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1947/08/06 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第9号
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1947/08/06 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第9号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第9号
昭和二十二年八月六日(水曜日)
    午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長 北村徳太郎君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 塚田十一郎君
   理事 葉梨新五郎君 理事 吉川 久衛君
      赤松  勇君    川合 彰武君
      川島 金次君    佐藤觀次郎君
      西村 榮一君    林  大作君
      松尾 トシ君    大上  司君
      後藤 悦治君    中曽根康弘君
      原   彪君    松田 正一君
      泉山 三六君    島村 一郎君
      周東 英雄君    苫米地英俊君
      宮幡  靖君    井出一太郎君
      内藤 友明君    河口 陽一君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   野田 卯一君
        大藏事務官   前尾繁三郎君
        大藏事務官   福田 赳夫君
七月二十七日
 委員平岡良藏君議員退職につき、その補闕とし
 て八月二日青木孝義君が議長の指名で委員に選
 任された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 救國貯蓄運動に關する決議案(松田正一君外四
 十六名提出)(第五號)
 生命保險中央會及び損害保險中央會の保險業務
 に關する權利義務の承繼等に關する法律案(内
 閣提出)(第七號)
    ―――――――――――――
#2
○北村委員長 會議を開きます。
 これより救國貯蓄運動に關する決議案を議題といたします。まず提案者の説明を求めます。松田正一君。
#3
○松田委員 救國貯蓄に關しまする共同決議案の提案の理由を申し述べます。
 昨年の秋御承知の戰時補償の打切に伴いまして、政府は一連の諸施策を實施されました。由來わが國の經濟はその再建へ力強く新發足をいたしたのであります。このときに際しまして通貨の安定、貯蓄の増強、これがわが國の經濟再建の根本であると申しますのと、また政府の實施されました重要なる諸施策がよくその所期の效果を收め得るかどうかということは、かかつてこの通貨安定、貯蓄の増強にありといたしまして、昨年その當時の自由、進歩、社會、國協の四政黨が共同決議をいたしまして、通貨安定に關する諸施策を政府に對して要望いたしたのであります。それ以來通貨安定本部を中核といたしまして、救國貯蓄運動に專心いたして今日まで努力を拂つてまいりました。政府はじめ關係各方面の協議、連合軍總司令部の好意と指示とによりまして、これが國民各階層に浸透いたしまして、深刻な通貨不安を漸くぽつぽつとその解消に近づかしめておるのでありまして、貯蓄の上から申しますれば、自由預金は相當效果をあげておるのであります。終戰後起つてまいりましたいろいろの國民運動、これらの目的達成の模樣から考えてみますれば、貯蓄目標に對してこの運動は九割以上の成績を收めておるのでありまして、國民運動の比較によりますれば相當の成績を收めておるのであります。御承知のごとく近く貿易が再開され、これに基きましていろいろなる流言が行われまして、あるいは平價を切下げるのではなかろうか。あるいは新圓を封鎖するのではなかろうか。また新圓の登録をするのではなかろうかというようなことは、相當廣く流言が行われまして、このときにあたつて、この救國貯蓄を昨年來やつてまいりました。その實績と將來を見透しますれば、公定價格が上つたそれらのことによつてやみ取引がまた上るのではないか、いろいろな悪條件がここに起つてきておりますので、通貨安定本部は先月の七日に第五囘の總會を開きまして、それで救國貯蓄運動に對してさらに本年は強化したいというので一應の案を立てまして、これを委員會で決議をいたしたのであります。それらの案の内容につきましては委員長以下、理事會の方でしかるべく案を練つていただいて、案をつくつていただきますれば、それで結構でありますが、その理由といたしましては、今申しますごとく、この際貿易再開、それらによつて産業を起していく。これらの資金というものは何處から出ていくか。結局健全財政主義を堅持するということになりますれば、この資金の蓄積のその額から、一定部分を産業に充て、一部分を地方の財政に充てるというような、一つのわくをつくつていくにあらざれば、無制限にこの資金を出していく、あるいは不足した金は赤字公債で補うというようなことは、健全財政堅持の上からいつて許されぬのであります。とにかく資金の蓄積があつて初めて産業が起るのである。産業が起つて初めて貿易の實績も上るのである。こういう新事態に對しまして、本年改めて救國貯蓄運動に關する共同決議を願いまして、議會がこの強い信念をもつておる。議會を通じて一般國民にこれを表明したいというので、この救國貯蓄運動に關する共同決議の提案をいたしたわけであります。願くば各位にも御賛成を得まして、これを本議會に提出し、この議會を通じて、天下に表明したいと存ずる次第であります。(拍手)
#4
○北村委員長 ただいまの救國貯蓄運動に關する決議案について質疑はございませんか。
 それでは暫時休憩いたします。
    午前十一時五分休憩
     ――――◇―――――
    午前十一時十五分開議
#5
○早稻田委員長代理 休憩前に引續き會議を開きます。
 生命保險中央會及び損害保險中央會の保險業務に關する權利義務の承繼等に關する法律案に對する質疑を續行いたします。
#6
○西村(榮)委員 本件の問題について質問する前に、これは私前にも質問申したのですが、時間の關係でとぎれとぎれになつて、二囘か三囘續けているのです。これから一つ委員長に議事進行について希望することは、大臣の出席を求めるときと、それほど必要でない政府委員の答辯で明瞭になることとわけて、それほど緊急でない、突拍子もないものでない限り、法案を一つづつ片づけるというふうに、能率的に委員長竝びに理事の方々において、議事の進行運營について考慮してもらいたいという希望を申し述べたいのであります。こううふうにだらだらやられると、暑さの折から前に自分で何を質問したのか忘れてしまうこともあるから一つよろしくお願いいたします。大臣の出席のあるときは時間通り大臣に出席してもらつて、大臣も忙しいでしようが、議員も忙しいのですから、時間をきつちり嚴守してもらいたいと思います。
 前囘に引續いて私は生命保險中央會が協榮保險に權利を繼承せしめるところの法律案について質問したいと思います。それとともに現在大藏當局に御質問したい點は、將來の銀行の銀行業的、金融的地位を占むる生命保險の業務の、將來の指導監督に對して、大藏省はいかなる考えを有しておられるかということを御質問したいのであります。私は率直に自分の意見を申し述べれば、今生命保險の業を改組するに絶好のチヤンスではないかとこう思うのですが、大藏當局の現在とられつつある方針は、何らそういう方面には手を染めておられないようであります。それではたして將來の生命保險業が、完全な機能を發揮することができるかどうか。申し上げるまでもなく生命保險業は、他人の財産を二十年三十年にわたつて預かる事業でありまして、その長期間預かる他人の財産を、主として銀行に融資して、銀行の銀行業的な役割を受持つているのでありまして、日本經濟を將來復興再建するためには、この銀行の親元であるという機能をもつ生命保險の機能というものを、よほど重視しなければならぬとともに、その基礎が最も堅固でなければならないと思うのであります。しかるに現在の生命保險業を見まするならば、その内容について、はなはだ不安の點が多々あるのであります。私は一例を言いますが、これは民間會社においては少し信用その他の點において差障りがあると思いますから、政府が經營しておられる簡易保險に一例をとりますと、この簡易保險は從來保險業の中でも優秀な成績を示してきたのでありまして、官營事業の中に成功に属するものはこの事業であつたのでありますが、その簡易保險といえども、昭和二十二年度においては收入保險料が二十二億圓と見積られておるうち、事業費その他で支出される額は大體十八億から二十億であります。そうすると全國の被保險者から收入した二十二億圓は、ほとんどその年度内において消費されてしまう。これが本年度における傾向でありますが、來年度になりますとその年度に收入した收入保險料ではおつつかないので、おそらく前年度の積立金を食つてしまわなければ、やつていけないという状態ではないかと思うのであります。これが一番優秀な成績を示しておる簡易保險の現在の營業實態である。しからば飜つて民間生命保險においては、私は個々の會社の例をあげることを控えますが、おそらくこの傾向でまいりますと、被保險著は二十年ないし三十年の後、自分の年をとつたときの保障になる、あるいは死んだときに妻子に行く保險の拂込金が、ほとんど保險會社の營業費に食われていることが、今日の現状ではないかと思います。簡易保險には戰前にはそういうことはなかつたのでありますが、民間保險會社においては、戰爭前においてすでに生命保險の整理、統合ということが論ぜられたのであります。その基本はどこにあるかというと、營業費の過大と、營業能率の拙劣です、從つて生命保險が著しくその目的たる内容を悪化して來たのは、昭和十九年度から二十年度でありまして、もちろん戰爭において多くの影響をこうむつておるのでありますが、生命保險が弱體化した一つの主要原因は、經營能率の問題、これらを考えてみますと、今ここにある戰前保有しておつた二十いくつの會社を、そのまま代理會社を許可されておるような傾向でありますが、こういう無方針のもとに從來ある老舗だけを認めて、その營業内容に觸れていない。しかもこの絶好のチヤンスを利用して、この銀行業務の金融的地位を占むる生命保險を、改組しようという傾向さえも見えないことは、私はまことに遺憾だと思うのであります。そこで率直に言えば、こういう状態のもとにおいて、先ほど松田君から貯蓄奬勵のお話もありましたし、その一翼としてこの生命保險は長期の金を扱う。しかも個人と國家の財政と、國民の經濟的安定をはかる重要なる國民經濟の機關であるこれを、私は根本的に整理すべき段階であると思うのでありますが、大藏當局の今のやり方は、それと合致しないように思います。この點について御説明を承りたいと思います。
#7
○福田政府委員 生命保險會社を整理統合すべき絶好の機會であるという御説でありますが、その點につきましてはまつたく同感であります。ただそれをいかなる方法でやるかという方法論の問題ではないかと考えるのであります。大藏省といたしましてただいま考えておりますのは、昨年の夏の議會に成立いたしました金融機關再建整備法の線に沿いまして、保險會社の強化健全化をはかつていることでありまして、ただいま整理が進行中であります。この整理の結果、保險會社、特に生命保險會社におきましては、相當の損失を含んでおることが判明いたしたのであります。その結果その損失をいかに處理するかという問題が殘つておるのであります。その處理の方法といたしましては、再建整備の線において自己資本、また外部價券の切捨てまで行いまして、その再建整備の曉におきましては、債權、債務は皆見合う勘定であります。その際におきまして大藏當局といたしまして、再建整備の機會に、從來の會社の存續を許すかどうかという問題であります。この點につきましては、從來の運營の方法、運營の能率程度等を勘案いたしまして、多少經濟の客觀情勢の改善された場合におきましても、なおかつやつていけないものにつきましては、この際斷固として整理をするという考え方をいたしておるのであります。もちろんただいまインフレが除々に進行しておる状況でありまして、保險會社といたしましては、未曾有の難局に立つておるのであります。おつしやる通り多少の不滿の點は現在としてはあるのでありますが、これは過渡的なことと考えまして、多少經濟の客觀情勢が改善されたならば、立ち行くものについては、この際繼續していくことを認めるという考え方をいたしておるのであります。簡易生命保險につきましては、非常に經營能率が悪いというお話でありますが、これは簡易保險の額がただいま非常に小さいのでありまして、五千圓であります。貨幣價値からみますと、よほどこれは上げていかなければならぬわけであります。上げますなら收支が非常に改善される。しかしこれは民間業との關係もあり、非常に高額にこれを上げることもむづかしい状況かと考えますが、ある程度の引上はやむを得ないのではなかろうかと考えております。それによつて改善をいたしてまいる。そういうふうに考えているのであります。なお保險會社の經理の状況をみますと、貨幣價値の變化から、相當高額のものができてまいると思いまするが、依然として小さい額が多いのであります。今後高額のものを極力設置するような方法をとりたいと思います。從つてそれによつて經費の節約をはかつていくというようなことを今言つているのであります。いずれにいたしましても、今後立ち行き得ないものについては、斷固たる態度に出る考えであります。
#8
○西村(榮)委員 先般他の同僚委員の質問に對して小坂政務次官は、將來の外國保險との對抗上、生命保險料のコスト高は何らかの方法で合理化したいという答辯をせられました。私はこれは非常に大きな問題であるとともに、ただいま銀行局長が述べられたように、一例を簡易保險にとつてみても、營業費の高いということは、額が小さいからだということよりも、むしろ保險業の運營方法が違つてきたのではないか、これは各社共通の悩みであります。というのは今まで契約高いくらについていくらという手數料があつたのでありますが、今後は生活給というか、固定給、これがほとんど簡易保險の年度收入を全部食つてしまうという原因の大なるものをつくつたのではないかと思うのであります。その意味において大藏當局が將來保險業を監督する上においては、そういう方面にも考慮を向けてもらいたいことを希望いたします。同時に私は率直にその具體案について大藏當局の見解を伺いたい。金融再建整備法に則つて生命保險もやると言われますが、これはいささか金融再建整備法で全部取扱うには少し性格が違う。戰勝國イギリスにおいても、戰爭中から準備したリバブリツチの生活保障のごときでも見られる通り、特に敗戰國の日本においては、なるべくなら政府の國庫負擔にならないで、國家が保障しないで、ただ國民全體が三人より五人、五人より何千萬の國民が集まつて、お互い不時にできる不幸を防止し合う。一人二人でできないものを集團においてなされるという態度に國家が指導して、財政面の負擔を避けるという社會保險の確立が今後必要ではないか、そういう意味において現在民間生命保險は大藏省で監督しておる。また簡易保險は資金の方面は大藏省で監督しておる。業務は遞信省である。また將來生まれる失業保險その他の社會保險は、厚生省ないしは勞働省でこれを監督するというような、社會保障制度の多岐にわたる監督制度は非常に不自然ではないか。こういうものは何か一省に統合する。統合するとともに生命保險を根幹として、そこに先ほど言うたように、財政の負擔を多くかけない。そうして各人の社會保障制度が確立されるというふうに、生命保險の問題について考慮せられてはどうかというのが第二點。第三點においては、これらの簡易生命保險が今の状態でやつていけるかどうか。やつていけなければ、これは遞信省の經營というか、遞信省の經營というのはあたらないかもしれないが、何か國家の信用を貸すのみで、あの機能を分離して獨立經營させる。資金は資金運用委員會か國家、大藏省なら大藏省でこれをやる。それは監督はするとしても、企業の主體だけは今の状況から切り離して獨立經營をさせたらどうかというのが第三點。第四點においては、今銀行局長が述べられた民間生命保險業に對する整備の斷行と、新しい認可、許可を與うる内容の調査というものは、特別の機關をつくつてそこで査定されたらどうか。これが第五點。これをお伺いいたしたいと思います。
#9
○福田政府委員 民間生命保險を中心といたしまして、將來廣汎なる國民相互扶助の計畫を立てるべきではないかという御議論に對しましては、これは一應さような考え方が成立ち得ると思うのであります。他の諸政策との調子を合わせるという問題もありますが、さようなことも考えつつ、今後十分研究してみたい、かように考えております。
 それから簡易生命保險を獨立せしめてはどうかというお話でありますが、これはきわめて低額なものでありまして、ただいまのところは五千圓以下というふうなわけであります。從いまして經費が非常に嵩むのであります。これをただいまの段階におきまして獨立せしめるということは、とうてい企業として成立ち得ざる状況であろうかと考えているのであります。しかしながら客觀情勢の推移、また簡易保險の内容の修正等を併せ考えまして、將來これを獨立經營にいたすかどうかということは、十分研究の餘地ある問題であるというふうに考えているのであります。
 それから再建整備にあたりまして、保險會社の整理統合を民主的に行うという觀點から、何らかの機關を設けたらどうかというお話でありますが、その點につきましては、まつたく同感でありまして、さような見地から保險再建會議というものを設ける。これは保險會社の使用者側、また從業員側の代表者が各社から集まりまして、そうしてこの會議におきまして、各會社の個個具體的ではありませんが、かようなことに該當するものは今後とりやむべきものではないか、また今後活かすべきではないかという基準を、ここで決定する仕組をとつておるのであります。その基準は私どもといたしましても大體妥當と認めますので、その線によりまして今後存續すべきや、解散すべきやというような措置をとりたいと考えております。
#10
○西村(榮)委員 大臣が見えたようでありますから、生命保險に關する私の質問は中止いたします。それでただいま銀行局長の説明の中の再建會議の内容は別に承りたいと思います。それからこれは委員長に希望するのですが、委員會として資料の提出を銀行局長竝びに大藏大臣に交渉していただきたい。本年の一月二十日に發足いたしました復興金融金庫のその後の營業の實體を私は知りたいのであります。復興金融金庫の將來の日本産業に果すべき地位、役割はきわめて重要でありますが、遺憾ながら發足以來今日までの經過は、七七%が赤字融資で、あとは産業復興に對してどれだけの貢獻をしてきたか、はたして從來の經營のやり方でいいのか悪いのか、一應檢討の要があると思います。國會法に基いて委員長から議長に相談していただいて、一月二十日發足以來の復興金融金庫の營業の状態を詳細に報告してもらいたい。
#11
○福田政府委員 先般の委員會におきまして留保した質問に對する囘答をいただきたいと思います。先般塚田委員から生命、損害兩中央會の資本金はいくらであつて、整理についてはどういうふうになるかというお話でありますが、生命保險は資本金が一千五百萬圓でありまして、そのうち政府出資額は千四百五十萬圓であります。政府出資を含めた千四百五十萬圓の資本金全部が整理さるべき勘定に殘ります。これは協榮生命保險會社に移讓せられないのであります。他面千五百萬圓の政府出資その他の出資になる資産というものは整理勘定に留保いたしまして、缺損を生せしめないように政府出資金はそのまま囘收し得る。それから損害保險中央會にありましては、これは五千萬圓の出資金になつておりまして、全額政府の出資金であります。これまた生命保險中央會の場合と同樣に整理勘定に殘るのであります。しかしながらその見合いとなる資産を保有しておりますので、これまた政府の囘收は確實とみられております。
 それから中崎委員から農業會が農業協同組合法の結果解散になる。その場合におきまして農業會の金融業務に相當不安動搖があるかと思うが、それに對する對策いかんというようなお話でございます。なお協同組合法案につきましては、目下政府において檢討中であります。いずれ決定案になるかと見ておるのでありますが、その際におきましてはおつしやる通り農業會は解散になることであります。しかしながらその農業會の行つておりましたところの金融關係の業務に、非常に不安動搖があつてはいけませんから、それにつきましては萬全の策を講じていきたいというふうに考えております。特に新農業協同組合が設立せられます際には、なるべく金融關係の業務につきましては、それぞれ舊農業會から新しい農業會に債權債務を引繼ぐというふうにしたいと思つております。その他これはいろいろ地方農民に對する誤解等も起り得る問題でありますから、この點につきましては特に十分考えていきたいというふうに配意いたしたいと思います。
 それから内藤委員より生命保險中央會竝びに損害保險中央會の移讓すべき資産の評價基準は、いかなるものによるべきであるかというお尋ねでありましたが、この點につきましては、ただいまのところ金融機關再建整備法によりますところの評價基準、すなわち移讓の際までに評價基準が確定したものについては、確定評價基準により、それまでに確定評價基準の決定せざるものは、暫定評價基準によるというふうに御了解願います。
#12
○川島委員 大臣が見えせまんから、銀行局長にその間五、六分お尋ねをしたいと思います。これは保險法に直接關係のある問題ではありませんから、その點も御了承願つておきます。
 端的にお尋ねしますが、第一は日本銀行に今保管されている金に量、金額、それから終戰後大藏省が買上げた金の量、竝びに金額。それから事務當局は現在産金の政策の問題についてどういう所見をもつて進んでおられるか、これをひとつ簡單でよろしゆうございますからお伺いいたします。
#13
○福田政府委員 これは數字にわたる問題なので、書面または次會においてお答えいたします。
#14
○川島委員 最後のお尋ねに對しましては數字の問題ではないのであります。できたらお話し願いたいと思います。
#15
○福田政府委員 私、實はその方の主管でない關係上、的確なことはお答えしにくいのでありますが、なお打合わせまして次會に一緒にお答えいたします。
#16
○松田委員 あとあともあることですから申し上げます。國會法の改められたことはわかつておりますけれども、大體委員會には今日までの慣例というものがある。一旦大臣がこの委員會へはいつてきて大臣の席に著いた場合に、今大臣に質問しようと思つておる人があるのに、大臣が默つて部屋を出ていくということはない。委員長が大臣に對する質問者の意向をお聽きになつて、大臣が退席してよいかどうかを諮つていただいてからやらなければならぬ。ここへ來てここへおすわりになつたかと思うと、ここで質問しようと思つておるのに電氣委員會に行かれる。電氣委員會に行かれるということは私どもにはわかりません。委員會の議事の進行というものはそういうものではない。そういうふうにだらだらでもつてこれをやるということは、大藏省自身がこの提案をしておる案の審議を遅らせ、この委員會を輕んじておるというおそれがある。(拍手)
 これは今日までの慣例に違反いたしておる。一體この委員會を何と見るか。ここへ來て質問しようと思つておる。それを默つて出ていく。それらの點については、大藏大臣がここへお越しになりましたら、委員長の方から警告を發してもらいたい。これは後々のこともありますから議事進行上申し上げておきます。
#17
○早稻田委員長代理 ただいまの松田委員からのお説は至極ごもつともでありまして、大臣に嚴重に通告いたしまして善處いたします。
#18
○川島委員 今私が尋ねましたことは、いずれひとつ適當な係官から、できる範圍において説明を願いたいと思います。さらに大臣が見えませんから銀行局長にこの機會に一つお伺いいたします。それはこの間の經濟白書の中に、結論として、國家も赤字、企業も赤字、いわんや個人もほとんど全部赤字だとあります。こういう企業も個人も赤字だということを斷定しておる政府は、われわれも不思議に思うのですが、どこから資金を吸收するか。どこに餘裕があつて貯蓄を増強するか。こういう矛盾が生ずるのではないかと私は思うのであります。そういう點について一體當局はどういう考えをもつておられるか。この問題は大臣が來られてからお尋ねするわけですが、一應その前哨戰として銀行局長の御見解を聽いておきたい。
#19
○福田政府委員 白書に、國家も赤字、企業も赤字、また個人も赤字であるということが書いてあるのは私も承知しております。これは理詰めに申し上げますればどうかと思うのでありまするが、敗戰日本の樣相というものを端的に感じそして書いたというふうに私どもは受取つておるのであります。そういう觀點に立ちますれば、まさしくみな赤字であるというのが實情ではないかというふうに考えております。そこでそういうものに對して、貯蓄とかあるいは國家資金を吸收するというようなことが考えられるかという問題でありまするが、さような赤字を出すということで、どうして貯蓄ということができましようか。この蓄積というものは赤字が出たのではとてもできないのでありますから、赤字を清算して、ここに新たなる均衡のとれた生活をしていく。しかもその上にいくばくの蓄積をしていくというところに、國家の再建へ向う餘力があるのではないかというふうな考え方を導き出しまするところのスタートといたして、皆がこの赤字を清算しなければいかぬというふうな言いまわしをしておるのだと私は了解しております。
#20
○赤松(勇)委員 議事進行について――。先ほどから所管大臣の出席のないことにつきまして、相當各委員から不滿の點があるのであります。私は前囘の委員會におきまして和田國務大臣に對しまして質問通告をしておいたのでありまするが、本日は同僚議員でありまする川合彰武君が大藏大臣に質問があるということでありましたので、私の和田國務大臣に對する質問はこれを延期いたします。從いまして本日は川合委員から大藏大臣に質問通告をやつておりますので、それを先にしていただきたい。これを議事進行について一言申し上げておきますが、委員會の權威といたしまして、一旦入場されてそうしてまた退席され、その行方がわからないというようなことは、はなはだけしからぬことであります。私はぜひとも大藏大臣が出席するまでは、一時審議を中止する、こういうふうにしていただきたいと思うのであります。委員長において適當に計らつていただきたいと思います。
#21
○中曽根委員 和田安本長官の出席も求めてあつたはずですが。そつちの方はどうですか。
#22
○早稻田委員長代理 實は今和田安本長官の方から連絡がありまして、きようはのつぴきならぬ所用ができておるので、谷口物價局長が代つて出席しておられます。從つて本日は安本長官の出席はないものと豫想されます。
#23
○中曽根委員 この前の委員會のとき、長官と大臣に出席を求めるということで、今度の委員會は開かれたのであります。そういう條件が潰れたのでは、開いても意味がないと思います。大臣竝びに和田安本長官が出席しないならば、會議を延期したらよいと思います。
#24
○中崎委員 先ほどから大藏大臣の無斷退場の問題を中心にしまして、またわれわれが前囘要求しておつた安本長官の出席がないことは、非常に遺憾ではありますが、しかしきわめて重要な問題も山積しておるわけでありますから、それらの大臣でなくても、質問の目的をはたす事項も多々あると思いますので、それらの委員の質問を引續いてやられまして、ぜひとも要求せられた各大臣の必要の範圍においての問題は、あとへ繰りまわすというふうにして、議事進行をお願いしたいと思います。
#25
○早稻田委員長代理 それではこの場合私から各位の總意を大臣にお傳えしておきます。ただいま大臣は本委員會場へ姿を見せて、ただちに行方が不明になつたというので、實は囂々たる非難があるわけでございます。本委員會が開かれてから、大臣は出席せらるることわずかに一囘、その他局課長におきましても、わずかに小坂次官が熱心に出席されるくらいで、その他は寥々たる状況であります。本委員會で審議を要求されておる議案も相當あるにかかわらず、かくのごとく政府當局が熱意がないということは、實に心外であり、またこちらの質問に對してもお答えをいただくことのできないということは、いきおい審議が遅れる結果に相なります。從いまして本委員會は先ほど來各位より御意見があるわけですが、もし政府にしてかくのごとく熱意を缺くならば、熱意の生ずるまで審議を中止しようというような御意見もあるわけでありますので、この場合私は各委員の總意をお傳えして、政府の反省を促すと同時に、この際確固たる所信を承つておきたいと存じます。なお本日は大臣、安本長官、その他打ちそろつて御出席方を、委員長から要求してあつたはずであります。しかして出席の了承を願つておるにかかわらず、一向姿が見えぬということも、實に遺憾に思つております。いずれいろいろな御都合があらせられたと存じますが、この際大臣からひとつその經緯について釋明を要求いたします。
#26
○栗栖國務大臣 一言お詑びをいたしておきます。實はまず本日のことを申し上げますと、きよう二箇所から御要求がありまして、電力委員會がさきで、こちらの御要求と、兩方あつたのであります。電力委員會の方にも出ることを承諾いたしておきました。こちらもございましたので、承諾いたしたような次第であります。ところが今朝まで司令部關係で、重要な資料を豫算の關係で早く出せということで、實はいろいろ折衝いたしまして、そうして私電氣の方の委員會へまいりまして、簡單に濟ませて、こちらでゆつくりいろいろ御答辯をいたしたい。こういうように考えたものでありますから、誤つてこちらに案内をされまして、こういうこともきわめて不案内でございましたので、私ちよつとお辭儀だけして、實は退場したような次第で、まつたく知らなかつたのでございますので、お許しを願いたいと思うのであります。率直にお詑びをいたします。なおかういう委員會に出方がみな少いというお叱りをこうむりました。これはまつたく申し譯ない次第でありますが、實は今豫算とか、あるいは法律案を十日までにつくることにも追われておりますし、それに司令部關係の方にもいろいろ呼び出されておりますので、まことに心ならずも出席が少うなつて、申譯ない次第でございます。しかし大體こういうものが十日前後までに一巡いたしますれば、その案の進行とともに、私はできるだけここに出まして、いろいろ膝を突き交えて、ありのままを申し上げ、またいろいろな御意見も承つて、この經濟危機の突破のお役を果さしていただきたい。こういうように私考えておる次第でございます。簡單でございますが、お詑びかたがた釋明をいたしたような次第でございます。
#27
○早稻田委員長代理 ただいま大臣からお詑がありましたので、その點は御了承いただきます。
 お諮りいたします。いろいろ御意見もあられるようでありますが、午後一時から理事會を開いて今後の委員會運營に對して、すべての御相談をするということにお任せをいただきまして、本日はこれで散會をしたいと存じます。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○早稻田委員長代理 それでは散會いたします。
    午後零時二分散會
ソース: 国立国会図書館
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