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1947/07/26 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第1号
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1947/07/26 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第1号

#1
第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第1号
本委員は昭和二十二年七月二十五日(金曜日)議
長の指名で次の通り選任された。
      足立 梅市君    加藤 勘十君
      清澤 俊英君    田中 健吉君
      武藤運十郎君    荊木 一久君
      川崎 秀二君    小島 徹三君
      福田 繁芳君    吉田  安君
      鍛冶 良作君    北浦圭太郎君
      辻  寛一君    本多 市郎君
      水田三喜男君    石田 一松君
      野本 品吉君    小西 寅松君
      中野 四郎君    徳田 球一君
    ━━━━━━━━━━━━━
會議
昭和二十二年七月二十六日(土曜日)
    午後一時四十分開議
 出席委員
      足立 梅市君    加藤 勘十君
      清澤 俊英君    武藤運十郎君
      川崎 秀二君    小島 徹三君
      吉田  安君    鍛冶 良作君
      北浦圭太郎君    辻  寛一君
      本多 市郎君    水田三喜男君
      石田 一松君    中野 四郎君
      徳田 球一君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 委員長理事の互選
 委員が會運營の方針
 國務大臣及び政府委員の出席要求
 資料の提出要求
    ―――――――――――――
#2
○北浦投票管理者 これより會議を開きます。
 私が年長のゆえをもちまして投票管理者となり、これより委員長の互選を行います。
#3
○吉田(安)委員 投票を用いず、加藤勘十君を委員長に推薦いたします。
#4
○北浦投票管理者 御異議ありませんか。
#5
○北浦投票管理者 御異議なきものと認めます。よつて加藤勘十君は委員長に御當選に相なりました。
 委員長加藤勘十君にこの席を讓ります。
#6
○加藤委員長 不肖なる私が、皆さんの御推擧によりまして、この大任につくことになつたのでありまするが、私もとより皆さんの御援助、御協力のもとに、あくまでも至誠事に當りたい決意をいたしております。現在この特別委員會に付託されました内容は、あらゆる意味において、社會の疑惑を招いておる問題でありまするし、かつ今後問題の進展によりましては、どういう事態が起るかわかりませんが、いずれにいたしましても、この委員會は眞に現在の日本の國の危機に臨んで、そういう疑惑が少しでも國民の間にあつてはならない、その疑惑を一掃せしめるために事態を明白にするということが、この委員會に與えられたる使命ではないかと思うのであります。こういう意味におきまして、非常に暑い最中ではありまするが、どうかこの大きな目的を達しまするように、最善を盡して、委員會の使命を果したいと存じまするから、願くは皆さんにおかれましても、どうかその心持をもつて御協力、そして委員長の足らざるところを補いくださいまして、有終の成果を收めたいと存じます。一言委員長に御推擧をいただきました御挨拶を申し上げた次第でございます。
    ―――――――――――――
#7
○加藤委員長 これから理事の互選を行いたいと存じますが、いかがいたしましようか。
#8
○吉田(安)委員 理事はその數を四名とし、委員長において指名されんことを望みます。
#9
○加藤委員長 ただいまの吉田君の御意見に御異議はございませんか。
#10
○加藤委員長 御異議なきものと認めます。それでは理事といたしまして、
      武藤運十郎君    吉田  安君
      本多 市郎君    石田 一松君
を指名いたします。
#11
○加藤委員長 この際本委員會の運營につきまして、理事の協議を催したいと存じますから、暫時休憩いたします。
    午後一時四十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時一分開議
#12
○加藤委員長 お待たせいたしました休憩前に引續きまして會議を開きます。
 ただいま理事會で協議いたしました結果、今日はこれから引續いて政府に向つて參考資料の提出を要求するということ、それから明後月曜日午前九時からこの問題の處理の任に當つた政府委員に出席して貰つて、處理の状況を聽くそれの必要に應じて順次證人なり、參考人なり、その委員會の必要とする人々を、次から次に出席してもらうようにする。こういうことにしまして政府委員から述べられたことに對しては、委員諸君から自由に質疑をする。もちろん證人あるいは參考人の喚問につきましても、これは普通の證人出頭の手續をとらなければなりませんので、多少の時間を要しまするが、その間政府委員に、たとえば資料の提出を求めて、それがどういう状況になつているとか、あるいは現在の處理の状況がどうであるとかということについて、もちろん責任者がずつと時間的に變化しておりますので、その人が全部來られるかどうかわかりませんが、次から次へと、そういう點を追究してただしていく。こういう順序にして、この委員會の運營を進めていこうというように大體きまりました。御了承願いたいと思います。
#13
○徳田委員 今の委員長のお話ですが、ただ手續上のことばかり言つておられるので、これではこういう廣汎にわたる仕事はちよつと戸惑いいたしましてそれぞれの委員員どの點から始めて、どういうふうにやるかということに對して、やはりそれは混亂するだろうと思うのであります。それゆえにこの問題を取扱うときに、最初にどういう方面からやつていくかということを、まずここできめまして、その目的が大體目鼻がついたら、その後にこんどはどういう方向にこれを進めていくかということをきめなければ、問題にならぬと思う。非常に廣汎でありますから。そこで私は一つ提議をいたしたい。皆さんが御了解下さいますれば、この提議をいたしたいと思います。
#14
○加藤委員長 ただいま徳田君から、お聽きの通りの提議がありましたが、いかが取計らいますか。
#15
○水田委員 私も徳田君と同じ意見です。まずこの調査委員會が何を調査するかという調査對象、調査範圍をここで確定しなければ、政府委員を呼んでも、どういう資料を出せということが言えないと思う。慢然と隠匿物資の資料を出せというようなことでは困るので、これは世耕事件の檢事の仕事をする委員會ではないと思うし、國民の前に終戰後の隠匿物資の状態がどうであつて、それが現在どのくらいある。それまでにどういう手續でどれだけ處理されたか。そういうような全貌を一應先にはつきりするということがきまれば、まずそれを對象にするとか。それから世耕氏のいう官吏の不正というような問題があるので、それをこの委員會から取上げるとすれば、またその取上げ方が別に出てくる。官廳からの資料によつてやるということはできなくなるので、一般國民から資料を求めるというようなことも、また方法として必要になりはせんかと思いますし、そういう點を取扱う前にやはり大體のところをきめておかぬと、これはまとまりがつかなくなるのじやないかと思いますので、とりあえず調査對象というようなものをこの委員會できめる必要があると思う。
#16
○加藤委員長 つきましては、私個人として、どういう參考資料を政府をして提出せしむべきかということについて、私案をもつてまいりました。これをもし御參考になるならば、いずれ資料提出要求が決定すれば述べるつもりでありましたが、その調査範圍をきめるという前に、多少でも御參考になりますれば、私の私案として政府に提出を求めたいと思つているものを一遍お聽き願います。そうするとそれによつてはたしてそういう資料を政府をして提出せしむることがよいか惡いかということがおのずからきまつてくると思いますが、いかがでしよう。
#17
○徳田委員 ちよつと趣旨が違いますが、委員長、この問題はどだい根本的にいろいろの問題を論じなければならないと思う。世上では世耕情報だとか、あるいは世耕弘一君がいろいろの身邊上のことに関して云々せられておりますが、そういう問題は私はここに問題とすべきでないと思うのであります。というのは、この委員會は檢事ではありませんので、檢事的態度でこの問題を處理すべきではないと思う。根本的に言つて、これは政治的な態度で向わなければならない。その點がまず第一でありますから、その點を皆さん全部が確認せらるることが大事であろうと思うのであります。そういうことになりますれば、この調査會の主目的が一體どこにあるかということになるのでありますが、この問題が起つたそもそもの原因というものは、これは官僚統制が腐敗したから起つた問題である。戰時中及び終戰後に至りましても、ずつと官僚統制が續いておりますので、この官僚統制をわれわれは徹底的にここで追究しなければならないのである。でありますから、まずわれわれは、この調査の範圍をこの腐敗したる官僚統制がいかに遂行せられたかということに向けたいと思うのである。これを確めてのちに、またさらにこの目的を擴大いたしまして、いかなる方向に向くべきかがきまるわけでありますから、その點にまず最初に限定したいと思うのであります。そうすれば、われわれはここでどういうことをすべきかというと、戰爭中軍部が統制していた物資が、終戰の際にどういうふうに処理せられたか、この點が第一、第二點は、終戰後占領軍が占領いたしまして、軍需物資その他の物を内務省が引繼ぎました。この物資がいかに處理せられたか。第三點は戰時中から終戰後にわたりまして、ずつと官僚統制が續いておつたのであります、これに屬する一切の物資がいかに處理せられ、これがどういうふうな手續で統制會その他一般の會社、殊に財閥の會社に渡されたか、そういう方面をぜひ調べなければならないと思うのであります。
 その次に統制機關であります統制會、統制會社、それから農業會、こういう機關がいかに物資を處理したか、これも調べなければならない。それから終戰後官憲や民間で摘發した物資がたくさんあるのである。今傳えられておるところによりますれば、内務省にもちき、されたものが八億もあるということである。これらの物資が、政府ではこれを正規のルートに乘せているというけれども、本日の新聞によりますと、すべてこれは正規のルートに乘つておらない、全部消えているというふうな疑いもありますので、これらの摘發物資がいかに處理せられているか、これもやはり調べなければならないと思うのであります。こういう範圍をまず最初に限定いたしまして、これだけを最初に調べるということをいたしますれば、從つてこの調査資料の提出や、その他のものも範圍がきまりますから、これを最初にわれわれはきめたいのであります。そうして同時にこの調査は法律上合法であつたか違法であつたかということを調べるのは、これは第二段の問題であつて、第一段には、これがいかに政治的に、竝びに行政的に正當であつたかどうか。帳簿の上ではどんなにきれいに糊塗されていても、實際上、政治的にいつてこれが非常に不當である場合、こういう場合にはぜひともこれを追究しなければならぬ。たとえば横須賀の軍港に所屬しておる物資のごとき、わずかに名も知れない三人の人間はこれを交付しておる事實がある。これらのことは政治的に言つて、行政的に言つて不當である。こういう不當の面をどんどん追究しない限り、この問題は解決しないのでありますから、われわれは法律上これが合法の手續きをとられたか否かという問題を第二段にまわし、これを政治的に、行政的の方面でこれが正しいかどうかという點を調べたいと思うのであります。こういうことをまず基本にして、この範圍を決定したい。そうすれば私はこの問題は非常に早く片づくし、またお互いの心構えもこれで定まりまして、全體がうまく遂行せられるのではないかと思いますから、特に提議する次第であります。
#18
○吉田(安)委員 ただいま徳田君の言われたように、本委員會が決して一世耕事件をつかまえてどうこうするというような、そんな範圍の狭い、視野の狭い問題でないことは明らかであります。今徳田君の御意見を聽いておりましたが、先刻理事會で委員長の私案に基礎をおきまして、理事會でいろいろ話合いをしてみましたことの範圍に、ほとんど徳田君の御意見は網羅されておるように感じます。從つてこの際委員長御私案としてもつておられるものを、一應ここで發表願つて、それを皆が聽きまして、その上で御決定をなさることが一番早道だと思います。徳田君もそれをお聽き願いたいと思います。
#19
○北浦委員 いろいろ議論がありますが、徳田君は、先に大方針を決定すべしという動議を提出せられ、贊成という聲があつたのでありまするから、ここに動議が成立いたしております。委員長はこの動議について採計をされ、しかる後に次に進むのが議事進行上當然の手續きであると思います。
#20
○加藤委員長 わかりました。先ほど徳田君から、本委員會の調査範圍を決定するに當つて、法律的な、司法的な權限によるという狭いものでなく、政治的な觀點から大方針を立つべきである、こういう動議が提出されております。この動議は贊成者がありまして、成立いたしておりますので、この動議を採決したいと存じまするが、御異議ございませんか。
#21
○加藤委員長 御異議なければ徳田君の動議を採決いたします。御贊成の方の擧手を願います。
#22
○加藤委員長 少數であります。從つて徳田君の動議は成り立ちませぬ。しかしながら徳田君の述べられた事柄はもつともと思われまするので、この點につきまして、先ほど申しましたように、委員長個人の意見として資料提出を政府に求めようということの箇條書きをしたのがございますので、一應これをお聽き願いたいと存じます。つきましては、委員長この席で申して差支えございませんか。
#23
○加藤委員長 御異議なければこの席から許していただきます。
 私の政府に向つて要求したという調査資料は
 一、終戰當時における部隊(部隊名)配置状況竝びに部隊長、經理主任の氏名、
   右の現住所がわかつておれば現住所。
 二、終戰當時における軍需物資の蓄積状況、品種別、數量別、廠別――廠というのは兵器廠とか、造兵廠とか、衣料廠とか、そういう廠別によつて數を出す。
 三、終戰當時の軍關係(海軍關係を含む)より民間工場への發注状況、會社別、品種別、數量別、金額。
 四、終戰當時より現在に至る期間におきける軍所有物資(兵器を除く)の處分状況、拂下げを受けたる者の
  氏名、品種、數量、價格。
 五、兵器處理委員會の兵器處理状況(各廠別)イ、兵器委員會の構成。ロ、處理物件の數量。ハ、處理の方法――廢棄處分とか、拂下處分とかの區別。ニ、拂い下げたる場合における拂下げを受けたる者の氏名、品種、數量、價格。
 六、終戰當時より現在に至る期間における摘發物資(連合軍より引渡しを受けたる物資を含む)の處分状況。イ、内務省調査部(後に局に改む)の構成竝びにその權限。ロ、品種別、數量、價格。ハ、拂下げの方法。ニ、拂下げを受けたる者の氏名。
 七、終戰當時より現在に至る期間における軍關係不動産處分状況。イ、大藏省國有財産部の構成竝びにその權限。ロ、處分したる物件の種別、所在地、價格。ハ、拂下げの方法。ニ、拂下げを受けたる者の氏名。
 八、日本官公衙拂下品統制組合の構成(定款)主要幹部の氏名竝びにその機能、政府機關との關係。
 九、日本特需産業株式會社の構成(定款)主要幹部の氏名竝びにその機能、政府機關との關係。
 十、終戰當時における各種重要物資統制機關の保有物資の品種別、數量、價格等。註としまして、さらにその物資の處分をしたる場合には處分方法の具體的内容。
 十一、終戰後新設されたる商事會社の構成(定款)主要幹部の氏名竝びにその所在地。
 十二、摘發物資及び軍需物資にして現在政府の保有にかかる物資の品種別、數量、價格、所在位置。
 十三、隱退藏物資處理委員會の副委員長としての世耕弘一氏の發したる摘発令書及び假令書の數量。イ、令書を受けたる者の氏名(專門委員の氏名及びその採用方式)。ロ、令書に示されたる隱退藏物資の所在位置。ハ、令書に示されたる品種別、數量、價格。ニ、令書を發したるもその物資が合法的偏在物資のために摘發不可能なりし場合における右偏在物資の品種、數量。
 十四、經濟安定本部内の隱退藏物資處理委員會設置前における隱退藏物資摘發状況。イ、機關。ロ、方法。ハ、摘發物資の品種別、數量。ニ、右物資を處分したりとせばその具體的内容。
 以上申し述べましたような條項に關する關係參考資料を全部政府から急速にとり寄せまして、この關係書類がどこまで政府から出されるか、出されるとすれば出されたもの、出されない場合には、なぜ出されないかということ。さらに終戰當時における軍の部隊の配置状況などは、あるいは適當な方法をもつてすれば、ある程度まではわかるかと存じます。こういうことをまづ基本的に調査いたしますれば、今徳田君の言われたこともおのずから全部ここに包含せられまするし、世上世耕事件云々として流布されておりますことも、從つて全體から見ればきわめて一部の問題にすぎない、こういうこともはつきりすると思うのであります。從つて私は、本委員會としてはこういうような觀點から調査にあたりたい。從つてもし他の同僚の皆さんの中から、政府に向つて參考資料を要求される方がありますれば、同時に政府に通達したいと思います。私としては、以上申しました十四箇項目にわたる參考資料を求めることを希望しておる次第であります。
#24
○徳田委員 今聽き及びまするところは、大體に隱退藏物資云々という軍關係のものでありますが、實際上申しますと、これはもつと廣範圍にわたりまして、私の言つておるのはいわゆる統制物資は全部調べなければならぬ。この統制物資に關しましては、これを通じて隱退藏が行われておるのでありまして、殊に現在食糧問題について非常に問題になつておりますが、食糧問題に關連いたしましては食糧營團、及び農業會等にも關連しておるのであります。これらを通じて隱退藏物資は相當たくさんあると世上には言われておるのでありますが、そういう關係のものも全部ここに調査すべきものと思いますから、そういう資料も提出するように追加せられんことを希望する次第であります。
#25
○加藤委員長 ただいま徳田君から御意見がございましたが、實は私の今申し上げました第十番目には、こういうことがあります。終戰當時における各種重要物資統制機關の保有物資の品種別、數量、價格。もしそれを處分したらどういうぐあいに處分したかという處分の具體的内容、八番目にあげました官公衙拂下統制組合、それからそれの代行機關を務めた特需産業株式會社というようなものは、いずれも徳田君の言われたような軍關係でなくして、終戰後の状態でありまするから、官僚との關係になつてきます。
#26
○徳田委員 終戰後も全部はいつておりますか。はいつておればいい。
#27
○加藤委員長 そういう意味です。さらに終戰後に新しくできた商事會社、これはいくつあるかわかりませんが、政府からできるだけ實際の資料を――登記所に行けばすぐわかることでありますから、政府は何らの手數なく出せることと思います。こういうものについて一々審議を進めていけば、あるいは私は全貌が明白になるのではないかという考え方から實はこういう案を考えたわけであります。
#28
○中野(四)委員 もし故意に調査資料を出さない官僚のある場合には、これに對してこの委員會はどういう態度をもつて臨むかということを、一應きめておいていただきたいと思います。
#29
○加藤委員長 その點は、この委員會には別にこれをどうするという權限はありませんが、そういう場合には、なぜ出さないかということをさらに追究しまして、出さなければ出さないという理由を、それが正しいものかどうかということは、この委員會において審議して社會に公表します。もし出して差支えないものならば、當然出されなければならぬと思いますから、どうかその點お含みおきを願いたいと思います。つきましては、先ほど申し述べました十四箇項目にわたる參考資料を政府に請求することについて御異議ありませんか。この點をまずきめたいと思います。
#30
○加藤委員長 それでは御異議なきものと認めまして、以上十四箇項目の資料を政府に正式に委員會の名において要求することにいたします。
    ―――――――――――――
#31
○石田(一)委員 私は昨日の各派交渉會において、この隱退藏物資等に關する特別委員會がつくられることは、その重要性は相當認めておるのでありますが、本會議においてこれが論議されるよりか、委員會をなるべく小さくつくつていつて、世間の耳目をこれによつて瞞著せんとするがごときことがあつてはたいへんだ。もしこの特別委員會の委員の指名があつたならば、本會議でこれを問題にすることができぬ。それで私は昨日委員の指名のある前に、本會議において緊急質問の形をとつて、政府はこの問題に對してどこまで決意をもつて解決しようとしているかということを質し、しかも現閣僚の中に二人ばかり、この事件に關して全然關係がないとは言えない者もあるというような發言が議院内においてなされて、これが各新聞に掲載されました。現下のこの危機を打開しようとする内閣の閣僚の中に、二人のいわゆる世耕事件に關して疑いの目をもたれるようなものがあるとするならば、これは重大問題であります。その點に關しても私は政府の所信をまず會議の席上において、責任ある答辯を求めたいという氣持でおりました。ただいま委員長が私案として出された資料提出の各件數に關しては異議はございませんが、この資料の提出される以前、あさつて月曜日のこの委員會におきまして、でき得るならば政府の責任ある方にこの委員會に出席していただいて、その點に關して責任のある答辯を、一應私は求めておきたいと思うのであります。
#32
○加藤委員長 石田君にお尋ねしますが、政府委員の出席を要求するという動議をお出しになつたわけですね。
#33
○石田(一)委員 そうです。
#34
○加藤委員長 ただいまの石田君の動議に御異議ございませんか。
#35
○加藤委員長 御異議なければ、政府委員の出席を求めるという石田君の動議は成立いたしました。その氏名などについて、別に御希望はありませんか。
#36
○石田(一)委員 責任をもつて答辯をなされる政府委員ならば結構であります。
#37
○加藤委員長 ただいま石田君の動議は、政府は責任をもつて答辯し得られる政府委員を出すならば、その人名はあえて問わぬという御趣旨でありましたが、この御趣旨に基いて政府に請求することについて、御異議ございませんか。
#38
○加藤委員長 それではそのように取計らいます。
 なお先ほど中野君からお話のありました點について、國會法第百四條は別に罰則規定を設けてはおりませんけれども、その條文によりますれば、必要な報告または記録の提出を求められた内閣、官公署は、これに應ずる法律上の義務があるということが謳つてありますから、今までの議會から政府に求めたようにあるとかないとか、できるとかできないとかいうだけでは拒否することはできませんことを御參考までに申上げておきます。
#39
○中野(四)委員 私の伺つたのは、國會法に定めてあるのは罰則がありませんから、特に委員會の性質上、もし故意にそれに應じなかつたのがあつたら、これにいかにして臨むかということを決定したい。こういう意味で申し上げたのであります。
#40
○加藤委員長 それはあらためて委員會の意思を決定しなければならぬのでありますか。
#41
○中野(四)委員 そういうふうに決定したいと思います。
#42
○加藤委員長 委員會として、そういうことをきめる權限がありますか。
#43
○中野(四)委員 權限はこれからどういうのかきめようというのです、あるとかないとか。ぼやつとした委員會だからあるかないかわからない。これから法律で押えることができないならば、他の方法で押えていかなければならぬ。
#44
○加藤委員長 だからそれは、先ほど申しましたように、なぜ提出しないかという理由を明らかにして、新聞に發表することによつて自然的、社會的制裁は加わるものと思うのです。
#45
○中野(四)委員 それに皆さんが御同意であれば結構です。
#46
○加藤委員長 大體それでいいのじやないかと思いますが――それではそういうことにします。
#47
○水田委員 ただいまの資料は官廳側に求める資料ですが、問題の進展いかんによつて、その資料だけでこの委員會がやつていけるか、民間からの情報をこの委員會がとる方法というのも一應は考えられるのですが、これがまたむずかしいので、今でも日本人に投書癖が多くてお互を傷つけておるようなときに、この議會がまたそういうものを國内で求めて、國内でごちやごちややることも考えものなので、この點愼重を期したいと思うのですが、天下に役所からとつた情報以外に、實際にこういうものがあるということを知つているのがあまりに多過ぎて、すでにわれわれの手もとに青森縣で二萬本のガソリンを隱してあるということを言つてきておる。四人仲間で三人がうまいことをやつている。自分だけ一人あぶれた。場所を教えるから議會から調査に來てくれということを言つている。これを適當に委員會は民間情報を求めるかどうかも、資料蒐集の一つの方法としてお考え願いたいと思います。
#48
○加藤委員長 あまりに委員長ばかり發言してはぐあいが惡いから、どうぞ皆さんの中でただいまの水田君の御發言に御意見があつたらお述べ願います。
#49
○清澤委員 私は先ほどから聽いておりますと、官廳筋で資料だけで一應當つてみまして、それだけでは私はだめだと考えておるのであります。いずれ官廳でこれだけのものはああいつた、こういつたというのは一應つじつまを合わせておると思うのでありますから、そこに異なことがありましても、何らか拔け手のある手が打たれておる。そういうものが帳簿に殘つているのじやないかと思います。實際、問題になるのは、そういうもの以外の不明なものが重要な問題性をもつのであるから、これを處理するときには、あるいは中野さんの御提議のようなある特別の權限を求めなければならないというような事態も出てきはせぬかとも考えまするし、同時にこの協力を非常に委員長は言われるが、めんどう化するというような危險性もあり、そういう點にまではいる必要も實際問題として出てきはせぬかと考えておりますので、一應先から先までをここで言わないで、筋道を立てて、とにかく終戰當時の品物がどれくらいあつて、それがどういう形において一應わかたれたのかというくらいのことを把握して、逐次そういう點を進めていつたらいいのじやないかと考えておりますが、初めから假想のもとに出ていつたら、それこそ混亂して始末がつかなくなりはしないかと思いますのでそういう順序を履んでいく建前から、今委員長が言われたそれだけの資材を基礎にして、一應審議を進めていつて、その次に中野さんの動議竝びに水田さんのお話など、その間に探り出していくことが、これを運行していく上においていいのじやないかと考えております。
#50
○北浦委員 實のところ中野さんのおつしやつたように、この資料だけではない、證人、參考人、さような者を呼び出しましても、不出頭の場合には刑事訴訟法もしくは民事訴訟のように何等の制裁がないのであります。非常に薄弱にできておりまして、その目標を達することができるか否かということもわれわれは案じておるのでありまするから、中野さんの發言を機會といたしまして何等かの方法で、これは今にわかに法律をつくるというわけにもいきませんから、内閣と委員長はよく打合せられまして、少しく強力な呼び出し方法を講ぜられんことを切に望んでおきます。
#51
○徳田委員 その點は非常に贊成であります。これはどうしても皆さんが言われたように民間からの情報をとらなければ無意味であろうと思うのであります。これは上から調べるのと、下からの報告と兩方突き合わせてみて、そこでどれが事實であるか、眞相であるかをわれわれは確めなければならない。これはぜひやらなければならないと思うのであります。それにつきましてはこの權限をやはりもたねば相なりませんが、法律をこしらえなければならぬのなら、これは法律をこしらえてぜひやらなければいかぬと思います。でありますから委員長が政府と相談されて、もし政府でもつて法律なしにはいけないというならば、法律をつくるという點を委員會が全會一致をもちまして提議する必要があると思うのであります。これが一點。もう一點は、こういうふうな事態に關しまして、われわれはやはり輿論を喚起しなければならぬ。輿論の喚起によつて一般的に世論の制裁を受けるとともに、また新しい權限をこの委員會がもつことを輿論が承認することになりますから、ぜひともこれをやらなければいかぬと思うのであります。
 そこでここで追究せられた事實及びここで發言せられた事實は、すべてこれを時々刻々新聞その他に報告して公表する。ここでは祕密會を用いない。すべて公表いたしまして世論とともに、全人民とともに仕事をやりたい、國民全體がこの仕事に與からなければいかぬと思うのであります。同時にぜひ公聽會をもちたい。一定の時間が過ぎましたら、追究せられた事實に對しまして、これを公聽會に諮つて、公聽會において、またいろいろの意見も出るでありましようから、これをわれわれは蒐集いたしまして、この事件の眞相を把握するいろいろの手段、いろいろの右法を講じなければならないと思いますから、ぜひひとつ公聽會をやる。そのことをあらかじめこの委員會が決議しておきたいと思うのであります。
#52
○加藤委員長 今徳田君の發議でありまするが、公聽會の問題につきましては、議院規則の第三節七十六條をごらんくださいますると、公聽會がどういう場合に開かれるかということがきまつているのであります。それは一つの議案が出まして、その議案の可否を決する場合に、各方面の意見を聽く、そしてそれが最後の可否決定の一つの參考資料になるというときに、公聽會が開かれる制度になつているわけでありまして、こういうふうな最後の可否いずれかを決定するという性質の問題でない場合には、公聽會を開くことはできぬわけでありまして、そういう場合には、あくまでも參考人もしくは證人としてあらゆる方面から關係者を喚ぶということは自由にできます。公聽會はちよつと性質が違うのです。
#53
○小島委員 私は今の委員長の意見に贊成いたすものであります、公聽會を開くというようなことは、委員會自體を侮蔑するものだと考えるのであります。私たちが事實の眞相を追究するのが委員會の責任であつて、これを公聽會に問うてこの事實を探求するということは公聽會の性質上筋道が違うと思うのであります。もし公聽會によつてこの事實の眞相がこうであるとか、ああであるとかということがきまるということになりますると、これはいわゆる人民裁判ということになるのである。私たちは法律上の裁判を受けるのである。そういう人民裁判というようなものを受ける性質のものではないのであつて、われわれとしては委員會として眞相を追究すべきものである。公聽會というものはわれわれが開く性質のものではないと思うのであります。
#54
○加藤委員長 この點は徳田君もよく御了解のことと思います。徳田君の言われるのは、そういう人民裁判とか何とかという意味でなく、あらゆる廣い範圍から問題の性質を糾明しようという立場から言われたことと思うのであります。從つてただその場合の參考人とか、證人によつて、徳田君の意思は十分通ずるのでありまして、やはり規則は規則として、明文があるものですから、それはひとつ守つていかなければならぬと思うのであります。
#55
○徳田委員 その對策について議論があります。その點は私も國會法を制定しますときに委員としてやつたのでありますが、このときの規定は、開かなければならない、ぜひ開けという規定を書いてあるのであつて、これ以上に擴張してはいかぬという規定ではない。必要に應じまして公聽會は常に開くべきでありまして、あらゆる問題について輿論を喚起し、輿論を聽く。いろいろにこの問題につきまして、ただ可否を決定するためのものではないのでありまして、公聽會が輿論を反映し、われわれはこれを參考にし、その輿論によつてさらにわれわれの委員會の仕事をよりよくしていくためのものであります。そういう意味で決してこれは人民裁判とかいうのではないのである。この問題につきまして全體の關心をひき起し、そうしてみんながこれをやるということにならなければ、この問題はなかなかできない問題であります。公聽會を開くという國會法の規定は、ぜひとも開かなければならないものがここにあるのであります。それ以上開いてはいかぬというのではない。公聽會は最初の原案におきましては、財政上の問題その他人民の負擔その他に關する問題についてはぜひとも全部入れろということでありましたが、それではやつかいだからというので、こういうふうになつたのであります。この問題は財政上の問題にも非常に關係し、その他人民の負擔にも關係いたします。いろいろな點でこれは複雜した關係をもつのでありまして、この公聽會の規定にも決して反しないのであります。繰返し言いますけれども、公聽會は決してこれ以上に擴張してはいかぬというのではない。これこれと規定してあるものは、これだけはぜひ開け、これ以上に開いてはいかぬというのではない。これは限定規定ではないのでありますから、さように御了解くださいまして、この際はぜひともこの重大問題について公聽會を開くように皆が努力するようにしたいと思うのであります。
#56
○加藤委員長 今の徳田君の御意見は、ちよつと誤解があるのではないかと思うのです。國會法で公聽會を開かなければならぬという規定のあることは、今おつしやつたように豫算のときには開かなければならぬ。ところが議院規則の七十六條によりますと、「議院又は議長から付託された議案の審査のためにこれを開くことができる。」議案の審査であつて、これは議案とは言われない。あなたがさつきおつしやつた通りきわめて公明正大にやるために、この會が祕密會を許すというようなことは絶對に、少くとも委員長としては斷じて反對であります。これはあくまでも事態を白日の下にさらすという趣旨のもとに行われるのでありますし、さつき水田さんがおつしやつたように情報をむやみにとることはどうかと思いますが、進んで與えられる情報は與えてもらうことによつて協力を得られるわけでありますから、そういう點においては、きわめて公明正大に、公開で審議の状態も、調査の進行状況も、刻々に委員會が開かれるごとに、何か變つた局面が展開していくことに、新聞紙上を通じて一般國民にも知り得られるようにしなければならぬと考えます。從つて私はその點については何らの疑義はないのでありますが、公聽會の性質は何か議案がありましたときに、その議案の可否を決定するために、こういう重大問題で利害關係も深いから開かなければならぬということになるのでありますが、これを最後に事態を白日のもとに照らして、もし處分をするものならば、司法權を發動するであろうし、政治的に處分をすべきところのものがあるならば、政黨なり、政府なり、個人の政治家が責任を負うということになりまして、この委員會においてかくかくの責任を負うべし、この問題はかくかくにして公訴に付せらるべしという最後の決定が與えられる性質のものならば公聽會を開いて與えるか、與えないかという意見を聽くことができますけれども、そうでない、白日のもとにさらすというだけの使命ですから、私は公聽會でなくて、今言うように參考人なり、證人なりによつて、事態が明白にされるということが必要だと思う。こういうわけでありますから、その點御了解願いたいと思います。
#57
○中野(四)委員 話が横道にそれたようですが、先ほど私から申し上げた證據提出、證人出頭等の場合に、故意にこれを拒否して、提出あるいは出頭しないような者に對して牽制、制肘するということ、それができるかできないかによつてこの委員會の致命的な大きな問題とならざるを得ない。從つて委員會の性質上證據を提出しないとか、出頭しない者に對しては、何かあなたの方で政府と連絡をとつて、十二分にこれを處理するだけのお考えがあるかどうか。先ほど話がうやむやのうちにそれたようだが……。
#58
○加藤委員長 うやむやでも何でもない。きわめて明白です。この問題は原則として政府と折衝をもつてやつていけない問題と思う。政府もわれわれの調査の對象になるべきものです。從つて政府は參考人なり、證人の出頭を求めることはできるけれども、この委員會が一々政府と折衝して話合つてどうこうすべきものではない。
#59
○中野(四)委員 私はそういう連絡を政府ととれと言うのではない。故意に證據を提出しない、あるいは證人として出頭しない場合に、これを法律をもつて制肘することはできないから、何かの形でこれを牽制、制肘する方法をとつたらどうかと申し上げたのです。
#60
○加藤委員長 ところがそれは法律に規定されている範圍では、徳田君が言われるように法律を改正するとか、新しい法律をつくるなら別問題だか、現行法のもとではこの委員會には法律上の處分をする權限はない。從つてもし證人なり參考人に出頭を求めて――出頭を求めることは法律上の權限としてもできるし、また求められた者は、法律上出頭の義務があるわけです。もし出ないならば、なぜ出ないかを明白にして、社會に發表して、社會的の制裁もおのずから加わるという方向に、この委員會としてはもつていくべきである。それ以上は今日のところ權限がないのです。
#61
○鍛冶委員 委員長の言われるのも一理ありますが、問題は政府と連絡をとつたら、書類など隱して出さないのがあるだろうと思う。しかし出す義務があるのですから、もしそういうことがあつたら政府としてさようなことは許さぬ。われわれはどこまでも追究できます。やらなかつたら承知せぬという固い決心をもつてやつたらいいと思う。民間人に對しては、やらなかつたならば制裁を加えることも必要かと思いますが、これも協力するならば大體の目的は達せられますし、それ以上のことも、先ほど北浦先生の言われたようにできるだけのことをやればやれるのでありますから、やらないということを前提としての議論はやめていただきたい。
#62
○加藤委員長 その點政府に向つては法律上責任を追究する權限はないかもしれませんが……。
#63
○鍛冶委員 法律上は義務を認めなければならぬ。
#64
○加藤委員長 それです。提出する義務はある。しかしその義務を履行しなかつた場合に、これをどう處分するかという積極的な規定はないのです。從つて法律的には追究する權限はないにしても、政治的には委員會として必要と認めた資料を提出しない者はもはやその資格はないといつて責めることは十分できるのです。
#65
○吉田(安)委員 中野君の御説もよくわかりますが、しかし私は委員長の先ほどからの意見で十分だと思う。しかも今日この意義ある會の發足に當つて、將來そういう要求を受けたときに、その要求に應じなかつた場合に、これをどうもしようがないではないか。そのときにはどうなるか。そういう法律的の罰則がないからと言つて今からへこたれるようなことではいけない。罰則があろうがなかろうが、この委員會の名においては、われわれは罰則と同等の效力をもつような決意をもつてやつていかなければだめだ。もしそういう場合が起つたら、また決意をもり立てて何らかの打開策を立ててやることが必要だと思う。從つて委員長のお話の通りに私は早く進んでいくべきものだと思う。
#66
○徳田委員 これはこれとして、とにかく仕事をやつてみて、どうしてもやれぬというときには新しい法律をこしらえたらいいではありませんか。
#67
○石田(一)委員 議事進行について申し上げます。議論も出盡したようでありますし、本會議もあることでありますから、本日はこの邊で散會せられんことを望みます。
#68
○加藤委員長 それではただいま石田君の動議が出ましたし、すでに一通り今日としては皆さんの御意見も出盡したようでありますから、皆さんの御意見の總合のもとに、私といたしましても最大の努力をいたす決意をもつております。つきましては明後月曜日午前九時から時間嚴守で開會いたしますから、お暑いところ御苦勞ですけれども、ぜひ御出席願いたいと思います。
 本日はこれで散會いたします。
   午後二時五十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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