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1948/11/24 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 大蔵委員会 第7号
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1948/11/24 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 大蔵委員会 第7号

#1
第003回国会 大蔵委員会 第7号
昭和二十三年十一月二十四日(水曜日)
    午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 島村 一郎君
   理事 大上  司君 理事 島田 晋作君
   理事 堀江 實藏君
      苫米地英俊君    松田 正一君
      宮幡  靖君    佐藤觀次郎君
      重井 鹿治君    中崎  敏君
    早稻田柳右エ門君    内藤 友明君
      本藤 恒松君
 出席政府委員
        專賣局長官   原田 富一君
 委員外の出席者
        大藏事務官   金 泰美君
        大藏事務官   伊原  隆君
        大藏事務官   藤本  哲君
        專  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 金資金特別会計法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二八号)
    ―――――――――――――
#2
○島村委員長 これより会議を開きます。
 先般議題となりました金資金特別会計法の一部を改正する法律案に対する質疑を継続いたしたいと存じますが、ただいま理財局長は参議院の方の説明に当つておりますので、ほどなく伺いますということでありますから、暫時休憩いたします。
    午前十一時九分休憩
     ――――◇―――――
    午後十一時二十三分開議
#3
○大上委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。
 ただいま理財局長が見えられましたので、金資金特別会計法の一部を改正する法律案に対する質疑を行います。質疑の通告者がございますので、まず初めに早稻田柳右エ門君。
#4
○早稻田委員 本件に関しては先般の大藏大臣の説明で大体を了といたしましたが、簡單な事案について、一、二点お尋ねしておきたいと思うのであります。それは大藏大臣の説明のうちにありましたように、從前本会計は不足の生じた場合、一般会計から繰入れて補填をするということに相なつておりましたが、今回は借入金によつてこれをまかなうことになつております。その事情は了といたしますが、しかし來年度以降においてはこれをどうする予定になつておるか、この点をお尋ねしたいのであります。
 いま一点は、現在金資金特別会計の経理状況、並びに金の保有量、金の生産状況、買上状況等について、いま少しく詳しく御説明を願いたいと思います。
#5
○伊原説明員 第一点につきまして御説明を申し上げたいと思います。ただいまお示しのように、從來これは再三御審議を願いました際は、繰入れの制度をとつておつたのでありますが、今回初めて借入金の制度になりました。しかも法律では当分の間借入れの制度でやるということに相なつております。これは正直に申しまして、金の値段が非常に上りましたり、取扱数量がふえましたための資本金に相当する部分でございましたので、できますれば繰入れの方が望ましいという点は確かなのでございますが、何分にも片方に買い入れました金というものもございますし、借入金によつても不健全ではないと存じまして、非常に差迫つておりますために、借入金ということにお願いをいたさざるを得ない状況になつたのであります。來年度につきましては財政の状況等を考えまして、本則にもどすということも考えられると思うのでございます。
 第二点につきましては、金資金特別会計が保有いたしております金の量は、十月末現在におきまして二・八五七トンであります。また金資金が最近まで買い入れました金の量は、二十年度から申しますと、二十年度が非常に少くと〇・〇七九トン、二十一年度は一・六四三トン、二十二年度は二・三八トン、二十三年度は四月から十月までで一・八七四トン買上げております。この資金計画におきまして、十一月から來年三月までになお一・三五トン、それを買上げる資金といたしまして、ただいまの法案で御審議を願つているわけであります。なお金資金はただいまのところ非常に金がございませんで、御存じのように、金は産出いたしますと、強制的に買上げられる組織になつておるのでございますが、実は正直に申しまして十月と十一月の金がございませんで、金資金としては相当の無理をしまして、日銀のスタンプ手形を利用いたしまして納入しました業者に金を貸してもらつているような状態で、七千万円以上の金を拂えないで弱つているような状態であります。
#6
○大上委員長代理 次に堀江實藏君。
#7
○堀江委員 今早稻田委員の質問で保有高はわかりました。現在二・八五七トンあるというわけでありますが、五億円を借入れてそれを償還するというのは、金を賣却してその償却に充てるというのでありますが、またこの保有高の二・八五七トンというのは、ずつと將來賣却せずに持ち続けて行かれるのか。また保有高が増加する傾向にあるものであるか。第三点は一般会計からの繰入金というものは、償還するということになつておりますが、償還する場合にはその保有がなくならないと償還ができぬものであるか。あるいは別の項目でそれを支出されるのであるか。その三点をお伺いしたい。
#8
○伊原説明員 あるいは御答弁の順がかわるかもしれませんが、金は大体買上げました物の中から、四半期ごとに國内の需要に対して、司令部の承認を得まして、最少限度の拂下げをいたしておりますが、だんだんふえて参ります。たとえばただいま二・八五七トンとなつておりますが、昭和二十年度から二十一年度、二十二年度、二十三年度の十月までに、合計五・九七六トン買上げておりますが、賣つております方は三・一一五トンでありまして、だんだん金はたまつて参る。少しずつ増加して参る傾向にございます。それからこの五億円の金は率直に申し上げまして、会社でいえば資本金に相当するようなものでございますので、返します場合は、一般会計からの繰入れ等がありました場合でないと、こういうふうに金がだんだんにふえてまいるのでありますから、一般会計の繰入等によつて返すことになると存じます。
#9
○早稻田委員 こまかいことですがお尋ねしておきたいのは、金の振下げでございまするが、今どんな方面へどんなふうにして拂下げられつつあるかということがわかつておりましたら、この際承つておきたいと思います。
#10
○伊原説明員 金の拂下げにつきましては、ただいまのところ歯科用と輸出工藝品用と、それから日本に入つて來て司令部の人が買うC・P用という方に使いますものについて、拂下げを四半期ごとに申請をいたしまして、そうして司令部の承認を得て拂下げております。
#11
○藤本説明員 なおちよつと補足いたしますが、ただいま理材局長から御説明がありました通り、金の拂下げ用については、歯科用と輸出用とC・P用でございまして、数量といたしましては歯科用がずつと上でありまして、拂下げますものの九割程度の消費でございます。大部分は歯科用と考えられてけつこうでございます。
#12
○早稻田委員 今の御説明によりますと、歯科用並びに輸出用にほとんど出ておるということなのですが、われわれの聞くところによると、こうした政府拂下げの金以外に、やみと申しますか、正規のルートを傳わらぬものが、相当量市場に流れ出つつあるということをしばしば耳にします。そうした金は一体どこから出て來るか、またこれに対する政府の監督はいかにしておるか、こういう点についてお尋ねいたしたいと思います。
#13
○伊原説明員 金は先ほどもちよつて申し上げましたように、法律によりまして政府に全部輸納しなければならないことになつております。それから関係方面でも非常な嚴重な監督的の考えを持つておられますので、私どもそういうことはないように存じておるのでございます。
#14
○早稻田委員 これは私も的確に、こういう場所にこうして流れているということを申し上げる資料をきよう手元に持ちませんが、輸出業者の面においても、あるいは歯科業者の面におきましても、そうした正規のもの以外に相当量流れているというようなことをよく耳にするわけですが、これは火のないところに煙は立たぬたとえのように、どこかにそういう穴があるように考えられますので、この点については嚴重に調整をせられ、監督をせられるように願いたいと存じます。それからさらにもう一つこの機会に申し上げておきたいことは、輸出面の金の拂下げですが、要求されるだけの金が輸出工業方面に充たされない、拂下げはなかなか困難であるというようなことも業者から耳にしますが、こういう点は私もよく存じませんが、大体申請いたしたものは申請量だけ拂下げられるものか、あるいはどこかで査定して拂下げられているものか、これはお係りが違うからわからないと存じますが、もしわかつておつたら、その点詳細にこの際聽取したいと思います。
#15
○藤本説明員 ただいまの御質問の中に、前段の今後の取締りについて十分注意せよという点につきましては、われわれ一層取締りにつきまして深い関心を拂つて行きたいと考えます。第二点につきまして申請されたものは全部輸出用として許可されるかという点につきましては、あるいは御承知かと存じますが、大体輸出用につきましては、商工省貿易廳を通しまして業者の方から申請されまして、貿易廳においてまず第一番の審査を受けるわけでございます。この審査を受けるにつきましては、現在の民間貿易において大体輸出商談はできる可能性があるということにつきまして、その方面の許可を得まして、その許可を得ましたものに附帶して、金の使用許可申請、拂下げ申請をする。そうすると貿易廳の方で一應審査したものが大藏省にまわりまして、大藏省としましては比較的事務的な書面の不備等につき審査をしまして、それを関係方面にまわされる。從いまして商工省において、第一の審査がなされ、大藏省においては事務的な審査がなされ、関係方面において第三番目に審査をなされまして、許可が出ているわけであります。從いまして今までのところでは大体実際輸出の必要なものでありますと、許可が下りておりますが、その申請が輸出商談の方を伴わないもの、ないしは輸出商談のはつきりしないものにつきましては、一、二許可にならないものもございましようが、大体輸出先との間において、輸出契約ができておりますものについては、あまり問題がないように聞いております。
#16
○堀江委員 これは字句の違いであるか、何か意味があるかもしれませんが、附則に本法施行の期日は勅令をもつてこれを定む、としてありますが、勅令なる意味は何か特別な意味があでしようか、政令の間違いでしようか。
#17
○黒田説明員 今の御尋ねの点は、参照條文としまして参考資料にお配りしたものかと思いますが、この点につきましては、現行の金資金特別会計法の一番終りに附則がございまして、これが昭和十二年の法律第六十一号として公布になりました際に、その附則に本法施行の期日は勅令をもつて定むとございまして、昭和十二年の九月ごろと記憶しておりますが、この期日を勅令できめまして、公布施行いたしたわけでございます。そういう現行の金資金特別会計法の附則のあとの方にこの四項をつけ加えようというのが今度の法律案でありまして、今回の法律案の附則におきましては「この法律は、公布の日から施行する。」といたしておるわけでありまして、参考資料についておりますのは從前の法律の一部であります。その点ではないかと思います。
#18
○中崎委員 金のおもな買上先と数量の今日までのものをざつとおわかりでしたら示していただきたい。それからこれは商工省とも関連しておるでしようがゐ將來の産金についてどういうふうな考え方をしておられるか、現在の産金が採算上合つているかどうか。これは採算的に、金だけではなく他の銀、貴金属等も関連して出るでしようが、そういうようなものについての現況を知りたいと思います。それから買上げ價格と賣渡し價格との開き、今後買上げ價格、賣渡し價格を変更される考えがあるかどうかというようなことについて、お伺いしたいと思います。
#19
○伊原説明員 ただいまの第一点の金の買上先でございますが、これはただいま手元に詳しい資料を持つておりませんが、先ほど申し上げましたように、二十三年度は四月から十月まで一・八七四トン買上げており、十一月から三月まで一・三五トンほど買上げる予定になつております。どの産金業者からいくらずつ買つておるかということにつきましても、調べればすぐわかりますが、ただいま手元に資料を持つておりませんので、後刻御返事申し上げます。
 第二点、第三点の問題でございますが、産金の奨励につきましては、戰前には内地だけでも二十五トンも出ましたのが、昭和十八年の金鉱整備によりまして、昭和二十三年度の計画では三トンくらいしか出ないのであります。大藏省といたしましては、通貨の基礎とか國際基金に入るというような場合にも、金は非常に必要なものでありますので、何とかしてできるだけたくさん出るようにすることが必要ではないかと考えております。ただ御存じのように金の値段でございますが、これは八月十六日に一グラム百五十円から三百二十六円に引上げました際もいろいろ問題がありましたが、この三百二十六円というのを、今為替軍用レートは御存じのように一ドル二百七十円になつておりますので、この軍用の一ドル二百七十円でアメリカの金の値段に日本の金の値段を換算してみますと、一グラム三百三円八十銭ということになります。この三百三円八十銭より高い値段である三百二十六円にこの間きめたわけでありますが、金のような國際商品につきましては、やはり將來為替等がきまります場合には、その為替相場で換算した値段が採算の基礎になるではないかと思われますので、まだ一本為替はきまりませんけれども、三百二十六円というのは、現在の國際的の考え方から言うと、よいところではないか最こえております。これではお示しのように思つたほどの増産もできないのでありますが、しかしながら三百二十六円でも、今の基礎におきまして、ことしは三トン、來年度は三・三トンというふうにだんだんしり上りに増産ができていく見込になつております。
 第四のお尋ね買上げ價格と賣渡し價格の差でありますがただいまは差がございません。買いました値段で賣つておりますので、いずれ金資金の費用等に関連しましても、あるいは賣る値段には差をつけて、金資金の経費等を出すのはどうだろうということも、ちようどお示しのあつた通り研究をいたしたいと思つておりますが、ただいまは買つた値段で賣つておつて、その間には何もさやはございません。
#20
○中崎委員 今賣渡し價格と買上げ價格と差がないということですが、われわれの目から見ますと、たとえば國内における一番大きな需要者は歯の加工業者でありますが、こういうようなものは金の加工について相当高くぼつているというか、とつているような現状でありまして、國家の、せつかく経費等を見ないで買上げ値段のままで渡されるという親心が、十分に徹底していないではないかというふうなことも考えられます。從つてやはり一定の経費を含めた意味のものは、当然これにつけ加えられて、賣渡し價格を決定さるべきものだと思つております。
#21
○伊原説明員 ただいまのお話もございますし、その点非常に重要な問題だと思いますので、その方向でぜひ研究いたしたいと思つております。
#22
○苫米地(英)委員 私のお伺いしたいと思つたことはただいま済みましたが、もう一つお伺いしておきたい。借入先は大蔵省預金部または日本銀行となつておりますが、さしあたりはどちらから借入れられる計画でありますか。
#23
○伊原説明員 さしあたりは日本銀行から借りたいと思つております。
#24
○中崎委員 日本銀行からの借入金の金利はどういうようなことになりますか。レートはどんなものか。無理息ではないですね。
#25
○伊原説明員 食糧基金とかいろいろ借入金がございますが、それ並にいたすことになつております。
#26
○中崎委員 大体大藏省証券と同じような程度のものですか。
#27
○伊原説明員 そんなようなものです。
#28
○大上委員長代理 ほかに御質問の方はありませんか。
#29
○早稻田委員 本案についてはそれぞれ御質疑もありましたが、この程度で質疑を打切り、討論を省略してただちに採決をお願いいたします。
#30
○大上委員長代理 ただいまの早稻田君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○大上委員長代理 御異議ないようですから、それではこれよりただちに採決に入ります。
 採決いたします。本案に賛成の諸君は御起立を願います。
    〔総員起立〕
#32
○大上委員長代理 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 なお本案に関し、議長に提出する報告書の作成につきましては、委員長に一任していただきたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○大上委員長代理 御異議がなければ、さようとりはからいます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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