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1962/06/13 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第31号
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1962/06/13 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 商工委員会 第31号

#1
第043回国会 商工委員会 第31号
昭和三十八年六月十三日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十二日
  辞任      補欠選任
   北村  暢君  椿  繁夫君
 六月十三日
  辞任      補欠選任
   上原 正吉君  宮澤 喜一君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     赤間 文三君
   理事
           川上 為治君
           近藤 信一君
           向井 長年君
   委員
           上原 正吉君
           剱木 亨弘君
           古池 信三君
           豊田 雅孝君
           前田 久吉君
           武藤 常介君
           吉武 惠市君
           中田 吉雄君
           奥 むめお君
  国務大臣
   通商産業大臣  福田  一君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       上林 忠次君
   通商産業省軽工
   業局長     倉八  正君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小山橋貞壽君
  説明員
   通商産業省軽工
   業局化学肥料第
   二課長     小西千賀三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○輸出硫安売掛金経理臨時措置法案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事打合会におきまして、本日の議事は、輸出硫安売掛金経理臨時措置法案について質疑の後、討論、採決を行なうこととなりましたから、御了解を願います。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(赤間文三君) 次に、委員の異動について御報告を申し上げます。
 昨日、北村暢君が辞任され、その補欠として椿繁夫君が選任せられました。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(赤間文三君) それでは、これより議事に入ります。
 輸出硫安売掛金経理臨時措置法案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#5
○中田吉雄君 肥料二法の有効期限もだんだん迫っていますし、その二法の効果といいますか、評価もせねばならぬ段階になっていると思うのですが、どうもいろいろ調べてみますると、硫安や尿素を含む化学製品の中で、最もここ数年間の間に合理化されなんだものが、手厚い保護を受けている疏水や尿素じゃないかというふうに思うのですが、もし資料をお持ちでしたら、たとえば昭和三十二年を基準にして三十六年ごろまでの一体化学製品の価格はどういうふうに推移しているか。私の調べたんでは、少なくとも硫安と尿素が一番単位当たりの単価が下がっていないんです。いわば合理化が最もできてないのです。最も手厚い保護を受けながら、最も値段が下がっていないものじゃないかと思うのですが、局長にその動向について、推移についてお伺いしたいと思います。
#6
○政府委員(倉八正君) 先生の第一問の、資料があるならば提出せよということでございますが、これは古い資料が――古いと申しますか、昨年二月ごろそういうことを集計した資料がございますので、それはお届けいたします。
 それから、ほかの化学品とのいわゆる価格の動向についての関係でございますが、これは仰せのように非常に下がったものもございます。たとえば石油化学関係の商品につきましては、この数年来大体まあ平均一割七、八分平均でございますが一割七、八分下がったことは事実でございます。また、それに反しまして上がった商品もございますが、まあ御承知のように、非常に下げ幅が多かった商品が多いのであります。大きかった商品が多いことは事実でございます。
 それで、肥料につきましては、施行以来今日までたしか一六%硫安については下がっておりますし、それから尿素につきましても大体比例計算でございますから、その程度下がっておりまして、まあ特に硫安ないしは尿素だけがほかの商品について著しく下がってないというふうにはならないかと思います。
#7
○中田吉雄君 比較をとるために、三十二年を基準にして、たとえば三十六年の比はどうなっているかと、こういうのを見ますると、やはり私の持っている資料では、硫安は三十二年を一〇〇とすれば、三十六年は九一・五なんです。尿素は八五・五で、他のは局長がさきに言われましたのは最低のほうで二割以上下がって、ほとんど過燐酸石灰だけはこれは上がっていますが、あとはほとんど下がって、たとえばメタノールのごときは、六割くらいにもなっておるのもあり、そういう点で、最も手厚い保護を受けていながら、過燐酸石灰を別にしては一番単価が下がっていない。これはあとでもお尋ねしたいと思うのですが、実は肥料二法、特にバルク・ラインは、メーカーに酷だといわれますが、実はバルク・ライン方式が正しく私から言わせれば適用されないといいますか、運用されないといいますか、その保護のもとにかえって合理化ができなかったんじゃないか。とにかく昭和三十二年を基準にして、資料の集まりを三十六年で比較してみますると、過燐酸石灰を別にしてはほとんど二、三割あるいは多いのは四割も値が下がって化学製品はおるわけなんです。それに比べると尿素と硫安は手厚い保護に比較して、どうもやはり局長の言われるのとは少しその程度は下がっているのですが、他のものに比較してあるいは合理化のむずかしい点もあるでしょうが、その点はいかがです。
#8
○政府委員(倉八正君) 先生の仰せのとおりのこともございます。ほかの化学品につきましても、大きく分けますと既成産業と新規産業という分類をしたほうが一番適当かと思いますが、既成産業につきましては、硫安なんかも既成産業でございますし、それからまた既成産業の代表的なのはカーバイトだろうと思いますが、そういうのにつきましては、既成産業の中で製法というのが従来からの長い歴史をもちまして相当進んでいる。その進んでいる産業につきまして、三十二年を先生の仰せのとおり取りまして、それをどう合理化されたかということになりますとこの合理化ないし価格の下げ方というのが非常に幅が少ないのであります。これはもう私どもはっきり認めるところでございますが、ところが、今おあげになりましたメタノールとかあるいは合成ゴムというように、まあメタノール自身は昔からあった産業でありますが、製法が非常に変わって、いわゆる技術革命ないしは生産施設の革命にあったというものにつきましては、仰せのとおり非常に幅が大きいのであります。まあさっき私が一割八分くらいだろうと申しましたが、たとえば塩化ビニールのごときは三割何分下がっております。仰せのとおりでございます。それで既設産業と新規産業ということに分けまして見た場合に、そういうことになるのでありますが、この硫安につきましても、いわゆる大正年間からの既設産業でありまして、その合理化というのは非常に進めたわけでございまして、たとえば、ハウザー法を導入したとか、進めたわけでございますが、かつての事業が非常に多かったとか、あるいはその企業自体の構造というものが、たとえば、産業立地の関係が十分でなかったとか、あるいは労働者をかかえまして、それを一気に全部ハウザー法とかあるいは廃硫酸法によりまして、それを転換もできない。そういう制約もありまして、確かに仰せのように、今全く新しい工場で、新しい製法でやるという新規産業に比べれば、おくれたことは事実でございます。それで、今後の問題としましては、先日も北村先生のときに大臣も御答弁申し上げましたんですが、今後のいき方としましては、できるだけそういう硫安なら硫安というものを多角経営の中に入れていく、あるいはコンビナート形態に持っていく、こういうことで今後の値下げという目標に進んでいかなくてはならぬと思いますし、またそのつもりでございます。
#9
○中田吉雄君 今、局長が仰せのように、硫安は既設産業であり、しかも大きな装置産業で、これはまたいろいろ合理化するのも限界があると思うのです。そしてまた、最も進んだ生産性の商い方式を白紙にものを書くようにやる新規産業とはやはりそういう差があってしかるべきだと思うんですが、それにしても、私は手厚い保護を受けているのに比べてあまりにもやはり単価の下がり方が少ないんじゃないか。こういうことはまあ次の質問との関係でお尋ねしているんですが、とにかくほかのものは三割も四割も下がっているのもあるのに、硫安工業だけ非常に少ない、過燐酸石灰を別にしては。最も合理化が、単価の下がり方が少ないというところが非常に問題じゃないかと、まあしろうとながら思ってお尋ねしたんです。
 そこで、次にお尋ねいたしたいのは、たとえば、三十七の肥料年度の硫安の生産量、それから内需の額をひとつ教えてもらいたい。
#10
○政府委員(倉八正君) 硫安でございますが、先般改定しました肥料審議会の御決定を得まして決定しました計画は、硫安の生産が二百十二万三千トンでございます。それから内需が百四十一万一千トン、輸出が百三万六千トンでございます。
#11
○中田吉雄君 硫安の生産が二百十二万トンで、内需が百四十二万トンということですが、バルク・ラインの中に入る生産量は一体どれくらいなんですか。
#12
○政府委員(倉八正君) バルク・ラインの中に入るのは、内需そのものが入ります。
#13
○中田吉雄君 入るのですが、その価格の……。
#14
○政府委員(倉八正君) 価格で入るのは三工場でございます。三工場の生産費がバルク・ライン以内でできるということでございます。
#15
○中田吉雄君 二百十二万トンの生産があり、内需の百四十一万トンでバルクに入るものは三工場なんだと、これはどこでございますか。
#16
○政府委員(倉八正君) 私ちょっと、三工場というのは誤りでありまして、九工場でございます。それが三菱それから昭電、高圧、そういうところの工場が大体バルク・ラインの七百四十六円の中に入ります。
#17
○中田吉雄君 肥料の最高値段の決定にかかわる法律の条項は、臨時肥料需給安定法の第十二条と第十五条のように思うのですが、この点について、百四十一万トン内需がある。それで生産費の安いものからずっととって百四十一万トンの生産をする工場の加重平均が最高価格になるわけですが、生産費の低いものからずっととって百四十一万トンまでとるのですが、そうしますと、実際は百三万トンというものは限界生産以上の、実際は採算が割れるわけでございますね。ところが私は国内価格があまり下がってこないというのは、臨時肥料需給安定法の第十三条と第十五条がなかなか適用困難なことがあって、たとえば第十三条には「農林大臣及び通商産業大臣は、肥料の価格の安定を図るため必要があると認めるときは、肥料審議会の意見を聞いて、肥料の生産業者又は輸入業者の販売価格につき、その最高額を定め」ねばならぬということが第一項で、第二項には、「前項の販売価格の最高額は、政令の定めるところにより、生産費又は輸入価格を基準とし、農産物価格、肥料の国際価格その他の経済事情を参しゃくして定める。」ということと、第十五条には、その生産費を、生産コストを知るに必要な事項の報告を求めたり、工場や倉庫に立ち入りをしたりして生産コストを的確に把握しなければならぬのですが、なかなかこれが私は実際事実上言うべくしてこの第十三条、第十五条の適用が困難で、バルク・ラインでひどく締めつけられておるように業者は言うが、そのものが業者を擁護することに私はなってきて、合理化はできぬのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。一体倉庫や工場に立ち入って生産コストを調査されたりしたことがあるのですか。どういうふうにしてその生産コストをおきめになっておるのですか。政令にいろいろあるようですから、その点を……。
#18
○政府委員(倉八正君) 今この価格の決定の際には、私のほうの肥料部の職員と、それから農林省の経済局の職員とが、工場に入り、いろいろ聞きまして調べることも事実でございますし、それからまた、この価格決定には、一つの工場ごとにこのぐらいあると言ってもいいのですが、膨大な資料を全部提出させまして、そうしてそれが、たとえば一例をあげますと、管理費をどう硫安に振りかけておるか、あるいは固定費の割合をどうしているかということを――これは大体二カ月くらいかかるわけでありますが、それをやっておるのでございます。そうしてそれが、最初書類審査しまして、どうもこれではわからぬということになりますと、通産省の官吏、農林省の官吏が現地へ行きまして、いろいろ実情も調べ、アンモニアの操業度ははたしてどうか、あるいはどういう形態で――たとえば、硫酸を買っているか、作っているか、そういうことまで現地に行きまして調べまして、このマル公決定の際にきわめて、適正な基準を出すことに万全の努力をしているつもりでございます。
#19
○中田吉雄君 今、非常に膨大な資料を二カ月ぐらいもかかってお調べになり、慎重を期しているという――まさにそうあるべきだと思うのですが、実際、昭和二十九年ですか、これができるときも、私も実は全購連に関係しておって、かなりこの問題は知っているのですが、実際もしそういうふうだったら、ほんとうからいえば、内需が百四十一万トンで、そしてしかも安いものからとにかくコストを出して、百四十一万トンになるまで出して、加重平均、それできめれば、あとの百三万トンを割って、私はこのバルク・ラインがほんとうの意味で正しく適用されておれば、これは肥料工場はつぶれていると思うのです。そうならぬのは、やはり私は、なかなか生産コストの把握が困難で、ある意味ではバラク・ラインの隠れみので、と言っては恐縮ですが、そういうことになるのじゃないか。たとえば、その際に問題になったのは、どうして生産コストをほんとうに的確に把握するか。たとえば国営の工場を一つ持つとか、全勝連の工場が一つでもあったら、バルク・ライン方式というものを正しく適用できるだろうが、実際それがない限りは困難じゃないかという意見があったのですが、たとえばこの二月九日の日本経済を見ましても、もう収益力のあった会社は、すでに不良資産に見合った引当金、準備金を計上して、実質的にはもう赤字は落としちゃっている。赤字分を落としている。たとえば住友化学は、赤字はもう償却済みである、昭和電工でもほとんどない、三菱化成、宇部鉱山、東北肥料などでも同様で、また一番赤字の多いといわれる東洋高圧でも、三十七年三月期までは実質的に一応償却しておって、九月期には一億円ほどの赤字だ、不足だ、こういう状況だというのは、実際は各社が提携してといいますか、一番低いというところからバルク・ラインの中に入る百四十一万トンまでのが、あるいはずっとみんなが少し高く報告しているのじゃないか。的確に把握されていないのじゃないか。コスト・プラス・アルファが加わっておりはせぬか。それでないと、この二月九日のような日本経済の、もう主要な会社は償却済みだ、不良資産が、実際もう引当金や準備金を計上して落としているということは、その辺にあるのじゃないでしょうか。その辺はどうですか。
#20
○政府委員(倉八正君) 今の御質問ですが、計算が非常にむずかしいのだと先生おっしゃいましたが、これは全く非常にむずかしいのでございます。というのは、硫安だけを作っている会社というものが、これは例外としてございませんので、ある場合にはブタノールを作ってみたり、ある場合には染料を作ってみたりというようなものばかりでございまして、その計算の把握というのは非常にむずかしいことは、仰せのとおりでございます。しかし、われわれとしては、法律にのっとりまして、最大の適正を期するということで努力しております。
 それからさっき、日本経済に出ておったという記事につきましては、その赤字は償却したという意味は、私はどういうことを新聞が言っておるのか知りませんが、現に御指摘のあった東洋高圧にしろ、住友にしろ、三月の決算期の貸借対照表には、売掛金ということをちゃんと計上しておりますし、まだそれが、償却は絶対終わってないのでございまして、したがいまして、この御審議願っている法律が通れば、あるいは十年で償却するか、あるいは三年で償却するかということは、そこの中の内部留保その他準備金の問題だろうと私は思いますが、一月現在、あるいは現在におきましても、赤字の償却というのは、帳簿上の償却は終わっておりません。
 それから、バルク・ラインは隠れみのじゃないかということでございますが、私は、これは経営上から見れば、経営の限界であろうというふうに考えます。と申しますのは、バルク・ラインというもののとり方が、最初できたときと非常にきびしく変わっております、というのは、先生も御存じのように、最初この法律ができましたときは、回収硫安などはほとんどゼロであった。ところが今は、回収硫安と副産硫安が、大体六十万トンくらいになっておりまして、したがいまして、百四十一万トンのうちには、回収硫安の四十一万トンが入っておるわけでございまして、それを入れて百四十二万トンにバルク・ラインの線が達するわけでございます。だからして合成硫安メーカーにとりましては、実際バルク・ラインに入るのは、合成硫安としては百万トン前後でございまして、非常に苦しい。ところがやっておるではないかということでありますが、ごらんになっていただけば、硫安会社で配当できているものは、大体半分くらいでしかありませんし、それと、経営の限界と申しましたのは、硫安のように、肥料のように全化学生産の二六%というものを占めておりますと、それを国内に売ると、しかも購買先というのが非常に安定されました全購連であって、ほかの産業と違いまして、売掛金なども生じないし、手形が来ればちゃんと払っていただくということで、そういう意味でまとまった安定した需要を背後に持っておるということにささえられまして、実は生産費が相当、自分のところの工場の生産費も少ないけれども、そういう安定供給ということにささえられて操業しているというのが、大体経営上の現実ではなかろうかと私は思うのであります。
#21
○中田吉雄君 局長の言われますように、硫安だけ単独に作っているものは少なくて、他のバイ・プロダクトもあり、いろいろ関連した生産もあって、コスト計算がめんどうだという点もさることながら、実際調査が困難で、それは今言われましたように、厳密な意味で生産費調査が得られておれば、私もバルク・ラインは、これは経営の限界であるというふうにとるが、なかなか実際把握できぬじゃないか。政府の管理工場を持っているわけじゃなし、あるいは第三者のような、全購連の肥料工場を持っているわけじゃなし、どうしても肥料検査官等が、会社の報告を基準にしてやるのでしたら、これは私はそういうことがかえって生産量と設備投資においては計画をもうけたはずれに上回っておりながら、単価だけが予定ほど下がってこない、何かあるんじゃないか。これも新聞なんですが、昨年末ですか、いつですか、閣議の決定をされます前に、福田通商産業大臣、田中大蔵大臣と周東自民党肥料問題懇談会長とが、今回の立法措置になるような閣議決定に先立つ決定をされた、それで新聞には、通産、大蔵の事務当局ですらあまりにも優遇するのであっけにとられたというふうに出ておるのですが、この辺まあ局長もなかなか苦衷のあるところだと思うのですが、そういうふうに出ているのですよ、新聞には。償却済みのもあり、もう引き当てもちゃんと準備をしており、今回の百十五億に対する租税特別措置、あるいは開銀の融資、これからやる合理化のための百六億というようなことを福田、田中両大臣、周東自民党肥料問題懇談会長が閣議決定に先立ってきめたときには、通産の事務当局もあっけにとられた、あまりにも優遇し過ぎるのでと、こういうふうに新聞には出ているのですがね、これはどうなんですか。
#22
○政府委員(倉八正君) 私は事務当局の一員としまして、自民党と政府との決定にも大臣にお供してずっと席に列席しておりまして、いろいろそういう驚きの言葉を私たちは発したことはないと思うのであります。実を言えば、もっといただきたいというぐらいに私たちは思ったわけでございまして、どういうことでそういう新聞に出たか知りませんで、ほんとうはわれわれとしましてはもう少し何とかお願いしたいという気分で一ぱいでございまして、決して額の大きさに驚いたことはないのでございます。
 それから各会社が非常に優遇され過ぎているのではないかということでございますが、これはこの法律をお通し願いまして、各会社がほんとうにそれだけの内部留保とあるいは積立金を持っておったとすれば、私は一気に大きい会社が出てくるのが筋だろうと思いますが、そういう大きい会社というのはなかなかできない、たとえば日本で代表的な化学会社である、あるいは肥料会社である住友にしろ、三菱にしろ、とうていできないと思います。それが十年でやるかあるいは八年でやるか、五年でやるか、そういう差はあるかと思いますが、今の現状におきましては、とうてい一気に出てくるということは絶対不可能であると、こう信じております。
#23
○委員長(赤間文三君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#24
○委員長(赤間文三君) 速記始めて。
#25
○中田吉雄君 この窒素質肥料の硫安、尿素、高度化成というようないろいろな肥料があるのですが、その特質と大体需給の将来の見通しといいますか、そういうものについてお伺いいたしたいと思います。
#26
○政府委員(倉八正君) 肥料の一つ一つの特質につきましては、私よりも私のところの課長が有名な農学博士でありまして、その方向の権威者でございますので……。
 これについて説明申し上げますと、肥料につきましては、先生のほうにこの前お配りいたしました資料がございまして、その中の四ページに書いてございまして、お持ちございましたら、たとえば問題の硫安につきましては、三十六年が生産が二百三十二万トンであった、それが四十二肥料年度には、百八十万に下がり、特にその中で合成硫安につきましては、三十六肥料年度が百八十二万トンであったのが、四十二肥料年度にはその半分の八十四万トンになり、そうしまして、回収硫安、副産硫安が大体二倍半くらい増産されていくということでございまして、この数字から見まして、どういうことがいえるかといいますと、硫安というものはどんどん減っていくのだ、減っていきまして、その構成比を見ましても、硫安を作るための硫酸銅、いわゆる合成硫安というのがおととしよりも半減か、もう半減以下になってしまう、そうして値段の安い回収、副産というのが、これが倍くらいになるというふうに予想されるのでございまして、今後の硫安問題というのは、そのことからしましても、非常にこの形態が変わっていく、価格がだんだん下がっていくであろうということが大局論として言えるかと思います。
#27
○説明員(小西千賀三君) ただいま御質問いただたました肥料の種類でございますが、窒素肥料といたしましては、御承知のように、硫安、それから尿素、それから塩安、それから両度化成、それから硝安そういうふうな分類がございまして、硫安の中には製造法で分けまして、合成硫安とこう申しておりますのは、直接硫酸とアンモニアをくっつけまして化学的に合成されるものを合成硫安と称しておりますけれども、そのほかにアンモニアを他の用途に利用いたしまして、たとえばアクリルニトニルを作るとか、それからメラミンを作るとか、青酸を作るとか、そういうようなことでアンモニアを利用いたしますけれども、そのアンモニアを今度は回収いたしまして――一部は製品にとられますけれども、一部は余剰になって参りまして、それを回収いたしまして、硫安にくっつける、それを回収硫安と申しております。そのほかもう一つ硫安がございまして、それは副産硫安と称しておりますが、それはコークスを作りますときに鉄鋼の原料でコークスを使います。またガスの原料にコークスを使いますけれども、その場合にコークスを作るときに、石炭中に窒素分がございまして、それを還流してコークスにいたしますときに、余分なアンモニアが還流されて参りますので、そのアンモニアを自然から回収いたしまして、それを硫酸とくっつけたものを刑産硫安と称しております。硫安には、以上三つございます。そのほかに今度は、今御指摘になりました尿素がございます。尿素はアンモニアと炭酸ガスるくっつけて製造いたします。アンモニアを製造いたしますときに、たとえばメタンその他の炭化水素を分解いたしまして水素をとります。水素をとって、水素と窒素をくっつけてアンモニアといたしますが、その水素をとりますときに一方炭酸ガスが副成して参ります。その副成した炭酸ガスをアンモニアとくっつけたものが尿素でございます。それからもう一つは塩化アンモニアがございますが、塩安でございますけれども、塩安は、現在作っておりますのは、ソーダを作りますときに食塩を分解してソーダを作りますが、そのときに副成する塩素がございますが……
#28
○委員長(赤間文三君) 簡単に願います。
#29
○説明員(小西千賀三君) アンモニアと塩素をくっつけて製造いたしております。それから硝安は、一方アンモニアを酸化して硝酸にし、アンモニアをくっつけて硝安にいたしておりますが、それぞれのおもな特徴は、硫安には硫酸が入っておりますが、一方肥料になりますのはアンモニアでございます。硫酸が土の中に入りますと土を酸性にするということと、それからもう一つは鉄分の少ない水田で老朽化水田というのがございますけれども、そこに施しますと硫化水素ができまして稲の根を害するということで、最近は硫安の消費がだんだん減って参っております。一方、塩安とか尿素と申しますのは、無硫酸根肥料と称しておりまして、硫酸が入っておりません。そのために硫化水素の発生のおそれもございませんので、水田ではこれが使われやすい。しかし一方ではまた塩安は塩素がございまするので、土壌を酸性にしやすいというような欠点もございます。以上でございます。
#30
○中田吉雄君 簡単に、この四十肥料年度にいろいろの肥料の全体の中のパーセントがありますね。たとえば尿素、尿素と言っておったが、尿素ももうすでにパーセントは必ずしもふえてないというふうになっているんですが、この昭和四十肥料年度におきます見通し、想定図があるんですかどうか。一体どこまでこの傾向というものがいくものでしょうか。一言にして言えば。一番伸びるのは何ですか。
#31
○政府委員(倉八正君) この需要想定は農林省の数字でございまして、これに、農林省がこういう数字を相当長い間かかって出した数字でございまして、われわれはそれをそのまま信用しておりますし、それから一番伸びるのは高度化成でございます。
#32
○中田吉雄君 大臣がおいでになりましたので大臣にお尋ねしたいと思うんですが、輸出硫安売掛金経理臨時措置法案というものが出ておるのですが、硫安輸出会社にたまった売掛金の解消、それから合理化資金をつける、資金手当をするということで実際もう来年の七月末で肥料二法は時限立法で期限がきて、私としてはこの赤字を解消する対策が国会にはかられる際には化学工業政策として、あるいは農業政策としての肥料政策をどうするという全体の一環として、赤字解消はこういうふうにするんだ、今後はどうだということがないと非常に私は問題があるじゃないか。衆議院の附帯決議を見ても、そういうことが、単に杞憂でなしに、いろんな措置がはっきりされずに、とにかく化学工業政策としての肥料政策、農業政策としての肥料政策というものの全貌がはっきりして、その一環として赤字はこういうふうにするんだ、そうして今後はもうFOB価格で硫安の輸出会社は買い取って、もう赤字は積まないのだという全体計画があって、その一環として出されるのならわかるのですが、赤字の解消だけまずやられていったというところに非常に含みのある、あるいはなかなか深謀遠慮といいますか、相当に含みのある――まず赤字だけを解消していって、肥料二法、これをなくするのに赤字を転嫁するというような、農民の非常な非難をそらすために、まず赤字だけを解消しておいて、はっきり言いますと、まず赤字だけを解消しておいて、今度は一方硫安の輸出会社はFOB価格で引き取って赤字はもう作らないのだ、それを納得させる方法がないので、私はここでは赤字だけを解消しておいて、肥料二法を期限がきれたらなくするという前提で農民の非難をそらす、そういう知能犯とは申しませんが、そういう含みのある、これは非常に簡単なようだが、立法措置じゃないかと思うのですが、それはいかがですか。
#33
○国務大臣(福田一君) 御説のように硫安の輸出会社にある赤字を解消する措置をとるにあたって、今後の硫安に対する立法なりあるいは政策なりを確立しておいてから出すがいいじゃないかというのは、私御意見としてまことにりっぱであると思います。われわれもそういうことを考えてみたこともございます。しかし、この問題は御承知のように、まあ衆議院でも問題になりましたが、肥料特にアンモニア系の肥料というのは、尿素あるいは高度化成というもののウェートがだんだんふえて参りまして、そうして硫安だけを対象にしてやって、それで肥料行政が円満にいくかということがまず第一にございます。
 それからまた、硫安を対象にして何か措置するという場合でも、どういう措置をしたらいいか、また自由化との問題をどう見たらいいか、いろいろな問題がたくさんあります。というて、そのままにしてほうっておきますと、ことしの例からして実質二百二十五億円の赤字に加うるに五十億円以上の赤字が累積される。来年また五十億も七十億、あるいは百億以上の赤字が出る、そういうようになって参りますので、この際は、むしろその根本の問題は一応法律が来年の七月までは有効でございますので、それが切れる段階になったときには対策を立てなければなりませんが、その対策は来たるべき通常国会までに各方面の御意見も十分間いた上で慎重に検討をして立てればよい、立てるよりほか――よいというよりいたし方ないという、こういう考え方から、このような措置に踏み切ったわけでございまして、これによって一つは会社に対して甘い考えでおってはだめだ、将来は赤字は見ないのだということによって合理化を促進し、一方においては、この法律を立案するにあたり、またこの措置をとるにあたって、政府が申しておりますように、農家に対して、安いしかも豊富な硫安を提供するということ、この考え方は一切捨てないのだということを政府としては明らかにいたしたい。
 また、しばしば委員会その他におきましても、私としてはその趣旨を申し上げておるわけでございまして、それをじゃどういうふうにして実現するかということは、これはやり方の問題ですから、これは来たるべき通常国会までにひとつ十分検討して、特に先生などは専門家でいられるようでありますから、場合によってはいい知恵があったら、ひとつよく聞かしていただきたいと思っておるつもりでありまして、われわれとしては逃げ口上でやるとか、あるいは一つの観念を置いておいて、そうしてそれを前提にしてやるというのではございません。こういうふうにするのが最も姿がよいと、こう考えて実は私どもとしてはやっておるのであります。もう一ぺんこれ以上に赤字が累積するということになりますと、またいろいろの対策を立てる上においても支障を来たす、こういうことがありますので、まず赤字は一応解消したい、今後はめんどうを見ないという形にしていったほうがいいと、こう考えて措置をただいましておるわけでございます。
#34
○中田吉雄君 三十七年の十二月二十八日の閣議決定に基づいて、今度の立法措置がなされておるんだと思うのですが、ただいま福田大臣から誠意のある答弁を聞きましたが、しかし、この閣議決定を見ますと、なかなかこれは油断ならぬという感じを――まず、肥料二法は法定の期限内だけ置くと、そして、赤字については開銀の融資と租税特別措置でいくと、そして今後合理化するために、三十八年から四十二年まで百六億の開銀の融資をつける。そして日本硫安輸出株式会社がメーカーから引き取るのはFOB価格だぞ、こういうことで、やはり今方法論がちゃんと納得させる――めんどうを見ないといったって、めんどうを見なければ、これはもう国内価格に転嫁する以外には、私は方法がないと思うし、今の状況では私は力関係からいって転嫁されると思うのです。政府がめんどうを見ない、こういうふうになれば、そう急激に、第一次、第二次の合理化計画も終わろうとするのに、計画どおりに国際競争にたえるだけに単価が下がってきてないのですから、私はどうしてもこれはそうならざるを得ないと思う。この閣議決定をすなおに見ると、あるいは第一次、第二次合理化計画の推移、経過から見て、必然的に、肥料二法はただ期限内だけ存続するんだということになって、ほんとうに安心ができる合理化計画というものが示されていない。ただ百六億の開銀の融資をつけるというだけでは、やっぱり私は転嫁されるんじゃないかと、そこがやはり米ですと、それは生産費をああいう形できめますから、転嫁されればそれはすぐ値段にはね返ってきますが、やはり肥料は支持価格制度があるものばかしではないし、転嫁されても非常に困る。これではやはり転嫁以外にはもう手がないのじゃないか。政府がめんどうを見ない、肥料二法は期限だけ、これまでの赤字だけ見てやるというのでは、結局そうなるのじゃないかと思うのですが、くどいようですが、それはどうなんですか。
#35
○国務大臣(福田一君) お説のような心配がありますから、それをどういうふうにしてやったらいいかということを、これから勉強さしていただこうと、こう考えております。
#36
○中田吉雄君 ですから、私は通産大臣の誠意あふれる答弁にもかかわらず、特に社会党としては、それを心配するのです。今の力関係からいったら、二法をはずしてしまえば日本の硫安生産を取りまく国際環境から言えば、当然下がらなければならぬと思うのです。私は、しかしなかなかそうはいかぬと思うのですが、かりに肥料二法を廃止しちゃったら、国内価格は一体どうなるんでしょうか。局長さん、どういうふうに見ますか。
#37
○政府委員(倉八正君) 肥料二法を廃止して何にもしなかったといった場合に、どうなるかということですが、私は肥料の値段はそれでも決して上がらないと確信を持っております。と申しますのは、非常に、先ほど御指摘がたびたびありましたように、相当施設を持っておりますし、それから硫安の内容というのが、ちょっと触れましたように、回収硫安あるいは副産硫安という非常にコストが安いのが圧倒なウエートを占めている関係上、その面については、農民のほうに心配は私はないと信じております。ただしかし、何でもほうっておいていいかということになりますと、これはさっき大臣もお答えしましたとおり、そういう面も今後考まして、どうしたらば一番いい生産ができるか、あるいは安定した供給ができるかということも、今後われわれとしましても急いで研究をするということにしておる次第であります。
#38
○中田吉雄君 同僚の北村君の質問にもあったのですが、大体の腹はどうなのですか。やはりかわるものがなくてはならない、こういう気なんでしょうか、その辺は。
#39
○国務大臣(福田一君) 私はほんとうに今大体の腹はないわけで、大体の腹づもりというものはございます。目的はございます。そういうふうに農民に転嫁をしないようにしなければいかぬ、高くしないようにしたいという考え方はありますが、どうしてやろうか、どうしたらいいかということについては、まだ具体的に、ないわけですから、申し上げるわけに、うそをつくわけにいきませんから、私の腹の中にないわけです。これは信じていただく以外にないかと思います。
#40
○中田吉雄君 さきに局長は、野放しにしたら下がるじゃないかと言われたのですが、私は必ずしも安い硫安ができて、そういうものがどんどん市場に出て、コスト競争で、あるいは弱肉強食というようなことがあるかもしれませんが、なかなかメーカーも全購連に全部握らせずに、やはり業者と両方うまくシェア競争をさせながらあやつって、なかなか買手独占の形にならぬのです。われわれの乏しい経験ですが、実際全購連におったときからみても、何十%かは小売商店に、商社のほうに売って、全購連の一定の買い取りを、資金とかいろいろな面があるにもかかわらず、それをさせないのです。それをやると買手独占で、全購連に牛耳られるから、全購連がつべこべ言うと、それでは商社のほうでやらしてもらいましょうといって、なかなかこの両方を天びんにかけてメーカーがあやつって、とてもこれは奔命に疲れて、われわれの経験からみてもなかなかいかぬのです。そういう点はどうでしょう。
#41
○国務大臣(福田一君) 私はお言葉を返すわけではございませんけれども、中田さんのやっておいでになった時分は、いわゆるまだ硫安が十分でなかったときだろうと思います。今日は硫安が非常にオーバー・プロダクトされている、というか、過剰生産されているような状況であります。ある意味で余っている。だからむしろ今は買手市場である。第一、全購連なんていうのは、日本でも有名な、有数の一つの農民団体の機関でございます。もし肥料会社がそういう高く売ろうなんてことをしたら、一ぺんに私は反撃を食うだろう、政治的な姿においても何においても、私はとてもそれをはね返すだけの力は、今の肥料会社のほうにはない。むしろ全購連のはうが強い。いわゆる買手市場になっている、こういうような感触もします。これはしかしそうだとは申し上げません。したがって、今あなたがおっしゃったようなことも十分考慮に入れながら、そういうふうにならないように、いわゆる農民が損をしないような工夫をやっていきたいと、こう申し上げているわけでございます。
#42
○中田吉雄君 とにかく私としましては、肥料政策、工業政策としての化学工業に対する対策の全貌を示して、その一環としての赤字解消というのが、けれはオーソックスな方向だと思うのです。間に合わぬながら、次期国会と言われるのは、これはやむを得ないと思うのですが、とにかく赤字だけを農民団体がうるさいからそれを解消する、転嫁するためにこういう措置をとるのだというようなことのないように、まあひとつ内閣改造等でどうなるか知りませんが、この点はやはり責任ある、特にただいまの答弁を私は党に生かしてもらいたい。
 それからこれは農林大臣がおられればいいと思うのですが、国務大臣として実際この輸出の値段と国内消費とは、非常に戦後、計算してみてもらって大体三割方高いのです、国内消費が。日本の肥料政策は台湾や朝鮮の農民には安い肥料を供給して、国内の農民には高い肥料を買わしておるという、そういう肥料政策になっているのです。まあ幸い食糧が自由化されていないからまだしも、食管制度がありますからいいですが、もしこの食糧の統制をはずしちゃって、外国には安い肥料をやって、そうして日本にそれがはね返る。国内では高いのを買ってということになると、これは非常に困るので、外国との比較のできる昭和三十六年度を見ますると、硫安一かます四十キロ当たりが国内の農民は七百四十九円で買っておるわけです。ところが朝鮮や台湾の農民は五百五十四円なんです。通産省からいただきました資料で換算してみますると。内地の農民には硫安一かますが七百四十九円で台湾や朝鮮の農民には五百五十四円だ。これはやはり何としても一農民感情としては、まあ通産大臣というのでなしに、国務大臣とされても私はこれは非常に矛盾に満ちた、何とかやはり合理化計画を早く立てて、こういう差のないようにしていただきたいと思うのですが、とにかく三割も値開きがあるというようなことは、農民としてはとうてい受容することができぬと思うのですが、これはどうなんですか。
#43
○国務大臣(福田一君) これはあの値段というのは比較の問題でございますから、今七百四十九円とおっしゃいましたが、海外へ売っているのは五百五十何円だとこうおっしゃっている。それでは海外へ売らないで、そして国内の肥料だけ生産したらどうなるかというと、おそらく八百円をオーバーするでしょう。必ずオーバーします。それはもうそうなるにきまっている。だから海外へ売っているから七百四十九円で大量生産をする。いわゆる総かかり費が安くなりますから、七百四十九円になるのですが、もしこれを海外へ売らないで国内の肥料だけ、まあそれに十分トンもオーバーするくらいで、必要な分にいざというときのために十万トンか二十万トンくらいふやして生産をさせるという計画を立てておったら、これはもう私数字はわかりませんけれども、少なくとも八百円近い値段になることは、これは明瞭だと思うのであります。そういうようなことでございますから、これはやはり海外へ売っているから、それだけの値段ですむというまあ立論も御理解を願えると思うのであります。また同時に、なんで海外へそう安売りせにゃいかんかということになると、よそがダンピングしているという、日本の国内事情ではございません。国際的な政治機構ができて、そういうようなことは絶対しないというようなことになればまあそういう不合理をなくすることができると思いますが、今の段階におきましては、どうも向こうから競争をして参りますれば持っているわけにはいかないから売るということになる。そうすると、競争して売るから安くなるというので、それは作らないでおけば今の値段よりは高くなる、こういうことになりますから、これはどうもやむを得ざることではないかと思う。こういうふうに、あなたは実をいえばそんなことはわかっていて質問されているので、私が釈迦に説法のようなことを言ったのじゃ申しわけないわけでありますから、今まで申し上げておらないのです。これは十分おわかりのことと考えておりますが、そういう意味で御理解を賜りたいと思うのであります。
#44
○中田吉雄君 わしも肥料は輸出産業として成長することについては、異論を唱えているのではない。外国の農民には安く、国内の農民には高く買わされるということは、これは選挙なんかに訴えると最もいい。どこの国の一体通商産業政策であり農業政策であるかと言うと、これは拍手がおこるほどの問題なんでありまして、私は肥料産業が化学工業の王座からだんだん転落、傾斜はしていますが、輸出産業としても同時に国内の安定供給と両面のことを言っているのであって、私は輸出が悪いからと言っているのじゃないので、この点は誤解のないようにしていただきたいと思うのですが、それから国際競争に耐えるようにする近代化、合理化するための特別措置というものと、補助金というものの問題なんですが、たとえば経済白書を見ても、租税特別措置というものは、一たんできたら、その必要がなくなっても、ずっと存続する割合可能性があり、そうして国会審議でも割合軽く見られる傾向があって長く残る。むしろ補助金ならこれは税金を取り立てておいて、それを出すのですから、非常にきびしい審議の対象になる。予算の効率からいえば、租税特別措置よりかやっぱり補助金がいいというようなことがあるのですが、これは特別措置に五十二億ですか期待されているのですが、そういう点はどう思われますか。
#45
○国務大臣(福田一君) これは大蔵大臣のむしろお答えをすべきことかと存じます。しかし、政府全体としてのあれもありますからなんでありますけれども、やっぱり補助金政策というのは、確かに今おっしゃるような有利な面もございますが、またひとつ補助金を出しますというと、それならおれのほうも、おれのほうもと言って、補助金を申請してくる。そのけじめをつけるのに非常にやりにくいということがございます。政策面で押えた場合は、こういうことで特別な措置をとるという政策面の理由が出てくる。もちろん補助金を出すのにも政策面の理由もつきますけれども、あすこがもらったならば、おれのほうもというような格好で補助金がふえてくる。それと同時に、補助金というのは、どうしてももらったものだということで、合理化とか、あるいはまた企業を意慾的に推進してくいというようなことには、むしろ役立たない、怠惰の念を育てる可能性がある、こういう議論も出てくるわけでございます。そこら辺を十分いろいろ研究した結果、補助金はなるべく出さぬようにしよう、こういう方針をきめておりますので、補助金を出さないで、この問題を処理する、こういうことにいたしたわけでありまして、当初はその問題につきましても、補助金政策でやれないかということもいろいろ研究しておったのでございます。
#46
○中田吉雄君 衆議院でも問題になっておるようですし、われわれもそう思うのですが、昭和三十七年度の十二月二十八日閣議決定の第二項に当たります肥料形態の転換、アンモニアの多角的利用等による硫安生産業の合理化、近代化等体質改善のための設備資金、これは非常に重要な点だと思うのですが、第一次合理化計画、第二次合理化計画とも生産能力と設備投資だけは計画どおり行ったのですが、単価が下がらなんだという点は、たびたびくどいほど申し上げたのですが、この点については、昭和三十八年度から四十二年までに百六億の開銀等からの資金手当をされるわけですが、これは専業メーカーを主としてやるというようなことも新聞に出ていますが、この合理化計画というものは、大体できているのですか。融資は、やはり合理化計画の全体の一環として、これも出されると思うのですが、この関係はどうなっていますか。
#47
○政府委員(倉八正君) この百六億の前の資金は、五カ年間にわたってやる金額の総額でございまして、毎年幾ら出すか、どこの会社にどうつけるかということは、毎年毎年非常に慎重に検討いたしまして、つける資金でございます。それから専業について優先するか、あるいは兼業については、その従とするかという問題でございますが、これは合理化を主とするわけでございまして、専業であろうと、兼業であろうと、その合理化が国民経済に一番役に立つ、あるいは、その当該商品の需給上段も有効である、そういう点を主にしまして、具体的な金額をつける、こういう仕組みでございます。
#48
○向井長年君 今まで大体、硫安政策なり肥料政策の問題の質問がございましたが、私は特に、この法案の商法との関係について、若干お聞きしたいと思います。
 先般、通産大臣に質問いたしまして、この名称の問題について、商法の特例法ということが、この名称に変わっておるわけでありますが、これについては他意がない、こういうことが答弁されておるのであります。しかし、この法案の第一条を見ますと、輸出会社に対する売掛金の取立不能見込額を「貸借対照表の資産の部に計上することができる。」こうあるわけなんです。これは商法の規定では本来やってはいけない、いわゆる不可能であるということになっておるやつを、この法案で可能にするということです。したがって、商法との関係はどうかと、こういう質問をいたしますと、おそらく通産大臣は、それだから特例法を出しておるのだ。こう言われると思います。しかし、商法には従来、資本維持の原則から、繰り延べ資産については、設立費用、あるいは社債発行の差金、あるいは、建設利息及び新株発行費用の四種のほかは、繰り延べ資産として認めていなかったのです。しかしながら、前々から、企業会計の論理上から、会計実務の必要から、延べ資産の範囲はもっとこれを拡大し、広げるべきじゃないか、こういう意見があって、昨年の第四十回の国会において、商法の大改正が行なわれたと思うのであります。で、この中で、二百八十六条ノ二、開業準備金の支出の額とか、あるいは二百八十六条ノ三の新製品あるいは技術の研究、こういうような形で四項目が一応例外として認められておると思います。この繰り延べ資産の四項目が追加されておりますけれども、これら以外のものについては、これは認めない、こういうことが明確になっておるのでございますが、この改正同法でも、一応この資本維持の原則を堅持するという建前がここで貫かれておると思いますが、この点について、今度の法案との関係はどうお考えでございましょうか。この点をひとつ伺いたい。
#49
○政府委員(倉八正君) 向井先生の仰せのとおりでございまして、商法上の繰り延べ資産というのは、収益性のあるものに限るというのが、商法を貫いている原則でございます。ところが、この商法以外にも、繰り延べ損失という事例が、今まであったわけでございます。たとえば地方鉄道法を見ましても、そういう一時巨額の損失を資産の部に計上いたしまして、当該会社の運営に支障がないという場合におきましては、繰り延べ損失としてやった例がございまして、この点も御存じだろうと思いますが、商法の規定は、御指摘のとおり、資産性のあるのが繰り延べ資産でございます。しかしこういう特別措置をとりましたのは、今まで赤字を累積した原因というものが、肥料二法の運営のためであるということ、それから政府が、今後赤字は打ち切りだという能度をきめた、こういうことになりまして、この資面を二百八十五条ノ四の規定によりまして一気に落としますと、会社はとてもそこで、平たく申し上げますと、やり切れない。そうしますと、資金繰りも非常に困難になりますし、一時的には会社の休止あるいは操業停止というような非常に大きい問題がありますから、これを繰り延べ資産としまして均等償却をさせる、均等以上の償却をしてもよろしいのでございますが、十年以内に償却させるという特別立法を作らざるを得ないということになった次第でございます。
#50
○向井長年君 昭和二十六年の経済安定本部のいわゆる企業会計基準審議会、こういうところで審議されて、商法と企業会計原則との調整に関する意見書の中にも、臨時巨額の損失という問題については、繰り延べ資産とする制度を認めることに改めよ、こういうことが言われておるわけなんです。ところが、実際これは商法上では、この改正が行なわれておらないということです。これはやはりこの取り扱いについて、いろいろ政府は検討されたと思うのですが、なぜこの改正の中に、そういうことが入れられなかったのか。
#51
○政府委員(倉八正君) これは、商法改正というのは、五年くらいかかって論議した問題でありますが、その場合に、御指摘のように、閣法学者と会計学者の間に議論が対立したのがその点でございまして、臨時巨額の損失というのは、商法の中に入れてもいいじゃないかという議論と、入れるのはおかしいという議論が、最後まで対立したわけでありますが、改正商法においてはそれが落とされた、落とされたと申しますのは、いわゆる債権者保護におきまして、臨時巨額の損失のごときものをあげるというのは、会社経理の内容を悪化させるものだ、したがって、健全な運営はできないのだという商法学者の意見が勝ちまして、そうしてこの新商法の中から落とされたのでございまして、したがいまして、もしもこういう情勢が生じたらば、それは個別法でいくべきじゃないかという一種の原則と申しますか、そういう了解ができたわけであります。したがいまして、今度の輸出硫安の赤字につきましても、例外中の例外としての特別法をとった次第でございます。
#52
○向井長年君 この商法改正は、大体昨年でしょう、一年前ですね。一年前に、この硫安の問題も、これはもうわかっておったと思うのですが、こういう法案を考えなければならぬということ、いわゆる巨額の損失というものに対して、こういう立場から考えるならば、そういう中で、こういう特例という形じゃなくて、当然、商法改正の中で十分検討されて、改正されるべきじゃなかったのか、こういうことなんですが。
#53
○政府委員(倉八正君) それには二点あろうかと思いますが、一点は、私が、今、先生に御答弁申し上げましたように、商法という基本法の中に、そういう特例を――特例と申しますか、巨額の損失を繰り延べにするという原則を入れるのは、ちょっとまずかろうという商法学者の意見が勝ちを制しまして、商法に入れなかったということ、それが第一点でございます。
 第二点は、昨年の四月に通りました商法改正のときには、政府としましても、硫安輸出会社に積み立てておる赤字をどうするかということがまだ何ら決定を見ていなかったのでございます。決定を見ましたのが、さっき中田先生の御質問にもありましたように、昨年の十二月の二十八日でございますから、時期的にとうてい間に合いかねたというのが現状でございます。
#54
○向井長年君 この改正商法の二百八十五条の四ですね、これは「金銭債権ニ付取立不能ノ虞アルトキハ取立ツルコト能ハザル見込額ヲ控除スルコトヲ要ス」、こうされておるわけなんですが、硫安の場合には明らかにこの資産に計上することはほんとうは法律上からいえばこれはいけないことじゃないですか。これはそういうことがはっきりしているのだから、この点について、どうもこう商法改正の問題とからみ合わせて疑問があるわけなんですがね、この点いかがですか。
#55
○政府委員(倉八正君) 全く先生のおっしゃるとおりでございますが、しかし、この特殊法を、今硫安の売掛金の特別措置法を出しましたのは、したがって一般法ではそういうことはできないが、硫安の売掛金によって生じたゆえんのものを検討いたしますと、さっき申し上げましたようないろいろの理由から生じてきたのであると、したがって、これを一気に償却させるというのはとうてい実情に合わないし、またその硫安の今後の健全なる生産態勢にも影響するということで、そういうメリットから考慮しまして、こういう特別な特別法を制定したわけでございます。
#56
○向井長年君 通産大臣どうなんですか。そうすると、これはその他の何か業種でこういう問題が出れば、やはりこういう特例法を、商法の規定に反した特例法を出さなければならぬということになってくるんじゃないかと思うのですが、こういうことはやはり将来もあると思うのですよ。この点どうでしょうか。
#57
○国務大臣(福田一君) 政府としては、実は法務省といろいろ打ち合わせしたときにも、法務省のほうから実はあまりこんなものをやってもらいたくないということがありました。われわれのほうとしても、これは全くの特例で、将来はこういうことはしないのだということを言っておいたわけでございますので、そういうことは起こり得ないと私は思っている次第でございます。
#58
○向井長年君 次に、租税特別措置法との関係ですが、特に租税特別措置法の一部の改正にあたって、三十六年の三月ですか改正されましたが、輸出硫安売掛金を税法上ではこれは損金に入れる、損金に算入するのだと、こういうことなんですね。いわゆる戻し税及び免税措置を講じていく、こういう格好になっておるのですが、法的にも明らかに損金という形がここで明記されているのですよ。これが貸借対照表の中には売掛金とこういう形で計上することになるわけですが、どうもこの点取立不能であるように見せておいて、政府はこれを黙認してきていると思うのですね。そうしますと、一般的に言われる二重帳簿と申しますか、各会社でやっておりますが、いわゆる税務署に見せる帳簿なり、あるいは銀行関係に若干説明する帳簿、こういうふうに二つの帳簿を作りましてやっている例があると思いますが、そういう状態に今政府は、損金の問題あるいは売掛金の問題で、そういうような会社もできるのですが、この点どうですか。
#59
○政府委員(倉八正君) 仰せの三十六年の三月にとりました租税特別措置法の措置は、これは実質上の赤字をできるだけ解消してやろうと、そのために従来払っておった仮払いの税を戻してやろう、あるいは今後取り立てるべき税を赤字に応じて返してやろうというのが、特別措置法の一口で言えば内容でございます。
 ところが、今度の提出しております法案というのは、そういう実質的なものはさることながら、硫安会社の帳簿に売掛金二百十五億というのが全部不良債権として計上してある、その不良債権を十年間に償却してはっきりした姿にしなさいというのが今度の趣旨でございまして、ちょっと租税特別措置法の精神と、今度の法の精神というのがその面において違うわけでございまして、この両方をとってもって初めて硫安の輸出の赤字を解消する、それから実質赤字の解消というのができるわけでございます。
#60
○向井長年君 この租税特別措置法の改正のときに、なぜ今回の法案のような繰り延べ損失として計上することを強制しなかったのか、これはいかがですか。
#61
○政府委員(倉八正君) それは硫安の売掛金をどうするかという政府の態度がまだきまっておりませんで――あれはたしかあの当時の赤字は百三十五億だったと思いますが、それをどう解消してやるかという、いわゆる政府の態度がはっきりきまっていない関係上、その場合には、ここで御提案申し上げておるような法案の措置はとれなかったようなわけでございます。
#62
○向井長年君 これは先ほどちょっと質問しましたが、衆議院でも特にこれは問題になったと思うのですが、将来同じようなケースが出てきた場合には、法務省等では非常にきらっている、こういう話でございますが、これはおそらく将来業界、いわゆるそういういろいろな業種の業界から、こういう問題が持ち上がってきた場合には、非常に困るんじゃないかという気がする。こういう特例を商法の基本に反した特例をたびたび認めていくということになってくれば、こういうことになれば、商法の形体が失なわれてしまう、こういう結果になってしまうのです。この点ひとつ通産大臣としては、法務省の関係もありましょうが、将来問題じゃないか、これは法律上の問題から考えていかがですか。
#63
○国務大臣(福田一君) 私はこれは硫安二法というものがございまして、それに基づくその法律の結果として出てきた硫安輸出会社の赤字でございまして、問題はこういうことが今後起きては困るとおっしゃる気持は、われわれも同じでございまして、そういうことになってはいけません。将来この種の法律を作るときには、そういうことをしないということを、あらかじめ立法のときに考えなければいけないと思います。
 それから法律がなくてこういうことが起きたときは問題にできません。政府としてしりぬぐいをする筋合いでもないのであります。でありますから、今後この種の法律ができるような場合には、十分その点は注意するということによって今、向井委員が仰せになったことは、防ぎ得るんじゃないかと私は考えているわけでございまして、これは特例中の特例である、商法というようなものに、ほんとうは特例を作ることは、私は好ましいことではないと実際思う。これは経済行為の大宝典といいますか、その根幹をなしておるそういう法律に特例を作るということは、実におもしろからざることであるということは、われわれも十分承知しておりますが、これよりほかに問題の解決の方法はない、したがって、特にひとつ認めてもらいたい、こう言って法務省等ともいろいろ交渉して、法務省でも今度だけはというふうなことで、実はやっておりますが、将来はこのようなことは起こり得ないし、起こしてはならないと私は考えます。
#64
○向井長年君 そうすると、今回の法案が通過すると、この硫安輸出会社の経理はどうなっていくのですか。
#65
○政府委員(倉八正君) この点は、帳簿の仕組になりますが、今後硫安会社と硫安輸出会社と各硫安メーカーとの関係は、こういうことになるわけでございまして、硫安メーカーが二百十五億今赤字を持っている、売掛金を持っている。それをたとえば二十億引き落としたということになりますと、硫安輸出会社の買掛金も、それから二十億それに見合う額だけ落ちていくわけであります。したがいまして、硫安メーカーの売掛金がゼロになった場合に硫安輸出会社の買掛金もそこでゼロになるということに、そういう仕組みになるわけでございます。
#66
○向井長年君 これはかりに、今回この法案がもし成立しなかったとした場合ですね――皆賛成だから成立すると思いますが、しかし、もし成立しなかったと仮定した場合に、硫安業界はどんな事態が生ずるんですか。大臣、これはどうでしょう、局長でもけっこうですが。
#67
○国務大臣(福田一君) 私は混乱という言葉の内容によって分かれるところだと思うんでございますが、非常に困った事態が起きるだろうとは思います。
#68
○向井長年君 局長。
#69
○政府委員(倉八正君) こういう事態が起こると思います。ある会社が、今たとえば東洋高圧のごときは三十数億の売掛金を持っておるわけでございます。それを商法の二百八十五条ノ四で一気に引き落とすということになりますと、その会社はいわゆる全部法定積立金、任意積立金を出しましてもとても払い切れない、まして配当もできませんし、それから銀行の借入金もしたがいましてできないようになるということになりますと、まあ極端に申し上げますと、この一年ぐらいは実際はストップするようなことになりゃせぬかというふうに考えます。こういうのが会社の実例でございまして、これはどういう会社でも一気に落とすということは、私は絶対に今の経理状態では不可能だろう、したがって、そういう混乱がどの会社につきましても、大小の差こそあれ必ず起きてくると考えております。
#70
○向井長年君 そういうことは今わかったんじゃなくて、これは一年前にわかっているわけですね。したがって商法改正の中で、先ほど申しました二百八十六条三の項でこういう問題をなぜ入れなかったのかということですよ。この項目の中に。
#71
○政府委員(倉八正君) 今までそういう会社の監査をするのが、公認会計士でございますが、公認会計士の、その関係におきましては、この売掛金というのは成規の法律行為によって生じた売掛金である。したがって、その売掛金を政府がそれをまるまる返すか、あるいは返すと同様な効果を上げるまでは、全く未済勘定として経理するということになっておったわけであります。したがいまして公認会計士がこの硫安十六社の監査をする場合でも、この問題につきましては、そういう意味のことを掲げておりまして、政府の決定があるまでは結論を待つという意味のことを従来記載しておったわけであります。
#72
○向井長年君 それの答弁、私は硫安の会社のことじゃなくて、今質問したのは、先ほど言ったように、この法案が通らなかったらひどい目にあう、大混乱だと、こういう通産大臣の答弁ですが、そういうことは今わかったんじゃなくて、これは一年なら一年前からわかっておると思うんですね、そうでしょう。そうすると、商法改正の中でこういう巨額の損失という問題、こういう問題の一項をなぜその中で、改正の中で入れなかったかという、こういう質問なんです。
#73
○政府委員(倉八正君) 改正の中でこういう損失を入れるということになりますと、商法の建前の繰り延べ損失が、さっきもちょっと触れましたように、資産性のあるものを繰り延べ損失とするというのが商法の原則でございますが、この二百十五億というのは資産性は全然ございませんので、取り立て不能の損失額ということで、商法の精神に反するということで、商法の一般原則の中の条文には掲げられなかった次第でございます。したがいまして、掲げる場合には、例外中の例外の特別立法でやれ、こういう方針に従ったわけであります。
#74
○委員長(赤間文三君) 他に発言もなければ、本案に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#76
○中田吉雄君 私は日本社会党を代表しまして、ただいま議題になっております輸出硫安売掛金経理臨時措置法案に対しまして、次のような希望意見を付しまして賛成をいたします。
 肥料二法もあと一年でございますので、昭和三十七年の十二月二十八日の閣議決定を裏づけるような、化学工業としてあるいは農業政策としての肥料政策の全貌を至急に明らかにして、完璧な対策を立てていただきたいと思います。特に硫安の輸出価格と国内価格との差は二割七、八分も開いていますので、そういう差を縮めるようなことを中心とした合理化計画を立てていただきたい。特に第一次、第二次合理化計画とも生産能力と設備投資においては計画以上にいきましたが、コスト・ダウンにおいては所期の目的を達することができておりませんので、特に硫安輸出会社の赤字が農民に転嫁されるじゃないかという心配を全国の農民が持っておりますので、そういう心配を払拭するためにも、適切な合理化計画を、過去二度の計画にかんがみて、完璧なものを立てて、ひとつ豊富で低廉な、適宜に内需を満たし、国際競争にもたえるような硫安工業の育成強化をはかっていただきたいという希望を付して賛成いたします。
#77
○川上為治君 硫安工業につきましては、御承知のとおり、各種化学工業の基礎としましてあるいはまた輸出産業としまして、きわめて重要な産業でございますが、わが国の現在の硫安工業は諸般の事情から非常に苦しい経理状況にあるわけであります。これが再建をはかるためには、本法案を成立させることがきわめて緊急を要するものと思いますので、私は自由民主党を代表いたしまして、本法案の制定に賛成の意を表します。
#78
○委員長(赤間文三君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 輸出硫安売掛金経理臨時措置法案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#80
○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 本日はこの程度で散会することにいたします。
   午後零時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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