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1947/08/04 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第5号
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1947/08/04 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第5号

#1
第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第5号
昭和二十二年八月四日(月曜日)
    午後一時四十分開議
 出席委員
   委員長 加藤 勘十君
   理事 武藤運十郎君 理事 吉田  安君
   理事 本多 市郎君 理事 石田 一松君
      足立 梅市君    荊木 一久君
      小島 徹三君    鍛冶 良作君
      北浦圭太郎君    水田三喜男君
      野本 品吉君    中野 四郎君
      徳田 球一君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 和田 四郎君
 出席政府委員
        司法事務官   國宗  榮君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 隱退藏物資等に關する問題
    ―――――――――――――
#2
○加藤委員長 前會に引續き開會いたします。前會に續きましてなお安定本部長官に對する質疑がありまするが、その前に一應お諮りいたしたいことがございます。それは投書についての取扱方法であります。おそらく委員の皆樣のお手もとにも相當多數の投書なり、また申出なりがあると思います。委員長の手もとにも相當の投書竝びに口頭の申出があります。このことにつきまして從來の投書の文面を見ましても、從來の經過によりますと、あるいは土地の警察なり、檢事局なりに言うてもそのまま握りつぶされてしまつておる。これでは困るから公正に取扱つてもらいたいということが大抵の投書に書いてあるようであります。そこで私といたしましては、これら投書は國民の切なる叫びだと思います。これがそのままやみからやみに打消されてしまうようでは、はなはだ公明を缺くと思いますので、少くともこの委員會なり委員長なり、委員個人なりにあてて訴えられた投書は、住所、氏名の明らかなるものはこれを何らかの方法によつて、明確に結末をつけなければならんと思います。ところが、御承知の通りこの委員會には、それをどうこうするという權能はありません。よつて私の考えとしましてはこれをただちに政府の――まだ正式には遊休物資處理委員會が官制上構成されておりませんから、その委員會の構成をまつて、委員會をして處理にあたらしめるか、あるいは現在安定本部内にある在庫品課をして調査せしめるか、いずれにしましても投書に基く所在物件につきましては、もしあればあるようにこれをただちに處理する。どういう經過を經てそれらの投書にあつたものがなくなつたかという處理の状況、もし最初からその投書が全然無稽なものであつたかどうかということは、その投書者が氏名を明記しておる限りは、この委員會に來てもらつて質問をする。ただ政府の一方的な處置にだけ任せないで、そういう投書に對して、政府が何もなかつたという報告をこの委員會にした場合には、委員會がその人を呼んで直接聽く。こういうように處理したいと思いまするが、この點に對しての御意見はいかがでしようか。
#3
○徳田委員 この問題は非常に重大でありまして、現在のようにいろいろの官僚機構でもつてこれをどうこうしようとしてもなかなかできないと思う。これをやるためにはどうしても人民の組織、すなわち民間の組織をこしらえまして、この民間のちやんとして組織監督のもとでなければ、いかに官吏を使つてもこれはだめだ。だからこれはできれば至急に法律を出さなければちよつとできないと思いまするが、法律を出してこの隱匿物資に關する限りはこれを監督するとか、監視するとかではなしに、この隱匿物資に對する摘發その他を行う權力、すなわち主權は人民だけに握らせるというようにしなければならん。これは國民の手に握らせなければならん。もともと主權は國民の手にあるのである。單に行政を行使するだけが官吏のものである。それゆえに公僕と言われておるのである。現在この權力の實際は官吏がもつておる。ところが今は官吏はもとより裁判官から何から、ありとあらゆるものがみんな情實的かたまりになつておる。そうして隱退藏物資に關係しない者があるというならば、私はほとんど全部がうそであると思う。だから一たび何かの隱退藏物資に關する問題が起れば、官吏全體がこれのもみ消し運動に熱心である。これくらい熱心であるものはない。そうすると、もし安本のある書記官がこれをやるとしましても、とても安本だけではやれるものではない。安本が事務を行うならば別であるが、とうていこれは安本だけではできないと思う。ところが今いろいろ私たちの調べておるところによれば、すでにこの聲を聞いたために、今まで隱退藏しておつたものからどんどん移動しつつあるそうであります。移動してしまえばまた一問題が起るのであるから、かりにこれを封鎖、封印しておかなければならぬ。そのためには、まず法律を出すとか何とかいうことはとても今しばらくできないことであるから、そういう意味で現在の機關を使うとすれば安本の監査官を使つて、そのかわりこれと一般各政黨からの代表、各勞働組合からの代表、いろいろのものからの代表、こういう代表者からできた協力委員會というようなものをこしらえて、この協力委員會は終始これを監視する。一緒でなければ仕事ができぬようにしなければならぬ。そうして警察だの、裁判所だのがこれに對して實際徹底的なことをしない場合、ただちにその面前であばかなければならぬ。人民大會をやつてがんがんやらなければとてもやれるものではない。だからこの機構をこしらえて初めて問題になるのだから、ただちに現存の機關だけでやるということははなはだ危險であると思います。人民の協力委員會をぜひとも早くこしらえて、これでもつてやる。そして將來はこの協力委員會で――今和田君にいろいろ質問したいと思つておるわけでありますが、これがいわゆる主體、主權者になつて管理する。ほんとうの公僕にならなければならぬ。今官吏は殿樣で、われわれの方が公僕どころか、奴隷みたようになつておる。そういうやり方ではだめだ。これはやはり上と下とを轉倒させる方向に將來向けるという了解のもとで、この問題を處置したいと思います。
#4
○加藤委員長 そうすると將來、否きわめて近く政府にも構想があり、遊休物資處理委員會というものの構成については、先囘の委員會においても徳田君からその點質問されて、それについて和田安定本部長官から答えられましたが、そこには徳田君の言う人民的要素が多分に加わつておるようでありますが、さらにその構成は一層民主的に構成されるように委員會として希望すると同時に、今私の申し上げたたくさんの投書による物の所在、もしなくなつておればその移動處理の状況をそのまま、投書を投書として葬り去らないで、これをただちに政府機關にまわして、そうしてこの委員會に結果の報告を求める。こうすれば私は今までのように官吏だけが勝手に處分したり、勝手にある物をないと言つたり、ない物をあると言つたりすることはできぬと思いますから、われわれもやはり官僚という機構そのものは多分に、徳田君の言う通りいかぬと思いますが、官吏個々の間においてはやはり良識をもつておる人もあれば、良心的な人もある。こういうことはお互いに信じなければならぬと思いますから、そういう意味におきまして、投書の取扱いを一應現在ある政府機關に通達して、その結果をこの委員會に求めるということにしてよろしゆうございますか。
#5
○中野(四)委員 その點でちよつとお話をしておきたい。この前この委員會は祕密會を開かない、あくまでも公開で行くのだという委員長の言明がありました。實はこの開會劈頭に私が申し上げたのは、これを憂えたがゆえでありまして、投書をした人の名前は、正確に載せておる人もあり、偽名の人もあります。今日議會へ來てみれば、三、四通來ております中で、ことさらに偽名と書いておる人もあります。そこで私のおそれたのは、その本人の名前はともかく、相手の名前が正確に載つております關係上、もしこれを調べた結果において、その人のところに品物がなかつたというような場面が往々起つてくると思う。特に先ほど私が發言しようと思つておるうちに、徳田君から御質問があつたから、重複するようですが、昨日まで故郷の愛知縣の方へまいつておりまして、いろいろ自分のところへまいりました投書に基いて、自分の知る範圍のものを調べてみますると、國會の中に特別委員會が設置されたということは、かなり隱退藏物資をもつておる方面の人間には動搖を來しておるようです。いわんやこれに刺戟されて、内閣にも、安本の中にもかなり活溌な動きが見えるということから、敏感な隱退藏物資をもつておる者は、ただちに移動を始めております。でありますから、投書をわれわれが基本にして、かりに安本の諸君に調査を頼んだところで、この敏感なもつておる人たちは、右から左に物を移動してしまつて、そこにはない。これはまことにうまみのないところでありまして、よほどこのことたるや迅渋に行わなければならぬことだと思つておりますが、先ほど申し上げましたように、早くこのことを公式の委員會の席上においてお互いが出し合つて、これは大體において信を置くべきものか、信を置かざるものかということを決定して、速やかに手を打つべきであつたと思います。ここまで來てはもう三歩も五歩も遲れておる感がありますけれども、これは捨てておくわけにはまいりませんから、きわめて早い機會に非公式でよろしいから委員會を開いて、それぞれ手持の材料を提供し合つて一應これを檢討し、さらにこれが取扱いに關しての御協力が願いたいと思います。この點どうか物の移動の早いということに特に留意をせられて、これが取扱上に對して、委員長の方でも先日非常に強い意思表示をされておりますから、その意思表示に基いて徹底的に追究されんことを希望する次第であります。
