くにさくロゴ
1962/02/14 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第7号
姉妹サイト
 
1962/02/14 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第7号

#1
第043回国会 商工委員会 第7号
昭和三十八年二月十四日(木曜日)
  午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     赤間 文三君
   理事
           岸田 幸雄君
           近藤 信一君
           向井 長年君
   委員
           上原 正吉君
           川上 為治君
           古池 信三君
           豊田 雅孝君
           阿部 竹松君
           久保  等君
           椿  繁夫君
           松澤 兼人君
           二宮 文造君
           奥 むめお君
       発議者 向井 長年君
  政府委員
   北海道開発庁総
   務監理官    小島要太郎君
   通商産業政務次
   官       上林 忠次君
   通商産業省企業
   局長      佐橋  滋君
   通商産業省重工
   業局長     島田 喜仁君
   通商産業省鉱山
   局長      川出 千速君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   通商産業省通商
   局輸出振興課長 中川理一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業者の産業分野の確保に関す
 る法律案(向井長年君発議)
○百貨店法の一部を改正する法律案
 (向井長年君発議)
○商店街振興組合法の一部を改正する
 法律案(向井長年君発議)
○産業貿易及び経済計画等に関する調
 査
 (地盤沈下に関する件)
 (プラント類輸出に関する件)
 (金属鉱業に関する件)
 (北海道地下資源開発株式会社に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(赤間文三君) それではただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事の打ち合わせの協議事項について御報告いたします。
 本日は、中小企業者の産業分野の確保に関する法律案及び外二案の提案理由の説明を聴取しました後、地盤沈下問題に関する件及びプラント類輸出に関する件の質疑を行なうこととなりましたから、御了承をお願いいたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(赤間文三君) それではこれから議事に入ります。
 二月十一日に本委員会に付託をせられました中小企業者の産業分野の確保に関する法律案、百貨店法の一部を改正する法律案及び商店街振興組合法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、発議者から順次提案理由の説明を聴取いたします。向井長年君。
#4
○向井長年君 ただいま議題となりました中小企業者の産業分野の確保に関する法律案外二件に対しまして提案理由の説明をさしていただきます。
 まず、中小企業者の産業分野の確保に関する法律案の提案理由を説明さしていただきます。
 昨今、大企業の中小企業産業分野への進出は署しいものがあります。現に、大紡績会社が縫裁部門に進出して、学生服、労働服、ワイシャツなど、二次加工、三次加工の生産部門まで進出し、製紙工場がノートブックや便せんを製造する等、かつまたスーパー・マーケットの形態をとった大企業の小売商業部門への進出など、大企業は利潤を追求して、大資本の持つ高度の合理的生産並びに資本圧力をもって、中小企業を圧迫しているのであります。
 もちろん、憲法は職業選択の自由を認めていますが、この自由は公共の福祉に反しない限りという前提条件がおかれております。しかるに最近の大企業の進出は、中小企業の過当競争をさらに深刻化しております。このような大企業の動向こそは、まさに公共の福祉に反するものであります。
 したがって、憲法並びに独占禁止法が保障する経済活動自由の原則は、公益のために必要なる調整を行なわなければならないのが当然であります。ここに大企業と中小企業の産業分野の分業態勢を作り、これによって中小企業の産業分野を確保し、経済活動の保障を行なわんとするものであります。
 この構想に基づきまして、第一に、製造業、建設業、サービス業に属する業種のうち、その業種の事業者の五分の四以上が中小企業者であって、かつその業種の過去一年の生産実績の三分の二以上が中小企業者で占められており、かつまた、経済的にも中小企業経営が適切と認められるものを、国が指定して、これを中小企業の専有する業種とするものであります。
 第二に、このような業種指定があった後は、大企業者は、みずからまたは資本的または人間的関係で支配する形で、新たにその業種に進出したり増設する等の経営拡張はできないことにするものであります。また指定された業種における大企業活動が、その業種の中小企業活動に重大な影響を与えている場合には、国はその大企業者に対して圧迫を緩和するような措置をとれるようにするものであります。
 第三に、このような業種の指定や、大企業に対する措置をとるについては、中小企業産業分野確保審議会を通商産業省に設置して、大臣はこれの意見を尊重して対処することにするものであります。
 以上、この法律案の趣旨は中小企業を保護、育成する最小限の措置でありまして、何とぞ慎重審議の上御賛成あらんことを希望いたします。
 次に、百貨店法の一部を改正する法律案の提案理由を説明させていただきます。
 昭和三十一年五月に、百貨店法が制定された趣旨は、本法第一条に明らかなとおり、百貨店業の事業活動を調整することにより、中小企業の事業活動の機会を確保し、商業の正常な発達をはかり、もって国民経済の健全な進展に資することにあります。
 ところが、現行法がざる法といわれているとおり、法実施の当初より、あるいは公然と、あるいはやみで、本法はじゅうりんされております。本法の目的とする趣旨を確保せんがためには、絶対に本法の改正が必要なのであります。
 改正せんとする点は、第一に、百貨店業の定義そのものを拡大しなければならない点であります。すなわち物品販売業もしくは物品加工修理業のほか、飲食店及び喫茶店営業を含め、かつ規定の営業面積をこえる面積を他の物品販売業等に貸し付ける業をも百貨店という概念規定に入れない限り、中小商業活動を確保できなくなっているのが現状なのであります。
 第二に、百貨店業が私鉄等の構内や駅建物を利用して経営を行なう現象が著しくなっておりますので、今後はこれを許可しない方針が必要であります。
 第三に、最近は、百貨店業資本につながるスーパー・マーケットが署しく増加し、地域的に見て中小商業との間に紛争を起こしている例が少なくありません。そこで、百貨店業者もしくはこれと資本的、人間的につながりのあるいわゆる同一系統資本がスーパー・マーケットその他の形で進出することを規制することが必要なのであります。このような認定については公正取引委員会が独禁法に基づいて指定すべきであります。
 第四に、現行法は第九条において、通商産業大臣が、百貨店業の営業行為について勧告できることになっておりますが、これは特定の営業方法を明記して、その内容について一々許可制とし、百貨店業と仕入先との関係についても、事項を明証して、その内容を許可制とし、百貨店業の行き過ぎを抑制する必要があります。
 第五に、国、地方公共団体、日本専売公社、日本国有鉄道等の国及び公共団体が、百貨店業に対して、特定の便宜を付与するような、土地や施設の提供は、これも百貨店業の行き過ぎを招くおそれが強いので抑制する必要があります。
 第六に、以上のように百貨店業に対する必要な規制を改正するので、これに応じて、現行法第十七条に規定している通商産業大臣の百貨店業に対する報告の徴収を、報告の徴収及び検査にまで拡張する必要があります。
 第七に、以上のように規制事項を増加したので、これに応じて罰則を改正する必要があります。
 以上のように、改正案の趣旨は、いずれも最小限度必要な措置のみを含むものなので、何とぞ、慎重審議の上、御賛成あらんことを希望いたします。
 次に、商店街振興組合法の一部を改正する法律案の提案理由を説明させていただきます。
 商店街振興組合法は、第四十一回国会に議員立法として提出され、これが衆議院段階で各党共同修正の上で可決され、参議院におきましてもそれが可決され成立したものであります。
 本法はその第一条目的に明らかにされているとおり「商店街が形成されている地域において小売商業又はサービス業に属する事業その他の事業を営む者等が協同して経済事業を行なうとともに当該地域の環境の整備改善を図るための事業を行なうのに必要な組織等について定めることにより、これらの夢業者の事業の健全な発展に寄与し、あわせて公共の福祉の増進に資することを目的とする」法律であります。このように本法は、商店街を組織する業者の人たが協同経済事業と環境整備改善事業の二つを行なう組織でありまして、特に商店街組織について、このような特定な組織法が設定されたところに、中小企業政策の大いなる前進がはかられたものなのであります。
 国民の家計と毎日毎日密接につながっている全国各地の商店街は、国民の消費生活のなかに完全に食い込んでおり、国民の消費購買力の上昇とともに、商店街活動も盛んになっております。私どもは個々の小売業サービス業を営む人々が、商店街を形成するという共通した目的意識をもって国民に奉仕する方向を全面的に支持し、この意味において本法の設定には当初より双手をあげて賛成してきたのであります。
 しかしながら、本法をいざ成立のため国会が審議するという段階になりまして、商工会議所や商工会と、商店街振興組合とのそれぞれの役割の分担が問題になりました。すなわち立法にあたって、商工会議所や商工会という中小企業の組織体との間の摩擦をできるだけ生じないようにしようという意図をもって、地区その他に調整を加えました。これは摩擦をさけて、本法をとにかく立法させるという大局的見地に立っての措置であったのであります。
 それが、第一に、本法第十一条2における連合会の設立について商工会議所の地区との重複設立を制限する規定であります。また第三に、附則第二条における、市の区域に商工会がすでに設立されている場合には、そこに組合を設立することはできないという商工会との調整規定であります。
 ここで立法府として慎重に考慮しなければならない点は、商工会議所と商工会は、みずからは企業経営を営んだり、協同経済事業を行なう組織ではなく、企業経営を指導し、またそのための諸般の世話役活動を事業とする組織であります。これに対して、商店街振興組合は、商店街活動という協同経済事業を行ない、かつ商店街を形成する地域の環境整備改善を事業とするものであります。すなわち、商工会議所もしくは商工会と、商店街振興組合とは、全く機能を別にする組織であり、しかも商店街活動を振興するという目的に向かっては、ともに協力しなければならない立場にある組織なのであります。
 したがいまして、商店街活動の振興という本法第一条の目的に対して、このような重複設立を制限する規定を持つことは、法として明らかに自己矛盾しております。このような設立制限の規定は法として定めるべきではなく、法の運用による双方の調整の問題として処理すべきなのであります。
 また附則第二条に規定されている市の区域に商工会がすでに設立されているばあいの設立制限は、概して新興都市において適用されることになりますが、これらの市の区域は市民の消費購買力が盛んになるにつれて、いずれも商店街活動が活溌になってきております。このようなところにこそ、本法の適用が必要でありますのに、組合設立が制限されるのでは、商店街活動の発展を、法みずからが抑制するものといわざるを得ません。
 このように、法理論、実体論の双方から見まして、本法の改正は、ぜひとも必要なのであります。
 何とぞ、本案について慎重審議の上、御賛同あらんことを希望いたします。
#5
○委員長(赤間文三君) 以上で提案理由の説明は終了をいたしました。自後の審査はこれを後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(赤間文三君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を進めます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#7
○椿繁夫君 この問、深川のガス爆発の現場視察を当委員会としてやっていただいて、この再発を防止するために、原因並びに対策などについて、当局からの御説明を待っておる段階でございますが、先日の当委員会で報告を伺いますと、ガス管の溶接部分の亀裂がガス漏洩の原因であったように、中間報告ではございますけれども、あった。ところが、皆さんご存じのように、最近に溶接技術は非常に進歩をしておりまして、溶接部分が特別の事情がなくて亀裂を生ずるということはほとんど考えられないのであります。むしろ、溶接をしないところに亀裂を生ずることがあっても、溶接部分が先に亀裂を生ずるというようなことは考えられないほど技術は進歩いたしておるのであります。それが亀裂を生じてあのような災害を惹起するに至った。私は、江東地区におきましては地盤沈下が非常にやはり進んでおる。これは、ひとり東京の江東地区だけでない、大阪ですとか、尼崎方面にもそういうことがありますので、この原因の究明ということは、これはひとり東京の江東地区方面の問題にとどまらない、非常に重大な影響を全国に与えるものだと思いますゆえに、これは当局に対してすみやかにその原因の調査及び今後の対策について強く望むものでありますが、私は、地盤沈下をいたしております地盤の橋梁と道路のところなどを見ますと、相当橋梁の場合は基礎工事をやっておりますために沈下が緩慢であります。それで一般の基礎工事のない地域は二メーターも三メーターも橋梁に比較して下がっておるというのを各所で散見いたします。それが地下埋設物に非常な刺戟を与えて、そういうことがガス管を亀裂せしめる大きな原因になっておるのじゃないかということを考えるのでありますが、企業局長、そういうことを、この間の東京の深川のガス爆発についてはどういうふうにお考えになっていますか。
#8
○政府委員(佐橋滋君) 深川のガス爆発について、私はまだ詳細に承っておりませんが、先生御指摘のように、地盤沈下というようなことが原因をしておることがないとは言えませんので、私のほうとしては、それ以外のいろいろの事態に処するために地盤沈下対策を今一生懸命に進めておるわけであります。ただいま御指摘の江東地区につきましても、工業水道の給水を急いでおるわけでありまして、総武線以北の地区につきましては来年の四月には給水開始、それから以南の地区につきましては、その翌年の四月に給水開始ということで、地盤沈下による諸種の弊害を生じないようにできるだけ努力して参っておる次第でございます。
#9
○椿繁夫君 この工業用水法の一部改正それから建物用水の採取規制に関する法律の制定、地盤沈下の原因が地下水の過度の汲み上げにあるということが明らかになって、これを規制しなければ沈下を防止することができないというので、この二つの法律が去年成立を見たわけであります。地盤沈下がいたしますために、台風時になりますと、高潮などと台風の襲来と時間的に一致すると非常な災害を受ける。一昨年の関西地方の第二室戸台風のことが主とした原因になってこの法律の制定あるいは一部改正が行なわれたのであります。この高潮災害から国民の生命、財産を守るという必要からこの二つの法律ができたわけでありますが、地盤沈下がさらに今度の深川のようにガス爆発にまで影響をしておるということになると、これはいよいよもって火攻め、水攻めということになるわけでありますから、これはよほど対策を私は急がなければならぬ問題だと思うのであります。そこで今申しました二つの法律の施行について二、三御意見を伺いたいのですが、ほんとうはこれはひとつ大臣に責任をもった御答弁を伺いたいと思っていました。ところが予算委員会の関係で大臣おいでになりませんから、局長に伺うわけでありますが、去年八月の三十一日の当委員会において、私はこういう地盤沈下地帯の工業用水道の普及に対し、事業施行者に対する国庫補助の問題で佐橋局長に当局の意見を求めました。その際、国庫補助が在来工事費の五分の一になっていたのでありますが、防災対策ということも含めて国庫補助率を増額しなければ対策の万全を期することができないという見地から、当局の意見を求めましたところ、当時局長からは妥当割れの三分の二を国庫補助にいたしたいということを答弁され、その後本年度の予算の編成が行なわれたのでありますが、これは大蔵省の強い反対のあったことはわかりますけれども、御答弁にもかかわらず、依然として国庫補助は五分の一を出ていない。一体こういうことで立法の趣旨、目的というものを十分果たし得る補助率であるとお考えになっていますかどうか。
#10
○政府委員(佐橋滋君) 先般の委員会で御指摘のような答弁をいたしました。三十八年度の予算につきまして、ここで答弁をしたような地盤沈下地帯につきましては、特に災害対策の意味も兼ねまして補助率を現行よりも上げてくれ、妥当割れ三分の二の補助というのを要求をいたしたわけでありますが、われわれの折衝未熟でございまして、大蔵省を説得させることができなかったわけでありまして、いわゆる補助金額自身は全体的に本年度――の三十七年度の三十七億から約五十三億五千万というふうにふえた点は非常に多とされるわけでありますが、ただいま御指摘の妥当割れの三分の二の現行補助率をそこまで上げるということにつきましては、実現できなかったわけでありますので、今後災害対策の点あるいは工業用水の低廉なる供給という意味から、三十九年度以降懸命にひとつがんばるつもりでございますので、よろしく御了承のほどをお願いしたい次第でございます。
#11
○椿繁夫君 この委員会における政府の答弁は、地盤沈下地域の対策と取り組んでおる地方当局は御答弁を信頼して工事を進め、翌年度の計画を立てておることは察するにもうあまりあります。ところが妥当割れの三分の二の国庫補助を考えるという御答弁があるのに、編成されている、上程されておる予算には依然として五分の一しか計上されていない。というて、地方当局は地盤沈下をかかえて府県民なり市民を災害から守らなければならぬ必要に迫られておりますから、このことを信頼して本年度の事業計画を昨年の暮に立てておるのであります。非常なそごをきたしておることはこれは想像にかたくありません。通産当局がこの予算編成にあたって非常に努力されたであろうことは私も仄聞しております。けれども、こういうことではどうも、一体国会の委員会において、しかも局長独断で御答弁になったものじゃないことはよくわかります。大臣も御列席、しかも通産だけではない、財政関係当局も出席されておるところで政府を代表して答弁されたことがその次の予算のときに出てこないというふうなことで、われわれが一体信頼してこの委員会の審議に当たれますか。今後のひとつ御決意のほどを重ねて伺います。
#12
○政府委員(佐橋滋君) 御叱責を受けるのは当然と思いますが、われわれといたしましても、これは最後の大臣折衝にまであげてがんばったわけでありますが、ついに大蔵当局の入れるところとならなかったわけでございますので、まことに申しわけありませんが、今後さらに一そうの努力をいたしまして、災害対策の意味におきます地盤沈下に特別の補助率を適用するように努力をいたして参りたいと考えております。
#13
○椿繁夫君 きょうは大臣もおいでになりませんし、これ以上はこの問題については差し控えますが、私は災害対策を事が起こってから大臣を派遣する、自衛隊を出すというふうなことで、起こった事態だけを処理するというふうなことでは非常に不満であります。その原因を、力を集めてどうして除去するかということに政治の方向が向かなければいかぬというふうに私は考えております。ことに通産当局が、国会での約束もあるし、編成の段階において非常な御努力をされたということはわかりますが、大蔵のほうでついに聞かなかった、こういうように政治の重点というものが、同じ政府の省によって違うような場合には、これを調整するというのが私は経済企画庁の仕事だと思いますので、のちほどまたこれは、この問題については経済企画庁長官の出席も求めたいと思っています。後日に譲ります。
 そこで重ねて局長にお尋ねをいたしますが、建物用水の採取規制に関する法律というのは、地方自治法の一部改正の際に五大市の場合は府県から事務の委譲が行なわれまして、建物が使うその用水の法律に基づく規制及びこの転換の措置などについての指導は、五大市あるいは六大市が権限付与を受けておるのですが、工業用水の場合は、これは地方通産局がこれに当たることになっています。で、私の最もよく調べております北大阪の場合でありますが、来月ごろになりますと約二十五万トン程度の給水施設が完備するわけでありますが、これを転換、地下水汲み上げをやめて、工業用水道に転換をさせるための、たとえばこの地域は給水可能になったのだから一カ年以内に法律が定めるように転換をしなけりゃならぬということは、これは省令で定めることになっておるのですが、いまだにこの省令が出ていない。これは一体、こういう地域の、条文を示しましょうか。たしか法の六条の二項であります。「通商産業省令で定める地域ごとに通商産業省令で定める日から起算して一年間に限り、その井戸について、そのストレーナーの位置及び揚水機の吐出口の断面積により、第三条第一項の許可を受けたものとみなす。」と、こうなっております。給水可能になる、工業用水道が施設されて給水可能になるこの地域は一年以内に施設転換をして地下水を汲み上げちゃいかんのだということの指定は、これは省令で定めることになっておるのですが、まだその省令の用意がないのか、用意はできていつからやることになっておるのかというようなことをひとつ伺いたいと思います。
#14
○政府委員(佐橋滋君) 大阪の地区でございますが、ただいま御指摘の地点につきましては、末端のものの給水の施設が完備いたしておりませんので、若干おくれておりますが、ただいま御指摘の地区につきましては、末端までの配管が施設されましたとき、大体本年の三月末の予定でおりますが、それまでに省令を作るつもりでございます。
#15
○椿繁夫君 この機会についでに伺っておきますが、この本年度予算で新たに大防市の西南部に工業用水道の工事の認可が行なわれた。で、予算がついて、そうして一年以内に着工の見込みが立てば工業用水法の指定地域にする、これを審議会にかけて指定地域に指定をするということに、これはなっておるわけですが、予算は大体顔を出したようですが、この工業用水道の指定地域には一体いつごろ、たとえば港、大正、西成方面のことを今申し上げておるのですが、どういうことになりますか。
#16
○政府委員(佐橋滋君) ただいま御指摘の大正区、浪速区等につきましては、四月に審議会を開きまして、早急に地域指定をいたしたいと、こういうふうに考えております。
#17
○椿繁夫君 それでわかりましたが、今申しますように建物の指導、助成ということは、五大市の場合は、事務の権限委譲がされておるわけですが、工業用水道は通産局がこれに当たることになっています。ところがどうも私は通産局を何するわけじゃないのですけれども、この間も伺ってみましたところが、専任の人が二人、それで増員要求が関西財界などから出ているわけですが、この機構をもってしては、そう人員をふやすということも、なかなか至難なことだろうと思われますので、実際に給水可能になった、これを使うように指導をする、また国等が援助しなければならぬということも法律で規定しておりますが、こういうことを実際にやらせるための権限を法律改正までやらなければならぬということになると、なかなかこれはめんどうだろうと思いますけれども、実際の仕事を地方団体に委譲していくというふうな必要があるように私は思う。この問題について何か御検討になっていますか。
#18
○政府委員(佐橋滋君) 工業用水関係の指導とか事務等が非常にふえて参っておりますので、現在の地方通産局では非常に人員不足で手が回りかねるというような事態もあり、地方自治団体からの御要請もありますので、その点につきましては、通産関係の先般通過しましたいわゆるばい煙の規制等に関する法律は、地方自治団体に委任することになっておりますが、現在は工業用水法あるいは汚水処理の関係は、通産大臣が権限を持っておりまして、内部委任でいわゆる地方通産局に専決委任しているわけであります。ところがただいまのような非常に事務もふえましたし、いわゆる適宜適切な指導、許可というような点につきましては、地方自治団体にまかせたほうがいいと、こう考えますので、現在通産局が地方自治団体と協議をいたしまして、御趣旨の線でやって参りたいと思いますが、これは法律の改正を要しますので、その点についても目下検討を進めている最中でございます。
#19
○椿繁夫君 立法趣旨を最も急速に実行に移していくために、今申しますような権限委譲の問題を提議したわけでありますが、法律改正をやることもけっこうであります。そういうふうに裏づけをして実際に地方団体に権限が委譲をしていくということの必要は認めますが、法律改正ということになりますと、これから二カ月も三カ月も国会があるわけですから、この国会に提案されるなら急いでいただきたいのですが、もしこの国会で上程ができないというようなときには、一方で法律改正の用意をしながら、そうして実際の事務を委任していくといった方法をとれないものですか。
#20
○政府委員(佐橋滋君) 現在、実際はもう通産局だけでは非常に人員不足でございますので、地方自治団体と緊密に連絡をとって、現実には、何といいますか、市役所の人を局に編入するというような形をとりまして、できるだけ支障のないように御後援を願っておるわけでございます。
#21
○椿繁夫君 そこで、そういうふうに、私は早く権限委譲をやってもらいたいと望みますが、工業用水法の二十五条の二、これによりますと、「許可井戸に代えて工業用水道を利用するための施設の設置又は改善につき必要な資金のあっせん、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。」、「国及び地方公共団体は、」ということが頭についておるのであります。ところが地方公共団体は建物のほうは、御承知の大阪府の場合は施設転換をさせますために銀行に府市おのおの三億ずつ毎年預託をいたしまして、そして転換施設のための融資を行ない、しかもこれを促進いたしますために、利子の半額補給を行なって転換を促進しておるのであります。ところが工業用水のほうは開発銀行の資金、あるいは中小企業の施設転換については無利子の金をどこかから出すということに御答弁はいただいておりますが、今度の財政投融資の計画の中で御答弁になりましたのは、一体どういうところにどういう表現で入っておりますか。ここ数年の間に四十七億から転換施設の経費を大阪府のごときは予定をしている。この工事を進め、転換の指導をやろうとしておるのですが、こういうものに対して開銀なりあるいは中小企業何とか資金というのがございましたね。あの中から無利子の金を中小企業には貸せるというふうな御答弁を前にいただいておりますが、これは入っていますか。
#22
○政府委員(佐橋滋君) これは中小企業庁と話がついておりまして、いわゆる中小企業の振興資金の中の無利子の金、あるいは中小企業金融公庫から中小企業関係に対する融資、それから開銀につきましてはその他ワクでこれは予定をいたしております。
 それからただいまピル用水の規制のほうについて府市がいろいろ大阪あたりやっておられますが、それについても、工業用水についても乗せていただくように今話を進めておる最中でございます。
#23
○椿繁夫君 この問題については、最初申しましたように、一たんこの委員会で約束されたことは、これは実行してもらわなければ困る。法律改正をやるとか、あるいは予算の裏づけをするとか、予算の裏づけはないわ、法律改正を必要とするものは今後の課題だわということでは、この委員会の審議に熱は入りませんよ。
#24
○政府委員(上林忠次君) 今の御忠告心にしみております。先ほども話がありましたように、水道事業に対する補助金の問題、またそれに関連した問題、いずれも通商産業省としては何とかしたいというので、極力予算では折衝したのでありますが、何分相手がある問題でございまして、意のごとくならなかった、来年にはぜひこれを通したい。また水道完成のために補助金を二五%を三八%ぐらいに上げるというような、まあ三分の二まで上げるのだというわれわれの要望を貫徹したいという覚悟でやっておるのであります。だから先ほどからしかられておりますような事態になっておりまして相済まんと思っておりますが、気持はそういうふうな気持でやっておりますから、何とかしてわれわれの気持が徹底することを、大蔵省に通じるように努力いたしたいと思っております。
#25
○委員長(赤間文三君) 他に発言もなければ本件はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#26
○委員長(赤間文三君) 次に、プラント類輸出に関する件の調査を進めます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#27
○近藤信一君 私は先日本委員会におきまして、アメリカにおける日本の綿製品の輸出制限問題について質問したのでありますが、きょうは重工業品の輸出につきまして、若干の質問をいたしたいと存じます。綿製品の輸出も大切な問題ですが、機械やプラントのような重工業製品の輸出は、日本の貿易構造の将来をきめる重要な問題だと思います。先進国と称せられるものは、いずれも重化学工業品の輸出割合が多くなっていることも事実であります。日本では今どんな段階でございますか、というのは、私がこう申しますのは、日本の輸出品構成の中で、重化学工業の占める比率というものが非常に大きくなってきているのであります。一体現在どのくらいの割合を占めているのか。そしてそれは欧米のどこと同じような位置にあるのか、この点からお尋ねをいたします。
#28
○説明員(中川理一郎君) わが国の輸出に占めております重化学工業品の割合、これは内容的には金属製品、機械類、それから化学製品、こういうものを含めてあります。三十六年におきまして四六%程度でございます。これを欧米の諸国と比較いたしますと、アメリカが五三%、西ドイツが七四%、イギリスが六五%、これらよりはかなり低い比率になっております。で、わが国のこの四六%という数字は、ヨーロッパにとりますというと、大体イタリアもしくはオーストリア並みというふうにお考え願ってよろしいかと思っております。最近の数字でございましても、大体このような構成比でございまして、逐次少しずつ日本の輸出におきましての重化学工業の比率は高くなっております。ただ高くなりましても、まだ、今申しましたように、ヨーロッパ並みの比率、先進国並みの比率と比べますと、幾らか見劣りする状況になっております。世界の貿易は、工業国相互間の貿易の全世界貿易の中で占める比率がだんだんに高まっておりまして、工業国と非工業国、もしくは非工業国相互間の貿易のウエートというものは逐次低下する傾向にございます。そういうことでございますので、われわれの輸出にあたりましては、重化学工業品の輸出というものについては、今後とも相当大きく努力しなければならないかと思っているわけであります。なお、参考までに、輸出商品の中における重工業品の比率はただいま申しましたようなことでございますが、国外の全工業生産の中における重化学工業品の比率を申しますと、大体六〇%を上回っておるように承知いたしております。
#29
○近藤信一君 今御答弁がございましたように、ヨーロッパと比較いたしますると、まだ非常に少ない。池田さんは労働者の給与はヨーロッパ並みだと、こう言われますが、まだ輸出の点はなかなかそこまでいっていないようであります。そこで、通産大臣は、先日の所信表明でも言っておりますが、特に機械類の輸出振興措置をさらに強化するために、工作機械輸出協会、それから日本プラント協会の事業を強化すると、こういうふうなお話ですが、それは一体どういう方法を講じて強化していかれるというお考えでございますか。
#30
○政府委員(島田喜仁君) 今近藤先生から御質問がございましたように、機械類の輸出振興につきまして、やはり一番基本的な問題は、プラントを中心にいたします重機械関係の輸出だと思います。延べ払いその他通商の面におきまして輸出振興策を講じているほかに、私どもといたしましては、ただいまお話しの、まず工作機械の輸出振興会が昨年社団法人といたしまして作られましたが、昨年度は予算といたしまして五千万円をこの輸出振興の団体に補助いたしまして、そして輸出振興の母体にいたしたわけでございます。御承知のように、工作機械は機械のマザー・マシンでございまして、工作機械の性能がすぐれているかいないかが機械工業全般の水準を左右するものでございます。ただ、工作機械もここ数年非常に発達をいたしましたが、世界の先進国の工作機械のブランドが通っておりまして、むしろ今までは日本は工作機械を経済成長のために外国から輸入しておった。ところが、この工作機械を輸出する、特にまだ後進国ではそう需要が多くありませんので、欧米の先進国に向かって輸出をしなきゃならんというところに、非常なむずかしい問題があるわけでございます。そのために、ただいま申し上げました振興機関を作りまして、とりあえず昨年は欧州のどまん中、デュッセルドルフと、アメリカのシカゴにその前進拠点を作ったわけでございます。そしてここに機械の現物を持って参りまして、そして現物を使って見せて売り込んでいく。すでに欧米先進国に作られた販売網の中に飛び込んでいくわけであります。そして、PRをし、売れればアフター・サービスを現地においてする、こういう形で、アメリカと欧州に作ったわけでございますが、本年度はこれを強化いたしまして、さらにデュッセルドルフとシカゴのほかに、南米のサンパウロに前進拠点を作る、支所を作る。そうして現地派遣の人員もふやしまして、そうして後進国といたしましては南米に拠点を設けるという方向で、いよいよ日本の工作機械の信用を拡大し、かつ売り込んでいこう、こういうふうに考えております。それからさらに、工作機械が先進国に売れる、さらに後進国にも売れるということになりますと、日本の資本財である機械の信用がさらに大きくなるという意義を持つわけでありまして、昨年、このデュッセルドルフとシカゴに支所を設けましたそれが、後進国にまで、いよいよ日本も欧米先進国のどまん中に前進拠点を作ったというのが喧伝されまして、非常な日本ブームと申しますか、そういう空気になったわけであります。なお、この工作機械の現物を海外に宣伝する方法といたしまして、三十八年度はモスクワで単独の工作機械見本市を開きたい。それから、シカゴ、あるいはブルーノ――チェコでございますが、そういうところにも見本市を開くことを計画をいたしております。それからさらに、海外に対しまして、工作機械等を中心にする映画宣伝を積極的に行なうために、三十八年度は昨年以上の予算も計上をいたした次第でございます。
 以上が工作機械の輸出振興でございますが、次は日本プラント協会の状況を御説明申し上げます。まず、重機械類の予算につきましては、三十七年度に対しまして三十八年度は約一割の予算を増加いたしました。その増加の理由は、まず一つは、欧州の諸国に事務所を開きまして、本来日本のプラント類は欧米先進国に出るものではございませんので、後進国に出るわけでございます。ところが、日本だけでなしに、欧米も、特に欧州は日本と競合いたすわけでございますが、これまた後進国にプラントを出すわけでございまして、これが後進国市場で、日本のプラントと欧州からのプラントとが競合、競争しているわけでございます。ところが、どんな条件で、どういうやり方で欧州は後進国に出しているのかが、実はなかなか捕捉しがたいわけであります。延べ払い条件等につきましても、日本よりも条件が緩和されているのだとか、いろいろな問題が出ておりますが、なかなかその実態が捕捉できない。そういう意味で、欧州に事務所を開きまして、そうして欧州の後進国に対するプラント輸出の状況あるいはその欧州の実態等を調査をいたしまして、日本も後進国に対する輸出の増進に寄与させたい、こういう意味で事務所を新設いたしました。
 それからもう一つは、プラント協会の中に、中小プラント・メーカーに対するプラントの引き合いのあっせん、コンサルティングをしようというので、それの実施に関する予算を計上いたしました。本来プラントは、大体大メーカー、もしくは中堅メーカーが実は機械輸出をするということに最終的にはなるわけでありますが、機械は御承知のように部品から成り立つ部面が非常に大きいわけでございまして、この完成プラントが出るためにその中に含まれる部品等につきましては、中堅あるいは小さいメーカーがこれに関与しておるわけでございまして、そういう部品から成り立つということでございますが、さらに直接プラントそのものが中小プラントであるということを重点に置きまして、海外からの技術の経営等のコンサルティングに応ずる、こういう、これに関する実施の経費をプラント協会に補助いたしまして、そういう仕事をやって参りたい、こういうふうに考えた次第でございます。以上がプラント協会に関する状況でございます。
 次は、機械輸出組合――日本の機械輸出組合というものがございまして、機械の輸出面というものを担当しておるわけでございますが、これは民間がみずからやっております。しかし、現在プラント協会もしくはジェトロと、輸出振興の予算、補助金の二部を、機械輸出組合の行なう海外に対する調査団の派遣あるいはいろいろPR、宣伝のためのガイド・ブック等の作成に使うことになっておりますので、これらの業務はさらにこの予算を使いまして、機械輸出組合の業務の活動を活発にするようにいたす所存でございます。
 以上が、三団体の昨年から今年度に対する強化状況の説明でございます。
#31
○近藤信一君 ただいま局長から、将来の強化方法の御説明がございましたが、そこで機械類の輸出も大いにやらなければなりませんが、日本の機械工業はだいぶ立ちおくれている。外国の優秀な機械が輸入される。ことに外国では延べ払いを認めるのでございまして、金融に困る日本の業者は、外国から延べ払い条件で外国から輸入をする。貿易が自由化されますと、これがことにひどくなってくる。こういうこともあるわけであります。こういうふうな話も私は聞いておりますが、政府は一体どんな対策をこれに対して講じておられるのか、この点はいかがでしょう。
#32
○政府委員(島田喜仁君) ただいま近藤先生からの御指摘のございまた点は、機械類の自由化に伴いまして実は最大の問題の一つでございます。わが国の機械の性能あるいは価格が、欧米先進国の機械類と対抗できるような状況に大体なりましたときに自由化を実施する。ところがいよいよ自由化をするという段取りになりますと、外国は資金の力、資金量をバックにいたしまして、延べ払いという方法をバックにいたしまして日本に機械を売り込んでくる。そういうことになりますというと、実は価格の競争――性能の競争ではないのでありまして金の力の競争ということになるわけであります。ところが御承知のように、日本の企業の資本の構成から見ましてもあるいは銀行の貸し出し状況から見ましても、そういう資金、資本の力で欧米先進国と日本の状況を比較してみますというと、これは相当な格差があるわけであります。そこで価格競争――性能競争ということにするためには、どうしても外国が日本のユーザーに対して与える条件と同じ条件を、わが国といたしましても、各企業あるいは銀行の力でなしに政府のバック・アップによって、やはり同じ金融条件を提供するということによって、初めて外国との公正な競争ができるわけであります。これは現在の銀行企業ではできませんので、その点で、今年度の予算折衝においても重点を置いた点でございますが、これはやはりメーカーに金融することが必要である、ユーザーに与えずにメーカーに金融することが必要である。なぜかと申しますと、メーカーはやはり大いにサービスをしてユーザーに対して売り込みをする、そのために、外国からの延べ払いがあった場合には、自分のほうもそういう金融手段を持っておるからひとつ日本のものを買え、こういう態勢にする必要があるわけでありまして、そういう意味で、工作機械類等につきましては、本年度、三十八年度におきましては、興長銀に対しまして、興長銀の発行する金融債を資金運用部がこれを全部引き受けまして、そうしてそれの見返りとして工作機械等に長期低利の延べ払い融資をする、こういうことに相なっておるわけであります。資金量は約六十億円ということになりまして、金利は七分五厘を目標にいたしましたが、七分六厘六毛という金利で、資金量は六十億を確保するということにいたしたわけでございます。
 なお、この工作機械類等の延べ払い――外国に対抗する延べ払いの期間は大体二年から五年、平均三年程度でございますが、もう一つ日本の重電機械につきましては、すでに昨年から問題になりました、これは十五年というような長期の実は延べ払いで外国は日本に売り込んでくる。日本もまたがって今までの例から見ますというと、輸出入銀行等から電力会社が長期の借款をいたした例があるのは、御承知のとおりだと思います。これに対しましては、やはり長期の資金を開銀で見るということになったわけでございます。これは開銀法の建前からユーザーに、電力会社に融資をすることにはなっておりますが、この運用は延べ払い資金として継続的に使用できるような道を開いたわけであります。昨年度はそういう継続的な制度という意味でなしに二十億円がつきましたが、今年度はそいう制度で、電力の中に、特定した、金額を特定するということになったわけであります。
 以上、長期のものと中期の延べ払い資金の対策につきまして、簡単に御説明をいたした次第であります。
#33
○近藤信一君 今、局長は、いわゆる日本の機械類の性能が外国と対抗できるころになったならば、機械の自由化をも考えなければならぬ、自由化もせなきゃならぬだろう、こういうお話ですが、一体今の見通しで、何年後ぐらいに外国の機械と日本の機械とが対抗できると、このようなことをお考えありますか。見通しですね。
#34
○政府委員(島田喜仁君) 一つそれの前に申し上げなきゃならぬ点は、これからは、やはり機械等につきましても、全部日本の必要とする機械を日本で作るというわけには参らぬ。やはり、分業で、日本が国産の機械を使う、そうして外国にも輸出をする、同時に、日本では作らずに外国の機械を買う、こういう形に相なると思います。そこで、ただいま私ども、機械関係につきましては、この三十七年度におきまして、大体八五%の自由化をいたしました。あと残っておりますのが約一五%でございます。で、残っておりますのは自動車、あるいは電子計算機、航空機、その他、まだ国際競争力の面から見まして自由化の段階にないものがございます。あるいは工作機械等につきましても、大型のもの等につきましては、なお、日本として国際競争力を持っておらぬと私は思っております。したがいまして、これらにつきましては、できるだけ、わが国の機械の価格、性能の面におきまして、国際競争力を持ち得るような段階に育成をいたしまして、そうしてそれとにらみ合わせて自由化をいたして参りたい、これは個々に業種ごとに検討をいたして参りたい、こういうふうに思っております。
#35
○近藤信一君 外国の機械等が日本で歓迎されるのは延べ払いを許してくれるからだといたしますると、日本が輸出する場合にも相当にこれは延べ払いを許してやらなければならない、それでなければ日本品は輸出できないことになります。この輸出金融をやるのが日本輸出入銀行だと思います。この日本輸出入銀行について、通産大臣は、所信表明の中でこういうふうに言っております。「日本輸出入銀行に対する財政投融資の確保をはかり、プラント輸出の促進と経済協力の推進に遺憾なきことを期すること」にしたと、こう言っておられます。
 プラントの問題はあとで伺うとして、まず輸出入銀行の投融資ですが、予算案で見ますと、貸付規模は、三十七年度の千二百五十億円に対して三十八年度は千三百億円となっている。あまりこう増加していないが、資金調達について見ても、三十七年度と全く変わっておらない。わずかに回収金が五十億円だけ増加した、これだけしかすぎませんが、しかも説明で見ると、船舶、機械等のプラント輸出の円滑化に重点を置くほか、インドに対する円借款に伴う資金も確保してある由ですが、これで足りるのですか。あるいは最初から、もうこれはどうせ足りねんだから補正予算で何とかしなきゃならぬということで、補正予算を目当てにしておられるのか。この点はどうなっておりますか。
#36
○説明員(中川理一郎君) 近藤先生今御指摘こざいましたように、輸銀の三十八年度の予算につきましては、出資額二百億、借入額六百十億円という数字で、いずれも三十七年度の予算と同額でございます。回収金等の増加によりまして貸し出し規模が二十七年度の当初見込みの千二百五十億円に対しまして三十八年度千三百億円、五十億円の増加を見込んだ点も御指摘なさいましたとおりでございます。私どもといたしましては、輸銀の貸し出し規模を見きわめますにつきまして、いろいろ連係のあることで見込みにくい点もあるわけでございますが、それぞれの原局等とも御相談いたしまして、特にプラント輸出に対する輸出業者の資金需要に対しましては十分に応じ得るものとしてこの計画を了承したわけでございます。ただいまのお話で、初めから足りないことを承知の上で、あとの補正その他を考えて、不満足ながらこれで決定したのかということでございますが、実際問題といたしまして、いろいろな事情から三十七年度の貸し出しそのものが、見込み額とその実績の間にかなり開きがございまして、三十七年度、先ほど申しましたように、当初見込み千二百五十億円と申しておりましたものに対しまして、本年の一月末での貸し出しの累計額が八百二十九億円ということで、かなり下回っておるわけでございます。この辺のことも勘案いたしまして、それぞれ関係のところと御相談いたしまして、目下のところは私どもは本計画で大体御迷惑をかけることはなかろうと考えておるわけでございますが、ただこれらの事情は、三十七年度の実績等をかなり強く見ておりますので、海外の事業だとかプラント輸出等についての国内の意気込みが非常に大きくなって参りますと、あるいはこれで足りないということも出てこないとは言い切れないわけでございます。政府がたびたび言っておりますように、プラント輸出についての輸銀資金量の確保につきましては、かりに年度内におきまして資金が不足するようなことになりました場合には、絶対にこの不足を生じさせないように、必ず出資及び融資といった面での補正をいたすということ、数回にわたります輸出会議におきましても、総理以下大蔵大臣が表明しております。この点は従来いろいろほかの案件では財政当局とわれわれとの間に考えの違うものもございますが、輸銀の資金量を不足させないということにつきましては、完全に意見の一致をみておりますので、もし不足の事態ができました場合には、必ず私ども大蔵省と一緒になりまして予算措置を講ずるつもりにいたしております。
#37
○近藤信一君 プラント輸出は、まあ工場作ってやったり、それから水道も作ったり、それからダムを作ってやると、そういう輸出だから、単にこれは機械や船などの物だけの輸出のほかに、コンサルティングという設計や計画の仕事が付随していることも御承知のとおりだと思う。それが相当にむずかしいので輸出ができにくいともまた聞いておりますが、このプラント類の輸出は最近どういう工合に伸びを示しておるのか、この点いかがですか。
#38
○政府委員(島田喜仁君) わが国のプラント輸出というだけでなしに、機械類全体を含めましてどういう状態になっておるかと申しますというと、三十七年度の上半期は三十六年度の上半期に比べまして、通関ベースで約二割八分、二八%、契約ベースにおいても二五%程度数字は上がっております。したがって、三十七年度はまだ中途でございますが、大体重機械類全体の輸出目標を通関ベースでも契約ベースでも大体達成されるのではないかと、こういうふうに見込まれております。しかし、ここで私どもといたしまして考えなければなりませんのは重機械の中で現金で大体売るものと、それから延べ払いで売るプラント類とがあるわけでございますが、年によって多少ずつ違いますが、現在は全体の重機械の輸出の中で六割から七割、七割程度は延べ払いによるプラント輸出と考えていただいていいのではないか。これはもちろん船等も含めまして延べ払いでするプラントと称せられるもの、大体、多い場合には七割くらいを占めております。ところがこのプラントの関係の契約状況を見ますというと、どうも今のままで参りますと、一昨年三十六年度に比べまして三十七年度は横ばい程度になるのではないか。ここにプラントの輸出振興の問題の私は重要性があるのではないか。ことにプラント類につきましては、一つのプラントが出るというようなことになりますと、相当金額が大きい。しかも具体的に案件がきまるわけでございますので、その一件が成約未成立であった、あるいは外国に引き合いがとられた、入札されたというようなことになりますと、ごそっと金額が減るわけでございまして、三十七年度の今後の見通し、また来年度の見通し等につきましては、そういうところに問題がある。そこで私どもは延べ払いの条件緩和のほかに、いろいろプラント類につきましては政府も積極的に援助をする必要がある、こういうふうに考えております。
#39
○近藤信一君 プラント類を大いに輸出しようということで、第三十一国会でプラント類輸出促進臨時措置法が成立したわけですが、最近の輸出増加はこの法律の効果によるものですか。今回この法律の改正案が出ていますが、その内容についてはいずれ法案審議の際に質問いたしますが、法律の施行状況をひとつ説明していただきたいのであります。
#40
○政府委員(島田喜仁君) プラント類輸出促進臨時措置法は三十四年の三月に国会を通していただきまして成立いたしたのでございますが、本年の三月で期限が参ります。その間にブラント類輸出促進臨時措置法の内容であります保証損失補償契約というものを政府と締結しようというて話のありましたものが実は十四件でありますが、このうち補償契約が成立したものは遺憾ながら一件でございまして、その他は政府との補償契約の締結に至らなかったわけでございます。ただここで事情を申し上げますというと、現在の措置法は、シッパーとそれからユーザーもしくはインポーターとの間にプラントの輸出契約が成り立つわけでございますが、その中で、もし設計どおりの性能、能力ができなかった場合には違約金を払う。そういう違約金条項が一つの慣習になっております。おりますが、もう一つ、最近ほかに違約金条項ではなしに、設計上のミスというようなものがあった場合には、その設計上のミスを直すために修理をしたり、あるいは取りかえて予定どおりのものを作るという条項が入っておりますが、こういう場合には、この措置法の対象になっておりません。ここに一つ問題があるわけでありますが、もう一つは補償料率が高かったという点もございます。そこで補償料率が高いために結ばれなかった。そして違約金条項を含んでいない契約があったというような関係がございまして、遺憾ながら一件しか成立をしなかった。なお、法律施行の責任にあります私どもといたしまして、この点はなお法律の実施、円滑な運用につきまして努力をしなければならぬという気持がいたしております。
#41
○近藤信一君 ただいまの説明を承りますると、現在までに法律に基づいて政府と補償契約をしたものは過去四年の間でわずか一件にすぎない。こういうことでまことにこれは心外だと思っておるのです。過去四年間にわずか一件ということから見ますと、もはやこの法律を改正しても、あまり効果というものは期待できないのじゃないか。非常にこの点危惧をするわけであります。一体過去四年間に一件しかなかったというその理由はなぜであったか。一体四年も、この法律ができて、そしてわずか一件というふうなばかげたことは私はないと思うのです。こんな契約をしなくても、日本のプラント輸出はまだ伸びれるほど成熟していたのか。それとももっとまた契約するようにしてあったら、プラント輸出はもっと伸びていたのか。その点の御理解を承りたい。
#42
○政府委員(島田喜仁君) まず、この法律が活発に運用されなかったという第一の理由は、やはり考え方といたしましては、損失を補償することによって、大いにプラント類の輸出振興をはかりたいというねらいは、私は間違いなかったと思います。と申しますのは、アメリカ等先進国におきましては、まずプラントが出る前に、肥料工場その他の工場の設計をすることが必要でありまして、この設計に関連をいたしまして、要するにコンサルティングの機関というものが、単に一国だけでなしに、世界市場を相手にしたコンサルティングの会社というものが成り立って、古い歴史と伝統を持っている。そういう意味では非常に国際的に信用が高い。日本は御承知のようにむしろ外国からプラント類を入れている国でありまして、ここ数年の間にだんだんプラントを輸出するような工業国になって参った。ところが外国に対しまして、外国――後進国から見ますというと、日本は欧米先進国に比べて信用度が低いわけであります。特にそういうコンサルティングの専門の機関というものが少ないのみならず、まだまだ成熟したものになっておりません。ただこのプラントに乗っかってくるような案件と言いますのは、日本のかって輸出の大宗であった船であるとか、車両であるとかというようなものでなく、いろいろな工場を中心にしたプラントでございますので、やはりそういう外国と話がついて、工場を建てることについて日本から頼もうという案件が実は少なかったのが原因でございます。そういう契約ができて、いよいよ、それじゃ損失をどうするかという段階になったときに、この法律の運用が行なわれるわけでございまして、その前提としては、日本にそういうプラントを作ってもらおうという、そういう前提条件が成熟しなければ、こういう法律運用はできないわけです。その前提はいろいろな意味の企業の努力と、そうして政府の助成措置が実は必要でありまして、そこに問題があった。これは私は弁解ではなしに、それが実態であった。そこの成熟、そういう契約が成り立つような環境というものをまず作り上げて、その上で、そういう契約をした場合に、政府が補償するという段階になる、そういう意味でそこに問題があった、今後、御承知のように、ますます先進国との競争が激しくなって参る、そうして、未開発国にプラントに重点を置いて出していかなければならないということになりますというと、私は、今後数年間においては、そういう状況に日本がなることを期待し、同時に、あらゆる施策をあげてプラント類の輸出振興をはかる、その上にこのリスク補償の法律というものの運用が活発に行なわれることに相なると、こう考えます。
 それから第二は、先ほど申し上げましたように、違約金条項、性能が予定どおりでなかったという場合に、金をもらうということでは問題は解決しませんので、むしろ、取りかえをしてくれ、予定どおりの工場設備にしてくれ、こういうほうが、特に、日本に対しては、後進国としては先進国に比べまして、それが実体的な要求であろう、そういう条項を、補償契約の場合に適用できるように法律を改正したい、こういうふうに考えております。
 それから第三は、補償料率が荷いか安いかが、やはり問題でございまして、できるだけそういう補償料率を下げる方向で努力をすべきだし、下げることによって、そういう案件がふえて参る、こういうふうに考えております。
 やはり、外国にはこういう制度はございませんが、日本のプラント工場を建てる場合の信用がまだ薄いということ、コンサルティングに関する専門体制というもの、そういう点についての歴史がまだ浅いという面で、やはり、私はこういう制度を設け、そして、この法律だけでなしに、いろいろな面からプラント類の輸出振興をはかるということによって、またこの法律の運用も活発になるのではないか、こういうふうに考えております。
#43
○近藤信一君 いずれこれは法案が本審査になりますれば、御質問いたしまするが、きょうはこの程度にして終わります。
#44
○委員長(赤間文三君) 本件はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#45
○委員長(赤間文三君) 次に、阿部委員から、北海道地下資源開発株式会社に関する件及び金属鉱業に関する件について、質疑の御要求がありますので、これを許します。
#46
○阿部竹松君 大臣にお尋ねしようと考えておりましたが、大臣は予算委員会で、御出席されておりませんので、政務次官にお尋ねいたします。
 貿易為替の自由化について、いろいろ国内産業で解決しなければならぬ問題がたくさんあるようですが、特にその中で、金属鉱業についてお尋ねをするわけですが、銅から始まって、金、鋲、鉛、亜鉛とか多種多様にあるわけですが、全部自由化は直ちに行なわないという御答弁は、鉱山局長から毎々委員会で承っておるわけですが、その後の政府の施策について、品種別に例をあげて、つまり、銅は自由化いたします、亜鉛、鉛はいたしませんというように、大ざっぱでけっこうですからお示しを願いたいということがまず第一の質問であります。
 その次に、北海道に地下資源開発株式会社ということで、政府が財政投融資を行なって、北海道の地下資源の開発を目的とした会社が、石井さんが開発長官当時だったと思いますが、できておるわけです。それによって中小企業の鉱山にてこ入れをやって、探鉱その他諸問題を取り上げて、コスト・ダウンをはかるというようなことになって、会社が動いているわけです。ですから貿易自由化になると、外国から安いコストの製品なり原鉱が入ってくるわけです。したがって、なかなか日本の商品が太刀打ちできないというのが現状でございまするから、北海道地下資源開発株式会社でどの程度のてこ入れをやっておるものかということをお尋ねしたいわけです。
#47
○政府委員(上林忠次君) わが国の非鉄金属の政策につきましては、わが国の産業の将来に対しまして重大な問題でありまして、現在為替相場の関係からいきますと、わが国は非常な不利な立場に立っておる。しかしながら国の産業の将来を考えますと、ある程度は非鉄金属を所有しなくてはならぬじゃないか。それにはある程度バック・アップしなければならぬじゃないかというような気持はいたしますが、ただいまお尋ねのそれでは現在どういうような、何金属はいつごろどういう工合にするかというようなお尋ねでございますが、最近の情勢については、私の部下が来ておりますから、局長のほうからお答えいたします。
#48
○政府委員(川出千速君) お答え申し上げます。鉱産物は、石炭と違いまして非常に種類が多うございます。もうすでに自由化されたものもございます。今後自由化されようとしているものもございます。おもな鉱物の種類について御説明申し上げたいと思います。
 まず、日本の鉱山で一番ウエートが高いのは、銅と鉛、亜鉛であろうかと思います。したがいまして、銅と鉛、亜鉛についてまず御説明申し上げます。
 銅につきましては、実は政府の方針は、昨年の十月から本年の三月末日までの間に関税改正を行なって、自由化するというのが方針でございますが、その方針で参ろうと思っております。
 それから鉛、亜鉛につきましては、国際相場が非常に下がっておりまして、関税改正をした当時と環境が激変しているわけでございます。政府の方針は、銅と同じく、昨年の十月から本年の三月末までの間に関税改正を行なって、自由化に踏み切るという方針でございましたが、鉱業審議会で、鉛、亜鉛の実情について説明をしたわけでございますけれども、これは審議会で十分対策等も検討しなければいけないのではないかという御意見が多かったのでございます。したがって、さしあたっての措置といたしまして、本年の三月三十一日までに関税改正を実施するというのを改める方針を立てまして、本年四月一日以降来年の三月末までの間に関税改正を行なうということで、一応そういう法案を、これは大蔵省のほうの関係でございますけれども、国会に提案する準備をしているわけでございます。その間には、鉛、亜鉛の国際相場もどういう変動があるかわかりません。その場合にどういうような恒久策を立てたらいいかということも慎重に検討した上、自由化の基本方針をきめたいと、かように思っているわけでございます。
 それから、そのほかのものにつきまして、たとえば昨年の十月に自由化する際に非常に問題になりました品目が四つか五つございます。昨年の十月に自由化に踏み切りましたのは、マンガンと、それから石綿でございます。これは自由化に踏み切りましたけれども、輸入状況をよく見ておりまして、その点ある程度チェックできるような態勢にしておるわけでございますが、現在のところむしろ需要業界の不足ということもございまして、心配するような事態は起きてないわけでございます。なお、マンガンにつきましては、本国会にさらに関税改正を出す予定にしておるわけでございます。
 そのほかの鉱産物でございますが、たとえば硫黄でございますとか、硫化鉱あるいは金鉱石というようなものは、これは非常に自由化に対して抵抗が弱いものですから、しばらく自由化を見送っていく方針でございます。
 それから北海道地下資源の会社の御質問がございましたが、これはなるほど通産省が所管しておりますけれども、北海道開発庁のほうが主務と申しますか、担当しておるわけでございまして、私詳細には存じませんです。北海道地下資源の事業は、共同鉱業権者になりまして、みずから探鉱をするというのが本来の業務でございます。実はこの本来の業務というのはなかなかいろいろ困難な事情がございまして、実績があまり上がっていないと思います。しかし北海道地下資源がやっております仕事の主たるものは、受託探鉱、実質上の受託探鉱でございます。これは北海道のみならず、北海道外の地域でも最近は相当活発にやっておりますけれども、これは要するに、自分が資金を持って探鉱するのではなくて、鉱山会社等の受託、中小鉱山でございますが、の委託を受けて、その資金によりまして機械を持っていって探鉱するという仕事でございます。北海道地下資源は、石炭とそれからその他の鉱山、石油を除くその他の鉱山をやっておるわけでございますが、どの程度の寄与があったかということでございますが、三十七年度は実績はまだはっきりしておりませんけれども、メーター数で申しますと、大体金属鉱山と石炭とボーリングのメーター数はほぼ同じくらいと考えております。そのほかに非金属のほうをやっておりますので、非金属の鉱山ということになりますと、むしろ石炭よりも探鉱のメーター数では石炭以外のもののほうが多いというふうに伺っておる次第でございます。
#49
○阿部竹松君 今御答弁を伺いましたが、たとえば貿易の自由化によって一番打撃をこうむるのは水銀なんですね。国内で生産されるのは、私はっきりわかりませんけれども、トン当たりのコストが三百万円くらいです。外国から入ってくるのは二百三十万円、一トンに対して七十万円も差がある品目で、特に日本で産出されるのは消費量の十分の一しかない、こういうことなんですから、水銀鉱の経営者もそこで働いている従業員も、鉱山局長みずから非常に努力なさったということも私知っておる。しかし、にもかかわらず、あなたの部下の一職員が野村鉱業の、水銀の日本の九割まで算出しておるという会社の重役と――新聞報道ですから、私はっきりわかりませんけれども、つまり贈賄があったやに堂々と記事が出ておる。きわめて遺憾であるし、私不愉快に思うのです。しかしこれはまだ裁判にかかっているでしょうから、どうかわかりませんので、これ以上触れませんけれども、どうもそういう問題については、これは局長の責任でないかもしれませんけれども、しかし現にやはり部下を十分監視していただかなければ……。山がつぶれて、休山になり廃山になり閉山になっていく。一方は、会社の重役と鉱山局長が一生懸命やっている、その下僚が酒を飲んでおったということが新聞に出ること自体が私は遺憾だと思うのですが、そういう点は以後十分……。いかに局長努力しても、百パーセント職員の行動を監視することができないまでも、ひとつお願いしたいと思う。
 では、お尋ねいたしますが、北海道の開発株式会社のことについては、担当係官がおいでになるそうですから、その方にお尋ねするとして、今、自由化がなされるという品目ですね、そのなされる場合の方法ですね、方法は、具体的にどういう方法で自由化をやるか、たとえば保護政策は全然とるものかとらぬものかということをお尋ねしたいのです。
#50
○政府委員(川出千速君) 野放しに自由化するということは、これは鉱山対策としまして当を得ない措置であろうかと思います。しかしながらまた需要業界の立場から見ますと、やはり安定供給をすると同時に低廉に供給をする必要があろうかと思います。もちろんこれは限度があるわけでございますけれども、したがって、鉱業政策の基本の方針といたしましては、自由化に備えまして、鉱山が合理的な関税のもとに成り立っていくように助成措置――体質改善と申しますか、前向きの助成措置が非常に大初なことだろうと思います。関税政策と同時に、前向きの助成案ということになりますと、鉱山の場合は石炭と違いまして、探鉱に力を入れるということが、これは一番大切なことでございます。と同時に、製練所につきましては、設備の合理化、あるいは再生鉱設備につきましても、設備の合理化をあわせてやっていくということが肝要かと思いますけれども、しかしながらやむを得ずして出て参りました離職者と申しますか、それは石炭のような大量にという問題ではないと思いますけれども、それに対しましては、これは石炭に準ずるというのがわれわれの希望でございますけれども、必ずしもそこまでいっていないかもしれませんが、そういう方針のもとに離職者に対する措置を講じていく、それからなお需給の安定ということは、自由化しない場合には輸入を押えるということで需給の安定をはかっておったわけでありますが、自由化になりますと、このきめ手がなくなるわけでございます。これは一つは関税制度と申しますと、関税割当制度が適用できる鉱物の種類につきましては、それを活用するということが一つございます。それから何と申しましても、需要業界の協力を得まして、そこで引取態勢を確立をしていく、これは困難な問題でございますけれども、そういう大きな方向で進めていく措置が必要かと考えております。したがいまして、元へ戻りますけれども、いろいろの対策を講ずる反面、自由化に踏み切っていくということであろうかと思います。
#51
○委員長(赤間文三君) 阿部委員に申し上げますが、小島北海道開発庁の総務監理官と木村北海道開発庁の主幹、二人お見えになっております。
#52
○阿部竹松君 わが国は資本主義国家で、自由主義経済ですから、私企業ですね、鉱山も私企業なんですが、私企業を全部国で見てやるということは、とうてい不可能であるということも承知しております。しかしながら、今鉱山局長のおっしゃった補助政策、保護政策ですね、これを十の力でやる場合と、五の力でやる場合と三の力でやる場合といろいろあろうかと思いますが、そのどういうふうな保護政策といいますか、補助政策をとるのかということをお尋ねしたいわけなんです。
#53
○政府委員(川出千速君) どうしても自由化いたしますと、たいへんな影響を受ける、といって関税で保護しようといたしますと、非常に高関税をかけなければならないであろう、現在考えられるものというのは、これはしばらく自由化を見送りたいというのが一つの方針でございます。それから自由化に踏み切っていく場合に、先ほど申しましたように、探鉱関係が非常に重要であるということでございます。これは従来の制度では中小鉱山に対する探鉱補助金がございます。これを拡充をしていくということが一つでございます。それからなお国会に法案提出することになっております探鉱事業団を作りまして、初年度十五億の融資がございます。これを将来も拡充をしていくということが必要であります。探鉱に重点を置いていくということでございます。
 もう一つは、再生鉱設備なり、あるいは製練所の合理化をはかってコスト引き下げに努力しなければならない。これは政府機関、たとえば開発銀行とか、北海道東北開発公庫、あるいは中小企業金融公庫等がございます。これよりそういう合理化資金の融通をはかるということに方針はきまっておる次第でございます。
 それから関税制度といたしましては、暫定的に引き上げという措置が一つと、これは銅について考えておるわけでございます。それから鉱山物の、物によりましては、たとえばマンガンでございますとか、モリブデン、水銀その他につきまして関税割当制度をとりまして、需給の安定をはかる。これは御承知のとおりに、関税を割り当てる制度でございますので、必要なものはゼロ%等の低率で輸入をする。しかしながら必要量以上のも一のにつきましては二次税率で、ある程度の高関税をかけるということで、必要なものは安く手に入れる。そのかわり国内の鉱山物は適当な価格で業者が購入するという制度をとっておる次第でございます。
#54
○阿部竹松君 内閣官房から承ると、今、局長の答弁の中にございました探鉱事業団という法律が出る、したがって、その法律が出るということになりますと、この種の問題を十分論議する場所があらためてあろうかと思いますので、きょうは鉱山局長にお尋ねするのは、これでとどめますが、幾つ法律が出される予定ですか、今度の国会に、これに関係して。
#55
○政府委員(川出千速君) 現在予定しておりますのは探鉱融資事業団法案でございます。これはすでに国会に提出してございます。まだ提案理由の説明に至っていない段階でございます。それからこれはまだ省内で検討中でございますけれども、重要鉱山物の需給安定法と申しますか、安定法を今準備をしておるわけでありますが、これにつきましては、いろいろ問題点がございますので、まだ結論に達していないわけでございます。鉱山に関係するのはその二つでございますが、なお、鉱業法の大幅な改正法案を今国会に提出する予定でございます。
#56
○阿部竹松君 次に、北海道開発庁の小島さんにお尋ねいたします。
 実は北海道地下資源開発株式会社という会社の設立当時、本法の目的は、北海道の地下資源の開発の助成に当たるのだということで、御承知のとおり、出発しておるわけです。しかし今そこでお聞きになってもわかるとおり、金属鉱業あるいは石炭鉱業等がいろいろと貿易の自由化なり、炭鉱の斜陽ということで問題になりまして、そのうちで金属鉱業の場合は、鉱山局長の今御答弁もお聞きになったと思いますが、一番問題は探鉱であると、こういうことになっておる。その探鉱に主たる力を注ぐ北海道地下資源開発株式会社が、現在どの程度のお力になっておるかということをお尋ねしたいわけです。
#57
○政府委員(小島要太郎君) ごく最近のデータを勘案いたしまして、三十七年度中の事業成果というものを推測いたしますると、大体三万メートルばかりの掘さくの成果を上げることと思われます。大体三十七年度の計画といたしまして、開発庁が通産省とともどもに検討いたしましたところの計画といたしまして、最近の情勢からいたしまして、なかなか事業の成果を急速に上げていくことがむずかしい状態でありますけれども、まあ若干の希望をも加えまして目標四万六千メートルという一応の目標を、これは努力目標とでも見るべきものではございますけれども、立てたわけでございます。しかしながら、それに対しまして三十七年度中達成する見込みは大体三万メートル程度と現在推定いたしております。
#58
○阿部竹松君 政府のお金と鉱山経営者のお金と両方でやっておるわけですね。そこで去年国会で問題になったことがある。五億か六億の会社で、昨年は一億六千万円も赤字を出しておるというので国会で大問題になった。今後よく気をつけますということだったのだが、今、三万メートルやって、今度は四万六千メートルという努力の目標だとおっしゃる。とにかく一億数千万円の赤字が問題になったけれども、鉱山の探鉱と製練所関係をやると明確に法律にうたっているにもかかわらず、土建屋のボーリングまでやっている。こういうことをやっておったのですが、どうして全精力を探鉱に注がないのですか、その理由。それから四万六千メートルという目標を掲げながら三万メートルということになると一万六千メートル、これが完成せぬのだが、むしろ今の答弁ですと、四万三千メートルはできないということを初めから想像しながら、これだけやらなければということで出発したかもしれませんが、四万六千メートル計画して四万メートルというならまだ話はわかりますが、三千メートルということになっては、一体この会社は何をやっているかということになるのです。
#59
○政府委員(小島要太郎君) もとより探鉱事業をやるための会社でございまして、それをやるために最大限の努力をいたしておるわけでございます。ただその試掘を依頼されまする程度が遺憾ながら期待ほどの試掘の依頼を事業会社から受けることができなかったというのが実態でございます。
#60
○阿部竹松君 石井さんが当時の北海道開発庁長官のときに発足して、それから三年か四年たって、去年増資した。政府が金を出して、そのとき、こんな五億数千万円の会社が一億六千万円も赤字を出すなんてとんでもないということで問題になったときに、これを増資するということだから今後これを改めるとともに、注文が多くても、増資することによって注文を十分受けられるから今度は大丈夫ですというお話であったのです、国会答弁が。前国会ですよ。そして今ここで承るとどうも御注文が足らないような御答弁に聞えるわけです。ですから、きょう突然お尋ねすることになったので、十分資料をお持ちになっておらぬし、やはり御答弁をやりにくかろうと思いますので、私この次にお尋ねしますが、一昨年から、あるいは出発当初のいきさつ、これ全部お調べになってみて下さい。あなたの答弁と全部逆です。そこだけでOKというものじゃないでしょう。ですから、とにかく石炭にもてこ入れいたします、金属鉱業にもてこ入れいたします、そして何カ年年賦かなんかでボーリング代を償還して経理をまかなうのだ、こういうことなんで、ですから、私突然聞いたので御答弁がやりにくいのだと思いますから、委員長、私はこれで質問を打ち切りますが、次回はひとつ大臣の御出席を願ってお尋ねするわけですが、もう一度十分検討してお答え願いたいと思うわけです。
#61
○政府委員(小島要太郎君) 仰せのとおりよく検討いたしましてお答えいたします。
#62
○委員長(赤間文三君) 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめ、本日はこれをもって散会いたします。
   午後、零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト