くにさくロゴ
1948/11/12 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 外務委員会 第3号
姉妹サイト
 
1948/11/12 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 外務委員会 第3号

#1
第003回国会 外務委員会 第3号
昭和二十三年十一月十二日(金曜日)
    午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 生越 三郎君
   理事 若松 虎雄君 理事 和田 敏明君
   理事 安東 義良君 理事 多賀 安郎君
      竹尾  弌君    中山 マサ君
      亘  四郎君    加藤シヅエ君
      竹内 克巳君    戸叶 里子君
      馬場 秀夫君    細川 隆元君
      並木 芳雄君    松本 眞一君
 出席國務大臣
        逓 信 大 臣 降旗 徳弥君
 出席政府委員
        外務政務次官  近藤 鶴代君
        外務事務官   西村 熊雄君
 委員外の出席者
        逓信事務官   中山 次郎君
        專  門  員 佐藤 敏人君
        專  門  員 村瀬 忠夫君
    ―――――――――――――
十一月十一日
 ソ連領より引揚促進の陳情書外八件(富山縣議
 会議長前田治吉外八名)(第六三号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國際電氣通信條約に加入することについて承認
 を求めるの件(條約第一号)
    ―――――――――――――
#2
○生越委員長 これより会議を開きます。
 昨日に引続き質疑を続行いたします。馬場君。
#3
○馬場委員 逓信大臣に一つお伺いいたします。アトランチツク・シテイ國際電氣通信條約の提案に関してでありますが、昨日の説明を伺つておりますと、この條約のテキストが日本側の手に入つたのが本年八月である。しかも九月一日に連合軍総司令官からの加入を勧奬を受けて、日本がこの條約に入る決意をしたようなことでありまして、私みずからは、完全な独立國家にならない現在に、かような一歩々々國際関係を踏んで行く形においては賛成でありますが、昨日も檢討されたのでありますが、占領軍の統治下にある日本の現状において、テキストが八月に入り、完全に檢討しないでおつたろうと思われるにかかわらず、勧奬を受けてこれをすぐ決意をされる、こういうような氣持のよつて來つたところを一つ御説明願いたいと思います。何か特にさように急いで加入する必要があるのかどうか。
#4
○降旗國務大臣 ただいまの御質問について逓信省の立場を申し上げたいと思います。この万國の條約に加盟することは、今度の國際電氣通信條約が初めてでないのでありまして、御存じの通りに、本年多分六月の末だと思いますけれども、万國郵便條約に加盟しておるのであります。先ほどお話のありましたように、連合軍総司令部側から勧奬を受けて、何らの用意なしに率爾としてこれに加盟するというようなことでは絶対ないのでありまして、この國際電氣通信條約に加入するということは、日本の國際的の位地を高からしめ、万國のお仲間入りができる。こういう意味からいつて、私は連合軍側の御好意に非常に感謝すると同時に、わが國としてもありがたいことだと思つているわけであります。そこで実際的の問題について申しますと、これは名目上の加盟でないのでありまして、御存知の通りに、万國電氣通信の條約というものは、一九三二年マドリツドにおいて行われました。この條約が引続いて今日にまで及んだのでありますが、昨年七月から十月の間において、これを更改するという立場になつたのであります。そしてこの條約は五年目ごとにまた改めて行こうということになつているのでありまして、この條約の重要なる要点は、この電氣通信のために使われる電波を、各國に割当てるというところに大きな必要度があるのであります。そこでもしわが國が今日加盟しないと、その割当について非常な不利を受ける。敗戰國で、まだ独立の体形をなさないものであるということは御説の通りでありますが、司令部からの御懇篤なる御協力によりまして、入つたらどうか、こう言われたのは、私どもとしては非常に幸いなことでありまして、この機会に、司令部の御好意とともに加盟するならば、電波の割当を受ける。これが現実の大きな問題なんです。それで今電波の割当を受けますと、それは國際通信の問題のみでなくて、國内の通信にも利用することができる。その大きい問題を解決するためにはどうしても條約に加盟したい、かように思つています。技術的のことについてはそれぞれ事務当局が檢討しておりまして、決して無準備、無調査に加盟するわけでありませんから、その点だけは御了承願いたいと思います。
#5
○馬場委員 大臣にあまりこまかいことを伺うのは恐縮でありますが、現在占領下の日本において、入らなければ電波の割当がないというようなお話であつたようにお聽きしたのですが、今現在入つてない日本の現状において、いかような状態にあるのか。あるいは入ればどのような変化をするのかということを、もう少し具体的に御説明願えれば幸いと存じます。
#6
○生越委員長 ちよつと速記を止めて。
    〔速記中止〕
#7
○生越委員 速記を始めて。
#8
○馬場委員 もう一つお伺いいたします。実は昨日お尋ねいたしましたが、合点がいきませんので重ねてお伺いいたします。先ほど私は別に用意がないのに入つたということをお伺いしたのではなくて、ちやんと八月に必要な材料を入手して、九月に勧奬を受けて今日に至つているのであります。私実はこの問題を見ているのですが、なかなかしろうとでわからない点がある。そこで昨日お尋ねいたしましたのは、各國が、かなり多くの國が留保條件をもつてこれを追加議定書で留保しているのです。日本は全面的にこれをうのみにしているような形であるのを見たので、十分御檢討の上とは考えたのですが、それのうなずけるような御説明をお願いしたい。日本が從來のような一等國並の考えであくまで行くべきであるのか。あるいは外地を削られて、日本本土だけを中心にしてかかる國際條約を見る場合に、はたしてそういうこまかい檢討をされてやつたのかという点を実はお伺いしたのですが、昨日ちよつとふに落ちない点がありましたので、もう一度。
#9
○生越委員長 ちよつと速記を止めて。
    〔速記中止〕
#10
○生越委員長 速記を始めて。
#11
○中山説明員 ただいまの日本が、どうして留保なしにこれを全面的に取入れるかという点でございますが、これは昨日説明が不十分でございまして申訳ございませんでした。実は日本といたしまして、前回のマドリツド條約のときに、これらの電信規則、電話規則につきましては、選択的にこれを施行するかしないかというかつこうになつておりました際に、これは留保なしに日本は実施いたしておつたものなのです。ところが今回これらの規則は全面的に條約と一体になりました関係上関係各國は相当留保することになつたのであります。しかし條約のほかの規定によりますれば、これは來年五月に開かれるパリの会議で改正されました以後は義務的になるということになつておりまして、ただいま留保しております点につきましても、当座の間だけなのでございまして、日本といたしましては從來からの関係もありますし、また決在電信規則、電話規則につきましては、何らの改正も行われておりません関係上、從來通りの態度をとりたいと思つたわけであります。また改正されました無線規則につきましては、必要な改正が行われましたのを檢討いたしました結果、これにつきましても全面的に実施いたしたいと考えた次第でございます。
#12
○馬場委員 先ほど來大臣は非常に得だ得だという話ですが、別に私自身も國際條約に加入することをいやだと言つておるわけでは決してない。もう少し得だからとか何とかいうことなしに、実は具体的に頭に入れておきたいのでお伺いしておる。日本がこの前も條約を一つここできめましたが、今度も別に拒否しようという氣持はありません。われわれもすみやかに入りたい。しかし大分こまかいし、うなずけない点があるのでお伺いしておるのですから、誤解のないようにひとつお願いをする。それから入つてもわずかな金だと言いますが、一体どのくらいの分担金になるのですか。
#13
○中山説明員 大体計算いたしますと、二十五單位引受けることにいたしますと、スイス・フランで十三万二千四百五十フランでございます。これを現在の相場で円に換算いたしますと、八百二十二万五千円程度になるわけでございます。それでこれを御参考のためにちよつと現在の外國通信の收支に比較いたしてみますと、大体二十三年度の外國通信によりますと、收入金三億六千九百万円余でございます。それに対しましていろいろな支出を計上いたしまして、收支のバランスを比較してみましたら、支出は二億五千五百万円程度でございまして、一億一千四百万円余の黒字になつておる現状でございまして、八百万円程度の組合費というものを納める余力は持つておる現状だと思いますし、なお御参考のために申し上げますが、現在日本といたしましては、これらの連合費を納入するにつきまして、まだ決済を進駐軍の方から認められておりませんので、これは借金というかつこうになつております。從いましてもし今回御承認をいただいて加盟することになりましても、予算的手続はまだ日本といたしましてはとれない。またとる必要はない現状にございます。これだけ御報告申し上げておきます。
#14
○馬場委員 そうしますと、加入が認められると分担金は前納することになつておるのですが、それはどこから支出することになります。
#15
○中山説明員 それがまだ私どもといたしまして、現実の手続としてどうなりますか、おそらく連合の方といたしましても、総司令部の方から何か手続が完了するまで待つていただくことになるのじやないか。また終戰後のいろいろな経費につきましても、日本はまだ支拂いを決済いたしておりませんけれども、いろいろなことにつきまして通知をいただいております。また書類も総司令部を通じまして入手いたしておりますから、やはりそういうふうに事実上の連絡だけはつけさしていただけるのだろうと思つております。
#16
○馬場委員 立てかえ拂いをしてくれるというわけでございますか。
#17
○中山説明員 滯納金ということだろうと思います。今までずつと大分たまつておりましたから、赤字がふえるのだろうと思います。
#18
○西村政府委員 ちよつとその点について補足いたしておきます。同種の問題がほかの條約関係で起つておるわけでございます。やはり中央事務局から日本政府に対して、條約による分担金の請求が参ります。ところが從來の例によりますと、総司令部の方から日本にかわりまして返答が出ておる。その返答は毎回同じ形になつております。その内容は、事務局側の請求は正当だと思うけれども、現在日本政府は外貨支拂いの手段を持つておらないし、日本の在外資産の処理についても、最後的の決定を見ていない。從つて將來日本が外貨支拂いができるようになり、また日本の在外資産について最後的処理が決定されるまでこの問題は解決できない問題であるから、それまで待つてもらいたい、こういう趣旨でございます。おそらくこの連合につきましても、そういうふうな形でとりはからわれているのじやないかと思つております。
#19
○馬場委員 そうしますと、この分担金はあと拂いでも、加入は認めてくれると考えてかまわないわけですね。
#20
○生越委員長 和田君。
#21
○和田委員 すべてのこういつた委員会における審議も、実は政府の施設方針演説がなくては非常に審議を進めることが困難なんです。この條約なども少し基本的に考えた場合に、先般も國際郵便條約、また今般はこの電氣通信條約というわけですが、こういうふうになしくずし的に平和状態へ移行していくということは、実はわれわれは反対なんです。まだ平和條約もない半独立下のこの状態においてこういうものに加入することが、必ずしも今逓信大臣が言われたように、計算の面においてはなるほど利益かもしらぬが、大きな意味からいつて、國民がはたしてこれで十分受益し得るかどうかということは疑問だと思う。やはり政府としては、まず平和條約の締結ということに努力しなければいけないのです。ところがこれに対する政府の基本的な方針というものがまだ宣明されていない現在において、こういう條約の審議を進めることは、私は非常に不適当な状態に置かれておると思います。そこで実は外務大臣がこの委員会に來て――施政方針演説をやらないならば、やはり將來の日本の外交、特に当面の平和條約に対する意向がどうであるかということを宣明されるのがしかるべきであると思う。しかしこの國会が始まつてからの吉田総理の態度を見ていると、おそらくそういう親切はないと思うから、この際あなたも政府の一員として、政府が平和條約に対してどういう考えをもつておるか、どういう積極的な努力をしようとしておるかということを宣明していただきたい。
#22
○降旗國務大臣 ただいま和田委員からお話がありましたが、おそらく日本の國民として、平和條約締結の一日も早きことを望まない者はないと思つております。從つて吉田内閣といえども、このことについて平和條約がどうでもよいという考えはないわけでありまして、全力を盡して國際國家の一員として列したいということは、申しまでもないことであります。私どもといえども、今日台閣に立つて國家の政治を行うという基本條件は、それを除いてはないのです。早く國際社会の一員となりたいというために、われわれは國内の政治を何とかして早く調整し、りつぱなものにして行きたいということは、私だけの考えではなくして、吉田総理も当然考えておることだと思う。
 そこで國際電氣通信條約の問題ですが、これは事務的に行われておるところの問題であると同時に、年限を切つて今起つて來た問題です。ですから今せつかく向うから好意をもつて加盟しろ、便宜をはからつてやろう、こう言われるのを断ることはないと思います。
 そこで御質問の通りに、この條約に加入するということが日本のためによいことか惡いことか。こういうことだけは当然批判し、調査しなければならぬことでありますけれども、その点を事務当局をしていろいろ調査研究せしめた結果、これは日本の再建のためにどうしてもしなければならぬことだ、こういう結論を得ておるのであります。そういう意味から申しますと、御説の平和條約の問題も、当然われわれが考えなければならぬことであります。それと関連がないということは言いませんけれども、この問題を処理して條約に加入するということが、かえつてまた平和條約を締結する上において害になるのだ、かように思つております。こういう意味において、どうか率直に私どもの氣持を御了察くださつて、御審議御可決くだされば幸いだと思つております。
#23
○和田委員 今逓信大臣は、平和條約に対する吉田内閣の誠意を披瀝されましたが、実は日本の國民の中には、何も平和條約は結ばなくてもよい、平和條約のない平和でもよいのではないかという意向も実際にはあるのです。國民のみが望んでおるというが、漠然とは望んでおるかもしれないが、現在の状態でもよい、アメリカは援助してくれる、外資も入つて來るだろうし、食糧も送つて來る。ポツポツと條約にも加入を許す、一部の日本人は海外渡航もできる、この状態でよいじやないか。平和條約の加入は必ずしも必要でないという人士が、実は日本には少くないのです。私はそれを懸念しまして、実は政府の言明をこの際とつておきたいと思つたのですが、幸いにして吉田内閣も大体そういう誠意があるということは一應は認めますが、しかしただ誠意があるだけではいけないので、もつとこの平和條約に対する積極的の努力というものを続けなくてはいけないのではないか。國民運動を起すというのはけつこうであるが、國民に対して大いにやつてくれというようなことだけで、政府は関係方面に対して、もつと早くやつていただきたいというようなことを言い得なかつたのが從來の内閣であつたと思うのであります。その点いかなる具体的な方策をもつて関係方面と折衝するつもりであるか、その点をお尋ねしたいと思います。
#24
○降旗國務大臣 今和田委員から大分むずかしい御質問を受けたのですが、これは前芦田内閣においても、民主党を首班とするところの連立政権、前の片山内閣においても、これは社会党をは首班とするところの連立政権です。れらの政権をずつと考えてくるときに、私はどの政府といえども、この大きい目的に熱意と協力を持たない政府はないと思います。吉田内閣であるから特別に違つたやり方があるというような、そういう問題ではないと思います。いまさら吉田内閣はこの問題についていかる経論があるか、こう言われても、それは私自身そのお答えをするよりも、大体和田さんにもおわかりになつておるのではないか、かように思います。今の問題はなるほど重要なる問題でありますけれども、これらの問題について、総理大臣を除いて私から逓信大臣として申し上げるものもどうかと思いますから、今日の問題はひとつごかんべんを願つて、この國際電氣通信條約の問題だけにとどめておいていただきたいと思います。
#25
○馬場委員 日本が加入を申し込みますと、ただちにこれは加入できるのですか。あるいはよその國で反対があつた場合は加入できないのか。この点をさらにお尋ねしたい。
#26
○降旗國務大臣 その点は連合軍司令部の方でも非常に御心配くださつておりますから、私はその御好意に信頼してよいと思います。國会においてこの案が通過いたしますれば、加盟することができると私は確信しております。
#27
○西村政府委員 事務的にちよつと補足さしていただきます。加入は、加入通告書をスイス國連邦政府を通じて連合事務総局長に送れば、それで効力は発生いたします。問題は第十七條の二項の規定であります。「加入書は、外交上の手続により、且つ、連合の所在國の政府の仲介によつて、事務総局長に送付し、事務総局長は、連合員及び準連合員にその加入を通告し、且つ、その各に加入書の認証謄本を送付する。加入は、別段の表示がない限り、その寄託の日から効力を生ずる。」日本の加入通告書というものがベルンの事務総局長の手元に届けば、その届出した日に日本の加入は効力を発生する。こういうことになつております。
#28
○馬場委員 加入はそれで認められたといたしましても、條約第十七條の規定が八入して、第十七條の規定の第一項で「第一條の規定」云々があります。第一條の規定を留保しておるソ連、不同意を宣言しておるソ連との交渉のような場合はいかような処置になるのですか。
#29
○西村政府委員 その点につきましては、昨日も詳細に御説明申し上げたつもりでございますが、ソ連が最後の議定書が留保しておりますその意味というものは、アトランテイツク・シテイ会議でソ連は米國の主張に対して、連合員の資格をいわゆる主権國だけに限りたいという提案をいたした。ところがそれが通らないで、第一條の第二項に規定しありますような妥協的な結果になつたわけであります。それに対してソ連としては非常に不満であつた。もう一つの点は、マドリツド條約によれば、連合員でありましたラトビア、リスアニア、エストニアが、このアトランテイツク・シテイ電氣通信連合の連合員となつていない。これは第一附属書に七十八の國が並べて書いてありますが、この中にこの三國の名は載つておりません。それからもう一つ、ソ連といたしましては外蒙古人民共和國は主権國だから、当然連合員となるべきものである。こういう考えでありましたが、それも通らないで、第一の附属書に載つておりません。この点を非常に不当とソ連としては考えたわけであります。從つてこの二点について最終議定書で留保しまして、この次の條約改正の会議でこの問題は再び取上げるという趣旨を明らかにしたわけであります。この次の会議は五年後に開かれますが、その以議にまた再びこの連合員の資格という問題を取上げたい。この次の会議にこの問題を取上げるという趣旨で留保してあるわけであります。從つてソ連の留保というものは、日本やドイツの加入に関します特別の規定のように、連合員の三分の二の同意を必要とはしない。すなわち第一條第二項には、日本のように國際連合の加盟國でない国が連合員になるについては、連合員の三分の二以上の同意が必要だという條件がありますが、その條件を解除してあります追加議定書がございます。その追加議定書にその留保は及ばないのでありますから、御懸念の点はないと思うのであります。
#30
○馬場委員 今ちよつと質問がわからなかつたと思うのですが、私のお尋ねは、日本が連合國のせわでこういう條約に加入する。そういう際にその連合国の一つであり、しかも世界の二大分野の一つであるソ連がこれを快しとしないような場合を懸念した際において、しかも現内閣は、和田君が言われましたが、反共宣言をしておる。その内閣から出た場合において、將來日本として不利なことが懸念される場合はありませんでしようか。先ほど來逓信大臣は、入つておきさえすれば割当がいいて、えらい商人的な話がありましたが、はたして將來電波をわけ合う場合において、どこか有力な国が反対してわけ前が減るような懸念はないかどうか、ちよつとお伺いしておきたい。
#31
○西村政府委員 結局條約上の追加議定書の中で、日本とドイツについて加入するのを適当と認めるのはだれが認めるかということは、両國について権限がある当局ということに表わしてありますが、結局日本についてその権限ある当壁がだれであるかということになりますと、昨日御説明申し上げましたように、それは日本國占領管理にあたつております、いわゆる連合軍最高司令官である。こういうことになるわけであります、御懸念のような事態が生じるか生じないかというような問題については、これは非常な政治的の問題かと思いますが、結局対日占領管理機構全般から考えまして、その基本方策を樹立する機関はワシントンにある極東委員会ということになりますし、占領管理の最高権威者は、日本にある連合軍最高司令官ということになつておりますから、前の國際郵便連合條約加入の際にも、また今回の國際電氣通信條約の加入につきましても、日本が加入し得るやいなや、加入することが適当なりやいなやということを通告し得る権限ありとしてすでに最高司令官の方でそのような措置をとられたということは、機構全般からいつて、いわゆるこの問題の決定権は最高司令官が握つておられるところであるということで、おそらく対日占領管理機構全般から出てくる結論の結果、そういう措置をとられたものだとわれわれ推測いたすわけであります。從つて後日極東委員会などでその点について問題になり得る可能性はなかろうと思います。もし可能性があるとしたならば、今年の夏わが國が萬國郵便連合條約に加入した際にあつたかもしれませんが、当時もこの点については一向問題になつておりません。從つてそういう御懸念はなかろうかと考えております。
#32
○馬場委員 重ねてお尋ねしますが、萬國郵便條約とは、内容において私は非常に違うと思う。この点に関しましては、非常な関心を拂つておると思うのであります。從つてただいま少し突つ込んだ質問をしたわけでありますが、郵便條約とは全然違うと思います。これは飛行機に附随した電波の問題であり、その勢力の取合いということは、これはあまり深入りしてお尋ねしようとは考えませんが、相当問題だろうと思います。それでお尋ねしておる。郵便條約とは全然違うということを、ひとつその意味においてお含みを願いたいと思います。
#33
○生越委員長 それではちよつと速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#34
○生越委員長 速記を始めてください。
#35
○和田委員 これは逓信大臣に伺いたいと思います。この條約加入の上は、ある一國に偏向することなく、あらゆる国家と協力の態度を十分に示さなければならないと思います。この電波関係というの田、今電務局長も言われたように、軍事的な問題と相当関係のある國際的な問だであつて、政府としては十分あらゆる國と、それがアメリカであろうと、ソビエトであろうと、あるいは支那において非常な勢力を得ている中共、それは必ずしもまだ承認はしていないが、そういつたあらゆる國家並びに國家並びに國家に準ずる團体と平等に協力する用意があるかどうか。これをはつきり宣明してもらわぬことには、われわれとしてはこの條約ににわかに賛成することはできないと思いますが、この点を伺いたいと思います。
#36
○降旗國務大臣 和田委員から御質問がありましたが、私ども逓信事業に携つている卒直な立場から申しますと、この逓信事業というものは公正でなければならぬと、かように思つています。人類の平和も公正を度外しては破壊されます。私どもはあくまで、和田委員の言われた公正の道に從つて、通信事業を遂行して行きたいという念願については絶対にかわらないつもりでおります。
#37
○生越委員長 ほかにありませんか。
#38
○安東委員 大体質問によつて、また御答弁によつてこの問題に対する討議まで済んだような感じがいたしますから、この際討議を省略して、ただちに採決に入られんことを提案いたします。
#39
○生越委員長 ただいま安東委員より質疑は大体終了したから、採決にはいつたらどうかということが提案されましたが、これに対して御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○生越委員長 御異議なしと認めます。しばらく休憩いたします。
    午前十一時四十五分休憩
     ――――◇―――――
    午前十一時五十五分開議
#41
○生越委員長 休憩前に引続き、これより國際電氣通信條約に加入することについて承認を求めるの件について採決を行います。
 本件を承認するに賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔総員起立〕
#42
○生越委員長 全員起立、よつて本件は承認を與えるに決しました。近藤政務次官。
#43
○近藤政府委員 國際電氣通信條約が本委員会に付託されまして以來、委員の皆樣方には非常に御熱心な御研究と御審議を経まして、すみやかに採決されましたことを、所管省といたしまして心から厚くお礼を申し上げます。
#44
○降旗國務大臣 逓信大臣といたしましても、深く皆樣方の御協力を感謝いたします。
#45
○生越委員長 これをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午前十一時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト