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1947/11/26 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第10号
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1947/11/26 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第10号

#1
第001回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第10号
昭和二十二年十一月二十六日(水曜日)
    午前十一時五十分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
   理事 井伊 誠一君 理事 細野三千雄君
   理事 栗山長次郎君 理事 大原 博夫君
      大矢 省三君    黒田 寿男君
      細川 隆元君    矢尾喜三郎君
      安田 幹太君    安平 鹿一君
      山崎 道子君    馬越  晃君
      小島 徹三君    高橋 長治君
     長野重右ヱ門君    八並 達雄君
      大石 倫治君    平井 義一君
      黒岩 重治君    石原  登君
      綱島 正興君    林  百郎君
 委員外の出席者
        法制部長    三浦 義男君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 全國選擧管理委員會法案起草に關する件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 それではこれより會議を始めます。
 本委員会におきましては、政黨法及び選擧法に關する件につきまして、その起草方を小委員會に一任してあつたのでありまするが、小委員會の方で起草中でありました政黨法の問題につきましては、後囘しにいたしまして、全國選擧管理委員會に關する法案の方はその作成を見たということでありますので、その報告を求めることにいたします。小委員長は本日缺席でありまして、理事の栗山長次郎君にお願いいたします。
#3
○栗山委員 小委員會の委員長工藤氏が事故のため出席せられませんので、代つて小委員會における全國選擧管理委員會法案に關する審議の經過竝びに結果を御報告いたします。
 本小委員會は、八月二十日、本委員會において選定せられまして、八月二十二日、第一囘の小委員會を開き、小委員長及び理事の互選を行いました結果、工藤鐵男氏が小委員長に當選いたしまして、引續き今後の委員會運營に關し協議いたしました。八月二十五日、八月二十七日、八月三十日、九月十六日の四囘にわたり、政黨法案の起草に關し、本委員會で皆樣からお述べになりました意向に基いて、そのとりまとめ方につき、種々協議いたしました結果、十月一日に至り、一應の政黨法案要綱の決定を見たのでありますが、本法案の重要性、またその後諸般の事情の變化がありましたので、十一月七日、再び協議しました結果、政黨法案に關し、全國選擧管理委員會に關する規定、選擧の腐敗防止に關する規定及び記號式の採用如何等が問題となり、十一月十一日參議院と兩院合同打合會を開き、協議した結果、以上の三點が同じく論議の中心となつたので、十一月十四日、小委員會におきましては、從來論議してきた政黨法案は一應そのままとして、まず内務省解體に伴い緊急を要するとされております全國選擧管理委員會に關する法律を起草することと決定したのであります。
 そこで十一月十八日、法制部に一應要綱をつくつてもらいまして、それについて協議懇談を繼續し、十一月二十一日再び兩院合同打合會を開きまして、法制部のつくりました要綱に關して互いに意見を交換いたした結果、十一月二十三日の起草小委員會において各黨代表の討論を行い、社會黨笹口君及び共産黨林君より、それぞれ修正案を提案いたされたのでありますが、採決の結果、林君の修正案は否決され、社會黨の笹口君提出の修正案が可決されたのであります。そこで全國選擧管理委員會法案が小委員會において成案をみたわけであります。
 次に本案の要旨を述べますと、第一に、全國選擧管理委員會設置の目的は、從來内務省の行つていた選擧事務を、今囘の内務省解體を契機に從來内務省において行つていた選擧に關する事務を一切新たに設けられる選擧管理委員會に移し、政黨の推薦した者をもつて構成する獨立の機關を設け、もつて選擧の公正をはかり、かつ政黨法案において考慮せられていた政黨管理委員會に代え、政黨に關する事務をも掌らしめるという考えが幾分盛り込まれてまいつたのでありまして、ここに選擧、投票、國民審査、政黨、政治結社等の事務一切をあげて、今度設けられます管理委員會に管理させるということになるわけであります。全國選擧管理委員會は、その設置の目的からいいまして獨立の機關でありますが、それが行政機關である性格に鑑み、一應内閲總理大臣の所管に屬せしむることといたしたのであります。
 第二に、本委員會の職務内容を申しますると、從來内務省の行つておりました選擧事務をその主たるものでありますが、おもなるものを算えあげてみますならば、一、國會議員の選擧及び地方自治法に基く選擧、その他の投票に關する調査及び資料の蒐集、竝びにこれらの制度に關する事項二、最高裁判所裁判官の國民審査に關し、必要な豫算の要求、用紙の斡旋その他これらの施行準備に關する事項、その次は政黨及び政治結社に關する事項、その他法律に基きその權限に屬する事項というのがそと職務内容でありまして、お手もとに配付してあります、小委員會で決定いたしました案を、なおごらんいただきますれば、御了承いただけることと存じます。
 職務權限といたしましては、參議院全國選擧管理委員會、都道府縣または市町村の選擧管理委員會、最高裁判所裁判官國民審査管理委員會に對し、それぞれの有する事務についてこの全國選擧管理委員會は指揮監督することを規定いたしております。
