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1947/08/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第2号
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1947/08/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第2号

#1
第001回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第2号
昭和二十二年八月一日(金曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
   理事 井伊 誠一君 理事 工藤 鐵男君
   理事 小澤佐重喜君 理事 栗山長次郎君
      黒田 寿男君    笹口  晃君
      原 彪之助君    細川 隆元君
      正木  清君    森 三樹二君
      安田 幹太君    馬越  晃君
     長野重右ヱ門君    八並 達雄君
      山崎 岩男君    角田 幸吉君
      神田  博君    木村 公平君
      周東 英雄君    花村 四郎君
      平井 義一君    淵上房太郎君
      松原 一彦君    石原  登君
      織田 正信君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 理事互選
 政黨法及び選擧法に關する意見交換
 委員會運營に關する件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 それではこれより會議を開きます。
 先日保留となつておりました理事一名を御指名申し上げます。大原博夫君を指名いたします。
 昨日の理事會の申合せに從いまして、二、三囘自由討議の形において委員各位の政黨法、竝びに選擧法に盛つておる意見の開陳を行いまして、その後にどういうふうにしていくかということを相談しようということになつて、理事會の決定をみたわけでありますが、そういう順序で議事を運んでいきたいと思うのであります。最初に何か資料その他を要求する方がありますれば、この際御發言を願いたいと思います。
#3
○笹口委員 この場合、若干資料の提出を要求いたしたいと思います。まず政黨法の立案に關しまして、現在ありまするおもな政黨の規約、政策、綱領そういうものを提出していただきたい。同時に古い政黨、すなわち政友會、民政黨、あるいは社會大衆黨、そういうおもな政黨のものもありましたならば御提出を願いたいのであります。次には吉田内閣當時に、内務省が政黨法案の立案をしたということを承知しておりまするが、それがありましたならばそれを御提出願いたい。同時にその他にも政黨法案というようなものがありましたならば、參考に提出していただきたいのであります。
 次には選擧法改正の問題でありますが、この土臺として現行の選擧法及び選擧法改正の沿革、これのわかります資料を一括御提出を願いたいのであります。それから昨年と本年の選擧權、選擧區、有權者、あるいは棄權者、そういうような選擧の結果を比較した數字が欲しいのでありますが、これもひとつおまとめを願いたいと思うのであります。次には現在あります政黨の數を知りたいのでありますが、内務省あたりではこれをお調べになつておることと思いますので、政黨の數も、できますればその名稱を詳細に知りたいのであります。特にこの政黨の中で、本年の選擧に立候補者を出した政黨がどのくらいあるか、また當選者を出した政黨がどれくらいあるか。こういうこともお聽きいたしたいのでありますけれども、この點も併せてお願いいたしたいと思います。もう一つは選擧違反の數でありますが、これもでき得ますれば、本年と昨年と二囘にわたつて行われた選擧の選擧違反の事件別件數というようなものを承知いたしたいのであります。最後に東京帝大の法學部研究室でつくられたと言われております諸外國における選擧制度及び地方制度というような資料が内務省にあるはずでありますが、これがございましたならば御配付を願いたい。もし部數等が足りませんでしたならば、この中にあります特にアメリカ合衆國各州の選擧制度の項目を拔萃して委員に配付をお願いいたしたいのであります。以上私は資料の提出を要求いたします。
#4
○淺沼委員長 資料の提出といつても、實際は政府の方から案件が出て、それに對する資料というわけではないのでありまして、自然われわれが立法するための資料を要求することになるので、ここで決議をして政府に要求するという形をとつた方が妥當だと思うのでありまして、そういうような形式をとることにいたします。ただいま笹口君より申されました諸資料の提出を要求するに御異議ありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○淺沼委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
#6
○森(三)委員 ただいま笹口君から資料の提出に關して、政黨法竝びに選擧法の兩方面から御意見がございましたが、私ももちろん贊成いたします。なお私は附け加えて、先般議長應接室において、各政黨の代表の方々の小委員會というようなものが催されておつたことを承知いたしておりますが、これらに關して、その當時議題となつておりました政黨法に關する何か案文でもあれば、それらも御提出をお願いできるものならば、御提出をお願いしたいと思うのであります。なお私は今日政黨法竝びに選擧法を改正しなければならぬ必然性、從來政黨法というものがなかつたものを新たに政黨法をつくらなければならぬ理由、竝びに選擧法を改正すべき理由について、委員長から何か御意見がございますならば、一應そうした御意見をお聽かせ願いたいと思います。
#7
○淺沼委員長 政黨法及び選擧法改正に關する特別委員會を設置するに至りました經過につきましては、たまたま私その當時、打合會に關係しておりましたものでありますからよく了承しておりますが、これもその都度それぞれの黨派を通じて、代議士會に報告されていることであると思うのでありまして、あらためて經過その他について申し上げることは屋上屋を重ねる結果になろうと思うのであります。ただ一應御了承を願つておきたいと思いますことは、最後に開かれました委員會において聲明書を出しておりますから、その共同聲明書を朗讀いたしまして、皆さんの御參考に供したいと思います。「政黨法の取扱いについては先般來社會、民主、自由、國協、第一議員倶樂部、農民、共産各派代表者の間で前後三囘にわたり協議が行われたが、去る十七日の會合において、今日の日本の現状から見て、超黨派的問題として政黨法の立案提出は一應必要であるとの見解に到達した結果、各黨それぞれの正式機關に付議した上、なるべく速やかに國會法に基く特別委員會の設置を提唱することに決定した。そ問題に關連して、一部新聞紙上にいわゆる政黨法草案なるものが掲載されたが、右は前内閣において立案せられていた一つの試案にすぎない。從つてこの草案はわれわれの委員會を何ら拘束するものでなく、ただ今日までわれわれの委員會の討論の資料になつたものにすぎない。もちろん特別委員會もこの草案を單に參考資料に使うことができる。各派の實際上の立案にあたつては、各黨派獨自の見解をもち寄つて、眞に日本の現状に即して健全なる政黨組織の助長竝びに民主的選擧方法確立の目的をもつて立案されることになるであろう」。こういう聲明を出しまして、この聲明に基いて各派は了承して特別委員會の設置になつたのでありますから、この點御了承願いたいと思うのであります。
 それから政黨法の必然性について私から意見をということでございますが、委員長としてまだそれについて述べるべき段階ではないと思うのでありまして、委員各位からそれぞれ意見を承ることの方が妥當ではなかろうかと思うのであります。
#8
○森(三)委員 ただいま政黨法に關しての聲明を御發表になつたようでありますが、なお選擧法に關して今年の三月選擧法を改正したばかりでありますが、これに關連して改正しなければならぬというその切迫した御事情等に關して、御意見をお聽かせ願いたいと思います。
#9
○淺沼委員長 それもやはり今申し上げました最後の方の民主的政黨の組織の助長竝びに民主主義的選擧方法確立の目的をもつてということを入れて、前に申し上げたことが大體委員會をつくつた申合せであるということを御了承願いたいと思います。
#10
○石原(登)委員 私の本法を審議するに際して一番重大だと思いますので、この政黨法の制定の提案はどこであり、あるいはその責任のある政黨はとこであるのか、これをまず知りたいと思います。それから私ども不幸にして先般來の各派の協議會に出席いたしておりませんので、各派で打合わせられた事項についてよく承知していませんので、その點についても重複することははなはだ恐縮でありますが、一應その經過について承つておきたいと思うのであります。
#11
○淺沼委員長 この政黨法の制定の提案者というのは、各派交渉會で大體話がまとまりまして、各派交渉會の議を經て提案されたわけであります。しかし法律案は調査研究の結果、この委員會で立案を委託されておるわけでありますから、原案も何もなく、われわれ自身の手によつて、いかなる政黨法が、いかなる選擧法が一番妥當であるかということで立案していくことになると思うのであります。その前提としてこの委員會において調査研究を續けていくということになろうと思います。それから各派打合會において、このことについては先ほど出しました聲明書で大體御了承をいただいておることと思ふのでありまして、いろいろ相談しました結果、現在の段階において政黨法を制定するとともに、選擧法を改正する必要があるという結論に達しましたから、こういう結果になつたと思うのであります。
#12
○石原(登)委員 さらにお尋ねしますが、先般來新聞その他で何か原案のようなものか、あるいはそれに類似するようなものが示されていたようでありますが、あれには全然こだわらずに、新しいものを制定するものだと了解してよろしいか。
#13
○淺沼委員長 今共同聲明書の中でも申しました通り、こういうぐあいに理解し、また聲明をしておるのでありまして、その問題に關連しておる點だけをもう一度讀んでみますと、「この問題に關連して一部新聞紙上にいわゆる政黨法草案なるものが掲載されたが、右は前内閣において立案せられていた一つの試案に過ぎない。從つてこの草案はわれわれの委員會を何等拘束するものでなく、ただ今日までわれわれの委員會の討論の資料になつたものに過ぎない。今後特別委員會もこの草案を單に參考資料に使うことができる。各派の實際上の起草にあたつては、各黨派獨自の見解をもち寄つて、眞に日本の現状に即して健全なる民主的政黨組織の助長竝びに民主主義的選擧方法確立の目的をもつて、立案されることになるのであろう。」こういう了解のもとにやつたのでありますから、大體御了承いただけると思うのであります。
 他に御意見ございませんか。なければ先ほど冒頭に申し上げました通り、昨日の理事會の申合せによつて、自由討議の形で議事を進めたいと思いますから、御意見のある方はどうぞ……
#14
○森(三)委員 自由討議によつて政黨法竝びに選擧法改正の審議をしていくことは結構でありますが、結局自由討議といたしましても、骨子となるべき草案は、容易につくり得ないのではないかと思います。それより私は自由討議をなさるのも結構でありますが、多少なさいました後に、各派代表よりなる小委員會を設けまして、その小委員會で骨子となるべき原案を作製いたしまして、そうしてあらためて本委員會にかけられるようにお運びなさることが最も適當でなかろうかと考えるのであります。
#15
○松原(一)委員 小委員會によつて最後をまとめることは、事務的にはきわめて結構ですが、しかしこの問題には非常な消極論もあり、絶對無用論もあるのですから、概論はここで十分練つて、意見のあるものは一應出盡さして、それから小委員會にかけるようにしたらどうかと思います。
#16
