委員会の審査を省略してこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
#38
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 塩收納に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。豊澤豊雄君。
  〔豊澤豊雄君登壇〕
#40
○豊澤豊雄君 私は、各党各派を代表いたしまして、ただいま上程になりました塩收納に関する決議案の趣旨弁明をいたします。
 この問題は、先週全國の塩業者が集まりまして、それに國会議員が数十名列席して、業者の血の出るような叫びが、こうして各党各派の決議案となつて生れたものでございます。まず、その決議の内容を読み上げます。
  塩收納に関する決議
  主食とともに國民栄養上欠くべからざるものに食塩がある。政府は、この重要性を認めて專賣法をしき、塩收納及び販賣の権利と義務を定めていた。しかるに一昨年末、政府は、製塩用の石炭配給を極度に減じ更に本年九月には加算賠償金を中止し、更に十月二十三日には塩收納を中止した。
  この法を無視した政府の態度に、業者の驚駭は言語に絶するものあり食塩生産の前途に非常な不安を感じ、且つ收納停止による資金難は労働問題を惹起し、このままに時日を経過すれば日本独特の製塩場は廃止のやむなきにいたる。
  政府は、速やかに收納を開始し、塩田持続のための石炭配給と賠償金増額をすべきである。
  右決議する。
 以上の通り、この問題は、一見ものやわらかな感じしか與えませんけれども、塩が、われわれの日常生活上、栄養と勤労意欲の向上のために、一日も欠くべからざる生理学上の問題であるということを考えますときに、非常に重大な問題になつて來るわけであります。ところが、このような塩は、外國では、岩塩であるとか、鹹湖であるとか、天日製塩であるとかいいまして、ごく簡單にとることができるのでありますが、わが國は、四海海に面しながら、塩をとることが非常に困難で、世界では独特な方法、すなわち塩田法という、おそらくその地方でなければわからないような、コストの高い製塩法をとらなければならない現状であるのであります。
 ところが、政府は專賣法をしいて、そのコストの高い塩業を代々保護して、その業者たちも、自分がつくつた塩は必ず適当な値段で買上げてくれるという安心のもとに続けて來たのであります。戰時中におきましても、北支から多量の塩を輸入しながら、なおかつ極度の増産を要求した。これはもちろん、軍部が爆彈の原料であり、毒ガスの原料であるというような軍事上のことからではあつたけれども、そういうように政府が奨励をしたことには、かわりないのであります。敗戰後も、政府は、外國からの塩が來なくなつたので、これまた奨励をしたわけであります。このように、一貫して政府は塩を増産することに努めて來たわけであります。
 ところが、最近になりまして外國塩が入つて來るようになりますと、このように保護をして來た政府は、まま子扱いに、手のひらを返したような態度に出て來たのであります。すなわち、一昨年までは年々七十万トンからの石炭を配給しておつたのに、わずかに二十三万トン、昨年は実に五万トンという石炭しか與えなかつたがために、塩飢饉が生じて來て、これは数学で表わすよりも日本國民の全体が感じたように、非常に苦しい塩飢饉を生じ、これに乘じてやみ屋が横行するというようなことになつたのであります。
 これによつて、政府がいろいろとくふうをして、現在それが緩和されたかの今日、九月には、一万五千円で買上げていた塩の價格に対し、一挙に九千五百円というものすごい切下げぶりを発揮し、業者が驚いている。そのあとから、十月二十三日には、もう塩を買上げすることは中止したという指令を全國に発したのであります。これは明らかに專賣法の無視であります。今までの法律を無視して買上げを中止した。
 ところが、この業者の叫びに対して、政府は実に冷たかつた。しかたがないという言葉一つで、これをしりぞけて來たのであります。昨年も、石炭がだんだんと少くなつたときに、業者たちが政府に対して陳情に來た。工業塩は輸入しなければならないけれども、食塩だけは、ぜひ内地で生産さしてもらいたい。もし万一のことがあつた場合に、日本は食塩のためにゆゆしき問題が起きて來るということを陳情しましたところ、政府は、それは考え方が間違つておる、日本はもはや戰爭を放棄したのであるから、安い塩を外國から買えばよいのである、そういうような考え方をすることはいけないと、こういうように、冷たくはねつけたわけであります。
 しかしながら、これは驚くべきことであつて、なるほどわれわれは、戰爭を放棄して永久の平和を願い、塩がほんとうに外國からいつでもやつて來るのであつたならば、それは塩田をつぶしてもよいのであります。しかしながら、われわれは戰爭を放棄したけれども、アメリカが戰爭を放棄したことを開かない。ソ連が戰爭を放棄したことを聞かない。そうして現に風雲が非常に急を告げている今日、あるいは他の國に内乱が生じておる今日、はたして内乱、騒動が絶対に起らないということは保障できない。そうしたときに、七十万トンからの食塩を、はたしてだれが保証してくれるかということを考えたときに、われわれは、どうしてもこの食塩だけは内地で生産しなければならないと思うのであります。
 ことに、日本の塩田法は特別であつて、いるようになつたら、またつくればよい、というようなものではない。外國の製塩法であつたならば、――鹹湖であるとか、天日製塩であつたならば、もちろんそれでよいのでありますが、わが國の製塩法は、外國とは異なつた塩田法であつて、もし半年もこれを休止せしめたならば、塩田には草が生えて、もはや再びこれを使用することができないようになるということを、特に政府の人は、とくと考えておいてもらわなければならないのであります。
 現在、塩買上げが中止になりまして、業者は金がなくなり、それに労働問題が起きて、労働者たちが各地に蜂起して、もし政府が専売法を無視するならば、われわれがつくつた塩はどこへでも出してやるのだ、いわゆる塩の生産管理に移ろうとすることさえ見えております。なお悪質のものになりますと、たとえば、そこいらで見るところの赤旗グループなんかは、お得意の植民地政策をひつさげて、それ見よ、連合國は日本に対して植民地的政策をとつておるではないか、エジプトを見よ、インドを見よというような、実に恐ろしいデマを飛ばしておりますし、それを聞いた業者たちは、困つておるがために、占領政策に対して一種の疑いを持つておるものもなしとしないのであります。われわれが、どんなに口をすつぱくして、そうじやない、終戰後塩がなくなつたときに、連合國は増産せよと言つたじやないかと言つてみたところで、その声が耳に入らないのであります。このような重大な問題が起きておるときに、もし政府が塩買上げを始めなかつたならば、ゆゆしき問題であるとともに、政府に、そうした共産党の人が言うような考えがなかつたとしても、結果においては、そういうようなことが起こり得るということを、特に考えてもらいたいと思うのであります。
 そこで私たちは、ぜひ政府が至急に塩を買上げてもらいたい、即刻買上げを始めてもらいたいと同時に、買上げただけではいけない。賠償金を適当なところまで引上げてもらいたい。もう一つは石炭を配給してもらいたい。しかも、よい石炭が少なければ、今山に何十万トンと積んであるところの亜炭であるとか格外炭であるとかいつたものを多分に與えてでも食塩の自給自足をするように政府が要望して、私の趣旨弁明を終りたいと思います。(拍手)
#41
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際内閣より発言を求められております。これを許します。國務大臣林讓治君。
  〔國務大臣林讓治君登壇〕
#43
○國務大臣(林讓治君) ただいま大藏大臣は別の委員会の方に出ておられまして、出席がいたしかねるのでありますから、かわつて私がこの決議案に対してお答えをいたします。
 塩の收納については、目下関係の方面と折衝中でありまして、大体十二月の上旬には再開できる見込みであります。
 製塩用石炭については、現下の石炭事情より見まして楽観を許しませんが、増配につきましては、できるだけ努力をいたしたいと考えております。
 また賠償金の増額につきましては、物價政策全体とにらみ合せまして、適正な措置を講じたいと存じております。(拍手)
     ――――◇―――――
 国民健康保險組合に対する國庫補助金増額の今期追加予算計上に関する決議案(石田博英君外九名提出)(委員会審査省略要求事件)
#44
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち石田博英君外九名提出國民健康保險組合に対する國庫補助金増額の今期追加予算計上に関する決議案は、出席者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
#45
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
國民健康保險組合に対する國庫補助金増額の今期追加予算計上に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨説明を許します。榊原亨君。
  〔榊原亨君登壇〕
#47
○榊原亨君 本決議案は、各党共同提案になるものであります。まず、その案文を朗読いたします。
   國民健康保險組合に対する國庫補助負担金増額の今期追加予算計上に関する決議
  逼迫せる生活に喘ぐ國民医療費の軽減をはかるため、國民健康保險組合の設立は目下の緊急事である。しかるに各市町村の財政が、すでに窮乏を訴えている今日、國民健康保險組合設立のためには、是非とも國庫補助金の増額を今期追加予算に計上すべきである。
  右決議する
 民主主義原則に基く基本的人権の確立の点よりいたしましても、はたまた憲法第二十五條、國家が健康にして文化的な最低限度の生活を保障する点よりいたしましても、あるいはまた國の生産を増強し、祖國を再建する点よりいたしましても、國民の厚生医療に万全を期することは、國家のため緊急の事柄であります。しかるに、戰後経済の深刻なる影響により、國民生活の実相は窮乏の一途をたどり、これに反して一般物價のひとしく高騰せしごとく、医療費も暴騰しているのでありまして、とうてい所期の目的を達し得ない現状であります。從つて、この際、前國会において議決されたる國民健康保險法による國民健康保險組合を全國に設立整備することが、きわめて重要なることは、自明の理であります。
 しかるに、設立の責任者たる全國市町村は、六・三制学校設立のため、ほとんどその財源を失い、國民健康保險組合の設立の必要なることは万々痛感しながらも、以上の経済的理由により設立が不可能なもの、またすでに一部を設立しながら、これを完成することができず、そのまま放置しておるものが、きわめて多い現状であります。よつてこの際、國庫補助金の増額をしてもらい、もつてこの窮乏を救うより道がないのでありまして、ぜひとも今期追加予算中に計上さるることを要望するものであります。
 今議会において、厚生常任委員会の請願陳情の大多数は、ほとんどこの問題でありまして、この点よりいたしましても、いかに一般國民諸君が切実にこれを要望しておらるるかが、わかるのであります。委員会における厚生大臣及び大藏大臣のこの問題に対する御見解は、目下考慮中とのことでありますが、私どもは、全議員の名を持つて、ぜひともこれが現実を要望するものであります。何とぞ皆様の御賛同をお願いする次第であります。(拍手)
#48
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際厚生大臣より発言を求められております。これを許します。厚生大臣林讓治君。
  〔國務大臣林讓治君登壇〕
#50
○國務大臣(林讓治君) ただいまの御決議の御趣意は、とくと了承いたしました。國民に対しまして、あまねく医療を受けさせるようにいたしますためには、この國民健康保險制度を整備拡張することが、ぜひ必要であると考えております。さきの國会で法律の改正が行われたのでありますが、この制度をうまく運営するためには、診療制度を充実することが最も効果があることと考えております。また、榊原議員の仰せのごとく、地方におけるところの要望は非常に強いのであります。それでありますから、われわれは、希望に沿い得ますように、目下予算的の措置を講じまして、大藏当局としきりに折衝中でありますから、さよう御了承置きを願いたいと考えます。
     ――――◇―――――
 災害対策に関する緊急質問(宮村又八君提出)
#51
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、宮村又八君提出、災害対策に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
#52
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 災害対策に関する質問を許可いたします。宮村又八君。
  〔宮村又八君登壇〕
#54
○宮村又八君 私は、災害対策に対しまして、社会革新党を代表して一言御質問いたします。
今、東條濫伐の現われとして、いたるところに災害が起り、そして悲惨なる苦しみを見ておるのが、災害地の状況であります。しかるに政府は、ただその災害地のみに眼を向けられて、護岸工事というものを、ほとんど無視されたような状態にあるのであります。
 私は、一例をわが熊本縣にとつて申し上げます。熊本縣の南端に当る八代郡和鹿島村は、今から三百五十年前、清正公の時代に堤防が構築されたのでありますが、田地よりも六尺も上を潮が流れておるところから、これを干拓するということになりまして、平野農林大臣のときに、これが通過いたしました。ところが、このたび、それができなくなつたという通知が参りました。そのために、そこの石がぼろぼろ落ちて、今まさに潮が氾濫せんとしておる有様なのであります。
 また、不知火海の玉名郡鍋村では、百何十間という堤防が亀裂を起しておる状態にある。のみならず、石が一尺近くも出つぱつておるような状態であります。なぜ鍋村の人々がそれほどまでに恐れるかと申しますと、大牟田の築港ができたため、その大牟田から砂が堤防に來て積もるため、水路が閉ざされて水が出なくなつた、それで雨水期になりますれば、どうしても水が通らないために、田圃は海を見るようになるのであります。そして村民は、ほとんど死地をたどるような氣持ちを持つておつたということを聞いておりました。私がそこへ参つてみまして、初めて雨水がいかに玉名郡の一部を荒しておるかということがわかりまして、何とかしてこれは政府にお願いをするから待つてくださいと申しておいたのであります。そのうちに、私は急用がありまして市に帰りました。そこで、資料を送つてくださいと申しておいたのですが、まだ今日まで参りません。
 また、飽託郡の小島町と申しますのは。大正十四、五年ごろ、あの津波によつて堤防がこわれ、百数十軒の家が流失し、死したる人が二百人、畜類はその数が知れないほどでありました。そして田地は、三年間ほとんど生産できないという状態に置かれたのであります。それと申しますのも、当時縣会議員の人たちが、土木業者と結託して、工事費の何割かをとつたからだ、と言いふらされております。これは、いまだ明らかになつておりませんけれども、世間周知の事実であります。その後また改良工事をいたしましたけれども、どうもおかしいと思いまして、私は専門家を連れて参りましたところが、専門家の話によれば、これではまだ危険であるということでありました。
 こういうことを考えますると、日本全体の護岸は、いよいよゆるぎを持つておるのではないかと考えるのでありまして、災害地も必要でありますけれども、災害地はある程度にして、第一にこの護岸工事をしなくては、どうしても食糧問題に影響が甚大であるということを考えますと、災害地の今日の窮状をどうにかして食いとめるために、政府が主力をもつてやつていただけるものであるやいなや、これをお尋ねする次第であります。
 諸君、このたびの護岸工事費は五千八百五十八万余円と聞いておりまするが、これしきのことでは、しよせん問題にもならないと私は信ずるのであります。これにつきまして、政府がここで思い切つた追加予算を組んでやられるか、やらないかということを伺いたい。そうして、この八月のことでありました。新聞に出ておりましたから御承知の方もあるかもしれませんが、このとき、私の方が縣経済部長の金子という人が、何十万足という地下たびを横流しをして、今この人は刑務所におられるということであります。そういうことがあるのに、縣にこの鍋村から願い出しまして、二回も三回も行つたけれども、下役の人もやつてみてくれません。そこで鍋村は、これはたえられないと、こぞつて縣に押しかけようと言いますから、それは待つてくれと言つたのでありますが、そういうことがあるのにかかわらず、またまた最近の情報によれば、熊本の縣知事、いわゆる高級官僚という人は、料亭に入つて毎日のように酒を飲んでいるという。その料亭の附近の人たちが、毎日毎日自動車がここにつくということで、どうしてわれわれは毎日の生活を続けて行くかということを憂慮している次第であります。
 今日吉田総理が、政界、官界、財界の粛正を言われるときに、こういう問題は、ただ熊本縣だけでなく、全日本に行われている。日本の官僚というものは、ほとんど収賄、贈賄の徒党に入つているとは、断言こそしませんけれども、断言に近いところまでやつていることを考えまするならば、吉田総理は、最後の腹をきめて、この官界の粛正、また政界の粛正、財界の粛正を徹底するまでやる意思があるかないか。また、解雇と毎日のように申されますが、私は解雇は恐れるに足らぬ。もし悪い議員がおりましたならば――しかも、大臣ともあろう人たちが刑務所に入つて、どうだこうだという資格がどこにありますか。ここにも、りつぱな方々がおられますけれども、このまま続いて行つたとすれば、おそらくこの議員諸公も、そのうちには、牢へなだれ打つて、唐丸かごに乗つて行かなければならぬ、あわれな運命になりはしないかと思います。これは國際的に見ましても、わが日本の將來の一大汚点であると考えます。
