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1947/10/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会商業委員会連合審査会 第2号
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1947/10/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会商業委員会連合審査会 第2号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会商業委員会連合審査会 第2号
昭和二十二年十月一日(水曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   財政及び金融委員長 北村徳太郎君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
 理事 梅林 時雄君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 葉梨新五郎君 理事 吉川 久衛君
      赤松  勇君    川合 彰武君
      川島 金次君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      松尾 トシ君    大上  司君
      細川八十八君    松田 正一君
      泉山 三六君    島村 一郎君
      周東 英雄君    鈴木 正文君
      苫米地英俊君    井出一太郎君
      内藤 友明君
   商業委員長 喜多楢治郎君
   理事 笹口  晃君 理事 福永 一臣君
      佐竹 新市君    松原喜之次君
      山口 靜江君    岡野 繁藏君
      櫻内 義雄君    坪川 信三君
      松井 豊吉君    山本 猛夫君
      鈴木 仙八君    關内 正一君
      辻  寛一君    前田  郁君
      松崎 朝治君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   石原 周夫君
        貿易廳次長   新井  茂君
 委員外の出席者
        商工事務官   村岡 信勝君
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 貿易資金特別會計の一部を改正する法律案(内
 閣提出)(第六一號)
    ―――――――――――――
#2
○北村委員長 これより財政及び金融委員會、商業委員會の連合審査會を開きます。
 貿易資金特別會計法の一部を改正する法律案について質疑を繼續いたします。松尾委員。
#3
○松尾委員 先週の委員會で委員から強調されましたように、日本經濟の復興の大きい希望は貿易再開にかかつていると思いますが、これに對して何らの用意がなくしてかかることは、日本經濟にとつて一番危險なことだと思うのであります。講和會議がいつ始まりまして、いつ終るかということははつきりわからないにしましても、外電の傳えるところによりますと、そう遠い將來ではないと思うのでありますが、これに對して早速ぶつかつてくる問題というのは、日本國内の物價と世界の物價の調和を、いかにしてとるかという問題であると思うのであります。けれども、過般政府が新物價體系をお立てになりましたのは、戰爭中封鎖經濟のもとにあり、また敗戰後もまつたく封鎖されておるもとにおいて行われたことでありまして、この價格の面に至りましては、ある物はドルとの比率にいたしますと、非常に高くなり、ある物は安くというふうに、この凹凸がはげしくなつております。これは一應新物價體系の上において凹凸を調和したということでありますけれども、今後貿易が自由になつた場合には、どうしてもこの日本國内における物價と、世界の物價とを調和していかなければならないが、この見透しは政府においておありになるかどうか。またおありになりましたならば、時期の問題で、今早速これを準備して、この講和會議後の自由貿易に際してまごつかないようにするのが大切だと思うのでありますけれども、この點をお伺いいたしたいと思うのであります。
#4
○小坂政府委員 貿易が部分的に再開されておりまするし、やがては世界經濟の復歸する講和會議というものが終了いたすことになると思うのでありまして、今からそれに對して準備をすべきであるという御意見は、まことにごもつともであると思うのであります。御承知のように今囘政府のとりましたスタビリゼイシヨン・バンドという問題は、大體基準年度に比較いたしまして、物價を六十五倍という安定帶に今もつていつておるのでありますが、それ以外のものはだんだんこの六十五倍の上の線に制約して、貿易が比較的自由があつた頃のベースに物價をもつていくという、一つの試みであるというふうに御了解願つていいと思うのであります。また現在の貿易というものが部分的なものでありまするが、また一方において大體世界經濟との關連において物價を考えていかなくてはならぬということは當然である。この意味において早く為替相場をつくつた方がいいというような議論も、ちよいちよい見受けられるのでありますが、私は先般の委員會において申し上げましたように、私見でありますが、そういうものをまだつくるべき時期ではないし、つくつてもそれが維持されるものではないという見解から、為替相場というものを考えずに、一つの商品のグループ別にユニツトをつくつて、それを世界經濟の中における外國の商品との關連も考究していく。そして關連の著しくかけ離れたものは、だんだん關連のあるグループの中に押込んで、そのグループの數をだんだん少くして、最後に統一的な一本のものにする。そのときに為替相場というものが考えられるのではないか。こんなふうな私見をもつておるのであります。これはあくまでみ私見でありますが、そういうような問題と關連いたしまして、いろいろと委員會等をつくりまして、この世界經濟の中にはいるのにはどういう態勢をつくつたらいいかということについて、今大藏當局としても研究をさせておる次第であります。
#5
○松尾委員 新物價體系とならんで、この今の場合には、各品目に分けてレートをきめておるということでありますけれども、このような調子で永續できるものではないし、また講和條約後の自由貿易に至りまして、このレートの問題も新物價體系と同じように非常に大きい問題でありまして、今からどの邊に水準をおくかというような腹構えがおありになるでしようと思いますので、その水準をちよつとお尋ねしたいと思います。
#6
○小坂政府委員 この水準の問題は一つの基準をおいて、それに向つてやつていく方がよいか、あるいは國内の企業というものを健全な形にしていくと、どこへ落つくかということをある程度やつてみて、出していく方がよいかという問題と、二つの考え方があると思うのでありますが、私どもとしてはこの後者の考え方の方が實際的ではないかと思うのであります。商品別に一つ一つつくるという考え方は現に行われているのでありますが、これを一つのグループにしていくということが統一であります。そのグループをさらに統一して單一なものにしていくというふうな段階をとつていつたらよいかと思います。現在のところ再開せられておりますのは、ごく一部の雜貨に關するものであります。この雜貨が貿易されているということから、ただちに為替をどこへもつていくかというようなことを考えてまいりますると、為替相場というものが維持されるということになるならば、それも一つの考えであると思うのでありますが、これはなかなか今の日本經濟では、自立的にこれを堅持していくということもむずかしい場合も考えられる。そうするともし堅持されない場合には、雜貨であるとか、あるいはほんとうに船がはいつて來て、これを修理するために要する費用との關連において、この意味におけるインヴイジブルなトレードがあるということだけをもつて、この為替相場が必要だということになつてまいりますと、為替相場をもつということが、國内經濟全體のインフレの度を決定して、そういうようなものになるという點が非常に危險であるというふうに私どもは考えております。どのくらいの目安があるかとおつしやいますが、これはそんなような氣持でだんだん現實的にいくところへ落つかせるというような考え方であります。
#7
○松尾委員 今雜貨貿易のお話が出ましたけれど、先ごろバイヤーが參りましてそのあとの調査をしてみますと、どうも高級な品物をつくつている者は資金もつまつて、あるいは材料もなくして、やつとつくつたにもかかわらず、今囘來訪しましたところのバイヤーが、買入れてくれるというようなお客か少なかつたように思うのであります。それで今のところはいろいろの事情から工場を、あるいは生産を止めなければならない状態にあるように伺つておりまするけれど手持製品とさせるように、資金あるいは材料の配給を緩和してやるような方法はできないものでありますか、また聞くところによりますと、上等のバイヤーというものはクリスマス以後に來るのではないかというような豫想もされているそうでありますけれど、前のバイヤーのとつた方法から推察してみますと、先物よりも現在のストツクをというような向きがあるのでありますから、この點高級の輸出品をつくる會社におきましては、財源とかあるいは材料を特に確保させてやるようにしていただきたいのですが、いかがしようか。
#8
○新井政府委員 ただいまの御質問まことにごもつともであります。現在までに參りました外國貿易代表團の買われました品物は、今お話の通り大體現在ございまするストツクが中心をなしておりまして、將來の先物については、あまりまだ賣買契約はできておらぬのでございます。それでその原因は申すまでもなく、日本が數年にわたりまして海外からまつたく隔絶あれておりましたために、外國の嗜好その他につきまして日本がまつたく知つておらぬというために、先方が喜んで買うような品物が少いとかいうことが、おもな原因であらうと考えるのであります。それでお話の通り將來におきましては貿易を伸ばす上からみまして、どうしても特にアメリカ方面におきましては高級な品物を賣るようにもつていかなければならぬと存ずるのでありますが、これにつきましては、お話の通り資金竝びに材料につきまして、十分に面倒を見る必要があろうと考えるのであります。材料の點に關しましては、現在貿易公團設立をいたされておりまして、大體この公團を中心にいたしまして輸出品に必要なる原料を斡旋し、もしくは現物をある程度に自分で保有しておりまして、必要のときに公定價格をもつてこれを賣拂い得るということによりまして、材料の配給に支障のないようにいたしたいと考えております。
 それからの資金の問題に關しましては、御承知の通りに前から貿易スタンプの手形という制度をつくつておりまして、注文を受けました場合におきましては、この貿易スタンプ制度によりまして、優先的に市中銀行から金融を受けられるという制度をつくつて、でき得る限りこれが圓滑なる運用を期しておるのであります。しかしながら現在のような浮動をいたしております經濟状況のもとにおきましては、必ずしもこの制度だけでは十分ではございませんので、最近大藏省とも御相談をいたしまして貿易廳の證明のありますものにつきましては、復興金融金庫におきまして、優先的に貸付をいたすということになりまして、すでにこれを實行いたしておるような次第でございます。そのほかにさらにそういう高級の品物を賣るにつきましては、やはり外國の流行、嗜好に合うような物をつくらなければなりませんので、そういう點につきましては最近司令部におかれましてもいろいろお考えになりまして、最近小包郵便を認められるようになりましたので、先方からいろいろな見本もはいつてまいり、またこちらの見本も送ることができる。さらにまたカタログ等もとることができるようになりましたので、だんだんとこういう點につきましても便利になつてまいると存じますが、それと同時に國内におきましても、もつと技術の進歩向上をはからなければならぬと存ずるのでありまして、これにつきましては政府におきましても各種の方法を講ずべく準備をいたしておりますが、同時に關係業者の方におかれましても、この方面にもつと力を注いでいただきまして、日本の商品がどんどん外國に歡迎せられるようにもつていきたいと存じております。
