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1947/08/29 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第14号
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1947/08/29 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第14号

#1
第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第14号
昭和二十二年八月二十九日(金曜日)
    午後一時四十六分開議
 出席委員
   委員長 加藤 勘十君
   理事 梶川 靜雄君 理事 武藤運十郎君
   理事 大森 玉木君 理事 吉田  安君
   理事 辻  寛一君 理事 石田 一松君
      池谷 信一君    清澤 俊英君
      佐竹 新市君    田中 健吉君
      小島 徹三君    矢野 政男君
      鍛冶 良作君    水田三喜男君
      明禮輝三郎君    木下  榮君
      野本 品吉君    中野 四郎君
      徳田 球一君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
        國 務 大 臣 和田 博雄君
 出席政府委員
        總理廳事務官  國鹽耕一郎君
        商工事務官   松田 太郎君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 隱退藏物資等に關する問題
 委員派遣の件
    ―――――――――――――
#2
○加藤委員長 それではこれより會議を開きます。
 先囘決定いたしました岩手縣派遣の委員の氏名を委員長に一任されておりましたので申し上げます。社會黨から佐竹新市君、民主黨から山本猛夫君、自由黨から明禮輝三郎君、國民協同黨から野本品吉君、四名の方にお願いすることにいたします。四名の方は時間その他すべて打合せをしていただいて適當な時間に、できれば明日御出發を願いたいと思います。期日は往復の時間を含んで一週間くらいにいたしたいと思います。そのこともお含みの上でお願いいたします。つきましては今日は委員會としましては安定本部長官なり商工大臣に對する御質疑があるわけですが、まだ二人とも出席されておりませんので、もし國鹽監査局長でよろしい點がありますれば國鹽局長にお尋ねを願いたいと思いますし、あるいは安定本部長官でなければならぬような場合がありますれば、出席までお待ち願いたいと思います。それから先囘も申し上げたように三つの調査を一應打切つて中間報告をするということについて、なお靜岡縣における東洋釀造の砂糖問題については、一方的な意見だけしか聽かれておらんので、審議がつくされておらんから、その點に對していま少しく審議を進めたいという御意見もあるようであります。この點に對してもどういう方法で審議、調査を進めるかということについて、御意見等がありましたらお述べ願いたいと思います。そういうことが終りますれば、さらに中間報告の起草書を作成する小委員を選ばなければならんと思いますが、その選定の方法等を今日御協議いたしまして、比較的時間を早く打切つて、あとは先囘定められたように御出席の新聞記者の方々との隔意のない懇談會を催して、新聞記者諸君の御觀察なり、御見解なりを述べていただいて、今後のこの委員會運營の上においても、一つの參考として役立たしめていきたいのであります。そのお含みで今日の議事を進めていただきたいと存じます。
#3
○中野(四)委員 靜岡の砂糖事件でありますが、これはただいま委員長の仰せのように、司法大臣の一方的報告だけであつて、實際上に閣僚に關係があるかないかということは、本委員會において斷定を下す段階にまではとうてい至つておりません。むろんこれは關係がない。矢島松朗なるものの捏造した事件であるというような一方的な證言とともに、さらに先日世耕君は靜岡に砂糖が配られた事實がないという投書も受け、また事實を知つておるというような御證言をなさつておられます。もし靜岡縣にこの砂糖の配給がなかつたとすると、たださえまだ相當の數字の食い違いがあるにかかわらず、なおもつと尨大な數字の食い違いが出てくることになるのであります。從つてそれらの砂糖の行方を究明しないと、閣僚にはたして關係があつたかないかという問題にまで到達していかないのでありますから、この靜岡の砂糖事件に關しては、當委員會から委員を派遣させて、現在の段階における取調べ状況とか、ないしは靜岡縣に實際上に砂糖を配つたか配らぬかというような現實の調査、こういうような點についてなお眞相を究めたいと存じますから、委員を派遣されることを希望いたします。
 いま一つは、先日私は水あめ事件に對して、目白署に調書があるはずだから、これを資料として出せということを請求しておりますが、目白署からの調書はまいつておりません。委員會の請求した資料がこないということは、何か理由があるかどうか存じませんが、ただ石田君がこれをもつて代えるということですが、石田君は何も目白署の署長でも何でもありませんから、端的に目白署長の資料をこちらへ提出してもらう必要があると思うのであります。
 いま一つ、これは少し出過ぎた言い方かもしれませんが、國會が一應休會をして、會期が延長されるような場合を考慮いたしまして、その休會中はこの委員會はどういう態度をとるかということについて、委員長からひとつ皆さんにおはかり願つておきめを願いたい。この三つの點について伺いたいと思います。
#4
○石田(一)委員 ただいま中野君は目白署の資料を要求したが出てこない。ただこれに關しては、石田君がそれに代えると言つて資料を出しておるが、石田君は目白署の警察署長ではないのだからというお話がありましたが、私は絶對にそれに代えると言つてこの資料を提出した覺えはございません。先だつて申しましたのは、目白署から資料が出るはずであるが、もし出たときに數字を檢討するについて、私の提出するこの數字は目白署の根據となつた數字であつて、これを食い違いがあるかどうかということの參考までに、資料として提出すると言つたのであります。目白署に代つて私が提出したものでないことは御了承願います。
#5
○加藤委員長 それはこの前おつしやつたのでわかつております。
 ただいまの中野君の新しい提議としまして、靜岡縣に調査委員を派遣して、裁判進行上の状況なり、砂糖配給の有無の眞相なりを調査するために、委員を派遣せよという御意見でありますが、この御意見はいかが取計いますか。もし皆さんにおいて御異議なければそのようにいたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。
#6
○加藤委員長 御異議がなければ委員を派遣することに決定いたします。委員の數等は、中野君御希望がありますか。
#7
○中野(四)委員 委員長一任。
#8
○加藤委員長 それでは委員長一任に御異議ございませんか。
#9
○加藤委員長 しからばそのように決定いたします。數竝びに派遣される氏名は、實際に行つていただく方々と御協議をする必要がありますから、若干時間を要すると思います。
 さらに休會云々のことでありますが、果して休會になるのかならぬのか、その點まだ各派交渉會の方もきまつてまつておらぬようであります。明日はいよいよきまると思いますから、もしきまつたらこのまま繼續して審議を続けるのか、休會になるのか、もし休會になるとすれば休會中どうするか、こういう問題が起ると思いますが、實は私二時からG・H・Qの方にほかの用事で行かなければならぬことがありますので、歸つてきて申し上げたいと思いますから、ちよつと濟みませんが辻君代つていただきたいと思います。
#10
○辻委員長代理 委員長の御中座中、不慣でりますが、私が勤めさせていただきます。
#11
○佐竹(新)委員 監査局長にお尋ねしたいと思いますが、現在終戰の隱匿物資というものが、中央といわず地方といわず、この委員會が結成されましたときよりも社會的に注目されておりまして、相當嚴重にこの隱退藏物資は取締られておらねばならない、こう思うのでありますが、現在なおこういう事情下にありましても、相當ブローカーが暗躍し、その根據は連合軍の移動證明がついておつて、しかも安本の監督課から拂下げになつた、こういうようなことを言つて物を持ち歩いている者もあるのであります。私の知つております範圍内では、開拓協會に對して海軍の軍服が十五萬着、それから地下たびが十五萬足、そのほかアメリカが現地において拂下げた毛布約六萬枚を安本の監査課の方から拂下げ、それで政府の特認價格として、一例を申し上げれば、地下たびのごときは、政府の特認價格は一足アサヒの一級品が二百五十圓というようなことを言つて持ち歩いておるのでありますが、そういうように政府の特認價格をきめて、米軍の移動證明がついていて、これが開拓協會に拂下げられたということであるが、あなたの方でそういう特認價格をつけられたことがあるかどうかということをお尋します。
 それからいま一つの問題は、終戰當時にありました物資が地方において保管されていて、その保管者からいろいろな保管の顛末について調査してみますと、その品物がはつきりしていないわけであります。それで私がお尋ねいたします點は、昭和二十一年の一月十七日附で第一復員省の委囑を受けた某が、これは後ほど監査局長に氏名を申し上げます。終戰殘存物資調査會を結成して、全國的に五百餘名の物資調査委員と申しますが、そういうものを派遣して、同年の五月末日までの短期間に、各調査委員が完全に調査物資を保管している者を確認しまして、そしてこの保管者から保管證を提出させた者が四百八十箇所にわたつてあるのでございます。その資料は今日ここに持つてきておりますが、その保管證はどういう名目で保管しているかと申しますと、ちよつと讀み上げますが、これは保管證の寫であります。
 保管證、品名、構造形式、所在の場所、元所屬の區別。品名は雨外套、構造形式は一〇一〇型。數量は六千六百六十着。所在の場所は埼玉縣兒玉郡秋平村秋山二七九一。元所屬の區別は陸軍被服本廠監督工場。右の物件は終戰軍事殘存物資なるをもつて今般命令により現在場所において紛失棄損等することなく、確實に保管仕るべく念のため保管證差入候也。
