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1962/03/29 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第19号
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1962/03/29 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第19号

#1
第043回国会 商工委員会 第19号
昭和三十八年三月二十九日(金曜日)
   午後一時三十六分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     赤間 文三君
   理事
           上原 正吉君
           岸田 幸雄君
           近藤 信一君
           向井 長年君
   委員
           川上 為治君
           古池 信三君
           豊田 雅孝君
           吉武 恵市君
           阿部 竹松君
           久保  等君
           椿  繁夫君
           奥 むめお君
  国務大臣
   通商産業大臣  福田  一君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       上林 忠次君
   中小企業庁長官 樋詰 誠明君
   中小企業庁振興
   部長      加藤 悌次君
   中小企業庁指導
   部長      影山 衛司君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業振興資金等助成法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○中小企業近代化促進法案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案及び中小企業近代化促進法案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○阿部竹松君 前回の委員会におきましてもこの審議しております二法のお尋ねをしたわけですが、特にきのうは促進法の質疑を中心にしてやったわけですが、きょうはもう一本の対象になっておる法案についてお尋ねするわけですが、その前に樋詰さんにお尋ねしたいことは、二つの法案が、中身はそれぞれ別個ですが、しかし目的とせんとするところはほとんど変わりないわけで――てこ入れする方法はもちろん違いますがね。そうしますと、中小企業関係の法案は私どもが記憶できないほど数多い。ですから、これは一本化してお出しになったらどうかという気持がするんですが、その点はいかがですか。
#4
○政府委員(樋詰誠明君) 業種別振興法を発展的に解消の方向に持っていっております近代化促進法の関係、これは中小企業の中でも、中小企業性が特に強いものであって、しかも内外の経済情勢から見まして早急に近代化の必要があるというものを政令で指定いたしまして、資金あるいは税制という面で特別のバック・アップをしようというものでございますが、助成法のほうは、これは必ずしもそういうふうに非常に限定された業種を対象とするものでございませんで、もう少し幅広く中小企業むしろ一般にわたって、普通の方法では資金の調達が困難であるというものに対しまして二分の一政府並びに県におきまして資金を貸し付けて上げると、それによってほかの金融機関からも引き出すという役目をさせるというものでございまして、もちろん促進法で規定されましたものもこの助成法の適用は受けます。しかし、助成法の適用を受けたものの中の、ほんの一部だけが、促進法の適用を受けるということで、大きな中の一部だけが促進法で取り上げられて、あなたは早急に体質改善をしないと国民経済上も困るので、ひとつ、やって下さいというふうにお願いするわけでございます。重複する分については先生の御指摘するような点もあるかと思いますが、むしろ一般法と特別法というふうに御了解いただきたいと思うのでございます。
#5
○阿部竹松君 きのう、衆議院の商工委員長から定義の点の修正点の内容を承りましたが、結論的には長官からもあわせて答弁があったとおり、基本法ができてから定義を明確にするというお話でございましたが、この法案も同じように考えていいわけですか。
#6
○政府委員(樋詰誠明君) おっしゃるとおりでございます。
#7
○阿部竹松君 それから県ですね。それぞれ地方都道府県との事業関係はどういうことになりますか。指導とかいろいろやりますね。
#8
○政府委員(樋詰誠明君) 県に対しましては、一応現行の、現在の振興資金等助成法、これに十二条という規定がございまして、都道府県が政府から出されました、従来であれば補助金の格好でよかったわけでありますが、今後は補助金のものと貸付と二つございます。その金を使って、自分の県の金と合わせて、貸付をやるという、事業を営みます際には、あらかじめ通産大臣の定めた基準に従って、事業計画を作成するということになっております。通産大臣は、この基準というものを、国の政策、意図が一応府県に徹底するという配慮を持って、この基準を定めているわけであります。今後とも、県が実際の貸付を行なうというに際しましては、本来の目的にかなった貸し出しが行なわれるようにという方法で指導していきたいと思っております。
#9
○阿部竹松君 その資金助成法で助成をやる場合、何か重点項目とか何とかあるのですか、そういうものはございませんか。
#10
○政府委員(樋詰誠明君) 現在設備近代化補助金それから個々の企業に対する補助をやっております。これは三十八年度につきましては百六十六、業種別振興法は六十六ございますが、資金の貸付を受けるほうの対象は一応百六十六というふうに、ほとんど、すべての中小企業を網羅するという格好で、それぞれ県内で事情も違いますので、県がむしろ県内の産業振興という立場から百六十六の中から、適当なものを選んで貸し付けるということになっております。
#11
○阿部竹松君 そうしますと、近代化資金補助制度のほかに、高度化資金ということで貸付制度を設ける、その理由はどういうところをねらっているのですか。
#12
○政府委員(樋詰誠明君) 個々の企業者というものは、これはどの県にも一様におられるわけでございまして、自分が独立していろいろ仕事をしたいとおっしゃる方は、これは毎年々々尽きないだろうと思います。ところが一番典型的な団地の計画というようなものは、これは必ずしも、毎年々々、すべての県にあるものではございません。同業者が二十人以上集まって、そうして、大いに共同施設を活用して能率を上げようということで計画を立てるわけでございまして、ある年はあるけれども、その翌年はそういう計画は出ないということもあり得るわけでございます。従来の方法で参りますと、一応三年ないし、五年たちますと、業者からみんな県に金が返ってくるわけでございますが、返ってきた年に、当該県で新しい団地計画がないといった場合にも、県にその金がとどまっているという格好になりますが、むしろ、われわれといたしましては、そういう当該県にすぐに貸し付ける対象がその年にないというのであれば、それは一度国にまで返していただいて、そうして今度は国全体の立場から見ますと、その年に当該県にはなくても、隣りの県に団地の計画があるということもあるかと存じますので、国家的な全体の見地から見て資金を効率的に活用するという意味で、普通の補助金として県にやりっぱなすというもののほかに、県に対する貸付金として予定が済めば、一応国から県に返していただく。そういう格好をとる。もし当該県にその予定、まだ計画があるならば、それをまたすぐその県にお返しする。しかし、一応は格好は返してまた借りたという格好になるものでございますが、全体の立場から効率的に資金を活用したいということで補助金と貸付と分けたわけでございます。
#13
○阿部竹松君 続いてお尋ねしたいのですが、まあ助成対象の拡大と国のあれですね、助成は特に今後の資金の充実をはかる云々というような、そうしますと、この大体どれくらいの予算なものか、その点をお聞きしたいのと、もう一つ償還を政令でお定めになるということですね。そうしますと、政令もできておるか、あるいは案があるかどうかわかりませんけれども、できておらない、案がないということですと別ですけれども、もしできておればその貸付金の償還の方法、どういう中身で政令をおきめになるかということをお聞きしたい。
#14
○政府委員(樋詰誠明君) この償還の方法を政令で定めますのは、国から県に貸し付けた、県から国に返す場合の償還の方法でございますので、政令でわれわれはいいんじゃないかと思っておりますが、大体その内容といたしましては、貸付を受けた業者から県に返ってきた場合。いつそれを国に返さなければならないのか、償還の時期と償還の方法、それから償還の金額、そういったようなものを政令で定めたいと思っております。
#15
○阿部竹松君 金額は幾らですか。
#16
○政府委員(樋詰誠明君) 予算のほうは、これは個々の企業者に貸しつけますものが今年度四十一億、それが県から四十一億出まして、回収金の三十四億と合わして合計百十六億として県から貸し出される。それから高度化基金のほうは二十三億百万円でございまして、これは県から出る分と回収金と合わせまして、五十二億円の貸し出しが県から行なわれるということになるわけでございます。
#17
○阿部竹松君 その額で、そうすると、貸付の対象とか貸付の方法は一切その県が責任をもってやるということで、通産省のほうは政令で県との間の問題だけおきめになる。こういうように理解してもよろしいわけですか。
#18
○政府委員(樋詰誠明君) 個々の企業に貸し付けますものについては、先ほど申し上げました一般の貸付事業の基準というものがございまして、それにのっとってやるようにということになっておりますが、いわゆる団地につきましては、政令でございますが、政令自体の中に八つばかりの項目をあげまして、いわゆる団地の資金として貸す場合には、その八つの条件に適合することということをやっておるわけでございます。その代表的なものは、たとえば組合、少なくとも二十人以上の人が集まって行なう団地であること。原則として同一業種あるいは非常に関連の強い業種というような方々が集まって共同施設を最も効果的に活用することができるものであること、それから団地の中に作る工場なりあるいは作業場なりというものの建物というようなものは、その用途に応じて十分に安全性を持ち、耐久性を持ったものでなければ、ただちゃちな建物を作って、作ったけれども、すぐつぶれるといったような不経済なことをやってはいげない、その他いろいろ道路の幅員の問題でありますとか共同施設の問題、構築物あるいは住宅等に対する配置が適正であるかといったような、いろいろな条件を定めておりまして、これに従って県をして実際の衝に当たらしめます。
#19
○阿部竹松君 政府は別に中小企業高度化資金融通特別会計法という法律を出していますね。この法案との関係とこの運営はどういうように行なわれるのですか。
#20
○政府委員(樋詰誠明君) 別途大蔵委員会のほうで昨日御可決願いました今の高度化資金融通特別会計法、それはここで御審議いただいております高度化資金という制度が新しくこの法律でこれから設けられるわけでございます。三十八年度からその高度化資金が設けられますと、県に一度貸した金が将来県から国に返されてくるわけでございます。そこで返された金は黙っていれば、一般会計にみんな吸い上げられてしまいまして、中小企業向けにもらおうと思うと、またあらためて新たな予算の組み方をしなければならない。それよりもむしろ県から国に返ってきたものは当然中小企業向けに使える金だということで、それは中小企業用として自己回転させよう、そうして毎年片々新たに政府からそれに追加して新しい仕事をしていただくということがいいんじゃないか。これを特別会計を設けないでおきますと、この御審議いただいております法律によりまして、県から国に金が返ってきて、それが全部一般会計に吸い上げられて、中小企業者のほうにそれを回してもらえるかどうかの保証がなくなりますので、それを必ず中小企業向けに確保するという意味で、特別会計を作っていただいたわけでございます。ですから、この法律の結局裏づけを、資金の出し入れと申しますか、国と県との間の貸付あるいは償還というものの事務を円滑ならしめるために特別会計をおく、また、その会計のいろいろな操作を規定したわけでございます。
#21
○阿部竹松君 そうしますと、都道府県が作成する中小企業の高度化資金融通貸付事業計画というものを、都道府が作られるのでしょうが、それはあなたのほうで基準を示されるのですか。それとも都道府県が独自の立場で貸付事業計画をお立てになるものか、その点をひとつお伺いいたします。
#22
○政府委員(樋詰誠明君) 各県に共通する基準は、これは通産大臣がきめるわけでございますが、その基準にのっとって、じゃ県内のどういう産業を重点的にことし貸そうか、どういう業種から取り上げていこうかというようなことにつきましては、これは一応県のほうにおまかせしてございます。
#23
○阿部竹松君 きのうも承りましたが、国の貸付金及び県の中小企業に対する貸付金は無利子、その無利子の意味もわかるような気もしますが、ひとつ明確にこういうことで無利子であるということをひとつお尋ねしておきたい。
#24
○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業者にとりまして一番切実に考えられます設備の近代化、それを実施しようという際にも、先立つものは金なわけでございますが、中小企業者、特に百人以下の規模の小さな方ということになればなるほど、自己資金の調達もむずかしゅうございますし、銀行からも借り得ないわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたかと思いますが、個々の業者に対する実績は、四十九人以下というところに企業数で七三%、金額で六割以上、百人以下で大体金額にしても九割こえるというところまでいっているわけでございまして、それはどちらかというと、規模の小さな企業者というものにほんとうに必要な資金を貸してあげたい。ところが、これで半分無利子の金を調達いたしましても、残りの半分はまたほかから借りてこなければならないわけでございます。かりに一般の金融機関等から一割で借りてくるということになりましても、半分がただで半分が一割ということでございますから、全部所要資金全額を通じますと五%ということになりますし、実際問題としていろいろもっと金利の高いところから金を借りざるを得ないというような面がいろいろございますので、そういう点を考えますと、早急に近代化を必要とする中小企業者に対して、できるだけ金利負担を少なくしてあげるということによって設備の近代化を促進したいということと、もう一つ一番大きいのは、無利子の金を県が出したということで、ほかの金融機関がそれでは自分のほうもまた半分めんどうみましょうという誘い水的な役割を果たしたいということで無利子にしているわけでございます。
#25
○阿部竹松君 そうしますると、中小企業に対する都道府県の貸付金額に限度があると思うのですね。限度があれば、大体その限度は何千何百万円か、それから貸付の種類ごとに、ちょっと複雑になるかもしれませんが、できれば説明していただきたいと思うのですがね。
#26
○政府委員(樋詰誠明君) 一応貸付の限度と申しますのは、これはその当該設備に対する所要額の二分の一というのを限度といたしております。
 あとのほうをちょっと……。
#27
○阿部竹松君 種類ですね。
#28
○政府委員(樋詰誠明君) それから機械の種類、これはもう非常にたくざんございまして、何業のどういう設備ということで、これは毎年々々告示で公表しているわけでございまして、これは品種にいたしますと、それこそ何百というものであるわけであります。たとえば一例を申し上げますと、機械金属工業の中でも、鋳物製造業といったようなものを取り上げますと、鋳物製造業の際にも、いわば鋳物に使う砂でございますが、砂の処理機、あるいは鋳物の形を作る造形機とか、あるいは型を乾燥させる炉だとか、いろいろなものがあるわけでございます。ただ、そういう砂の処理機とかあるいは造形機といったようなものにいたしましても、非常に旧態依然たる古いものを安いからといって備えつけたのでは、これはほんとうの近代化の意味にもなりませんので、どうせ備えつけられるならば、たとえば砂の処理機にいたしましても、電動機に直結したものに限る。どうせこれからおやりになるならば手で何か砂を無理やりやるということでなしに、もう少し進んだ能率の上がるような機械を備えつけなさい、それならば二分の一お貸ししますという格好で、これは業種によりまして対象設備をいろいろきめているわけでございます。乾燥炉にいたしましても、温度調整が可能な乾燥炉ということでないとかえって失敗いたしますので、ただ炉を作ったから金を貸してくれろということではなしに、鋳物に必要な乾燥炉は温度の調整が可能だという設備、それを作りたいという場合には半分お貸ししましょうということで、全部の産業につきまして、それぞれ中小企業が備えることによって、将来その企業が強くなるのに役立つと認められるような設備を指定しているわけでございます。
#29
○阿部竹松君 次に、工場等の集団化にかかわる貸付金についてお尋ねしたいわけですが、きのうも豊田委員が触れられておったような気がしますが、団地などは昭和三十八年度に新規に助成の対象になる、こういうわけですが、ただ助成の対象になるということを新たに明記しただけで、予定個所というものはまだありませんか。もし計画の中にあればお示し願いたいと思います。
#30
○政府委員(樋詰誠明君) 三十八年度から新規に設けられます団地は、卸商業の団地でございます。工場団地は三十六年度から認めていただいて、三十六年度が十、三十七年が二十ということで、三十八年度は二十五やっていただきたいと思っております。大体全国から三十七、八の団地の御希望が一応非公式に表明されているわけでございますが、これからこれをおきめいただきましたら、それに基きまして、正式の県からのヒヤリングをいたしまして、二十五工業について選びたい、こう思っておりますが、二十五でございますので、相当多数の県に、これはどういいますか、希望が三十七、八カ所でございますから、相当多数の県から出ているわけで、それにつきましては、内審査等は現在までもいたしておりますので、この法律がきまったところで正式にヒヤリングをして、重要と思われるものから指定していきたいと考えております。
 なお、卸業につきましては、これは二つの問題がございまして、小売商業の店舗のいわゆる商店街の中に卸商がぼつんぽつんとあるために、商店街の発展を妨げている。また、卸商としても、その繁華街の中にあるために、昔のように荷物の量も少なくて、トラックも小型で済んだときはよかったんですが、最近のように、大量生産で品物をはかなければいかぬということになりますと、自分の店もそういう小売の狭いところでは不便ですし、ほかにも迷惑をかけるといったようなことで、ほかに移転することによって自分自身の将来も、もっとスムースにいくようにやりたいということで、ぽつんぽつんと散在している卸商たちが一緒になりまして、たとえば共同倉庫でも作ることによって能率をあげようじゃないかというようなことがあるわけでございますが、これらについても、どこということはきまっておりませんが、大阪といったような大都会のほかに、案外地方都市が、富山とかあるいは高崎、あるいは金沢といったような地方都市で、自分のほうは非常に卸商が困っているからといったような御意見を伺っている県もございますが、しかし、まだ正式にはヒヤリングはこれからでございますので、いずれこの法律案を通していただきましたところで指定していきたいと思います。
#31
○阿部竹松君 そうしますと、今御答弁のとおり、大ざっぱな御答弁で、結論的には法案が通ってからヒヤリングをやって御決定なさる、こういうことですから了といたしまして、今の御答弁だけで判断しても三十七、八が大体内容を示している、申し入れの。しかし、長官のほうでお考えになっておる二十五ということになると、すでに十幾つかがはねられるということになります。それからもう一つ貸付の限度が低いということもありますので、なかなか団地の、ほかもそうでしょうが、集団化が進まぬというような懸念はありませんか。
#32
○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど三十七、八と申し上げましたが、これは一応バスに乗りおくれまいということで、ただ自分のためにこういう団地計画があるのだということで名乗りを上げたというにとどまるところがあるわけでございまして、たまたまそういう県の担当官あたりからいろいろお話を伺っておりますと、ことしはとても無理だと思うので、三十八年度一ぱいくらいかかって十分に基礎を固めたいと思うので、三十九年度にはひとつどうぞよろしくお願いしますといった経過も相当あるのでございまして、二十五という数は、だんだんそういうふうに具体的に話を進めていきますと、そういう無理なしぼり方をしなくても、大かたの御要望には沿い得るのじゃないか、ほかの方々はむしろそれじゃだれとだれが集まるのかということについては、ばく然としてはっきりしていないということから、この一年間に基礎を固めるということをされると思います。何しろ他人同士が共同してやろうということでございますので、やはりそれまでには相当の準備期間等も要ると思われまして、一応二十五でいいのじゃないか。
 それから団地がはたしてうまくいくかどうかということでございますが、これは今申し上げました、今まで共同していなかった人たちが共同施設を利用するというようなことを中心にいたしますので、いろいろむずかしいと思われる面もございますが、今までの指定いたしました三十団地につきまして、一、二どうも当初の予定に比べてそれほどうまくいっていないと思われるものがないでもございませんが、大体においては所期の効果を上げる方向に向かっているものと考えております。
#33
○阿部竹松君 企業の合併とか共同出資等を対象としてこの資金を出すということは、この法の改正によって初めてできることですから、今までに例というものはないのでお伺いすることができませんけれども、大体どのようなことが貸付対象になるかということと、合併した一つの件数、これに予定されておる平均の都道府県の大体貸付金額というものはどのくらいなんですか。それとも業種によってあるいは規模によって違うわけですから、各個ばらばらなものが一つの目安を持っておるものか、その点をお尋ねいたします。
#34
○政府委員(樋詰誠明君) まだ最終的にきまったわけではございません。工場等が合併する、そういう際に助成金を、助成的な無利子の金を貸し付けるということは、これは今回新たにお認めいただきたいと思っておる制度でございます。なお、どの程度の金を貸すかということでございますが、大体のところ各県等の意向を聞いてみますと、一件平均一千万程度といったようなものを県から貸し出すというようなことになるのではなかろうかと思っております。
#35
○阿部竹松君 そうしますと、中小商業者の共同化による共同スーパー・マーケットのようなものも、これはできてくるわけですが、そういうようなものの助成はどう考えておりますか。
#36
○政府委員(樋詰誠明君) 共同スーパー・マーケットということになりますと、規模にもよりますけれども、大体かりに百坪程度の店をやるということにいたしますと、建屋とか、いろいろなカウンターだとか、レジスターの機械だとかいうようなもので、大ざっぱにいって坪十四万円ぐらい、そうなりますと、百坪で千四百万円くらい金がかかるわけでございます。この千四百万円のうち約半分をこれで貸し出すということになりますと、七百万円程度が共同スーパー・マーケットの場合には、一つのスーパー・マーケットに対して貸し出されるということになろうかと思っております。
#37
○阿部竹松君 スーパー・マーケットですが、今までいろいろ中小企業の協業化によらぬスーパー・マーケットが、ときどき当委員会で論議されておる。そのスーパー・マーケットと中小商業者の、今お尋ねしたところの協業化によるところのスーパー・マーケットの規制ということはなかなか無理であろうと思いますが、その付近の関係はどうお考えになっておりますか。
#38
○政府委員(樋詰誠明君) 先生のおっしゃいますとおり、非常に調整はむずかしいわけでございます。われわれといたしましては、スーパー・マーケットというものは、最近の新しい時代の要請に沿って生まれてきたというふうな面も多々ある。とにかく規格品を販売するという面では、これはセルフ・サービスで、コストも一番安くつくといった面もございますので、これは時代の流れの一つであろうと、こう存じております。そこでわれわれといたしましては、小売商たちが寄り集まってスーパー・マーケットを作るということは、たった今、先ほど申し上げましたように、大いに奨励しておるわけでございますが、それもどんどん大きくなっていくと、寄り集まった結果、大企業だという実態を備えることもあるわけでございます。そこで、スーパー・マーケット自体の規制というもの、非常にやかましくいいますと、片一方で協業をしてとにかく大きくなりなさいと言っておきながら、一方では少し大きくなるとお前は取り締まるぞといった自家撞着の面が出てきますので、その間をどうすべきかということについては、今産業合理化審議会の流通部会というところで昨年の十二月からいろいろ御検討いただいております。その流通部会での検討を待ちまして、必要な商業に対する政府の態度の取り方をきめたいと、こう思っておりますが、小売商業の保護ということと消費者の利益の擁護というもののかね合いを、いったいどこの点に持っていくかという非常にむずかしい問題がございますので、もちろんいわゆる大資本がいきなり出てきて、中小企業の生計を圧迫するというようなことは、できるだけ避けていただきたいと、こう思っておりますが、今申し上げました消費者の利便も考えなければならない、むしろそれが第一じゃないかといったような面等もございますので、非常に目に余るような弊害が出てくるとおそれられる際には、これは行政指導で、その大企業自体に対して遠慮するようにということを強力に働きかけたい、こう思っておりますが、全般的にスーパー・マーケット自体を規制するのかしないのかということになりますと、これはたとえばスーパー・マーケットというと、セルフ・サービスをしているものはみんなスーパー・マーケットで、ある程度規制をやると、一部対面販売をとっているというようなところは、私のとこちはそうじゃないので、スーパー・マーケットの適用はないのだといって言いのがれをしようとするところが出てきましょうし、半分以上はセルフ・サービスだということになりますと、四九%しか私のところはセルフ・サービスしておりませんといって逃げるところも出てくる。そういった、それじゃ大企業の商業者はみんないかぬのだということになりますと、現在百貨店法というのがあって、地方千五百平米、六大都市、今度七大都市ですが、三千平米以上は取り締まることになっておるものが、ぐっと単位を一つゼロを落したぐらいのところまでみんな取り締まるというふうなことになると、これはいろいろと憲法上の問題もございましょうし、また、消費者の利便の問題にももろにぶつかるというような問題もございますので、当面われわれが解決しなければならない、これは重要問題の一つであるという商業問題、こう思っておりますが、流通部会の結論が出るまで、もうしばらくそちらのほうに御検討いただいて、その上で善処したいというふうに考えております。
#39
○阿部竹松君 前回の委員会で長官に、近代化、合理化、高度化の三つの持つ意味についてお尋ねいたしました。大体三つの意味は同じような中身だったように理解しておったんですが、いずれにしても、三点についてお尋ねしたものですから、三点別個なような御答弁がなされている。そうしますと、この近代化というときに答弁なさった、あの項目だけしか当てはまらぬ、こういうことになるわけですか。それとも合理化というときに答弁した、あるいは高度化の場合に答弁した、それぞれの企業業種、こういうものの行為についても当てはまるわけですか。
