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1947/08/27 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第13号
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1947/08/27 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第13号

#1
第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第13号
昭和二十二年八月二十七日(水曜日)
    午後二時五分開議
 出席委員
   委員長 加藤 勘十君
   理事 梶川 靜雄君 理事 武藤運十郎君
   理事 吉田  安君 理事 辻  寛一君
   理事 石田 一松君
      足立 梅市君    清澤 俊英君
      佐竹 新市君    田中 健吉君
      荊木 一久君    小島 徹三君
      矢野 政男君    鍛冶 良作君
      北浦圭太郎君    明禮輝三郎君
      村上  勇君    野本 品吉君
      中野 四郎君    徳田 球一君
 出席政府委員
        總理廳事務官  國鹽耕一郎君
 委員外の出席者
        議     員 世耕 弘一君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 隱退藏物資等に關する問題
 委員派遣の件
    ―――――――――――――
#2
○加藤委員長 それでは會議を開きます。
 前囘の委員會におきまして、佐竹委員から靜岡縣下における金塊が隱匿されておるという世耕議員の談話に對して質問が發せられておりましたので、幸い世耕議員が出席されておりますから、世耕議員から佐竹委員の質問に對するお答えを願うことにいたします。世耕弘一君。
#3
○世耕弘一君 この資料は加藤委員長の手もとに差上げてある風呂敷の中にもあると思うのでありますが、なお念のために讀み上げて答辯に代えたいと思うのであります。
 隱退藏物資として左記御調査ください。場所、本社東京都京橋區銀座一の八、帝國産金興業株式會社、社長石川博資、退藏場所は靜岡縣田方郡修善寺町瓜生野帝國産金大仁産金社長別宅富士見莊倉庫、品名は金塊あるいは金の延棒とあります。數量約二トン。摘發の動機、東京都帝國産金本社地下倉庫にありたるを危險の名のもとに大仁に運搬、その際立會いたる二、三の從業員より出たもので、現在二、三の者は相當の手數量を頂戴しておる。よつて投書いたすものである。
 なお念のため倉庫の圖解といたしまして、圖解が一つ出ております。これは委員長の手もとにあとで差上げるつもりであります。
  ぜひとも十分御調査ください。倉庫になくとも帝産のどこかに存在するはずです。金山の坑道もあるはずです。大仁警察等ではおぼつかないと思います。しばらくの間結果のわかるまで危險ですので匿名ですゆえ、その點惡しからず御了承願います。何分お願い申し上げます。五月二十二日。金等あるはずがないなどと言つて、捨ててしまうことのないように重ねてお願いいたします。もしその結果がわからぬ場合はさらに詳細を投書いたします。
 こういう投書に基くものであります。先般申し上げましたごとく最近金の價格が改訂されまして一グラム七十五圓となりましたと記憶いたしておりますが、そういう換算からみましても、少くとも日本には五十億圓くらいの金がなくてはならぬという計算が出てくるのであります。そういう關係から調査を進めておりましたところ、こういう投書がまいりました。どういう方法を講ずるか考えている矢先、司令部の方の連絡もあつたので君ISの協力を得て眞相追究にあたつているような次第であります。靜岡縣で私が演説したうちに織込んで申し上げたのは、こういうこまかいことは申し上げておりません。ただ靜岡縣に金塊二トンあるとの情報がはいつている。この金塊がもし事實とするならば、外國貿易の資金に當てられるということであれば非常に結構である。殊に問題が靜岡縣のことであるから、縣民諸君の手によつてこの眞相を追究して問題を解決してほしい。こういうことを附け加えて言うたのであります。傳え聞くところによると、この問題に社會黨が關係しているがごとく私が演説をしたように言われていることを聽きましたが、さようなことは一言も觸れておりません。それは何かの間違いで、むしろ問題の種をこしらえんとする人の説であつて、決して私はさような點に觸れてないということをここにはつきり申し上げておきます。金塊に關する問題は以上のような次第であります。
#4
○佐竹(新)委員 ただいま世耕氏から金塊の隱匿場所についても申されましたが、現在御指摘になりました帝國産金がこういうことを言つているのであります。
 當鑛山は昭和九年開鑛以來昭和十八年金鑛整備令により金の機械選鑛を中止しもつぱら硅酸鑛山に指定されその後昭和二十年保坑鑛山となり保坑状態にはいつているので從來は金鑛、硅酸鑛を堀つても全部日立乾式製鑛所に送りそこで金を採取しておつたので、結局當鑛山では金塊にまでは製錬しなかつたので光つた金は一瓦も所有できなかつたわけです。また金塊二トンといふ數字は現在の日本の全金山が二年間もかかつて掘つて採取できる量で現在の金の價格にしたら約一億五千萬圓位です。まるで夢物語です。世耕氏の言うごとくうちの鑛山の中に金塊二トンあれば大したものですから世耕氏を引張つてきて立會つて一つ掘つてみたいと社長は語つておつた。社長も憤慨して名學毀損と營業妨害で告訴すると意氣ごんでおつた。實際まつたくデマで昭和の花咲爺、夏の夜の夢物語です。
 これは平賀所長が語つて、毎日新聞の靜岡版に掲載されて、記事になつて出ているのでありますが、それと同時にただいま御指摘になりました帝國産金鑛業株式會社取締役木村彌三郎氏は世耕氏を相手取りまして、東京地方檢察廳檢事長木内檢事あてに昭和二十二年八月二十三日付をもつて告訴状を出しております。この告訴状はやはり今申し上げましたものと大體内容は同じでありまして、これは長くなりますから申し上げませんが、われわれはこの二トンという世耕氏の御指摘になるところの金塊が出てくるということになれば、これは國家のために貿易の見返りといたしましても相當この際役立つのであります。そこでこの點が大阪毎日新聞ではこういうように言つております。
 帝國産金が終戰のどさくさに隱匿したもので、僕のところには同社伊豆大仁金山の埋めた地點の地圓まであるから確實である。
 こういうのと今の投書とはいささか食い違つているように思いますが、この點はいかがでございますか。
#5
○世耕弘一君 面白い話を今承るわけでありますが、私は靜岡縣に金塊二トンあるからこれを摘發してくれという情報がはいつた、ついては本日は靜岡縣民大會であるから靜岡縣民の手においてこの情報の眞相を追究して解決してくれ、これだけ言つたので、それ以上言うてない。それが今の帝國産金云云という人が告訴するなどということは、どういうところから出てきたことか、むしろ問うに落ちず語るに落ちるような恰好になつたのであります。妙な話で私は靜岡と一度も言つてない、沼津とも言つてない。これは四千人近くの多數の人が集まつているのだからよくおわかりのはずである。これだけでない。まだこのほかに工業用のダイヤモンド一千カラツトの問題をこの時言つた。これも同樣な情報がはいつておるが、これも靜岡縣民の手によつてこの眞相を究明して、できれば貿易の見返りに當てることは非常に結構なことだ。眞相を追究することをむしろ縣民に要望したのであつて、どこにどういうふうに持つて行つて、誰がどういうふうにしたのだということは今初めて御質問によつてお答えしたのである。それは何かの間違いだと思います。告訴が近頃はやるようでありますが、少しそれは早すぎるんじやないかと思う。工業用のダイヤモンドのことは二箇ほど私は見本を見ましたけれども、なお眞相を突止めたいと思つております。そういうふうないきさつで、私は實はそこまで言つてない。この點は日本人は物を隱すといううわさをなるべく早くなくしたい。そうしてあるものは潔く出して連合軍に協力し、また連合軍からの御援助を得ることにして再建日本の一日も早く完成するようにしたいという私の氣持でやつておることでありますから、そういう趣旨で申上げたのでありまして、他人の營業を害するとか、他人の會社の名譽をどうするということは一向私の關知するところではございません。
 なお今讀上げました情報は、司令部CISの方へ六月末に、そういう資料のある場合には見せよという話があつたものですから、關係筋に出しただけで、ほかには出しておりません。あと委員長の手もとに一部殘つておるかと思います。原本を置いただけであります。どうぞ誤解のないようにお願いたしたい。
#6
○佐竹(新)委員 最後に一言お尋ねしたい。この二トンという金塊は必ず最近に出てくるものだという御確信をおもちになりますか、またこの委員會でなくともよろしゆうございますが、どういう御趣旨によつて、これをやつておいでになりますか。私の質問はこれで終ります。
#7
○世耕弘一君 ただいま申上げましたように情報であります。確實にあるということは私は申上げません。確實にあるのならもう押えております。あるという見込みを私がつけたときは押えております、今捜査に協力を願つておる次第であります。なおまたあれば、あなたのおつしやる通り結構だと思います。特にこういうような情報に對して捜査上の疑問をもつことは、往々にして他人を害するような意味の情報もあり、あるいはまた眞實國を思うてくるものもあるので、そこをよく見わけしなければならぬと思います。その内容を見まして、まんざらでもないということを私は察知した。金の所在が、――われわれが金時計、金鎖、金指輪、その他の貴金属をこぞつて出した處理がまだ明白にされておりません。どういう形式で、どういう山の中に、どういう屋敷の中に匿されておるかわかりません。これは理窟でいかない。だから私は靜岡縣民諸君にはこういう問題が起つておる、しかもそれは靜岡縣下の問題であるから、諸君の手によつてこの眞相を究明して明白にしてほしい。かように申し上げただけであります。
#8
○加藤委員長 ただいまの世耕議員の御説明で佐竹君よろしゆうございますか。
#9
○佐竹(新)委員 大體よろしゆうございます。
#10
○加藤委員長 それでは皆さんにおはかりいたしたいと存じますが、本委員會設置以來十數囘にわたりまして、主として委員會の本來の使命である點よりは、たまたま問題になりました世耕情報なるものに關連して、一つは官憲が摘發にあたつて妨害したという事實に對する調査と、ただいま申しました摘發に關する官憲妨害の實例としての東京都下における水あめ事件と、栃木縣下における摘發事件と、これに關連する物資處理の問題についてと、今一つは一部現閣僚にも關連があるがごとくに疑惑をもたれた東洋釀造の砂糖事件、この三つに關する問題を調査してまいりました。この三つの問題調査にあたりましては、東洋釀造の問題を除いては幾多の關連する現職官吏、その他民間の人々の證言を求めるために、十數名の證人の出頭を求めてそれぞれ調査をいたしたわけであります。つきましては、大體右三點の問題につきましては、一通りの調査を完了したと思われますので、一應三つの問題についての調査はこれをもつて打切りたいと思うのでありますが、いかがでしようか。
#11
○中野(四)委員 ただ打切るというだけではどうも了承ができないのです。やはり一應の結論をつけて、たとえば世耕君の發言に基いて行われたことであつたが、それがはたしてどういう結果に終つたという結論をつけて、そして處理すべきものは處理する……。
#12
○加藤委員長 一應打切るということになれば、當然中間報告を國會にしなければならぬのであります。從つてその報告書の中に、委員會としてどういう印象なり、結末をつけるかということを書きまして、報告書の起草、それから報告書にどういうふうに證人の形式をとるかという第二の問題になるわけであります。ただ打切つてしまうわけではありません。
 そういう意味に一應打切りが決定されなないと、まだ調査を續けるということならばならば調査を續けなければならいし、打切るということならば、打切りを決定した後に、どういう結論を得たかということの報告書を今度作成にかかるわけであります。
#13
○徳田委員 靜岡の事件ですが、あれは千トン何ぼかを靜岡縣下に配給したというのですけれども、あれは數量からいうと、合いません。大體三百何十トンくらいは配給してないと思われます。その配給してないものがどういう行方になつたかはわかりませんけれども、そういうものは認めて、その意味で打切るならば贊成です。その三百何十トンがどういうふうなことになつて、それが官僚のどこまで波及して、どんなことになつておるかは、まだ不明です。
#14
○加藤委員長 大體わかつております。その點について今申し上げます。
#15
○徳田委員 それならば、打切りに贊成です。
#16
○加藤委員長 今徳田君より御質疑が出ましたが、先囘の委員會で農林省と司法檢察當局の調査に基く數字との食い違いがありましたので、その食い違いについての委員會の質疑に對して、先般司法大臣は、さらに檢察當局を通して詳細に調査しました。そしてトン數食い違いの點も數字的に明瞭にこの席上に報告されまして、これがために現在税務署の官吏その他四十數名の人々が涜職罪で今司直の手で公判が審理中だそうであります。そういうことが發表されておりますから、いずれ報告書の中にはそういうことも當然書かれることになります。そういうことで一應明かになつていると思います。
#17
○石田(一)委員 ただいまの靜岡の問題ははつきりいたしましたが、實は先だつて來の水あめの問題にいたしましても、ただ業者側竝びに統制會の方で、どこそこに配給したんだという證言はありましたが、事實その水あめなりさらしあめが彼らの證言するがごとき小學校兒童に配給されたか、それとも引揚同胞援護會にそれだけの量が配給されたかということの調査はまだわれわれ濟んでいないのであります。その點を私たち保留したといいますか、まだ調査が濟んでいないということを前提の上にこれを打切るならばよいと思います。
#18
○清澤委員 東洋釀造の問題ですが、これはあの報告書にもあります通り、四百五十萬キロですか、非常に莫大な手持芋までやつた。手持芋というものは戰時中であるからどういう性質のものかわからぬというのが農林省の統制側の取扱つておられる方の言い方なのであります。從つてその手持芋で砂糖を出したのだからといつて取扱われて東洋釀造へ渡されたその百トンの砂糖は、代償をとつてあるのかないのかということも不明でありますし、かりに代償をとつたといたしましても、それがどういう基準においてとられたかということも疑問であります。それが代償をとられないで渡されたとしますならば、そこに何か殘つているではないか。それがあるいは農林省内に忌わしきうわさを生む種になつているではないかと思われますが、その點まだ詳しくなつておりません。もちろんそれらは司直の手によつて糺明せられていることであろうと考えるのでありますが、その點を聽いてみて、檢察側でそれを考えておられなかつたならば一應調べてみなければならないではないかと考えております。
#19
○加藤委員長 報告書の中にはそういうわれわれが疑惑を殘した點は依然として疑惑を殘したこととして記載されるわけでありますから、今おつしやつたようなことも、どこまで司直の方で調査が進行しているかということは別にして、委員會としてもつた疑惑は疑惑としてそのまま表現されるわけであります。決してそういうことを曖昧にして報告書ができるというわけのものではないのであります。われわれは證人の證言を信用するかせぬかということも當然生れてくる問題だと思います。そういうことを全部包含して、今までの調査經過に基いて一應の中間報告を議會になし得る状態において、一應これで打切る、こういうことであります。
#20
○世耕弘一君 砂糖の問題に私關係がありますから一言お許しを願いたいと思います。過日靜岡に縣民大會を開かれ、出席しろという話があつて參つた節に、蒲原、原方面の當時砂糖の配給されたという状況を聞いてまいりました。地元の縣民の話によりますと、そんな砂糖を配給してもらつていない、こういう話であります。ただ終戰後一度八百屋の手で欲しかつたら八十匁配給してやるから申し出ろという話があつたから急いで申込んだところが、それはやみの値段であつたというので、問題が刑事事件になつてごたごたしたことがあるが、はたしてその砂糖を言うのであろうかどうかと疑問をもつているようであります。その後十六匁ばかり配給されたことがあると思うが、それ以外はない、こういうことを言うておりました。二十五日までにそれざれ地方縣民の主だつた人の判をとつてその實情を私の手もとまで報告してくれることになつているのですが、まだ届きません。この間參りましたときの靜岡縣民の話の一部をお傳えいたしますればこういう事情であります。
 なおまたもう一つ砂糖の問題にからんで、矢島某のつくつた情報を土臺に私がこの問題を取上げて世間を騒がしたのであるというふうに傳えられているのでありますが、私のところへ信州の諏訪から來た手紙によりますと、世耕さんはほんとうのこの事件の内容を知るまいが、矢島の後ろに大物がいて一切を矢島にぬりつけているのだぞ、もう少し調査する必要がないかという意味のことを書いてよこしたのがある。多忙のためになお深く眞相を調査するに至りませんが、委員長の方で中間報告をなさるというお話でございますし、私の責任もありますので、私は時間の許す範圍においてできるだけ調査を進めて、その結果がわかり次第委員長に御報告いたしたいと思いますから、私の責任においても調査中であるということをこの機會に御報告申し上げたいと思うのであります。
#21
○加藤委員長 それではただいま世耕君の發言もありましたが、そういうことをも全部含めて、一應本問題の調査を打切つて中間報告を議會に出すということに御異議はございませんか。
#22
○加藤委員長 御異議なければそのように決定いたします。つきましては、なお普通の状態でありますと、こういう場合の報告書は委員長の手もとにおいて書記の諸君と協議でできるわけでありますが、事柄はきわめて愼重を要し、かつ廣汎にわたるものであり、影響するところ相當大きいものがあると思いますが、どういう方法によつてこの報告書をまとめ起草するかということについて、もし御意見がありますればお伺いしたいと思います。
#23
○中野(四)委員 この報告書をつくるについての御相談でありますが、特に今世耕君からお話があつたように、靜岡の砂糖事件というものはまつたく疑惑だらけの中で、一方的に閣僚に關係がないということを司法大臣が報告している。同時にまた閣僚にほんとうに關係があるのかないのかというところまで行つていないのです。いわんや地元に配給した砂糖をもらつておらぬというお話でありますが、この點については疑問がずいぶんあるのです。あなたがこの前愛知縣の名古屋に行つて辻君と一緒に演説をなさつたときにも、陸海軍の砂糖が四十八萬トン一夜のうちになくなつたと新聞に報ぜられている。ところが一部の縣民の中には實際もらわなかつた、それは世耕さんの言う通りだという聲があるかと思うと、うそをつけ、ほんとうにもらつたじやないか。あのときもらつた砂糖がそうだという意見が示しているようにいろいろ議論があるのでありまして、こういう問題は愼重に調査されてその結果を報告するのが妥當でありますが、こういうふうに疑惑がたくさんありますから、ぜひひとつ委員だけの懇談會を開いて、この報告についていろいろ疑惑の點は疑惑とし、了解のできたところは了解できたものとして、取扱いをどうするかというような結論を見出すためには、一遍懇談會を開いて、その結果報告書をつくられたらどうか。私はこう思います。
#24
○武藤(運)委員 私もただいまの中野君の御意見に贊成であります。ただ私は前囘の委員會でも動議を出したのでございますけれども、これは大體結論を出す前に公聽會でも開いてみる方が非常にいいのじやないかと考えておつたのでありますが、規則の上から公聽會はできないという。それでは一つ公聽會に代るべきものとして、この隱退藏物資に關する委員會の專屬として來ておられる新聞記者、報道關係の諸君と一度懇談をしてみたらいいだろう。座談會のようなものを非公式に開いたらどうだろうということを提案しまして、それはよろしいと委員諸君から御贊成があり、その方法につきましては、理事會で一つ考えようというようなことになつておるのでありますから、やはりこれも今の中野君の御希望と同じような意味におきまして、一度至急に、あすでもあさつてにでも座談會みたいなものを催して今問題になりました水あめ事件なり、栃木縣の事件なり、靜岡縣の事件なりについての意見や感想を聽いてみたいと思うのであります。報告書を起草する問題につきましては、懇談會を開きまして、各黨から一人ずつとか、適當數の起草委員のようなものを出しまして、委員長を加えて適當にやることがいいと思うのでありますが、その前にただいま私が提議したようなことを非公式でも結構でありますから、催したいと思うのであります。
#25
○徳田委員 われわれの報告は報告としまして、きようすぐにも懇談會を開きまして大體の大綱をきめて、起草委員を選びたいと思います。それから武藤君からの提案はなかなかいい考えであると思いますが、これはわれわれの報告とは別でよくはないかと思うのであります。報告は報告で、そのほかにさらに新聞記者諸君と懇談するということは結構だと思います。しかし最近の傾向によりますと新聞社がこの事件をあまり取上げない。どうも臭いものにふたをしろという、傾向が十分あるのでありまして、ここにおられる新聞記者諸君は、大いに興味をもち、大いに書いておられると思いますけれども、最近は編集部がこういうものに對してふたをする式になつておるように思われるのでありまして、從つてまた懇談の後にこれをいかにして發表するかということも非常に重大なことになるのであります。できれば日比谷公會堂にでも全都民を集めまして、われわれが大雄辯をふるわなければならないというようなこともあろうと思うのでありますが、この點も一つ懇談會の中で、お互いに懇談をした後で決定したらどうかと思うのであります。なるべく早くきようのうちに懇談會をやりたいと思います。
#26
○吉田(安)委員 中野君の御説、武藤君の御意見、徳田君の御意見が出ましたが、專屬の記者諸君とわれわれ委員が寄り合つて、一應忌憚のない、腹藏のない話合いをするということは、私は結構なことだと思います。何しろこの委員會が始まつた當初から熱心に關係しておられることでありますから、それ相應の御意見もあり得るかと存じます。これをお互いに話合うことは絶對必要だ。ただそれは今きまりました中間報告のための懇談會ではいけない。中間報告する懇談會は中野君が言われた通りに、委員全部が別に寄り合つて、話合いをして、それによつて方向をきめる。そうしてあらためて何人かの人たちによつて起草委員をつくり、委員長を加えてそれをつくり上げるという順序にいつたらよくはないかと思います。それでまず第一には記者諸君とわれわれとが近いうちに一應そうした懇談會をやり、それが濟みました上で、中野君のお説のように委員だけの打合せ會をやり、さらに委員をつくるならつくつて報告の起草をする。こういう順序になさることが適當じやないかと思います。
#27
○中野(四)委員 吉田君のお説を反駁するわけではないけれども、資料も相當出つつありますし、一應世耕君の證言に基く三つの事件も段階を經てきたのですから、この問題にピリオドを打つ上からいつても、本委員會全體の意思を決定し、それによつて委員長が報告されるというのですから、この方が主であつて、同時にニユースマン諸君のいろいろの御意見を拜聽して、將來の運營のあり方をきめていこうということも必要なのですから、どうか一つこのお話は主客轉倒しないように、主は主、從は從として、あくまでも委員會の態度は委員會で決定して、同時に從として各傍聽しておられるところの、あるいは事務を取扱つておられるところの新聞記者諸君との懇談會を開くことにきめていきたい、必ずしも吉田君の意見にさからろうものではないが、そういうことにしたいと思います。
#28
○辻委員 私はただいま中野君の言われたお説に贊成するものであります。もとよりこうした事件に非常に御熱心に關心をもつていただきました新聞記者の方々と懇談會を開くことは非常に有意義でありますが、中間報告を引出す前提としては、これは贊成しがたいところであります。同時にもう十數囘開きまして、お互い委員それぞれ期するところがあると思いますから、この場におきまして一應皆の意見を總合いたしまして、早速一つ中間報告の結論を引出していただきまするように、なお私議會運營委員會のことは存じませんけれども、承るところによりますれば、來週ごろからしばらく休會にはいるというようなお話を聞いておりますので、少くともそれまでの本會議において委員長から今までの經過を一つ御報告をいただいて、あらためて提出されましたこの資料に基いてわれわれ檢討を進めていきたいと思いますから、少しでも早く中間報告のできまするようにお取計らいが願いたいと思います。
#29
○武藤(運)委員 私がただいま提案いたしましたところと、諸君のお説と趣旨は變らないのであります。私は委員會が結論を出す場合には獨自の心證に基いて結論を出すのであつて、新聞記者諸君の御意見によつて出すというような趣旨ではないのであります。ただ聽けば非常に結論を出す上において參考になるであろうということを考えておるだれでありまして、從いまして、皆さんの御意向が本日ただちに懇談會にはいりまして、結論の準備にかかるということでありますならば、しいて私はその前にこれをやらなければならぬと固執するわけではないのであります。ただ非常に有意義だということについては、諸君が全部御贊成のようでありますから、委員長におかれまして、あすにでもあさつてにでも、適當な方法で御連絡の上御主催を願いたい。こういうように考えるものであります。
#30
○吉田(安)委員 私の申し上げたことも、新聞記者諸君との懇談を要件とするものでないことはもちろんであります。その點はしいて私は深く申し上げるまでもないのでありますが、速かに一つ結論に達するようにお取計らいを願います。
#31
○加藤委員長 それでは大體各委員諸君の御意見もそれぞれお述べくださいましたので、委員會としての中間報告書を作成するための委員の懇談會を催すことにいたしたいと存じますが、その前に先ほど中野君の申されました現地調査の報告書はいつごろ出る見込みになつておりますか。
#32
○中野(四)委員 神奈川の報告は明日中にはつくるということです。そうすると明後日までには大體出てまいりますから、その上で石田君と相談して直ちにつくります。
#33
○加藤委員長 鍛冶さん、栃木縣の現地調査の報告書はいつごろ出ましようか。
#34
○鍛冶委員 二、三日中に出したいと思つております。
#35
○加藤委員長 明後日の午前中くらいまでにできませんでしようか。
#36
○鍛冶委員 なるべく間に合わせましよう。
#37
○加藤委員長 それでは、中野、石田委員が現地調査をされました昭和ゴム摘發現地調査の報告書は明後日の委員會までに提出されるそうでありますし、栃木縣に出張されました鍛冶委員その他の委員の報告書もやはりそれまでに提出されることになつておりますから、その報告書を得ました上で、明後日は中間報告作成のための委員懇談會を催すことにいたしたいと思います。
#38
○徳田委員 これは鍛冶君も結論を得ておられるだろうし、石田君も中野君も結論を得ておられるだろうと思いますから、今日懇談會で報告していただいて、それによつてお互いにこういう方向でやろうじやないかということになれば簡單に濟むと思います。
#39
○加藤委員長 それでは暫時休憩いたしまして、理事諸君に集つていただいて、理事會でこの取扱い方を協議することにいたします。暫時休憩いたします。
    午後二時五十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時十九分開議
#40
○加藤委員長 それでは休憩前に引續いて會議を開きます。
 休憩前に問題となりました報告書の件は懇談會を催して後に起草委員を選んで報告書を作成することにいたします。それから新聞記者諸君との座談會は、金曜日の午後一時半からいたしたいと思いますがよろしゆうございますか。
#41
○加藤委員長 それではそのようにいたします。
 なおお諮りいたします。近く東北方面、これは岩手縣でありますが、安定本部の方から摘發に出張されますので、本委員會としても摘發状況を實際に調査するために委員を派遣いたしたいと存じます。委員派遣について御異議ございませんか。
#42
○加藤委員長 御異議なければそのように決定いたします。つきましては派遣委員の數は何名といたしましようか。
#43
○吉田(安)委員 各派から一名ずつくらいでどうでしようか。
#44
○加藤委員長 各派から一名ずつでは多すぎると思います。それに遠方でもありますし範圍も廣くなると思います。一方議會も來週は大體休會になる豫定になつているようでありますから議會の方には差支えないと思います。できれば理事選出のような割合が社民自一名ずつ、小會派から一名、計四名としたいと思いますが、御異議ありませんか。
#45
○加藤委員長 それでは四名といたします。つきましてはその指名の方法でありますが、委員長一任で御異議ございませんか。
#46
○加藤委員長 それでは委員長において後刻指名することにいたします。出發は安定本部との關係もありますから一、二日の間を要すると思いますが、いずれにしても今週中に出かけることにいたしたいと存じます。なお明後日記者諸君との座談會を催す前に、少しく御協議いたしたいことがありますので、一時から委員會を開きたいと存じます。
 今日はこれをもつて散會いたします。
   午後三時二十四分散會
ソース: 国立国会図書館
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