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1947/11/05 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会商業委員会鉱工業委員会連合審査会 第5号
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1947/11/05 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会商業委員会鉱工業委員会連合審査会 第5号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会商業委員会鉱工業委員会連合審査会 第5号
昭和二十二年十一月五日(水曜日)
    午前十一時十分開議
 出席委員
   財政及び金融委員
   委員長 北村徳太郎君
   理事 中崎  敏君 理事 梅林 時雄君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 塚田十一郎君
   理事 吉川 久衛君
      赤松  勇君    川合 彰武君
      川島 金次君    河井 榮藏君
      佐藤觀次郎君    田中織之進君
      西村 榮一君    松尾 トシ君
      八百板 正君    中曽根康弘君
      原   彪君    松田 正一君
      島村 一郎君    周東 英雄君
      井出一太郎君    石原  登君
   商業委員
   委員長 喜多楢治郎君
   理事 笹口  晃君 理事 片岡伊三郎君
   理事 福永 一臣君 理事 中村元治郎君
      赤松 明勅君    佐竹 新市君
      松原喜之次君    櫻内 義雄君
      坪川 信三君    松井 豊吉君
      山本 猛夫君    鈴木 仙八君
      關内 正一君    松崎 朝治君
      小枝 一雄君    寺崎  覺君
   鑛工業委員
   委員長 伊藤卯四郎君
   理事 大矢 省三君 理事 今村長太郎君
   理事 澁谷雄太郎君
      今澄  勇君    衞藤  速君
      松本 七郎君    村尾 薩男君
      庄  忠人君    西田 隆男君
      三好 竹勇君    有田 二郎君
      平島 良一君    深津玉一郎君
      淵上房太郎君    谷口 武雄君
      前田 正男君    高倉 定助君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
        國 務 大 臣 和田 博雄君
 出席政府委員
        總理廰事務官  渡邊喜久造君
        商工事務官   松田 太郎君
 委員外の出席者
        財政及び金融委
        員會專門調査員 圓地與四松君
        財政及び金融委
        員會專門調査員 氏家  武君
        鑛工業委員會專
        門調査員    谷崎  明君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 經濟力集中排除法案(内閣提出)(第六八號)
    ―――――――――――――
#2
○北村委員長 これより會議を開きます。
 今まで本委員會と他の委員會と委員の方で重複等のために缺席に相なつた方が相當ございますので、經濟力集中排除法案について、今日までの審議經過を簡單に御報告申し上げます。去る十月十八日財政及び金融委員會、商業委員會、鑛工業委員會にて第一囘連合審査會を開き、まず經濟安定本部の佐多局長より提案の理由を聽き、つづいて本案がわが國經濟界に及ぼす影響のきわめて甚大なるを考えたので、産業界、金融界の代表者の意見を聽くため懇談會に入りました。懇談會の形をとつたのも、最も忌憚のない、腹藏のない意見を十二分に問い質し、述べてもらうために、角ばらずにやるには懇談會の形をとつた方がよいという考え方からさようにいたしたのであります。日本鑛業株式會社常務取締役の三間安市氏、大日本麥酒株式會社專務取締役の山本為三氏、化學勞働組合全國協議會幹事久保田誠氏、三菱化成の桑田時一郎氏、經濟團體聯合會長の石川一氏の諸氏よりそれぞれ意見の開陳があり、これに對し委員諸君よりいろいろの質疑がありました。次に二十二日第二囘連合審査會を開き、三共製藥會社の鹽原禎三氏、帝國銀行頭取の佐藤喜一郎氏、日本製鐵の三鬼隆氏の諸氏の出席を求め、前囘同樣忌憚のない意見の開陳を求め、またこれに對して委員よりもいろいろと質疑をし、十分双方の考え方について檢討を遂げたのであります。それから十月二十七日には持株會社整理委員會より笹山委員長の御出席を願い、同じく懇談會を開きまして、委員との間に質疑應答を重ねたのであります。第四囘は二十九日に開會し、政府委員と委員諸君との間に熱心なる質疑應答が交されました。
 以上が大體の經過でございまして、特に産業界、經濟界、金融界等から人を求めましたのも、それぞれの分野において本經濟力集中排除法案がどういう影響を與えるかということにつきまして、勞働關係、金融關係、あるいは化學工業關係、重工業關係等、それぞれの分野から以上申し上げましたような代表者を招いた次第でございます。一層詳しいことは速記録等によりごらんを願いたいと思いますが、さきに申し述べましたようにかなり御缺席の方が多うございましたので、一應今までの經過を御報告申し上げた次第でございます。
#3
○川合委員 本法案の審議に對してきわめて愼重なる態度をもつて本委員會が臨んできたことは、委員長のただいまの經過報告の通りであります。本日連合審査會におきましては、本案の重大性に鑑みまして、關係大臣であるところの國務大臣、安本長官の和田氏と、大藏大臣竝びに商工大臣の出席を要求したのでありますが、すでに定刻を過ぎること一時間餘、未だに御出席がないわけでありますが、その邊の事情はどういうことに原因するか。特に本案の審議の點におきまして和田關係大臣の御出席がほとんどなかつたということは、非常にわれわれとして遺憾であります。從いまして前囘の打合會におきましては、本日は必ず關係三大臣が御出席願うという前提のもとに、本委員會が開催されたものと私は聞き及んでおります。本案の審議にあたりましては、今までの質疑應答の記録の中に現われておりますように、その影響するところきわめて甚大であり、かつまたわれわれといたしましては國際情勢をも勘案して、この法案の審議を行う必要性に迫られておる、從いまして本日はまだお見えにならないけれども、はたして三大臣がお見えになりますかどうかを政府當局に先にお尋ねしたいと思つております。
#4
○渡邊(喜)政府委員 今安定本部長官は臨時閣議を院内でやつておりますので、それが終り次第この席へ出席する豫定になつております。商工大臣はただいまG・H・Qの方に用事でまいつており、十一時半ごろには歸れると思いますので、歸り次第こちらへ出席することになつております。大藏大臣は少しお加減が悪くて、ちよつとこの會へ御出席できるかどうかはつきりまだいたしておりません。さよう御了承願います。
#5
○中崎委員 先刻委員長から今日までの議事進行の經過を御發表になつたようでありますが、もともとこの問題はわが産業經濟界、ひいては國民經濟に重大の關係ある法案でありまして、産業界はもちろん、われわれ議員竝びに委員の間においても、この問題については重大な關心を拂つておるわけであります。從いましてこの問題についてはさらに愼重に審議をいたしまして、國民經濟にいかなる影響を及ぼすものであるか、さらにこの法案の具體的の基準とか、あるいは持株整理委員會の運營等についても、さらに政府側から十分の説明を聽いて愼重に審議する必要があると思うのであります。こういう意味におきまして、この審議が相當に手間どることはやむを得ないと思うわけでありますが、委員長においてはどういうふうな考えをもつて今後進行させる考えであるかを、一應お尋ねしておきたいと思います。
#6
○北村委員長 ただいまの中崎君の御質問にお答えいたします。本案はお話のごとくきわめて重大でございまして、一歩誤るならば、日本經濟の細分化が實は重大な反對の結果を起すおそれもあると思います。從つて國民經濟全般に及ぼす影響も非常に大きいのでありますから、先に申しましたように、各方面の諸君と懇談を重ねたりいたしたわけであります。當初政府の意向は、なるべく速かに審議をしてもらいたいという希望があつたのでありますけれども、お話のごとくきわめて重大法案でございますし、これは拙速主義をとつてはならない、むしろ時間がかかつても十分愼重に審議をいたしまして、いやしくも修正すべき點があるならば、大擔率直に修正するという態度をとるべきではないか。これは私の一個の考えでございますけれども、中崎君の御質問に對して私はさように考えております。願くは委員會としても愼重を期して、まずこれは拙速を考えるべきではない、こういうふうな考え方で進みたいと考えております。
#7
○石原(登)委員 私は本法の審議にあたつて過日の本會議において自由討議の際、第一議員倶樂部を代表いたしまして、きわめて率直に本法に反對であるという意見を表明いたしておきました。私どもはまず本法の審議というよりも本法の制定に對して根本的な多くの疑義をもつておるのでありまして、ゆえにたびたび關係責任大臣の出席を要求いたしまして、この根本の問題を解決了承することにおいて以後の立法技術上の問題は論議すべきである。こういうふうに解釋をいたしてまいつたのであります。ゆえに委員會でも今日までの發言は留保いたしてまいりましたが、先ほど川合君からも要求がありました通り、ぜひ關係大臣に出てもらいたい。政府は常にこの法案が大事である大事であると言いながら、まだかつて一度も大臣が出席したことはないのであります。私はきわめて遺憾に思います。またこの問題は政府がさように申すまでもなく、國民のすべてが日本の死活の重大問題であるということをよく了解しておる。こういう事實であるにかかわらず政府當局はこれに對して何らの誠意も熱意も示されないということをわれわれは遺憾に思います。私はまず制定の可否についての大きな疑義をもつておりますので、この問題を關係大臣に率直に質問いたしまして、そのはつきりした了解ができない以上は以後の質疑がとうていできないのであります。どうか委員長におかれましても、速やかに關係大臣が出席されるように御配慮を切に要望いたしております。
#8
○北村委員長 石原さんにちよつと申し上げますが、關係大臣の出席のことは先ほど渡邊政府委員からお答えがありました通り、今臨時閣議を開いておられ、大藏大臣はきのうから熱を出していて、見えるかもしれませんが、今のところわからぬ。こういう状況であります。それから和田長官竝びに商工大臣は多分十一時半ごろここに到着することができるであろうということであります。さよう御了承願います。
#9
○川合委員 ただいま和田國務大臣がお見えになりましたので、この機會に和田國務大臣に質問をしたいと思います。實は先ほど關係國務大臣の御出席を願つておりましたが、ただいま御出席になりましたので私からもう一囘御説明申し上げます。本案が日本産業經濟に與うる影響の大なることは申すまでもない。本案が上程されまして連合審査會をたびたび開いたのでありますが、その間に一囘も關係國務大臣の御出席のなかつたということははなはだ遺憾に存ずる次第であります。
 私の和田國務大臣に質問申し上げたい點は、まず第一點といたしまして、本案が成立した後において、本法の適用の對象に豫想せられる數はどのくらいの數であるかということをまずお聽きしたいと思います。
#10
○和田國務大臣 はつきりしたことは法案が通つたあとでないとわかりませんが、今大體豫想されておるのは數にして三百程度じやないかというような程度でありまして、確かなところはやはり法案が通つたあとでありませんと、具體的には申し上げられません。
#11
○川合委員 この三百の中には制限會社も當然含まれておるものとわれわれは解釋しますが、さようでありますか。
#12
○和田國務大臣 大部分が制限會社になると思います。
#13
○川合委員 これは根本問題でありますので、あるいはお答えができかねる點もあるかとも存じますが、本法案が上程されるに至つた事情は、デリケートな國際關係が相當に織込まれているということは、今日國民の常織としてわれわれは了承しているわけであります。しかしまた關係筋のサゼスシヨンがあつたということもわれわれはひそかに察知できるところでありますし、かつまたポツダム宣言受諾に伴う必然からいたしましても、われわれはそういうようなことが一應想像されるのでありますが、最近に至りまして外電の傳えるところによりますれば、本法案に對しまして、多少國際情勢が變化したような點をわれわれは聞及んでいるのでありますが、これらに對しまして政府はどういうような觀察をされているか、お差支えのない範圍において御答辯願えればさいわいだと思います。