こういうふうにして、第一復員省終戰殘存物資の委囑を受けた調査委員に對して、保管證を出しておるのであります。この保管證に基きまして、最近この物資がやみからやみへ葬られておるというので、この保管者に對して、その物資處分の報告をされるように、通牒を出したわけであります。ところがこの通牒に對して返辭のきておるものを二三見ますと、生絲でありますが、保管生絲報告書、生絲四五〇俵、(十六貫入)七、二〇〇貫。生絲一〇〇箇(十貫入)一、〇〇〇貫。右昭和二十一年二月二十二日付保管を命ぜられておりましたが、その後政府の指示により輸出見返品及びその生産に使用いたしました。所有者は何の某。こういうように書いた囘答をよこしておりますが、政府の指示によりというだけであつて、どこの何省の何の指示によつたという内譯を書いておりません。またこの物資は人民のものであつて、當然國庫收入にならなければならない。こういうものがやみからやみへ葬られておる。私の知つておる範圍において、私は廣島縣でありますが、今日も商工省から、各縣廳から報告を受けたいろいろな物資に對する數量をここに出しております。この數字を簡單に一覽してみましても、私が知つておる範圍内の廣島縣の物資はこの報告などの數字より遥かに莫大なものでありまして、ほとんどこの數字でみますと、問題にならないのであります。また現に廣島の縣商工課が取扱いました相當の品物がこの數字の中にはなしとして載てつおるというように、こういう點は地方の縣廳の官僚とやみ師が結託いたしまして――こういう終戰物資の取扱いは一般人は知りません、從つてそういう事情に精通しておる地方官僚とやみ師の結託の情實において、やみからやみへ處分されたものがほとんどであります。こういうことを、生絲についてみても、しておるのではなかろうか。まだたくさんある。銀でありますが、これは數量は二箇箱入りで十箱。所在の場所は東京都西多摩郡増戸村山田九五四。吉澤艶太郎という保管證を入れておるが、この處分についての問答はこういうものである。
 拜啓 今囘御照會に接し候件、左記御報告申し上げ候、屋敷内畑中に埋藏せしが、委託せられた宮内治男なるものが返還の目的をもつて立川に至り、元航空廠長大迫大佐と打合わせ發掘せるところへ、貴會の鈴木勝衞氏が來たり、警察立會いの上保管證を受けとる。引渡先は不詳なるも航空廠の大迫大佐と、警視廳の岡本警部補と五日市警察署員の立會にて引渡す。その引渡せる品は十箱にて二十箇、一箇の重量約八貫匁、計百六十貫くらいなり。
 こういうような囘答を寄せておるわけでありますが、これらのごときにおいても、どこへその品物がどうなつたかという所在をつきとめたならば、相當不正なる事件が發生すると思うのであります。こういうような點は監査課において嚴重にその行方の判明しない分について調査されて、これをどういうように處分したかということをつきとめられる御意思があるかどうか、こういうことをお尋ねしてみたいと思うのであります。それから第一復員省から委囑を受けまして、四百八十件にも上る莫大な、これだけで八億と本人は言つておりますが、この委囑を受けて金を一文ももらわずに自腹をきつて探した。こういうのが、途中で復員省が今度復員廳とかえられて内務省の監督に移り、同時にこの人間は警視廳に召喚されまして嚴重な取調べを受けて、そしてこの保管證の本書類は全部警視廳にもつていつて、防犯課で取上げてしまつて、その後何らこの品物の處分についての通牒にも接していない。この人間はそれがために莫大な損害をこうむつた。こういう物資をわれわれが調査したのであるから、少くともこの調査に對する費用くらい出してもらいたいと言つておるのであります。これは私はこの間におきまして相當暗い問題があるのではないかと思いますので、こういう資料に基きまして、今後また本人も監査課の方に差し向けますが、監査課においてこれら品物の徹底的な行方を明らかにされる御意思があるかどうかということをお尋ねしてみたいと思います。
#12
○國鹽政府委員 第一のお尋ねの點、開拓協會とかいう團體が、米軍あるいは安定本部の監査局の名前を用いて物資の移動をやつておる。また特認價格というようなものを設けている。そういう事實があるかないかという趣旨のお尋ねでありますが、私どもの方におきましては物資の處分はいたしておらないのであります。繰返えして私が申し上げましたように、調査摘發はいたします。しかしながらそれはそれぞれの所管廳の方へ移しまして、たとえば纖維品であれば商工大臣の命令で配分をきめる。その價格についても物價廳がその價格を特認する場合は、物價廳が特認する一定の規則に從つてやるのでありまして、安定本部自體においてさようなことはいたしておらないのであります。少くも私が安定本部にまいりまして以來、さようなことはないと確信いたしております。第八軍の名前を用いておるというお言葉もございましたが、往々世上そういう名前を濫用あるいは故意に事實無根であるにかかわらず使用しておる。そうしていろいろの欺瞞行為をするということをしばしば耳にいたすのでありますが、あるいはそういう一例があるかもしれないと實は私思うくらいでありまして、その點につきましてもし資料等を御提供くださいますならば、徹底的に調査いたしてみたいと思つております。
 第二の點でありますが、特殊物件に關して第一復員廳が厖大な調査をある人にお願いしたところが、それがそのままになつてしまつて、今なおそれをめぐつていろいろな疑惑不始末がある。その點について安定本部がさらに徹底的に追究監査をする意思があるかというお尋ねであります。この特殊物件の處理はすべて内務省の方でやることになつておるのでありまして、お尋ねの復員廳の調査した書類を内務省の方に引繼がした。從つてその物資があつた場合にそれをどういうふうに處理するかということは、内務省が縣の方と連絡を取りましてやるべき責任と義務とがあるのであります。もしそれが等閑にされており、そういう物資が現實に存在しておるにかかわらず、怠慢でそれをそのまま放任したということがあるならば、その所管官廳の責任になると思うのであります。しかしながらその調査の實體に關しまして私どもはまだ何も承つておりませんし、その費用等の出所につきましても、あるいはまたどういう動機でそれが調査されたかということ、復員廳の公の調査であるかどうかということに關しましても、なお私どもとして調査しなければならぬ點があるのではなかろうかと思います。その點後刻でも具體的に御連絡くださいますならば、内務省と連絡して調査してみたいと思います。
#13
○辻委員長代理 佐竹君よろしうございますか。
#14
○佐竹(新)委員 よろしうございます。資料はあとからお屆けします。
#15
○辻委員長代理 監査局長に對する御質問はございませんか。石田君。
#16
○石田(一)委員 これは監査局長にお聽きしてわかるかどうか、確かなこともわからないのですが、わか黨の代議士が聞いたことで私たちにも相當強く調べてみてくれということですが、最近たとえば隱匿物資がある、それを安本で摘發される、摘發されたものが商工省か何かにまいりまして商工省の權限において引揚者團體とか、何々團體に綿布なら綿布を何萬反かを割當る。その割當をもらつた引揚者團體は相當當局に向つて猛運動を展開している、しかもこの引揚者團體の下からブローカーとか、そういうことをやつておる個人々々が、今度は引揚者團體にその綿布の取扱人であるという指定をしてくれと盛んに運動を試みておる。いわゆる引揚者團體の末端組織というか、綿布の扱い人が猛運動をしておる。この扱い人がその綿布を扱つておるときにこれはどういう品物だと聽かれたら、これは商工省から割當てられた引揚者團體の綿布で、私はこういうふうに引揚者團體からこの物資の取扱いの指定人としての許可證をもらつておる。これなんだといつて、割當てられた數量以外のものが相當これらによつて移動されておる。これは世耕情報どころか、あの當時より以上、現在なお隱退藏物資の摘發されたもの、また未摘發の物をめぐつて、これ物資が流れ出ているということを、確かめたいんだが、一遍質してみてくれと、こういうのでありますが、もしこの點について監査局長御存じならば、その内情といいますか組織といいますか、御存じの範圍でお知らせを願いたいと思います。
#17
○國鹽政府委員 摘發物資の配分をめぐつて猛運動がある。またそれを利用してブローカーが暗躍しているというお話でありますが、主管官廳に對して摘發物資の配分の陳情等は各方面で相當行われていると思います。但しそれをめぐつて行われる猛運動が不正なる行為、不正事實を包含ずるものであるかどうかということに關しましては、もしそういう疑いがありますれば、私どもも行政監査をなしているのでありますが、それよりも檢察廳の方にお願いいたしまして、徹底的に究明しなければいけないと思います。猛運動だけでただちにいけないと言えるかどうかは、猛運動と關連して考えてみないと決定できないと思います。それからそういう眞面目な割當を受けた團體の配分に、その下請に惡質業者が潜りこんで惡事を働くという事實は、私どももときに耳にするのであります。必ずしもないではないと思うのであります。これは、やみ取締りの面で警察竝びに檢察の面を通じて、徹底的に取締りをいたしておるはずでありますけれども、何分にも手が足りないのと、相手が巧妙なので、なお十分徹底しておらない點があるかもしれません。今後とも一層その方面を督勵いたしまして、できるだけそういう惡質業者の一掃を期したいと思います。
#18
○石田(一)委員 今の猛運動が行われていることは聞いているが、それが惡質のものであるか、犯罪であるかということは、あれはもちろんわからないことなんですが、少くともその物資を割當てられた數量の範圍内で、そのまた末端の惡質のブローカーが暗躍している。たまたま統制違反、經濟違反にかかる者があるということは事實なんです。こういう際にどうも今までの組織機構のままで、この隱退造物資などを一人の課長、局長の權限において割當てられるということから、こうした末端における犯罪などが構成されるのじやないかという考えもあるんです。わが黨において一、二の代議士が言うのにはこうした割當數量を決定するのにも、いま少しく民主的な、いわゆる官僚獨善的なものでなくて、外から相當管理されてもいいというような方法で、この處理がなされるならば、こうした忌まわしいことは發生しないのじやないかというような意見もありますので、こういうことをちよつと申し添えまして、今後の御參考に供したいと思つております。
#19
○辻委員長代理 御質問ございませんか、徳田、中野兩委員から御請求になりました商工大臣と安本長官は、他の委員會へ今御出席中でありましてじき來られるようでありますが、それまで暫時休憩をいたします。そのままでお起ちにならぬようにお願いいたします。
    午後二時十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十七分開議
#20
○辻委員長代理 休憩前に引續いて會議を開きます。質問を許します。徳田君。
#21
○徳田委員 安本長官にお尋ねします。これは監査局から出た資料でありますが、これによりますと、隱退藏物資等處理委員會の実行機關である隱退藏物資調査班というものは設置せられなかつた。こうものができなかつたのであるから、この委員會は實際において摘發する權限はなかつたという意見を出しておりますが、これははたして安本長官が責任をもつたものであるかどうか、安本長官はどう思われますか、これをひとつ答辯していただきたい。
#22
○和田國務大臣 私は趣旨におきましては、その文書に出しておる通りだろうと思うのであります。多少文書においては不備な點はありますけれども、趣旨はやはりその通りだと思います。
#23
○徳田委員 そうすると石橋前安本長官の言われるのでは、これは適法だ、こういう權限はあるのだ、自分が全責任をもつて世耕副委員長にすべてを委ねてあるのだから、世耕副委員長のやられたものは適法である。こう認められておりますが、そうすると、あなたの意見ではこれは適法でないということになりますか。
#24
○和田國務大臣 適法、不適法でいくと、これは不適法だと思う。閣議決定もその線に沿つてやつたものではないと思います。閣議決定では調査班をつくつてやるということになつておるわけですから、やはりその點には少し觸れるではないかと思います。
#25
○徳田委員 そうすると、事實ここへ目白署から調査員を出して書證を出しております。これを清水清という人が證人に來たときに、自分は調査員だという證明書を貰つてそれで摘發したのだということになつておりますが、そもするとこれは適法でない摘發だということになりますね。
#26
○和田國務大臣 その證明書というものはどういう手續で出されたか私よくわかりませんから、何とも言われませんが、政府のきちんとした手續でかりに出たものとすればともかく、もしもそうでないとすれば、私としてははつきりした答辯はできません。
#27
○徳田委員 大體安本長官の意向はわかりました。これは適法でないと私たちは認めざるを得ないのであります。そういたしますと、世耕副委員長の指令書にそれぞれ委任状がついておりまして、その委任状に、隱退藏物資の調査、集荷竝びに輸送に關し一切の權限を委任するということになつておりまして、閣議決定の要綱によりますれば、これを調査班がやることになつております。そうすると、この委任状というものは權限のないもので出したということになりますが、はたしてそういうふうに安本長官は斷定せられるか否かを伺いたいのであります。
#28
○和田國務大臣 それはあなたの御意見の通りになろうかと思います。
#29
○徳田委員 そうすると、世耕副委員長の行為はすべて違法の處置だ、不當の處置だということになる。そうすると、ここに莫大な委任状が出てきております。委任を受けてやつたという指令の人々もたくさん名前が出てくる。これはすべて違法だということになりますが、これに對して安本長官竝びに檢察廳は何らの處置をなされておらぬように思われますが、これはどういう次第でありますか。政治上きわめて重大なことであります。
#30
○和田國務大臣 私は違法とは言えぬと思います。違法というのは少し行きすぎだと思います。ただ閣議決定の點から言えば正規のものと認められないというだけのことで、違法性はそこまで法律解釋が行くかどうか、私としては少し疑問です。
#31
○徳田委員 そうなるときわめて苦しいようでありまして、これ以上追究するといろいろ破綻が出ると思いますが、そうすると石橋長官の、自分が全責任を負うと言つたそれだけのことで、違法ではないからやつてもいいということになりますね。
#32
○和田國務大臣 石橋さんが言われた意味がどういう意味かわかりませんが、推測するのに、おそらく石橋さんはその當時の安本長官であつたので、自分がやはり責任をもつて命じたのだ、こういうことを言われたのだろうと思います。行政的にはやはり長官であつたから、そういう御證言をなさつたものだと思いますが、それ以上適法か違法かということは行政行為であります、そうまでは言えないのではないかと私も思います。
#33
○徳田委員 しかしこれは非常に重大なことでありまして、行政行為であつてもこれは相手方の所有權を侵すものでありますから、こういうものの適法か否かということが不判明のままに、人の所有權を侵し、人の生活に重大なる關係を有することをいい加減にやるというに至つては、これは法律上も重大であるし、政治上もきわめて重大なる問題になつておると思います。そこのところをはつきりしていただいて、この問題に對していかなる處置をとられるか。これをひとつ安本長官の責任の上で明言していただきたいと思うのです。そうしないと、今度の中間報告にこれは重大なる影響を及ぼすものであります。これがきまらぬと、この中間報告をどう書くかということはまつたく違つたものになるのでありまして、この點は委員會としてはきわめて重大でありますから、ぜひともひとつ明言をしていただきたいのであります。
#34
○和田國務大臣 どうもそこのところは、公の文書というように認められないことば認められないのですが、かりにその指令書が出ていつて、それから先になつてきますと、警察官があるいは一緒に行くなりなんなり、實際の行為をやつたと思うのでありますが、それが適法というか、合理性をもつているものもあるわけでありますから、全體としてどうこうということになつてきますと、判定はなかなかむずかしいと思います。きわめて實際上は曖昧模糊のような氣が私もするのです。
#35
○徳田委員 そういう心掛けでは、とうてい安本長官にこの事件を任すわけにはいかぬと思います。どだいこういうことははつきりさせなければいかん。これはやはり先に言つたように、正しいか、正しくないか、さつぱりしておかぬと、こういう重大なことはできない。安本長官がそういう不明瞭な状態でありますから、だから指令書をもつていつても、警察署がこれに協力するかどうか、これを正しいものとして行政權を執行するかどうかということに對して、いろいろの疑惑が生じたり、また警察がこれを妨害しても當り前だという氣になる。そういうものにこれは關係があるのでありまして、これまで官憲がこの摘發行為に對して妨害したり、あるいはサボタージユし、ある者に對しては危害を加えたという事實まで出てきているものに對しまして、この根本問題が解決しないと、われわれこの委員會としては斷定を下すのに非常に困難をするのであります。これはどうしてもあなたが、これが正しくないということが斷言せられるかどうか、もう一遍はつきりしていただきたい。もし斷言せられないならば、その不當をこの委員會としては十分これを認めて、中間報告をしなければなりませんから、そこのところをひとつはつきりしていただきたいと思います。
#36
○和田國務大臣 やはりそれは公のものでないということだと私は思います。
#37
○徳田委員 それならばもうはつきりしました。安本長官としてはこれは公のものでない。そうすると、これは世耕君が重大なる責任を負わなければなりません。この重大なる責任を負わせても、安本長官はあえてそういうふうに聲明せられる。こういうことをあらかじめひとつ考えおきをいただきたいと思うのであります。そこでこれはこれでいいのでありますか、最近いろいろの調書を調べてみますと、軍から一般の統制會社あるいは統制會等に物資を拂下げる場合に、こういう場合にはやはり軍の帳簿とそれから拂渡すものとはきつかり合つておりますね。こういう點であなたの方で調べたことがありますかどうか。なぜそれを聽くかと申しますと、あの當時のことであるから、軍が實際最後に所有していた額と、統制會社に來ている額と、この間には數量の非常な開きがある。これを私たち問題にするのです。だからあなたの方でこれをはつきり調べておられるかどうか、この點をお聽きいたしたいのであります。
#38
○和田國務大臣 その点は内務省に命じまして調べてもらつておるわけであります。私の方としては直接それはわかりませんので、内務省がそのとき特殊物件をやつていたのでありますから、内務省の調査局の方に今調べてもらつております。
#39
○徳田委員 そうすると、つまり安本長官が監査局を使われまして、そうしてこの隱退藏物資の摘發をするということは、きわめて模糊たるものをつかむようなことになります。帳簿がはつきりしていて、統制會社の帳簿とこれと照し合せて、はたしてこれで妥當であるかどうかをもし確かめないとすると摘發はできません。みな統制會社は自分でいい加減に帳面をこしらえて、安本の監査局の者が行くといやこの通りだ、この通りだと言う。するとああそうかと感心してしまう。これではあほうの眞似と同じことである。こんなことでは安本の監査局の仕事には絶對に信頼ができないのであります。何をしてよいかわからぬからと安本長官が言われるのは私はきわめて不思議だと思う。もうあなた方が安本の本部でこれをやろうとするときには、最初から突き止めておかないとこれはやれない仕事であります。この點はどうですか。
#40
○和田國務大臣 非常にいい御注意なので、われわれもぜひそういうふうにやつていきたいと思います。
#41
○徳田委員 數量は今のように調べておられぬ。これではだめだと思う。しからは値段の點はどうか、値段の點は非常に重大だと思う。なぜ重大かと言うと、渡すときの値段は大概昭和十六年とか、十七年とかの軍の調整費、いわゆる軍内の生産價格で拂下げているのではないか。もしこの拂下げている事實を突き止めておかぬと、あとで配給される場合、その間に非常に莫大な差が出る。實際にわれわれは木綿なども一ヤール四十錢とか五十錢とかで拂下けられておる事實を確かめておるのであります。そういうものが今いくらしておるか。配給にしても三十圓とか四十圓であるまいか。そうすると百倍に殖えている。この間の價格の差はどうするか。この間の價格の差を放つておくということはない。これは國の者が国の實際の代理人になつて配給するのであつて、統制會社なるものは別に私立の私營會社ではない。從つてこの間の開きの差というものは國の收入になるべきものだと思う。この收入がはたしてどこにはいつておるか、これをひとつ御明答願いたい。
#42
○和田國務大臣 その點はよく調べまして、いずれまた答辯します。
#43
○徳田委員 そういうものがまだわからぬでは安本長官は落第だ。これでは實際上隱退藏物資を摘發するには何にもならぬ。國庫の財政が非常に困難だ、何をするにもないといつておる。ところがここにはこういう厖大な物がある。これを徴收する方法を講じないで財政上の困難を打開する途はほんとうに一つも見つけられない。そういうことに對する政治的の勘がちつともない。これでは政府には任しておけぬ。われわれに對しては増加所得税をとるとか、何をとるとか、しよつちゆうとつておる。莫大なる隱退藏の價格差が統制會社のふところにはいつていて、政府のふところにはいつておらぬからこういう結果になる。これを御存じないではどうも殿樣みたいなものだ。芋の煮えたのも御存じないということでまつたくあやしいものだと思う。こういう點はしつかりしていただかないと全然人民の信頼を失うと思うので、警告を發する次第であります。
 さてもう一つお尋ねしたいのですが、安本長官はこの前私の質問に對して、來るべき遊休物資活用委員會の委員はなるべく民間からとる。政府の官吏からとるのはほんのわずかだと言われたのでありますが、その後の報道によりますと、安本においては官吏十名、民間から十名、大體對々と言われておりますが、はたしてそうでありますかどうか。
#44
○和田國務大臣 暫定的な委員會を一應早く設けたいと思つておりますから、あるいはその點になれば今お話のように半々くらいになるかと思います。
#45
○徳田委員 私はそれでは非常に遺憾であると思います。御承知の通り今度の寒川などの經驗からいたしましても、勞働組合が指摘しているのは非常に正確であり熱心である。あのときは安本は非常に不熱心であつた。許可書を出すにしてもいろいろの點で緩漫であつた。しかし勞働組合員は非常に熱心で、最初に報告して後、あとに移動して來たものも直ちに報告して來る。彼らの報告は十中八、九までは非常に正確である。こういうものをぜひわれわれは運用しなければならぬ。隱退藏物資にかけては勞働組合、農民組合などの大衆團體のまじめな人々から出るのがどうしても必要である。こういう方々を委員にすれば、勞働組合も非常に安心して全力をあげてやる。そしてこういう人々はブローカーなどと考え方も違つているし、また勞働組合などは何萬何十萬という人がいますから、うそ八百のことをして私利をむさぼることはでき得ない性格のものであります。こういうものこそこの隱藏物資摘發には主力となるべきにかかわらず、これを候補に入れていないように思われる。すなわち官吏十名、それからほかの者はこめて十名となりますと非常に數が少い。從つてこの考え方はぜひとも改められて、勞働組合や農民組合やそういう民間の者を主體として、官吏は公僕なんだから行政官としてその下働きをするというところまで飛躍して、なるべく早くこれをつくらなければ問題にならないと思いますが、それに對しての御決心のほどを伺いたい。
#46
○和田國務大臣 暫定的な委員會につきましては、民間の委員は西尾長官にお任せしております。私の知つておるところでは、民間の方々にその委員の人選を實はお願いいたしたわけであります。その結果大體半々くらいで民間側の方もこの際はいいのではないかというような御意見があつたので、そういうふうにきまりかけていると聞いております。もちろん末端の調査員には勞働組合なり、農民組合の人になつていただくことについてはちつとも異存はございません。
 それから本格的な委員會をつくる場合には、民間の委員をできるだけたくさん取り入れてやつていきたいと私としては考えている次第であります。
#47
○徳田委員 そうすると實際にいつ頃から始まるのですか。
#48
○和田國務大臣 實はその活用審議會は本日の閣議に委員會令がかかつたわけでありますが、まだG・H・Qの承認を得ておりませんので、それを得次第一應發足することになるかと思います。
#49
○徳田委員 もう一つお尋ねしたい。こういう物資を實際摘發しまして後に、これを配給しますときには、これは各官省、たとえば農林省とか商工省でやるのでありますが、こういう場合に、これが實際上適法に正確に配給せられておるかどうかを安本の方では監査したり、監督せられるのか、それとも全然それは關知しないのでありますか。
#50
○和田國務大臣 それはやはり監督していこうと思つております。殊に委員會自身がその報告を受けて勸告を發することもできるようになつておりますから、兩面からやつていつたらどうかと思つております。
#51
○徳田委員 實はここで重大な問題が起つておるのであります。これは北海道でありますが、北海道に農民の供米を奬勵するために、報奬用として衣料が織物で十五萬ヤールも出ておる。これは前岡田長官のときなんであります。ところがこれがたつた一ヤールも農民には來ておらぬ。これはヤールを服地に直しますと、二萬七千五百着という厖大なものになるそうであります。この中一萬一千八着というものは、道廳の官吏、各支廳長、警察、食糧檢査所、市町村の役場、農業會、驚くべきことには檢事局まではいつておる。檢事局、鐵道、食糧事務所、それからはたして事實かどうかわからぬが、新聞記者諸君にもはいつておる。これはわずか二十着であります。全部で合わせますと、一萬一千八着であります。警察のごときは二千五百着ももらつておる。それから市町村役場でも二千五百着、農業會が二千七百四十着、これはみな數字が出ておる。こういうものが官廳にばらまかれておる。これに埼玉縣でも以前この種の事件が起りまして、これは新聞に載つておりました。こういう物資が縣廳の仲間にみな渡つておる。これは目的を指定されておる。指定されておるものをこういうふうにやつておる。そして今度は一般には一萬四千着配給したと、こう言われておりますが、一つも配給されておらぬ。これがどこに行つたかわけがわからない。これは檢事局までありまして、檢事正が後ほど八着よけいにくれろという申込までしておるらしい。こういうべらぼうなことが起つておるのであります。こうなりますと、警察も、檢事局も、官廳も、巡査も何かもすべてがぐるになつて、大どろぼうをしておると言わざるを得ない。そうなるとこれは一體だれが摘發をするか。だれがこの正當性を認めることになるか。こういうふうになりますと、この隱退藏物資というものは、一方では摘發する。他方ではこの摘發をされたものがどんなふうになるかさつぱりわからぬということになる。こういうことをひとつ安本長官としては精細に、各地方にわたつて嚴重に調べられる意思があるかどうか。
#52
○和田國務大臣 ただいま御指摘の北海道の點は私も新聞で讀んだのでありますが、隱退藏物資の關係で今度活用委員會ができますれば、そういう點については十分委員會の方にも目を光らせてもらい、またわれわれの方としても、かりにそれがほんとうであるとすればぜひそういうようなことがないようにやつていきたいと思つております。その點は非常に必要な點であろうと思います。
#53
○徳田委員 大體わかりましたから、私の質問はこれくらいにしておきます。
#54
○辻委員長代理 中野君。
#55
○中野(四)委員 和田さんに先日お伺いしたのですが、あなたはこの前隱匿物資、退藏物資、遊休物資等の買上げはマル公が原則だ。こうおつしやつた。その後私の方の名古屋における證據書類、資料をお見せ申して御納得がいつたかどうか。この點をまず最初に聽きたいと思うのです。マル公で買上げるのが原則かどうか。
#56
○和田國務大臣 マル公のきまつております物についてはマル公が原則だ、こういうことを申し上げたわけであります。そうでないものについてはそのときの何でいく。こういう考えでありまして、その點は今度はつきりきめていこうと思うのであります。
#57
○中野(四)委員 どうも證人もでたらめだけれども、安本長官もときどきでたらめを言う。あなたは商工次官通牒によつて、昭和二十一年の二月に出ておる通牒をお讀みになつたことはないでしようか。マル公で買上げるという原則はない。買上げる物資についてはそれぞれ指示がありまして、あるものは倉敷料、あるものは、利子、あるものはマル公の三分の一、あるものはマル公の半分というような方法で買上げておる。ところがあなたがマル公で買上げるのが原則だとおつしやるから、先日來私はお尋ね申し上げるに先だつて、この安本長官の考え方をはつきりと究めてからお話しをいたしたいとこう思つてお尋ねをしたのですけれども、この點はおそらくあなたの感違いじやないかと思うのです。マル公で買上げるのなら、今までずつとマル公で買上げているはずだが、マル公で買上げた例はきわめてまれなんです。それでもあなたはマル公で買上げるのが原則だというようにおとりになるかどうか。
#58
○和田國務大臣 私は今お話の商工省の書類をまだ讀んでおりませんから、考え違いの點があつたら謝りますが、今後の買取りにつきましては、そういうことが起らないように、きちんと、こういうものはこういう價格で買うということを一つはつきりしようと思つております。
#59
○中野(四)委員 こういうことをお聽き申し上げたのはなぜかと申し上げますと、われわれは現在退藏物資があるという斷定を下しております。少くとも出させようによつては必ず出てくるという見透しをもつていることは、おそらく安本長官も同感であろうと思う。ただ單的に申し上げれば、出させようが惡い。だからどうしたら出るかという點についてわれわれは腐心をしておるのでありまするが、特に先日當委員會から決議をいたしておりまするその最後の部門に、五條のところに私から提案したものがありまするけれども、この中で二、三削除されておりまするので、特に安本長官にお話しを申し上げて、あなたの決意を伺いたいと思いますのは、現在退藏物資が出ないゆえんはあまりにも買上値段が安いということなんです。それといま一つは社會的に相當な指彈を受けるということによつて、物資が正規のルートに上らないということが言い得るのです。そこでこのマル公で買上げる品物に對して一定の政治的のうま味をもつというか、三箇月なり五箇月の一つの期間を切つて、その間に自發的に提供したものはマル公の三倍なり五倍なりで買上げてやる。ないしは、これは物價の體系を破るというようにとられるならば、あるいはマル公で買上げて、しかる上に二割、三割の報奬金をつけてやるというような方法をとつて、これを早く正規のルートに乘せるか、ないしは一定の期間を過ぎたものに對しては、徹底的に罰則を設けて、無料で沒收すると同時に、何らかの罰則を加えるというようなうま味をもたせることは、かなり私は今日の段階において退藏されている物資が正規のルートに上るゆえんだと思うのでありまするが、この點について和田さんはどういうふうにお考えになつていらつしやるか、御意見を聽きたいと思うのであります。
#60
○和田國務大臣 どうも非常にむずかしい點でありまして、今の御意見にはやはり相當私は弊害が伴うと思うのであります。今まで隱匿しておつたものが、今度政府がそれを高く買つてやるということになりまして、ただいまの徳田さんの御意見によると、むしろそういう隱匿物資で利益を得ているやつは取つちまえということで、むしろその方が、今度のマル公價格の改訂の場合でも、自分で持つておつて新しい物價體系で値段が上つたために當然得たところの利益は、公團なら公團に收めることにいたしておりまするので、やはり高い價格を拂つて買うということはどうかと思います。その點はどうも私、あまりそういう方法はとりたくないような感じがいたすわけであります。
#61
○中野(四)委員 もしそういうような御意見なれば、これをどういうふうにして出させるかという具體的なあなたの方の決意を聽かしてもらいたい。たとえばマル公以上に報奬金をつけるとか、あるいはマル公以上に買うことが不可で、むしろ取上げてしもうことの方が實際はいいのだということになれば、よほど安本の方に完備した制度が設けられて、よほどの熱情がなければこれは出てこないと思うのですが、これに對して具體的な意見をひとつ聽きたいと思うのです。
#62
○和田國務大臣 それこそ今度できまする委員會の摘發調査の人たちにやはり民間の勞働組合のある人とか、そういう人に御協力願つて、隱退藏物資を的確に押えていく。こういうふうにむしろやりたいと私は考えております。
#63
○中野(四)委員 ところが勞働組合を使うにしましても、農業團體を使うにいたしましても、ただでやるわけにはいかない。やはり相當に報奬を出すというところにかなり大きな魅力がある。そうして相當活溌にこれが摘發されるのでありますから、その報奬制度はどういうふうにしておられるか、また現今のような制度であるならば、摘發してこれを産業公團に賣つて、しかる後に拂うということになると、一年も二年もかかつてしまつて、そのうまみというようなものはなくなつてしまい、長い間捨ておかれるので、實際の熱意が失われると思いますが、この點について和田さんは今後どういうように運用されようとするか、お伺いいたします。
#64
○和田國務大臣 隱退藏物資につきましては、一定の價格でやはり買上げるつもりでおります。その價格は時期的にいろいろ違いがありますから、ものものによつて額をきめていかなければならぬと思います。ずつと前に安い價格で買つて、今まで隱匿しておるものを高い價格で買うわけにはまいらんのであります。
 調査員に對しては報酬がありませんけれども、調査員は有給にしていきたいと思いますし、それから隱退藏物資の申告と言いますか、知らしてきた者には一定の報奬をやるというようなことをやはり考えていつたらいい。かように考えております。
#65
○中野(四)委員 私の聽いたのは最後の方です。たとえば情報提供者は、素人仲間の情報というものは大體において八、九割までは的確でないのです。ところが業者仲間というか、玄人仲間の情報提供は、大體八、九割までが的確なのであります。そういう面から大いに勞働組合や農業組合を活用することは有利で、現に神奈川縣の寒川においてもしかりであります。あなたの方の齋藤事務官がせつかく三度も五度も高い費用を使つていろいろとなさつたにかかわらず、一物も出ない。しかるに衆議院あたりで行つてみれば、現に役人の報告によつてもあなたの言葉によれば相當量出ております。しかもまたその報告書には不確實なものがたくさんある。隱匿物資か退藏物資か、何だかわけのわからぬものがたくさんある。こういう面においてはあなたの方の情報に基いてやつてもなかなか出ないけれども、たまたま勞働組合の者が、このものはここに隱してあるというように一々指摘すると、どんどん出てくる。こういう面においてこれらの者が情報を提供した場合に、一體熱意が足らぬように思う。適當な機關に買上げしめて、それから後に金をやるということが非常に熱意をもたせない結果になる。報奬金をもらうまでに一年、二年かかつておる、今まで摘發して金をもらつたという例はおそらくないと思う。きわめて最近のことであると思いますが、閣議で決定して、やつと二割の報奬金を拂つておるという實情である。してみるとやはり報奬金がかなり魅力をもつておるのであるから、こういう點について和田長官は今後摘發者に對する報奬金をどういう方法をもつて熱意をもたしめ、その效果をあげさせるように導いていくつもりか、この點を聽きたいのであります。
#66
○和田國務大臣 それはやはり物資の買上げを早くして、早く報奬金をやるようにしたいと思います。
#67
○中野(四)委員 そういうように口通りにはなかなかいかぬ。あなたの言うように簡單にいけばきわめて何でもない。ところがあなたはそう言うけれども、實際上はそう簡單ではない。從つて事實上において熱意を冷めさせる結果になるから、あなたは安定本部長官として今後具體的にこういうようにやる、もしそういかなければ立替えてもやるというあなたの方から熱意をみせなければこの結果は得られないと思う。そこで特にあなたを煩わしてあなたから決意を聽きたいと思つたのであります。
#68
○和田國務大臣 この報奬金の支拂いが非常に遲れますために、摘發の熱意がなくなるという御意見、もちろんそういう面もあろうかと思いますから、われわれとしましては、どういう手續になりますか、もちろんそういうことのないように、早く立替えてやるというか、そういうことをわれわれといたしましてもやりましよう、やる機構を考えます。
#69
○中野(四)委員 その一言を聽いて私ども一應了承しておきます。後日また改めてお尋ねするとして、きようはこの程度にしておきます。
#70
○辻委員長代理 商工大臣はもうじきにこられる豫定になつておりますから、それまでまた暫時休憩いたします。
    午後三時二十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時五十六分開議
#71
○加藤委員長 休憩前に引續いて會議を開きます。中野君。
#72
○中野(四)委員 商工大臣おいで匆々で恐縮なんですが、先日私から商工省に向つて、摘發した物資を正規のルートに乘せた面の差益金が商工省關係だけでいくらあるか、速やかに資料として出されたいということと、それから延いては全面的にこの差益金がどのくらいあるかということをお尋ね申し上げたところ、商工省の方から係の方がおいでになつて、差益金は現在わからない九月十五日まで待つてくれ、その間に全國から問い合わせてお答え申し上げる、こういうお答えでありましたが、本日商工大臣にお尋ねをいたしたいのは、物資の摘發を非常に急いでおります。そのゆえんは、敗戰後の日本の資材不足に充足したいという念願に燃えて、あらゆる面から隱匿物資、退藏物資、遊休物資等が摘發されて、相當正規のルートに乘つておるかのごとく聞いております。ところが私の調査によれば、相當急いで摘發した物資が現在正規のルートに乘せられず、さらに商工省によつて退藏されておるという事實がありますが、これを商工大臣は御存じか、もし御存じであるならば、なぜこれが早く正規のルートに乘らないかという點を伺いたいのであります。
#73
○水谷國務大臣 ただいま中野さんの御質問に答える前に、經濟安定本部に隱退藏物資の摘發處理が移される以前における商工省の隱退藏物資處理方法及びその實績を一通り御説明申し上げれば、大體よくおわかりであろうと思います。それを一つ御説明申し上げまして、あとは一々の點にお答えいたしたいと思います。昭和二十一年二月十七日隱匿物資等緊急措置令を公布いたしまして、石油、繊維、鐵鋼等、十六品目の調査物資につきまして、一定數量以上の所有者及び占有者から申告を徴し、主として各道都府縣廳及び商工局におきまして、書面調査及び實地調査によりまして隱退藏の認定を行い、また申告を行つたものにつきましては、警察の協力を得て摘發に努めまして、右により所在の確認された隱退藏物資は、これを各物資別の統制機關に買上げさしたのでございます。同令は舊軍保有の特殊物件、官廳の所有物資等、一部の保有物資につきましては除外したのでございますが、一應廣く全國的に主要倉庫、工場等についての調査を行つたのでございまして、その結果として、現在までに石油類が約五キロリツター、織物約七十九萬反、服及び外套約六十一萬點、鐵鋼約三萬三千五百トン等、公定價格にいたしまして約十億圓の物資が買上げられており、なお今後におきましてもある程度増加する見込みでございます。買上げられました物資につきましては生ゴム、革、錫のような、主として輸入に依存しておる物資、特に大口のものは中央配分とし、いずれも物資需給計畫の供給力に組み入れまして、正規の割當を得たものに配給されたのでございまするが、その他のもの――これが大部分でございまするが、その他のものは、これをば物資需給計畫外の調整分といたしまして、その處分を各地方廳に委ねたのでございます。各地方廳におきましては官吏合同の買上諮問委員會、關係官吏、産業團體代表、政黨人、新聞人等をもつて構成された諮問委員會に諮問いたしまして、各地の具體的實情を勘案しながら、おおむね中央の指示した方針に從いまして、消費財は農村の食糧供出見返り用、引揚者、戰災者用にこれを用いまして、生産財は進駐軍用、石炭、化學肥料、その他重點産業用に振り向けられて配給中でございます。配給先の詳細につきましては、商工省は報告を求めていないので、具體的な割當先はわかつておりません。隱匿物資等緊急措置令が公布以來すでに一箇年半を經過いたしまして、當初の豫定よりも處理が遲延しつつあるのは御指摘の通りきわめて遺憾でございまするが、この原因は人手不足による調査及び認定事務の遲延によるものであり、第二には工場在庫物資については經濟事情の變化による遊休資材の稼働化、たとえば工場操業再開等に基くもの等によりまして、讓渡命令の解除が續出いたしましたこと、第三には相繼ぐ物價騰貫によりまして、供出價格に關し所有者との折合いがなかなかつかなかつたこと、第四には買上げと決定しても、輸送、荷役の關係でネツクが續出したこと、及び引取費用が實際上高騰して、周旋機關の資金繰りがむつかしかつたことがあげられると思います。しかしこの處理は近日中に全部一應完了する見込みであります。近日と申しましても、半年というような先ではございませんので、二、三箇月中に全部完了する見込みでございます。
 さらにただいま中野さんの御質問によりまして、商工省がこれらの物資を退藏しておるというような御質問でございましたが、これはこの説明で明らかでございますように、一つの品といえども退藏してはおりません。
#74
○中野委員 たいへん御親切な商工大臣の御答辯でありまするが、商工省に現在退藏していなくても、あなたがただいま御指摘になつたような結果に基いて、たとえば人手不足ないしは認定事務等のいわゆる隘路によつて、これらのものが正規のルートに行かないということになれば、間接的に退藏と言わざるを得ないのであります。從つて商工大臣は將來これらのものを速やかに正規のルートに流すという、この目的達成のためにはいかなる決意をもつておらるるか、一應伺いたいと思うのであります。さらにもう一つは、現在商工省においてあなたが著任以來お調べになりましたところの差益金というものは何ほどあるか、これは全面的にでなく、ただ商工省だけの調べは何ほどであるか。さらにいま一つは配給はマル公で行つておるか、あるいはマル公以上の價格で行つているかという三點について伺いたいと思います。
#75
○水谷國務大臣 今後のことをお聽きくださいましたが、これは商工省といたしましても、さつき申しましたように、二、三箇月中に處理するということを申しましたし、今日また閣議の決定によりまして、このたびこういうような問題に關する内閣の方針ができ、總理大臣の直屬機關ができまして、それによつてスピードアツプするという方針がきまりました。それから第二番目の差益金の問題でございますが、これはさきに事務の方から御楢豫を願つておりましたように九月十五日までひとつお待ちを願いたいと思います。それから第三の配給の問題。マル公でやつておるかどうかという御質問でございますが、これは全部マル公でやつております。
