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1948/11/27 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 大蔵委員会 第10号
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1948/11/27 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 大蔵委員会 第10号

#1
第003回国会 大蔵委員会 第10号
昭和二十三年十一月二十七日(土曜日)
    午後三時五十一分開議
 出席委員
   委員長 島村 一郎君
   理事 梅林 時雄君 理事 堀江 實藏君
      石原  登君    大澤嘉平治君
      苫米地英俊君    川合 彰武君
      佐藤觀次郎君    重井 鹿治君
      松尾 トシ君    荒木萬壽夫君
      山下 春江君  早稻田柳右エ門君
 出席政府委員
        大藏政務次官  塚田十一郎君
        大藏事務官   黒金 泰美君
        大藏事務官   愛知 揆一君
        專賣局長官   原田 富一君
        大藏事務官   松尾 俊次君
        貿易廳長官   永井幸太郎君
        貿易廳次長   新井  茂君
 委員外の出席者
        大藏事務官   稻益  繁君
        專  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
十一月二十七日
 專賣局及び印刷局特別会計法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第三三号)
 金融機関再建整備法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第三四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第三〇号)
 專賣局及び印刷局特別会計法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第三三号)
 金融機関再建整備法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第三四号)
    ―――――――――――――
#2
○島村委員長 会議を開きます。
 本日本委員会に付託に相なりました專賣局及び印刷局特別会計法の一部を改正する法律案及び金融機関再建整備法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。まず政府の説明を求めます。
    ―――――――――――――
#3
○塚田政府委員 ただいま議題となりました両案のうち、まず專賣局及び印刷局特別会計法の一部を改正する法律案について提案の理由を御説明致します。
 今回改正しようといたします点は、印刷局特別会計における運轉資金の不足を借入金により補足いたしまして、同会計の運営を円滑にいたそうとするものであります。
 昭和二十三年度における印刷局の事業量は、日本銀行券百円紙幣二十四億枚、一円紙幣十二億枚を初め、收入印紙、郵便切手、郵便はがき、各種証券類、官報その他図書製品等金額におきまして、約三十七億円に上る現状と相なつております関係上、印刷局の事業を円対に遂行いたしますためには、相当量の手持生産品、原材料及び支拂い資金等に約八億円の運轉資金を常時必要とする状況にあるのでありますが、現在同会計に属する運転資金は、ほとんどその大部分が一時借入金、日本銀行からの前受金等、きわめて短期の資金をもつてこれをまかなつているのであります。しこうしてこれらの資金はその性質上すみやかに精算しなければならない次第でありまして、事業経営上緊急に何らかの資金補填に関する措置を講ずることが肝要であるのでありますが、一般会計の財政状況に顧み、今回とりあえず本年度に限り、運轉資金の不足額を翌年度内に償還する借入金をもつて補足いたし、もつて本会計の企業的運営に支障なからしめようと存ずるのであります。
 以上の理由によりまして、この法律案を提出した次第であります。何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
 次に金融機関再建整備法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 金融機関再建整備法の規定によりまする金融機関に対する政府の補償の金額は、大藏省預金部等損失特別処理法等による補償を合計いたしまして、百六十三億円を限度とするこになつているのであります。この百六十三億円の限度は、第二封鎖預金等となつた郵便貯金及び郵金年金を全額切り捨てる豫想のもとに算出したものでありますが、本年七月二十日政令第百七十五号をもつて大藏省預金部等損失特別処理法施行令の一部が改正になり、第二封鎖預金等となつた郵便貯金及び郵便年金の七割に相当する金額を補償することになりましたので、金融機関再建整備法第三十三條第六項の規定による政府の補償額の限度は、これを百六十五億円に擴張する必要があるのであります。
 以上簡單でありますが、金融機関再建整備法の改正法律案につき御説明申し上げました。何とぞ御審議の上すみやかに賛成せられんことを望みます。
    ―――――――――――――
#4
○島村委員長 次に貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたし、質疑を継続いたします。
#5
○堀江委員 この前いただきました輸出入品円ドル換算率の資料におきましては、輸入品加重平均レートが百三十、それから輸出品加重平均レートが三百三十となつておりますが、これはわれわれ國民としては相当な損失となるのではないでしようか。
    〔以下速記〕
#6
○永井政府委員 ただいまの御質問の輸入品に対する支拂代金のドル円レートが百三十――いろいろ平均のとり方がありますが、加重平均しましたものが約百三十になつております。しかるに輸出品に対する加重平均しましたものが三百三十になつております。その影響といたしましては、御承知のように終戰以來、ずつと入超を続けておりますので、ほんとうならば同じレートで換算することができまするならば、貿易資金で余裕が出るはずでありますけれども、輸入に対しましては、現在のところ平均百三十というようなレートになつておるものでありますから、從つて貿易資金に余裕が出ないという影響になつておりますと同時に、この百三十というレートできめますために、運入食糧その他に対して、もしこれを輸出と同じようなレートできめましたならば、輸入食糧に対する賣下代金、配給價格との間の補給金がそれだけ増加するということになりますので、貿易資金で余裕が出ないということの反面に、國家の輸入食糧を配給して、それから取入れます金との間の補給金がそれだけ少くなつておるということでありますので、國家全体の財政から考えて同樣の結果になることを考えております。
#7
○堀江委員 今の御答弁ははつきり了解できない。結局輸出の方の換算率にすれば、その間日本國内の食糧品價格よりも高くなる。だからこれを低くして置かなければならないというように解したわけでありますが、そうすると非常に大きな疑問の起つて來る点は、現在の輸入は輸出に関係がある原料資料などが主である。それから大きなものでは食糧が主であることはもちろんでありますが、そこに非常に大きな疑問といいますか――食糧問題はまた別に考えたいと思うわけでありますが、安く拂い下げというか、賣渡し、そうして輸出のものは高く買上げるという結果になると考えるのでありますが、その点はいかがでしようか。
#8
○永井政府委員 從來までの輸入は、大体六割以上が食糧並びに食糧に関係する品物の輸入であります。その余の約三割くらいは大体纖維原料が主なるものであります。本年に入りまして、鉄鉱石、石炭等が入りましたけれども、本年上半期ぐらいまでのところは、纖維原料が主なるものを占めております。御承知のように纖維原料は民間の綿紡績、絹紡績に対して原料を渡しまして――民間に賣り下げるのではありません。渡しまして加工契約をやり、委託加工をやつております。委託加工賃を拂いまして、それをそのまま輸出しておりまするから、今おつしやつたように、安く賣つて高く買い上げておるというものはございません。
#9
○堀江委員 その問題はなお私もよく研究したいのであります。もう一つこれは大きな問題だと思うのですが、この間の本会議で共産党の徳田氏が演説したことは、國民として見のがすことのできないことを云つておるのであります。新聞記事が見たのでありますが、輸入のものについては、鉄鉱石はアメリカの山元價格が六ドルであるにかかわらず、日本の港渡しの價格は二十ドルである。一方國内の一例をとりますと、紡績機械は、バイヤーに渡すのが二十八どルであるにかかわらず、アメリカ市場では五十ドルないし六十ドルで賣れておる。光学器械のごときも十五ドルのものが七十五ドルに賣つておる。この日本の貿易振興ということは、日本の経済再建にとつて、最も重大なことであるにかかわらず、貿易の現状が徳田氏の指摘したようなことが事実あるのかないのか。あるとすれば、どういう原因であるか。それに対してどういう対策をおとりになる考えであるかという点をお伺いいたします。
#10
○永井政府委員 徳田さんの御議論は、まことにしろうとくさいお尋ねでありまして、一々御返答するのにも、困るのでありますが、鉄鉱石山元六ドルないし七ドル、それからオーバー・ランドの鉄道、積みかえ運賃、太平洋の運賃だけが十二ドルないし十四ドルかかつております。それらのことをよく分析して論じないとわからぬのでありますが、ことに鉄鉱石の輸入につきましては、約一箇月ほどの余裕を與えまして、司令部においてアメリカの各地域に入礼の公告をいたします。そうして入礼にほとんど二、三十社参ります。参りましたところでその品質分析等をやりまして、日本政府からは、鉄鋼局、日本製鉄等の專門家を出しまして、一々この分析と品位を比較しまして、その價値を判定しまして、そしてその最も有利なやつをとつておるというようなわけでありまして、ことに大分部を占めておる海の運賃十二ドルとか、十三ドルというものは、國際的にはつきりわかつたものでありまして、何だか六ドルのものを十七、八ドルで買うておるとか、二十ドルで買うておるというといかにもばかげたことのようでありますが、そういうことはまことにしろうとくさい御質問でありまして、ほとんどまじめに御返答するほどのことでもないのであります。それからそういう例を申しますと、地中海の塩のごときも、塩のFOS價格は三ドルであります。運賃が十四ドル、これは國際的にきまつた運賃レートであつて、これが大体三ドルのものに十四ドルの運賃を拂つておる。こういうことは、大体貿易の事情を御存じないのでありまして、どうかもう少し研究してもらいたいと思うのであります。それから紡績機械を初め二十八ドルで賣りましたのが、大体このごろは三十ドルくらいで賣つております。アメリカの相場は五十ドルとか六十ドルとか云うておりますが、これは司令部の機械課におきましても、大体どのくらいで賣つてよいのかというので公平な値段を相当調べております。しかしアメリカの市價というものは比較になりぬのでありまして、むしろ多少とも輸出余力を持つております英國の紡機と比較すべきものでありまして、それから比べまして、日本のものが幾分安いということになつておりますが、これも向うのワシントンの商務省を経て、今度は契約をいたしました十五はいの大きな船の値段、紡機、その他の公平な賣値段等も相当鍛えておりますので、そのへんはアメリカで今五十ドルについておるということだけをもつて判断できないのであります。そういういうな事情でありますので、あまり事情を調べられずに、ただ表面に現われた数字だけによつての御質問だと考えます。
#11
○堀江委員 今貿易長官はしろうとくさい質問だというお話があつたわけでありますが、もちろんわれわれのうちにはくろうともあるでしよう。しかしまたわれわれのようなほんのしろうともあると思います。しかし少くともそうした一つの法案をわれわれが委員として審議するためには、不可解な点はしろうとくさい質問であるにしても、聞くべきであるということについて、私は何らはずかしいという感じは持つていないわけであります。長官の今云われたことは、貿易の專門家が寄り集まつておるんだというような見解に立つておられるようでありますが、そうでないということをはつきり申し上げておき、またわれわれはわからぬところは、あくまでも聞く権利があるということを主張し、長官のそうした言葉は非常に不愉快に思うものであります。今の御答弁によると、その間に運賃があるというような御答弁でありましたが、一應そういうことに了承するとしまして、もう一点それに関連してお聞きしたいことは、これはやはりこの間の演説に聞いたことであります。生糸の一俵は昭和二十一年七月一日には八ドル十八セントであつたのであります。しかし二十二年の六月には四ドル十四セントになつておる。この比率は約五三%である。二十三年の七月一日には二どル五十五セントになつた。しかるに日本の内地の物價は、マル公の改訂やインフレの促進によつて上昇しつつある。しかるにアメリカの生糸相場はそういう大きな激変をしておるという事情を承りたいと思います。
#12
○永井政府委員 ただいまのしろうとくさい質問だと申しましたのは撤回いたします。十分懇切にお答えいたしたいと思うのでありますが、ただ徳田さんの御質問は少ししろうとくさいと申し上げたのであります。生糸のことでありますが、終戰後生糸を積みましたときには、何だか非常に昔の生糸という名前だけにほれて、珍しいということだけで賣れたという事情でありまして、ほとんど値段を鍛えた相場ということには考えられませんので、非常な好奇心にかられて、日本の絹を買うてみようといつたときに相場でありまして、八ドルで賣れたのはごくわずかなものであります。終戰後約五万俵積みましたが、八ドルとかそのへんで賣れたのはごくわずかな俵数であります。その後御承知の通り、ナイロンの発達によりまして、ほとんど日本の生糸の消費量の八割が向けられておりました靴下のごときは一つも需要がない。すべてナイロンに押されておる。それから人絹及びスフの生産が非常にアメリカもふえております。從つてレーヨンとステープル・フアイバーより受けます競爭がだんだんはげしくなりますから、だんだん賣れるところまで少しずつ下げてみた。ようやくB格で二ドル五十五セント、平均にいたしまして二ドル八十セントくらいになるかと思いますが、そこに至りましてようやく賣れ出しました。ほとんど戰時中日本から生糸が行つていない間は、機屋がすつかり絹機をやめまして人絹機にかわつておつたのが、この近所で生糸の値段を安定してもらつたならば、われわれは再び絹機に移りかわつてもいいという氣持になりまして、だんだんと輸出もふえまして、ようやくこの六、七月ころになりまして、ニユーヨークの消費量が大体日本の生糸を毎月六千俵くらい消費するようになりました。そこで私らとしましては、日本の生糸値段も上づて來るのであるから、もう少し値段を上げたいということをしきりに申しておるのでありますけれども、今また上げますと、日本の生糸値段というものは非常に不安定なものだ、これではわれわれ絹機をやつているものが安心して仕事ができないから、これよりもやはりレーヨンとかステープル・フアイバーとか、ナイロンだけによらなければならないということになりますので、これを急激に上げることは不得策である。上げたとしたところで、ごくわずかな五分か一割くらい上げるか上げぬかくらいのことは考えてみてもいいが、当分永遠の利益の、日本の生糸の販路を継続して行くためには、あまり上げないで、日本の生糸はいつも二ドル八十五セントくらいで買えるものだということの安心を與えなければ、生糸を織る機屋がもうなくなるというような見解でありまして、まずこの辺で安定せらるべきものと考えられます。そういうようなわけで多少安定感を與えましたために、漸次人絹機から生糸機へもどつてくるような状況であります。さよう御了承願いたいと存じます。
#13
○堀江委員 生糸の場合を考えてみまして、生糸は大体日本の國内の物價の関係を見れば、生糸一俵と小麦八斗になるとか、統計の比率の数字を聞いておるが、二ドル五十五セントに賣る場合において、日本の貿易廳か貿易公團が生糸を買い上げる價格では二ドル五十五セントで輸出するためには、貿易公團が大きな損失勘定になると思うのでありますが、どのくらいになるのか、その点を具体的にお示し願いたい。
#14
○永井政府委員 貿易公團におきましては、損失も利益もありませんので、生糸のマル公で買い上げます。しかしその收入は一つもないので、これはドルでアメリカに入つているということでありますので、貿易公團におきましても、そこに損益という問題が出て來ないのであります。
#15
○堀江委員 今回貿易資金特別会計を増額するということは、物價が上つたり、いろいろな関係で増額を必要とするというような説明を昨日受けたのでありますが、法的に考えてみまして、一つの品物――かりに食糧の問題にしましても、生糸の問題にしましても、日本政府が貿易公團に為替、あるいは貿易廳がその決済を握るとして、輸出入の関係においてある品物においては損がある、ある品物には利益があるということがわれわれには考えられるわけですが、損得がないという今の説明については、かりに安く生糸二ドル五十二セント――二ドルにしてもその間に損失はない、五ドルに上つても損失がないように、今の御答弁から受取れますが、その点はどうでしようか。
#16
○永井政府委員 それはこういうふうに考えていただいたらよくわかるだろうと思います。今輸出品を政府が買上げまして外國へ賣りまして、ドルの賣上金の收入と、輸出物資を買上げますに対して円を拂いますものとの間には一つの関連もないのであります。まず為替がないからということをお考え願いたいのと、それから安くても、高くても損得がないということはいかにもあり得べからざることでありますが、しいて損得があるということを申し上げるのだつたら、こういうふうに申し上げたらいいかと思います。今輸出品の全体の平均がかりに三百三十としまして、生糸が來年の正月からはおそらく一ドルが四百三十円くらいになると思いますが、その平均が三百三十としましたら、その平均以上は政府が損をしていると言い得ると思います。それから三百三十の平均以下で買つてあるものがあるといたしまして、あるいは綿糸布とかそういつたもの、つまり輸出の平均以下でとにかく買上げておるものがありますれば、それは政府が得をしている、こういうことも言えるかとも思います。しかしそれから三百三十の平均レートより円高の輸出商品を買う場合には、政府がそれだけ利益をしておる。それから平均レートより円安の輸出物資を買上げるときにはそれだけ政府が損をしておる。そういうふうに御説明いたしますより方法がないと思うのでありまして、直接に生糸を一俵十三万円なら十三万円で買いまして、アメリカへ持つて行きまして、二ドル八十五セント、もしくは二ドル五十五セントで賣ります場合に、そこに單一為替がないのですから、つまりそれをはかる尺がないのですから、こちらは円で拂つて行く。それから入つて來る物はドルで向うに積んであるということで、その間の比較ということができないのです。單一為替ができてそれではかる場合においては、あるいはそういうことが言えるかと思うのです。そこで生糸を高く賣る、あるいは安く賣るという場合において、政府の損得というものは平均レートより円安の場合は損をしておる。そうでない場合は得をしておるというように御説明いたすほかないと思うのであります。
#17
○堀江委員 そうすると、初めの問題にもどるわけですが、三百三十円と百三十円の問題は、それだけ政府が損をしておるということに解してもいいわけですか。
#18
○永井政府委員 さようでございます。もしかりに円の値打ちが三百三十円のものとすれば、百三十円のレートで拂下げをするということは、政府がそれだけ損をしておるとか、補給をしておるということに私はなると思います。それに違いございません。
#19
○堀江委員 そうしますると、これは根本的の問題になるわけですが、一ドル対三百三十円と百三十円とあるとすれば、輸出することによつて、日本政府は大きな損をずつと繰返して行く、そこに何らかのしりが出るということは当然なんでありますが、これに対してどういうぐあいな対策を持つておられるか。なお紡績なり、あるいは先日の同僚の質問によりましても、本年の上半期に二億七千万ドルの輸入超じりがあり、さらに來年の三月に四億ドルの入超の見込みである。現在までに六億なんぼかの入超がある。それはどういうぐあいに決済されておるのか。それともう一つ現在の為替レート、それはまだ答弁を得ない先でありますが、それはアメリカ政府のクレジツトか何か受取ることになるわけでありますか、それが一ドル大体二百七十円の換算で受取つたとして、今度為替の一体レートがかりに四百七十円なり、五百円に設定されるとすれば、それは從來の二百七十円当時のときよりも、ほとんど倍に近い日本の円をもつて支拂わなければならぬという事態が來はしないか、まずその点をお尋ねしたいのであります。
#20
○永井政府委員 ただいまのお尋ねの、入超じりがございまして、ただいまでは輸入品は百三十円で來ております。以前はもつと円高であつた、円の数が少かつたのでありますが、そこで入超じりがだんだん累加して参ります。かりに今の入超じりを全部日本が返さなければならぬという前提のもとに考えますと、おつしやる通り、そのときの円ドルのレートが五百になつておりますれば、五百円だけ持つて行かねばドルが買えぬのであります。もしも金の送金で返すとしますれば――そういうことはないと思います。貿易じりで返すほかないと思うのでありますけれども、もし金で返すとすれば、五百円というもので送金しなければならぬということは、これはやむを得ないわけであります。但しこの入超じりの大体の集積は、毎年の陸軍予算すなわちガリオア・フアンド等でまかなわれた金高でありまするので、はたして講和会議とかいう場合に、どういうように取扱われますものか、そうはどういうものかわかりかねます。しかしこれもほんとうに送金しなければならぬということになれば、そういう事態が起る、しかしおそらく送金が解決することは、かりに日本がそれを債務として弁済を履行せねばならぬといたしましても、貿易じりで順次決済するということになると思います。しかしその場合におきまして、かりに百三十円で輸入品を民間に拂下げて、夫度返すときに五百円になりましても、つまり一部それは円の値打が下つたということにもなりますので、やむを得ない次第と考えます。しかしそれを今申しました通り、今の入超じりの累積の合計は、大体陸軍予算、ガリレオ・フアンドでまかのうておる範囲内でありますので、弁済せねばならぬことになりますのか、どういうことになりますか、それは今のところ、わかりかねる次第であります。
#21
○早稻田委員 貿易長官に二、三点伺いたいと存じます。その前に一言伺つておきたいことは、ただいま堀江委員の質問に対して、貿易廳長官はきわめてしろうとくさい質問である、かようにおつしやつたように承つたわけでありますが、委員はおおむねしろうとでありまして、專門家ではありません。おそらくエキスパースはないと思いますが、しかしその質問に対して、われわれの日ごろ敬愛する貿易廳長官がかくのごとく言辞を弄せられるということは、質問者のみならず、委員会を侮辱するものである、かように私は考えます。もちろんわれわれの質問もしろうとの質問でありますが、今後ともそういう観点で答弁せられるかどうか、まずその所見を伺つてから、お尋ねしたいと思います。
#22
○永井政府委員 私がただいまきわめてしろうとくさいと申しましたのは、はなはだ失礼なことであつたと思いますので、ここに深く陳謝をして取消しをいたします。ただ私は堀江議員の御質問がしろうとくさいと言つたのではなくして、徳田さんのあの質問は、まことに議員としてもう少し調べて質問していただけばよかつたという氣持がありましたのが現われたのでありまして、堀江議員に対してそういう意味を申したのではありません。ただ徳田氏の質問を――こういう質問をしておるとおつしやつたから、徳田さんの質問は大分しろうとくさいと、これは事実を申し上げたのでありまして、決して他意があるわけではありませんので陳謝をいたします。從來私は同僚からも、答弁があまり丁寧過ぎるからもつと簡單にやれと言われたくらいでありまして、十分丁寧にお答えしておるつもりであります。
#23
○早稻田委員 ただいまの貿易廳長官の御説明了承はいたしましたが、しかし貿易廳においても相当われわれから見ると間違いがないとは言い得ないのであります。私の知つておる最近の事態を申し上げてみましても、そういう感が深いのですが、ごく最近にも、ミシンを輸出しておる。これは貿易廳においては百三十ドルに見積つておつたと私は聞いた。業者はこれに対して百七十ドルを主張した。こんなことはとうていできないというのが貿易廳の意向であつたようで、相当にわが國は損をしておつた。ところが先方との折衝の結果は百五十ドルにおちついたというようなことも聞いておりましたが、こういうような事態は少くありません。しろうとじやなくて、くろうとでもそういう間違いはしばしばあるわけでありまして、私は貿易廳が徳田さんの説を反駁されておるが、しかししろうとの言うことにも相当に傾聽すべきものはあると思います。そういうエキスパートでなければいけないというような考え方は、この際ひとつ解消して事に臨んでいただきたい、こういう警告を発したいと思います。
 そこで私のお尋ねしたいと存じますことは、まず第一番に、最近傳えられるところによりますれば、貿易廳は從來商工省の外局であつたが、これを内閣に移管するという考えが政府部内にあるやに承つておりますが、その眞相いかん。これをまずお伺いいたします。
#24
○永井政府委員 貿易廳はずいぶん日本中の商品をやつておりますので、ことにしろうと呼ばわれをしておきながら、われわれも全部しろうとでありますので、業界の人の指導を十分受けておる次第であります。つとめてくろうとぶらぬつもりでやつております。
 それから貿易廳の機構の問題は、これは私が御返答申し上げるべき筋で合ないかと考えております。ただ一言、私ども貿易廳としての考えは、どういう機構になろうと、生産と輸出輸入というものが有機的に円滑に連絡のつくような機構が望ましい、こういうふうに考えます。ことに日本は原料を輸入して、加工して輸出するという貿易が多くの部分を占めておりまして、生産と貿易ということが円滑に有機的に一貫して行われるような機構が望ましいと、こういうふうに考えます。
#25
○早稻田委員 ただいまの貿易廳長官のお答えはごもつともと存じますが、すべて円滑に運営することが大切でございまして、物の方では貿易廳で扱い、貿易外の國際收支等については、大藏省で扱うという建前、すなわち貿易廳は輸出産業と一連不可分な関係にございますので、できれば貿易廳は今まで通り商工省の外局としてあるべきである、私はこういう考えを持つているものであります。そこでただいま長官の御説のように、有機的に運営するという建前から、これを内閣に移管するというようなことがもしあるとすれば、これはわが國の貿易の大きな損失となると私は思う。そこで長官においても強く政府にその所信を披瀝せられて、現行通りにやつて行かれるように私は希望する次第であります。
 それから次にお尋ねしたいと存じますことは、わが國経済の再建は外資の導入にまたなければならない、というのが前内閣の建前でもあり、また一般識者の間にもこう考えられておつたわけでありまして、この考え方は現内閣といえどもかわりはないと存じます。しかし現在のごとき貿易資金特別会計のこの制度が、実際外資導入にあたつて適切であるかどうか。これは私はしろうとでありまして、その可否について非常に迷つておる次第でありまするが、こういう問題につきまして、長官はいかなるお考えを持つておられるか。この点を伺いたいと思います。
#26
○塚田政府委員 ただいま貿易資金特別会計で、輸入と輸出の收支のしりを全部扱つております。このやり方が新しく積極的に外資を導入する場合に、はたして適当であるかどうかということは、早稻田委員から御指順の通り、私ども非常に疑点をもつてはおるのであります。今後おそらく、私の考えといたしましては、積極的に外資の導入が行われるというような段階になりますならば、もちろんそのときにはたして為替の状態などが今のままであるかどうか、そういう面にも変更が出て來るということは当然考えられるのでありますが、今のような状態ではいけないのじやないかと考えているのであります。ただ具体的に、その場合にどういう措置をするのが一番いい方法なのかという点については、実はまだ成案がないと考えておるのでありますけれども、それらの点につきましては今後の状態の推移とにらみ合せまして、適当にひとつ考えていきたい、こういうように考えております。
#27
○早稻田委員 次にもう一、二点承りたいと思います。貿易手形の決済状況でありますが、われわれが業者から承るところによりますると、円滑を欠く点が非常に多い。こう傳えられております。一体今日貿易手形の決済の状況はどうであるか。またかくのごとく不円滑になつている理由、原因はどこにあるか、こういう点をひとつ御説明いただきたいと思います。
#28
○愛知政府委員 ただいま御指摘の通り、率直に申し上げますと、貿易手形の決済と貿易手形関係の資金繰りにつきまして、往々問題のありますことは私どもの承知いたしているわけであります。御承知のように、建前としては貿易手形についての金融は、融資準則の上でも最も優遇いたしております。それからできるだけこれが円滑に運営されるように、しばしば金融機関等にもその協力を要請しているのでございますが、今申しましたように、ある程度思うにまかせぬような状況にありますことは、非常に遺憾に存じているところであります。その原因等についてはいろいろございますので、たとえば貿易公團あるいは貿易資金特別会計等からの支拂について、從來不円滑なことがあつたというようなこともその原因にあげられますし、また金融機関側として將來の貿易というようなものについて為替レートの関係その他で多少懸念を持つているというような点も、あるいは否定できないのではなかろうかと存ずるのでありますが、それらは從來必ずしも円滑でなかつたことの原因等でございますが、それらの点につきましては、今申しましたように日本銀行とも非常に緊密に連絡いたしまして、貿易手形の決済について、今後支障なく他の公團認証手形と同じように、円滑に参るようにいろいろ措置を考えております。ただいまちようど手元に貿易手形の決済状況を数字的に説明するものを持つて参りませんので、具体的な数字等については追つて御説明することにいたしたいと思います。はなはだ抽象的でございますがお答えといたします。
#29
○早稻田委員 この問題については、ただいま銀行局長から御説明のありましたように、單一レートでない関係、あるいは金繰りの関係等、いろいろ理由はあると存じますが、私は人の問題にもあるのではないかと存じます。各関係官廳にわれわれ行つてみますと、非常にたくさんの書類が山積して、なかなか容易にこれが決済ができ得ないということが多いようであります。地方の業者のごときは、毎日東京へとまり込みで早く整理してもらうことを要請している。ところがなかなか要求が満たされないで、二度も三度も上京するというような手数をかけているわけであります。これは私は貿易の將來とにらみ合せて、いるべき人はどんどん増員してでも貿易の振興をはかるべきではなかろうかと思います。今日行政整理のやかましい折柄、なかなか人をふやすということは政府においても難点があるかとも存じますが、しかしこの面だけは、少くとも日本が將來貿易によつて立ち直るのだというような考え方から、おそらく人をふやすことに反対する人もないと思いますので、躊躇することなく、貿易廳においてはまず人の面をひとつ整備して、貿易業者の便益をはかつていただくことをお願したいと思います。
 それからもう一つお尋ねしたいと存じますのは、手持ち輸出品中には輸出に不適格なものが、相当量あるということが新聞等にもしばしば傳えられているが、事実この不適格な輸出品があるかどうか。もしありとするならば、どんなものがあるかということを承りたいと存じます。
#30
○永井政府委員 今お話になりました、非常に書類が推績して、民間の業者に御迷惑をかけておるということは、われわれも非常に悩んでおるのであります。予算その他の関係上、なかなか人を得られないということと、人数を得られましても適当な人を得られないこと、それから物價廳との関係で價格の決定に非常にひまがいるというようなことで、非常に民間に御迷惑をかけておるのでありますが、だんだん民間が先方のバイヤーと直接契約をするという方式の商談がふえておりますので、幾分よくなつておると存じます。せいぜい迅速に取扱うように最善の努力をいたしたいと考えます。それから今度は大阪でも契約の承認をする手続をいたしまして、繊維品その他大阪を中心として、できます雜貨品等の手続も大阪で済ましておりますので、これなどもよほど民間のために便宜かと存じております。大阪でそういうことを始めましたので、人がたくさんいるのでありますけれども、これも人員の増加を追加予算にお願いしておるような次第であります。せいぜい迅速に取扱うようにみな努力しはしておりますけれども、なかなかむずかしいのであります。
 次に輸出品として買い上げましたものの中で、不適当なものが相当ありはせぬかというお話でありましたが、これも見方によりまして、ほんとうに不適当なものも、数多い中にはあるかと思いますけれども、先方の購買力等の関係で、しばらく待たねば賣れぬようなものもあります。かりにやかましく傳えられておる綿製品の停滯というようなことも言われますけれども、やはり相当各種類のものを製造して、整えておかねばならぬことになりますので、契約のできるものがきちつと製造と合うというようなことは、平時でもなかなかむずかしいのでありまして、自然二、三億ヤードのものが停滯するということはやむを得ないのでありまして、新聞などでは滯貨ということを言いますけれども、私は滯貨ではなくして、やむを得ざるランニング・ストツクというべきものだと思つております。こういうものが大部分を占めております。しかしながら相当不適当なものもありまして、それらは國内に放出したいと考えて、今調べておるような次第であります。しかし大きな金額の輸出不向きのものはあまりないと考えております。
#31
○早稻田委員 ただいまの貿易廳長官の御説はごもつともと存じます。また前段の入手をそろえて貿易業者の便宜をはかると仰せられた言葉は、定めし貿易業者もこれを聞けば喜ぶことと存じます。人を得るに困難だとおつしやつたのですが、業者の中には有為の才を持つている人も相当あるようでありますから、できればこれに委嘱せられて、この仕事に協力させるというような手も打てると思います。また喜んで協力すると存じますので、何とかこういう人手の足りないことによつて停滯することは國家の大きな損失でございますので、できれば、そんな便法でもとつていただくようにお願いしたい。それから第二段の手持ち輸出品のストツクあるいは不適格品のものに対してでありますが、これはいつまでも未整理のままで置くことは、資金の運営の上から言つても感心しないことであります。いただきました資料をまだしさいに点檢しておりませんが、一覧いたしましても相当数量のストツク品があるようでございまして、どうも私ども非常に不可解に思つておるわけでありますが、かくのごとき大量の金が寢るというこ徳は、本会計運営の上から言つても、非常に感服しないことと存じますので、これ以上私は追究はいたしませんが、もし不適格品であるとか、あるいは輸出の用をなさないようなものは、すべからく民間に放出をなすつて、こうした資金運営が不円滑になるようなことは、この際一掃していただきたいと思うのであります。私はこういう観点から、最近貿易公團等の仕事のやり方が独善に流れておる。ややもすると業者を無視し、かつて氣ままな行動が見受けられますので、本委員会等においても、本案を通すことについて決して私は拒むものではありません。当然これは認むべきものと思つておりまするが、しかしそうした資金運営の内容等につきましては、本委員会において小委員でも設けて、一應調査いたしまして、そして公團等がほんとうに國家機関であるという認証の上に立つて、貿易振興に寄與貢献されるように、われわれは鞭撻をしなければならぬとさえ私は考えておりますが、何とぞ長官におかせられましても、民間業者の意のあるところをよくやくみとりいただきまして、そういうような不円滑に流れるような面を、逐次是正せられるように希望いたしまして、私の質問を打切ります。
#32
○佐藤(觀)委員 ひとつお尋ねしたいのであります。昨日も同僚の川合委員よりお話が出たのですが、先ほど長官からしろうとという話が出まして、実は貿易資金の問題については、われわれが選挙区へまわりましても、非常に疑惑の目をもつて見ておるわけでありますから、こういう点について今度百億の追加が出るわけですが、一体貿易廳においては、これが実際日本の今の情勢におきましては、初めて占領された國でもあり、しかも経済の知識の低い國民でありますから、こういう点について非常に的確な理解をすることができないのであります。こういう点について、一体貿易廳においては、國民に理解されるような方法で、何とか発表機関とかそういうようなことについて理解されるようなことをやつてもらえるかどうか、もし今後そういうような方法で、何か國民にこういうような問題がわかるような方法をとられる意思があるかどうか、こういう点についてちよつとお伺いしたいと思います。
#33
○塚田政府委員 佐藤委員の御指摘の点、まことにごもつともなのでありまして、私なども野党でおりました時分から、今も引続きまして貿易資金特別会計の内容というものはなかなかのみ込みにくいのであります。これはしろうとであるとか、ないとかいうこととは別個に、のみ込みにくくなつておる。のみ込みにくくなつておるからよくわからない。從つて疑惑が出て來るということは当然の状態なのでありまして、政府といたしましては、民間ことに委員の皆さん方の間にも、そういう御意見があるということであるならば、ぜひ適当の機会に貿易資金特別会計の内容がどういうぐあいになつておるかということを数字的に、またさらに御希望があれますれば、実態的な面についても御調査を願つて、これを明らかにして行くということ、ことに財政状態に絶えず國民の前に明らかにするということを命じております新憲法の趣旨から言つても、当然政府のなすべき義務であると考えておりますので、そのようにぜひはからいたいと考えております。
 なおこの際先ほど來、堀江委員から非常に眞劍に御質問願つていただいておる点、まだ堀江委員の御納得のところまで行つておらないような氣がいたしますので、若干先ほどからの政府委員の御説明に補足いたして、お答え申し上げておきたいと思います。おそらくこの間本会議の徳田議員の御質問、それからそれを繰返しての本委員会におきましての堀江委員の御質問は、輸出する物を当然賣れるべき値段で賣らずに、安く賣つて日本が損をしておりはせぬかということを、これは日本産業の立場から御心配になつていただいておることにお氣持の要点があるのだと私は思うのであります。これはまさにそうなければならぬのでありまして、もし早稻田委員が先ほど御指摘になりましたように、ミシンの例でもありますように、貿易廳なりそういう事務を扱つておりますものの不注意もしくは手落ちによつて、当然高く賣れるものを安く賣つておるという事態があつたら、これは日本の産業全体、日本の國全体が非常に損失のことになり、損得があるとすれば、そういう場合にこれは確かにあるはずなので、そういうような損は絶対ないようにわれわれは注意をいたします。しかしその他の面におきましては、損得というものはむしろないのじやないか。政府が損をしている場合には國民を得をしておるのであり、國民が得をしておる場合に政府が損をするということであれば、これは一應御了承願えるのじやないか、こういうふうに私どもは考えておるのです。ただ民間から物を買い上げます場合にも、これは御承知でもありますように、一應今公定價格制度でやつておりまして、公定で、しかもそれが物價廳できめました値段で買い上げておりますから、個々の業者に対する関係において、特殊の業者の利するというような関係は、まずこの計算の基礎に誤りがない限りは、これもないはずだと思つております。その他拂下げ物資を安く賣るものに対しましても、一應これは國民全体が利益を受けるという形においてのみ、そういうふうに扱つておるのでありますから、おそらく先ほど申し上げた政府が損をする場合には、國民全体が利益をする形になつておるということはここで申し上げられると思うのです。ですから御指摘の点はよく了承いたしましたから、そういう意味において國全体の損のないようにということは、なお民間側の專門の方々のお知惠、お力もあわせて拜借いたしまして、ぜひこれは努めていきたいと考えております。
#34
○佐藤(觀)委員 大体意味はわかりましたが、明日大藏大臣にぜひ御出席願いまして、私はこれらの問題についてはお尋ねをいたしたいと思いますのでお願いいたします。
#35
○川合委員 ただいまの塚田政府委員の御説明はとくと了承するのでありますが、この機会にこの委員だけではなくして、國民に対して私はこういうようなことをよく納得するようなことをした方がいいのではないか、この点は昨日も申したのでありまするが、日本の経済から円が高い方がいいのだという、すなわち円で現わした数字が小さいほど日本が望ましいということを國民に印象づける必要がある。ところが日本はかつて昭和七、八年の為替ダンピングによつて國内景氣になつた。すなわち為替レート、当時は対米為替というものがパリテイーが四十九ドル八六ということになつておつた、そうして外貨建になつておつた。今のような内國為替建の場合においては、数字が大きくなるということと、それがいかにも利益するというような考え方を持つ人が一般的にあるようであります。そこでわれわれは日本が絶対的に入超國として立つた場合においては、数字的につまり内國建で現われた場合においては、数字が高い方が円價の対外價値が高い、高いことの方が日本としては望ましい、というのは日本のものを外國に高く賣り、そうして同時に外國のものを安く買えるのだということを、國民にきわめてわかりやすいプリシンプルをよく納得するように印象づければ、おのずからこういうことに対する為替上のプリンシプルに関するいろいろな疑問というものが氷解するではないか。ところが一般的にこれがなかなか了解されていないという点であります。もちろんわれわれはそれによつて、貿易特別資金会計におけるところのいろいろなわれわれの完全に了解していない点をすべてわれわれが解決したとは言えません。そこで私はそういうような点について、これはわれわれ政党人だけではなくして、役所もそういうようなことに対して、よく一般的な知識を普及する必要があるだろうというように考えております。それと同時に大分時間も迫つたので、きようはこの辺で打切つて、同時に明日午後再開されますその機会に、ただいま佐藤君は大藏大臣の出席を要求したようでありますが、私は特に商工大臣にも來ていただきたい、この事を委員長においてもおとりはからい願いたいと思います。
#36
○堀江委員 先ほどの大藏次官の懇切丁寧な御見解を承つたわけでありますが、それに関連して一点お伺いしたいことは、その前の貿易長官が食糧品の輸入は、アメリカの陸軍の占領費によつてまかなわれる、現在の貸借関係には影響がない、これは講和会議によつて何とかなるだろうというお話であつたわけでありまして、その点については、來るべき講和会議において、貿易長官の言われたようになることを國民として切望するものでありますが、問題は先ほど大藏次官がおつしやつた政府が損をすれば國民が得をするのだというお話についてでありますが、現在の輸出品を買い上げる場合においては、國内の公定價格に相應した價格で買い上げておるということは間違いない。しかるにそれを輸出する場合においては、その前に貿易長官が御答弁になりましたように、日本は損をしておるということはこの為替の率の問題によつて明らかでありまして、それはその通りだとわれわれも了承しておるものであります。そうした場合において、食糧の問題は別として、日本は輸出すればするほど政府が損をする。その場合において國民は得するという場合、その損失に対する補填というものが、当然食糧問題は別として、ほかの貿易品について考えられて來る。しかし先ほど大藏次官が話されましたように國民は得している、しかし得の問題は私の見解からすれば、輸出が増進するということについての大局的な立場からは、日本全体が得しておると言えるかもしれないがゐしかし買い上げられた物價は日本の公定價格で、何ら業者も特別に利益をしていない場合において、その損失の負担が生じた場合においては、政府が損をするということは國民一般が損をするところになわけであります。貿易するためにその穴埋を必ずしなければならない。その場合には租税でとつて行くか何かという問題が必ず起つて來るが、これに対して大藏次官はどういうぐあいに考えられ、どういうぐあいに処理させんとする方針でありますか、その点をお伺いしたいと思います。
#37
○塚田政府委員 御質問の点は、結局やはり堀江委員が円というものの数字にとらわれていられる結果から、出て來るのではないかと察するのでありますけれども、私どははどこまでも日本の國全体から見れば損も得もあり得ない、日本のものがかりに二百五十円で買い上げて、向うへ一ドルで賣るか、二ドルで賣るかしれませんが、それが五百円で買い上げて同じように一ドルか二ドルでしか賣れなくつても、私は日本全体として見ては全然損得ない、こういう考え方であるということを先ほど申し上げたのであります。その結果、そういうような貿易をすること自体が、今の日本としてはやむを得ない状態になつておるからそういうことをやつておる。これは國全体の政策の上から当然出て來るわけであります。そこでそれが政府に損をかけるからせぬということであれば、これも一つの行き方でありますが、日本の國の立て方上からはそうも行かぬ。そこで國の政策としてそういうものを皆買い上げて、買つてくれるものは買つてくれる、最大限の値段で賣つて、そういうような形に貿易が起つて來る、その結果政府において損をいたしますから、これは御指摘のように、もし將來、今しりをカバーしておりますガリオア・フアンドなどがかりに返さなければならぬ――これは返すことになるか、返さないで済むことになるかわかりませんが、しかし少くとも返さなければならないということになれば、それだけのものは國の債務の形で残つて行く勘定になるのでありますから、結局國の予算で、つまり税でしりをぬぐつて行かなければならない、そういう形になるのであります。そこでそういうしりをぬぐうようなことをしないでよいじやないかというお考えでありますが、そこはしりをぬぐうようなことはしないでよしのじやないかということになれば、これは輸出品だけについてではないのでありまして、輸出品以外のものについても、やはり國民全体に利益を得させるために、政府が價格補償費というものの形で今もやつておりますので、貿易品は將來そういうようなものになるかどうかという違いがあるだけなのでありますから、これは今の日本の置かれた立場といてはやむを得ないのじやないか、こういうように考えておるのであります。あるいは答弁が御質問の要点に当つておらぬかもしれませんが、結局今の貿易勘定のしりは、國内で價格調整費でも出しておるものを、貿易勘定の上に出て來るプラスでもつて一應しりをふくことになつておる。だからこれは形をかえた價格調整費にすぎないのである。結局この勘定から價格調整費の性質の費用を出しておるということは、これは今の状態としてやむを得ないのじやないかというので、終戰後の歴代内閣がとつて來た政策だ、こういうように御了解を願います。
#38
○佐藤(觀)委員 本日は時間も大分遅れましたから、これで質疑を打切つて散会したいと思います。
#39
○島村委員長 佐藤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○島村委員長 本日はこの程度で散会いたします。
    午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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