#6
○加藤委員長 今の中野君の御意見もつともであります。われわれ今日の經濟危機の状態に臨んで、ある物がそういうように偏在し、隱匿されるということが一番罪惡を生むものだと思いますから、やみの撲滅はそこから始められなければ、ほんとうにやみの撲滅はあり得ない。こういう考えでありますから、もし投書が信を置くに足ると思つて、その調査を行つた。ところがすでに現場から物が移動されておつたというならば、必ず物を運んだ者がなければならぬと思います。本人が運んだか、あるいは運送屋を雇つて運んだか、とにかく移動した状況がなければならぬわけでありまするから、それをもできれば追究していく。どこまでも追究していくという建前に立たなければ、行つたところがなかつたから、もうそれで終つたというのではいかぬと思います。そういうことでもし政府がこの委員會に、行つたところが、あの投書の場所には何もないといつて報告をされたならば、その物がしからばどこに行つたか、そのことについて何も探査するところがないかと、こういうぐあいにさらに再追究ができると思います。
#7
○中野(四)委員 徳田君から言われたことをもう一遍燒き直しをするようですが、どうも地方の官憲に、隱退藏物資をもつておるいわゆる顔役と申しますか、こういう連中はなかなか深い關係があるから、そう地方の警察に任せる、あるいは地方の警察に頼るというようなことはだめだと思います。さればといつて中央の安本の中にある一つの機構に擔當させるといつても、やはり地方まで一々出張して行くこともできないから、地方に依存するよりほかない。地方の方でもこれを心得ておつて、相當な物資をもつておる連中は、もうそれぞれ深い關係をもつておる。あなたが先日御指摘の碧海郡の砂糖の問題がそうです。倉庫を開けて、何袋あつたという袋數はきまつておるけれども、袋の中にはいつている砂糖の目方は、五貫あつたものやら何貫あつたものやらわからない。全部洗つてみると、警察署長の官舎に十袋あつたり、地方事務所長のところに幾袋あつたりする。これを洗つていくことは容易なことではできない。大きいものにおいても小さいものにおいてもなかなかこれを探査するということはむつかしい。だから投書し、目撃して十分知つておる者があつて、當時の投書は、もう委員會が始まつてから一週間も經つており、大きな動搖を來しておるから、物が動いておる。これを徹底的に追究するには徳田君の言う人民管理がびんと當るかどうかしりませんが、とにかくこの國會が相當強力な追究權をもつて、徹底的に探究していくということを考えてもらいたいと思う。この點が私の非常に心配している點であります。
#8
○加藤委員長 中野君の御意見でありますが、ただこの委員會の性格からいきまして、まだ法制上の權限からいきまして、この委員會自身が手足をもつてどうこうするという權能はない。そこでやむを得ず實際の處分權をもつておる行政機關にこれを行わしめ、しかも行いつ放しでなく、一々それの詳細なる報告をこの委員會が求めて、その報告に基いて、さらに探査していく、こういうことになるわけで、この委員會にはそれ以上の權限がないです。ものには順序がありまするから、この點はお互いが守つていかなければならぬと思うのです。
#9
○中野(四)委員 よくその趣旨はわかつたから、人民管理というより、ひとつ國會管理というのでいこうじやないですか。安本が調査をするに當つては、徹底的に國會の委員會において嚴重に監督し、激勵鞭撻していく。いささかでも誤つた點があるならば、先日あなたが意思表示をされたように、天下にそれを訴えて、これらの者の反省、猛省を促すというように、そういう意味での委員會管理というような建前でいきたいと思う。
#10
○加藤委員長 そういう國會管理とか、委員會管理とかいう言葉自體のことは、この委員會には權限がないのです。それはよく國會法なり、議院規則をごらんくださればわかります。しかしながらこの眞相を白日のもとにさらすというためには、どんな困難をも冒していかなければなりませんから、われわれは法律の許す最大限においてこれを嚴重に監視する、こういうこと以上には、この委員會としてはきめられないと思うのです。この點は了としていただいて、ただ徳田君なり中野君なりが言われたことは、委員諸君も全部聽いておられまするし、當然これは速記録にもそのまま殘るわけでありますから、その趣旨が、含ませているということで、私はやはり決定としてはそういう國會管理とか、人民管理という言葉は使えないと思うのです。この點はよく諒承してもらわなければいかぬと思うのです。
#11
○徳田委員 先ほども申しました通り、これは法律を新たにつくらなければ、何とも權力の行使について新しい方向はちよつときめられないと思います。そこで實は今日も大臣に會い、監査局長にも會いまして、ある一地方の問題を具體的に解決したのであります。これはここで申してもよいのですが、私が申すと、またその地方の人間に電報が打たれてどうなるかわからないから、ここではまず言わない方がいいと思いますが、ここではこういうふうにやつておる。向うの地方の人民諸君が非常に心配いたしまして、こういうものをそのまま置いておくと、みんな移動してなくなつてしまう。だから勞働組合も農民組合も、各政黨も、生活協同組合もその他の民主團體もみんな代表を出して、その代表でここに新しくできようとしている遊休物資活用委員會、これの協力委員會を地方にこしらえておる。これは何も權力をもつておるわけではない。協力するだけだ。將來は權力をもたなければならない。これには權力をもち得るようにできておりますが、それまではいわゆる協力をするので、しかもこれが常に監視する必要がある。監視しておかないと、警察に頼んでも、何を使つて見たところで、今のところ私はだめだと思う、現に地方の人もそんなのではだめだと言つておる。だから協力委員會をつくつて、これでもつて安本の監査官と一諸に仕事をする。法律手續は監査官がやる。しかし協力委員會が監視し、督勵して常にこれを見ていく。見なければ嘘だ。さもなければどうにもならない。だからその意味で十分理解してもらつて、この協力委員會を方方にどんどんつくらせて、これでもつて監査官と共にやる。現在の措置としては、いずれにせよこれが隱退藏物資であるかないか、これが手續を經ておるかどうかということを一々調べておつた日にには、きわめてこの問題は混亂いたしますので、遊休物資である以上、山と積まれた倉庫のある以上、これを一旦封鎖して、ちやんと保管しておかなければ問題にならないのであるから、こういう措置をとるために至急にやる。これを今われわれが受取つておる情報の部分をこの中に含めてやるならば、意義があると思う。さもなくして情報ばかり一々追つかけていたのでは、とうてい問題にならない。だからこれは皆封鎖してしまえばいい。それはあとで事務的に處理ができるのでありますから、そういう意味でなら私は非常に有效だと思う。
#12
○加藤委員長 今お聽きの通りの意見であります。徳田君なり、中野君なりの意のあるところは、要するに現在あるものを分散せしめないということを前提としての御意見と思いますが、もちろんそれは誰しもが考えておる點であると思います。從つて現在ただちにそれに委して移牒し得るような政府機關ができておればこれは問題はないわけです。それができておらぬので、至急政府においてそういう遊休物資處理委員會というか、活用委員會というか、さらにそれに伴う協力委員會というものをつくらせるということを求めると同時に、現在そういう機關がまだない場合に、安定本部の監査局にそれをやらせるかどうかということの問題であります。だからその點を協力會というものが私的にできた場合に、その私的なものをどうするかということは、この委員會としてかれこれ言うことはできないのであります。政府がどのように措置するか、これを政府が自分の補助機關として認めるか、諮問機關として認めるか、協力機關として認めるか、それは政府のなすところでありまして、この委員會としてはそういう希望をもつて政府に移牒することになると思います。
#13
○鍛冶委員 先ほどからの御議論は一應御もつともですが、現在なお隱匿物資等緊急措置令というものの效力があるはずですが、どうですか。
#14
○和田國務大臣 まだあります。
#15
○鍛冶委員 今經濟安定本部で何か委員會をつくろうというのでありますが、これは別個の法律で別個のやり方をしようというのでありますか。
#16
○和田國務大臣 この前の議會のときにその點お答えいたしたわけでありますが、別に遊休物資活用委員會という新しいものをつくつてやつていこうということであります。
#17
