くにさくロゴ
1947/09/18 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 水害地対策特別委員会 第7号
姉妹サイト
 
1947/09/18 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 水害地対策特別委員会 第7号

#1
第001回国会 水害地対策特別委員会 第7号
昭和二十二年九月十八日(木曜日)
    午後三時三十一分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 竹谷源太郎君 理事 内海 安吉君
   理事 小澤佐重喜君
      佐々木更三君    島田 晋作君
      田中 健吉君    細野三千雄君
      小野  孝君    工藤 鐵男君
      根本龍太郎君    原  孝吉君
      平澤 長吉君    淺利 三朗君
      大瀧亀代司君    角田 幸吉君
      庄司 一郎君    野原 正勝君
      葉梨新五郎君    早川  崇君
      飯田 義茂君    外崎千代吉君
      河口 陽一君
 出席政府委員
        經濟安定本部建
        設局長     高野 與作君
        内務事務官   岩沢 忠恭君
        農林事務官   平川  守君
        農林事務官   伊藤  佐君
        運輸事務官   伊能繁次郎君
        運輸事務官   加賀山之雄君
        運輸事務官   岡田 信次君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 水害地對策費その他に關する件
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 それではこれより會議を開きます。
 二週間の休みがありまして、その間に當局の施策も、前會の委員會においていろいろ言明されておりますことが實際に實施されておるのであります。その中間報告を一應お聽きすることにいたします。岩沢政府委員。
#3
○岩沢政府委員 休會前に北海道の災害について、ごく概略のことを申し上げたのでありますが、お手もとに差上げましたごとく、北海道のその後の詳報がはいりましたから、ごらんを願います。北海道は大體旭川を中心にした水害でありまして、われわれが考えておつたより以上の被害をこうむつたような次第であります。大體金額にいたしまして五億九千萬圓というような多額の被害を受けておる状態であります。これにつきましては、北海道の災害費はほとんど大部分が國費支辨に相なつておる關係上、融資とかいうようなものでなく、やはり國直轄工事と同じような取扱いに、今後も進めていきたい考えであります。
 なお東北五縣の水害に對しまして、融資の問題が休會前において起つたのでありますが、これもやはりお手もとにがり版をお配りいたしましたが、その點でごらんになります通りに、内務省といたしましては、全國の水害は――最近における關東の水害は除きまして、それ以前における水害でありますから、その點を御了承願います。その場合において、全國に對して今年度仕事をする工事費として十四億三千萬圓を對象にしておつたのであります。そして公共事業の第二期の融資といたしまして、全體で一億八千萬圓というものを各府縣に分屬をいたしまして、これは純然たる補助費でありますから、これを工事費に直しますと、下の欄にありますように、地方負擔と國負擔におきまして、工事費として全體で二億七千萬圓という金額に相なるのであります。それからその後第三・四半期の融資額といたしまして、大藏省と折衝した結果、内務省の方では、これは工事費でありますが、三億九千六百萬圓というものが大藏省で一應第三・四半期として、さしあたりこれだけを融資するということに相なつたのであります。その配分といたしましては、ここにあります通りに、青森に對しては二千五百萬圓、岩手に對しては五千萬圓、宮城に對しましては三千萬圓、秋田に對しては一億七千萬圓、山形に對しては六千萬圓、そのほか各縣に相當割り振つております。これは重點的にやつたことと、また東北方面は氣象に關係上、十二月以降はほとんど仕事ができないという觀點から、大體東北五縣に重點的に配分をいたしたのであります。但し宮城縣におきましては多少その率が落ちておるということは、第四・四半期の一月から三月においても、まだ仕事ができるという區域が相當ありますから、これは第四・四半期において考慮をいたしたいと考えております。そういうふうな關係上、問題と相なりました東北五縣の水害に對しては、一番下の欄にありますように、大體第二・四半期の融資と第三・四半期の融資と合計いたしまして、工事費は青森が四千萬圓、岩手が七千百萬圓、宮城が四千五百萬圓、秋田が二億四千五百萬圓、山形が八千七百萬圓、大體われわれが當初縣と打合わせまして希望をとりましたときの希望額の八割ないと七割ぐらいの程度に止つておるので、これをもう少し努力いたしまして、御希望に副うようにすれば非常によろしかつたのでありますけれども、大藏省の方で、やはりいろいろの關係上、われわれが望んでおつた十四億三千萬圓というものは認めずにおつて、さしあたり第三・四半期として四億近いものを配分してくれるために、こういつたような結果になつたことは、はなはだ皆樣の御期待に副わなかつたことをおわび申し上げる次第であります。そういうような關係から、東北六縣のような氣象的に、十一月以降は雪その他のために仕事が進まないというようなことがありますけれども、何といつても災害復舊は急を要する關係上、各方面に十分力を入れられて、そうして仕事をやられた結果、なお金が足りないというような見透しがあれば、今後また大藏省方面と折衝して、追加として配分したいというように考えております。これが融資の問題についての大體の御報告であります。
 次にこの十三、十四、十五日における關東地方の水害についてのあらましを御報告申し上げます。これは御存じの通りに、關東地方を襲つた第一囘の颱風でありまして、今度の颱風の特徴といたしましては、進行度が非常に遲くて、従つてその颱風から出た不連續線というものが關東の山岳地帶の方に伸びておつたというふうに、颱風の中心が太平洋に沿うて進むのにかかわらず、山岳地帶すなわち水源地帶に非常に多量の雨を降らせた。これが非常に著しい現象であります。例をとつて申し上げますと、秩父方面においては六百十一ミリというように、觀測所にレコードされております。それから本庄邊では四百三十ミリ、熊谷では三百四十ミリというように、山に近づくほど雨量が多くになつております。さいわいなことに、平原地帶には、相當雨が降つたようでありますけれども、東京附近では大體百ミリぐらいの雨しかありませんから、昭和十三年あるいは十六年のように、平地の内水というものが割合に少くなつたのでありますけれども、何といつても山岳地帶の五百ミリ、あるいは六百ミリというように一時に雨が降つて、しかも大體二畫夜にこれだけの大量の雨が降つたのと、それから山林地帶が相當荒らされておるために、その大部分の水が非常に早く出水が出たので、大體ああいつたような利根川とか、あるいは北上川とか、また淀川というような大河川になりますと、日本の在來のレコードから申しますと、一時間に、水位の上るのが、二十五センチとか、三十センチとかが普通の上り方なんですが、しかるに今度の水の上り方は、一時間に一メートルも突破しておる。こういうような状態でありまして、非常な急速な上り方をしておるのであります。そうして上り方というのが、大體明治四十三年のいわゆる關東大水害のときの水位が栗橋におきまして六メートル四でありました。それから最近における最も激しい水位は昭和十六年でありましたが、この場合は八メートル二六、それから今囘は大體八メートル九九――九メートルの水位を呈しておつたのでありまして、われわれが利根川を計畫しておる、いわゆろ計畫洪水水位というものは七メートル五五に押えております。