#14
○和田國務大臣 確かな事柄はまだ何もわからないのであります。いろいろなうわさがあるようでありますけれども、ただこれに關する事柄はどうも今のところ正確なところがわかりませんので、私どもといたしましては、その點については、自信をもつてお答えするだけにはまだ至つておりません。たとえば新聞社の方で本案に對するいろいろの批評をアメリカの新聞でしている方もおるわけでありますが、正式にそれがどうであるかということについては、まだ何もございませんので、その點は私としては何とも申し上げられないのであります。
#15
○川合委員 本案が成立いたしまして、いよいよ適用實施せられるという段階におきましては、日本の統制經濟が本法の適用のためにいろいろな生産會社の事業が一應運行が阻止されるというような懸念があつて、統制計畫經濟との矛盾というようなことが考えられるのでありますが、かかる矛盾をいかにして防止するかということに對する政府の事前の對策がありますならば承りたいと思います。
#16
○和田國務大臣 この法案は御承知のように集中した經濟力を排除いたしまして、將來は獨占禁止法によつて定められましたあのわくのうちで日本の企業が運營されてゆくことになるわけでありまして、獨占禁止法というものは一應公正な競爭というものを實現するという建前に立つているわけであります。しかし今の日本の經濟状態からいつて、やはりある限度の統制が必要でありますことは御了承願えると思うのでありまして、過當に集中した經濟力を排除しまして將來への獨占禁止法の運營の途を開くということと、統制そのものとはそこに矛盾はないと思うのでありまして、この法案自體を運營いたしまする際にも、はつきりといたしておりまするように、生産そのものは阻害しないということに最大の注意を拂つてこの運營をいたすように、具體的な基準の適用にあたりましては、考案することになりますので、日本の經濟の生産力を下げることなく將來自由な經濟が囘復し得るような條件が備わつたときには、なるほど獨占禁止法の形による運營が行われるでありましようが、しかしそういう條件のない現段階におきましては、そういう一つの將來への態勢はそこに認めながらも、全體としての適當な限度において、統制というものが行われていく、その基盤において行われていくという形になつていくのではないかと私は思うのでありまして、具體的に個々の産業にこれが適用されまするときには、十分お話のような點については注意をしてやつていくつもりであります。
#17
○川合委員 ただいまの御答辯によりまして、この法の實施後におきましても、依然として統制經濟が圓滿に遂行せられるものというような力強い言明のあつたことはわれわれとして喜ばしく存ずるでありますが、次に變體的な經濟力の厖大化を是正するとか、あるいは過當な經濟力の集中を排除するということは抽象的には正しいのでありますが、その場合におきまして現在の状況からみまして、もし分割した場合におきましては、一應生産の減退、あるいはまた採算の非常に高くなるということが、常識としてわれわれは考えられるのでありますが、もしそういうようなことがあるならば、いわゆる角を矯めて牛を殺すというような結果になるのでありまして、本法の狙いとは異なる結果になる。殊に現在のような生産増強が日本の産業再建に直結する状態のもとにおいては、本法の實施によつて企業が細分化され、それによつて生産の減退、あるいはコストの高くなることも嚴に避けなければならないと思うのであります。從つてその避け得る途といたしまして、一應かりに本法が成立したと假定いたしましたときにおいて、その適用をされる會社に對して事前的な生産設備の移轉なり、そういうような措置をとることがわれわれは望ましいと思うのでありますが、政府はかかることに對しまして、すでに巷間うわさに上つておりますように、たとえば日本製鐵とか、そういうような事業を分割するという場合には、われわれは事前的な措置を必要と考えるのでありますが、そういうことに對して具體的な準備をしているか、どうかということを承りたいと思います。
#18
○和田國務大臣 お答えいたします。非常に剴切な御質問でありまして、われわれの一番この法案をつくりますときに心配いたしましたのも、これによつて生産が低下し、また生産費が上つていくことがありましては、言い換えますと、經濟がもつておりまする内部的な經濟と、外部的な經濟と言いますか、そういう點からくる利益が失われて、生産能率が下り、生産高なり單價が非常な影響を受けてくることを私どもとしては非常に心配いたしたわけでございまして、その意味において實は具體的な基準について、できるだけこれを明確にすることをこの法案ができまする過程において先方と交渉をいたしたわけでありますが、結局ただいま提示しました程度に止まつたわけでありまして、その考え方はやはり第六條の末項にも、前項第九號の生産能率を判定するにあたつては、生産高とか、單價が企業の構造の變更によつて影響されるかどうかについても考慮しなければならないというようなことも、一應そこに入れておいたわけでありまして、お話の日本製鐵なんかにつきましては、施行の時期を後に延ばすとかいうような點についても相當了解を得ているのであります。これは結局再編成の計畫を個々の企業が一應つくることになつておりますので、その際にやはり生産の低下とか、あるい能率の低下を來さないような具體的な――もちろんそこに一つの大きな條件があるわけでありますが、案をつくつてもらつてわれわれの方としましても、今言つた日本製鐵のような場合には、そういう具體的な措置を講じまして、切替時における生産の低下を防いでいく、こういうふうにいたしたいと考えております。
#19
○北村委員長 ちよつと申上げますが、和田國務大臣は豫算委員會からも出席の要求があるようでありますから、和田國務大臣に對する御質問は今のうちなるべく集中して御質問願いたいと思います。
#20