○鍛冶委員 實は隱匿物資等緊急措置令というものがあつて、この手續に基いてやつたが、先ほどから向うで言われる意見のように實際の效果があがらなかつたので、いろいろ世耕指令なんか出たということを聞いておりますが、今この委員會が十分監視して、この手續でまつすぐにやればやれる法律なのでありますから、今までのようにただ商工大臣なり、地方長官から命令を出して、下の行政府のやることだけにまかせないで、この委員會が相當眼を光らせるようにして、一日も早くそういうものがあるということがわかつたらやられたらどうかと思います。今までのやり方ではいかぬと思いますから、ここはこの委員會で考慮し、主管大臣その他のものにも相當注意して、やればやれぬことはないと思うが如何ですか。
#18
○加藤委員長 委員長から和田安本長官にお尋ねいたします。鍛冶君が言われた隱退藏物資處理令ですか、それに基く活動が在庫品課で行われておるのか、別の機關で行われておるのか、それはどうなつておりますか。
#19
○和田國務大臣 これは實は各方面にわたつておるのでありまして、安定本部では在庫品課、それから商工省、警視廳、みな一緒にやつてきております。
#20
○加藤委員長 一體警視廳が關係するというのはどういう理由で關係するのですか。警視廳は地方機關ではありませんか。
#21
○和田國務大臣 取締りという點からであります。
#22
○加藤委員長 取締りは内務省の警保局ではないのですか。
#23
○鍛冶委員 そうではない。緊急措置令では商工大臣または地方長官となつております。それでやれるということになつておりますから、それでいつておる。だからやれることは、實際まつすぐにやればできる。それを間に入つて變なことをやるから變なことになる。
#24
○加藤委員長 今安定本部長官のお話を聽いてもその點はきわめて明確でないようでありますから、現在遊休物資處理令というものがあるにしても、この委員會としてはそういう委員會處理令に基く活動態樣がどうあろうとも、とにかく委員會に訴えられた國民の聲としての投書については愼重に檢討した上で、急速な處置を必要とすると認めたものに對しては先ほど徳田君なり、中野君の言われた意見を加味して、政府機關に移牒してその結果を直ちに報告を求める。こういうことにしたいと思うが、如何でしようか。
#25
○徳田委員 どうも大分われわれの意見とくい違つておるようでありますが、私の考えではどうも今の官廳にやうしたのでは情報を提供した者もかえつて迷惑をこうむるばかりでなく、この物資がかえつて迷路にはいつてしまらうだから官廳だけではどうしてもだめだ。これをまず最初に諦めてもらいたい。諦めておいて、遊休物資協力委員會というものを至急に設ける。これが設けられたら、將來權力をもつものとして遊休物資全體に亙つてやつていく。こういう建前で、その情報はそれの一部になる。すなわち遊休物資全體に對する措置をする一部の材料になるというふうにしていただかぬと、どうしても困るのでありますが、和田君の意見はどうですか。きようはその意見を聽きたいと思つてここに出て來ておる。そうしてそれから質問したいと思つておる。
#26
○和田國務大臣 結局徳田さんの御意見は、今度政府がやろうとしておりまする遊休物資活用委員會が權限をもつて、計畫も策定し、實施機關をお話のように監督し、推進していく、こういう機能をもつわけであります。しかし今のところ官制なんかつくるのには時間がかかりますので、今地方に、ちようど政府が考えておるような組織に似た自治的なものができておる。それを暫定的に利用したらどうか、こういうわけだろうと思いますが、たとえば自治的にできたものでありますから、暫定的に全國にこれをつくるというわけにまいりませんが、實際上できてしつかりしたものであれば、ほんとうのものができるまでは政府として使つていいと思います。
#27
○徳田委員 これは早くこしらえさせて協力させぬと、これをこしらえてない所でやるならばかえつて有害だ。これをこしらえさせて早くやりたいというのが、私の趣旨でありますから、どうかその點を十分考えていただきたい。
#28
○加藤委員長 そうすると徳田君の御意見は、そういう機關ができるまでは一切投書は取扱わないということになるのですね。
#29
○徳田委員 そうではありません。そういう機關のできない所はやらぬがいい。有害だ。こういう機關を早くこしらえさせて、全遊休物資を一遍に押えなければだめなんです。一つ押えただけではだめだ。遊休物資を一遍に押えないとどこに行くかわからぬから、その遊休物資を全部押える、その一材料に投書を使いたい、これは一つの材料である。この投書ばかりを迫究することになると、これは實際上できない。
#30
○加藤委員長 徳田さんも、私の意見をかなり食い違つて理解しておられる。政府にそういう機關が一日も早くできるということは望ましいことであるし、そういう機關ができれば、全般に亙る調査が具體的に實物について進行するということになりますが、そういうのではなくして、今現在委員會が開かれてから一週間か十日足らずの短い期間であるが、すでに私の手もとに二十通ばかり來ておる。そういうものの氏名所在が明記してある。匿名のものは私はいかぬと思うが、所在氏名の明記はしてあるものを、このままそういう機關ができるまでじつとこの委員會が握つておつて、委員會ができたらそれを渡すか、あるいは委員會がまだできておらぬにしても、不完備ながら政府機關というものがあるから、その政府機關にとりあえず處理をせしめる。處理というのは實體調査です。物を拂下げたり何かという處理でなく、そういう實體を調査せしめて、その結果をこの委員會に報告せしめる。こういうことをやるべきかどうかというこをお諮りしておるのです。これがもし徳田君の言うようなことならば、さつき中野君の言うこととまるきり食い違つておる。中野君は、もう委員會が始まつてから物がどんどん散らばつている状態であるから、さらにそういうものができるまでじつとしていると、もつと激しく散つてしまうというので、中野君の意見と徳田君の意見は食い違つている。そこでそういう實情がすべてよくわかるから、今各委員諸君の手もとに集まつた投書を審査して、それを處理せしむべきかどうか、こういうことなんですよ。これは一部としての問題なんですから……。
#31
○中野(四)委員 私の申し上げたのは、書類を速かにどう扱うかということなんです。これを早くやらなければならんので、徳田君の言わけれるように、完備せる機關を待つわけにはまいるまいと思います。そこでまことに不完全なものであるけれども、現在の安定本部の機關を利用することにやむにやまれぬことではないかと思いますが、その點は後ほど適當に皆さん方の御意見を尊重して、一定の方向に進めたいと思う。まず委員長にきめていただきたいことは、このもつております書類をこのままやるわけにはいかないから、後刻非公式に委員會を開いて、あなたの手もとに出すのか、あるいは理事の諸君が集まつてやるのか、あるいは提供した人間が集まつて取扱うのかということをきめていただきたいということが一つ。今一つは、投書の名前のないものは大體だめだと言われたけれども、名前がなくても取上げなければならん全般的な問題があると思う。たとえばここの來ている群馬縣の一農民からの投書を見れば、これは各警察、ここは本縣警察部としてございますが、全國の警察に關係する問題だと思う。長靴一足と短靴一足を一旦配給があつたにかかわらず、近ごろその皮をどこからかもつてきて、縣の業者に言いつけて現在つくりつつあるということである。こういうのもやはり隱退藏物資のあれじやないか。どこにあるか探してもらいたい。これはあえて名前はあげられないから偽名だというようなことが書いてあります。しかしこういうものは全般的に通ずる問題でありますから、取上げていただきたいと思う。速かに書類をどう處理するかということをきめていただきたい。
#32
○加藤委員長 それではとりあえず問題を二つに分けまして、最初に私が申し上げましたように、今日の政府機關が不完全ではあるが、現在している機關を、急を要する關係からこれを利用する。利用というと語弊がありますが、それをして具體的に調査せしめるということの前提の立つて、その調査の結果は本委員會に報告してもらうということで、一應集まつた書類を政府機關に移牒する。こういうことにして御異議ありませんか。
#33
○加藤委員長 それではまずその點はそのように決定いたします。
 それから第二の問題としまして、投書が集まつた場合に、投書を受けた委員だけが集まつて協議するか、理事會で諮るか、あるいは委員全體の打合會で相談するか、さらに委員長の手もとに出して委員長が裁量するか、こういういくつかの意見が中野君から提出されておりますが、この點について私の考えとしては、處理の具體的な事務的な問題については委員會できめたいと思いますが、その前にひとりそういう情報を受けた委員ばかりでなく、委員全體の打合會でこれを處理したい、こういう考えをもつておりますが、この點はいかがでしようか。
#34
○中野(四)委員 非常に公平なことではあるが、現實の問題としてなかなかむずかしいだろうと思う。それから理事にかけるという方法もいいと思うけれども、どうも理事の選出方法が比例式とかなんとかいうて、跛行的にできております。たとえば共産黨にしろ、農民黨にしろ、第一議員倶樂部にしろ、協同黨を含めて小會派として取扱われ、その中の一名として理事が出ている。決してその理事を信用せぬわけではありませんが、萬般の委員會運營の上にはなかなか支障を來す面が多いから、いつそのこと、これは各提案をする者がたびたびあろうと思います。今日お互いがもつているだけでなく、まだこれがら投書もあるだろうと思います。そのたびたびでありますから、委員長、理事を中心にして、これを取上げていくか、いかないかということをきめていただきたいと思うのですが、この點皆さん方の御贊成を願いたいと思うのです。
#35
○加藤委員長 よくわかりました。今中野君のお話がございましたが、理事會は最初のときにも申しました通り委員會運營の事務的處理にあたるものであつて、政治的性質をもつものではない。であるから信用とか不信用という言葉はちよつとあてが違つておると思いますから、その點はよく訂正してもらいたいと思います。それから今中野君から言われましたように委員長、理事を含めた情報――情報と言うよりも投書というか、口頭もありますが、口頭を含めて、そういう投書を受けた委員が集つて打合會をして、どういうぐあいに處理するかということをきめたい。もちろんその結果は委員會に正式に報告されること言うまでもありません。そういう取扱いで御異議ございませんか。
#36
○加藤委員長 それではそのように取扱います。
#37
○石田(一)委員 ただいまことに結構な提案であり、また異議なく決定されまして結構でございますが、事實この委員會が設けられてすでに三、四囘にわたり委員會が開催されて、相當の論議が盡されているにもかかわらず、この委員會が究明した、しかもこの委員會から生れた調査事實というものが、いわば全然ないくらいで、せんだつての鈴本司法大臣の、政府の閣僚にそういう者はない。もし今後そういうことがあつたときには相當の責任をとるということ。また過日の本委員會において和田安本長官がはつきり辯明をなさいました。この程度の問題しかこの委員會においては未だ調査審議ができないないわけであります。それならばかかる委員會をつくつて、この暑いのにたくさん集つてこんなところで論議するよりも、毎日の新聞を見ている方がよほど結果ははつきりするのであります。私たちが今この委員會をつくつて隱退藏物資等に關する實情を究明しよう。しかもせんだつての第一囘の委員會の席上、委員長が當委員會の性格というか決意をはつきり示された通りに、徹庭的に事實の眞相を究明して、これをわれわれはどう處分するか、どうこれを刑に問うかという權限があるわけではないから、これを社會に發表する。その結果社會的制裁が相當に加えられるだろうということをおつしやいました。非常に私たちは意を強うしていたのでありますが、ただいまのように投書がこの委員に何通きた、これをどうするこうする、全部これを各委員が議題にかけてその事實を調査するということになりますと、結局本委員會だけではとても人員も足らなければ豫算もなくて、そんな投書が事實かどうかということを調べることさえ困難であります。それを徳田氏の言われるのは地方における委員會とか協力會などの運營によつてやろうとおつしやるのですが、そうすると國民が人の住居に侵入して、蓄えてある物資等を取調べる、捜索するという權限が與えられることになるので、せんだつての自由黨の北浦君の御説のように、憲法違反なんという問題も生じてくるのではないかと思います。そこで私たちはまずこの委員會が發足しましたのは、この隱退藏物資等の處理に關係して何らか現在の各政黨が、先般行われた選擧あるいは去年の選擧等においても、この隱退藏物資などに暗躍するやみ屋と結託をして、政黨の選擧運動資金、政黨資金を穫得して、それで何らかやつているかのごとき疑惑を天下に招いたようであります。そういうことから、まずこれを究明しなければならぬということから出發して、しかもこの委員會の審議の過程においてこれらのやみ物資がもし自然に摘發され、これが現在の危機に瀕している日本國民の生活の一助にもなるならば、これより望むものはないというので、この委員會が設置されることになつたと私たちは議院運營委員として實情をよく了承しているのであります。そこで少くとも世耕氏自身が本委員會において問題となすつたせんだつての證人の問題、目白警察關係の水あめ事件というものが世耕氏の口からもち出された。警視廳の官憲によつて目白警察署長に中止命令が發せられた。そのために一萬何千カンという水あめがその後どこへ行つたか全然わからなくなつている。こういう事實をまず系統的に徹底的に、どういう人間とどういう人間とが警察廳あるいは商工省、内務省あたりと結託してこの問題を處理し、しかもその水あめがどういう方法でどことどことに分配されたか。その後そのあめをもつていた、いわゆる岩崎澱粉化學株式會社などがどういう價格でどういう方面にこのあめを處分したのか。處分によつて得た不當利得がどうなされたのであるか。これらのことを追究するならば、政黨に疑惑のかかつていることも雲散するでありましようし、またこの使途が自然に芋ずる式に明かにされて、ひよつとするとどこかにばらまかれた事實が出るかもしれません。そういうことについてわれわれが深く追究すれば、それでこの委員會の使命が果され、隱退藏物資が出てくる。それも自然に出てくるのを待つておるわけにいかぬから、委員會の意思でもつて、他の權限のある委員會にもつていき、強力に要請し、これを監視するという立場に立つていくべきであると思います。そうでないと、何日間こういう論議を繰返してみても、ただ一つの事件の眞相をも調べ盡すことはできないと思います。ただ新聞の社會面の記事の範圍を出でないような、そんな調査の方法ではなく、もうちよつとつつこんだ具體的な、徹底的なこの委員會の調査の審議を要求したいのであります。ぜひ委員長におかれましてもこれが速やかに取上げられまして、この委員會が毎日々々開かれたことが直ちに新聞に發表されて、この委員會があつただけよかつたという具體的な效果があるように、そういう方向にこの委員會を進めてもらいたい。この委員會の第一囘の日に私がこの委員會は拙速主義を貴ぶと言つた意味はそこにあるので、ぜひその方向にもつていかれんことを切に要望したいのであります。
#38
○加藤委員長 ただいま石田君がいろいろ御意見をお述べになりましたが、本委員會の性格は何度繰返しても同じことで、きまつております。それからもちろん終戰當時にどれだけか、天文學的數字を算えるような厖大な物資があつたものが、その後どこにどう行つたかということを調べるのでありまするから、あらゆる問題が起つてくるであろうし、これを單純に拙速主義であるとか、巧遲主義であるとかいうことによつては調べられるものではないのであります。私はしばしば繰返して言います。これがかりに一萬、二萬の派生的な方にわかれていつても、もとは終戰當時にあつた品物がどういうふうに處理されたか、もし正當に消耗されておれば、正當に消耗されたその實情が明らかになる。そうしてその處理の過程おいてもし公訴に値するような事態が起つたならば、これは公訴權を有する檢察廳が活動するであろうし、もし具體的に行政措置を必要とするならば、行政權限をもつた行政官廳がこれを措置するであろうし、この委員會はそれを明白にすることに使命があるのでありまするから、拙速とか巧遲とかいうようなことはおのずから別問題であります。どんな問題でも、いやしくも隱退藏物資に關係すると思われる事柄ならば、大小にかかわらず、それを明白にすることが本委員會の使命である。ただ二囘か三囘の委員會でかれこれ結論を出すというようなことは、それこそどうかと思うのです。斷じてそんなことによつて結論は生れてくるものではない。もちろんいわゆる世耕事件によつて東洋釀造會社にまつわる砂糖の問題から、現閣僚に關係があるとかないとか言われたことは、これまでの審議の經過によればないということはほぼ明瞭であります。しかしながらこれも根本に遡つて、そのことの一切が明瞭にならぬ先に、關係があるとかないとか斷定することは却つて斷定そのものが尚早である、私はこう考えます。從つて全部のものが明瞭にならなければいけない。私はこう考えるので、この委員會は三囘や五囘、十囘、毎日開いても一箇月や二箇月間のこの議會の會期中に結論を得るということはどうかと思います。原則としては會期中にある一定の結論を報告したいと思いますけれども、報告ができない状態であるならば、もちろん休會になつたのちといえども、院議によつて繼續審議を要求するつもりであります。そのつもりで委員諸君も御努力を願いたいと思います。
#39
○石田(一)委員 大變委員長の決意を伺いまして本委員も滿足でありますが、私がただいまここで發言しましたことが、何だかただいま委員長がおつとやることと全然反對のことを不肖石田一松が發言したような委員長の御口吻でございますが……
#40
○石田(一)委員 わかつておるとは何事だ。
#41
○加藤委員長 私語を禁じます。
#42
○石田(一)委員 委員長のおつしやることと石田の言うことは少しも違つておりません。ただ委員長のおつしやるのはなるべく廣範圍に、終戰當時まで遡つて、部隊がどこにどうあつたか、あよゆる物資がどう處分されたかということをはつきり調べて、これがこうなつたとはつきり見すえがついて、さらに派生的な事件が調べられることはよい。その派生的な事件として起りつつあることを私は徹底的にやろうというのであります。これが二囘や三囘の委員會でその眞相がつきとめられるぞという、そうな簡單なものではないと委員長はおつしやいましたが、私は斷言いたします。取調上あるいは調査の方法によつては、今日一囘だけでせんだつて世耕君が委員會で發表した目白のいわゆる水あめ事件なるものが、いかなる方向にどういうふうにやられたかということまで二、三時間のうちにはつきりここで解明できる、しかも………。
#43
