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1948/10/14 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 議院運営委員会 第4号
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1948/10/14 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 議院運営委員会 第4号

#1
第003回国会 議院運営委員会 第4号
昭和二十三年十月十四日(木曜日)
    午前十一時五十六分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
      坪川 信三君    石田 博英君
      稻田 直道君    小澤佐重喜君
      工藤 鐵男君    高橋 英吉君
      益谷 秀次君   山口喜久一郎君
      赤松  勇君    佐々木更三君
      笹口  晃君    山下 榮二君
      吉川 兼光君    神山 榮一君
      中村 俊夫君    小島 徹三君
      椎熊 三郎君    石田 一松君
      平川 篤雄君    成重 光眞君
      田中 久雄君    中野 四郎君
      榊原  亨君    林  百郎君
 委員外の出席者
        議     長 松岡 駒吉君
        副  議  長 田中 萬逸君
        議     員 赤松 明勅君
        議     員 齋藤  晃君
        議     員 鈴木彌五郎君
        議     員 玉井 祐吉君
        議     員 中村 寅太君
        事 務 総 長 大池  眞君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 本日の本会議に関する件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 これより運営委員会を開きます。議長より御報告があります。
#3
○松岡議長 この際一言御報告を申し上げます。実は昨日議員山崎猛君より祕書課長に電話がありまして、議員を辞したい旨の申し出があつたわけであります。本來ならば自分が登院して辞表を出すべきであるが、今病床にあるので立居がままならぬ。それで事務総長とよく相談の上しかるべくおまとめを願いたい、こういう御依頼の電話があつたわけであります。そこで祕書課長が山崎さんのところに出かけてまいりまして、辞表を預かつてきたような次第であります。一應この辞表を読み上げます。
   辞職願
             私儀
 一身上の都合により辞職いたしたいと思いますから御許可願います。
  昭和二十三年十月十四日
     衆議院議員 山崎  猛
   衆議院議長松岡駒吉殿
 そこでこの取扱いでございますが、いかがいたしてよろしいか、議院運営の皆さんに御相談申し上げたいと思います。実は議員の辞任という問題につきましては、先例によりますと、議長から一應慰留をする、あるいはまたいろいろ御心境やら御事情等を伺うこともあるようであります。折も折とてこの辞表の扱いは愼重を期したいと存じますので、これを皆さんにおはかりする次第であります。
#4
○淺沼委員長 今議長から御報告のありました山崎さんの辞表に対する取扱いでありますが、現在のところこの問題は総理大臣の指名とも関連が深いので、本來議員の辞任という問題は院の許可をもつて認めるか、認めないかをきめることになつておるわけでありますが、議院で認めるか認めないかを決定する前に、一應運営委員会の態度をきめておきたいと思うのであります。そこで今議長からもお話がありましたように、山崎さんのところに出かけて行つて慰留をすることがよいかどうか、それに対するわれわれの方針の決定、次には議長がかりに行くようなことになつた後において、なおかつ山崎氏の意見もさらに明確になつた場合においてはその辞職願をいかように本会議において取扱うか、こういう段取りにいこうと思います。それではまず第一に議長からの申出についてそれぞれの御意見があれば承りたいと思います。
#5
○吉川(兼)委員 これは將來の前例になりますから、そこで將來議員が辞職願を出した場合に一々議長が面接して、中には訪問などして勧告していくことを希望するというようなことが惡例になることはよくわかります。しかし、それはおのずからやめる個人によつて、多少議長の取扱いに差異があつてしかるべきである。山崎さんのごときは前の衆議院議長であり、特に今日の政変の際に首班の候補者に推されているくらいな人である。こういう人が辞表を突如として出すということは、何かそういう首班指名問題に対する本人の格別の慮りがその間に藏せられているかのごとき疑惑を世間の人に與えもしますので、この際議長は進んで辞職の理由を十分にお確かめになり、その上において議長の裁量のもとに辞職を思いとまらすようにされてけつこうだと思います。
#6
○山口(喜)委員 民主自由党としては、わが党の幹事長の重責にある人で、まだわれわれの定例役員会も開かれていないような次第で、事はきわめて重大でありますから、一應党に帰つて役員会なり、あるいは代議士会等にはかりまして、何分の民主自由党の意思を表明したい、かように考えますので、この委員会は暫時休憩されて、われわれの方の意思が決定次第、さらに議院運営委員会を開かれたいと考えます。
#7
○吉川(兼)委員 今私が発言したあとでありますが、日本社会党の立場として、多少先刻の発言を補正する必要がありますので申し上げます。民自党の方でも一旦党に帰つて相談されると言いますし、われわれもここへ今突如として來たのでありますから、私としての意見を述べましたけれども、民自党が党に帰つて御相談される時間がこの際ありますれば、社会党としてももう一度帰つて党議にはかりまして、党の正式代表の意見をきめたいと思いますから、私の先刻申し上げたことは一應取消します。
#8
○赤松明勅君 議長にお質しておきたいのだが、芦田内閣のおやめになつたその後の時局收拾の斡旋は、議長がいわば音頭をとるというようなかつこうで五党首会談を開かれたはずである。その五党首会談を開かれた結果は、この運営委員会が懇談会の形式で諮問を受けたはずであり、それを了承したはずである。しかもそのときにおいて芦田さんが、言葉のあやはともかくとして、民自党の総裁である吉田さんに対して御依頼するという言葉を述べておられる。先ほど議長の方の党から正式に申入れをしたのですが、その間の問題は各党間の問題であるからということで、昨日も発表できなかつたようですから、この問題はいわないけれども、もし発表するのならば……。
#9
○淺沼委員長 今問題になつておるのは、山崎君の辞職願の取扱いをどうするかということが議題になつておるのでありまして、まずこれに限つて御議論願いたい。
#10
○林(百)委員 これは前例にもなりますし、辞職願の出た議員に対して、議長みずからが思いとどまるように勧告をされる行動に出るということは、われわれの経験としては初めてなんです。そこで衆議院規則その他いろいろ見ますと、やはり議長が一應その辞表を議院にはかつて、その中の文字などにもし議院の権威を傷つけるようなことがあれば、それを修正させるというような権能はありますが、議長が議院を代表して、その議員に辞職を思いとまらせるというところまで行くことは、先ほど他の委員も言つたように少し行き過ぎであると思う。やはり党内の事情であるから、民自党の諸君にできるだけ努力してもらつて、できるならば民自党内でその問題を解決してもらいたい。
#11
○赤松(勇)委員 民自党の希望もありますので、この問題は重要でありますから、一應党へ帰つて相談して、その上でこの委員会を開いていただきたいと思います。
#12
○高橋(英)委員 先ほどから前例々々というお話でありますが、ここでこの問題がどのように決定しても、必ずしも前例にはならない。運営委員会は特殊な事情に基いて、現実を判断して議長が留任勧告に行くべきかどうかをやるのだから、將來また同樣なことが起つたらこれが先例になるかもわからないが、將來起るのはやはり特殊な事情だから必ずしもそういうことが先例にもならないと思います。
#13
○淺沼委員長 どうでしようか、そこまで議論を進めないで、今民自党及び社会党の方から暫時休憩して相談をしたいという動議が出ておりますし、問題は非常に重大でありますから、暫時休憩して、それぞれの党派で御協議願い、また御通知申し上げましたらそのときにお寄り願うということでよろしゆうございますか。
#14
○淺沼委員長 それではさよう決定いたします。
 暫時休憩します。
    午後零時十一分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後二時三十一分開議
#15
○淺沼委員長 それでは休憩前に引続き会議を開きます。
 山崎君の辞職願の件の取扱いについてお諮りをいたします。
#16
○椎熊委員 先ほどの委員会におきまして、私は議長から重大なる報告を受けまして非常に驚きました。ただいま御休憩を願つて党に帰つて、それぞれの機関を通じてこの問題を相談いたしました。わが党といたしましては、この問題はひとり山崎君個人の問題ではなく、國会議員たるの職責を全うする上において重大なる一つの案件である。しかも目下の政局に最も重大視せられている首班の選挙に支障を來すがごときおそれある行為が、この山崎君の辞職の問題にからんでおるのではないかという疑いが、各般の状況から察せられますので、この問題の取扱いにつきましては、特に愼重を期し、この辞表を提出するまでに至りました動機、原因等については、國民が納得するがごとくこれを鮮明しておかなければならぬ。そのためには、運営委員会自体においてでもよし、また他に適当なる機関を設けることもよし、それはこの会議の御相談にお任せいたしますが、これはゆるがせにすべき問題ではないということに私どもの考えがまとまつておりますので、さよう御承知を願いたい。
#17
○山口(喜)委員 ただいま椎熊君から、何か山崎君の辞表に対して、調査すべしというお話がありましたが、先ほど休憩前のお話は、議長が前例によつて慰留に参るが、それについていかようにすべきかが先ほどの議題の続きであつたと思うのでありまして、われわれは党議によつて、議長が前例によつて慰留に行かれることには賛意を表するものであります。しかるにただいま民主党の方から、これがいわゆる首班選挙に対して、何か重大な支障を來すがごとき事柄を中心として辞表が提出されたのではないかというお話がありましたが、かくのごとき問題は、むしろ、卒直に申し上げますと、人の死せんとするやその声やよしでありまして、実に山崎氏はきれいな氣分で、特別のあの人の心境において辞表を提出せられたのであつて、この辞表の提出されたことについて、かれこれ今日詮議立てすべき性質のものではない。むしろかくのごときことはよろしく後世史家の批判にまつべきものであつて、この辞表の提出について調査等をやりますと、すべての議案に先だつてとまで明記せられておるところの首班の選挙に支障を來すのであります。かような意味において、わが党といたしましては、先ほど議題になりました議長が一應儀礼を盡して慰留に参られるということには賛意を表する次第でありまして、これがために特別の調査機関を設けるというようなことは避くべきである。いわんやこの議院運営委員会において、今日この首班の選挙を急いでおる際に調査をするということは、最も避くべきことではないかと考える次第であります。
#18
○椎熊委員 私は先刻事務総長の御意見を伺つておりますが、辞表が出た以上、本会議においてこれを決定しなければなりません。そうしてこの問題は指名選挙の先にやるのだという事務総長の御見解に私は同意しておる。そうすると、首班の選挙はもとより一日もゆるがせにすることのできない問題であるが、それに先んじてどうしてもこの問題を取上げなければならぬ。そして、これは論議を盡さずして可否を決定するということに相なりましようが、それでは本日この突発した問題を決するのに、私どもははなはだ重大なる疑義をもつ。たとえばここに一例を申し上げますと、昨日民主自由党の副幹事長の廣川君が新聞記者諸君に談話を発表しております。しかもこれはぜひ新聞に書いてくれという言葉さえあつて、多数の新聞記者諸君に発表しております。その談話は本日の読賣新聞に掲載されておりますが、それによると、山崎首班が民主党の議員総会で決定を見た場合は、当然議員を辞職すべきである。こういう意見を党の中枢機関たる副幹事長が公然と述べておるということ、そしてその後これらの人人は山崎邸を訪問しておるという事実等を思い合せて、山崎君の辞表が今山口君が言われたような明朗なる心境をもつて、自然の考えでこの辞表が出たとは断じて私どもは信じられません。何らか山崎君以外の外部的圧力、あるいは外部的の関係があつて、本人の意思にあらざるにかかわらずやめたのではないかという疑いをもつておるのであります。私どもは、今山口君の言われたように、そうではなくて、山崎さんのほんとうの明朗な心事をもつて出されたということならば、本人のためにも議会のためにも喜ぶのでありますが、事態はかくのごとき明瞭なる事実が傍証的にあがつておる以上は、私どもはその事実を究明しなければ、山崎さんの辞表を認めることはできないのであります。
#19
○山口(喜)委員 ただいま御指摘の点について、もとよりわが党の代議士会においても相当論及された次第であります。これに対して党の廣川副幹事長から、実は昨日民主党の代議士会において、ほとんど挙党一致的にわが党の山崎幹事長を次期首班に推すというような空氣がわが党の本部に傳えられたときに、廣川君が、これはしまつた、こういうことになつたならば山崎君は自殺ものだ、おそらく彼はこの民主党の決定とわが党の決定との板ばさみになつて、議員をも辞するであろうということを物語つたのが、たまたまそういうふうな強い表現によつて新聞に発表せられた。こういう弁明をしておりました。われわれはこの廣川副幹事長の代議士会における弁明を信じておるような次第でありまして、その点はひとつ椎熊君の方においても釈然としていただきたい。
#20
○椎熊委員 この問題は特に山口君からの発言でありますから愼重に聽いておる。あなたは私の崇拜しておる先輩であつて、特に山崎君との今度の関係については、民主自由党内で一番よく関係を存じておる人にもかかわらず、この席上においてそういう言辞をなされることは、ふだんのあなたとは解しかねる。私どもはこの問題に対しましては愼重に調査をしておりまして、今あなたが廣川氏のこの発表を弁解がましく申されましたが、それでもあなたの言われた通りであるならば、またこれも議員として喜ぶべきことであるから、眞相を究明するということだけは断じてしていただかないと、私はこのまま辞職を認めることはできない。
#21
○高橋(英)委員 椎熊君の話を聽いていると、山崎さんは何か脅迫や強要で辞意を決したというふうにお疑いになつておるのですか。
#22
○椎熊委員 そうです。
#23
○高橋(英)委員 それでははつきり脅迫とか強要というふうにお考えになつておるのですね。
#24
○椎熊委員 調査しなければわかりません。
#25
○小澤(佐)委員 大体この際は山崎君の辞職の慰留ということが議題になつておるのであつて、辞職を許可するかどうかという点まではまだ入つていないと思う。まず慰留ということによつてあるいは飜意することがあるかもしれないのであつて、その問題をきめて、どうしても慰留する必要がないというならば、椎熊君の論議に入ることもけつこうです。現段階におきましては、まず先刻休憩前に議題になりました慰留をすることが適当なりやいなやという諮問に対して論議をし、これに答申をして、その次の段階に入つていただきたい。
#26
○椎熊委員 先ほど議長の発言の中には、この問題に対しては眞相をもきわめたいというお言葉があつた。そして眞相をきわめ、なおかつ慰留をするということはどうかというお話であつた。眞相をきわめることが議長の発言の最初なんであります。ですから、この眞相をきわめずしては、問題の解決にはならない。
#27
○小澤(佐)委員 今椎熊君が言う通り、議長がもしその眞相を調査してというような話でありますならば、どういう眞相であるか、すなわち辞表を出したということが眞相か、また椎熊君の言うように、出した動機の眞相をつかむのか。まず議長からその点をはつきりと述べてもらいたい。
#28
○松岡議長 先ほど報告したような経過によりまして、私の手元に辞表が出ておるのでありまして、いやしくも職を衆議院に奉じ、間違いのあるべきはずはない、私は事務総長の扱い。並びに祕書課長の扱いをもとより信用しております。しかしながら、これは前議長である山崎さんの問題で、それを信用しておるからといつて、そのままでこれを受けるということはどうかと実は考えたのであります。けれども、拒否すべき事由がないから一應受けたものの、間違いがあるかどうかを確かめることが一つ。私は疑うというのではありませんが、今朝の新聞でたまたま見まして、これはほんとうかなと思う懸念もありましたので、私はその眞相を、何も調査するとかいうのではないけれども、たまたまそういう意味で言つたので、山崎さんから自発的にそういうことをお言いになるようなことがあるならば重大なことでありますから、私は皆さんに向つて報告しなければならぬことになるかもしれません。しかし私はそれだからといつて、それを調査のためにという意味ではありません。
#29
○小澤(佐)委員 そうすると、議長の眞相調査ということは、辞表が本人の意思に基いて出たものかどうかということが主であつて、それ以外の辞表を出す動機がどうであつたかというような問題じやないというのですね。
#30
○松岡議長 そうです。
#31
○小澤(佐)委員 その点なら私も了承いたします。
#32
○榊原(亨)委員 さきほどの運営委員会においては、二つの方法についてお話があつたと存じます。一つは議長が慰留に行かれるかどうかということについての可否、その次は、調査といつてはおかしいですが、内容の眞相につきまして察知したいというお話があつたと私は存ずるのであります。初めの方の慰留につきましては、先例がございますれば慰留をしていただいてけつこうだと私は思います。
 第二の点につきましては、突如として、この重大なる時期に際して山崎さんが辞表をお出しになつたということについては、先ほど椎熊さんがたびたびおつしやるように、今朝の新聞記事を見ましても、私どもといたしましても、奇怪至極と存じておる。この点については一應のお話合いを山崎さんとなさつた上で、なお私どもには相当の疑義がございますので、この疑義についてはなお十分鮮明いたしたいと存じますが、一應御調査願つた上であらためて態度を決定したい。
#33
○石田(一)委員 私たちは、先ほど民主自由党の小澤君のおつしやるように、議長の先ほどの諮問は、議長が山崎さん自身の辞表に対して、正式に議長として慰留に行つていいかどうかということを諮問されたと了解しております。その点に関して私たちは党議をまとめてまいりました。議長が正規の國会の運営委員会に諮つて衆議院の代表として一議員の辞表の問題について議長の職権をもつて慰留にいらつしやるということには同意できません。但し個人としていらつしやるならば、これは私たちとしては何ら異存はございません。
#34
○成重委員 本日の最初の運営委員会における二つの諮問の件については、わが党といたしましては、大体それは、いろいろ見解もございましようけれども、議長があるいは個人として行かれようが、議長として行かれようが、山崎幹事長が辞表を提出しなければならぬという立場に立ち至つたことは、個人に対しては私どもは同情しております。從つて第一の点については私どもとしては慰留に行つていただきたいと思います。
 それから第二の点については、眞相なり、また事情なりを究明して國民に明らかにすべしという民主党の御意見もごもつともだと思いますが、もしこれを仰せの通りに究明いたしますならば、山崎幹事長の辞表を提出しなければならないように立ち至つた動機というものは、きわめて私どもは明白だと考えております。それはいわゆる民自党に今回のイニシアチーブをお願いいたしまして、そうして吉田さんを指名するということは國民一般の見ておつたところだと考えております。にもかかわらず、主として民主党の方々が山崎さんを指名しようというようなことを起されたことが、山崎さんが辞表を出さなければならぬことになつた原因であると私どもは考えておる。そうすると、その原因、動機を究明いたしますと、むしろ私どもは民主党の方に責任があるのじやないか、こう想像いたします。私の想像が間違いかもしれませんが、もしそれが間違いであるとおつしやるならば、私はその間違いでない事実を申し上げなければならぬが、われわれの党に対して、民主党総裁の芦田さんが昨晩から今朝にかけて申されたことを、私どもはこの席で申すことを遠慮したいと思います。しかし申せと言うなら申します。私はその点から観察いたしますと、この眞相を究明するならば、その責任はおそらく民主党の諸君にあるということをこの席で申し上げたいと思います。
#35
○椎熊委員 この責任はどこにあるかということは、眞相をきわめずしては言われないことだ。あなたはどういう根拠でそういうことを言つておるかわからぬが、眞相をきわめずして責任はどつちにあるかということははなはだ失礼千万である。
#36
○笹口委員 社会党のこの問題に対する見解を申し上げます。今各党の御意見を伺いましたが、わが社会党としては、議長が院の代表として慰留の訪問をされるということは、旧議会当時の慣習にはあつたかもしれませんが、今後はおやりにならない方がいいじやないか。しかし辞表が実質のものではない、あるいはその眞意かどうかというような程度を確かめるためには、各派の代表の方がおいでになつてそれを確かめて行く、かような程度のことは私どもも賛成をいたしますが、それ以上のことは必要ないじやないか、こういう見解であります。
#37
○中野(四)委員 山崎議員の辞表の問題は、椎熊君あるいは他の方々から言われておるように、その眞相をきわめなければわからぬ問題でありますが、よつて來る原因は、今社会革新党の方が言われたように、政党政治運営の上において、一党にイニシアチーブをとらせたからには、その一党の党首に指名投票をするかしないかでで、すべては解決すると思う。しかるにかかわらず、その党首をさしおいて他の者を党議によつて決定するということ自体が政党政治の否定の根源だ。從つてこういう突発した一議員の辞職の問題は議題とせず、むしろ憲法第六十七條のすべての案件に先だつて首班指名を行うということを議題にして、それを決行した後において、この山崎議員の眞相を究明するなり、あるいは調査をするという段階に入られることが、この議院運営委員会のとるべき正しい道だと私は信じておる。まず第一に憲法に制定されたこの順序によつて行うことがよろしいと思う。
#38
○林(百)委員 その辞表の取扱いの問題についてでありますが、ただいま中野委員から、憲法六十七條に基いて、他のすべての案件に先だつて行うのは首班の指名である、だから首班の指名をまず先にすべきであつて、山崎議員の辞任の問題は次に扱うべきだというのですが、もう一つの解釈としては、山崎議員の辞任ということは、國会構成そのものの問題であるから、やはり構成の問題に関しての案件をまずやるべきであつて、この問題を解決してから首班の問題に移るべきであるというような解釈もある。その点についての事務当局の御意見を伺いたいと思います。
 それからもう一つは、議長が動かれるということは、衆議院規則に命ぜられておる議員の辞表が出た場合の取扱いをする前提としてなさるのだと思いますが、その衆議院規則に命じてある辞表の取扱いの規定と議長の動かれる行動とはどういう関係になるか。この二つをお聽きしたい。
#39
○大池事務総長 憲法には内閣総理大臣の指名はすべての案件に先だつてこれをやれというのが六十七條にございます。議員から辞職の申出がありましても、そういう案件よりも先にこの指名をやれと憲法に書いてあるのだからやれ、こういう御議論ももちろん立ち得ると思いますが、私ども何も政治的感覚でなしに、事務的に考えまして、総理大臣というものは國会の議決で議員の中から指名をしろということになつておりますので、議員でなければ総理大臣にはなり得ない、指名を受けることができない建前になつております。從つて議員中総理大臣の指名というものが問題になつておりまして、その指名前にやめたいという申出がありますれば、これは総理大臣の指名よりも先決的な構成分子の異動としてやつて何らさしつかえないじやないかと考えておるだけでありまして、その説のいずれがいいかということは、私ども法律上の解釈権をもつておりませんので、議院運営委員会でいずれをとるかということをおきめ願いたい。
 それから、辞表が出ました場合に議長が慰留勧告に行くことはどうかというお話でありますが、その点は、新國会になつてからはそういう事例ははつきりしていませんが、從來は、一應議員の辞職の申出がありましたときには、議長は、儀礼的でありますが、とりあえず留任勧告をするというのが大多数の例でありまして、但しその辞表を出されました事情いかんによつて、そういう必要はないと認められた場合においては、慰留を勧告していない事例もたくさんございます。今回の場合は、議長としては從來も先例があつたことであるから慰留をしてはどうかということを実は御諮問になつたことと思います。
#40
○淺沼委員長 問題はこういうことになるのじやないですか。先ほど本委員会を開いて休憩になつた問題としては、議長の方から、一應の眞相を確かめながら慰留したい、それについて議院運営委員会はいかように考えるかということで、それならば一應党に帰つてはかつてみよう。それでお別れして、さらにそのことからいろいろな議論が出て來ているのですが、その結果いろいろ議論を伺つていると、今までは議長が一應慰留することが慣例になつておる、だから慰留すべきであるという意見と、もう一つは、前のときには慰留するといつても、こういう諮問機関が正規の院内の会議でなくて、各派交渉会といつたような非公式なものであつたけれども、かくのごとく公式な議院運営委員会にかかつて、議長が行動するということになれば、議長の行動はただちに本会議に対する当委員会の責任ということになつて來るから、そういうことも考え合せて、一体議長が行くことがいいか惡いかという二つの説が出ていると思う。さらにそれに関連して、衆議院規則百八十七條に基いて、本会議にこれがかけられた場合には、許否を決定しなければならぬ。許否は否決の意味も含まれているから、從つて一應眞相を調査して自分たちが許否を決定する資料をつくらなければならぬ。こういう意見が出ている。もう一つの意見としては、國会構成の一要素であるから、まず辞職問題を解決すべきである。しかしすべての案件に先だつて総理大臣の指名議決を行わなければならぬから、まずこれを行うべきであるという意見が述べられているのが現実だと思う。それで、まず第一に議長が慰留に行かれることがいいか惡いかということを最初にきめていきたいと思うのです。
#41
○成重委員 私はもう一度事務当局にお尋ねしますが、憲法六十七條と國会法の百七條とは、これは大体われわれとしては憲法六十七條をまず持つていけばいいのじやないか。そして派生的に起つた國会法百七條の議員の辞職の件は、六十七條を私どもは守るべきが妥当と考える。それならば山崎さんの辞職の問題は別に指名の件とは関係なしにやるべきであると私どもは解釈している。
#42
○淺沼委員長 取扱いについては、現実は、辞職願が出ているのであるから、本会議場においていつ取扱うかについては、おのずから議論をあとに残して、今の問題では、議長が行くことが妥当であるかどうかということが一應議題となつておる。議長も、前衆議院議長であるゆえをもつて、儀礼的にも行かなければならぬ、こういうことも言われておるのでありますから、まずそれを取上げます。
#43
○中野(四)委員 その前例というのを一應示していただきたい。かつて戰爭中に蝋山政道さんが翼賛議会にとうてい耐えられないというので辞表を提出した例があります。当時議長の慰留がたしかあつたと思います。また院議か何かしらぬが交渉会で慰留の例がありました。ところが当時蝋山さんの言われるには、私の記憶する限りでは、いやしくも國民の代表たる者が議会の行動において一旦その辞意を表明した限りは、いたずらにこれを弄すべき行動に出るべきではない。あるいは議長なりいろいろな機関から慰留のお言葉があろうといえども、私は断じてこれを撤回するものではない。そういうことによつて蝋山さんはたしかやめられたように記憶している。当時それが非常に大きな問題になつて、戰爭中ですから蝋山さんは政治的大きなプラスを得たと思つておりますが、ただ私は当時その記憶がありますから申し上げるのだが、そのほかの議員はおのおの事由が付されております。今日の山崎さんの辞表を出した一身上の都合も、蝋山さんの一身上の都合と文書は同じであろうと思う。從つて当時の慰留に行かれた前例をひとつ示していただきたい。
#44
○大池事務総長 衆議院の先例彙纂の八十八頁第五節の辞職、退職及び除名という節がありまして、その百十一條に、一應原則といたしまして「議員辞表を提出したるときは議長より留職の勧告をなすを例とす、但し特別の事情ある場合はこの限りにあらず」こう書いてございまして、いわゆる特別の事情とは何であるかということは、その都度議長において御認定になつたことと思いますが、辞職の申出に対して慰留をせずに、そのまますぐ取扱いました例としては、ここに十数件残つております。それ以外は口頭または書面をもつて留職勧告をいたしております。
#45
○中野(四)委員 私の伺うのは、先例集によらず、むしろ新しい國会を構成する上においても重要な問題になりましようが、今言われた十数件の内容の中に、特にこれに類似しておるような問題があるように私は記憶いたしますから、それを具体的に示していただきたい。
#46
○淺沼委員長 先例その他いろいろ調査しても、それはそれとして御報告願うことにして、議長が慰留に行かれることがいいか惡いかということは、各派の申合せによつて議長が行動されることについては、その行動は本会議に対して議長は責任を持ちません。しかし当委員会の決定によつて議長が行動することになれば、議長の行動は当委員会が責任を持たなければなりませんし、さらに当委員会は本会議に責任を持たなければならぬことになりますので、從つてその取扱いをどうするかということをきめていただきたい。
#47
○石田(一)委員 この点について先ほど私は申しましたが、成規の衆議院の委員会である議院運営委員会に、議長が慰留に行つていいか惡いかということを諮問して、議長の資格において衆議院を代表して慰留に行くということは、今後に惡例を残すおそれがあるから、わが党は、いかぬ。但し個人として、議長個人の考え方で慰留にいらつしやることについては、われわれは何ら異存はない。こういうのであります。
#48
○中野(四)委員 原則的には石田君のお言葉の通りである。從つて、あなたが先ほど言われた通り、議院運営委員会でこのことを議することが相当疑問だと思う。各派交渉会においてお互いに話合いの上において議長が適当なる処置をとられるということなら別として、議院運営委員会として議長を派遣するが是か非かということを論議すること自体がおかしいと思う。そこで、今の先例集によるものを示していただいて、もとより旧議会時分には運営委員会がありませんでしたけれども、当時のことも私は一應聽いておく必要があると考えて伺つたわけであります。
#49
○淺沼委員長 一つずつ問題を解決して行きたいと思います。まず第一には、議長から先ほど諮問のありました、当委員会の議を経て議長が慰留に行くということについては、これは將來先例を残すことになるから、当委員会としてはやらない。しかし議長が議長の責任において独自的行動をされることについては当委員会は束縛することはない。こういうことでよろしゆうございますか。
#50
○淺沼委員長 さよう決定いたします。
#51
○松岡議長 その決定した際に一應はつきりしておきたいと思います。これは、皆さんの同意を得て正式な意味において行くということではなくなりました。しかし私はこの機会に申し上げておきたいことは、先ほど椎熊君の御提案に関連して、先刻の私の言葉が、調査ということが相当強く表現されましたけれども、私は調査ということを特別に強く感じておるのではないのでありまして、ただ行つたついでにいろいろな事情を知ることができるならばそれもけつこうだと思つておるような軽い意味なのであります。何分にも前議長である人の辞表を簡單に扱いたくないという氣持と、聞けば前例もあるということですから、一應おはかりしたようなわけであつたのであります。個人としてよろしいという御了解ができましたから、このことがきまれば、早くそういう手続をとらなければ、今から後のことにも関連してまいりますから、皆さんの御意向もよくわかりましたので、早く行つて早く帰つて來るようにしたいと思います。
#52
○淺沼委員長 そこで、まず先決していただきたいと思いますことは、要するに、衆議院規則百八十七條に基いて、討論を用いないで議院に諮つてその許否を決することになつております。その許否を決するについては、辞表の内容について、どういう事情で出されたのかそれを知りたい、それがために調査が必要であるという動議が出ておるわけであります。これは椎熊君からも林君からも出ておるわけでして、これをどういうぐあいに扱いましようか。
#53
○中野(四)委員 今のことに関連して、私は、幸い皆樣方の御同意を願えるならば、また事情が許されるならば、山崎さんにここへおいでを願つてその事情をつぶさにしていただいたならば明確になつて、その許否を決する上においてきわめていいではないかと思うのです。これは、あくまで、皆さん方の御同意を得られることと、それから病氣で出られるか出られないかという事情もありましようから、これが許されるということが前提であります。この問題がもし入れられるならば、山崎さんにここに御出席を願つて、辞表を提出した理由を明確にしていただく方が私はむしろ明らかでいいと思う。
#54
○高橋(英)委員 椎熊君から先ほど脅迫強要の疑いがあるというようなお話がありましたが、これは要するに廣川君の新聞記事を基礎にして言われるのであつて、民主自由党が強要脅迫したというふうな発言をせられたことは、公党の面目として憤慨にたえない。殊に山崎さんは御承知のように千軍万馬の老政治家なんですから、こういうような問題で自分の意思を曲げて脅迫強要によつて辞表を出されるような人であるとは、絶対に信ぜられないことは言うまでもないだろうと思います。そういう点において、調査するなどということだつたら、私どもは断じて反対するものです。ただ、一身上の都合というようなことに書かれておりますから、そういう意味で、もつと詳しくこの事情を聽くというのなら、今の議長が行かれたことによつて十分その間の事情は聽いてこられるだろうと思いますから、わざわざ病体の山崎氏をこの席へ呼ぶ必要はないと思います。
#55
○椎熊委員 私は、中野君や民主自由党の委員の方々が、ともすればこの重大問題の眞相を究明することに消極的な態度をとられることは遺憾だと思う。中野君は常に不当財産取引の委員会等においても、議員の品位であるとか審議権であるとかには、命がけで鬪つておる私の古い友人である。そのあなたが、この國会議員の一人として、今一人のわれわれの同僚がこの議会からなくなるかどうかという重大な問題に際して、かくのごとき具体的疑問があるにもかかわらず――なお私どもは党内におきましては幾多の材料を持つておるのです。それはこの席が不適当であるから申しません。何らかの機会があればそういうことを鮮明して事態を明確にしておきたいというのが私どもの考え方である。それを、ともすれば、これは必要がないとか、前例がどうだとか、消極的な態度をとられることは、中野君の言動としては私は了解に苦しむ。
#56
○中野(四)委員 ぼくは積極的に発言しておる。消極的な態度とは詭弁もはなはだしい。許されるならばここへ出してもらつて解明してもらいたいと言つておるので、このくらい積極的に出ておるのに、消極的と言われるのはもつてのほかだと思う。
#57
○淺沼委員長 そこで問題は、大体調査を行うべしということが皆さんの大多数の意見なら――これについては、今高橋君から反対の意思表示もなされておりますけれども、これが必要だという結果になれば、そのやり方については、本人に來ていただくか、あるいは代表を出していただくか。ただ、こういうような人の一身上に関する問題でありますから、多数決で行くというのもいかがかと思います。しかしやむを得ざる場合には多数決で行動していく以外に当委員会としては方法はないと思います。從つて、まず第一に調査を行うべきであるかどうか。この点については、高橋君から、議長がお帰りになつてから話を伺えばいいということでしたが、しかしわれわれは議長を正式に送つたわけじやありませんから、議長から伺つても非公式のお答えを得るということになるので、やはり公式的には当委員会でやるかやらないかということが前提になりますから、それをひとつおはかりいたします。
#58
○石田(一)委員 この運営委員会で、議員が辞表を提出した、その眞相は何かというようなことを究明したり、あるいはそれをここで証人として呼び出したり、そうした権限がこの運営委員会にあるのか。少くとも本会議においてさえ、この議員の辞職については討論を用いないでやれというほどの建前に立つておる。もちろん私は椎熊君の言には一應理由があると思いますが、この運営委員会で追究したり、あるいは特別の委員会をつくつたりする先例を残すことが、はたしていいのか。今後一人々々の議員の辞職についてはずいぶん問題が起きてくる。これは実に重大な問題である。
#59
○淺沼委員長 それは調査すべからずというのですね。
#60
○石田(一)委員 ええ。
#61
○高橋(英)委員 それは権能がないからというのだ。
#62
○淺沼委員長 権能の問題についてはいろいろある。それからきめていかなければならぬのですが、これは私の見解を申し上げるよりも、皆さんの方でそのことをきめていただきたいと思うのですが、まず権能があるかないかということはこの会自体できめていただきたい。
#63
○椎熊委員 運営委員会がそういうことを取扱つていいかどうかということは、取扱つていいにきまつている。これは本会議で論議されずに許否を決定するのですから、その前に全員が了解するような事実が究明されておらなければ、これでやる以外はない。前例としては原君のときやつております。
#64
○林(百)委員 先ほどから調査とか究明とかいう言葉があるから、強く響くかもしれませんが、われわれのごとく全然事情のわからない者は、衆議院規則百八十七條に基いて許否権を行使するにしても、事情がわからなければ投票のしようがない。だから、われわれが一票を行使するに誤りなからしめるために、一應ここで、本人なり、あるいはどういう形でもいい。一身上の都合ということの内容がどういうことかということがわかつたらわからせて、われわれの一票を正当に行使したいと思うのです。
#65
○石田(一)委員 それでは、今後辞表が出されたときには、一々その内容を調査するのか。
#66
○笹口委員 調査とか究明とかいうことでなく、眞意を確かしめるという程度で、各党の代表なり、あるいはこの中から小委員を選ぶなりして、來ていただくか、あるいは行くか、どちらかにしてやつたらどうか。
#67
○椎熊委員 御本人は病中だそうですから、ここへ來てもらうこともたいへん御迷惑でしようから、この中から小委員でも選んで行つていただいたらどうでしようか。
#68
