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1948/11/10 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第2号
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1948/11/10 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第2号

#1
第003回国会 法務委員会 第2号
昭和二十三年十一月十日(水曜日)
    午後三時十八分開議
 出席委員
   委員長 高橋 英吉君
   理事 鍛冶 良作君
      岡井藤志郎君    花村 四郎君
      松木  宏君    井伊 誠一君
      池谷 信一君    石川金次郎君
      榊原 千代君    森 三樹二君
      荊木 一久君    中村 俊夫君
      佐竹 晴記君
 出席政府委員
        法務政務次官  田中 角榮君
        檢 務 長 官 木内 曽益君
        法務行政長官  佐藤 藤佐君
 委員外の出席者
        專  門  員 村  教三君
十一月九日
 加藤吉太夫君が委員を辞任した。
    ―――――――――――――
十一月九日
 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
 羅災都市地借家臨時処理法第二十五條の二の災
 害及び同條の規定を適用する地区を定める法律
 案(内閣提出第六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第二号)
 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
 羅災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の
 災害及び同條の規定を適用する地区を定める法
 律案(内閣提出第六号)
 副檢事の任命資格の特例に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出第三号)(予)
 戸籍手数料の額を定める法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第四号)(予)
    ―――――――――――――
#2
○高橋委員長 これより会議を開きます。
 田中政務次官より発言を求められております。これを許します。田中政務次官。
#3
○田中(角)政府委員 一言ごあいさつを申し上げます。新しい國会の劈頭でありますので、主務委員会であるところの当委員会に対しましては、法務総裁がごあいさつに伺うつもりでありましたが、おととい着任いたしましたばかりで、何もよく存じておりませんし、特にきようは別に一つ会がありますので、あらためて当委員会にごあいさつにまかり出るというお話でございましたから、よろしくお願いいたしたいと思います。
 なお私は御承知の通り、まつたくのしろうとでありまして、当委員会の委員の諸君は全部私の先輩であり、かつ非常にエキスパートでありますので、私も当委員会の審議が迅速に進みますように、國会と法務廳、その他行政府との間を皆さんの命によつていろいろ連絡の衝に当りたい。こう思つておるのでありまして、よろしくお願いいたしたいと思います。一言ごあいさつ申し上げます。
    ―――――――――――――
#4
○高橋委員長 これより副檢事の任命資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。政府より提案理由の説明を願います。
    ―――――――――――――
#5
○木内政府委員 副檢事の任命資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 副檢事につきましては、御承知の通り、二級の檢察官たる資格を有するもののほか、檢察廳法第十八條第二項において、高等試驗に合格した者及び三年以上政令で定める二級官吏その他の公務員の職にあつた者で、副檢事選考委員会の選考を経たものの中からも、これを任命することができるのでありますが、この任命資格を有する者をもつてその定員を満たすことが困難でありましたので、第一回國会において、副檢事の任命資格の特例に関する法律を制定し、その施行の日から一年以内に限り、副檢事は、檢察廳法第十八條第二項の規定にかかわらず、副檢事の職務に必要な学識経驗のある者で、副檢事選考委員会の選考を経たものの中からも、これを任命することができるものとし、檢察事務官、警察官等より廣く人材を登用することといたしたのであります。しかしその後政府におきましては、この特例法律により、鋭意副檢事の充員に努力して來たのでありますが、現在までに二百三十七名を任命し得たにとどまり、正規資格により任命せられた者百十八名を加えましても、定員五百三十名に対して、なお百七十五名の欠員を残している状態であります。しかも刑事訴訟法の改正に伴いまして、檢察事務はますます多忙となることが予想せられ、檢察官の増員は必至でありますが、これを檢事のみをもつて満たすことはとうてい困難でありまして、その大部分は副檢事をもつてこれに充てなければならない次第であります。
 これらの副檢事を任命いたしますには、今後も任命資格の特例によらなければならないのでありますが、この特例法律は、本年十二月十七日以後はその効力を失うことになつておりますので、これをさらに一年間延長することといたしまして、この現状に対処いたしたいと思うのであります。
 以上がこの法律案を提案いたした理由であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことを希望いたします。
#6
○高橋委員長 本日はこの提案理由の説明を聽取するにとどめ、次の議題に移ります。
    ―――――――――――――
#7
○高橋委員長 戸籍手数料の額を定める法律の一部を改正する法律案、これを議題といたします。政府より提案理由の説明を願います。
    ―――――――――――――
#8
○佐藤(藤)政府委員 戸籍手数料の額は、昨昭和二十二年政令第二百一号で、同年十月一日から五円に増額され、右政令は、そのままの内容で、本年六月戸籍手数料の額を定める法律に切りかえられ、現在に至つているのでありますが、右増額以來、物價の騰勢は依然として続き、日本銀行統計局作成の物價指数表により、例を東京小賣物價及び同卸賣物價にとつてみましても、右増額当時に比べ、いずれも二倍以上となつており、また戸籍の謄、抄本を作成するに要する実費を実地について調査いたしてみましても、昨年の約三倍となつておりまして、現行手数料をもつては、戸籍の謄、抄本を作成するに要する実費を償うにも足りない状態であります。このため戸籍事務に要する経費を負担しております地方公共團体の財政的負担はいよいよ大きく、この際戸籍手数料の額を増額をいたしますことは、諸経費の増大に悩む地方公共團体の強い要望にこたえ、ひいては戸籍事務の円滑な運営をはかるゆえんでもあります。よつてここに戸籍手数料の額を増額するため、この法律案を提出した次第であります。
 以下その内容の概略を申し上げますと、戸籍手数料の額を定める法律第二條は、閲覽手数料に関する規定でありまして、現在戸籍薄、除籍薄、届書その他市町村長の受理した書類または戸籍訂正申請書類の閲覽手数料は、一回につき五円と定めておりますが、これを十二円に増額いたします。同法第三條は謄、抄本交付手数料に関する規定でありまして、現在戸籍または除かれた戸籍の謄本または抄本の交付手数料は、一枚につき五円と定めておりますが、これも十二円に増額いたします。同法第四條はいわゆる記載事項及び受理証明の手数料に関する規定でありまして、現在右謄本もしくは抄本の記載事項に変更がないことの証明、戸籍もしくは除かれた戸籍に記載した事項に関する証明、または届出もしくは申請受理の証明書、届書その他市町村長の受理した書類もしくは戸籍訂正申請書類の記載事項の証明書の交付の手数料は、一件につき五円と定めておりますが、これもまた十二円に増額することにいたしました。右増額の割合は、大体現在の二倍半足らずでありまして、前述の物價指数と戸籍謄、抄本作成に要する実質を標準といたしました。
 以上がこの法律案の理由であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願い申し上げます。
#9
○高橋委員長 この法律案も本日は提案理由の説明を聽取するにとどめ、次の議題に移ります。
    ―――――――――――――
#10
○高橋委員長 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。政府委員より提案理由の説明を願います。
    ―――――――――――――
#11
○佐藤(藤)政府委員 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 民事、刑事の訴訟費用及び執行吏手数料等は、御承知の通り、それぞれ民事訴訟費用法、刑事訴訟費用法及び執達吏手数料規則の三法律に規定されているのでありますが、戰時中に諸物價の高騰に應じて、臨時的にこれらを増額するため訴訟費用等臨時措置法が制定され、さらに引続く諸物價の高騰に伴い、一昨年九月及び昨年十一月と再三増額をみたのであります。しかるにその後一年間の経済情勢の変遷は眞にはなはだしく、例を日本銀行統計局調査の東京における小賣物價指数にとつてみましても、本年七月の物價は、昨年同期の物價に比して約三倍の高騰を示し、現行手数料等の額は、まつたく実情に副わぬものとなりました。このため民事、刑事の訴訟関係者は非常に重い負担を強いられるに至り、また執行吏は、現在の收入をもつてしてはその生計を維持することがきわめて困難な状態にありまして、ひいては民事、刑事の訴訟や、強制執行制度の円滑な運行にも支障を來すおそれがある状態に立ち至つているのであります。よつて政府は、この際さらに暫定的に右手数料等の額を増額して現状を打開するために、この法律案を提出いたした次第であります。
 以下改正の要点を申し上げます。
 第一は、民事、刑事の訴訟費用及び執行吏の手数料等を現状に即するように増額した点でありまして、今回の改正の眼目とするところであります。増額の程度は、物價指数により大体現行の二倍半から三倍程度にいたしました。但し旅費、日当、宿泊料も同じく現行の三倍程度の増額になつていますが、その算定の基礎は、事の性質上諸官廳における内國旅費支給規定に準じてこれを定めたのであります。第二條、第三條、第四條第一項、第四項及び第五項の改正規定がすなわちそれであります。
 第二は、執行吏の差押及び競賣手数料の計算方法を改めた点であります。この手数料は、債権額または競賣金額の多寡に應じて定まるものでありまして、現行法では手数料計算の標準となる債権額または競賣金額を五万円以下六段階にわけてありますが、現在ではこの分け方は、すでにこまかきに過ぎ、かつ五万円を超える場合に適当な段階が設けてないため、手数料の算定に適正を欠くうらみがありますので、今回の改正では十万円以下を六段階にわけ、かつ一事件の平均金額の騰貴及び手数料の逓減率等を考慮しまして、各段階ごとに適当な手数料額を規定することにいたしました。第四條第二項及び第三項の改正規定がそれであります。
 以上がこの法律案提案の理由であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願い申し上げます。
#12
○高橋委員長 これも本日は提案理由の説明を聽取することにとどめ、次の議題に移ります。
    ―――――――――――――
#13
○高橋委員長 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案を議題といたします。政府より提案理由の説明を願います。佐藤藤佐君。
    ―――――――――――――
#14
○佐藤(藤)政府委員 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 罹災都市借地借家臨時処理法は、あるいは罹災建物の旧借主に優先的に借地権を取得させ、あるいは罹災地の借地権で、今後存続させる意思のないと認められるものを貸主の側から消滅させる等の道を開き、これらに関連する借地借家関係を調整して、戰爭による罹災都市の急速な復興をはかることを目的として制定されたのでありますが、同法第二十五條の二の規定によりますと、戰災の場合のみならず、別に法律で指定した火災、震災、風水害その他の災害の場合にも同法の規定を適用して、かかる災害地の復興の促進に資することとなつております。その適用地区は同法第二十七條第二項の規定によりますと、これまた災害ごとに別に法律で定めることとなつているのであります。
 昭和二十三年六月二十八日、北陸地方に起つた震災及びこれに伴つて発生した火災、同年七月二十四日、福井地方に起つた水害並びに同年九月十六日、東北地方に起つた風水害につきまして、その被害状況及びこれらの地区における借地借家関係等を愼重に調査檢討いたしましたところ、これらの災害につき、同地区にも罹災都市借地借家臨時処理法の規定を適用することといたしますのが、同地区の住民に一日も早く安住の場所を與え、同地区をすみやかに復興させるゆえんと考えられますので、ここに本法律案を提出いたした次第でございます。
 何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願いいたします。
#15
○高橋委員長 この法律案も本日は提案理由の説明を聽取するにとどめ、次の議題に移ります。
    ―――――――――――――
#16
○高橋委員長 下級裁判所の設立並び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。政府より提案理由の説明を願います。佐藤藤佐君。
    ―――――――――――――
#17
○佐藤(藤)政府委員 ただいま議題となりました下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律(昭和二十二年法律第六十三号)の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 この法律は新憲法第七十六條第一項及び裁判所法第二條第二項の規定に基き、高等裁判所以下の下級裁判所の設立及び管轄区域について規定したものでありまして、昭和二十二年四月、法律第六十三号として制定公布せられ、同年七月、法律第八十九号をもつてその一部を改正せられて今日に至つたのでありますが、今回さらに次のような改正を要することになりましたので、この法案を提出いたした次第であります。
 すなわちその改正の第一点は、家庭裁判所の設立及び管轄区域に関する規定を設けることであります。さきの第二回國会において少年法を改正する法律(昭和二十三年法律第百二十八号)が成立し、昭和二十四年一月一日から施行せられることになつておりますが、この法律の改正に伴い、政府は下級裁判所の一種として、少年法で定める少年に対する保護事件の審判及び同法で定める成人に対する刑事事件の裁判のほか、家事審判法で定める家庭に関する事件の審判及び調定を行わせるため、家庭裁判所を設置する必要を認め、別途裁判所法の一部を改正する等の法律案を提出いたした次第でありますが、この家庭裁判所は、その取扱い事件が重要かつ廣汎なものである関係上、少くとも各地方裁判所の所在地に一つずつこれを設け、その管轄区域も所在地を同じくする地方裁判所のそれと同一とすることが適当と認め、その趣旨の規定を設けようとすることであります。
 その第二点は、土地の状況及び交通の便否等にかんがみ、簡易裁判所の管轄区域を是正することであります。簡易裁判所は、裁判所法の制定に伴い、全國を通じ五百五十九箇所にあらたに設立せられたのでありますが、設立後一年有余の実績にかんがみ、その管轄区域の変更を要するものがあることが判明いたしましたので、土地の状況及び交通の便否等、実情に即してその是正をしようとするものであります。この管轄区域の変更は全國を通じて二十四箇所に及んでいるのでありまして、いずれも当該市町村のほか、関係官公署及び地元弁護士会等の意向を徴して愼重して決定したものであります。
 第三点は宇都宮地方裁判所管内の日光簡易裁判所及び名古屋地方裁判所管内の中川簡易裁判所の所在地の移轉及び名称の変更の点であります。これらの簡易裁判所は、それぞれ栃木縣上都賀郡日光町及び名古屋市中川区に設置せられているのでありますが、その廳舍の都合等やむをえない事由によつて、これをそれぞれ同縣今市町及び同市中村区に移轉し、その名称をそれぞれ栃木今市簡易裁判所及び愛知中村簡易裁判所と改称しようとするものであります。
 また第四点は、裁判所の管轄区域の基準となつた市町村その他の行政区画の名称等に変更のあつたことに伴い、この法律の別表を訂正する点であります。すなわち從前の町や村が合併して市または町となり、また市町村の名称が変更せられる等、裁判所の管轄区域の基準となつた行政区画に変更がある場合に、これに從つてこの法律の別表中に記載せられた市町村名等を訂正しようとする点であります。
 以上まことに簡單ではありますが、この法律案の要点について御説明申し上げました。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。
#18
○高橋委員長 本案も本日は提案理由の説明を聽取するにとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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