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1947/10/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 水害地対策特別委員会 第9号
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1947/10/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 水害地対策特別委員会 第9号

#1
第001回国会 水害地対策特別委員会 第9号
昭和二十二年十月八日(水曜日)
    午後一時三十二分開議
 出席委員
   委員長 本間 俊一君
   理事 海野 三朗君 理事 大島 義晴君
   理事 圖司 安正君 理事 山崎 岩男君
      石野 久男君    佐々木更三君
      鈴木 善幸君    田中 健吉君
      永井勝次郎君    田中織之進君
      馬場 秀夫君    松澤  一君
      大澤嘉平治君    鈴木 明良君
      志賀健次郎君    根本龍太郎君
      平澤 長吉君    山本 猛夫君
      石田 博英君    泉山 三六君
      田口助太郎君    野本 品吉君
      飯田 義茂君    只野直三郎君
      外崎千代吉君    木村  榮君
 出席國務大臣
        厚 生 大 臣 一松 定吉君
        國 務 大 臣 西尾 末廣君
 出席政府委員
        經濟安定本部建
        設局長     高野 與作君
        内務政務次官  長野 長廣君
        内務事務官   岩沢 忠恭君
        大藏事務官   愛知 揆一君
        農林事務官   平川  守君
        商工事務官   鈴木 重郎君
 委員外の出席者
        議     員 松井 豊吉君
        厚生事務官   岡田 好治君
十月三日
委員石川金次郎君、上林與市郎君、金野定吉君、
島田晋作君、竹谷源太郎君、細野三千雄君、小野
孝君、生越三郎君、工藤鐵男君、内海安吉君、小
澤佐重喜君、大瀧亀代司君、角田幸吉君、庄司一
郎君、高田弥市君、夏堀源三郎君、野原正勝君、
松浦東介君、村上清治君及び早川崇君辭任につき
、その補闕として石野久男君、大島義晴君、金子
益太郎君、島上善五郎君、永井勝次郎君、馬場秀
夫君、松澤一君、吉川兼光君、青柳高一君、生方
大吉君、大澤嘉平治君、鈴木明良君、小峯柳多君
、島村一郎君、田口助太郎君、竹尾弌君、古島義
英君、山口好一君、野本品吉君及び谷口武雄君が
議長の指名で委員に選任された。
十月八日
理事竹谷源太郎君、内海安吉及び小澤佐重喜君の
補闕として大島義晴君葉梨新五郎君及び古島義英
君が理事に當選した。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 水害地の被害情況及び對策について、當局より
 説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○本間委員長 これより會議を開きます。
 この際お諮りいたすことがございます。去る三日理事竹谷源太郎君、内海安吉君、小澤佐重喜君が委員を辭任されましたので、理事の補缺選擧を行わねばなりません。
#3
○永井委員 理事の補缺は委員長において御指名せられんことを望みます。
#4
○本間委員長 永井委員の動議に御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○本間委員長 異議ないものと認めまして私から指名をいたします。
 大島義晴君 葉梨新五郎君 古島議英君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
本間委員長 私から簡單に御報告をいたしますが、本委員會は八月十四日に委員の任命を受けましてから、前後八囘にわたつて委員會を開いたのでございます。しかるところ去る九月の中旬にいたりまして、御承知のような關東東北を中心にいたしまして非常な被害をこうむつたのであります。この新しい状況に即應いたしまして、委員の入替をやつておつたのでありますが、やつと委員の顔ぶれもそろいましたので、本日委員會を開いたわけでございます。今までの内務省、それから農林省關係の補助額につきまして申し上げますが、内務省及び農林省は、前後二囘にわたつて、各府縣に對しまして補助竝に融資の通知を發送しておるのであります。その總額を申し上げますと、土木費が四億四千四百萬圓、農林省關係が一億九千八百萬圓であります。それから東北のさきの水害に際しましては、作業衣、タオル等々の衣料品、それから食糧といたしまして四千トンの食糧、それからセメントは千百四十トン、大體その程度の補助が政府の方から援助に相なつておるわけであります。
 新しい委員を迎えまして、この委員會もさらにその責任を大きくいたしたのでありますが、まず政府の方におきましても、災害復舊對策委員會を設置せられまして、この未曽有の災害に萬遺憾なき施策をとる態勢を整備いたしておるのであります。本日總理が御出席になるはずでありましたが、皇室會議の方にぜひ出席しなければなりませんので、この政府の對策委員長であります官房長官が出席せられておりますから、まず西尾官房長官から政府の水害對策の根本につきまして御報告を一應お聽きいたすことにいたします。西尾官房長官。
#6
○西尾國務大臣 政府におきましては、カスリン颱風による水害に對處いたしまして、臨時應急の救助をするために災害救助委員會をつくるとともに、復舊對策のために災害復舊對策委員會を構成いたしまして、不肖私が兩方の委員會の委員長を引受けまして、爾來各省の連絡のもとにその對策を講じてきたのであります。その對策につきましては、いずれ御質問にこたえまして政府委員よりお答えすることにいたしますが、政府の大體の方針といたしましては、この災害は近來まれなその程度においても重大でありまするし、またその内容においてもいろいろ各省にわたつた問題でありますので、できるだけ早く、しかも十分に復舊對策を講じなければならぬということからいたしまして、それぞれ手配をいたしておるのであります。なおその豫算關係におきましても、最初のころはさして重大ではないと考えてまいりまして、最初の八月の水害の場合には臨機の處置をとるということをやつておつたのでありますが、九月の水害に對しましては、これは特別の豫算的措置としまして、十分な對策を立てたいという方針でやつてきておるのであります。なお各方面からの豫算の要求に對しましては相當な額に上つておるのでありますが、政府の研究によりますれば、それを實施するということになりますと、勞力あるいは資材の關係等におきまして、この年度内においてはなかなか十分にいかないのでありまして、年度内に必要な應急の豫算措置を今關係方面と折衡中であります。とりあえずできるだけ早く復舊工事にかかる、そして復舊工事に著手しながらもつと正確な實體を掴みまして、それに基いて次に對策を立てていく、こういう方針で今やつておるわけであります。いろいろ部分的な實際的な面につきましては、御質問等によりましてお答えいたしたいと思います。
#7
○本間委員長 どういたしましようか、一應、農林省、内務省等の今度の水害におきましてとりました處置、竝びに今後の對策のあらましを承つてからいろいろ皆さんの御意見を伺うということにいたしましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○本間委員長 それではそういうふうにいたします。
#9
○平川政府委員 今囘の災害の状況についてはお手もとに資料をお配りいたしてあります。關東、東北地方等災害状況竝びに應急對策というのでございます。實はこれもまだ正確の報告の未著なところもございまして、最後的確定的のものはございませんが、とりあえず現在までに集まりましたものを收録いたしました次第でございます。殊に東北方面の報告が遲れがちになつておりますので、その點は御了承願いたいと思うのであります。
 最初にございますように水稻におきまして約十萬町歩、陸稻、甘藷等いろいろ被害がございますが、その一番最後のところに耕地の被害といたしまして、流出埋沒の面積が載つてございますが、合計いたしまして現在までに集りましたところ流出埋沒の面積が、田において一萬二千町歩、畑において九千町歩、合計二萬二千町歩ほどに達しておるのでございます。また浸冠水いたしました面積は田において十五萬六千町歩、畑において七萬六千町歩、合計二十三萬町歩ほどに上つておる次第でございます。こういう状況の被害でございまして、これによりまして農作物等も相當の被害を受けておるわけでございますが、農作物の被害につきましては數字的の集計がまだできておりません。但しごく大體の達觀といたしましては、この流出埋沒の地方におきましては、ほとんど收穫皆無のものが多いのであります。また浸冠水の地方におきましては二、三割ないし五、六割の減收を見るのが大多數であろうかと存ずるのでございます。それから林野關係におきましても五に掲げてございますような林道、荒廢林地等の被害があるわけでございます。金額にいたしまして五億圓以上の損害に上つておるのでございます。そのほか家畜あるいは肥料の流出いたしましたもの等の被害を、ここに表にいたして計上いたしておいたのでございます。災害が起りますとただちにある程度の食糧の放出等の緊急の措置を講じまして、この應急食糧放出状况というところに御報告申しておいたのでございますが、主食の特配を約三萬石いたしました。またそのほか乾パン等の特配をここにございますように埼玉その他に對しましていたしたのであります。それからカン詰等も關東地方に特配をいたしました。それから蔬菜、魚介類等については、大體において地方々々で適宜措置をしてもらつておるのでございますが、今度の災害の關係で大都市に對する蔬菜の供給もかなり困難になつてまいつておりますので、これは新に從來入れておりませんでしたような地方に對しまして、特別の措置を講していただくことにいたしたい、かように考えておりまして、あるいに北海道方面あるいは長野その他の方面から、臨時に囘送するすうな手配を東京都についてはとつたような次第であります
 それから今後の復舊の問題でございますが、一番大きい復舊を要する事業は耕地の關係でございます。これにつきましては大體において農業用の公共事業あるいは田畑の流失埋沒したものの復舊というような方面の事業に對しまして、本年度内に三割以上の復舊をいたしたいということを考えておるのでございますが、目下これにつきましては、豫算等の關係において部内において折衝中でございます。それから林野の方面におきましては、やはり林道の關係の復舊あるいは荒廢林地の復舊の事業に對しまして、二割前後の復舊工事を年度内に完了いたしたいという考えをもつておりますか、これも部内において目下檢討中であります。そのほか各種の農業用の農具でありますとか、あるいは肥料でありますとかいうようなものの損耗がかなりあるわけでございますがこれに對しましては臨時に農林中央金庫の方で各系統農會を通じまして資金の融通をいたしたい、かように考えております。これにつきましてはまだ精細な資料が集まつておりませんので、確定的に最後的の決定をみないのでありますがとりあえず急を要しまする關係上、やや數字の判明してまいりました關東地方等につきましては、總額一億七千萬圓程度の金融をいたしたい、かように考えまして、今明日中ぐらいにその通知をいたす手はずにいたしております。東北につきましては數字が集まり次第、兩三日中にもその通知をいたすように手配をいたしたい、かように考えております。
 なお耕地あるいは林野の復舊に關しましては、政府の助成金を豫算によつて計上いたすわけでございますが、實際に金が交付になりましたのが遲れました關係上、これに對しましてもさきに東北地方の災害に對しまして講じましたと同樣に、豫算のおおよその見當がつきますれば、速急に銀行からこれに對應するだけの資金を融通いたしまして、事業に早速著手するというふうな手はずをとりたいと考えております。これに對しましても、大藏省方面と災害對策の委員會の方を通じまして、交渉をいたしておるような状況でございます。概略ただいままでとりました措置は以上の程度でございます。
#10
○永井委員 ちつよとこの内容について議事の進行上お尋ねしておきたい。ただいまのお話では關東、東北地方ということだけであつて、北海道の關係が全然觸れてをられないのでありますが、北海道八月、九月の二囘にわたりまして、相當に被害の状況でありますので、北海道その他の關係については、關東、東北地方という水害一般として取扱わないで、別口でこれを考慮されておるのか。あるいはこの中にもそれが含んでおるか。小さい被害であるという認定のもとに、ここにはあげないのであるか。その關係をひとつ承つておきたい。
#11
○本間委員長 ちよつと私から申し上げておきますが、大體本委員會は災害を受けました地方を全部含めて今まで會議を進めて來ておるのであります。それでこの間の北海道の水害は前囘におきまして一度御報告を當局からも受けたのでありますが、なお當局の方からも一應今答辯をしていただくことにいたしますからどうかさよう御了承を願いたいと思います。
#12
○平川政府委員 ただいまお話のごとく北海道その他も全國的に含めておるのでございまして、前囘の東北と同時に起りました災害の際にも、資金の融通あるいは助成金の交付につきましては全國をまつたく同一に扱つておりますので、その數字の中にそれぞれはいいているわけであります。
#13
○本間委員長 それでは内務省から中間報告を聽取することにいたします。
#14
○岩沢政府委員 この度の九月における風水害につきまして一應御報告申し上げたいと思います。
 御存じの通りに九月の風水害は愛知縣以東、東北、北海道に及んだ大災害でありまして、なかんずく北海道、東北地方、關東地方にその猛威を振つたのでありますが、損害も各地において相當甚大であり、その總額は大體八十四億圓ばかりに相なつておるのであります。それに三月の雪解け水による災害と、六月、七月、八月の水害によつて全國で六十四億圓ばかりの被害を受けておるのでありまして、内務省關係の土木關係では、今日まで百五十億になんなんとしておるような大災害を受けておるのであります。そこでその復舊に對してどういうような手を打つたかということにつきまして、一應簡單に申し上げてみますと、特に八月までの水害で、東北方面が非常に甚大であつたために、第一期分といたしまして一億八千萬圓を東北に重點をおいて補助の配付をいたしますし、またそのほか融資の形において、東北方面に金を配付いたしたのと、北海道につきましては、これは全部國費というような建前から、第一囘において三千萬圓を配付し、そうして今囘におきましても二千四百萬圓というものを配付いたしておるのであります。それから九月の水害につきましては、さしあたり六億を各府縣の災害土木補助費として配付することにいたして、その金額はただいま調整中でありまして、今發言するだけにまだコンクリートなものになつておりませんから、いずれコンクリートになりましたならば、各府縣の第三・四半期の補助額を御報告申し上げるように相なると思います。そういうような關係でさしあたり應急工事費をこの際急速にやつてもらうように、補助金の前拂いというような形式によつて出しておりますけれども、内務省といたしましては、災害復舊は一日も早く急速にやらないと、來年度の作付とか、あるいはその他の關係上非常に困りますから、今われわれが考えておるところは、今年度において大體全國で三十億の工事を遂行したいというふうに考えておるので、これに對する國庫の補助ということにつきましては、今せつかく交渉中でありますけれども、何しろ國家財政が非常に窮乏の折から、その目的を達するかどうかということは、非常に懸念をもつておりますけれども、全力を盡してその目的の達成に努力をいたしたいと考えておる次第であります。
#15
○根本委員 大藏大臣竝びに官房長官に對する質問は保留いたしまして、ただいま農林省竝びに内務省關係がありますので、まず農林省關係について質問申し上げます。
#16
○本間委員長 それでは官房長官はちよつと席をはずしておりますから、先に農林省關係をいたしましよう。
#17
○根本委員 農林省におきましては、先般以來東北關係について、いろいろと補助金の査定をされて通知されておるのでありまするが、現在まだこれが資金化されてない状況であります。それは内務省關係の工事費については、假認證できまして、補助金額が地方においても支出できるような段階になつておりますが、各縣に對する通知だけは農林省關係から來ておるけれども、それの假認證が來ていないということであります。そのために農村工事は非常に遲れておる、こういう現状であります。この前から農林大臣あるいは總務局長、開拓局長から、補助額についての決定を急いで、一部がこれだけのものはきまつたといつて通知されておるけれども、これが假認證が出ないために、現實に資金化されていない。これはどういう理由によるか、その點を明らかにしていただきたいのであります。同じく復舊緊急措置としてやつたのが、内務省關係では資金化され、農林省關係では資金化されてないという理由が、どうもわれわれにはわからない。特に農村工事は非常に廣汎にわたつて、なお農村の状況は非常に資金がないという現状にあります。このような状況ではせつかくの施策も、本年中に何もできないのじやないか、これを憂えておるのであります。その點をまず先にお聽きいたします。
#18
○平川政府委員 前囘に御説明申し上げましたように、補助金額のうちで第二・四半期の公共事業に屬する分は、すでに認證を終り、指令を發しまして、總額一億圓餘のものが、各縣に配付になつておるわけであります。第三・四半期分はまだ財源がありませんので、これはあらためて追加要求をするとかいうような措置を講じませんと、現實に補助金が指令にならぬわけであります。しかしながらこれについては事業を急ぎます關係上、およそこれくらいの補助金があるであろうという想定のもとに、一億二千數百萬圓のものを、これは資金として銀行から金融を受ける。これに對して銀行に資金がない場合には、日本銀行から資金を融通する。こういう二段の措置をとつておるわけであります。その點は内務省においてもまつたく同じ通牒を出し、銀行局長からも出しておられるわけであります。その點について内務省との間に取扱いに差があろうとは考えられないのであります。まつたく同一文書で、その別表でもつて農林省關係の工事事業に對していくら、内務省關係の土木事業に對していくらということをつけておるのであります。但し補助金の指令の方は別々に出ておりますので、第三・四半期分のものは現實に金がないので出ておらない。こういう状況になつております。
#19
○根本委員 ただいまの説明によると、第三・四半期分については内務省の土木關係も同樣だと言つておりますが、内務省關係は第三・四半期については假認證が出ておる。ところが農林省の關係は全然これが出ていない。その點を私は聽いておるので、今の説明はちよつと違うのじやないかと思います。
#20
○平川政府委員 私の方としては大藏省の方にお願いをしまして、第三・四半期の補助金を引當にした金融の通知を、大藏省の方から出していただく。またそういうものが出ておるから金融を受けるようにということを、各地方長官に通知をしまして、とりあえず第三・四半期分は政府に財源がないから、金融でやつておき、そのうちに追加要求をする。こういうことに私の方としては伺つておるわけであります。内務省の方から現實に認證があり、補助金の指令が出ておるという話でありますが、そのことは私は存じておりませんので、あるいは内務省の方からお答えがあるかと思います。
#21
○根本委員 次に、この前も申し上げたことでありますが、重ねて申し上げたいことは、應急復舊費の問題でありまするが、第二・四半期までの補助金が出ておりまして、これが現實に工事になつております。しかるところ第二囘の風水害によりましてせつかく公共土木關係あるいは農林關係についての工事がまた洗い流されておるのであります。しかも主として東北地方は工事期の關係上第二・四半期に重點をおいて補助金が出されておるのであります。ところがせつかく半分できたところが全部流されておる。しかしながら政府としては出しておるのだからもう今度はあとにまわすということになりますと、結果的にはほとんど農村土木關係、公共土木關係も、現實の成果としては、來年度の増産あるいは復舊のために何ら役にたたないこういう結果になるのであります。從いまして第四・四半期についてはそういう點を勘案して、補助金の査定に當つて十分なる考慮をしていただかないと、結局數字は出ておるけれども實際的な補給にならない、こういうことになるのであります。この點について政府當局、内務省竝びに農林當局が第三竝びに第四・四半期の査定にあたつての方針、態度について御答辯願いたいと思います。
#22
○岩沢政府委員 ただいま根本さんからの御質問の點はごもつともだと思います。たとえばあの八月の水害によつて應急的な仕事をやつておる最中に今度の水害をこうむつたため、せつかくの應急工事というものがぶん流れたということは十分承知しております。つきましては内務省といたしまして、この災害の工費を査定する場合においては、やはりこれも十分考慮して、災害の總額として取上げる考えであります。從つてまた再び應急工事を始めるという場合においては、やはり今後の工事量というものを考慮して、それに合うように補助金を交付するようにせつかく今考慮しております。この第三・四半期の更正豫算の六億というものが確定いたしましたら、それを前囘の第二・四半期の補助額と、また先ほど融資をいたしましたそれを見比べて、必ず東北地方のような時期的な制約を受けておるような地方に對しては、工事が遂行し得るように十分考慮をいたします。
#23
○永井委員 各省からの本對策に對する報告が先ほどの報告で完了しておるならばそれでよろしいのですが、なお報告事項がありますならば、各省からのそれぞれの説明を承つた後に質疑にはいられるようにされたい、こういうふうにお諮りを願いたいと思います。
#24
○本間委員長 承知いたしました。それでも厚生大臣が見えておりましたから、厚生省から大體御報告を聽取することにいたします。
#25
○岡田説明員 御説申し上げます。厚生省の社會局といたしましては、羅災者の救助につきましては、もつぱら私の方でいろいろな對策をいたしたわけであります。各省との連絡委員會等でいろいろ申合せになりました事項をもつぱら私の方でいろいろ取計らつたのであります。現在までのものを申しますと、一應私の方といたしましては現地に救濟用物資をいろいろお送りすると、竝びに一番大きな問題としましては今囘の災害に要しまする經費が相當多額にわたりますので、各府縣からも財政的な援助につきまして相當な要求がありましたわけであります。そこで社會局といたしましては、それらの財政負擔に對する御援助をいたしますために、大藏省と特に交渉を重ねまして、先般御決議をいただきました災害救助法案のあの補助率で、今囘の災害に對する財政援助もするというようなことに一應きめまして、ようやくその方の豫算も事務的に一昨日終了いたしたような次第であります、なお各府縣からの連絡員も厚生省に集まつて來まして、私の方で大體の經費概算につきましての補助の方針というものを、その都度連絡をとりまして、現地で遺憾のないように措置いたしますように、今日まで連絡に努めてまいつております。簡單ですが御報告申し上げます。
#26
○本間委員長 それでは農林省、内務省からの報告は大體聽きましたから、次に大藏省から今までの中間報告を伺うことにいたします。
#27
○愛知政府委員 それではただいままでに大藏省がとりました措置のうちで、金融面に關すものを概略御報告いたします。前の機會にも申し上げていると思いますが、今囘の災害に對しまする國費の負擔すべきものは現在豫算化の措置がとられているわけであります。また一部は府縣の負擔になるものもあるはずでありますが、これらもまだ最終的にはきまつておらぬものが大部分であります。しかるに災害の復舊は一刻もゆるがせにすることができませんので、大藏省といたしましては、大體七月當時におきまする東北の水害に對してとりましたと同樣の方式を現在とつているわけでございます。その方式と申しますものは、國庫の負擔となる財政的負擔がきまるまで、あるいは府縣の負擔となるもので具體的にきまりますまでに、應急的に必要と認めます金額につきましては、融資の方法で一時これをつなぐことにいたしたわけであります。その融資の方法といたしましては、第一次的に、各縣ごとに各縣所在の本店銀行竝びに各縣に所在いたしております大銀行の支店銀行で共同融資團をつくりまして、その共同融資團から必要なる資金を、縣の斡旋によりまして、大體において縣當局がまず借入れるという方法をとつたわけでございます。すでにその一部といたしまして、融資を決定もしくは融資がすでにできておりますものの概況は次の通りでございます。
 まず埼玉縣につきましては、これはほんの應急のつなぎ資金でございますが、約二週間ほど前にこれは決定いたしまして、すでに融資ができているのであります。その額は二千萬圓でございます。これは共同融資と申しましても、共同融資團が結成されるまでに多少の時間がかかりますので、とりあえず一時埼玉銀行に全額立替えて融資をしてもらつたわけであります。これは共同融資契約もすでにできたかと考えておりますが、その融資計畫ができますれば、その二千萬圓に、さらに必要に應じて貸増しをしていくことに相なつているわけであります。この金額は他の縣についても同樣でございますが、大體縣を中心にして縣知事からとりあえず必要な額ということで、お申入れのありましたものをそのまま原則としてとつているわけであります。
 それから栃木縣におきましては、大約六千萬圓を限度とする足利銀行の一時立替えで、これも共同融資契約が進行しております。
 それから群馬縣につきましては、約五千餘萬圓。さらに茨城縣につきましても大體同樣な方向で、金額のところはただいままだはつきり報告を受けておりませんが、大體四千萬圓ないし五千萬圓をやはり常陽銀行から一部立替えまして、それを共同融資という形に組みかえよう、かようなことになつております。
 なおここで附け加えて申し上げておきたいと思いますのは、實は七月の東北地方の場合におきましては、中央でこういうふうにきめましても、實際なかなな借り入れる契約は進行しない、實際資金が出るのが非常に遲れたという實情も多々ございますので、今囘はさいわいにして比較的地域も近くでありましたために、大體水害被害地に、縣の斡旋によりまして、私どもと日本銀行が同道で參りまして、その場で大筋の話をきめるというようにいたしてまいりましたから、現在でも多少の御不滿の點はあろうかと思いますが、七月のときに比べましてはよほど順調に進んでいるかと考えるのであります。なおまた共同融資と申しましても、御承知のごとく現在各金融機關も手もとが非常に逼迫いたしておりますが、この當局の斡旋によります災害の應急つなぎ資金につきましては、資金が足りません場合は日本銀行で直接その責に任ずるということになつております。それから金融機關の貸出の規制につきましても、これは全部わく外の取扱いになるわけでありますから、わくの有無にかかわらずその額だけは責任をもつて支出いたすようにしているのであります。
 なお次に申しますことは、金額はまだはつきり私どもの手もとまでまいつておりませんが、農機具關係その他におきまして、農業會から御斡旋を願つている一時繋ぎ資金もございます。これらにつきましては農林中金がその斡旋をいたしまして、農業會等に資金のない場合はもちろんでありますが、農林中金からその資金を援助する。さらに農林中金においてもその金が足りないという場合には、日本銀行がその責に任ずる、こういうようなことにいたしているわけでありますが、なお今後全體の復舊計畫の進行に伴い、また豫算的の措置が遲れるのに伴いまして、そのつなぎの融資の措置については迅速に遺憾なく進めていきたいと考えているのであります。
 それからこまかいことになりますが、二、三その後の措置、あるいは當時とりました措置を御參考までに申し上げます。災害地におきましては相當銀行券等の所持がございましたために、損傷した銀行券が相當ございます。これは法令に基きまして簡便な方法がございます。昭和十七年にきまりました損傷日本銀行券引換規程というのがございますので、それに基きまして迅速に引換えるように紙幣の現送等もいたしまして、これは圓滑に進んでいることに承知をいたしているわけであります。
 それから災害地におきまする預金の拂出し、それから公金の支拂に必要といたします現金の手當につきましても、災害の直後ただちに東京あるいは附近の連絡の可能な場所から、實情に應じまして所要の現送を行いました。
 次に罹災者の第一封鎖預金の拂出しでございますが、これも御承知のごとく最高一世帶五千圓、一人最高一千圓ということで、現金の支拂措置をとつたわけであります。これにつきましては、その額が非常に少いというもつともな御意見が他方に出ているのでありますが、關係方面との關係もございまして、この點はまだ大藏省において十分必要であると認める程度の措置がとられておらぬことは遺憾と思つております。
 次は罹災府縣に送付いたしますために、應急の生活必需品その他の買付の關係がございますが、これは産業復興公團が擔當いたす面につきましては融資の途を講じましたし、また必要なる新圓支拂いを許可することにいたしまして、すでに許可しておるものもございます。
 次に、産業關係の中で最も急を要しました亞炭鑛業の應急復舊資金につきましては、災害のすぐ直後に石炭廳その他の方が現場に行かれるときに、必要な金を復興金融金庫から直接融資をいたしまして、相當額の新圓を携帶し、あるいは現地において新圓化する措置をとつたわけでございます。これは一番最初はたしか六十萬圓程度でございますが、その後必要に應じて増額をいたすことにいたしております。
 それから次に重要産業の復興の關係でございます。ただいままで申しましたのは、主として財政的な措置に關連するつなぎ資金、それから罹災者個人に對する主として對策でございますが、機業地方面その他相當の産業の復興資金を必要とするわけでございますが、これに對しましては、いよいよ必要と思われるものについては復興金融金庫からの直接の貸出しも考慮いたしますが、第一次的には銀行からの融資に對して、復興金融金庫が保證するというかつこうでいきたいと思つております。なお一般銀行からの貸出しにつきまして、やはりとりあえず資金で困ることがあつてはいかぬというふうなものにつきましては、銀行單獨の融資が困難なものにつきましては、復興金融金庫が保證するという方法を活用いたしたいと考えております。これらはすべて最初に申しました財政の一時資金のつなぎと同じように、融資規制の關係におきましても、わく外の取扱いにするということを考えておるわけでありますが、かりにその融資の對象なり得る程度の大きな施設でない場合には、組合その他を經由いたしまして、組合に對して融資の御斡旋をするというように考えておるわけであります。なおこれらの一般の民間の産業關係の災害復興資金がどの程度の規模になるであろうか、またそれが資材その他との見合いにおきまして、どのくらい融資をいたすべきであるかという總體の復興所要金額の算定はまだできておりません。これは財政的の措置と相竝行いたしますが、多少時間的に遲れることはやむを得ないと思います。ただそのできます前におきましても、ただいま申しましたように、必要なものについては迅速な措置を講じたいというように考えております。大體以上がただいままでにとりました措置であります。
#28
○一松國務大臣 今度の水害に關しまして、説明員から厚生省の關係は大略説明を申し上げたのでありますが、その以外に、今度國庫補助率の額が内定いたしております。これをひとつ御參考のために申し上げることが適當であろうと思うのであります。
 御承知の通りに七月、八月、九月とこの三囘にわたつて被害を受けた土地、すなわち青森、岩手、宮城、秋田、山形、和歌山、これだけは七月、八月の水害、それから九月の水害が北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、神奈川、山梨、こうなつておりますので、それらの各水害のその度數に應じましてまず基本額をきまめまして、今度の災害救助に對してどれだけの費用が要るのかということを各府縣から報告を得ましたことを材料にいたしまして、そうして基本額を算出して、その基本額に對しての補助額をきめました。その補助額をみなさまに御參考に申し上げてみたいのであります。
 まず北海道に對しましては九月の水害につきましての國庫補助の金額が二百四十八萬八千四百六十九圓であります。基本額の事は、必要があれば申しますが、煩を省くために申し上げません。基本額に對する補助の率は、三九・五%ということになつております。青森に對する補助金は百十三萬三千五百二十八圓で、補助率は四四%ということになります。岩手は二千八百八十二萬六百九十九圓、この補助率は八四・四%、非常に割當が高くなつております。宮城は千九百七十九萬四千五十二圓、この補助率は八〇・五%、これも率は割合に多うございます。秋田は八百二十六萬六千八百八十圓、パーセンテージは六八・二%となつております。山形は七十六萬九千十五圓、このパーセンテージは四〇・五%、福島は百四萬八千二十七圓、五八・五%、茨城は千五百八十五萬七千四百二十八圓、比率で言いますと七九・一%、栃木は三千九百萬七千九百九十二圓、このパーセンテージは八五・二%、群馬は六千百四十七萬千四百九十九圓、このパーセンテージは八五・一%、埼玉は九千二百五十二萬四千九百三十一圓、八五・七%、東京九千七十六萬七千五百十五圓、この割合が六八・六%、神奈川が三百五十三萬千百二十二圓、この比率が四二・三%、山梨百四十九萬二千三百二十圓、このパーセンテージが四九・八%、これだけが九月の水害における國庫補助額であります。
 それから七月、八月における青森、岩手、宮城、秋田、山形、和歌山に對する國庫補助額を申し上げます。青森が九十一萬百五十五圓、パーセンテージは四二・八%、二八百三十八圓、そのパーセンテージが六〇・四%、宮城が五萬三千百七十二圓、そのパーセンテージが一六・六%、秋田が二千三百三十七萬三千九百七十九圓、このパーセンテージが八四・四%、山形が五十一萬千三百八十八圓、この割合が三七%、和歌山が二百八十七萬五百四十三圓、その割合が五二・五%となつております。但しその金額はそれぞれ各府縣から報告のありましたその報告を基礎にして、これに災害救助法において國庫の補助する比率が皆樣の御審議を經てきまつておりますが、その率をかけたものであります。ゆえに今後においてその基本額に誤りがあるということが明かになり、もしくはその後においてなおその基本額が増加したという事實が明かになりましたときには、その額は増加した基本額に應じて殖えることも御了承願つておきます。ただいまでは今まで私の方に到達いたしましたそれらの材料を基礎にして、これだけの補助額を算出いたしたのであります。但しこのことは事務的に内定しておるだけでありまして、まだ關係方面の了解を得ておりません。だからただいま發表いたしましたものは、私が今申し上げました以外の事由によつて多少移動があるかもわかりません。これだけのことをあらかじめ御了承願つておきます。
#29
○本間委員長 厚生大臣は御都合があるようですから、厚生大臣に御質問があれば、厚生大臣の方を先にいたしたいと思いますが――この際委員外の松井豊吉君に發言を許します。
#30
○松井豊吉君 厚生大臣にちよつとお伺いいたしますが、いろいろただいまの御報告によりまして大體了解を得たのでありますが、群馬縣は厚生大臣からも詳細の調査研究を願いまして、大體御了承のことと信じておりますが、桐生、伊勢崎の織物繊維工業地帶は他の都市と違いまして、今すでに貿易再開に伴いまして、非常に兩市とも重大時期に直面しておることは言うまでもありませんが、この兩市につきましてはほとんど基本的なる機械、またそれに對する資材を流失いたし、また他の一部のものもほとんど大修繕をしなければならぬような状態になつております。先刻御報告になりました關係については、一つの研究されました比例をもつて平等に配分されると考えておりますが、これらの繊維工業につきましては特に御援助を願わなければ起ち上りができないと考えるのでありますが、その點について厚生大臣より一段の御努力を願いたいと思います。御參考までに伺いたいと思います。
#31
○一松國務大臣 ただいま松井君の御希望はごもつともであると私も信じます。過般群馬に出張いたしまして、その際桐生市における業者の意見も承りましたので、そのことは早速歸りまして閣議の席上で、大藏大臣に私から要求をしておきました。大藏大臣もすぐにその後に群馬に出張いたしまして、それらのことを詳細の調査をすると同時に、金融業者ともひざを交えて懇談をして、適當なる處置をとるということに承知しております。それらのことはただいま私が申し上げた臨時應急處置でなくて、比較的恆久對策的のことになりまするので、政府としては怠りなくそういう方面に努力しておることを申し上げます。
#32
○永井委員 私は北海道でありますが、ただいま厚生大臣からのお話によりますと、北海道に關しては九月水害分についてのみ考慮されておるようでありますが、御承知のように北海道の水害は八月においても相當の甚大なる水害を受けております。この八月分に對する考慮が抜けておるのはどういう理由によるのか、御説明を承りたいと申います。
#33
○一松國務大臣 今申し上げたのは九月だけの水害のことで、今あなたの御指摘になりました七月、八月の點につきましては、今私の手もとに資料がありません。取調べまして、そういう事實がもちろんあるといたしまして、資料が厚生省に來ておることでありましようから、調査して、災害救助法の救助の率に從いまして早速算出して、それらの手を打つ、かようにいたしますから御承知を願います。
#34
○馬場委員 私埼玉でありまするが、警保局の調査によりますれば、人的被害は四十三萬三千となつておりますが、埼玉は今度の水害は特殊な例でありまして、利根川が依然として流れこんで、その水の中に浸つております。約一月になんなんとしておる今日、昨日の調査でありまするが、床上浸水が依然として七萬四千九百四十三人、床下が二萬九千五百九十四人、すなわち慢性的な水害状態になつておりますので、まつたく特殊な例となつておりますが、こういうような點についての御考慮はどういうぐあいに現われているか、御説明願いたいと思います。
#35
○一松國務大臣 先刻申し上げましたように、これは現地から報告をとつて、あれを基礎にして算出したものでありますから、今あなたのお示しのように、事實とこれが相違しておりますれば、事實に即應したる方法によつて補助金を出しますから、これらのことは十分に調査をして、不公平なしに取計らうということによつて御了承を願いたいのであります。私の方の調査資料をもとにして算出したのですから、今あなたの言うように、この調査より被害の程度が大きいということになれば、大きいその被害の程度を基準にして算出しますから、金額が殖えますので、さよう御承知を願いたい。でございますから、それらの點は縣當局とお示し合いの上、すぐに私の方に報告していただきますれば、それらの手續をとります。
#36
○大澤委員 厚生大臣にちよつと伺いたいと思いますが、ただいまの厚生大臣のお話の補助金の説明でありますが、これに對してどういう方面にこの補助金を使うかということは、各縣當局に任されておるのでありますか。
#37
○一松國務大臣 それらの點は事務的の細かいことでありますから、詳細は事務當局から答えさせます。私急な用事がありますから……。
#38
○本間委員長 今日質問者が見えておりませんが、この前留保になつていることを私から質問いたしますが、今度の水害では町や村をあげて壞滅的な被害をこうむつている箇所があるわけであります。そういう箇所に對しては農地關係とかあるいは土木關係というような工事の復舊をすると同時に、更生資金のようなものをどうしても心配しなければならぬような窮状に陷つている所もあるようでありますから、この問題に對しましてどういうお考えをもつておられるか。それだけ保留になつておりますから……。
