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1948/11/11 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 地方行政委員会 第2号
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1948/11/11 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第003回国会 地方行政委員会 第2号
昭和二十三年十一月十一日(木曜日)
    午後二時二分開議
 出席委員
   委員長 山口 好一君
   理事 小暮藤三郎君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 坂口 主税君 理事 小枝 一雄君
      大内 一郎君    千賀 康治君
      中島 守利君    武藤 嘉一君
      坂田 道太君    門司  亮君
      高岡 忠弘君    川橋豊治郎君
      大石ヨシエ君
 出席政府委員
        総理廳事務官  鈴木 俊一君
 委員外の出席者
        國家消防廳管理
        局長      吉岡 惠一君
        全國選挙管理委
        員会事務局長  郡  祐一君
        法制局第一部長 三浦 義男君
        專  門  員 有松  昇君
    ―――――――――――――
十一月九日
 委員永江一夫君が退職した。
同月十一日
 小坂一雄君が理事に追加選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の追加選任
 小委員会設置に関する件
 消防法改正に関する件
 衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法
 律等の一部改正に関する件
 最近の地方自治に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○山口委員長 これより会議を開きます。
 本日の日程は理事の追加選任の件、小委員会設置に関する件及び最近の地方自治に関する説明の聽取などであります。
 議題にはいります前に、先日の委員会後の打合せによりまして、本委員会の定例日を火曜日と木曜日に決定いたしましたから、この際念のために御報告を申し上げます。
    ―――――――――――――
#3
○山口委員長 それではまず理事の追加選任の件を議題に供します。去る十一月九日の運営委員会の決定に基きまして、理事を小会派より一名追加選任いたしたいと思いますが、いかがとりはからいましようか。
#4
○矢尾委員 理事の追加選任は選挙の煩を省略いたし、國協党の小枝一雄君を推薦いたしたいと思います。
#5
○山口委員長 ただいまの矢尾君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○山口委員長 御異議なければ、小枝一雄君が理事に追加選任せられました。
    ―――――――――――――
#7
○山口委員長 次に小委員会設置に関する件を議題に供します。去る十一月九日の第一回の本委員会におきまして協議決定いたし、議長のもとに提出いたしました國政調査承認要求が、昨日議長の承認を得ましたので警察制度、消防制度、地方財政及び地方出先官聽の整理に関し、國政調査を行い得るととになりました。つきましては國政調査の方法として小委員会を設け、種々調査研究いたしますことも一方法と存じますが、この点各位におかれましてはいかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○山口委員長 それでは小委員会は設置することにいたしたいと思いますが、いかなる小委員会をつくることにいたしましようか。
#9
○坂口委員 小委員会は警察に関する小委員会、消防に関する小委員会、地方財政に関する小委員会及び地方自治に関する小委員会と、この四つを設置されんことを希望します。
#10
○山口委員長 ただいまの坂口君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○山口委員長 御異議なければ警察に関する小委員会、消防に関する小委員会、地方財政に関する小委員会、地方自治に関する小委員会の四つの小委員会を設置いたすことにいたします。
 次に各小委員会の委員の数及び小委員会の選任については、いかがとりはからいましようか。
#12
○小暮委員 各小委員会の委員はその数を六名とし、次会までに各委員より希望を述べまして、次会に委員長において各委員の希望を斟酌して、御指なあらんことを望みます。
#13
○山口委員長 ただいまの木暮君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○山口委員長 御異議なければ警察に関する小委員会六名、消防に関する小委員会六名、地方財政に関する小委会六名、地方自治に関する小委員会六名、次の会までに皆さんの御希望を承りまして、委員長において指名いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#15
○山口委員長 次に最近の地方自治に関する実情につきまして、総理廳の事務官鈴木俊一君が出席せられておりますので、その説明を求めます。総理廳事務官鈴木俊一君。――ちよつと速記記を中止願います。
    〔速記中止〕
#16
○山口委員長 それでは速記を始めてください。
    ―――――――――――――
#17
○山口委員長 次に國家消防廳管理局長吉岡惠一君より最近の消防事情につき、説明を聽取いたしたいと思います。国家消防廳管理局長吉岡惠一君。
#18
○吉岡説明員 消防法のことにつきまして、少し御説明を申し上げます。消防法は前國会におきまして、皆さん御承知のような経過で成立をしたのでありますが、その後私どもの方とその筋と話合いを進めておる間に、関係筋の方で消防法を改正してはどうかという意見がございましたので、その大体の意向並びに内容について御説明申し上げたいと思います。関係筋では改正しろという指示をしておるわけではないのであります。ただ向うの係官としてこういう意向を自分らはもつておるが、お前の方の國家消防廳の方ではどういうふうに考えておるかという意見を聞かれた程度であります。その内容がお配りしてある消防法改正要綱でございますが、これは大体ごらんになればわかります通り、この前の法律の審議のとき、参議院において修正をしようという案の通りであります。大体そのままのようなかつこうになつております。ただ違いますのは、第七條とそれから第三十一條、第五條あたりのところが多少違つております。初めから御説明申し上げまけと、第三條、第五條あたりにたくさんあります消防署長を削るというのは、これは消防署というものにこういう権限を與えたくない。さらに進んでは、消防署という形のものをかえようという意向があり、従つて消防署長にこういう消防法上のいろいろの権限を與えることをやめようという意見でありまして、これは第三條以下たくさんあります。
 それから次は第十九條の関係であります。これは消火器その他の檢定を國家消防廳でやれ。また檢定をやつた際使用料手数料がとれるという規定であります。これはわれわれの希望もありまして、入れていただいておつた規定でありますが、これを入れようというのであります。
 次は消防自動車の速度の制限でありますが、現在成立をしております消防法では六十キロメートルという制限があります。しかしこれは一般交通関係の法令の方では、もつと六十キロメートル以上の制限もできるわけでありまして、何も六十キロと法律で制限をしてしまう必要はないので、その六十キロの制限を削るというのであります。
 次は第二十九條の規定でありますが、これは主として破壞消防に関する規定であります。破壞消防に関する規定が、われわれといたしましては、破壞消防について補償をしなければならぬということだと、破壞消防の実施をする人は勇氣がくじけてなかなかできにくいというので、破壞消防に関しては、原則として補償をしないという考えをもつております。それを端的に現わした内容の修正案になつております。それが多少法律案では違つておりますので、それを延焼の防止のため破壞消防をやつた場合には補償はいらない。それ以外の火災の際の破壞的な行為に対しては、補償をするというような規定に直そうという案であります。
    〔委員長退席、小暮委員長代理着席〕