#76
○中野委員 隱退藏物資處分について、私は現在わかつておる差益金を伺つておる。總括的には九月十五日まで待つてくれという御意見でありますから、これは待つといたしましても、現在商工省に純益金、差益金というものがある。これが繊維がいくら、鐵がいくら、生ゴムがいくらというような、大體の概略はわかつておるはずでありますから、この點についての御答辯を求めておるのであります。
#77
○水谷國務大臣 差益金のことでございますが、これは先ほど申しましたように地方廳に任している云々という總括的な御答辯をいたしまして、今その方から集計をしておりますので、大體九月十五日までお待ちを願いたい。商工省の方では今直接にわかつておりませんので、ひとつ御了承を願いたいと思います。
#78
○中野(四)委員 まことにこれは商工省の怠慢と言わざるを得ないのであります。私が先刻來退藏物資を非常な熱意をもつて摘發をしても事實上にこれが商工省のいろいろな隘路によつてさらに退藏されるおそれがあると申し上げるのもこの點であります。すなわち差益金が完全にここに出てまいりません限りにおいては、現在商工大臣水谷さんが御答辯になつたことを裏付けすることにはまいらぬのであります。あなたの方から的確なる差益金が出て、初めて商工省が事實において退藏しておつたかいなかつたかということが明らかになるのであります。この點は先もつてお斷りがありましたから、さらに九月十五日までお待ちをいたすことにいたします。さらに一點私は伺いたいのでありますが、この隱匿物資等の摘發に關する主務大臣は商工大臣だと思います。かねて新聞紙上等において論議をされております世耕指令というものを御承知であろうと存ずるのであります。そこで世耕君の出されましたるこの指令書がはたして適法であるかどうか、その點について商工大臣の明確なる御答辯を伺いたいと思うのであります。法的根據があるものかないものかという點について伺いたいのであります。
#79
○水谷國務大臣 さきにお答えいたしましたように、經濟安定本部に隱退藏物資の摘發處理が大體今年の初めに移つております。從つてそれ以後のことは經濟安定本部が責任官廳ということになるのでありまして、問題のいわゆる世耕事件が活躍いたしましたのは、大體安本にこれらの權限が移りました以後のことでございまして、商工省時代にはそういうことはございませんので、御了承願います。
#80
○中野(四)委員 水谷さんは勉強不足でとんちんかんな御答辯ですが、私の申し上げているのはそんなことを尋ねているのでない。あなたは政治家として十二分に御承知のはずである世耕弘一君の發せられました假指令書というものは安本に權限が移つたのにあらず、當時の摘發主務大臣は商工大臣であります。從つて現商工大臣としてこの世耕指令書ははたして法的根據をもつものかどうかという點について水谷さんの御答辯を伺つているのであります。
#81
○松田政府委員 ただいまの御質問でございますが、お話のようにいかにも商工省がこの問題につきまして責任を囘避しているようにおとりになつたと思うのでありますが、もともとこの問題につきましては、一方においてできるだけ隱退藏物資の摘發をいたしますと同時に、それが早く需要家方面に向う、言いかえればせつかく隱退藏物資が摘發されても、それを一々こまかく中央において集計をするとか、いうようなことをして、そのためにまた中央から地方に指令が飛ぶということでなしに、できるだけ早くそのものが必要な方面に流れるようにしたいというのが商工省の考えでありまして、そういう意味で先ほど來大臣からも御説明がありましたように、できるだけ多くの物資を地方廳の方に任したのであります。それでただいま御質問のこの世耕事件の問題につきましての委員會がこの春經濟安定本部にできまして、その委員會に世耕さんが副委員長としてその後摘發と申しますか、あるいは各方面からの調査の要求に從つて、いろいろ御指令がそこから出たようにも承つているのでありますが、そういう問題は委員會ができましてから起りました問題でございますので、それについて具體的に商工省の方からそういつたような摘發の指令を出したというような問題がございませんので、ただいま大臣からお答えしたようなことを申し上げる以外にないのであります。
#82
○中野(四)委員 私のお尋ねしているのは緊急措置令は商工大臣が主務大臣なのです。そこで現商工大臣の責任に歸する問題がありますから特に承るのでありますが、この世耕指令というものに法的な根據があるものかどうか、いわゆる公のものとして認めるか、認めぬかといふ問題について現商工大臣の決意を承りたい。あなたのおつしやるのはひとつの便法に過ぎない。私の尋ねる意圖はそうでない。水谷さんから改めて今の點についてお答えを願いたい。
#83
○水谷國務大臣 ただいまの中野君の御質問は端的に申し上げますならば、世耕さんのいわゆる世耕指令というものが、隱匿物資緊急措置令に基くものであれば、これは商工大臣の責任です。しかしながら世耕指令は隱匿物資緊急措置令に基くものでありませんから、商工大臣としては何ら與り知らないものであります。
#84
○徳田委員 ちよつと水谷さんは法律家でもあるし、私もその舊友であるのでこういう點でひとつ言い逃がれしないようにしてもらいたいのであります。隱退藏物資摘發委員會の閣議要綱というものは閣議の要綱であつて、これは法案上の效力を發生しないものである。それは行政及び政治上の要綱であるかしらぬけれども、しかし大衆に對してはその要綱は問題にならないのである。でありますから大衆に對しては結局隱退藏物資緊急措置令でやらなければならないのでありまして、從つてこれによつて指令を出して云々した場合には、すべてこの措置令に基かなければ處置はできないものである。でありますからここで證人を喚びましていろいろ廳いたときでも、隱退藏物資緊急措置令に項目がないから、これには適合しないようにできておる。だから隱退藏と認められなかつた。認められないから調べを中止したということが起つておるのである。警視廳の答辯もみなそうである。從つてこの世耕指令によります行動は、すべてこの措置令に規定されておるもので活動しておるのでありますから、この點では商工大臣が關知せられないということはあり得ないのである。もし關知しいということがあるならば、時の内閣が法律を犯して、法律を無視して、自分の政治的な意見でもつてでたらめなことをしたということになるのである。從つて、和田安本長官はこういうものに對しまして、これは公のものではない。こう言うておるのである。私たちはそういうふうに理解しておるのである。そこのところをとくと考えられまして、これに御答辯をくださらんことを希望するのであります。
#85
○水谷國務大臣 ちよつと徳田さんに聽きますが、僕が商工臣に就任してから何かそういうような世耕事件というのが起つたのですかな。
#86
○徳田委員 いや、それは水谷君が就任されてから、世耕事件が起つたというのではありません。しかし世耕事件というものがあつて、その關係がいま非常に混亂しておる。そうするとこの緊急措置令を、あなたが主務大臣であるのだからこの世耕指令が適法であるかないかをあなたが審査するだけの責任がある。その審査すべき責任においてこれが間違いである。これが不適法であり、正規のものでないということになれば、あなたの方はこの隱退藏物資に關する世耕指令による損失に對して特殊な處置をとらなければならぬ。これは政治上の責任です。これは全部間違いである。これに對して司直の手を必要とするならば、これは司法官憲の手を煩わさなければならぬし、あなたの行政的處置をやらなければならぬ。現にこれは世耕指令の關係も含めて八億數千萬圓の摘發ができたということになつた。これがもし正當でなければ、摘發された者から大きな異議が來なければならぬ。これは行政上大きな問題である。あなたのときに起つたのではないが、前に起つたことでも、あなたが大臣になれば、腫物は腫物として處置しなければならない。それは前に起つたことだから俺は知らねえ、そんなことはない。内閣はいつ送るかわからないのだから、大臣になる以上は、それだけの責任をもつて、前に起つたものでも何でも處置するだけの決心でなければ、われわれは大臣として君を信頼するわけにいかない。どうだ。
#87
○水谷國務大臣 吉田内閣の商工大臣の責任をとれというようなことですか。
#88
○徳田委員 そういうわけじやありません。吉田内閣がやろうが、その前の幣原内閣がやろうが、現に起つておるこの事件、これは大きな損害が起つている。あるいは大きなトラブルが起つておるのだから、商工大臣の所管はあなたが處置しなければならぬ。その處置するに當つて、この指令が正當であるか正當でないかということによつて、重大なる問題が起るのである。この委員會においてもこれが重大な問題である。これが正當であるかないかによつて、委員會の報告は非常に違わなければならぬ。それはあなたの責任である緊急措置令でありますから、これが適法でないと言われれば、われわれはこれに對して處置しなければならぬ。緊急措置令によつてこれは適法である。そう言われればそれによつてわれわれは處置しなければならないのである。
#89
○水谷國務大臣 その點が今よく聽くと、あなたと私の考えが違うところで、私は先ほども繰返して申し上げますように、いわゆる世耕事件というものは昭和二十二年二月十四日閣議決定の隱退藏物資等摘發處理要綱、これに基いたものであつて、今繰返し御指摘の昭和二十一年二月十七日隱匿物資等緊急措置令に基く適法のものでないというのが私の考えですから、私としてはあなたの御注問には應じかねるのですが……
#90
○徳田委員 御注文に應じてあるのである、適法でないと言われれば、これでよろしい。緊急措置令によつてやつてあるのでありますから、適法でないと言われれば、それで非常に明確である。すなわち摘發要綱というのは、これは閣議の決定でありまして、法律ではありませんから、これは行政上の束縛は受けるでしよう。しかし法律上の責任の所在を云々すべき性質のものではないのだ。從つてあなたがこれは緊急措置令として違反だと言われれば明確である。これをわれわれは聞きたかつたのである。しかしそれはそれといたしまして……
#91
○加藤委員長 ちよつとお言葉中ですが、實は今商業委員長の方から、貿易廳關係のバイヤーがこの議會に來まして、商工大臣と懇談會をやることになつておるそうでありますから、もし商工大臣に御質問の點がありますれば、ほかの委員の方もありますから、なるべく急いで要點だけを……
#92
○徳田委員 急いで、特急でやります、隱退藏物資を摘發いたしまして、これをさらに正規のルートに乘せて配給いたしますときには、これはみんな地方廳が勝手にやるわけでありますか、それとも商工省から一々指示をしてやられるのでありますか、いずれでありますか、これを伺いたいのであります。
#93
○水谷國務大臣 それはさつき中野さんのお尋ねのときに最初に申しましたように、大體の標準を示しまして、地方廳に大幅にやつていただいております。
#94
○徳田委員 そうすると地方廳がこれは勝手にどちらもやれめというわけでありますかな。これは重大なる問題でありますから、とくとお聽きしたいのであります。
#95
○水谷國務大臣 それは中央からは大幅の大體の目安を與えておることは、これはさつき申しました。さらにまた地方廳におきましても、買上諮問委員會というものにはかつてやるのでありますから、地方官廳が勝手にやるというようなわけにはまいらぬと思います。
#96
○徳田委員 そこで重大な問題でありますが、最近――きのうか、きようだつたと思いますが、栃木縣において、あそこでは隱退藏物資の最初の摘發の場合には、何もない。これは世耕さんも證言せられておりますし、その時の取調べでもそうであります。何にもない。三億いくらのものを摘發してみたけれども、これはみな適法であつたというふうに言われまして、すべて何にもなかつたというのであります。ところが最近國會がこれに發動いたしまして、調査をした後に、今度はたくさんあるのだ、うんとあるのだというのでじやんじやん配つておるというようなわけでありますが、こういうふうなことを商工大臣は全然御存じないわけでありますか。
#97
○水谷國務大臣 さつきあなたの御質問されたことに對して、私の答えたことは處分方法のことであります。處分方法は勝手にさすか、させぬかという御質問であつたから、處分方法はこうだというぐあいに答えたのであります。ところがただいまの御質問は、處分方法じやなしに、摘發の方を……。
#98
○徳田委員 いえ、そうじやないのです。摘發したものの處分です。處分をじやんじやんやつておる。もう一遍繰返して言います。少し私語をされずに、とくと聞いていただきたい。實は世耕さんの證言にもあります通り、あそこには隱退藏物資は何もなかつたということを言つておられるのであります。三億圓のものも世耕さんの盡力で押えたところ、これは隱退藏じやないのだ。正當のものだというので、封印まではつて來ました。そしてこれは空つぽにしたわけであります。ところが最近に至りまして、國會がこういうものに發動し、あそこに調査隊も行きまして、この調査の結果も出されるわけでありますが、報告せられたところによりますと、實にでたらめだ。まつたくなつちやいない。ところが最近どう響いたか、きようの新聞では、じやんじやんいろいろなものを配給しておるということになつておる。そういうことに對して、あなたがおわかりになつておるかどうか。こういうことは今重大なる問題でありまして、栃木縣に對しては全部が注目しておるわけでありますが、商工省がそういうものに何らの監督もせず、じやんじやん配つておるというのだが、一體これはどこから摘發し、どこからどうしたかということもわからずに、ただそういうふうにやつてもいいものかどうか、ということをお尋ねしておるのであります。
#99
○水谷國務大臣 けさの新聞のことは、實はまだ私自身も知りませんし、今聞きますれば、商工省の方で知つておりませんので、もしそういうような事實がありましたならば至急調査したいと思つております。
#100
○徳田委員 どうも商工省は非常に怠慢だと思います。栃木縣がああいう問題になつておる以上、栃木縣に對しては、商工省としましては非常に注目しなければならぬ。監督を嚴重にしなければならぬ。そういう事件が起つても、なおかつあなた方知らぬと言うことはたいへんだ。というのは、もつと問題があるのでありまして、實はこの配給がうまくいかないで大騒動が起つておるのでありますから、この配給に關しまして、商工省としては監督しておられるかどうか。いかなる監督をし、いかなる監視をしておられるか。この點を一つ聞きたいのであります。
#101
○水谷國務大臣 ただいまの栃木縣のことは、至急調査して御答辯いたします。その他のことは、どこですか知りませんが、栃木縣のことはあとで調べます。
#102
○徳田委員 これは一般的のことを聞いておるのであります。すなわち縣に、大幅にあなか方が指定してこれを配給させておると言われるならば、この配給が正常に行われておるかどうか。これをいかに監督しておられるかというのであります。やみ問題がうんと起つておる、いろいろの統制破りなんか、うんと起つておる以上、商工省としては責任上、この配給をどういうようにやつておられるか。正當に、ほんとうにやつておるかどうか。これを監視しなければならない責任があると私は思う。今の地方廳というものが腐つておるということは、あなたよく御存じのはずです。官僚統制が腐つておればこそ、こういう問題が起つてきておるのであります。從つて主務大臣としては、この物資の移動に對して、これの配給に對しては、嚴重な監督をせられなければならない義務があると思います。それをどういう方法でやつておられるかを私は聽いておるのであります。
#103
○水谷國務大臣 今の徳田さんの御質問でありますが、これはさつき申しましたように、商工省としては大體の基準を示し、あとは大幅に地方官廳に任す。その地方官廳が諮問委員會に諮つてこれをやつておるということで、任してあるのです。
#104
○徳田委員 それだからたいへんだと言うのです。それはもう肚の底までみな引出されてしまう。どろぼうはそこにあるのだ。だからこれは監督しない。ではだめだ。現にこういう事件が起つておる。これは、非常に重大な事件だから私は言うのでありますが、北海道の事件である。すなわち農民の供米に對する報奬用として、衣類が渡された。この衣類は商工省から出ておるでありましよう。十五萬ヤール出ておる。二十一年度の産米に對してでありますが、供米の報奬物資として十五萬ヤール、洋服に直しまして、六ヤールずつとして二萬七千五百著できるそうであります。ところがこれが一つも農民に配られていない。そのうち明らかになつておるところは、一萬一千八著というものは各支廳の役人がとり、警察がとり、食糧檢査所がとり、それから各市町村役場の役人がとり、農業會がとり、道廳がとり、さては驚くなかれ檢査局までとつておる。檢事局がとり、鐵道がとり、食糧事務所がとり、また新聞記者までとつておる。そういうことはあなた方が監督しないからこうなるのじやないか。一般に二萬七千著配られていると言われておる。ところが一著も配られておらぬ。それを總計してもまだ二萬七千にはなりません。二萬五千いくらで、二千五百著というものは、これまたどこへ行つたかわからない、なぜこれを襲督しないかと言うのであります。私は昨年の九月にも星島商工大臣に、あるいはまた石橋大藏大臣に言つたが、この配給に關していかなる監督をしておるか。また資金の供給に關して、この供給したあとをどう監督しておるか。これがわからないから、みんなやみではないか。資金はやみに流れる。そういうものを縣廳がとつている。ごらんなさい、あらゆる役人だ。縣廳、警察まで全部ぐるになつて、新聞記者の上の方まで買收しておる。そうしてみんなやみの方に流れる。それを農民がつつこんでも、どこにも訴えようがない。發表のしようさえもない。そういうふうなことになれば、みな腐るではないか。こういうふうに官僚統制が腐つているから、隱退藏物資の問題が起つてきた。これすなわちブローカーが世耕情報なるものを利用して、そうして恐喝――これは世耕君が惡いと言うのではない。世耕者に直接關係があると言うのではない。ブローカーがそういうものを利用していろいろなことをやるのも、こういう事實があるためである。それをあなたの方では、こんなものを審査もしなければ、監督も何もしない。あとは任せきりだ。何々委員會があるといつても、そういう委員會の十人や二十人を買收することは何でもないではないか。そういうことで、この隱退藏物資の處理、それから物資の配給に對して、あなたは責任を負うた長官と言われますか。それを私は聽いておるのであります。
#105
○水谷國務大臣 大體私の就任せない前のことばかりで責任を追究されるのですが、今後は御案内のように、經濟安定本部に監査部ができまして、ただいまのような活動は經濟安定本部の監査課がやることになろうと思います。
#106
○徳田委員 安定本部の監査部に責任を負わせることは、私は不當だと思う。實際事務を取扱つているのは商工大臣です。商工省が配給するのです。この配給をみずから命令した以上、これがいかに行われているかということを監査しなければならぬ。これは安本が監査すると言つても、安本はもつともつと大きい仕事をやらなければならぬ、隱退藏の方も監査しなければならぬ。今配給しているものが正當に行われているかどうかということを監督もせずにほつたらかしておくというのでは、ここからまた大きいやみが出てくるのであります。こういうやみの出てくるのをあなた方は防ごうとする意思がないというならば、これは驚くべき怠慢だと思う。どう考えられますか、ひとつお答え願いたいと思います。
#107
○水谷國務大臣 もしやれとおつしやるならば、安本の監査部その他と相談してひとつ善處いたしましよう。しかしただいま御指摘のやつは、全部私の知らない前のことばかりで、今後そういう問題に關しましては、統制經濟がうまくいくかどうかということを監査するために、經濟安定本部に大がかりな監査部ができたのでありますから、當然今後はそこでやることになつておるのであります。從つて私が就任いたしましてからの後に、あなたが御指摘のような、監督の怠慢によつていろいろの問題が起つたという事實がございますならば、私もそれに對して十分お答えいたしますけれども、ただいまの御指摘のやつは全部私が知らないときのことであります、今は經濟安定本部に監査部ができたので現在竝びに今後は、この機關でやつていくというぐあいに内閣の方針がなつておるのでありますから、その點はひとつ素直に御了承願いたいと思います。
#108
○徳田委員 私はそういうつもりで言つておるのではありません。それはあなたの就任以前に起つたことである。就任以前に起つたこういう惡いことをそのままあなたが踏襲していけばまた惡いことになつてしまう。だから就任以前のことを言われたからといつて責任問題云々ではなく、就任以前にこういう惡いことが起つているのだから、これを改めてこういうふうにするのだ、またこういうふうにしたんだと言われるならば、われわれは大いに信頼し得る。しかしこれはなり來りだからとやはりそのまま同じようにやつているというならば、腐つたものは腐つたままに、腐敗はいよいよますます腐敗するのであつて、黴毒の二期から今度三期になりましよう。もつともつと腐りましよう。そういうのではだめである。それを今監査部ができたから監査部に全部任せますと言つたつて、自分の方のものは自分でやらなければだめだ。自分がやつているものは自分の方面で正しくいくようにやらない限りだめだ。監査部がそんなことをやつたつてとうてい及ぶものではない。監査部は監査部で仕事はたくさんある。隱退藏物資摘發だけでも厖大なものがあるのでありまして、あなたが從來の黴毒の毒をそのまま放置してなおかつそれを何とも思われぬというならば、私は驚くべきことだと思うのであります。
#109
○水谷國務大臣 先ほど申しました私の御答辯でなお御不滿のようでございますが、過去の事實であろうとも、この委員会を通じて明るみに出たことでありますから、今後は經濟安定本部監査部の方と協力いたしまして、地方商工局におきましてだきるだけ從來のような態度ではなしに、十分監督してやつていきたいと思います。
#110
○徳田委員 これは物資の需要供給の關係でありますが、これに對してちよつとこの隱退藏物資と關係しておるのでお尋ねしたいと思うのである。これは軍が終戰のときに莫大な物を持つておつた。この莫大なものが今度は政府に移らねばなりません。移つた場合に今までは内務省の調査局云々ということになつておりますが、調査局が調べればすぐにこれは商工省へ來るはずである。來なければ商工省はこれをどう配給するかということがわからぬはずでありますが、こういうものが來ておりますかどうか。商工省してはどれだけの物資がどういうふうに來ておるかということが判明しておりますか。
#111
○松田政府委員 今お話のあわゆる特殊物件につきましては、物によつて中央扱い、地方扱いとございますが、やはり今の隱退藏物資の摘發の場合と同樣に、大體の部分につきましてはやはり地方廳に一括してありまして、その配給等につきましては、先ほど隱退藏物資について大臣から申し上げましたと同じような基準でやつておるのであります。その特殊物件のうち相當大口なものであり、またその内容からしまして、商工的に考えなければならないものにつきましては、商工省の方におきしまて、總合計畫を立て、これをいわゆる物資の需給計畫の中に入れて配分する。こういうふうな處置にいたしております。
#112
○徳田委員 そうしますと、大口だけはわかつているはずでしようね。ところでこの大口は、大體みな統制會社に渡しているはずでありますが、この統制會社に渡されているような額は、全部わかつておりますか。
#113
○松田政府委員 ただいまここにその資料を持合せておりませんけれども、大口のものにつきましては、私の方でわかるようになつております。
#114
○徳田委員 そうすると先ほどお話のありました隱退藏物資をみな申告さしたということになつております。それが大體十億ぐらいだというお話でありますが、そんなものではないと思う。これは莫大なものである。十億ぐらいな鼻くそほどのものではない。それの十倍、百倍に上るべき性質のものだと思いますが、こういうことはみなわかつておりますかどうか。
#115
○松田政府委員 先ほど大臣から申されました十億というのは、いわゆる隱退藏物資措置令によりまして調査をいたしまして、統制機關に買上命令を出しましたものが約十億でありまして、特殊物件の額は先ほど申しました十億の中にははいつておらぬのであります。なお特殊物件の中央におきまして處分いたしましたものにつきましても、大體右と同額ぐらいのものがあるかと存しでおりますが、その點は今ここではつきりいたしておりません。
#116
○徳田委員 それも私は非常に怠慢だと思いますが、こういう特殊物件の莫なものがある。私たちちやんと目をつけておる。これから話します。きようは話してませんけれども、いずれ大きいものをボカツと出します。あなた方の言うようなそんな小さいものではない。ところで、こういう特殊物件を統制會社に移しましたときの價格は、いつの當時の價格でやつておりますか。
#117
○松田政府委員 今の統制機關に拂下げましたときの價格は、大體拂下當時の公定價格を基準にいたしてやつております。ただし拂下當時にいろいろな關係で、ほとんどただのような値段で拂下げているような場合につきましては、やはりそういう事情は考慮いたしまして買上をするように考慮いたしております。
#118
○徳田委員 そうしますと、その當時の公定價格に間違いありませんね。これは重大なことでありますから、これに間違いがあるとたいへんなことですよ。その當時の公定價格に間違いありませんね。
#119
○松田政府委員 今申しましたように中には多少例外はございますが、原則といたしましては、今申しましたように、當時の公定價格によつておるのであります。
#120
○徳田委員 それならわかりました。これはあとで申し上げます。これは確實ですね。さてこの公定價格でやりまして、今度公定價格で大分上つております。これが配給されるときには、大分また價格が變つております。その間の價格の差はどういうふうになりますか。これは差益金として取上げられておりますか。それとも統制會社の利益として統制會社に與えておりますか、いずれですか。
#121
○松田政府委員 ただいまのお話につきましても、やはり先ほどの隱退藏物資と同じように、差益金としまして國庫に納付する。こういうことになつております。
#122
○徳田委員 その額は大體どれくらいですか。
#123
○松田政府委員 その經理の面につきましては内務省の所管になつておりますので、ただいま私の所ではわかつておりません。
#124
○徳田委員 それでは大體これで打切りますが、後ほどこれは問題にしたいと思います。この點もよく調べていただきたい。あなたの方では實際何も調べておらぬ。これは安本にも聽きましたが、安本でも何も調べておらぬ。これではまつたくこの二箇年の間にこの方面ですつかり國を破壊してしまつた。それで隱退藏物資問題という重大なる問題が起つたのでありまして、この間の腐り方は實に言語道斷の話である。ですからこのことについては後ほどお尋ねいたしますから、どうか愼重にお調べのほどをお願いしておきたいのであります。
#125
○小島委員 今の徳田君の質問に關連してでございますが、實は隱退藏物資そのものが横流れしておるとか、やみに流れておるということは、非常に大きな問題でありまするが、當時統制組合、あるいは各種團體に拂下げられたこの品物――私は名前をあげて惡いかと思いますが、海外同胞引揚援護團體と稱するもの、あるいはいろいろな慈善團體という形をとつておるもの、そういうものに拂下げられた品物の半分ないし、極端に言えばほとんど全部のものが、やみに流れておるのではないかと思われる節がたくさんあるのであります。現に一つの事件として私は知つておる。たしかにある種の團體に拂下げられたものがやみに流れておるということがはつきりしておりますが、これらにつきましての監査は一體どこでやりますか。安定本部でやる監査というのは、ただ隱退藏物資であるかないかという程度の監査をするのでありますか。それとも一旦拂下げられた品物がその先ではたして正當に配給されておるか、たとえば引揚者に對して拂下げられたものが全部配給されておるかどうか、あるいはその拂下價格と、先ほど徳田君の質問いたしました公定價格と、また配給した價段の差額というものに間違いがないかどうか。そういう點について監査をする意思があるかどうか。そういうことについて私は國鹽さんの答辯を求めます。
#126
○國鹽政府委員 ただいまの配給に關するその後の實情の監査でありますが、それは第一次的には商工大臣に責任があるのであります。配給面についてはすべて商工大臣が責任をもつておられることになつておるのであります。しかしその後商工大臣あるいはその配給を受けた團體、縣が實際にはいかにそれをやつておるか、いかにそれを監督しておるかという全般の問題につきまして、さらに安定本部の監査局で監督をしておる。二重監査になつております。
#127
○中野(四)委員 商工大臣は先を急いでおられますから、一言申し上げておきたい。先ほど徳田君の質問の中に、大體摘發したものを處理するのは各地方廳においてやつているというお話であります。それはその通りであります。それから私の方から資料を要求いたしましたのに對して、この差益金をば九月十五日までに必ず出すというお言葉でありますが、これは私はなかなか至難な題題であろうと思います。現在地方廳においては、摘發したものを處理する面においては相當めちやめちやなものがあると言わざるを得ない點があるのであります。そこで九月十五日までお待ち申し上げるということは、この國會がさらに會期が延長になるかならぬかは明日にならなければわかりませんけれども、たとえ閉會になりましても、この委員會は繼續するという前提でありますから、九月十五日までに必ず、しかも正確なものを出していただくことをさらに督勵していただく。この點を商工大臣に特に本日警告を發しておきたいと思います。御了承願います。
#128
○水谷國務大臣 それは先ほど申し上げました通りですから……。
#129
○加藤委員長 今日はこの程度で質疑を打止めたいと思います。つきましては先日の委員會におきまして、これまでの本委員會における調査に關して中間報告を出すことになつておりますが、この報告書は内容相當重要と考えますので、できれば各會派から一名ずつの委員を出していただいて起草委員といたしたいと思いますが、この點御異議ありませんか。
#130
○加藤委員長 それでは各會派から一名ずつの起草委員を出していただくことにいたします。これはできればなるべく早くきめていただきたいと思います。
 なお先ほど決定されました靜岡縣の東洋釀造の問題に關する現地調査についてでありますが、これは報告書起草に密接な關係がありますので、報告書起草小委員の中から適宜二、三名の方に現地に出張して調査していただきたいと思いますが、御異議ありませんか。
#131
○加藤委員長 御異議なければそのように取計らいます。つきましては、今から先に論議することはどうかと思いますが、議會の會期が延長されるものといたしまして、その途中に何日かの休會がかりにあるものとしますれば、決定された盛岡の出張調査の件は明日出ていただくことにもう決定しておりますので、これは休會中といえども現地調査を繼續していただく。それからこの間にできれば靜岡の調査もいたしたいと思います。そうしていわゆる休會ありとすれば、休會明け後にできるだけひとつ報告書がまとまりを得られるようにお運び願いたいと思います。なお關係官廳から提出されました參考資料についてもあらかじめ眼を通しておいていただいて、休會明け後の委員會にいくつかの小委員會を設けた場合に直ちに小委員會を開いてこの資料が整理されますように御努力を願いたいと思います。明日一時より委員會を開きまして、その委員會は起草委員と靜岡現地派遣調査の委員とをきめたいと思いますので、明日午前中に各會派から出される起草委員の方をお選び願います。
 本日はこれをもつて散會いたします。
   午後五時四分散會
ソース: 国立国会図書館
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