#39
○一松國務大臣 實は私も茨城、群馬、埼玉、東京方面を視察いたしまして、今委員長のお示しのようなことを直接目で見、耳に聽いて、一層感慨を深くしております。これらのことはほんとうに起ち上ることのできるような施設をし、國家が助成をし、救いの手を伸ばすということをしなければならぬと思いまして、私はこういうことが取上げられまして、内閣において恆久對策を練りまする際には、進んで發言をして、それらの目的を達成すべくお手傳いしたいと考えておるのであります。ただいまのところでは、まだそこまで具體的にどうしよう、こうしようとは考えておりません。しかしながら抽象的に申しますれば、それらの人の起ち上ることのできるように、それらの人の更生の途を講ずるように努力しよう、こういう決心をもつておるということだけをお答えしておきたいのであります。
#40
○本間委員長 それでは厚生大臣はほかに御用事があるようでありますから、厚生大臣關係はこれで打切りますから御了承を願います。
 それでは高野建設局長から御説明願います。
#41
○高野政府委員 今囘初めてのお方もあるということを今承りましたから、この七、八月災害に關して安定本部としてとりました處置の御報告を申し上げます。八月災害が起りましてから、第一囘が八月二十二日に閣議決定をみまして、二億圓を假認證という形で出しております。その内容は直轄河川災害復舊費が二千萬圓、府縣災害復舊關係が一億八千萬圓。それから八月二十九日に閣議決定を經ました金額が二千萬圓であります。これは北海道の直轄河川と北海道の道の災害の復舊費であります。同じくその日農林省關係のものが一億二千五百二十八万五千圓を假認證いたしております。これだけは既定の豫算を差繰りまして假の認證をしたのでありますが、九月十二日に金融による方法において假認證いたしております金額は、内務省關係が三億九千六百萬圓、農林省關係が一億二千四百萬圓、これが金融によりまして後に國庫の補助があるものといたしまして、日銀から融資をしてもらつた金額であります。今次九月災害が起りまして、とうてい姑息な手段ではいかないということになりまして、新たに追加豫算を提出しようということに部内できまりました結果、まだ追加豫算の手續中ではありますけれども、公共事業費の年度當初の豫算九十五億という額でありますが、その三及び四・四半期に殘つておりまするものからとりあえず融通をいたしまして、第三次が九月二十三日に閣議決定を經まして、内務省直轄河川關係三億三千九百七十萬圓、これだけを假認證いたしております。なお直轄河川の報告は非常に早うございまして、よくわかつたのでありますが、その他の府縣災害は報告が、通信や運輸の關係で、遲れてまいりましたので、これらについて資料を作成中でありましたが、昨十月七日の閣議で内務省關係の豫算といたしまして、七億二千九百五十三萬五千四百圓というものを閣議決定を經まして、目下各省へ配付手續中であります。なお農林省關係も二三日中に關係方面との話合もできることと思いまするので、これも次の閣議になるべく早くかけて處置する豫定であります。從いまして今まで八月、九月災害を合わせまして合計十四億一千四百五十二萬四百圓というものを豫算のうちから出しております。そのほかに先ほど申し上げました五億二千萬圓というものを金融から出しております。從つて追加豫算が決定いたしますれば、この金融というものはその豫算の中から返すことになるわけであります。
 金額は假認證は以上の通りでありますが、これに附帶しましてそれぞれの資材がついてくるわけであります。この資材のこまかい表と、この金額のただいま申し上げました表は、次囘に詳しく刷り物にしてお配りいたそうと思つております。
#42
○本間委員長 それでは大體政府側の説明が終りましたから、この報告を基礎にして質疑にはいりたいと思います。
#43
○松井豊吉君 安本の政府委員にちよつとお伺いいたしますが、ただいま御報告の金額は今囘の災害について、各府縣の應急工事を初め内務省の直轄關係の一部と考えておりますが、今後本工事にとりかかる場合に、必要に應じてはその金融政策をいかにせられるお考えでありますか。
#44
○高野政府委員 今まで處置いたしてまいりましたものは應急的なものでありまして、今度追加豫算を目下關係方面と折衝中でありますが、資材の點において實は非常な難點があるのでありまして、これらも目下研究中であります。しかしながら昨日災害對策委員會を開きまして、各省といろいろ檢討いたしたのでありますが、もちろん各省の要望と安定本部の立場との調整がなかなかむずかしいのでありますが、資金及び資材の點につきまして、とりあえず可能と認めるものを部内でまとめて、そして三・四半期の資材の状況というものはだんだん生産の状況が明快になつてまいりますとともに、また各府縣の作業の事業の進捗状況とにらみ合わして再度また新たな手を打とうというふうな意見に、委員會では一致いたしておるのであります。從つて今後さような方向に遺漏なく進めていきたいと考えております。
#45
○松井豊吉君 あまり今の御説明は私どもの質問の中心にふれてないのでありますが、時間の關係上希望を付して打切ります。今ほんとうに重大である現状を見て、言うまでもないがこの應急處置にいたしましても、金がなくて實に進行もしませんし、なかなか重大であります。地方業者の關係についても前渡金をもらわぬではできぬという状態であります。ゆえに非常に工事が遲れておる。現在手のつかない状態になつておる。この實情を見て、大藏省とのいろいろな關係もあるかもしれませんから、かつてない重大のこのときこそは特別なる方法をもつて、一時間も一日も早くその必要に應じて、その復舊に對して今後適當に御努力願いたいと思います。
#46
○野本委員 今度の非常の災害にあたりまして應急復舊にいたしましても、恆久復舊にいたしましても、資材の面において非常に悩むであろうということは、常識上たれもが考えておることであります。このことにつきましては追て詳細に資料をもつて發表するということでありますから、私はきようは控えておきますが、さしあたつてお聽きいたしたいと思いますことは、この際災害と遊休物資の動員ということについて、安本は何かお考えをもつておられるかどうか、これをお伺いしたい。
#47
○高野政府委員 資材の面におきまして、實は三・四半期の資材の割當が、二、三日前に決定しようという最中に、この九月災害が起つたのであります。それは一應そのままにしておいて、災害重點で今まできめたものから抜取つてもつていこう、併せてわずかの豫備もそれに使おう、こういうことでかかつております。なお遊休物資があるものは、當然に災害の方へ優先的にこれをまわすということは、もちろん考えておるところであります。
#48
○野本委員 この問題につきましては、すでに隱退藏物質の特別委員會等におきまして、非常に眞劍に論議されたことでありますが、今災害を受けた人たちの生活を見ますとき、いよいよその必要を私どもは痛感しておるのであります。従つて安本の監査局在庫品課等と緊密なる連絡をとりまして、あらゆる遊休資材を動員して、これを災害の復舊に百パーセント役立たせるような對策につきまして、とくと御考究していただきたいという希望を申し上げます。
#49
○松澤(一)委員 ただいま安本の御説明を聽いてどうもちよつと氣にかかつたのですが、災害復舊の上に、それぞれの官署が、あるいは各府縣が、復舊に當然必要だと、こういうものを要求したり、また關係省がそれに對して復舊の手段を講じたときに、専門的でないのた安本がことさらそれに腰かけて、何が安本が全體の實權を握つておるように私は聽いておつたのですが、また事實そういうことも今まであつたのです。一體今後も復舊工事に對して安本は限られた範圍の中で横暴するのかどうか。
#50
○高野政府委員 私の言いまわしが非當に惡うございまして、そういうことにお聽きとりなつたのかもしれませんで、その點は訂正いたします。私どもといたしましては、實は各省と十分な打合せをいたしまして、もちろん資金の關係においては、大藏省に財政の現情も承り、そうして折衝しなければならない。また各省の必要なことも十分檢討しつつ――御心配になるほどそういつた常に摩擦をしつつ進行しておるわけでありません。今後ともそういつた考えはもつておりませんので、どうぞ御了承のほどをお願いいたします。
#51
○松澤(一)委員 決して私は強いてそういうことを申し上げたのでないので、安本に今度の水害で二、三囘行つてみたけれども、往年の軍部の企畫院のごとく、なかなか下級官吏が威張つていたところは私はよく見受けたのであります。あたかも災害復舊は安本の手のうちだ。國土局が何と言おうと農林省が何と言おうと、ないものはない――こう私の言うようには言わぬが、こう聽取れるように承つております。そういうことは私たちは斷じて許しませんから、その點御考慮を願いたいと思うのであります。
#52
○田中(健)委員 今度の水害の全面的な復舊は何年くらいかかるつもりであるか。それからどのくらい金を必要とするか、そういつたようなことについてお伺いいたします。
#53
○岩沢政府委員 内務省の今度の災害につきましては、各縣によつて相當工事費が違つておりますが、大體工事費の少い所は二十三年度で一應打切り、それまでに完成する、そしてたとえば秋田縣のごときにつきましては、大體三箇年でこれを完成する。こういう方針のもとに補助金の割當を考えている次第であります。
#54
○田中(織)委員 ただいまま答辯でありまするが、それは今の應急工事だけの話でしよう。從來繼續されておつた工事もありますし、これから計畫的に何年かかつてやる、こういつたようないろいろなことがあると思います。その點を私はお伺いしているのであつて、應急工事ではありません。
#55
○高野政府委員 ただいまの御質問の今年度の災害の内務省、それから農林省その他關係各省の公共事業關係の今までの資料は、二百五十五億二千六百六十八萬二千圓という總被害額になつております。そのうち普通の補助率でいきますと、國庫でいくら負據するかという總負擔額が、百七十五億一千八百九十五萬四千圓という資料になつております。しかしこれはもちろん今囘の災害の復舊に要するものでありますが、別にわれわれの所で長期五箇年計畫というものを今研究いたしておりますが、その中に災害豫防というものを一應集積いたしてみますと、その額が、概算でありますが、約千六百億所要であるという結果が出ておりますから、御参考のために御報告いたしておきます。
#56
○田中(織)委員 二百五十五億というのは今度の七、八月の水害と、それから九月の水害の被害額にしたものであつて、それから千六百億というのはあなたの方の御計畫だと思いますが、それを今の物價、勞働力、そういうもので計算すると、大體總合的な復舊費はどのくらいかかるか。何年くらいかかればこの大災害というものを復舊されて、そうして今後二度とそういう災害を受けないくらいのりつぱな國土の建設ができるか。こういう大計を聽きたいのであります。この點について安本は各省を皆押えているはずであるから、何かそこに安本としての大計畫があるのじやないか。こう思つてお伺いしたのであります。というのはその場限りの仕事ばかりやつていると、たとえば七、八月の復舊工事をやつているうちに、今度は九月の水害があつて、橋をつくろうと思つて材料を集めておつたら流されてしまつてみたり、半ば工事をやつたものがまた決壊してみたり、こういうようなことが非常にありますので、これは非常に大事なことでありますから、やるならば大計畫を立てて、總合的にやつていかなければならぬと私は思いますが、それらの點について、ただその場限りの姑息なやり方でなく、何かその大工事をやつている間に二囘や三囘途中に小さな水害があつても、それを乗越えてどんどんやつていくだけの大きな考え方のもとにやつているか。それとも壊れた橋はまずさしあたつて木の橋でもかけておく。流れたら流れたで、また豫算を立ててやる。そういつたような緊急の對策でおつているのか。その間の安本なり國土局の心構えをお伺いしたいのであります。
#57
○岩沢政府委員 ただいま田中さんの御質問でありますが、内務省といたしましては、今度の災害に鑑みて、従來は復舊というものは結局膏薬ばりだ、一朝水が出ればただちに破壊する、こういつたようなことはできるだけ避ける意味において、たとえば一つの河川が非常に甚大な被害を受けた、こういつたようなものにつきましては、根本的な改修を今度の査定において取り上げていきたい、こういうように考えております。また橋梁の話が出ましたけれども、われわれといたしましては、水にも流れないような鐵筋コンクリートとか、あるいは永久橋をやることが最も望ましいことでありますけれども、今の資材の面においてはそれがほとんど不可能でありますから、橋梁はやはり木橋ということに相なるのではないかと思います。從つて一朝非常に水が出れば、また流されるというようなことは、將來も起り得るのじやないかとも考えております。しかしいくいくは資材が十分あるようになりますけば、やはり重要な橋梁に對しては、永久橋に改變すべきものと考えております。
#58
○松澤(一)委員 私の質問が中絶して變になつたのですが、私はなぜそれを言うかというと、今度の災害で内務省その他が工事の愼重を期しているのにかかわらず、また現地では工事を早く完成したい、出水期までに完成したいといつて、一生懸命になつて、工事が九分通り仕上つておるのに、安本の認證が手間どつているために、安本が威張つているためになかなか金がこない。そういうことによつて山梨縣などでは相當――それさえ完備していたらば、被害がことによつたら防げたかもしれないという場所まで被害を受けておるのであります。これを言いたいばかりに、私の前からの前提があつたのであります。そういう專門家が、あるいは現地が、一生懸命復舊をしているのに、安本が傲然と構えて、そうして安本の認證ということが非常に重大で金は來ず、仕事は進まぬというようなことが今まではあつたが、今後は、さつきも言つたように、許さぬということで、そのことをひとつお願いしたい。
#59
○高野政府委員 今までそういうことがありましたということにつきましては、はなはだ申譯ないと思つておりますが、私は今度の災害に關しましても、極力各省と一緒になりまして、そうしてむしろ非常に援助する立場にあると實は思つておるのであります。そういう態度で今後ももちろんいくつもりでおりますから、どうぞ御了承願います。
#60
○只野委員 これは内務省關係になると思いますが、今度關東、東北、北海道各地域にわたつてたいへんな災害が起つたのですが、私はこれを地域的に考えないで、實は河川から考えております。そこで現在の關東、東北における災害の最も甚大なのは利根川流域と北上川の流域とこの二地域である、こう結論していいと思います。そこで利根川流域の災害は過般來新聞紙上その他で大分報道されておつたので、日本全國的に災害の認識が深まつているようであります。また中央政府のとつた措置も非常に機敏であつて、むしろ私どもが見て、ほめてよいと思うくらいの部分が相當にあると思われております。ところが不幸にして北上川流域の方は、關東の水害のために交通が杜絶し、電信、電話も通ぜず、その結果北上川の流域における災害の甚大なものが、わずかに一關、これが中央新聞その他において報道されたために、一關が最大の被害で、そうして北上川の被害というものは割合に少いのではなかつたかというような一つの印象を與えておつたのであります。ところがその北上川の流域の被害というものは、實はこれは私の今までの調査の範圍から考えまして、利根川の災害に決して劣らざるもの、考えようによつては利根川の場合よりもその災害の質が惡質なのです。なぜ私がそのようなことを申しますかというと、北上川の流域というものは、實は湖沼地帶のような盆地の上を流れている。北上川は、つまり岩手県のまん中を貫通して、宮城縣の東側の高い地帶を流れて、そうして一たびその堤防が決壞すれば、北上川の西側の、宮城縣でいうと登米郡、栗厚郡、あるいは桃生郡、遠田郡の一部、ほとんど米穀の中心地であるところの低い所に水が流れこんだら最後、十日も二十日も一月も水が停滯するという、いわば北上川自體は天井川をなしている。堤防がいつも頼みの綱だ。その結果今度の大水害によつて北上川の堤防の一部が決壞したために、特に岩手縣及び宮城縣の排地面積の大半がこの水のために禍されておるのであります。そういつたような關係上、今度の關東及び東北の日本の穀倉世帶であるところのこの地域の災害を救うためには、利根川竝びに北上川を完璧に守る、これに盡きると思います。利根川と北上川を完璧に守らなかつたならば、少くも日本の半分の穀倉地帶が壞滅に瀕することになるのであります。從いまして私は國家としても、利根川竝びに北上川に對する施策は甲乙の差別をつけらるべきものでは斷じてないと思うし、また政府もそういう差別的なことをなさるとは思つておりません。思つておりませんが、人情の上からすぐ目の前に見えるものに對してはうるさいから手を早く出す。違くの方は多少は遲らすというようなことが萬一にもあれば、これは非常によくないことと思います。ラジオあり、新聞あり、電信、電話あり、すぐわかることであります。これはどうか政府としましても、北上川、利根川は、天下の三大河川の二つでありますから、その意味におきまして、北上川というものに對する管理竝びにその保護に對しては國帑をあげてこれをお守りしていただきたい。これはわれわれとしてもそれを強く主張しなければならぬ、こういうふうに考えております。
 そこで私が北上川のことに關しまして申し上げたいことは、この北上川は明治八年に一度決壞しただけで、その後決壞した歴史はないのであります。その結果北上川の堤防に對する保護は、政府としては明治時代からかなり手を入れておつたために、この程度ならば大丈夫だというわけで、堤防の構築が完成したというので、北上川の一番重要な部分である北上川の下流のまん中約二十キロくらいのところは宮城縣の管理にはいつておるようであります。そうして上流の方と河口の方が政府の直接管理になつておるということを聞いております。ところが今囘の水害は、その大抵大丈夫と自信しておつた堤防をさらに四尺も越したくらいの出水のために、堤防が決壞して、その結果天井川である北上川の堤防は、ほとんどその宮城縣に含まれておる部分はいつでも崩れてはいる態勢になつておる。こういうことのために北上川流域の約六十萬の農民は、言わば非常に危險な状態におかれておる。そのために特に北上川周邊の農村人はおちついて農業經營することができない。離村しなければならない、離農しなければならぬというふうな空氣まで起つておるような状態であります。そこで私はこの際北上川に關しては、國家は利根川と同じように、この際やはり宮城縣というふうな地方自治團體だけに任せないで、國家の大きな力で完全なる保護を加える。こういう根本方策を立てなければならぬのではないか。そういうふうに思うのであります。何しろ今囘の水害は七月の水害の約十倍である、こういうふうに地方民も見ております。これは專門家の立場からいろいろ研究調査されればよくおわかりのことと思います。これ以上のことをとやかく言う必要はありませんですが、北上川の管理ということに關しては、國家の全力をあげて利根川と同樣な性格のものとして、特にこれに對する保護を加えてもらいたい。そういう保護を加えることに對して、内務省當局としてはこれをどうお考えになるか、これが第一の私の要點であります。
 それから次にお尋ねしますことは、この九月の初めの水害後における利根川に對する政府のとつた政策と、北上川に對してのやり方と、その兩方の仕事の進捗ぐあい、あるいはこれからやろうという方針、そういうことをいろいろお尋ねしたいと思います。何しろこれは地方民としても、東北の今次の大災害をこうむつた人々も、利根川との見比べということがなかなか深刻であります。双子をもつたつもりで、これはわけへだてのないやり方をしないと、東北の百姓たちもおくれますから、そういうことになつてははなはだ困りますので、どうかその邊の關係について内務省關係の御説明をお願いいたしたいと思います。簡單でありますが、これだけお願いいたします。
#61
○野本委員 委員長は先ほど最初に厚生省所管のことについて發言を許し、松井君の發言に對しましてはこれを押えた。次いで安本の關係の質問を許した。その後いつの間にか内務省その他の關係に移つて、そのために議事が少し混亂しているのではないかと私は思います。この點をどういうようにやるのか、整理していただきたい。
#62
○本間委員長 お答えいたしますが、安本關係は大體終つたようであります。きつちり安本だ、厚生だというふうにきれません面もありますから、この邊から内務省關係に主として移つてまいりたいと思います。
#63
○野本委員 やはりその點は一應議場に通じて、そういうふうにしていただきたい。
#64
○本間委員長 承知いたしました。
#65
○長野政府委員 ただいま北上川につきまして御質問がありましたからお答えいたします。お前のごとく、近いところには力が入りやすく、遠方の僻陬の地には力が拔けやすいということは、常識的に考えて、あり得ることと思います。しかしながら政府としましては、決してこの間に輕重を附してはおりません。それぞれその川の情勢により、またその慘害の實相によりまして、できる限りの努力を均等にいたしておるつもりでありますが、ただ遠方は御承知の通り、一時は鐵道も不通になつたこともありますし、資材の集中その他についても不便な點もありまして、さぞ地方民とせられましては御不滿の點が多かつたことと思います。しかしながらただいま申し上げた通りの方針をもつて努力いたしておりますし、今後におきましてはだんだん交通運輸の便も加わつてきましたから、それらの點も勘考いたしまして、できる限り御滿足のいくように努力をいたしたいと思いますから、その點は御了承をいただきたいと思います。
 次には北上川の上流と下流について、その直接の責任が地方と國とにわかれておる、これを一元的に國がもつ必要があるのではないかというお尋ねにつきましても、精密な技術的ことは適當の機會に專門家からお答えを願うことといたしまして、ともかくこの問題はお話によりましても、また私どもの見ております上流地帶における砂防關係、及び最近だんだん計畫、實施せられておる開墾關係等からながめましても、地方のみに上流を委ねておくということもできぬと思います。しかしながら全國多數の川に對する豫算關係等もありますので、それらと勘案いたしまして、できる限り早く上流にも國家の手が直接に伸び得るように努力をいたしたいと考えております。要するに北上川につきましては、政府といたしまして、過去においても相當の調査をしておりますし、殊に治山方面につきましては、精密なる調査ができでおるはずでありますから、これらに基き地方民竝びに只野委員等の御意見も今後大いに參酌いたしまして、全力を傾注するようにいたしたいと思います。御了承願います。
#66
○本間委員長 松井君の内務省關係の質問が留保してありますから、この際お願いいたします。
#67
○松井豊吉君 他の方々の御意見があるようでありますから、私ごく簡單に結論的にお伺いしたいと思います。
 今囘の水害はどの縣に限らず、あらゆる事實を調査、研究されまして、それぞれ當局の方にも御報告があつたと思います。われわれは國土委員の關係で調査員を命ぜられまして、各地を調査いたしました。私は群馬縣出身でありますが、群馬縣には大きな川ではございませんが、渡良瀬川という足尾銅山を控えた暴れ者のでかい川があつて、その關係で群馬の平坦部における都市を中心として、人畜の被害はたくさんあります。その關係上被害額も相當に上つておりますが、今著る物もなし、家もなしという方々が、今囘の水害で、全國では群馬縣が一番多數に上つておると私は承知しております。栃木縣の足利市等もみな渡良瀬川の氾濫によつてかくのごとき状態であります。この衣類等につきましては、土地の篤志家の方の御援助をもち、また厚生省の御援助をもちまして、辛うじて一、二枚は與えておりますけれども、今すでに戰災當時以上の状態で、家がない。流された河川の附近に小さな小屋をつくり何組も今避難しておる状態であります。この建築等については最小限度の設計豫算をされて、國の融資ということを承知しておりますけれども、全縣下をみまして桐生、伊勢崎あるいは足利とかでなく、今囘の關東、東北方面、北海道にわたる水害によつて家屋を流失された方々は皆同じであります。しかしながら地方請負業者を中心とする土地の業者は、犠牲的精神からあらん限りの資材を供出しておりますけれども、それに對して國が全額融資するというその建築費が、ほとんど與えられておらぬという事實を聞いております。今寒さに向いつつある今日、當局はいかなる處置をとられますか、これは私一人が考えるのではありません。この實情をみまして、當局は今後いかなる方法をとられますか。この點についてお伺いしたいと思います。
#68
○長野政府委員 内務省としましては、警保局方面からしまして、全國災害地に對しましては地安上の問題竝びに救濟に關する根本調査について關係方面にそれぞれ手を伸ばしております。何分直接救濟ということにつきましては、厚生省その他の諸官廳がありますので、それらと連絡しまして、できる限りその憂いを早くなくすように、できる限りの努力をしております。
#69
○松井豊吉君 救濟の關係でなく、全額政府が融資するという建築費に對しては、内務省關係になつておると思うのです。
 それから應急工事の支拂でございますけれども、ほとんどまだ市町村の方にまわつておりません。もちろん應急工事の費用に對しては、政府全額支拂ということも聞いておりますけれども、すでに今工事に著手いたしまして、請負人の方に前渡金程度でなく、ほとんど一錢も渡つておらぬというので、工事が中止の状態になつております。これに對する岩澤局長の御意見を伺いたいと思います。
#70
○本間委員長 ちよつと松井君に申し上げますが災害復舊の費用を全額國庫が負擔するように聞いておるということですが、それは問違いであります。
#71
○松井豊吉君 應急費です。
#72
○本間委員長 もしお聞きになつているとすれば、それはまだ明らかになつておらない問題であります。大體災害復舊の補助率は各省に規定がありまして、とりあえずその規定でやることになつております。この委員會としても、地元の方から全額國庫補助をしてもらいたいという要望が強いのでありまして、この問題は別に取扱いたいと思つておりますから、どうかさよう御承知を願いたいと思います。
#73
○岩沢政府委員 松井さんの御質問ですが、今委員長からお話になりました通りに、從來内務省といたしましては、應急工事に對しては五割までを補助した例はありますが、しかし全額を補助したということはまだ全然ないのであります。また前渡金の問題でありますが、これは府縣工事でありまして、府縣によつて取扱いが違つておるのであります。大體補助工事に對しては前渡金をどの縣も認めておるような樣子でありますから、群馬縣の方におきましてもそういう途は遠からず開かれて、応急工事なりあるいは復舊工事の促進をはかれることと存じております。
#74
○只野委員 先ほどお尋ねした三番目の項に對しての御答辯を、まだ得ないような氣がするのですが、利根川に對しての今までの進捗状況、どういうふうな程度に進んでおるか、それから北上川に對してどういう具體的なお考えをおもちになつておるか、それを知りたいと思います。
#75
○岩沢政府委員 先ほど只野委員のお説の通りに、利根川とかあるいは北上川につきましてまつたく御同感です。問題の北上川につきましては、お話の通りに、下流部の濕地帶につきましては、内務省がこれを維持管理しておる區域で、そしてその上流の岩手縣界までが、すでに一應内務省の直轄工事として完了した、それを宮城縣の方 移讓して、そして宮城縣でこれを維持管理しておつたのであります。そして縣界の狭窄部が大體五里近くありますが、その上流一關からまた岩手縣の盛岡附近までが直轄工事としてやるという計畫のもとに今進めつつあるのでありまして、ちようど中間が宮城縣の維持管理の部分に屬しておつて、しかも今囘の破堤がその區間から發生したのであります。お話しの通りに、今囘の出水というものは、北上川始まつて以來のような最大洪水量でありまして、どの堤防もほとんど危殆に瀕しておつたというような状態で、破堤を免れたところにおきましても、縣の管理あるいは國の管理の箇所においても、相當の被害を呈しているような状態で、今内務省におきましては、北上川のこの宮城縣内における直轄工事ですでに完成した區域についてどういうふうな復舊工事をするか、あるいはまたこの洪水量に對して、今後どういうような對策をとるかというようなことについて相當研究いたしまして、實は明後日内務省の方に仙臺土木出張所の工務部長を呼びまして、そしてその根本對策を練りたいと考えております。なおこの際において全川を國において管理してやつたらいいじやないかという聲が、相當關係町村に起つておるということは、先日來から聞いております。この點については、十分内務省もこの北上川の重要性に鑑みまして、今後御希望に副うように努力をいたしたいと思います。なおこの際において申し上げたいことは、何しろこの北上川は水源が岩手縣から出てくるので、岩手縣の縣界に相當狹窄部がありますから、これを切開しないと、實際は根本對策はできないのでありますけれども、その五里の間の狹窄部を云々するということは莫大な費用がかかるので、北上川の上流地方の改修の根本對策といたしましては、各支川に大きなダムをつくつて、そうして一時洪水を調節する、こういうような計畫のもとに進んでいるのでありますが、何しろ資材難の折柄で、さう急速にはいきませんけれども、現在において膽澤川という北上川の支川がありますが、そこに一つのダムをつくるように準備を進めておりますから、そういうふうに大きい支川に貯水池をつくるようになれば、下流の宮城縣における北上川というものは、非常に土砂の沈澱もなく、また洪水も調節せられるというようなことに相なるだろうと思います。
 それから第二の利根川の決壞につきまして、今どういうふうな進捗をしているかというお尋ねでありますが、これは各方面の非常な御援助を得まして、昨日までの進捗状況は、第一締切りがほとんど完成いたしまして、第一締切りの川面の方と、それから決壞口の方との水位の差が一メートル二〇ぐらいになつております。從つて水量の八割近いものが本川の方にもう流れこんで、そうして三割弱のものが決壞口からはいつているような状態なんです。第二の締切りの方も、すでに杭打ちも全部終りまして、今土俵を詰めておりますから、今の状態でまいりますれば、大體今月の中ばごろには水が全部止まるというような状態であります。これは一つの締切工事でありますが、これを契機といたしまして、ただちに來春の水に備えるために本工事をやるように、せつかく豫算も通りましたから、著々工事を進めていきたいと考えております。
 それに引續いて北上川はどうかというお話でありますが、これは御存じの通りに、何しろ北上川の決壞箇所は縣の管理に属したために、内務省としては直接これに携わることができなかつたということは、非常に遺憾に存じているのであります。これが内務省の維持管理の區間であつたならば、やはり利根川と同じような策を講じたと私は考えておりますけれども、しかしこの決壞口を止めなければ、この宮城縣の穀倉地帶がいつまでも水びたしで、しかもお話の通りに濕地帶ですから、水がほとんど退かない。そうすると來春の麥播きあるいは植付も不可能だというようなことも存じておりますから、縣の方にも十分應援し、またできれば内務省の委託工事というような形式で大々的な應援をして、今後急速に締切工事また本工事の促進をはかりたい、こういう考えでおります。
#76
○大島(義)委員 議事の進行に關して私は申し上げたいと思います。本委員會の性格から言いまして、いずれも實情に基く對策が立てられなければならぬと思うのであります。そこでわれわれは、今もらつた程度の資料におきましては、とうてい滿足な調査もできませんので、この際資料の提出を要求するものであります。その資料の種類から申しますと、第一番が、各府縣の山嶽竝びに河川、これらの慘害によつてきたる理由を究めたいと思いますので、これらの圖面あるいはその他の參考資料を頂戴いたしたいと思うのであります。その次は、各府縣の被害實情の調査でなければならぬと思うのでありますが、内務省關係のものもありましよう。あるいは農林省關係のものもあるのでありましよう。商工省關係のものもあるでありましようが、これらの被害の實情をまず資料によつて頂戴したいと思うのであります。たとえば農林省が今日提出せられた書類におきましても、單に冠水と申しましても、五時間の冠水も冠水であれば、未だ月餘に及んで冠水しておるというような場所も、これを一概に冠水という取扱い方においては、供出の面に對して非常に大きな影響をもつてまいるわけであります。なおまた家屋の倒壞、流失、それらに基くその復舊に對しましても漠然たる資料で、私どもはとうていこの資料では未だ完全な調査はできないと思いますので、どうぞこれらの資料を頂戴いたしまして、それに基いて應急對策と恆久對策、この二つにわけてやはり對案を立てていく必要があると思うのであります。そこで應急對策の資料竝びに恆久對策の資料等に關して、かような資料を御提出あらんことをお願いいたします。これ以上いくら申しましても、資料のない腰だめの話では議事の進行が圓滿に進まないと思いますので、かような資料の御提出を要求する次第であります。委員長から各係にこれをおつしやつていただいて、この資料を至急取りまとめていただきたいと思います。
 もう一つ最後にお願いいたしたいと思いますのは、ちようど今日群馬縣の長官竝びに縣會議長が、本院に對して陳情かたがた本委員會の傍聽もいたしておるわけでありますから、この機會に群馬縣の被害實状の説明をさしていただきますとたいへん結構だと思います。どうぞお諮り願いたいと思います。
#77
○松澤(一)委員 この機會に貧弱村、いわゆる貧乏縣に對する高率補助を考えておるかどうかということを安本と内務省にお伺いしておきたいと思うのであります。山梨縣のような徳川時代には特殊大名がなくて、直轄だつた官吏が常に更送して苛斂誅求をしておる。山はみな坊主にしておる。明治の時代になつてもやはりその通り、これが續いて、とうとう明治四十年の大水害で、その何割かが北海道に移住しなければならないという結果になつた。それがために明治天皇は三十萬町歩の御料林を山梨縣に下賜した。それがようやく育つてきたら戰爭で――東京には近いし、現在でもそうですが、東京都民の燃料の何割かを負擔しているのが山梨縣である。河川が急流で、水力電氣には非常にいいところであるが、それはみな資本家のために經營されて、縣民のふところは少しもよくならなかつた。こういう貧乏縣が今囘の大水害で、大利根の水害もさることながら、山梨縣の急流河川においては、流れた後には水が一滴もありません。但し三年にも、五年にも、十年にも素人目に見ても、玄人目に見ても、復舊などということはほとんど思いも及ばないような大災害であります。民力に餘力がなくて、そうしてその災害が非常にひどい。來年麥をまくのにどうか、稻を植えつけるのにどうかというだけでなしに、それを堀り返して復舊するのに、相當の年月を要するというような災害、こういう貧弱な縣に安本や内務省は普通月並的な補助でなくて、高率の補助をお考えになつておるかということを、お考えだけでよろしゆうございますから、この機會にお伺いしておきたいと思うのであります。
#78
○本間委員長 大島委員から發言があつたのでありますが、ここに御出席の役所の方からは、どうか資料の御提出を願いたいと思います。それから出席しておりません省に對しましては、私の方から督促をして、できるだけ早く資料を提出いたさせるようにいたしたいと思います。それから群馬縣の陳情團は、もう少ししましたら説明の聽くことにいたしますから…。
#79
○長野政府委員 先ほどの御質問に對して簡單にお答えをいたします。災害の復舊補助等につきましては、大體三分の二の率をもつてすることにしておりますが、それ以上はその地方の財政竝びにその他各般の財政に、直接間接に影響する事項を勘案いたしまして、調節いたすことにいたします。
#80
○高野政府委員 今内務次官がお答えになつたと同じ考えをもつて、普通補助率を一應適用しておりますが、これを高率にすることはやはり地方の財政を勘案して、それから被害の總額を締切りまして、そうしてでなければできぬということに今なつておりますので、被害の總額を締切つて、その上で高率を適用するか否かということをきめるということになつております。
#81
○本間委員長 ちよつとお諮りしますが、御質問せられる方もきわめて多數のようでありますから、前もつて一應御通告を願つて、その御通告の問題が出ましたときに、關連した御質疑はその場その場で許すということにいたして進みたいと思いますが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○石野委員 ただいま委員長からもお話がありましたように、今のこの會議の運營の状態を見ておりますと、なかなか問題の本筋にははいつてこないように存ぜられます。そこで次會からは質問者の順位を通告によつてされるようにするとともに、本日の會議はこれで質問を打切り、先ほど群馬縣の方の實情を聽いてもらいたいという大島委員の御要求だけはこれを容れて、この程度で本日の會議を打切つていただきたい。こういう動議を出したいと思うのでございます。
 なおそれに附け加えまして私の個人要望でございますが、私は今囘初めてこの委員會に出たのでありますけれども、委員會の運營のしかたについては、なお理事會等においてもう少し基本的なもの、恆久的なもの、あるいは應急的な對策等の問題の審議のしかた、委員會のもち方等について一層練つていただきまして、その線に沿つてこの委員會が運營されましたならば、もう少し生彩な議事の運び方ができるのではないかというふうに存じますので、この次までにどうか理事の方々でそういうようなことにお練り合せを願いたいということをお願いしたいのであります。
#83
○石田(博)委員 今の御發言に贊先でありますが、前囘の水害對策委員會のときに、農林省の方にお願いしておきました件について、きよう食糧管理局の方がお見えになつておるそうでありますから、その方から御返事をいただきたい。
 それからもう一つは、先ほど松澤君から高率補助の問題がありましたが、この問題を内務省や安定本部の方々は高率補助で行きたいという考えをもつておられることは私は承知しておりますが、大藏省の方の見解では、これに對して違つた考え方をもつておられる。七割の國庫補助でやつて、殘餘の地方費負擔の分に對しては、地方債に對する財政補助の方法でやつていこう、こういう考え方をもつておられるように聞いております。ここに兩方がお見えになつておりますので、その見解の差をここで明らかにしておかないと、内務省と安本部の方々だけからそういう返事を伺つても、大藏省で違つた見解をとられておると、せつかく御答辯いただいても、結果としてそうならない場合があると思います。その點についてももう一度大藏省側の考え方も伺つておきたい。
#84
○本間委員長 この二點の關連事項竝びに前會に引續く事項でありますから、これを濟ませて、本日の會議はこれで終りたいと思います。一應打切ろうと思つたのでありますが、石田委員からただいま二點についてお話があつたのでありますが、この二點だけはきよう中に解決することにいたしましようか。
#85
○石田(博)委員 局長だけでは答辯ができないこともあるし、それでは本日はこの程度にして次會に大藏大臣、内務大臣、安定本部長官の御出席を求めてお聽きしたいと思います。
#86
○本間委員長 それでは本日はこの程度で會議を打切りまして、群馬縣の陳情を聽くことにいたします。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後四時一分散會
ソース: 国立国会図書館
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