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1947/08/27 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 水害地対策特別委員会 第5号
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1947/08/27 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 水害地対策特別委員会 第5号

#1
第001回国会 水害地対策特別委員会 第5号
昭和二十二年八月二十七日(水曜日)
    午後一時四十七分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 竹谷源太郎君 理事 圖司 安正君
   理事 山崎 岩男君 理事 内海 安吉君
   理事 小澤佐重喜君
      石川金次郎君    上林與市郎君
      金野 定吉君    島田 晋作君
      鈴木 善幸君    田中 健吉君
      田中織之進君    細野三千雄君
      工藤 鐵男君    根本龍太郎君
      平澤 長吉君    淺利 三朗君
      泉山 三六君    大瀧亀代司君
      夏堀源三郎君    葉梨新五郎君
      松浦 東介君    村上 清治君
      只野直三郎君    外崎千代吉君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        經濟安定本部建
        設局長     高野 與作君
        内務事務官   岩沢 忠恭君
        農林事務官   平川  守君
        商工事務官   鈴木 重郎君
 委員外の出席者
        商工事務官   岡崎 三吉君
八月二十三日委員高倉定助君辭任につき、その補
缺として同日河口陽一君が議長の指名で委員に選
任された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 水害地の状況竝びに水害對策に關する件
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 これより會議を開きます。
 大藏大臣が午後一時にこちらへ出席されるという固いお約束をしていたのでありますが、なにかの御都合でちよつと遅れておるようでありますから、とりあえず遅れましたけれども、開會いたしたいと思います。會議の進行上農林當局からその後どういう對策を今までに講じましたか、實際に講じた對策を一應中間報告を承ることにいたします。
#3
○平川政府委員 先般御説明申し上げましたように、總額におきまして耕地關係及び山林關係の土木關係に必要といたしますところの應急の復舊工事費、二億三千六百萬圓ほどのものを融資をいたすということに相なりまして、これが具體的な數字につきまして手續をとつておつたのでありますが、この府縣別の割當がようやくきまりまして、具體的に大藏省の方から各府縣、各地方財務局を通しまして、それぞれの市中銀行より金融を縣が受けるということに通牒いたすことになつておるのであります。
 それからこの金融の方法は、具體的には市中銀行より府縣が借受けるわけでありますが、その市中銀行の金融に對しましては、市中銀行において手許金が不足であるというような場合においては、日本銀行からこれを補つて融資をいたすということに相なつております。
 この府縣別の割當額は、端數は省略いたしまして、青森縣が千七百萬圓、岩手縣が三千四百八十萬圓、宮城県が八百萬圓、秋田縣が一億三千二百萬圓、山形縣が四千四百萬圓、合計いたしまして二億三千六百四十萬一千圓であります。これが耕地關係及び山林關係の融資の應急の措置でございます。
 そのほかに農機具、肥料の購入資金といたしまして、總額一億二千五百萬圓の金融をいたす措置をいたしまして、これは農林中央金庫から農業會を通じまして金融をいたすことにいたしております。これの府縣別の内譯を申し上げますと、青森縣が千五百九十萬圓、岩手縣が千九百八十萬圓、宮城縣が九百三十萬圓、秋田縣が四千七百七十萬圓、山形縣が三千二百三十萬圓ということになつておりまして、總額で一億二千五百二十七萬八千圓強であります。
 以上が金融に關する措置でありまするが、一方現在の第二四半期の公共事業費としてもつております豫算のうちから、一億圓あまりの金を助成金として速急に出してもらうということで事務的折衝を續けておりまして、その手續をとつておるところであります。
 なお資材におきましては、急の資材でありますのでなかなか十分にはまいらないのでありますが、くぎ、セメント、木材の資材關係だけが決定いたしまして、くぎを七十トン、セメントを千七百トン、木材を三萬一千四百石、これだけの資材の割當を受けまして、近く各府縣に通達をいたす事になつております。
#4
○本間委員長 安本の土木關係のその後の應急的な措置を講じられた中間報告を一應聽取いたします。
#5
○高野政府委員 安本關係について申し上げます。とりあえず内務省關係の二億圓の本年度の公共事業費の豫算から閣議決定をとりまして、すでに内務省へ通達が行きまして、現地へ早急にわたるように處置をいたしました。それからただいま農林省から御報告がありました通り進行しているはずでありますが、この融資ということは銀行局方面で推進されていくよりも私の方の災害費で行つた方がもつとスピードが早いような勘定になりますので、農林省とも御相談いたしまして、今一億あまりとおつしやいましたが、約一億二千五百萬圓くらい、災害豫算が餘計ありませんので、それだけのものをこの融資とは別に、内務省に二億の處置をとつたと同じように、これを推進いくように手續をいたしております。
 それから資材の方も、金の裏づけと同時に安定本部から處置をいたしております。なおその後いろいろ調査報告をまとめましたところ、また各縣御當局からもいろいろ報告を受けました結果、本年度中にできる事業量は、内務省關係は大體十四億三千萬ということを言つております。これも相當むずかしいのではありますが、それはそのままにいたしまして、農林省關係はあるいはもう少しできるのではないか、やらなければならぬのではないかという見地に立ちまして、全國の災害全部も集計いたしまして、これを追加豫算の形で本年度、來年度、その次の年度、この三箇年間にどうしても完成いたしたいという見地から今考究中でありますが、追加豫算の提出時期といたしましては、實はもう技術的に遅いのでありますが、そうかといつて次期國會を待つているわけにもまいりませんので、これが處置につきまして、この金曜の閣僚懇談會に實は私の方から提案いたしましてお諮りすることにいたしております。そして何とかして今年のうちにできる分は、豫算を財政方面と折衝してできるだけの仕事はやつていきたい、こういうふうに今計畫をいたしている最中であります。
#6
○本間委員長 それでは大藏大臣が出席されましたから、大藏大臣に對する御質疑で、留保になつておりました分を始めたいと思います。
#7
○淺利委員 前囘の委員會において大藏大臣がちよつとお歸りになりましたので、お話を承つた中にも多少の質疑があり、また別にお伺いいたしたいことがあります。過日のお話によりますと、取敢えず公共事業費から災害復舊費その他を出そうというふうに承つたのであります。公共事業費は前議會において九十億が決議され、さらに四十億決議されておるということでありまして、その額が相當ありますから、もしこの中から今囘の災害復舊の費用を公共事業費として支出されるというならば、相當の効果をあげると思うのであります。しかしながらこの公共事業費は、一面においては失業救濟というような制約があるように承りますから、この公共事業費においてどの程度までこの災害復舊費が支出されるのか。すべてが公共事業だとして支出されるならば問題はありませんが、その出される限度はどの程度か。もしこの公共事業費でもつて足らなかつた場合には、普通の災害復舊の追加豫算でもおとりになつて處理されるのか。その點をお伺いいたしたいと思うのであります。なおまた前議會以後今日まで相當の日數が經つておりますが、その間において公共事業費というものはどれだけ使用せられて、殘額がどの程度あるか。もし豫定通り使わぬでとつてある豫算があるならば、それをこの方の災害復舊費に支出することができるかどうか。この點についてまずもつて第一にお聽きしたい。
#8
○栗栖國務大臣 この災害復舊費というものは本豫算で九十四億、今度の追加豫算で豫定しておるのが大體四十億弱の金でございます。これはまだその筋の方との方渉が若干殘つておりますので、はつきり申し上げかねる次第であります。とにかく兩方加えまして百四十億に近い金額があるのでありまして、この中でいくらずつ配分するか、いくら殘つておるかというお話でございますが、相にく私今手もとに數字をもつておりませんので、あらために私から、もしくは政府委員から實際の數字を申し上げてみたいと思つております。しかしこの水害その他につきまして復舊費を相當見積り、それを出すということはわれわれ十分豫定しておりますし、殊に今囘の追加豫算などにつきましては、すでに兩三年前に水害によつてこうむりました堤防その他の工事が未だに完成しないものもあるのでございまして、そういうものも相當見積り、その他合わせて失業對策というような點をも考えて、追加豫算にも大幅の金額を盛つたような次第でございます。そこで今度の東北の水害に對しての工事復舊費として、公共事業費は相當の金額が割けると思つたのであります。ただ、ただいま農林省關係では數字が出てまいりましたが、内務省關係の數字は非常に遅れまして、昨日出そろつたような次第でございます。事務當局においてこの數字をただいま檢討しておりますが、この檢討が濟めば手續を經て出すことに相なるのであります。しかしそれまで復舊工事を捨てておくわけにまいりませんので、先囘申しましたように、八月二十日附をもつて正式に各府縣、殊に日本銀行の支店及び財務局長あてに詳細な申し送りをしまして、復舊費としては金融をせよ、もし地方の金融機關において金がない場合においては、日本銀行の資金を送るからして、それによつて賄つてくれろ、こういうようなことまで申し添えた次第であります。その後に達しました情報によりますと、融通をする方の態勢は整つたように思われるのであります。融通を受ける態勢の方がまだまとまらぬというようなことがあるのであります。昨日も東北のある縣の知事にお會いしたのであります。資金を出してくれろというお話がありましたのでいかにしてどなたに出しましようと言つたところが、そこでさあ、というお話があつたのであります。それではどうも困るので、少くとも知事さんにおいて、縣ででもまとめて、早く借り受けることにしてもらいたいと申したのであります。こういつたこともありまして、實は昨日もそういう借受態勢についても適當なる指導をするようにというような通牒をさらに出したような次第でございます。ちよつと數字だけはもち合わしておりません。
#9
○淺利委員 ただいま公共事業費から相當に支出ができるというお話を承りまして、大いに感謝いたしましたが、ただ、これは失業救濟という各目であるとすれば、橋梁の架け替えとか復舊というような多くの物を資材面に使うという場合においても、この公共事業費から支出ができるか。それから今囘のこの災害地は多くは山間部とか、一方的に偏しておる實情であるのでありますが、これに對しても當局におきましては、地方的に偏在いたしましても、多額の費用を出し得るかどうか、もちろんこれは臨機應變でできるだろうと思いますけれども、念のためその點も伺つておきたいのであります。
#10
○栗栖國務大臣 實情に即してその文字その他の未筋論にとらわれないでできるだけ救濟の實を達したい。かように考えて心がけております。
#11
○淺利委員 もう一つお伺いしたいことがあります。それは先般農林省の土木關係においては特別融資の通牒を出され、閣議決定もされたという、同時に内務省からも十四億いくらかの融資の申込みをしてあるという、その結果はどうなつておりましようか。われわれから考えますと土木工事のごとき最も急施を要するものが多いと思うのであります。殊に私は山形、秋田、岩手の實情を見てまいりましたが、岩手縣のごときは平泉騨と水澤騨の中間、汽車で一時間の間における北上川のすべての木橋が流出いたしまして、この汽車にて一時間の間は交通は杜絶いたしておるのであります。こういう點から見ますると一日も早くこれをなさねばならず、殊に東北の雪害というものは降雪期を控えておつて非常に緊急を要する事業であります。こういうものは一日も早く御決定を願わねばならぬことと思います。ひとり農林關係は早く御決定になつて、この土木關係の十四億いくらかの融資のことがそのまま放任されておるということはまことに遺憾だと存じます。これについてはいかなる御進行の状態にありまするか。またいつごろこれが解決されるお見透しでありますか。その點についてお伺いしたいと思います。
#12
○栗栖國務大臣 お答えいたします。農林省關係の數字は早く出そろたつのであります。内務省關係の數字は實は先ほど出そろつたような次第であります。しかしながらこの復舊費その他を金融的に最初に手配するということにつきましては、一、農林、一、内務というような區別をたてないで指圖をいたしておりました。そうしてさしあたり農林省においては、こういうような數字が要望されて、これは各府縣に割り振つてみなければわからぬだろうけれども、地元へ連絡して要求があつたら融通するように、そのほか内省省關係も同樣にするように、こういう指圖が出ておりますので、事務的の書類のとりまとめが内務省が遅れましたけれども、手配はいつでも同時にできるようにいたしております。
#13
○淺利委員 これは先ほど内務大臣は、すでに大藏省の方にまわしたという御説明でありまして、その矛盾は了解に苦しむ點であります。しかしただいま大藏大臣の御言明によれば、これは内務省の方の説明に誤りがあるか、あるいは怠慢があると私は斷ずるほかないのであります。さらにもう一つ地方の災害工事をやる上において、土木請負業者に任さなければ早急に實施ができない。ところが土木請負業者あるいは木材業者に對するところの代金の支拂いは、一部は封鎖をもつてしなければならぬということのために、非常にその間仕事の進捗に支障を來しておるということを聞いております。現在こういうものに對する封鎖支拂いというものの緩和の状態はどういうようになつておりますか。その點お伺いいたします。
#14
○栗栖國務大臣 災害地の土木請負者に對する封鎖支拂その他の緩和の状況でございますが、これは實はまだそういうところまでの調べも今までしておりませんので、殊に東北地方については詳細なる報告が參つていないのでございます。私は復舊というようなことは非常に急ぐようでございますので、實情に即して必要があるならば、それに應じて自由支拂い、封鎖支拂い等も處理したいと考えておる次第でございます。
#15
○淺利委員 さらに今度は新しい方面で御意見を伺つてみたいと思います。今囘のごとき災害はあるいは千古未曽有であるかもしれません。日本全國を見まして、この内務省の調査によりましても、三十府縣にわたつて毎年災害があるのでございます。しかるにこの災害のあるたびごどに新たにいろいろの豫算操作をし、あるいはまた内務省が細かい技術的の研究をいたして、そのために遲らすということは、まことにこれは機宜の處置でないと思います。でありますから、むしろ政府におかれては毎年の統計を見まして、大體これは災害の豫備費のようなものでも設けられて臨機の處置を講ずるようにされてはどうかと思うのであります。どの途災害の復舊というものは必ずなさねばならぬ主上命令であります。これだけの金を事が起つた後にいろいろ操作するというよりも、あらかじめ毎年の統計によつて、その年度には幾割かは災害豫備金のようなものによつてとつておかれるということが、最も妥當じやないかと思うのであります。これについての御意見を承りたいと思います。
 もう一つは、今囘の災害は山林の過伐、濫伐、あるいはまた開墾事業等、治山治水とまつたく關係ない方面において立案されて、それがために耕地を開拓したことが水害の原因となつたということもあります。また昨日青森縣の山崎さんは、そのほかに財産税納付のために早く山を賣つたとか、あるいはまた山林が農地法と同樣に分割されるということにおそれをなして賣つたということもあるのであります。こういう毎年の濫伐というものがたくさんある場合において、根本の治水計畫治山計畫というものを立てることが最も必要だと思うのであります。これは農林省にも關係いたしましようが、これは全般的に見て大藏大臣といたしましても、たとえばこの開拓費として三十億圓豫算をとる。しかるに一方は河川改修費としてはわずかに二億數千萬圓しかとつておらぬ。一方において新たにわずかの土地を開墾して得る利益と、すでにできておる肥沃な熟田を崩壞することと比較いたしますれば、その間比較にならぬと思うのであります。これらについて何か根本的に治山治水の計畫、殊に山林の増殖あるいは砂防工事の實施、そのほか河川の根本的改修というようなことに心を向けられまして、ただいたずらに豫算の場面を毎年つじつまを合わせるにあらずして、國家經營の根本策として、大藏大臣が國務大臣としての立場からこれらについて何かお考えがあるだろうと思うのであります。なお詳細に伺いたいのでありますけれども、時間がありませんから、ただ要點だけを申し上げまして、御意見を伺いたいと思います。
#16
○栗栖國務大臣 お答えいたします。實は水害對策、あるいは先ほども申し上げましたように、兩三年來の水害に對する改修復舊が完了しておりませんので、實は九十何億というものも公共費の中から出すというので、本豫算にも盛つており、さらに今囘の東北風水害の起る前に追加豫算としても人件費高及び物件費高その他四十億ばかりの金額を見込みまして、これに對處しようと考えておつたのであります。別に豫備金もございまして、其豫備金の中からもさらに使用もできるのでございますが、特に風水害豫備金というようなものをつくるという考えはただいまもつておりませんが、一般の豫備金の中からさらに公共事業費その他において相當賄えるところの資金は繰込んでおくということはいたしておるのでございまして、御趣意に副うだろうと思つております。
 それから一體風水害があり、堰堤橋梁が流れてあといかにするかというのはすでに遲いのであります。その根底にさかのぼつてするという意味において、あるいは植林をするとかいうような御趣意は私まつたく同感でございます。國家といたしましてはいろいろの焦眉の費用もございますが、ぜひ相當の豫算を盛りまして、そうして根本對策を考えたいと思つておる次第でございます。
#17
○淺利委員 最後に一言いたしますが、水害のごとき突發事件がありまして、この復舊ということは至上命令だと思うのであります。ポツダム宣言によつて日本が進駐軍費を負擔すると同樣に、經濟的に見ても、食糧政策の上から見ても、あるいは民生安定の上から見ましても、最も重要なことについては至上命令で豫算のわくをはずれて、ほんとうの大局から見ての根本政策をお立てになるためには、豫算の上においても大藏大臣が格別の御手腕を御發揮願うように特にお願いして私の質問は打切りたいと存じます。
#18
○葉梨委員 關連して簡單にお伺いしておきたいのですが、公共事業費は本年度の既定費九十億、追加豫算約百四十億、これに對しまする物資面の裏づけは完全に安本と協定濟みでございましようか。
#19
○栗栖國務大臣 この數字は實は安本と打合わせてつくつた數字でありまして、資材のこと、それから財源も實は出しておるのでございますが、今日數字の資料をもつてまいらなかつたのであります。
#20
○本間委員長 本日は實は大藏大臣を中心に委員各位と隔意のない御懇談の機會をつくるというように申し上げておつたのでございますが、先ほど申し上げました通り、大藏大臣は司令部との約束がありましてその餘裕がありませんから、本日は大藏大臣に關係する分はこれで打切りたいと思います。
 それでは商工省の繊維局長がみえておりますから、繊維局長に對する質疑を願います。根本龍太郎君。
#21
○根本委員 今囘の水害によりまして農村における被服時にふとん類が損耗しております。御承知のごとく急速な出水のために、しかも農村には二階がないためにふとんなどが水づかりになりまして、しかもこれを乾燥する時間がなかつたのであります。すなわち二週間にわたつて降雨が續いたために、ほそうとすればかえつて腐るという状況で大變な損害であります。これに對して厚生省方面に連絡をして一應の手配を受けたのでありますが、綿類竝びに覆いがないというので、毛布若干をいただいた程度であります。しかしながら東北地方は嚴寒の地でありまして、毛布の一枚や二枚ではとうてい防ぎきれない。そうすれば食糧と同じく何としても生命を保持するためにはあらゆる努力をしてふとんを手にいれることになります。ところが現在の正規ルートで手にはいらないとすれば、やみ買いをしなければならぬ。しかし今救濟の手を伸ばしてもらつておるときに、こういうものをやみ買いすることはほとんど困難だと思います。從いまして厚生省としては手持物資その他あるものは全部出して、あとは商工省でもつておる繊維のわくを特別にいただいて救濟物資に充ててもらうか、あるいはこれに對して公定價格でもいいから、臨時のルートを通じて配給してもらわなければ處置ないという話を聞いておるのであります。これに對して商工省は災害地に對する被服、特にふとん類に對していかなる對策をもつておられるか。具體的にはどういうふうに進行しておるか。これをまず伺いたい。
#22
○鈴木政府委員 東北地方の水害に對する衣料關係の手配でございますが、これに對しましては先般關西地方を襲いました水害對策の應急措置と同樣の措置をとりまして、とりあえず應急救濟用の物資として――實は被害地のところによつて相當遺うようでありますが、大部分は秋田縣と宮城縣であつたと思すますが、この兩縣からは被害状況について詳細な御連絡があり、またそれに伴う救濟用物資の申請もあつたわけでありまして、この兩縣を中心にとりあえす毛布四萬一千二百枚の出荷指令を出したのであります。今お話の厚生省の手持ちのもので應急の手配をされましたのは、これは厚生省の非常救濟のものだと存じますが、八月十五日附八月二十七日水害第六號で出荷指令を出しまして、なおそれと同時に作業衣等が大體三萬六百ばかり、それからシヤツ類が大小とりまぜまして約三萬タオル、手拭等を約二萬、そして今申しましたように四萬一千二百ばかりの毛布をとりあえず應急救援用として出荷指令を出したのであります。なおそれ以外に一般復舊用のもの、今お話のような越冬對策用のものといたしましては、現在各省の共同調査と申しますか、そういつた全般の資材計畫を今編成中であります。從つてそれらをも織りこみまして計畫をいたしたいと考えております。私の述べました衣料關係要求の中には、災害地復舊に要する勞務用物資も相當大量に含まれております。これらと併せまして檢討を加えて、安定本部を中心にしまして一應の割當をいたしたい、こういうことで準備を進めております。なお地元府縣からもいろいろ連絡がありまして、特に蒲團等の損耗に對しましては、いろいろの御意見も承つておりますが、これにつきましては、できるならば、とりあえず現在人絹の織物等につきまして、各産地を中心に今買上げをやつておりますので、できますならば、そういうた買上品の一部を割き、また中入綿等につきましては、現在凍結と申しますか、國有綿の關係から司令部の許可を必要とするのでありますが、落綿が相當在庫いたしておりますので、所要量の計算が終りますれば、その所要の中入綿の確保につきましては、落綿の國内放出許可の申請をいたしたい、こう考えております。
#23
○根本委員 ただいまの御答辯によつて概括的のことはわかりましたが、具體的に今の落綿を一體どの程度――災害の状況は精細にはわからないでしようが、大體のことはすでに各被害地から來ておるわけでありますから、どの程度まで出されるか。それはいわゆる救濟物資として無料で放出されるのか、あるいはまた普通の配給ルートを通じて出されるのか、その點を明確にしていただきたいと思います。
#24
○鈴木政府委員 大體の被害の状況、それから各府縣の希望數字と申しますか、そういう數字は大體出てまいつております。ただこれに對しまして全般的にどの程度の資材割當ができ得るかということにつきましては、まだ現在のところ數字的には決定を見ておりません。從つてこれは安定本部において大體どの程度のものが配當できるかを今檢討中であるようでありますので、その決定に從いましてわれわれとして措置いたしたいと考えております。それから有償であるか無償であるかの問題は、これは厚生省の方針によるのであります、厚生省として特に非常救濟を要するような無償配給をすべきものについては、從來の要救濟者用配給と同樣に無償配給をしたいと思つております。それ以外の有償配給で濟むものは有償配給をするということで、これは先般の關西地方の對策にも同樣の措置をとりましたが、おそらくその措置は、厚生省といたしましてはほんとうに無償配給をすべき對象人口もどのくらいかということを決定されて、その措置をとられるものと存じます。
#25
○根本委員 次に東北地方にはいわゆる現在隱退藏といいますか、あるいは遊體の纖維品がまだあるように聞いております。こういうものも早急に商工省においてその封鎖なり、凍結を解除されて、速やかに業者に加工せしめて、この救濟用に充てるように希望しておるのでありますが、これに對する商工省の御意見を聽きたい。
#26
○鈴木政府委員 退藏物資等がまだ相當にある、しかもこれに對しては凍結をされて加工を禁止しているようなお話でありますが、退藏物資があるかどうかは、實際問題としてはあるという話は方々に聞いておるのでありますが、現實にどれだけのものがあるかということは、實はわれわれの手許にも掌握できていないのでありますが、もしそういうふうなものが發見され、あるいは情報をつかまれた方がございますれば、それを具體的に調査いたしまして、はつきりいたしました場合はそれぞれ成規の配給ルートによりましてそれぞれ措置いたしております。從つて今お話のように、特に加工を制限しているようなものは、從來司令部から凍結をされておりました絹製品以外にはないわけでございます。それ以外のものでもしそういう情報あるいは現物を確認することができますならば、私どもとしては極力それを成規のルートに買上げまして、これを必要な方面に配給するということには、できるだけの努力をいたしておりますので、そういうふうな情報なりあるいは現物確認等ができますならば、これはできるだけ早く供出させて、殊に今のような水害對策の一助にいたしたいということはまつたく同感でありますから、むしろ積極的にそういう點がございましたら御援助願いたいと思います。
#27
○根本委員 これは隱退藏物資ではないと思いますが、例の蒙古羊毛と稱するものが秋田縣にあるのであります。これは非常に素質の惡いものだと聞いております。これが終戰以來すでに二年間封鎖されておつて、どんどん腐つていく、またこの水害でも相當腐つているのであります。約十萬ポンドかそこらあるという話を聞いておりますが、それを現に拂下げていただいて、これを直ぐに織物にして配給する、こういうような具體的な例がありますが、これを處置することはできないものでしようか。
#28
○鈴木政府委員 それはおそらく軍需物資でなかつたかと存じます。從つてこういつたものは、お話の通り連合軍に一應接收されたものでも、大部分のものは日本の國内用に返還をしてまいつておりますが、なお返還していないで進駐軍の保管のもとに保管されているものが多少あることは聞いております。今お話のものは、もしそれに該當するということであれば、むしろ事情を具申しまして、國内用に變更するというか、國内拂下げ放出の許可をいただいて、速やかに加工して現地處分をいたしたいと考えております。具體的にはお話のような蒙古の原毛が秋田縣にあつたかどうか私は存じませんが、なんでしたら至急に連絡いたしまして、おそらくそういう事情であれば進駐軍としても非常救濟用の關係もありますし、そのまま捨てておけば損耗いたしますから、國内拂下げ放出を許可するのではないかと豫想して、この點は一つ具體的に連絡をいたしてみたいと思います。
#29
○根本委員 これは纖維ではありませんが、商工省關係になるので關連して質問いたします。今次の水害によりまして、東北地方は非常に疊類、莚類がやられたのであります。しかもこれは乾燥する暇もなく、また乾燥しても腐敗してほとんど用をなさない、しかも東北地方はいずれも疊及び敷莚の類が非常に生産が少いところでございます。現在は夏ですから何とか間に合せているが、冬に入りますととうてい凌げない、若干のものは商工省關係から割當られたそうでありますが、秋田縣については約一萬枚と聞いております。これではほとんど一箇町村に及ばないような状況でありまして、この疊類の處置を商工省はどういうふうにお考えになつているか、これを一つお伺いしたい。
#30
○鈴木政府委員 私直接の所管ではありませんので、あるいは誤りがあるかもしれませんから、なお十分連絡いたしたいと思いますが、それも先ほど申し上げましたように、私の方の物資調整課を中心にしてそういつたような各被害地の復舊と同時に、各民家の復舊用の資材も併せて各府縣から御要求が出ております。從つてその中に疊の床あるいは表といつたようなものも、先ほどの衣料類と同じように、さらに橋梁河川の修理の資材と併せて所要資材が出てまいつておりますから、おそらくその中に包含されておると存じます。從つてこれに對する手配につきましては、今申し上げましたような方法でどの程度の疊の床ないし表を生産配給できるかという計畫をおそらく立てることと存じます。これに對しましては、大體原料はわら工品と衣類でありますが、その方面はおそらく農林當局と御相談があり、それに必要な絲、へりというものは、實は纖維局と相談いたしまして、いずれも組合に現在疊の表、絲あるいはへり、いろいろの資材を私の方から配給いたしておりますから、もし所要量が判明いたしましたならば、それについて私の方も最善の努力をいたします。なお全般の所管といたしましては、商工省の生活物資局の所管でございますが、おそらくここで今申し上げたような所要申請に基きまして、その生産ないし配給の計畫を立てておると存じますが、やり方といたしましては大體同じような方法できまると思います。
#31
○根本委員 方針はわかりましたが、これを現物化することは、相當の時間が要るのでありまして、從來の經驗によると、時期を失してほとんど役に立たないというようなことがありますから、研究も必要でありますが、大づかみに即急にこれを處置していただきたいと思います。そして大體いつごろ具體的な決定になるか。農林省と安本と協議の上、いつごろになるかということの大體の時期的な見透しを、明言していただきたいと思います。
#32
○鈴木政府委員 現在實は商工省といたしましては、今申し上げたように、全般の各般の物資がございますので、商工省の總務局を中心にして、安定本部、それから内務省、農林省と御相談しておるわけでございまして、實は私直接その折衝に當つておりませんので、いつごろきまるかという見透しにつきましてははつきりいたしませんが、至急にその點が速やかに決定せられるように、連絡いたしたいと存じます。
#33
○淺利委員 きようは安本の方もお見えになつておりますから、ちよつとお伺いいたします。さきに安本長官は、この復舊資材については、セメントその他農林、内務兩當局間の申出によつて、それだけの資材を確保しておるというお話でありました。また先刻も當局からその説明があつたのであります。ただ土木費及び農林費以外に、個人の住宅の流出あるいは浸水による被壞、これらの修繕なりあるいは住宅の建設に對する資材の割當は、ただいまの土木農業以外に屬すると思うのであります。これに對してあるいはくぎ類とか、木材類とか、セメント類とか、また屋根材とかいうものにつきましては、安本の方でどういう割當計畫をなさつておるか、またいつごろまでにそれは現物化されるのであるか。東北はこれから降雪の時季が近づいておる今日、至急にこれを實施しなければ、この冬季において多くの罹災民は、飢寒に泣くことになると思いますから、これにつきましてどういうことを御計畫になつておりますか。その點をお伺いいたしたいと思います。
#34
○本間委員長 淺利さん、ちよつと申し上げますが、今商工省關係を主としてやつておりますからちよつとお待ちください。田中委員。
#35
○田中(健)委員 水力關係についてちよつとお聽きしたいと思います。先般和田長官に發送電關係の被害について質問したところが、安本では何ら報告がないという答辯でありました。しかし私が發送電について調査したところによれば、報告してあるそうです。それであなたの方で安本に早急に報告をしたかどうか。それをお伺いしたいと思います。私がこれを聽く理由を申し上げますと、とかく安本は報告があるとかないとか、いろいろなことを言つてものを阻むことがあるから、この際特にその點をお願いしたい。いつ何日に報告をしたか。どういう報告をしたか。その内容はどういうものか。詳しくひとつお答え願います。
#36
○岡崎説明員 安定本部に對して何日に報告されたかということは、私今までのところ記憶はいたしませんが、安定本部にはある程度報告は行つておるはずであります。ちようど和田長官の説明のときに、長官のもとにまで屆いておつたかどうかしりませんが、説明資料は行つておると私は確信しております。
#37
○田中(健)委員 そうするとそれが長官の手もとまで屆いておるかどうかわかりませんが、安本には屆いておるというわけですか。
#38
○岡崎説明員 そうです。
#39
○田中(健)委員 あなたの方には發送電からいつ報告が行つておりますか。
#40
○岡崎説明員 私らの方には被害があると、直接現場とは直通電話がありまして、すぐ翌日か翌々日ぐらいには報告が入手できることになつております。ですから發送電といつても、本社から來たり地方から來たりするものがありまして、北海道などでも十五日に被害があつたのは、十六日にはいつておるということで、すぐ連絡はとれております。
#41
○高野政府委員 それにちよつと關連して申し上げます。先日和田大臣に私お伴をしてまいつておりまして、そういう御質問がありましたときに、私は實は報告を受けておりませんと申し上げて、大臣はその通り答えられたのであります。私非常に責任がありますので、歸りましてすぐ部員を呼んで調べましたところが、實は報告がまいつておりました。その報告の内容もここにありますが、それに對しまして發送電の方に、この修繕のことやら資材のことやらいろいろなことについて、私の方から照會しつつあつたわけであります。しかし向うから報告を受けたのではなくて、私の方の部員から、發送電から何も言つてこないがどうだと言つて、調査してわかつたのであります。きようも報告したかということで、よくそういうことを聽いたのでありますが、發送電から何もなかつたから、實は私はこういうことを聽いて、報告をとりましたということでありました。それで何でしたら商工省の方では、もつと詳しくおわかりになつておるのではないかと思いますが、その復舊方針なんかにつきましても、安定本部として至急援助できることはするように、實は協力いたしつつあるのであります。以前の報告が間違つておりましたことは、あらためておわび申し上げておきます。
#42
○田中(健)委員 私が發送電について直接調べたところによると、報告してある。あなたの方では、報告がなかつたから報告をしろと言つて、報告をしたのだ、これだけの食違いがある。大體、事、安本に關する件は、どこの省に行つてもそういう食違いがある。これははなはだ私の遺憾とするところでありますけれども、これらの點をもう一遍兩方から資料を出してもらいたい。何日に報告をしたか、何日に報告を受けたか、この食違いを直さなければ、將來非常にいろいろな方面に影響するのではないか、こう思いますので、これらの點に關する資料をひとつお願いしたいと思います。
 それから先般も各委員から、電力が復舊しないと、水害の復興にも非常に困るというので、それらのことについていろいろ御質問等があつたろうと思いますが、その後東北の水害復舊に非常に重要な役割を演じている猪苗代湖の發電所が五萬キロワツト一箇所が壞れている。これについて安本にはまだ報告がないのですか。これは非常に東北水害復舊の場合においても、あるいは場合によつては、關東、東京地方の電力にも相當影響があるはずです。こういう大きな被害、しかも發電所が現在五萬キロ休んでいる。そういうことを何ら國會において耳にした者もないし、その點について安本に報告があつたかどうか。あるいは動力局の方でどういうような取扱いになつているのか。これをひとつお伺いしたいと思います。
#43
○高野政府委員 それは私動力局長から聽きました。動力局で今善處しているはずです。この修繕關係は動力局が直接管掌することになつておりますので、現在動力局で運びつつあると思つております。
#44
○田中(健)委員 それでは岡崎さんにちよつと御質問を申し上げたいと思いますが、この復舊には大體一萬二千リツトルのタービン油があればいいのだそうだが、その一萬二千リツトルのタービン油がないために、現在そのままに放置してある。一日に計算をすると、石炭一日一千二百トンに相當する。こういう大きな問題をそのままに投げやりにしておくというところの理由を聽きたい。どういうわけでそういうことをやつているのか。この間も電力のことについて委員會で相當問題になつたが、東北水害の復舊に電力を供給できるかできないかという問題を議している最中に、こういう問題が起きてくる。それをひとつお伺いしたいと思います。
#45
○岡崎説明員 猪苗代發電所の災害については、これの原因は、雷がある方面に起つて、それが送電線に落雷したためにトリツプして、水車のケーシングが破壞した。そういうように聽いております。それで水車のケーシングを修繕しなければだめなのでありまして、その方面で手遲れというか、資材や何かの點から速急の間に合わないのじやないかと思います。タービン油關係の方は、私はちよつと專門が違いますから、よく存じませんけれども、水車のケーシングを直さなければならない。それが破裂してしまつたし、發電所が全部水浸しになり、發電機が水浸しになつたので、發電機も乾燥しなければならないとか、いろいろの理由がありますので、すぐに間に合わないと聽いております。いつまでにということもまだ方針が立たないのか、復舊の時期のことも耳にしておりません。
#46
○田中(健)委員 私は先般は直接水害を受けたところの發電所が早急に水路なり、あるいはその他が復舊するのでなければ困るという質問をしたのでありますが、今度の場合においては、かりに今度の水害に、直接被害を受けた所が全部復起したにいたしましても、猪苗代湖がこのままでおれば、結局水害の復舊に動力がまわつてこないという結果になるので、私は關連してお尋ねしているのであります。私が發送電について直接に調査したところによれば、今あなたのおつしやるようなのでなくして、ほかのことは全部よい、タービン油さえあれば早急に電力を送り得るのだ、こういう話があつたのです。それでなお水害に關連して、どれだけの復舊資材があればよいかということも、安本の方にも商工省にも復舊資材のことについて要求してある。こういうような話であるけれども、商工省竝びに安本として、今度の東北水害、あるいは猪苗代湖の雷による被害も含めたところの復舊の資材というものは、いろいろな費目はあろうけれども、費目別にどれだけ必要であるということの對策があるならば、本委員會において御發表願いたいと思います。
#47
○岡崎説明員 今の猪苗代湖の電氣が東北方面の災害に關連しているというようにお考えのようですが、實際は――結果から考えれば、そういうようになるかもしれませんけれども――猪苗代方面の電氣は、現在は東京方面に來ておりまして、東北方面の災害ということとは全然別なふうに考えていいのじやないかと私は考えております。それは別としまして、その災害復舊にどれくらいの數量が要るということになりますと、これは一應私らの方へ日發あるいは配電會社あたりからの報告を受けまして考えたところの數量によりますと、配電會社關係では、東北配電ですか、この方面でセメントが三百三十九トン、それから木材が九百七十石、くぎが四百二十キロ、棒鋼が三千四百キロ、銑鐵が千五百キロ必要である。それから日本發送電關係で申し上げますと、復舊資材として概算セメントが二千トン、木材が六千五百石、タービン油が三千二百リツトル、絶縁油が百リツトル、ほろ百五十貫、瀘過紙が三千枚、そういうことになつております。
#48
○田中(健)委員 岡崎さんにもう一遍お尋ねしたいと思います。ただいまあなたがおつしやる猪苗代湖の故障は、あれは東京方面に連結しているから、東北には直接關係がないとこうおつしやいましたが、それでは今度東北地方の水害を受けておつたのが全面的に囘復した場合に、猪苗代湖が囘復できなくとも、東北は他の發電所は絶對に食われないから、囘復さえすれば何ら猪苗代湖の影響は受けないというふうに解釋してよろしうございますか。
#49
○岡崎説明員 私は全然關係がない――結果から見れば多少影響があるというふうに考えられるかもしれませんけれども――そういう前提のもとにお話をしたわけです。やはりある程度送電線で連絡していますけれども、結局全體的な需給關係から見ますと、猪苗代湖系統はほとんど東北とは縁が切れて、あれから東北へ行くということは、今のところはほとんど考えられません。昔はあの方面から仙臺へまいるということは考えられましたが、今のところは十和田湖、田澤湖の電氣もほとんど東京方面に向つて流れて來るくらいです。
#50
○田中(健)委員 もう一つお伺いいたします。それは猪苗代湖の復舊が遲れると、やはり他の東北のもつておるものが食われるのではないかという懸念をもつておる。そこで私は食うか食わないかということをお聽きしたいのであります。
#51
○岡崎説明員 この方面につきましては、私專門でありませんから、もう少しこの方面を調査して御返事することにいたします。
#52
○田中(健)委員 それではこの次にお答えを願います。
#53
○根本委員 先般の電力委員會において質問して一應の説明を受けたのでありますが、水害對策としてここで確認しておきたいことがあるので御質問申し上げます。應急復舊のために多くの木材その他の資材がいるのでありますが、これが生産のために相當電力を要するのであります。しかるに現在緊急制限として全國的に電力の極度の制限をしておるために、一つの例をとるならば、秋田においてはほとんど製材業者、木工業者等災害復舊に必要な物資を生産する工場が立ち行かない状況にあるのであります。關係業者が集まつて、これの緩和方を運動しておるのであります。それで急速なる復舊をするために東北に對して電力の制限を緩和する用意ありや否やという質問をしたところが、商工大臣竝びに電力局長から、それについてはその準備あり、具體的に折衝の後東北商工局をしてこれに當らしめるという答辯でありましたが、そのときに併せてこの問題は、ただ商工省自體だけではなく、全國的な電力の配分については、安本が非常に大きな力をもつておるという答辯でありまして、次の機會において安本からの説明を求めることにして終つたのでありますが、ここにさいわい安本竝びに電力關係の擔當者がおられるので、それに對して明確に再確認の言を得ておきたいと思います。
#54
○高野政府委員 電氣關係は私にはわかりません。
#55
○岡崎説明員 私も水力關係の設備關係の方を擔當しておりますので、そういう方面は深くわかりません。
#56
○本間委員長 ちよつと御注意を申し上げておきますが、二、三囘そうだつたのですが、商工省の方に、あるいは運輸省の方でもそうですが、責任のもてる方に御出席くださるようにという通知を申し上げておると、たまたま課長さんがおいでになつて、關連した問題について委員の方から意見が出ますと、いつも今日のようなことになるのですが、それで何も商工省だからだとかいう考えは一つもないが、やはり當然責任のある局長もそれを輔佐されておる課長さんも來られて、一つ責任のある御答辯なり説明のできるように、今後どうか御注意を願いたいと思います。それでは先ほどの淺利さんの質問に對して高野政府委員。
#57
○高野政府委員 住宅の復興の資材につきまして實は今まで國庫補助の分の公共事業費だけの資料を全部集めておりましたけれども、戰災復興院關係からの報告がありませんので、至急取調べて最近の機會に御報告し、それから併せてそれに對する手配をするようにいたしたいと思つております。
#58
○淺利委員 これは主管はどこになつておるか知りませんけれども、資材關係は安本だと思うのであります。ぜひ至急に御調査くださいまして、その資材の配給、その他殊に今囘は非常な災害に遭いまして、家財も一切流失し、また山形縣の例によると、從來四町何段歩を耕しておつた大百姓が耕地、資材全部をなくして、わづから五畝歩の土地しか殘つていない、今日から流浪の失業者になつたという實例があるのであります。そういうものに對してはあるいは國家の救助の手を伸べることが最も必要だと思うのであります。そういう事情を調査されまして資材の確保はもちろん、これらに對する國庫の全額補給なり、高額の補助をするというような手配も願いたいのであります。この希望を述べまして、あとは御調査の結果によつてまたお伺いすることがあればお伺いすることにいたしまして、これで私の質問は終ります。
#59
○根本委員 先ほど淺利さんから、財政面から大藏大臣に質問されたのでありますが、安本に對してお願いいたしたいことは現在、先ほどの御説明にもありました通り災害に對しては相當の豫算をもつておる。しかしながら本格的の治山治水についてはほとんど言うに足らない工事費しかもつておらない。そのために非常な損害が多いのであります。なお先ほどもありましたごとくに、開拓方面には三十二億の豫算をもつておりますが、治山治水はこういう現状でありまして、これは國土計畫上非常に遺憾にたえないのであります。元來國土計畫上の健全な施策、こういうものを大局において調整するのが安本の使命であると思います。これについては明年度において直ちに問題になると思いますので、安本としては從來の治山治水、災害復舊、それから開拓關係と總合してどういう見解をもつておるか、これは特に高野政府委員から明確な説明を求めたいと思います。
#60
○高野政府委員 今お尋ねいただきました問題は非常にむずかしい問題でありまして、しかも私ごときがお答えすることのできる問題であるかどうかという疑念をもつのでありますが、私個人の考えといたしましては大體今年度の公共事業費九十五億というものが現豫算でありますが、これをもし完全に遂行いたしますならば、物價、賃金の値上りというものをこれに加算いたしますと、約二百十八億程度の豫算があつて、初めて現豫算を進行することができるわけになります。すなわち九十五億では四四%しか物價、賃金の値上りの結果できないのであります。これに對しまして一〇〇%やろうとするならば、約二百十八億というものがなければ、すなわち百二十數億のものが追加豫算としてとられなければ、九十五億というものはできないのであります。ところが安定本部といたしましては、國家財政の困難な見地から、大體七十億程度のものをもつてこの物價、賃金の値上りを補い、そしてまたこの業務の輕重を勘案してこれくらいでいきたいという提案を實は進めたのでありますけれども、國家財政の現状から、とうていそれだけの國庫からの支出はできないという大藏當局の御意見で、結局三十九億、先ほど大藏大臣が言われました四十億なにがし足らずのもので、一應今年度はつじつまを合わせていかなければならないという、今のところは段階なのであります。從つて非常に窮屈な豫算をもつて公共事業を賄つていく。御參考のためにその災害費がその中にどれくらい含まれているかということを申し上げますと、災害復舊費として今年度豫算に九十五億を含んでおりますが、山林關係、砂防關係を全部合わせますと、九十五億のうち、合計して十三億九千八百萬圓、これだけが災害關係の費用になります。それから今度の追加豫算三十九億の中でいくらくらいの災害費を追加されているかと申しますと、この點を非常に重點的に考えまして、十八億「千六百萬圓というものが災害費の追加になるのでありますが、それでもつて全事業量が今年度初期に豫定いたしましたもののどれだけできるかと申しますると、一般公共事業面におきましては五六%しかできません。それから災害關係では七五%程度できる、それでも二五%というものは最初の年度當初の豫定よりも壓縮しなければならぬのでありますが、小さいわくの中でも災害復舊というものに七五%くらいの率になるように、實は重點を充てたつもりであります。
 これが現状でありますが、來年度豫算においてどういうふうにやるつもりかというと、私個人の見解をここで申し上げますならば、今年度の公共事業費九十五億というものの内容を檢討いたしまして、考えてみますと、農林省關係が三十億、それから厚生省方面、それから都市計畫、これは全國百十五都市を今戰災都市として都市計畫の範圍に充てておりますが、こういつたことや、また最近起りました六・三制の問題とか、終戰後非常に大きな問題が國策として立てられておるようでありまして、これらに非常な力を注がなければならぬ現状に今まであつたのでありますが、しかしそれらのことが、ただいまの日本の國家財政上の見地から、完全に政府の目標を遂行することができない現實が參つたように考えるのであります。從いまして、これらの、たとえば都市計畫とか、開墾關係とか、こういつた特に大きな金を食いますのにつきましては、それぞれの省に來年度は再檢討していただくように申し上げたわけであります。それで本年度もおいおい來年度の豫算編成期が迫つてまいりますので、それらの資料を勘案いたしまして、災害というものは御承知のごとく續々發生してくるし、なおかつこれが増加する傾向にあることは明らかだと思うのでありまして、これが防止及び事實かかつた災害地を復舊する二つの面から、相當の國費を割かなければならぬものではないかと考えておるのであります。多年にわたり濫伐され、そして山林が荒廢し、崩壞して、土砂が下流に流れて來まして川底が上つた。これらのことは、相當の永い時間をもつてこういう結果になつてきておりますので、これが囘復にもやはり相當の期間かかるに相違ないと思うのでありまして、相當の國力を割いて、これに重點をおいていくようにしなければならぬ、こういうふうに考えております。
#61
○淺利委員 ただいまの公共事業費のうち災害費が追加豫算に七五%あるということで、まことに心強い御説明でありますが、この中には住宅復興、つまり戰災都市の住宅復興というのが大部分であつて、水害等の災害復舊費はどの程度割かれるお見込みでしようか。すなわち公共費の災害復舊費は從來の豫算においては十三億、それから追加豫算においては十八億六千萬圓を災害復舊費に充てるというのですが、この災害復舊費といううちには、戰災地の復興費が大部分を占めるじやないか。そうすれば水害……。
#62
○高野政府委員 それは違つております。それは一般公共事業費の中に戰災都市復興とか、住宅建設とか、開墾とか、そういつたものと、災害復舊に充てるものと、二つにわけてみたのであります。だから、これにはありません。
#63
○淺利委員 そうすると、震災あるいは水害にあてる費用は……。
#64
○高野政府委員 今年の年度當初に計畫しました災害復舊それに充てているわけであります。
#65
○根本委員 先ほど平川總務局長から發表になりました融資の割當率の根據でありますが、ただ災害面積その他から決定された、あるいは各縣が要望された復舊費を中心としているか、その點の御説明を願いたい。
#66
○平川政府委員 これは各縣からの復舊費に關するものを根據にいたしました、ただ府縣等において單價などに著しい差があるものもありますので、これは多少調整いたしました。しかしながら大體の基礎は各縣からの要求數字を基礎にいたしました。
#67
○根本委員 そうするとこの割當の耕地、山林の復舊に關する割當と農機具その他農用資材の融資の比率が相當違つているが、これはどういう根據においてやつたのでありますか。
#68
○平川政府委員 農機具等については各縣の要求が遅れているところがありまして、實は生産用品の購入資金の方は非常に急速を要する關係で、土木の方はどうせ補助の對象になることの困難な性質でありますから、大體借主も農業會が主としてなるであろうということ、さらに中金から金融いたしているというように金融系統も違いますし、また非常に急を要するという點もあり、そのために一般の土木の方よりも先に決定いたしたのであります。その際にはまだ縣によつては精密な報告が來ていないところもありましたが、大體の被害率から推定いたして算定したのであります。ところが土木の方は大分遅れた關係で縣からやや詳細な報告がまいりました。それを根據としていたしました。從つて生産資材の方は資料が正確を缺いたとき先に決定した通りになつております。
#69
○根本委員 この融資は各縣とも相當要求いたしたが、それに對する割當が非常に少い。これで政府の説明によると融資よりも補助金を早くやるから一時のつなぎだと言つているが、先ほど大藏大臣その他の説明によると早急に全額國庫負據、どの程度までやるということが事務的に進んでいないように聞いたのであります。特に中金を中心とする融資は非常に即急の問題であります。しかも足りない。これに對して農林省は實際足りなければ第二次の融資をする準備があるかどうかお伺いいたします。
#70
○平川政府委員 この金額はあるいはこれで足りない縣も出てまいろうかと思いますが、そういう場合には、なお一部中金の方から融通いたすようにいたしたいということで話をいたしております。
#71
○岩澤政府委員 高倉委員から北海道の災害實情はどうかという御質問がありまして、その當時北海道からは、被害地區が旭川を中心として云々ということ以外はわからなかつたのでありますが、その後入手いたしました結果をこの席を借りて御報告申し上げます。大體八月二十日前後の北海道の風水害は全體として千十箇所、その金額は五億四千四十七萬圓であります。そのうち北海道は御承知の通り全額國費支辨と地方費支辨の二つにわかれておりますが、從來の例から申しますと、地方費支辨に對しては内地のものと違いまして、大體八割を國庫で負擔し、二割を北海道の地方費で支辨するということになつております。そういたしますと、今後この五億四千萬圓の災害に對して國庫がどれだけ負擔するかというと、大體四千九百九十五萬圓でありまして、四億九千九百五十三萬圓ばかりが國費負擔になるのであります。このたびの北海道の災害は最近にない非常な災害でありました關係上、東北と同じようにこの年度内にできるだけ主な所を復舊したいという北海道の申出もありますし、また安本の方にも交渉をいたしましたならば、この際ひとつ公共事業費の方で四千萬圓くらいは出そうというようなお話でありまして、これはコンクリートにはなつておりませんけれども、今せつかく交渉中であります。そうして二十二年度第四・四半期分として二千萬圓出してもらう。それから第三・四半期としては一億六千萬圓、第二・四半期で二千萬圓、要するに大體二十二年度の復舊費として二億圓を、北海道で消化してもらう。二億圓というと、總額は五億近いもので、非常に多いぢやないかというおしかりを受けるかもしれませんけれども、北海道は御存じの通り東北六縣に比べれば地域的に見ても相當廣く、また消化し得るだけの見込みもあり、また手もありますから、資材さえ十分補給できればこれだけの金は消化し得る見込みで概算を立てたような次第であります。
#72
○本間委員長 それでは本日はこれをもつて散會いたします。
   午後三時三十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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