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1965/10/26 第50回国会 参議院 参議院会議録情報 第050回国会 建設委員会 第2号
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1965/10/26 第50回国会 参議院

参議院会議録情報 第050回国会 建設委員会 第2号

#1
第050回国会 建設委員会 第2号
昭和四十年十月二十六日(火曜日)
   午前十時四十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 順造君
    理 事
                稲浦 鹿藏君
                熊谷太三郎君
                村上 春藏君
                小酒井義男君
    委 員
                内田 俊朗君
                大森 久司君
                奥村 悦造君
                平泉  渉君
                山内 一郎君
                米田 正文君
                竹田 現照君
                達田 龍彦君
                村田 秀三君
                白木義一郎君
                片山 武夫君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  瀬戸山三男君
   政府委員
       建設省計画局長  志村 清一君
       建設省都市局長  竹内 藤男君
       建設省河川局長
       事務取扱     畑谷 正実君
       建設省道路局長 尾之内由紀夫君
       建設省住宅局長  尚   明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (建設行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村順造君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 建設行政の基本施策に関する件を議題といたします。
 なお、本件につきましては、前国会において、建設大臣から所信を聴取いたしております。
 これより質疑を行ないます。御質疑がおありの方は、順次御発言願います。
#3
○小酒井義男君 大臣に前に建設行政に関する所信をお聞きしたんですが、建設行政は、大臣の話にもありますように、あらゆる面で非常に立ちおくれをしておりますし、重要であるということには、われわれも同感でありますが、そこで、いろいろな五カ年計画があるわけでございますね。道路、住宅、下水道、治水、その五カ年計画が現在どういうふうな状態で、予定どおり進行しておるのかどうか、そういう点について、大臣の答弁をしていただいたあとで各局からひとつ御報告が願いたいと思います。
 大臣にお尋ねしたいことは、所信の中にも、現在の経済状態の沈滞しておるのを、これを回復させるために、住宅などを中心にした計画の促進をはかっていきたい、こういうお話があったんですが、そこで、私は、根本的な問題は、やはり政府の財政政策をこれからどうするかということにからんでくると思うんです。財源が非常に窮屈だという状態のもとで、これでは、建設事業の促進をはかっていこうということになると、一体どうしてそれをやっていくかという問題が出てくると思うのですが、そういう点について、建設大臣として建設行政の面をこれからどういう方針で促進されていくのかという根本的な問題についてのひとつ考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#4
○国務大臣(瀬戸山三男君) いまお話しの点は、全く非常に重要な問題だと思います。御承知のとおり、私どものほうといたしましては、道路五カ年計画、これは三十九年を起点として四十三年までの五カ年計画で四兆一千億の計画を進めておるわけであります。治水計画は、一兆一千億で四十年度を起点として進めております。それから下水道、これは実際に閣議決定がおくれましたけれども、これも三千三百億ですか、計画を進めておるわけであります。そのほかに住宅、これはいわゆる正規の閣議決定というわけではありませんけれども、四十五年度を目標に、いわゆる「一世帯一住宅」、何とかこの目標を達成したい、こういうことでやっておりますが、いずれも――その他にもありますけれども、きわめて国民待望と申しますか、わが国の政治上重大な問題ばかりでありまして、ただいまもお話のとおり、財政と申しますか、それに応ずる資金関係というものが必ずしも安泰でない、特に現状は御承知のとおりであります。そういうことでいろいろ構想を立て、国民の皆さんの期待にこたえたいという努力をいたしておるわけでありますが、そこになかなか困難性が財政の面からあるという状況でございます。こまかい進みぐあいという数字的な問題は、それぞれ事務当局から御説明を申し上げますが、道路の進み方は、これは計画以上、あるいは計画に応じてやっておる、これはむしろ私どもいまの道路事情からいいますと、少なくとも四十二年度からは、さらに――四年目でありますけれども、拡充、改定をしなければ、現在の道路事情の改善には不適当である、こういう基本的な考え方を持っております。
 治水の面は一兆一千億、五カ年計画を進めておりますが、これは当年度からであります。これも必ずしも、御承知のような河川事情、わが国の災害の実態、こういうことから考えますと、一兆一千億の治水計画が相当満足なものであるとは全然考えておらないわけであります。けれども、これは財政等の関係もありますから、まず、当年度からはこれで進めますが、これも後退させる性質のものでは全然ありません。むしろ計画をオーバーするくらいの進みぐあいでやらなければならない。
 住宅の問題は、これも申し上げるまでもなく、最大の現在における課題であるという考え方で、私どもばかりでなく、ただ建設省のみならず、政府の大きな目標として、政治目標として取り組んでおるわけであります。いままでの五カ年計画――三十九年からですか、四十五年度までのいわゆる七百六十万戸を一応目標にしております。この前申し上げたと思いますけれども、三十八年の住宅統計によりますと、この計画では不適当である、不満足である、実態に合わない、こういう現実でありますから、私どもいま進めております作業は、四十一年度を起点として四十五年度の最終目標をはずさないで、少なくとも七百五、六十万戸の住宅充足を必要とする、こういう状態でありますから、四十一年度を起点の正規の五カ年計画をどうしても立て、同時に、これに関するこの計画を着実に実行するための立法措置を講じていく、こういうことで準備を進めておりますことは、この前も申し上げたと思います。こういうことでありますから、財政の問題等考えますと、なかなか簡単でございません。これは建設省だけのことでは進みませんけれども、しかし、こういう大問題の中でも住宅の問題を最優先にしよう、財政措置としては住宅問題を最優先にしよう、これは現在、政府部内、特に大蔵省などと検討を進めておりますが、先ほど申し上げましたように、政府の施策の最重点第一項目に置こうという考え方でありますから、相当の進歩が期待できると、まだ結論は出ておりませんけれども、考えておるわけであります。住宅に最重点を置くと申しましても、いま申し上げましたように、道路あるいは治水、災害対策の後退をするわけにまいりません。むしろ、これは前進をはからなければならぬ、そういう意味で、いま問題になっております積極的な国民生活の基盤に関する、いわゆる建設部門については、公債によって国民から金を借りてこれを実行しよう、こういう考え方で大蔵省を中心にいま検討を進めておる、こういう事情であります。その他、各計画の推進状況については、お尋ねに従って事務当局から御説明を申し上げます。
#5
○小酒井義男君 いま公債というお話が出たんですが、いわゆる建設公債というものを建設省としては考えておる、こういうことですか。
#6