 それからその次に御説明がいるのは、第三十一條及び第三十五條の関係の規定であります。これは規定そのものが非常にわかりにくい規定であります。われわれと関係筋との交渉によつて、結局両方の考えをよく突き詰めてみますと、この前の改正のとき、どうも第三十一條によつて、被疑者に対して強制的に召喚をして尋問したり、あるいは証拠物件を強制的に差押えることができるという、つまり強制的な権能まで消防法によつて與えられたものだと思つていたようであります。しかし、こちらではそれほどの権限はないつもりで規定の形をつくつてしまつたものでありますから、向うでは強制的な権能まで消防法で持ち得るような規定をつくれという意味で、一應こういう文句を書いてありますが、向うの意思はそこにあるのであります。從つてこの内容は、折衝すればさらに変り得るものでありますが向うの意思は、失火犯、放火犯についても、警察が調べ得るような強制的な権能を消防吏員にも與えたいという意向であります。あとは大体條文の整理程度でありまして、第四十六條に多少実質的の規定がありますが、これは法人について体刑が科せられないのは当然でありますので、罰金刑だけを科せられるという規定にしようというような規定でありまして、特に御説明申し上げる必要はないことかと思います。この取扱いに関しましては、委員長の方からお話もあることと存じますが、私どもといたしましては、この前の法律の成立があのような経過をたどつておりますので、どこが提案をしまして消防法の改正をするかということは、よく衆議院、参議院の方と私たちと御相談を申し上げて、法律改正案の取扱いをいたしたいと思います。簡單でありますが、消防法の改正に関しまして御説明を申し上げた次第であります。
#19
○千賀委員 第三條から第十五條に至るまでの間、消防署を全部抹殺するので、先ほどの説明で消防署長の機能をことごとく剥奪しようというところにねらいがあるということを伺いましたが、消防署長の機能を生かしておくことは、われわれは決してこの消防の操作以外の目的で消防署長の権限を残そうと考えたことは絶対にないので、たとえば軍隊にかわる勢力だとか、そういうような氣持は全然ないので、消防署長というものを中心にしておかないと、火災の指揮にも困るし、あるいはたくさんな消防團体の統制にも困るし、現場でも第一困るのだし、この衆議院の火事などを見ましても、ポンプはたくさん來ても、無統制のまま、だれも指揮する者がないから、ここに持つて來たポンプやホースまで役に立たずに、下手をすれば燒けてしまう。ただ烏合の衆が右往左往しながら、重要な機具を捨てて逃げ惑うということになつてわれわれが國民の管血をしぼつた金でいくら機具をつくつても、制度を大きくいたしましても、結局は役に立たないものになるということで、これをやはり有機体として、一人のからだを駆使するように使つていくのには、消防署長というものがいるのだ。この思想からわれわれは消防署長を大いに認めて、これに活躍をさせようと考えたわけでありますが、ただいまの説明では、何だか言外の意味を予想して、消防署長の勢力を剥奪していくというような意思もあるようでありまするが、それはてんでわれわれは考えもしないことであるから、その点はもちろんどうでもいいのです。われわれはそんなところに執着をしないのですが、しからば何が消防署長にかわつて將來この消防の――今私が申しましたようないろいろな機能を発揮さして行こうとするのか。かわるものがあればもちろんけつこうでありますが、どういうものがこの消防を指揮したり指導したりするようになつていくのか。あなたはそういう命令か指示か示唆かしりませんが、それを受けながら、どうやつてこの機能に間然するところあらしめぬようにしようとお考えになつているか。その点の御信念を承りたいと思います。
#20
○吉岡説明員 消防署長の権限を奪う問題でありますが、從來署の管轄区域というものが行政区画と大体一致をしておりました。それをやめまして、ほんとうに消防本來の立場から、行政区画にとらわれない区域をつくり、そこに責任者というものはやはりおくわけであります。從つて消防署長という形ではありませんが、消火活動に関しまして單位々々の責任者というものはできるわけであります。大隊であるとか、あるいは中隊という名前になるかと思いますが、その辺は消火活動にはさしつかえない。ただ消防の活動といたしまして、從來のような多少行政官廳的な消防署というものはやめて行こう、こういう考えであります。
#21
○千賀委員 そうしますと、なるほどこれは從来までの日本の一つの習わしで、行政区画によつてあらゆる機能を区画していくことが一番都合がよかつたから、消防署長というものをそうしたのでありますが、これから一切離れて機能をやらせるというと、あたかも昔の軍隊はそういうことであつたのですが、やはりこれは消防隊というような思想から編成をされて、そういうところで機能を発揮させて行こう。こういう思想でやられていくのですか。そう承知していいのでしようか。
#22
○小暮委員長代理 速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#23
○小暮委員長代理 速記を始めてください。
#24
○門司委員 私は二十九條の修正の御意見についてでありますが、二十九條の中の消防署長を削り、消防吏員、さらに消防團員を創つてこれを消防長にする、こういうことになると思いますが、これは実際と非常にかけ離れた問題が起つてくると私は思います。火災の責任はすべて消防長が負うことは消防法の示す通りであります。しかし現場の取扱いの上からいきますと、都市にあつては、大体消防署もありますし、比較的容易に連絡もとれるのでありますが、地方には消防署もなければ電話も非常に不便な個所がありまして、必ずしも現場にこの消防長が立ち会つていないと思います。從つて火災の場合に、現場に消防長が立ち会つていない場合の指揮はだれがするか。地方の要望を言いますと、これはまつたく逆であつて、こういう場合には、地方の消防團長にもこういう権限を與えてもらいたい。そうしなければ実際活動の上に非常に困難であるという意見が強いのであります。こういうふうに直して参りますと、実際的意見は全然葬り去られてしまつて、形式的のことだけの問題であつて、消防活動に大きな障害ができると私は考えます。この点はどういうふうに考えておられますか。
#25
○吉岡説明員 今のお話の点は、やはり相当考えなければならぬと思いますが、消防園長にそういう権限を與えるということについては、いろいろ考慮しなければならぬ問題が相当にあるのじやないかと思います。
#26
○門司委員 私もそういうふうに大体ものは考えておりますが、しかしここは相当考慮すべき場所でありまして、ただ法律の字句が非常に都合がいいというだけでは法が生かされないと考えますので、この点はわれわれも研究してみますが、当局でも御研究願いたいと思います。これは私個人の意見ではありませんで、地方の自治体がことごとくそうであります。殊に熊本縣のごときは、縣の中に消防署というものが、熊本市にわずかに二つあるだけでありまして、あとは消防署すら持つていない。全部が消防團の活動にまつております。これは熊本縣だけではありません。各地に全部こういうことが行われておりますので、都会にいるわれわれだけが都会を対象として議論をしておつたのでは、実際活動の面に非常に齟齬を來すと思います。この点御研究願いたいと思います。
    〔小暮委員長代理退席、委員長着席〕
#27
○大石(ヨ)委員 政府委員の方にちよつとお伺いしたいと思うのでございますが、私は前國会のときに、消防吏員にぜひとも婦人を採用してほしいということを発言したことがございます。なぜこういうことを発言したかといいますと、日本の國は木や紙や、その他すべて燃えやすいもので家屋が建築されております。それには火を消すことを主眼に置かないで、まず火災を予防することを私は主眼に置きたいと思います。それにはまず日本にいまだかつてない婦人の消防吏員をぜひとも採用して、そうして各地の婦人團体、青年團体を大いに活用し、利用して、婦人の消防吏員が至るところで、いかにしたならば漏電するか、いかにしたら火の不始末が起り、どうして発火するかというようなことを、各所に講演してまわるということは、私は非常に意義のあることと思います。日本の國ではいまだかつて婦人の消防吏員を採用しておりませんが、何とかして婦人の消防吏員を採用してくださることができますか。政府の人々の御意見をお伺いする次第でございます。
#28
○吉岡説明員 お答えいたします。われわれといたしましても、消防が火が起つてから消すだけが能ではないと考えております。火が起らないように、あらかじめ予防の手段を講ずることが第一だと考えておりますので、予防査察と申しますか、火事に関係のあるいろいろな施設を、あらかじめ各家庭を見てまわつていろいろ注意を與えるということは、非常に必要なことだと思つて、今後消防行政をやつて行く上におきましても、その方面に相当重点を置きたいと考えております。從つてその予防の宣傳その他に、あるいは査察にあたるのに婦人を採用することは、きわめて適切な御意見だと拜聽するのであります。われわれも今後あらゆる機会にそういうことを励奬しまして、婦人の消防吏員ができることを勧めたいと考えております、
#29
○大石(ヨ)委員 その際に、基本的に人権が認められて、ここに男女は平等になつておりますから、その採用するときにはぜひとも男女平等の観点から、それを主眼にして御採用くださることを、切に私は希望する次第でございます。
#30
○吉岡説明員 大石委員の御意見はよく拝聽いたしまして、処置いたしたいと思います。
#31
○山口委員長 ほかにございませんか。
    ―――――――――――――
#32
○山口委員長 それでは、衆議院議員選挙法第十一條の特例等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、説明を聽取いたしたいと思います。
#33
○三浦参事 私からこの案の概要を御説明申し上げたいと思いますが、実はただいまお手元にお配りいたしましたのは、私の方で関係方面ととりまとめまして、一應の案としてつくつたのでございまして、その内容につきましては、かりに近く総選挙でも行われることがありといたしますれば、それに関連いたしまして、早急にその前に改正をしておくことが必要だと考えられる事項のみについてここに取上げたのでありまして、これは政府提案でなくして、この委員会における議員立法の形においてお取上げ願つたらどうかと考えるわけであります。なおこまかいことにつきましては、これの執行にあたつております全國選挙管理委員会の方においていろいろお尋ねを願いたいと思いますが、大体の概要につきまして私から申し上げることにいたします。
 第一條に書いてある事項は、参照條文と照し合せてごらんくださればよろしいと思いますが第一條の第一項に「昭和二十二年九月十五日の現在で」とあるのを削ることにいたしたのでありまして、それは衆議院選挙法第十二條の特例等に関する法律の第一條に規定してございますように、從来の選挙人名簿のほかに、衆議院議員の選挙におきましては臨時名簿を作成する。その作成につきましては海外引揚者等がありますので、これらの人につきましては、住居の六箇月の制限を厳格に守るわけにもいかない事情もありますし、また実際選挙が行われる場合におきまして、年齢等につきましても、選挙の期日を中心にして考えます場合と、そうではない場合とにおいて、非常に選挙権者の数にも影響をいたすのでありますが、この特例法におきましては、年齢とか住所の期間等につきましても、選挙の期日から算定することにして、そこらに非常に含みを持たして、できるだけ廣い範囲において選挙権を與えるということに特例法ができておるわけであります。ところが從來の選挙人名簿は九月十五日現在で作成いたしまして、あくる年の十二月十九日まで一年間効力を有することになるわけであります。これに伴うこういう臨時人名簿の関係につきましては、この特例法におきまして昨年の九月十五日現在でつくつたものを、暫定的な効力をこれについて認めておるのでありますが、これがただいま申し上げましたような十二月の十九日を越しますと、いわゆる臨時名簿として、その後は使えないというような関係になりますので、これの期間を廣げることが必要であろうと考えられるわけであります。そういう意味におきまして「昭和二十二年九月十五日の現在」というのを削りまして、さしあたり臨時人名簿は、衆議院議員選挙法に規定しております本来の人名簿と併行して、それを用いていくことにしたいというのが第一條の案でございます。しかしながら第一條におきましては臨時名簿の性質でありますので、あるいはただ「昭和二十二年九月十五日の現在で」ということを削るだけにしないで、ある期間利用するというような意味で、当分の間とか何とかいう文句を入れて、その特例という性質を明らかにした方がいいのではないかという意見もあることと思いますが、一應第一條につきましては、先ほど申し上げましたような意味で削ることにいたしたのでございます。
 それから次に第二條に書いてございます選挙運動の文書図画等の特例に関する法律の問題は、御承知の通り國会議員の選挙、地方議会議員の選挙、長の選挙等に関します文書図画の取締等に関する特例法が出ておるわけでございまして、これは一年々々の有効法律として從来まいつたのでございまして、実は昨年一ぱいでありましたのを、御承知の通り全國選挙管理委員会ができましたときに、その全國選挙管理委員会法の附則におきまして、これを今年中延ばすことにいたしたわけであります。ところが今年を過ぎますと、その文書図画の特例等に関しまして、たとえばはがきを何枚以上使つてはいかぬとか、あるいはその他いろいろな制限等の規定が効力を失うことになりますので、これをやはり現在のような紙等の不足している状況下、あるいは現在のような経済事情下においては、なお延ばしておく必要がありはしないかというようなことが考えられまして、これをさらに延ばしたらどうかというのが第二條の案であります。ただ第二條の問題につきましては、先般第二國会において成立いたしましたところの選挙運動等の臨時特例に関する法律におきまして、いわゆる選挙公営等を規定いたしました法律の附則の第三十八條において「選挙運動の文書図画等の特例に関する法律(昭和二十二年法律第十六号)は、この法律の施行後は、衆議院議員の選挙については、これを適用しない。」ということにいたしまして、文書図画の法律は衆議院議員の選挙については適出しないということにいたしたのであります。從いまして衆議院議員の選挙については直接すぐ影響はいたしませんが、これと同様の関係にある参議院議員の補欠選挙とか、あるいは地方議会議員の選挙、長の選挙等はやはりこの効力が今年一ぱいで終ると、放任される形になりますので、それらの諸点に対しまして、選挙運動等の臨時特例に関する法律をつくつた場合は別問題といたしまして、そうでない限りは、やはり延ばしておくことが必要でないかと考えられるわけであります。その意味におきまして、第一條の参照條文に書いてございますように「昭和二十二年及び昭和二十三年中に施行される、」と書いてございますのを削ることにいたしまして、とにかくしばらくの間この法律を有効にするということが一つと、第二には、その附則の中に書いてございますように、衆議院議員選挙運動等取締規則、参議院議員選挙運動取締規則及び地方議会議員等選挙運動取締規則とありますのを、この規則の名前が変りました点もありますので、それを改めますことと、それから附則の中に、ただいま申し上げましたような選挙運動等の取締規則は、この文書図画の法律に適合しない部分は本年一ぱいでその効力を停止するとなつておりますのを、本法をずつと今年以上延ばすことになりますれば、その今年一ぱいと書いてございます制限も削除した方がいいのではないかという考えから、そういうふうに改めたいというのが第二條の趣旨でございます。第一條はもちろん衆議院議員の選挙に直接関係があります。第二條はこれと非常に関連をもつ事項であります。
 第三條の地方自治法の改正の問題につきましては、参照條文に害いてありますように、百八十三條の第一項において「選挙管理委員の任期は、二年とする。」この二年を三年に改めたいという関係でございます。それで現在全國選挙管理委員の任期は三年になつているのであります。地方のいわゆる都道府縣の選挙管理委員の任期は二年になつておりまして、また地方監査委員の任期は二年でありまして、それとあわせてやるわけであります。しかしながらこの二年の問題につきましては、ちようどこの自治法が施行になつて選挙管理委員会がおかれまして、十月から十一月、十二月ごろにがけて二年の期限が切れる人がだいぶあります。すでに切れた人もあるのでありまして、かりに衆議院議員の選挙等が行われるということになれば、二年間いろいろ選挙管理委員として慣れた人が入れ代つて、その人が再選されれば別問題といたしまして、また新しい人が出て來ると、選挙事務にも支障がありはしないかというような考え方もありまして、二年を三年に改めたいということになつているわけであります。しがしながらこの問題につきましては、地方の監査委員の任期が二年であるということと、それから選挙管理委員の任期が実質的に二年ですでに切れているものがあるのを、附則においてこれをさらに暫定的にさかのぼつて三年に延ばすということを地方自治法の改正によらないで、この中で一緒にまとめましてそういう改正を行うという点につきまして、多少の問題はありはしないかと考えておるわけであります。それらの点につきましてはこの委員会において御決定を願いたい事項と考えております。第三の問題はさような問題でありまして附則の第二項に書いてございますのは、ただいま申し上げましたような選挙管理委員の任期がすでに切れたものを、この法律の施行をさかのぼつてこの三年間選挙されたものとみなすということと、現在まだやめてはいないが、やめる手続が開始されたものにつきましてはこの限りではないという例外をおいたのが附則の第二項であります。
 大体以上の三点が、議員立法としてこの委員会においてお取上げ願いましたらいかがかと考えます事項で、非常に事柄の性質上早急を要する事柄ではないか、かように考えておるわけであります。
#34
○山口委員長 なお全國選挙管理委員会事務局長の郡祐一君の説明を求めます。
#35
○郡説明員 ただいま第一部長から説明のありました通りでありまして、若干の補足を申し上げますと、第一條の衆議院選挙法第十二條の特例法と申しますのは海外引揚者、それから臨時名簿を調製いたします際に、その名簿を用いまする選挙の際に六箇月の住居要件を満しまするもの、選挙に際して年齢が法定の年齢を満たしまするものとか、また選挙権が拡張されまして以來、名簿の脱漏がしばしば論ぜられるのでありますが、可及的さような脱漏者を救済いたしたいということで、臨時名簿を調製いたすことに相なつております。この臨時名簿の調製と申しますものは、定時名簿式を採用いたして行きます際には、当然それから起つてまいりまする欠陥を補正いたしますために必要な名簿と存ずるのであります。この立法の当初から、名簿全体につきましてカード式の永久名簿を採用いたしますとか、名簿については、どうしても根本的な解決をいださなければ相ならぬということで進んでまいりましたので、臨時立法の形でお願いして参つて來ておるのでありますが、その根本的な名簿の改正をいたします必要は、ただいま現に進んでおりまする名簿の調製等を見ましても、いよいよその必要を感じまするので、それを取急ぎたいと存じまするが、それまでの間は、ただいまのような特例法を存層しておく必要があると存ずるのであります。それで先ほど第一部長から申されましたように、昨年の九月十五日現在の名簿が、本年十二月十九日をもつて失効いたしますので、その後にもこれを継続していただこうというのであります。
 第二條の文書図画の特例法は、この法律もさきに議員立法として御制定になりまして、当初は二十二年中に施行されまする選挙について適用し、これを改正いたしまして、二十三年中に施行いたしますことに改めたのでありますが、衆議院議員選挙については臨時特例法ができたのでありますが、がりに総選挙の行われます前に、衆議院議員の補欠選挙等が行われるといたしますならば、またそれ以外の参議院、地方議会その他の選挙につきましては、当然文書図画の特例法が適用いたされなければならぬものと存じますので、これもこの際一應形を恒久的に直していただきたいものと存ずるのであります。文書図画特例法自身につきましては、このたびの衆議院議員選挙の臨時特例法等と比較いたしまして、この文書図画の特例法にも当然改正を加えらるべきものと存ずるのでありまするが、それらの点はしばらく後に讓りまして一應この法律の有効期間を延長しておいていただきたいと存ずるのであります。
 第三條の地方自治法の一部を改正いたしまして、選挙管理委員の任期の二年を三年に改めまするのは、選挙がおおむね任期四年の議員について行われまする場合に、衆議院のような解散の予想されまする議会の議員選挙を除きましては、四年の定期的に起つて参りまするのを二年の刻みでいたして参りますると、ほとんど選挙を経験いたさぬような選挙管理委員も起つてまいるのであります。また全國選挙管理委員の任期が現在三年となつており、あるいは公安委員会の委員の任期にいたしましても三年となつておるというふうに、むしろ二年というのは、先ほど一部長が触れました監査委員の場合の二年と統計委員会委員の二年と、地方の委員の任期を通じまして、むしろ比較的少い方のように思うのであります。ことにただいま申しましたように、選挙管理委員といたしまして選挙の執行の責任者となりまするものにつきましては、この二年を任期とするのはむしろ不適当と申してよろしいのではないかと存ずるのであります。それで現実に府縣市町村ですでに任期が來ておりまするもののうち、約三分の一は任期が來ましたらば改選をいたしておるというふうでありまするが、三分の二くらいはいずれも改選をいたしませずに、地方自治法に基いて、後任者の選挙が行われまするまでの間、なおその職務を行つておる状態であります。それで実際の問題といたしましては、地方の選挙管理委員会がようやく事務に習熟してまいりまして、ことに近ごろではかなり選挙事務について知識を持つて参り、また持つて参るように努力もいたして、現実のいろいろの準備をいたしております。これがこの際切かわりになりますることは、事務執行の上に非常に不安があるように存ずるのであります。地方におきまして改選を行わずに、從來の任期が切れましても、從來の委員にその職務を行わせておりまするのも、やはり当該の地方議会等の判断がそこにあるように存ずるのであります。それで附則の二項のごとくとの法律の改正が行われました場合には、選任の日にさかのぼりまして三年の任期延長の適用を願いますることが、現実の問題としてもまことに適当と存ずるのであります。
 以上のような法律の改正を國会でお取上げになりまして、議員提出の立法として成立いたしますることはまことに仕合せなことと私ども事務当局といたしましても考えておる次第であります。
#36
○山口委員長 本法案にうきましては議員提出といたしまして、自然本委員会においてこれを提案することに相なることと存じまするので、この際質疑がございましたらば、事務当局に対してただしていただきたいと思います。なおこれに関しましては小委員会なども設ける必要があるのではないかと思いまするので、理事会を開きまして追つて相談をいたしたいと存じております。なお委員諸君におかれても十分御檢討の上に御協力を賜わりたく、お願いをする次第であります。
#37
○坂口委員 第二條の方の関係のものは、必ずしもこの際おやりにならなくもいい、あまりそのことは潔癖に考えられる必要はないと思う。いろいろ選挙はあるかもしれぬが、衆議院議員の選挙については、この間できたあれでこの次の総選挙からやるということにしてあるので、ほかのものは從來通りでおやりになつたつて大したことはないと私は考えるのであるが、御見解はどうであるか。
 それから第三條で、管理委員の任期を二年とされた理由、実はこれができましたときに私はいなかつたのでわかりませんのですが、二年と区切られたのはどういうわけであるか、あとで御説明はあると思いますが、一應お伺いしておきたいと思います。
#38
○三浦参事 第二條の点に関しまして御義明申し上げます。第二條につきましてはお話の点、ごもつともだと思うのでありますが、実はもしこれを第二條のように改正をいたしませんと、來年の一月からは参議院議員、地方議会の都道府照会あるいは市町村会、市町村長、都道府縣知事等の選挙におきまして、文書、図画の一切の制限がなくなることになり、衆議院議員の選挙につきましては、先ほど申し上げましたように特例がございますので、それで文書、図画もほとんど頒布ができない、すべて公営でやるという建前になつており、それ以外のものにつきましては來年から自由にやれるというような、逆の結果になるわけであります。そういたしますと衆議院の選挙とそれ以外の選挙との間に非常に均衡を失するし、また現在のような経済事情下におきまして、紙等も非常に不足をいたしておりまする折柄、やはりある程度の制限というものは必要ではなかろうか、かような趣旨から第二條というのができておりますので、衆議院議員選挙については、直接はこれには関係はありませんけれども、それと相関連した意味において行われるほかの選挙においてとれが必要だというような関連の問題だと考えております。
#39
○郡説明員 任期の二年の点でありますが、これは当時、從來多くの委員というものの任期が四年等になつているのはむしろ長過ぎるじやないだろうか。あるいは議論といたしましては、地方議会の議員等についても、四年の任期は長きに失するという議論もあつたことでありまして、何と申しますが、民主主義の訓練という上では、短かい任期を設けた種類の公職が適当ではないだろうかという一つの考え方がございました。しかしこの選挙管理委員の任期につきましては、むしろ選挙管理事務という、從來官公吏等が行つて來ておりますのを委員組織でやりますことは、かなり煩わしいことであり、引受けられる人間もかなりに御迷惑であろうというような、実際問題の方が選挙管理委員については強かつたのであります。しかしながら結果から見ますとむしろそれが逆でありまして、煩わしいと申します上りは、非常に熱心にやつていただいており、選挙事務の性質上、短かい期間では十分習熟した状況に達しないというのが施行後の実情でありますので、当初懸念いたしましたような條件は解消いたしまして、むしろそれと反対の実情になつているというのが現在であります。またさような意味合いで御改正を願いますことがけつこうだと思つております。
#40
○山口委員長 ほかに御質問はございませんか――それでは最後に、お手元に差上げました選挙法の第二國会において改正されましたもの、あるいは制定されました種々の法規につきまして、十三日の土曜日午後一時からこの部屋において、事務当局よりその解釈、運用などに関する説明を聽取いたしたいと思いますので、多数御出席を願いたいと思います。本日はこれにて散会いたします。なお次の委員会の期日及び日程は議院公報をもつて御通知申し上げます。
    午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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