○淺沼委員長 それでは森君から小委員會を設置すべしという御意見がありましたが、必ずしも小委員會は直ちにということでなくして、自由討議をやつた結果というように承つておりますので、一應自由討議にはいりたいと思います。御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○淺沼委員長 御異議がなければさように議事の進行をはかります。角田君
#18
○角田委員 政黨法をつくるとして、政黨を制限するかどうかということが問題になると思います。そこで政黨の制限が、憲法のいわゆる結社の自由に違反になるかどうかということが、一つの問題となろうと思うのであります。いろいろとわかれてまいりますのと、問題が輻湊いたしますので、かわきりとしてごく一部端緒だけお話申し上げたいと思うのであります。私は政黨結社の制限が、これは絶對不可侵なものではない、こういう憲法上の解釋をいたすのであります。このことを一應申し上げたいと思います。憲法の保障する自由、國民の權利でありますが、これは憲法の十二條あるいは十三條にあります。十二條によりますと自由及び權利は濫用してはならぬのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。こういう規定があります。そして十三條にまいりますと、國民の自由は公共の福祉に反しない限り、最大の尊重をするのだという規定があるのであります。そこでこの點からみますと、政黨の活動については、もとより公共の福祉を害せざる範圍において認められるものであることは、當然憲法の豫想するところであります。さらに憲法の二十八條には、勤勞者の團結權を書いておるのでありますが、勤勞者の團結に對する權利及び團體交渉、その他の團體的活動の權利はこれを保障する。この點から考えますと、勤勞者の結社もやはり二十一條に含まれてもいいはずなのであります。二十一條に含まないで、さらに二十八條において勤勞者にだけかような結社の自由を特に認めた、保障したことから見ますと、一方政黨につきましては、一應勞働者の團結權と同じ程度のものではないかということが言えると思うのであります。かような意味におきまして、公共の福祉という限界においての制限ができるものであると私は考えるのであります。したがつて政黨法がただちに憲法違反だということは言えないのみならず、憲法違反にならないような政黨法もでき得るのでありますから、こういう觀點に立つて、ひとつ皆さんの御意見を拜聽したいと思うのであります。
#19
○細川(隆)委員 私は政黨法の制定が、日本の現在の實情に鑑みて必要であろうという一應の立場から申し上げてみたいと思います。ただいま御發言の憲法違反にならずとする御意見と私も意見を同じくするのでありますが、私の解釋はやや異つた方面から、憲法違反でないという點も申し添えたいと思います。私の立場は今申し上げましたように、政黨法が必要であるという立場に立つのでありますが、これは一應の立場でありまして、すなわち共同聲明に現われておりますように、一應必要であろうという見地からこの委員會ができたことは、委員長から申された通りであります。しかし政黨のうち、あるいは言論機關等においても、不必要もしくは反對的な議論があるのでありますから、この共同聲明にありますように、この審議の進行につれて、その内容が漸次形づくられていく途中において、私の説を覆えし、また必要でないという論據が、政黨法の内容を形づくる經過の上で現われて來ますならば、われわれの立場はおのずから變らざるを得ないのでありますが、現在のところはこの聲明の結論となつておりますように、民主主義的な政黨の助長という觀點から、必要であろうという立場を一應とつた見地から申すのであります。
 第一は現在の日本の現状を基礎としてわれわれは考えることが必要でありまして、現在の日本の政黨界の現状を見てみたときに、列國に比類なきごとき千數百の政黨があるということは、民主主義的政治運營の基本である政黨政治の上に、はたしてプラスになつておるか、障害になつておるか。國民の政治活動、特に選擧を通ずる活動の上に、また政策政綱を實行に移す上に、かかる千數百の政黨が必要であるかどうかという點から吟味が始まらなければならないと思うのであります。政黨は御承知の通りに結社の一つであります。その中で政事結社の一つの形態であります。政黨が他の結社もしくは政事結社と異なるゆえんはどこにあるかというと、すなわち政綱及び政策を中心として、國民が一定の政治的目的に向つて結集しておるということが、一般の抽象概念の結社あるいはその中の政事結社と、政黨が儼に區別されておるわけであります。でありますから、政黨は政策政綱を中心として、一定の政治目的のために結集された國民の團體であります。そうするならば、はたして現在及び將來の日本の建設の上に、千數百の政綱なり政策があり得るのであるかどうか。また必要であるかどうかということが吟味の中心にならなければならない。現在の千數百の政黨の内容については、ただいま笹口君の資料要求によつてわれわれの前に現われてまいりますが、われわれが選擧を通じ、あるいは政治活動を通じて承知しておりますところは、政策政綱が千數百の儼然たる種別にわかれておる結果、千數百の政黨ができたのではなくて、すなわち政綱政策から政黨が出發しておるのではないのであつて、その八、九割と申してもいいくらい政黨というものは、個人的繩張り關係、あるいは勢力關係からできておる政黨の濫立が、日本の現状だろうと思うのであります。これを單に放任して自然淘汰なり、あるいはときの推移によつて推移されるのを、單にわれわれが待つということで事足りるかどうかという點に、政黨法を制定すべきか、すべからざるかというふうに議論がわかれてくるのだろうと思います。私は今日の行き過ぎた政黨の濫立状態を見ますときに、先ほど言いましたように、政策政綱を中心として、一定の政治目標に向つて結成された國民の政治團體でなければならないという點からいうと、現在の濫立状況は、一つの法をもつてこれを規律することが日本の將來の民主主義化のために必要であるということが、私どもが政黨法制定が必要であるという一つの理由になるのであります。
