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1962/05/16 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第23号
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1962/05/16 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第23号

#1
第043回国会 商工委員会 第23号
昭和三十八年五月十六日(木曜日)
   午前十時三十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     赤間 文三君
   理事
           川上 為治君
           岸田 幸雄君
           近藤 信一君
           向井 長年君
   委員
           古池 信三君
           豊田 雅孝君
           吉武 恵市君
           阿部 竹松君
           松澤 兼人君
           二宮 文造君
           奥 むめお君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 西村 英一君
   通商産業大臣  福田  一君
  政府委員
   通商産業省鉱山
   局長      川出 千速君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○ばい煙の排出の規制等に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○採石法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事打合会の協議事項について報告いたします。
 本日は、ばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明を聴取する、採石法の一部を改正する法律案について質疑のあと採決を行なうということになりましたから、御了承願います。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(赤間文三君) それではこれから議事に入ります。
 一昨日、本委員会に付託せられましたばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。政府から提案理由の説明を聴取いたします。西村厚生大臣。
#4
○国務大臣(西村英一君) ただいま議題となりましたばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 ばい煙の排出の規制等に関する法律の施行に関しましては、近く指定地域の指定を行なうことといたしているのであります。
 この法律の規制対象外となっている規模の小さい施設から発生するばい煙について、たとえば近隣への生活妨害の問題が生ずるおそれがありますが、指定地域内におきましても、かかる施設について地方公共団体が条例を定めてこれを規制するということが考えられるのであります。このような条例を制定することは、本来この法律の趣旨に反するものとは考えていないのでありますが、この法律を本格的に実施するにあたりまして、この点の解釈を明確にするために、この法律と指定地域内におけるばい煙の排出を規制する条例との関係を明らかにする条文を加えるという改正を行ないまして、国及び地方を通じましてばい煙防止対策の円滑な実施をはかることとした次第であります。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(赤間文三君) 以上で提案理由の説明は終了をいたしました。
 自後の審査は後日に譲ることといたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(赤間文三君) 次に、採石法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続きまして質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#7
○近藤信一君 速記をとめて下さい。
#8
○委員長(赤間文三君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#9
○委員長(赤間文三君) 速記を始めて。
 大臣、政務次官ともに出席をいたしておりませんが、大臣はそのうちに出席することと思います。質疑を行ないたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#10
○松澤兼人君 今委員長から申されましたように大臣も政務次官も出席しておらないということは、委員会の審議をスムースにやる場合において非常に残念なことだと思います。将来こういうことのないようにひとつ委員長から御注意をしてもらいたいと思います。
#11
○委員長(赤間文三君) はい。
#12
○松澤兼人君 それでは質疑に入りますけれども、この採石業という特殊の産業の実態はよく私らにもわからないんですけれども、たとえば同じような建築材料とかあるいはまたは土木事業の材料とかいうものを考えてみまして、採石業のうち砂利の採取とそれから特に砕き石というんですか、これとがお互いに競合しておるようなふうに考えられます。砕き石をもって、砂利をできるだけ採取を少なくするというようなことが可能性あるのか、現にどんなふうになっておりますか、この点をまず第一にお聞きしたいと思います。
#13
○政府委員(川出千速君) 砂利の採取業は九十数パーセントは河川を中心にしてとっておりまして、セメントの骨材として使われるわけでございます。最近の需要も非常にふえてきておりまして、年産約一億五千万トン程度と推測されておる次第でございます。
 なお、採石業の中の砕き行業は、山から切り出しました岩石を一定の形状に破砕をいたしまして、砂利と同じような用途に使われておるわけでございますが、この生産額はこれも推測でございますが、年間三千万トン程度であろうかと考えられる次第でございます。したがって、現状におきましては、用途は同じでございますけれども、砂利採取業の生産高のほうが砕き石の生産高よりははるかに上回っておるわけでございます。しかし、河川等の砂利は今後それほどの伸びは期待できませんものですから、今後は砕き行業の生産に期待することが多くなるのではないかと推測いたしております。
#14
○松澤兼人君 生産量は大体五分の一程度のように承ったんですが、価格の点ではどうなんですか。一立方当たりとか、一トン当たりとか……。
#15
○政府委員(川出千速君) 価格の点は土地によりまして、相当開きがあるようでございますが、東京の場合を例にとりますと、砂利の価格は東京着の値段で一立米と申しますか、千八百円ぐらいだそうでございます。これはトンに直しますと千二百円ぐらいになります。普通砂利の場合は体積で単位をとっておりますので、千八百円ぐらいということになるわけでございます。砕き石のほうもほぼ同じ価段でございますが、若干安いということも聞いておる次第でございます。
#16
○松澤兼人君 よく問題が起こるのは、砂利を無許可で採取するとか、あるいはまた砂利トラというものが交通事故を非常に起こすとかいうようなことが言われているわけですけれども、通産省としては、別に砕石をもって砂利にかえるとか、あるいは砕石を奨励して、許可があるなしにかかわらず、河川から砂利を取るということよりも、砕き石を取るということのほうがいいのじゃないかというふうに奨励なさっていらっしゃることはないのですか。実情に即して結局あるがままにやっておるというだけのことなんですか。
#17
○政府委員(川出千速君) 砂利の採石業につきましては、砂利採取法がございますが、現実には河川から大部分のものが取れるわけでございまして、これは河川法に基づきまして、河川の管理者である都道府県知事の許可を受けなければならないことになっておりまして、厳重な許可の対象になっておるわけでございます。したがって、河川の防護という建前から、その許可もますます厳重になりますので、砂利の生産のほうは今後そう大きな期待はできないのではないかと存じます。しかし、砂利の、あるいは砕き石の需要は今後ますます増加するということになりますので、そういう意味で、砕き石の生産増加を期待しなければならないわけでございます。通産省といたしましては、砕き行業につきましてやはりこれを援助をしていかなければならないと考えております。現在、衛生王の措置等若干の援助は行なわれておりますが、特にこれを急速に拡大していくというほどの措置が強力に行なわれているという現状にはないと思っております。
#18
○松澤兼人君 この前の委員会でも、やはり砕き石を奨励するということの必要から特別の資金援助も考えているというようなことでありましたけれども、現実にはまだそういう砕き石を探取する、それからそれを奨励するということについての行政的な措置は何もとられていないのですか。
