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1962/02/05 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第4号
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1962/02/05 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第4号

#1
第043回国会 商工委員会 第4号
昭和三十八年二月五日(火曜日)
   午後一時十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長
           赤間 文三君
   理事
           近藤 信一君
   委員
           剱木 亨弘君
           小林 英三君
           古池 信三君
           豊田 雅孝君
           久保  等君
           椿  繁夫君
           松澤 兼人君
           二宮 文造君
  政府委員
   公正取引委員会
   委員長     佐藤  基君
   通商産業政務次
   官       上林 忠次君
   通商産業大臣官
   房長      渡邊彌榮司君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   中小企業庁振興
   部長      加藤 悌次君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調
 査(昭和三十八年度通商産業省の施
 策に関する件)
 (公正取引委員会の業務概況に関す
 る件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、先日の委員会の散会後の委員長及び理事打合会の協議事項について御報告を申し上げます。
 本日は、先回の各大臣の施策の説明及び公正取引委員会の業務概況の説明に対する質疑を行なうことになりましたので、御了承を願います。
 それでは、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題にしまして、昭和三十八年度通商産業省の施策に関する件及び公正取引委員会の業務概況に関する件の調査を進めますが、政府側から出席されておる方は、上林政務次官、佐藤公正取引委員会委員長、加藤中小企業庁振興部長でございます。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○豊田雅孝君 下請代金の支払い遅延問題についてお尋ねをいたしたいと思います。私のほうの時間の都合などがありますので、最初一括してお尋ねをいたしまして、そのお答えによりまして、時間のありまする範囲内において、またお尋ねをするということにいたしたいと思います。
 まず第一に伺いたいと思いますのは、過日、公取の委員長から、公正取引委員会の業務概略の御説明を承っておりますが、その中に、支払遅延防止法の改正の内容について、親事業者及び下請業者に対して、周知徹底に努めたという御報告があったわけでございますが、私どもから見ると、どうも徹底しておらぬというふうに思われるのであります、それは、端的に具体的事実を申し上げますと、法律では、下請代金の支払い期日は、下請業者の給付を受けた日から六十日以内に定めねばならないというふうに定めておりますが、しかし実際は、百二十日などというのはまあいいほうだというくらいに現在なってきております。いわゆる検収期間まで入れますと百八十日以上ぐらいになるのが普通だというような状態であります、こういう点から見ると、支払遅延防止法の改正の趣旨がほんとうに徹底したらかようなことはとうていあり得ないと思うのでありますが、その点から、どういう方法で、いかなる徹底方法をとっておられるか、この点を伺いたいと思うのがまず第一点であります。
 それから第二点は、同じく公取委員長の報告の中にあったのでありますが、九つの会社の親事業者に対して、支払いの改善を勧告したということを言われておるのでありますが、どういう具体的の案件に対して勧告をせられたのか。勧告をせられるというのは、よくよくでありますから相当のものだろうと思いますが、その具体的事実を伺いたいということと同時に、勧告を発せられたその勧告の結果がどういうことになっておるのか、これを伺いたいと思うのであります。
 次に伺いたいと思いまする第三点は、要するに、下請業者のほうでは、あとのたたりをおそれて問題を表面化しない、それが大きな原因の一つだと思うのでありますが、しかし、法律によりますと、公正取引委員会は、立ち入り検査までできるということになっておりますが、どの程度積極的に検査というかあるいは調査というか、これをやっておられるのか。調査あるいは検査をやっておられるという報告がいつもあるのでありますけれども、事実は、それほど徹底した検査、調査が行なわれておらぬのじゃないだろうか、これを考えますので、この点について伺いたいと思うのであります。
 それとまた同時に、法律の九条によりますと、中小企業庁でも検査ができるというふうになっておるのでありますが、中小企業庁が検査をしたような事実があるのかどうか。特に必要があるときには検査するというふうになっておりますけれども、もう今日のような支払い遅延の現状から見まするというと、特に必要があるところばかりだと思うのでありまして、そういう点では、中小企業庁が検査に踏み出しておるかどうか、もうそういうことをやるべき段階にあるのじゃないか、この点を伺いたいと思うのであります。
 それから第四点に伺いたいと思いますのは、支払い遅延を防止するのには、業界の自発的な動きということを期待することは、今申しまするとおり、これは言うべくして行なわれがたいというような点から考えまして、公正取引委員会のほうでも、団体を指定して、その団体に、業界になりかわって支払い遅延の防止措置をとらせておられるように承るのでありますが、この指定団体の活動の実績、これがどういうふうになっているかということを伺いたいと思うのであります。
 それに関連しまして、さらに特定の個人を、方面委員的なものに委嘱しまして、そうしてそれに当該下請業者にかわって支払い遅延の是正に当たらせるということが、あるいは一つの方法じゃないかと思うのでありますけれども、これについていかなるお考えを持っておられるかという点、これをあわせて第四に伺いたいところであります。
 それから第五に伺いたいと思いますのは、法律の第四条の二によりますと、支払い期日を遅延した場合には、遅延利息を取ることができるということになっておるのであります。しかし、初めから支払い期日が不当に長いというものについては、遅延利息は取れぬというこにとなっておるようでありますが、これはどうもおかしいと思うのでありまして、支払い期日がおくれたものは支払い利息が取れる、しかし、初めから手形のサイトが四月とか五月、六月とかというようなべらぼうに長い、それについては、たとえば九十日以上の支払い期日になるようなものについては、その九十日をこえるものについて、最初から振出人が遅延利息を支払うべきものだというところまでいかなければ、徹底しないのじゃないか、この点について、公正取引委員会では、どういう御見解を持っておられるか、これが第五点であります。
 それから最後の第六点として伺いたいと思いますのは、中小企業は、今度の基本法によりまして、資本金五千万円以下ということになるわけでありまして、従来一千万円以下であったのを五千万円まで格上げをしていこうというのでありますが、そうなりますると、自然下請業者の資本金も格上げをしていかなければいかぬのではなかろうかと思うわけであります。それと同時に、また一面におきまして、支払遅延防止の対象を、直接の下請だけじゃなくて、今度は下請のもう一つ下請、あるいはさらにもう一つ下の下請というような、いわゆる再下請、再々下請というようなものまで、支払遅延防止法の適用範囲に取り入れるような行き方をしていかなければならぬ、この点についてお伺いをしたいと思うのであります。
 さらにもう一歩進めまして、委託の製造あるいは委託の修理だけでなく、物品を大企業あるいは大商社などに納入している、そういう場合に、支払遅延が非常に多くなってきているのでありますが、今日支払遅延防止法はそこまで及ばないようでありますが、そうなりますと下請と、それから不離の状態にある物品納入の場合、これと不平等、アンバランスが出てくるわけであります。こういう面からは、いわゆる下請のみならず物品納入についても、支払遅延の阻止をはかっていくべきじゃないか、これについて、公正取引委員会の御意見を承りたいと思うのであります。
 以上あれこれ六つに分けましてお尋ねをいたしてみたのでありますが、ひとつ御見解を承りたいと思うのであります。
#4
