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1948/11/13 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 運輸委員会 第5号
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1948/11/13 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 運輸委員会 第5号

#1
第003回国会 運輸委員会 第5号
昭和二十三年十一月十三日(土曜日)
    午後二時十六分開議
 出席委員
   委員長 有田 二郎君
   理事 前田  郁君 理事 佐々木更三君
   理事 原   彪君
      原  孝吉君   小笠原八十美君
     岡村利右衞門君    田村 虎一君
      山本 猛夫君    松本 一郎君
      井谷 正吉君    境  一雄君
      成田 知巳君    正木  清君
      吉川 兼光君    志賀健次郎君
      矢野 政男君    成重 光眞君
      館  俊三君    小西 寅松君
      河口 陽一君
 出席政府委員
        運輸事務官   加賀山之雄君
        運輸事務官   三木  正君
        運輸事務官   荒木茂久二君
        運輸事務官   牛島 辰彌君
 委員外の出席者
        運 輸 次 官 下山 定則君
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 公聽会開会承認要求に関する件
 日本国有鉄道法案(内閣提出第一二号)
    ―――――――――――――
#2
○有田委員長 開会いたします。
 これより日本國有鉄道法案を議題といたします。本日より質疑に入る予定でありましたが、政府よりさらに逐條的な説明を聽取いたしたいと思います。下山運輸次官。
#3
○下山説明員 それではお手元に差上げてあります日本國在鉄道法案について逐條的に説明いたします。
 第一章の総則。第一條はこの國有鉄道法をつくつた目的であります。「國が國有鉄道事業特別会計をもつて経営している鉄道事業その他一切の事業を経営し、能率的な運営により、これを発展せしめ、もつて公共の福祉を増進することを目的として、ここに日本國有鉄道を設立する。」ということであります。現在國が國有鉄道事業特別会計というもので経営しておりますいわゆる國有鉄道と、その他一切の事業と言いますのは、連絡船の事業とか、あるいは國営自動車事業その他これらと一緒に附帶事業を経営しているものがありますがゐこれらろみな含めたものでありまして、これらをより能率的な運営によつて発展させ、そうして公共の福祉を増進するということを目的として、今度の日本國有鉄道というものをつくるのだということで、いわゆる從來の官廳組織とは別の経営組織にいたしまして、企業性を発揮させ、あるいは能率的、合理的な運営をさせる。そうして独立の企業体ということになる。目的はあくまでも公共の福祉を増進するということが大眼目でありまして、これを第一條に規定したわけであります。
 第二條の、しからば日本國有鉄道というものはどういう法人格を持つかということでありますが、公法上の法人といたしまして、いわゆる民法あるいは商法等でいう商事会社とか、あるいは営利を行う社團というようなものとは違う。いはゆる公法上の法人格を持たせるものであるというのが第二條であります。
 第三條は、しからばその日本國有鉄道は先ほど説明いたしました第一條の目的を達成するためにどういう仕事をするのかというわけですが、一から五までそこにあげてあります。まず第一が鉄道事業とその附帶事業の経営であります。
 それから第二が鉄道事業に関連する連絡船事業の経営及び連絡船に附帶する事業の経営、第三番目が鉄道事業に関連する自動車運送事業及びその附帶事業の経営、第四番目が今の一、二、三に掲げた事務を行うのに必要な採炭、発送電及び電氣通信、第五番目が前各号に掲げる業務のほか第一條の目的を達成するために必要な業務ということで、一から五まであげてありますが、これらは全部現在その第一條に書いてあります國有鉄道事業特別会計で経営しておるものでありまして、内容については現在は官制できまつております、いわゆる鉄道総局で運営しておる業務そのものであります。ただ第五号の「前各号に掲げる業務の外第一條の目的を達成するために必要な業務」ということで、多少のゆとりはありますが、現実的には今やつておりますものをここにあげたわけであります。第二項といたしまして「日本國有鉄道は、その業務の円滑な遂行に妨げのない限り」という條件をつけまして「一般の委託により陸運に関する機械、器具その他の物品の製造、修繕若しくは調達、工事の施行、業務の管理又は技術の試驗研究を行うことができる。」というのも現在やつておるものそのものであります。あるいは委託されて試驗研究したり、あるいは委託されて工事をやつたり、いろいろやつておりますことが、このままやれることになるわけであります。
 第四條は当然のことで、事務所を置くことであります。
 第五條は資本金のことでありますが、これは來年三月三十一日における國有鉄道事業特別会計の資産の價格に相当する額を資本金とするということにいたしまして、その資本金は政府が全額出資するということにいたします。
 第六條は日本國有鉄道というものには所得税並びに法人税というものをかけない、いわゆる國の税は現在と同じようにかけません。しかしながら地方税につきましては、但書以下の鉱産税、電氣ガス税、木材取引税、遊興飲食税、これらの附加税及び遊興飲食税割というものを除いては地方税もかけないということで、この課税の方面で保護されておるわけであります。
 第七條は「日本國有鉄道は、政令の定めるところにより登記しなければならない。」これはこういう公法人としての例文であります。
 第八條は、これは説明を省略いたします。
 第二章、監理委員会。第九條の監理委員会の設置ですが、この監理委員会というものは、今まで日本のいろいろな官廳の組織においても、また民間の組織においても見られなかつた新しい考え方でありまして、いわゆる公共企業体としての考え方のものであります。
 第九條は「日本國有鉄道に監理委員会を置く」ということで、新しくこういうものが日本國有鉄道にできるわけであります。
 第十條は、その監理委員会の権限と責任を示しております。この襲理委員会の、先ほど説明いたしました第一條に掲げる目的を達成するためということは、すなわち公共の福祉を増進する、そのために能率的な運営によつてますます発展させるというような目的を達するために、日本國有鉄道の業務運営全体を指導統制する権限と責任を持つという、非常に重要な責任と権限を持つわけであります。
 次の十一條はこの監理委員会の組織でありますが、この監理委員会は五人の委員と一人の職務上当然就任する委員と、この六人で組織いたします。ここで一人の職務上当然就任する委員というのは、國有鉄道の総裁であります。第二項は、監理委員会には委員長を委員の互選でつくるというわけです。三番目は、さらに監理委員会は委員長が故障のある場合、委員長の職務を代理する者をあらかじめ定めておくという規定であります。
 第十二條は委員の任命であります。今申し上げました監理委員会の委員は、運輸業、工業、商業または金融業というような運輸事業等に非常に関係のあります民間の業についている廣い経驗と知識を持つておられる年齡三十五才以上の人の中から、内閣が衆議院、参議院の両院の同意を得て任命するということになつております。この委員の任命の場合、衆議院が同意して参議院が同意しないときにはどうするか、そのときには日本國憲法第六十七條第二項の場合の例によつて衆議院の同意をもつて両院の同意ということにする。それから第三項といたしまして、以下一から六までの項目に掲げてありますような制限がありまして、これに該当する人は委員にはなれない。それは禁治産者もしくは準禁治産者、または破産者で復権を得ない者、禁錮または懲役に処せられた者、それから國務大臣、國務議員、政府議員または地方公共團体の議会の議員、それから政党の役員、この政党の役員というのは、任命の日以前一年間においてこれに該当した者を含む。これは少しさかのぼつて考えているわけであります。次は日本國有鉄道に対して物品の賣買もしくは工事の請負を業とする者、またはこれらの者が法人であるときは、その役員もしくは名称のいかんにかかわらず役員と同等以上の職権もしくは支配力を有する者、これも任命の日以前一年間においてこれらの者であつた者を含むとして、要するにこの日本國有鉄道と非常に利害関係が密接であるという人は、公正なる立場において監理委員会の委員となるのに支障があつてはならないということで、五番目の制限が入つているわけであります。六番目といたしまして、前号に掲げる事業者の團体の役員または名称のいかんにかかわらず、殺員と同等以上の職権または支配力を有する者、これも同樣に一年間の制限がついておりますが、これも五号と同樣に、日本國有鉄道と密接な利害関係がある者を除くという趣旨であります。
 次は委員の任期であります。第十三條は委員の任期を五年といたします。しかし補欠の委員は前任者の残存期間の存任ということにいたします。そしてさらに第二項として、委員は再任されることができます。第三項として、日本國有鉄道創立後最初に任命される委員は五人でありますから、そのときに総理大臣が任命の日から五人の人々に、それぞれ一年の人、二年の人、三年の人、四年の人、五年の人というように、最初に五人の方の任期をきめる。
 それから第十四條は委員の罷免でありますが、内閣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合、または委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得なければ罷免することができないことになつております。それから次の項といたしまして、この委員の罷免については、第十二條の先ほど御説明申し上げました第二項の規定、つまり参議院の方で反対があつた、両院の一致がなかつたという場合の取扱いは、罷免の場合も適用いたします。
 次に委員の報酬でありますが、第十五條の委員は名誉職とするということは、きまつた俸給は差上げない。しかしながら監理委員会の用事で旅行された場合とか、あるいはその他業務遂行に伴う実費、車馬賃その他諸経費というものは受けてもよろしい。しかしいわゆるきまつた俸給として月給何万円というようなものは出さないという意味で、委員は名誉職とするという書き方をしておるわけであります。
 次に議決の方法でありますが、第十六條、監理委員会は委員長または第十一條第三項に規定する委員長の職務を代理する者、つまり委員長の不在の場合に代理する者、及び二人以上の委員の出席がなければ、議事を開いて議決することができない。第二項として、監理委員会の議事は出席者の過半数できめる。それから可否同数のときには委員長がきめる。監理委員会は日本國有鉄道の役員または職員をその会議に出席させて、必要な説明をさせることができます。総裁の指名する役員は監理委員会に出席して意見を述べ、あるいは説明をすることができます。こういうことで、この監理委員会は必要があれば、日本國有鉄道の役員でも職員でも総裁は指名して、監理委員会で意見を述べたり説明をすることができるということにいたしまして、その結果この監理委員会としては過半数の決できめる。これが議決の方法であります。
 次に監理委員会の委員の公務員たる性格について、第十七條で規定しております。この監理委員会の委員は法令により公務に從事する者とみなすということは、この法律によつていわゆる公務に從事するものということになります。しかしながら第二項に書いてありますように、いわゆる國家公務員法の適用は受けないわけであります。ということは、國家公務員法の一般職あるいは特別職というものの中には入りませんが、いわゆる銀行の行員などと同じように、公務に從事しているということになります。
 次は第三章の役職員でありますが、役員の範囲は十八條に規定しておりますように、総裁、副総裁、理事というこの三つの職名を規定しております。
 それから役員の権限でありますが、第十九條、これは「総裁は、日本國有鉄道を代表し、その業務を総理する。総裁は、監理委員会に対し責任を負う。総裁は、第十一條に規定する職務上当然就任する監理委員会の委員とする。」これは先ほど御説明申し上げました第十一條の五人の委員のほかに、一人の職務上当然就任する委員が、ここで総裁であるということをはつきりしているわけであります。そうして普通の会社等において総裁は会社その他の業務を代表して、しかも外部その他に対して責任を負うわけですが、十九條に書いてあります総裁は、監理委員会に対して責任を負う。つまり國有鉄道全般を代表いたしますが、総裁は監理委員会に対して責任を負つて、監理委員会が先ほどの第十條の権限と責任のところに掲げてありますように、外部の政府に対して、日本國有鉄道の業務運営を指導統制する権限と責任を持つ、こういうふうに考えるわけであります。二と三は副総裁、理事について職務と権限が書いてございますが、「副総裁は、総裁の定めるところにより、日本國有鉄道を代表し、総裁を補佐して日本國有鉄道の業務を掌理し、総裁に事故があるときにはその職務を代理し、総裁が欠員のときにはその職務を行う。」「理発は、総裁の定めるところにより、日本國有鉄道を代表し、総裁及び副総裁を補佐して、日本國有鉄道の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故があるときにはその職務を代理し、総裁及び副総裁員欠員のときにはその職務を行う。」これは御説明申し上げるまでもないと思います。
 次が第二十條、役員の任命及び任期、総裁の任命の仕方ですが、この総裁は先ほど申しました監理委員会が推薦した者を内閣が任命するということで、監理委員会か総裁の推薦権を持つているという重大なものであります。第二番目に、この監理委員会が総裁を推薦するときには、四人以上の多数の議決によることを必要とする。相当愼重にやつているわけであります。それは第十六條に、委員長もしくは副委員長のほかに二人以上の委員がおれば会議が開けるわけでありますが、そういうことでなしに、委員が四人以上の多数といいますか、四人以上の同意がないと成立しないということにしております。次は副総裁を今度は総裁が任命するわけですが、その場合には、監理委員会の同意を得て任命するということで、副総裁の任命についても監理委員会は相当の力を持つて同意、不同意の意思表示ができる。同意がなければ副総裁を総裁は任命できないということになります。理事というのは、これは総裁が任命する。総裁と副総裁の任期はおのおのいずれも四年ということにいたします。それが役員の任命と任期であります。この法律では総裁、副総裁は一人とは書いてはございませんガ、その性質上時に明示してない限りは、各一人と解すべきだと思います。
 役員の欠格條項。第二十二條ですが、先ほど委員になる資格と申しますか、これこれのものは委員になれないという條項が、十二條第三項に五つ並んでありますが、役員になる者も、第十二條の五項まで、いわゆる監理委員会の委員になる資格と同様な資格がないと、なれないというのが二十一條であります。
 それから総裁及び副総裁の罷免。総裁、副総裁をやめさせるときにはどうするかと言いますと、二十二條で「内閣は、総裁が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は総裁に職務上の義務違反その総裁たるに適しない非行があると認める場合においては、監理委員会の同意を得てこれを罷免する」わけであります。第二項といたしまして、この襲理委員会の同意を得て罷債する場合も、二十條の二項の規定、すなわち委員四人以上の多数によることを要するということを適用する。第三項といたしまして、「総裁、副総裁が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は副総裁に職務上の義務違反その他副総裁たるに適しない非行があると認める場合においては、監理委員会の同意を得てこれを罷免することができる。」これは任命の場合と同じで、副総裁をやめさせる場合には総裁が監理委員会の同意を得てこれを行うわけであります。
 役員の兼職禁止、第二十三條、「役員は、他の職業に從事することができない。」
 次が代表権の制限、第二十四條で、「日本國有鉄道と、総裁、副総裁又は理事との利益が相反する事項については、これらの者の代表権を有しない。この場合においては、監理委員会は、これら代表権を有しない役員外以の他の役員のうちから本日國有鉄道の代表すものを選任しなければならない。」これらもこういう組織の例文があります。
 次が代理人の選任です。第二十五條、「総裁、副総裁又は理事は、日本國有鉄道の職員のうちからその業務の一部に関し、一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限をもつ代理人を選任することができる。」これも例文であります。説明を省略いたします。
 職員の豊位及び資格、二十六條、この法律で日本國有鉄道の職員と言つておりますのは、いわゆる日本國有鉄道に勤務して一定の報酬を受ける投員以外の者、これを全部職員と言うのであります。第二項といたしまして職員になるのは先ほど説明いたしました十二條の第三項一号から六号まで監理委員になる規定がありますが、そのうち一号から四号までに触れる者は職員にすることができないという制限をつけておるのであります。
 それから今度は、任免の基準として、二十七條がありますが、「職員任免は、その者の受驗成績、勤務成績又はその他の能力の実証に基いて行う。」
 それから給與のありますが、第二十八條、「職員の給與は、その職務の内容と責任を應ずるものでなければならない。」第二項といたしまして、「職員の給與は、生計費並びに國家公務員及び民間事業の從事員における給与その他の條件を考慮して定めなければならない。」二十七條、二十八条いずれも任免の基準と給與の基準を規定したわけであります。ここでつけ加えて申し上げておきますが、この日本國有鉄道の從事員は、本國会に改正案が出されております國家公務員法でいる公務員ではなくなりますので、國家公務員法の適用を受けません。従つてこの任免の基準、給與の基準というものもあわせてこの法律の中にうたつておるわけであります。
 次は降職及び免職の場合であります。第二十九條、職員が左の各号の一に該当する場合を除いては、総裁は、その職員の意思に反してその職員を降職したり、または免職したりすることができない。その一として、勤務成績がよくない場合、その二として、からだに故障があつて比氣のために職務の遂行に支障があり、またこれに耐えられない場合、第六番目に、その他その総務に必要な適格性を欠く場合、第四番目として、業務量の減少その他経営上やむを得ない事由が生じた場合、ということは、仕事の作業量が減つたり、あるいは経営の合理化をどうしてもやらなければならぬ、そうでなければ企業体が持つて行かないというような、経営上どうしても必要やむを得ない場合、ということに相当限定をいたしておりますが、こういうときには降職あるいは免職することができるということで、企業体の経営の合理化ということについての考慮が拂つておるわけであります。
 次に休職、第三十條、「職員が左の各号の一に該当する場合を除いては」その場合以外には総裁はその職員の意思に反して休職にすることができない。その一として心身の故障のため長期の休養を必要とするとき、あるいは刑事事件に関して起訴されたとき、これらは現行も同じことであります。第二項といたしまして、前項第一号の規定による休職の期間は一年間で、休職期間中その故障が消滅したときにはすみやかに復職させるものとし、休職のまま一年経つて満期ということになつた場合には当然退職者とする。それから第三項といたしまして、第一項の第二号の規定による休職の期間、つまり刑事事件に関して起訴された場合には、その事件が裁判所に係属しておる間だけであります。従つて無罪となれば復職、元のところに帰れますし、有罪となれば退職する。休職員切れるということであります。第四項といたしまして、休職者は職員としての身分を保有いたしますが、職務には從事しない。休職者は休職期間中俸給の三分の一を受ける。この辺は公務員と同じように取扱いであります。
 次は懲戒ですが、第三十一條で、「職員が、左の各号の一に該当する場合においては総裁は、これに対して懲戒処分として免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。」その一といたしまして、「この法律又は日本國有鉄道の定める業務上の規程に違反した場合」それから二といたしまして、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」というこの二つのもののどちらかに該当した場合には懲戒処分をすることができる。第二項といたしまして、停職をする場合には、「停職の期間は、一月以上一年以下とする。」それから第三項といたしまして、停職者は職員としての身分は保有いたしますが、やはり休職と同じように職務に從事しない。そうして「停職者は、その停職の期間中俸給の三分の一を受ける。」それから四項として「減給は、一月以上一年以下俸給の十分の一以下を減ずる。」ということであります。十分の一以上はございません。してはならないのであります。期間は、一箇月十分の一減給する、あるいは二箇月するとかいうふうに、一年まで減給することができるという規定であります。
 次は服務の基準ですが、三十二條、「職員は、その職務を遂行するについて、誠実に法令及び日本國有鉄道の定むる業務上の規程に従わなければならない。」第二項といたしまして、「職員は、全力をあげて職務の遂行に專念しなければならない。但し、公共企業体労働関係法第七條の規定により、專ら職員の組合の事務に從事する者についてはこの限りでない。」第二項の規定は、職員は業務の遂行に專念する義務がここに規定されておるわけであります。「但し」以下は、別に今度この國会に提出しております公共企業体労働関係法というのがございますが、その第七條に、いわゆる組合の事務に專從するものの規定があります。これは國有鉄道が給料を拂わないで、組合がその組合費によつて給與を拂うという者を認めておりますが、そのものを除いておるわけであります。
 次に勤務時間の延長、時間外及び休日勤務について第三十三条に規定しております。「日本國有鉄道は、左の各号の一に該当する場合においては、労働基準法第三十二條、第三十五條又は第四十條の規定にかかわらず、その勤務時間をこえ、又は勤務時間外若しくは休日に勤務させることができる。」それはどういう場合であるかと言いますと、第一といたしまして、「災害その他により事故の発生したとき。」「災害の発生が予想される場合において、警戒を必要とするとき。」列車――自動車、船舶を含む場合ですが、「列車が遅延したとき、及びその臨時運轉を必要とするとき。」「公共の福祉に直接影響ある輸送力の維持又は増強に必要な業務が臨時に発生したとき。」というような、應急的、公共的に、公共の福祉を守るために非常に必要が生じたような臨時の場合を考慮いたしまして、労働基準法で定めてあります八時間労働、もしくは三十二條、三十五條、四十條という規定がありますけれども、これによらないで、いわゆる超過勤務をさせてもよろしいという規定であります。労働基準法の三十二條は、八時間勤務の規定でありますし、三十五條は「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を與えなければならない。」という休日の規定であります。四十條は特殊の勤務形態を定めておるものでありまして、「公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、第三十二條の労働時間及び第三十四條の休憩に関する規定について、命令で別段の定をすることができる。」という規定であります。こういうような三つの條文が労働基準法にありますけれども、一号から四号までここで規定しておりますようは、非常の場合とか、あるいは予想されないことが起つた場合とかいうようなときには、これによらないで、勤務時間の延長を命じたり、あるいは休日に勤務をさせることができる、ということは、この日本國有鉄道というものの目的が、第一條に規定しておりますように、公共の福祉を増進するということの目的で、いわゆる私企業的な会社ではなくて、公共企業体として設立されておるという特殊な性格から出て來ておるものであります。
 次に公務員たる性質、第三十四條でありますが、今まで規定して参りました役員と職員は、最初に説明いたしましたいわゆる監理委員会委員と同じように「法令により公務に從事するものとみなす。」というのであります。しかしながらこの第二項で、役員も職員もいわゆる國家公務員法でいう公務員ではありません。從つて國家公務員法は適用されないわけであります。
 それから第三十五條の公共企業体労働関係の保護の適用でありますが、「この章のいかなる規定も、公共企業体労働関係法第八條の規定を変更するものと解釈されてはならない。」この三十五條は職員に関する給與、身分等の事項について定めたものでありまして、これらの事項中、公共企業体労働関係法第八條できめておりますのは、團体交渉の対象となし得るもので、これらの事項については、第八條によつて別途協定その他が成立した場合には、それによつてさしつかえないことになるという規定であります。公共企業体の第八條と申しますのは、いわゆる團体交渉によつてきめる事項が定められているのであります。
 次は第四章会計であります。経理原則及び運賃、第三十六條であります。日本國有鉄道の会計及び財務と申します中には、運賃の設定と変更を含んだものでありますが、これらは「鉄道事業の高能率に役立つような公共企業体の会計を規律する法律が制定施行されるまでは」とありまして、結局鉄道事の高能率に役立つような公共企業体の会計を規律する法律を至急つくるということを前提といたしまして、それができるまでの間は、「日本國有鉄道を國の行政機関とみなして、この法律又はこの法律に基く政令に定める場合を除く外、國有鉄道事業特別会計法、財政法、会計法、國有財産法、その他從前の國有鉄道事業の会計に関し適用される法律の規定の例による。但し、財政法、会計法及び國有財産法の規定は、國有鉄道事業特別会計法の規定によつて制限される。國有鉄道事業特別会計法は、將來にわたつて効力を継続し、修正又は廃止されるまで日本國有鉄道に適用されるものとする。」ずつと今お読みいたしましたが、第三十六條の第一項で規定しておりますことは、今度新しくつくります公共企業体としての日本國有鉄道の会計及び財務ということに関しては、現在の國有鉄道が政府の機関として適用されておりまする諸法規、そこにあげてありまする國有鉄道事業特別会計法、財政法、会計法、國有財産法というようなものを、そのまま適用されるということであります。それでは何のために一体政府の機関からはずした公共企業体にしたのかということになりますが、第一條の目的を達成するために、能率的なる運営によつて、これを発展させて、公共の福祉を増進せしめるというためには、この財政法、会計法、その他がそのまま適用されておつたのでは、不十分なところがありますので、これを第三十六條の二行目に書いてありますように、「高能率に役立つような公共企業体の会計を規律する法律が制定施行される」ということを前提といたしまして、今のところは、この臨時國会までに、時間的な関係もあつて、間に合わなかつたので、それができるまでの間は、今までと同じように、これらの諸法規を適用し、日本國有鉄道を國の行政機関とみなすという、これは重要な規定であります。そこで第二項といたしまして、「前項の規定により日本國有鉄道を國の行政機関とみなす場合においては、日本國有鉄道の総裁を各省各廳の長と、日本國有鉄道を各省各廳とみなす。但し、政令をもつて日本國有鉄ドを運輸省の一部局とみなす場合、この限りでない。」第一項で、全部こういう政府事業、政府の機関について定められております法律の上においては、國の行政機関とみなす、またはこの法令の規定によるということになりますので、第二項といたしまして、行政機関とみなす場合には、この総裁を各省各廳の長とみなす、國有鉄道を各省各廳とみなすという見方であります。從つてこの日本國有鉄道というものを設立いたしました場合に、労働関係につきましては、別に國会の審議をお願いしておりまする公共事業体労働関係法規によりましで、はつきり公務員とは区別された法律ができますが、公共企業体それ自身につきましては、最初のスタートのある期間においては、会計、財務の取扱いについては、いわゆる國の行政機関とあまりかわらない状態だ行くということが、これで明らかになつておるわけであります。
 第三十七條といたしまして、これは事業年度ですが、官廳と同じように、四月から三月までの、いわゆる会計年度によつて事業年度をやつて行く。第二項といたしまして、「日本國有鉄道は、毎事業年度の決算を、翌年度七月三十一日までに完結しなければならない。」これも從來と同じであります。