○川合委員 本法實施後における持株會社の整理委員會の運用ということがきわめて重要性をもち、むしろこれが根幹ではないかとわれわれは考えておるのでありますが、持株會社整理委員會の今後の運用に關して政府はどういうような構想を抱いておるか、同時にまた持株整理委員會は本法の實施によりまして親たなる使命を擔つたわけであります。從いまして元來機構がかようないろんなことを運用するわけでありますが、やはり機構の中心は人に求められるわけであります。從いまして新しい使命を負うた持株會社整理委員會が新發足するにあたつては、人的な面におけるところの改革ということが考えられると思うのでありますが、これらに對して政府はどういうような考えをもつているか、お聽きいたしたい。
#21
○和田國務大臣 持株會社整理委員會につきましては、實はこの法案の御審議を願うときに改革の案を別の法律で出す豫定で、政府としては手續を進めているのでありますが、まだ向うの承諾を得ませんので提案までに至つておりません。結局お話のように持株會社整理委員會が相當の權限をもつてこれが運營の中心になるのでありますから、これに對しましては、政府といたしましても相當の監督も行い、また國會等におきましても十分な監督をしていただきたい。人の問題もいろいろな何があるわけでありますが、この持株會社整理委員會については、この法案をつくるまでいろいろとわれわれの方としては向う側と折衝いたしまして、こういうひとつの大きな權能をもつわけでありますから、これは官廳としても責任の所在をはつきりさして、それでやつていきたいということをいろいろ長きにわたつて交渉したわけでありますが、向うはパブリツクな一つの機會と認めておるので、何も官廳にしなくてもいいじやないか、ということでどうしてもそこのところは讓りませんで、結局特殊會社整理委員會は、今のものは改正いたしますが、とにかく官廳というものにはならずに、これが運營の中心になるようにということにいたしたわけであります。そこで人の問題についてもあるいは人數を殖やすとか、いろいろな點についての話をいたしたわけでありますが、結局人數よりも質の問題なんで、むしろいい人があれば、向うとしては、その人たちをとり入れることにやぶさかではない。こういう意見もありましたので、われわれの方といたしましてもやはりこの持株會社整理委員會には堪能な公平な人を常任委員なんかに加わつてもらいまして、持株會社整理委員會を公平に運營していきますように處置いたしたい。かように考えておる次第であります。
#22
○川合委員 ほかにもいろいろ質問申し上げたい點もありますが、私だけではどうかと思いますので、私は最後の一點だけを、これは希望として申し上げておきます。日本經濟の再建は長期計畫をもつてせねばならんということは周知の事實であります。しかるにこの法案が成立後におきましては、個々の企業の再編成が重點となる傾きがあつて、國の産業經濟再建計畫が從たることになりはしないかということを恐れるわけであります。殊に持株會社整理委員會が過當な經濟力の集中を排除するというような面のみにおいて産業の再編成をするという場合においては、計畫的な長期再建計畫とは別箇にこれが扱われることを私は一番恐れるわけであります。そこで私といたしましては、どうか日本の再建というものが日本の産業經濟の長期再建化を基調とし、その線に副うような本法の企業の再分化ということがあらねばならない。從つて私といたしましては、まず基盤をしつかりと確立し、そして計畫を樹立し、その計畫の線に副いつつ、しかも本法の精神を十分に組み入れられた運營がなされるように、この法案か成立後においては、本法の運用に遺憾ないように特にこの機會に私は政府に希望いたしまして、一應私の質問を打切りたいと思います。
#23
○石原(登)委員 まず和田さんにお尋ねしたいと思います。本法案の立案はいわゆる安本案でありますか、それとも政府與黨案でありますか、まずこれからお尋ねしたい。政府與黨、すなわち社會黨、民主黨、國民協同黨の全體の案としてでき上つたものか。あるいは政府行政部だけでこういう案をつくられたものであるか。それを先に問いたいと思います。
#24
○和田國務大臣 これが問題になりましたのは、關係方面の示唆がありまして、それで實は各省に關係いたすものでございますから、この前の企業再建整備法のときには便宜上大藏省が中心になりまして法律をつくつたわけでありますが、各省に關係がありまして、各省が安定本部が中心になつてやつてくれんかということでありますので、一應安定本部が中心になりまして、連合國側と折衝いたし、その折衝が一應まとまりましたので、もちろんその過程におきましては常にその經過を閣議なり經濟閣僚懇談會なりに報告いたしまして、各閣僚の御了解を求め、最後に閣議の決定を願つて提案するということにいたした次第であります。
#25
○石原(登)委員 先日の本會議において片山總理は、例の叶凸君の失言問題にからんで、一切の責任は日本政府にあるということをきわめて明確に御答辯がありまして、われわれは總理の御發言に對して今もなおその通りはつきりと了承いたしておきたい。かように考えます。そしてただいまの河合君の質問に對しまして、和田さんは、生産の減退あるいは生産のコスト高ということについてわれわれも非常に心配している。こういうような御答辯があつたのでありまするが、この問題については、安本當局もさようでございましようが、國民の多くのもの、さらにわれわれも非常に心配いたしております。今日において安本長官はこの生産の減退、さらにコスト高に對してそういうことがあり得ないというような確信のもとにこの法案を御提出になつたかどうか。それをお聽きいたしておきたい。
#26
○和田國務大臣 私は生産減退ということがこれによつて來たされると困ると思いましたので、今まで關係方面と種々折衝いたしまして、結局向うの考えも所有の集中を排除するのであつて、企業の集中そのものを排除するという考え方ではないのだ。これによつて生産を阻害さすつもりは毛頭ないのだということがはつきりといたしておるのでありまして、われわれもそういう前提の上に立つて、この法案について審議をお願いした次第でありまして、その點につきましては、もちろん影響が絶無とは申されませんが、しかし生産の點については最大の注意を拂いまして生産減退を來たさないようにやつていく、こういうつもりでやつておるのでありますから御了承願います。
#27
○石原(登)委員 政府御當局の御苦心は今よくわかるのでありますが、つい最近政府で出されました經濟實相報告書、あれは國民が異常な關心をもつて讀ましていただいた。國民の多くはあれを見まして非常にびつくりいたしております。そうして政府が常に機會あるたびに強調せられます通り、今日の日本の經濟か窮境にある、特にここ半年ないしは一年の日本の立上りいかんが、今後の日本の運命に影響するということをわれわれはよく了承しておる。ところが、この經濟力集中排除法案の内容を檢討いたしてみますと、政府當局が言われたこの立上りの時機と、日本の經濟の實情をあまりにも無視した法案であつて、こういうことが同じ政府のあなた方の手で行われるということに、私は非常な矛盾を感じておる。これは私だけでなしに、日本國民の多くが矛盾を感じておるだろうと思いますが、この點に對しまして、政府はその間に一體どういうような考えをおもちになるのか、私非常に了解に苦しむわけであります。この點を明らかにしていただきたい。
#28
○和田國務大臣 企業を考えます場合に、非常に所有が集中して、大きな獨占的な企業の形態であるから常に必ずしも生産が上つているということは言えないと思います。日本の今の企業の状態を見ますると、やはりそこに合理化の餘地は相當あるのでありまして、これはむしろ企業再建整備法が、經理面において從來の舊い無資産になつた債權を整理していく、こういう形をとるよりも、むしろ内面に深く突込んで、實體にはいつて企業そのものの合理的な再編成をやつていく、こういう積極面がこの法案の中に見出されるのでありまして、その意味から言えば、この再編成計畫というものが適當に行われますならば、企業形態そのものはなるほど所有の集中はなくなりますが、生産力の點においては、やはりものによつては上つてくるというものもあろうかと思うのでありまして、そういうようにむしろこの法案を運營さしていくことにいたしたいというのがわれわれの考え方であります。また關連産業はあるいは打切りとか何とかという形でありますから、一つの企業形態としてのそういうエコノミーからくる利益というものはある場合はなくなると思います。しかし生産自體がそれによつて阻害されるかどうかということは、まだ考慮の餘地が私はその場合においてさえあるのではないか、むしろ一つのものに專念して生産をやつていけば、その方が生産が上つてくるというものもあり得るわけでありますから、そういうふうにわれわれはやつていきたいと思うのであります。
#29
○石原(登)委員 そういう面は押問答いたしましても、これは見解の相違に相なりまして、私は押問答はいたしません。しかしながら政府が少くとも經濟實相報告書において報告なされ、しかも國民に對して非常な耐乏生活を要望されて、一方においては國民が働くことのできないようなシステム、あるいは基準にもつていかれるということは、われわれとしては絶對に了承できないことであつて、きわめて遺憾の意を表したいと思います。
 さらにもう一つ、特にお尋ねしておきたいことは、これは日本の人口問題と關連するのでありますが、大體こういうような狹い日本において日本は農業的に立ち行かぬことはきわめて明瞭であります。ゆえに日本が立ち行こうとしますならば、平和的工業を營み、これによつて日本が立ち行くよりほかに道はないということは、すでに國會においてもたびたび社會黨の經濟閣僚の諸氏によつて明らかにされたのであります。ところがこの經濟力集中排除法案の内容によりますと、むしろ日本の經濟力、工業生産力はかえつて減退いたしまして、こういうようなわくの中の行き方において、はたして日本の八千萬という人間がほんとうに文化的、平和的な生活を營まれていくというお見透しがあるかどうかということに對して私は深い疑いをもつわけでありますが、この點に對して和田さんはどういうふうなお考えをおもちであるか、率直な御意見をお聽かせ願いたいと思います。
#30
○和田國務大臣 この經濟力集中排除法案につきましては、ただいまとにかく過當に集中している經濟力を一應排除して、將來の日本の産業のあり方としては獨占禁止法の一つの大きなわくの中で公正な自由競爭をやつていくという建前でありまして、いわばこれは暫定的な措置なのであります。從つて一應經濟力の集中を排除してしまつたそのあとは、獨占禁止法のわくの中で日本の生産力そのものが發達していくということについては、何らの制限はないわけであります。從いまして、日本の將來の産業構造が戰爭以前のような、ああいつた財閥なり何なりによつて獨占された形はとり得ませんけれども、しかし獨占禁止法の中において、それぞれの業種によつてある程度の公正な自由競爭さえ行われているならば、適正な規模というものはそれぞれ違つておるのは當然のことでありますので、その間においての産業の發達は十分にあり得ると私は確信しておる次第であります。
#31
○石原(登)委員 それならお尋ねいたしますが、たびたび言うことでありますけれども、あなた方は日本の産業界は、資金的にも資材的にもあゆる面においてもうどん底にまでいつたのだということをたびたび言明されております。すべての産業人もその點を訴えまして、政府の強力なる支援を要請しておるのであります。そういうような現状における日本の産業に對しまして、今さら産業界に根本的動搖を與えるような處置をされましては、日本の産業は根柢が搖がざるを得ない。こういうことを加えてもなお起上るだけの力があるというような御認識をおもちであるのかどうか、それをお尋ねいたしたいと思います。
#32
○和田國務大臣 私はこの經濟力集中排除法案は、たびたび繰返して御説明申し上げましたように、所有の集中を排除するのが主でありますので、私はこれをやりましても、日本の産業そのものがこれによつて潰滅に歸するとは考えておりません。
#33
○北村委員長 ちよつと申し上げます。和田國務大臣は豫算委員會の方から出席をせかれておりますので、なるべく國務大臣への御質問をどの方にもしていただいた方がいいと思いますが、石原君はまだ長いですか。
#34
○石原(登)委員 それなら、私はこの上質疑は重ねたくありません。私の希望だけを申し述べておきたいと思います。敗戰後の日本において、今後日本が立ち行く上の大きな經濟政策というものはきわめて不明確であります。これまで日本は工業國として立つてまいりましたが、今後も工業に依存するよりほかに途はない。そうなりますと、いきおい世界の經濟市場をどこに獲得するかが問題になつてくるのでありまして、こういう點に對する政府の構想はきわめて明らかでないのであります。これではいくら産業人に對して奮起を要望いたしましても、産業人にその奮起の熱意があがるはずはありませんし、なおこれまでのような侵略的な日本の經濟市場の有樣では、世界の各國が日本に對していろいろな目で見てくることは當然でありまして、この間のいわゆる世界經濟における日本の進出の調節が最も大事であると私は確信いたします。こういう點に對して、政府において何ら明らかにしていないことはきわめて遺憾でありまして、このことはほんとうに日本の生産經濟が起ち上る大きな力にもなり、ポイントにもなると私は確信するのでありますが、和田さんはこういう點に對して何か構想がありますか、それともこういう面に對しても、それぞれの方面に對して了解が立つておるのか。これを一點お伺いしておきたいと思います。
#35
○和田國務大臣 これは將來の日本經濟のあり方というか、見透しでありますが、これは本來ならば、長期計畫がいろいろな條件を勘案して策定されまして、それを中心にしてこれらの問題が統一され、あるいは企業の再編成計畫にしましても、または合理化の問題にしましても、それが計畫されていくということが望ましいと思つておるのでありまして、その點については、この前もこの委員會でありましたか申しましたが、そういつた長期計畫についての發表の自由をまだもつておりませんので、これはわれわれの方としまして、何らかの形で、一年だけでもよろしゆうございますから、そこで一つの全體としての見透しを十分明らかにいたしたいと思いまして、いろいろ努力いたしておる次第でありまして、そういうものを頭において、再編成なり、いろいろなものを考えていきますることによりまして、經濟そのものの面が非常に具體化していくというふうに考えるのであります。また今いろいろな方面と交渉いたしておりますが、まだお話できる程度までいつておりません。
#36
○河井委員 獨占禁止法あるいは本法などは、大體において戰爭中不當に膨脹した富の集中あるいは企業の支配に對して、そのハンデイキヤツプを除き、各人の自由競爭の餘地を廣くするという意味において、民主的ないき方だとも考えるのでありますが、すでに大財閥の解體、經濟人の追放、あるいは昨年の金融措置令により、あるいはまた財産税、財産の増加所得税等によりまして、すでに多くの富の集中は細分されておるのであります。今日の問題は終戰後のわずか二年間にでき上つたところのいろいろな手段をもつて、中には不正の手段あるいは暴力などをもつて富をつくり、それが既定の事實となつて、今日大きな富の集中が現われておるのであります。そしてそれらの人々はあるいはやみの金融資本を支配し、あるいはやみの市場を支配し、あるいはたくさんの物資をもつている。それらのものがすべての合法的な税からは逃れてしまつている。これが今日の惱みでありまして、増加所得税をとるにしても、これが困難でとれない。しかもあらゆる不合理は彼らのやみの富の集蓄にあるのであります。こういうものに對しては本法を見まするとあまり豫測されていないように見える。本法の第三條の第五項にそれは該當するものであると考えますが、結局第三條第五項はいわゆる財閥を豫想されて――在來の中小財閥を考えておられるのではないかと考えます、結局今のやみの富の集中の對してはこの五項を適用する以外に方法はないと考える。ところがやみの集中はいわゆるやみで、不動産は名義を現わしておらない、動産はみずから占有しておらないので、これを捕捉することは非常に困難であると考えますが、本法を施行される場合において、そういうことは豫想されていないかのごとくみえておるのであります。そういう問題に對してどういう方法でそれを實行されていくか、第三條の五項では、どうもこれだけでは、名義が變つておつて、本人の名義がどこにも捕捉されないというのならば、非常に困難ではないかと考えますが、そういう點について、この法の運用上どういうようなお考えを長官はもつておられますか、お伺いしたいと思います。
#37
○和田國務大臣 その點は非常にむずかしい點でありますが、結局はこの法案ではやはり獨占的性質の企業の支配に用いられるという點が必要でありますから、今お話の點はあるいはきつちりとはあたらぬと思うのです。税金の問題として、やみ利得者については結局税の關係でこれを規律していくということに落ちつくのでありまして、それについては税務の機構の充實とか、あるいはやみ利得者の税金の捕捉といつたような形で問題を處理していきたいと考えております。もちろん獨占禁止法だけでも處理できない部分がございますので最後はそこにいくのではないかと考えております。
#38
○淵上委員 ちよつと簡單にお伺いいたします。經濟力の集中排除は、あくまでも再建を妨げることがないようにしなければならぬことは申すまでもないことであります。民主的な健全なる方法でやり、企業内部の民主化とか、企業經濟營の社會化ということについていろいろ考え方もあると思いますが、要するにねらいは社會公共の利益を目的としなければならぬ。從いまして同時にまた經濟再建の基盤を踏みはずしてはならぬと思うのであります。從いまして徒らに細分をすることなくして、ここに關連性の問題につきまして經濟再建のために妨げのないような考え方をしていただきたい。この點を非常にわれわれは心配しておるのであります。この關連性というものの査定につきまして政府ではどういう考えをもつておられるか、その點をお伺いしたいと思います。
#39
○和田國務大臣 われわれは關連性の問題につきましては愼重に取扱つていきたいと思つております。
#40
○淵上委員 第二にお伺いしたいのでありますが、經濟力の集中形態の事業の中には、黒字部門と赤字部門がある例が非常に多いのであります。たとえば三井鑛山などにつきましても、石炭部門は赤字であるけれども、非鐡金屬部門は黒字である。そこでこの赤字企業につきましては、これを解體すれば事實上不可能になるのであります。從いまして何らかの救濟對策がここに立てられなければならぬと思うのであります。この點が一つ。續いてまたこれに關連している從業員の立場からみましても、解體のし放しで、これを放任するわけにいかない場合があるだろうと思いますが、これについてどういうお考えをもつているか伺います。
#41
○和田國務大臣 企業によつて赤字の部門と黒字の部門とあるのでありますが、その赤字がかりに一時的な赤字のものであればこれは比較的處理し易いのでありますが、長期にわたつてその企業は赤字であるというようなことであれば、やはりこの際企業の合理化を行つて處理しないと、結局處理できない問題じやないか。かように考えておりまして、これは再建整備の計畫自身が進むに從つて各企業が一應はそういうことが出てくるわけでありますので、それらの點を政府においても指導いたしますが、企業自體においても十分にそこのところは考慮に入れて、具體的な建設計畫を立てるようにしていかなければならぬ。かように考えております。
#42
○淵上委員 企業の合理化は當然ただいま第二に申しました從業員對策の問題にひつかかる問題でありますから、併せてお考えおきを願いたいという希望を申し上げておきます。
 もう一つ、第四條に指定の期限がある。大體一年の期間はあまり長過ぎやしないか、これはできるだけ早くすることが理想ではないか、半年か八箇月というように、なるべく早いほどいいのでありまして、當然この法律の施行のために現在までもそうでありますが、事業界に混亂を起すことは想像にかたくないのでありますが、この指定がかりに半年で終るといたしましても、その影響はさらにあとまで長引くのでありまして、經濟の再建ということはだんだん遲れてき、また阻害されることが考えられるのであります。從つて第四條の期限についてはもう少し短縮される必要があるではないかと思う。この點についてはいかがでありますか。
#43
○和田國務大臣 期限の點は實は交渉の過程におきましてわれわれとしましては半年あるいは三箇月という短かい期限を主張いたしたわけであります。しかし實際上は一年程度にしておいて、運用の上においてできるだけ早く目的を達成させよう、できるだけ早く指定しようということで、經濟界に與える影響を最矩期間に限りたいという點については大體了解を得まして、法規の上では一年にしておりますが、運營は早くやるという考え方で進んでおります。
#44
○周東委員 お急ぎのようでありますから一、二點に限局してお尋ねいたします。本法案が不當なる企業の集中を排除して、公正なる取引のもとに自由競爭をさせるという根本の精神については非常に贊成であります。但し今日の日本の破壊された經濟の再建途上において、これがいかなる形に運用されるかということが一番大事な點であるということは皆さん周知のことであると思います。その點で一番問題なのは、この法案にも出ておる持株會社整理委員會の問題と、具體的な場合に適用される基準であろうと思います。かつて傳えられるところによれば、非常に政府の方では御苦心をせられて、基準等についてはある程度方針を具體的に定めておきたいのであるというような主張のもとに折衝になつたと聞いておりますが、私はある意味においては、一定の形の基準をきめられるよりは、もしこの運用が適切にいくならば、彈力性あるいき方の方がいいではないかと考えております。傳えられるところによれば實際の運用にあたつては今日までこの法案が施行はされておらぬけれども、現に實際問題として企業の再編成が特定の會社等についてはこの法案のもつ内容と同じような形に、いろいろ指示されて集中が排除されるような形に指導されておる會社があるように聞いておりますが、そういう會社がはたしてどのくらい今日まで實際上進められておるかということをお伺いいたし、もしそれがあるとすれば、政府においてはそういう具體的な會社に指示されたような一つ一つの會社についての基準と申しますか、具體的な事例を委員會にお示しができないか、進んで言えば何らか過去に行われた實際の問題を取集めて、將來あるいはこういうことも基準の一つとなろうかというようなものを委員會に御提出が願えないか、この點をまずお伺いいたします。
#45
○和田國務大臣 ただいまの點、政府委員からひとつお話させたいと思います。
#46
○北村委員長 速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#47
○北村委員長 速記を始めて……。
#48
○周東委員 まことに御苦心の點想像つきますが、大體今のような事柄は、機能的にみまして、今後この法案通過の後に運用される場合の一つの基準になるかと考えます。從つて今日は速記を止めてのお話でありますが、でき得るならばこの委員會方面と御了解の上、お出しになつた方が、私は審議を進める上に非常にいいのじやないか、そうすると大體國民としてはその法案のねらつておるところはこういう程度なのだというふうに、あまりに無用な心配をかけなくて濟むのではないか、かように考えますので、これをお願いいたしておきます。長官の御意見がありましたら伺います。
#49
○和田國務大臣 さように取計らいます。
#50
○周東委員 もう一つお伺いいたしたいのは、委員會の問題についてでありますが、今日まで持株會社整理委員會の方々が、あるいは財閥の解體、あるいは持株會社の整理等につきまして、いろいろお骨折となつたことにつきましては國民の認めているところでありますが、今度企業集中排除に關する法案の通過の後に、この法案の運用がまた新しく持株會社整理委員會に付託され、その權限に屬することになるようでありますが、この際私は、從來の權限及び從來の財閥解體とか、持株會社整理とかいうことのために選任されたときの事情と今度の仕事とは違うのでありますから、できれば一應新しく進む、すなわち日本の産業の再建について、生産の方面について十分の知識をもち、經驗のある人を多く取り込むことが必要なのじやないかという氣もいたしておるのでありますが、この際現在の方々がいいとか悪いとかいうのでなくて、新しい使命をもつて新しくスタートするこの委員會としては、委員等について全面的に一應入替えるというようなことがやられないものか。その際改選をするというときに、現在の方が再び出てこられることはもちろん結構でありますが、そういうふうなことをで、結局この法案のもつ新しい使命について新しい人が出てくるということが、國民に一つの安心を與えるのじやないかと考えます。この點長官はどういうふうにお考えでしようか。
#51
○和田國務大臣 お答えいたします。ごもつともな御意見でありまして、實はわれわれの方としましてもその點非常に苦勞をいたしたわけでありますが、結局この際全部をかえるとかどうとかいうことでなく、やはり持株會社整理委員會も、今まで財閥解體その他の點につきまして相當の經驗をもつておりますので、その點も十分尊重いたさなければなりません。よい人がありますならばやはりそういう人を加えて、今御指摘のように、生産のこともわかり、また人柄もりつぱな人によつて運營にも誤りなきを期したい、かように考えてやつていきたいと思つております。
#52
○石原(登)委員 あと一點だけお尋ねいたしたい。いろいろ見方によつて違いますけれども、私は確信しておるのでありますが、本法をもし施行いたしました場合において、非常に生産力が落ちる、それからコストが高くなる、ひいては日本の産業再建に相當大きな影響がくる、むしろ再建が不能になるんじやないかというようなこともおそれるわけでありますが、もしこれを施行いたしまして、私が今豫想しておりますような不幸なことが事實として現われてまいりましたような場合におきまして、政府はこの經濟力集中排除法によつて施行しましたいろいろな企業の細分を、また本法施行前にお返しになる意思がありますかどうか、この點を最後にお尋ねしておきたいと思います。これは確かに日本の再建にたいへんな障害をきたしたということがはつきりいたしました場合でございます。
#53
○和田國務大臣 それはなかなか困難だろうと思うのでありまして、これはとにかく暫定的な措置として、今まで非常に經濟力が集中しているのを一應排除してしまう。言いかえれば、川で材木がたまつているものを流してやるというわでありまして、あとは企業そのものの力によりましてこれが成長發達していくということは、實はちつとも阻止しているわけではないのでありますから、その點はやはり進歩した技術を取入れるなり、あるいは日本の經濟力が囘復してくるに從つていろいろなよい機械を入れるなりして、企業そのものを伸ばしていくことに政府としては助長していく、こういう形になろうかと考えております。
#54
○石原(登)委員 そうしますと、たとえば經營の場合には、當然コスト安のためには多角經營を行わねばならぬ、コークスをつくるために、石炭を乾溜いたしましてコークスをつくる、その副産としてたとえば染料も藥品もできる、こういうことは當然行われることである。それもなおかつやめて、いわゆる細分々々ということになりますと、日本の企業經營は全く不利な條件においてのみ經營していかなければならない。こういうことで、あなた方が主張される工業再建ができるかどうかということについては、われわれはいかように考えても了解ができないのであります。私は非常に遺憾に存じますが、本日は時間も少いようでありますから、この程度で私の質問を打切りまして、後日の機會に保留いたしたいと思います。
#55
○田中(織)委員 實は本日近畿地方早害對策の問題で、地方廳竝びに關係町村長が百數十名大擧上京してまいつておるのであります。早害對策の問題については、長官も先般大阪、和歌山等の實地を調査せられて、想像以上に深刻な被害を受けておることは閣議に御報告されたことも承つておるのでありますが、今般の追加豫算の決定にあたりまして、この旱害に關する經費がほとんど全面的に削除されたように聞いておる、この問題は本年度の三千五十五萬石の供出にもきわめて重大なる關係をもつておる問題であり、いろいろ國家財政の苦しい立場は了といたしましても、おそらく數億に達する旱害應急對策に對する經費について、何らか國として考慮されなければただちに供出にひびくばかりでなく、すでに各地方議會におきましては、先般農林大臣の關西視察の途中におけるいろいろの約束に基きまして、縣の豫算において、相當の補助金を前提とした豫算を組んでおる實情にありまするので、この旱害對策の經費の問題について、經濟安定本部としていかなる態度をもつて臨まれるか、この機會に承つておきたいと思うのであります。
#56
○和田國務大臣 今度の追加豫算で公共事業費として五十二億きまりましたので、五十二億の中には、實は本來ならば、旱害對策の方の費用としては農林省の側からいろいろまだまとまつてきておりませんので、その點で最終の結論には達しなかつたわけでありますが、しかしお話のように旱害は非常に……殊に近畿地方の旱害はひどくありますので、われわれとしては五十二億という非常に削られた追加豫算ではありますが、とにかくその中から總理の裁定によりまして、またわれわれもそれを主張いたしまして、約五千萬圓だけの旱害の費用をとつたわけです。旱害對策に對しまして、われわれとしてはできるだけのことを當初豫算からもしたい、こういうような考えから、一應旱害對策として五千萬圓を公共事業費の中からそれに振り向けた、こういうことになつております。
#57
○周東委員 この際ちよつと委員長にお願いをしておきたい。豫算がようやん議會に提出されたのですが、その中に相當收支ともに國民として心配な點がある。なかんずく收入の點について、十分に審議を進めておく必要があると思うのでありますが、ついては税制の税率改正その他があるわけであります。速やかに税制についての法律案をこの委員會に御提出を願うようにして、豫算委員會の進行と竝行して進めていくことが必要であろうと考えます。委員長におかれましては、しかるべくお取計らいを願いまして、税法關係法律を速やかにこの委員會に出していただきまして、審議を進められるようにお取計らいを願いたいと思うのです。
#58
○北村委員長 了承いたしました。そのことについては緊急に豫算委員會の理事會とわれわれの方の理事會と連合の理事會を開きまして、打合せをしたい。なるべく能率的にやりたいと考えておりますし、それから税法改正案をなるべく早く提出されるように政府に交渉いたします。さよう御了承を願います。
#59
○川合委員 それに關連しますが、そもそも衆議院の委員會の運用あるいは委員會そのものに對して、再檢討を加えなければならぬというような感じが非常に濃厚なのであります。たとえて申しますれば、この財政金融委員會に關連のある、今附託になつております失業手當法案というものがあります。たとえば勞働委員會に上程されておる。そういう場合には、財政金融委員會とも密接な關連があるから、われわれは委員外の議員として傍聽はできますけれども、これらに對して正式にわれわれが參加するというようなことが考えられてしかるべきだと思うのであります。これは委員長として廣く常任委員長の會議の問題としまして、われわれは衆議院の常任委員會の運營の完全を期するという意味において、希望しておきたいと思うのであります。
#60
○北村委員長 承知いたしました。
 それではこれで散會いたします。
   午後零時三十七分散會
ソース: 国立国会図書館
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