その七メートル五五に押えて、その上に餘盛を見て、多少の水位が増しても耐え得という斷面を考えておつたのでありますけれども、この計畫洪水よりも二メートルも餘盛をするということはほとんど技術上考えておりませんから、大體せいぜい一メートルないし、一メートル五〇ぐらいのものでありましたために、このたびのこの大水位の高昇のために、提防の溢水した箇所が相當できたような状態であります。その結果遂に栗橋から上流五キロの箇所において最高水位の直後の破壞して、そうして昔の古利根あるいは中川筋に押し寄せてきたような状態で、現在において、やはり東京の葛飾方面に徐々に水が來ておるような次第であります。この圖面でごらんになります通り、利根川の水流は前橋からずつと來ておるのと、それからこれの大きな支流は、桐生、足利方面に通ずる渡良瀬川それから栃木の宇都宮から出る巴波川、それから鬼怒川、栃木縣のやはり山奥の日光方面から出ます黒川、それから茨城の平坦地を流れておる小貝川、こういう大きな河川が合流して、霞ケ浦を遊水地といたしまして、銚子に出ております。ところがさつき申し上げました通り、今度の水位というものは、非常に計畫以上に突破したために、遂にオーヴアーフローしていつた。そのオーヴアー・フローして破壞した箇所は、ここの書いてある通り、利根川本川においては二箇所、渡良瀬川のところで二箇所、それから荒川方面におきましてもやはり熊谷の上流と下流において各一箇所、入間川の上流において一箇所、こういつたような都合七箇所の破堤を見るに至つたのであります。しかしながらいわゆる埼玉縣の穀倉地帶に影響を與えるものは、この利根川の栗橋から上流五キロのところの破堤が最もはなはだしいのでありまして、それに次ぐものは熊谷の下流の久下という所ですが、これから出ます荒川の水が影響を及ぼしたのであります。それでこれが破堤するとどこまで水が來るかと申しますと、結局これが元の古利根という河川ですが、いわゆる中川筋、古利根がこういううふうに來ておつたのですが、これを遮斷して、この中川筋が古利根に全部集まつて、漸次南下して、東京の放水路の向う葛飾、小岩、新小岩方面に全部流れてくる。こういうような情勢になつておるのであります。それから荒川方面の水はどう行くかと申しますと、もともと荒川は昔はこういつたような形で利根川の一つの支流であつた。それが徳川時代においてこの區間を開鑿して、この利根川と分離したのが今日の荒川であります。それが今度の水害におきまして、元荒川と言つておりますが、元荒川の線に沿うて全部斷流した。こういつたような状態です。そこでここに赤で書いてあります通り、この區域が侵水區域になつておりますが、荒川の方は非常に水が出が早いと同時に、引くのも早かつた。現在においては全部これが干上りまして、ここから水ははいりません。ただあの一昨日と昨日の午前中に大體水が流れて、赤のところがここに來て越ケ谷邊で利根川から來る水と合流しておる。ですからこつちの方は汽車も道路の方も交通が全部開通しておるという状態です。しかるに利根川の東側の山の水というものは、やはり決壞口が當初において二百五十メートルの決壞をしたのでありますが、あの水勢で漸次擴大して、現在においては四百五十メートルの口をあけております。しかし大體において水位が下りまして、私は現場を見ませんが、豫測すると、水流の六割、それからこちらの方の四割ぐらいの水が流れてきておるのではないかと考えております。しかるにこつちの方はだんだん水位が下るために供給する量が少くなるのでありますから、しかもこちらになればなるほど擴大する面積が多くなつたので、この下流に來ると速度も非常にゆるくはなつております。大體今日までの状態を見ますと一時間に一キロぐらいの早さでずつと下流にやつてきます。なお下流の方にいきますと、いろいろ横斷的な施設があります。たとえば常磐線の鐵道とか、あるいは房總線の鐵道線路とか、大宮と船橋を結んだような電車線路とかいうような構造物が相當ありますから、相當水の流れを阻害しておりますから、われわれが豫想したものよりも割合いに浸水の速度は緩んでおるのであります。今日午前十時までの水先は、ちようど東京都と埼玉縣との境邊までやつてきております。でき得れば、この線に沿うて大場川という川がありまして、その川が江戸川に水門をもつてはかすのと、中川に水門をやつてはかすということになつておりますから、この大場川で食い止めて中川と江戸川にはければ、一番の濕地帶である東京の江東方面は水害を免れるんじやないかという希望をもつておりますけれども、どういうようになりますか、この半日くらいの状況によつて大體それがきまるんじやないかと思います。大體われわれが計畫をする場合においては、支流から來る水が本川に合流する場合において、時間的な差違を考えて計畫をするので、いわゆる算術的にこの線から一升の水が出る、これから三升の水が出る、これから五升の水が出る、これを全部合せたのが計畫洪水量であるというような計算はしないので、この川の水が出た後にこの川の水が追つかけていくというので、量においてはだんだん少くなるというような計畫のもとにやつておるのであります。これは大體地形その他の原因からそういうことは起り得るのでありますが、これがまた豫想以上の狂うということが起り得るので、實際今度の問題にいたしましても、渡良瀬川は相當急流河川でありますから、利根の本川に出る水よりも渡良瀬川の河川の水は一應先に本川の下流の方に流れるという想定のもとにやつておる。そうしてそのあとから利根の本川の水が出てきて、前の渡良瀬の水がこの邊にまだある場合においては一應赤麻の遊水池を利用して、そうして一時貯溜するという計畫のもとに計畫を進めておつたのであります。ところが今度の水害によりますと、渡良瀬の出水時間と利根の出水時間が栗橋でもつて合致したというような關係上、非常にこの附近の水位が一時に上昇したというのが原因なのであります。
 そのほか利根川の改修といたしましては、先ほども申し上げました通りに、從來四十三年の水害を基準にして一應改修は四十三年から昭和二年までに完成はいたしたのでありますけれども、昭和十年の水によつてもう一度檢討するというので、計畫洪水量を前に二十萬石であつたが二十六萬石に増石して、そうしてそれに合うように十五箇年計畫を昭和十二年から著手して、第一期工事といたしましては五千萬圓を計上して仕事をやりつつあつたのであります。そうしてまず第一著手といたしましては、利根川の取手から船橋を拔ける放水路をつくるとか、あるいはまた現在の堤防を笠上げをするというような仕事に取りかかつたのであります。そうしてまず一番弱いような所の堤防を今日まで笠上げしておつたのであります。從つてこの昭和十年の水よりも高い昭和十六年の水でも一應は破堤をせずにようやく保つたのでありますけれども、このたびの水位というものは昭和十六年を凌駕したために、遂にこの數箇所によつて破堤をした、こういうような状態であります。
 そこでわれわれとして何としても東京に押寄せる水から、しかも埼玉縣の穀倉地帶を一日も早く救わなければならぬ。そのためにはこの箇所の締切りというものが一番重大でありますので、大體現在までに手に入りました資材は、くいが二千本、空俵二萬俵というものがようやく手に入りまして、今現に現場の方に向つて輸送を開始しております。そうしてもつと水位が下りました後において仕事を始めたい。大體豫想としましては資材が順調にいきまして、また天氣がよければ二十日頃から締切工事にかかりまして、まずでき得れば十日間以内で一應の目安をつけて締切つていこう。こういうように考えております。そのほかのところは割合被害の影響するところは少いのでありますから、これは徐々に仕事をやつていきたい、こういうふうに考えております。
 それから荒川の方は今申し上げました通り全然水は出ませんから、これは簡單に締切ることができると思いますこの斷面圖で御覽になります通り、青いものが計畫洪水でありますが、二番目のものが昭和十年のものであります。今囘の水は計畫堤防の實際の高きよりもちようど三十センチだけ多くオーヴアー・フローしておるから、乘越して全部これから壞れていつた。この高さが大體地盤から十メートルの高さの堤防なんです。相當大きい堤防ではありますが、いづれにしてもみなほとんど堤防の高さ、あるいは計畫洪水以上の水位になつて破堤をしておるような状態であります。その他渡良瀬とかあるいは入間川の直轄河川に關係したのがありますけれども、これほど大きな被害はありませんので、大體今後應急的にやる經費としては二億圓くらいの金が應急費として直轄としては要るのではないかと考えております。なお今囘の水害におきまして大體範圍は靜岡、山梨、神奈川、埼玉、群馬、栃木、茨城、新潟で、長野も多少被害をこうむつておるような樣子でありますが、まだこれをとりまとめて皆樣方に報告するまでの域に達しておりません。いずれ急速にこれをとりまとめて皆樣に御報告いたしたいと考えております。
 なおこの颱風はずつと北上いたしまして、宮城縣、岩手縣の方も相當荒したようにも電報ではいつておるのでありますが、その後の詳しい報告はありませんので、これは前の七月頃の水害に倍加したというようなことも聞いておりまして、特に岩手縣のごときは從來の水害よりもより以上一層大きいというような報告も受けておるのでありますが、その詳しいこともいずれまとまつてから御報告申し上げたいと思います。以上簡單でありますが大體の報告を終ります。
#4
○葉梨委員 オーヴアー・フローした時間における江戸川分流點の水位はどういうぐあいになつておりますか。また從來は利根の本川が江戸川へ流しておつた流量をどれくらいずつわけておられたか。その影響を技術的に見てもう少しよけい流しておつた方がよかつたという結論になるかどうかという率直な意見をお聽かせ願います。
#5
○岩沢政府委員 これは率直に申し上げますと利根川を改修する際において非常に重大なる關心をもつて、できるだけ東京方面に水を送らないという點から分流における堰門の位置、あるいは洪水敷の方向をなるべく水がはいらないような構造に現在なつている。從つてそういつたような洪水の際における働きというものは計畫以下の働きをなしておるのであります。現在においてなお下流の利根の方が漫々たる洪水を湛えておるにかかわらず、江戸川はすでに洪水敷が出てほとんど遊んでいる。この間の洪水から見ましても、市川附近におきましては少くとも六尺ないし七尺の餘裕をもつているような關係から、増補行事の改修におきましてはもつと利根川に荷を負わして下流の水量を弱めると同時に、一方利根川の弱點である渡良瀬川との合流點における水をできるだけ早く分流するというような考えを今後進めていきたいと考えております。
#6
○葉梨委員 もう一つ伺つておきたいのですが、渡良瀬川の流量と利根本線の流量と申しますか、出水時間がほぼ今囘は一致したような時間で出たために遊水池の效用をなさなかつたようであります。大體從來は渡良瀬の水が先に通つて、その次に利根本川の方が通るというのが常識的に技術的に考えられ、今までの事實がそう證明しておつたと思います。そうすると兩方とも出て來たという原因は、上流地における山林地帶、水流地帶におきますところの治山關係の荒廢ということが、群馬方面、つまり利根の本流方面が最もひどい關係にあつたというように常識的に判斷せられるのですが、治山關係における荒廢状況の栃木と群馬との比較はどういうことになつておりますか。およそのところをお聽かせ願いたい。
#7
○岩沢政府委員 六百ミリの今度の水源地における降水量は、一番多く降つたのは荒川方面における秩父山系方面で六百十一みりであつた。あるいはこれは觀測所より北の方にありますから六百十一みりより三割くらい増すのが普通ですから、もつと降つておつたと思います。それが順次下流に行くに從つて雨量が減つている關係上、利根の本川というものは相當長いのにかかわらず水量が一時にどつと出て、非常に流速が早かつたために、渡良瀬に到著する時間とこれとがほとんど合致したというような状態で、山林地帶における荒廢というものは、御存じのように、足利方面は相當荒れておるので、荒廢状況は大體おつつかつつではないかと思います。
#8
○葉梨委員 そうするとただいまの御説明だと私腑に落ちないのですが、山林の荒廢がおつつかつつで從來と比して差がないということになると荒廢しておつても渡良瀬の上流あるいは利根本川の上であるから、差はないということになるのであります。そうすれば計畫をきめる際に、その遊水池の遊水量によつて同時に出得る場合もある、天候というか、降雨状況によつて同時に出得るということも想定しなければならぬ。そうすると基礎的に計畫をされるときに誤謬があつたということになるのでありますが、これは出てしまつたことだから餘儀ないことで、今さら責めてもどうにもならないことですが、合流地點における工事については根本的な技術的な考えを今度はし直ほしていただかなくではならぬ。こういうふうに了承してよろしゆうございますか。
#9
○岩沢政府委員 昭和十年後における水源地帶の山相は、利根本流は相當良好であつたが、渡良瀬方面においては、足尾方面の鉛害のために相當荒れておつたのは御存じだらうと思います。そういう關係で渡良瀬の方は降つた雨の大部分が流失する。從つて渡良瀬の水量が早く出ることは、當然水源地帶の林相から考えてそうあるべきものだということは一應は基礎的に考えておつたのでありまして、その當時において當然そういうことはあるべきものだという御議論とは多少そこに趣きが變つております。その後戰爭の間において、特に木材の繁茂した利根水源について相當の濫伐を與えましたから、從つて山相も相當變化した。こういうようなことで、時間的に差違があるべきものが、ますます接近しつつあつた状態であります。なお現在までにおいて渡良瀬と利根川が同時にここに合流したというのは、既往においては昭和十六年の水害のときはやはり同時に合致したのであります。それ以外の十三年にしても十年にしても皆渡良瀬に一應出て、それから後利根川の最大水位というものが追つかけていつておる。こういうような状態であります。
#10
○葉梨委員 これは技術的のことであり、濟んだことでありますから、議論になる點はもうこの程度でやめまして、あとは今後の恆久對策を決定する際によく技術的の御意見も伺いたいと思うのであります。さしあたりの問題として伺つておきたいのは、締切りが二十日ごろでなければ、資材の關係上著手ができない。二十日までの間、そこは四分、六分の割合で分流しておるということになりますと、渡良瀬方面の水も逆流してある程度決壞箇所から埼玉方面に流れてきておる。こう見なくてはならぬと思うのであります。これは利根本流あるいは渡良瀬雙方の水がどの程度に合流點に落ちつつあるかが問題なのでありますが、大體今の水源地方面の關係から見ると、どの程度まで洪水自體が續いていくか。二十日ごろになれば大體鎭まるのか。また二十日頃までに鎭まらずにおるとして、今後今明日にも雨があれば別問題ですが、そうでなく降雨量がないとして、現在の状況で水源地關係から見た水量がどの程度に出るか。締切りまでに入る量が相當量になるか、相當量になるとすれば、都内を抜けてただいまお話のように江戸川、中川の閘門をもつて排水をするというような消極的なことでは收まらぬのではないかとわれわれ素人判斷をするのでありますが、それらの大體の見透しはどうなつているのでございますか。
#11
○岩沢政府委員 二十日というのは大體仕事をし得る時期、すなわち利根川の供水敷が出ますと、大體水深が一メートルないし一メートル五十くらいの深さに相なつているのであります。現在すでにあの決壞箇所においては供水敷は出ておる。それをなお低くする。低くすれば低くするほど作業は樂になりますが、でき得る限り一日も早く締切りにかかりたいのであります。何しろ多量の資材を集めなければならぬ關係上、大體二十日と考えておる。しかしながらくいが出れば、直ぐ一日も早く、今申し上げたような、四分六分の水は、四分の水をできるだけ本流にまわしたいという意味から、まずくい打ち水制を入口にやつて、それからあと締切りの方にかかつていきたいと考えております。従つて今のような水位が下つておる時代には、すでに渡良瀬の遊水池の水がこちらに逆流するという現象はほとんどやんでおります。ただあの決壞當時においては當然起つたので、きようの新聞でもごらんになつた通りに、逆に水口がついておる。これは決壞の當初における瞬間のもので、大體あの空中寫眞は、決壞したのは夜中の十二時でありまして、その日の午後の二時半とつた寫眞であります。まだまだ相當水勢が高まつた時代でありますから、赤麻沼の貯水池は相當の流量があつたためにああいう現象を呈しておるのであります。現在下流における水位はすでに二メートルないし三メートルくらい下つておりますから、現在やはり自然に從つて下流の方に赤麻沼の水は流れております。
#12
○葉梨委員 大體決壞場所における状況あるいは應急處置については、一應了承いたしました。しかしこの工事は二十日と新聞では傳えられておりますが、局長の御言明によれば、少くも十日間で應急締切工事を完成したいというので、十日間が一週間に短縮されることを希望する次第であります。と同時に、今後の天候に對しましては、これは豫測を許さない状態でありますから、假締切の工事をやりますと同時に、なおその間における本工事完成までの間の少くも十月一ぱいくらいにおける危險防止の對策を講じなければならないのではないか。それについても關宿の分水については現在以上の分水が講じられないものかどうか。これは現在やつておる締切工事をやるときに同時にやるべきものではないかと考えますが、技術的にはどういうことになりますか。現在程度の分水界にできますまいか、もつと關宿の江戸川に流す水量を増すことが、現在でも措置のしかたによつてできるという技術的の見解がとれますかどうか。その邊の技術的見解を承つておきたいと思います。
#13
○岩沢政府委員 今の締切りは本當の水を締切つて一日も早く下流に水がはいることを第一段としてやらなければならぬ。締切りができると同時に私の方でも少くとも來年の春水に耐えるだけの高さに工事を連續していきたい。そういうような意味から大體の工事費は利根川の四箇所において一億内外のものがかかるのではないかと考えておるのであります。それに續きまして、できるだけこういう弱點を救う意味において、葉梨さんは關宿の問題をお取上げになつたと思うのでありますが、その點はやはり私も同感でありまして、できるだけこういう弱點のある場合においては、餘力をもつておる江戸川に水を流すということは、現在の閘門に操作により、あるいは水面の操作により、できるだけ下流に流し得るのであります。
#14
○葉梨委員 江戸川關宿の分水の分擔の分け方は最大限どれくらいまでなし得るものでありますか。またどれくらいまではやつていかれるという國土局としての腹を示していただきたいと思います。
#15
○岩沢政府委員 この點につきましてはまだ最後の結論には達していないのでありますが、昭和十年のときに一萬立方メートルが供水量であります。しからば江戸川にどれだけの負擔をかけるかということについて相當の議論があつたのでありますが、そのときはまだ増補の場合においては二千を負擔さすのだ、こういう計畫でおつたのでありまして、私といたしましてはあまりに湛水量が少いというので、もう一遍去年から委員會を設けまして檢討させて、大體私一個の希望としては三千くらいをもたせたらいいのではないか、こういうぐあいに考えているのですが、現在の野田の方の下流においては三千は十分に流し得るだけの斷面があるが、ただ野田と關宿の間の堤防を埼玉縣の方に向つて引き堤をして、セクシヨンを擴げなければならぬという計畫になるのでありますが、これも現在のような食糧増産の聲がやかまして際において、埼玉縣における美田をつぶすことはどうかという聲が相當あつたために、遂まだその決定までは至つておりません。しかしながら今囘のような水害に鑑みまして、この際は抜本的な考えをもつて、もう一遍檢討してみたいと考えております。
#16
○葉梨委員 私の内務省に對する質問は終ります。
#17
○本間委員長 農林省の中間報告があります。平川政府委員。
#18
○平川政府委員 東北方面の災害補給金といたしまして、先般應急の金融をいたすという決定を閣議でいたしたのでありますが、これを對する實行の方法といたしまして、一應農林中央金庫を通じて農機具その他を融資いたします方法について、農林省から中央金庫に對して指示をいたしまして、中央金庫から各支社において融資をいたしているのであります。そのほか農業土木及び山林關係の方面に對しましては、これは大藏省の方から市中銀行の金融を受けしめるということに方針がきまりまして、大藏省の方から各財務局及び日本銀行に對しまして、これが融資方を通知いたしておるのであります。農林省といたしましては、閣議において決定いたしました總額二億三千萬圓ほどの金額に對して、先般御報告申し上げましたような各縣に對する割振りをいたしまして、これだけの金額の融通を受けることになつておるからという通知を各地方廳にいたしたのであります。なお實際の出先の方面においては、金融の困難その他の關係から融通を受けられないというおそれがありますために、そういう場合においては速やかに農林省の方に連絡をしてもらうように具體的に連絡をお願いして、すでに大藏省、日本銀行から金融の逼迫しておる銀行に對しては裏づけをするという處置を講ずる方針であつたわけであります。具體的に地方において金融を受けられないという縣におきましては、速やかに農林省の方に連絡するようにという通知を電報でいたしておつたのであります。一面大藏省の方においてそういう方針は示されましても、しつかりした一つの擔保力をもつておりませんと、なかなか銀行が貸さないのではないかということから、國庫補助金及び府縣費をもつて計上した災害復舊費に對しましては、特に日本銀行を指導いたしまして、金融をするようにという通牒を大藏省の銀行局の方から地方に出しておるのでありますが、それには金額を明示する必要がありまするので、國庫補助金としてきまりました分は通知を各縣ごとに出しております。これは第二・四半期分につきまして、經濟安定本部の方において、手持ちの公共事業費を持つておりましたために、それのうちから東北分として約八千八百萬圓を出しまして、これに對して、これを一つの擔保力といたしまして金融するようにということを第一囘にいたしました。第二囘目にさらに第三・四半期といたしまして――第三・四半期の方はまだ經濟安定本部の方で手持ちでないのでありますけれども、およそこのくらいの程度の補助金はおそらくいくであろうという見込みを立てまして、總額約八千七百萬圓ほどの金額につきまして、この程度の補助金はいくであろうから、金融をするようにという通知をいたしております。その二囘の通知を銀行局の方から財務局及び日本銀行に對して出しております。農林省としては總額二億三千萬圓ほどのものを各縣に對して金融をするからという通知をいたしております。この二囘の八千八百萬圓及び八千七百萬圓の第二・四半期及び第三・四半期の補助金は、合計いたしますと約一億七千萬圓ほどになりまして、なお五千萬圓ほどの分は補助金が未定になつております。と申しますのは、第二・四半期の分は、先ほど申しましたように、經濟安定本部の方で手持ちの金がありまするので、これは確定をいたしましたが、第三・四期の方は手持ちの金がありませんので、いずれ追加豫算その他の方法によつて新たに財源を求めなければならぬという關係にあります。またこの二億三千萬圓ほどの東北に對する資金の融通というものは、十一月までを見込んでおるのであります。十一月までの分量といたしまして融資總額二億三千萬圓を豫定しておりますので、とりあえず九月においてはこれだけ出しておけば、あと不足分は約總額五千萬圓ほどでありまするから、これはいずれ九月の終り、あるいは十月早々、それまでの間に具體的な當の情勢も見極めて、仕事の情勢も見極めまして、さらにいたすことにいたしたい。つまり經濟安定本部の方の補助金の金額といたしましては、なお五千萬圓だけ留保になつて、あとに延びておるわけでありますが、總額一億七千萬圓ほどは大體きまりまして、具體的に大藏省の方から財務局及び日本銀行に對しまして融資の裏打ちとして通知をいたしておるわけであります。さような状況になつております。
#19
○本間委員長 その内譯はわかりますか。それをちよつと……。
#20
○平川政府委員 第二・四半期分の總額八千八百萬圓ほどの融資の内譯は、青森縣が六百三十六萬二千圓、端數を切捨てて申します。それから岩手縣が一千三百二十一萬九千圓、宮城縣が三百一萬八千圓、秋田縣が四千九百五十七萬四千圓、山形縣が一千六百二十六萬四千圓、總額八千八百四十三萬九千圓、それから第三・四半期分といたしまして、第二囘目に通知をいたしましたのは、青森縣が七百六十三萬九千圓、岩手縣が一千百七十一萬九千圓、宮城縣三百五十四萬四千圓、秋田縣四千七百九十三萬四千圓、山形縣一千六百四十五萬九千圓、合計いたしまして八千七百二十九萬三千圓、二囘の分を合わせまして約一億七千六百萬圓になりまして、全體の計畫二億三千六百萬圓に約五千萬圓留保になつております。
#21
○根本委員 ただいま示された數字は、これは補助金として指令されたのでありますが、融資額として指令されたのでありますか。
#22
○平川政府委員 これは融資額として大藏省の銀行局の方から、日本銀行及び地方財務局に對して通知をいたしたのでありますが、ただ融資の裏打としてこの程度の補助金が行くはずである、こう言つておるわけであります。
#23
○根本委員 ただいまの御説明によると、結局これは融資額として指令したということになつておるのでありますが、現地に行きますと、日本の支店は銀行局からの指令に基く國庫補助金竝びに地方負擔額が明確になつてまいらなければ、いかようにも自分の方では處置できない。こういう現状でありまして、現實には農林省關係では、先ほども言われたように、いろいろ手配してくださつておるけれども、全然現物化していない。從つて中金關係の農業資材及びその他の關係の資金が流れておるだけであつて、農林當局關係は全面的に停止しておる現状であります。これはまことに地方としては遺憾な點でありまして、むしろ逆に最初の出足は非常に遲かつたのでありますが、内務省關係方面の資金は補助額が決定されて通知されたので、それについては融資ができておる。こういう現状であります。東北の水害が起つてすでに二箇月である。閣議でも決定され、さらに委員會で幾たびも問題になり、なお先般の八月三十日の委員會においては、いわゆるつなぎ資金の問題が具體的に取扱われないと、せつかく大事な時期が全然效果がなくなつてしまう。こういうことで相當つつこんで質問をし、言明を得たのでありますが、しかるに依然としてこういう状況でありますと、いわゆる縣廳方面における解釋の違いで現實化しない。こういう現状なのであります。どうかこの點は今日は大臣及びその他の責任者が來ていないので追究することははなはだ困難でありますが、どうしてもこの際委員長におきましては、せつかくこのたび政府においては西尾官房長官を委員長とする對策委員會が決定されたならば、今度の水害對策委員會においては、ぜひとも官房長官なり、あるいは政府の總意を代表して、一たび委員會で言明したことなら、具體的にできるような態勢をとつてもらわなければ、まつたく委員會において取上げた問題が事務的に一つも進まない。しかもこういう際に今度の關東水害が起きておるので、おそらく今後も同樣な撤を履むであろうということを憂えるのであります。特に現在追加豫算が直ぐに計上できない現状におきまして、關東水害におつても、恐らくつなぎ資金の問題は當然重要な問題として取上げられると思う。しかるに今のような状態であるならば、この問題もまた融資なくして冬を迎えるということになりますると、本年度の水害對策は全然處置なくして、答辯と質問を繰返しただけで、結局現物化されたとこにはこれができない。こういう現状になることを憂えるのであります。その意味におきましてどうか政府委員におかれましても、せつかく本日御出席の政府委員の方々は、それぞれ事務當局として一生懸命にやつていただいておることはわれわれははつきりわかります。しかしながらそれを總合して、現内閣がこの問題を具體的に取上げるところの能力がないのを、私ははなはだ遺憾に思う。これは特に大臣ならびに總理大臣の重要なる政治責任を問わなければならぬと思う。この意味においてどうか委員長においては、政府の方において各政府委員が答辯し、決定したといつたことが事務化するように、しかも各省間における連絡が十分にできて、速急に實現できるように、特にここに要望して一應私の意見を終ります。
#24
○本間委員長 この委員會はあとで申し上げようと思つておりましたが、近く關東地方における水害も含めて、一本にして水害對策を立てることになると思います。近くお説のような態勢をとるために、總理、さらに官房長官の責任者の出席を求めまして、會議を進めたいと思いますから、その節どうか十分に御發表を願いたいと思います。
#25
○葉梨委員 ただいまつなぎ資金の融資の問題から、補助費云々ということの御説明がありましたが、本日の本會議におきまする「松厚生大臣の説明によりますると、内閣においての方針は先般上程せられました災害救助法案を全面的に適用する。こういうことに閣議が決定して、政府はこの程度をもつて進むということになつております。從つて補助率は災害救助法案の補助率において内務省の計畫及び農林省の計畫は決定しておられると思うが、東北地方に對して私の今まで申し上げた率をとつておられますかどうか。内務省及び農林省の國庫補助率はどの率をもつてやつておられますか。これは今囘の關東大水害に對する國庫補助率の決定にも重大な影響があると思います。本日の本會議においてはつきりと一松國務大臣より言明せられた。その通りやつておるのかどうか。もしそうでなければ東北に對しては急速に改討する必要があるのであります。また關東地方においても今後の査定はこの災害救助法による補助率によつて決定されなければならないと思います。これは内務、農林兩當局よりひとつ伺つておきたい。
#26
○岩沢政府委員 災害救助法案におけるところの補助率は、私どもの方は災害復舊の法律がありまして、それに嚴として三分の二ということに規定しておるのであります。現在においてもまた今後においても、三分の二というものを嚴守していきたいと考えております。ただし縣の財政いかんによつては、災害激甚の場合には、財政援助という方式でこれを援助するということに進んでおるのであります。
#27
○平川政府委員 ただいま補助金の裏打ちをやると申しましたのは、まだ補助率を算定いたして、全面的に補助金をきめておるわけではありませんで、ただ融資をいたします際に、銀行側の方で何かこれだけの融資をしても、あとから國庫の補助がくるということがないと心配して貸せないだろうということで、實は全體の事業費としてはもつとずつと大きいものでありますが、そのうちごく内輪に見積りましてもこの程度の補助金はいくだろうということで決定をいたしました。具體的の補助率については今後なお大藏省と折衝いたしましてきめるわけであります。農林省關係の補助率につきましては、別に規則等もございませんで、その都度の災害程度なりあるいはその地方の財力なりに應じまして、六、七割から九割五分くらいまでの間において從來決定をされておるのが常であります。おそらくその程度で具體的には決定するだろうと考えております。
#28
○葉梨委員 私のお伺いしておるのは、つまり裏打ちの問題で融資がスムースにいくかいかぬかということになります。裏打ちの問題がはつきりしていませんから融資が圓滑にいつていない。從つてその基準をはつきりさしておく必要があろうという趣旨から、お尋ねしておるのであります。この災害救助法の條文によりますと、土木建築においてももちろん補助をすることをはつきりと明記してある。なお本日の一松國務大臣の言明によりますと、風水害對策に對しましては、この災害救助法は全面的に適用していくのだ。この意味において内閣においても西尾官房長官をその擔當者として、内閣全體の組織をもつてこれに當つておるのだが、その具體的の運用は災害救助法案に基いて運用していくということである。しからば災害救助法の三十六條には、はつきりと補助率が明記してある。少くともこの法律が適用されるものだということが内閣で決しておる以上、その補助率の裏打ちがなければならぬ。この補助率が内輪のものであれば、地方の金融機關は安心して融資してくれる。また日本銀行も安心して融資してしかるべきものである。内務省關係においては災害復舊については規定があるというが、それらを超越して内閣全體が災害救助法を全面的に適用すると國務大臣が言明しておる。しからばこの率によるべきものと思う。これはひとり農林省ばかりではない。内務省あたりにおいても適用されることになる。ただそれの範圍は各地方々々と本省との打合せによつて、どの程度に豫算をきめるかということは、これは別問題である。しかしながら關東水害の融資額等については、きのう財政金融委員會において大蔵省當局から、少くとも東北地方と同等の取扱いをして、ただちに全貌がわかり次第處置を講ずるというようにはつきり言明してある。ゆえにこれの全貌がわかり次第、それだけずつこの率の適用をもつてするという考えをもつて、事務當局がお進みになれば差支えないものと思う。その點を私は御注意申し上げておく。これは同法第三十六條に率は明瞭にきめてあるから、その率をよくお調べになつて、そうして各地方廳と連絡をとられて、金融機關にもこれをもつて裏づけするという方針をもつて進まれたらよかろうと思います。事務當局は閣議決定のその内容をお認めになつて、ただちに處置をおとりになられたらいかがでありますか。
#29
○岩沢政府委員 ただいま葉梨さんのお話でありますが、私どもは災害救助法におけると同等の建築關係については、これはほんとうの災害の救助に要する、たとえば橋が落ちた。そうしてこれに對して應急的な假橋をかけねばならぬ、こういうものに對してのみこの法案が適用できるものだと考えております。これを本格的に元のものに直すという、いわゆる災害復舊工事に對しましては、やはり從來の内務省の規定を適用するものだと考えておりますけれども、さつきのお話の通り、この點は十分研究いたしまして、できる限り私どもといたしましては、地方財政を援助するという趣旨のもとに十分研究をいたします。
#30
○根本委員 ちよつと關連して……。内務省關係は先ほど局長さんから説明されたように、第二・四半期、第三・四半期の補助額が明示されておる。しかるに農林省關係は、先ほど平川政府委員が説明したところによると、補助額ではなくて融資額だというふうな差がある。しかも先ほど申したように、地方銀行あるいは日銀の支店長においては、補助額がはつきりしていないと貸出せないという現状なのであります。そうしますと依然として農林省關係は當分の間現物化できない。こういうことになります。どうかこの點はすぐに現物化するように處置していただかなければならぬ。内務省關係で補助額が決定できて、農林省關係で補助額が決定ができないというその理由、そしてまだこれでほんとうにあなた方が自信をもつて現物化できるかということの事務的な連繋、特に大藏省あるいは日銀とどういうふうなはつきりした具體的な話合いで、これが現物化できるということを言われるか、その點を明らかにしていただきたいのであります。
#31
○平川政府委員 融資の裏打ちとしての補助金ということを申したのでありますが、補助金額としては決定しておるわけであります。つまりただいま御心配になりましたように、補助金額が決定しませんと、銀行が貸さないだろうということからして、少し内輪ですが全體の補助金額を決定することは、なお愼重を要するわけでありますけれども、全體の事業費のうちの二割かそこいらのものでありますれば、必ず補助金は行くということで、補助金額として決定をいたしまして、これだけの補助金額が決定したから融資をしてやれ、こういう通牒が大藏省から出ておるのです。なお内務省と農林省關係につきましては、大藏省からの通牒におきましても、内務省關係はいくら、農林省關係はいくらと同一の通牒が出ておるのでありまして、銀行との關係はその扱いは何ら違つておらないのであります。ただ、たまたま地方におきまして、係官の間の連絡その他の關係で、農林省關係の融通がうまくいかなかつたというのがあつたかもしれませんが、大藏省からの通牒は同文で出ております。その内譯として内務省關係としていくら、農林省關係としていくらというふうになつておるのでありまして、その建て方においては何ら相違がないのであります。
#32
○根本委員 そうすると、これは大藏省との連絡ができておるから、ただちに地方銀行、あるいはまた日銀から縣においては借り得るようにはつきりと連繋ができておりますか。これをいくたびもわれわれが念を押すのは、委員會で何囘も言つたことが、結局出ていないという現状だからであります。
#33
○平川政府委員 確かにその通りでありまして、まつたく地方に對します大藏省の通牒は、ただいま申しましたように、同じ通牒が兩方にまたがつて出ておるのでありまして、差はないのでありますから、縣廳から日本銀行なり、あるいは財務局なりに對して、これだけのものを貸せということを言えばただいま申しました金額につきましては、問題がないはずであります。もし實際にそれでもうまくいかないということがあれば、速やかに農林省に連絡をするようにということを、念のために各地方長官にも、通牒を出してあります。これで間違いないと思います。
#34
○葉梨委員 ただいま農林省の御説明は、大體總額の二割とか三割とかの補助額であるということでありますが、そうすると災害救助法を適用することになりますと、非常にその率が違うことになる。よくその邊については御研究を願いたい。私ども今度はすぐ關東水害に對する補助率について當局と話合いを願うわけでありますから、それまではつきりしておかれるように、事務當局としても内閣の意向をはつきり確かめておかれる必要があろうと思います。閣議決定事項として先ほど本會議で言明されたその率は、さような少額なものでなく、三十六條にはつきり書いてありますから、十分御研究の上善處せられんことを望みます。
#35
○平川政府委員 およそ二割程度と申しましたのは、全體の事業費に對して、とりあえず二割程度というのでありまして、全體の事業分量は必ずしも一年間でできる分量でありませんで、數箇年でできる全事業分に對して二割くらいの補助が必ずできるだろうということで、二割ほどの金額を應急的に融資の對象になるべき補助金としてきめたのであつて、必ずしも補助率が二割という意味でありません。
#36
○本間委員長 庄司一郎君。
#37
○庄司(一)委員 最初運輸省當局に簡單な質問をしてみたいと思います。先ほどの本會議において運輸大臣から、今囘の水害による鐵道の各地における列車運轉ストツプ問題について相當まとまつた御報告があられるものと期待しておつたのであります。しかるに運輸大臣におかれては、議長の報告によれば、まだ御報告する程度にまとまつていない。あるいは間に合わないという言葉で議長は表現されたのでありますが、今朝の新聞等では、東北線は當分見込みがつかない。あるいは常磐線は土浦まではよいが、それから仙臺方面までは當分見透しがつかぬ。あるいは上越線はこんな状態であるとかいう報道が今朝の新聞にありました。しかるに運輸大臣においては國民が非常に關心をもつているこの輸送關係について、國會に御報告なさるまとまりがまだついておらないとか、間に合わないという理由で御報告が怠られておるとするならば、これはまことに遺憾千萬なことであります。そこでお伺いする結論は、具體的に言えば、東北本線、あるいは常磐線、あるいは上越關係線であるとか、あるいは總武線であるとか、さような關係のただいま災害によつて運輸の中止されている省線等において、むろん不眠不休、晝夜兼行で復舊工事に從事されていることとは思いますけれども、大體いつごろになつたら運輸が再開できるというようなことのお見透しを具體的にお伺いしたいのであります。特に東北地方なんかはただいま都内における越冬燃料としての木炭、あるいは薪、木炭だけで約八十五万俵ほどが滯貨している。あるいは産地に山積している亜炭だけで、御承知のように、約二十五萬トンが東北六縣の亜炭生産地に滯貨している。かようなものを都内に輸送しなければ、越冬燃料の問題はむろんのこと、石炭不足の折から各商工業、中小工場等における熱源としての亜炭の輸送というものがまことにおぼつかない、その結果せつかく復興しかけたところの中小工場等における燃料がはいりませんために、工場がストツプするというような傾向に陷るおそれがあるのではないか。まことにゆゆしい問題である。また東北地方に對するところの追肥等の輸送の點においても、まことに憂慮にたえないのでありまして、運輸省當局の即決的な善處を要請すると同時に、大體の再開通の見透しいかんというようなことを最初お伺いしてみたいと思います。
#38
○岡田政府委員 今囘の水害によりまして、相當輸送關係の被害を受けたのでございまするが、ただいまのお尋ねの線路の不通状況竝びに開通の見込みについて率直に申し上げます。東京附近から申し上げますと、常磐線でございまするが、水戸までは昨日開通したしまして、水戸の二つ先の區間が相當の被害を被つております關係上、これが復舊に二十三日まで要しますので、二十三日中にこの區間が開通いたしまして、ずつと常磐線を通り仙臺の先の小牛田までまいる豫定になつております。
 それから東北本線につきましては、利根川の氾濫の結果友部附近が冠水しております關係上、目下水が引くのを待つております。これは構造物があまりありませんから、水が引きますれば間もなく開通いたしますので、水が引けばよいわけでございまして、いつ水が引くかということはちよつと今日申し上げられないと思います。なお新潟の方へまいりまして、高崎線でございますが、これは高崎までは昨日開通いたしまして、信越を通り新潟の方へは連絡がつくのでございます。それから上越線でございますが、沼田、岩本間に非常に大きな災害をこうむりました關係上、これは確かなることは申し上げられませんが、今後一箇月間復舊に要するのではないかというただいまの見込みでございます。それから中央線でございますが、甲府の手前の初狩、笹子附近に相當の被害がございまして、これは來月五日に開通する見込みでございます。なお甲府と東海道の富士をつなぐ身延線につきましても、一箇所相當大きな被害を受けまして、これは目下調査中でいつごろということは申し上げられない状態でございます。なお支線といたしまして、高崎と小山をつなぐ兩毛線、あるいはまた水戸と郡山をつなぐ水郡線等にも相當被害がございますが、主要幹線に全力を注いでおります關係上、目下のところこれらにつきましては開通期日は未定ということに相なつております。それから全臺管内にまいりまして、東北本線でございまするが、小牛田、一ノ關、黒澤尻、この區間が相當なる河川の氾濫によりまして浸水いたしまして、目下まだ水中に沒している状態で、ただいまのところ二十一日か二十二日には線路が水から現われまして、開通いたすのではないかと見込まれております。そういたしますると、東京から青森までの區間が二十三日中には連絡がつく見込みでございます。なお仙臺附近におきまして陸羽東線でございますとか、釜石線とか、山田線の大きな路線が相當被害をこうむつておりまするが、これらも目下調査中でございまして、ただいまのところ正確にいつから開通するかということは申し上げられない次第で、まことに遺憾に存じます。なお大體今囘の水害によりまして、目下集りました情報によりますると、大體東京、名古屋、新潟、仙臺、各鐵道局を合せますると、約六百六七十箇所が、あるいは築堤の崩壞であるとか、土砂の崩壞、橋梁の損失、こういうさまざまな災害を受けておる次第であります。大體概略は以上の次第であります。
#39
○庄司(一)委員 鐵道の方は大體それでよろしうございます。内務省に一、二點お伺いしたいのは、先ほど内務大臣が大會議で報告された以上に詳細な報告を、さいわい私は仙臺市に發行所をもつております河北新報の都内の支社の方より聞きました。相當宮城縣等も被害があつたようであります。先ほど國土局長は岩手縣等も相當被害が甚大の模樣であるというお話があられたのでありますが、東北六縣全體の情報はもつておりませんが、宮城縣の二、三時間前に新聞社の入手された情報によりますると、宮城縣だけで死者六名、行方不明十二名、重症患者十二名、床上浸水千百六十五戸、床下千百二十三戸、流出家屋六十三戸、埋沒家屋二十七戸、橋梁の流出及び破壞が六十九、堤防の決壞が二百七十五箇所、水田の冠水千三百町歩及び浸水田が三萬八千三百十一町歩、宮城縣の水田は十萬五千町歩ほどございますから、縣下全體の水田面積の優に三分の一強であります。畑においては九千三百四十町歩、かような被害の状況を先ほど入手したのでありますが、何らかの方法によつて東北五縣竝びに北海道その他の未だ詳細に御報告を受け能わない府縣の災害状況を、ラジオ放送その他適當な方法によつて詳細に内務省は入手されまして、本委員會あるいは適當な機會に本會議等で御發表をお願い申し上げたい。それに對してわれわれは基本的な根本對策、あるいは應急對策等に關する御協力を申し上げたいと思うのであります。それからこういう一點を伺つておきたい。最近内務省の一角より、あるいは都道府縣土木部長等が、災害の復舊工事等はもつぱら直營工事をやると言つておる。往年唐澤土木局長の時代にさかんに直營の方法を實行されましたが、直營も場所によつてはよろしいのであるが、橋梁であるとかコンクリート工事のような相當專門的の技術を要するものは、これは絶對に土建業者にやらせなければならないと私は考えておる。直營はなるほど農閑期における農民の救濟工事あるいは失業者の救濟というような意味においては結構な施設でありますけれども、とにかくその竣工された土工の仕事の結果があまり思わしくありません。やはり相當の時日を要するものは專門家に任せる必要がある、かように考えております。このごろも宮城縣の知事が縣會において土建業者等には全然仕事を與えないで、直營でやるというようなことを申されたために、縣會で一もんちやくが起きたようでございますが、あくまでも政府は直營主義というような一つのイデオロギーの上に立つておやりになるものでしようか、または仕事によつては業者に任せるという御方針でございましようか。全國的に災害の復興の能率を上げるためには、適當に處置をしなければならないと考えておりますが、御方針はいかがでありますか。
#40
○岩沢政府委員 直營工事につきましては、これは官廳における直營工事は内務省が最初で、そうして明治四十三年の大水害のときに、内務省が直營工事をやつたというのは、結局その當時における民間の建設力というものが非常に低下して、こういつたような大工事はほとんど能力がないという點と、また將來における民間の建設力を高揚するという意味において、この直營工事を採用したように聞いておるのであります。爾來數十年、この内務省の直轄工事というものを續けておつたのでありますが、一方民間の建設力というものはやはり相當進歩いたしました現在におきましては、あくまでも内務省の直營工事は民問の業者を拒否すべしという考えは、この際とるべきものではないという方針でございまして、内務省といたしましては、すでに長い間の歴史をもつておる直轄工事も、一昨年からは要するに請負と直轄と二本建でいつておるのであります。要は非常に重大な技術的要素を要する、また重要なものについてはこれは多少時日はかかつてもいい、いい仕事をするという意味において直營工事は私は推進すべきものだろうと思います。しかしながら一般的な工事についてはすでに民間の官もほとんど同じ建設力をもつておる今日においては、やはり工事を急ぎ、また能率的にやるという意味から言つても、こういう民間の建設力を利用するということにいかなければならぬと考えております。宮城縣知事はどういう方針でそういうことを言明されたかはしりませんけれども、現在における段階におきましては、大體直營と請負の二本建でいつて、日本の建設力を推進すべきものだと考えております。
#41
○庄司(一)委員 ただいまの御答辯で明快に了承いたしました。なお今囘の關東水害竝びに東北地方にとつては、最近における第二次の水害である、あるいは北海道その他の府縣等においても相當被害が甚大でありますので、拔本塞源的の治水對策を當然内務省としてはおとりになるべきものであると思いますが、今までの補助――ただいま頂戴しておるこのプリントの中にある二億三千萬圓ですか、さようなものは民生安定費あるいは豫備費等より御捻出なされたものであろうと思いますが、今囘の水害は東北にとつては第二次の水害で、いわゆる泣き面にはちという言葉がありますが、それ以上深刻なものである。他の府縣においても相當災害をこうむつた府縣があると思いますので、これは相當厖大な豫算を國土局長におかれても考えなければならぬと思つております。しかる上は當然今囘の追加豫算の中に相當額を要求なさるべきはずのものであると考えております。これらの各府縣に對する補助額あるいは融資の關係等においても、相當巨額の國庫負擔竝びに國庫補助金等を獲得しなければならぬと考えるのでありますが、今囘の追加豫算に相當額を御要求なさる御準備あるいは御用意等ございますでしようか、念のために伺つておきたいと思います。
#42
○岩沢政府委員 東北方面におきましての工事は、大體今年度においては十一月ぐらい、それ以上は仕事はできないというような觀點から、先ほどお手もとに差上げましたように、第一囘、第二囘の融資を建設資金として一應その限度において仕事に支障ないようにしておるのでありまして、大體今までの取扱いといたしましては、災害があつた場合におきましてはその年に査定をいたしまして、そうして總金額を決定し、その後においてその年の通常議會にその年度に追加豫算として提出するというような順序になつておるので、今囘のような大水害におきましては、やはり從來ならばその手でいかなければならないのでありますけれども、このたびは前例を破つて融資というような新方法を與えられたことは、われわれの工事を促進する意味から言つても、非常に新しい方法で喜んでおる次第であります。しかしながら今度提出される追加豫算にこの工事費を提出する用意があるかどうかという御質問でありますけれども、この點はやはり從來と同じような一應嚴格な査定をいたしまして、その決定額によつて通常議會において追加豫算として提出する次第であります。しかしながら工事においては何ら支障のないような手はずは今後においても處理したい、こういうふうに考えております。
#43
○庄司委員 通常議會において土工關係の國庫負擔竝びに國庫補助等を獲得されるまでの間、間違いなくつなぎをつけられる御確信があれば、ただいまの御答辯で滿足いたします。
 そこで私は最後的に一應内務省に要請しておきたいのは、けさのわれわれ衆議院の公報の報道によれば、本年五月二十三日以來國會に提出された國民諸君の請願が約一千二百通に及んでおります。約一千二百通のうちぼくは特に必要があつて、河川改修あるいは道路の改修というような内務省國土局關係の豫算に直接關係のある點を克明に數えてみますと、約二百六十いくつの請願が現われておるのであります。それらの請願は、御承知のごとく國會においてこれが採擇になれば、議長の名によつて内閣總理大臣に公文書をもつて告知する。それを受取つた内閣總理大臣は、閣議においてその仕事の緩急よろしきを得るよう、あるいは時の財政のいかん等によつて處理されることは御承知の通りでありますが、今囘の請願が、特にこの河川改修竝びに道路橋梁等の請願がいかに多いかということは、これは言うまでもなく過般來の水害による關係と、また各府縣があらかじめ水害を未然に防止せんがために、いわゆる防災工事的の意味において今まで野放しにされて河川が原始状態になつておりました。護岸工事も堤防も何もない。そういう方面において、來るべき水害を未然に防遏せんがための請願も、相當あるかに見受けたのであります。そこで從來のやり方のような、單に閣議で採擇になつたようなことを、次年度の國會に御報告というだけであつてはならない。どうか内務省が建設廳となろうが、建設院となろうが、將來のことはわかりませんけれども、國土計畫の上において、どうしてもこの河川の改修、あるいは治山治水等の關係では、大いにがんばつていただかなければならぬということは言うまでもないのであります。今囘の請願關係、特に國土局關係の請願等には局長みずから全部お目通しになり、眞劍に御檢討くだされ、内閣閣議の御會合等においても一生懸命御努力くだされ、なるべく全國各都道府縣の請願に現われておる痛切な人民の叫び、要請を入れてくださることができるようにがんばつていただきたい。今までのようなお座なりな請願の採擇が國會において行われるというようなことは、今後はないと思う。非常に眞劍に請願をまじめに檢討されておりますから、少くとも國會において採擇になつた河川の改修の問題については、あるいは財政、豫算の關係上、二年、三年、中には五年計畫というものがありましようけれども、とにかく眞劍におやりくださる熱意をもつて、御善處あらんことを私は切に要望してやまないのであります。この點についてはあえて御答辯を要求しませんが、人民の切なる要求をむげにしないよう、なるべきこれを入れて工事をやつていただく、そういう段取りにお進めあらんことをこの際特にお願い申し上げておく次第であります。
#44
○河口委員 先ほど岩沢政府委員から北海道の水害の概況の報告がありましたが、實は私のもつておる資料と金額の面において食違いがあるように承知するのですが、私の方にまいつておるのには金額が十一億四千萬圓となつておるのですが、この點何か省かれておるのではないか。さらに北海道の水害は八月の下旬に至り釧路地方に大水害がありました。御承知のごとく釧路地帶は畑作地帶で、馬鈴薯の被害が非常に甚大で、北海道から内地へ向け種芋の移出を本年度二百萬俵計畫しておりますが、その移出がこの地帶の水害によつて困難に陷つておるという状況にあります。これらを總合すると、その表に出たよりも被害の程度がまだ多くなると考えられるのであります。もちろんこれは概況でありますから、いずれ詳細な御報告を願うことになると思いますが、その點一つ御了承いただきたいことと、なお私歸省しておる間に、北海道の水害状況を調査してまいつたのですが、橋梁などの流失したのを見ますと、昨年の水害によつて新しくかけられた橋が全部流されておるが、古い橋は流されていないということが、いかに現在の仕事がまじめに行われていないかということ、これらの點について特に政府の御指導、御考慮をいただきたい。さらに決壞した場所を見ますと、これは前々から陳情をいたして修理を非常にお願いしておつた場所のみが決壞しておる。これらの點については私ども非常に遺憾に感じて見てまいつたのであります。なお北海道の水害は中央部の急流地帶でありますから、流された地帶は畑地の全部の土地が流され、こういう大きな石が畑の中に轉がつておる。耕作ができないというような悲慘な状態であるということを附加えて申し上げますが、いずれ北海道の水害状況の詳報がまいりましたときに具體的に御報告を申し上げる考えでありますが、この報告にさような間違いのあることをこの際申し上げておきます。
#45
○岩沢政府委員 ただいまお手もとに北海道の災害の概況をお渡し申し上げたのでありますが、これは箇所數については相違がないというお話でありますが、金額において差異がある。これはただ道廳から出たものをそのまま寫したのでありますから、いずれ十分その道廳の方と連絡して訂正したいと思います。なお釧路方面における災害につきましては、まだその報告に接しておりませんから、いずれ北海道事務所とも連絡をとり、十分その精査をいたしたいと思います。また在來の工事が非常に嚴密で、最近における工事が非常に粗雜であるという點につきましては、私どもは非常に遺憾に存ずるのであります。この點は十分注意して、再びそういうことのないようにしていきたいと考えております。
#46
○本間委員長 本日の各派交渉會で、本委員會の委員を入替え、東北、關東地方の水害も一本で對策を樹立する方法に促進するようにきまつたようでありますから、いずれ今明日中に委員の交代があると思います。次會は委員の交代がありましてから會議を開きたいと思つております。次會の會議は公報をもつてお知らせいたします。本日はこの程度で散會いたします。
   午後五時十三分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト