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1948/11/22 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 内閣委員会 第4号
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1948/11/22 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 内閣委員会 第4号

#1
第003回国会 内閣委員会 第4号
昭和二十三年十一月二十二日(月曜日)
    午前十一時十三分開議
 出席委員
   委員長 小川原政信君
   理事 冨田  照君 理事 田中 稔男君
   理事 福田 繁芳君
      植原悦二郎君    菊池 義郎君
      片島  港君    冨吉 榮二君
      山口 靜江君    山中日露史君
      田中源三郎君    田中 健吉君
      黒田 寿男君    北  二郎君
 出席國務大臣
        逓 信 大 臣 降旗 徳弥君
 出席政府委員
        総理廳事務官  大野木克彦君
        逓 信 次 官 鈴木 恭一君
 委員外の出席者
        專  門  員 龜卦川 浩君
十一月二十二日
 委員片山哲君辞任につき、その補欠として片島
 港君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月十八日
 電氣通信省設置法案(内閣提出第二七号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十九日
 水道行政統一等に関する陳情書(仙台市長岡崎
 榮松外十九名)(第二七一号)
 林野砂防を建設省の移管反対の陳情書(岡山縣
 阿哲郡豊永村会議長綱島鶴太郎外一名)(第三
 一八号)
 行政整理実施の陳情書(徳島縣商工会議所会頭
 篠原浩一)(第三二八号)
 道路運送行政の機構改革に関する陳情書(ニコ
 ニコ自動車株式会社長漆川直右衞門)(第三四
 九号)
 内閣総理大臣及び國務大臣の名称改正の陳情書
 (愛知縣西加茂郡小原村大字簗平山田伊八)(
 第三六五号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会に関する件
 郵政省設置法案(内閣提出第二五号)
 電氣通信省設置法案(内閣提出第二七号)
    ―――――――――――――
#2
○小川原委員長 これより会議を開きます。
 この際大野木行政管理廳次長より発言を求められております。これを許します。
#3
○大野木政府委員 ちよつと御了解を願つておきたいと存じますが、実は前會國家行政組織法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げました中で、各省等の設置法案は今期國会に提出することはとりやめる旨を申し上げたのでございますが、実はそれは一般的の意味でございまして、緊急必要なものは例外として提出いたしまして御審議を願うことに相なりますので、言葉が足りませんでしたので、この際ちよつと説明を補充させていただきたいと存じます。どうぞ御了承願いたいと存じます。
#4
○小川原委員長 お諮りいたします。ただいま大野木政府委員の説明につきまして、御質疑ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○小川原委員長 御異議ないものとして、了承いたします。
    ―――――――――――――
#6
○小川原委員長 この際お諮りいたします。現在本委員会におきまして審査中の郵政省設置法案及び電氣通信省設置法案に対しまして、遞信委員長より連合審査会を開いてほしいとの申出があつたのでありまして、私といたしましてもしごくけつこうだと思いますが、両委員会の連合審査会を開くことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○小川原委員長 御異議なければ、その通り確定いたします。ちよつと速記をやめて……。
    〔速記中止〕
#8
○小川原委員長 速記を始めてください。
  午前はこれにて休憩いたします。
    午前十一時三十分休憩
    ―――――――――――――
    午後二時四十九分開議
#9
○小川原委員長 午前に引続きましてこれより会議を続行いたします。
 ちよつと御報告を申し上げます。本日本委員会の委員の片山哲君が辞任せられましたので、そのかわりに片島港君をお迎えすることになりましたので、ここに御紹介申し上げます。
#10
○片島委員 片島であります。どうぞよろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
#11
○田中(健)委員 議事進行について申し上げます。先般の本委員会において、國家行政組織法の一部を改正する法律案について御審議なさつたそうであります。当日私は公報の手違いから、その委員会があることを承知しなかつたために、出席いたしませんでしたが、その場合において定足に足らない委員会をもつてこれを採決したということを、公報によつて私は承知いたしております。そこでこまかいくどくどしいりくつは申し上げませんが、この改正の内容は國家行政組織法を昭和二十四年の一月一日から施行するとあるのを、四月一日に改める。つまり延期するという内容でありまするが、これは前芦田内閣時代、富吉遞信大臣もおいでになり、この國家行政組織法のことについては十分承知しておつただろうと思います。しかるに一月一日に施行するのを四月一日に延ばすということになりますると、各省設置が、國家行政組織法での一月一日までに設置されないということになりますので、國家行政組織法の制定の趣旨に反するということになるわけであります。そこで一月一日までに間に合うか、間に合わないかということになりますると、現在開かれておる臨時國会、それから十二月一日に召集される通常國会もありまするので、この今の國会と通常國会に法案を出してやつて見て、間に合わないというような場合には、当然延期すべきであるけれども、何ら政府が前内閣以來本院に対して約束していることを果さないで、一方的の都合によつてこれを延ばすということは、政府の怠慢だというふうに私は考えておるわけであります。吉田内閣は、國家公務員法は前内閣の方針をそのまま踏襲しておるということをしばしばおつしやるけれども、それであるならば、やはり前内閣時代に、來るべき臨時國会、通常國会には必ず出して審議をお願いすると言つておる。この國家行政組織法施行に伴う諸提案を同時になさり、これを内閣から引継がなければならないはずだが、内閣の都合のいいものは何だかんだと言つて引継いで、都合の悪いものは引継がない。四月一日まで延ばすということは、どう考えてみても、何か他に考えがあるならば別であるけれども、そうでない限りにおいては、前國会を通過いたしましたところのこの國家行政組織法にのつとつて、各省設置法なり、その他行政機構設置に関する法律を出さなければならないと私は思います。
 そこでこの際私は委員長に対して異議を申し立てておきたいことは、前回の委員会において決定いたしました國家行政組織法の一部を改正する法律案、これは定足數を欠いているということ、それからある委員に、私の場合においては公報が手元に到達しなかつた。こういういろいろな事情からいたしまして、これは何らかこの際委員長が善処してもらいたい。こういうふうにお願いいたしたいと思う次第であります。この点について委員長の所見をこの際お伺いいたしておきたいと思います。私は法案の審議に当りまして、この委員会は前総理大臣、前大臣などという方々がたくさんおりまして、多分忙しくて定員をそろえるということは困難であるという事情はよく察しますが、政府に対して、あるいは当局に対して質疑應答するような場合には、これは委員会の申合せによつて定足數を欠いてやつてもいいけれども、採決する場合においては、やはり定足數をそろえて、その上で採決すべきである、こういうふうに考えるのであります。これがまた本院における各委員会の從來の慣例でもありますので、他に違つた意見を持ち、あるいは反対意見を持つている者があるにもかかわらず、定足數をそろえないで採決するということは、慣例から考えても、当然違法と思います。こういう見地に立ちまして、委員長がいかなる考えを持つておられるか、委員長の所見をお伺いいたしまして、なお納得しかねる点があれば、重ねてこの質問を繰返したいと思います。
#12
○小川原委員長 お答えいたします。委員長は適法によつて処置いたした、かように考えております。そのとき、どなたも御異議がございませんし、適法によつたものと信じております。これをもちましてお答えにかえたいのであります。
#13
○田中(健)委員 適法とおつしやるけれども、何が適法かさつぱりわからないので、適法でやつたと言われても、ちよつと納得いたしかねます。何かよるべきものがあつてやつたとおつしやるならば納得するのですが、もう少し詳細におつしやるのでなければ、ただ適法でやつたというだけでは納得できない。
#14
○小川原委員長 これはあなたも大体内容は御承知と考えます。突然のことではないと思います。委員長におきましては適法なりと信じまして採決をいたしました。御了承を願います。
    ―――――――――――――
#15
○小川原委員長 それではこれより郵政省設置法案を議題とし、質疑に入りたいと思いますが、ただいま政府より電氣通信設置法案の説明をされたいというお申出がありましたから、この際同法案をあわせて議題とし、大臣より提案説明を聽取することにいたします。降旗國務大臣。
    ―――――――――――――

#16
○降旗國務大臣 午前の本委員会において行政管理廳次長の大野木君から、國家行政組織法と郵政法並びに電氣通信省設置法案に関連して御説明があつたようでありまして、これは大野木君の説明にあります通りに、この二法案だけは、ぜひとも本期國会に通過をお願いしたいという絶対な必要があるのでありまして、その辺を特に御了承を願つておきたいと思います。
 次に電氣通信省設置法案についての概略を御説明申し上げたいと思います。お手元に配付されております図解を御一覽願いたいと思います。この図解によりますと、大臣のもとに政務次官、次官、かようになつております。この次官のもとに総務長官がありまして、この総務長官のもとに業務部門と施設部門と事務部門と電氣通信研究所、この四つにわかれております。業務部門には周知調査局、計画局、営業局、運用局、國際通信部、業務総務室、この四局一部一室があります。施設部門には施設局、建設局、保全局、資材局、建築部、施設総務室、この四局一部一室があります。事務部門には人事局、経理局、この二局があります。総務長官の下に理事が二名つくことになつておりまして、この理事の一名は先ほど申しました業務部門を監督し、他の一名は施設部門を監督することになつております。これが大体本省の機構であります。外局といたしましては二廳ありまして、その一つは電波廳であり、他の一航空保安廳になつております。本省の下には、図解でごらんになるように、地方電氣通信局というのがあります。これは現在の通信局の所在地に設けることになつております。その下に地方電氣通信部がありまして、これは各都道府縣に設ける予定になつております。その下に地方電氣通信管理所というものがあります。これは地方事務所または郡單位、あるいは市におきましては特別な市に置くことになつております。その下には地方電氣通信取扱局というものがありますが、これは現在の郵便局を意味しておるものであります。外局二廳の方について申しますると、電波廳の下には法規経済部、施設監督部、技術部、監視部、この四部がありまして、その下には地方電波管理局があります。航空保安廳の下には事務部と技術部がありまして、その下の組織といたしましては航空保安事務所と航空標識所、この二つを設けることになつております。
 以上が大体の説明でありまして、これらの機構に対して國家行政組織法との関係あるいは現在の機構との関連につきましては、事務次官より詳細に御説明申し上げることになつておりますから御聽取を願いたいと思います。
 以上をもちまして電氣通信省の大体の構想を申し上げた次第であります。
#17
○鈴木(恭)政府委員 先般郵政省並びに電氣通信省を設置いたしますに至つた理由については、詳細にわたつて大臣より御説明があつたのでございますが、なおただいま大臣の言われました意味において、この表を中心といたしまして御審議の御便宜のために御説明申し上げたいと存じます。
 先般も大臣からお話がございましたように、この機構を設置いたしますについては、七月二十二日のマツカーサー書簡の第六項によりまして、從來逓信省が二つの総局制をもちまして御審議をいただいたことが、二つのエージエンシーということにかわつたのは、御承知の通りであります。そこでお手元の方に御参考のために差上げてございます一九四八年七月二十二日付、連合軍最高司令官より内閣総理大臣にあてた書簡が、今申しましたものでございます。それの第六項のところに、「さらにまた、能率増進のために、逓信省の完全な再編成が実施されることが望ましいと信ずる。そのためには政府の郵便事業を他の業務から切り離し、逓信省にかわつて内閣の内部に二つの機関を設置することが考えられる。」さらに九月九日に、これはお手許に差上げてありまする、日本政府に対する覚書、逓信省の機構問題に関する共同委員会報告というのがございます。これが先般大臣から申し上げましたスキアピンの五九八五、続いて十六日に同樣五九八五のAの一というのが参つております。これに基いてこの立案がなされておるのでございます。そこに添付しておる表と今度の機構の表とは大体合つておるのでありまするが、御案内のように行政機構を極力簡素化いたすという考えをもちまして、実は両省におきましてデパートメントの組織があつたのでございます。郵政におきましても四つのデパートメント、電氣通信におきましては三つのデパートメントと一つの研究所ということになつておつたのでありますが、ただいまお手元にさし上げた表でごらんになりまする通り、デパートメントという組織、すなわち総局というふうな組織は、一應郵便の方におきましては局という形になつておりまするし、また電氣通信省の方におきましては、一つの部門として組織の中に入れなかつたのでございます。この表で総務長官の下に、業務部門と施設部門と事務部門と研究所ということにかつこに入れてございますが、これは別に組織としては設けておらないのであります。その点がスキヤピンと非常にかわつておる点でございます。
 しからば現在の行政組織法とどういうふうな関係になつておるかと申しますと、結局この法案は現在の行政組織法にのつとつてできておるのでございます。御承知のように、電氣通信においても、郵便においても、現業官廳でございまするので、組織法の二十一條によりまして、多少他の一般の行政官廳とは違つた定めをなすことができる建前から、特に一般の設置法とは違つておるかとも思うのであります。その一つは総務長官の問題、これは電氣通信省設置法の第八條によりまして、総務長官が設けられておりますること、それからなお第八條の三項に理事という官名が出ております。これは業務部門、施設部門をおのおの担当する一つの機関といたしましてここに理事を配置いたしたのでございます。また組織の面におきましては、局のほかにここに業務部門におきましても國際通信部であるとか、事務総務室といつたようなものがございます。この部、室を置きましたのもそれでございまするし、また地方電氣通信局、地方電氣通信部、地方電氣通信管理所といつたような地方部局に対しましては、一般の行政組織法によりまする支、分、部、局でなく、一つの現業機関、すなわち地方機関として存置されております。なおこの電氣通信研究所は二十一條の現業廳としての特別機関でありますることは申し上げるまでもございません。行政組織法関係で電氣通信省関係におきまして申し上げることは大体その程度でございます。
 次に郵政省関係におきまして、組織法等の関係でございまするが、お手元に機構図解が出ておりまするが、ただいま申しましたように、スキヤピンでは監察と、郵務と、貯金と簡易保險、これはいわゆるデパートメントという表現をいたしております。私どもといたしましては、総局ということにいたさなければならないかとも思つたのでありまするが、いろいろ折衝いたしました結果、局ということに相なつたのでございまするが、これをつかさどる局長の地位でございまするが、これは先ほど電氣通信の際に申しましたように、理事四名を置くことにいたしまして、理事をもつて局長に当てることにいたしました。これが二十四條でございます。なおここにも表に出してありまする通り、監察、郵務、貯金、簡易保險には、それぞれ三部ないし四部の部制を置いております。これはやはり二十一條関係になるのでありますが、これは設置法第五條に規定しておるのでございます。なお地方郵政監察局、地方郵政局、地方貯金局、地方簡易保險局といつたようなものが支、分、部、局でなく、一つの地方機関、でありますることは電氣通信省で申し上げますと同一でございます。それから機構はどういうふうになるかということになりますと、いま一枚の現在の機構図解がございます。これによりまして電氣通信の方を申しますると、次官の下に電氣通信の事業経営の主体としてここに総務長官がございます。そして総務長官が從來主として電務局と工務局の御案内のように現在の通信省は電氣、通信、郵便、貯金、保險この五つの仕事を渾然一体としてやつておるのでありまするが、これが二つにわかれまするにつきましては、現在の機構のどの部門にも両者の仕事があるわけでございます。ことに総務局予算関係、あるいは労務局人事関係、郵務局は別でございまするが、あと資材、営繕、こういつたものは全部共通にやつております。ところが今度はそれを総務局の関係、労務局の関係、資材局の関係、営繕部の関係等のほかに、電務、工務を主体といたしまして、ここに部局ができておるわけでございまして、それを大きくわけまして業務部門と施設部門、事務部門ということでございます。電氣通信研究所、これも総務長官のもとに入れたのでございます。現在の逓信省の電波局の仕事が、今度はここに外局として電波廳が無線機器、通信の監督業廳としてあるわけでございます。それから航空保安廳、これは逓信省現在機構図の次官から下つておりまする線の一番右の方に、事務所という形でございます。逓信省は必要の地に事務所を設置することができるということで、この事務所という中に、あるいは貯金支局であるとか、その他のいろいろ事務所がありまするが、その一つとして航空保安の仕事がこの事務所という形の中に入つておるわけでございます。これは多少意味がございまして、御承知のように航空事業は、終戰後一切わが國といたしましては、施設運用できないことが申し上げるまでもないのでありまして、その際に保安業務につきましては逓信省がこれをなすことに相なりまして、さしあたり法案の表面には出ておりませんが、事務所という形で今航空保安部というものをつくつておるのでございます。これが今度は航空保安廳となりまして、ここに外局として存在することに相なつたわけでございます。なお地方の逓信局に対しまする所が地方電氣通信局というのでございます。逓信局からただちに郵便局、電話局、電氣通信工事局といつたような現業局が、前の組織ではただちにここに來ておるのでありますが、これをただいま大臣からも申されましたように、地方電氣通信部というものを、ほぼ各縣に一つ、なおやや數箇所にわけまして、地方電氣通信管理所というものを第一次的の現業監督機関として置いたわけでございます。
 それから郵政関係でございまするが、郵政関係におきましては、まず次官のすぐ下に郵務局、貯金局、簡易保險局、人事局、経理局、資材局、建築局、この七局がございまして、郵務局、貯金局、簡易保險局、人事局は主として現在の秘書課と労務局がいたしておりまする仕事、人事一切をここで取扱うことにいたしております。経理局は主として現在の総務局の仕事でございます。資材局は現在の資材局、建築局は現在の営繕部の持つておる仕事でございます。
 そのほかに途中から監督局というのが置かれておるのでありまするが、これは現在まで大臣官房に監察部を設けまして、仕事をしておつたのであります。これは特に後刻御説明もいたしまするが、監察制度の拡充という意味をもちまして、しかも他の事業面とは離れまして、大臣直属の形において監察制度をここに設置いたしたわけでございます。
 地方部局におきましては、地方郵政監察局ができましたほか、地方郵政局であるとか、地方貯金局、地方簡易保險局といつたものは現在とまつたく同樣でございます。從つて郵政省の機構につきましては、監察機構がやや從來と趣を異にいたしておりますほかは、機構的には大した変更を見ておらないのでございます。以上簡單でございますが、御説明を申し上げました次第でございます。
#18
○小川原委員長 御質疑なり御意見がおありの方は、発言を願います。
#19
○冨田委員 私はこの法案の審議に入るに便するため、まず降旗逓信大臣の逓信行政に関する御抱負を承りたいと思うのであります。
 御答弁の便宜上まずお聞きいたしたい私の質問の概要は、大体逓信省の事業は、御承知のごとくその仕事が、他の省の関係に比較いたしますると、きわめてじみであるという点、さらにまた非常に常識的でない、いわゆる技術的、科学的なものがその中心をなしておるという点、それやこれやの関係からいたしまして、きわめて世間の認識から取残されるといううらみがあることを、私は久しきにわたつて痛感する一人であります。このことはわが國が文化國家建設を目ざして行く上にとつて、非常に重要な点であると思うのであります。私どもはこの際ここに思いを新たにして、この通信行政を一段と飛躍せしめなければならぬという考えを持つておるのでありまするが、降旗大臣の御抱負をまず承りたい、このような意味で質問したのであります。
#20
○降旗國務大臣 ただいま前逓信大臣冨田委員からごもつともなお説を拜聽いたしまして、私も同感に存ずる次第であります。世間から取残される傾向にあつたことは、今までの状態から申すと、そういうことが言い得たかもしれません。申し上げるまでもなく、先般私が本委員会において申し上げましたように、電話事業について申しますと、わが國は世界の二十二番目の國である。いかにその普及発達が遅れておるか、戰爭前にはわれわれは世界の一等國であると言つて、英米に文化、経済ことごとくが比肩するものとうぬぼれておつたところが、いずくんぞ知らん、電話事業については世界で二十二番目である。驚くべきことである。こういう事実がすなわち世間から取残されたことを立証しておるものだと私は思うのでありまして、これではいかぬ、逓信事業は神経系統の事業である。感が鈍くては活動も、知惠もまわるものではない。そこで戰災によつてこうむつた打撃は甚大なものでありまするがゆえに、この打撃をいかに一日も早く復旧せしむるかということは、今日逓信事業人としての私どもの重大な責任でありまするけれども、それにも増して私どもが考えなければならぬことは、國際國家の一員として、わが國が新しい文明と文化のために発足するという立場から申しますと、何とかして人並の水準にまでわが國の逓信事業を盛り上げて行かなければならぬ。こういう立場から申しますると、冨吉前大臣が御注意になりましたような点は、私どもは極力その障害を克服いたしまして、數年の後には、かつて日本にもかくのごとく不便な時代があつたのだというほどに、逓信事業を向上、改善して行く必要があると私はかように信じております。すなわち逓信事業がもし今日より向上、発展するならば、逓信事業関係の人事の問題につきましても、私どもはなおより以上の改善、向上ができ得るものであるという信念のもとに百般の方面より御協力を得まして、この事業を遂行いたしたいものであると信じておる次第であります。
#21
○冨田委員 ただいま御抱負を承りまして、力強く感ずるわけでありますが、その御抱負を体現せしむるためには、何と申しましても、逓信省は鉄道に次ぐ多數の從業員を擁しておるところでありまして、現在四十三万という從業員がその事業に從業いたしておるのであります。從つて從業員の質、思想といつたようなものと、ただいまお述べになりました御抱負遂行とは、密接不可分の関係にあると思うのでございます。眞に大臣の御抱負を生かして行く從業員のこれに対する協力態勢ができなければ、結局口頭禪に終る危險があると思うのであります。ここにおきまして、この逓信省の從業員の問題に対しまする大臣の御抱負を承りたいのであります。私も経驗を持つておりまするが、いわゆるスタツフたるところの上層部におきまして、他の官廳にまさるとも決して劣らないことを私は信じておりますが、遺憾ながらこの從業員の大多數はいわゆる從業員組合なるものによつて支配されておりまする関係上、眞に逓信事業を進めて行く上において、多少私も不便を感じたのでありまして、これらに対して大臣はいかなる御抱負をもつて対処せらるるのであるか、その点を伺いたいのであります。
#22
○降旗國務大臣 ただいま冨田委員より御懇篤なる御注意がありました。実を申しますと、私が逓信大臣に就任いたしました時に、ある人は私にこういう忠告をしてくれたのであります。逓信省へ行くと、全逓というなかなか取扱いにくい組合があるのだ、注意しなければいかぬぞ、こういう話であつたのであります。しかし就任後全逓の人々に行きあつた率直な私の考えは、私どもは全逓の諸君と敵対すべきでなくして、むしろ全逓の人々と手を握るべきである。あたたかに心の疏通をはかることによつてのみ、初めて逓信事業の萬全を期し得る、この確信を深うせざるを得なかつたのであります。お説の通りに、下級從業員につきましては、今日インフレの荒波の中において生活して行くということに、困窮を告げておる人々が少いとは言えません。私はこれらの人々とほんとうに信じ合い、協力し合つて、何とかしてりつぱな逓信事業のもとには、安心な生活が得られるという時をつくつて行きたいと思うのでありまして、こういう意味から申しまするならば、從業員の諸君もまた私どもと同じようになつて、改むべきは改め、改善すべきものは改善して行くという熱意と良心を持つてもらいたい、かように私はやつて行きたいと思います。
#23
○冨田委員 きわめてごもつともな御答弁であり、大体私の期待する御答弁でございまして、私はむしろ自分で経驗し、苦しんだので、政党政派を超越して新らしい大臣に敬意を表し、そうして眞にいわゆる通信行政をレベル・アツプして、そうして先ほどお述べになつた國際的水準に高めるということに、一段と御努力を願いたいと希求する立場から、私がお尋ねをしておる点を御了承になつて、今お述べになりましたその問題を御解決になるために、現在のいわゆる官公吏全般の三千七百円のベースで、はたして大臣のそのお氣持を事実上生かし得ると思われるかどうか。その点について、大胆率直にひとつ大臣の御意見を承りたい。
#24
○降旗國務大臣 三千七百円で食つて行けるかどうか、生きて行けるかどうかというお話は、率直に私はお答え申し上げますが、今日の物價高の中においてはむずかしいものだと思う。そこで御存じの通りに、人事委員会においては一應の基準を発表されたようであります。私は率直に申しますると、國家の財政がこれを許し、國家の経済再建のためにこれを容認し得るという建前ならば、私はこれに反対するものではありません。ただ御存じのごとくに、日本の経済の状態、産業の状態、労働事情、これらを勘案いたしますると、この年の暮に迫つて、さらでだに動揺不安の多からんとするときに、私どもはあらゆる方面からこれを檢討して、その妥当なる点に一線を引く。これこそ最大多數の最大幸福を得るところの線であるというところに持つて行くことが、われわれ政治家の責任だ。このことにつきましては、ひとり逓信大臣の私のみでなくて、吉田総理初め各閣僚が眞劍になつて考えております。私どもは、決して正当に與うべきものを減らすという考えはありません。正当に與え、正当に働かしむる。正直に働き、まじめに働く者が食つて行けるような状態にして行かなければならぬという責任は痛感しておりまして、この問題については私は今日明確にお答えする自由を持ちませんけれども、日ならずして吉田内閣においても天下にこれを示し得る機会があると信ずる次第であります。どうか私どもの率直な氣持だけはお認め願いたいと思います。
#25
○冨田委員 これもまたきわめてごもつともな御意見で、私しても一應國家財政燮理の任に当つた一人として、御苦心のほどはよく察しておりますので、決してむりを申し上げるわけではありません。しかるに承るところによりますと、吉田内閣におきましては、公務員法の改正と給與ベースの改訂とは不可分のものではない、別々であつてよろしいという御意見をおとりになつておるようであります。もちろん私はここに別に政治論を展開する考え方は持つておりません。ただ通信事業をどうしてほんとうにレベル・アツプして行くかという眞劍な考えからするならば、一刻も早くとにかく國家財政の現状を國民に知らせ、從業員にも知らせて、そうして從業員の要求するところのベースはなかなか実現はできない、この通りやるのだ、そういう誠意を内閣全体としてお示しになる。逓信大臣は逓信大臣としてでなく、國務大臣として、特にまたいわゆる現業部門を御担当になり、四十三万の利害休戚を背負つてお立ちになつておるのでありますから、このお立場から閣内において十分御発言になり、そうして公務員法と同調して、これらの給與の問題を決定するというような御態度をおとりになることが私は必要でないかと思います。遺憾ながら現在のところでは、これがばらばらになつておりまして、公務員法の改正さえ済めばただちに解散だ、こういうような御意見等もいろいろ拜聽いたしておるのでありまして、私どももとよりこの解散そのものを決して恐れているものではないが、今のお説の通り、暮も差迫るこのときにおいて、これらの官公廳職員の問題をほとんどそのままにしておいて、そうして公務員法だけ通して解散というようなふうの御態度をおとりになることは、まことに私は遺憾だと思つております。ただ私は決してここで責めるというために申し上げておるのではないが、この点だけお含みを願つて、現業をおあずかりになる逓信大臣として、この点については眞劍なるお氣持をもつておやりになりませんと、今年の暮から春にかけては、よほど通信事業の上にも好ましからざる結果を來すであろうということは、何人といえども想像し得るところでありまするから、私はこの点に対して特に降旗大臣におかれては、格段の御努力をお願いいたしたいのであります。これに対する御抱負が承れれば結構だと考えております。
#26
○降旗國務大臣 冨田委員の御意見はまつたく私の考えているところと同じであります。そこでただ私が申し上げたい点は、御存じの通りに吉田内閣は少數與党の内閣でありまして、たとえて申しますと、われわれが平常の姿で立つておるならば、十貫の荷といえども、あるいは二十貫の荷といえども、かつぐことができるのでありまするが、少數党内閣というものはさか立ちをしておるようなものであります。これでは私はだめだと思います。今おつしやつたような意味において、公務員法を可決する場合には、その裏づけとなるところの給與のベースをきめるということは、これは原則的の問題であり、それができるならばそれに越したことはないと私は思つておるのであります。從つて私はそういう意味において、あらゆる努力をしておるのでありまするが、諸般の情勢がなかなか思うようにならないということは、冨田委員もかつて閣僚の一員であらせられました立場からお考えになつて、御了承のつくことと思います。心持だけは今冨吉委員のおつしやつたことに全幅の賛意を表します。そうしてその線に沿つて私もできるだけ進んで行きたいと思つております。
#27
○冨田委員 今までの御答弁に対して私は非常に好感を持つたのですが、最後の御答弁はいささか私はふに落ちないのです。そういう政治論をここで出さないと質問者の方からは申し上げておる。またこれは政治問題ではない。そういうふうにお考えになることの思想の中に間違いがある。少數党内閣であることは初めからわかつておる。しかし給與ベースその他の問題について、決して出しもしないうちから反対もしていない。これを上げることに野党は一生懸命になつておるのですから、その問題についてただ國家財政の均衡、歳入の面がはたしてうまく行つているか、いないかが檢討されるだけであつて、何もこれは少數党内閣だから、多數党内閣だからというような問題とは関係ない。この点は誤解なさらぬように願いたい。おおらかな氣持で私はお尋ねしておるのだから、決して與党をいじめるとか、内閣をいじめるとかいうような氣持でなく、私はさつきから繰返して申し上げておるように、良心的に発言しているつもりですから、そういうふうにお聞き取りを願いたい。私はこの委員会においてあえて政治論を闘わせて、みずから痛快がらんとするものではない。ですから早くこの給與の問題について、とにかく何はさておいても方策を講じないと、悪く言うと、言葉は過ぎるかもしれないが、官廳の機構はとまつてしまう。私はそういう事態に立ち至らしめないようにということを心配している。私は決して共産主義者でもなければ、労働爭議を煽動する者でないことは御承知のはずである。そういう建前から私は來ているのですから、どうかその点をお考え願いたい。しかし何人といえども三十七百円という現状をもつて年を越すことはできないのですから、これを一刻も早くおやりになつて、ことにこの機構改革をお急ぎになるような建前――機構改革を急がなければならぬことは私は十分承知しております。しかし私はこの機構改革の問題より、むしろ給與ベースの方が急がなければならぬ問題だと考えております。いかにりつぱな機構をつくつても、そこにおける人々が眞に、大臣の先ほどおつしやつたように、安んじて通信事業に從事し得るという態度ができない。少くとも、不足ではあるが、どうせ今の現状において労働組合その他の者が滿足し得るようなものが、実際においてできないことはわかつている。しかしながら百尺竿頭一歩を進めて、そこに年越しの準備もでき、幾らかの安心をさせる、こういう氣持を私は抱かしめるために、現政府もこの給與の問題のために努力をしてもらいたい。こういうのでなければ、何でもかでも解散にしてしまえば云々というような――あるいはまた政治論の中でも今お述べになりました少數党内閣だから、それでは解散してしまえば次は多數党になるかといえば、必ずしも選挙の結果は、にわかに逆賭しがたいのでありまして、そういう政治上の問題を離れて、現実の通信行政の問題と取組んで考えて行きたい。露骨に言えば、私は監督官廳などというものは、いわゆるあなた方の方の自由経済主義、統制を撤廃するということができると思いますけれども、実際を言うと、私は逓信省の方はそうは行かないと思つております。人間の能率と、事実上事業それ自体を政府がやつているのだから、人をしてやらせておいて、監督しているのではない。自分が仕事をやつているのだから、それぞれ手持ちの仕事があつて、そう剰員はないとにらんでいる。私も檢討してみて、誤つていないと考えている。從つて、決して首を切るとかやめさせるとかいうことでなく、それを安心して働かせるというところに、私は現在大きな努力が拂われなければならぬ。こういう立場から申し上げているのですから、どうかその点を混同してお考えにならぬように願いたいと思います。
#28
○降旗國務大臣 冨田委員よりの御意見はまことに傾聽するところでありまして、私は実はこう考えております。この両省分割の問題につきましても、いわば先ほど申し上げましたように、アメリカはもう大学生くらい大きくなつているのでありまして、日本はまだ幼稚園くらいのものです。そこでこの両省に分割するということについても、司令部の意向というものを非常に尊重して行かなければならぬ、教えられるところが多いのだ、かように思つているのであります。從つてわれわれは國内において、今冨田委員の申されましたごとく、人員配置の問題を考えることも必要でありますが、さらにアメリカの立場においてこれをどうか考えているかということも、これを参考とする必要があると思つているのでありまして、私はできるだけその辺は手抜かりのないようにして行きたいと思つております。從業員の問題についてはお説ごもつともでありまして、私も前年度におきましては、石炭手当とか寒冷地手当というようなものは、ずいぶん遅れたように聽いておりましたが、これは遅れるにやむを得ない事情があつたかもしれませんが、今年度はできるだけ早くこれらの人々に渡すようにしてくれないかというので、努力しているのでありますが、まだはかばかしく行かないので、この点まことに慚愧の念にたえません。さらに申し上げますと、給與繰上げの問題は、ひとり逓信省ばかりでなく、各省において要求されているのでありまして、國会においてもそういう決議が議決された。こういう意味からいつて、私どもの氣持は何とかしてこれも実現したいと思つているのでありますが、國家の現状、今日の國家財政から申しますと、それもなかなかできない。私どもは多くの從業員の頭に立つ者といたしまして、この点においても忸怩たるものを感じております。この点は私ども一人の力ではなかなかやりおおせるものではありません。これは先ほど冨吉委員の申されましたごとくに、どうかお互いの、味方であるとか敵であるとかいうことを超越いたしまして、何分御協力と御援助にあずかりたい。この御協力あるならば、御援助あるならば、私どもの望みも必ずや達成せられる。こういう意味で私は進んで行きたいと思つておるのでありまして、どうか何分とも御協力を願いたいと思います。
#29
○冨田委員 お氣持は了承いたしましたが、そこで重ねて――これは何も御質問申し上げるのではなく、私の考えを申しておきますが、要するに給料の問題は、いわゆるマツカーサー元帥の書簡も、公務員法の改正――官吏の権限に関する制限と、それからその生活に対する政府の責任と、それから機構の改革。これは三者一体のものなのです。これだけ出している。私どもはそれを一々実行せしむべく努力して來たのでありまして、このことを御努力になる限り野党も與党もない。機構の内部に関する多少の意見の相違はございますけれども、決して眞正面からできないことをさせろとかいうような反対はないと信じております。そういうものですから、機構の改革の問題もお出しになるが、同時に給與ベースも早くお出しになつて、そしてそれだけを済ましてあつさり解散、こう行かれるのが今日の順序であるにもかかわらず、吉田さんは特に公務員法の改正は向うのあれだからやむを得ない。給與の問題は放つたらかし。ほかの方は、大藏省の方も何の方も一向出て來ないで、逓信省の法案はずいぶん先に進んでおる。こういう形になつておる。こういうことじや首尾一貫しない。ですからどうかひとつ、降旗さんは若いのである若いと言つても別に私より若いという意味じやないけれども若いゼネレーシヨンをもつて内閣で奮闘して、そんな何でもかんでも解散すればいいといつたような印象を國民に與えるようなことでなしに、それだけのことをする。それでも反対すれば、反対したときこそ解散の一番いい手がある。出しもしないでおいて初めから解散だ解散だと言つてもこういうことは通りませんから、どうかひとつその点閣僚の一人として、大いに御奮闘あらんことをお願いして、これは質問じやなしに私の希望を申し上げて、この程度で打切ります。
#30
○降旗國務大臣 たいへん御同情あるお言葉を承りまして、私は内心実にうれしく存じております。できるだけ御趣旨に沿つて私も努力したいと存じますから御了承願います。
#31
○田中(健)委員 ただいま本会議も定足數が足りなくて、休憩中だそうですし、各党も公務員法に対する態度をきめなければならぬということもありますので、大体本日はこの程度にいたしまして、次回の委員会に両法案に対する質疑を継続いたしたい。こう思いますので、動議を提出いたします。
#32
○片島委員 これは逓信委員会も非常に関心を持ている問題でありまして、午前中の会議でも連合審査委員会になつておるのであります。質問などもなるたけ重複を避けて能率的に審議を進めて行く上からも、合同審査会によつて質疑をやつた方が能率的ではないかと思います。私もたくさん質問事項を用意しておるのでありますが、おそらく私が質問した事項をまた逓信委員会の人が同じようなことを質問しかねない。そういうふうにここでやつても、大して能率的でないと思いますので、今日はむしろこれで散会せられんことを私はお願いいたします。
#33
○小川原委員長 逓信委員会との合同審査について、まだ日にちのことは逓信委員会の方と打合せいたしておりませんが、大体二十四日ということにいたして協議いたしたいと思いますが、それはおまかせ願いたいと思います。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○小川原委員長 ではさようにいたします。
 それでは本日はこれで散会いたします。
    午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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