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1948/11/30 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 内閣委員会 第9号
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1948/11/30 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 内閣委員会 第9号

#1
第003回国会 内閣委員会 第9号
昭和二十三年十一月三十日(火曜日)
    午後二時四十八分開議
 出席委員
   委員長 小川原政信君
   理事 田中 稔男君 理事 福田 繁芳君
  理事 唐木田藤五郎君
      磯崎 貞序君    奥村 竹三君
      尾崎 末吉君    佐藤 通吉君
      辻  寛一君    冨田  照君
      松木  宏君    森  直次君
      梁井 淳二君    戸叶 里子君
      山中日露史君    小坂善太郎君
      五坪 茂雄君    長谷川政友君
      大島 多藏君    田中 健吉君
      黒田 寿男君
 出席國務大臣
        逓 信 大 臣 降旗 徳弥君
 出席政府委員
        内閣官房長官  佐藤 榮作君
        内閣官房次官  橋本 龍伍君
        逓信政務次官  鈴木 直人君
        逓 信 次 官 鈴木 恭一君
        逓信事務官   山下知二郎君
        逓信事務官   鳥居  博君
        逓信事務官   小池 行政君
        逓信事務官   浦島喜久衞君
 委員外の出席者
        建 設 技 官 目黒 清雄君
        建 設 技 官 菊池  明君
        專  門  員 亀掛川 浩君
十一月三十日
 委員田中源三郎君、東井三代次君、尾崎末吉君
 及び唐木田藤五郎君辞任につき、その補欠とし
 て長谷川政友君、五坪茂雄君、冨田照君及び大
 大島多藏君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員長谷川政友君及び五坪茂雄君辞任につき、
 その補欠として田中源三郎君及び東井三代次君
 が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 科学技術行政協議会法案(内閣提出第二三号)
 國家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二四号)
 郵政省設置法案(内閣提出第二五号)
 電氣通信省設置法案(内閣提出第二七号)
  請願
 一 恩給増額に関する請願(萩原壽雄君外十二
   名紹介)(第一二号)
 二 同(田島房邦君紹介)(第七七号)
 三 治山、林道両事業の建設省移管反対及び砂
   防行政を林野行政に統合の請願(小林運美
   君外一名紹介)(第六〇八号)
  陳情書
 一 雪に関する綜合調査研究機関の新設並びに
   既設施設の拡充強化に関する陳情書(北信
   五縣雪害対策連盟会長新潟縣知事岡田正
   平)(第六号)
 二 中央出先機関廃止に関する陳情書(鳥取縣
   会議長中田吉雄)(第四九号)
 三 中央出先機関廃止に関する陳情書外四件(
   兵庫縣加古郡平岡村長木戸彌太郎外四名)
   (第一二七号)
 四 中央出先機関廃止に関する陳情書(滋賀縣
   議会議長長河原伊三郎外七名)(第四四〇
   号)
 五 夏時刻法改正の陳情書(北海道市長会長札
   幌市長高田富與)(第九五号)
 六 行政整理刷新に関する陳情書(日本商工会
   議所会頭高橋龍太郎)(第二三五号)
 七 行政整理実施の陳情書(徳島縣商工会議所
   会頭篠原浩一)(第三二八号)
 八 水道行政統一等に関する陳情書(仙台市長
   岡崎榮松外十九名)(第二七一号)
 九 林野砂防を建設省に移管反対の陳情書(岡
   山縣阿哲郡豊永村会議長綱島鶴太郎外一
   名)(第三一八号)
一〇 道路運送行政の機構改革に関する陳情書(
   ニコニコ自動車株式会社長漆直右衞門)(
   第三四九号)
一一 道路運送行政の機構改革に関する陳情書(
   廣島電鉄株式会社長多山恒次郎)(第三八
   三号)
一二 砂防行政と林野行政との統一に関する陳情
   書(福岡縣治山治水協会長杉本勝次)(第
   三八七号)
一三 地方自治省設置の陳情書(東北六縣町村会
   協議会長高橋清)(第四三六号)
一四 内閣総理大臣及び國務大臣の名称改正の陳
   情書(愛知縣西加茂郡小原村大字簗平山田
   伊八)(第三六五号)
    ―――――――――――――
#2
○小川原委員長 会議を開きます。
 郵政省設置法案及び電氣通信省設置法案の二案を一括して議題に供します。質疑を許します。黒田君。
#3
○黒田委員 私は多少質問してみたいと思う点があるのでありますが、(発言する者あり)――つまらないやじを飛ばす者は出てもらいましよう。そんな者はじやまになつてしかたがないですよ。私が何かおかしなことを言うたのをやじるのならいいのですが、まだ何も言わないのに――默つているならいてもいいけれども、変なことを言う者は出たまえ。変なことを言つたら、そのたびごとにこだわりますから、そのつもりでおつてください。委員会の権威のためにもああいうやり方をするのは実によくない
    〔発言する者あり〕
#4
○小川原委員長 靜粛に願います。どうぞお始めください。
#5
○黒田委員 今回の法案はマッカーサーの総理大臣にあてた書簡によりまして、逓信省の機構の再編成が実施されるということで、郵政省と電氣通信省にわけられたのであると思いますが、從來逓信省というば赤字を相定出しておつた官廳となつております。それで私は、あまりしろうとでこまかい計數も何もわかりませんが、大体電氣通信の事業の方は採算上から見て何とかやつて行けると思いますが、郵政関係の方は当然それを独立採算制というようなことを審議してみても、非常に大きな赤字が出るのではないかと思うのでありますが、最初の念のために、見通しとして、およそ二つにわけてどの程度の赤字が出るかということを承つておきたいと思うのであります。
#6
○降旗國務大臣 ただいま黒田委員から御質疑のありました点につきましては、大体お手元に配付してある通信復興箇年計画の概要、これに收支の予算を記入してありますので、この点をごらんくださればわかることと思うのでありますが、御指摘のように電氣通信事業と、郵政事業との間には、收入支出の点において相当に相違があるではないか、從つて郵政の赤字をどうして埋めるかということが問題であるが、当局においてはどういう考えであるかという点だろうと思います。これは私がしばしば詳細に答弁申し上げた点でありまして、この点はもし黒田委員が御出席になつておつたならば、御了承になつておつたであろうと思うのであります。もとよりこの逓信事業というものは営利のためにやつておるわけではないのでありまして、國民の福利のためにするということに大きな重点があるのであります。この事業独自の立場があると思うのでありますが、概括して申しますと、今日の通信特別会計に赤字ができて來たそもそもの原因は、御存じの通りインフレの荒波がますます荒れ狂う時代において赤字ができて來たのでありまして、國家の経済、産業、國民の生活というものが安定しておりますときには、独立採算制といたしまして收支のバランスの合つておつたことは、御存じの通りであります。從つて今日のインフレの荒波の中におきまして、ひとえに國民の福利のためを思いますと、一般会計よりの赤字の補填ということも考えなければならぬところでありますが、もし今日の國民経済、あるいはお互いの生活というものが安定するときが來るならば、これは必然的に逓信事業に関する会計も、独立採算制の收支のバランスに合うときが來る。かように存じておるのであります。從つていつ國民経済が安定するかということにつきましては、これは黒田委員のお考えによつて決していただきたい。かように思う次第であります。
#7
○黒田委員 大臣の御答弁によりまして、さらに多少私の杞憂しております点についての御質問をいたしたいと思うのであります。ただいまのお答えによりますと、赤字が出る根本原因はインフレーシヨンにある、こういうようなお話であつたようであります。インフレーシヨンをどうして收めるかという問題が解決しなければ、赤字の埋めようもない、こういうお話のようであります。現内閣から、インフレーシヨンを收めるような政策は、いまだにわれわれも拜見していないのでありますが、またわれわれが期待せられるかどうかということについては、私はむしろ非常に悲観説を持つております。そういう場合にわれわれ心配いたしますことは、インフレーシヨンを收める経済政策の遂行がなされないで、他方郵政等の事業等から相当大きな赤字が出るということで、そこでこれに対する対策といたしまして、根本的の問題を解決して行くことができないために、あるいは從業員の首を切るとか、あるいは從業員に対する福祉施設を縮少するとか、あるいはまたしよつちゆう頭を持ち上げております通信料金の値上げ、こういうような行き当たりばつたりな、しかもその結果が從業員ないしは國民大衆の犠牲において、この赤字の対策としようというような面へも現われて來はしないかという恐れを持つております。ただインフレーシヨンが全般として收まらなければ赤字をのむ方法がないというような、きわめて心もとない御答弁であると、今私が心配したような方向に向つて赤字対策が現われて來るのではないか、こういう憂いを持つのであります。このデ点について逓信大臣の御所見を伺いたい。
#8
○降旗國務大臣 インフレーシヨンが收まらなければ赤字補填の道がない、かように私は断言いたつもりはなかつたのであります。とにかく逓信事業というものは國民の利益ということを第一條にして、営利の観念ということは次に考えなければならぬ。こういう意味から申しますると、今日生活に苦しむ人々に過大なる料金をかして收支のバランスをとるか、あるいは多少は國庫の補助によつても妥当なる料金の水準にとどめるかということは、これは一つの大きい問題であるという点を示唆したにすぎないのでありまして、今後の政治の状況によりまして、インフレーシヨンの場合においても、独立会計として收支のバランスをとらなければならぬ必要が起つたときには、当然その道に行くべきものである、かように思つております。さらに行政整理、通信料金の値上げについて言及があつたのでありまするが、吉田内閣は御存知の通り民主自由党内閣でありまして、行政整理の問題、通信料金値上げの問題については、それぞれ党において政綱を決定しておるのでありまするがゆえに、この範囲を逸脱してわれわれ手段を講ずるということは愼まねば相ならぬことだ、かように存じております。さらに申しますと、先般來いろいろ御質問のありましたように、私どもは前内閣の方針を踏襲いたしまして、人員は増加しないという鉄則を持つておるのでありまするから、この冗員をふやして二省を設置するものでない建前だけは堅持して行きたいと思いますから、その点御了承願つておきたいと思います。
#9
○黒田委員 大臣の御答弁は、私がただいま赤字対策としてこういう政策が現われて來るおそれはないかという点につきまして、吉田内閣が民主自由党の基礎の上のものであるから、その政策の範囲を逸脱するようなことはないと、こうおつしやいました。念のために承つておきますが、私は通信料金等につきまして、あるときは値上げをするような話を聞きましたり、あるときはまた値上げをしないというようなことを言われたりしておるようであります。これは私自身が民主自由党の事情に十分通じておりませんので、新聞紙上等によりまして知つた話で申し上げますけれども、一体民主自由党の考えている、通信料金の値上げ問題と申しましようか、その範囲というようなものを、ひとつお聞かせ願いますればけつこうと思います。行政整理の問題につきましては、多少私も知つておりますので、この点は、あとは意見の相違ということになりますから、別に申し上げませんが、通信料金の値上げ問題につきましては、民主自由党がどういう政策を持つておるか、從つて逓信大臣がこれについてどういう政策を持たれておりまするか、いわゆる範囲なり、どの程度やれば逸脱になるかというようなことにつきまして、ちよつと御意見を承つておきたいと思います。
#10
○降旗國務大臣 率直に申しますると、私どもの考えは、通信料金をなるべく上げないようにしたい、こういう考えでおります。從つて今日通信料金を値上げしようということは考えておりません。この点を御了承願います。
#11
○黒田委員 大体通信料金の値上げはなさらない御方針であるというように承つておきたいと思います。
 それから次は、電氣通信の研究機関についてでありますが、今回の法案によりまして、これは一つの專門部門とされるように第七條でなつておるようであります。そこで、從來の電氣試驗機関は外局的なものであつたというように私は承つておりますが、今回の法律案によりますと、この機構が現状より縮小されておるように考えるのであります。これはどういう理由で、かような機関が縮小されるようになつたのでありましようか、この点につきまして伺いたいと思います。
#12
○降旗國務大臣 研究所の機構を縮小しようなぞということは、私は考えておりません。先般來しばしば申しておりますように、逓信事業をいかに向上発展せしむるかというところに、二省設置の法案の根幹があるのでありまして、從つて逓信事業を向上発展せめしるためには、研究所はますますその陣容を拡充強化いなければならぬことは当然なことであります。ただこの際特に申し上げておきたいと思いますることは、從來の研究所というものは、学術の研究についてはなるほど高い水準におるものもあつたのでありまするが、今後の研究所は、それにあわせて、現実の逓信事業を遂行して行く上において、その機械あるいは技術というものを、いかに実用化するかということを重点に置く必要がある、こういう点が非常に考えせさせられるのでありますが、あわせて実用的な研究をして行く点に重点を置いてあるのでありまして、決して研究所を軽視するというような考えはありません。從つてその所属の形態も、御指摘のように変更いたしましたことは、そこに意味があるのでありますから、その点を御了承願いたい、かように思います。
#13
○黒田委員 ただいまの御答弁によりますると、形式上――これは私しろうとでありますので、何らか多少機構が縮小されて來るような傾向になつておるのじやなかろうかと考えましたので、質問してみたのでありますが、別にそういう御意思はないというように承つてよろしいと考えるのでありますが、実はこれを質問いたしましたのは、われわれは、電氣通信の研究機関は、できるだけ日本人といたしましての科学的な能力をこれに集中して、われわれ自身の考えた理論と技術によりまして、こうした方面の事業の科学化をますますはかつて行かなければならぬと思うのですが、かりにも安易に考えまして、機構を縮小いたしまして、外國の製品でもただ輸入する、そのために日本人自身の研究というものがおろそかになるというようなことがあつては困るのですが、そういうおそれがあるようなことになるのではなかろうかと憂えるのであります。外資の導入とか、いろいろなことも言われておりますが、なるほど外國のものを、ある意味におきまして、こういう機関の中に入れるということも、他面におきましては相当の便宜があることがわかりませんが、私が心配しましたのは、そういうところに重点でも置かれて、日本人自身の、こういう研究に対する努力なり、また機構なりというものが縮小されるというようなことがあると、はなはだ憂うべき方向に向つて進むという傾向になりはしないか、こういう考えから、実は質問してみたのであります。しかし大臣のお話しでは、別に特に仕事として縮小するようなことはないというお話でございましたので、その点はこれで打切つておきます。
 それからちよつと私、次の問題はいろいろな人に聞いてみるのですが、どうもはつきりしないのですが、現業というものと、非現業というもの、これをどこからはつきりわけたらよいかということが、これは國鉄についても、どうも私にはわかつたような、わからないような氣がするのですが、これも相当に大きな意味を持つてくると思いますので、この点について、電氣通信なり、郵政なりにつきまして、何か現業、非現業の明確なる御説明が得られますれば、非常にけつこうだと思います。
#14
○鈴木(恭)政府委員 お答えいたします。現在の現業という言葉が、法律上用いられておりますものは、労調法にあると私記憶しておるのでありまするが、その場合に、解釋として私どもが持つておりますのは、逓信省といたしますれば、一般会計の監督は除くことはもちろんであります。それと官房の全体を除いて現業というふうに、現在では解釋いたしております。しかし今度電氣通信省の航空保安廳、電波廳が外局になりましたので、内局の部分は全部、本省から末端に至るまで現業と解釋されるべきものと私どもは解釋しております。
#15
○黒田委員 そうしますと、電氣通信省の部面におきましても、また郵政省の部面についてもそうだと思うのでありますが、いわゆる現業廳という部面が相当含まれておると解釋してよろしいと思います。そこでお尋ねしたいと思うのであります。これはこの委員会におきまして、どなたかの質問に対して逓信大臣が一度お答えになつた問題だと思いますが、國鉄のいわゆる現業廳関係の労働者諸君に対する取扱いと、それからこの二法案において現われて参ります現業廳の諸君との間に、今回のこの議会に提出されております他のいろいろな法案とも関係いたしまして、非常に差別待遇がなされておるように思うのであります。これはマツカーサー元帥から内閣総理大臣にあてられたる書面の中で、実ははつきりと異にした取扱いがなされておるようであります。しかしわれわれは知識が浅いせいでありますか、どうですか、鉄道並びに塩、しよう脳、タバコの專賣などの政府事業に関し、ここにまた大きな現業廳の部面があります。それからまた逓信省関係の現業廳の部面があります。これが同じ職員でありましても、いわゆる法律上の取扱いが今度は違つて來ると思います。片一方は公務員法の適用を受ける。他はしからずというようなことになるのでありますが、マツカーサー総理大臣にあてられたる書簡に、そういうふうに区別してあるから、政府もその通りやつたとおつしやるならば、これはそれだけで一つの回答になります。しかしわれわれは、どうしてマツカーサーがこう区別したかわからない。一体政府は何かこのことにつきまして、マツカーサー司令部に質問でもされたようなことがありますでしようか、どうですか。ただこのままをとつて、これに沿うようにやつたのだと言うのでありましようか。この点ちよつと聞いておきたいと思います。
#16
○降旗國務大臣 黒田委員の御質問のような点につきましては、政府といたしましてもいろいろ打合せをいたしました。しかし結局世界の情勢から見、日本の現況から見まして、マツカーサー元帥の書簡に基くことの方が時宜に適したものである、かように信じて二省設置を提案したわけでありまするが、しかし考えなければならぬことは、御承知のように、運輸事業、逓信事業は、人間のからだにたとえますと、血管があたかも運輸事業のごときものであり、神経系統が通信事業のごときものであります。從つて明治・大正・昭和の三代を通じて、実に日本の國が三千万の人口から八千万の人口になりまして、かつてその存在すら知られざりし國が、世界にその存在を知られるようになつた。そのかげには鉄道人として、あるいは逓信人として、これらの從業員の方々の活動が、大いにあずかつて力あつたと私は確信しております。從つて今日いかにその組織が違つても、國勢の進運に努力された從業員のために、今日著しい厚薄、甲乙をつけることは、私どもとしては忍びないところでありまして、いかにその組織が違つておりましても、從業員の待遇について甲乙丙丁のないように待遇をして行きたい。またなし得ると信じておりますから、その点御了承を願いたいと思います。
#17
○黒田委員 非常に大臣といたしまして、マツカーサー書簡によりまして私がただいま指摘いたしました國鉄、あるいは大藏三現業廳と、逓信省関係の職員に対する法律上の取扱いが異なることに関して、発生する何らかの差別待遇的現象が現われないように極力努力する、こういうお話で、はなはだ御方針につきましては私了としたいと思うのであります。それにもかかわらず、どうも私はこの專賣公社という関係で現われて参りますことに対して、依然として同じ現業という面を持つておりながら、片方は依然として行政官であるということで、そのためにその職員の取扱いが、ただいま逓信大臣の申されましたようなよき御意図があるにかかわらず、現実の法律の上におきまして取扱いを異にいたしますと、そこに結局現実の面におきまして、いろいろと利益、不利益の関係が現われて來るのではなかろうかと思うのであります。現公務員法の第二條に、現業廳の職員で、法律または人事委員会規則で指定するものは特別職で、公務員法においては一般職に属する職以外となつておる。從つて現業廳は公務員法の適用を受けないという一應の基準ができておる。しかるにかかわらず現業廳職員たるの性質を藏しておりながら、この点から申しまして、特に逓信省の職員が他の現業廳に比べて、どうも差別待遇を受けるようになるのではないか。ただいま逓信大臣がどういう御意図でありましようとも、結局法制によりまして行政が行われる限り、そういう差別待遇が行われる危險がはなはだ多いと思う。この点私どもは非常に心配しておる。どうも私はこの二つをわける理由がわからないのであります。しかしこの点は幾ら質問いたしましても、これ以上の御説明は得られないと思いますから、われわれの方ではそういうふうに考えておるということを申し上げておきまして、この点は打切りたいと思います。
 それからもう一つ次にお尋ねしたいと思いますことは、さきに國家行政組織法が制定いたされましたときに、参議院におきまして非常に大きな問題になりましたのは、國家行政組織法の第七條で、その所掌事務を遂行するために設くべき部局として官房、局、部、課、というふうになつておりまして、この國家行政組織法の制定の場合には、次官と局長との間に総務長官というようなものを置くということが非常に問題になりまして、結局それが原案から削除された。但し法律によりますれば、國家行政組織法第二十一條におきまして「現業の行政機関については、特に法律の定めるところにより、第七條及び前條の規定にかかわらず、別段の定をすることができる。」というのでありまして、そのために今回は総務長官というようなものあるいは理事というようなものを置かれたのではないかと思うのですが、どうもわれわれから考えますと、國家行政組織法を制定されます場合に、特に総務長官というようなものを除いた趣旨にかんがみてみましても、今回の法律におきましてここに総務長官あるいは理事というようなものが現われて來たことは、行政機構の簡素化というような面、その他行政の実際の機能という面からいたしまして、余分のものが現われて來たというような感じがするのであります。どうしてもこういうものを置かなければならない何か特別に理由でもあるのでありましようか。われわれは、こんなものはない方がいい、むしろ國家行政組織法の第七條によつて、二十一條による例外というものを認めない方がいいと思うのであります。この点がどうもわれわれにはここに総務長官というものを設けた意味がはつきりわからぬのでありますが、これについて御説明願いたいと思います。
#18
○降旗國務大臣 この点はしばしば私から御説明申し上げた点でありますが、特に重複してお答え申し上げます。申し上げるまでもなく、先ほども田中委員の御質問に対して私は答えたのでありますが、もし電信、電話、郵便というものが、二分の一の時間あるいは三分の一の時間でそれが成就することができるということになりますと、これは一個の逓信省内の行政簡素化の問題にあらずして、天下の産業経済に影響するところは非常に大きいのです。從つて私どもは、逓信事業は單に逓信省内におけるところの事業と見ないのでありまして、これが天下の産業経済に連なる影響いかん。そのためにはどうしても逓信事業を今日より向上発展せしむることが必要である。こういう観点を立ちまして、今御指摘になりましたような組織をつくつたのであります。從つて、もしこれを実施して黒田委員の御指摘になりましたような弊害ありといたしましたならば、私どもはあえてそれに固執するものでない。ただ現在の判断におきましては、原案にあるがごとき組織によるにあらざれば、もつて逓信事業を向上改善することは能はずと考えておるのであります。この点を御了承願つておきたいと思います。
#19
○黒田委員 これ以上は議論になりますから、ただいまの点につきましてはこれ以上質問いたしません。
 次に郵政省の設置法についてでありますが、どうも私ら考えまして、ただいま総務長官を問題にいたしましたような意味において、こういうものの存在がどうかと思う点でありますので、ちよつと質問してみたいのであります。それは郵政監察官制度というものについてであります。これについて質問いたします前に、一体最近郵政業務に対する犯罪というものが、統計の上でどのような現れ方になつておりますか。またその増減の傾向というものについてお尋ねしてみたいと思うのであります。
#20
○降旗國務大臣 これは、詳しい統計せを知らよというならば他の政府委員より御返答申し上げますが、率直に申しますと、これはひとり逓信事業におけるところの犯罪のみでなくて、他の警察上の犯罪は、最近非常に激増しておることは事実なのです。從つて逓信事業に関する犯罪もこの範疇を逸脱するわけに行かないのでありまして、この激増するところの犯罪をいかに取締るかということは、今日逓信省としては重大な問題になつておるのであります。申し上げるまでもなく、郵便、電報、電話というようなものは、われわれの実際の生活に影響するところの大きいものでありまして、しいて言うならばわれわれの人権にも関する問題になるのでありますから、これを支障なく公正に運行せしむるということは、逓信事業人として最も考えなければならぬところであります。これが少くとも侵されるということになりましたならば、これは重大なこととして身をもつて警戒しなければならぬことは当然なことでありまして、この意味において、御指摘になりましたような監指摘になりましたような監察局というものを設けることになつたのであります。この点はどうか御了承を願いたいと思うのでありまして、單に監察局というものはそういう犯罪を取締るばかりでなくて、郵政事業の全般の運行を、いかにしたらば能率が上るかということもあわせて考えておるのでありますから、今日の場合この局を特設することも、これはやむを得ないというよりも、むしろなさねばならぬことである、かように信じております。御了承願います。
#21
○黒田委員 大臣の御答弁を承りましたが、少し抽象的でわれわれしろうとにはわからないのでありますが、ただ、一般の犯罪の數が最近において増加しておる、これはわれわれもわかつておるのであります。そこで、特に郵政業務に対する犯罪について、多少具体的に示していただけるならばお話し願いたいと思います。
#22
○小池政府委員 ただいまの御質問に対して私からお答えいたします。具体的にどういう犯罪が郵政業務にあるかという御質問でございますが、経郵便について申し上げますと、小包の拔取り、書留の中にあります小為替あるいは小切手等の拔取り、なお貯金について申し上げますと、郵便貯金詐取、保險について申しますと、保險料の横領あるいは保險金の詐取、かようなものが郵政業務の犯罪の中で最も率の高いものであります。
    〔発言する者多し〕
#23
○小川原委員長 靜粛に願います。
    〔発言する者あり〕
#24
○黒田委員 どうして諸君はそういう……。
    〔「道義心に訴えろ」「きようは二十九日か、三十日か知つているか」と呼び、その他発言する者あり〕
#25
○小川原委員長 靜粛に願います。
#26
○黒田委員 騒がれるとかえつて時間がかかる。私のどこに道義心がないか。
#27
○小川原委員長 黒田君、本問についておやりなになつたらどうです。
    〔「時間を見ろ、三時半じやないか」と呼ぶ
  者あり〕
#28
○黒田委員 時間に制限はない。やかましくてしようがないから、委員長、嚴重に注意してください。
#29
○小川原委員長 あなたにも御注意いたします。
#30
○黒田委員 それでは質問を続けます。私の質問をする動機と申しますか前提は、こんなものはいらぬじやないかという氣持ちから質問しているのです。そこでお聞きしたいのは、第二十六條によりますと、「郵政業務の監察を行なわせるため、郵政省に郵政監察官七百人以内を置く。」ということになつております。七百人と申しますと、大体日本の都道府縣を平均いたしまして約十四、五人ということになるのであります。一体これだけのもので、特にこういう一つの裁察官制度を置いて、どれだけ効果があるか。從來のようなちやんとした警察制度もあるのに、これだけの理由で、ことに都道府縣に私の申しましたような平均の數字で現れるのでなく、ある府縣では、相当に都道府縣の情勢によつて平均以上のものを有することもあるが、そうすると、他の府縣ではそれだけ少くなるということになる。わざわざこれだけのものを置くという意義もないように私は思うのであります。元來私はもう新設をしない方がいいと考えるのでありますが、一体この程度のことで、どれだけの目的が達せられるのでありますか。置くとすれば不徹底のような氣もいたしますし、また私としても必要ないと思いますが、この点どういう考えを持つておりますか。
#31
○降旗國務大臣 御存じの通りに、犯罪の激増によりまして、警察官が非常に手薄になつておるという点を強調したいと思います。さらに申しますると、七百名をいかにして補充するかという話でありますが、もともと監察官というものは、何も犯罪を取締るばかりが能ではありません。黒田委員の手元にある法案についてごらんになりますように、第二十六條には明らかに、この監察官というものは逓信事業の改善向上に大いに努力するということになつておるのであります。從つてこの意味においては、今日といえども四、五百名の監察事務を取扱つておる者があることは当然であります。從つて何も、どこからか七百名を新しくつれて來るのではないのでありまして、現在のものに多少のものを足せば、七百名近くになることは当然であります。その多少のものをいかにして補充するかということは、先般私がしばしば申しましたように、現在の人員の中でしかるべく配置轉換をすることによつてなすのでありますから、この点を御了承つておきたい、かように思うのであります。
#32
○黒田委員 私はただいまの御答弁によりまして、さらにぜひお伺いしておきたいと思います。ただいま逓信大臣から、この郵政監察官というものは一般警察官の手薄な状態を補充するという役割もあるというように承りました。実はこの点、私は非常に重大な問題であると考えるのであります。私の質問を何だかつまらないように言われる人があるかもしれませんが、私はそうでなく、相当重要な問題だと思つて質問しておるのであります。日本に警察官をどれだけ置くかというようなことは、今日本が國際的に置れている地位から申しましても、相当重要な問題だと考えなければならぬ。これは國際的な関係から申しますと、実に徴妙な問題であると思う。それを私は眞劍に考える。いいかげんに考えておるのではない。そこで警察官の補充を……。
    〔発言する者多し〕
#33
○小川原委員長 御靜粛に願います。
#34
○黒田委員 もう少し靜かになつてからやります。
#35
○小川原委員長 それでは御質疑はないのですか。
#36
○黒田委員 いや、靜かになつたらやりますと言つたのです。
#37
○小川原委員長 あなたを尊重いたしまして、十分と申されたのを、もう一時間近いほどやつておる。ほかの者と爭わないでやつてください。
#38
○黒田委員 十分とは言いませんでしたよ。
#39
○小川原委員長 あなたの人格を尊重してこれまでやつたのですから、ほかの者に関係なく、二、三の点であつたら御質問を願います。
#40
○黒田委員 今になつて、私に時間の制限をせられるのですか。昨日は一体どうしたのですか。
#41
○小川原委員長 たびたび言つたが、あなたは少しもお問いにならない。
#42
○黒田委員 大臣がおらなければ質問できないじやありませんか。昨日もそうです。きようも先ほどまでは私はしよつちゆう來ましたけれども……。
#43
○小川原委員長 ちよつと速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#44
○小川原委員長 それではこれにて質疑を打切りたいと思いますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」「異議あり」「反対」と呼び、その他発言する者あり〕
#45
○小川原委員長 御異議ないと認めます。これより討論に入りたいと思います。これに賛成の方は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#46
○小川原委員長 多數と認めます。
#47
○黒田委員 こういう非民主的なやり方をする委員会にこれ以上参加しません。ばからしくなつて來ました。
#48
○小川原委員長 このままでしばらく休憩いたします。
    午前三時四十五分休憩
    ―――――――――――――
    午前三時五十五分開議
#49
○小川原委員長 それではさきの質疑打切を取消しまして、休憩前に引続いて質疑を行います。田中君。
#50
○田中(健)委員 先ほど來長々しいことを申し上げましたが、簡單にやります。どうも速記録を見たときに何もやらなかつたというのでは、委員長があとで困るのではないかと思いますから、質問いたします。
 今逓信省にある資産の区分、これは全部日本政府のものだと思つておりますが、このようなものは全然両方にわけることになるのだが、そういうものはどうなるのですか。逓信大臣に伺いたいと思います。施設の区分の問題であります。
#51
○降旗國務大臣 お答えいたします。両省に分離する以上は、郵政省にわかたるべき財産は郵政関係のもの、電氣通信省にわかたるべきものは電氣通信関係のもの、この通り御了解願います。
#52
○田中(健)委員 建物のようなものはわけられないが、どうなりますか。
#53
○降旗國務大臣 それはその他に属する問題で、しかるべく処理いたします。
#54
○田中(健)委員 それは大藏省のものとして使うのですか。
#55
○降旗國務大臣 御了承願います。
#56
○田中(健)委員 これはあとでよく問題になることだからお聞きしますが、たとえば郵政省と電気通信省とわけるというが、電氣通信省のものにして郵政省のものを間借りさせるか、さもなくば大藏省のものとして……。
#57
○降旗國務大臣 その点は郵政省の組織、電氣通信省の組織の場合に御説明してあります。ひとつ速記録をごらん願いたいと思います。
#58
○田中(健)委員 速記録がまだできていないものだから……。それでは速記録を読むことにいたしましよう。
 土橋君が労働組合が小さくなるというので非常に騒ぐのだが、やはり労働組合は全逓が解体されて、電氣通信労働組合、郵政労働組合というふうになるのですか。これは労働大臣に聞かなければならないようなことだが、委員長どうですか。労働大臣をお呼びになるか。それとも責任をもつて降旗逓信大臣からお答えになるものか。
#59
○降旗國務大臣 それは組合員の意思によつて決定すべき問題だと存じます。從つて御質問のように、労働組合が小さくなるから、あるいは大きくなるからというようなことを、私どもは主眼点にしておらないのでありまして、逓信事業人といたしましては、あくまで逓信事業の向上、発展をいかにするかということを考えております。小さくなろうと、それはそのことによつて決定すべき問題ではない。かように思います。ただ私どもは、このことによつて組合を彈圧しようとか、無法な圧迫を加えようとは絶対考えておりません。
#60
○田中(健)委員 私は労働組合のことについて、労働組合側の諸君に言つておることをちよつとここに持ち出したのですが、いろいろな労働関係の諸法律の上から見れば、これを分割とでも言おうか、逓信省が廃止されて省が二つできるという場合には、法規上からこの全逓組合がどういうことになるかということに局限してお尋ねいたします。これは降旗逓信大臣は答弁するに適当でないと私は思いますけれども、もし答弁されるならば責任を持つてもらいたいし、それでなかつたならばこれだけ保留して、あとから労働大臣からでも伺います。
#61
○降旗國務大臣 大臣が答弁するのは適当でないとおつしやるのなら、適当でない者が答弁することはますます不適当だと思いますから、保留なさるというならけつこうですから、どうぞ御保留願います。
#62
○田中(健)委員 それでは労働大臣に出てもらいましよう。委員長ひとつ呼んでください。
#63
○降旗國務大臣 労働大臣を呼ぶことは、ますますさつきの主義に反するのではないかと思います。穏やかにやろうというのだからひとつ……。
#64
○田中(健)委員 その点はまたあとで聞きましよう。
 それから配達の関係、これはごく小さなことだが、私はしろうとだから聞くのです。末端の方に行くとあまり区別がつかなくなつて來るのですが、職員、配達夫、そういうものは共用される場合があるかどうか。建物や施設が共用される場合があるか、郵便配達とか電報の場合、共用されるものかどうか。明らかに区分されて、どんな採算のとれないところでも、やはり二人置くことにするか。あるいは三等郵便局のような末端の郵便局についても、あくまでも機構の上ではずつと分離するか。最後のところでは建物も共同で使い、器物も職員も両方で使う。こういうことになるのですか。その点も聞いておきましよう。
#65
○鈴木(恭)政府委員 お答えいたします。建物の点につきましては、大体普通局はわかれております。ただ特定局は、この法律にあります通り、郵政省の方の委託になつております。從つてそういう経費は当然郵政省の方に電氣通信省の方からもらうことになります。人の問題につきましては今日はつきりしておりまして、郵政の從事員と電氣通信の從事員とは、はつきり区別されておりますので、実際の問題としてはわけ得るのであります。
#66
○田中(健)委員 現在二つにはつきりわかれておるのですか。どうもいなかに行つて実際見ると、そうでないように考えるのですが……。
#67
○鈴木(恭)政府委員 そうでございます。
#68
○田中(健)委員 それから選挙が始まりますので、けさほどの新聞を見ますと、年賀状を出せな私いとか、いろいろのことが出ておりますが、これはさしあたつてのことだから一應お伺いしておきたいと思うのだが、郵便局でも信書の場合には信書の祕密を侵すことはできない。中味に何が入つておるかわからない。かりに状袋に年賀状を入れて送つた場合にはわからない。制限の加えようがないと思うが、年賀状じやないかと思われるものをずいぶんたくさん出す。そういう場合には、やはり何とか中を見るような規定があるものか。その点はどうですか。信書の祕密を侵さないというものを、法律によつて中を見ることができますか。これは脱法行為をやる者が必ずあると思います。
#69
○鈴木(恭)政府委員 信書の祕密は憲法の確方するところでありまして、私ども信書は書状であろうと、はがきでありましようと、侵すことはできないと思います。
#70
○田中(健)委員 法律に禁止されておる文書が、明らかにその封筒の中に入つておると認定せられる場合において、信書の祕密を侵すことができないということを理由にして、その犯行を見のがすことにおかしいと思いますか、犯罪と思う場合はどうなりますか。檢閲してもよいのではないか。
#71
○鈴木(恭)政府委員 そのような場合におきましては、名宛人の承諾を得て、その上で開披することにいたしております。
#72
○田中(健)委員 名宛人ですか。差出人ではなく……。
#73
○鈴木(恭)政府委員 差出人です。
#74
○田中(健)委員 そうでしよう。それで安心いたしました。多分今度の選挙にはあるかもしれませんから、そうしてもらいたい。
 それから全逓の指導者はどういう傾向ですか。あれの思想的傾向はどういう傾向ですか。私は皆さんが全逓の指導者をどういうふうに判断していらつしやるか。きのうあたりの新聞を見ますと、電話の交換手が大騒動をやつた。そういうところを見ると、かなり過激な指導者がいると思う。あるいは檢束されるやら、あるいは政令違反で刑事事件に問われる者がある。そこで全逓の指導者観ということ、この点は特に降旗逓信大臣から答弁していただきたい。
#75
○降旗國務大臣 大臣として私の率直な氣持を申し上げますと、從業員に対して甲乙の差別をつけたくないと思つております。しかしながら取締るべきものについては、これは嚴然として取締ります。罰すべきものは判断これを罰します。この点御承知になつておいていただきたい。
#76
○田中(健)委員 それはあたりまえの話であります。取締るべきものは取締らなければならぬ。それはあたりまえのことであつて、私は今の爭議荘指導している諸君が、どういう思想的傾向をもつているか。
#77
○降旗國務大臣 大分先ほどから時間も切迫しておりますし、この両法案審議の問題とはほど遠いように思いますから、他日田中さんが私のところに参りましたならば、またそのことについてお話ししてもよろしゆうございます。
#78
○田中(健)委員 まあこれはよろしい。それでは本筋にはいりまして、人事院と人事局の関係。この点について私はよくわからないが、これはかなり親切に御解明を願いたいと思う。
#79
○鈴木(恭)政府委員 お答えいたします。各省の人事局長は人事委員会の人事主任官になることになつております。從つてその意味におきましては、人事委員会の出店という形をとるわけでございます。しかし試驗等につきましては全部人事委員会がこれをいたします。
#80
○田中(健)委員 私が最も心配しているのはそこだ。経済安定本部というものができたときに、各省から頭のよいと称される諸君が集つていて、これは民衆からも各官廳からも怨嗟の的となつた。そこで人事主任官が人事院に出て行つて自分の故郷を押える、こういうようなことになつて、將來人事院が役人の怨嗟の的にならなければ幸いだと思つているのですが、その傾向――人事院の官僚化、今の安本みたいな、ああいつた傾向のものが生まれてくるのじやないか。そこでこういうことのないように、今から考えておられるのだろうと思うが、その点はどうなんですか。必ずこれは將來人事新官僚というものが跋扈することになつて、えらい目にあうんじやないかと思うのだが、この点は今から何か対策でもあるのかどうか。最も心配している。出店だというに至つては、これは完全に支配される。出店じやなくならなければならぬと思うのですがね。
#81
○鈴木(恭)政府委員 御承知のように、採用、任命は各省でいたします。從つて試驗その他の問題は人事委員会の方でいたされるものですから、主任官は、その主任官会議におきまして、各省の事情等を申し述べて、最もそれに適合した人を採用するような方法を講ずることとなつております。
#82
○田中(健)委員 ただそれだけのことですか。
#83
○鈴木(恭)政府委員 そうでございます。
#84
○田中(健)委員 そうでなく、人事主任官以外には人事院に出て行く役目の人はいないのですか。人事院に出て來るのは主任官だけですか。
#85
○鈴木(恭)政府委員 各省の関係におきましては、主任官会議に出るだけでございます。
#86
○田中(健)委員 そうすると、皆さんの方の出店の主任官が、いわゆる局長が、人事院に出かけていつて、人事諸般のことを決定したり計画する場合に、その主任官が省内なり、あるいは各行政機関内の――この場合においては全逓の労働組合の意向も聞いて、人事院に出かけていつて相当発言をする、労働組合の意見も聞くという、これはちよつと大事なことだと思うのですから、逓信大臣に特にこの点は伺いたいのであります。意向を聞かないでじやんじやんやられたらたいへんですから、この点をはつきりしておきたい。
#87
○降旗國務大臣 全逓の意向を聞く必要があるかどうか、こういう点は、私は、ないと思います。
#88
○田中(健)委員 全逓の意向を聞かないでやる、聞いてもらいたかつたけれどもしようがない。そこで最後にたつた一点ですが、局長の待遇問題です。局長の待遇に差別があるかということを聞きたいと思う。大体今度電氣通信省、郵政省ができると、局長の數が非常に多くなる、もとの機構から見ると約八倍くらいになると思いますが、こうなつてくると局長が活動するために乘用車の數が非常に多くなるので、乘れない局長があつたりなんかすると、非常に待遇が階級的になつて來る、これだけの役所をつくり、局をつくり、局長をつくるからには、はたして乘用車をもつ予算があるかどうかわかりませんが、この点はたくさんの局長をおつくりになる限りにおいては、待遇上万遺漏なきを期しているか、この点をお聞きしたいと思います。
#89
○降旗國務大臣 田中委員の御指摘になりましたように、局長が全部自動車に乘れるような世の中に、私はしたいと思います。ただ今日局長どころのさわぎでなくて、國会の議員自体も乘物に困つているのですから、事情は御了察願つておきたいと思います。
#90
○田中(健)委員 乘る局長と乘らない局長とあると、あまり階級的になつて來とる思いますから、乘せるようにしなければならぬ。
#91
○降旗國務大臣 そういう不公平は決していたしません。
#92
○田中(健)委員 それではこれで終ります。
#93
○磯崎委員 大分質疑も徴より細に入り、周到なる御論議がなされましたが、この辺をもちまして質疑を打切つてただちに討論に入り、採決せられんことを要請いたします。
#94
○小川原委員長 さようとりはからつて御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○小川原委員長 異議なしと認めます。
 これより討論に入ります。順次に討論を許します。民主自由党森直次君。
#96
○森(直)委員 逓信省は行政的性格と、企業的性格を有する独立採算制の事業官廳でございまして、この意味から行政的性格を有する郵便事業と、企業的性格を有します電氣通信事業とが二つにわかれますことは、通信事業の機能を発揮する上において、むしろ私たちは喜ぶべき現象だと思います。ただこの際一言申し上げたいことは、郵政省と言わず、電氣通信省と言わず、サービスをモットーとする点だろうと思いますが、今日までこの点に関しましては、遺憾なしとは言えないと思います。そこで特にこの点は御注意をお願いしたい。特に機構を改革しましても、その運営がよろしきを得なければだめでございますから、どうか運営の点においても十分御注意くださいますようにお願いいたしまして、政府案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
#97
○小川原委員長 社会党田中稔男君。
#98
○田中(稔)委員 社会党を代表したしまして両省設置法案に反対の意を表します。社会党といたしましては、実は詳細な、きわめて具体的な修正案を研究中であつたのでありますが、何せ審議の時間が限られました関係上、責任ある修正案を提案することができないのを、はなはだ遺憾に思つております。それで反対の理由を若干述べてみたいと思います。
 両法案の内容について檢討いたしますに、案自体としては合理的であり、よく研究されたものと考えるのであります。しかしながら案自体がどんなによくとも、これが日本の國情、特に官吏の生活と財政の現状とに適合していないうらみがあります。さらにまた職員の身分や給與の問題を全然無視している。それから独立採算制確立について何らわれわれを首肯させるに足る根拠を示していないのであります。こういうふうな点がまず一般的な私どもの反対理由であります。さらにこれをもつと具体的に申し上げてみますならば、機構図を見ましても一見明瞭なように、局部が非常にふえている。それにまたあまり必要でないと考えられますところの高級官吏、たとえば電氣通信省の総務長官というようなものが設けられておりまして、全体としまして頭でつかちの一個の怪物的な機構であります。
 次に政府は國家公務員の改悪を行うことになつているが、そのことによりまして、團体交渉権や罷業権を剥奪し、團結権を骨拔きにして、職員の憲法によつて保障されておりますところの基本的人権を否認しようとしているのであります、のみならず職員の給與の改訂につきましても眞劍な努力を怠り、財政権を口実といたしまして五千數百円という低水準に押えつけようとしているのであります。これではどんなに機構を改革いたしましても、職員の滿足な協力を得ることができないならば、新機構を円滿に運営するということはほとんど不可能であると私どもは考えるのであります。
 それから一体この両省というものは國民に対するサービスを業務とすることはもちろんでありますが、そのことの結果といたしまして、当然に両省の機構には民間、学界の代表者、特に労働組合の代表者などを含むところの民主的な運営委員会というような組織が当然用意されなければならぬと思うのでありますが、そういうふうなことは片鱗も示されておらない。まつたく官僚主義をもつて貫かれた機構であります。それからまた政府は、一省を二省にわかち、それから局部を數倍にふやしても、職員の定員については今まで通りで絶対にふやさないというようなことを、逓信大臣は断言しておられるのでありますけれども、私どもは政府の言明をにわかに信頼することができないのであります。どうしましてもこういう厖大な機構になりますと、必然的に人員はふえるのであります。別に法律で定めるというようなことを言つておりますが、そりはわれわれは内容を全然承知しておりませんから、どうしてもわれわれはその点が不安なのであります。
 こういうふうないろいろな理由からしまして私ども反対でありますが、最後に申し上げたい点は、民主自由党は在野の時代におきましては、行政改革や行政整理というようなことを強く主張されたのであります。(「その通り」)おそらく降旗逓信大臣もそのお一人だつたと思うのであります。にわかに政権をとりますと、この極端に厖大な機構を持つた両省設置法案を國会に提出いたしまして、怙然として恥じないのであります。私はこの点において民主自由党の出身閣僚である降旗逓信大臣の政治的な無節操を痛感するものであります。私どもは行政簡素化を……
    〔発言する者あり〕
#99
○小川原委員長 靜かに。
#100
○田中(稔)委員 もう一度申し上げます。行政機構の徹底的な簡素化と、同時に…
    〔発言する者あり〕
#101
○小川原委員長 靜粛に願います。
#102
○田中(稔)委員 同時に民主化を目的とするところの行政機構の徹底的な改革を党是としておりまして、私どもはこの党是に基きまして、國民大衆のためにこの両省設置法案に対しましては反対するものであります。
#103
○小川原委員長 民主党、福田繁芳君。
#104
○福田(繁)委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に対するわが党の態度を表明いたしとうございます。
 現在の國家財政の実情を一面に考え、また一面に國民負担の現状をつぶさに考えまするときに、どういたましても何とかして合理的な行政整理を行うて、そうして國民負担の軽減をはからねばいかぬということは、しばしば委員会でも取上げられた問題であり、勢いさようであろうと私たちも存じておるわけであります。そこでこの法律案をながめまする場合に、せつかく今までの一省を二省に分割し、あまつさえ部局のごときは三倍もに増大する。勢いこれは人員の相当な膨張を來しはしないかしらんということも眞劍に考えながら、当局にその点も御質問いたし、また共同委員会の報告書も十分調査いたしたわけであります。かてて加えて連合軍の民間通信局の方へも参りまして、アメリカ國から來られております郵政電氣通信の権威者の御意見もとくと承りましたわけでありますが、過般降旗大臣も言われましたごとくに、過般の大戰爭において日本の通信あるいは郵政関係が、この通りに全滅に近い状態になつているのだが、どうしても文化國家として世界の水準に到達を一刻も早くするのには、相当な犠牲覚悟の上で二省に分割いたし、そうしてこういう新しい機構で人員も撤対ふやさないように、言いかえれば編成がえといいますか、合理的な配置轉換と申しますか、そういうようにいたしまして、効果的な結果をねらう意味合いにおいて、その目的を果したいというところのことも、十分実はかつて参つたわけであります。ただ最もおそれるのは、先ほどからお話がありましたがごとく、人員の膨張による経費の膨張、ひいては國民負担の増加にならないということを心から念願いたして、しばしば逓信大臣から御答弁あられたことに対して、非常な期待をかけているわけであります。かてて加えて逓信省の次官初め各局長が相当眞劍な確信を持たれて、しばしば丁寧に御答弁されましたので、おそらく本案の立法の趣旨であるその理想に近く到達できるものだと考えます。それを前提として一應本案に対しては賛意を表したいと思うのであります。それではなはだ苦言ではございまするが、政府におかれましても共同委員会の報告書、あるいはまた本委員会における今日までの質疑の内容、あるいは本委員会が過般招致いたしまして聞き取りました参考人の陳述書、こういつたことも十分御参考にされまして、ぜひとも目的通りの成果をあげてもらいたいと思います。もし不幸にして向う一箇年もたちまして同僚諸君が氣ずかつておりましたような、部局の増設のために人員がふえ、あるいは能率が低下する。あるいは総務長官があつたがために官僚独善に陷るようなことがありました場合には、來議会あたりにおいてこれを是正しなければならぬのではないかということも氣づこうておりますから、そういうことが起らないように十分眞劍にやつていただきたい。これだけの希望を申し上げまして、本案に賛成いたしたいと存じます。
#105
○小川原委員長 國民協同党唐木田藤五郎君。
#106
○唐木田委員 先刻関係方面と長々懇談いたしましたときに、私はきわめて率直端的に、ざつくばらんに、今日までの日本の役人の考え方では、必要以上に体面にとらわれ、ざつくばらんに虚心担懐に人民の声を聞く雅量がなかつた。もし一度誤つて出た法律は、あくまでたいていのことでかえせません。このゆえに本法案のごとき文化國家の原動力とも言うべき法案を、短期間に審議することは國民の負託に沿うゆえんではないかと考えないか。皆さんはどう考えるか、教えを請うて参りました。ところがそれに対して、われわれはそれぞれ專門的立場から確信をもつて本案を支持したい。もしこれを実施して一年もたつて改善すべき点を見出したならば、遠慮なく改正することに少しもやぶさかでない。すみやかに本案を通すことに努力を続けられたいということを重ねて申されたのであります。支那の古い言葉に汝の俸、汝の碌、民の膏、民の脂、下民しいたげやすく、上天欺きがたし、という言葉がありますけれども、新しい現実のような氣がしてならないのであります。願わくばこの法律が実施せられる日において、最高司令部の親心を誤らないように、しかしてまた私どもの質問の趣旨を十分に活用して、手術は成功したけれども、患者は死んでしまつたというような皮肉な結果に陷らないように、どうか発刺たる原動力たらしむるように、大臣以下各官僚の努力を希望して、本案に賛成の意を表したいと思います。
#107
○小川原委員長 社会革新党田中健吉君。
#108
○田中(健)委員 私は社会革新党を代表して本案に対して反対をいたしたいと思うのであります。
 その理由はまずこの法案の提案のしかたが非常に高圧的であると思うのであります。ただいま唐木田さんのお話によると、関係方面と逓信省の諸君が長い時間をかけまして新設されたものであるというようにうかがわれます。そういうふうに長い時間かかつてつくつたものを、われわれしろうとのところに持つて來て、一週間か十日間くらいでやつてしまう。それでは見ようによつてはどういうことになるかわからない。しかしわれわれは審議権を持つている國民議員である。これを十分審議するために公聽会を開き、参考人を呼び、あるいは十分なる審議時間を與えられなければならぬ。その点この法案の提案そのものが非常に高圧的であると言わなければならない点の一つであります。
 それからもう一つの点は、この法案の内容を見まする場合に、働く勤労大衆の要望がまず一つも入れられておらない。この点は私は非常に遺憾に思います。それから提案している政府の方から、行政機構改革に関して、あるいはまた人員の整理、定員の問題、そういつた諸般の点について、何ら見るべき資料が提出されていないということ、これは当然委員の方から求めなければならないけれども、しかしながら委員会の理事諸君が関係方面に數回参りまして、ほぼ事情も了解せられたので、そういう雜多な資料は要求いたさなかつた。しかし本來なら、これは求められるまでもなく、相当の資料を出さなければならないはずである。その点私ははなはだ遺憾に思つているのであります。本日はどうしてもこれを上げてくれ。こういうことになつて、われわれは極力これに対して反対いたしましたが、民主党の各位並びに民主自由党の諸君が、多數をもつて強引にこれを上げる。こういうことになりましたので、これは多數政治においては何ともいたし方のないことでありますが、私はとにかく反対の意思を表明いたしたいと思います。唐木田さんも言われた通り、とにかくやらせてみてくれ、やらしてみたらどうかというような関係方面の意向でもあつたようでありますが、おそらくこの法案では大したことはできないだろうと思います。將來において大改正を加えなければならぬだろうと思います。そのときにおいてはおそらくわれわれがほんとうに労働者諸君や、農民等働く者の政府をつくつている時代だろうと思うのでありまして、そのときは徹底的な改正を加える覚悟であります。この意味において私は最初から反対でありますので、ここに社会革新党を代表いたしまして意見を表明しておきます。
#109
○小川原委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより郵政省設置法案及び電氣通信省設置法案の両案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#110
○小川原委員長 起立多數、よつて両案はいずれも原案通り可決いたしました。(拍手)
 なお委員会報告書の作成並びに提出等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○小川原委員長 御異議なしと認めます。よつてその通り決します。
    ―――――――――――――
#112
○小川原委員長 この際お諮りいたします。先日議了いたしました國家行政組織法の一部を改正する法律案につきましては、委員より再議の増出があります。これを再議することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○小川原委員長 御異議なしと認めます。よつて本案は再議することに決しました。これより國家行政組織法の一部を改正する法律案につきまして採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#114
○小川原委員長 起立多數、よつて本案は原案通り可決いたしました。
 なお本案に関する委員会報告書の作成並びに提出等につきましては、委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○小川原委員長 御異議なしと認めます。よつてその通りに決します。
 それでは暫時休憩いたします。
    午前四時四十二分休憩
    ―――――――――――――
    午後八時十七分開議
#116
○小川原委員長 午前に引続き会議を開きます。
 これより請願の審査に入ります。日程第一及び第二は恩給増額に関する請願でありまして、同一趣意でありますので、一括議題といたします。紹介議員の磯崎委員より趣旨の御説明を承りたいと思います。
#117
○磯崎委員 ただいま議題になつております案件に対しまして簡單に御説明申し上げます。
 本請願の要旨は普通恩給または扶助料を受けている者は、數年來の物價高のために極度に生活苦に悩まされておりますので、ぜひ恩給を適当に増額されたいというのがその骨子であります。さらに第七十七号、この要旨も同樣と御了承願います。
#118
○小川原委員長 本請願に対しまして政府の御意見を求めます。
#119
○橋本政府委員 ただいまの御請願の御趣旨を承りまして、まことにごもつともと思います。恩給に関しましては、終戰以來長らく恩給額がすえ置かれておりましたために、一般の受恩給者といたしまして、特に年をとられた方であるとか、そういう方々が非常にお困りであつたのでありますが、この前の國会におきまして、議員提出の恩給法臨時特例によりまして、從前の恩給額に比しまして十二倍ないし二十六倍半に増額をすることに相なりまして、これが去る十月から実施をいたされております。これで一應終戰以來お困りの方々の状態が緩和をされたと思つております。もちろんこうした時節でありますし、特に受恩給者の中で、もう年をとられて働くことのできない方であるとか、あるいはまた未亡人の方々などにとりましては、不十分ではあろうと思いまするけれども、とりあえずのところ、先月以來実施になりました從前恩給の十二倍ないし二十六倍半ということで、しばらくの間またおしのぎになつていただきたいと存じておる次第でございます。この請願に関しましては、臨時特別ができましてからなお足りないという意味ではなくて、あるいは從來訴えられておりました事情が、そのまま反映されて請願されておるのではないかと思いますが、いかがでございましようか。
#120
○磯崎委員 さようです。
#121
○橋本政府委員 それでしたら、一應のところこれで緩和されたと思います。
#122
○大島(多)委員 ただいま政府委員からの御説明がございましたが、なるほど第二國会におきまして恩給法の臨時特例が通過いたしまして、恩給の増額は相当額実現いたした次第であります。しかしながらその特例案によるところの恩給増額の基礎となつておるのは、これは三千七百円ベースであるわけであります。相当増額を見ましたものの、それでもなお相当生活困窮者を出すということが予想されるわけでありまして、一般官吏の方々の給與が、三千七百円ベースではどうしてもいかぬ、現在の段階では人事院の決定におきましても、六千三百円を生活給として妥当であると認めておるような現状でありますから、政府におきましても、一應増額を見たというそれだけでやめてもらわないで、さらに公務員の新賃金ベースの変更がありましたならば、なるべくならばスライドいたしまして、恩給生活者が困らないような適当な処置を私はお願い申し上げたいと思うわけであります。これに対しまして政府委員の方はどういう御見解をもつていらつしやるか。一應お尋ね申し上げたいと思います。
#123
○橋本政府委員 ただいまのお話まことにごもつともであると思います。実は未復員者の給與につきましても同じような問題がございますのですが、恩給の件に関しましては、さしあたり先般の改正が先月発足したばかりでございまして、これでしばらくしのぎたいと思いますけれども、給與改善等に関連いたしまして、かつまたそのもとになります物價騰貴に関連いたしまして、今後模様を見まして、予算の全体と関連しながらできるだけ善処をいたしたいと思います。
#124
○福田(繁)委員 私は動議を出します。この萩原壽雄君外十二名並びに田島房邦君の紹介にかかるところの恩給増額に関する請願は、ただいま同僚議員磯崎貞序君から詳細な趣旨弁明があり、これに伴うて政府委員からたび重なる懇切な答弁がありましたので、わが委員会といたしましても一應了承し得るのであります。ただ今後社会情勢の変遷と申しますか、そういう点において、多分に政府としても請願人の請願の趣旨を参考にしてもらわなければいかぬ。こういう意味合いにおいて、参考といたしまして政府に送付することに議決してもらいたい。これを委員長からはかつてもらいたいと思います。
#125
○小川原委員長 ただいまの福田君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○小川原委員長 異議なければさようとりはからいます。
#127
○橋本政府委員 ただいまのお話によりまして、お送りをいただきましたら、十分これを檢討いたしまして善処するつもりであります。
    ―――――――――――――
#128
○小川原委員長 次に日程第三、治山、林道両事業の建設省移管反対及び砂防行政を林野行政に統合の請願を議題といたします。紹介議員がお見えになつておりませんので、冨田君にかわつて説明願います。
#129
○冨田委員 ただいま上程になりました治山、林道両事業の建設省移管反対及び砂防行政を林野行政に統合の請願につきまして、その趣旨を弁明いたしまして、ぜひ御採決を願いたいと思います。
 この請願の要旨は、治水の根源は森林がおもでありまして、渓流砂防工事はその從と見るべきものでございます。しかも両者は密接不可分の関係にありますので、林野行政の一部である治山及び林道省移管に反対をいたしますとともに、治水事業の完璧を期しますために、砂防行政を林野行政の一部としてぜひ農林省に統合してほしいのでございます。
#130
○小川原委員長 政府の御意見を承りたいと思います。
#131
○目黒説明員 私は建設省の立場から答弁いたします。砂防行政と林野行政の統合の問題でありまするが、砂防と申しますのは、ただいま御承知の通りに農林省がやつておりまする荒廃林地復旧、その他いわゆる山林砂防というものと、建設省がやつておりまするところの渓流砂防と両方あるのであります。これはかつては内務省に一元的に統一されたのでありますが、明治四十四年以來内務省と農林省の二つにわかれたのであります。そのためにそばそばこの間に問題が起きまして、いろいろ農林省と内務省の間に協定が結ばれたのでありまするが、依然としてその分野がはつきりしないというのが現在の状態であります。第一段の砂防について、内務省――現在の建設省にありまするものと農林省にありまするものを一元化すという問題につきましては、われわれもその趣旨には賛成なのであります。ところが後段の、これを農林省に移すということにつきましては、建設省としてはこれは反対をいたしたいのであります。その理由としましては、先ほども請願の趣旨にもありました通りに、砂防そのものは治水の目的を持つ場合と治山の目的を持つ場合とありまするが、現在の河川の荒廃の状態におきましては、治水と密接不可分であると言わなければならぬと思うのであります。たとえば建設省で管理いたしておりまする河川行政と砂防行政はどうしても切り離せないものであります。われわれとしては、農林省が砂防といたしまして、あるいは荒廃林地復旧としてやりまするものは、山林資源の保護という目的に向つて進んでもらつて、治水方面の砂防は、どこまでも建設省の方に移していただきたい、こういうことを常に主張するものであります。大体現在やりまする砂防と申しまするのは、川岸に近い傾斜面でありまして、これは崩壊いたします土砂を防ごうとするものであります。ここには有用な樹木や何かが繁殖して、これが山林資源になるということがしかく望めない土地が多いのでありますから、これら河川に入り來る土砂を防止せんがための砂防、すなわち建設省がやつておりまする河川行政と砂防行政とを一体化していただきたい、そういう意味におきまして、現在建設省でやりまする砂防行政を、林野行政の方に統合することに反対するものであります。
#132
○福田(繁)委員 本請願は、委員会においていろいろ協議いたしますのに、請願人の趣旨には一應肯ける点はあるのでありまするが、何と言つてもこれは相当大きな問題であり、かてて加えて昨日の委員会で審議した行政組織法の一部を改正する法律案にも多少関連













#133
○小川原委員長 異議がないようでございますから、さよう決します。
 なお二つの請願に関する委員長報告の作成並びに提出等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○小川原委員長 御異議なしと認めてさようとりはからうことにいたします。
    ―――――――――――――
#135
○小川原委員長 次に、科学技術行政協議会法案を議題といたして審査を進めます。御質疑があればこれを許します。
#136
○福田(繁)委員 本案に関連してこの質疑は、前委員会で大体終了したと思いますから、質疑を打切りまして、討論に入つて、ただちに採決さけれんことをお願いいたします。
#137