○淺沼委員長 どうでしようか、調査を行うべしという意見がありましたから、それを取上げてお話をしたのですが、しかし調査といつても角が立つから、いろいろな実情を聽くという意味で、しかも、御病氣のように承つておりますから、ここへお呼び出しすることも困難だと思います。もしそれでよければ、小委員でも選んで、どういう事情だつたか眞相を確かしめるという意味で、当委員会から各派の代表の人が行つて会うような形はどうでありましようか。しかしその必要がないというのがまた小澤君なんかの意見ですが、どうですか。
#69
○小澤(佐)委員 大体私は、正式に運営委員会から小委員を設けてどうこうというようなことは、あまりいい先例ではないと思うのです。だから、社会党の諸君の発言もけつこうであるが、そういうものは、正式の委員じやなくして、懇談会あたりできめて行つてくれということならいいけれども、運営委員会で小委員を設けて行けば、調査と言わなくても調査という形になる。だから、そういう意味で私は、懇談会の席上で、社会党からあなた行つてくれ、民主党からあなた行つてくれというような軽い意味で行かれるならば賛成であるけれども、正式に運営委員会で小委員を選任してやるということは反対です。
#70
○椎熊委員 私どもの方は、この問題はそうあなた方のように簡單に考えておらないので、実は特別な査問委員会のようなものでも開いて、議員の身辺を守りたいというのが念願なのです。從つて、話がここまで行つたのですから、人の身辺に対する問題を取上げるのに懇談でやるということはいけない。やはり正式に小委員をつくるならつくるということを御決定の上で行動してもらいたい。
#71
○赤松明勅君 議長が慰留に行くことをこの委員会で公式に認めるということに問題がある。いわんやこの委員会が小委員をあげて行くということは、殊に前議長でもあり、どうかと思う。もし行く必要があるとすれば、議院運営委員会の小委員会という形でなくて、各派の有志が慰留に行くという形で行つた方がいいじやないか。
#72
○淺沼委員長 そういうような私的な議論でしたら委員会を閉じてやつていただきたい。
#73
○小澤(佐)委員 懇談会を開いてということは、正式な委員会では反対という意味ですよ。
#74
○中野(四)委員 先ほどの椎熊君のお言葉では、この事態を重視して査問委員会までつくつてもやりたいというような御意向なんだから、もしそれほどの重要性を帶びた材料なりあるいは疑義があるならば、この機会に椎熊君の方から発表して、こういう理由に基いてわれわれは調査したいというふうに具体的に出られたらどうですか。材料はあるけれどもこれはここで言うべきじやないというような行き方でなく、材料を遠慮なく提供されたらどうですか。
#75
○淺沼委員長 ちよつと速記を止めて……。
#76
○成重委員 私は二つのことを提議する。その一つは、議長は、この委員会の決議ではないけれども、非公式に慰留に行つたのだから、ことによると山崎さんも飜意して辞表を撤回するかもしれぬ。だから、一應議長が帰つて來るのを待つて、やるかやらぬかをはかつた方がいいじやないか。
#77
○淺沼委員長 それではもう一つ。これで総理大臣の指名議決が遅れるようなことがあつてはなりませんから、いかなる結果が出ても、一体そういう案件は先に行うか、あるいはあとで行うかということの御決定を願つておきたい。それをひとつ議題にいたします。
#78
○中野(四)委員 先ほど、國会構成の上における一議員の辞表の問題について、総長から答弁がありましたが、私は、國会構成の上において、一議員の辞表の許否を先議するよりも、あくまで新しい憲法の精神に則り、同時に新しい憲法の條章に從つて、すべての案件に先だつて首班指名を行うということを先議にして、指名の後に一議員の辞職について許否を決するがよろしいと思う。
#79
○中村(俊)委員 私の見解は、この案件という言葉は、議会の働きの方面の言葉であつて、議会の体制を整えるという問題は案件にならない。從つて議員の辞員の問題を決するのが先だと思います。
#80
○石田(一)委員 ただいまの民主党の方の御意見通り、私たちも、これは議会を構成するメンバーの数に関係する問題であります。指名をする投票の数に関係する問題であります。たとえばこの指名の結果が同数になるかもしれぬ。そのときの議員の一人の問題であります。重大であります。この問題は先議すべきであると思います。
#81
○成重委員 今民主党と國協党から御発言になつておるが、議院の構成を完了してから、六十七條のすべての案件に先だつてやるべきだという御意見であるが、それならば、今欠員になつておるものも補欠選挙をやり、ひつぱられておる者も釈放してもらつて、四百六十六人そろえてやらなければならぬということになる。
#82
○石田(一)委員 それは選挙法で二人欠員がなければ補欠選挙はできない。
#83
○成重委員 私は結論を言うておきますが、六十七條を先にやるべきだということを言つておきます。
#84
○淺沼委員長 今成重君から話があつたように、議長も先ほど慰留に行かれて、案外また山崎君もやめないで済むかもしれぬから、問題を延ばしておいてはどうか。ただ問題になることは、可否同数というようなことになつたときに一票がどうなるかということが一つと、もう一つは、一番重大に考えられることは、山崎君は、まだ表には現われておらぬかもしれませんけれども、ある意味においては総理大臣候補になつておるのです。そこで、候補者になつておる人が一体議席があるかないかということをきめずに選挙をやつていいかどうかということが、相当大きな問題であるということを考えなければならぬ。
#85
○椎熊委員 先ほど社革党の方の意見もありまして、今せつかく議長が行つておるのだから、議長が帰つて來て、あるいは今言われたように慰留に從つて辞表を撤回するような場合があるかもしれぬのですから、議長が帰るまでの間この委員会を休憩願いたいと思います。
#86
○淺沼委員長 暫時休憩いたします。
    午後三時四十五分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後五時十三分開議
#87
○淺沼委員長 それでは休憩前に引続き会議を開きます。
 先ほど議長が独自的見解より、山崎前議長を訪問されたのでありますが、その報告を承ることにいたしましようか。
#88
○淺沼委員長 ではさよういたします。松岡議長。
#89
○松岡議長 先ほど会議中にお許しを得て、事務総長を帶同して山崎議員の私宅をお訪ねいたしました。どういう一身上の御事情かはわからないが、何とかひとつ飜意していただく道はないものかということを申し上げましたところ、この態度をとることが、最も正しく、かつ賢明なりと思い、自分は自主的に、かつ独自の判断に基いて辞職願を提出したのであるから、どうぞ各党同僚各位が快く御承認いただけるように議長から努めてもらいたい。自分を生かすと思つて、自分の初一念を達するようにどうか努力を願いたい、こういう御挨拶でありました。
 これで盡きたようなものでありますが、私はさらにあなたの御決意をなすつたことが、あなたのおつしやる通り、自主的であり、独自の立場において御判断なすつたことであることは、お聽きした通りであるが、しかしその御決意をなさるに至りました原因がかりに除かれるようなことになつても、思い直していただくことはできないだろうかという意味のことを申し上げてみましたが、やはり依然として同樣のことを繰返されました。行つたついででありますから病中でもありますしお見舞等を述べて、しばらく雜談等もありましたけれども、両者の間の話合いはこれで盡きるのであります。ただいま申し上げましたようなわけで山崎さんの飜意はとうてい見込みはないと考えまして、自分は山崎邸を辞去して帰つて來たようなわけであります。
#90
○淺沼委員長 先ほどの会議で、議長が独自的な見解より行動せられる、しかしそれを委員会の議事を進める上において待とうではなかろうかということで議長のお帰りを待つたわけであります。ただいま議長より結果について御報告がございました。そこで報告はこれを承つておくことにいたしまして、その前提のもとに二つの事項がまだ当委員会で協議しなければならぬ問題として、今日残つておると思うのであります。すなわち椎熊君から提出されました、この調査をする必要があるではないかということと、本件を議題として取扱う場合においては、一体総理大臣の指名議決の案件との関係をどうするか、こういう二つの議題が残つておるわけでありますが、今議長の報告をもととして椎熊君からの動議について御相談を願いたいと思います。
#91
○成重委員 大体椎熊君から提案になりました調査の問題については、これは一應小委員会なりあるいは何かの形において調査したらどうかという御意見が出たのに対して、議長がただいま折衝に行つておるので帰つてからのことにしたらどうかということになつたのだと思います。ただいま議長からの御報告を承りますと、山崎さんはよほどの御決意があつてのことじやないだろうかと考えますので、私どもとしては、せつかくの民主党の御提案ではあるけれども、この上山崎さんの辞職理由に対してこれを調査するとか究明するとかいうことは、この際避けた方がいいのではないかと思います。
#92
○椎熊委員 ただいまの議長の御報告は了承いたします。しかし議長が山崎邸を訪問せられたのは、先ほど傳達してあつた通り、まつたくの儀礼的でありまして、当委員会の認めた行動でもございません。從つて議長のただいまの報告によりましては、私どもの疑問とするところは何も鮮明されておらないのであります。從つて当委員会といたしましては当初私が主張したように、何らかの方法によつて事態の眞相を調べるということにお進めを願いたい。
#93
○高橋(英)委員 ちよつと議長にお尋ねいたしたいのですが、何か雜談の間にでも、強要とか脅迫とかいうような話があつたかなかつたか。
#94
○松岡議長 私は強要されたことがありましたかとか、あるいは脅迫されたことがありましたかというようなことをお聽きはいたしませんでした。また山崎さんは脅迫されたことはないとか、強要されたことはないとかいう言葉はお使いになりませんでした。さつき申し上げた通りであります。
#95
○石田(一)委員 これ以上この委員会が小委員会をつくつてとか、あるいは他の特別委員会をつくつてとか、いかなる方法をもつて山崎氏の辞職の理由、原因、動機などの調査を続けても、とうていこれ以上には出ないと思います。それならば私たちは山崎氏の言を信じて、山崎氏を生かすためにというような言葉もありますので、ただ出された辞表あるいはただいま議長がなさつた報告をもととしてわれわれは行動すれば目的を達するのではないかと思います。
#96
○椎熊委員 今日の最初の運営委員会から議長の訪問することに関しても、議長の訪問内容は調査という言葉は使わなかつたと思う。眞相を明らかにしたいということでここに御提案になつておる次第もあり、そのうち私どもは有力なる新聞紙等に報ぜられておる点から見て、あるいはその後における民主自由党の一部の人々と山崎さんとの行動をお聞きいたしまして、事態は容易ならざる重大問題だと信じておる次第であります。このままこれを不問に付して、本会議に臨んでこの辞表をどうするかということは、私どもとしては議論のできないことでもあるし、遺憾千万でありますから、愼重に取扱う意味において何らかの方法によつてもう少し眞相のわかるような運びにしたいと思います。
#97
○松岡議長 私は決して今の椎熊さんの言われることに対して、議論をする意味ではなくて、先ほども申した通り、手続の点が簡潔でありましたので、その間に一点の間違いがないかということを確認する必要ありと信じたことは、事実であります。しかしながら、さつき御報告申し上げたときには、特にその点には触れなかつたのであるけれども、事理明白になつたことであるから申し上げなかつたのであつて、私が言うた意味における眞相の調査を兼ねてということは、すでに終つておるということに御了承願いたい。
#98
○椎熊委員 議長が儀礼的の慰留に行かれ、並びに議長がつまびらかにしたいと思われた点は、はたして手続上の問題が正しく行つておつたのか、山崎さんの意思によつてなされておつたのかどうかという、單なる形式上の問題のお考えであつたと思います。私どもはそうではなくしてそれにまつわるところの、疑問視せらるる多くの政治上の問題、あるいは進んで法律上の問題等もあつたりなどしては、はなはだ國会のために遺憾だ。こういうところから、世間ではうわさ紛々たるときでありますから、事態はどこまでも究明したい、こういう考えであります。
#99
○吉川(兼)委員 社会党は先刻笹口君から態度を明確に申し上げたところと少しも変つておりません。
#100
○淺沼委員長 いろいろ御意見を承つてみますと、議長が独自的見解に基いて行動された見解を聽いて、了承できるという考え方を持つ人と、まだそれでは、それは議長の独自的行動であつて、われわれはその眞相をさらに明らかにしなければならぬ点があるから、調査を進めていただきたい、こういう御意見と対立しておるようでありますが、どういう扱いにいたしましようか。
#101
○成重委員 私はどこまでもこれ以上調査の必要はないと考えます。おそらく山崎さんのように永年政界に籍を置いた方が辞表を出されるということに対しては、いまさらいかなることがあつてもこれを撤回するようなことはありますまい。またこれを究明して各党のいろんな内輪を世間に暴露して、互いに政治の信用を失うよりも、この際あつさり山崎さんの辞表はこれを認めていただいて、本日はここに迫つておる首班の指名に対する会議を開いてもらいたいと思います。
#102
○淺沼委員長 その点は了解できるのでありますが、意見が対立しておりますから、いかようにとりはからうかを伺つておるわけです。多数決できめますか、それとも……。
#103
○林(百)委員 私の方も先ほど実相を調査してもらいたいという希望を申し述べたんだが、松岡議長が帰つて來てからの話を聽くと、これはやはり実情調査というよりも、形式に終つてしまうんじやないか。ですからこの際は各党が持つておる事情を十分かみ碎いて、速やかに本会議にかけてこれを提案して許否を決するべきではないかと思われます。
#104
○椎熊委員 われわれは幹部会としてどうしても調査することを主張せよということになつておりますが、事態は先ほどと変つておるようでありますから、ちよつと休憩して相談して來たいと思います。
#105
○淺沼委員長 それでは、その間に指名議決の取扱いもきめていただく、そういうことでよろしゆうございますか。――それでは六時ころまで休憩いたします。
    午後五時二十六分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後六時四十一分開議
#106
○淺沼委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 山崎君の辞表の取扱いについておはかりをいたします。先ほど議長から報告を承つて、各派の態度を決定するために御休憩を願つたわけでありますが、各派の態度がきまりましたところは、御報告を願いたいと思います。
#107
○椎熊委員 山崎猛君の辞表提出に関しては、わが党としてはこの経過について多大の疑問をもつておるが、しかし時局逼迫のこの際、この問題に拘泥して重大なる首班選挙を妨害するかのごとく解釈せらるることも、私どもとしては遺憾とするところでありますから、この問題は他日適当な機会にまた別な発言をすることといたしまして、本日のところは先ほどの議長の報告を了承して、これ以上追究する機関を設けるとか、取調べをしなければならぬとかいう先刻來の発言はこの際取消します。
#108
○淺沼委員長 ほかに御意見のある方はございますか。
#109
○平川委員 國民協同党は先ほどの議長の報告にありました山崎氏の言葉を信じまして、これによつてわれわれが判断をなせばいいという結論です。調査の機関を設置することも、これ以上の調査の必要も、ともにわれわれは認めないことになりました。
#110
○吉川(兼)委員 日本社会党としては、先刻の議長の報告にありましたような山崎氏が自発的に独自的見解のもとに辞表を出したという考え方をその通りに了承することに決しました。ただ何しろ非常に時局重大な際でありますから、今夜中に首班の指名の投票をしてもらいたいために、議事の順序としては山崎君の辞表の取扱いを先にして、続いて首班の選挙に移る、こういう順序を希望したいのであります。
#111
○淺沼委員長 その順序の取扱いは別として、先ほどの議長の報告を了承することに異議ありませんか。
#112
○淺沼委員長 それでは当委員会としては調査機関等を設けて審議を行わないことにいたしまして、ただちに山崎君の辞表の取扱いは本会議の議題とすることに決定して御異議ありませんか。
#113
○淺沼委員長 さよう決定いたします。
 つきましてはこの辞表の本会議における取扱方を議題に供します。
#114
○中野(四)委員 これは言うまでもなく憲法六十七條の規定するところによつて、首班の指名を先として、山崎君の辞表の諾否はその後にとりはからわれたいと思います。
#115
○淺沼委員長 これは委員長から申し上げてはいかがかと思うのですが、各派の態度が了承するということに決定した以上は、いつやるかということで議論をしなくても、事が済んで、議長から御報告を願つて、各派でただちにこれを承認して、構成上の疑義をなくして指名議決に入る。中野君の御意見もありますが、その方がきれいに行くのではないかと思いますがどうですか。
#116
○中野(四)委員 私はこのことは大事なことだと思う。將來このような問題が一つの例として残さるるときには、重要な問題だと思うから、特にここで議論をしておきたいと思います。すべての條件に先だつて特に首班の指名を行うという憲法の條章の精神は、ここに尊重し、その後にやつても私は一向支障のないものだと思う。先刻來事務総長の意見にもありました通り、國会構成の上においてこれをまず決定しておくことが正しいとおつしやるならば、憲法の制定するところによつて現在逮捕されておる議員までも釈放を要求するところまで進んでもけつこうと思います。事態はそれを許さぬかもしれませんが、少くとも憲法の精神は尊重して、すべての條件に先だつて首班の指名を行う、そうして各党が了解のもとにおいてその後に議長の報告によつて山崎議員の辞任を了承する。こういう過程に行かれる方が將來國会運営に一つの例を残す上においていいと思う。ただ今日の各派のお互いの状況の上においてのみこれを律するということは、將來議会運営の上において重大なる支障が來ると私は思いますから、特にこの点はわが党として主張しておきたいと思います。
#117
○石田(一)委員 ただいまなされておる議論は、各派が山崎氏の辞任はこれをそのまま許すものとの観点に立つての議論でありますが、そのことは本会議に入つてのわれわれの意思の発表であつて、ここで論議される必要はありません。だからこれが事前になされるか事後においてなされるかにおいては重大な影響を及ぼしますので、議長の発議でそれを全部で了承する、そう簡單にはまいりません。
#118
○中野(四)委員 私は今の石田君のお話を了とするわけにはいかぬのです。これは議院運営委員会なり、あるいは各派交渉会において決定すればけつこうだと存じますが、將來議会運営の上において、もしこういうようなことが起り得る場合に首班指名を後にして、憲法に制定されたる一つの條章を踏みにじつてまで行うというような行動はよくないと思います。少くとも憲法に制定されたるその精神を尊重して首班指名を行い、特に議長の報告の結果をわれわれは了承するという方が、正しい行き方ではないかと思うのです。ただここだけの物の勢いで、それをいけないとか、いいとかいうことはいけないと思う。なぜ議員の辞職を先に報告しなければならぬかというその理由が明確でない。その理由を明確にしていただきたいと思います。
#119
○榊原(亨)委員 山崎議員の進退は、この場合、議会の構成上何ら影響するものではありません。從つて法理上から申しますれば、山崎議員の進退は首班指名の後に行くべきであります。私どもとしてはさような意見をもつております。
#120
○林(百)委員 私の方の考えは、これはあくまでも議会の構成の問題ですから、これを先にすべきだと思います。殊に候補になつておる人ですから、この候補になつておる人に対する一票の行使ということを考える際、その人の議員としての表決があるかどうかが不確実だということは、実際問題としてあり得ない。だからわれわれは先にやるべきだ。委員長は先ほど來議長の報告によつて各党とも山崎氏の辞任を承認したというような前提ですが、われわれはこれを本会議にかけて可否を決するということに同意しておるのですから、その点を御了承願います。
#121
○淺沼委員長 二説あるようですから、念のため事務総長より説明していただくことにいたします。
#122
○大池事務総長 先ほど私が申し上げましたのは、憲法の方では六十七條に「内閣総理大臣は、國会議員の中から國会の議決で、これを指名する。」ということになつておつて、「この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。」ということでありますので、まず何よりも先にこれをやつておいて、それからすべてのことは行えという文字通りの説が主張されておると思います。ところが、辞表の問題は、辞表が許されれば國会議員の身分を失いますので、その辞表を出した人は國会議員として指名議決をされるべき候補者にはなり得ないという前提條件に相なろうかと考えます。またなお総理大臣の指名を受けるべき資格を失うばかりでなく、総理大臣指名そのものの投票権をも失うことになりますので、六十七條よりも構成の一機関を欠く、あるいは欠かせるかという問題として、前提條件として先にやるべきではないかというような議論ができるのではないか。その二つは当委員会でおきめを願う以外には方法はなかろう、こういうように申したのであります。
#123
○中野(四)委員 お説はよくわかりました。大事な問題だと思います。從つてこの委員会で先例をつくることが大事だと思いますから、憲法を主とし國会法を從とする建前から、私は少くとも憲法六十七條に制定されておる「内閣総理大臣は、國会議員の中から國会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行う。」という條文の精神に從つて、まず行うというのが正しい、こういう先例をつくる必要があると私は考えております。
#124
○小澤(佐)委員 どうでしよう、今中野君から法理論的に非常に堪能なる、また私どもも首肯し得らるる理論の発言があつたのですが、しかしまた一方事務総長の説明を伺いましても、これも相当論拠のある議論だと思うのです。両方の議論がどうこうということは申し上げませんが、私ども民自党の立場といたしましては、先例になるかならぬかはわかりませんけれども、この際せつかく辞表を出したのでありますから、でき得るならば一番先に出してもらうということが一番望ましいと思うのです。理屈は言いませんけれども、われわれの属しておる議員の山崎さんでありますから、山崎さんの氣持も代表いたしまして、どうぞ中野さん、讓れるものなら、どちらも理論があるのですから、讓つてもらつて、一番先議にしてもらうように特にお願いいたします。
#125
○中野(四)委員 この問題は、新しい國会の新しいお互いの氣持においてきめる問題であります。從つてこれが一つの先例になるのであります。今日の場合から言えば、便法上それもいいでありましようが、ただ便法上の建前において一議員の辞職をば先議とすることがよろしいように言われますから、このことが將來國会運営の上において大きな先例となる、從つてこれは將來の議院運営のためにもこういう議論が出たということは、強く速記にとどめなければならぬ。たとい否認されてもこの議論は吐かなければならぬ。
#126
○榊原(亨)委員 やはり一議員の進退というものは國会構成の上に何ら影響がないのでありますから、影響がない以上はその後にすべきであるけれども、今中野君が言われたように、この場合その議員が首班の候補者になるというような意味でありますれば、その場合便法としてそれを認めることはけつこうであります。一應速記にはつきりして、先例にならないことを理由としてならば、わが党としても賛成するのでございます。
#127
○淺沼委員長 中野君と榊原君から強い意見がありましたから、これを強く速記にとどめることにして、委員会としては満場一致先議するということに異議ありませんか。
#128
○淺沼委員長 ではさよう決定いたします。山崎君の辞表の取扱いについては本会議において先議することにきまりました。
 從つてこれを先議した後に総理大臣の指名議決を行うことになるのでありますが、どういうような取扱いにして、どういうように進行して行つたらよろしいですか。
#129
○松岡議長 ちよつと今参議院議長と相談をして來たことについて御報告申し上げて、皆さんの御審議の参考にしたいと思います。というのは、先ほどもちよつと簡單に御報告申し上げましたが、参議院では昨日非公式に議長から私のところに電話がありまして、今日中にやろうと思うけれども、なるべく無用の刺激は避けたいという考慮から、いろいろ努力しておるということの通知がありました。私はその御配慮を感謝して承つておきましたが、今日はどうしても七時にやるということになつたので、七時にやりますという最後的な御通知がありましたことは御報告申し上げた通りであります。ただ先ほど民主党でもただちに態度を決定し得るからというお話があつたので、できるならば、こつちの方が一分でも早く、せめて同時にでもということかできれば何かとよかろうと考えまして、運営委員の人の中にもそういう御希望のあることを伺つたものでありますから、七時までに今晩やれるという目安がついたならば、七時にただちにおやりになるということを恐縮だが延ばしていただけぬか。その場合にあまり御迷惑をかけることは欲しないから、十時に始めるならば――十時まで延ばすという意味ではありません。最惡の場合に十時に始めるならば、いくら何でも十一時には終るだろうから、今晩やれるという目安がついたならばそのように延ばしていただけないでしようかと交渉に行つたのです。私が行つたということについても、民自党の諸君がわんさと押しかけて議長室に來るというので、議長はなはだ取扱いに苦慮しておられるように見受けられました。私が帰ろうというときに、やつてきた人たちは、七時に本会議を開くことになつておるのに今から運営委員会というのは不当だというような攻撃的な言まであつたが、とにかく松平さんは運営委員会を開くことについて御相談しますということで應接しておられることも私見届けて帰つて來たようなわけであります。
#130
○淺沼委員長 どうですか、今七時のようですが、本会議場に入る時間をきめましようか。
#131
○中野(四)委員 これは杞憂かもしれませんが、もしこの運営委員会において決定して、本会議場でうまくいけば結構ですが、議場混乱に陷つたらどうするか。そのときまたこの委員会にかけるということでは今までの各派交渉会のうま味がなくなる。だから一應これを閉じて、協議会にかけることにしたい。
#132
○淺沼委員長 この運営委員会におきましても、この國会になつてからは多数決できめるということはやつておりません。
#133
○中野(四)委員 一應自分の意見を記録に残しておきます。
#134
○松岡議長 議論しておつては時間が経つばかりですが、どういたしますか。
#135
○中野(四)委員 参議院の方は待つ氣配がありますか。
#136
○松岡議長 それはあるかどうかわかりません。せめて七時までと言つてきただけですから。
#137
○淺沼委員長 私が先ほど議長にお願いしたのは、参議院は参議院としての意思はございましようけれども、すべての案件は衆議院が先議するわけで、しかも総理大臣の指名議決については、衆議院で先にやることが國民に答えるゆえんででもある。それを参議院で先にやられては、それに別に束縛されるわけではないが、結果から見ると束縛することになる。できるならば歩調を合せてやつてもらいたい、こういうわけです。そこでこつちはまとまりそうだからということでお願いしたらいかがでしようか。
#138
○松岡議長 まとまりそうだということでは私は意味がないと思います。
#139
○淺沼委員長 それは議長においてこの空氣を察知していただけばいいと思います。
 それでは本会議は何時に開きますか。七時半でどうですか。
#140
○椎熊委員 それは困る。九時半ぐらいならば……。
#141
○淺沼委員長 議案の取扱い方はまたもう一ぺん御相談します。何時に本会議を開きますか。
#142
○大池事務総長 それでは山崎さんの辞表の取扱い方は、辞表を読み上げまして、御異議がないかどうか異議を問うたらよろしゆうございますか。それとも記名投票をいたしますか。
#143
○中野(四)委員 議員の辞表を提出された場合、諾否を記名投票で行つた先例がありますか。
#144
○大池事務総長 ありません。
#145
○石田(一)委員 國協党は記名投票を要求します。
#146
○淺沼委員長 どうでしようか。記名投票も一回で済めばいいですが、二度もやるとなると一時間半ぐらいかかつて、指名の方は深更に至つてもできないことになりますが、御了解願えないでしようか。
 起立でどうですか。
#147
○石田(一)委員 起立じやわからない。われわれはだれが賛成、反対ということを明確に記録に残したい。
#148
○椎熊委員 私も國民協同党の主張に賛成します。
#149
○中野(四)委員 それなら九時に反対だ。八時にされたい。
#150
○石田(一)委員 時間のかけひきで言つてるんじやない。
#151
○椎熊委員 今の発言を取消します。
#152
○淺沼委員長 それでは議場に入るまでに各派の間で御交渉願つて、どうしても話がつかぬときは、もう一ぺん各派交渉会を開くということで御了承願いたいと思います。
#153
○大池事務総長 それが決定いたしますれば、内閣総理大臣の指名に入ります。これは自分の名前を書いていただいて、それから指名される方を一名書いていただきます。それで過半数になりますれば、その方が被指名者に当選されます。そうしますと、その方に議決をしていただくことになります。もし過半数に達しませんければ、上の方お二人をとりまして決選投票をしていただく。これは過半数の必要はなく、比較多数で数の多かつた方が被指名者になりますから、その方について議決をお願いいたします。
#154
○淺沼委員長 いかがでしようか。――それでは別に御異議ないようですからそういう取扱いにいたします。
#155
○松岡議長 ではよけいなことですが、この前ごたごたした事実がありますので、被指名者がきまりましたら、議決のときは異議がないということを確約をお願いしたいと思います。
#156
○淺沼委員長 それでは暫時休憩ということで一旦閉じまして、さらに開く必要がなければ自然流会という形式をとりますから御了承願います。
    午後七時十六分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後八時五十六分開議
#157
○淺沼委員長 休憩前に引続き会議を開きます。石田君。
#158
○石田(一)委員 先ほどの山崎議員の辞表の件でございますが、私は今朝の運営委員会で、事務総長に、院議によつてこの辞意が否決された場合にはどうなるかと言いましたら、これは辞職はできぬということを承つております。この際山崎氏が辞意を表明しなければならなくなつたいわゆる客観情勢というものは、ほとんど消滅したと私たちは考えたいのであります。そういう問題でこの際私はただ山崎氏を生かすとか生かさないとかいう問題でなしに、この際私たちはできることならば、党議としてきまつているのですが、山崎氏の辞任を院議によつて否決されるように各派とも協調していただきたい、こういう考えであります。
#159
○椎熊委員 わが党は山崎さんの辞任問題が本会議に出ましたとき、かくのごときりつぱな政治家を本議会から失うことが残念だという趣旨と、辞任の理由に対しても私どもはなはだ納得しかねる点がありますので、わが党は党議をもつて辞任は反対であるという態度をとつております。そういうように議場においても表示することになります。
#160
○山口(喜)委員 石田君及びその他の方にも、なお念のためにお尋ねしておきます。山崎氏が辞任しなければならないという事情に立ち至つた状態は、首班選挙に対して解消されたるものと認めて差支えはありませんか。
#161
○石田(一)委員 私はそう考えております。
#162
○山口(喜)委員 民主党の方はどうですか。党議をもつて山崎さんを投票されるというようなことはありませんか。
#163
○椎熊委員 私どもは首班選挙に対する投票の態度をただいま党議で決定したばかりでございますから、その決定に從つてやるだけのことであります。
#164
○山口(喜)委員 それでは私がただいまお尋ねしたような心配はないと考えてよろしいか。
#165
○椎熊委員 私はそういう心配はないと思います。
#166
○笹口委員 私の方ではただいま石田君からお話がございましたが、もともとこの問題に対しては数回の運営委員会で表明いたしておりますように、きわめて消極的な態度をとつておつたのでありますが、しかし皆さん方多数の御意思によつて、すでに非公式ではありますが、議長までが訪問し、その眞意を確められました結果、やむを得ないものとしてわれわれは承認する、かような決意をいたしたのでありまして、今それをかえるというようなことはちよつと不可能な状態になつております。
#167
○山口(喜)委員 私がこうしてお尋ねすることは、山崎氏が辞表を提出されるに至つた経緯に関しましても、また再び山崎というような投票が出た場合において、せつかく山崎氏が明鏡止水の心境で辞表を出されたことに、いささかでも眞意を傷つけるようなことがあつては、山崎氏に対してまことに御迷惑である、こういう考え方から申すのでありまして、何ら他意はありませんから、どうぞ御了承を願います。
#168
○成重委員 社会革新党といたしましては当初から山崎氏のようなりつぱな方をこの國会から失うことはいかがかと思いまして、できるならば辞意を撤回していただきたいという意見でありましたけれども、議長の慰留の御報告なり、またそのほかのいろいろな事情を聽きますと、首班指名に関連して山崎氏はみずからの出処進退を明らかにしたということでありましたので、今國民協同党からは山崎氏を首班選挙にと申されておつたようでありますが、首班選挙に関連なく進められるということならば、できるならば私は辞意を撤回された方がいいと考えます。
#169
○石田(一)委員 それはしかしそういう意味ではなくして、ただ先ほど議長が留任を勧告なさつたことも、あれは全部非公式のものであつて、それに対して山崎氏は一應自分の所信を貫きたいとおつしやつただけであつて、いよいよ最後にこれが院議によつて許されるかどうか、否決されるかどうかということは議院の問題でありますから、そこで私どもはこういうりつぱな方を失いたくない、こういう氣持でやつているので、決して私たちは陰謀的な考えがあるものではないということを申し上げておきます。
#170
○山口(喜)委員 ただいま石田君の方のいわゆる國協党からのわが党に対する御挨拶は、國協党なり社会党なり民主党の了解のもとに本会議において山崎氏の辞表を認めないという動議を提出した場合においては、満場異議なくこれを可決するという状況のもとにおいてこれが辞表の処理をしたい、こういう申出でありましたから、各党各派において、そういうゆたかな氣分で迎えられる以上においては、民主自由党においてもありがたくこれをお受けする、こういう態度でわが党の役員会なり、その機関において決定してまいつたのであります。そうしてこちらに参つてみますと、まだ各党間においてその了解が完全についていないように思うのですが、その点についてはいかがでありましようか。
#171
○石田(一)委員 わが党としては各党各派にこのことを申し入れて、一應善処するように努力するというお言葉を得て代表が帰つて來ております。その結果が今社会党から発表されたのですが、いかがでしよう、社会党はもうひとつ何とかならぬでしようか。私どもは満場一致でいかなければ、おそらく意義はないことと思います。
#172
○笹口委員 今社会党といたしましては、そういうお話がございましたので、一應党議にはかつたのでありますが、われわれ事人事に関する問題は、きわめて愼重な態度をもつて今までもやつてまいつた次第であります。また情としては、皆さんもおつしやるように、そういうりつぱな方が議院から姿を消されることは、はなはだ忍びないものがあるのでありますが、しかし今までの過程において十分盡すべきは盡し、しかも山崎さんから自分の初一念を通すというような切なるお申出もございまして、これを了として私どもも承諾いたしたのでございますから、これを今ここでかえることは、かえつて山崎さんの意思を踏みにじるものではないか、こういうような点でわが党としてはやはり最初の決定の通り行きたいというふうに、役員会の意見はまとまつたのであります。
#173
○山口(喜)委員 大体の先刻來の運営委員会では、議院の構成に関する問題であるから、これを先議することが順序であろうという程度のことでありまして、首班選挙を先にしても一つも差支えはないのでありますがゆえに、この問題がこうしてせつかく國協党の御親切なる申出ではありますが、この会議において議がまとまらないとすれば、山崎氏の辞表の問題はあとまわしとして、首班選挙を先に行つていただく。こういうふうにとりはからつて行かれたらいかがでしようか。
#174
○石田(一)委員 それは変更しなくていいと思います。
#175
○淺沼委員長 速記を止めて……。
#176
○笹口委員 ただいま役員会を開いて御相談いたしました。山崎さんみずからが撤回されるならとにかく、出されております以上は、やはり私どもも前通りであります。
#177
○淺沼委員長 それで今度は扱い方になりますが、先ほど記名投票で行くか、起立で行くかということで院内の交渉ということになつておつたのですが、そのやり方をきめていただきたいと思います。
#178
○石田(一)委員 先ほど私たちは五分の一の数がないということを事務当局から指摘されたので、遺憾ながら私たちは起立にするということに賛成しましたが、もし五分の一の動議を提出する数があるならば、これは記名投票で願います。
#179
○椎熊委員 私どももこれは重大なことですし、山崎さんに対する誠意をささげる意味において、記名投票を願います。
#180
○淺沼委員長 記名投票やむを得ませんね。
 その次に候補者の開陳ができれば、あるいは協力する方もありますから、もし候補者氏名を御発表願えれば御発表を願います。
#181
○小澤(佐)委員 わが党は吉田総裁と決定いたしましたから、何分よろしく願います。
#182
○笹口委員 社会党はわが党の中央執行委員長であります片山哲氏を指名いたします。
#183
○椎熊委員 民主党は重大なる衝撃を受けておりまして、投票の方法、指名等について党議は決定しておりますが、事態こういう状況においてはこの際発表を控えたいと思います。
#184
○成重委員 社会革新党は当初から申し上げております通り、終始一貫変つておりません。吉田氏を指名いたします。
#185
○石田(一)委員 國民協同党は協同党の委員長である三木武夫氏を指名いたします。
#186
○田中(久)委員 第一議員倶樂部は吉田茂氏、ほかに一票あります。
#187
○玉井祐吉君 労働者農民党では黒田寿男君を指名することにいたします。
#188
○林(百)委員 われわれは徳田球一。
#189
○中村寅太君 農民党は在野第一党の総裁吉田氏を指名いたします。
#190
○榊原(亨)委員 新自由党はちよつと発表を控えます。
#191
○淺沼委員長 大体御了解できたですね。
 それではこれで散会いたします。
    午後九時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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