 それから結社と政黨の關係について一言いたしたいと思います。これは自然憲法問題に觸れてまいるのでありますが、憲法は結社の自由を認めております。結社には今お話がありましたように、いろいろな結社があります。政事結社あり、思想結社あり、經濟結社あり、勞働組合のごときは私は經濟結社だと思います。その他思想的な集まりの結社、すなわちグループというものがあり得ると思いますが、政黨と申しますものは、その結社なりまた政事結社なりの中で、一つの特殊な形態をもつておる。それはどこにあるかというと、すなわち政黨というものは他の政事結社と異なつて、一つの政綱政策を掲げ、それを基礎として組織され、その政綱政策を實行に移す團體であるという點に、他の結社なり政事結社と異なつた性格をもつております。また政黨が他の政事結社と違う特殊の性格は、いわゆる選擧に際して候補者を選定するということが、他の政事結社と異なつた特殊の性格であります。でありますから、一口に結社あるいは政事結社と申しましても、政黨というものはその中で特殊の任務と特殊の性格をもつておるのでありまして、憲法にいうところの結社の自由が政黨に政黨法によつて一つの規則を與えたとしても、絶對に憲法違反にはなり得ないのであります。言葉をかえていうと、政黨としては政黨法によつて制限はされますけれども、それは政黨法によつて制限されたとは言いましても、政事結社としては何らの制限を受けないのであります。つまり政事結社としてこれがいろいろの活動をすることは、政黨法ができても何ら制限を受けないのでありますから、政黨法ができて何がしかの制限が政黨にくるという場合に、これが結社の自由に對する憲法違反であるというのは、理論的に言つても成立たない議論であると思います。外國の例にとりましても、非常に自由な結社を憲法で明瞭に規定しておりますアメリカのような所においても、政黨というものは私が言いましたような別個の概念から政黨法をつくつてこれを規制しております。アメリカの四十八州の憲法は、ことごとくその選擧法の中に政黨の定義、あるいは政黨の組織、黨費の問題等々、及び選擧法と政黨の活動の關係というものを明瞭に規定しておりますことを見ても、政黨を規制しても、何らこれは結社の自由を侵害するものではない。從つて歐米の例に見ましても、これはいわゆる憲法の結社の自由を侵害するものでないということが、私は明瞭に看取されるのであろうと思います。
 第二に私が政黨法が必要であるというゆえんは、政黨組織の民主化という點にあります。日本の政黨は過去の舊政黨時代から見て、今日日本の政黨の組織、運營なるものが、一般と民主化されておることは事實でありますが、その根本は國民の政治意識が非常に低いという點にも、ありましようが、その組織、運營の民主化ということが、まだまだ非常に遲れておる段階にあります。特に民主主義の發達した諸外國に比べますれば、非常に遲れておる實情にあります。われわれ政黨人としては、この政黨の組織及び運營を民主化しなければならぬというのは、私どもの義務であろうと思います。そういう意味から言いましても、政黨組織及び運營の民主化ということは、法によつて一つ規定を與えることが必要であろうと思います。以上二點が私が政黨法が今日の現状から見て、一應われわれの立場として取上ぐべき問題ではないかとするゆえんであります。ここに政黨法必要なしという議論がありますので、一應その點について私の所見を述べたいと思います。
 第一は憲法違反であろうという點でありますが、これは私が先ほど憲法形式論から述べた點においても何ら、憲法違反でない。一例をとりますれば勞働組合は一つの經濟結社であります。しかしながらさらに今御發言がありましたように、憲法は單なる結社で滿足しないで、いわゆる勞働權ということから端を發しまして、勞働者の團結權を認めております。その結社の自由及び憲法に保障されました勞働團結權から勞働組合というものをわれわれがもつ權利をもつたのでありますが、これに對しても單に放任はいたしてありませんで、勞働組合法という法律によつて、經濟結社であるところの勞働組合に一定の基準を與えておる。今まで私どもは勞働組合法が憲法違反だという論は聞いたこともありませんし、また考えたこともありません。この例を見ましても、一つの結社に對しまして一つの基準を與えるということは、實質上何ら憲法違反でないということは、勞働組合と勞働組合法の關係から見ても、明瞭に私どもは了解できるであろうと思います。ただ問題は、もしもこの勞働組合法が組合彈壓法になり、彈壓を目的とし、彈壓的な内容をもつならば、これは結社の自由を侵害するという憲法論も私は立つと思うのであります。それと同樣に政黨法も、その内容が政黨になるということになれば、これは結社の自由を侵害する憲法違反という實質論も私は起り得ると思いますが、われわれが目指しておるところは彈壓法にあらずして、助長法であるという觀點からいたしますれば、實質的にも形式論と相竝んで、何ら憲法違反のおそれなしていうことになるのでありまして、そこにわれわれが今後勞働法の内容を論議し、かつ形成する上に心がくべき點でありまして、どこまでもその内容は、助長法という方面にわれわれの力をいたさなければならないと思うのであります。從つて今後政黨法に規定されますところの程度の問題ということを、私どもは十分考えなければならぬのでありまして、その程度によりまして實質上憲法違反のおそれを惹起す場合もあるし、また程度によつては勞働組合法と同樣、何ら憲法違反ということをわれわれが念頭に浮ぶる必要さへないということになるだろうと思います。この點を述べて憲法違反であるという點に對する私の一つの反駁論となしておきたいと思います。
 それからもう一つの反對論は實質論でありまして、政黨というがごとき、國民の間から盛り上る政治組織なり、政治活動に對しては、法律というがごとき力をもつてこれを規制すべきものではない。自然發生的ないし自然發展的にこれを政治教育によつて助長すべきものだという實質論であります。私はこの論は憲法違反であるという論よりも、一應傾聽に價する論であろうと思います。しかしながら私どもが政治活動あるいは政治組織を考えます場合に、單に教育部面、あるいは自然發生的、自然發展的に任しておくだけが、政治組織なり政治活動を助長するゆえんではない。殊に今日及び將來を眺めまして民主化を急がなければならない。特に講和會議その後における日本の問題を見ましたときに、ここにおいて遲れておる場面に、一つの規制を法の力で與えるということは、私は場合によつては必要であろうと思います。アメリカのごとき非常に進んでおる國におきましても、最初政黨に關しては何ら法律はなかつたのでありますが、やはりアメリカの政黨が常にボス政治に墮して、民主主義的な運營なり組織なりをもち得なかつたという弊害に鑑みまして、四十八州の選擧法の中には、ことごとく政黨の定義及び政黨組織、選擧法との關係を規定いたしております。アメリカは御承知の通り各州獨自の法律をもち得るのでありまして、アメリカ連邦政府には、何ら選擧及び政黨に關する法律はありません。大統領選擧におきましても、上下兩院議員の選擧、地方團體の選擧におきましても、それぞれ異なつた法律によつて、アメリカでは選擧なり政黨なりの規制をいたしておる。四十八州の法律そのものが、國家の連邦の法律となるのでありまして、アメリカ四十八州はことごとく選擧法の中に政黨に關する規定をおいております。その結果アメリカの政黨が非常に刺戟を受けまして、民主化され、今日もなおアメリカの政界にボス政治の名殘りはとどめておりますけれども、今日のわが國などと比較しますれば、一段と高い民主主義化をもち得たということは、まさにこの法律の力が善用された結果であろうと私は信じております。そういう意味において、いやしくも法律の力をもつてこういう問題は取上ぐべきでないという實質論も、そういう觀點から、私は必ずしも單に自由放任にまかしておくだけがわれわれのとるべき態度ではないと考えるのであります。ただここにわれわれがお互に注意しなければならないのは、單に先進國の法制そのままを飜譯的に日本にあつてはめる場合には、そこに非常な弊害が起る。目的は政黨の民主主義的な助長であつても。その法の運用においては、日本の實情に即しないために、逆にボス政治を奬勵するというような結果にならないとも限らぬのでありまして、法律はその規定が大きな部分であると同時に、その運用と影響ということが、またその反面の大きな意義をなすものでありますから、われわれが今申し上げましたような目的に向つて政黨法を起草いたします場合においては、私どもは十分日本の實情、日本の段階というものをよく吟味をして、愼重に立案をすることが必要であろうと思うのであります。今資料の提供の要求がありました前内閣でできました政黨法草案というものを私は一瞥して見ましたが、これなどは、私から見れば、非常に日本の實情に遠いような規定も、相當多量挿入されております。特に政黨の活動組織というようなものに對して、行政官廳の指揮監督に任ぜられたような條文が非常に多いのでありまして、こういうのは日本の現状から見れば、むしろその結果は非常に惡い影響が起るだろうと思いますから、私どもが立案する場合には、どこまでも政黨自身の手による政黨の組織活動をつくるというようにやつていかなければならないと思いまして、私どもの出した共同聲明の中に、單に一つの參考資料というのは、こういう點にも目が注がれておる結果であろうと思うのであります。一應私は政黨法を制定した方がよかろうという立場から私の所見を述べました。今後起草の進行に連れまして、また具體的な私の意見については、逐次述べる機會をもちたいと思います。
#20
○石原(登)委員 私は政黨法の草案作成について、私見を述べて希望を申し上げたいと思います。まず第一に考えなくてはならないことは、この政黨法によつて、さらに關連して選擧法を考えるのでありますが、これまでの草案、あるいは一應考えられておるものをひそかに思いますと大體政黨を一つのわくの中にはめよう、こういうような考え方が決定的のようであります、そうするとただいま細川君から御意見がありましたが、憲法違反でないという一つの意見といたしまして、政黨以外の政事結社は認めるのだ。こういうような意見のようでございました。そうすると選擧法が何か新らしく改正される。その選擧法が政黨と單なる政事結社に對して、いささかの公平さも缺かないということになると、一應ある程度われわれも納得ができないこともないのでありますが、どうもこれまでの見方から考えて、そういう點が非常に濃厚に考えられてくるのじやないか。このことを憂慮いたしますので、この點については十分な御審議をお願いいたしたいと思います。
 それから私どもがこの政黨法を制定いたすに對して、一應贊成できますことは、わが國の政治史をずつと見ますと、これははなはだ言い過ぎかも知れないが、一應政黨の罪惡史なりと斷じても差支えないのじやないかと考えるのであります。そういう意味で政黨を民主化する。國民の意圖する立派な政治を國政に反映させてくれる。そういう政黨をつくるための政黨法ならばわれわれは贊成であります。しかしながらただいまの細川君の御意見の中には、今日の政黨の亂立振りはただ單なる一、二個人の勢力爭いであるとか、何とかというような御意見があつたのでありますが、私はさように考えません。もちろん多くの政黨が現われておるこの實情は、ほんとうの日本の姿、今日の日本の政治のあり方に不滿をもつておる多くの善良な人たちが、眞にたまりかねた考え方、あるいはあり方の現われだと私は考えておりますので、むしろこういう中から日本をつくる政黨が生れ出るのであろうということを私は確信もし、大いにまた期待しているようなわけであります。
 以上の觀點から今度の政黨法の草案の作成にあたりましては、政黨法と選擧法と十二分に見合つてわれわれは審議したいと思いますので、まず新しく改正しようという選擧法の大體の骨子をも、これを審議する前提としまして、一應つくられるように私は希望するものであります。
#21
○松原(一)委員 黨の意見ではございません。これは私の一人の意見としてこの際申し上げておきたいと思いますが、私は政黨法の制定を積極的に支持するものであります。その理由は、政黨ほど今日の政治に對する大きな影響力をもつておるものはないのであります。從つて政黨のあり方、その性格、その運營等が國民に及ぼす影響の重大さを考えます時分に、私どもは政黨に多くの反省を求め、また今後その精進と努力による成長を希望せざるを得ないのであります。もちろん法はなるべくつくらぬがよろしい。法の多いことは希望いたしません。法三章で濟むならばこれに越したことはないのでありますけれども、今日の政黨の國政に及ぼし、國民の政治生活上に及ぼす大きな影響を考えます時分に、かくのごとき大きな影響があるものであればこそ、私どもは一つの理想的な規制、竝びにその性格の純正さを認めざるを得ないのであります。ただいま石原君も、日本の近代の政治史は政黨の罪惡史であると言われましたが、私どもも遺憾ながらこれを肯定せざるを得ません。歐陽修の朋黨論ではありませんけれども、君子の集まりではなく、ややもすれば小人の集まりになりやすい政黨は、その勢力の大きくなるにつれて、これが朋黨的政權爭奪の機關となつて、それが理非をわきまえず、利己的な動機から手段を選ばざるものに發展してまいりました結果が、今日の日本のこの敗戰のどん底にあえぐ悲境をもち來したということを否定することができないのであります。過去の政黨の最も大きな誤りは黨同閥異の弊でありまして、その黨を同じくする味方を多數もつたものが天下をとるといつたような事實から、本來主義政策を同じうする同志の集まりであるべき政黨が、主義政策何をも知らない多數の人々をばむりやりにかり込んで、いたずらに數を多くし、反對黨側にまわつた者は理非曲直を問わず、正邪も善惡も無視して、これおば否認するという結果になつてまいつたのであります。その結果少さな町村の末に至るまで、意味もない黨同閥異の戰いが、惨澹たる姿を呈して今日まで行われてまいつたことは、われわれのなお記憶に新たなるところであるのであります。政黨は今日大體において定義せられておる通りに、どこまでも主義政策を同じくする同志の結集であつて、しかも強固なる内部的組織をもち、その行動の上に、特に經費の上に、最も明らかなものがなくてはならぬと思われるのであります。今日までの政黨の腐敗は、主として政策によらず、數をもつて壓倒してかかり、かつその上に出所不明の金が最も多く使われて、社會をと毒いたしておる。ここに大きな誤りがあるのでありますから、私は決して窮屈な政黨法を作ろうというのではありませんが、新しい政治の芽生えを決して摘みとろうとするのではありません。少なくとも、政黨として候補者を立て、國政に臨み、國民の前に是非を批判してもろう立場の立つものは、あくまでも責任のある主義政策をかかげ、これを實踐の上に示し、十二分の批判を乞い、かつその經費は原則として黨員みずからの負擔するものでなくてはならないと確信するのであります。從つて私の理想とする政黨は精鋭主義の政黨でありたい。有象無象をいたずらにかき込んで、黨員の數を殖やすというものであつてはならぬと思う。ほんとうに主議政策を理解した同志が一縣に百人もあれば、千人もあれば實は結構であります。しかし費用は當然負擔する。費用を投じない黨員などのあるべきはずはないと私は確信する。むしろ今日までの政友會、民政黨時代の政黨は、その名を連ねることによつて恩惠をわけられておつたのであります。そういうような數がいくら集まつたところで、その數を積んで、一國の政治を行うといつた政權爭奪の具に供すべきものではない。どこまでも政黨は、精神的主義政策の主張が根幹であつて、しかも高潔な人格をもち、熱意をもち、この難關を突破するだけの強い人格者の集まりであることを私は要求するのであります。今日はなはだ申し上げにくいけれども、今朝の新聞を見ると、山梨社會黨支部の何とかいう人々が、黨籍をもつその黨の名を冠して出張所をつくり、非常に大きな詐欺をやつておるという記事がある。私はイギリスに、選擧においては自分の手傳に使つた運動員が、選擧違反ではない、選擧中にとばくをやつたといつた普通一般の犯罪行爲があつても、さような非人格者を選擧の手傳に使つたという自責から、その候補者の當選は取消される法があることを承知いたしておるのであります。いやしくも政治に携わる者であるならば、私はどこまども清淨であり、正しい指導者であるという人格と、實踐と、その責任とをもつべきものであつて、政黨の黨員として、また黨の役員としてかくのごとき破廉耻なる行動をとるものがあつたならば、當然國民一般から指彈せられるべきものであり、政黨またみずから顧みて自責すべきものであろうと思います。政黨法は單なる一片の法律ではなく、一つの日本國民が政治に精進するところの規制である、私はかように考えたいのであります。多數の國民、つまり一般の大衆は、私は黨員でないがよろしいということをかねて信じている一般の大衆はどこまでも民主的な自主的な政治の批判をもつて、政黨選別の投票の權利を自由に保留しておくべきものであつて、時に應じ、政局の變化に從つて、世界情勢の上からも、國内情勢の上からも、急進黨を選ぶべき場合、保守黨を選ぶべき場合を識別して、自由な投票の權利を保留しておくように教育することが大切だと私は信ずるのであります。從つて政黨員はどこまでも同志結束の精鋭主義のものであつて、縱から見ても横から見ても、これが責任を負う主體である。同時に選擧竝びに政黨の黨費に關する負擔をば、甘んじて負うだけの自信のある者でなくては黨員にすべきものではないと思つております。この意味におきまして共産黨は、昨年の春は黨員が二萬人、今日どのくらになりましたか、十萬人になりましたか、知りませんけれども、黨費を確實に背負つて、そうして黨員としての自覺の上に、一々の行動はよく知りませんけれども、立派な政黨的な行動をもつていると私は見て、敬意を表しているのであります。黨員の數と投票の數とは、決して一致する必要はないのであります。たとえ黨員の數は少くとも、その黨の行動を批判する大衆の動きが、これをば自由に支持すればいいのでありますから、今囘の政黨法を制定しますならば、どこまでも黨費を確實に負擔する者のみを黨員として登録する。決してこれはごまかしがあつてはいけない。從つて黨費の問題に關する公開を私は強く要求するのであります。ここからすべての腐敗が生ずる。もちろん黨員のみの負擔では足りない場合がありましよう。黨員中のある者が、自力に應じて若干多くの負擔をするということについては、何ら異議はございません。あつてしかるべきものと思いますし、他からの寄附もあつて結構だと思います。何もそういうことをば制限する必要はございませんけれども、黨費の點だけはどこまでも確實にいたさなければ、今囘の隱匿物資をめぐつてのいろいろな風評が立つのも、結局過去の政黨がこういうところに世間周知のやみを行つてきたという事實が、國民から認められているからであります。この點を拂拭しなければ、口でいかに民主主義を唱え、國會中心の政治教育連盟をつくつて世間に押し出しても、私は心ある人々からは物笑いの種になるよりほかないと思います。政治家自身が非政治教育的な行動をとつて選擧に出ている。この政黨法はその意味におきまして、私は世界に類例なき民主的、清明なる平和國家を建設する政治家の操守、道義を高調したる内容をもつてほしい。これをば私は強く希望するものであります。しかし一面におきましては、政黨法あるがゆえに新人の進出を阻止するというようなことがあつてはいけないと思います。たとえ比例選擧法が行われるような形式になりましようとも、自由獨立な候補者の立候補し得る餘地を殘した選擧法が、これに附隨して行われたいと思います。もちろん新人で現在の政黨にあきたらなくとも、一歩でも近い政黨に黨籍を置いて、内部からこれをば改造するだけの力量を發揮すれば、どの政黨かにはいる餘地はあると私は思いますけれども、それでもあきたらないところの人々があつて、現在政黨の黨籍はもたないが立候補するというような人のあつた場合の、立候補の餘地だけはどこかに殘しておきたい。新しい芽生えをば尊重する意味において、私はこういう餘地のある法の制定せらるることを希望するものであります。違憲であるかどうかといつたような問題は、私は少しも考えません。よき日本の政治を推進する上に、この憲法の精神に副うたる理想的な政黨法を制定せらるることを切望いたしますことだけを申し上げまして、積極的に法の成立に希望をもつものであります。
#22
○淺沼委員長 他に御意見はありませんか。他に通告もございませんが、あと、議事の進め方でちよつと御相談申し上げたいと思うのです。今ずつと、いろいろ御意見を伺つておりますと、憲法違反であるかないかという問題についても、大體の意見は一致するような方向に進んでおるように見受けられます。さらに積極的に政黨法をつくるべきであるという意見もずいぶん出ております。そういうようなのを、一應討論が濟んだ後は假決定のような形において、大體の方向としては憲法違反にあらずというようなことをきめながら、議論を進めていつた方がいいですか。それとも、自由討論の形で、最後までやつてしまつて、その後で問題を提起してきめるという形をとりますか。どつちがいいでしよう。
#23
○石原(登)委員 内容のいかんによつては憲法違反にもなるかもわかりませんし、われわれはまだ草案の内容がわからないから、十二分に意見を申し上げられぬのであつて……。
#24
○淺沼委員長 いや、そうじやない。基本は、内容のいかんということはこの會合でつくるものであつて、内容は何も規定されたものがないわけであるから、從つて内容を自分自身の力においてつくる場合には、自分に近いものができるということを豫想しながら、そういう行動を委員會がとつていくということは、何も憲法の規定と牴觸しない、そういう見解のもとに皆がこの議論を進めていく。そうすると一つの方向がきまつていくわけですから、その方向をきめていつたらどうか。これがいいか、ないしは全部議論をしてしまつておいて、後で今言つたようなことを取り上げてやることがいいかということを、これは理事會で相談して皆さんにはかることが妥當かもしれませんが、一應そういうことも、初めて立法するのでありますから、案なしに案をつくるわけですから、自然一つの行き方をきめておいた方がいいのじやないかと思います。
#25
○石原(登)委員 内容が一應わからないと、結局いい案であるかどうかわかりませんから、その決定は大體草案のできあがつた後にお願いしたいと思います。
#26
○角田委員 委員長が前におつしやつたように、政黨法をつくる本だけでは憲法違反にならぬという議論が今多數であろうと思う。その點をおきめ願つていつて、それから細目にわたつていつたときに、この點は憲法違反になるという議論をすることは差支えないと思います。そういうわけで、一旦區切つていつた方が進行上結構だと思います。
  〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
#27
○淺沼委員長 どうでしようか。今角田さんから……。
#28
○長野(重)委員 ただいまの政黨法竝びに選擧法改正の問題について、委員長から、一應の方向をきめて、そうして進行していつたらどうかという御意見が述べられてあるのであります。私はこの問題につきましては、先ほど來これが憲法に牴觸せずとか、あるいはまた過去における政黨の問題等を捉えられて、いろいろと論議いたされましたが、その全部を肯定するわけにはいかないのであります。その中にはまだいろいろと私どもの意見が殘されております。殊にこの問題は非常に重要な問題でありまして、これに對しまするところの資料もようやく本日要求をいたしたようなわけでありますから、いまだこの資料が提出いたされておりません今日、ただちにこの方向をまとめて進んでいく、いわゆる一つのわくをつくつて、これが討議をしていくということにつきましては、贊意を表することができません。從いまして資料が提出され、しこうして今なお二、三囘この自由討議が開かれました後において、われわれは腹のあるところの草案をつくる用意を進めていきたい、こう考えます。
#29
○淺沼委員長 他に御意見はありませんか、――いろいろ意見が出ているようですが、一應今の意見を理事會に反映いたしまして、理事會でどういう工合に進めるか、御相談してみたいと思います。自由討議はもつと續けた方がいいと思うのでありますが、今日はほかに發言なさる方はありませんか。資料の要求をやつたばかりでありますから、自由討議をやれと言つても無理かもしれませんが、もしなければ……。
#30
○工藤委員 私は資料というほどでもないが、圖書館でもつている政黨及び選擧法に關する著作、これがどれだけあるか、一つ書記の人に調べてもらいたいと思う。選擧法に關する資料は相當廣汎なものをわれわれももつているけれども、ずいぶん古くなつているようだから、そういう參考書があるかどうか。この圖書館だけでもよいからお調べを願いたい。目録だけでよいのでありますから……。
#31
○淺沼委員長 至急やることにいたします。
#32
○織田委員 ただいまこの政黨法の提案者の問題に質問がありましたが、それに對して、各派交渉會できまつたのだといつたようなお答えがあつたように聽いたのであります。しかし各派交渉會の中でも、提案責任者というものがあつたはずなんです。いかなる意圖のもとにこの政黨法を出さんとするか。この意圖が十分理解できない關係上、直接の提案責任者から具體的な説明をお聽きしたいと思うわけです。ただいまいろいろのお方からお話がありましたが、その中で、また共同聲明の中でも、今日の日本の現状から見てとか、また民主主義を助長する觀點から、とかいつたような理由をあげられておつたようでありますが、しかしこの點についてはむしろ政黨法をつくることが、今日の日本の現状から見て、また民主主義を助長するという觀點から見て、惡いという論據さへ成り立つのではなかろうかと思われる節もあるのです。その點について、そういう抽象的な問題ではなくして、もう少し具體的に、必要であるという理由を提案責任者から説明していただきたいと思うのであります。
#33
○淺沼委員長 提案責任者といつても、各派交渉會で各派の交渉委員が了承し、さらにそのことは各派でもつて代議士會に諮つて、調査研究をすることは、議院の意思として決定されて、こういうふうになつているものでありますから、特定の責任者があるわけではありません。私はそう理解しております。先ほど私聲明書を讀みましたが、その聲明書を出すまでに各派交渉會で打合會をつくろうということが大體きまりまして、各派の間に、政黨法に關する打合會というものができまして、それでたびたび相談をいたしました結果、先ほど申上げました通りの聲明書が出て、その聲明書にも書いてあります通りに、各黨派はそれぞれの代議士會に諮つて決定をして、それでよければ特別委員會をつくるということに決定になつたわけでありますから、各派の代議士會の議を經てきまつているわけでありますから、自然衆議院の意思が特別委員會をつくれということになつたと私は理解しております。從つて私どもは院議の上に立つて特別委員會をつくつて、そこで今論議を進めている形です。
#34
○織田委員 それはそうなんですが、政黨法をつくるということにしても、どこからともなくということではなく、言い出した人間があるはずなんです。各派交渉會でも、たれかそういう打合會をつくろうということを言いだした者があるはずなんです。だからその特定の個人から説明を聽いたら、具體的な内容について話がよくわかるのではないかと思うのです。
#35
○淺沼委員長 それは私ども社會黨の關係においては、私が黨の責任者であります、さらにそれぞれの他の黨派においては、幹事長が責任をとつているはずと私は思います。それから他の諸會派の關係においては、どなたがなつているかわかりませんけれども、社會黨に關する限りにおいては私が責任者であります。言い出した責任者といえば私であります。
#36
○角田委員 私は委員長と理事會に御注文を申し上げておきたいと思います。こういうことにしたらいかがかと思うのです。たとえば政黨法をつくるとして、それがただちに憲法違反にならないかどうかということを、どの點までどういうふうに討議させていこう、そうして今度は政黨法をつくります場合に、ほかの政事結社の存在をどうするか。あるいは政黨法をつくつた後において、政黨において候補者を推薦する場合にはどうするか、黨首の問題はどうするか、こういうような方法で、とにかくこの部分をこの次にひとつ議題として議論をしてみようという一つの目安をつくつていただくと、今日のような質問をしなくてもよい。非常に順調にいくのではないかと思いますので、私はこの際に委員長と理事會でそういうことについての打合せを願いたいことを希望しておきます。
#37
○長野(重)委員 ただいまの御意見には私は贊意を表しがたいのであります。何となれば、本委員會はこの間第一囘を開かれましたときには、委員長、理事の選任のみでありまして、ようやく今日いろいろと意見が交わされておるのでありまして、あまりに結論を急ぐ必要はないと考えます。從いまして、先ほど私が申し上げましたように、一應の資料も出揃い、しかしてお互いが十二分にもう少し檢討していつて、その上で方向を定めていつたらよいのではなかろうか、こう考えるのであります。大體この議會におきましても、小委員會というものがあまりにも早く結成されるということは、私は民主政治確立のために贊意を表しがたいと思うのであります。お互い委員となりまして、そうしてその中から幾人かの小委員ができる、いつの間にか案ができてしまつて、遂に報告に近いようなものを委員會が承認していくということでは、民主政治の十分の發達は期待しがたいと思うのです。從いまして私は、いま少しく本委員會が資料も出揃い、そうして十二分に檢討を加えて、一つの方向を定めて、しかる後に小委員會にこれを付託するなり、あるいは理事會にこれが檢討を委任するなりして進めていくことが、この重大性に鑑みて當然とるべき方法であろうと考えます。
#38
○淺沼委員長 今角田さんの言われたのは、理事會にかけるといつても、審議の方法をどうやるかということの相談をしてくれという意味で個々の問題をあげたのだろうと思うのでありまして、先を急いでやるというような考えから、理事會で相談してくれということではないように私は理解しております。從いましてどうでしようか、議事をどう進めるかということについては、今いろいろ御意見を伺いましたから、理事會に御一任願うことにして、今日はこの程度で散會したいと思うのですが……。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○淺沼委員長 それではこれで散會いたします。次會は公報をもつてお知らせすることにいたします。
   正午散會
ソース: 国立国会図書館
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