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1947/08/15 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会治安及び地方制度委員会国土計画委員会連合審査会 第1号
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1947/08/15 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会治安及び地方制度委員会国土計画委員会連合審査会 第1号

#1
第001回国会 決算委員会治安及び地方制度委員会国土計画委員会連合審査会 第1号
昭和二十二年八月十五日(金曜日)
    午後二時五十八分開議
 出席委員
   決算委員長 竹山祐太郎君
   理事 島村 一郎君
      片島  港君    河合 義一君
      玉井 祐吉君    馬越  晃君
      長尾 達生君    西田 隆男君
      岩本 信行君    冨田  照君
      平井 義一君    水田三喜男君
      受田 新吉君
   治安及び地方制度委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 高岡 忠弘君
   理事 中島 茂喜君 理事 川橋豊治郎君
   理事 松野 頼三君
      大石ヨシエ君    笠原 貞造君
      久保田鶴松君    坂口 主税君
      千賀 康治君    中垣 國男君
      中島 守利君    松浦  榮君
      小枝 一雄君    加藤吉太夫君
   國土計畫委員長 荒木萬壽夫君
   理事 藤田  榮君 理事 内海 安吉君
  理事 木村 公平君 理事 的場金右衞門君
      足立 梅市君    松澤  一君
      溝淵松太郎君    宮村 又八君
      山本 幸一君    田中 角榮君
      原  孝吉君    村瀬 宣親君
      稻田 直道君    今村 忠助君
      高倉 定助君    只野直三郎君
 出席國務大臣
       内 務 大 臣 木村小左衞門君
 出席政府委員
        戰災復興院次長 大橋 武夫君
        内務事務官   林  敬三君
        内務事務官   岩沢 忠恭君
        内務事務官   荻田  保君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止
 する法案(内閣提出)(第二四號)
 地方自治委員會、公安廳及び建設院設置法案(
 内閣提出)(第二五號)
 内務省官制廢止に伴う法令の整理に關する法律
 案(内閣提出)(第二六號)
 小委員選定の件
    ―――――――――――――
#2
○竹山委員長 それではただいまより會議を開きます。
 このたび政府より、内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止する法律案、地方自治委員會、公安廳及び建設院設置法案、内務省官制廢止に伴う法令の整理に關する法律案、以上三案が委員會に付託になりまして、決算委員會、治安及び地方制度委員會、國土計畫委員會の連合審査會を開くことになりました。先例によりまして私本日の委員長を勤めさしていただきます。
 終戰の記念日にあたりまして七十四年の歴史を持つ内務省の解體を見ることは、まことに感慨深いものがあります。これより以上三案を一括して内務大臣より提案の趣旨の説明を求めます。内務大臣木村小左衞門君。
#3
○木村國務大臣 ただいま議題となつております内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止する法律案ほか二件について、その提案理由を申し述べます。
 政府は組閣以來、新時代に即應する行政機構の改革につき鋭意力を注いでまいつたのでありますが、その一として内務省を解體し、臨時に内閣總理大臣のもとに三機關を設け、もと内務省に属する各事務の大部分を所管せしめんとするのであります。
 御承知のごとく内務省は明治六年に置かれ、爾來その所管事務にたびたび變更があつたのでありますが、現在では地方行政、國内治安維持及び土木行政を主たる任務としているのであります。しかるに新憲法及び新地方自治法により、地方自治、地方分權の強化を根本精神とすることになりましたので、これに最も關連の深い内務省の組織權限にも再檢討を加える必要が起つたのであります。そこで政府といたしましては、諸般の事情も併せ考慮し、この際内務省を廢止することが行政の民主化と地方分權の趣旨に副うものと認めたのであります。しかして解體に際しましては、大要次のごとき方針に基き實施いたさんとするのであります。
 まず、内務省所管事項中他省に移管することを適當と認められます事項は、これを他省に移管することにいたし、また地方に移譲することを適當と認められます事項は、これを地方に移譲することにし、しかもなお殘ります權限は、それぞれ次のごとき構成と權限をもつ官廳を内閣總理大臣の所管に設置いたしまして、これに所管させることにいたします。
 その第一は、地方自治委員會であります。地方自治委員會は國務大臣をもつて充てる委員長と、地方公共團體の長が選擧した委員一名、國會において推薦した委員一名をもつて組織し、合議制によつて地方公共團體の行政及び財政に關する調査、企畫、立案、議員選擧に關する事項、最高裁判所の裁判官の任命の國民の審査に關する事項等を所管いたします。なお、地方自治委員會のもとに事務局を設置し、委員會に關する一切の事務を掌らしめることにいたします。
 次に、從來の警保局、調査局を一緒にして公安廳を設置し、警察、消防及び連合軍より返還された物品の調査及び處分竝びに連合軍より命ぜられた諸調査等を所管せしめますが、警察、消防の根本的制度については、關係方面と密接に連絡し、改革を考慮中であります。
 第三に、現在の戰災復興院及び内務省國土局を合して、新たに建設院を設け、國土計畫、地方計畫、都市計畫、地理、住宅、宅地、道路、河川、砂防、建築、その他連合國最高司令官の要求にかかる建築物及び設備の營繕竝びに備品の調達等の事項等を所管せしめます。なお本院の長にひ國務大臣をもつて充てることができることにしてあります。
 以上内務省解體に伴う諸法案提案の理由とその趣旨の大略を説明いたしました。何とぞ御審議を御願いする次第であります。
#4
○竹山委員長 ただいまの提案の御説明に、なお政府委員より内容についての具體的な説明を補足していただきたいと思います。
#5
○林(敬)政府委員 ただいま御審議を願つております地方自治委員會、公安廳及び建設院設置法案の第二條の地方自治委員會及びその事務局に關する事項について補足して御説明を申し上げます。
 申し上げるまでもなく地方自治委員會は公安廳、建設院とともにこれは内閣の總理廳の外局という法制上の建前になるのでございます。そして先ほど大臣から申し上げましたごとく、この委員會自體が外局の長官と同じ立場に立つ、こういうことに相なるわけでございます。第二條には、一から六まで所掌事項が掲げてございます。この第二條の第一にあります「地方公共團體の行政及び財政に關する調査及び資料の蒐集竝びにこれらの制度の企畫及び立案に關する事項」、これはたとえば地方公共團體の行政について申しますれば、地方自治法の内容をなします都道府縣、市町村の組織及び根本運營についての制度、その他いろいろな事項について調査をいたしましたり、資料を蒐集したり、制度の企畫をやりましたり、法案の立案をいたしましたり、こういう事務及び地方公共團體、すなわち都道府縣、市町村の税とか地方債、あるいは公營事業、補助金、負擔金など、これらの財政問題についての調査、資料の蒐集及びこれらの制度の企畫立案ということを掌る意味でございます。
 第二の「地方公共團體との連絡一般に關する事項」地方公共團體は公共的な仕事を掌つております關係上、中央政府との間には密接不離の關係をもつておるわけでありまして、中央政府と地方公共團體との間には、中央政府の方から連絡をいたすこともあり、公共團體の方からまとめて中央政府に要望し連絡する事項もあるわけでございます。もちろん個々の事業につきましては、それぞれの省とそれぞれの地方團體との間に連絡があるわけでございますが、一般的事項すなわち一括して中央政府へ要望し連絡しなければならないこと、あるいはこちらから一括的、總括的に地方に傳えなければならないというような事項、それらをここでもつて掌るという意味でございます。それから第三の「地方公共團體に對する財政の援助に關する事項」と申しますのは、戰災、災害その他の特殊の理由によりまして都道府縣、市町村というような團體のうち、特に窮乏しておる、あるいは特別に財政的な援助を與えなければならないというところに元利補給をいたしますとか、特別の補助金を出しますとか、そういう計畫を考え實施をする事業であります。それから第四番目の「地方自治法、地方税法及び分與税法に基き委員會の權限に屬せしめられた事項」というのは、監督事項、これは大體監督というものは地方自治の精神に從つて最小限度必要やむを得ざるものに止めていく法制の建前になつておりますが、それでも行政で申しますれば、新しい市を設置いたしますときの許可であるとか、合併の問題であるとか、あるいは全國的に考えなければならない問題、あるいはまた、税とか、財政問題、こういうものについてどうしても最小限度國家で統制をとらなければならない、そういう事業につきまして中央の權限に屬しておる事項が法制上あるわけでございます。その事項をこの委員會が掌るということを意味するものであります。第五の方は、國會議員の選擧、それから最高裁判所の裁判官の任命につきまして國民の審査をいたします。これは選擧と不離一體の關係をもつものでありますが、これについての諸般の事業を行うためのものでありますし、第六は、國會議員の選擧及び地方自治法に基く選擧、その他の投票、あるいは最高裁判所の裁判官の任命の國民審査、これらに對する豫算を要求いたしましたり、用紙を斡施いたしましたり、あるいはガソリンの心配をいたしましたり、あるいは、いろいろの事項についての注意を喚起いたしましたり、こういう事項であります。地方自治委員會の所管いたしますこと及び地方自治委員會の下に屬しております事務局が委員會の命によつて行います事項は第一から六に盛られてあるわけでございます。
 次に第二項におきまして委員會の組織が書いてあるわけでございますが、先ほど大臣から御説明申し上げましたごとく、國務大臣が一人、それから政令の定むるところによつて地方公共團體の長が選擧いたしました者が一人、これは公共團體の長の現職にある者たると、それ以外の者たるとを問わないつもりでございます。それから第三には國會において推薦した者一人というわけでございます。これは國會外の方であつても、あるいは國會内であつても國會で承認を與えられた方でもどちらでもいい建前に考えております。この三人をもつて構成する。委員長は國務大臣たる委員が委員長になる。それから國務大臣たる委員長は國務大臣たる間その任にあたりますが、それ以外の委員の任期は四年間とする。それからその次に地方自治委員會に事務局を置いて、委員に關する事項を掌る。
 以上が地方自治委員會に關する基本的な事項でありますので、ここに法律案として出したわけでありますが、なおこの委員會に關する規定の施行に關して必要な事項は政令で定めることになつております。ちよつと速記を止めていただきたいと思います。
#6
○竹山委員長 ちよつと速記をやめて……。
    〔速記中止〕
#7
○竹山委員長 公安廳に對する政府委員の説明を求めます。
#8
○荻田政府委員 公安廳につきまして簡單に御説明申し上げます。公安廳はやはり内閣の總理廳の外局という形におきまして、内閣總理大臣の管理のもとにおかれます官廳でございます。その所管事項は、第三條にございますように警察に關する事項、消防に關する事項、このほか連合軍より返環せられました物品の處分調査等に關しすま事項、それから連合軍より要求せられております政黨、協會その他の團體の結成の禁止に關する事項、同じく正規陸海軍將校または陸海軍特別志願豫備將校であつた者の調査に關する事項、このほか外國人登録令の施行に關する事項、こういう事項を所管するわけでございます。この機構及び職員等につきましては、政令をもちまして定められることに相なつております。ちよつと速記を止めていただきたいと思います。
#9
○竹山委員長 速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#10
○竹山委員長 建設院に關する説明を求めます。
#11
○岩沢政府委員 この法律案第四條におきまして建設院の内要を一應御説明申し上げたいと思います。内務省の解體に伴いまして、國土局は、從來總理廳の外局であります復興院と合體いたしまして、建設院をこのたび創設することに相なつてのであります。その所管する事務は第一は「國土計畫、地方計畫及び都市計畫に關する事項」、それから「地理に關する事項」「土地收用に關する事項」「一般土木に關する事項」「河川道路及び砂防に關する事項」、六として「公有の水面」、ただし港灣地域の水面は港灣局に屬しておりすまからその場所を除きます。それから「水流に關する事項」、七が「住宅及び住地に關する事項」、八が「建築に關する事項」、九が「土木建築工事請負業に關する事項」、十が「連合國長高司令官の要求に係る建造物及び設備の營繕竝びに備品の調達に關する事項」、以上十項目にわたる事項をこのたび建設院が所管することに相なつたのでありまして、これら十項目をどういうような機構で運營していくかということにつきましては、政令の定むるところによりまして、各局その他の機構がおのずから定まつておるのでありますが、ただいまこの機構は法制局とも折衝中でありますが、ちよつと速記を止めて……。
#12
○竹山委員長 速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#13
○竹山委員長 以上で説明を一應終りますが、今後の審査の方針についてお諮りをいたしておきたいと思います。場所その他の關係がありますので、廣汎なこの内要を小委員會に分けて審査をし、そのあとで綜合いたして連合審査會で御決定を願う方法をとりたいと存じます。一つの委員會は地方自治委員會及び公安廳に關する問題を中心として御審査を願い、一つの委員會は建設院に關する問題を中心として御審議を願い、一つの委員會はその他各省との關係等について、三つの小委員會に分けて今後御審議を願いたいと考てるのであります。本日はなお總合的な總括的な問題について、大臣等に御質問の向きは御發言を願いたいと思います。
#14
○坂東委員 内務省の解體によつて地方自治委員會と建設院と公安廳ができまするが、この地方自治委員會の委員の一名は國務大臣であり、また建設院の長官は國務大臣をもつて充てることができるとありまするが、軍備なき日本におきまして公安問題は最も重大であります。しかも公安廳長官は一官廳の長官をもつて充てることは權衡を失しておりますから、これも他と同樣に國務大臣をもつて長官に充てることが必要であります。これに對する内務大臣のお考えを承りたい。
#15
○木村國務大臣 お答えいたします。公安廳長官にもその重大性に鑑み國務大臣をもつて責任の衝に充てしめたならばよかろうという御説はまことに御もつともと思います。私どもといたしましてはその御提案には大體賛成でありますけれども、御承知のように行政措置で出したまた内務省の解體案の根本は法令にもうたつてあるごとく臨時措置であります。ところが警察制度についてはなおまだ幾多の變革改善をすべき點が殘つております。まずとりあえず、いわば暫定措置として長官をおいて、總理廳の直屬といたすことが適當ではないか。今のような根本的な責任者をおくという問題は殘された點でありまして、私どもとしては暫定の措置であるから、こういう機構を提案いたしたものと考えております。
#16
○坂東委員 ただいま内務大臣はこれを暫定措置と言われましたが、その中で建設院は國務大臣をもつてあてる。自治委員會も國務大臣をもつとあてる。しかるに公安廳だけ國務大臣をあてなくてよろしいということは均衡を得ないと思うのであります。もう一應お考えを承りたい。
#17
○木村國務大臣 ちよつと速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#18
○坂東委員 公安廳に國務大臣をおくことがよいという修正を出しましたならば政府はいかがいたしますか。お伺いいたします。
#19
○木村國務大臣 政府としてはこの法案を作製いたしますのに相當關係方面との折衝を重ねた結果得た法案でありまして、この委員會で御決議になりますれば、これは國會の權威として立法機關として御決定になりことでありますから干渉はできませんけれども、政府としてはどうもこの場合同意をいたしかねますということを申し上げておきます。
#20
○坂東委員 從來勅令などによつてできた規定がややもすれば國民の權利自由を束縛したり、あるいは議會の意思の反する場合がしばしばありました。それで議會は現在の政令でいくことは要望しない。官制等は議會の法律によるベきものだという見解をもつておりますが、この三つの重大なる官制が政令をもつてすることはけしからん。こう考えるのでありますが、政府のお答えを承りたい。
#21
○木村國務大臣 これは主管の地方局長に答辯をいたせます。
#22
○林(敬)政府委員 坂本代議士の御所見のように、政令の幅というものが非常に大きくなつて、法律だけではわからない、あるいは法律にはごく僅かなことだけを出しておつて、結局議會の審議權を無視する。こういう傾向がかりにもあるとすれば、これは政府としては嚴重に愼まなければならないこだと存じます。この點については從來もそういうことのないように留意に努めてまいりましたし、また今後においてもそういうことのないような必要な事項は法律をもつてきめる。これを施行するために必要な部分は政令をもつてきめるというふうに行うベきものと存じます。今度提案いたしました法律案につきましてもこの趣旨によりまして、基本的な事項については法律できめる、細目的な、施行的な部面に属するものと認められますものは、政令に譲る。こういう方針によつて、他のいろいろな法律、政令の例なども参酌いたしまして、他の立法と歩調を合わせまして、これを立案いたした次第であります。坂東代議士からの御心配のようなことは私共政府としては毛頭考えてもおらずまたそういう趣旨でもないということを明らかに申し上げたいと存じます。
    〔速記中止〕
#23
○竹山委員長 政府委員に伺いますが、今坂東委員からの御説もありましたように、政令がいつきまるかわからぬとなれば、この法律の審議は事實上できないようにも考えられますが、準備ができたものとして、實は委員會を開いたのでありますが、委員の諸君が審議のできますような今の内容がいつ項提出できる見込みでありますか。
#24
○林(敬)政府委員 政令案の要綱はできるだけ早く努力をいたしまして、皆さま方のお手もとにお配りができるようにいたしたいと存じます。なお、それまでの間、それが來なければ本格的な審議ができないという御所諭も一應ごもつともでありますけれども、一つ法律案とそれに基きますわれわれの口答によるより説明、これを御不便でありましようが、併せ用いていただきまして、その骨子、基本的の部分についての御審議を進めていただくようにお願いを申し上げます。
#25
○千賀委員 委員長私の質問も速記を止めていただきたい。
#26
○竹山委員長 速記を止めて…。
    〔速記中止〕
#27
○中島(守)委員 ごく簡單に一點だけお伺いしたい。ただいまの大臣の提案理由の説明によりますと、地方分權の強化ということを相當強く拝聽するのでありますが、どの程度まで地方分權ができておるのであるか、今後の内務省の解體について分權されるものだけを明らかにしてもらいたいと思う。なお私の考えとしましては、昨年から開かれました地方制度調査會が、内務大臣に對して出した答申書の中には、相當内務省の解體に對してその方向に向い得るものがあると思うのであります。たとえて申せば、内務省の土木出張所のごときものは、現在においては府縣にこれを移讓して、差支えないのでないか、かりに府縣に移讓できませんければ、府縣の組合、もしくは府縣の協議會に移讓してもよいのではないかと思われる。日本の政治は、この際地方分權を徹底せしむることが、いわゆる民主政治の教育を早く與えることになります。また國民の政治知識を涵養することになるのであります。そういう意味においても地方分權の強化は必要でありますけれども、地方分權の強化にはなるベく國の政治事務、これを地方への移すことが目下の急務ではないかと思うのであります。さいわい内務省が解體するこの機會において、かような問題はすベて地方に移讓するように計らうことが過般の地方制度調査會の答申に對して、あるいは現下の國情に照らして私は適當な措置ではないかと思います。この點について内務大臣の所見を伺いたいと思います。
#28
○木村國務大臣 地方分權に關しまして調査會の御答申を拝見いたしております。この際最も好機會であるから、その答申案によつてこれを移讓してはどうか。今までの内務の仕事をどれどれをどういうふうに地方へ移讓しておるかというような御質問であります。私から答辯をいたしますと玄人の中島さんの十分滿足にならぬと思いますから、さいわい當局が参つておりますのでそれぞれ擔當の局長からお答えいたさせます。
#29
○林(敬)政府委員 地方分權をこの際一層強化する必要があるという御所論については、全面的に御意見を同じくいたすものであります。しかし中島さんの御承知のように、すでに過般地方自治法ができまして、非常に大幅な地方分權、あるいは思い切つた徹底的な地方分權を行いました。知事以下地方官に關する任免權はもとより、市町村長などの人事に關する權限、懲戒權でありますとか、解職の認可でありますとか、その他の權限あるいは自治に對して、もつていました一般的な指揮監督權、あるいは地方公共團體の固有事務に對してもつておりましたいろいろな權限、あるいは地方制上もつておりました許可權、そういうものはほとんど移せるだけすでに地方に移しております。なおしかしなからその後において檢討を加えてみますと、なお若干この際地方に移せる權限も残つておるように存じますので、ごく近い將來におきまして地方自治法の改正法律案をこの議會に提案をいたしまして、さらに今お話がありました協議會の問題でありますとか、その他のいろいろの若干の監督權につきまして、この地方分權を強化する方向に進めてまいりたいと存じます。この提案した法律案におきましては、申し上げるまでもなく、いわゆる官制的な法律案でございまして、根本的な權限であるとか、根本的な組織であるとか、そういうものを書いてあるわけでございまして、この法文自體に權限の移讓ということは書いてございませんが、これと併せてさらにできるだけの地方分權を並行して地方自治法案の改正によつて行つてまいりたいと存じます。なおしかしながら御所論のような氣分を、この自治委員會その他の設置法についても出しますために、指揮とか監督とかいう事項は官制的な法律の中にも一切これを避けることにいたしましてその志を表しておるような次第であります。
#30
○千賀委員 今日は關係の各委員會の方々がみなお集まりでありまするし、またその向き向きの政府當局も御出席でありますから、まことによい機會でありますので、ぜひ御質問かたがた注意を喚起いたしたいと思うのであります。災害の防止の機能についてであります。特に水災の防止の機能についてでありまするが、近ごろ日本の歸還者あるいは戰災者等のために入口が急激に殖えまして、これら入口を保持するために食糧を供給する一助として、國内のあらゆる方面で新農地の開拓を計畫いたしておられます。もちろん多數の人口を養うために耕地を擴げようというこの作用につきましては根本的に私どもは反對をするものではございませんけれども、農林省または經濟安定本部の方面で計畫をさせられておるとこを見ますと、ほとんど平らな山地を赤むけにむいてしまつて、まずあぜをつくつて畑のようなかつこうをつくれば、それがいわゆる新開發の農地だというように心得ておられまして、畑はつくるがさてその下流に水をどう流そうか、そこへ荒れたところの土砂がどこへ流れ著くか、この會につきましてはまことに杜撰なものがあります。杜撰なものどころではない。ほとんどこの點につきましては無計畫でやつておられる。こういうことは全國到るところの顯著な一つの特徴でございます。ここに大暴風雨があれば、あつた所で大災害ができる。東北であれば東北でできる。西の方の數縣であれば、またそこに大災害が起る。ほかの方面でも一旦颱風が起りましたならばことごとく同樣な災害が次々に起り、やがては日本の全土をおおつてくるのであります。實にこの點は悲しむべき現象でありまして、私は過去二十年以來愛知縣のこうした土木行政の方に大分努力してきた一人でございますけれども、現在その措置をいかにするかというと、いい方法がないのであります。山に木を植えて荒廢した山を再び昔に還すということは結構でありまするけれども、現在木を植えてみたところで、その木がやがて砂防の効力を發生するまでは數年間あるいは數十年間も日子を要するので、とても現在荒れ果てていこうとする状況に對しては、何の効果もないのである。山主に何とか措置をとれと言つてみましても、今に山というものは農地法が擴大せられて山主がみずからの山を所有することさえも許されぬのだそうだというようなうわさが飛びまして、山を愛護するどころか、むしろ山の木を今のうちに一本でも切れる間に賣り飛ばしてしまえというのが山主の現在のすさんだ心理状態であります。これはとても所有者に善處をさせるということは及びもつかないことであります。たつた一つここに殘されましたことは内務省關係が今まで掌つておりました、今度は國土局の關係でございましようが、あるいは山脚の保護であるとか砂防堰堤の築場であるとか、こうしたものをどんどんと施設をいたしましてとりあえず山から低い所に流れて來る土砂を止め、あるいは一時の水を止める。これ以外に日本の國土を救う途はないという現状でございます。どう考えてみましても斷じてそれ以人に水をしばらくなりとも治めようという方法はないのであります。この現状にあたりまして今内台省がこうしたちりぢりばらばらの機構を改革せられるということは、まことに事情やむを得ないといたしましても、たとえその機構改革の間に少しでもこの機能が停頓いたしましたならば、ほんとうに日本の國土は惨憺たる状況に陥つてまいるのであります。私は特にこの向きの當局に強く要求をいたすのでありまするけれども、機構改革もまことに結構でありまするが、しかしながら日本のこの荒れ果てんとしつつある山野を護り、また既耕地を護つて、從前の増收が既耕地から確保できるということにいたしまするにはどうしても砂防というものは非常に重要な問題であるのでございます。殊に内務省關係が今まで掌つておられました工事をいたしまするこの砂防が、最もはまり役であるのでございます。この意味におきまして私はぜひとも當局の皆さんがたとえ少時たりとも、こうした重大な任務の國土を救うという機能をおろそかにせられないように希望するとともに、まつたく皆さんはこの意味におきまして大勇猛心を起して、機構の變革はどうあろうとも、絶對この事業をゆるがせにしないという決心をもつておられるか、私はぜひともここであなた方の重大な任務を完成していただくとともに、ここで勇猛心を持つた答辯がいただきたいと思うのでございます。以上御答辯をお伺いいたします。
#31
○岩沢政府委員 ただいまの御質問に對してお答え申し上げます。御所論に對しましては私どもは全幅の同感であります。現在における日本の開拓というものは、敗戦後における國土の狹小、あるいはまたその半面人口が非常に多くなり、從つて絶對的には耕地を獲得することは必要でありますけれども、その場所を選ぶということはこの際非常に緊急なことでありまして、現在までにおける事象というものが理想的にいかなかつたということも相當ありますので、私どもといたしましては下流部における河川の氾濫、從つて熟田を防禦している堤防の破壞というものは當然起るというような關係から、農林省方面ともその開拓の地域については十分な協議はいたしているのでありますけれども、まだ十分なところにはいかず、時々そういつたような災害をこうむつていることははなはだ遺憾に存じているのであります。こういつたような年々歳々の災害をいかにして防止するかという點につきましては、私ども非常に苦心をいたしているのでありまして、特に戦争中山林の過伐、また戦後におけるいろいろの關係上戦争中以上の山林の過伐のために、ほとんど山は荒れ果てて、從つてわずかの水でもすぐ大洪水を起す。例を申し上げますれば、昔は大體雨が百二、三十ミリ程度降らなければ大洪水ということはないのでありますけれども、この山林の過伐のため禿山になつたためにわずか七十ミリかあるいは六十ミリくらいの雨が降つても、すぐ大洪水になつて、しかもその水たるや非常に濁流滔々というようなことで、濁りが多くなればなるほど破壞力が非常に多くなるわけでございます。そういうような關係上水の量が少くとも破壞力の非常に大きいために被害が相當起る。こういう現象でありますから、これは全國的な現象でありますから、これをどう處理するかという問題に相なるのでありますが、先ほどお話の通りにこの災害を未然に防ぐとか、あるいはまたこういう慘状をいかにして囘復するかという點につきましては、まず御説の通り砂防ということが一番緊急事であろうと考えております。その點につきましては戦後私どもは全國の荒れ果てた状態を調査いたしまして、大體砂防計畫としては、全國の荒れたものをどのくらいかかるという統計をとりますと、現在の時價におきまして約百數十億圓の工費がかかるのであります。しかしながら、一時に、百數十億を出すということは、國家財政上不可能でありますために、まず第一次に三箇年計畫を立てまして今せつかく安本と交渉中でありまして、でき得る限り明年以降においては砂防に重點をおきまして、この荒れ果てた溪流地帯、いわゆる治山ということに重點をおき、また下流における治水も相當これに効果を及ぶように努力をいたしたいと考えております。
#32
○千賀委員 當局がたいへん正確な認識をもつておられることは私も非常に喜びといたします。現在の社會情勢は、殊に經濟情勢は非常に不安定でありまして、百億に三年間の豫算ということが、はたして三年を經過してその百億でどの程度の工事ができるか、まことに私はこし點どうかと思います。今の物價水準から言えば百億と言えばたくさんのようでも數年前の十億かそこらである。日本がほとんど荒廢し盡すか、ここである程度の荒廢でこれを止めて、やがてわれわれの郷土を再び美しい緑の郷土に還すことができるか、この民族に興亡にかかるような大問題をわずか昔の十億、今の百億、これだけで事足りるかどうか、私疑いをもたざるを得ないのであります。またそのためにはどれだけ使つても實際惜しくない金であると思うのであります。この點に關しまして豫算の伸縮に對してわれわれは相當大幅の發案の自由をあなた方に與えたいと思つておりますが、この點そうした氣持をもつておられますか、まず百億取れば第一段の能事おわれりというような氣持でおられますか、伺います。どうかこの點は勇敢であつてほしいと思います。
#33
○岩沢政府委員 お答を申上げます。ただいま申上げました全國の内務省所管に屬する砂防というものは御存じの通り溪流砂防でありまして、これが百數十億と申し上げたのでありますが、これはわれわれとしては日本の現状から見ますればできるだけ早く完備したい。しかしながら現在における資材、資金の面から見てそう急速にはできませんけれども、われわれとしては一日も早くこのわれわれの計畫したものを完了したいという考えでおりますから、この點は十分豫算を取り得るように皆樣方の十分なる御後援を願いたいと考えております、なお溪流砂防は今内務省の所管に屬しておりますが、いわゆる山腹の方につきましては、木を伐り出した跡の植林ということは、現在農林省所管に相なつておりますが、これは常に山林局とわれわれと一應協議はいたしておるのでありますが、資材その他の關係上、やはり下流に溪流砂防工事をいたしましても、上流の山林砂防をしないというような關係から、工事が非常に區々になつておるということが相當起つておるような現状であります。ゆえに先ほど申し上げたような大々的な砂防工事をやる場合には、少くとも山林砂防もその中に包括して上下相まつたこの工事の完璧を期さねばならぬと考えております。
#34
○荒木委員 先ほど木村内務大臣及び國土局長から御説明があつたのでありますが、私は建設院に關しまして、簡單に總括的なお尋ねをしたいと存じます。御承知のように、かつまた今御説明がありました通り、國土局と戰災復興院とを、かりに一緒にいたしまして、應急的に暫定措置として建設院とするのだというお話でありますけれども、この兩を合わせました豫算を御所要になると思います。またこれに關與されまする官吏の員數から未しましても、相當の員數に上ろうかと思うわけでありますが、少くともさような規模におきまして、内容は土木を中心とし建築にわたり、各般の事柄、いわば實務を擔當される役所であります。そういう實務を擔當されるお役所が總理廳に所屬して、内閣に所屬しておられるということそれ自身が、本來適當ではないと思うのであります。その規模及び仕事に内容から申しましても、これはすべからく他の各省と對等の立場にある省として存置さるべきものと私は存じます。しかしながら何らかの理由によりまして御説明にありましたがごとく、暫定措置としてかような法案を提案したのだという御説明のようであります。かりに暫定措置といたしましても、ただ國土局と戰災復興院とをそつとくつつけて、おざなりの組織にされるということ、それ自身も適當でないと思います。從いまして暫定措置とおつしやいます意味は、そつとくつつけた建設院の案それ自身としても推敲を要するから、さしむきは一見ただ算術的にくつつけたようなかつこうにしたのであるという意味であるのか。さらに先ほど私が申し上げましたごとく、これは本來一省として取上ぐべき問題であるけれども、何らかの理由によつて、時間的に、もしくは内容的にその取運びができないから、應急措置としてかようなことになされたのでありますか。暫定措置と仰せになりましたその意味を御説明願いたいと存じます。
#35
○木村國務大臣 まことに適切なる御質問であると思いまして傾聽いたしました。ただいまの建設院は責任大臣たる一大臣の所管に屬しないで、總理大臣の總理廳に屬しておるが、この機構は一省とするだけの値打ちがあるではないかというようなお話でありまして、ただいまのこの措置は暫定的である、その暫定的ということはどういう意味か。こういう御質問のようにただいま承りましたのであります。これは政府としての意向ではありませんで、當事者の私自身閣僚の一人とし、また内務行政をこれまで主管いたしておりました關係の私としましての抱負を申し上げますと、内務省から國土局を分離し、戰災復興院をこれに合わせまして建設院といたしまするこの機會には、もつと大きな構想で一省をつくるべきものである、こういう基本の觀念を私はもつております。ただいま千賀さんのるる御名論もまことには私は傾聽いたしましたが、ああいう砂防工事その他ただいま内務省が取扱つておりまするところの河川工事なんかにいたしましても、もつともつと國土といたしましては根本的に一貫したいところの方法でこれを善處いたさなければ、とうてい災害豫防なんということは完璧を期することはできないものではないか、こういうふうに考えております。で、この暫定措置と申しまするのは、そういう大構想を私どもはもつておりましたが、ただいまの状態、この内閣のできましたところの當面の大問題は、經濟危機の突破ということで、これがこの三派連立の内閣の當面の一つの使命の内容でありまするので、かたわら國家財政の立場から、そういう理想は抱いておりましても、ただちにこれを實現せしめるというわけには容易にできかねる。のみならず内務省の解體というものを急ぎまするその面から見ましても、傍らで根本的な大構想をもつて一省を築き上げるというようなことには時間として容易にこれは許しません。それで内務省の國土局と戰災復興院とを併せたものを、一つの建設院として、一省とせないて置くということが暫定措置である。こういう意味に私は先だつて委員會で申し上げたつもりであります。その點どうぞお含みおきくだすつて、以上のことは、言外のことをよくおくみとりくださるようにお願いいたします。
#36
○荒木委員 ただいまの内務大臣の御説明は要領を得たような得ないようなことで滿足いたしませんけれども、いずれは小委員會に付せられることでもございましようし、かつまた小委員會が終りました後に、連合審査會も開かれる機會があらうかと思いまするので、今お尋ね申しました事柄につきましては、さらにさような機會にあらためてもつとつつこんでお尋ねすることあるべしという意味において、質問を留保いたしたいと思います。
 なおついでながらお願いをしたいと思い、お尋ねもしたいと思いますのは、先ほど來坂東委員その他から御發言がありましたことに關連いたしますが、元來内務省の解體に伴いまする三つの法律は、從前でありますならば、ほとんどすべてが、勅令をもつて規定せられるのが原則になつておつたと承知いたします。それをあえて組織法として御堤案になりますることは、すでに御指摘になりましたような趣旨であることは明らかでありまするが、それにつきまして從前の官制もしくは必要としまする部分は、分課規程にわたるものも併せ審査するのでなければほんとうの審査ができないということ、これもまたどなたか同僚委員が、御指摘になつたのでありまするが、それにつきまして、政府側におきまして、いろいろの御事情があつてお示しが願えない意味は了解いたしまするけれども、速記を止めて口頭で御説明ができるものを内ゆえに案という形でもよろしいから御配付に相なつて、そうしてさようむずかして取扱いを必要としまするならば、配付しまして資料を會議終了のとたんにまたお返しするということでもよろしいので、書いたものを御提出願つて審査を取運び得まするように、政府側に御考慮を願いたいと思う次第であります、秘密會でなく、公開の席上において御説明のできることは、ガリ版刷りか何かで御配付願つても支障なかろうかと存じます。いずれにしましても、私はいやみを述べるのが目的ではなくして、審査の上に、私のみならず、同僚委員すべてが要望しておられることでありますので、本日とは申しません、今後の小委員會におきましての審議に支障を來しませんように、御取計らいを政府側に要望したいと思います。
#37
○木村國務大臣 御趣旨のほどはよくわかりました。當事者とよく相談をいたしまして、なるべく御希望に副うような措置がとれましたらとりたいと思います。協議をいたした上で御答辯をいたしますから少しお待ちください。
#38
○荒木委員 大臣の權威と責任においてただいま御要望申し上げましたことをぜひお願いいたします。
#39
○竹山委員長 他に御發言はございませんか――。別に御質問もないようでありますから、さきに、お諮り申し上げましたように、總括的な質疑はこの程度にいたしまして、なお今後開かれます連合審査會において、今日御發言のない部分については十分御質問をお願いすることにいたしまして、明日以後におきましては、公安廳を中心といたします小委員會を、治安及び地方制度委員の全員の方にお願いをし、建設院を中心とする問題につきましては、國土委員全會を小委員にお願いいたし、その他の關連事項については、決算委員會の委員全員をもつてこれに充てることにいたしたいと思います。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後四時二十四分散會
ソース: 国立国会図書館
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