#19
○政府委員(川出千速君) 三十七年度、昨年度からでございますが、砕き石業につきまして中小企業者である砕き石業者につきましては設備近代化資金の貸付の対象にいたして、これを援助しておるわけでございます。
#20
○松澤兼人君 一体どの程度の資金が出ておりますですか。その事業所、それから援助金額、総額どのくらいになっておりますか。
#21
○政府委員(川出千速君) 中小企業の設備近代化の資金は、三十七年度の予算でございますと、国からたしか三十五億くらいであったかと思いますが、そのほかの府県の分を合わせまして全国では九十億をこえておるわけでございます。この貸付は都道府県から行なわれるわけでございまして、それが業種別にどういうような状態になっておりますか、現在まだ都道府県が実際に窓口になっておりますので、砕き石につきましてどの程度貸付が行なわれたか、実績を目下調査中でございまして、具体的な数字はまだはっきりわかっていないわけでございます。
#22
○松澤兼人君 これは私どもその事業所の中に立ち入って見ているわけではないですけれども、道を通るときに、採石をやっておる状態を外から見ておるわけです。まあきわめて非近代的な非合理的な生産方法を採用しているということはっきりわかる。そのために今度の改正法の問題となっておるいろいろ公害の問題が起こってくるんじゃないかと思うんですけれども、一つには、やはり採石というきわめて原始的な生産方法をとっておるということからくる。そこで働く従業員の問題、これはこの前阿部委員からもお話がありましたように、その作業場の中における従業員の衛生保健の施設あるいは厚生の施設ということ、それからもう一つは、近隣に与える公共的な災害防止の問題、こういう問題が関連して起こってくるように思う。そこで今局長のお話だと、中小企業の近代化を促進するために金が出ていることは出ているのだけれども、砕き石という方面にどれだけいっておるかわからないということでは、やはりせっかく公害防止のために法律の改正をやりましても、実態が把握されていなければ公害防止そのものに対する行政指導ということも十分に行なわれないじゃないかということを非常に心配するわけです。概略でもおわかりにならないですか。
#23
○政府委員(川出千速君) 砕き石業に対します国の援助につきましては、三十七年度から初めて中小企業の近代化資金の対象になりまして、三月末で三十七年度の貸付が終わるわけでございますが、三十七年度が終わりましてからまだ時日があまりたっていないものですから、はっきりした数字がわからないということを申し上げたわけでございまして、そのうちにこれは、数字は確かに実績はあるわけでございますから、わかるわけでございます。一応私は一億くらいではないかと、これは推測をしておるわけでございますけれども、まだ今のところ非常に不明確であるということでございます。
 それからなお、中小企業金融公庫のほうから、これは中小企業に対して貸付が行なわれているわけでございますが、これは砕き行業というような分数がないわけでございますが、土石ということですから、いろいろなものが入るかと思いますが、土石業に対しまして毎とし数億の融資が行なわれておるわけでございます。
#24
○松澤兼人君 今おっしゃった一億ぐらいということでありますが、これは政府資金として一億なんですか、地方は別にいたしまして。
#25
○政府委員(川出千速君) 都道府県の分も合わせての一応の推定でございまして、政府の資金という意味ではございません。
#26
○松澤兼人君 それでは、この問題も改正法律案と直接関係のない問題でありますけれども、採石法の中には、いわゆる採石権というものがあるわけなんですけれども、これもあまり利用されていないということは、どういう理由によることなんですか。数字によりますというと、六千以上の事業所があって、採石権によって採石をしているのはわずかに七百五十程度に過ぎません。何が原因で一割程度のものしか、いわゆる法律による採石権の設定ということをやっていないのか、この問題はどうですか。
#27
○政府委員(川出千速君) 採石法に基づきまして採石権制度ができたわけでございまして、ただいまお話がございましたように、その件数は少ないわけでございます。二十五年の末に採石法ができたわけでございますから、実質上動き出しましたのは二十六年からでございます。現在のところ判明しておりますのは、三十六年までに約九百件ぐらいの採石権が設定されております。これは非常に少ないではないかという御指摘でございますが、採石権の設定は、これは土地所有者との任意の契約に基づいておるわけでございまして、採石業者にとりましては採石権の設定によりまして安定的な作業ができ、有利になるわけでございます。これは逆の立場の土地所有者のほうから見ますと、それだけ土地所有権を制約される面がございますのでしたがって、採石権の契約される数が少ないというのが実情ではないかと思います。
 なお、採石権の設定につきまして、通商産業局長が申請を待って強制裁決をする道も開かれておるわけでございますが、実際にその事例は今のところないわけでございます。
#28
○松澤兼人君 強制設定という方法がありますけれども、それが全然発動していないということは、発動する以前に当事者の間で話し合いがついてしまって、そういう強制権の発動ということをする必要がないということですか。
#29
○政府委員(川出千速君) 通商産業局長に、土地所有者との間に持ち込まれた件数はあるわけでございます。通産局長が中へ入りまして、強制設定ではなくて、任意の話し合いによって採石権を設定するというような事例は相当ございます。
#30
○松澤兼人君 もう一つお尋ねしたいのは、採石権を設定すると採石料というものを払わなければならない。それは普通の賃貸借契約の賃貸料というものと、金額の点でどういうことになるのですか。
#31
○政府委員(川出千速君) 採石料は採石権の設定契約の中できまるわけでございまして、その意味におきましては、賃貸料と私はあまり変わりないのではないかと思います。ただし、採石権に基きます採石料の変更、つまり将来の値上げというような場合になりますと、これは相当特別の事情がない限り非常にむずかしくなってくるわけでございまして、その意味におきましては、採石権に基づく採石料のほうが採石業者にとってははるかに有利になるわけでございます。
#32
○松澤兼人君 それから、直接の公害防止の問題でありますけれども、この改正法律案はほとんど全部といっていい、採石をすることによって起こる公害を防止するということを規定しているように思うのですけれども、ここに例示してあります法律の改正の主要点でありますが、三十二条によりますと、いろいろの場合を列挙しておりますが、たとえば「岩石の採取のための土地の掘さく、岩石の破砕又は廃石のたい積により他人に危害を及ぼし、公共の用に供する施設を破壊し、」または他産業の利益を損ずる、こういうことが書いてあるのですけれども、私たちがちょっと常識的に考えましても、ここに例示してありますもの以外に、いろいろと公共の利益を侵害するということが考えられるように思うのですけれども、法律の条文としてこういうふうな例示だけで済むかどうかという問題、この点はいかがでしょうか。
#33
○政府委員(川出千速君) 現行、今度の改正法で新たに追加されましたのは、岩石の破砕という原因行為でございます。それと被害を受けるほうの対象といたしまして、公共施設または産業以外に「他人」というのを今度加えたわけでございます。岩石の破砕と申しますと、たとえばクラッシャーで砕くために非常な大きな騒音を発するというようなことも場合によりますとこれで入るわけでございます。また、ダイナマイトの爆破によりまして岩石が飛んでくるというような場合は、これは岩石の破砕かあるいは土地の掘さく、いずれかに該当すると思われますし、廃石がくずれて道路に害を与えるというような場合は「廃石のたい積により」ということでわかると思いますので、今度の改正の表現によりまして、公害のほとんどすべての場合は網羅されるのではないかと解釈しておる次第でございます。
#34
○松澤兼人君 土地の掘さくでさく岩機とかあるいは騒音を立てることまで「他人に危害を及ぼし、」というふうに結びつけられるかどうですか。そこのところちょっと疑問に思うのですけれども、どうですか。
#35
○政府委員(川出千速君) 「他人」と申しますのは、これは非常に広く解釈しておりますので、公共施設あるいは産業以外の民家あるいは民家に住んでおる人という意味でございますから、解釈できるかと存じます。ただ、それがどの程度の場合にはたしてこの法の対象として公害防止の方法によって採掘しなければならない事例に該当するかどうかという相対的な程度の問題はございますけれども、解釈の問題としては私は可能かと考えておる次第でございます。
#36
○松澤兼人君 騒音という問題に限定して考えてみますと、この条文を発効させる場合において、そのさく岩機とか岩石の破砕ということを別にしまして、はっぱをかけるということによる騒音、そういうようなものを科学的にこの程度は他人に害を及ぼすというような標準というものは考えられますか。
#37
○政府委員(川出千速君) まだそこまでの技術的基準というものは考えていないわけでございます。社会的な常識に待つ以外にはないのではないかと思います。
#38
○松澤兼人君 もう一つ岩石の破砕ということ、そういう言葉を考えてみますと、もちろん破砕して石片といいますか、石片といいますか、そういうものが飛散して近所の民家の屋根に落ちてくるというようなことは、破砕というだけで取り締まりの対象になりますか。
#39
○政府委員(川出千速君) ダイナマイトで爆破したために飛んでくる飛石のような場合は、岩石の破砕よりむしろ掘さくのほうで読めるのかもしれませんけれども、これは解釈上どちらでも読めるかと思いますが、それが飛んできて他人に危害を及ぼすということになりますと、それが民家あるいは通行人というような場合は他人でございますので解釈できると思います。
#40
○松澤兼人君 その次の廃石のたい積という言葉なんですが、文字どおりに解釈すれば廃石がたい積してあることが他人に危害を及ぼし、それがくずれてくるというようなこと、あるいは正常の状態であればくずれるはずはないけれども、集中豪雨とか何とかというものがあったときには廃石のたい積が、くずれてきて、下にある民家を押しつぶしたというような、面接の原因、結果の関係ではないけれども、集中豪雨とかといったようなことによって、その廃石のたい積がくずれてくるというようなこともこれで読めますか。
#41
○政府委員(川出千速君) そのような場合も読めるかと思います。現実には民家があるようなそばに廃石のたい積を設けないようにするとか、あるいはたい積をする場合にも、一定の角度で積み上げさせるというようなのが公害防止の方法になろうかと思います。
#42
○松澤兼人君 先ほど申しましたように採石業というものはきわめて原始的で、資本力も非常に少ないししますから、こちらで考えているほどうまく角度がどうのこうのというようなことは、実際にあたっては、とてもそのとおりに採石業者がやっておるとは思われぬのです。もう一番便利なところで手近なところに廃石を堆積することが多いんじゃないかと思うのですが、これはまあ監督権といいますか、あるいは行政指導とかいうことで万遺漏なきを期するということであれば別として、私はとてもそういうことはむずかしいんじゃないかと思いますけれども、どうなんですか。
#43
○政府委員(川出千速君) いろいろむずかしい場合も御指摘のとおりあろうかと思いますが、それにいたしましても、公害を与えるということはやはりこれは蕨市に取り締まる必要がございますので、その辺現実の問題としてはいろいろむずかしい点があるかと思いますが、必要最小限度の措置は今後やっていきたいと考えている次第でございます。
#44
○松澤兼人君 採石をしまして、こちらのほうに県道とか何とか高いところに道が通っておりますね。だんだん谷間を掘ってきて、それで県道なら県道沿いのごくそばまで掘ってくる場合があります。そうしますと、ある距離があるとかあるいはまた危険のないところでやめてくれればいいですけれども、非常にいい石が出るというときにはつい無理をして県道のほうへ近く掘ってくることもあるわけですね。そういう場合にどの程度というようなことは判定つきますか。
#45
○政府委員(川出千速君) これは具体的な場合につきまして、それぞれ事情が違うと存じます。たとえば岩石の質の種類でございますとか、あるいは傾斜の問題でございますとか、違うと思いますが、採石法を実施いたします通商産業局には鉱山の専門家がたくさん配置されておりまして、技術的な点につきましては、専門技術者がおりますので、そういう点は私は十分判定できると考えております。
#46
○松澤兼人君 それでその通産局の中の鉱山専門家は、採石の進み工合ですね、どの程度まで進んできているかという、ここから先を掘ったらあぶないじゃないかということを始終現場に立ち入ってそれを検査しているのですか。
#47
○政府委員(川出千速君) 現在のところはそれほど絶えず現場を見て回るということはやっていないわけでございます。今度法律の改正されました場合には、大体公害問題を起こしそうだというところは把握しているわけでございますので、全国五、六千の事業場がございますけれども、大体問題を起こしそうだというところは、あらかじめ調査しておりますし、また今後新しくそうしたものが出てくるかと思いますが、今後は従来に増して監督を強めていきたいと考えております。
#48
○松澤兼人君 この法律の改正によりまして、地方の通産局の鉱山の専門家というものは人員がふえますか。
#49
○政府委員(川出千速君) その点は現状の人員でございまして特別の予算的な措置はとられておりません。
#50
○松澤兼人君 それではこの法律だけこういうふうに進みまして、新しく公害防止とかあるいは適当な監督とか、あるいは、または必要によっては聴聞をしなければならないし、場合によっては事業の調査もしなければならない、現員でもって、今まででも精一ぱいだろうと思うが、それがこういう新しく法律の改正をやって、人員が一つもふえないということは労働強化になるんじゃないですか。
#51
○政府委員(川出千速君) 人員の増加ということは実際問題としてきわめて困難でございまして、その辺は労働強化になっても困るわけでございますけれども、現在おります職員を有効に運用していく以外にはないものと考えております。
 なお、事務的な予算につきましては若干増加している次第でございます。
#52
○松澤兼人君 こういう実際取り締まりとか、あるいは行政指導とかという法律改正では、非常にりっぱなことをうたっておるわけですけれども、それを実施する面で一つも人員の増加をしないで、現在ある機構、人員でもってやっていくということは、無理な話ですね、これまでちゃんと経常的な仕事があったわけです。その上に今度公害防止ということを特にうたって、これだけの権限を通産局長に与えるということになるのですから、どうしたって人手がなければだめだと思うのですけれども、それともう一つは、今度知事に何ですか、請求権を与えることになっている。そうすると、知事と通産局長あるいはその鉱山関係の人たちと始終折衝しなければならないことも起こってくる。それを現員だけでやろうということは無理なことです。結局こういう公害防止の法律というものは絵に画いた餅に終わってしまって、実効はあがらないということが起こってきはしないか、これだけの法律改正をやるのであったならば、少なくとも各通産局に一人二人の公害防止の専門家を置くとかなんとかいうことを考えてしかるべきじゃないか、予算も全然つけずに、法律改正だけをやるということは、これは野党であればともかく、政府の提案としてこういうものを出すということは、何かそこに予算上の裏づけをしなければうそだと思うが、これはどうですか。
#53
○政府委員(川出千速君) 公害防止の規定は現行法にもございまして、現在も公害防止の点につきまして仕事をしていないわけではないわけでございます。その規定を改正し、拡大をいたしまして監督を強化しようというわけでございます。先生の御指摘のような点もあろうかと思いますが、現在のところ都道府県ともより緊密に協力いたしまして、都道府県は通産局以上に現場には地理的に近い立場にもございます。こういう都道府県の協力も得て公害防止に万全を期したい、かような意味で改正にも都道府県知事との連絡の規定が置かれておるわけでございます。その規定の運用とも相待ちまして万全を期したいと考えておるわけでございます。
#54
○松澤兼人君 これは鉱山局長では、やはり政治的な問題ですから、通産大臣として、今度はできなかったけれどもこの次やるとかなんとかという言明がなければいけないと思うんです。
#55
○国務大臣(福田一君) お説のとおりでございまして、十分実情を、私、どの範囲の仕事を今までしておったか、持ち分がどのくらいだったかということ等もよく調べまして、お説のように労働過重のようなことになっておりますなれば、当然われわれとしては考えていかなければならない、善処いたしたいと存じますので御了承をお願いいたします。
#56
○松澤兼人君 それじゃ、最後の質問をいたします。
 都道府県知事が公害防止の措置について通産局長に請求できるようになっておりますし、通産局長は知事からそういう請求があった場合には、実情を調査して所要の命令を出すことができるようになっております。その請求を尊重するということはどういうことなんですか。実際上どの程度請求を尊重するかということは、知事の請求を通産局長は無視することができるのか。あるいは少なくとも請求があった問題については、何らかその善処するというのか、その知事の請求とそれから通産局長の裁断といいますか、結論というか、そういうものとの関係はどういうことになっておりますか。
#57
○政府委員(川出千速君) 通産局長と都道府県知事との協力につきましては、現在でも法律上の規定はございませんが、いろいろ連絡をしておるわけであります。たとえば大谷石の場合にも非常に緊密な連絡のもとに公害防止の措置の対策を立ててきておるわけでございます。したがいまして、具体的な案件につきまして、都道府県知事のほうから請求があれば、通産局長としても現地に人を派遣して実情を調査するということも必要でございましょうが、その請求につきましては、できるだけ尊重をし、協力をして公害防止のために力を尽くしていくという運用になろうかと思います。
#58
○松澤兼人君 今まで現実の問題として都道府県知事から採石法によるどうも危険が起こっておるとか、起こりそうだとか、何とかしてくれというような、この改正法律案の規定ではないですけれども、そういうお話があった件数というものはおわかりですか。
#59
○政府委員(川出千速君) 統計的な件数はないわけでございますが、これは都道府県知事の要求があった場合も事例としてはございます。まあ、大体そういう事態が起こります場合は、あらかじめ通産局のほうでも知っておる場合が多いわけでございますので、事前にいろいろ連絡はとっておる場合が多うございます。
#60
○松澤兼人君 それじゃ、もう質問終わりますけれども、先ほど来いろいろ同僚の委員からも御質問がありましたように、要は現在の採石業者というものは非常に零細な資本でやっている、ごく原始的な生産方法をとっているということから、作業場の中の従業員の健康の問題あるいは給与の問題、衛生保健の問題等にもいろいろ問題があると思う。それから今度の改正法律案で対象となっております公害が起こりやすい、そういうこと、それは先ほど申しましたように、通常の場合ならば公害が起こらないけれども、集中豪雨とかいうような場合には公害が起こり得るということ、それから通産大臣あるいは通産局長が公益ということを重んずるというのと、それから作業の企業性というものを重んずる、こういういろいろ錯綜した利害関係というものがあるわけですから、法律を作りさえすればいいというものと違うと思うのです。特に勧告したりあるいは事業停止まですることもできる権限を認めているわけですから、よほど実情をよく把握してその施行に万全を期していただかないと、思わないところでまた問題が起こってくるかもしれないと思うのです。このことを希望申し上げて質問を終わります。
#61
○向井長年君 一つだけ。今、松澤委貫から質問がございましたこの三十二条の規定ですがね。これは、この法律は大体採石業者に対する公益上の保護の規制、こういうことが主眼だと思うのですが、そこで採石業者じゃなくて、いわゆる土木建築家ですかいわゆる道路をつける、あるいは隧道を堀る、こういう場合に、先ほど言われたダイナマイト等の破片のいわゆる危害、こういう問題もこの法律で規制する、こういうことを先ほど答弁されたように思うのですが、この点どうなんでしょう。
#62
○政府委員(川出千速君) この法律の対象になっておりますのは採石業に限られるわけでございますから、その他の人がやる場合は対象にならないわけでございます。
#63
○向井長年君 そうすると、そういういわゆる道路をつける。あるいは隧道を掘る中においての、いうならばダイナマイトに対するいろいろ危害があると思うのです。現在出ておる。こういうものはどこで規制されておるのですか。
#64
○政府委員(川出千速君) ダイナマイトを使うということになりますと、これは火薬取締法の対象になりますので、火薬の取り締まりの関係から規制されるかと思います。
#65
○向井長年君 だから、どういう規制をしておるんですか。やっぱり通産の所管でしょう。
#66
○政府委員(川出千速君) 実は私のところの所管でないもんですからはっきりと答弁は申し上げられないわけでございます。
#67
○向井長年君 これが非常に多いのですよ。これに類似する問題ですからね公害防止という立場から、いわゆる道路あるいは隧道のために相当一般民家なりあるいはその他の施設に対する危害が多いわけです。これに関連する問題ですからね。この点についての規制の方法がどういう形であるか。これはダイナマイトだけに限りませんが。
#68
○政府委員(川出千速君) 火薬取締法の所管をしておりませんので、取り締まりをしております――軽工業局がこれ所管しておりますので、さっそく話を聞いた上で、御返事申し上げたいと思います。
#69
○委員長(赤間文三君) ほかに御発言もなければ質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。採石法の一部を改正する法律案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手をお願いします。
  〔賛成者挙手〕
#72
○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十一分散会
   ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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