 こういう見地に立ちまして、吉田総理は確固たる意思をもつて、解散もしかり、大いにやるべきであると私は考える次第であります。これに対しまして総理の答弁を求めます。
#55
○議長(松岡駒吉君) 総理大臣は、やむを得ない職務のために退席されておりますので、國務大臣が代つて答弁いたします。厚生大臣林讓治君。
  〔國務大臣林讓治君登壇〕
#56
○國務大臣(林譲治君) 宮村君にお答えいたします。
追加予算につきましては、目下関係方面と連絡を保ちつつ検討を進めております。災害対策費につきましては、十分考慮をいたして、この経費の緊急必要性にかんがみまして、できるだけ多額に計上したいと考えております。
 なお、國の地方出先の機関において、災害対策につきまして熱意を欠いたり、あるいは怠慢な点があるというような点を、御指摘になつたようでありますが、これは中央の意向を体しないものでありまして、政府といたしましては、地方出先官憲につきましては、中央における方針をとくと強力に遂行せしめるように、熱意を持つて先方に監督いたさせるようにいたしたいと考えております。さよう御了承を願います。(拍手)
  〔國務大臣益谷秀次君〕
#57
○國務大臣(益谷秀次君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。はつきり聞き取れなかつたのであれまするから、あるいは間違つたことを申し上げるかも存じません。訂正をしていただきたいと思います。
  〔議長退席、副議長着席〕
 災害復旧は、もとより急いでやらなければなりません。同時に、この災害を防ぐために、治山治水の方面においては、しつかりした政策を立てなければならないのであります。ただいまの御質問は、護岸工事の問題でありますが、これに対しては、政府は從來、一般公共事業費から相当の金額を割きまして、浚渫とか、あるいは砂防工事とか、その他堤防に対してはかさ上げとか、できる限りの補強の工事を進めておるのであります。しかして、熊本縣について引証せられたのでありますが、河川は各河川に特質があるそうであります。そこで、各河川ごとに十分に調査をいたして、災害を防ぐという方針を決定いたしたいと思うのであります。
 予算の点については、先回もお答え申し上げた通り、國家財政とにらみ合わせて、できる限りの金額を予算化いたして、御希望に沿いたいと思うのであります。
 なお、網紀粛正をというようなことで、あるいは建設省の私の部下に間違つた者があつたかのように聞いたのであります。かような者に対しては、ありますならば、嚴重に処置をいたそうと存じております。大体お答えいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 府縣條例の制定に関する緊急質問(森山武彦君提出)
#58
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出します。すなわちこの際、森山武彦君提出、府縣條例の制定に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
#59
○副議長(田中萬逸君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 府縣條例の制定に関する緊急質問を許可いたします。森山武彦君。
  〔森山武彦君登壇〕
#61
○森山武彦君 私は、地方自治法に基いて府縣が制定実施しつつあるところのいわゆる府縣條例と憲法との間における疑義によつて、いろいろ行政の円滑を欠きおる点を指摘いたしまして、法務総裁の御所信をお伺いしたいと存じます。次に、右の結果、現に滋賀縣において、去る十月一日実施されましたところの滋賀縣水産物統制條例並びに宮崎縣において去る十月実施されましたところの牡牛去勢條例をあげ、なかんずく宮崎縣における牡牛の虚勢條例実施が、農林省当局には無関係に、しかも一万円という罰金刑の強制力をもつて臨んだことが、農産物増産計画並びに家畜増産計画に及ぼせる影響並びにこれに対する措置について、農林大臣の所信をお伺いしたいと存じます。
 憲法第九十四條には、「地方公共団体は」「法律の範囲内で條例を制定することができる。」となつております。この憲法の規定には、條例制定については、法律の範囲内という一定のわくが定めてあるわけであります。從つて、府縣條例は、法律の範囲を越えて制定することはできないはずであります。また憲法第二十九條は、「財産権は、これを侵してはならない。」と、財産権不可侵の原則を定めておるのであります。さらに、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」ということになつております。私有財産を侵害する場合には、正当なる補償と、公共のための、二條件が必要になることは明瞭であります。以上の條件において、府縣は、地方自治法第九十六條によりまして、当然に府縣條例を制定することができるというのでありますが、実際問題といたしましては、府縣條例の制定の範囲につきましては、いろいろの疑義が起りまして、現に各主務省は、法務省にその裁定を求めておりまするが、法務省は容易にこれを裁決せずして、主務省はこれが取り扱いに悩まされておるということであります。
 滋賀縣の淡水魚の統制條例問題に関しましても、ようやくこれを実施したのでありますが、聞くところによりますと、これも法務省の正式の意見ではなくて、今日に至つても、まだ何か問題があるという話であります。さらに宮崎縣の場合において行われたところの條例は、農林省には何の音さたもなくてかつてに縣條例をこしらえたのであります。そうして、縣民の個人の所有物であるところの、農民の貴重なる財産を対象といたしましては、牡牛すなわち男牛の去勢條例を制定いたしまして、これを去る十月実施したのであります。ところが縣民は、この條例ができたことをほとんど知りませんので、非常に驚いたのであります。すなわち、何のために自分たちのこの大切な、高價なる農耕用の牛が、その持物を取去られなければならぬのか、まつたく寝耳に水であつたのであります。しかし、いかんせん、その理由などはどうでもいいというので、縣條例に從わなければ一万円の罰金だという脅威をたてに、まつたく徳川時代の代官がするようなことをいたしまして、たちまちのうちに縣内の牛の持物を取去つてしまつたのであります。農民は、一万円の罰金ということで、驚いてこの條例には從いました。しかしながら、宮崎縣の農業増産に寄與しつつあつたところの男牛は、おそらく驚いたことでありましよう。何の罰か、その自然性を失い、みな男牛でもなければ女牛でもない幽霊牛ができたのであります。その結果、縣当局は二、三頭の牛が死んだと称しておるそうでありますけれども、実際は四、五十頭以上の牛が死んだのであります。また今日に至りましても、まだその牛の去勢のあとが直らぬので、非常に重態に陷つておる牛が多々あるのであります。
 かような暴君的な條例をこしらえまして、農作物の増産であるとか、あるいは家畜の増産であるとかいうことは、どういうわけでありましようか。われわれには不可解であります。聞くところによりますと、この暴挙は、ただ去勢すれば牛肉として適応性を増加するという一点でありまして、何ら農作物の増産とか畜産の増産などには関係ないということであります。その結果できたものは何かと申しますと、獣医師会が、手術料を一頭について五百円ずつで請負いまして、何百万というお金をとつたのであります。憲法にいわゆる公共のためにという條件などは全然ないのであります。今や農民は、有畜農業の必要性を自覚いたしまして、多角農業の一環として、営々としてその所有牛を飼育して、そうして農作物の増産に努力しておりますときに、この非民主的にしてしかも憲法上の條件に合しない條例を乱作して國策を妨害し、また個人の所有権を大幅に侵害し、農民を泣かしめた。
 農林省は、過日、本会議におきまして、馬の去勢を廃止いたしました。しかしながら、地方府縣におきまして、かようなかつて條例をこしらえますならば、かような廃止もまたできるわけであります。また條例制定もできます。そういたしますならば、政府がいかような法律をつくりましても、各府縣において、かつてなことをやりましたならば、何の効果もありません。この点につきまして、農林大臣に、農民がほんとうに納得のできる方針と今後の措置をお伺いしたいと思います。
 さらに法務総裁は、現行自治法において、明瞭迅速にこれを決裁ができないのか。もし、現行自治法の一部を改正しなければこの限界が明瞭にできないというのならば、地方自治法の一部改正を発議すべきではなかろうかと思うのであります。これは重大な問題でありまして、急速を要する問題であります。この点につきまして、法務総裁の御所見をお伺いしたいと思います。(拍手)
  〔國務大臣殖田俊吉君登壇〕
#62
○國務大臣(殖田俊吉君) 森山議員の御質問にお答えをいたします。地方公共團体の條例に関しまして、いろいろお話がございましたが、私もごもつともに思う点が多々ございます。しかしながら、今日の憲法におきまして、また地方自治法におきまして、中央政府は、地方公共團体の條例制定に対しまして、これに変更を加えるとか、あるいはこれが管理とかいうことに対しまして、一般的に監督権を持つておりません。從つて、地方の條例が憲法に違反するか、あるいは法令に違反するかというような問題は、具体的にはこれは最高裁判所の問題といたしまして判決を受けるしかないのであります。しかしながら、もし住民がこの條例をはなはだ不満とする、不当とするという考えでありますならば、地方自治法の第十二條の規定によりまして、住民がこれの改廃を要求することもできまして、その手続等についても、地方自治法はこれを規定いたしているのであります。その上で、なおかつ地方自治法が國民の福祉に沿わないということでありますならば、それはまた地方自治法の改正なり、その他の法令の立案なりを、政府として考えなければならぬと思うのであります。(拍手)
  〔國務大臣周東英雄君登壇〕
#63
○國務大臣(周東英雄君) 森山君の御質問にお答えします。ただいまのお話、まことにもつともでございますが、全体の方針といたしまして、各地方の実情にまかしているのでありまして、これを直接に干渉するという方針はとつておりません。從いまして、宮崎縣の調査の結果によりますと、大体牛を飼養いたしております者の中にも、むしろこれに賛成しておる向きも多いようでありまして、除外地区等におきましては、むしろこれを入れろという要求もありまして、飼養者といたしましては、一面去勢をいたしまして肉質をよくし、そうして市價を高らしめるというような方の利益がありますので、それらの住民の意向に從つて縣当局が條例を出したものと心得ます。從つて、もし地方の事情に即せず、住民の意思に反するというようなことが起きますれば、おのずから別にこれを考慮したいと考えております。(拍手)
     ――――◇―――――
 低地帯農村の経済に関する緊急質問(佐藤觀次郎君提出)
#64
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、佐藤觀次朗君提出、低地帯農村の救済に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
#65
○副議長(田中萬逸君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
低地帯農村の救済に関する緊急質問を許可します。佐藤觀次郎君。
  〔佐藤觀次郎君登壇〕
#67
○佐藤觀次郎君 現在農村が非常に疲弊しているということは、皆さんも御承知であろうと思います。特に私は、愛知縣の低地帯、これは海岸線がおもでありますが、私の生まれた海部郡の実情を農林大臣及び大蔵大臣につまびらかにしていただきまして、ぜひともこの際救済をしていただきたいと思うのであります。
 御承知のように、わが海部郡の地帯は、木曽川の河流からできたところの河床地帯でありまして、海岸より低いこと二丈に及んでおりまして、ちようどオランダと同じような非常に低い土地であります。從つて、排水機によつて米作をやつているのでありますが、この排水機の費用が非常にかさばりまして、現在一反歩について二百円ないし二百五十円のたくさんの費用が要るのであります。從つて、この費用がだんだんかさみまして、最近の農民は、この費用の負担に耐えかねまして、自分の土地をどんどん放棄する者ができまして、今日におきましては、わが海部郡だけでも、六百町歩から七百丁歩の土地がどんどん放棄されているのであります。おそらく、三重縣あるいは和歌山縣、徳島縣のような陷没地帯になつた所も、これと同じような例と思うのでありますが、われわれは、少くとも現在農民に供出制度を施行している限り、國家がこれに必要な排水機の経費を國費にするのは当然であると思うのであります。その意味において、大藏大臣は、米作地帯のこの低地帯における排水機の費用を國庫で負担してくれるかどうか、これを大藏大臣にお願いしたいのであります。
 それから、現在もし排水機の費用を國庫で負担してくれない場合において、米の買上げ値段を、少なくとも一反歩について二百五十円から三百円高く買上げてもらうことが、絶対に必要であるのであります。もし、これを買上げることができなければ、農民は今のような状態ですと、どんどん土地を放棄いたします。最近私の方に陳情に参ります農民の多くは、今のような状態ならば、来年は絶対米を作らないと言つて來ております。少くとも現在、わが海部郡におきましては、一箇町村で五万俵からの米を納めておる村が数箇町村あります。少くとも、こういう状態はいつまでも続けておれますと、盛んに政府が言つておる増産ということには何もならないという結果になります。こういうような場合において、米の買上げ値段を高くしていただくことが絶対に必要でありますので、この処置がとつていただけますかどうか、これを農林大臣にお伺いしたいのであります。
 もう一つは、これはおそらく全国の海岸線の農村に見られる例でありますが、最近地震などの関係もありまして、農地が非常に低くなつて参りまして、大体私どもの附近でも、海岸の土地が一メートル近く陷没しております。從つて、非常に塩害がたくさんできまして、ひどいところになりますと、この塩のために、一反歩についてわずか一俵か一俵半しかとれないところが、どんどんできて來ております。從つて、こういうような状態が続きますと、先ほど申しましたと同じような意味で、土地を放棄する人がたくさんできまして、わが海部郡だけでも、大体八百町歩ぐらいの土地が、塩害のために米ができないような状態になつております。こういうような塩害地帯は、事前割当になつておりますから、將來供出を初めから除外していただいて、出来高で補正割当をしていただくように、ぜひとも供出の面にもお考えを願いたいと思うのであります。
 この二点におきまして、現在わが海部郡から、大体六万俵からの米を納めておるわけでございますが、こういうような状態は全國の地区にもありますので、ぜひとも農林大臣、大藏大臣、また建設大臣もこの実情をよく察知されまして、できる限り農民の意図に沿うように救済をしていただきたいと思うのであります。そういう点において、私は、特に農林大臣、大藏大臣に、どういう処置をしていただけるか、農民の代表として、ぜひともこのことをお願いしたいと思うのであります。
 私の質問は、これで終ります。
  〔國務大臣周東英雄君登壇〕
#68
○國務大臣(周東英雄君) 佐藤君の御質問にお答えいたします。
 低湿地帯における農家が、その生産に対しまして特殊な費用をかけておる、これに対してどうするかということでありますが、まことに、その地帯における農家の方に対しましては、お気の毒に考えます。ただ今お話のありましたように、しからばその地帯における関係において特殊の米價をきめるかということにつきましては、ただいま困難な事情であります。むしろ、お話のように必要経費について、特別の費用について、でき得る限り國家が補助するという形がよかろうと思つておりますが、今日までのところ、その意味におきまして、政府におきましても、揚水機等の設置、買上げ等に対しましては、補助金を相当出しております。また、一般の用排水関係の設備資金に対しましても相当額の予算を計上いたしておりますが、なおこれは少額であると思います。今後土地改良を一般にいたしまして、農林省といたしましては増額の要求をいたしておる最中であります。
 なお、ついでに申し上げますが、揚水機を使いまする場合に、電力の使用が相当かさみますので、それらの電力に関する使用料金等につきましても、目下関係当局と相談をいたしておるような次第であります。お答え申し上げます。(拍手)
  〔政府委員塚田十一郎登壇〕
#69
○政府委員(塚田十一郎君) 大臣にかわりまして、佐藤議員の御質問に御答弁申し上げます。
 いろいろお述べになりました御趣旨は十分に了承いたしておるのでございますが、総体の予算の関係その他ありまして、今日まで適切な措置を講じておらぬので、まことに遺憾に存じておる次第であります。なお今後一層それらの点を研究いたしまして、なるべく御希望に沿うように努力いたしたいと思つております。(拍手)
#70
○副議長(田中萬逸君) 明二十七日は定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後四時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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