#9
○松尾委員 現在の輸出品は比較的高價な為替で來ておりますけれども、輸入品はずつと安い為替になつておるように承知しております。輸出を奬勵して國民生活の安定をはかるためには、この制度もあながち非難できないと思うのでありますけれども、ここに一つ問題が殘されると思うのであります。まず輸出品を自由に生産させて自由に輸出せるというには、現在とつております輸出價格がそんなに高過ぎるということはないと思うのであります。なぜならば今非常にやみが横行しておりますので、そのやみ價格と對抗して自由に生産させ、自由に輸出をさせるには、高い價格にきめなければならないのではないかと思うのです。なぜならばこの價格によつて國内のやみ相場よりも輸出價格の方が低い場合には、輸出を看板にして國内のやみに流してしまうおそれがあると思うのです。それで政府におかれましてはかねがね言つておられますけれども、なお一層これを強化統制して、やみの撲滅をはかる特別の手段を講ずる必要があると思うのですが、いかがでしようか。私はこういう點において輸出品に對する管理が必要だと思います。港における倉庫から、あるいは倉庫にはいつておる品物から生産工場に至るまで、理想的な管理を行つたならば、輸出の面における横流しとか、あるいはペケになつた物と稱して國内消費に充てるようなことが完全に防げると思うのでありますが、この點に對する政府の御所見を伺いたいと思います。
#10
○新井政府委員 國内におけるやみの撲滅につきましては、政府におきましても流通秩序の維持徹底をはかる意味におきまして、各種の施策を行つておりますが、それと同時に輸出品につきましてもつと統制を徹底して、これが國内に流れないようにしたらどうかというお話でございます。これに關しましては先般司令部において設定せられました貿易囘轉基金の運用に關連いたしまして、この基金の運用によつてはいりますところの原材料は、御承知の通りにこれをさらに製品にして輸出しまして、その基金をふくらましてまいるという作用を營まなければなりません關係もございまして、この基金の運用によつて輸入せられました原材料を製品化して、それの輸出を確保するような制度をこの際つくつたらどうか、いわゆる加工工場制度を至急につくつた方がよくはないかということで、政府におきましても鋭意研究をしておりまして、成案を得ましたならばでき得る限り早く實施いたしたいと思つております。その制度ができましたならば、比較的技術の優秀な工場に、優先的にそういう資材を配給いたしますと同時に、その資材の配給を受けた工場につきましては特別の監督をいたしまして、その資材によつてできた製品が國内に流入することを防ぐと同時に、そういう製品によつて、先ほどお示しの通り國内が非常に物價が高くて、品質のいかんを問わずどんどん賣れてまいるというような状況にも鑑みまして、悪い品物をつくつてそれを國内に流すおそれも考えられますので、そういうことのないように、そういう資材によつてつくりました製品は、すべて政府の統制機關において、品物の良し悪しにかかわらずこれを買上げまして、そういて良い物はもちろん輸出をいたすわけでありますけれども、輸出に向かぬ物でありましても、統制のルートを通して全部國内に配給をすることにいたしたいと考えております。
#11
○松尾委員 いろいろ細かいお話を伺いましてよくわかりましたけれども、國内の物價よりも輸出品の價格が上まわつておらない場合にはやみに流れると思うのであります。輸出を發展させるためには、輸出品の價格を相當引上げてやらなければ、これは空文になつてしまつて、決して日本經濟の復活なんということははかれないと思うのです。
 もう一つついでにお尋ねしたいのでありますが、輸入品の中で國内消費に充てられるものに食糧品があると思うのです。この食糧品が今比較的安く配給されておりますが、税の完全徴收のできないような面からいつて、この配給價格をもつと引上げまして、その代り一般大衆課税の免税點をもつと上げるとか、あるいは全然廢止するとかいうふうにして、財政面の補いをつけるような方法をおとりになるお考えがおありになるかどうか、お聽きしたいと思います。
#12
○新井政府委員 輸出品の價格の問題につきましては、これを國内のやみ物價を考慮して輸出品の價格をきめるというわけにもまいりかねるのでございます。しかしながら國内向の物品と違いまして、輸出品は規格においても、品質においても、あるいは包裝におきましても、相當高くつきます關係もありますので、それぞれの輸出注文の物品に應じた適正な價格を、輸出品についてはつくりたいということで、先般物價廳の中に輸出品の物價審査委員會というものを設けまして、この委員會におきまして個々の取引に應じまして輸出品の適正なる價格をつくつてまいりたいということで、やつておるような次第でございます。
 それから輸入の食糧が比較的安い價格で拂い下げられておりますが、これをもつと引上げたらどうかという御意見でございます。これにつきましては食糧品の價格の全般に關係をいたす問題でございますので、關係方面とも十分相談をいたしてみたいと存じます。
#13
○松尾委員 私のお尋ねしたいのは、結局税の割當をきめても完全徴收ができないので、食糧問題で國の財源を得たときは、一般大衆にも犠牲は大きくなつてくるかもわからないけれども、國の財政としては健全財政にいくことができると思うのです。この點から食糧品で大衆課税を取り、そして全部に日本再建の意欲を植えつけて、その代りに一般大衆の所得税なんというものは全然廢したらどうか。こういうわけです。
 それともう一つ、貿易々々と言いましても、今非常に船腹がないような樣子ですけれども、この船腹の問題は關係當局に交渉なさつていらつしやるのですか。最後に私は經濟に對しては非常に幼稚園なものですから、自分の思つていることをよくお話して御返答を願いたいと思うのですが、言いまわしがまことにへたなので、たいへんおわかりにくいでしようと思いますけれども……。
#14
○小坂政府委員 食糧品を特に安くしないで、もう少し高く配給してもいいじやないか。そうしてその場合に出た財源をもつて、一般の他の税を徴收することをやめるような方法に向けたらどうかという御意見でありますが、食糧品の價格は實は非常に微妙な關係をもちますので、一般のすべての物價の基準となるかと思うのであります。この扱いについては私としてはできるだけお安い方がいいという考えをもつてる次第であります。たまたまこの放出食糧の問題は、關係方面とも非常に緊密に連絡をして決定せねばならぬ問題でありますので、現在のようなところにおちついておるわけであります。これをさらに今後どうするかという問題は、御意見のようにいろいろな考え方ができると思うのでありますけれども、現在のところではそういうような状態におちついておることを、御承知願いたいという程度で御了承願いたと思います。
#15
○川合委員 政府の方から先般要求しました參考資料が手もとにまいつておるのですが、この貿易資金現金受拂内譯の内容を檢討いたしますに、これだけの資料ではわれわれがよく了解しにくい點があるのであります。これを御説明願うとともに、結局この貿易資金の損益というものが出るはずでありますが、その損益收支の内容を明らかにしていただきたい。それは歸するところ、もしこの貿易資金の損失に終つた場合においては、一般會計に轉嫁されるというようなことでありますので、もう少し内容に觸れた説明を願いたい、かように考えます。
#16
○北村委員長 貿易廳の經理局長が見えておりますので、村岡經理局長より御答辯を願います。
#17
○村岡説明員 御指名を得ましたので私からただいまの御質問に對するお答えをいたします。差し上げました資料によりますと、昨年の七月、すなわち管理貿易が始まつて政府の受拂が始まりましてから、今月の八月末までの間におきまする金の出入の總額は、まず支拂の方では輸出品買上げの資金が大部分でございますが、總額において百二十四億三千三百萬圓餘になります。それに對しまして同じく貿易が始まりましてから八月末の間にはいりました金、要するに輸入された物資の賣拂代金でございますが、この金額の總計が約七十三億七千百萬圓ということに相なります。從いましてその差引きいたしました約五十億六千二百萬圓というのが、輸出物資、輸入物資の賣拂買上げの資金の不足額でございまして、これは貿易基金十億圓竝びに資本金の方から借入金五十億圓、合計六十億圓をもつて賄つたのでございます。しかしながらこれは御指摘の通り、貿易の損益とはまつたく關係のない單に資金の出入の數字にすぎないのでございます。はつきりした貿易資金の損益は、御承知の通り外貨の方との關係も總合してみなければ出てまいらないのでございますが、單に圓の側から申しましても、今のような資金の方では五十億前後の不足を來しておりますけれども、たとえば今年の三月末の現状をとりましても、輸入物資で未だ處分しておらない物資が相當ございます。また輸出の方にいたしましても、金を支拂つてないという部分もありますわけで、未拂未收の關係、あるいは手持の物資の評價の關係等を勘案いたしますと、大體において圓の側だけから申しますと、今年の年度末、すなわち三月末において、概略の推定でございますが、七十億前後のプラス勘定になつております。要するに手持ちの物資の評價、これは主としてアメリカから入れました原綿の手持ちの金額でございまするが、そういう關係上圓の側でも相當なプラス勘定になつております、これに對しましてドルの方の側から申うますと、これまた御承知の通り日本としては相當な輸入超過になつております。輸入超過ということは外貨面の相當な支拂勘定があるということでありまして、その金額がいくらになるかということは、正確にはわれわれ承知しておらないのでありまするが、かりにそのドル貨というものを相當な換算率でもつて圓に引直しますると、その圓に振りかえられた賃務額というものは、ただいま申しました圓の側のプラス面の七十億前後というものを、はかるにオーバーするということの推定がつくのでございまして、從いまして外貨と圓との總合的なバランスにおいては、貿易基金特別會計全體としては、相當たる赤字が生れてまいるということになろうかと考えております。
#18
○川合委員 圓貨から見た一應の收支というものが七十億のプラス勘定になつておる。ドル勘定から見た場合においては、これがマイナスだというのでありますが、こういう場合におきまして、これは結局歸するところ、ドルのレートをいくばくに評價するかということによつて決するだろうと思うのでありますが、そういう場合において、ドル貨の換算レートと申しますか、そういうものに關しては日本政府は發言權をもつておるかどうか。あるいはまたG・H・Qにそういうことを要請しておるというならば、どの程度のものを要請しておるかということをお聽かせ願いたいと思います。
#19
○新井政府委員 圓とドル貨の換算率につきましては、ただいま日本側といたしましては何ら基準をもつておらぬような状況でございまして、すべてドルと圓とは切離した計算においてやつております。すなわち輸出品につきましては、大體國内の物價によつて、さらにそれに輸出品として適當な生産費その他を加えまして、適正價格を算出して買上げをいたしております。それから輸入品につきましては、これまた國内の公定價格によりまして、すべて拂下げをいたしておるような状況でございます。從つてドルと圓との勘定は、現在のところにおいてはまつたく切離されておるような状況でございまして、換算率というものは日本側としては現在はつきりした率はないような次第でございます。
#20
○川合委員 たとえて申しますると、お茶の例をとりまする場合におきましては、第一囘の輸出の場合においては換算レートが大體において一ドルが七十圓、二囘の場合においては換算レートが八十圓だというようなことが推測されておるわけでありますが、そういうことのレートは、全部日本側でなくて、G・H・Qの方でみな適當にきめておるわけでしようかどうか、その點をお聽きしたいと思います。
#21
○新井政府委員 先ほど申し上げましたような次第でありまして、お茶の場合におきましても、日本側としては買上の價格は大體國内の物價體系によつて定めておるわけであります。それから海外におきまする價格は、これは司令部において調査をいたしておられるのでありますが、外國の市場の價格を中心にして賣價をきめるというような状況になつておりますが、日本の物價がだんだん高騰をいたしております關係から申しまして、國内の買上價格と海外の賣れた價格とを比較してみると、ただいまお話のようにだんだんと比率が悪くなつておるという状況であると思います。
#22
○川合委員 貿易資金の最終の決濟の場合にいおて、この特別會計の資金というものが相當のマイナスになるだろうということに想像されるのでありますが、これをマイナスにならないようにするためには、たとえばとうもろこしの輸入價格と、日本の國内のプロパーの價格とそこに差がある。その間のマージンだけが資金に轉嫁されるということになるだろうと思いますが、そういう場合においては、主要食糧品の場合においては問題があるでありましようが、そうでない場合においては、直接原料なり輸入品に轉嫁さすということによつて、資金の赤字化を防ぐということは考えられないかどうか、その點を承りたいと思います。
#23
○新井政府委員 貿易資金特別會計だけの赤字を埋めるという點から申しますと、ただいま仰せの通りに輸入品の國内價格を上げればいいわけでありますけれども、これについては國内の物價體系なり、その他各種の觀點からいたしまして、いかほどにするかということをきめなければならぬような状況でございます。從つてただいまの點は物によりましては、あるいはさらに引上げていいものもあるとも存じますが、現存の輸入品の大部分は、いわゆる主食でございます關係がありまして、これを引上げるということにつきましては、相當考究を要する問題と考えます。
#24
○西村(榮)委員 議事進行について……。前會の討論が終了した後に、理事會で大體きよう貿易の問題だけは討論を終えて仕上げるという理事會の申合せがあつたのでありまして、きようは大體そういう段取にいくのでありましようか。
#25
○北村委員長 實はきようあげたいと考えておりましたけれども、自由黨の方でまた黨議にかけておらないということで、この次ということになりました。この前の理事會の申合せと少し狂つてきましたので、その點は御了承を願います。
#26
○西村(榮)委員 そうするとこの討論を終つて、とりあえずこの金融財政委員會にかけられ、後ほど豫算と勞働委員會との合同審議にかかつておる政府職員に對する一時手當の支給に關する法律案、この問題の説明にはいられる豫定でありますか。説明は三委員會でやるのですか。
#27
○北村委員長 説明は三委員會でやつた方がいいこう考えておりますが、これは職員給與のことで、ぜひ早くやらないといろいろ關係があると思います。人の生活に關することでありますから……。
#28
○西村(榮)委員 その説明をそのときにするならば、三常任委員會の合同審査に便利のように、もう少し具體的な參考貿料を添えるように、委員長から大藏當局へ御交渉を願います。
#29
○北村委員長 承知しました。
#30
○苫米地(英)委員 先ほど小坂政府委員から為替の問題について、私見であるというふうに御説明がありましたけれども、これはわれわれ現在考えて、それ以外に途がないとすべての人が見ておるのでありますが、さてしからば先ほどの御説明の通り、そのグループがだんだん短縮していつて、一つの為替相場におちつくかどうかというこの現實の問題になりますと、日本の經濟の運行によつて違つてくると思うのであります。近似生産物が近似價格をもつということは、これは自由經濟においては當然なことでありますが、現在の統制經濟においては、はたして近似製品が近似價格をもち得るように行くという御信念がありますならば、その基礎を明示していただきたいのであります。
#31
○小坂政府委員 私が申しましたその中で、大體製造方法なり使用先なりというものの似通つたものを、一つのグループにしますという點についての御質疑でありますが、これは自由經濟の場合には、大體近似生産は近似價格になつております。しかしながら統制經濟の場合には、そういうことはなかろうというようなお考えであつたようですが、これは私としますと必ずしもそうは考えないので、私どもの理解いたしまするところは、この統制經濟の場合には政府の役人なり――最近は民主化されていろいろの委員會を通じてやるわけですが、一應原價計算によつて價格をきめる、こういうことになつております。原價計算をいたしまする場合には、大體近似生産のものは近似價格を出すことになると思うのであります。でございまするから、私どもに言わしめますれば、統制經濟であるほどかえつて近似價格が似通つてくるのじやないかというように思つておるので、まあ自由經濟であれば大體妥當の値段が出るというお考えも、これは非常にいろいろな生産物が豐富でありまする場合には、そういうことになると思いまするし、私どももそれは、非常に自由にやれるように生産を増すということが理想であるというふうに考えておる點では一致しておると思うのであります。ただ現在ではそういかないから統制をやつておるというのでありまして、その點御了解を願いたいと思います。
