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1947/08/11 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第6号
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1947/08/11 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第6号

#1
第001回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第6号
昭和二十二年八月十一日(月曜日)
    午後一時五十七分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
   理事 栗山長次郎君
      黒田 寿男君    笹口  晃君
      原 彪之助君    細川 隆元君
      正木  清君    森 三樹二君
      安田 幹太君    安平 鹿一君
      山崎 道子君    東  舜英君
      生方 大吉君    高橋 長治君
      長谷川俊一君    山崎 岩男君
      岩本 信行君    大石 倫治君
      角田 幸吉君    木村 公平君
      周東 英雄君    平井 義一君
      淵上房太郎君    益谷 秀次君
      木下  榮君    松原 一彦君
      石原  登君    織田 正信君
 委員外出席者 衆議院法制部第
        一部長     三浦 義男君
        内務事務官   小林與三次君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 政黨法に關する協議の件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 これより會議を開きます。
 先日の申合せによりまして、政黨法立案について今まで論議された點、竝びに資料等について研究する題目となるべき點についてのとりまとめ方を衆議院の法制部にお願いしておつたのでありますが、今お手許に配りましたように、政黨法立案に關する研究事項としてとりまとめられたものができ上つたわけであります。さらに先日政黨法について、内務事務當局が關與された事項について説明を求めたのでありますが、その要點について本日記載された事項のものが出てまいりましたから、これもお配りした次第であります。從つてお諮りいたしますが、これらの點について問題をとりまとめくださつた方に、問題を提起しただけの説明を願うことにしたらいかがですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○淺沼委員長 ではさようにいたします。先に法制部第一部長三浦君。
#4
○三浦説明員 私から便宜御説明申し上げます。今までの委員會におきましていろいろ御意見の點等もありまして、それらの點を斟酌いたしました上、なおこれらの點に關してはさらに御研究をお願いしたらばどうであろうかと考えますような點を一應研究事項といたしまして取上げました次第でございます。從いましてここにあげましたのは、必すしも十分であるとは申上げかねるのでありまして、それはさらに審議の進展に伴いまして、いろいろの問題を御提供願えれば結構だと考えておるのでありまするが、差當りの問題として、一應かような點を御研究御論議願つていくうちに、大體の政黨法のあり方というものが浮んできはしないかと考えました次第であります。たびたびの委員會におきましてお話がありました通り、根本問題といたしましては、まずこれを立案いたしまする場合におきまして、憲法違反であるかどうかという問題が起つてくるのでありまするが、これは多分に内容の問題とも關連いたしてまいりますので、内容と併せ考えつつこの問題をさらに再檢討していくという方向が適當ではなかろうかと考えております。
 政黨法におきまして取上ぐべき問題は多くあると思うのでありまするが、これを要約いたしまするに、まず第一に政黨の範圍であろうと考えます。いかなるものを政黨と認めるか。群小政黨の整理という問題もいろいろ論議せられたのでありますけれども、日本の現状においてはまだ自然發生的にそれらの起つてきました理由もあり、また在存の理由もある程度には認め得るのではないかという點も考えられるのであります。まずそれらの點から考慮いたしまして、政黨の範圍をどうやるかということが、この根本の出發點であろうと考えておるのであります。これに關しましては政黨の範圍のところに一應具體的にあげたのでありまするが、アメリカ等におきまして、政黨の範圍を一應法律によつて限定いたしておるのでありまするが、それとまた日本の政黨法による政黨の範圍が同一でいいかどうかというような點は、多分に檢討せらるべき問題であろうと考えておるのであります。
 次に政黨の組織の問題でありまするが、組織の問題に關しましては、いわゆる黨内デモクラシーの確立の問題、政黨の組織機関等が黨員の意思によつてそれが決定せられ、それが反映していき、また政黨の役員の選擧等が公明正大に行われていくということが取上げらるへき重要な問題であろうかと考えておるのでありまして、さような意味合いにおきまして、政黨の組織の問題にそれらの事項をあげておきました次第であります。
 なお次に政黨の會計の問題でありまするが、いわゆる黨費公開の問題といたしまして、世上論議せらおておる重要な問題であるのでありますが、この問題が明瞭を缺いたり、あるいは不公正であつたりいたします場合におきましては、世論が政黨に對する信用に對しまして、いささかの危惧をもつようなことになるのでありまして、それらの點から考えましても、政黨の會計の公明性というものが取上げらるべき問題であると考えておるのであります。さような意味合いにおきまして政黨會計に關するもの、あるいは政黨財産に關する問題についての事項を取上げておいた次第であります。なおこの問題は政黨の會計の監査の問題とも關連いたしてまいるのでありまして、この監査方法をいかなる方法によつてやるかということが、問題の重要な點でもあろうかと考えております。
 なおまた次には政黨と立候補の關係でありまするが、政黨法によつて政黨が決定いたされました場合におきまして、いわゆる議員等の立候補を政黨員のみに限るかどうかという問題は、群小政黨の整理の問題とも關連いたしますし、また政治結社の問題とも關連いたしまして重要な問題になるのでありまするが、これらの點に關しましても取上げるべき問題を、ここに提起いたしておいた次第であります。それから政黨が自主的にその發展を遂げていきますために、官廳とのつながりをいかに考えるか。從來のようないわゆる官僚統制の弊に陷つたり、あるいは官僚監督の弊に陷るようなことがあつては、政黨の自主的な使命が多分に沒却されることになるかとも考えられますが、しかしながら官廳とのつながりをもちまして、その關係をいかように調整していくかということが問題になろうかと考えるのであります。この研究事項におきましては、一應政黨管理のため特別管理の機關の設置も一應の案として取上げてみた次第でありますが、これらにつきましては十分の御檢討を願いたいと思つておる次第であります。
 なおまたたびたび委員會等におきまして御議論があつたようでありますが、いわゆる政黨法というものは政黨の取締に墮することなく、政黨の正しき使命に遂行のために必然的な發展を遂げるような助長的な規定が必要であるし、またさような方向において考えられなければならないというような意味合いにおきまして、いわゆる政黨法にいう政黨というものをいかなる範圍に限定いたしますかは別問題といたしまして、かりに政黨法による政黨として認められましたものに對しましては、國家竝びにその他の取扱の點において、これが助長的な方策を講ずるということも必要であろうかと考えるのであります。たとえば政黨費用の一部國庫負擔という新しいアイデアでありますが、それらの問題も御研究していただきたいと思いまして、一應取上げることにしたのであります。なおまた個個的な研究事項の中におきましても、さような意味合におきまして、助長的な意味のことを含みました事項をも取上げておきました次第であります。
 最後にこれらを總括いたしまして、いかなる官廳と政黨とをいかなる關係におくか、または特別管理機關を設置して、政黨といかなる關係におくかということを離れまして、さらに政黨に課せられました義務を正しく遂行していくことが、政黨法成立の由來に鑑みましても必要なことであろうと考えるのでありまして、これらに對しまして適当なる罰則の規定もまた必要であろうかと考えておるのであります。大まかに申しまして大體さような考え方をもちまして、一應研究事項といたしまして、少しこまかい點にまで及びまして取上げておいた次第であります。個人的な問題につきましては、各事項のそれぞれの御研究の進行に伴いまして、なお御説明申し上げることにいたしまして、一應大ざつぱに掲げました意味を御説明申し上げます。
#5
○淺沼委員長 次に内務省事務當局で考えられた政黨法に關する諸問題の御説明を願うことにいたします。選擧課長。
#6
○小林説明員 ほんの御參考までに、私の方で實は政黨法を今まで研究したときに問題にいたしました事項を一應取上げて書いてみたのであります。ただいま法制部の方から御説明がありましたのとほとんど重複いたしておるのでございますが、御命令によりまして一應簡單にここに書きました氣持だけを申し上げたいと思います。
 第一は總括的根本的な問題として、政黨法の立法の目的を一體どこにおくか、この法律をつくる目的をまずきめてかからなければ、これは全然意味がないだろうと思うのでございます。そこで一應考えられる目標は、今まで申したこともございますが、大政黨の育成、群小政黨の抑制ということが一つだろうと思います。これはみな議會政黨、議會に勢力を反映せしむる意味の政黨政治の發達ということを目標として、ここに書いてある問題だろうと思います。
 次は政黨の組織及び運用の民主化、竝びにこれをなるべく公開して、國民の自由なる批判の對象においておく。いはば政黨の活動、組織というものをガラス張りの中に常において、十分なる國民の批判に任せるそういうことを立法的に整理すべきだらうか、こういう點でございます。
 次は腐敗防止という問題で、政黨の政治活動に伴う、あるいはそれが選擧に關連するいろいろな腐敗を防止する必要があるのではないかという問題が一應考えられると思う。一體いずこに目的をおくか。あるいはこういうことは全部餘分のことであるか、あるいはそのほかに何が目標があるのか。そこでまず政黨法の目指す立法の目的を確保していただかなければ、あとは何も問題にならない。こういう立法の目的を一應問題にして取上げたのでございます。
 その次が立法の基本問題に關する事項で、これは先ほどもお話になりましたが、第一番が違憲論が一應考えられる。政黨というものを一體法律で規制することが、憲法の結社の自由精神に反しないか、あるいはその他政黨法の發展いかんによつては選擧法の改正にも及んで、たとえば投票の方式に制限を加えるというようなことが、はたして選擧の平等というか、投票の平等というか、そういう憲法の精神に反するおそれがないかどうか、そういう問題が一つあろうと思います。次は弊害論、弊害論というのはむしろ政黨政治のごときものは、もつぱら政黨竝びに國民の政治的な自覺判斷の向上發展にまつべきものであつて、かえつて法律で餘計な規制、制限を加えることは、ほんとうの自主的な健全な發達を阻害する。これはむしろ弊害があるのではないだろうか、こういう弊害論は當然考えられる問題だろうと思います。次は弊害とまでは言わぬが、無用ぢやないだろうか、餘計なおせつかいだという議論は當然にあろうと思うのでございます。さらに無效果論、そういうものをつくつても、政黨法の意圖する目的がよかろうとも、あるいは規定の内容がどういう立派なものができ上るかしらぬが、それでもつてほんとうに立法の目的が確保されるかどうか。實際問題としてその目的を達成できるかどうか。まずその法律の實效性と申しますか、效果性という問題が當然に問題になるだろうと思うのでございます。たとえば選擧運動の費用の屆出のことを一つ考えてもわかるので、あれがどれだけほんとうの效果をあげておるか、そういうような點から政黨法そのものも、はたしてその實效性の保障がどこにあるか、こういう點は當然に考えていい問題ではないかと思うのでございます。個々の問題につきましてはいろいろ問題がありますが、全般問題としてこういうことが一應考えてしかるべき問題であると考えております。
 次は立法の形式に關する問題として、單行法によるべきか、あるいは選擧法の一部改正でやるべきか、これは政黨法の目的にも關連してくるのでありまして、選擧法といかなる關連におくかということによつて、おのずからきまつてくるのであります。アメリカあたりの例は、選擧法の一部として扱つておる。また選擧を通ずる議會における政黨というものを中心にして、向うは政黨法というものを考えてておる。そう結論からくるのでありますが、わが國におきましてはこれを政黨法として別個のイデオロギーと、思想と、内容をもつたものにするのか、あるいは選擧と結びつけてその一部改正で濟ましてもいいのか、こういう問題があろうと考えられます。
 それから第二以下は若干その法律の内容となるべき事項について考えられる問題を書いたのでございます。その中の初めは政黨の範圍をどうするか、範圍を限定するかしないのか、これは法制部の方からも申されましたいわゆる政黨法に言う政黨と、一般の政事結社との關係をどうするかという問題でございます。もし政事結社と別個の、その中の一部分としては政黨法による政黨と考えるならば、その限定方法を一體どこにおくか。そこにいろいろなおく基準を考えられましたものを書いたのであります。あるいは前の選擧の結果によるとか、選擧の結果によつても、當選人の數や得票數やその他いろいろの問題があります。あるいは議員數によるとか、あるいはそういう面倒なことをせずに、單に屆出主議によるとか、屆出も何か條件を附するか附せぬか、あるいは附屬黨員の數によるとかいう問題があります。そのほかさらに政黨の範圍を固定さしてしまうか、あるは政黨の現實の實勢力を黨に反映せしめるような方式を考える必要はないだろうか。あるいは固定主議、あるいは變動主議、變な言葉でありますが、變動させるとすれば、どういうところに基準をおいてこれを現わしていくか、こういう問題を書いたのであります。
 それからなおこういうふうにして政黨法による政黨を一般の政治結社の中から抽出するとしたならば、その他の爾餘の政治結社というものをどういうふうに扱うか、これを禁止するのか、あるいは全然放任するのか、あるいはその中で選擧活動だけを制限するのか、一體どういう考え方をとるべきかという問題があろうと思います。さらにそれならば政黨に言う政黨というものはどういうふうに規定し、一般に明らかにするかという問題があります。これは手續の問題であります。
 それから次に政黨の民主化に關する問題として、まづ組織が問題になります。組織の問題も、一體政黨の内部の組織などというものは、法律できめるのがいいのか惡いのか、これは相當根本的な問題だろうと思います。きめるとしたならばどの範圍まできめるのか、きめ方がいろいろあろうと思うのであります。たとえば政黨の名前から機關の構成組織までみんなきめるのか、あるいは政黨の最高の意思の議決機關とか、あるいは執行機關、そういうもので抽象的にきめるのか、それを一つ一つ何とか名前を具體的に書いてしまつて、總會とか、大會とか、常任委員會とか、中央執行委員會とか、そういうことまで一體きめる必要があるのか、そういうふうなきめ方についても相當に問題があろうと思うのであります。それからその機關の選任方法をどうするか、その選擧方法の問題がございます。それも法定するかしないか、するとしたならば、どういう範圍のものをどういう方法でやるかという問題がございます。支部につきましても本部に準ずるような問題があろうと思うのであります。それから支部だけで、支部の設置の基準をどうするか、たとえば地域を基礎にしておくのか、あるいはいろいろな職域を基礎にしておくのか、そういう基準の問題もあろうと思います。あるいはそんなよけいなことはみんな自由にしておくという點もございます。それから政黨員の資格の問題も一應考えれば考えられる。ここらもきめるのがいいのか惡いのかという、まず根本問題から始まつて、いろいろなことが議論されると思います。
 それから次に政黨の活動に關する問題、これこそ自治的にやるべきだという議論もありましようが、なお根本的な問題について考えられるものは、政綱、政策その他黨の根本事項についての決定方法をどうするか、あるいは選擧活動の問題、あるいは政黨のいろいろな施設の問題、あるいは政治活動以外の政黨の事業に關する問題、いろいろ問題が考えられるものがございます。
 それからその次は公職の候補者に關する問題であります。候補者の選任方法をどうするか、これも政黨に任せるか、あるいは政黨から推薦制度をとるか、あるいは推薦制度をとるとすれば、それはいかなる方法によるべきかという問題がございます。
 それから政黨活動の公開に關する事項、それも一體政黨の活動はどこからどこまで公開主義をとつて、どこまで放つたからしにしてもいいかという、いろいろな問題がありますが、公開するとして、その方法をどうするか、公開の機關をどうするかというふうないろいろな問題があろうと思います。それから政黨の會計に關する問題につきましてもいろいろ問題があろうと思います。これは一應ここに書いてございますからごらん願えればわかります。
 その次に第五として政黨法の規定の實效性を確保する問題、政黨法にいろいろな規定制限を設けるとして、いかにしてその規定に從うことを保障するかという問題がありまして、それは各政黨の自主的な措置に任せたらどうか。各政黨の批判、あるいは選擧民その他一般國民の世論によつてその實效性を守ればよろしい。こういう問題と何らかそれを法的に規制する必要があるのじやないだろうか。それが進んでいけば、刑罰問題、違反に對する處罰問題もありましようし、あるいはそれに對する訴訟による爭いの方法の問題もあろうと思うのでございます。
 第六に政黨に關するいろいろな事務的な執行機關をどうするか。これは法制部の方でも問題にせられたのでありますが、一體だれが事務を扱うか。事務は役所で全然取扱わず、各政黨の自律主義にすれば全然問題はありません。それ以外に何らか國家の機關がやるべきとすれば、それは一體行政部門がやるべきか、あるいは國會、衆議院――衆議院議長の所管とするのがいいか、あるいは別個の委員會制度でも考えられるか、こういう問題がございます。
 第七番目に選擧法との關連に關する問題で、一體關連せしめるのがいいのか、切り離して審議していいのか。これも政黨法の目的のいかんによつてどうでもなろうと思うのであります。もし關連するとすれば一體どういう部分を關連させるか。選擧區の問題、投票方法、投票用紙の問題、あるいは候補者の問題、もつと進めば立會人の問題とか、選擧管理人の問題とか、選擧運動の問題、あるいは選擧運動の公營の問題、あるいは繰上補充や補缺選擧も政黨法との關連上いろいろ問題が考えられると思うのでございます。そういうふうな問題があろうと思います。
 それからあとはもうつまらぬ問題で、特に申し上げるほどの必要もございません。大體まあこういう問題が一應爼上に上るのじやないだろうかと思つてここにあげたのであります。
#7
○淺沼委員長 御意見はありませんか。
#8
○石原(登)委員 どうでしようか。本日はこの説明を聽いて、また私どもこれを持ち歸つて、これによつてさらに私どもが考えていることと總合いたしまして、この次に今度はこれを中心に論議した方がいいのじやないかと思われますが、どんなものでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○淺沼委員長 どうでしようか。これに二つ參考本が出てまいつたわけでありますが、大體與えられている課題は同じようなものでありますから、この次から項目分けにして、自由討議の形でまた議論を進めていくことにして、次囘をいつにしましようか。
#10
○笹口委員 次囘は少し餘裕をおいていただきたいと思うのであります。これによつて少し研究して、私どもも少し試案もつくつてみたいと思います。ですから多少餘裕をおいていただきたいと思います。
#11
○淺沼委員長 本日はこの程度で散會いたします。
 次囘の期日は金曜日の午後一時にいたします。
   午後二時二十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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