くにさくロゴ
1947/08/13 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会司法委員会連合審査会 第3号
姉妹サイト
 
1947/08/13 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会司法委員会連合審査会 第3号

#1
第001回国会 議院運営委員会司法委員会連合審査会 第3号
昭和二十二年八月十三日(水曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   議院運營委員長 淺沼稻次郎君
   理事 土井 直作君 理事 坪川 信三君
   理事 大石 倫治君
      佐々木更三君    森 三樹二君
      吉川 兼光君    工藤 鐵男君
      後藤 悦治君    小澤佐重喜君
      石田 一松君    田中 久雄君
      林  百郎君
   司法委員長 松永 義雄君
   理事 石川金次郎君 理事 鍛冶 良作君
      池谷 信一君    安田 幹太君
      打出 信行君    八並 達雄君
      吉田  安君    岡井藤志郎君
      北浦圭太郎君    佐瀬 昌三君
      明禮輝三郎君    大島 多藏君
      酒井 俊雄君
 委員外の出席者
       衆議院法制部長   諸橋  襄君
        衆議院法制部
        第一部長     三浦 義男君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 裁判官彈劾法案起草に關する件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 それではこれより會議を開きます。
 引續き質疑を行います。岡井君。
#3
○岡井委員 すでに一昨日意見を開陳いたしましたが、いささか落ちがございますので、本日十分ばかり時間を賜わりまして申し上げます。
 およそ法律の作用は、大義名分を高く掲げて明らかにするということと、その法律の實效、實益を收めるというところにあると思うのでございます。そこで私がこの間言つた良心なき裁判官を放逐する、また判斷能力なき裁判官を放逐する、その方法がいかにして實效が收められるかという問題になつてくるのでございまするが、それについては、すでにこの法案の起案者におかれまして、われわれの心配を解いてくださつておるのでございます。第十五條に訴追の請求、「何人も、裁判官について彈劾による罷免の事由があると思料するときは、訴追委員會に對し、その事由を明かに具し、罷免の訴追をすべきことを求めることができる。」かように相なつております。これによりまして、この裁判事件を、當事者なりあるいは辯護人なりにおきまして、これらはその當該事件の博士なんでございますから、この人々の言うことをしさいに耳を傾けて聽きます。受身でなくして、ほんとうに憂國の至誠をもつて膝を乘り出して聽く。さすれば、必ずその當該裁判官が、いかに良心を失いたる裁判をなしたるか、またこれこれの證據は外見整然たるがごとくにして、内容はこれこれの實驗則に照らして、實にとるに足らない證據であるということを理路整然として言つたにかかわらず、それを左右する能力がなかつた、てんでお話にならない。かような裁判官は相當多いのでございますが、さような判事の無能力、判斷の能力なきこともよくわかるのでございます。當事者なり辯護人なりの言うことに膝を乘り出して積極的にほんとうの憂國的の至誠をもつて聽いたならば、必ずわかるのでございます。それがわからないのは、よほどの愚物なんです。それこそ良心なきか、あるいは判斷能力のなき人であつて、さような人々は訴追委員會に列するに値しない人々であります。
 われわれはこの良心なり、あるいは能力なりということを備えなければ、裁判に重ねるに裁判をもつてして底止することを知らないことになりますので、これでは憲法に規定しておりまするごとき國憲の最高たるものには、名實ともに値しないものと思うのでございます。國會の上に裁判所は設けたくないのでございまするが、この當事者の切實なる聲を聽いても、裁判官の無能力なり、裁判官の良心なきことがわからないような國會でございましたならば、その國會の上にさらに裁判所を要するのでございます。私は國會は名實ともに最高にして最終たるものにせしめたいと思います。その意氣をもつてしますし、また本案の第十五條がある以上は、裁判官の良心なきこと、裁判官の判斷能力なきこと、これを見るくらいは易々たるものでございます。その裁判官を陷れるがために、何かためにする意圖をもつて請求してくるものがあるじやないかという御心配があるかもしれませんけれども、それはまつたく杞憂と申すものである。人情の機微を考えてごらんなさいませ、おこがましくもさようなことを言つてくる者はないのでございます。もしかりにありといたしましても、それを見わけるのが、國權の最高たる國會の任務であると確信するものでございます。この間も私が申したごとくに、良心がないということと能力なきこと、識見低劣、爲政者としてこれ以上の罪惡はないのでございます。言葉をかえて申しまするならば、國會として、内閣として裁判所としてこれ以上の罪惡はない。これ以上にとがむべきことは何事もないのでございます。戰時中に愚かなる本土決戰論というものが流行いたしました。これは軍部がはなはだしき無能力であるか、あるいは國民を欺いてその日暮しの戰爭をする。いたずらに國民を死地に陷れて、自分たちはほんとうに戰爭をする意思がない。言葉をかえていうと、はなはだしく良心を缺くもの、はなはだしく能力を缺くものという者の本土決戰論であつて、常識で考えてみても、日本に多少でも力が殘つておる間に、世界第一のばか大將といえども、この最終目的たる日本本土に上陸してくる武將が何人ございましようか。私は今言うのではなく、そのときから本土決戰論の愚かさと國民を欺くの手であるという、このいずれかであるということを絶叫してきたのでございますが、親しく當局に接せられたる國會議員においては、必ずやこれを看破せられておるか、あるいは看破すべかりしものであると思うが、はなはだお氣の毒でありますけれども、良心の問題に歸著するか、あるいは能力の問題に歸著するかということに相なつてくるのであつて、私は國會議員は、國民の總意を代表しておるけれども、ナポレオンはナポレオンの母の胎内を出でたると同時に、母とは別人格をなすのでございまして、國會議員は選擧民の意思と必ずしも合致しておりません。いわんや神のごとき人たちであるかどうかは、すこぶるもつて問題でございます。もし國會議員は良心に從うべし、國會議員は識見高邁なるべし。この判斷をするのは國會議員の商賣である。判斷能力なき者は國會議員たるに値しないものである。もしもかような法律があつたとしたならば、當時の國會議員といえども良心に目覺めて、あるいは思索にふけつて、いやが上にも考え、ただいま見るがごとき悲境には陷らなかつたであろうということを、私は確信するものであります。國會の作用と裁判官の仕事とは、批判的立場において非常によく似ておりますから、あえてかようなことを申すのでございます。要するに、私は國會をして最高の機關たらしめたいというのが存念でございますが、私は今日國會はすでに國家の最高の位置から轉落しておると思うのでございます。なぜかと申しまするに、たとえば鐵道の運賃値上げの問題にしても、國會開會中にこれを國會にかけなかつたというような形式論を申しておるのではないのでありまして、もし國會が最高の機關でございましたならば、國會にかけることを要請しなければならぬ。それは前からわかつておることである。そうしたならば、鐵道行政の惡いところも是正することもできますし、三・五倍の値上げが、二・五倍の値上げで濟んでおつたかもしれませんし、鐵道行政も是正されておつたかもしれません。その當然の機會をわれわれに與えないのでおるということは、とりもなおさず、國會は最高にあらずして最低であると申さなければならぬ。それから自由討議に大臣の列席を要求しない……。
#4
○淺沼委員長 岡井君、なるべく議案についての御質問をお願いします。
#5
○岡井委員 われわれの論議ほど高尚なものはない。憲法には國家最高の機關とある。二週間にただ一度のその國會にさえ、大臣を列席せしめないというのは、何たる不見識ぞやと私は言いたいのであります。
#6
○淺沼委員長 岡井君に申し上げますが、なるべく裁判官彈劾法にいての御質疑を願いたいと存じます。
#7
○岡井委員 わかりました。私は今日のような、ただ午前九時から始まつて午後四時に終るような勤め振り、そうして官吏服務紀律にも牴觸しないというような、型のごとき執務振り、これこそ國家のために最も恐るべき、また最も害を流すものであると思います。かようなものを取締るこそ、最高の機關たる國會の任務であるということを確信いたします。かような型のごとき勤務、それは形式だけは官吏服務紀律に牴觸しないかのごとく見えても、その實はまつたく内容を失つておる。これが一番こわいのでありまして、これを是正することが國會の任務であろうと思います。そのためにこういう彈劾法というもので彈劾裁判權を國會に與えておるものであると思います。これを逸脱してしまつて、わかり切つた、放つておいてもやめなければならぬというようなことに對して法律を設けても、そんな法律はまつたく必要はない。そうでなくても、その裁判官はやめるようなことになつておるのでありますから、法律起案者の言われるがごとくに、はなはだしきふしだらというようなこと、放つておいてもやめるのでありますから、そんなことに對して彈劾裁判所を設ける必要も何もない。私はただ繰返して申し上げますが、裁判能力なきこと、良心に從わないこと、これが一番恐しいのです。これを彈劾するために法律をつくりたい、國民の意思も必ずさようなところにあることを固く確信するものでございまして、良心なきもの、無能力なものという條件を二つ竝べて書いておきましたならば、どつちかにあてはまる、どつちにあてはめられてもいいのでございます。これは必ず二つとも要るのであります。何もその裁判官がいいとか惡いとか言うのではない、國家のために必要である。國會が最高の機關であり、われわれが最高の地位を與えられておるゆえんはここにある、ほかには毫末もないということを信ずるのであります。いささか意見に偏しましたが起案者の御答辯がございましたならば承りたいと思います。
#8
○諸橋説明員 この間、第一部長から大體お答えしたのでありますが、御意見のように、良心に從わない裁判をするのはけしからぬ、それから判斷能力のない裁判官は排除すべきものである。これはまつたくごもつともであります。
 そこで第一の良心に從わない裁判をする裁判官を排除するという問題でありますが、これは憲法にもございますように裁判官は良心に從つて裁判せよということが規定してあるのであります。しからば、その裁判官が良心に從つて裁判をしておるかどうかということは、御本人以外には、これを知ることは實に困難なのであります。それで外部から、あの裁判官は良心に從つた裁判をしたのか、あるいはそうでないのかということは、單純にただ推測するにすぎないのでありまして、ほんとうのところは、御本人でなければまつたくわからないわけであります。ところでこの彈劾法の第二條は、こういうことがあれば、おそらくはその裁判官は良心に從つて裁判しておらぬのであろう、こういうふうに外部から推測します一つの足がかりと申しますかになるのでありまして、つまりその裁判官が職務上の義務に反する、あるいは職務を著しく怠つておる、あるいはまた職務の内外を問わず、裁判官の威信を失うべき著しき非行がある、こういうような裁判官は、おそらくは良心に從つて裁判をすることが少いだろうというふうな、外部からつかまえる一つの標準であろうと私は考えておるのであります。つまり憲法では良心に從つて裁判をなす、こう書いてあるのでありますが、その細目と申しますか、そういうことをこの第二條に規定しておるのだというふうに私は考えております。
 それから判斷能力のない裁判官を排除する方法でありますが、これもまた判斷能力ありやなしやということの判斷は、具體的な事件にぶつかつた方は、おそらくはよくおわかりになると思いますが、そうでない者は、つまり人の能力の評價でありますから、なかなか困難であります。しかしながら今度の憲法においては、裁判官は終身官ではないのでありまして、十年の任期にきめられたのであります。それでありますから、その十年の任期で一應任期を終りまして、次に任命されますときに、その上級の裁判所、つまり上級の監督官廳において、その人が能力なきことがわかりますれば、その人をさらに任命しない、こういう方法をとることができるのであります。それからまた個々の具體的な事件につきまして、その裁判官が判斷を間違つて誤つた裁判をなす場合においては、控訴上告というような手段によつて、その間違つた裁判を是正する途もあると存じます。そうなりますれば、その裁判官が非常に誤つた、能力のない裁判官であるということが、大體はつきりわかつてくるのでありまして、自然そこに淘汰されるということもありましようし、あるいはまた十年間の任期の後に、さらに再任されるということもなくなることになり、一應そういうものが排除される途があるのではないかと考えるのであります。それでこの彈劾法は、大體能力のないものを排除するというよりも、むしろ良心に從わない裁判官を排除するという方向にあるのではないかと私は考えておるのであります。
#9
○岡井委員 はなはだしく形式的の御答辯をなさいましたことを、きめて遺憾に存ずる次第でございます。職務上の義務に著しく違反し、もしくは職務を甚だしく怠つたとき、かようなものは必ずしも良心に背いたる裁判をなし、あるいは無能力である者とは言えませんが、かりにさようであるといたしましても、これらのものは、私の憂えておる眞に九牛の一毛でございます。かようなものにひつかかるものは、おそらく五十年、七十年に一人もなかろうと思うのです。ところが實際の裁判の現状をながめましたら、故意の誤判、あるいは過失による誤判というものが非常に多い。これをまず第一番に御留意を願いたい。それから次に國民の審査に付せられるというようなことを申されましたが、これまた形式的であることは、少し常識をお働かせになれば、おわかりになると思います。それから上級審の審理を受けられるじやないかと仰せられましたが、一昨日も申し上げましたように上級審は認められないことはないというような無理な論法を使つて、明らかに事實に反したる判斷をあえてしておるのでございます。かようなことを憂えるから、私が聲をからして絶叫するのでございます。
 それから最後に、良心に反したるや否やは外部からわからぬというのは、まつたく素人の御議論であります。私が初めに申し上げましたごとくに、當事者なり、その辯護人なりの切實なる叫びを聽きましたならば、その裁判官がどういう道念で裁判をしておるかということが、すぐわかるのでございます。また彈劾裁判所におかれてその裁判官に接して見られたときに、彈劾裁判所の裁判官が注意して裁判をされれば、必ずわかります。さようなことをまつたく無視して、假定のもとに立つて御議論をなさるように思うのであります。良心に反したるや否を、能力なきや否や、女中の行動でも、子供の行動でもだれの行動でも、良心に背いて行動したかどうか、すぐわかるということは、われわれが今まで幾たびか經驗しておるところでございますから、さような御心配は毛頭ない。さらに御答辯がありましたら伺いますが、ないようでございますれば結構でございます。
#10
○淺沼委員長 明禮君。
#11
○明禮委員 この彈劾法は罷免ということが主となつているようでありますが、これはどうでありましようか。譴責とか過料と申しますか、減俸と申しますか、そういつたようなものも、これに含めて彈劾法案の中にはいつていく方がよくはないかと思いますが、その點を伺いいたします。
#12
○三浦説明員 その點に關しましては、前にも御質問せられた方もおありになつたのであります。その際にも申し上げました通りでありますが、この彈劾法は罷免による彈劾ということが、憲法上竝びに國會法の規定の上で明らかになつておりますので、さような限定のもとに立案せられたものであります。なおただいまのお話の點に關しましては、免官を除きます以外の懲戒につきましては、新しく裁判官の分限に關する法律ができまして、その法律におきまして監督者といたしまして別個の處置をとる、かようなことになると考えておるのであります。この彈劾法の中には今の免職以外の場合においての懲戒に當るような事項は考えていないし、また將來もこの立案にあたりましても、その點は考える必要がないように思つております。
#13
○明禮委員 憲法七十八條に「裁判官の懲戒處分は、行政機關がこれを行ふことはできない。」となつていますが、そうすると、この點は、今の分限法は定められることになるわけですか。
#14
○三浦説明員 さようになります。
#15
○明禮委員 どうも私は刑事訴訟法という頭があるから、ついそういう氣持が浮ぶのでありますが、この條文をうかがつてみますと、手續上の條項が大分落ちているのではないか、これだけでは足りない問題が起ると思います。この言葉として第十條に「調査」というのがありますが、この調査という言葉も、見方によれば、あるいは進んでいるのかもしれませんが、何だか捜査という言葉の方がよいような氣がいたします。それから「證據」というのが二十九條にありますが、これも證據でもよいでありましようが、何だか證據調べというふうにして括弧に入れた方がよいような氣がいたしますが、この點についてはいかがでしようか。
#16
○三浦説明員 實は條文をきわめて簡單にいたします關係上、手續上の點に關しましては、刑事訴訟法の準用によることといたしまして、具體的事例に應じまして、これの準用の事項が起つてくると考えておるのでありますが、その場合におきまして、ただいまのお話のような點に關しましては、一應起案者といたしましては、支障なくいくように考えておりますが、なお實際問題として、さようなことが起りました場合におきましては、別個に四十一條によりまして取扱いの手續をきめたいと考えております。
 それから今の證據調べその他でありますが、實際必要に應じましては彈劾裁判所におきまして、地方裁判所等に調査を囑託することができるようになつております。いろいろな點の證據とか何とかにつきまして、彈劾裁判所で十分できない點は、いわゆる本來の裁判所に囑託いたしまして、分な證據を取上げる、かような建前になつておりますので、ただいまの御懸念の點はないのではないか、かように考えております。
#17
○明禮委員 その證據調べの方法、あるいは口頭辯論、當事者の喚び出し――口頭辯論は書いておりますが、當事者の喚び出し、あるいは判決の言渡し、その他については、ここに示してあります三十條の規定によつては、私は十分でない。それはあるいは四十一條によつて補うと言われたようでありますが、この四十一條によつて補われるのは、手續ではなくて――手續もあるかもしれませんけれども、補足的な規則をお設けになるのであつて、大體において、彈劾法は刑事訴訟に關する法令を準用されておるのでありまするから、少くともこの彈劾裁判所の訴追、それから審理あるいは言渡しその他の手續については、刑事訴訟法の規定を準用するということを、最後の締括りとしてできた條文が欲しいと思います。どうもこれではあらゆる場合が足りないので、どうしたらいいかというような問題が起つてくると私は思います。それでありますから今申し上げました通り、その場合條項の足りないものは刑事訴訟法のあらゆる場合を準用するという締括りの條項ができましたならば、それによつて全部の活用があると私は思うのであります。かような點について、私ども實務をとつておつた關係上、こという點ではさらに足りないところがあると考えましたから、その點について補足をなさいますかどうか、御意見を伺います。
#18
○諸橋説明員 ただいまの御質問、手續的に考えますれば、相當詳細に書きますことが非常に必要だと思いますが、刑事訴訟法は御承知のように、非常にたくさんの種類の人々を對象にしておる關係がありますし、この彈劾法の方は、裁判官というような特殊な、つまり國家と特別な關係にある地位をもつておりまして、しかも相當な地位にあります者の、しかも犯罪ではないのでありまして、つまり官吏關係の事項で不適當な人を排除するかどうかというような問題になつておりますので、刑事訴訟法とは非常にその點が違うじやないか、しかも對象が違うじやないかという點が考えられるのであります。相當詳細な規定がありますれば、それに越したことはないと思いますけれども、しかしそれがなくても、この三十條と四十一條との運用によりまして、ある程度、むしろ十分に目的が達し得るじやないかと考えておるのであります。現在官吏の懲戒處分に關します手續も、そう大した複雜なものでありません。また從來の行政裁判法をごらんになりましても、これも非常に簡單な規定でありまして、しかはその規定がない場合におきましては、刑事訴訟法の規定を準用する、こういうふうなことになつておるのでありますが、これも實際にやつてみまして、決して手續上そう困つたこともないようであります。現に私もそれに擔當しておつたのですが、ちつともその手續が詳細でないために困るというようなこともないようであります。そういう點を考えまして、この程度で相當運用はできるじやないかと考えておるのであります。
#19
○明禮委員 そういたしますと、四十一條に「審理及び裁判の手續について規則を定めることができる。」というのは、もう案ができておるのですか、内容はどんなものができておりますか。
#20
○諸橋説明員 これはただいま運用委員會の方でこの案をおきめになつたのでありまして、そこまでは、おそらくはできておらないと思います。これはこの案ができましてからの問題であろうと思います。
#21
○明禮委員 私は強いてどういうふうな條項がなければいけないとは申しませんが、おそらくは今御答辯になつた通り、十分でないところがたくさんある。たとえば訴追から口頭辯論、言渡し、すべての點において、やはり刑事訴訟法の手續に似通つたものが多いのでありますから、そういう意味におきまして萬遺漏なく手續の規定を網羅せられんことを望みまして、私の質問を終ります。
#22
○淺沼委員長 ほかに質問者は花村君竝びに荊木君、御兩人ございますが、現に出席しておりません。從つて棄權されたものとして議事を進めることに御異議がございませんか。――では都合により暫時休憩いたします。
    午前十一時二十分休憩
     ――――◇―――――
    午前十一時二十八分開議
#23
○淺沼委員長 休憩前に引續き會議を開きます。
 案の取扱いについて御相談申し上げます。小澤君。
#24
○小澤(佐)委員 大體委員長から本委員會の問題について指定されましたが、これは、まだ質問しない人の中にも、意見のある人があると思うのであります。今日の質疑も必ずしも十分ではありませんので、一應どの問題が問題になるかということは、この委員會ではきめずに、たとえば運營委員會できめるというのならきめるで、その質問にはいつたら、司法委員の方の方に質問してくれというような形で、特定な人に限らず、ひとつ進んでもらいたいようにお願いいたします。
#25
○岡井委員 この規則によりますと、裁判所に關する件は司法委員會で取扱うことに相なつております。それで運營委員會の方はどういうことになつておりますか、また今手もとに書いたものがございませんのでよくわかりませんが、これも人工的にかようなものを運營委員會の方へ引きつければ何事もできるのでございますが、本質論からいたしますれば、これは疑いもなく司法委員會の領域に屬するものであつて、問題はなかろうと思います。裁判所に關すること、しかも場合によつては裁判所の土臺からゆるがせるというような事柄なんです。もう疑いもなく司法委員會に屬するものでありますので、運營委員會の方でいかようにおきめになりましても、實質の問題は司法委員會でございます。そこでこれは最後まで司法委員會と合同してやつていただきたいのでございます。この點がつはきりしなければどうもしようがない。
#26
○淺沼委員長 ちよつと委員長から申し上げますが、衆議院規則に、議院運營委員會で彈劾裁判所に關することを扱うことになつておるのです。こういうぐあいに決定いたしましたのは、彈劾裁判所は憲法から出て、國會法の規定に基いて設置されるということになるのでありまして、從つて國會法に關するあらゆる事項を扱つておる議院運營委員會で取扱うことが妥當だというので、取扱つてまいつたのであります。ただ先ほど私が申し上げました通りに、あらゆる意見がこの案の中に反映した方がいいのでありまして、そういう意味合で連合審査會も開いたのでありますし、さらに連合審査會の成果を、修正すべきものについていろいろ理解した方が私はいいと思うのでありまして、御意見に副うようにはいたしたいと思いますが、ただ議決その他をするについては、やはり所管事項の委員會でやるということになつておりますから、この點だけは御了承願います。取扱いとしては御期待に副うようにいたしたいと思います。
#27
○岡井委員 少くとも、實質的には司法委員會を參加せしめるというぐあいに委員長においてお取計らいあらんことを切に切に念願する次第でございます。
#28
○淺沼委員長 それでは一遍議院運營委員會を開いて、その後にやるかどうかということを決定することにして、今日はこの程度で散會して、各派でそれぞれ修正すべき點の有無について御協議を願う、こういうことでよろしうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○淺沼委員長 運營委員會できまりましたら、また連合審査會にかけることもありましよう。その方が一番妥當だと思いますから……。ちよつと速記をやめてください。
   〔速記中止〕
#30
○淺沼委員長 速記を始めてください。先ほど申し上げました通り、明日運營委員會を開く豫定になつておりますから、運營委員會で、いろいろ伺いました點を、さらにどういうぐあいに修正するかという點について相談いたしまして、もう一遍連合審査會を開くような手續をとりたいと思いますから御了承を願います。
 それでは本日はこの程度で散會いたします。
   午前十一時五十四分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト