くにさくロゴ
1947/08/11 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第11号
姉妹サイト
 
1947/08/11 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第11号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第11号
昭和二十二年八月十一日(月曜日)
    午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 葉梨新五郎君
      赤松  勇君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      林  大作君    松尾 トシ君
      大上  司君    栗田 英男君
      松田 正一君    泉山 三六君
      江崎 真澄君    島村 一郎君
      周東 英雄君    鈴木 正文君
      苫米地英俊君    宮幡  靖君
      石原  登君    相馬 助治君
      河口 陽一君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   前尾繁三郎君
        大藏事務官   福田 赳夫君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 財政方針等に關する件
    ―――――――――――――
#2
○早稻田委員長代理 それでは會議を開きます。
 大藏大臣が出席されておりますので、本日はこれより昭和二十二年度追加豫算編成に關する一般方針について、大臣の説明を聽取することにいたします。大藏大臣。
#3
○栗栖國務大臣 今まで二十二年度の追加豫算につきましては申し上げたのでございますが、ただいま特別會計のものを取りまとめ中でございますし、さらに司令部の方えも一般會計のものはもつていつておりますが、特別會計のものはまだ經過だけを報告いたしまして、數字はもつていかないというようなありさまであります。これは一兩日のうちに數字ができると思いますので、司令部の方へもそれを併せもつてまいりまして、一般會計と特別會計を通じて最後の方針を協議いたしまして、そうしてきめる、こういうような段取りになると思うのであります。そこでそれと並行いたしまして、また特別會計につきましてはこの席上でいろいろ御相談もし、御協議を申し上げたい、こういうように思つておる次第でございます。ただいま私どもの考えております方針といたしましては、先般來も申し上げましたけれども、大體一般會計については一般會計として健全財政という建前から單に名目上ではなしに、實質的にも、赤字の公債というようなものの發行を避けた健全主義を十分盛つた財政を組立てたいと思つておるのであります。特別會計につきましてはいろいろございますけれども、鐵道の會計につきましては、今日までいわば經理的には比較的彌縫的な政策がとられておりました。不足の金、すなわち赤字は金融の面にまわつて賄われている。こういう關係があるのであります。すなわち日銀資金に頼つてこれを始末をつけている。こういうふうな關係でございます。もつと詳しく申しますれば、足りない金の一部分は日銀資金を借りて始末をつけ、他の一部分は不拂いの形で殘つているのであります。そういたしますと、メーカーその他が鐵道に收めたものは資金を代金に得ることができない關係でありますので、復興金融金庫その他の金融機關にそれがまわつて、つなぎ資金を借りているというような現状であるのであります。それならば、鐵道につきましては直ちに追加豫算を出して黒字を出し得るかと申しますると、これは官業でございまして、そう簡單にすぐ黒字化するということはできないのでございます。これはかすに年をもつてする。あるいは五年であるとか、あるいは適當なる年をもつてして經營を合理化していつて黒字をなくする、こういうような大體の方針を立てて、その立つた上に今度の追加豫算を盛りたい、こういうように考えてただいま兩省の間で折衝いたしているような次第でございます。
 それから遞信會計でありますが、これも一般豫算においても赤字が出ておりまして、これは赤字は赤字のままで盛つてあるわけであります。これもこのままにしておくわけにまいりませんので、追加豫算につきましては各數字、各項目について詳細に檢討を加え、今期の追加豫算を盛り、あるいは追加豫算を黒字にすることができるか、あるいは黒字にすることができなくても、若干の赤字ですむのではないかと思つておりますけれども、本豫算においてすでに赤字は相當盛つてあるのであります。やはりこれも適當なる年次計畫を立てて赤字を克服して黒字化する。こういうような政策を立てて、その上に今囘の追加豫算を盛りたい、こう思つて、ただいまもいろいろ交渉を重ねているような次第でございます。そのほか林野の特別會計でありますが、これはそう大した問題がなしに整理ができると思うのであります。
 かようにして特別會計と一般會計との兩方を合わせまして、どこの部分に赤字が出て、どこの部分には黒字が出るか。そうしてこの赤字の出ている部門についても、經營の合理化、その他適當なる方法によつて、この赤字を克服して財政上の健全性というものを確立する、こういうような方針を明かにいたしたいと思つております。これも特別會計が遠からず數字がまとまれば、司令部の方へもつてまいりますし、皆樣にも大體御協議を申し上げたいと思う次第でございます。それから一般會計につきましては、ただいまいろいろな點も問題になつておりますけれども、大體七百億弱でこれを收めたい、こういうように考えております。これは收入という程度において、歳出をも緊要やむを得ないもののほかは打ち止めたい、こういうような考えからいたしておるのであります。
 歳入という面におきましては、すでに局長が前囘も申し上げておると思つておりますが、大體租税收入も最高度にはかります。そして本豫算と今囘の追加豫算の租税收入を見ますと、これは日本の財政始まつてない大きな金を取立てる、こういうことに相なるわけでございます。相當骨の折れることでありますけれども、これは税務機構の擴充強化という面と相まつて、ぜひ實行いたしたいと考えております。
 歳出の面におきましては、まだいろいろのきまらない點がございますが、一つは復興金融金庫についての問題でございます。これも實は今日まで復興金融金庫は最高度の能力を發揮して金融をいたしておるわけでございますが、政府の支拂その他が後れておるために、財政資金が産業資金の方へはいりこんだりして、いろいろめんどうを生じております。こういうようなものもぜひだんだん是正していくと同時に、復興金融金庫につきましては、公團金融の資金が相當おびただしいものがございます。他面におきまして、ぜひ、この際しなければならぬ緊要産業に對する資金の供給が相當大きくなつておりますので、政府といたしましては、つい先日三百億の増資をいたすことに内定いたした次第でございます。そしてこれでもつて復興金融金庫の資金を賄うようにいたしたい。三百億の増資でございますが、そのうちいくらを政府が現實に拂込むか、こういう問題の見透しを今つけておるような次第でございます。
 復興金融金庫につきましては、債券の發行とか、あるいはその保證額というものと併せて出資額をきめることになつております。債券の發行がどのくらい見透し得るかというような問題、そして復興金融金庫の保證によつて市中銀行その他が金融し得る限度がどのくらいか、こういうようなことの見透しをつけて、財政の面において出資をきめたいと考えております。復興金融金庫については、本豫算で大體六十億の拂込み、政府の出資がきまつておつて、まだ實行いたしませんものも併せて實行いたしまして、復興金融金庫の資金については十全を期したい、こういうように考えておる次第であります。
 それからもう一つは、貿易資金であります。貿易資金につきましても、いろいろ今までドルの方側と内地側との間のリンク關係もはつきりしないで、處理されておるのであります。これについても合理性をもつと徹底させまして、そして價格調整を他の面の部分についてはだんだんに處理していつて、そういう方面にもつていきまして、ほんとうの貿易資金それ自身の必要なものだけを計上していくように、今檢討を加えておるような次第でございます。
 それからもう一つは終戰處理費がございますが、これもいろいろ連合國側と折衝いたしておりまして、まだきまらないような状態でございます。
 なお一つ申し落しましたが、收入の方といたしましては、税のほかに、專賣益金の増、タバコその他による專賣益金というものを相當に見込んでおるわけであります。それからさらに新しい甘味料の專賣をも實施しようとして、今準備いたしておる次第でございます。これについてはすでに局長が詳しく申し上げておることと思います。大體そういうようにしまして、私は一般豫算、それから特別會計の分についても、一貫をした、また兩方一體的に見得るようなはつきりした數字を皆樣にもごらんに入れ、國會にも出したいと思つております。それと同時に地方財政が非常に窮迫しておるとか、紊亂をしておるようなおそれがあるものにつきましては、これについても檢討を加えたい、こう思つたのであります。そうして必要あるものについては、たとえば起債などの點については、長期化してだんだん整理するという必要があるものについては考慮もいたしたい。またいろいろ便法をも考えたい。こういうように考えております。なお六・三制の起債と併せてそういうものをも考えたいと思つたのであります。
 金融につきましてもこの前すでに申し上げましたけれども、そういう健全財政、地方財政の健全化と一體的に考えまして、そうして不必要な、緊要ならざるもの、好ましからざる方面に資金が流れるということは徹底的に抑止いたしたいと考えております。それと同時に緊要なる事業につきましては、しかもそれが企業再建整備というものをもどんどん進めてまいりまして、それと竝行的にいろいろ個々の産業について資金が要るというものにつきましては、十分資金の供給をも考えて經濟の再建、生産増強という面に支障のないようにいたしたい。こういうように考えております。
 なお國民貯蓄の増強につきましては、衆議院におきましては多大の御援助をこうむりまして、まことに顯著な成績をあげておるのであります。今後もなおこれを増強いたしたい。それについてはいろいろ資金の集積を容易ならしむるような方法、たとえてみますならば通貨の信用を高くする方法、あるいはその他の預金者に便利を與えるような方法等をも、いろいろ考えて、實施いたしたいと思つております。資金集積につきましてこの第二四半期などにおきましては、あるいは物價體系の端境であり、その他諸計畫を實施いたしますずれからして、資金の集積が思うようでない場合もあろうと思うのであります。そういう場合には特別にやはり必要ある場合に、資金集積を超えてやむを得ない金融をするというような場合には、大藏省、日本銀行その他が緊密なる連絡をとりまして考慮し、そうして必要なるものは、日銀資金を解放して供給をいたしたい。こういうように考えておる次第であります。大體その後の經過その他を申し上げますと以上の通りであります。
#4
○早稻田委員長代理 質疑の通告がありますので順次お許ししたいと思います。島村一郎君。
#5
○島村委員 この間から大臣もおみえになりませんし、大分前に通告をいたしておつたのでありますが、いろいろの關係で今日まで延びたのであります。御了承を願います。
 追加豫算も間近に提出されるというようなことを伺つておりますが、今日はたして大臣の常に言われておる、また私どもの常に望んでやまないところの健全財政の將來はいかがであろうか。その將來の見透しについて一應大臣の御見解を伺いたいと思います。どうもこの調子でまいりまして、はたして健全財政が維持できるや否やという懸念が多分にございますので、その點についてまず大臣の所見を伺いたい。
#6
○栗栖國務大臣 お答えいたします。政府は四黨の申合せに基いて、經濟危機突破對策を立てました次第であります。その一連として健全財政、健全金融、そういうものが立つておるのであります。これは各政策が相關的に、總合的に實行されないと私はいかぬと思うのであります。流通確保の問題、あるいは食糧問題、そういう點をもにらみ合わせて健全財政を進めておる次第であります。こういう點が遺漏なく行われますならば、私は健全財政は十分進んでやつていきたい。またやつていく見込みがあると考えておるのであります。ただ全體の政策について、私ども閣議においても強力に手落ちのないように進めていきたい。そうしてその一翼として健全財政を極力進めていきたい。こういうふうに考えております。
#7
○島村委員 どうも現在の物價の體系などを實際にみましても、かりに千六百圓が千八百圓になり、これが二千圓ということになると、人件費だけの問題にしましても、思い半ばに過ぎるものがあると思う。そういう點について私はまず根本の問題としてこれをお伺いし、それより徐々に追加豫算の問題について、もちろんその内容は知るに由ありませんけれども、漏れ聞くところについて伺つてみたいと思います。今度現われます約七百億と言われる追加豫算の、まず歳入の問題について考えますと、はたして政府の見込み通り政府がいわゆる收入し得るや否や、あるいはバランスを合わすために、このくらいの見積りができるじやないかというお考えが含まれているのではないか、そういう點が幾分懸念されるのであります。と同時に歳出の面においても、これは、はなはだ不謹愼な言分かもしれませんが、このくらいのものは事業を繰延べると初めから豫定しつつ、收支のバランスを合わすために組んだような傾向があるのではありませんか、そういうことをお伺いしてみたいと思います。
#8
○栗栖國務大臣 お答えいたします。御心配はまことにごもつともと存ずる次第であります。私は單に名目的につじつまを合わすという意味では、これは今でもいろいろ行われましたけれども、何にもならぬと思うのであります。そこで實質的なつじつまを合わす、それにできるだけ近からんとして努力しておる次第であります。税につきましても關係事務當局において、數囘の再檢討を重ねて、そうして能う限り實際的に收入し得る金額を計上いたす、こういうふうに考えておる次第であります。
#9
○島村委員 財政の問題についてはそのくらいにしまして、次に金融の問題について一つ伺つておきたいと思います。生産の増強につきましては、政府も私どもも、もちろんこれを望むところであります。現在の金融の状況ではその生産増強が、はたしてなし遂げられるや否やという懸念が多分にございます。でありますので今生産面に對する増強策としての金融政策はどうであるか。あるいはまた近く再開されるという貿手につきましても、公定の問題などは、この間中は非常に政府當局と日銀、あるいは復金あたりの考え方に食い違いというか、了解が足りなかつた。そういう點があつたように考えます。現在におきましてはそうした問題もどう處理されておるか。はたして圓滿なる了解點に達したか否やというようなことを、ひとつ伺つておきたいと思います。
#10
○栗栖國務大臣 お答えいたします。金融の點につきましては先刻ごく概括的に申し上げました。ただいまの御心配もごもつともと思つております。私はこういうような方法を實は入閣してからとつたのであります。大體資金を集めて、その範圍において、その一定割合において貸出すというのがこれが原則でありまして、これは金融ということをとれば、どうしてもそこを極力推進せねばいかぬと思うのであります。ところで現在の状態はどうであるかと申しますと、第一政府その他の支拂いが非常に遲れておりまして、それが産業資金の方に食い込んでまいりまして、金融機關の手許はもう手いつぱいで、なかなか貸出す餘力がないという現状がひとつあります。一方におきましては新規資金の蓄積でありますが、これは先ほど申し上げましたようなこの端境、その他のずれなどの事由によりまして、なかなか思うように進まない、こういうような現状があるのであります。そこでわれわれといたしましては、近く政府としてこの端境を乘切る當面の金融對策をきめまして、できれば今週中にも發表いたしたいと考えておるのでございます。その方法は先ほどもざつと言及いたしたところでありますが、まず政府で支拂いの停滯しておるのをだんだんと討究をいたしまして、拂うべきもの、資金の必要なものについては、大體この際拂うような措置を講じたい。これもなるべく速やかにいたしたいというので、いろいろ事務當局の打合わせをいたしております。その拂うべき必要やむを得ない資金については、日銀資金その他によつてこれを賄つてもらうような話合いもいたしております。そういうような金が拂われてまいりますと、その一部は金融機關にすでに貸出してある金の返濟として金がまわつてくると思うのであります。そのまわつて來た資金は、さらに金融機關をして、新しい當面の必要な資金の供給に振り向けたいと思つております。しかしそういうものを向けましても、なお足らないものにおきましては、重要緊要な産業について資金が必要である場合には、先ほども申し上げましたように、資金蓄積というような、度を超えてわく外で日銀資金を放出して、必要なものについては、特に例外として貸出したい、こういうように考えております。しかしその貸出についても漫然と食いつなぎのための資金ということは、これは先ほども申し上げましたように、赤字金融を極力押えるという點からも、これはとうていできないことであります。個々の事業について企業再建の整備の線を進めて、見透しが大體つく。その見透しによつて、どうしても必要な資金はこれを貸出すということによりまして、見透しその他は大體日本銀行、大藏省、安本その他商工省等關係官廳と密接な連絡をとつて、個々のものについてつける。こういうようにして大體必要な緊要産業というものの資金の供給は、いろいろな形で遺漏なからしめたいと思つておるのであります。それからなお公團金融でございます。公團金融は今までは市中金融機關がその役割を果しておつたものが、公團ができたために、公團金融は復金を經由してやらなければならぬというような關係がありまして、自然復金に資金需要の重點が集まることになるのであります。これにつきましても公團はできるだけ制限的につくつてもらうという考えをもつております。そうして公團金融のために、復金の資金の需要が起るについては、何か適當な方法をもつて市中金融機關に復金から資金の轉換をするというような方法をも考えたいと存じております。なおその他先ほども申し上げましたような、貯蓄の増強、それについては通貨の信用維持ということも極力考え、また貯蓄を容易にするような萬般の方法を考えて、國民の貯蓄増強の面をはかつて、大體經濟が安定の方に一歩をたどることになりますれば、貯金も貯蓄も殖えてまいります。そういう場合には緊要事業にも均霑がゆたかになります。なお餘りがある場合には、この際端境期として日銀資金を放出したものも囘收いたしまして、正常な状態に、一歩でも近づけるようにいたしたいと、こう努力いたす考えであります。
#11
○島村委員 一應この程度で止めたいと思います。ただここに一つ希望を申し上げておきたいと思います。たとえば貿手の問題などにおいて、復金の保證貸出について、市中銀行がややもすれば疑念をいだく、あるいはそれに對して逡巡するという傾きがあるようにどうも思える。こういう點については政府當局から十分了解のいくように、市中銀行の方へお話をもう一應念入りにお願い申し上げたいのであります。もう一つは資金の貸出状況について、先般G・H・Qの金融機關班長でしたか、それでは創立の精神に反しはしないかという言葉を洩らしておりました。これははつきり御認識のこととは存じますが、あくまでもああいう人達の言葉を借りずに、圓滿に遂行していただくように、特にお骨折りをいただきたいと思うのであります。これだけ申し上げておきます。
#12
○栗栖國務大臣 御希望の趣旨は私も長年金融の畑にすわつておりますので、よく存じております。貿手につきましても、いろいろ圓滑を缺くような話合いがございましたので、直ちに私どももその兩方面に長年の關係をもつておりましたので、いろいろ話を聽きまして、貿手その他の資金疎通については、日本銀行としても十分助力いたしまして圓滑を期したい。これも相當個々には具體化しておるのであります。なお復金の運營と本來の設立趣旨についてお話がありましたが、それらの點も十分心得ております。市中銀行は何も貸出さない。それで普通の銀行としてできる仕事も復金にかけて金融する。これは設立の趣意にも問題を生ずると存じておりますので、これはなるべく普通の金融機關でできるような仕事でありますならば、私共はその方面にもつていくように、あるいは場合によりましては、金融機關を集めて一つの共同融資というようなものも考え、この際實行も始めておるような次第であります。それから普通の金融機關でできるが、金がなくて貸出しができぬ。しかし緊要企業でどうしても貸したいということであれば先ほども申し上げましたように、日銀資金を普通金融機關に出しまして、そうして正常なる金融のルートによつてこれをやりたい。こういうようにも心がけております。
#13
○早稻田委員長代理 河井榮藏君。
#14
○河井委員 資金の集結と金融の政策についてお尋ねしたいのでありますが、大藏大臣は國民の貯蓄増強ということについてたいへん御熱心に御努力なさつておりまして、この前二日の同僚の西村榮一君の質問に對した御答辯の中にも、今後の新しい資本の集積を民主的に募集するには、廣く國民に訴えて、從來の貯金のほかに増資株の引受、あるいは株式の引受などによつてやるために、大いに證券機構を強化して、證券業者の奮起を望むというような趣旨のお話があつたように承知しておりますが、單にかけ聲ばかりで證券業者、證券機構の強化を聲援されただけでは實績は上りません、御承知の通り證券界は、今日新しい取引所がまだできないで、いわゆる業者が仲間取引でやみの市場で株式の賣買をやつておる。しかも資金は極度に枯渇されて、最近荷為替の金額の範圍は擴大されたようでありますが、株式の仲買人として買付けて受渡しをするまでの受渡し證券資本というものについては、まつたく銀行は金を貸さない。極度に引締めておるというような状態でございます。殊に最近大阪では持田商店と安田銀行北濱支店との、いわゆるマラソン手形の檢擧がありまして以來、銀行業者はあつものに懲りてなますを吹くというような態度で、極度に運營ができない状態になつております。今日株は非常に安いのでありますが、取引の數は非常に多いのでありますから、取引が成功したならば一人の仲買人で一日百萬圓、二百萬圓のお金を持たなければ仲買は圓滑にできない。しかも今日は時あたかも新しい資本家層、農漁村、あるいは市中の小商人など、二十萬、三十萬程度の金を持つている人は、銀行に預金するその利息などは問題にしておらない。また最近の無記名預金も魅力はありますが、これも結局消極的で、すべての人は現在持つておる金の價値の値下りを、いかに防衞せんかということを考えておるのであります。いきおいそれは物を買うということになるのでありますが、やみ物資の取引は禁ぜられておる。しかも今日物資はない。いきおいこれは有價證券、株式の買付という方面に向くのでありますが、證券はいうまでもなく利潤證券でありますと同時に、物的證券の面も多分にもつておるのでありますから、こういう新しい資本家を投資さすには、藏相がこの前言われましたように、證券機構の増強、そうして證券業者の奮起、彼らの働くことのできるような資金を融通してやつていかなければ、事實上できないことと考えるのであります。これはちようど今日貯金を殖やす上におきましても、過剩通貨の吸收の上からいきましても、また産業資金を新しい資本家層から求めますことにおきましても、いわゆる一石二鳥の方法だと考えるのでありますが、こういうことに對しまして日銀は、市中銀行に對して信用の増出をほとんど拒否しておるのでございます。業者では一億五千萬圓の證券資本の融資を要望しておつて、それを認められたとか何とかいうような話もありますが、この證券機構の強化、貯蓄増強の一場面としてのこの證券界に對する金融について、藏相のお考えを承りたいと思います。
#15
○栗栖國務大臣 お答えいたします。貯蓄の増強ということを相當大きな面において、新しい資本家層の民主的形成というものと關連をなし、また密接な關係のもとに推進いたしたい。またそれが一番必要だと考えておることを、まず第一に申し上げたいと思います。
 それにつきましてはまず證券について、確實なる證券を公衆に提供し、廣く民衆に提供して、歐洲第一次大戰前後とか、その後にも時々行われましたような不良株を田舎の方面に持たして大きな損をかけるというようなことは、政府が音頭をとつて貯蓄増強をさせます上におきまして、ゆゆしい問題でありますので、まず優良なる證券を提供さすような機構と方法というものを、ひとつ考えなければいかぬ。取引所再開が行われ、あるいは證券委員というようなものが、だんだんきまつてまいりますれば、そこがはつきりいたしてまいると思うのであります。同時に各企業も再建整備の一途をたどりまして、その證券についての投資の目標がはつきりしてくるということになれば、これは非常な效果だと思つておる次第であります。
 それから證券業を營んでおられるところの會社についてでありますが、これも今まではあるいは有價證券引受業法、その他いろいろな法律がありましたが、今囘證券取引法によつてそういうようないろいろな區分が撤廢されて、あるいは特權をもつておつたと思われるようなものも撤廢されまして、ひとしく同じ立場において自由競爭のもとに證券の取引ができる、こういうような證券會社となつたわけであります。しかし證券會社としましては、この新しい資本家層を民主的に形成するという大きな目標を頭において、そして十分に内部の基礎機構を整備して進んでいただきたいと考える次第であります。
 それからそれの金融でありますが、この證券業が圓滑に、そして新資本家層を民主的に形成する上におきましては、相當の資金を要することはただいま御質問の通りであります。これにつきましては私もつとに考えておるのでありますが、これは證券機構あるいは取引機構、證券業者の機構等が、だんだん固まつてき、整備されるにつれて、資金の金融をも整備いたしたいと考えておる次第であります。しかしすでに第一歩としまして、取引所は開かれておりませんけれども、いろいろ取引がございまして、そして優良なる事業株を公衆に提供する、そのための荷為替の問題の金融ということにつきましては、先ほど來大きくわくを擴げて御便宜に供した次第であります。なお將來新資本層の形成に非常な貢獻をし、そのために資金が要るということであれば、その必要に應じては擴げることも考えたいと思つております。
 それからいわゆるつなぎ資金のお話がございましたが、これももちろん必要でございます。これは將來證券機構というようなものがいろいろ整備されれば、その面に沿うていろいろ本格的に考えたいと思つておるのであります。さしあたりの問題といたしましては、業者の方からもその資金として、さしあたりの金額の要求がございますので、われわれはこれを今檢討しております。
 それからなお割つて申しますと、業者においては、そういう資金は優良なる事業株その他確實なる證券を、公衆に提供するための線にだけ使つていただきたいものであります。かりにもほかの面に流用していただいては困りますので、そういう點をむしろ業者の方において何か打合せ、あるいは内示的にも方法を區別して取扱い得るようなことを考えていただきたい。そういう點をも先方業者の方にも考えてもらつておるような次第であります。そういうような方法が出てくれば、これも何とか必要の程度においては善處いたしたいと考えておる次第であります。私は金融の健全化ということも、インフレ脱却の一つの大きな要素として申し上げたのであります。その金融の健全化の一つとしては證券金融ということももちろん考えておる次第であります。中央の財政、地方の財政、一般金融證券の金融というように、次え次えと、一連の時局を乘切るための對策を立てていきたいと思いまして、目下事務當局にその邊のことを考えさせておるような次第であります。
#16
○河井委員 ただいまの問題は了解いたしましたが、藏相の一般經濟に對するインフレ防止の觀點は、藏相御就任の當時新聞記者との會談でお話になつたように、日本のインフレは漫性的になつておるから、これに對する療法は漫性的治療法で進むのだというようなお話があつたように承知しておりますが、これは意見の相違でありまして、われわれは通貨の改革をやらなければならないと考えておるのであります。しかしそれは政黨の協定もありますので、ただいまのところにおきまして藏相のもつておられる對策は、要するにそういうふうな外科的な手術をとらないので、内科的な治療法で進もうというお考えのように考えられるのであります。そうしますと、内科の醫者の治療法は第二義的でありまして、病人の自然の體力の囘復が一番でなければならない。それについては相當に必要な産業資金も出して、日本經濟の還元をできるだけ早くするようにしなければならないということを考えておりますので、その點につきまして栗栖藏相のお考え方は、産業資金にも、必要なものについては日銀の貸出を緩和するというお考えはたいへん結構でありまして、さすがに産業金融に多年實際の御經驗のある藏相だと敬服しておる次第であります。その點について藏相のお考え方と、日本銀行總裁の考え方とは、いくらか違うのではないかというような考えをわれわれはもつのであります。日本銀行總裁は、日銀の特異性を強調されまして、絶對に日銀の金融機關に對する資本の増出はしないということをしばしば言明されておりますが、今日枯渇したる資金をしかも貯金はなかなか思うようにならない、それを貯金の集まつたわく内だけで、絶對に資金は出せないというのではこの當面した産業資金は枯渇して、結局日本産業は死滅のほかないと思うのですが、こういう點につきまして藏相と日銀總裁との意見の相違がありますならば、われわれは何と言つても日本の經濟の指導は藏相が握つておられるのですから、藏相のお考でやつていただきたいと思います。藏相のお考えを伺います。
#17
○栗栖國務大臣 お答えいたします。日本銀行においても原則的に赤字金融食いつなぎというようなことのための金融ということを押えるということは、極力堅持しておるわけであります。重要産業に對する端境期、物價體系のずれ、その他によつて生ずる一番大事な金融、産業に對する金融につきましては、大藏省も日本銀行も安本も、完全に意見が一致いたしておる次第であります。割つて申しますれば、日本銀行總裁と私、安本長官もよりより一緒に話を進めておるのでありますから、御心配はないと思います。なお個人的なことでありますが、今の總裁と私は長年の妙な關係がございまして、決してそんな意見の分れるようなことはないと思つておりますから、御心配のないようにお願いしたいと思います。
#18
○河井委員 もう一つ小さい問題で、今日の新聞にも出ておりましたが、これは貯蓄の増強に重大影響があるのでお尋ねいたすのであります。民間の金利が非常に高いので、金貸を盛んにやつて、驚くべき高利をとつておる。しかしながらこれは自分の資本でやれば、暴利取締あるいは金利の制限を超脱した違反にすぎないのでありますが、金をもつておる他人の金を預かつて、そしてそれを利囘りをよくしてやるというようなことで商賣をしておる。大阪などでは錢莊と稱して、銀行類似の營業をしておるものがありますので、相當金をもつておる人は銀行に預けておいた利息などよりは、問題にならないたくさんな利息を得られるので、そういうもぐりの銀行業者に金を預けるということが盛んに行われておるのでありますが、こういう銀行類似の營業に對するお取締は、どういうふうに考えておられるのでありますか。
#19
○栗栖國務大臣 お答えいたします。私も今日の新聞で拜見したわけであります。早速事務當局にも取調べさせて、この眞相を明らかにしたいと考えております。しかしかような預金業務あるいは貸出業務を營業として營むようなものは、これは法規にも觸れるわけでありまして、また公衆にも非常な影響を與えることでありますので、これは斷然として差止めたいと考えております。
#20
○佐藤(觀)委員 三つお尋ねいたします。大藏大臣は貯蓄の増強ということを非常に唱えられておりますが、一體この通貨の不安定のときに、しかも國民生活が非常に困難な場合におきまして、はたしてお説のように實際に貯蓄の増強ができるかどうか非常に疑問に思つております。一體政府はどのくらいの目算をもつておられるのであるかということが第一點。
 第二は現在專賣益金を上げようとして非常にあせつておられるが、酒、タバコの値上げをして、困つておる勤勞大衆の負擔をさらに増加することは、今日の物價體系に矛盾するものではないかと思うのですが、それについてどんなお考えをもつておられるか。これが二點であります。
 第三は、先ほど藏相は、地方財政は非常に苦しいと言われたのですが、今度六・三制をやるについては、半額は中央財政、半額は地方財政でやるということを聞いておるのですが、ただでさえ苦しい地方財政をこれ以上苦しめるということは見るに忍びないのであります。こういう點について、もつと政府當局は地方財政について親心がないかということをお尋ねいたしたいのであります。
#21
○栗栖國務大臣 第一點についてお答えいたします。大體私どもは、貯蓄の増強はさしあたり現在においては月額百億という目標をおいておるのであります。そうしてこれをだんだん伸ばしてまいりまして、百十億あるいは百二十億ということに進めていきたいと考えております。その貯蓄の方法につきましても、從來ややもすれば閑却されておりますような證券の面でございます。それも一つの大きな貯蓄でございます。なおそういうような點が、この増資の新株、あるいは第二會社設立の資金化してまいりますれば、産業資金その他の金融を受ける面は節約できるわけであります。これを極力進めていきたいと考えております。それを含めて大體百億、百十億、あるいは百十二億というように進めていきたい。こういうように考えております。
 第二の點は、實はそれは非常な問題であると思いますが、しかし若干の、最少限度の配給はいたしまして、それ以上は値段をあげますけれども、しかしこれは生活必需品というよりもいささか嗜好品的性質をもつております、愛用される方も、この時局乘切りのためということを御考え願つて節約していただきますし、そして價格の面においても、食糧その他主要食糧の入手ということがだんだん容易になつてまいりますれば、そこで資金も若干浮んでくるわけでございます。かたがたみまして重大なる影響を與えない限度において上げたような次第であります。
 第三點の地方財政は非常に紊亂をいたしておるとおそれられる點もあるのであります。これはやはり中央の財政、税務機構を強化すると同時に、地方の税務機構をも強化に努められまして、税收入の確保ということも、ひとつやつていただきたいと思つております。それからやすきについて、銀行その他から金の時借りをしておられる。それでつないでおられるような現状があります。これはなはだおもしろくございませんので、そういう場合には一定の中央的な計畫のもとに起債化していつて、そうして十年とか、十五年とかの長期になし崩さすような方法をとりたい。こういうように考えております。
 なおまた六・三制につきましては、預金部資金その他の裏づけのある資金を世話しまして、地方へ負擔、苦しみを轉換させぬようにいたしたいと思つております。それにつきましても、地方ではやはり貯蓄をいたしました場合に、地方へその金が環流してこなければいかぬということをしきりに言つておられますが、六・三制その他のことによつてこれを環流さす。それと同時に貯蓄をも、自分の財政を樂にするためというので、大いにやつてもらう。兩方を兼ね望んでおるような次第であります。なお地方財政についてもいろいろ濫費もあろうと思つております。その濫費につきましては極力これをも指導して改めさしたい。こういうように考えております、大體地方財政につきましては内務省と大藏省の共管になつておりますから、内務省は解體されましても、自治委員會というものと大藏大臣の共管でございます。大藏省でももともとは地方財政を監督する部課もあつたわけでございます。現在もある部課をすでに準備いたしておりまして、そしてそこの健全に向つての指導その他を十分いたしたい。こういうように考えておる次第であります。
#22
○早稻田委員長代理 ちよつとお諮りいたします。もう時間でございますが大臣は午後差支えるそうであり、さらにまたこの會場も差支えがありますので、質疑の通告がなおたくさんありますからこの場合もう少し續けたいと思います。石原さん、田中さんから緊急質問の通告がありますのでこれを許したいと思います。石原さん。
#23
○石原委員 私はまず大藏當局が困難な豫算の編成にあたつて、御苦勞していらつしやることはお察しするのでりますが、今囘の豫算編成の方針決定について、大藏當局は國權の最高機關であるこの國會の意思を、どういうような方法によつてお取入れになつたか、そのことをまず最初にお聽きしたいと思います。新しい憲法の解釋からいきますと、私どもはこのうち最も重大な國政でありますところの豫算の編成にあたりましては、本委員會はこの編成方針について國民に代つてその意圖を明らかにする義務があり、また政府はその委員會の明らかにした意圖によつて豫算の編成をなさるべきものだと、かように信じているのであります。從來もともいたしますと、豫算の編成は、ただ單に政府内の一技術として閣議においてその大體の方向が決せられる。さらに地方からもち寄られたところの創意的なものによりその大綱を求める。こういうことでありまして、これでは決して今日の時世に適應した豫算の編成は不可能である。かように思います。大藏當局はこの豫算編成の方針の決定に對して、今後本委員會との關係をどういうふうにお考えになつておりますか、まずこの點からお尋ねいたしたいと思います。
#24
○栗栖國務大臣 お答えします。實は今緊急御質問のような點を私ども十分考えておりまして、本來から言うならば關係筋との關係で大體の輪郭がきまりますと、それからいろいろ御相談をする。こういことに相なるわけでございます。それではこの趣旨に――殊に新國會の趣旨に合しないと思いまして、前囘及びただいまも、實はまだなかなかきまり得ない、かように内示のところを申し上げている次第でございまして、關係筋の方で大體の方針がきまりますれば、ここにいち早く御相談いたしまして、そうして正式におきめをここを中心としてやつていただく。こういうことに相なると思うのでございます。その準備工作として、實は前にこういうようにお話をお願しておるような次第でございます。どうぞ御了承願います。
#25
○石原委員 速記を止めてください。
#26
○早稻田委員長代理 速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#27
○早稻田委員長代理 それでは速記を始めて……
#28
○石原委員 次にお尋ねいたしたいのは、私たちは昭和二十二年の豫算編成にあたりまして、當時石橋大藏大臣は、本豫算はまつたく追加豫算を豫想しない豫算であつて、絶對に追加豫算を出さない。かような明言がしばしばございました。私どもは當時若干の危惧をもたないではなかつたのでありますが、この言明に信頼をいたしました。しかも國民としても相當堪えられない豫算の編成ではあつたのでありますが、一應これを受諾いたしたのであります。しかるにあの豫算を決定してまだいくらも經たない今日において大體七百億圓程度の追加豫算を出そう。こういうことになつておるようでありますが、政府は前豫算の上にまたこういうような七百億圓を出して、國民に擔税能力があるという豫想をもつてやられたのでありますか。さらにまた將來もし追加豫算を出すというようなことに相なりますならば、今の豫算の編成にあたつてまだ國民は擔税能力をもつているとお考えになりますか、その點をお尋ねいたしておきたいと思います。
#29
○栗栖國務大臣 前内閣におきまして千百四十五億という一般豫算を盛られましたにつきましては、大體昨年の十月から、十一月の物價その他の水準をもととして計上されたと思うのであります。ところが現内閣ができまして、すでに物價その別の面において大きな動きがございます。そして政府は新たに物價と賃金の悪循環を切り開くために、安全體系というようなものをつくりまして、物價の基準をかえたのであります。その結果人件費、物件費その他に大きな影響をもつことになつたのであります。これが一つの大きな原因であります。
 いま一つは六・三制であります。六・三制は前内閣におきましては校舍その他の建設費も要らない。單に人件費だけを出したらよいということで、通計八億の豫算が出ておるのであります。その後の新情勢はどうかと言いますと、やはり校舍の必要、校舍の建設へという方向に向つておりまして、こういうものの費用を出さざるを得なくなつたわけであります。終戰處理費につきましても、ただいまお話もありました通りごもつともなことでありますが、物價その他の値上りによりまして、やはり必要を見ますので、そういう點を總合しまして現内閣は、前内閣その後の新して情勢に基いて、追加豫算を計上するを得ざるはめに立ち至つたのであります。追加豫算もできるだけ國民への影響、また現下の經濟危機への影響を考えまして壓縮しました。歳出のごときものも今の危機突破に必要なものを重點的に取上げまして、その方向は資金をもつていく。こういうふうに考えているような次第でございます。
#30
○早稻田委員長代理 石原さんいかがですか。ちよつと御相談いたしますが、この次にお讓り願えませんか。
#31
○石原委員 私まだたくさん聞きたいことがありますが、この次にいたします。
#32
○早稻田委員長代理 田中織之進君。
#33
○田中(織)委員 私は先月の水害應急對策について大藏大臣に、ただ一點だけお伺いしたいと思います。
 東北地方のみならず、私らの和歌山縣あるいは島根縣等は、七月の二十日前後の水害で相當の慘害を受けておるのでありますが、これが應急の救護對策竝びに物價等については、非常に暑い折柄でもありますし、急を要しますので、こうした應急對策に關するところの經費の支出については、たとえば豫備費の支出等の、最も急速な方法について大藏當局においてお考えになつているかという點であります。
 それから地方財政の現状に鑑みまして、所によりますと、職員の給與の支拂についても困つているような状態で、借入金で賄つている。ところが地方銀行ではこれにも應じかねるというような状態にありますので、從來からの前例もありましようが、應急の經費についてはできるだけ高額な國庫の補助を希望するのであります。同時にその補助につきましては、概算支出あるいは融資の斡旋を希望したいのであります。それから今後の水害の問題については、東北地方の水害が非常にクローズ・アツプされているのでありますが、私らの和歌山縣は昨年の震災に引續き、半年を出ぬ間に二囘もこうした天災に見舞わされまして、今度の水害の被害だけでも、金額にいたしまして、一般の住民の家財その他の關係は別問題といたしましても、五億七千萬圓を見積られるような大きな慘害であります。昨年末の南海地震による救護もほとんどまだ手についておらないような状態におりますので、その點は關係各省大臣の協議會をもたれるようでありまして、和歌山縣その他島根縣等もあると思うのでありますが、七月の水害については全國的なそういう被害地について、ひとしく御考慮願いたい。この希望意見と、それから應急經費の支出についての大藏當局のお考えをお伺いしておきたいと思います。
#34
○栗栖國務大臣 お答えいたします。經費の支出につきましては、公共事業費の中から緊急を要するものは支出いたしたい。もし公共事業費がなくなるような場合においては、豫備費の中から支出いたしたい。こういうふうに必要の度に應じて支出いたしたい。こういうふうに考えております。先ほども島根縣からわざわざ御陳情もございましたし、なお東北につきましては關係閣僚が相談をし、現状もよく實地踏査して救濟その他國庫の費用の支出も考えたい。こういうことを考えているわけであります。和歌山縣につきましても、これは全國一樣なところが多々あるのであります。數年來の水害が直らぬうちに、また重ねて年々水害があつて田畑が荒廢に歸しているというようなところも、廣島縣においてもその他の縣においても見えるわけでございますので、そこでこういう點はひとつ一樣に公平、不公平のきらいのないように考えて、必要なものについては先ほども申し上げたような資金も出したい。かように考えている次第であります。
#35
○石原委員 ちよつと大藏大臣に對する前の質問に關連して、もう一言お聽きしておきたいと思います。物價の値上り、つまり貨幣價値の下落によつて新しく追加豫算を請求しなくてはならぬという事情については一應了承いたしますが、しかしながら次にこの豫算を出すかどうかということについては、當局はまだ言明しておられないのであります。出すかもわからない、あるいは出さぬかもわからない。そういうことになると今日この追加豫算編成にあたつて、大體政府當局としては國力がまだどの程度にあると認定されるか。このことは私は一番大きな問題だと思う。たとえば六・三制の問題を――大臣から御答辯かあつたから私もそれを例にしますが、私は決して六・三制が不急不要な仕事とは思いません。非常に大事な仕事だと思いますが、今日の國家の財政状態から考えまして、六・三制あるいはこの追加豫算を請求しなければならなくなつた原因の根源になつた、そういうものが日本の今日の國力から判斷して、どうしてもそれだけの犠牲を拂つてもやらなくてはならない仕事であるか。そういうものが出てくるならば、まだそれらを遂行するだけの國力が、日本の國内のどこかに殘されておると信じておいでになるかどうか。この點を聽きたいのである。われわれは政府の御認定を知ることにおいて、今後財政金融委員會の勉強する上に非常な參考になると考えますので、この點を明らかにいたしていただきたい。かように考えております。
#36
○栗栖國務大臣 お答えいたします。將來また二十二年度の追加豫算を出すかどうかというお尋ねでございますが、これは關係方面ともわれわれいろいろ相談をいたして、本年度内は極力そういうものは出さないという方針で今進んでおるのであります。ただ二十二年度の新米だけについての價格は、これを消費者負擔に全部もつていくということであれば差支えございませんけれども、その他の點につきましては、今いくらということを計上することができませんので、問題が殘つている點を一つ御了承願いたいと思つております。
 それから財政の上におきまして、今囘七百億というような收入を得たるためには、日本の歴史始まつて以來の高度の資金を國民から吸い取るわけでありまして、相當の高度に達しているということは否むことができないのであります。しかしいやしくも財政の運營、少くともまたこの危機を突破するにつきましては、相當長い間悪戰苦鬪しなければならぬのでございます。その邊の緩急彈力というような點は、相當考えているということで御了承願いたうと思つております。
#37
○早稻田委員長代理 本日はこれにて散會いたします。
   午後零時四分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト