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1948/11/24 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 商工委員会 第4号
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1948/11/24 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 商工委員会 第4号

#1
第003回国会 商工委員会 第4号
昭和二十三年十一月二十四日(水曜日)
    午前十一時三十八分開議
 出席委員
   委員長 本多 市郎君
   理事 平島 良一君 理事 前田榮之助君
   理事 西田 隆男君
      長尾 達生君    伊藤卯四郎君
      今澄  勇君    金子益太郎君
      笹口  晃君    櫻内 義雄君
      豊澤 豊雄君    衞藤  速君
      石野 久男君    世耕 弘一君
 出席政府委員
        特許局長官   久保敬二郎君
 委員外の出席者
        商工事務官   武内 征平君
        商工事務官   和田 太郎君
        專  門  員 谷崎  明君
        專  門  員 大石 主計君
    ―――――――――――――
十一月十九日
 川原並びに石河内第二発電所復元に関する陳情
 書(宮崎縣知事安平忠雄)(第二七九号)
 築上火力発電所再開促進の陳情書(福岡縣築上
 郡地方電力復興会議長大北三朗)(第二九〇
 号)
 戰災都市を自轉車競技場に指定の陳情書(全國
 戰災都市連盟会長姫路市長石見元秀外十九名)
 (第三〇六号)
 家庭用石炭の配給に関する陳情書(函館市長宗
 藤大陸外六名)(第三二三号)
 中國地方の電力確保に関する陳情書(廣島商工
 局長原幸夫外六十名)(第三五八号)
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國政調査承認要求に関する件
 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、
 試藥檢査所及び機械器具檢査所の支所及び出張
 所の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、
 承認第一号)
 工業所有権戰時法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一四号)
    ―――――――――――――
    〔筆 記〕
#2
○本多委員長 これより会議を開きます。
 國政調査承認要求に関する件を議題といたします。現在及び將來のわが國の商工行政の重要性にかんがみまして、國政の関する調査をする必要があると思います。從つて調査する事項は商工行政に関する事項であります。調査の目的は、鉱工業、電氣等の生産実態の把握並びに増産対策の樹立、商業貿易等の実情調査並びに振興対策の樹立を目的とするのでありまして、調査の方法といたしましては、小委員会の設置、関係各方面より意見の聽取、報告及び記録の要求等の方法で、調査の期間は本会期中にいたしまして、國政調査の承認を要求するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○本多委員長 御異議はないようでありますから、さように決定いたします。それではただちに書面をもつて國政調査承認要求書を議長に提出いたします。
    ―――――――――――――
#4
○本多委員長 それではこれより引続きまして、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、試藥檢査所及び機械器具檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 本件につきましては、前会におきまして政府の提案趣旨の説明は終了いたしておりますから、これより質疑討論を進めます。
#5
○前田(榮)委員 質疑討論を省略し、ただちに採決せられんことを望みます。
#6
○本多委員長 ただいまの前田君の動議に御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○本多委員長 御異議なしと認めます。それでは地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、試藥檢査所及び機械器具檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件に対する採決をいたします。原案の通り、これに承認を蕎えることに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○本多委員長 御異議ないと認めます。よつて本件は原案の通り、全会一致をもつて承認を與えることに決しました。
 なおこの際お諮りいたします。衆議院規則第八十六條によりまして、議長に報告書を提出せねばなりません。これは先例によりまして委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○本多委員長 別に御異議がないようでありますから、そのようにいたします。
    ―――――――――――――
#10
○本多委員長 なお引続きまして、工業所有権戰時法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 本案を前会において政府の提案趣旨の説明は終了いたしておりますから、ただいまより質疑に入ります。
#11
○豊澤委員 この趣旨はよくわかつたのでございますが、私一つお伺いいたしたいのは、外國人の技術をこちらに入れるということはよくわかるのでございますが、日本人が外国への特許を出したときに、その効力が現在どのようになつておるかということをお伺いしたいのです。
#12
○久保政府委員 目下のところ日本人の外國に対する特許出願は、GHQの指令によりまして禁止せられておるのです。ただし商工大臣の許可を受けました場合に限り出願ができることになつております。これにつきましては、目下連合軍の日本に持つておりまする特許権を、どういう処置をするかという問題が先に出て参りますので、その問題につきましては、目下連合軍の方と交渉中でございます。本日の新聞を見ましても、それに関する連合軍の方針というようなものが一部出ておるようでございますが、これがきまりますことがまず第一に必要なことと存じます。それに続きまして日本人の外國出願の問題も、大体解決されるのではないかと想像いたしておりますが、この問題も、目下私どもの感じておりまするところでは、それほど時間を要しないで外國へ出願ができるようになると考えております。これにつきまして各國が日本の特許出願をどういうぐあいに取扱つてくれるかということにつきましては、工事所有権保護同盟條約というものが、大体世界のほとんどの國が入りましてできておりまして、その同盟條約につきましては、こういうような大戰爭がございますすと、その後において條約國が一度集まりまして会議を開きまして、いかに取扱うかということを相談することになつておりまするので、そういう方の会議が開かれましたならば、大体決定的の措置がとられるわけでございまするが、今のところそれがいつ開かれるかということもまだはつきりきまつておらないようでございます。ヨーロツパの国々並びに南米等を含めまして、戰後の問題につきまして先般会議が開かれたようでございまして、それによりますると、大体連合軍がかりでございますが、お互いに優先権を認めまして、特許を保護するようにいたしておるのでございます。日本やドイツのような旧敵國人という問題になりますと、そういう点が果して認められまするかどうか、疑問であるのでございまするが、私どもといたしましては、日本人も優先権を認めてもらいまして、その他の外國人とまつたく同樣に取扱つてもらいたいということを希望いたしまして、目下懇請いたしておる次第でございます。
#13
○豊澤委員 もう一つお伺いしたいのですが、戰時中に外國との特許権の讓渡問題について、日本でもあり、外國でもあつた爭いなんというような訴訟問題なんかは、戰爭になつたので一應打切りになつたような形になつておりますが、これについてはどういうようになつておるかということをお伺いいたします。
#14
○久保政府委員 それは外國における日本人の特許の問題と、それから日本におきまする外國人の特許の問題と、二つにわけて考えられるのでありまするが、日本が連合國において所有いたしておりました特許権でございますが、これはたとえば島津源藏氏の鉛粉特許というものがアメリカで特許になりまして、その侵害問題などが戰爭前に大部問題になつておりました。この範疇に属しますものは、今度の戰爭の結果、日本の在外財産が連合軍の方に没收されまするということが大体きまつておるようでございまして、日本人がアメリカその他において持つておりました特許権は、すべてそれぞれの國に没收されておると思われるのであります。從つて日本の特許権に対する何らかの権利を要求するということは、まず不可能ではないかと考えております。次に連合國人が日本に対して持つておりまする特許権でありますが、これはただいま御審議をお願いいたしておりまする工業所有権戰時法によりまして、戰爭中外國人は日本において、特許権の侵害というような訴訟が一切できなくなりましたので、すべて却下の処分をいたしております。從つてただいまは、そういう日本における権利侵害の問題は、すべて一應なくなつておる状態でありまするけれども、この工業所有権戰時法を廃止いたしましたのが一つの前提となりまして、すべて戰爭前から戰時にかけまして政府がとりました処置は、一應ここで白紙にもどしまして、全部復活する。その訴訟も全部一時却下されましたものも、そのまままた生き返つて來るという状態になると私どもは考えておるのでございますが、その点につきましては、この処置が非常に複雜な関係上、まだ決定に至つておりません。まずこの工業所有権戰時法を廃止いたしまして、その次の段階といたしましては、その戰時法によりましていろいろ政府がとりました措置に対して、善後策を講じたいという段階になると考えております。結局全部のものを戰爭前の状態にもどしまして、もう一ぺんやり直すということになると想像いたしております。
#15
○豊澤委員 もう一つ最後にお伺いしたいのですが、前議会におきまして鉱工業委員会が全会一致で決定いたしました、特許局の公報の出版が非常に遅れて発明者に非常に迷惑をかけておるというような事実、あるいは開放研究所の研究補助費がきわめて少くして、優秀な発明ができておらないというような事実、あるいは発明の実施化試驗補助費が非常に少いというような点から問題になりまして、これの補助費を予備金からとるということを大藏省の方の具申するということが議決されておりまして、それで大体大藏省の方からの内諾を得ておつたのでありますが、そのことが現在どのようになつておるかということをお伺いしたいと思います。
#16
○久保政府委員 前國会におきまして、この点につきましては委員会でいろいろ御指示をいただきまして、大体大藏省の方も一應了解してくれたというお話でございましたので、引続き特許局といたしましては、これらの問題につきまして具体的の予算を組みまして、大藏省に要求いたしておるのでございますが、何分國家財政が今日御承知の通りでございますので、私どもの希望いたします通りに運ばなかつたのは非常に遺憾とするところでございますが、目下公報の出版だけの問題につきましては、これは一日もゆるがせにできませんので、その一部を認めてもらえるのではないかと考えておるのでございますが、そのほかの開放研究所の問題並びに優秀なる発明の実施化試驗補助費の問題につきましては、目下のところ遺憾ながら実現の見込みもございませんので、私どもといたしましては非常に残念に思つておるのでございます。
#17
○豊澤委員 これはもう一回この委員会において、そういうような事実があつたならば、大藏省の方へ善処してもらいたいというような意思表示をしてもらいたいと思いますが、いかがでございますか、これは委員長にお諮り願いたいと思います。
#18
○本多委員長 承知いたしました。他に御質疑はありませんか――別に御質疑もないようでありますから、これにて質疑は終局いたしました。
 引続き討論に移ります。
#19
○前田(榮)委員 この際討論を省略し、ただちに採決せられんことを望みます。
#20
○本多委員長 ただいまの前田君の動議に御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○本多委員長 御異議なしと認めます。それでは討論を省略し、ただちに本案について採決いたします。
 本案を原案の通りに可決するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○本多委員長 御異議なしと認めます。よつて本案は原案の通り可決せられました。
 なおこの際報告書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、別に御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○本多委員長 御異議なしと認めます。それではそのようにいたします。
    ―――――――――――――
#24
○本多委員長 それではこの際今澄委員より発言を求められておりますから、これを許します。
#25
○今澄委員 この前委員長にお願いしておきました肥料関係の硫化鉱の問題について、法案審議のあとの時間を借りてこの際お願いをしたいと思います。この問題は大藏並びに安本、物價廳の方にもお願してありましたのですが、今日はお見えになつておりませんようですから、それまで一應化学局長に御質問をいたしたいと思います。
 硫化鉱は非常に最近成績が惡くて、ために肥料の來年度の配給計画にも影響を來すというような状況にあるということでございます。特に棚原の硫化鉱がその中でも非常に成績が惡い。硫化鉱に対してはこの前の鉱工業委員会において、二箇月間の特別の期間を限つて、硫化鉱の増産に積極的に協力をいたして來たのでありますが、その後官廳側においても民間においても、硫化鉱の問題についていろいろ論議する機関ができたのでありますが、今日なお二箇年にわたつて硫化鉱の問題が依然として解消しないというような状況でありますので、この際化学局長さんに、肥料を担当しておられる責任者の立場として、硫化鉱の問題について何が隘路であり、どういうような施策を講ずればいいかということについて、御意見を伺つておきたいと思います。
#26
○和田説明員 硫化鉱の最近の実績は、御指摘の通り当初の計画に比べましてやや低下をいたしております。この二十三肥料年度の年間の計画におきまして、大体七、八、九の三箇月間に硫化鉱を三十四万四千トンばかり出すということになつておりましたが、七、八月、九月はやや減産をいたしまして三十三万トン出た程度でございます。また十月におきましては、生産計画十二万トンに対しまして、十万四千トン程度に相なつておるのでございます。これにつきましてはいろいろ台風の関係等もございましたが、一番大きな問題といたしましては、ただいま御指摘の通り、棚原の実績が当初の計画まで参つておらないというところにあるのでございます。從いまして私どもといたしましては、一面棚原の実績をできるだけ計画の面まで引上げるという線で進みまするとともに、棚原以外の硫化鉱の生産をしております各山の増産をはかる。あるいは國内における硫化鉱のいろいろのストツクをできるだけこの際利用するようにはかつて参りたいということで、関係の鉱山局方面と連絡をとつて実施をいたしておるのでございますが、棚原の問題につきましては、いろいろ複雜な労務関係の問題ができまして、先般來その眞相の調査並びにいかにすれば増産を期し得るかということにつきまして、調査官が先般棚原に参つたのでございます。最近調査を終えまして帰つておりますが、それらの調査の内容等をとくと研究いたしまして、一日も早く増産ができますように、鉱山局と力をあわせてやつて行きたい、かようにただいまのところ考えております。
#27
○今澄委員 本日は鉱山局その他の方も見えておりませんようでございますので、硫化鉱の問題については後日日を改めまして、委員長の方にお願いして、鉱山局並びに安本生産局長、その他関係の政府委員の御出席を願つて、次会にお手配を願いたいと思います。
 それでは引続き化学局長に御質問を申し上げますが、それは人工甘味料の問題でございます。現在の化学工業関係における労働者の給與水準は非常に低いのでありますが、それらの原因は、この人工甘味料の税金の問題が非常に事実と矛盾しておるという部面から、経営的な重圧が多いということを労働関係からいわれております。このズルチン、サツカリンにつきましては、グラム当り十二円という税金がかけられておりますのに、市中においてはこれが七、八円でなければ賣れないという現状であります。そのような課税の方針については、まことに会社の経理状態にも影響を及ぼし、労働側にも非常に惡影響を及ぼすということを痛感する次第であります。よつて現在の人工甘味料についてかけられておるそれらの税金の問題について、化学局長さんの大体の御見解を承つておきたいとかように考えます。
#28
○和田説明員 人工甘味料の生産並びに販賣の状況を見てみますと、本年の四月から六月の第一・四半期におきまして、生産計画三十六トンに対しまして、実績が三十三トン余りということになつておりますが、七月以降の第二・四半期におきましては、計画は同じく三十六トンに対しまして、生産が二十トン余りというぐあいに相当落ちております。十月におきましては十二トンの生産計画に対しまして、二トンを割るという実績になつておるのでございます。このように生産が最近非常に減つて参りましたのは、もちろんこれは販賣が生産に伴わないためでございまして、現在このように生産が落ちておるにもかかわりませず、約二十一トンのストツクをかかえておるという現状でございます。このように販賣が落ちました原因はいろいろあると考えるのでございますが、昨年の暮に大幅な税金の引上げがございまして、ただいま御指順の通り、一グラムについて十二円の税金がかかつたのでございます。その後砂糖の輸入が相当ございまして、人工甘味料に対する需要が減退をしたということも一つの理由でございますが、他の理由といたしましては、やみの人工甘味料が相当あるように見受けられるのでございます。これに対しましては税金が一應かからないという結果、正規の税金を收めております品物はとうていそれらのものと太刀打ちができないというような点も、相当大きな理由であろうと考えておるのでございます。そのような意味合いからいたしまして、私どもといたしましては適当にこの税金の方を調整いたしまして、一面そういうやみのものと相当競爭のできる立場に立たせまして、正規の人工甘味料の販路を開拓して行く方が、税金の面から申しましてもあるいはよいのではないかという考えのもとに、先般來大藏省、関係方面といろいろ折衝をいたしておるような次第でございます。
#29
○今澄委員 今の化学局長の説明でまことによくわかつたのでありますが、本日委員長におかれては、関係の政府委員に連絡をとつておりませんので、これは明日にも一つ関係方面に連絡をとつて、大藏省、物價廳、安本方面の意向を聞いてわれわれとしては考えたいと思います。よつて大藏当局においては、十二月の税金を七月に引上げるということについてはよかろうという意見を述べたといわれますし、さらに業者の方は四円でなければぐあいが惡いというような意見も出ておりまして、四円にいたしましても、生産数量の増加を考えれば、税收としてはその方が一億円以下もよけいとれるというような数字も出ておりますので、私はこの人工甘味料の問題については、次会にそれらの関係政府委員の方に質問をいたしたいと思います。できれば明日にも一つこの人工甘味料並びにさつき申し上げました硫化鉱の関係政府委員の御招集をぜひ委員長にお願い申し上げる次第であります。
#30
○本多委員長 最前本委員会におきまして、國政調査の承認の要求も決定いたしましたので、ただいまのお話の通り、できるだけ早く関係当局の出席を求めまして、委員会を開会いたしたいと存じます。その日取りは公報をもつてお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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