○国務大臣(瀬戸山三男君) 公債の問題は、先ほど申し上げましたように、これは財政政策全般に関する問題でありますから、こちらだけで決定するというわけのものではありませんけれども、しかし、打ち割って言ってみれば、いま申し上げたようなことでありますから、どうしてもやらなければならない、こういう仕事でありますので、公債政策でやるべしというたてまえを、私どもは主張しておるわけであります。
#7
○小酒井義男君 そこで、これはまだ政府の方針が確定しておらぬという段階でお尋ねするのは少し無理な点があると思うのですが、たとえば道路の場合、道路の建設を促進するために、公債をそういう目的で発行する、しかし、それの償還は、ガソリン税というようなもので償還していくということになる場合と、そうでなしに、建設関係の予算の中へ組み込ませていって、償還はやはり、いわゆる税金で払っていくという考え方と、二つ出てくると思うのですが、建設省としてはどうなんですか。特に目的をきめて、いま言った、道路ならガソリン税で償還をしていくというような構想の公債ということを考えておられるのか。
#8
○国務大臣(瀬戸山三男君) いまお話しのように、従来から道路の問題については、もっと積極的に進むべきである、道路は一日でも早くできたほうがいいにきまっておりますので、ガソリン税を裏づけに公債政策をとるべきであるということは、従来から各方面で主張されておるわけであります。まあ、個人的なことを申し上げますと、私なんかもそういう考え方を持って今日まできておるんです。けれども、いま政府部内では、いま申し上げましたように、最終結論を出しておりませんが、道路だけではありませんので、住宅が非常に大きな問題である。結局、財政の――減税に一方応じようという段階でありますから、財政全般のたてまえから、建設的なものについては公債でまかなう方法をとろうじゃないか、こういうのがいまの進み方の段階でありますので、必ずしも道路については、ガソリン税を裏づけにする目的公債ということは、ちょっといま考えておらないわけであります。
#9
○小酒井義男君 そうすると、来年度の建設関係の予算要求は、そういう公債も含まれたものでやっていくのであって、従来の予算の配分に、建設公債というものは別に積み上げていくんだという、そういう考え方じゃないんですね。
#10
○国務大臣(瀬戸山三男君) 別に積み上げるという考え方ではございません。しかし、相当大幅な資金需要が要りますから、財政全般の運用として、公債にたよらなければならない、こういうことになると思います。ただ問題は、しばしば申し上げて恐縮でありますけれども、最終結論をまだ財政当局も出しておりませんので、いわゆる公債問題についてはいろいろ議論があることは御承知のとおりであります。ただ何でも財政需要が必要だから公債ということになりますと、とめどがなくなるという、これは大きな財政運用の問題があります。したがって、いまの基本的な考え方は、いわゆる積極的な建設部面については、大幅に公債でまかなう余地をとろう。その他各般の財政需要が要るわけでありますから、その他の問題については一般財政でまかなう。どういう区別をするか、これは今後問題でありますが、考え方の基本としてはそういう考え方でいま検討されている、こういう状況であります。
#11
○小酒井義男君 もう一点だけ大臣にお尋ねをしておきますが、来年度の事業計画なり、それに伴う予算要求というようなのは、もう現在の時点ですと、大体建設省としてはさまっているのですかね。それは、四十年度と比べて相当大幅にふやすという方針ですか。
#12
○国務大臣(瀬戸山三男君) 数字は、私いまよく覚えておりませんが、事務局からの話では、相当各事業ごとに大幅にふえております。これが私どもの要求どおりにいくかどうかは、これは今後の問題でありますけれども、もちろん、相当前年度に比べて大幅な伸び率をもって予算要求をいたしている。ただ、その際に、この分はこういう財源でやれというようなことはしておりませんから、それをどうまかなうかは今後の問題になる、こういうことであります。
#13
○小酒井義男君 ひとつ各局から、五カ年計画を持っておられる関係の、計画の進行状況、それから大臣の話にありましたように、これを、たとえば住宅など大幅に繰り上げてやっていきたいということであれば、五カ年計画の繰り上げをどういうふうに考えておられるかというような点について、一応ひとつ説明をしていただきたい。
#14
○政府委員(尾之内由紀夫君) 道路につきましては、先ほど大臣からお話のございましたように、三十九年から四十三年にわたりますところの五カ年計画を持っております。三十九年、四十年度の両年にまたがります進捗状況を申し上げますと、四兆一千億円のうち、公共事業の進捗状況、これは三〇・六%でございます。それから有料道路事業公団でやっております有料道路事業の進捗状況が二五・一%であります。それからそのほかに、四兆一千億の中には府県単独事業がございますが、これの進捗実績が三四・五%と見込まれております。総合いたしまして、三二・一%になります。五カ年の二年目でございますが、五カ年計画が大体年次ごとに傾斜いたしておりまして、後年度にいくに従って規模が多くなる、こういうような傾向を持っておりますので、この三二・一という進捗状況は、大体計画どおりである、こういうふうに考えております。
 四十一年度、第三年度の要求でございますが、五カ年計画の三年目といたしまして、今年四十年に比べまして、予算規模で二二%の増を見込んでおります。これを事業費のベースでいいますと三八%の増、そういう規模の要求をいたしております。これは通例でございますと、この伸びはもっと少ないことになると思いますが、最近の道路関係のいろいろ需要が多うございますので、特に後年度事業を繰り上げるというようなことを考え、また、特に交通安全等のために、従来考えておりませんでした新たな内容のものを追加要求いたしております。交通安全施設の整備といたしまして百二十億円を余分に要求している、こういうような考え方で要求しております。その結果、ただいま申しましたように、事業費で三八%、予算ベ−スで二二%増の要求をいたしております。
#15
○政府委員(畑谷正実君) 治水事業は、いま大臣からお話しのとおりに、四十年度を初年度にいたしまして、五カ年間で一兆一千億円という投資規模で、四十年から執行いたしております。これは、初年度一千七百億円、それで、一兆一千億を遂行いたしますにつきまして、大体平均いたしまして、五カ年の平均伸び率が一二%、そういうことで五カ年計画の進捗をみるということで発足いたしておるわけでございます。これに対しまして、本年度それに予算を計上いたしましたが、御承知のとおりに本年度の災害規模、そういうような点からいたしまして、重要な河川あるいは中小河川のような問題あるいは砂防問題、そういうようなことから考えまして、平均の伸び率ではなかなかそういうことに対抗することができないということで、現在、来年度の予算といたしましては、それぞれ必要な個所を積み上げました結果、事業費で二四%の伸び、国費で三〇%の伸び、こういうふうに私ども考えまして、そういうような予算規模を計上してまいりたいと思います。
 もう一つは、予算規模の中で、国費の中で、そういう三〇%の伸び率となりましたのは、一級河川の指定の問題がございまして、そういうことで国費の伸びがさらに伸びる、こういうことがその差額になっておるわけであります。
#16
○委員長(中村順造君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#17
○委員長(中村順造君) 速記をつけて。
#18
○政府委員(竹内藤男君) 下水道整備五カ年計画の進捗状況について申し上げます。
 下水道整備五カ年計画は、三十八年度から四十二年度までの五カ年で三千三百億ということできまっております。これの進捗状況を申し上げますと、三十八年から四十年度までに千四百四十九億の事業費を組んでおりまして、大体、全体の計画に対しまして四六%の進捗でございます。したがいまして、残り五四%分が四十一年度、四十二年度に残されるわけでございますけれども、従来の事業費の対前年の伸び率が、三十八年度から三十九年度におきましては、補助事業で三七%、三十九年度から四十年度におきましては、補助事業で三一%という伸びを示しておりますので、今後もこの伸びを続けるといたしますと、五カ年計画は達成できるのではないかというふうに考えております。来年度の予算要求につきましては、五カ年計画達成のスピードでいきますと、おおむね三二%ぐらいの増の要求をすればいいわけでございますが、汚濁対策事業でありますとか、あるいは地盤沈下に関連いたします下水道事業がございますので、事業費で四二%増、国費で四五%増の要求をいたします。