○小川原委員長 ただいまの福田君の動機に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

























































































































れたものでありまして、委員は各省聽の官吏と学識経驗者とが同數をもつて組織され、学者の專門的知識と行政官の手腕と識見との総合調和をはかるものでありまして、科学を行政に反映さすために適切な組織であると考えるものであります。財戰日本の再建には科学、技術の活用が最も緊要なものであると考えます折から、本協議会の適切な運用を切望いたしまして賛成の討論といたす次第であります。
#138
○小川原委員長 次は社会革新党、田中健吉君。
#139
○田中(健)委員 社会革新党を代表いたしまして本案の原案について賛意を表したいと思います。但しこれは協議会を早急につくる必要があるということから、一應今期國会において賛成しておくのであつて、次の國会において他の行政学関の設置法とにらみ合わせて、本委員会としても改正しなければならない点が当然出て來ると思う。そういう場合には政府から改めて改正案を出せるか、本委員会として議員提出の改正法律案を出すかということを、一應この際政府の方にも申し上げておいて、そうして原案を通す、こういう態度で賛成いたしたいと思う次第でございます。言い足りませんけれども、時間がありませんので、この点を申し上げまして賛意を表したいと思います。
#140
○小川原委員長 次は労働者農民党、黒田寿男君。
#141
○黒田委員 私は労働者農民党を代表いたしまして、本案に対しまして賛成の意を表すものであります。この際政府に一言強く希望を申し述べておきたいと思うのでありますが、わが國では歴代の内閣は、科学研究機関に対する経費の支出にはきわめて不熱心でありまして、また科学者に対する物質的な及び精神的待遇におきましてはなはだ冷淡であつたと思うのであります。これはただ一つの例でありますが、たとえば学士院の会員に対して現在政府が與えておりますところの待遇のごときも、学者に対する待遇といたしましては、はなはだ理想に遠いものがあるとわれわれは考えるのであります。科学に対してこのような冷淡な態度をとり、科学を軽視し、科学者を冷遇しましたことが、延いて日本を封建主義、軍國主義の暗黒の中にとじ込めまして、わが國が今日のような状態に轉落せざるを得なくなりました遠い、しかしまた根本的な原因となつているように私は考えるのであります。今後政府はこの点に関しまして一大猛反省をされ、眞に科学的な日本、平和的な日本の建設のために、一層の留意と努力とを拂われんことを希望する次第であります。
#142
○小川原委員長 これにて討論は終局いたしました。この際政府委員より何か御説明またお話になることがありましたら発言を許します。
#143
○橋本政府委員 ただいま各党代表からの賛成の御討論の中にありました御意見は十分に拜承いたしました。いろいろ御注意をいただきまして、ありがとうございました。私この問題に関しましてただいままで十分に御説明の行届かなかつたところがあると思いますので一言ぜひ申し上げておきたいと思います。私就任いたしましてから日がなお浅うございますが、特にこの問題に関しましては私自身も深い関心を持つておりますし、個人的にもいろいろな関係がありまして、学者の側の方方とも十分懇談をいたしまして、この科学技術行政協議会に関しましては、日本学術会議と同じに、学術刷新委員会の答申案でできましたので、それは政府側のお手盛りというよりは、むしろ科学者側が主となつて、関係方面と政府がそこにひつぱり込まれて研究をしたいというわけであります。それで民主党の方からも屋上屋を重ねるということになりませんかというお話がありましたが、考え方は学術刷新委員会において、学者の側で科学を十分に検討する。しかしどうも政府側というものは從來冷淡でだめだ、結局政府をひつぱり込んで行政の面で実現しなくちやならぬ。そういう意味において、学者の側の御意見で、日本学術会議の方は純学者でその團体を構成する。但しこれで政府に持つて行くだけではだめだから、それは政府の科学技術に関する行政部門を責任者とする委員会をこしらえて、それの中に日本学術会議の七つの部門の代表者が一名ないし二名入つて、そこでつまり政府の科学技術行政をがつちりつかまえてしりをたたく。こういう意味において、つまり政府側を責任者とする科学技術行政の委員会をつくらなければならぬという意味でできたのであります。それでただいま委員の中に役人が多過ぎはしないかというお話がありましたが、それはむしろ学術刷新委員会の方で、ぜひ役人側をつかまえなければいかぬという意味でできましたので、その意味だけを御了承おきを願いたいと思います。
 なお私の方においても十分検討いたしますし、それから黒田さんからお話のありました点は重々考えておりますので、できるだけ今後において配慮いたしたいと思います。
#144
○小川原委員長 これより採決いたします。科学技術行政協議会法案について採決をいたします。原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#145
○小川原委員長 起立総員。よつて本案は原案通り可決いたしました。
 なおお諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成並びに提出等の手続は、委員長に御一任願いたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○小川原委員長 それではさようとりはからいます。
#147
○小川原委員長 なお次に陳情書の取扱いにつきましてお諮りいたします。本委員会に送付されました陳情書は十四件でありまして、その内容を見てみますと、いずれも重要な問題を含んでおるものが多いのでありまして、本日は陳情書の審査は延期いたしまして、明日から始まります第四回國会におきまして、あるいは本案の審査に関連して、あるいは國政調査によりまして、十分に檢討を加えて行くことにいたしたいと考えるのでありますが、これに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○小川原委員長 御異議がないようでありますので、さようにとりはからいます。
#149
○田中(健)委員 この際本委員会委員といたしまして、第三回國会における当委員会の実績に顧みまして、一言委員長に対して申し上げたいと思うのであります。内閣委員会は御承知の通り、國の行政機関、つまり國家の行政機構全般の問題についてやつて行く重要な委員会であります。從いましてこの委員会は――他のどの委員会も非常に大事ではあるけれども、特にこの委員会は國の行政機関に関する委員会であるので、非常に重要な委員会であります。しかるに見渡すところ出席者から申しますると、実にりつぱな委員ばかりである。前総理大臣、前大臣と、堂々たる諸君が集まつておるけれども、出席率、審議状況から見まする場合においては、これまた他のどの委員会よりも一番成績が悪い。こういうような状態では、この委員会としてはとうてい審議の完全な責めを果していると私は言われないと思う。その責任は、もちろん委員長のみを責めるわけには行かないけれども、これらの点については、委員長は來るべき第四回國会を迎えるにあたつて、相当に注意しなければならぬ。政府委員との連絡などについても、來るベき第四回國会には十分御注意願いたい。
 それからもう一つの問題は、委員のうちにおいても、この一番大切なるところの國家行政機関設置にあたりまして、國家行政組織法というこの基準法について理解のない方があるために、審議するにあたつて非常に円滑に行かなかつた場合もある。これらの点についても委員長の方においては調査員を督励し、あるいは政府の方に要求して、そろえるべき参考資料のようなものは、何も委員の方から要求がなくとも、これは当然そろえなければならぬ。こういう努力も私は必要ではなかろうかと思うので、これも委員長の方において、しかるべくとりはからつていただきたい、こう思うのであります。なお申おし上げたいことはいろいろたくさんございますが、第四回國会を迎えるにあたりまして、これだけのことを一言御希望申し上げておきます。(拍手)
#150
○小川原委員長 ただいまの田中委員よりのお話は、まことに時宜に適したお言葉でございまして、委員会運営の上におきまして、委員長といたしましてさようとりはからわなければならぬと考えるものであります。御親切なるお話はまことありがたく感銘いたした次第でございます。あれがどうございました。
 この際一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。不肖本会期の半ばにおきまして委員長を命ぜられまして、まことに行き届かない点がたくさんございました。しかるに皆様は國家のためにこの委員会を十分に運営して、そうして議会政治の実をあげようという御精神から、いろいろと御助言くださいましたり、あるいはいろいろとお助けをくださいまして、ようやく会期一ぱいと申してもよろしゆうございますが、かくまで御熱心に御協力を賜わりまして、政府より提出の法案、議員より提出の法案、全案が通過するという成績を見ることの得ましたことは、ひとえに皆様のおかげであることを委員長は衷心より感謝いたします。まことにありがとうございました。これをもちまして簡單ではございますが、ごあいさつといたします。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
    午後八時五十八分散会
    ―――――――――――――
    〔委員会報告書は本号に掲載すべきところの
  都合により別冊に一括集録〕

ソース: 国立国会図書館
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