#32
○苫米地(英)委員 ただいまのお話では、統制經濟においては原價計算をする場合には、近似なものは近似の原價にまとめていくからそれができるのだ、こういう御説でありますが、實それは觀念的にはそういうことができますけれども、現實はまつたくこれと反した方向に向つておることを政府委員も御了承と思うのであります。なぜかと申しますと、現在の實情を見ますと、生産者は例外なしに、いかにして生産價格を高く裝うかということに最大な苦心をしておるのであります。現在政府できめられておる値段で利益を生み出す唯一の方法は、原價計算を高く見せかけて、公價を高くきめてもらうということが一番いい方法である。從つて各生産者はきわめて複雜で、容易に檢討をし盡されないいろいろの商品がありますが、たとえばある機械のごときは、一つの機械についても何百ページに上るところの原價計算を出しておる。これを一々少數の官僚が見極めをつけることはできないのであります。しかもこれが一つのものでなくて、何百萬とある商品についてこれが出てくる。從つてこれをすべて檢討することはきわめて困難なのであります。また自由市場においては、消費者全部が了承しなければその品物は賣れない。であるから原價計算によつてこれを市價に乘せるために原價を減すことに使用する。ところがこの原價計算によつて適正利潤を加えるという考え方によれば、少數のこれを取扱うところの人々を納得せしむるか、もしくはその他の方法によつて承認せしめればマル公がきまる。これはきわめてたやすい。そこにいろいろの弊害も起つてくる、もしこれを否定いたしますならば、今度の物價體系においてやみ値よりも高いしかも物によつては業者が氣恥かしくて、新しい値段で賣るという相談ができないというような、幾つかのものがきまつてくるはずがない。またあるやみ値を超えたところの品物は、配給業者が公價よりも安い値段で手にはいるからして、正當のルートでくる物を拒んで、やみ値で買取つてゆくというような現實の事實もある。これをもつてしても、今の小坂次官の言われた事柄は、現實と照らして見ても、理論から見てもこれは成立しないと私は考えるのでありますが、この點いかがでありますか。
#33
○小坂政府委員 あなたのお立場からする御議論でありますが、私の立場から申しますと、若干意見を異にするのであります。まずその原價計算をできるだけ製造業者は高く見せるようにつくり上げる。それが少數の人によつてきめられるから打割つた話がいくらでもごまかせるから、高いものができるじやないか、こういう御意見でありますが、これは過去の戰時中において、官僚獨善の横行しておつた時代には、そういうことがあつたかもしれませんし、またできたかもしれないと思います。しかしながら現存はただ官僚がきめるといいましても、官僚は世間の批判を受けながらきめている。また製造業者ができるだけ高いものに見せかけようと思つてつくりましても、會社の主腦部というものが單獨にそういうことができる時代ではない。職員組合なり、勞働組合の監視が常にある。それだけに高いものを出せば常に内部からの監視が行われているので、特に著しい現状と開きのある値段というものが、原價計算に現われることが理論的に當然であるという言い方には、私は左袒し得ないと思うのであります。それはただ多くの數のうちでありますから、そういうようなことが例外的に現われている部面があるかもしれませんが、それは必ず是正される一時的の現象であつて、恆久的な現象ではないじやないかというふうに考えられるのであります。
 さらに自由經濟にすれば妥當な値段ができるからいいじやないかというお話でありますが、これは現在は統制價格がありましてなお、やみ値の方がマル公よりずつと高いということがある。やみ値というものは、完全な自由でありませんが、部分的に、需要者と供給者の合意による價格であります。この價格の方が物資の少い時代には高くなるんだという原則を、このやみ値が高いということで現わしているんじやないかと思うのであります。さらにマル公の方がやみ値より高いものがあるというお話でありましたが、これは今度の價格體系の改正によつて、いろいろの原料品が先にきまつて、いわゆる最終製品の値がきまらないというような、價格決定における時間的のずれがありまして、その關係で、また製造業者がそれだけ高くなるんだというようなことが認識されていないような品目が、中にはあるんじやないか、そういうものについてそういう現象を見るんじやないかと思いますが、またかりにそういうことがいわゆる手違いのために、そういう現象ができたのだとすれば、當然この公定價格の方を下げるということになつてくるので、これは一時一時を見たのではいけないのでありまして、ある程度の年月をずらした平均的のものを見れば、おのずからそこに類似の製品をつくつているものは類似の價格で賣る。これは決して御懸念なさる必要はないのじやいかと思います。
#34
○苫米地(英)委員 戰時中にはそういうことがあつたが、今はいろんな方面でそういうことはないと申しておりますが、これは現實をゆがめることが、はなはだしいものだと思う。現在がそれなのであります。現在それであるがゆえに近似品に近似値段が出ないで、むしろある物については値段がますます開いておる。こういうことがあるのでありまして理論の問題でなくて、實質の問題として見るときに、今の御説明ではどうも承服できないのであります。だからマル公が現實に下つたためしは少い。時期とともにマル公が常に上つていく。今獨占形態が排除されておりますが、獨占形體のうちで權力を背景にした獨占形體が最悪のものであります。この最悪なるものを維持して近似値段を出す。また産業を振興していくということは、これは私は今の御説明ではどうしても滿足できない。私は今自由經濟を主張しておるのではありません。ただ為替相場をきめるのに、そういうようなものができるかどうかということを私は非常に疑つておるものであります。またそればかりでなしに、先ほどもお話があつたように、今度來た使節の取引は、繊維品等は別としてストツク品である。しかし貿易が發展していくためには、常に先物を賣らなければならない。これが貿易發展の徑路であります。この先物を賣る場合に今の統制、しかも空手形でほんとうに配給ができない場合に、この先物契約はどうしたらばできるか。それについてどういうお考えをもつておられるか承りたい。
#35
○新井政府委員 先物契約を確保する方法については、結局現在の状況において一番大きな問題は、金融と資材の問題であろうと思いまするが、先物契約のできたものの金融につきましては、先ほど來申し上げました通り、貿易スタンブ手形竝びに復興金融金庫の金融をもちまして、十分にこれを確保いたしますると同時に、資材の點につきましても、政府としてそれの入手に各種の努力をいたし、貿易公團をしてある程度の手持は常に保有をさせまして、必要なときに資材の配給をいたす。さらに手持のないものについては、公團におきまして極力斡旋をいたして、資材の入手を容易にするということによりまして、資材竝びに金融を確保し、それによつてこの先物契約の履行を確保いたしたい、かように考えて努力している次第であります。
#36
○苫米地(英)委員 ただいまの御説明では私は滿足できないのであります。重點産業として今問題になつておる石炭の増産についてすら、空手形が多くて資材がまわらないということが、増産の一つの大きな障害になつておる。しかしこれは國内の問題でありますから、資材がまわらなかつたからできなかつたで濟むけれども、海外に對して契約をする場合には、受渡しの時期というものは非常に嚴格であつて、この時期を誤れば損害賠償を要求せられるのであります。從つて先物契約をするのには、政府が確實に適時適量を配給してくれるという保證がなければ、先物契約はできないわけであります。そこで先物契約をなし得るように、適時適量を配給し得るという確信をおもちかどうかをお伺いしたいのであります。
#37
○新井政府委員 輸出物品に對する資材の配給につきましては、先ほど申し上げたように、あらゆる手段を講じて確保いたしたいと存じておりますが、さらに現在におきましては、輸出契約について司令部の承認を得る場合におきましては、すべて手續をいたします前に、この製品に要する必要なる資材が確實に入手できるかどうかを十分に調べて、それの確保できるものだけについて司令部に申請をしておるというふうな状況にございますので、少くとも契約のできましたものにつきましては、これが履行については、大體において不安のないものと考えております。
#38
○苫米地(英)委員 さしあたりの問題としては、まずただいまの御説明ではつきりいたしました。將來このままではいけないと思いますが、さしあたりの問題としては一應了承できます。
 そこで轉じてお伺いしたいことは、日本の商品で品質が悪いということが問題になつておりますが、その品質の悪いという點について、ごく少量のある材料が不足しておるために、向うの要求する品位のものをつくることができないというような場合が、現在相當あるのでありますが、もちろん現在の管理貿易において、また食糧の重要性に鑑みて、そういうものを輸入することの困難であることは十分了承しておりますけれども、現在の産業發展の過程においては、輸出よりもまず輸入の方が重要性をもつておる。そういうものの輸入を許可され、入手することができなければ、品位の向上ということは、はなはだ困難だと思いますが、これについて政府は何かお考えをもつておられるかをお伺いいたします。
#39
○新井政府委員 お話の通り少量の原料がないために、品質がよくならぬという物はたくさんございまして、たとえば陶磁器の原料でありますカオリンとか、あるいは織物の染料とかいうふうに多々あるのでございますが、これにつきましては、關係業者とも十分に御相談をいたしまして、そういうふうな資材の輸入につきまして、常時總司令部の方に懇請をいたしておりまして、すでにカオリン等につきましては、ある程度の輸入を見たような次第であります。先般設置いたされました輸出入囘轉基金は、こういう方面にも利用できることになつておりまするので、今後におきましては、この基金の利用によりまして、そういうものはどんどん日本の希望するように輸入せられると存じます。今後とも關係業界と十分に連絡をいたしまして、そういう品物につきましては、でき得る限り早く輸入を認められるように努力をいたしてまいりたいと考えます。
#40
○赤松(勇)委員 貿易資金の問題はたいへん重要だと思いますが、なおこの問題は次囘に討論いたし、これを決定するようにお取計らい願いまして、本日はこの程度で……。
#41
○北村委員長 ちよつと、商業委員の方からまだ御發言の要求があつたのですが、それで苫米地君、よろしゆうございますか。
#42
○苫米地(英)委員 よろしゆうございます。
#43
○北村委員長 それでは櫻井君。
#44
○櫻内委員 この特別會計法についての具體的な點を二點お尋ねしたいのです。それはこの法案が通りますと、借入金限度が五十億より百億圓に殖える。こういうことになりますと、貿易資金特別會計法の第二條に「借入金は、一年以内にこれを償還するものとする。」ということになつておりますが、この點についてはどういうふうになさるのであるかという點と、それから第八條の「政府は、毎年この會計の歳入歳出豫算を調製して、歳入歳出の總豫算とともに、これを帝國議會に提出しなければならない。」ということになつておるのでありまして、この借入限度を引上げることによつて、この豫算というものは變るのでないかと思うのでありますが、その場合の八條との關係につきまして、この二點をお伺いしたい。
#45
○石原政府委員 お尋ねのうちの第一點の、借入金を一年以内に償還することができるかどうかという點であります。その點につきましては、この會計法の成立ちをごく簡單に申し上げた方がよろしいと思いますが、四條を御覧願いますと、資金の運用の損益というものを、歳入歳出をもつて補填をいたすことになつております。立法の趣旨におきましては、この四條によりまして歳入歳出に補填をいたす。それから少しお續みになりにくい條文でございますが、第七條におきまして、またそれが一般會計との間の調整をいたします。從いまして現在の法文の形におきましては、とりあえず借金をいたしますが、それは翌年度におきまして歳入歳出を通じ、一般會計からの繰入れを通じまして――見合いの資産のあります部分は若干別でありますが、大體これが償還できるというのがこの趣旨であります。損益のやり方につきまして、これがそのままできますかどうかということにつきましては、實はむずかしいかと思います。先ほどちよつと申し上げましたように、外貨の關係を通じて損益が出てまいる。先ほど貿易廳の方からお話がございましたように、外貨の關係を通じましての調整ということは、いろいろな事情がありまして、目下困難かと思われるのでありますので、この法律で豫想しておりますような形で、損益の整理をいたすということはむずかしいかと思つております。しかしながらその問題は追加豫算の問題と關連しておりますので、追加豫算のきまりました曉におきまして、どういうような損益計算をいたすかということにつきましての、第二囘の改正をしなければならぬ。その際今の一年の問題に對しまして、現在の推移から申しますと、今のように一般會計との調整によりまして償還が一應できる。こういう前提であります。
 それから第二の借入金の限度の擴張に伴いまして、歳入歳出豫算が違つてまいるという點でありますが、その通りでございます。それで先ほども申し上げましたように、全體の調整をどういたすかということは、追加豫算の問題がきまりまして、いずれにいたしましても追加豫算を提出しなければなりません。その後に、さしあたり借入金が殖えたとすれば利子が殖えるから、それだけは追加豫算として出さなければならぬ。
#46
○櫻内委員 限度を引上げた額とういものは、當年度内に全部御使用になるのでありますか。それとも本年度においては、多少年度が進行しているので、そこに含みがあるのでございましようか。その點をちよつとお伺いいたします。どの程度に御使用になりますか。
#47
○村岡説明員 本年度の貿易資金の資金計畫から見透しますと、本年の初め四月から、本年の終り來年三月末までの間の資金の不足は、大體百六十億前後に上るかと考えております。從いましてさしあたりただいま御審議願つておりまする五十億圓の借入限度の擴強をもつてしては、これから先、大體二、三箇月をもつてさらに資金の不足を來し、借入を仰がなければならないというような状況に立至るのではないかと考えます。從いましてその後の資金の問題につきましては、ただいま大藏省側からお話がありましたように、さらに全體の追加豫算の關係ともにらみ合わせまして、新しい案とした御審議をあらためてお願いするというふうに考えております。
#48
○松原(喜)委員 ただいまの御答辯と關係のあることでありますが、來年の三月末まで百六十億圓ばかりの資金の不足を來すという答辯でありました。一方において政府の來年度――今から一年の期間におきまして、繊維製品において七億ドル、その他の一般の輸出品において一億ドル、合わせて八億ドルの輸出の計畫をしておられるという話でございますが、かりにそのうちで、現在の事情をもつていたしますれば、綿花は政府の方から生産者にそのまま供給されるのでありますから、これに對して生産資金をあらためて供給する必要はないにいたしましても、一億ドルの繊維製品以外の生産及び綿花以外において要るところの生産費、それらのものを合わせてみますと、あるいは二億ドルあるいはそれ以上の金が要るのじやないか。しかも現在の事情のもとにおきましては、多くこれを政府の資金から出すことを覺悟しなければならないという事情と思います。はたしてその百六十億ぐらいの金で來年の三月までいけるかどうか、はなはだ疑問と思うのであります。そういう點におきまして、政府は將來一年間に全體としてどれだけの資金を要する御計算でありまするか、一つお聽かせを願いたいのであります。
#49
○村岡説明員 ただいま申し上げました百六十億前後の不足というのは資金の不足でございます。輸出のための繊維製品やの他の買上げ資金として、百六十億をもつて足るというわけじやございません。現在貿易廳で用意しております輸出入計畫の上から申しますと、輸出品の買上げのための資金は三百億を突破する金でございます。しかしながら一面御承知のように輸入品の賣り上げの金がはいつてまいります。その金額も相當なものになりますので、そのはいつてまいります金と出てまいります金との資金の差額が、結局資金の不足となつてまいりますので、その不足の金額を大體今のところ百數十億圓と豫定しておる、かように申し上げたのであります。
#50
○北村委員長 本日はこの程度で散會したいと思います。それでこの案は大體質疑が盡きたと思いますので、次會には討論にはいりたいと思いますからどうかさように御了承願います。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後零時十二分散會
ソース: 国立国会図書館
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