○政府委員(佐藤基君) 下請の法律が改正になりまして、私どもといたしましては、法律の改正された点のみならず、下請全般に関しまして、周知徹底をはかり、これによって下請事業者の保護をさらに進めたいという強い考えを持っております。そこで、その方法といたしましては、予算の範囲内におきまして、各所で説明会を催すということもやっております。説明会の催しにつきましては、だんだん下請事業者の多いようなところを選びましてやっておるのでありますが、それを熱心に聞く人が非常にふえておるという意味におきまして、相当この法律の周知徹底ができておるのじゃないかと思います。そのほか、解説書を出すとか、あるいは新聞に発表する、ラジオを利用するということも行なっております。また、地方公共団体、それから各所の商工会議所等に御協力をお願いいたしまして、この法律の施行を円滑にするように努力を続けております。
 それから改善措置の問題でありますが、改善措置につきましては、法にいう改善を、先般御報告申し上げましたとおり、昨年は九件行なっております。この九件につきましては、いわゆる滞留月数と申しますか、支払期間が不当に長い、二月とか三月というような非常に長いものであるとか、あるいはまた、手形サイトが百五十日とか百八十日というような不当に長いものにつきまして、それを是正するような措置をとっております。改善命令を出しまして、その後においてどういうふうに改善命令を実行するかというようなことを常に監視いたしております。従来の実績によりますと、三月ないし半年たちますと、多くの場合は、相当改善の実績が上がっておるのであります。
 次に、検査の問題でありますが、検査につきましては、検査対象を、前年度千五百件ぐらいでありましたのを、千八百件の親事業者についてする、あるいはまた、回数も従来年二回だったものを、本年度におきましては三回にするというような方法を講じ、検査する場合には、買掛金の元帳であるとか、あるいは検収伝票というような関係帳簿書類を検査して行なっております。その結果、法の精神に反するものにつきましては、さらに精密な検査をするということもあるのであります。
 それから第四点の、この法律を円滑に施行するために事業者団体の御協力を願うという点は、この委員会でもお話のあった点でありまして、その趣旨に沿いまして、この下請業者の集まりに対しまして、下請業者は、先ほどお話のありますとおり、親事業者との関係があって、なかなか親事業者の不当な取り扱いを通告するということができにくい。そこで、そういうものの団体でやるのならば、人情としてもやりやすいという関係もありますので、こういう団体の御協力を願っておるのであります。その団体は、現在においては十五団体と思いますが、それにお願いしております。もちろん、われわれのほうといたしましては、下請事業者の団体であって、親事業者の不当行為について、十分公取に連絡していただけるような意思がおありになり、また、適当であるという団体があるならば、さらにこれをふやすということは考えておる次第であります。
 それからなお、これと同じような問題が、いわゆる方面委員的の個人にお願いするという問題でありますが、これもきわめて必要であると思って、来年度予算にその関係経費の要求をしたのでありますが、残念ながら、その予算が認められませんので、さらにこういうふうな努力を続けて、何とか方面委員的なものを予算的にもやれるというようなことをしたいと思っております。
 それから第五の遅延利息の問題でありますが、遅延利息は、六十日以内に払えない場合には、遅延利息をつけることになっておりますが、この遅延利息を払うとか、払わないとかということは、厳格にいえば、親事業者と下請業者の間の問題でありますが、しかし、下請業者の保護という見地からは、なるべく励行したいと思いますので、われわれのほうといたしましては、この遅延利息を不当に払わぬような場合につきましては、行政指導と申しますか、それを払うような勧告を行なっておるわけであります。その遅延利息をつけるにつきましても、手形の振り出しの際に考えるということもいえるのでありますが、手形を振り出す場合に問題になるのは、結局下請代金がどのくらいであるか、それにプラスして遅延利息の問題が入ると思うのでありますが、場合によりましては、あらかじめ遅延利息の率を考えて手形を振り出すという場合もあるように聞いておりますが、いずれにいたしましても、法の精神に従って不当に遅延利息を払わないような問題につきましては、私どもとしては、なるべくこれを払わせるような指導をいたしております。
 それから第六の中小企業基本法によりまして、中小企業の資本金というものを五千万円ときめることを通産省において計画されておるようでありまして、この点につきましては、われわれのほうとしても連絡を受けております。そこで、下請代金支払遅延等防止法は、「中小企業」とは書いてありませんけれども、精神はやはり中小企業の保護という趣旨であるからして、中小企業基本法におきまして、資本金が五千万円に引き上げられるならば一応その線に浴うて考えていくべきものだと思っております。ただ、従来一千万円が限度でありますからして、一千万円ないし五千万円の事業は、中小企業基本法におきましては中小企業になりますけれども、下請の実態におきましては、一千万円以下の会社が一千万以上五千万未満の会社から下請をすることは、こういう場合、単純に五千万に限度を引き上げるだけだというと、その範囲内の相互関係というものは、いわゆる下請関係になるかならぬかという問題が起こるので、われわれのほうといたしましては、かりに下請専業者の範囲を五千万まで引き上げても、五千万と従来の一千万との間のものは、親事業者にもなれるということを考えるべきじゃないかというような点で目下研究いたしております。
 なお、下請関係というものが、委託製造等に現行法では限定されておる、物品納入についても同様な問題があるから、これをどうするかというお話でありましたが、ごもっともなお話でありまして、この点についても、目下研究しておる次第であります。
#5
○政府委員(上林忠次君) 先ほどお話がありました、第八条によって、中小企業庁も業者の支払い状況を検査し得るのだということにつきましては、事務当局のほうから返答させます。
#6
○説明員(加藤悌次君) 中小企業庁長官の権限に基づきます下請企業者の臨険検査の実績につきまして御報告申し上げます。
 昭和三十六年度におきましては、下請の企業の数にいたしまして、二百三十七社ばかりの実績がございます。さらに本年度におきましては、すでに現在までに九十八社の下請企業の検査を、これは各通産局の担当官に権限を委任いたしましてやっておるわけであります。
 それから来年度は、さらにこれを拡充してやって参りたいということで、下請工場数といたしましては、大体五百くらいの工場を行ないたいということで、それに必要な予算等は中小企業庁予算の中にお願いいたしております。
#7
○豊田雅孝君 重ねてお尋ねしたいのでありますが、さっき公取の委員長から、説明会を開催するとか、あるいはいろいろなパンフレットを配布したりすると言われたのでありますが、従来これの予算はどれくらいになっておるのか、同様に検査につきましても、それの予算というものがどの程度あるのか、中小企業庁についてもどの程度の予算を持っておられるのか。この点と、さらに、ただいま公取並びに中小企業庁のほうから、それぞれ検査をやったというお話でありますが、特に検査をやらねばならぬというようになっておる案件は、どういう方法でキャッチしておられるのか、どういう事態のものであると初めて検査しておるのか、その点を承りたいと思います。
#8
○政府委員(佐藤基君) 下請関係の予算につきましては、旅費と庁費というふうに分けておりますが、旅費は、読んで字のとおりでありますが、やはり現地に行って調べないというと十分な調査ができない、書面だけでは足りないというので、旅費の増額を要求いたしましたのでありますが、三十七年度においては約百六十万円であったのを、三十八年度は約二百万円、二割五分ばかり増額しております。これによりまして検査の徹底を期したいと思います。
 それからもう一つは庁費の問題でありますが、これはわずかで、三十七年度は十八万円ばかり、三十八年度は三十三万円、率にすれば、だいぶふえておりますけれども、これだけでは必ずしも十分とは思えないと思っております。そういうこれらの経費、大体において三割くらい増しておると言っていいと思いますが、この増された予算によりまして、従来よりも増した活発な活動ができると、こういうふうに考えております。
#9
○小林英三君 ちょっと今のに関連して、今の佐藤公取委員長のおっしゃった、幾らか経費が増したというお話ですが、それは親企業のほうを検査なさろうとするのですか、それとも、中小企業庁の加藤部長のほうからお話がありましたが、下請業者を調べようというのですか、親企業のほうを調べようというのですか、どちらなんですか。
#10
○政府委員(佐藤基君) それは親企業のほうを主として調べております。
#11
○小林英三君 その親企業のほうをお調べになる、そうすると、全国にたくさんある親企業をお調べになるのに、どういう方法で、どういう手がかりによって親企業をお調べになりますか。
#12
○政府委員(佐藤基君) これは下請関係を主として――主としてと申しますか、多く利用されておるような企業、たとえば機械工業であるとか、そういうふうな業種につきまして、先ほど申しましたとおり、三十六年度におきましては千五百社を調べ、また三十七年度におきましては、まだこれから調べますけれども、千八百社ぐらいを調べる。予算とにらみ合わせて、 しかして、下請関係の比較的多いそういうものを選びまして調べております。
#13
○小林英三君 私も実は、御承知だろうと思いますが、中小企業の全国団体の一つの会長をしているわけなのですが、親企業というものを、たとえば公正取引委員会あるいは中小企業庁でもお調べになる場合、ほんとうのことがわかるでしょうか。これは私は疑わざるを得ないのですがね。検査なさってほんとうのことがわかるのですか。どうも旅費を使って目星をつけておいでになっても、なかなかそういう問題を帳簿によってお調べになって、これはどうもずいぶん下請代金の支払いが遅延しているとか、あるいは六十日たったあとで金利を払っていないとかというようなことが、そうした方にはたしてキャッチできるのでしょうか。それを私は疑いたいのですがね、それはどうです。
#14
○政府委員(佐藤基君) なかなかむずかしい問題でありまして、私どもといたしましても、どうやれば一番いいかということは、常に考えておりますけれども、結局向こうへ行って帳簿等を調べる以外にはあまりいい方法はないのではないか。しかしながら、実態的にいろいろ疑問もあるので、去年からお話がありました協力団体に御協力願って、それらの資料をも参考にしてやると、こういうことによりまして、なるべく実態をつかみたい、こういうふうに思っております。
#15
○説明員(加藤悌次君) PRの予算並びに下請関係の予算について御説明申し上げます。
 中小企業庁といたしましては、特に下請関係だけについてのPRといったような予算の計上はいたしておりませんでして、一番予算的に大きいのは、すでに御承知のとおり、毎週一回全国のラジオ放送を通じましていろいろ施策のPRをいたしておるのでございますが、はっきりと覚えておりませんが、下請代金支払遅延防止法を改正したときにも、たしかそのPR放送をしたように記憶いたしております。この予算が、本年度予算二千万円でございますが、来年はさらに増強いたして三千万円ということにいたしております。
 それから、その他の施策の浸透の方法といたしましては、先ほど公正取引委員長がおっしゃいましたように、中小企業関係の団体、たとえば全国中央会、あるいは商工会議所商業部会、ああいったところにそれぞれの指導員がおられまして、国からの補助金が出ておるわけでございますが、そういった指導員の方が国の施策を徹底するということが、 その活動の一つの重点になっております。
 それから、これは庁費を使ってやっておりますが、毎月中小企業庁自身で編集いたします月刊の雑誌がございまして、こういったものも使ってやっておる、こういうふうな状況でございます。
 それから、下請の予算でございますが、先ほど申し上げました臨検検査のための予算、これはほとんどが旅費になるわけでございますが、金額的にはわずかでございますが、本年度三十万円ばかり、来年度四十一万円ということで、先ほど申し上げました数の下請工場の調査をいたしております。こういうことに相なっておるわけでございます。
 それから、下請の工場を調査する場合に、どういう基準に基づいてそれを選定するかということでございますが、私どもといたしまして、法律の規定に基づきます臨検検査のほかに、現在四半期ごとに二千企業に下請についてのアンケートをやっておるわけでございますが、ことし予算は四十五万円ばかりついていますが、来年はこれをさらに追加いたしまして、現在二千企業というのを五千企業、それから四半期ごとにやっておりますのを、毎月行ないたいというふうに考えておりますが、そのために来年度の予算は二百五十万円お願いをいたしているような次第でございます。このアンケート調査、これも大体業種別にまんべんなく、下請の多い業種について二千なり、あるいは来年五千の下請企業を選定するわけでありますが、そのアンケート調査の結果に基づいて、比較的平均的に見て条件の悪そうな親企業、こういったものを目星をつけるわけでございますが、そういった資料を各通産局に流しまして、その親企業につながる下請を調査するというふうな方向で指導をいたしているわけであります。先ほど御質問のございました、いろいろ真相をつかめないのじゃないかというお話でございますが、公正取引委員会のほうでは、主として親企業の臨検検査をやっておられるわけでございますが、私どものほうは下請企業のもっぱらアンケート調査をやっているわけでございますが、お互いに連繋を現地でいたしているわけでございますが、この親企業はおかしいということになると、その連絡に基づいて公正取引委員会のほうで臨検検査をやっている、こういうふうな方法を、これは一例でございますが、やるようにいたしております。
#16
○豊田雅孝君 今予算の点を特に伺った意味は、予算が足らないというようなことで十分な調査、検査が行なえないというようなことになることをおそれるものでありますから、特にその点を伺ったのですが、いやしくも法律で相当の規定を設け、さらにまた、その後も改正強化しているにもかかわらず、下請代金の支払い遅延という問題がますます悪化こそすれ、よくなってきておらぬということについて、私は、政府当局が非常な責任を持たるべきだと思うのでして、そういう点で予算を十分に活用し、そうしてまた足らなければ、それこそ要求し、そうしてまた、今、小林委員から特に御指摘があったのですが、なかなかわからぬじゃないかという点も懸念せられる点であります。それだけに十分にその実があがるようにせられて、ざる法だなんて言われ、それがために法の威信を傷つけ、国民思想の悪化にまで影響を与えるようなことのないように、この際ひとつ徹底的に改善をしてもらいたいということを強く要望をいたしておきます。また次の機会にその改善の実があがったかどうかについてお尋ねもし、報告も伺いたいと思っております。
 最後に、時間がないものでありますから確かめておきたいと思いますのは、一つは、さっき公取の委員長から、委託製造や委託修理だけでなくて、物品納入についても支払い遅延を阻止すべきだと思う、研究しているということでありましたが、これは実現するという意図のもとに御研究になっているのだろうと思いますけれども、その点もひとつ伺っておきたいと思います。それが一点。
 それからもう一点は、支払い遅延の遅延利息の問題でありますが、これはあまりサイトの長いものについては、たとえば三月以上の割引利息というようなものは、振出人がこれを持っていくべきだ、こういうようなことについて法律改正をするとか、あるいは下請代金支払遅延防止法ができないならば、手形法の改正をやるとかというようなところまでおやりになって、根本的にメスを入れるということがあってしかるべきだと思うのでありますが、この点についての御意見第二に伺いたいと思います。
 それからもう一点は、さっきお話のありました方面委員的なものを設けて、そうして大いに下請代金支払い遅延を阻止しようという構想であったけれども、予算が通らなかったというお話でありますが、今後ぜひともその予算を、しかも強力に執行できるような予算をおとりになるように念願するのでありますが、これについての御意見、この三点を伺っておきたい。
#17
○政府委員(佐藤基君) 第一点の、製造委託等に限らず、物品納入等にも同様な趣旨の立法をすべきでないかというお話、これは私も同様に考えて研究しておりますが、なかなかむずかしい点もあるようで、本国会に結論的には法を出すというところまではなかなかむずかしいと思っております。しかし、御趣旨はよくわかりますし、私も同様に考えておりますので、研究をして実現を期したいと思います。
 それから遅延利息の問題、これを考えて手形を振り出すという問題は、われわれは下請代金の関係における手形について考えるのですけれども、広く考えるというと、手形は全般に関する問題でありまして、手形法とか小切手法にも関連するので、そういうふうな法的手段を講ずるということになると、われわれだけの問題じゃない、むしろ法務省の問題になるので、この点は御趣旨に沿いまして十分研究したいと思います。
 それから第三の方面委員的なものでありますが、これは私どもといたしましても、非常に必要なことであって、これによって支払遅延防止法の趣旨を徹底し、施行を円滑にするというのに、非常に有力な方法だと思っておったのです。それで、予算を要求したのでありますけれども、残念ながら認められなかったけれども、決してわれわれとしてはあきらめたのじゃなくて、さらにこういうような方面委員制度の実現に努力したいと思います。
#18
○近藤信一君 私は一点お尋ねいたしますが、公正取引委員会の業務は元来公正取引を確保するための措置を中心とすべきだが、実際の業務を拝見いたしますると、中小の業者の共同行為を取り締まることに熱心であるように思われる。先般業務概況を御報告になりましたが、共同行為の取り締まり状況を見ても、中小の組合のものが多いようでありまして、中小のものが強くなるにはどうしてもこれは団結の力によらなければならないのだから、その実情を見まして中小の共同行為を見るべきだと思います。先日も、名古屋でデパートが電気器具を安売りいたしました。そこで、中小の小売業者の生活権を脅やかすような事件でございましたので、その際に小売商は団結して安売り商品を全部買い取ってデパートの反省を求めるというふうな行為に出たのであります。これは小売商の自衛手段でございます。ところが、公取では小売商の行動を独禁法に違反すると見ているようでございますが、小売商の行なったことはやはり生活権の防衛でございまして、これを不当とするのは独禁法の逆用として不適当ではなかろうか、こういうふうに思いますが、あるいは法そのものが不備であるかどうか、この点ひとつ御説明を願いたいと思います。
#19
○政府委員(佐藤基君) 私どもといたしましても、独禁法の逆用にあたりましては、消費者の利益の保護ということを考えており、その消費者を広く解釈すれば中小企業ということも十分考えなければならぬわけですが、名古屋の事件につきましては、そういう事件があったということを報告してきたので、法に違反するかどうかという点を必要があったら調べろという程度でございまして、まだ結論を何も聞いておりませんが、いやしくも法があって、たとえば共同行為を禁止しておるという場合には、明らかに法に違反するということになれば、大企業であろうが、中小企業であろうが、われわれの立場としては、そう中小企業であるからまけてやるということはちょっとできません。しかしながら、中小企業におきましていろいろな事情もありましょうからして、そういう点は十分考慮して法の運用に当たりたいと思います。
#20
○近藤信一君 百貨店法ができましたのも、やはりそれは周囲の小売商を保証するために百貨店を規制する、こういう建前であの百貨店法があると思うのであります。ところが、デパートでそういうふうな安売りをじゃんじゃんやられると、必然的に小売商がデパートとの対抗ができなくなってくることは、佐藤公取委員長自身もはっきりとこれは御承知のことだと思うのであります。そこで、どうしてもデパートと対抗するためには小売商が団結しなければ自分たちの生活は守っていけない、こういうことになって今度のようなことになったと私は思うのでありまして、やはりこれは、法律そのものからいえば、今公取委員長が御説明になったような結果になろうかと思いますけれども、しかし、実際今、暮から正月にかけてのデパートの売り上げと、それから小売商の売り上げ、これを比較いたしますと、これはもう大きな差があって、どうしてもこれはデパートに押されてしまって、そうしてデパートの付近にある小売商は商売が成り立たぬ、こういうようなところまで現在きているのじゃないかと私は思うのであります。そのためには、建前からいえば、そういう共同行為によって買い取ったり何かすることは独禁法に抵触するかもしれませんけれども、やはり小売商を保護するという建前からいくと、私は、法そのものが不備じゃないか、こういうふうに思うのですが、この点どうです。
#21
○政府委員(佐藤基君) なかなかむずかしい問題でありますが、やはり中小企業というものは日本の経済におきましては非常な重要な部分を占めている。しかも、それらのものが、大企業との関係において、不当という言葉は必ずしも適当でないかもしれませんが、相当いじめられている、この事実は私も認めるのです。だからして、私どもの立場からいえば、そういうふうな中小企業につきましては、たとえば商工組合を作るとか、適当な方法でなるべくやってもらいたい。それによっていわゆるカルテルをやって自分の利益を擁護してもらいたい、こういうふうに思っております。
#22
○近藤信一君 私はどうもこの点は、小売商の問題を考えると、独禁法自体をやはり改正するならば改正せなければならぬことじゃないかとも思うのですが、この点公取委員長はどういうふうにお考えですか。
#23
○政府委員(佐藤基君) 中小企業の、何というか、保護育成と申しますか、そういうものにつきましては、今度中小企業法――基本法でありますが、それができまして、いろいろな方面――たとえば金融の方面とか、企業の合理化とか、いろいろな方面で中小企業の育成に努めるのでありますので、そういう制度と相待って考えたいと思っております。今すぐ独禁法を御趣旨に沿って緩和するかどうかということは、独禁法としては非常に重要な問題でありますので、さらに研究さしていただきたいと思います。
#24
○近藤信一君 今佐藤さんが言われましたように、これは今国会で、中小企業基本法というものが政府から提案されまして、この中でいろいろな関連法案というものが出て参りますが、いろいろとその面で考えられるでございましょうけれども、前国会ですか、小売商振興法が――前々国会でしたかね、やはり成立いたしましたように、小売商は小売商としての立場もあるから、そういう点も十分将来考えて独禁法の運用に当たってもらわなければならぬじゃないか、かように思うわけであります。あまりございませんから、私この点だけでいいです。
#25
○委員長(赤間文三君) ほかに御発言ございませんか。――御発言もなければ、本日はこの程度にとどめまして、散会をいたします。
   午後二時散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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