○石田(一)委員 よくありません。ただいま水あめのことはどうでもよいというようなお言葉がありましたが、言語同斷だと思います。その水あめ事件に對して警視廳が官憲の權力をもつてこの摘發を妨害し、中止したかのように傳えられておる。はたしてそういう事實があつたかどうか、中止になつたのちのものがどういうふうに處分されたかということを具體的に調べるならば、あらゆる隱退藏物資に關する詐欺事件とか、官憲の妨害事件のやり方といい、その範圍のものが裏でどういうふうにやつておるかということがはつきりここに白日のもとに暴露されるのであります。私はそういう方法によつて一つ一つつきつめていくことの方が、終戰當時まで遡つて、今言われておる五百億圓とか何とかいうものがそつくりわかるまでに、われわれ委員がいつまでも衆議院議員におるというような甘い考えでいたのでは大變な錯覺ではないかと思います。以上私は委員長のおつしやることと少しも違つておりません。ただそれを一つ一つ具體的にやつていこう、何だか範圍がだんだん廣くなつてやつておることがぼやつとしてしまつておるような感がするのです。事實そんなです。だからそれをきめていこうじやないか、こういう意味で私は申し上げたのであります。委員長の意見とちつとも違つておりませんから、この點だけは御了承願いたいと思います。
#44
○加藤委員長 よくわかりました。
#45
○小島委員 私も石田君の意見と同樣であります。この東洋釀造事件は今委員長の言において大體において閣僚に關係ないということは明瞭である。しかし根本に遡つて一切のことを洗い去れば一體どういうことになるのでありますか。一體東洋釀造において、今まで調べたところでは閣僚が關係してないということは明瞭でありますが、もつと根本に遡つて調べなければわからないと仰しやるのですから、その東洋釀造に關する限りでも、一應これを徹底的に調べてしまうことが必要じやないでしようか。
#46
○加藤委員長 東洋釀造の問題については、農林省の調査した資料と先般司法大臣の答辯した資料の間に、まだ食い違いがある。こういうことが不徹底なのであります。だからこういう點を明かにされなければ、最後の結論を得るまでに至つていないということなのですが。
#47
○小島委員 それならそれにもとずいて、東洋釀造事件一つをはつきりするという意味合いにおいて調べていく。必要ならば鈴木司法大臣も喚んでいただきたい。
#48
○加藤委員長 今日喚んでおります。
#49
○徳田委員 今日は特別私は注文をいたしまして、和田君にこつちに來てもらつて質問することになつておるのでありますから、これを今から始めていただきたいと思います。さてこの質問でありますが、遊休物資活用委員會というものは隱退藏物資のみならず、全般的に言つて現在物資が遊休しておるものを、全部的に押えて、これを活用しようという趣旨であると思いますが、それに間違いありませんか。
#50
○和田國務大臣 その通りです。
#51
○徳田委員 そうすると、これによつてあらゆる隱退藏物資がすべてこれは含まれてはつきりすると思うのである。でありますから、これは私は非常に大贊成でありますが、さてこれをやるにあたりまして、全體の物資をただちに封鎖して、これを國營に徴用するのであるか。それともただちに活用委員會というものをこしらえて、調べてちよつちよつとやる、そういうやり方であるか。全體をざぶつと押えて、これを全部國に集中的に管理委員會だの、運用委員會だのに移して、そうして政府の指定されておる方向で、重要點に重點的にこれを運用するのであるか。この根本的なやり方に對して説明がありません。これを説明してもらいたいと思います。
#52
○和田國務大臣 これはやはりお話しのように全般的に適正にやりまして、そのうちで本當に隱退藏物資、遊休物資については全面的に移していく。そうしてそれを活用していくという考え方です。あなたの後に言われたのと同じです。
#53
○徳田委員 それではつきりわかりました。それでは非常に面白い。これは隱退藏するところの全遊休物資、全隱匿物資の國營になるのでありまして、この資材を全部國の生産のために重點的に使われるというのであります。非常に結構であります。結構ではあるが、ここに問題になるのは、この委員會の組織であります。委員會は内閣總理大臣がこれを主管し、官民兩方から任命または委囑する委員をもつて組織するということになつておりますが、これは内閣總理大臣が勝手に、内閣總理大臣の意思のみで、官民兩方から任命するということになりますか、それとも何かこれに對して選擧するとか、一定の方針をもつてこれに任命される委員の性格を決定するのでありますか。その點を伺いたいと思います。
#54
○和田國務大臣 選擧の手續きはとりませんが、それぞれ各政黨なり各勞働組合の團體なりに御相談して、適當なる人を出していただく、こういうふうに考えておるのであります。
#55
○徳田委員 それでは申しますが、ここに官民双方とありますが、この官というものは要らんものである。大體隱退藏物資ができ、また遊休物資ができたこの根本というものは官僚統制の缺陷かり起つたものである。これが腐敗墜落しているから起つたものである。これが被告であるというこういう立場をとらなければこの問題は實際上無意味になるのでありますから、從つてここでは官民双方でなくして、單に民だけで政黨、各勞働組合、農民組合その他の民主團體から推薦せられる代表者をもつてこれを組織するというふうに改めなければ無意味だと思いますが、このことに對して政府の意見はどうでありますか。
#56
○和田國務大臣 私は多少意見を異にしまして、やはり官聽側もこの委員會に參加する方がいいじやないかと思つております。
#57
○徳田委員 由來憲法によりましても、官は主權者ではなく、國民に主權がある。すなわちここにおいてこの委員會は主權の行使者である。この主權の行使者に主權をもたない公僕を入れるということは根本的に間違つておる。憲法違反である。これは公僕である。公僕とは何ぞ、使われるものである。公に使われるものであるから、これは事務をとるならよいが、こういう主權に關係すべき性質のものではない。だからそういうふうにやることは憲法をぐちやぐちやにするものであります。そうしてややともすると國民が政治的になり得ない、また政治的能力を發揮し得ないのは、委員會をつくるときにも、國民のほかに官吏というものがくつついてきて、この官吏がまたなかなか便利に小利口にできているものだから、これを使つてやろうとするから、結局するところ國民の政治的能力がだんだんなくなつていくのであります。この際そういう小手先の官僚的政治家、これを今官廳勞働組合では特權官僚と稱している。この官僚政治家、特權官僚はぜひとも排撃しなければならぬ。これが官廳民主化の最大の問題であると彼らは言つている。これはたしかである。ですからこういう重大なる委員會に巣食う餘地を與えるということは非常に間違いである。だからこの際この重大なる問題を決定するにあたりまして、これは日本の經濟の復興がうまくいくかいかぬか決定するものであるから、これがまずくいけばだめです。あなたの言うように、インフレは物價が百倍以上に上つてインフレになるのではなくして、こういう官僚統制の失敗を徹底的になくするかどうかによつて惡性インフレになるかならないか、これを抑え得るか抑え得ないかというときである。だからこれが絶好の機會であるというならば官僚統制を打倒する、これが重大な問題でなければならぬ。從つて活用委員會におきましては、この官僚統制を打倒するとい根本的方向に向わねば無意味である。それゆえにこれはぜひ人民の主權を重んじて國民だけの委員會にしなければならないと思うのですが、もしそうでなければわれわれは全力をあげてこれに反對する。あらゆる協力をこばみ、かつこれに對して徹底的に功勢に出るつもりであるが、政府としましてはどうしも官吏を入れるつもりでありますか、いかがでありますか。
#58
○和田國務大臣 官民の委員からなるわけでありますが、官廳側ではいりまするのは、たとえば檢察廳とか監査の仕事に當つております地位であるとか、そういう直接隱匿物資、遊休物資の事柄に關係して仕事をしておられます者がはいつてくるだけでありまして、委員の數としてはもちろん民が大部分を占めるのであります。私は官僚の制度というものは制度としていろいろ批判の餘地があろうと思いますが、官僚もやはり國民の一人であるということだけは十分御了解をお願いいたしたいのであります。
#59
○加藤委員長 ただいま司法省刑事局長の國宗榮政府委員が出席しましたから、もし司法省關係で御質疑がありますれば質疑をしていただきます。
#60
○徳田委員 官僚も國民の一人である。なるほどそうである。だけれども官僚が國民の一人となる場合には、これをまず國民に還元しなければいかぬ。すなわち官僚そのものではない。これが一國民として、一選擧民として、またこれが官廳勞働組合の一員として、全勞働組合の構成分子の一員としてならばよろしい。それが國民である。そういう立場から言うならば、官僚の一人がその勞働組合の代表者としてこの委員會にはいるということは、われわれはちつともこばむものではないのである。しかし官僚がそのポストにおいて、その地位においてこれにはいる、これが私はいかぬというのである。今あなたの言われるのはそのポストにおいてはいる。つまり檢察官とか何とかいうポストにおいてはいるから有害であるというのである。だからこのポストにいるものは、これは事務員として、この委員會の主權行使に從つて事務を遂行する。これが行政官なら當り前である。それが事務員としてあたりまえの話で、公僕なのだから、そこの性格を間違えないようにしてもらわなければ話にならないと思いますが、あくまで官僚を入れなければ仕事ができないというのか。政府が金を使つてちやんと役人の生活を保障しているのだから、事務員として使用人として働くのはあたりまえである。そういう任務のために働くならばちつとも差支えない。こういう委員とは別であります。そういうふうに理解すべきだと思うが、政府はあくまで官僚を入れなければならぬというのか。この點を聽きたいのである。
#61
○和田國務大臣 御意見は承つておきますが、われわれの方といたしましては、一應ただいま申し上げましたような構想で、この委員會を働かせていつたらどうかと考えているわけであります。
#62
○徳田委員 それではこれは見解の相遠でありますから、いずれ喧嘩は別の方向でいたすこととしまして、次に進みたいのであります。この機構の運營の中におきまして、處理委員會の調査官というのがある。この調査官というのは現在の安定本部及び地方經濟安定局の監査部が大體これにあたるようであります、そうすると今の監査官というのは結局この調査官に取りかえられることになりますか。これは二重組織であるか、それともこれに全部吸收するのであるか、その點をはつきりさせていただきたいのであります。
#63
○和田國務大臣 調査員ではありませんか。
#64
○徳田委員 調査員です。
#65
○和田國務大臣 ただいまの經濟安定本部の者と民間の者から調査員というものをとりまして、その調査員がこの調査にあたつていく、こういうことになります。
#66
○徳田委員 そうするとこれは兩方二重になるわけですね。監査官は監査官で……。
#67
○和田國務大臣 一緒になつてやるわけであります。
#68
○徳田委員 どうもその點私は一緒になつてこういう組織でやるというならば反對である。すなわちその實際上の仕事として調査をする者は民間から、すなわち國民からなるべきものであつて、そういう監査部とか監査官とかいうものがこれの事務を取扱うというならば適當である。ここに問題があるのであります。そうしないと、調査員と監査官があれば、結局監査官に導かれて調査員というのはやはりそれのさし身のつまになるのである。これはどうしても調査員が主になつてやらなければだめだ。監査官とか何とかいうものは事務員になるべきものだ。この點に大きな相違があると思いますが、この點はやはりあくまでも官僚中心になつてやるべきであるかどうか、ひとつ聽きたいのであります。
#69
○和田國務大臣 調査はやはり調査員というものがやるのでありますから、調査員が一定の權限をもつて必要な關係者から報告を徴したり、また帳簿等を檢査する。こういう權限を調査員にもたせてやつていくわけであります。
#70
○徳田委員 監査官というものはどういう役目をやるのですか。安定本部監査部とか何とかいうのは一體何をやるのですか。
#71
○和田國務大臣 安定本部の方では、監査官と言つてありますが、これがやはり調査員として調査の仕事もやる。その意味で民間からとつた調査員と一緒になつて仕事をやつていくのであります。
#72
○徳田委員 そうするとやはり結局は元に戻りまして、二重組織になるのでありますから、二重組織はどうしてもやらなければならぬ。そういう調査するものは民間人がやつて、事務だけを政府がやる。いわゆる官僚がやる。こういう組織には徹底的に政府は反對するかどうか。
#73
○和田國務大臣 そこは考え方でありますが、結局民間の方の責任ある調査員と、官廳側の責任をもつた監査官とが一緒になつて、この調査をやつていくという方が、むしろ兩方で責任をもつことになりますので、いいのじやないかとわれわれは考えたわけでありまして、二重になるという點は私はないと思います。末端にいけば一つのものになつて、同じ調査員として民間の人も相當責任をもつた仕事をしていく。官廳側の監査官が責任をもつて一緒に仕事をやつていくということになるから、末端においては一つになつていくと考えております。
#74
○徳田委員 これも私の方は反對しますが、これはいずれあとのことにして、もう一つ念のためにお聽きしたい。民間の方で現在協力委員會、すなわち遊休物資活用委員會がまだ正式にできませんので、先ほどお話しました協力委員會というものがそろそろできかかつておりますが、この協力委員會に對しては、政府はこの會の協力を十分認めて、活用委員會ができるまで、あるいは調査委員會ができるまで、これを活用する意思があられるかどうか。
#75
○和田國務大臣 この活用委員會と同じ權限をその委員會に認めることはできませんが、ただあなたのお話によりますと、協力委員會ということでありますから、しつかりした協力委員會でありますれば、私は暫定的には十分御協力願つてやつていいと考えております。
#76
○徳田委員 非常に結構でありまして、それでは早速われわれお大いに盡力をしてつくりたいと思います。とこちでここで問題になりますのは官僚でありますが、官僚は排斥しなければならないという理由につきまして、私はここで一つ質問したいのであります。現にここにある安定本部から出ている資料でありますが、この資料を見ますと、まつたく人を小ばかにしたようなものでありまして、たれが見ても、この資料がほんとうに隱退藏物資摘發特別委員會に出して、これが十分に役立つものだというふうに思つて出されておるものではないと思うのであります。ここで一、二の例を上げたいと思いますが、第一に自發的供出の實例というのがたつた七つしかない。こればかりのものではないと思う。新聞などに載つておりますのをみると、隨分たくさんなものがある。聞くところによればこれは、ほんのわずかであつて、これは委員會用の書類、これは本物だというので兩方あるように聞いておりますが、この際安定本部がほんとうにこれを熱心とやつているということを證據立てるために、すべての原簿を安定本部の現状において調べさせるか。ここへすべてを出してくるか。いずれかの方法によりまして、かかる不まじめなものでないことを明らかにしたいと思いますが、安定本部長官どうでしよう。
#77
○和田國務大臣 自發的な供出の實例は、實は安定本部に來たものだけをここへ書いて出したのでありまして、ほかの官廳へ行つたものはそれぞれ取りまとめさせてから、出させることにしております。安定本部におきましては、材料をお見せすることは、ちよつとも構わないと思います。いつでも必要がありますれば、材料はお見せいたすわけであります。
#78
○徳田委員 それならばここで實際上、この問題につきましても、原薄をぜひ見たいと思うのでありますし。というのは、ここに自發的に供出した實例と申しましても、非常に雜駁なものでありまして、これが何ゆえに隱退藏されたかという理由をちつとも書いてない。また實際上誰がどんな經路をとつて、こんなふうになつたかということを書いてない。でありますからこれは原簿を調べまして、この委員會から特に委員を選び出してもらいまして、原簿を調べたいと思う。その點實際上何もわからぬ。たつた一枚の紙である。
#79
○和田國務大臣 ちよつとお答えしますが、これは今日の委員會の最初にあなたの御發言で問題になりましたように、こういうことを知つて非常に荷が動くのであります。從つてこれはまだ引取中でありますから、ここには名前等は一應出さなかつたのでありますが、どうぞ原簿がありますから、お調べ願つて結構であります。
#80
○徳田委員 ここにもう一つの書類があります。これによりますと世耕弘一君が假指令書を出したもののうち、次のようなものは合法的な物資で、摘發が不可能であつたというので、ここに載せてある。これが數箇所ありますが、さてこの合法的な物資であるというものにつきましては、ただそれだけの言葉だけでは、何の理由にもならない。いかなる理由でこれが合法的であつたかということを調べなければ、問題は解決しないのであります。事實これを見ますと、すいぶん多量の物資を持つている。各個人がガソリンを八本も持つたり、ベンゾールを二十二本も持つたり、モビール・オイルを八本も持つたりヂーゼルを四本、機械油五本、マシン油を四本も持つたり、それになおたくさんの物資で、こういうものにつきましてはいかなり理由でこれが合法的であるかということを明記しておきませんと、委員會ではただ合法的物資である。こうふわふわと書かれて、ふんと言つただけでは、屁をかいだようなものでありまして、何もわからい。だからこれはいかなる理由で合法的であるか。この點を和田安本長官から説明せられんことを希望するものであります。
#81
○和田國務大臣 これは個々のものについては、それぞれの理由は、おそらく原本に載つていたと思うのであります。御指摘になりましたものにつきましては、そういうこまかい理由をお知らせして結構でありますが、大體そういうようなことであります。
#82
○徳田委員 實際はここにマニラ・ロープを二萬五千貫持つておる人があつて、これは合法的だと言いますが、今マニラ・ロープを二萬五千貫も貯えておるのが合法的というのは、よほどどうかしておる。この合法的だという中にからくりがあるのでありまして、單に官廳が手續上合法であるからといつても、これは決して正當ではないのです。それから統制會社が正當に處分したという表面上の理由がありますしても、これにはずいぶん疑わしいものがある。統制會社自體がやみ屋の大將でありまして、この大將が、單に書類や帳面の上で合法的にやる。これはやりいいのです。そんなものは子供でもできる。こういうものの底の底をつくことがこの委員會の仕事でありますから、この内容はそういう意味においてかえていただきたいのです。すなわちこれを合法的なものといたしますれば、當時の公定價格はいくら、これを處分したときの價格はいくら、だれがどういう目的でこれを處分した、そうしてこれはどういう方向にいつの期限附で使われるべきであるか。こういうことをやるべきであると思う。こういうのでなければこの理由は何ら意味をなさぬのでありますから、この點もお含みおきの上で、ひとつ早速資料を出していただいたいのであります。
#83
○和田國務大臣 お話の點は早速よく調べまして出すことにいたします。
#84
○加藤委員長 今安本長官は三時から農林委員會の方へ呼ばれておるそうでうが、徳田君、まだありますか。
#85
○徳田委員 まだたくさんありますが、きようはこれで中止にしましよう。
#86
○中野(四)委員 ちよつと一言だけ……。和田君が行かれる前に二、三お聽きいたしたい。三十日の委員會の經過はお聞き及びの通りです。内閣の責任者たる片山さんから、この委員會に全面的な資料を提出することについては、全力をあげるというお言葉がありました。むろんこのことを信じて私は速やかに資料の提出を求めておりましたが、今日出てまいりました資料は、まことに貧弱と申すか、ほんとうにこれは何ら資料たるべき性格をもつたものでないのでありまして、委員會が始まつてから九日間、まだ資料のこれというようなものが出ぬことは、まことに遺憾にたえぬのであります。このことを私は憂えておるのでありますから、資料を速やかに出すことを第一番に希望しておきます。
 ここで第一にお尋ねいたしたいことは、この隱退藏物資等が多く偏在しておるというのは、一般の噂では第三國人に非常に多いということを言うております。この中華民國人あるいは朝鮮の人々の場合におきまして、これを徹底的に追究することが日本政府の權限においてできるのかどうか。この點をまず第一に和田さんにお聽きしたい。
#87
○和田國務大臣 これはやはりG・H・Qの方に協力を願いまして、それでやつていく。こういうことであります。
#88
○中野(四)委員 そうしますと、たとえばどこそこに中華民國の方々が、相當數の隱退藏物資に類するものを持つておるという場合、一々G・H・Qに斷つてM・Pの協力を求るというふうにとつていいのですか。あるいはただ届けつぱなしで、日本政府の權限においてこれを取締り、それぞれの處置をすることができるというのですか。この點を明確にしていただきたいと思います。
#89
○和田國務大臣 これは實際問題としましては、私は日本の政府がG・H・Qの方へ言つて了解を得て、そうしてM・Pの活動を願つて摘發していく。こういうことになろうかと思います。
#90
○中野(四)委員 この場合に、たいへん敗戰國の悩みと申しますか、非常に大きな不便を感じることは御同感であろうと思うのであります。なかんずく近來この問題に關しまして、多く暴言的な言葉が往々用いられまして、日本の政府なんかの取締範圍でないのだというので、かなり大きく動いておる傾向があるのであります。わけて買う方におきましても、あるいは隱退藏物資をば適當に配分される方におきましては、さような傾向がかなり大きく響きまして、各警察におきましても、さわらぬ神に崇りなしというような傾向が強いのであります。ゆえに白晝公々然として行われるわけではないでしようけれども、かなり活溌にこういう弊害が行われておる點を私は一、二知つておるのであります。こういう面におきましては、安定本部長官とされましては、各地方廳あるいは警察に命じ、これらに對してはつきりとした態度をとるということをば、いま少しあなたの方から嚴命嚴達する意思があるかないか、これを承りたいと思います。
#91
○和田國務大臣 遊休物資に關します委員會ができましたので、これをやります場合には、もちろんお話にようなことについては、はつきりした態度を示してやつていきたい。こういう考えであります。また現在この點につきましては、G・H・Qと十分了解を得てやつていきたいと考えております。
#92
○中野(四)委員 あなたは時間もないようでありますから、私は希望として申し上げたいのですが、口ではそういうふうに言いますけれども、實際にはなかなかそれと逆行した場合が多いのであります。全國にはこういう例がたくさんあると思いますから、特に留意されて、これが徹底を期せられるように御注意願いたいと思います。
 いま一つ伺いたいのは、この隱退藏物資を密告し、これが政府の手に買われましたときは、二割の報奬をやるという制度があるようですが、未だにそれは現存しておりますか。
#93
○和田國務大臣 現存しております。そうしてこの前のときは閣議でただ申し合せをした程度でありまして、二割以内ということではつきりとしていませんでしたが、今度はこの金額以下のものは、たとえば二割なら二割、それ以上のものはどうというふうに限度をはつきりしようと思いまして、一應われわれの方で案をつくつておるのでありますが、ただその割合等につきまして、未だ多少意見のまとまらぬ點がありますから、決定までには至つておりませんが、これは至急決定できると思います。
#94
○中野(四)委員 この二割の報奬制度というものが、かなり惡い結果を及ぼしておるということは、あなた方はお感じにはなりませんが、私が自分ででき得る範圍内において、地方長官の意見を聽きまして、二割の報奬制度というものが、いかに惡い結果を來しておるかということを、如實に知つておるのであります。殊に密告、申告あるいは投書等によりますと、大體集まるものはうそが多い。またあつても、投書があつてから行つてみますと、事實において移動されたりなんかしたものが多いのであります。大體におきまして素人の投書というものは、何かわだかまりがあつて、故意に投書するものが多いけれども、隱退藏物資の實際上において摘發可能なるものは、玄人仲間、たとえば組合なら組合の仲間から、どこそこにはどういうものがあるという申告、密告がやや正確で、パーセンテージからいえば約八〇%までは玄人筋の申告、密告がものをいうと言われておるのであります。ところがこの二割の報奬制度というものは著しく一般の民心をあほつて、故意にいろいろな問題を起してくるということを、非常に危惧しておる點があるというて、各地方廳では一律に私に意見として述べられております。そこでこの二割制度を徹底的にあなた方がやめられるか、あるいは別途の方法に轉換していくかということについて伺いたい。
#95
○和田國務大臣 ただいまお話の報奬についての弊害は、私どもも聞いております。しかし一面から言いますと、やはりある程度の報奬を出しまして、實際の隱匿物資の所在を知ることも必要でありますので、要は出します報奬の金額の割合と、それからその出し方によるのではないかと考えまして、それで今關係閣僚諸公の意見を聽きまして、私どもの方でその具體的な案をつくつておるわけであります。ただ報奬制度はとつておきたいと考えております。
#96
○中野(四)委員 第二は報奬制度に關連して、私は世耕君から出されました世耕指令の内容を一見し、さらに世耕君に質問をしたい點がありますから、私は和田長官に對する質問をこれで終り、次會には世耕君の御出席を求めたいと思います。
#97
○加藤委員長 武藤君
#98
○武藤(運)委員 和田長官に一つだけ伺いたいと思います。遊休物資がかような方法によつて出てきた場合、それを分配するのは、あの要綱によりますと、主務官廳に任せるような形になつております。それで今までの隱退藏物資の摘發状況、それから分配されたものをみますと、隱退藏物資が出た地方の近所の人たちは分配されて非常に潤つておる。しかし出ないところは一向に潤わないというようなことで、非常に非難があります。自分の地方でそのまま分配されるものなら出してもいい。また摘發もするというような考え方をもつておる者もある。そこに二つの食い違つた利害關係があるのですが、出たものを處分する場合、それからもう一つ、今まで役人が出たものを暗々裡に勝手に處分してしまつたのではないかというような疑惑があると思います。そういう意味でこの分配につきましては、その主務官廳に指導權をもたせないで、活用委員會が自主的に民主的に分配を掌る。またその分配については、分量ははつきりしませんが、たとえば半分だけは出た地方に流す、あとの半分は中央で處分して一般的に流すというふうな、何等か從來の缺點を改めるような方法を考えてもらいたいと思いますが、御意見がありましたならば承りたいと思います。
#99
○和田國務大臣 お話の點は非常にごもつともでありまして、われわれとしてもその點については、もつと考えてみたいと思つております。ただわけますのに、なせ官廳にしたかと言いますと、結局物資需給關係に從つてやつていかなければなりませんから、その意味で官廳にしたわけであります。
 あとの地方的の利害と全體の利害とをどう調節するか。これは私どもの方としても十分考えてみたいと思います。
#100
○中野(四)委員 もう一點だけ大事なことを忘れましたから、和田さんにお伺いいたします。この隱退藏物資に對する摘發委員會、遊休物資の活用委員會ができましたことによつて、かなりいろいろな缺陷が現れておることはさきほど申す通りでありますが、中で良心的にこれを提供したい、自發的に出したいという考え方が相當あるようであります。ところがこの際マル公の半分で事實上において買上げております。これがために非常に損害を受ける。事實やみで買つた場合もありましようし、マル公に毛の生えた形で買つた場合もあると思いますが、それをマル公で買つてくれればよいが、マル公の半分で買上げられることによつて、かなり自發的提供が阻まれておることは、愛知縣の工務課の人たちがしみじみ話しておるところであります。これから自發的に、あるいは今後の隱退物資摘發によつて指摘された場合においては、これをマル公で買上げるか、あるいは從前通りマル公の半分で買上げなければならぬかという點について、和田さんの御所見を承りたいと思います。
#101
○和田國務大臣 これは御承知のように、大體方針としてはマル公で買うことになつております。ところが今やつているのは、今年の三月三十一日のものでありまして、改訂前のマル公でありますから、今度價格が改訂になつたものに比べれば、非常に低いものになつていると思います。今後のものはマル公で買うことになつていますが、それについてはわれわれの方で、今どういう價格で買うか審議している次第であります。
#102
○中野(四)委員 これは違うと思います。現在愛知縣で買上げました價格は約七千萬圓、やみ價格で約十億萬圓と指摘されています。ところが事實上の買上値段は――この次の機會に資料をもつてきて見せても結構ですが、それが前のマル公の半額で買上げている。マル公が改訂された今日、隱退藏物資も當然そのマル公で買上げらるべきで、現在のマル公によつて買上げられることによつて自發的に、良心的に隱退物資がだんだん出されてくる傾向を大いに奬勵すべきものだと思うので、あえて長官に申し上げた次第でありますが、これは御考慮中というようななまやさしいことでなく、原則としてマル公で買上げられるように希望いたします。
#103
○和田國務大臣 それは原則としてマル公で買上げることになつております。
#104
○中野(四)委員 ではなぜ半分以下で買つたか。各縣廳では半分で買つている。半分で買つたら、あとの半分を出してやるかどうか。現實の問題として半分で買つているのだから、あとの半分だけ出してやるということは言えませんか。
#105
○和田國務大臣 そこのところは言明できません。
#106
○中野(四)委員 そこがはつきりしなければ何にもならぬ、この點はどうです。
#107
○和田國務大臣 それはよく現實を調べてみました上で……。
#108
○中野(四)委員 ただでとるならとつた方がよい。しかしマル公で買うときめた以上、國民にうそをつくことはいかぬから、今まで半分で買上げたものは、あと半分を出してやるということを、この國會であなたに聽くことは大事なことだと思うのでお聽きするのですが、現實に即して處理するとおつしやるなら、次の委員會に徳田君の要求によつて和田君が出てこられるそうですから、當日私の方から資料を揃えてあなたに提供して、はつきりした處置をとつていただきたいと思います。
#109
○和田國務大臣 資料を出していただきたいと思います。その上で私どもの方で處置をいたします。
#110
○加藤委員長 鍛冶君
#111
○鍛冶委員 私ちよつと和田長官にお聽きしたいと思います。その前に委員長にお聽きいたしますが。經濟安定本部にこちらから、委員會として請求したのは資料の提出だと思いますが、意見を求めたことはありませんか。
#112
○加藤委員長 意見は求めたことはありません。
#113
○鍛冶委員 そこで私ちよつとお聽きしたいのですが、世耕君の發した指令について、そこに指令書委任状、また指令書とありますが、このあとに二、三、四、五として、何か意見のようなものがついているが、これはどういう意圖で出されたものであるか、これを聽きたい。
#114
○和田國務大臣 説明ですから參考として出したのでございましよう。
#115
○鍛冶委員 これは私は説明とは認めません、意見です。もつと言えば鑑定のようなことをしてありますが、殊に第五を讀んでいただきましよう。あるものは不法であるとか、適法であるとか、資料を求めているのにあなた方の方から意見を出されていることは、私は何か意圖があると心得ざるを得ぬがどうですか。
#116
○和田國務大臣 これは別段他意があつたわけではないのでありまして、われわれの方としては參考として出したようですが、言葉が惡ければ訂正いたします。
#117
○鍛冶委員 誰も聞きもしないのにかくかくのものは不法であるとか、越權であるとかいうことは、なんか意圖があると認めざるを得ないが、それ以上は私は言いません。
 それからもう一つ承りたいのは、隱退藏物資等摘發處理要綱というものは昭和二十二年になつておりますが、昭和二十一年ではないのですか。
#118
○和田國務大臣 二十二年の二月です。
#119
○加藤委員長 二月十四日でしよう。
#120
○鍛冶委員 隱匿物資等緊急措置令というものは昨年の二月十七日にできておりますが、これがある以上は、隱匿物資があるからひとつ適法に調べてもらいたいということを申し出ることは誰がやつても差支えないものと思うがいかがですか。ただどこへやるとか、どういう方法でやるということは別ですが……
#121
○和田國務大臣 隱退藏物資の摘發の何に從つて、どこそこにこういうものがあるから調べてくれという申し込みでございますね。
#122
○鍛冶委員 そういうことです。
#123
○和田國務大臣 それは申し込まれるのは結構であります。そのかわり調べるには適當の權限をもつた人がちやんと行つて調べる。
#124
○鍛冶委員 權限をもつた者を通じて調べてもらいたいということは……
#125
○和田國務大臣 そういうことをおつしやるのは差支えない。
#126
○鍛冶委員 そこで、その出された資料のうち、三枚目の委任状勝間敏雄という者、この委任状についてはこのあとになんか警察の取調べを得た上でやれということの奥書があつたということが書いてあるがそういうものは原本にあつたのですか。
#127
○和田國務大臣 こまかいことについてはよく存じませんから、係りの者をいづれ出させまして……
#128
○鍛冶委員 原本と違つている。
#129
○和田國務大臣 私はよん存じません。原本から出したのでありまして、私はその原本を見ておりませんからその點ひとつ……
#130
○鍛冶委員 今度ひとつ原本をもつて來ていただきたい。原本と違つた參考資料が出たのでは大變だと思います。
#131
○徳田委員 これは鈴木法相のここに報告せられた問題に關することでありますが、鈴木さんは三時半ごろに……。
#132
○加藤委員長 先ほど申しましたように、鈴木司法大臣は檢事長會議のためにこつちに來られないそうでありまして、その代りに刑事局長の國宗政府委員が來ておられます。
#133
○徳田委員 委員諸君にお聽きいただきたいのでありますが、鈴木さんに直接聽かなければこれは大して利益がない問題で、鈴木さんが來なければ問題にならぬと思うのですが、鈴木さんが來るまでこの次にまわしておいたらどうですか。
#134
○加藤委員長 鈴木司法大臣の前會における答辯の中の數量の點において、農林省の出された資料との間に食い違いがある。この點の疑義をさらに質したいというお考えから、鈴木司法大臣でなければいけないというので、刑事局長が出席されておりますが、刑事局長ではいけないから次會に鈴木司法大臣の出席を求め、質問をする。こういう御意見でありますが、それでよろしうございますか。
#135
○加藤委員長 それではその點はそのようにいたします。せつかく刑事局長が出席されましたが、そういう事情ですからどうぞ。
#136
○中野(四)委員 三十日に私が緊急に提出してもらいたいと言つて提案をいたしました資料三點、これは急を要する問題である。しかも政府に誠意があれば即刻できるということはその節にも附け加えておきましたが、それはむしろ政府にある資料ですから速やかに出してもらいたいと思うが、四日間も經た今日まだ出てこない。先ほど請求しても、何かうやむやでよくわかつておらない。これは委員長の責任において追究して、速やかにわれわれの手もとへ資料を提出されるようにお願いを申し上げます。
#137
○加藤委員長 わかりました。その點について。前日の委員會で、實はこの席上ではありませんが、委員長のところへ復員廳から四名の人が來られまして、資料提出の方法についていろいろ委員長と打合せをしました。そこで委員長は終戰當時の部隊配置の状況から何から一切をずつととるのでありますから、一日二日でそれができるとは思わぬ。しかし急を要するものは急を要するもので、それが復員廳關係のものであれば直ちに復員廳において、もし安定本部關係のものであるならば安定本部において、商工省關係のものであれば商工省において急に出してほしい。復員廳關係の厖大なる資料につきましては、一目で全貌がわかり得るような包括的な資料を大體この十二、三日頃、遲くも十五日までには一通り揃えて出す。それに基いて、さらにこの點ではいけない、これはどうなつておるかということについて原簿を調べる必要があるときには、ここから委員が復員廳に行つて、大きい書類箱に三杯あるそうでありますから、それをどうでも自由に調査することに話合いをつけてあります。あなたの請求されましたのは復員廳關係よりは安定本部關係だと思いますので、その時も安定本部から來た人に向つてそう言つてあります。さらに正式に請求することにいたします。御了承を願います。
 それから證人については前會決定されましたので、それをそのまま御承認願うことにして、本日はこれにて散會します。
   午後三時三十七分散會
ソース: 国立国会図書館
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