 次が三十八條でありまして、日本國有鉄道は、毎事業年度の予算をつくつて、運輸大臣を経由して大藏大臣に提出いたします。次に、大藏大臣は、前項の規定によつて予算が提出されたときは、これを檢討して必要な調整を行い、閣議の決定を経なければならない。それから、内閣は、前項の規定によつて予算を決定したときには、國の予算とともに、これを國会に提出しなければならない。第四項といたしまして、予算の形式、内容及び添附書類については政令で、予算の作成及び提出の手続については大藏大臣が運輸大臣と協議してきめるということで、その三十八條は、予算は國会に出して、國会の承認を求める手続、求め方が載つておるわけであります。しかしながら、第四項で、この予算の形式とか、内容、添附書類については、今までと同じような形式でやる必要のないもの、あるいはやらない方が能率が上り、また便利であるというようなものについては、政令で別にきめます。予算の作成、提出の手続は、大藏大臣が運輸大臣と協議してきめるということで、ここは多少前のものと現在のものとはかわつておる点であります。
 次に追加予算の場合でありますが、三十九條で、國有鉄道は、予算作案後に生じた事由によりまして、必要避けることのできない場合に限つて、予算作成の手続に準じて追加予算をつくり、これを運輸大臣を経由いたしまして大藏大臣に提出する。これも現在と同じであります。第二項として「前條第二項から第四項までの規定は、前項の規定による追加予算について準用する。」これは先ほどの予算を出す場合についての規利と同じことであります。
 次は決算でありますが、第四十條で、「日本國有鉄道は、毎事業年ごとに財産目録、貸借対照表及び損益計算導を作成し、決算完結後一月以内に、運輸大臣に提出してその承認を受けなければならない。」第二項といたしまして、日本國有鉄道は、前項の規定による運輸大臣の承認を受けたら、その財産目録、貸借対照表及び損益計算書を一般に公示しなければならない。これらは公共企業体として当然なことであります。
 それから第四十一條、日本國有鉄道は、予算の形式に準じて、毎事業年度の決算報告書をつくつて、運輸大臣を経、大藏大臣に提出しなければならない。次に大藏大臣は、前項の規定による決算報告書の提出を受けたならば、これを内閣に送らなければならぬ。続けて行きますと、第四十二條、内閣は、前條第二項の規定によつて日本國有鉄道の決算報告書の送付を受けたならば、これを会計檢査院に送付しなければならない。第二項として、内閣は、会計檢査院の檢査を経た日本國有鉄道の決算報告書を、國の歳入歳出の決算とともに國会に提出しなければならない。この決算という項目の四十條、四十一條、四十二條は、今朗読いたしました通りで、毎事業年度ごとに運輸大臣、あるいは大藏大臣あるいは内閣さらに会計檢査院の檢査を経て國会に提出するという手続が定められております。
 次は損益の処理、第四十三條で、「政府は、日本國有鉄道に損失を生じた場合において特別の必要があると認めるときは、その損失の額を限度として交付金を交付する。」これは現在でもそうでありますが、日本國有鉄道に損失を生じた場合は、いつでもというのではなくて、特別の必要があると認めたときにはその損失の額を限度として交付金を交付するというわけであります。第二項としてそのかわり「日本國有鉄書は経営上利益金を生じたときは、別に予算に定める場合を除きこれを政府の一般会計に納付しなければならない。」ということで、赤字が出た場合には、政府からは交付金を出すが、もうかつたときには一般会計にこれを納付するというわけであります。
 借入金、第四十四條で、日本國有鉄道は、運輸大臣の認可を受けて政府から長期借入金及び一時借入金をすることができる。日本國有鉄道は、市中銀行その他民間から借入金をすることができない。」それから第二項といたしまして、「前項の規定による長期借入金及び一時借入金の限度額については、予算をもつて定めなければならない。」第三項といたしまして「第一項の規定による一時借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。但し、資金不足のため償還することができないときは、その償還することのできない金額に限り、運輸大臣の認可をうけて、これを借り換えることができる。」第四項といたしまして、「前項但書の規定により借り換えた一時借入金は、一年以内に償還しなければならない。今読みましたように、この條文では、日本國有鉄道が長期あるいは短期、一時金の借入れをする規定をしたわけであります。ここで重要なことは、現状において、國有鉄道特別会計というものでは、資金が必要な場合には公債もしくは日本銀行からの借入金もしくは一時借入金というようなことをしておりますが、この日本國有鉄道では、政府から長期あるいは一時借入金を借り入れるということにしたわけであります。この場合には運輸大臣の認可が必要になつて、運輸大臣が大藏大臣に相談するということにしております。しかしながら政府以外から借入れをすることはやはりできないということになつております。第二項以下は從前の國有鉄道特別会計の場合と同じでありますけれども、ただ資金不足のために一時借入金の償還ができない場合の借りかえのときには、運輸大臣の認可を必要とするということを書いたわけであります。
    〔委員長退席、前田(郁)委員長代理着席〕
 次は四十五條、政府からの貸付でありますが、これは「政府は、日本國有鉄道に対し、資金の貸付をすることができる。」この通りであります。
 償還計画、第四十六條でありますが、「日本國有鉄道は、毎事業年度、第四十四條第一項に掲げる長期借入金の償還計画を立て、大藏大臣の承認を受けなければならない。」これは第四十四條できめた長期借入金の償還計画でありますが、企業財政の健全化をはかるためには、借入金の償還計画は当然立てるべきものでありまして、この償還計画は、財務監督の大臣としての大藏大臣の承認を必要とするという規定であります。
 次に木務にかかる現金の取扱、第四十七條でありますが、「日本國有鉄道の業務に係る現金の出納手続は、政令の定めるところにより國庫金の例によらなければならない。」第二項といたしまして、「前項の規定により國庫が受け入れた予金に対しては、大藏大臣の定めるところにより利子を附するものとする。」第三項といたしまして、「日本國有鉄道の出納職員は、政令の定めるところにより、日本國有鉄道の支出金をその保管に係る現金をもつて支拂うことができる。」第四十七條は現金の取扱いと出納手続でありますが、現在は、現金は國庫金の例によつて出納いたしまして、出納職員は收納した現金で拂うことができるわけです。これらは実質上現在とちつともかわりはありません。ただ第二項において大藏大臣の定めるところによつて預金に対して利子をつけることができるようになつたわけであります。
 次が会計帳簿、第四十八條で「日本國有鉄道は、業務の性質及び内容並びに事業運営及び経理の状況を適切に示すため必要な帳簿を備えなければならない。」
 それから次が財産処分の制限ですが、第四十九條で「日本國有鉄道は、運輸大臣の認可を受けなければ営業線及びこれに準ずる重要な財産を讓渡し、交換し又は担保に供することができない。」第二項といたしまして、「前項の重要な財産の範囲及び種類は、運輸大臣が、大蔵大臣にはかつて定める。」これらは御説明申し上げるまでもなく朗読によつて御了承願えると存じます。
 大藏大臣の監督、第五十條、「運輸大臣が、第四十條第一項の財務目録、貸借対照表及び損益計算書の承認を行うとき、及び第四十四條第一項の規定による借入金に関する認可を行うときは、大藏大臣にはからなければならない。」先ほど朗読して参りました四十條の第一項にありますもの、あるいは四十四條の第一項にあります借入金、これらは運輸大臣の承認を得るわけですが、このときは運輸大臣は大藏大臣に相談しなければならないということで、元は全部大藏大臣の監督に属するわけであります。しかし運輸大臣が中に入つて、運輸大臣を経由するということにしてあります。
 会計檢査、五十一條で、「日本國有鉄道の会計については、会計檢査院が檢査する。」これは公共企業体ではありますけれども、國の出資しておりますものについて、公共的な運営をするという観点から、会計檢査院が檢査するということは当然であります。
 第五章として監督の点ですが、監督者。第五十二條では日本國有鉄道は運輸大臣が監督をするということで、監督主務大臣は運輸大臣であります。監督事項、第五十三條で「左に掲げる事項は、運輸大臣の許可又は認可を受けなければならない。一 鉄道新線の建設及び他の運輸事業の讓受、二 日本國有鉄道に関連する連絡船航路又は自動車運送事業の開始、三 営業線の休止及び廃止」この五十三條の規定は運輸大臣の監督の許可認可事項についてでありますけれども、今度の日本國有鉄道は先ほどから條文によつて説明して参りましたように、監理委員会というものが総裁の上にあつて、全体の仕事の監督指導を行つておりますほか、今までの官廳の組織から離れて、いわゆる公共企業体にして、いわゆる公共企業体にして、この監理委員会なり、あるいは総裁なりというところで相当独自の企業的手腕を振えるようにするというのが一つの目的でありますけれども、この國会の関係、あるいは政府、内閣対公共企業体等の関係等におきまして、できるだけこの監督大臣である運輸大臣の許可認可事項を少くして、自由に企業的な機能が果せるようにするために、五十三條では新線の建設とか、あるいは他の運輸事業の讓り受けの場合であるとか、第三の営業線の休止の場合及び廃止の場合のように、非常に基本的な事項のみにこの権限をとどめたというのがこの五十三條の規定であります。
 さらに五十四條は監督上の命令及び報告でありますが、「運輸大臣は、公共の福祉を増進するため、特に必要があると認めるときは、日本國有鉄道に対し監督上必要な命令をなすことができる」。二項「運輸大臣は、監督上必要があると認めるときは、日本國有鉄道に対し報告をさせることができる。」ということで、この五十三條と五十四條とあわせて運輸大臣の日本國有鉄道に対する監督権の大綱をきめたわけであります。
 第六章は罰則でありますが、第五十五條、「総裁、副総裁又は総裁の職務を行い若しくは総裁を代理する理事が左の各号の一に該当するときは、その業務に対する責任に應じて、十万円以下の罰金に処する。一 本法により、主務大臣の認可又は許可を受けるべき場合に受けなかつたとき。二 第三條に規定する業務以外の業務を行つたとき。三 第七條第一項の規定に基いて発する政令に違反して登記を怠り又は虚偽の登記をしたとき。四 前條第一項の規定に基く命令に違反したとき。五 前條第五項の規定に基く報告を怠り又は虚偽の報告をしたとき。」ということで十万円以下の罰則がついております。この一から四までの一々については御説明申し上げなくてもおわかりのことと思います。
 第七章といたしまして雜則、初めは恩給の関係でありますが、これを第五十六條で規定したわけであります。これは「この法律施行の際、現に恩給法第十九條に規定する公務員たる者が、引き続いて日本國有鉄道の役員又は職員となつた場合には、同法第二十條に規定する文官であつて國庫から俸給を受ける者として勤続するものとみなし、当分の間これに恩給法の規定を準用する。」この第一項は今言いましたように現在恩給を受けております者は、続けて恩給を受けられるようにするわけであります。第二項といたしまして「前項の規定により恩給法を準用する場合においては、恩給の給與等については、日本國有鉄道を行政廳とみなす。」というわけであります。第三項といたしまして「第一項に規定する者又はその遺族の恩給及びこの法律施行前釈與事由の生じた恩給であつて從前の國有鉄道事業特別会計において俸給又は給料を支弁した者にかかるものの支拂に充てるべき金額については、本日國有鉄道が國有鉄道事業特別会計として存続するものとみなし、特別会計の恩給負担金を一般会計に繰り入れることに関する法律の規定を準用する。」規定であります。四項といたしまして「第一項の規定により恩給法を準用する場合において、同項において準用する恩給法第五十九條第一項の規定により日本國有鉄道の役員又は職員が納付すべき金額は、同項の規定にかかわらず日本國有鉄道に納付すべきものとする。」詳細の説明は省略いたしますが、二項、三項、四項ともに五十六條の第一項にございますように、今まで恩給をもらつておつた者、あるいは國庫納金はそのまま続けて、いわゆる公務員と同じように恩給を受けるという規定であります。
 次は共済組合であります。共済組合に関しても恩給と同じように日本國有鉄道に対して、その適用を受けるという條文であります。五十七條「日本國自鉄道の役員及び職員は、國に使用されるもので國庫から報酬を受けるものとみなし、國家公務員共済組合法の規定を準用する。この場合において、同法中「各省各縣」とあるのは、「日本國有鉄道」と、「各省各縣の長」とあるのは、日本國有鉄道総裁」と、第六十九條及び第九十二條中「國庫」とあるのは、「日本國有鉄道」と、第七十三條第二項及び第七十五條第二項中「政府を代表する者」とあるのは、「日本國有鉄道を代表する者と読み替えるものとする。」第二項といたしまして「國家公務員共済組合法第二條第二項第八号の規定による共済組合は前項の規定により準用する同法第二條第一項の規定により日本國有鉄道に設けられる共済組合となり同一性をもつて存続するものとする。」
 第五十八條、「國庫は日本國有鉄道を設けられた共済組合に対し國家公務員共済組合法第六十九條第一項第三号に掲げる費用を負担する。」
    〔前田(郁)委員長代理退席、委員長着席〕
 第五十九條「健康保險法第十二條第一項、厚生年金保險法第十六條の二及び船員保險法第十五條の規定の適用については、本日國有鉄道の役員及び職員は、國に使用されるものとみなす。」以上読みました五十七條、五十八條、五十九條の三條で、先ほど申し上げました共済組合法の適用については、法律の読みかえによつて、この日本國有鉄道の役職員が適用を受けるわけであります。
 次は災害補償について。第六十條、「日本國有鉄道の役員及び職員は國に使用されるもので、國庫から報酬をうけるものとみなし、國家公務員災害補償法の規定を準用する。この場合において「國」とあるのは「日本國有鉄道」と、「会計」とあるのは「日本國有鉄道」と読み替えるものとする。」二項「労働者災害補償保險法第三條第三項の規定の適用については、日本國有鉄道の事業は、國の直営事業とみなす。」第三項は「第一項の規定により補償に要する費用は、日本國有鉄道が負担する。」これも先ほど申し上げたと同様の趣旨でありまして、災害補償法の利益を公務員と同じように受けるわけであります。國家公務員の災害補償法と申しますのは、今度の國会に提出を予想されているものであります。
 次は失業保險でございますが、これも第六十一條で「失業保險法第七條の規定の適用については、日本國有鉄道の役員及び職員は、國に使用されるものとみなす。」
 第六十二條で「國庫は、日本國有鉄道がその役員及び職員に対し失業保險法に規定する保險給付の内容をこえる給付を行う場合には、同法に規定する給付に相当する部分につき同法第二十八條第一項に規定する國庫の負担と同一割合によつて算定した金額を負担する。」六十一條、六十二條はいずれも失業保險についていわゆる國家公務員と同じような取扱いにされるように規定したのであります。
 最後に附則といたしまして施行期日でありますが、「昭和二十四年四月一日から施行する。」それから財産の承継でありますが、「國有鉄道事業特別会計の資産は、この法律施行の日に日本國有鉄道に引き継ぐものとする。」それから「日本國有鉄道設立の手続、財産及び從業員の政府から日本國有鉄道への引き継ぎの手続その他この法律施行のために必要な事項は別に政令をもつて定める。」という第一項、二項、三項の施行期日と手続を附則につけて、以上をもつて日本國有鉄道法案をここに提案をいたして御審議を受けるというわけであります。
 はなはだ急ぎまして。簡單にいたしまして何でありますが、これを一應朗読しながら、大綱だけを御説明した次第であります。
#4
○有田委員長 ちよつと速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#5
○有田委員長 それでは速記を始めてください。
 おはかりいたします。本案は、一般的関心及び目的を有する重要なる法案であると思われますので、各派委員諸君におかれましても、本案の審査のために公聽会を開くことを希望されておられるのであります。衆議院規則第七十七條によりまして、公聽会を開こうとするときは、あらかじめ議長の承認を得なければならぬことになつておりまして、意見を聞こうとする議題を定められた上で、諸般の手続をとる順序になつております。つきましては公聽会を開くことにつきまして、議長に承認要求書を提出することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○有田委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。
 次に公聽会において意見を聞こうとする問題につきまして、議題、期日を定めなければなりませんが、これにつきましては、理事会で十分協議いたしまして、諸君におはかりいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○有田委員長 それでは公聽会開会の許可あり次第開くこととし、暫時休憩いたします。
    午後三時四十四分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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