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1948/11/15 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 内閣委員会 第2号
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1948/11/15 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 内閣委員会 第2号

#1
第003回国会 内閣委員会 第2号
昭和二十三年十一月十五日(月曜日)
    午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 小川原政信君
   理事 冨田  照君 理事 田中 稔男君
  理事 唐木田藤五郎君
      菊池 義郎君    辻  寛一君
      加藤 勘十君    冨吉 榮二君
      山中日露史君    小坂善太郎君
      田中源三郎君    東井三代次君
      黒田 寿男君
 出席政府委員
        総理廳事務官  都村新次郎君
 委員外の出席者
        専  門  員 龜卦川 浩君
十一月九日
 工藤鐵男君及び辻寛一君が委員を辞任した。
同日
 小川原政信君が議長の指名で委員に補欠選任さ
 れた。
十一月十日
 辻寛一君が議長の指名で委員に補欠選任された。
同月十日
 小川原政信君が議長の指名で委員長に選任され
 た。
同月十五日
 唐木田藤五郎君が理事に追加選任された。
    ―――――――――――――
十一月九日
 財閥同族支配力排除法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第九号)
同月十一日
 恩給増額に関する請願(萩原壽雄君外十二名紹
 介)(第一二号)
 同(田島房邦君紹介)(第七七号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 雪に関する綜合調査研究機関の新設並びに既設
 施設の拡充強化に関する陳情書(北信五縣雪害
 対策連盟会長新潟縣知事岡田正平)(第六号)
 中央出先機関廃止に関する陳情書(鳥取縣会議
 長中田吉雄)(第四九号)
 夏時刻法改正の陳情書(北海道市長会長札幌市
 長高田富與)(第九五号)
 中央出先機関廃止に関する陳情書外四件(兵庫
 縣加古郡平岡村長木戸彌太郎外四名)(第一二
 七号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の追加選任
 連合審査会開会に関する件
 國政調査承認要求に関する件
 財閥同族支配力排除法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第九号)
    ―――――――――――――
#2
○小川原委員長 これから会議を開きます。
 議事に入ります前に簡單にごあいさつを申し上げたいと思います。このたびはからずも私があやまつて委員長の重責に御推薦を受けまして、本日からその職責につきたいと存じます。御承知の通り、私は至つて不敏な者でございまして、皆樣の絶大なる御協力と御支援がなければ、その職責を一日も行うことができないのでございます。何とぞ將來絶大なる御支援を御鞭撻を賜わりまして、その職責を全ういたしたいと思います。まことに簡單でございますが、これをもちましてごあいさつにかえる次第であります。どうぞよろしくお願いします。
    ―――――――――――――
#3
○小川原委員長 それではこれから理事の追加選任を行います。去る十一月九日の議院運営委員会におきまして、小会派からも理事を出すことにきまりましたので、本委員会といたしましても、理事を一名追加いたしたいと思うのでございます。
#4
○山中委員 ただいまの理事の選任に関しましては、委員長において御指名あらんことを望みます。
#5
○小川原委員長 ただいまの山中君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○小川原委員長 御異議なきものと認めまして、委員長は唐木田藤五郎君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#7
○小川原委員長 次にお諮りいたしたいことがございます。現在運輸委員会に付託になつております日本國有鉄道法案、及び大藏委員会において審議中の日本專賣公社法案は、現在の行政機構の改革上重要なる問題を含んでおるのでありまして、國家行政組織の樹立の面からも内閣委員会として看過すべかるざることであります。從いましてこの際、先ほど申し上げました運輸委員会、大藏委員会とそれぞれ連合審査会を開くことにいたしたいと思うのでありますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○小川原委員長 それではさよう決定いたします。なお連合審査会を開く時期等の決定に関しては委員長に御一任願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#9
○小川原委員長 それではこれより去る十一月九日本委員会に付託に相なりました財閥同族支配力排除法の一部を改正する法律案を議題といたしまして審査を進めます。まず政府の説明を求めます。
    ―――――――――――――

    ―――――――――――――
#10
○都村政府委員 財閥同族支配力排除法の一部を改正する法律案の提案の趣旨を御説明申し上げます。
 財閥関係役員の審査は、財閥同族支配力排除法の規定に基きまして、内閣総理大臣の所轄のもとに財閥関係役員審査委員会及び財閥関係役員再審査委員会が設けられまして、審査及び再審査を行つて参つたのであります。しかしてこの法律におきまして、まずねらいとしておりました審査、すなわちこの法律公布の当時財閥関係役員で、財閥会社またはこれに関係のある会社の役員となつておる者についての審査は、最近終了いたしたのであります。簡單に右審査及び再審査の結果を申し上げますと、財閥関係役員でないことについての申請は六百五十五件ありまして、このうち承認が六百五件、不承認が五十件ということになつております。かようにこの法律の規定に基く審査のおもなものは完了した次第でありまして、今後は、企業再建整備法等に基き、財閥会社またはこれに関係ある会社が第二会社を設立する場合、承継会社に関する申請を必要といたします。また清算会社の清算人としての就任もしくは留任の申請、あるいは、數としては比較的少いと思うのでありますが、財閥関係役員のうち、現在は無関係であるが、將來財閥会社またはこれに関係ある会社の役員に就任するため、申請をする者もあろうと思われます。以上が今後申請を予想されるおもなものでありますが、これまでの審査状況から考えまして、今後の申請はそう多くはないだろうと予測されるのであります。また財閥関係役員審査委員会及び同再審査委員会におきまして、審査あるいは再審査の結果、判例とも称すべき先例がある程度つくられたわけでありまして、今後の審査は從來より行いやすいと思われるのであります。かような状況にかんがみまして、今般財閥関係役員審査委員会及び財閥関係役員再審査委員会を廃止し、両委員会にかかわる事務は内閣総理大臣において簡素な機構のもとに行うことにいたしたのでありますが、今後内閣総理大臣において審査を継続する上におきましては、從來つくられました先例を尊重するほか、必要に應じ、関係の向きの意見をよく聽取しまして決定し、いささかたりとも経済界の実情を無視した決定に陷ることのないようにいたすつもりであります。
 以上が本改正案に提案いたしました理由であります。十分御審査の上御協賛あらんことをお願いいたします。
#11
○小川原委員長 説明が終りましたのですが、御質疑がありますならば、引続いて願いたいと思います。
#12
○山中委員 ただいま御説明の中に、両審査委員会を廃止して、内閣総理大臣のもとに簡素な機構によつてやつて行くというお話でありましたが、その簡素な機構というものは、大体どういうような機構でやつて行くというお考えでありますか、その点御説明願いたいと思います。
#13
○都村政府委員 まだ最終的の決定を見たように承知いたしておらないのでございますが、その案といたしましては、お手元に差上げてあります資料の二枚目にございますが、この法律案の改正後におきましては、総理廳の官房の中に一課を新設いたしまして、そこに約十名くらいの職員を置きまして、事務的な面を担当して行く予定のように承知いたしております。
#14
○加藤(勘)委員 今おつしやつた新しく課を新設するという定員の、資料二にある員數は、現在あるというのはその廃止される委員会の職員ですか。
#15
○都村政府委員 廃止されまする委員会には、それぞれ事務局がございまして、その事務局の中の職員の必要なものがその新しい課に引継がれるわけであります。
#16
○加藤(勘)委員 そうするとこの表によると、現在の定員よりはふえるのですね。たとえば二級官において、審査課には、現在定員はなかつたものが、新しく三、再審査のところに二名、それから三級は六とあつて、括弧の中に五となつておるが、この二級の方は政令による現在の定員ですね。
#17
○都村政府委員 さようでございます。
#18
○加藤(勘)委員 それからこの政令がなくなり、今度は全然新しいものにそのまま移管されるわけですね。あとの三級の方において現在の定員よりはふえるというのはどういうわけですか。機構を簡素化するというのに、定員がふえるのは……。
#19
○都村政府委員 三級官は、政令によります定員が、審査及び再審査におきまして合計八名でございます。その現在員が五名でございます。
#20
○加藤(勘)委員 括弧の中は。
#21
○都村政府委員 括弧の中は現在員です。
#22
○加藤(勘)委員 ふえないのですね。
#23
○都村政府委員 そうしてこの政令におきましては、各省の関係官のうちから必要な人を局員としまして、その局員が上司の命令によつて局務をつかさどることできるということがございますまので、この表にございますように合計十一名の人にお願いしまして、忙しい期間の中をもつぱらこの仕事に当つてもらつたことがございます。こういう局員は今後予想はちよつとむずかしいのではないかと存じますので、こういうふうに二級官、三級官合せて十名というのが新しい課の予定になつております。
#24
○加藤(勘)委員 今までの事務局員というのは新しい課になるとなくなるのですか。
#25
○都村政府委員 なくなるはずだと存じております。
#26
○加藤(勘)委員 手取り早く言えば、十名でやつておるところを十一名でやるというわけですね。
#27
○都村政府委員 さようでございます。
#28
○加藤(勘)委員 それからこの法律の改正はどういう点が改正されるのですか。今財閥同族支配排除法というのが参考に出ておりますが、この中のどことどこというふうに、審査会とか審査委員会の規定はなくなるわけでしよう。私も今これを初めて見たのですが、法律についてはいじらないのですね。
#29
○都村政府委員 法律の実体につきまして変更はございません。ただ財閥関係役員審査委員会、それから財閥関係役員再審査委員会が、現在の法律によりますれば、申請があれば付議する。その審査の結果によつて、内閣総理大臣が決定するというふうになつておりますのを、その委員会を削りまして、今後は全部内閣総理大臣においてこれを受理し、そうして審査し、その審査の承認または不承認を決定する、こういうふうに改められた次第でございます。
#30
○冨田委員 ただいま加藤委員からお尋ねがありましたが、これはほかの委員の方もおそらく同じではないかと思いますけれども、法律の実体についてはかわりはないという点はその通りでありますが、形式上各條文にわたつて修正が行わけなければならないわけでありますから、何條と何條はどのように修正されるということを御説明願いましたら、皆さま非常に御了解が早いのではないかと思いますが、いかがでしようか。
#31
○都村政府委員 お手元にございます財閥同族支配力排除法、現在の法律でございますが、それではそれに基きまして改正の箇所を逐次御説明申し上げましよう。
 第五條までには何もございません。第六條におきまして第二項の「内閣総理大臣は前項の申請を受理した都合、これを財閥関係役員審査委員会に付議してその審査の結果に基いて」云々というのを全部削除いたします。そうして第三項の初めにあります「第一項」というのを「前項」と改めていただきます。
 第七條に入りまして第七條第二項「内閣総理大臣は、前項の申請を受理した場合これを財閥関係役員審査委員会に付議し、この審査の結果に基いて申請の承認又は不承認の処分をしなければならない。」このところを全部削除いたします。そうして次の項の「第一項」とありますのを「前項」というふうに改めていただきます。
 次に第八條でございますが、第八條の第五項に「内閣総理大臣は、前四項の申請を受理した場合、これを財閥関係役員審査委員会に付議し、その結果に基いて申請に承認又は不承認の処分をしなければならない。」というのを全部削除していただきます。
 次に第九條でございます。第九條の第二項に「この法律で承継会社とは、財閥関係役員審査委員会が」とありますのを、「財閥関係役員審査委員会が」を削つていただきまして、「承継会社とは、前項に規定する会社の出資の状況並びに当該会社の営業、資産、取引先及び役職員の大部分、商号等の承継を考慮し、当該会社と実質的に同一なものとして決定したものについて、内閣総理大臣が指定するものを言う。」とある「決定したものについて」を削つていただきます。
 次に第十條でございます。第十條の第二項に、先ほどのような「内閣総理大臣は、前項の申請を受理した場合は、これを財閥関係役員審査委員会に付議し、その審査の結果に基いて申請の承認または不承認の処分をしなければならない。」とありますのを、全部削つていただきます。そうしまして次の項の「第一項」を「前項」と、それからその終りの方に「第五條第一項及び六條第三項」とありますのを、「第六條第一項の規定」というふうに改めていただきます。
 それから第四章の「財閥関係役員審査委員会、」これを「審査」に改めます。
 それから第十一條から第十三條まで全部削除であります。
 次の第十四條の中に「内閣総理大臣は、財閥関係役員審査委員会の要求に應じ、関係者をして、委員会に対して」とありますのを、ただ「関係者をして」というふうに改めていただきます。
 次の第十五條は全部削除でございます。
 第十六條、「内閣総理大臣は、前條の規定による審査の報告を受けたときは、一週間以内(第八條第一項による申請については二日以内)に申請の」とありますのを「内閣総理大臣は、第六條第一項、第七條第一項、第八條第一項から第四項まで、第九條第三項又は第十條第一項の規定による申請を受理したときは、速やかにこれを審査し、」というふうにお改めを願います。
 次に第十七條から第二十二條までは全部削除でございます。
 第五章の訴願に入りまして、第二十三條は現在のままでございます。
 それから第二十四條から第二十七條まで、全部削除でございます。
 第二十八條におきまして「内閣総理大臣は、前條の規定による再審査の報告を受けたきとは、一週間以内に」とありますのを、「内閣総理大臣は、第二十三條の規定による再審査の申請を受理したときは、速かにこれを審査し」に改めていただきます。
 第二十九條は削除でございます。
 第三十條、「第十四條、第十七條第二項、第十八條、第十九條第二項及び第三項、第二十條ないし第二十二條の規定は、財閥関係役員再審査委員会に」とございますのを「第十四條の規定は、第二十八條の規定による内閣総理大臣の再審査に」というふうにお改め願います。
 最後に第三十一條の第一項の第五号中に「第十四條の規定により」云々とありますが、この「第十四條」の下に「(前号において準用する場合を含む)の規定により」というふうにお改めを願います。
#32
○冨田委員 これはまだ條文の整理がはつきりついておりませんから、後ほど直していただこうと思いますが、たとえば第三十條に第十四條の規定は、あるいは第十八條の規定は云々とありますが、條文の削除になつたものがありますから、將來かわるのでございましようね。
#33
○都村政府委員 將來かわるとおつしやいますと……。
#34
○冨田委員 たとえば第十四條の規定とありますが、十四條は十一條、十二條、十三條が削除になりますから、十四條が十四條でなくなるのじやないでしようか。
#35
○都村政府委員 私この形式についてよく存じないのですが、法務廳の法制局の方の意見によりまして、こういうふうな形式でもよいのだというふうなものですから、これによつたのであります。
#36
○冨田委員 ただいまの御答弁で法制局の御意見でそうだつたからということなら、それ以上追究いたしませんけれども、もう少し政府当局は熱意をもつて、こういう所に來てわれわれ委員に対して、確信をもつてお答えができるような態度をおとりになりませんと、議事の進行が非常に遅れますし、委員会そのものの権威というものがこういうところから失われて來る。われわれは委員として命をかけて職責を盡そうと思いますけれども、答弁に当る者が確信を持つて、われわれ委員にとつて信頼ができるということになりますと、議事の進行が早いし、これによつてでき上つた法律も非常に権威を持つて参ります。このような不安な状態に置くことは、私どもの審議の上にも支障が起るし、法そのものが國民に対して権威を失墜する。これが議会政治において一番憂慮しなければならぬと思います。今日は初めての内閣委員会でもありますから、特にお願いしますけれども、どうぞいかに國務多端といえども、こういう重大な法案がかかつておりますときには、政府当局の方でも、もう少し責任者が御出席になり、熱意をもつてお答えになるように、委員長においても今後おとりはからいくださるようお願いいたします。
#37
○小川原委員長 ごもつともと思います。政府に委員長から警告を発します。
 お諮りしますが、この法案につきましてはこれきりにしておきますか、またお諮りいたすことにいたしますか。
#38
○冨田委員 この法案が提案されまして、まだ日も浅いし、今日初めてのことでありますし、委員の出席もきわめて少いように思いますから、もう一回お聞きくださつて、そのときに質疑がありましたら質疑をお願いし、内容はきわめて單純なものと存じますので、この次の会になるべく委員が多數御出席になりまして質疑を終了して、審議を促進されるようお願いいたします。
#39
○小川原委員長 いかがですか。
#40
○田中(稔)委員 冨田委員の御意見に賛成でありますが、私は政府委員の方で審査状況についてごく簡單な御説明に終つたのでありますが、この点をもう少し詳しく御説明願うことが、形式的な改正のようでありますけれども、この改正案を審議します上においてやはり必要だろうと思います。もう少し今日までの審査の状況について詳細な御説明をいただきたいと思います。
#41
○都村政府委員 お手元にございます資料の財閥同族支配力排除法に基づく審査に関する状況の資料をごらんいただきます。この法律におきましてはすでに財閥ということに指定されております三井、三菱、住友、安田、日産、その他大倉、古河、浅野、富士、野村、この十財閥について解消を進めておるのでありますが、この十財閥と密接な関係がある会社、これがすなわち財閥会社ということになつております。その財閥会社にある時期までの間に存在しました役員が財閥関係役員というふうにこの法律の第三條によつて推定されるわけでございます。そうしてこの財閥関係役員の中で、この法律の公布当時、すなわち今年の一月七日当時にこの財閥会社またはこれと関係のある会社に在職する者でその職にとどまるを欲する者は、内閣総理大臣に対して財閥関係役員でないということについての裁定を求める申請をすることが必要になつております。それからまた財閥関係役員の中で、現在はこれらの会社に関係はございませんが、將來これらの会社の役員の職につこうとするときは、また同樣に財閥関係役員ではないということについての内閣総理大臣に対する申請を必要とするいう状況になつておるわけでございまして、今申し上げました点が、この法律のいわば一番中心のような状況でございます。
 それでこの審査の状況に入るわけでございますが、資料の二にございます法律第三條第二項による財閥関係役員に概數でございますが、この役員數は大体三千六百二十五名ということになつております。この法律におきまして時期を限つて出発しておらないのでございますけれども、結局財閥の事業の形成維持に有力に寄與した人的結合を排除するというのが目標になつております。結局いつから始めるかということは何も規定しておらないのでございます。むしろこの趣旨から言えば、それぞれの財閥会社の創立の当時までさかのぼる筋合のような状況になつておるのでございまして、その点はこの數字を調べる上におきまして非常に支障がございます。関東大震災あるいは今度の戰爭の結果などによつて資料その他が散逸しており、また関係者もずいぶん分散しておるというような状況でございます。また会社の中では外地会社、在外会社も相当ございまして、こういう会社につきましては資料がほとんど集まらない状況でございます。いずれにしましても一應事務局の方におきまして、昭和六年以降につきまして調べた數字が三千六百二十五名、うち死亡者が六百三十二名という數字になつております。その点この法律の公布の当時に、この財閥会社またはそれと関係のある会社に役員となつておつた方は、この法律の規定によりまして財閥関係役員ではないのだということについての申請をされない限りは、やめなければならないことになつておりますので、申請を提出されたわけであります。それが次の三にございます數字でございます。合計は八百二十六件の申請がございました。この八百二十六件の申請のおもなるものが、先ほど來申し上げております財閥関係役員ではないということについての申請、これは法律の第六條第七條の関係でございますが、この内訳にございますように、六條七條関係としまして六百五十五件提出されております。これ以外の八條九條十條などはそれぞれ清算人同士の関係のあるいは会社の指定が誤りである、あるいは指定の変更を要求する申請などでございますが、中心は六條七條関係の財閥関係役員でないのだということについての申請がおもなるものでございます。こういう申請に基きまして、財閥関係役員審査委員会が成立以來処理して参つたのでございますが、ここに処理の状況といたしましては、八百二十六件のうち承認として決定があつたものが六百八十九件、不承認が百三十七件ということになつておりまして、内訳はその次にある通りでございます。この法律におきましては特に財閥関係役員でないことについての申請につきまして、財閥関係役員審査委員会の決定によつて不承認になつたことにつきましては、その決定の基礎の中の事実に誤りがあるというときには、再審査を請求することができることになつております。從いましてこの六條、七條関係の中で九十七名の人が不承認になつたのでありますが、このうちの六十三人の方が再審査を請求されたわけであります。この請求がありますと、財閥関係役員再審委員会でこれを審査いたしまして、その申請が正当――十分な理由があるかどうかということを決定いたしまして、もし十分な理由があるということであれば、これを総理大臣に報告いたしまして、総理大臣から最初の財閥関係役員審査委員会の方へ差しもどしがあることになつております。そこで再審査の要求が六十三件ありまして、そこのうち差しもどしに決定せるものというのがいわば許可になつたものであります。これが四十七件。そして一審の委員会の決定通りであつて、取上げることができないというので却下になつてものが十六件、こういうことになりまして、結局この二つの委員会の審査を総合いたしてみますと、財閥関係役員ではないということの申請につきましては、審査の総數が六百五十五件でありますが、そのうち承認となつたものが六百五件、不承認が五十件ということになつておるのが現在の状況であります。これで少くともこの法律の規定に基きまして、この法律施行当時に、現在なおその関係会社の役員になつておるという人につきましての申請は、審査が終了したという状況でありますので、この改正法案が提案された動機になつておる次第であります。
#42
○田中(稔)委員 処理件數について財閥別の數字はもちろんわかつておると思いますので、この次にプリントにでもして出していただきたいと思います。それから処理件數六百五十五、六條、七條関係は、役員數三千六百二十五というのに含まれておるわけですね。
#43
○都村政府委員 さようでございます。
#44
○田中(稔)委員 これは少し離れた質問になりますが、こういう処理の問題が大体一わたり済んだので、機構を簡素化して、総理廳官房に課を新設するというお話でありますが、それについて財閥同族支配力排除法の精神を幾らか緩和するお氣持が政府にあるのではないですか。それについて一言御答弁願いたいと思います。
#45
○都村政府委員 私ども承知いたしております限りにおきましては、そういうことは全然ございません。そういたしましてこの実体の関する部面につきましては、全然手に入れないように関係方面とも協議決定いたしまして、この委員会並びに事務局の面だけをいじるようにしておる次第であります。
#46
○田中(稔)委員 さらに念のためお伺いしますが、いわゆる支配力排除法の精神を今後嚴密にやつていくことについては、GHQ方面においても從來と少しもかわつたところがないのですか。
#47
○都村政府委員 この点は速記のほうを……。
    〔速記中止〕
#48
○小川原委員長 速記を始めて……。
#49
○田中(稔)委員 再審査というのは、要するに一度財閥関係役員だと判定された人が、それについて異議の申立をするのですね。そうすると、それが六十三件申し立てて、四十七件は申立を聞き、わずか十六件だけが却下になつたようであります。相当これは権威ある審査委員会と思いますが、その権威ある審査委員会ではつきり判定した結果、これほど多數くつがえつたということは、再審査が少し甘いのじやないかと私は思います。それで先ほどちよつと申し上げました財閥ごとの処理件數の少し詳細な統計も見せてもらいたいと思います。再審査関係については、これは個々の人のことになるからどうかと思いますが、もしおさしつかえなかつたら、わずか四十七件のことでありますから、それを具体的に、どうの財閥のだれというふうなことを示していただくことができないでしようか。できればお願いいたします。
#50
○都村政府委員 その名前ですか。
#51
○小川原委員長 その六十三件だけ、これについては、三井財閥のだれ、三菱財閥のだれというふうに、その六十三名だけ具体的に出していただくとよいと思います。これを希望申し上げます。
#52
○都村政府委員 わかりました。
#53
○小川原委員長 お諮りいたします。本案については本日はこの程度にいたしまして、後日にまた開くことにいたしたいと思いますが、いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○小川原委員長 この際なお諮りいたしておきたいことがございます。委員会におきまして審査もしくは調査ができる事項といたしましては、付託議案か、國政調査の承認を得た事項でありまして、今後われわれ内閣委員会が最も力を入れて調査を進めて行くべき行政機構に関しまして、あらかじめ議長の承認を得ておきたいと思います。從いましてこの際、國政調査承認要求書を議長のもとまで提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#55
○小川原委員長 御異議なしと認めます。それでは要求書を朗読いたします。
   國政調査承認要求書
 一、調査する事項 行政機構に関する事項
 二、調査の目的 行政機構整備のための諸調査
 三、調査の方法 関係方面により意見聽取、資料要求等
 四、調査の期間 本会期中
 五、其他
  右により國政に関する調査をしたいから衆議院規則第九十四條により承認を求める。こういう要求書を議長に提出いたしたいと思いますが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○小川原委員長 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
#57
○小川原委員長 この機会にもう一つお諮りをいたしておきたいのは、さきに申しました鉄道と專賣局の法案につきまして、その内容を專門員から申し上げたいと思いますが、いかがでありますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○小川原委員長 御異議ないものと認めます。これは散会後御報告申し上げた方がよいと思いますので、会議はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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