 第三は、委員會の組織に關する規定でありまして、委員及び豫備委員を特に設けるという構想になつております。その委員及び豫備委員は各九人――ここでは豫備委員のことをしばらく別にしておきまして、委員についてお考えをいただけばよろしいのでありますが、委員は九人、任期は三年で、再任は妨げない。國會の議決によつて委員を指名する。その國會の指名した者について、内閣總理大臣がこれを任命するのでありますが、その指名は各黨派の政治的實勢に基き、各黨派から代表者を推薦することといたしております。從つて小會派も共同して代表者を推薦し得ることとなつておるのでありまして、これらの人たちの構成する委員會が、公正なる選擧管理事務の執行を掌るということになるのであります。各黨派の解散とか合同、新黨結成その他によつて、所屬國會議員の數に異動があつたために、各黨派の代表者の割當に變更を要するというときは、國會はその都度指名の議決をする必要があることになつております。委員はその身分は公務員であり、その報酬は委員長は國務大臣の俸給に準ずる報酬となし、他の委員は一般官吏の俸給より低くない程度の報酬を受けるのでありますが、常勤となつております。
 なお申し述べておかなければならぬことは、これは現に國會議員である人は、この委員として各黨派から推薦をしないという建前もあるのであります。その他委員の缺格條項、内閣總理大臣の罷免する場合、あるいは退職の場合、及び委員長に關しましては、委員長は委員の互選に基き内閣總理大臣がこれを任命することなどを規定いたしておるのであります。
 第四には、委員會の議事運營に關し、委員會の定足數は半數以上、議事は出席委員の過半數によつて決する。可否同數のときは委員長の決するところによると、他の場合とほとんど同じであります。委員會の事務を處理させますために、事務局を設ける。事務局長その他の所要の職員を置くのでありますが、事務局職員は委員會の意思によつてその進退を行うのであります。また他の官廳との關係について、職務上必要の場合は關係官公署に對し必要な報告または資料もしくは記録の提出等をこの全國選擧管理委員會は求めることができるのであります。
 第五に、附則についてでありますが、本案の施行期日及び内務省よりの事務引繼ぎの經過規定を定めております。施行期日は昭和二十二年十二月一日となし、事務引繼ぎを終るまでは從前通り内務省が當該事務を行うことといたしておりますが、同年十二月三十一日よりも遲くない期間に委員會等が設けられて、逐次内務省からの事務引繼を了する。これは十二月三十一日をもつて内務省が解體されることになつておるためであります。
 第六といたしまして、最後に、本案制度によつて關係法規の一部を改正しなければならぬのでありまして、衆議院議員選擧法、參議院議員選擧法、最高裁判所裁判官國民審査法、選擧運動文書圖畫等の特例に關する法律及び國會法のそれぞれ一部の改正すべき點を規定しておるのであります。これは實質的に大して重いものではありませんが、本法の設けられるに順應して、それぞれ直さなければならぬところを直すというにすぎないのであります。
 以上が本案の趣旨の概要でありますが、小委員會におきまして討論の中心となつた點は、主として第六條の委員の數についてであります。委員の數に關しましては、最初の要綱においては十一人とされており、その中の三人は政黨に關係ない學識經驗者でありまして、殘りの八人が、政黨から政治勢力に比例して出されるというような案があつたのでありますが、政黨の代表必ずしも學識經驗がないというわけじやないが、この場合學識經驗者を特に入れることはいかがなものかという意見が大多數でありまして、それは削除して、お手もとに配付しましたものには載つておりません。
 なおこの數の點につきましては、全國選擧管理委員會は、單なる行政機關であるから、政黨から出てくる委員は政黨との連絡機關たる性格を有する程度のものであるので、できるだけ政黨から出てくる人を少くし、他は政黨外の人の方が、かえつて公正を期する上によくはないかという論もありました。また政黨の現勢力をもつて按分的に委員を出すのではなく、大小問わず各黨から一名なら一名ずつ出すべきであるという論等もありまして、意見は遺憾なく交換されたのでありますが一定の基準方法を設けませんことには、どこで誰が選考し、指名するにしましても、委員の選出のしようがないという觀點から、一應現勢力を反映させ、かつ一方においては小會派からもできるだけその代表を出し得るように規定を立てたわけであります。
 附則の中、特に重要なる點は第二十五條でございますが、「選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律の一部を次のように改正する。」つまり文書の制限規定は、現行法では本年の十二月三十一日をもつて一應終ることになつておりますが、現在の資材難に鑑み、これを明年一ぱい延長して有效ならしめるということであります。これは選擧に直接關係の深い事項でありまして、特に取立てて御報告をいたしておかなければならぬ事項と存じます。以上をもつて起草委員會の御報告を終ります。
#4
○淺沼委員長 小島君から修正案が提出になつております。小島徹三君。
#5
○小島委員 本委員は、ただいま御報告になりました小委員會の決定された法案につきまして、左記の修正をいたさんとするものであります。すなわち全國選擧管理委員會法案の小委員會の成案の一部を次のよりに修正しようと思います。
 第六條第二項中「その代表」を削る。
 第六條第四項中「小黨派の共同の代表者」を「小黨派が共同して推薦した者」に改める。
 第六條第五項を削る。
 第八條第一項但書中「但し、」の下に「委員の任期中その委員が缺けた場合の」を加える。
 第八條第二項を削る。
 第八條第四項を次のように改める。
 前二項の規定にかかわらず、委員は、國會の閉會又は衆議院の解散の場合に任期が滿了したときは、その後最初に召集された國會において、あらたに委員が指名され内閣總理大臣がこれを任命するまでの間、なお在任するものとする。
 第十一條第一項第四號乃至第六號を削る。
 第十二條第三號の次に左の一號を加える。
 四 委員から退職の申出があり、委員會においてこれに同意し、内閣總理大臣がこれを承認した場合
 第十四條第二項但書を削る。
 第十五條中「準ずる報酬を受け」を「準ずる報酬を」に、「委員に對しては」を「委員は」に、「支給することができる」を「受ける」に改める。
 第十六條第四項中「局長」の下に「及び二級官吏」を加え、「行う。」を「行い、三級官吏以下の進退は委員長がこれを專行する。」に改める。
 第十九條中「十二月一日」を「十二月五日」に改め、同條に次の一項を加える。
 全國選擧管理委員會は、前項但書の規定により内務省において行つた事務について、事後に、これを審査することができる。
 第二十一條を次のように改める。
 從前内務省に屬した第三條に規定する事務につき、全國選擧管理委員會の要求がある場合には、内務省は、直ちに、これに事務の引繼を行わなければならない。但し、その事務の引繼は、昭和二十二年十二月三十一日より遲く行われてはならい。
 第二十三條第二項の次に次の一項を加える。
 第十四條第一項中「その職員」を「國會議員以外の者で參議院議員の被選擧權を有するもの」に改める。
 第二十四條第一項の次に次の一項を加える。
 第九條第三項中「その議員」を「國會議員以外の者で參議院議員の被選擧權を有するもの」に改める。
 第二十五條第二項を次のように改める。
 第一條中「昭和二十二年」の下に「及び昭和二十三年」を加える。
 第二十五條第三項の次に次の一項を加える。
 附則第二項中「昭和二十二年」を「昭和二十三年」に改める。
 その修正の理由につきましては、主たる點は第六條の第五項を削ることにあるのであります。この點は御承知の通りに、全國選擧局理委員の任期は三年となつておりますが、第六條の第五項があるがために、この委員が常に浮動するおそれがあることは好ましくないと考えられます。むしろ委員の任期というものは、三年ははつきりと就任することが好ましいと思いますので、かように修正した次第であります。その他微細な點につきましては、便宜上法制部長から説明させていただきたいと思う次第であります。
#6
○淺沼委員長 ただいま、足らざる分は説明員から説明させていただきたいということでありますが、許可するに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○淺沼委員長 それではさようにいたします。三浦説明員。
#8
○三浦説明員 ただいま御提案になりました修正案につきまして、私から便宜御説明を申し上げます。
 趣旨は大體今修正案でお述べになりました通りでありまするが、少し詳しく申し上げますると、小委員會決定案の第六條第五項でありまするが、これは各黨派の解散、合同その他所屬國會職員數に異動がありました場合におきまして、それが委員の比率に影響を及ぼす、ただ一人、二人の異動でなくて、多くの異動のために、委員一人の割當の選考を要するというような場合に、割當をその都度變更するという規定であつたのでありまするが、この全國選擧管理委員會は行政機關であり、かつその機關が永續性をもつべきものであるという點に鑑みまして、こういうようにその都度變更されることになりますと、委員が常に更新されるということになつて、その機關の性質の鑑みまして、適當でなかろうというようなことで、ただいまの修正案が提出せられたのであります。從いまして六條第五項に關連いたしまして、今のように政黨代表というような意味でなくて、その黨派が推薦した者というように、性質が變更されてまいりますので、そういたしますると、第六條の第二項に、「各黨派の推薦したその代表」とありますのを、「各黨派の推薦した者」と改め、それから六條の第四項にありまする「小黨派の共同の代表者」というものも、「小黨派が共同して推薦した者」というように關連して整備をすることになつたわけであります。
 次に第八條の點でありまするが、八條におきましては、八條の第一項の但書は、「補缺委員の任期は、前任者の殘任期間とする。」ということで、從來の用語例でわかるのでありまするけれども、その點明瞭にいたさせまするための、ただ字句的表経の方法だけの問題でありまして、但書のところに、「委員の任期中その委員が缺けた場合の補缺員の任期は、」と、かように明らかにいたしたことであります。
 次に八條の、小委員會決定案の第四項になるのでありまするが、この點は國會が閉會になりましたり、衆議院が解散になりました場合に、任期が滿了したとか、缺員を生じた場合には、選擧管理委員會がその措置をきめるということにいたしてあつたのでありまするが、この場合においては、當然その委員の任期を次の新しい委員が任命されるまで延長する。かような趣旨におきまして、ただいまの修正案が提案せられたのであります。委員に缺員を生じました場合におきましては、豫備委員がありますので、豫備委員もまた缺けた場合は別問題でありまするが、その場合はもう必要がなかろうと考えられますので、衆議院の解散の場合に委員の任期が滿了した場合にかような措置をとる、かようなことになつたわけであります。
 次は第十一條の第一項の四號、五號、六號でありまするが、これも先ほど申し上げました第六條第五項の問題と關連いたしまして、四號、五號を整備することにいたした前と關連いたしました整備であります。ただ六號におきましては、「委員から退職の申出があり、委員會においてこれを承認した場合」というのを、十一條の罷免の所に書いてあつたのでありまするが、これは退職の項に書く方が適當であろうというようなわけで、第十二條の第四號にその事項をもつてまいつたのであります。
 それから次には第二十三條、それから第二十四條に關連いたしまする問題でありまするが、これは第四條にも規定してありまするように、全國選擧管理委員會が設置せられますと、從來ありましたところの參議院の全國選出議員の選擧管理委員會とか、都道府縣市町村の管理委員會を指揮監督することになるのでありまするが、その中で參議院の全國選出議員選擧管理委員會は、參議院議員をもつて構成されるのでありますし、なおまた最高裁判所裁判官國民管理委員會も、同樣に參議院議員をもつて構成されるのであります。しかしこの全國選擧管理委員會が指揮監督をすることになりますると、行政機關のもとに國會議員をもつて構成する機關が從屬するというような形になるきらいがありますので、その點は適當でなかろうというようなわけで、參議院の全國選出議員の管理委員會とか、あるいは最高裁判所裁判官の國民審査管理委員會等は、この選擧管理委員會ができますと、この下に從屬させることの原則には變りはないのでありまするが、ただいま申しました參議院の選擧管理委員會と、裁判官國民審査管理委員會の構成を變更する、かようなことにいたしたのであります。從いましてその構成は從來は「參議院において、その議員の中から選擧する」となつておりましたのを、「參議院において國會議員以外の者で參議院議員の被選擧權を有する者」と、こういうように改めることにいたしたわけであります。
 次には施行期日の問題でありまするが、これは十二月一日から施行するというようなことが、いろいろの事情から要求せられておつたのでありまするが、この委員會の審議等の事情に鑑みまして、なおまた國會の審議等の状況に鑑みまして、時期も切迫してまいりましたので、實際問題として參議院においての審査の期間等も考慮いたしますと、十二月一日というのは多少無理でもありますので、五日からこれを施行するというように改めたのでございます。しかしながらこの小委員會の案の第二十條に規定してございまするように、施行期日前におきましても、この選擧管理委員會の委員とか、豫備委員の指名を行うことができることになつておりますので、施行期日を十二月五日にいたしましても、それらの準備は、もし國會の議決が早く行われれば、事前にできることになるのでありまして、その點の支障はないように考えているのであります。
 次に先ほど小委員長の報告の際に、栗山委員からもお述べになりました選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律の問題でありまするが、これはその内容に相當檢討を要する點があるのでありまするけれども、一應昭和二十二年、本年一ぱいをもつてこの期限が切れますので、これを延期いたしまして、内容的な檢討は、別の機會に國會において審議されることとなると思いまするが、さような意味において延期することにしたのでありまするが、この法律は、全國選擧管理委員會法案が十二月五日から施行されますと、それから十二月三十一日までの間において行われる選擧等につきまして、ただ昭和二十三年と改めまするだけでは多少不十分な點がありまして、その期間における選擧運動の文書圖畫等の取締りができないようなことになるおそれでありますので、その點を明瞭にいたしまするために、選擧運動の文書圖畫等の特例に關する法律の「昭和二十二年中」とありまするのを、「昭和二十二年及び昭和二十三年」と改めることにいたしたのであります。しかしながらその特例に關する法律の附則におきまして、「昭和二十二年十二月三十一日まで、その效力を停止する。」とありまするのは、「昭和二十三年」に改めるということで事足りると考えられるのであります。
 大體以上がただいま小島委員からの修正案の提起せられましたことにつきまして、便宜私から補充さしていただきました問題でございます。
#9
○淺沼委員長 林百郎君から修正案の提出があります。林君。
#10
○林(百)委員 共産黨を代表しまして、第六條を次のように修正したいと思います。「全國選擧管理委員會の委員は、一定の民主的諸團體より推薦せる候補者中より、國會の議決により、兩院議長が、委嘱する。」第二項として「民主的諸團體の指定は政令をもつて別にこれを定める。」として、これを六條の第二項として、原案の第六條の二項、三項、四項、五項を全部削除する。從つて第八條の第二項は削除する。そういうふうに修正したいと思います。
 修正の理由といたしましては、原案の通りでいきますと、結局大會派の代表者によつて選擧管理委員會が構成されることになりまして、將來選擧の公正を期することが不可能な場合が多々あるということが憂えられるのであります。もう一つは、次の新しい政治勢力を生み出すための選擧に、現在の政治實勢の代表者がこれに當るということになりますと、結局現在の政治勢力をそのまま固定化するという危險に陷るのであります。從つて選擧は純粹公平に行われなければならないと思いますから、その選擧に最も密接な關係のある各政黨から選擧の管理委員を出すことは、われわれとしては贊成することはできないのであります。こういう理由から、共産黨としましては、今申し上げた修正案を出す次第であります。
#11
○淺沼委員長 綱島君から修正案が提出になつております。綱島正興君。
#12
○綱島委員 ただいま林君が述べられた趣旨に大體一致するのでありますが、修正案の内容は、第六條の第一項の「内閣總理大臣が、これを任命する、」という所を、私どもは「衆議院、參議院より選出されたる特別委員の協議に基いて兩院議長が、これを任命する。」こういうことに修正をいたしたいと思います。實は議長に任命權をもたせたいということは、もちろん議院尊重の意味からでございますが、各黨派の現勢力に基いて委員を出すということがいけないことは、大體共産黨が言われたことと同じでありますが、いま一つ、すでに第四項の削除の理由が、今申し上げましたような事情でなされておるのでございますから、それと同じ意味で、どうしてもこれは黨派の代表者であつてはならない。ただこれは便宜のため、たとえば各黨がいろいろな資料を得るために非常に便宜でございますので、委員というものは一つも各黨派に關係のないものではぐあいが惡いから、國會から特別委員を設けて、これの指名に基いて兩院議長がこれを任命する。こういうことでないとぐあいが惡いと思うのでございますが、その際には、小會派だからこれをオミツトするというような構成は全然いけない。これはどうしても行政官でございます、事務をやる行政委員でございますから、この行政官の任命について、一つの黨派の代表者たるような意味を加味することは最もよろしくない。特に立法と行政と截然と區別する意味からも、この點は注意しなければならぬ事項であると、私どもは考えられるのであります。殊に共産黨が言われたように、現有勢力を温存しようというようなことは、絶對排斥しなければならぬ。それが特に選擧に關することであるから、その點については、絶對これを排斥しなければならぬ、こういう點から、現有勢力からこれを推薦するというような組織は、根本的に變えなければならぬ。從つてただいまの他のこれに關係のある條章の變更は、もちろんその線からしなければならぬと思うのでございます。できれば私は六條は第一項だけで、第二項、第三項、第四項、第五項は全部これを削除してもらいたい。そうして今の國會から選擧管理委員を推薦する小委員を構成して、その委員の推薦に基いて兩院議長がこれを任命する、こういうことに決定をいたしたいと思うのであります。
#13
○淺沼委員長 小委員長報告竝びに修正案に關連をいたしまして、安田幹太君から質問の通告がございます。これを許します。
#14
○安田委員 私は小委員會の原案について、一點疑義を明確にしていただく必要があるのじやないかと思いますので、一點だけ御質問を申し上げます。それは第六條の第二項に關してでございますが、第六條の第二項に「委員は、團會における同一黨派の各所屬國會議員數の比率による政治的實勢に基き」とあるのでございます。この「政治的實勢に基き」という言葉は、法律的に見て、きわめて不明確な用語でございます。私は何ゆえにこれが「比率により」とすることができずに、「比率による政治的實勢に基き」というふうにならなければならなかつたかということは、一應想像ができるのでありますが、將來この文言は、本法の實施の上において必ず紛議を來すようなことがあると考えられますので、この際委員會においてこの「比率による政治的實勢に基き」という言葉の意義を、小委員から説明をしていただいて、その意味をはつきりしておくことが必要であると考えまして、この點の御説明を願いたいと思います。
#15
○栗山委員 この準據する所は、いろいろあるのでございますが、よその立法例等にも現われておつたことであり、一應「各所屬國會議員數の比率による」というだけでもはつきりはしておるのでありますが、その所屬國會議員數というものは、現状においては各黨派の政治的實勢を表わすものであるということで、重ねて用いたのに過ぎませんので、これを入れました深い意義は、特に取立てて言うほどのものはないとお答えを申して差支えないと存じます。
#16
○安田委員 ただいまの御説明は、私の期待した説明に合致いたさないのでありますが、もしさような御説明なら、單に「各所屬國會議員數の比率により」というだけでよろしいと思います。私は「政治的實勢に基き」ということが特に入れられたのは、各國會議員の所屬で比例を出すと、ちようどその比率によつてこの九人の委員を數字的に割り當てることがむずかしいから、さような場合のために、正確に比率によることができないから「政治的實勢に基き」という言葉がはいつたのではないかと想像いたしておつたのであります。もしおつしやるように、單純に國會議員數の比率によりというので、政治的實勢というような意味がないのだいうことになりますと、九人の委員を正確な比率で割り當てることができないような場合はどういうことにするという御意見で、委員は起草されたのでありますか、この點をはつきりしていただきたい。
#17
○栗山委員 ただいまの御質問中、御意向をお述べになりましたが、技術的にさような面が取上げられまして、ここに各黨派のいわゆる政治的實勢を示します表があるのでありますが、仰せの通り、ただ比率によるというだけで、端數が出てまいりますと、これを從來の慣例に從つて端數をどういうふうに扱うかというようなことも考慮しなければなりませんので、法の精神といたしましては、さして重要なこととわれわれは考えなかつたのでありますが、仰せの通り實際委員を各派から出します場合に、そうした技術的な考慮が拂われておりませんと、あとの運營上支障を來すという考え方がはいつておつたことは事實であります。
#18
○林(百)委員 これはわれわれ小會派には、非常に致命的な問題ですから、少しこの原案の起草の方と、修正の意見を出した方にお聽きしたいのです。第六條ですが、第三項「小黨派は、必要ある場合には、前項の規定により推薦をする目的を以て、連合することができる。」というのと、その次の第四項の「國會は、委員の指名を行うに當つては、前二項の規定に基き、小黨派の共同の代表者も指名されるように措置しなければならない。」この第三項と第四項の意味を、少し説明していただきたい。どなたでも結構です。
#19
○栗山委員 これは三浦説明員から代つて御説明を願いたいと思います。
#20
○三浦説明員 ただいま御指摘になりました第六條第三項の點は、小黨派が積極的に連合いたしまして、それらの黨派から委員を出すことができる、こういう意味の規定であります。第四項におきまして「小黨派の共同の代表者、ただいまの修正案によりますと、小黨派が共同して推薦した者を指名されるように措置しなければならないという意味は、今のように連合されなかつた場合はおきましても、それらの各黨派の意向をできるだけ斟酌いたしまして、そうして一人に滿たない場合の比率に當るような黨派であつても、それらの人たちの連合を積極的に促しまして、それらの共同した代表者が出せるというような意味の規定が、六條第四項の規定であります。從いまして、第三項、第四項ともに合わせて考えますと、第六條第二項に規定してありますところの「同一黨派の各所屬國會議員數の比率による政治的實勢に基き、」という意味が、あまりに大黨派の意思のみによつて代表者が出されるということを抑制する意味におきまして、小黨派――小黨派と申しますのは、それらに一人の委員も出せないような黨派という意味であるのでありまして、それらの黨派を保護する規定なのであります。
#21
○林(百)委員 今の點で、もう一つお伺いしたいのですが、もし連合しない場合、たとえばそれぞれ性格の違う小黨派がありまして、どうしても連合するわけにいかないというような場合、連合を勸めるというのですが、黨派の性格上、どうしてもこの黨と、あの黨と、小黨派ではあるけれども、連合して共同利益の代表を出す性格の黨ではないような黨がある場合はどうするのですか。
#22
○三浦説明員 その場合におきましては、委員の人數が九人に限られておりますので、もし代表ができない場合において、なお委員一人を割り當てることが可能でありました場合におきましては、その黨派から一人の代表者が出ることもできるのでありましよう。ところが實際問題といたしまして、委員の數が限定せられる限りにおきましては、何らかの形において共同して代表を出されなければ、委員を出し得ないという結果になると思うのであります。從いまして、修正案におきましては、共同の代表者といいますと、その思想なり政策等において根本的に隔りのあるような場合におきましては、共同の代表者ということが摘當な用語でもなかろうと考えられますので、「小黨派が共同して推薦した者」と、こういうように修正案においてはなりましたのでありまして、この意味をくんであるわけでございます。
#23
○林(百)委員 そうすると、小黨派が共同して推薦されない場合は、どうなるのですか。共同して一人の代表者を推せばいいけれども、どうしても黨の性格上、小黨派が全部共同して代表者を推せないというような事態があつた場合は、どうなるのですか。
#24
○三浦説明員 その場合、先ほど申しましたように、第六條の第二項にありますところの「同一黨派の各所屬國會議員數の比率による政治的實勢に基き」というようなことによりまして、委員がその場合に出し得ないような比率であつた場合におきましては、當然委員が出ないということになるのでありますので、今のように何とかして共同するなり、あるいは連合するなりすり以外には、委員を出せないという結果になつております。
#25
○林(百)委員 そうすると、これは小黨派の共同の代表者を指名されるような措置だけをすればいいので、それは必ずしも實現されなくてもやむをえないということですか。そう解釋していいんですか。
#26
○三浦説明員 それはこの法の趣旨から申しますれば、できるだけそういうふうに共同の代表者が出るように措置しなければならないということが、一應この國會において指名する場合の原則が規定してありまするので、できるだけそういうふうな措置をしなければならないという責任をもつことになると思います。實際問題として――しかしながらそれらのいろいろの措置を講じましてできない場合におきましては、これはやむを得ないことだと思います。
#27
○林(百)委員 すると、具體的にお聽きしたいですが、現在の國會で大體九名というと、社會黨、民主黨、自由黨が各二名ずつで六名、それから參議院の緑風會が一名、あとの二名が國民協同黨、第一議員倶楽部、無所屬懇談會、日本農民黨、日本共産黨等を代表して出るのであるか。今の國會の實情からいつて、この法案が實現された場合を説明してもらいたい。
#28
○三浦説明員 社會黨、民主黨、自由黨におきましては、大體二名ずつ出られるような比率になると思うのでありまするが、それ以外におきましては、ここでどの黨から何名ということをちよつと私からは申し上げかねまするが、あとの殘りの三名は、それ以外の黨派から出るということだけは申し上げられると思います。
 なお小委員會等におきまして、國民協同黨からも御意見がありまして、自分の方からも代表が出るようにという御意見もあつたのでありますが、それらの點に關しては、この法案が施行になり、國會において指名をせられる場合において、國會が御決定になることでありまして、私自身からここではつきり申し上げかねると思います。
#29
○林(百)委員 そうすると、具體的に言うと、あとの三名は社會黨、民主黨、自由黨を除いて他の會派で協議をして決定するというわけですか。
#30
○三浦説明員 共同して三名を出すか、あるいはただいま申し上げました三政黨以外である黨からさらに一名、あるいはある會派からさらに一名、あとの一名は共同で出すということになりますか、あるいはみな引括めて三名ということになりますか。これはそのときの國會が御選考になることでありますので、ここにはつきりは申し上げかねる次第でございます。
#31
○林(百)委員 國會が決定するというわけですね。つまり國會が干渉するというわけですね。
#32
○三浦説明員 先ほど來申し上げましたように連合して推薦することができますから、國會が別に干渉してやらなくても連合して申し出られてくることもできますし、連合されない場合においては國會がさらに先ほど申したような趣旨において共同の代表者を推薦するように促すこともできるのでありまして、連合して來たからといつても、それがそのまますぐそこで推薦せられた人がその代表者として國會において指名されるかどうかはそのときの國會の意思によつてきまるわけでございます。
#33
○林(百)委員 修正意見を出された方にお聽きしたいのですが、第六條の第四項の「小黨派の共同の代表者」というのを「小黨派が共同して推薦した者」と改められた根據は、どういうところにあるのですか。
#34
○小島委員 詳しい説明は、説明員の方からしてもらいたいと思います。
#35
○三浦説明員 先ほども申し上げましたが、第六條の五項を削除いたしたいのでありますが、これは「各黨派の解散、合同その他所屬國會議員數に異動があつたため、各黨派の代表の割當に變更を要する」、こういう場合に委員の割當をその都度變更するという規定でありますが、これを削除すると、結局選ばれた委員は、その後の政治的情勢、あるいは黨勢の變化に伴つて、その都度委員の變更を行うということではなく、一度任命された場合においては、さらに三年間繼續して委員の職務を行うことになるわけでございます。それは全國選擧管理委員會が行政機關である性質に鑑みて、その方が繼續性をもつて適當であろうという趣旨から出て來たわけであります。さような意味から六條の五項を削除した關係上、ちよつと字句を整理して「共同の代表者」と「小黨派が共同して推薦した者」というふうにしたのが一つ。
 それから先ほどのお話のように、思想的にも非常に違う場合においては、「代表者」という表現においては、適當ではなかろうというような字句上の整理も考えて「推薦した者」というようにいたしたわけであります。
#36
○林(百)委員 今の御説明ではどうもはつきりしないのですが、もし第六條の第五項を除いて、その後の政治實勢がいかに變更しても、最初委員を指名したときの政治實勢にあくまで基くということになれば、第六條の第二項が全然活きて來ないと思うのであります。もしそういうように委員會の恆常性を尊重してその後の政治實勢の變化を全然考慮しないというのならば、最初からむしろ政治實勢とは關係のない公正な人を立てた方が、妥當ではないかと思いますが、その點の御意見をお聽きしたい。
#37
○三浦説明員 六條の五項を削除いたしますと、六條の二項を當然に削除しなければならぬということにはならないと考えておるのであります。最初の委員を任命いたします場合においては、六條の第二項に規定してあります趣旨によりまして、同一黨派の各所屬の國會議員數の比率による政治的實勢に基いてきめることになりますし、また三年間委員として臨み、任期が滿了いたしました場合において新たに委員を任命する場合は、第六條第二項の原則に從つて任命することになりますから、六條の二項の趣旨は、最初の委員の任命の場合、その後、任期が滿ちて委員を新たに選考する場合にも當然この原則が適用される、かようなことになるわけであります。
#38
○林(百)委員 最近の實際の情勢は、ほとんど一年ごとに選擧があつて、しかも政治的な變化が非常に激しいときだと思うのです。そのとき、一度選んだならば、三年間はどんな情勢になつても、その委員がやるのだということならば、そんな政治實勢に關係のない委員を選ぶ方が、私は妥當だと思う。特に最近の政治情勢とにらみ合わせて第六條第五項の削除の意味がないと思うのですが、その點はどうですか。
#39
○三浦説明員 その點は先ほどの栗山委員の御説明で盡きておると思いますが、理論的に考へまして「各所屬國會議員數の比率による政治的實勢に基き」というようなことでなくて、一般的な學識經驗者その他の人たちからも選考することも一つの方法でありますけれども、何といたしましても、國會においてこれを選び出し、かつ選擧管理委員會は選擧に關する一般の事務を扱う關係上、互いにこの事務が公正に行われますためには、各黨派から代表せられた方々がお互いに監視し合つて、そこに事務の公正を期する、こういうところにねらいがあるわけでありますので、その意味においては、今後の政黨政治等の行き方も併せ考えます場合においては「政治的實勢に基き」というような趣旨に副いまして、委員の選考を考えることが妥當であろう、かように考えられるわけであります。
#40
○綱島委員 農民黨の修正意見を整理してちよつと申し上げておきます。第六條を左の通り修正する意見を提出いたします。すなわち
 全國選學管理委員會は、國會がこれを指名する委員を、衆議院議長及参議院議長がこれを任命する。
第二項に左のことを加えます。
 國會が委員を推薦するに當りては、選考委員の選考によりこれを決す。選考委員は各黨派の推薦する一名ずつの委員によりこれを構成する。
 こういうように訂正いたします。
#41
○淺沼委員長 それではただいま申し上げました通り、討論採決ということになるわけでありますが、本案は小委員會において起草作成にあたりまして、参議院の政黨に關する小委員との間に合同打合せを行いながらやつてまいりました案でありまして、参議院の方からいろいろ意見を述べたいということでありますので、速記を中止いたしまして、懇談會にはいつて意見を承ることにいたします。
     ――――◇―――――
    〔午後一時三分懇談會に入る〕
    〔午後一時八分懇談會を終る〕
     ――――◇―――――
#42
○淺沼委員長 懇談會を終ります。細川君。
#43
○細川(隆)委員 第六條の第二項の「各黨派」という字句の解釋でありますが、これは小委員會におきましても、私から、これは政黨ということに局限される誤解が生じはしないか。むしろ院内會派、あるいは院内團體と書いた方がよくはないかという意見を述べた一人でありました。ところがこの用語は、慣例に從いまして政黨及び會派、すなわち院内會派、院内團體を含むものであるということが、小委員会においても解釋が確定いたしましたから、本委員會において、この用語の確定を一應確認されるように要望いたします。
#44
○淺沼委員長 それではこれより討論に入ります。細川君から討論の通告がございます。細川隆元君。
#45
○細川(隆)委員 私は簡單に共産黨及び農民黨の修正案に反對をして、小島君提出の修正案に贊成をいたします。その理由はもう申し上げませんが、この修正案の前提となつております小委員會の原案につきましては、栗山委員の説明を全面的に肯定をいたしまして、その修正案の前提の部分に贊成であることが第一點。第二は、その前提に立つておる修正案は、小島委員の説明竝びに三浦説明員の説明によつて盡きておりまして、その理由、それそのままが私の贊成の理由であります。
 一言私が希望を申し上げておきますことは、この法案が成立いたしますと、國會は管理委員會の委員を指名しなければならない義務を負うわけであります。そうするとこの法案は五日から施行されまして、そうして十二月三十一日から實施されるのであります。そうすると私どもは少くとも十二月三十一日までに、この委員を國會において指名しなければなりません。ところが、この法案によりますと、施行は五日であるが、公布のあつた日から委員を任命することができるという規定になつております。今國會は二十九日までが、會期でありますが、客觀的情勢は延長を免れない情勢のように私ども觀測いたすのであります。そうすると私どもはできるならば今期議會中にこの委員の指名を國會でするように。もしこれができませんと、通常國會において今年中に私どもは指名しなければならない。客觀的情勢は、通常國會はおそらく十日に召集されまして、年内は休會に入るような觀測が立つております。そうすると今期國會においてこの委員を私どもが指名しませんと、わざわざ指名のために通常國會をさらに再開しなければならないという不便を感じますから、特別委員長におきましては、この委員の指名を、今期會期中にやるように各派に交渉され、またここに出ておられる委員諸君も、各派においてその態勢を整えるように努力されるように希望いたします。
#46
○淺沼委員長 石原登君。
#47
○石原(登)委員 私は第一議員倶樂部を代表いたしまして、討論いたしたいと思います。本選擧管理委員會法を制定しようという趣旨は、これまでたびたび行いました日本の選擧が、當時の政府のいわゆる權力に左右されまして、非常に公正に行われなかつた。これは何としても政府の權力から離れた公正な選擧を行おう、これが最も大きな眼目であると私は信ずるのであります。しかしながら本法に現われたところは、依然として本法の運營は内閣總理大臣の指揮下にあります。これでは公正な運用は私は非常に困難ではないか、かように存ずるのであります。現に一例を申しますならば、ただいまございますところの公職適否審査委員會、これもきわめて公正に行わるべきものであるにかかわらず、現在これは決して公正であるというような印象は、國民の間に與えられていないのであります。私は委員會の公正もさることながら、その下部にありますところの事務局のあり方については、十二分に考慮すベきものがあると、かように考えます。私はこの案の公正については、先ほど農民黨竝びに共産黨の小會派同志からも申されましたが、これは同じ會派から數名も出すという必要は全然ないと私は心得ておるのであります。私どもは國會におけるところの各會派から必ず一名を出す、こういうような建前で進みたいと存ずるのであります。こういう趣旨におきまして、私どもはこの第六條の一部修正によりまして、本委員會法案に對しては贊意を表したいと存ずるのであります。
#48
○淺沼委員長 長野君。
#49
○長野(重)委員 私は民主黨を代表いたしまして、ただいま審議せられております選擧管理委員會法案につきまして、小島君提出の修正案に贊成をいたしますとともに、殘餘は小委員會において決定いたします成案に贊意を表するものであります。なお先ほどお述べになりました農民黨竝びに共産黨の修正案につきましては反對であります。なおこれが理由につきましても申し述べたいと考えますが、かなり時間が經過いたしておりますし、大體先ほどお述べになりました細川君の意見竝びに説明員の意見と同樣でありますから、これを省略いたしたいと思います。
#50
○淺沼委員長 大原委員。
#51
○大原委員 私は國民協同黨を代表して簡單に申し上げますが、國民協同黨といたしましても、「同一黨派の各所屬國會議員數の比率による政治的實勢」という文句については、相當問題があるのでありますが、これも實際に振り當ててみますときには、いろいろ考究いたしましたが、あまりいい案が浮んでまいらないので、從つてこういう状態による以外に結局その途がないかと考えまして、今小島君の提案せられた修正案に贊成の意を表するものであります。
#52
○淺沼委員長 綱島委員。
#53
○綱島委員 私はこの修正案に大體は贊成でございます。ただ六條の黨派の勢力によつて行政事務を扱うものを、特に大切な選擧という、民主主義においては最も大切な行爲が現われるものを管理する委員會を、黨派の勢力によつてするということはむしろ反對である。ほんとうを言うならば、これは一つの査察的な意味もあるようでございますから、これはむしろ黨派に關係なく、大黨から少く出すというのがほんとうだと思うのでありますから、この點は各黨同じような立場で推薦し得る組織でなければ本質的に公正でない、こういうことを強く主張いたしておきます。
#54
○淺沼委員長 林君。
#55
○林(百)委員 私は原案竝びに修正案に對して、次の三點から反對したいと思います。反對の中心になる條文は第六條でありますが、この第六條は、選擧管理委員會を今日における各黨派の政治的實勢力に比例して出すということになつておりますが、これでは第一に公正な選擧の運營がはかられないということ、第二點としては、現勢力の固定化の缺點があるということ、第三としては、六條の第五項を除いた以上は、その後の政治變化が全然認みられないということになれば、最初政治的な實勢力に比例して出した委員の政治的實勢の比例ということが意味がなくなると思いますから、この三つの點から言いまして、各政黨から全然關係のない中正な選擧管理委員會によつて、公正な選擧をやるべきだという意味で、私は修正案及び原案第六條を中心としてこれに反對いたします。
#56
○栗山委員 小委員會の原案を報告いたしました委員の一人として、修正案に贊成をいたします。また自由黨を代表して本案竝びに修正案に贊成をいたします。ついでに討論打切りの動議を提出いたします。
#57
○淺沼委員長 これにて討論は終結いたしました。これより採決を行うのでありまするが、一應御了解を願つておきたいと思いますことは、採決で一應御決定を願いまして、關係筋と話合いをいたしました結果、何ら問題がなかつた場合におきましては、そのままそれを本決定にすることに御了承願いたいと思うのであります。字句その他の修正につきましては委員長に御一任を願いたいと思いますが、異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○淺沼委員長 異議がなければそういう取扱いにいたします。
 それでは、まず第一に、林君提出の修正案に關する採決をいたすことにいたします。林君提出の修正案に對し、贊成の方の御起立を求めます。
   〔贊成者起立〕
#59
○淺沼委員長 起立少數。よつて林君提出の修正案は否決されました。
 次に綱島正興君提出の修正案について採決を行はます。贊成の方の御起立を願います。
   〔贊成者起立〕
#60
○淺沼委員長 起立少數。よつて綱島君提出の修正案は否決されました。
 次に小島君提出の修正案について採決を行います。御贊成の方の起立を願います。
   〔贊成者起立〕
#61
○淺沼委員長 起立多數。よつて小島君提出の修正案は可決いたしました。
 小島君提出の修正部分を除いた原案について採決をいたします。御贊成の方の起立を願います。
   〔贊成者起立〕
#62
○淺沼委員長 起立多數。よつて本案は修正議決にいたしました。
 これをもつて本委員會における全國選擧管理法案の委員會の成案といたします。
 本會議の報告及び提出の形式につきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○淺沼委員長 さよう決定いたします。
 本日はこれにて散會をいたします。
   午後一時二十分散會
ソース: 国立国会図書館
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