#19
○政府委員(尚明君) 住宅建設長期計画につきましては、現在のところ昭和三十九年から四十五年までの間の七カ年計画というのが立っておりまして、これによって四十五年度末に「一世帯一住宅」を実現することでやっております。で、その七カ年における総建設戸数は、計画といたしまして七百八十万戸、そのうち政府施策関係の住宅が三百二十万戸程度ということで計画を組んで三十九年、四十年の事業をやっておるわけでございますが、三十九年、四十年の二カ年におきまして、政府、民間を総合計いたしますと、その二カ年分で百八十一万戸の建設が確保されております。その長期計画に対しまして、おおむね二四%の率でございまして、その伸び率等から見ますると、おおむねこの七百八十万戸計画の線に沿って順調にいっておるわけでございます。しかし、新たな問題が生じました。すなわち昭和三十八年十月における住宅調査結果によりますと、昭和四十五年における世帯の数が、ただいま持っております七カ年七百八十万戸計画における推定による世帯よりもよほど多くふえそうである、おおむね百六十万くらいよけいに世帯が四十五年末にはふえるだろうということが予想されますので、ここで新たにこの調査結果に基づきまして、来年度、すなわち昭和四十一年度を初年度として新しい五カ年計画を立てて、終局の四十五年にはやはり「一世帯一住宅」を実現すると、こういう計画の練り直しをやって、来年度の予算におきましても、その初年度としての要求をするという形をとっております。この場合、私ども考えておりますのは、今後五年間におきましては、約七百六十万戸、すなわち五カ年で七百六十万戸の建設が必要であると考えておりまして、そのうち政府施策関係は三百四十万戸といたしたい予定でおります。その初年度といたしましては、来年度におきまして、政府施策関係全部で四十六万五千戸、これは建設省所管以外の政府施策住宅も計画の中に取り入れてございますが、その要求をする予定に入れております。
 そのうち建設省関係は三十六万六千戸でございまして、前年に比べましておおむね一九%戸数がふえております。そして予算額にいたしましては、実は御承知のように、住宅につきましては戸数の増以外に質の向上、及び、問題になっておりますいわゆる単価の是正という問題がいろいろ織り込まれておるわけでございます。で、質の問題にいたしましても、面積のみならず、不燃耐火構造に移行していくというような問題も含んでおります。それから住宅団地に関連していろいろ公共施設を整備しなければならないという問題も含めておりますので、予算の額は、戸数が一九%増に比べて、一般会計による公営住宅あるいは改良住宅もあるいは財政投融資による公庫住宅あるいは公団住宅につきましても、予算額にして、本年に比べまして、合計九一%増という増を要求して新五カ年計画の発足に万全を期したい、というふうに考えております。
#20
○春日正一君 河川について、この前、大臣は新河川法の施行に伴って水系を一貫した河川管理を行なうとともに、水防体制の整備をはかり、その万全を期する、治水、利水対策の総合的な推進をはかりたいと、こういうふうに言われておると思います。これについて幾つか質問をしたいのでございますけれども、いま河川の問題についても説明があったんですけれども、この前の第一次五カ年計画から四年たっておる。その実際の進行状況ですね、直轄河川、中小河川、砂防事業、多目的ダム、こんなものについて、どういうふうな進行状況になっておるのか、お聞きしたいのですね。
#21
○政府委員(畑谷正実君) 前の五カ年計画と申しますと、昭和三十五年度に治山治水緊急措置法ができまして、三十五年度を起年度といたしまして、十カ年計画が施行されました。その十カ年の中で、前期五カ年が昭和三十五年から三十九年まで施行されたわけであります。これは投資規模が、治水事業が三千六百五十億、この計画で三十五年度から実施されてきたわけでございまするが、御承知の昭和三十六年、そういうような大災害を受けまして、あるいはその間におきましても、局地的ないろいろな高潮の問題、そういうような緊急に必要だというような事態が起こりまして、この予算規模をもっては、なかなか実際の治水に対処することができないというようなことから、それぞれ年度別に繰り上げ、繰り上げが施行されまして、昭和三十五年、三十六、三十七、三十八、三十九の計をいたしました結果、三千六百五十億の予定に対しまして、実際の支出は四千三百五億円という、計画を一八%上回るような実態になったのでございます。これをもちまして応急の治水対策に対処するということにしたわけでございます。この中には、河川工事、ダム工事、砂防工事、そういうようなことがございますが、合計いたしますと三千六百五十億が四千三百億、こういうことになったわけでございます。したがいまして、こういうような実態から、この十カ年計画を改定いたしまして、この実績を対照いたしまして、先ほどお話ししました昭和四十年度から新たに、河川法の施行と同時に、新五カ年計画をつくるということで一兆一千億の計画が立案された、こういうような実態になっておりまして、現在まで、過去治水十カ年計画のうちの前期五カ年計画の進捗状況は、以上のとおりでございます。
#22
○春日正一君 まあ大筋はそういうことだと思うのですけれども、いま言ったこの直轄河川、中小河川、砂防事業、多目的ダム、こういったようなものが、各項目について、いま言われたその計画に沿ってずっと進行しているのか。それとも各項目について進行率で違いがあるのか。その辺、ここは――中小のほうはこのくらいいっておるというような、大体進行率ですね、それはどのくらいになっています。
#23
○政府委員(畑谷正実君) いまそういうこまかい点での進捗のやつ、ちょっと記憶しておらないのですけれども、実際問題としては、同じような、たとえば私のほうで、いわゆる、最近でも一級水系に関するもの、あるいは二級水系に関するもの、あるいは業種別にいうと、中小河川事業、あるいは小規模事業、ダム砂防、こういうような項目について、いまお話ししましたのは、平均で一八%のこういうオーバーをしたということでございますが、実際の項目については、それぞれみな数字が違いまして、いまちょっとここでお知らせできませんが、それぞれ変わっております。
#24
○春日正一君 それはまああとで資料を出していただきたいと思うのですけれども、それで実際問題として、たとえば利水を目的としたダムということで多目的ダムというものがたくさんつくられて相当やられておるのですけれども、しかもそれが、ことしになっても、荒川の二瀬ダム、球磨川の市房ダムというようなところが、下流で災害を起こしている。だから、こういうことの原因ですね、多目的ダムをつくって、利水効果をあげるためにダムをつくったのだが、それで災害が起こっている。これは一体どこに原因があるのかということですね。つまりこういうことを見ると、せっかく多目的ダムをつくって住民が期待しておっても、そのほうの利水の効果が十分あがっていないのじゃないかという疑いが出てくるわけですけれどもね。その辺ひとつ説明してほしいのですが。
#25
○政府委員(畑谷正実君) お話しのとおりでございますが、ひっきょうしてお話を申し上げますと、まだまだ治水の事業が進んでおらないというふうに結論づけられるかもしれません。多目的ダム、いわゆる洪水防除の効用を持つ多目的ダムは、相当施行もされましたし、現在施行もされておりまして、また将来とも考えております。しかし、これらの実際に実施されました結果におきましては、それぞれの効用を十分に果たし得ておると思います。ただ、現在までできたもの、これでもって完全な治水事業が完成されておるわけではございませんので、まだまださらに多目的ダム、もちろんそれと並行しまして砂防も加えました治水事業というものをもっと進捗していかなければならない。こういうことを完備することによって、完全に治水が完成されまして、いわゆる洪水の被害を完全になくするということができるわけでございます。まだまだ現状におきましては、治水事業が中途のためにまた被害も起こるという現状であろうと思います。
#26
○春日正一君 多目的ダムをつくるのに、まあそういう災害が起こるのは、まだ計画どおり工事が先までいっていないからというふうに言われるのですけれどもね、私、この間、川俣が完成するというのであの少し前に二日ばかり見せてもらいに行ってきたのですがね。ダムは確かにりっぱにできている。あの上流ずっと上がっていってみますと、あの中小河川のくずれてきているというのがたくさんあるのですけれども、ああいうものをきちんと砂防措置をとるというようなことが、現地で聞いてみると、実際には計画に入っていない。あれでもう完成したといって、管理事務所だけ残して、そして全部あそこの工事体制は解いてしまうというようなふうに聞いてきたのですけれども、結局そういうところに問題があるのじゃないですか。ダムをつくることだけに金をつぎ込んで、ダムだけはりっぱにできるけれども、ダムの下流なり上流なり、中小河川の砂防、つまりダムができたことによって起こる自然条件の変化、それに適応するような手入れというものですね、それが計画されていないということになると、これは災害防止の目的というようなことがほとんど果たされなくなってくる。かえって不測の災害を起こすというようなことになるのじゃないですか。その辺については、どういうふうな計画を持っておられるのですか。
#27
○政府委員(畑谷正実君) いま川俣の問題がございましたが、いまの多目的ダム、いわゆる洪水防除のダム、それからそれに従います並行した治水事業、これ全部含めて治水事業でありますが、いわゆる砂防も含めましたいわゆる一貫した計画規模というものが、御承知のとおり、ややもすると、私ども、河川全体、あるいは水系全体として、多少そういうそごを来たすことがあるのじゃないかということを実は心配しておるわけでございます。そういうために、今度の新しい河川法によりまして、いままでのいわゆる区間主義といいますか、部分主義ということでなく、やはり河川水系一貫して、そういうようなすべての改修規模、いわゆる治水計画規模というものを全体にひっくるめまして、一定の目的といいますか、同じような水系一貫しての同じ観点から、治水事業、砂防事業、あるいはそういうダム事業をやるということで実はやっておるわけでございまして、多少その点におきまして、そういう計画規模ができましても、なおかつ、いろいろな事業の進捗の途中において、多少そういうようなそごを来たすかもしれませんが、今度の新しい河川法によりまして、水系一貫して今度の新しい基本計画というものをつくりまして、それによりましてそういうことのないように、また予算の配賦におきましても、そういうそごのないように十分していきたい、こういうつもりでおります。
#28
○春日正一君 これは、ついでですけれどもね、そうすると、たとえば川俣の場合なんかは、さっき言ったように、事実そういうくずれが見えてきておるというような状態のもとで、そういう工事も中止して管理だけにしてしまう、ダムの管理だけというような状態になっているものは、あらためて来年度の予算なり何なりで、そういう点にきちんとした工事を加えるというような考え方、計画というものはおありですか。
#29
○政府委員(畑谷正実君) 一般的に、いわゆる計画規模の中には、異常な災害というものも十分考えられないわけでございます。たとえば今回の災害によりまして、いろいろそういう点に当然手当てを加えなければならないというようなことがありましたら、そのつどそういうものを十分考慮いたしまして、早急にそういうような復旧なり、あるいは治水の促進をはかるというふうにしていきたいと思います。
#30
○春日正一君 それから同じダムの問題でも、発電ダムの問題ですね、この新河川法で災害防止のための緊急措置をとることができるということになっているわけですけれども、実際にはこの間の二十四号台風で佐久間ダム、秋葉ダム、中国電力の浜原ダムなどの下流で災害を起こしているわけですね。こういう場合、建設省としてどういう措置をとったのか、今後どういう対策をとるようになっているのか。つまりあそこは、佐久間の場合は、電発のダムですけれども、建設省としてどういう監督責任があり、どういう措置をとってきたか、そこのところを少し聞かせていただきたい。
#31
○国務大臣(瀬戸山三男君) 技術的な面については、技官から御説明申し上げます。
 いまの天竜川の佐久間ダム及び秋葉ダム、私は従前からあの地帯を見ておりますけれども、技術上の問題はもちろんわかりませんけれども、たまたま先般の二十四号のときには、ちょうど九頭竜川のはんらんで福井におりましたものですから、それからすぐ引っ返して名古屋に飛行機で帰りました。その前にラジオ、テレビ等によって、佐久間ダムのはんらんの問題がわかっておりましたので、中部地建局長を呼びまして、その事情を確かめたら、ダムの操作については、御承知のとおりに、これは発電オンリーでありますから、現在の河川法改正前の設置にかかわるものでありますけれども、御承知のとおり、ダム操作についていろいろ認可を受けた規程があるわけであります。操作のやり方が悪かったのではないか、あるいは放流の時期を誤っておったのではないか、こういう意見が当時出ておりましたから、その点について詳細に報告を受けました。ところが、ああいうときには非常に技術的な苦労をするようでありますが、夜通し台風の状況、雨量、水位、河川の増水の状況等、もちろんダム管理所及び中部地建の職員総動員で、夜通し苦労したようで、結果については、いまお話しのように下流の天竜市等に水害を起こした。そこで第一番に、操作の問題でどうであるか、この点はこまかいデータによって説明報告を聞きますると、操作の点で誤りはなかった、こういうふうに各般の統計あるいは資料によって説明がありました。けれども、私が感じましたことは、これ以上は、技術の問題と法律の問題、やや離れておりますければも、なるほどダム操作はきめられた方式に従ってやったかもしれない。あるいはまた雨量のあり方が予想意外の状況であったかもしれない。けれども、現実に下流において災害が起こった、これは事実でありますから、河川を管理する者としては、そういう場合の想定をして、やはり人命、財産に損害を与えないような措置をするのが、われわれの責任ではなかろうか、こういうふうな感じを持ちましたので、従来のダム操作の規程を、そういう場合を想定して再検討することが必要である。いま電発と申しますか、ダム管理者の発電会社としては誤りはなかったということであるそうでありますけれども、しかし、結果においてそういう災害が起こったのであるから、そういうきめ方に問題があるのではないか。雨というものは一定しておらないけれども、こういう場合もあり得るのだ、しかも、二十四号の状況というものは、御承知のような状況であるから、そういうときになかなか自然の動きというものの予想はむずかしいそうでありますけれども、ある程度むずかしくても、これは実例として災害が起こったのであるから、こういう場合を想定して、将来に備えて、こういうこともあり得るのだから、そういうときにどうすべきであるかということを、ダム操作の方向について深く検討しておいてくれ、こういうことを実は指示をした。その後、全国のダムの問題につきまして、もう一ぺん個別に再検討する必要がある、そういうことで、これ以上はこまかく専門家から御説明を申し上げますけれども、全国のダムの問題について、最近の台風あるいは雨の降り方に相当変化がきておると思うから、そういうことを予想して再検討する必要がある、そしてダムによる水害等の防除の万全を期する必要がある、こういう通達等も出して、いま各個別の再検討をいたしておりますから、その点については、事務当局から御説明を申し上げたいと思います。
#32
○政府委員(畑谷正実君) いまお話しの佐久間ダム、秋葉ダムの問題につきまして、資料をとりましていろいろ検討調査をいたしたのでございますが、御承知のとおりに、ダム設置の場合に、ダムの操作規程というものをつくりまして、治水上支障のないように操作をやるというのができておるのでございます。実際のダムにおきましては、操作規程によりましてそれの施行が行なわれておるということで、そういう点では何ら問題がないというふうに私どもは考えております。
 具体的に申し上げますと、今回の水によりましても、非常に容量の大きな佐久間ダムにおきましては、十七日の十四時ごろから、将来の、推定二千トン以上が流入量として出てくるであろうということを予期いたしまして、水位を下げるという、洪水調節の準備をするということにしてきたわけでございまして、その結果、結果的には実際の流入量三千六百二十トンが、実際の放流におきましては三千三百二十トンと三百トンのピークがカットされまして、いわゆる洪水の低減がされたわけでございます。
 秋葉ダムもそのようでございますが、秋葉は非常に容量が少ないために、そういうような状態が出ませんですが、これはほとんどが佐久間ダムのそういう洪水カットによりまして、秋葉も実行を行なったということでございます。ただ、その中間におきまして非常に大きな支川の流入がございまして、途中においていろいろ浸水被害が起こりましたけれども、これはやはり一貫した治水問題についてまだ検討を加える必要があるのじゃないかということでございまして、これについては速急に調査をいたしまして、それに対応する策を講じたいと、こう思っております。
 それから全般的な問題でございますが、いま大臣からお話のありましたとおりに、いわゆる利水ダムは操作規程によりまして一つの操作というものをやっておりますが、実際問題では、その範囲内であったら災害はどうでもいいということにはいきませんので、大臣の御趣旨もございまして、操作の規程の範囲内におきましても、将来の災害が非常に大きくなるという場合には、当然指示の問題がございます。いわゆる予備放流なりあるいは水位低減なり、そういうことによりまして下流における災害の防止あるいは低減するというような指示をするわけでございます。この点につきましては、全般的にやはりもっと積極的に、個々の問題について一番大きなのは、やはり将来雨がどういうふうにくるであろうということの推定が非常に大きな問題でございます。そういうものを含めまして、個々のダムにつきまして、全国的に現在全部調査を執行いたしまして、さらに洪水防御のための万全を期したい、こういうふうにいま努力しておるわけでございます。
#33
○春日正一君 佐久間ダム、二俣の水害、私、あそこに行って見せてもらって関係者から実情や意見をいろいろ聞いてきたのですが、やはり問題になっている、たとえばダムの操作の問題では、まあ電発側に管理権があって、規程通りにやってきたと、こういうふうに言っているのですが、あそこの所長にも会っていろいろ聞きましたけれども、まあ自分としては最善を尽くしてやったというふうに言っておるのですがね。しかし問い詰めていくと、やはり水利ダムといいますか、これがきちっとワクになっておって、水利ダムだから一定水量以下に減らすわけにいかぬということを言います。そして私らしろうとが考えても、二十四号台風がもうマリアナ付近で出たときから、絶えずわれわれに状況を知らされておるわけです。そして一日前ごろには、豪雨注意報とか台風注意報とか、テレビでやっておるわけですから、まして水を扱っている当事者がそういう問題に当然注意を払って、二十三号のあとの二十四号なんだから、それにこたえてダムを少しあけておく、そして二十四号の被害を軽減する、当然それやるべきじゃないかと言うと、発電ダムであるから流すわけにいかない、水一トン一円だ、もし流して雨が降らなかったらどうするということなんですね。結局一トン一円というこの水が大事だからためるだけためておいて、そしてあの場合には、どうにも急に流れてきてならぬという状態でダムがあけられた、だから下流の人たちに言わせると、三十六年のときにも、あれを食ったけれども、しかしあのときには、水がじわじわ出てきたから家財道具をのける時間があったけれども、今度は自分が逃げるのが一ぱいで、二、三十分の間に水が出てきたというような事態になっているのですね。だからその点で、先ほど大臣が言われたように、発電ダムであろうとやはり住民の被害をなくすためにそういう台風時というような非常の事態には、水のほうを犠牲にしても被害を防ぐようにすべきであるという管理のしかたにしてもらわないと、下流の住民は絶えず被害を受けることになってしまう、これも一つの点だと思います。これは大臣も先ほど言われておりましたけれども、そういう方向で管理の規程なりはっきり変えていただくということが望ましいと思うのですけれども、まだほかにたくさん問題あります。私ども行ってみて、やはりあの一番水害を受けた天竜市のあの二俣のところ――横山地区というのですか、あそこでは気田川というかなり大きな支流があるのですね。そして両方が言いわけを言っている。たとえば発電所へ行っても、うちのダムで出した水は三千三百ですか、だからこの水であの辺に水のつくおそれはないのだ、しかし、気田川の水がうんと出たらしい、この水のせいじゃないかと、こう言うのですね。しかし、当然雨が降れば支流の水も出てくるし、事実あの辺を聞いてみますと、放流以前に気田川はほとんど最高水位にきておった、そこへ上から流れてきたために、たちまちあふれたという状態になって、しかも問題なのは、その気田川の流量というものが、だれにもわかってない。観測するような設備になってないということですね。そうすると、ダムをつくって、ダム操作して、それで多目的にしろ電源にしろ、その水害を防ぐというような場合に、この上流なり下流なりの降水量とか、そういうものの観測の装置、それが十分整ってなければ、こういう災害を防げなくなるのじゃないか。その点でいま言ったような気田川というような相当大きな川の流量が、全然つかめてないというような問題になっている。こういう点については、建設省としてどういうふうに考えておられるのか、その点聞かしてほしいのですがね。
#34
○政府委員(畑谷正実君) 全然知らないというわけではなく、もちろんこまかい観測所は私ども持ってございませんが、要すれば、天竜川本川として一番問題になる二俣地区、あそこから下は、明治以来改修しておるわけです。そういう本川全体としての一つの降水量の観測、それから推しまして、各支川の水、いままでの経験からいいまして、このくらいだということでやってございますが、御承知のとおりに、やはり非常にこまかいデータは、確かにないわけでございます。今回の水につきましても、本川問題としては、一応計画洪水をもちろん突破するような水ではございませんで、水系全体としての、いわゆる降水規模からいうと、そういう天竜川としてどうのこうのという問題ではございませんが、やはりこまかいそういうような支流の出水の問題、それから支流から出てくる水がどういうふうに本川に時間的にぶつかってくるか、たとえば、同時にぶつかってくるか、あるいは時間差があってぶつかってくるか、多少そういう点で、私ども、やはり治水計画上もっと検討しなければならぬことがあるのじゃないかと思う。そういう点から考えて、やはりあの地区の治水上における全体的な考慮を払う必要があるのじゃないかということを、さらに十分今回の出水を検討いたしまして考慮したい、こう思います。
#35
○春日正一君 その点では、いまお話も出たように、たとえば支流の水というようなものを推計する程度で、特に支流といっても小さな小川じゃなくて、気田川なんていうものは相当なもので、上のほうに発電所がある。そういうものの水量なり、その辺の降雨量なりというものが、やはり佐久間なり秋葉なりの水量の測定とあわせてやられないと、あの地区での放水の問題というものは解決つかないわけです。そこらが抜けているんじゃないか、そういう点を指摘したいと思うのです。
 それからもう一つの問題は、警報装置の問題ですね。あそこに行って聞いてみますと、警報が鳴らなかったということを言っているんですね。つまり警報装置のサイレンはあるけれども、サイレンの電源を中部電力の一般のあれからとっておったために、たまたまそれが停電した、鳴らなんだ、こういうことですね。そしてあとから鳴ったけれども、もうそのときには水に追われておって、何が鳴ったか、何回鳴ったかわからぬというような状態になっている。この警報装置の問題なんかについても、非常に遺憾な点がある。その点について、私、佐久間ダムに行ったときに、あそこの所長に、このダムのところから直通の警報装置をやるべきじゃないかと言ったら、それをやるには金がえらいかかるというようなことで、実際不可能だということを言っておったけれども、しかし、金のかかるかからぬの問題じゃなくて、やはり警報装置があっても、そういう――まさに台風の場合には停電しがちのものですから、その停電しがちの電源でもってサイレンにつないでおったのでは意味をなさない、こういうところにもかなりおざなりな手落ちがあるのじゃないかという点ですが、ここらの点についてどう考えておりますか。
#36
○政府委員(畑谷正実君) 確かに御指摘のとおりに、今回は停電をしたためにサイレンが鳴らなかったという事実があるわけであります。これにつきましては、先ほど大臣の指示のとおりに、やはり利水ダムだろうが、そういうような設備、そういうものについて、私ども時々、勧告、指示いたしまして、そういうことのないように早急に処置をいたしたいと思っております。
#37
○春日正一君 具体的に、ないようにということの意味はどういうことなんですか。たとえば電発のあそこの佐久間ダムの所長なんかに言わせれば、中電の停電しない率は非常に高い、停電ということはめったにないことだ、だからそういうことがたまたま起こったんで、めったにあることじゃありません、と言うけれども、災害というものもめったにあることじゃないのだから。そうすると、そういうことでなくて、じゃ、どうするか。たとえば私、二俣のほうに行ってみたところが、あそこの警報装置は無線でやるようになっておりますね。そういうようなことでも至急におやりになるというような考え方なのかどうか。
#38
○政府委員(畑谷正実君) これは災害が起こったときに活用されるのがほんとうでございますから、災害が起こったために、あるいは停電によってそういうことができなかったということは、これは許されるべきことではございませんので、そういう停電があってもそういうことのないようないろいろな予備電源なり、あるいは無線なり、そういうことによって、そういう警報が完全に伝達ができるように指示いたします。
#39
○春日正一君 それからもう一つは、あの流域で私ずっと見てきて、写真もとってきたのですけれども、中小河川といいますか、ほんの小さな支流ですね、これがダムができたために非常に荒れて、災害を起こしている。そしてこの災害については、電発なんかで聞いてみると、私どものほうのダムとしては差しつかえありません、ほうっておきますということになっている。それから、聞いてみますと、今度新河川法で天竜市のかなり上のほうまで建設省直轄ということになったけれども、秋葉ダムと佐久間ダムの間というのは、あれは抜けているのですね。いままでの県でやるということになっている。その区間が非常にひどいものです。私、写真もとってきたけれども、こういう流れてくるところ――まあ河川といってもほんとうの小さな川ですがね、これが流れてきて、大きな石を流してきて天竜川のそばをこう通ってダムへ行くあの道路のところにかけてある橋、あれの下に一ぱいたまったり、さらに流れて出てきても、本流がダムのために水流がやわらかくなっているために流れないで推積してしまうというようなことのために、あそこで水害を起こしているわけです。これをどうするのかと言ったら、ダムのほうでは、私のほうでは知りません、ということになりますとああいう中小河川の非常にたくさんある被害、こういうものを一体どこの責任で直すということになるのですか。
#40
○政府委員(畑谷正実君) 当然治水上の問題ですから、私どもが十分措置しなければならないわけでございます。いまお話しのとおり、大きな重要な河川になりますと、やはり県ごとにそういう管理体制が違うために、計画上の問題にしましても、処置上の問題にしても、いろいろそごを来たすということがいままでややもすればあるような状態だったわけでございます。そういうことをなくするために、特に天竜の問題にしましても、やはり水系一貫して、まず治水の全体計画規模というものをつくりまして、なおかつ、そういう点の実施の問題につきましても、そごのないようにするようになっておるわけであります。そういう点につきまして、今後はやはり全体的に見まして、一貫したそういう水系計画としての事業の基本計画をつくりまして、それに従って中小河川ももちろんのこと、それに付随する砂防についても、一貫した計画でもって、どこがやるか、そういう全体的な構想、規模のもとに並行して実施をやっていきたい、こういうふうに考えております。
#41
○春日正一君 その問題に関連して、ああいうようなダムをつくるとか何かをする場合ですね、単にダム自体をりっぱにつくるということではなくて、当然その工事の進行過程で、その関係しておる土地の住民の安全とか災害を起こさぬということにしてやらなければならぬ道理だと思います。ところが、私行ってみて、非常に驚いたんですけれども、佐久間ダムの下のほうに西川という支流があるのですがね、ここは、こっち側に部落がずっとあって、川のそばにですね。これを、まあダムをつくるときに、ここに道路をつくるからどいてくれと言ったけれども、住民がどくことはいやだと言ってどかなかったから、対岸のほうにつくった。対岸のほうは非常に堅固な護岸がしてあるわけですね。そのために激流が流れてきて護岸にはじき返されて、こちら側の部落のほうの側の岸を全部えぐってしまって、それで家屋が実際に落ちて流されるという事態が起こってしまったんです。そういうことで、何か土地の人の受け取り方では、むしろ報復的にやったんじゃないか。立ちのかぬものだからこっちをうんと堅固にして、わざと水がぶつかってざまを見ろということにしたんじゃないかというような受け取り方までしているのです。これは、ああいう公共事業のあり方としては実によろしくない問題だ。当然こっちに堅固なものをつくるならこっちも堅固なものにして、住民を安全にさしてやるということにしなきゃならぬと思いますよ。
#42
○国務大臣(瀬戸山三男君) その川はどこら辺にあるのですか。
#43
○春日正一君 その川は、全体の地図で、竜山村というところですね。だから秋葉ダムのすぐ下ですね。――これをちょっと向こうに見せてください。赤点のついているところが全部被害を受けたところですね。秋葉ダムのすぐ下のところです。
#44
○政府委員(畑谷正実君) いまお話がございましたが、ダムを設置するとき、もちろんダムを設置したあとでも、ダムの問題につきまして、これがいろいろな影響があるということは、これは当然悪影響は排除しなきゃならぬと思いますが、いまお話しのやつは、ちょっとここでお聞きしても、これがダムの工事のための問題であるか、あるいは報復手段であるかというふうには、私ども考えられないわけでございます。いろいろな個々の問題について、事実被害があったわけでございますが、これについては、私ども、十分その原因なりいろいろなことを調査いたしまして、全般的にはやはり治水上にまだまだ不十分な点があるんじゃないかと思いますが、治水上の問題については、これが早急に解決をはかっていきたい、こう思います。
#45
○春日正一君 この問題は、私はまあ自分の目で見て、しろうとが考えても、確かにこれだけ堅固なものがあってですね、水がぶつかってこっちにくるというふうに見られるのですが、あなたのほうでも調査してどういう処置をとるか、それを報告してほしいと思うのですがね。そういうふうにしてもらうことにして、その次もう一つ、それでこの問題と関連して、地元の天竜市の市長、あるいは竜山村の村長なんかも言っていますけれども、この災害が起こってきた原因として、ダムのそういう問題もある。しかし同時に、あそこが林業構造改善の模範地区になっているんです。林道がつくられて、私も行ってみたけれども、非常に大きく伐採されて、それで植林はしてあるけれども木が非常に小さいという状態が非常に多い。だから、あれだけの豪雨が降るとほんとうに石がどどっところがり落ちるような勢いで出てきて、そのために中小河川はこんなでかい石がごろごろ流れてきて、ダムの本流のとば口まで流れてきて困ってしまうというような状態になっておる。そうすると、これはこっちの、川俣の場合もそうですけれども、あそこでも国有林の伐採が相当やられておる。そうすると、ああいう河川のいわゆる治水そういうものとの関連での林野政策、これがお互いに調整されてやられていかなければ、建設省がただ河川のことだけに一生懸命心を注いでおっても、まわりの山は坊主にされちゃって、そのために思いがけない災害が起こったというようなことになれば、建設省としての意図に反した結果が出てくる。あそこの場合では、確かに豪雨が降ったということ、それからダムがそのために放流されたということと同時に、まわりの山が坊主にされたという問題が原因だというように、地元の人たちはみんな言っている。ということになりますと、やはり治水の問題において、農林省の関係の林業との関係の調整がどういうふうにとられておるのか、これからどうしていかなければならぬかという点についての考え方を聞かしてほしいんですがね。
#46
○政府委員(畑谷正実君) 私どもの砂防工事と、それから、それに関連します農林省の林野、いわゆる治山のほうの問題でございますが、確かに御指摘のとおりに、省が違うためにそういう点で非常に大きな災害、あるいはそごを来たすというようなことがないように、私ども実は努力しておるわけでございますが、御承知のとおりに、治水問題にしましても、治水五カ年計画というものの、やはりそれと関連して治山治水というものを一貫して考えるということで、閣議決定も治山治水という問題が取り上げられております。
 それから実際問題として、私どもの砂防と、それから治山課の砂防の林野砂防の問題につきましては、具体的に――抽象的な交換ではいけない……。去る三年ほど前から、実際の担当官の交換をいたしまして、治山課の担当官、こちらの砂防課の担当官を交換いたしまして、そこにいろいろな意思の疎通のないようにする。また同時に、今度の新しい五カ年計画を策定する際につきましてのいわゆる砂防の五カ年計画、それから治山の五カ年計画、こういうものを個々につき合わせまして、全体の計画規模もこれによって調整する、同時に、実際の施行におきましても、そういうような個々の問題について、毎年の予算折衝のときに、農林省の林野問題とこちらのほうの砂防問題がそごのないようにしていきたいということで実は努力しておるわけでございます。これは全体的には非常に効果があがっているというふうに私ども考えております。いろいろな個々の問題についてまだまだ足りない点があれば、もっともっとそういう点で詰めまして、絶対にそごのないように努力していきたいと思います。
#47
○春日正一君 それは農林省との関係はうまくいっているというんですが、私はまだ建設委員になったばかりで、初めて幾つかのそういうところを見たばっかりですが、私の見たところでは、地元でみんなそれを言って不安に思っている。私らしろうとが見ても、坊主になっているというような状態があるということになると、私がたまさか一番悪いところへ、川俣ダム、佐久間ダムという一番状況の悪いところへ行ったということになるかもしれないけれども、しかし、そういうのが現実にあるのだから、そういう点では、そういう地域では木を切るというような問題は、治水との関連で調整してやるというように具体的に努力をしてほしいと思いますよ。
 そこで、最後にひとつ、これは大臣の直接答弁ということにもなると思いますけれども、今度まあ非常に多く災害が起こっているのですね、予想外に起こっていますが、私、高田、直江津も行ってみましたけれども、あの辺は、直江津なんかかつて水害のなかったところだというところが、市当局にいわせると二十億ぐらいの被害を受けているというようなふうにいわれていますし、さっきいった佐久間のあの沿岸を見ても、中小河川はほとんど大きな石が流されてきている、あのままではふさがってしまうような状態になっていると、こういう災害が全国たくさんあったと思うのです。しかし、これを復旧していくのに、もちろん個人としては大きな打撃を受けてもできないし、地方自治体も財政状態が非常に困難でできないしということで、いま言った趣旨で国の援助ということがいわれているのだけれども、その災害復興について、国としてどれくらいなことをやろうとしているのか、やってきたのか、そこらの考え方を聞かしていただきたい。
#48
○国務大臣(瀬戸山三男君) いまお話しのように、高田市あるいは直江津市、これは従来なかった災害であります。あの地帯は根本的には、そう大河川ではありませんけれども、あの付近を取り巻いておる川の状況がきわめて不満足な状態になっておる。言いかえますと、治水対策が非常に手おくれになっておる。こういう状況で、私も、直接現場に行きませんけれども、地元の方のいろいろお話を聞いて図面等で見ますると、全くそういう状況になっております。ですから、これはまあ従来ああいう異常な雨があすこは降らなかったから助かっておったというわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、そういうことは自然の状況としてあり得るわけでございますから、まあ現にあった。治水対策を早急にやりましょうということで、地元とはお話をいたしておるわけであります。地方財政その他の問題はありますが、そういう場合には、御承知のとおりに、いわゆる激甚な災害がありますと、いろいろな助成措置を講ずると、今度の場合は、一般的に公共土木について、その他についても、いわゆる激甚災害法を適用する、あるいは農業関係でも天災融資法を適用するということで、いまの制度でできるだけ最大限の国家の助成をしていこうと、こういう対策でいま進めておるわけであります。根本的にはやはりあの付近の川の改修をすみやかにする、こういうことであろうと思ってそれを進めたいと、こういうことでございます。
#49
○春日正一君 激甚法の適用というのは、あれ以後現在まで、どのくらいな件数が適用されていますか。災害激甚法のあれ、適用の申請が方々から出ているけれども、どのくらい適用が認可されるというのですか、なっていますか。
#50
○国務大臣(瀬戸山三男君) 災害のあの二十三号から四号、五号――五号は一部でありますけれども、途中における豪雨、こういうものを全部含めまして激甚災害として激甚法の適用をすると、これが第一段階でありまして、それから、もちろん新潟は県としての激甚法が適用される状態にあります。その中で御承知のとおり、また各地方団体と申しますか、町村別に、その災害の程度に応じて激甚法が細部にわたって適用されはしないか、こういう段階で、これはまあこまかい査定をいたしましてやるわけでありますが、いまお話しの高田、直江津地区は、災害の非常に大きなところでありますから、当然にこれは適用になるものと、こう見ておるわけであります。
#51
○春日正一君 その激甚法の適用の問題ですけれども、これまでの例だと、激甚法によって復旧するということで、毎年災害で明らかに、そういう橋なら橋、堤防なら堤防の状態がこういう状態であったから災害が起こったというのに、また、そのままの形に復旧するというようなことがやられてきておる。特に直江津の上流、あの地区へ行ってみると、あの急流の河川に、前に橋げたがあったからといって、今度もコンクリのピアを狭い川に二つもぶち込んだ。そこに大きな流木がきて、それがダムになって、河川の堤防の裏側を削ってしまっているというような状態を私は見てきたんですがね。地元の当局でも、住民でも、だから復旧してもとのようにされたんでは困る、やっぱり災害があって、あとに復旧しようというからには、その災害の経験から学んで、改良して復興していくということでなきゃならぬし、そういうことを希望しているんだが、という意見が強いんですけれども、建設省として、その点について積極的にどう考えておりますか。
#52
○国務大臣(瀬戸山三男君) お話の点は、原則論としては従来から非常に議論のされているところでございます。御承知の公共土木災害復旧の国庫負担法の第二条でありますか、これには、いわゆる災害復旧は原形復旧とするというような規定があります。これは、私、観念の問題だと思うんです。復旧ですから、もとに返す、こういうふうな条文の書き方になっております。数年前までは、いわゆる原形復旧である、したがって、もとに返すという考え方が行政府に行なわれておったことは事実であります。しかし、これはこっけいな話でありまして、この負担法にも、御承知だと思いますが、再度災害が起こりそうである、あるいは原形の復旧が適当でない、こういう際には、改良してやるべきだという条項も明記されておるわけであります。それからもう一つは、例の災害対策基本法、これにはそういう心得書きがしてあるわけでございます。再度災害が起こらないようにすることを旨としてやるように示してあります。最近はそういうことはありませんので、原形復旧で再度災害がなければけっこうでありますけれども、しかしながら、特に未改修の河川などは、原形にしたってもとのもくあみでありますから、そういうことはしないという方針で、再度、再び災害が起こらないということを目標にして、いわゆる災害復旧をする、これは改良を加えてやる、こういう方式でいま進めておるわけであります。具体的の高田、直江津からも、そういう心配をされて私の省に見えました。私もお目にかかりました。強く、いま春日さんのお話のようなことがありましたが、その点を御心配なく災害復旧に努力をしてください、もし将来再び災害が起こるような査定を査定官等がやる場合には、私に連絡をしてください、そこまで念を押して帰しております。そういうことのないようにいたしたいと思っております。
#53
○春日正一君 私、これで質問を終わりますけれども、最後に、私の意見として、ずっとまあわずかなところでも見て、建設省が河川事業をやっていく場合に、やはり予算の配分として、ダムであるとか、大きな堤防工事であるとか、そういうところに予算の重点が置かれて、支流であるとか、あるいは雨量の観測の装置であるとか、警報の装置であるとか、そうした、いま私がいろいろ質問をした災害の起こるような原因になっておるところ、そういうところへの予算の配分のつり合いがとれていないんじゃないか。だから、ダムが完成しました――特にこの際注意しておきたいことは、秋葉ダムにしても、あれは電源ダムだ。ところが、下流の人たちは、土地を買われたりいろいろする場合に、このダムができればもう水害は二度と来なくなるんだからということで、それに期待をかけてやってきた。ところが、三十六年にやられ、またやられるというような、ダムができたためにかえって水害が多くなってきているという非難が出ている。こういうことを考えてみますと、やっぱり一つのダムをつくるという場合に、ダムと関連した支流の問題や、あるいは付近の林野の問題や、そういうことまで考え、あるいは雨の測定だとか、そういうことまで考えて、全体として一つのダムが完成していけば、その地域では少なくともまあ大きな災害が起こらぬようになるというような予算の配分計画にしなけりゃ、たくさんの金を使っても、結局そういうことがあとから起こって、またそのために住民に被害を与えた上で余分な金をつぎ込まにゃならぬということになるのじゃないか。だから、そういう意味で、来年度の予算編成においては、そういうように総合的に全体としてまとまったような予算、こういうようなものを組んで建設省としてやっていってほしいということを希望として述べて、私の質問を終わらせていただきます。
#54
○国務大臣(瀬戸山三男君) 希望だけというお話でありますが、お話は全くそのとおりだと思っております。ところが、残念ながら、実際はなかなかそうはいかない。と、これは別に弁解するわけじゃございません。先ほど治水五カ年計画等についてそれぞれ申し上げましたが、いまの五カ年計画でも、決して日本の治水上これは満足だとは考えられない。まあ全国の河川、たいへんありますけれども、この間の本会議でも申し上げましたように、大体、相当大河川を中心といたしました五百河川について、今後十二カ年で、それほど心配しなくてもよろしいような状態にいたす、十二カ年ぐらいで。その他、それを含めまして、それ以下の中小の川も相当ありますけれども、まず二千河川ぐらいまでは、今後十五年間で何とか心配のないようにしよう、こういう一つの目標をもってやっておるわけであります。これは財政の問題ともからみ合いがありますから、目標どおりいくかどうか、これはよほどの努力を要することではありますが、その中で一兆一千億の五カ年計画でありますが、従来から、いまお話しのように大河川だけで、中小河川を見のがしておるじゃないか。結果的にごらんなさるとまさにそのとおりのような状況になっておるわけであります。といいますのは、少し長くなって恐縮でありますが、日本のこの状況で、急流河川、非常に雨が多い。しかも、それについて、日本の治水というものは非常にこれは道路以上におくれておるわけであります。もうそれは徳川時代からやっておるところはありますけれども、状況の変化によってそれが間に合わない、こういう河川ばかりでありますから、御承知のとおりに、直轄工事として大河川を国が直接の責任を負うてやるというような制度でやってきておるわけであります。そういう意味で、一朝事あるときには、まあ広範囲に惨たんたる状況を生ずるおそれのあるところをまずやろう、これはまあほかを捨てるというわけじゃありませんけれども、国の力としてやむを得ない、こういうことで今日までやってきておるわけなんであります。その効果はまだ万全ではございませんけれども、相当のものであると思います。私は、――余談でありますが、先ほどの二十四号台風のときに、ちょうどさきの伊勢湾台風と同じような状況のもとの台風のコースでありますから、また、規模も同じようなもので、伊勢湾台風にも私は直接関係しておりましたので、そのときのことを、例の伊勢湾地帯の海岸堤防はどのくらいの効果を発揮するかということで非常に心配しておりました。風のコースがやや東寄りになりましたから、あの当時の台風のコースとやや違いましたけれども、しかし、伊勢湾台風後あの地帯に相当ばく大な経費をかけて、いわゆる木曽三川の改修、それから海岸堤防とにやりました効果は非常にばく大な効果があったということはこれは事実です。その他にも、全国の川において台風の規模あるいは雨量等が従前以上のことがしばしばありますけれども、十年前に起こりました災害ほどの大規模な災害は各地に見られなくなって、今度の場合、静岡等においても、狩野川の状況はどうであるかということを非常に心配しておりましたが、あの六十数億の金をかけた狩野川放流であの地帯が助かった、こういう状態でありまして、従来は非常に大きな災害を起こすおそれのある利根川を第一にいたしまして、それぞれ重点を置いておる。これが相当効果が出てきておると思います。ただ最近の状況は、いまお話しのとおりに、まあ雨の降り方もやや違っておるかもしれませんけれども、国土の開発が進む、先ほど山のお話がありましたが、山の開発が進む、それから道路の整備が進み、舗装が進み、都市計画が進んで、また宅地開発が多い、こういう状況で、同じ雨あるいはそれ以上の雨の状況から災害の起こる場所が非常に変化しております。お説のとおりに、あるいは中小の河川あるいは山間あるいは町の中、こういう状況が最近の災害の顕著なる事実であると思います。そういう意味で治水計画におきましても、一挙にということはなかなかまいりませんが、大河川をないがしろにいたしませんが、相当進みましたから、災害がしばしば起こる中小の河川あるいは都市排水、あるいは山腹における、山間地における災害もしばしば起こりますから、こういうところに相当治水に重点を置いていこう、こういうことが今後の五カ年計画の方針であるということだけをひとつ申し上げて御了解を得たいと思います。
#55
○小酒井義男君 各局の所管別に少しお尋ねをしたいと思っておりましたが、きょうはやめます。きょうはやめますが、災害のことについて、いまちょっと話が出ておりましたが、この秋の災害の被害額については、補正予算との関係もありますから、もう査定は大体終わったのじゃないかと思うのですが、建設省所管でどのくらいの損害額になっておりますか、ちょっとお聞きしておきたい。
#56
○国務大臣(瀬戸山三男君) 目下査定を始め、また査定に入る段階でありますから、査定の結論はいま申し上げられませんが、二十三号−二十五号及びその間の豪雨災害八百四億ぐらいが、建設省所管の報告になっておるわけであります。そういうことで、いま査定をいたしますと、もちろんやや下回る査定額になるのじゃないかと、こういうことでありますが、せっかくいま十二月までの間に、たいへん手数のかかることでありますから査定を済ませよう、緊急なものはもちろん始めておりますから、そこで補正予算の編成をどうしてもやらなければならぬ。それらの準備のために一生懸命査定を急がしておる、こういう状況でございます。
#57
○委員長(中村順造君) ほかに御発言はございませんか。――御発言がなければ、本件に関しましては、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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