#40
○政府委員(樋詰誠明君) 昨日も申し上げたと思いますが、結局中小企業についていろいろ従来は振興といい、今度は近代化といい、中に高度化という言葉があり、あるいは俗に合理化というような言葉が使われる。いろいろな言葉を使われているわけでございます。しかし、これは結局は、この意味する大体のところは、いずれもそう大差はない、こう思うわけでございますが、特にわれわれがここで近代化という言葉を使っておりますのは、多分に中小企業には前近代的な要素があって、それが生産性の向上を妨げているというふうに思われますので、その前近代的なものを払拭いたしまして、近代的な内容のものに、心身ともに改めようという意味では、これは近代化という言葉が一番ふさわしいんではなかろうかというふうに解釈したわけでございます。それで結局、近代化というものは、企業自体を今のような現実の経済情勢にふさわしいものに改めるということを目的とするものでございまして、高度化というのは、これは近代化を促進するための手段的な概念、高度化された結果、高度化によって中小企業は近代化される。片一方はその手段方法をさし、片一方はそれによって到達されたところの中小企業の姿といったようなものをさすということでございまして、この高度化の中には、一番中小企業の問題でございます零細性を解消するために、共同していろいろ仕事をするのだ、そのためには企業の合併もございましょう、協同組合の結成もございましょうし、あるいは小売商業形態、それが一番これはもうおくれておりますので、それを今いろいろお話の出ましたスーパー・マーケットあるいは寄り合い百貨店というような格好で経営形態を近代化するということもあろうかと思います。また、適正規模を確保することによって初めて能率的な生産も行なえるということから、規模の適正化ということもあるというふうに、手段にはいろいろの態様がございますが、大体われわれは五つばかりのものをあげて、それを基本法体系の法律の中では高度化とさしていますが、それらの手段を駆使してできた結果、中小企業は古いからから抜け出して新しい時代にふさわしいものになる、いわゆる近代化されるということになる、そういうふうに了解いたしまして、この言葉を使い分けておるわけでございます。
#41
○阿部竹松君 合理化と近代化と高度化の三点についてお尋ねしたわけですが、これはこの法が実施されるにあたって、この該当する業種になるかどうかということが中小企業にとって、これはやはり問題になろうかと思うのでお尋ねしたわけですが、どうも近代化というものの中身と高度化というものの中身と合理化というものの中身ですね、長官の答弁では、わかっているのは長官だけで、私はよく理解できないのですが、樋詰長官ほどたんのうな答弁の上手な人がわからぬようになるということは、結論的にいえば、全くあまり変わっていないということになろうかと思いますが、この法案はきょうで採決するそうですから次に進みますが。
 最後にお尋ねしたいことは、きのうもお尋ねいたしました審議会ですね、それで、審議会でいろいろ審議をされるそうですが、業種を設定する場合に、中小企業当局といいましょうか、あるいは通産当局といいましょうか、そこで具体的に設定したことを審議会にお諮りになる、こういう御答弁がございました。そこで私は、きのうお聞きしてからいろいろと自分で考えてみたのですが、もう省で決定して審議会に諮るということになれば、審議会の意味がないではないか。したがって、当局で原案を作って審議会にかけて、そうして決定するというのが、審議会の持つ意味から、あるいは民主的にやるという意味からして、そのほうが妥当でないかと思うのです。もう当局でおきめになったのを、審議会は四十名以内という法の内容ですから、三十五名になるか三十六名になるかわかりませんけれども、四十名以内の方々が集まって審議しても、あなたのほうでおきめになって審議会にかけるということは、もう審議会でなくて諮問機関で、参考までに御意見を承りましょうと、こういうことになるわけですから、中小企業の代表が入っても消費者の代表が入っても、これは審議会があるというだけで、かえって責任の転嫁のみ審議会が受けて、実際の実権は当局でにぎられておるということになりますので、この点だけは別に法律の改正も何も必要ございませんから、初めからその審議会にかけて一応議論をしていただいて、その後に省でおきめになるというような方法を、若干きのうの樋詰長官の御答弁とは違うわけですが、審議会を活用するという意味において、そういうような方法を講じていただけぬかどうか、これは質問でなくて要請になるわけですが、そうしなければ、くどいようですが消費者の代表とかあるいは学識経験者、あるいはきのう御答弁のあった四種か五種の方々にお集まり願って、単なる諮問機関で、ああそうですか、あとでいろいろと言うてみたところで、決定権は省にあるのですから、どうにもならぬということになるわけですから、そのあたりの運用の妙を得て、審議会の活用を期するというわけにはいかぬものかどうかということを、最後に要請と質問になるかもしれませんが、お尋ねして、私の質問を終わります。
#42
○政府委員(樋詰誠明君) 審議会にかける業種の選定は、これは一応法律上は主務大臣がきめるということになっております。ただ従来の業種別振興法におきましても、一応そういう格好になっておるわけでございますが、実際の運用は、審議会の方々の御意見を伺って、この次はどの業種を取り上げようかということを御意見伺って、それを役所がきめるということになっておりますので、今回も大体規定の際にもできるだけ審議会の意見を伺った上で業種をきめたい、それからその業種がきまりましたあと、それではどういう計画を立てるか、近代化の目標というものをどこに置くかというようなことになりますと、これは当然法律によりまして審議会にはかってきめなければならないということになりますので、われわれといたしましては、それをもってかくれみのに使おうといったような意図は毛頭ございませんので、今先生のおっしゃいましたような御趣旨に沿って初めから運用もし、有終の美をあげたい、こう思っております。
 それからなお、先ほども非常に説明がわかりにくいようでおしかりを受けたのでございますが、高度化、近代化、合理化といろいろ言っておりますが、近代化と合理化ということは、これはもう正直なところ内容は同じでございます。もう古いものを捨てて今の時代に最もふさわしい内容のものに変えると、それをもし合理化というなら合理化でもいいのでございますが、合理化という言葉はややもすると何かいろいろ切り捨てだとか、企業整備だとかいったような観念を連想されるというような方々もいろいろおられますので、そうじゃなくて、われわれが前向きに、非常に時代が変わっている際、なるべく中小企業自身の体質を合理的なものにするという気持を歴史の流れというものに合わせて表現するということになれば、近代化という言葉のほうがいいじゃないかということで、近代化という言葉を使ったわけでございまして、これは合理化で悪いかというと、合理化で悪いわけではもちろんございません。ただそういう新しいいろいろな施策というようなものも今回講ぜられることになりましたので、新しい酒は新しい皮袋に盛らるべきであるというようなたとえもございますので、この際、われわれ自身も今まで以上に中小企業の振興助成ということには努力したいということで、新しい言葉を使うことによって、役所自体の気持も心機一転いたしまして、中小企業行政にさらに邁進したい、そういう決意の表明もこの言葉の中に含まれているというふうに御理解いただきたいと思います。
#43
○阿部竹松君 やめるつもりでしたが、そう言われるとまた反論しなければなりませんが、きょうはどうも、私は午前中予算委員会に出ていて篠田自治大臣にけんかを売られて、また樋詰長官が開き直るわけですが、しからば近代化といって、そのものが前近代的のものを近代化に直す、前近代的なものは程度が低いから、今度高度化するということは、これはなるほど言葉が違うけれども同じですよ。きのうのあなたの答弁は食い違っております。しかし中身は同じですよ。確かに違うように表現しておられる。熱意のほどはわかるけれども、あまりこじつけぬほうがよろしい。僕もやめるからあなたもやめて下さい。あなたに言われるともう一ぺんやらなければならぬ。するときょうの採決にじゃまになりますからもうやりませんが、午前中からどうもきょうの政府委員は高姿勢で、予算も上がることだし、とたんに開き直ってきますが、よく速記録を読んで下さい。あなたの答弁の三つのうち、合理、近代、高度、全然意味が違うかどうかということをよくひとつ検討してみて下さい。もうこれ以上言いませんし、答弁も要りません。
#44
○近藤信一君 先ほど阿部さんからも質問しておったんですが、協業によるスーパー・マーケットの問題ですが、先ほど長官も言っておられますように、ちゃちなものではだめだというようなことを先ほどちょっと言われたのですが、そういたしますと、大体百坪ということは、これは例として言われたわけですが、この建坪の基準というふうなものを――そういうふうなものがあるのですか、これ以上のものには貸すとか、これ以下のものには貸せないとか、こういうような基準を設けてあるのですか。
#45
○政府委員(樋詰誠明君) まだ今政令の準備をしているところで、はっきりきまったわけではございませんが、少なくとも共同してこれからやられようという以上は、まず下限二百平方メートル、坪にしまして、大体七十坪以上のものでなければ、せっかく寄り集まってやるといっても、あまり効果がないんじゃないかというふうに考えておりまして、大体先ほど申し上げました百坪というようなところが一つの標準になるのではなかろうかと思っておりますが、では、上限をどこまで持っていくかということにつきましては、もう少し検討させていただきたいと思っております。
#46
○近藤信一君 最低七十坪くらいだと、上のほうの問題については十分考えてやると――大よその見通し、あんまりでかいものでもあなたのほうでは困ると思うが、その点はどうですか。
#47
○政府委員(樋詰誠明君) デパートが御承知のように地方に行きますと、五百坪というところで制限されているわけでございます。それとのつり合い等を考えますと、スーパー・マーケットの場合に二百坪をこえるというのは、むしろ大き過ぎるんじゃないか、大体七十坪から二百坪程度くらいじゃないかということを思っておりますが、さらに正式決定はもう少し検討した上でやりたい、大体今の感じは二百坪くらいまでじゃなかろうかというふうに思っております。
#48
○近藤信一君 スーパー・マーケットの場合は、二百坪くらいでいいとして、今度は製造工場とか、これはもう中小企業の協同組合、こういう関係も入るわけですが、この共同施設等の問題、そうすると、二百坪やそこらではこれはだめな場合があると僕は思うが、そういう点はどうですか。
#49
○政府委員(樋詰誠明君) 工場はこれは業種々々でいろいろ適正規模も違うわけでございます。そこで工場につきましては、画一的にこれは最低このくらい、最高このくらいというわけにはいきませんので、ただ業種の実態に応じまして、ほんとうにこういう資金を貸し付けなければならないという必要のある方には、お貸しするというふうに運用していきたいと思います。
#50
○近藤信一君 今回の改正の一番の特色は、従来の振興資金と高度化資金と、それから設備近代化資金に分けられたところにあると私は思う。この二つの資金はそれぞれ先ほどから発言がありましたように、違った貸付の対象を持っておるわけなんです。国の都道府県への助成の仕方も高度化資金については単なるこの方は融資、それから貸付――融資と貸付、近代化の資金は補助金ですね。こういうふうに違っているのですね、内容は、貸付のほうも、それから補助金のほうも。
 そうすると、今度は中小企業の立場から考えますと、高度化資金と設備近代化資金と、こういう両方に区別して借りさえずれば同じことであるからというふうな考えも実はあると私は思うのだけれども、やはり両方ともこれは無利子で、償還期間、貸付金の限度、こういう点がそれぞれ同じようなことになるのですが、で、利子が違うとか、この償還期間が違うとか、こういうことでなければ区別する意味はないと私は思うが、ただ都道府県に一定の金額を与えて無理にワクを作る、こういうことではなく、やはり資金の需要の方向に沿って弾力的な運用をさせたほうが現実的なことではないかと私は思うのです。こういう二つの資金を分けられたのは、一体財政的限度のためにも全部補助金で交付することができない、こういうことであるんだろうと思うんですが、この点はどうですか。
#51
○政府委員(樋詰誠明君) 確かにこの資金を借りるほうから見ますと、高度化資金を借りようが、設備近代化資金を借りようが、これは全然同じで、両方とも無利子で借りられるというわけでございます。ただわれわれは、この二つを分けましたのは、借主から見れば同じでございますが、国と県との間におきましては、一応個々の企業者に貸し付ける。設備近代化資金のほうは、これはどこの県にも必ず中小企業がおられて、そしてその中小企業は絶えず設備の近代化というものをしたいということを考えておられるわけでございますので、これはその県が、もう自分は県として設備の近代化資金を県の金まで出して無利利子で貸し付けることをやめたというまでは、これは必ず需要が県内にあるんでございましょうから、この資金は県にとどめておくほうがいいということで、これは補助金という形をとっておりますが、これも将来かりにある県が、もう自分の県の中小企業者全部が設備が近代化されてしまって、国の補助金も要りません、それから県でも県費を出すつもりはないのですということになって、いわゆる設備近代化の貸付制度ということをやめるということになりました場合には、一応これを返していただくということになるわけでございますが、ただこれは実際問題として永久に返らないで回転していくことになりますが……。もう一つの高度化資金のほうは借手からすれば今のと全然同じでございますけれども、県の側から見ますと、毎年々々団地を作るとか、あるいは協業するといったような方が同じ数だけあるかどうかということは、これはでこぼこがあってわからないわけでございます。そこで、かりに金が返ってきた年に、その県内に適当な事業計画がないということになれば、それはむしろ隣の県に回すほうがより効果的じゃないかということで、一度国に吸い上げてもっと必要度の高い県にお回しするということにしたいということで、これはもっぱら資金の効率的活用をはかるために国と県の間の形が補助金か貸付金かというだけでございまして、借手から見ると内容は全然同じでございます。
#52
○近藤信一君 二つに分けられたこと、これは都道府県の立場から考えてみますると、設備近代化のほうは国からの補助金としてもらえる、そして高度化のほうは国から融資してもらう、これだけ返さなくちゃならぬ金なんですが、大体こういう区別をして、区別として判定していることだと私は思うんですが、都道府県にとって補助金をもらえる設備近代化のほうが得だ、こう考える、それでそちらのほうに力を入れていくと、アンバランスが起こりますね、そういうおそれが私あると思うんですが、その点については政府はどういうように考えますか。
#53
○政府委員(樋詰誠明君) われわれ将来の方向といたしましては、もう数年現在程度の補助金を各県に交付いたしますならば、四十二、三年ごろになりますと、政府から一銭もかりに金が出なくても大体毎年二百五十億程度の貸付はできる、いわゆる自己回転で、そのぐらいの貸付はできるようになるはずでございます。そこでその程度までは国が補助をどんどん続けていくと思っておりますが、それから先、さらに拡大するかというようなことについては大いに検討をする必要があるんじゃないか、むしろこれからの考え方といたしましては、規模の小さいということに一番大きな悩みがあります中小企業者が力を合わせて大企業に対抗するということが必要でなかろうかということから、高度化資金をできるだけふやしていく、そうして協業というようなものに対して、資金援助をやりたい、そういうふうに考えております。
#54
○近藤信一君 この点は特に今度の改正に関係はないのですが、大体振興資金の貸付にあたっての国の助成というのは、非常に機械的な方法で行なわれてきたわけですが、つまり、従来国が与える補助金の額は第十一条によりまして、都道府県が貸付金の財源に充てるために、県の一般会計から特別会計に繰り入れる金額と同額以内、こういうことで、都道府県が中小企業のために多くの金を出せば、やはり国からの補助金も多い、こういう状態になっていたのですが、これは中小企業対策に熱意を持っている県のほうには、どうしてもたくさん補助金がいくということになるわけです。これは一応うなずけるのですが、これはやはり必要性と熱意、こういうことで、十分に間に合うと思うのですが、財政窮乏のために、中小企業への金を出せないという都道府県というものがあると思うのですが、こういう国からの助成を行なうことができないので、これは都道府県が金がないから出さないから国からいかぬわけなんですが、そうすると、貧乏県にはこれは全然補助金というものが流れていかぬということで、いつまでたっても、そこは依然として近代化ができない、こういう結果になるのではないか。地域差というものは、まただんだん大きくなっていくと、こういう欠陥があると思うのですが、私は機械的にこういう問題を考えるのではなくして、地方の財政状態、実際必要に迫られているところ、こういうことも十分考えていかなければならぬかと思うのですが、その点はどうですか。
#55
○政府委員(樋詰誠明君) 確かに過去の例をとってみますと、先生、今御指摘のように、非常に中小企業対策に熱をもって、しかも財政にも比較的余裕のあるという県に、比較的国の金も抱き合わせて出ているといったような例があったわけでございますが、この二、三年来、非常に地域格差の是正というというようなことが、各方面でやかましく叫ばれたというようなことも反映いたしまして、今のところ、後進県は非常に積極的に中小企業には金を出したいので、政府のほうでぜひ自分のところには来年度は自分のところに配分をもらいたいということになりつつあるわけでございまして、そこで最近の一、二年はこの配分にあたりましても、今まで配分の薄かった県というものには、できるだけこの際おくれを取り戻すというようなことで、厚く配分いたしたいという態度をとっておりまして、県が貧乏だからという点ももちろんございますが、中小企業向けに出す金といいますのは、そう何十億も出すというわけでもございません。国全体で今ここにございます四十一億と二十三億というようなものを幾つかに分けるわけでございますので、この程度のものに見合うものというものにつきましては、後進県のほうでも十分に県内でやり繰りができるということで、また現実に後進県が最近希望をたくさん表明しておりまして、われわれもできるだけそれに沿うように努力しておりますので、今後格差の是正というところに力を、重点を置きまして、先生の御心配のないような方向に持っていきたいと思います。
#56
○近藤信一君 大体日本の政治というものは、陳情政治と、こういわれておりまして、自分たちはよく視察に行って聞く言葉ですが、へんぴなところほど、どうも中央への陳情ができぬというくらい貧乏だし、できない。こういうところはいつまでたってもだから国の補助なんかが薄い。そういうことを私どもよく聞くわけなんです。だから、必要に迫られているところが置いてきぼりになって、どんどんと近代化していくものがますますよくなっていく。これはやはり同じ税金を納めている国民として矛盾しておるのじゃないか、こういうことをよく私も聞くわけなんですが、やはりそういう点、今、長官が説明されましたように、従来はそうだったが、今度はやるというお話でございますけれども、そういう点は私はそれをたちまち直すといっても、なかなかむずかしい問題だと思うのですが、そういう面に対する考え方はどうですか。
#57
○政府委員(樋詰誠明君) われわれといたしましは、各地に通産局があるわけでございますが、通産局をしてできるだけ管内各県の中小企業の実情というようなものを把握させまして、今まで国の金がどれだけ流れたかというようなことも、よくこちらから連絡すると同時に、通産局をして、管内の各県がアンバランスにならないようにということを、局を通じても指導し、それからまた直接にわれわれも、各県の方方が、いなかの方々が、一人々々の民間の方がおいでになることは、これは非常にむずかしいのでございますが、県庁の商工部長なりあるいは副知事なりという方はしょっちゅう出てこられ、あるいは知事さんもおいでになっておりますので、そういう場合にわれわれの考え方を申しまして、おくれた県はそういう際に取り戻すようにしっかりおやりになったらどうですかということをお伝えいたしまして、中小企業の全体のレベル・アップに努力するようにということを心がけておりますが、さらに今後そういう方向に沿って努力していきたいと思っております。
#58
○近藤信一君 今度の改正によりますと、都道府県が貸付を行なう場合に、借主に対しまして保証人を立てさせる、こういうことでございますし、また担保を提供せなければならない、そういうことになっておるのですが、こういう改正をあえてやるというのは、担保がなかったために不都合な事態が生じたので、こういうふうなことになったのかどうか。もしあったとすれば、そういう具体例をひとつお聞かせ願いたい。
#59
○政府委員(樋詰誠明君) 従来は、保証人はとっておったわけです、保証人だけであったわけです。ところが中小企業者の場合、これはむしろ物的の担保はあっても、自分のために保証してくれる人がいないといったような例がありまして、保証人を立てろといわれるよりも、自分は担保を持っているから、これを担保に金貸してくれんかといったような御希望が、今まで再々あったわけです。そこで今回の改正は、保証人か、担保か、どちらからでもいいということで、両方とるわけではございません。むしろ、今まで保証人になってくれる人がいないのだ、自分の家を担保にしても十分価値があるが、貸してくれんかどうかという方に対しては、お貸しできる道を開きたいということで、担保でもよろしいということにしたわけでございまして、必ず物的担保をとろうというわけではございません。
#60
○近藤信一君 今、長官の御説明でよくわかりましたが、担保も保証人も両方ということでなくて、保証人なり担保なり、どちらからでもいい、こういうことになるわけですが、そうすると、その場合、保証人の選定ということがまた重大な問題になってくると思うのです。
#61
○政府委員(樋詰誠明君) これは、特に保証人につきましては、貸しますのが県でございますので、そうやかましい、こういう人でなければいかんという条件はつけてないと思います。あるいは県によりましては、県に対する税金も納めていないというような人じゃ困るというようなことは言うかもわかりませんが、保証人につきましては、そう限定はいたしておらないはずでございます。
#62
○近藤信一君 振興資金等助成法の改正で、「等」という字が今度なくなったわけなんですが、中小企業近代化資金助成法というすっきりした名前になるわけですが、「等」がついているのにはそれ相応な理由があったと思うのです。これはたしか現行法の第十四条があって、これが資金助成と性格の違ったものであることが理由であったかと存じますが、この十四条は今度の改正でなくなるわけですが、それは別の法律の助成特別措置法の改正法でこれは削除する、こういうことですが、そのとおりですか。
#63
○政府委員(樋詰誠明君) おっしゃるとおりでございます。
#64
○近藤信一君 そういう改正について、私は今まで何も説明を聞かなかったのですが、もう少し親切にそういう点を明示していくべきじゃないかと私思うのですが、以上で私の質問を終わります。
#65
○政府委員(樋詰誠明君) たいへん失礼いたしました。
#66
○委員長(赤間文三君) ちょっと速記を中止して。
   〔速記中止〕
#67
○委員長(赤間文三君) それでは速記を始めて下さい。
 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。
 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
 なお、討論は両案を一括をしてお願いをいたします。
#69
○近藤信一君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となっておりまする両案に賛成する者であります。
 わが国の経済において、中小企業がきわめて重要な地位を占めていることは、あらためていうまでもないことでありますが、今後、貿易の本格的な自由化を控えて、わが国経済が飛躍的な脱皮をはからなければならないという事情を考えますと、中小企業対策として、ますます多くのことが講ぜられねばならないと思うのであります。
 この二法案は、一定の計画のもとに、中小企業の近代化を促進する、あるいは近代化のために資金的助成を拡充するという趣旨でありまして、必ずしも十分の措置とはいえませんけれども、今後、充実されるべき中小企業対策の一環として、適切な措置であろうと考える次第であります。
 ただ、私は同僚委員の賛同を得て、近代化促進法案に附帯決議をつけたいと思います。その理由は、質疑の中ですでに十分に明らかにされていると思いますが、決議の案文を読み上げることで提案理由にかえさせていただきます。
   中小企業近代化促進法案に対す
   る附帯決議(案)
  政府は本法の施行に当り、中小企
 業近代化促進法第三条による政令指
 定業種は、中小企業業種別振興臨時
 措置法でこれまでに指定を受け改善
 事項が告示された業種を、なるべく
 指定するようにすべきである。
 以上であります。
#70
○上原正吉君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま審議中の両案に賛成する者でございます。
 両案は、中小企業基本法の関連法規としての性格を持っておるやに感じますけれども、この両案単独で、十分目下塗炭の苦しみを苦しんでおる中小企業者に対して貢献することができると考えますので、その上、四月一日施行ともなっておりまするので、一日もすみやかに施行されて、中小企業者に多大の貢献あらんことを心から念願して賛成する次第でございます。
 なお、近藤委員提出の附帯決議にも、全く心から賛成する次第でございます。
#71
○委員長(赤間文三君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 まず、中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#73
○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、中小企業近代化促進法案を問題に供します。
 本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#74
○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました近藤君提出の附帯決議案を議題といたします。
 近藤君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#75
○委員長(赤間文三君) 全会一致と認めます。よって近藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 次に、ただいま決定いたしました附帯決議につきまして、福田通商産業大臣から発言を求められておりまするので、これを許します。
#77
○国務大臣(福田一君) 中小企業近代化促進法による業種指定にあたりましては、できるだけ附帯決議の御趣旨に沿うよう措置することといたします。
#78
○委員長(赤間文三君) 本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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