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1962/02/05 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第3号
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1962/02/05 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第3号

#1
第043回国会 外務委員会 第3号
昭和三十八年二月五日(火曜日)
   午後一時十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岡崎 真一君
   理事
           井上 清一君
           鹿島守之助君
           草葉 隆圓君
           森 元治郎君
   委員
           青柳 秀夫君
           杉原 荒太君
           山本 利壽君
           岡田 宗司君
           加藤シヅエ君
           羽生 三七君
           佐藤 尚武君
           曾祢  益君
           野坂 参三君
  政府委員
   外務政務次官  飯塚 定輔君
   外務大臣官房長 湯川 盛夫君
   外務大臣官房会
   計課長     佐藤 正二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務大臣官房外
   務参事官    安川  壯君
   外務省条約局外
   務参事官    須之部量三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国際情勢等に関する調査
 (昭和三十八年度外務省関係予算に
 関する件)
 (外務省関係提出予定法律案及び条
 約に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡崎真一君) それではただいまから外務委員会を開きます。
 国際情勢等に関する調査を議題といたします。本日は、昭和三十八年度外務省関係予算及び今国会に提出を予定されております外務省関係の法律案並びに条約等につきまして説明を聴取することにいたします。
 本日は、外務省から、湯川官房長と佐藤会計課長、須之部条約局次長がそれぞれ見えておりますので、官房長から説明を聴取いたします。
#3
○政府委員(湯川盛夫君) それでは、昭和三十八年度の外務省の予算の大要を御説明申し上げます。
 お手元にお配りしてあります資料によって御説明申し上げます。三十八年度予算額は百九十一億でございまして、前年度予算が百七十一億。これを大別しまして、外務本省とそれから移住あっせん所と在外公館、三つの組織別に分かれております。
 そこで外務本省の分は、前年度が七十九億でございましたが、本年度は九十二億。
 まず、本省の機構の整備拡充。この中で部課の新設というのがございます。国際資料部という新しい部が作られることになっております。これは大臣官房に作ることになっております。もっとも、その人員の三十四人といいますのは、新しくふえるのではございませんで、内部の振りかえによって供出することになっております。この国際資料部は、地域別を越えた国際情勢の分析、判断ということをばやることになっております。それから経済局に課が一つふえることになっております。これも人員は内部の振りかえで十五人供出することになっておりまして、新しくふえるわけではございません。この経済統合課は、EECとかOECDとかいった新しいいろいろな経済の共同体的なものを所管することになっております。部課の新設としてはその二つでございます。増員としては六名本省でふえることになります。これは主として電信事務に回ることになっております。
 次に、外交機能の整備と事務能率の増進、これが一億四千三百万ほどつきまして、これはかなり大きくふえたのでございますが、これは主として、たとえば電子計算機を備えつけたり、あるいは印刷所の機構を整備する。新しくライノタイプを備える。まあそういったいろいろな外交機能の整備、それからまた外国旅費法の改正に伴う増額といったようなものでございます。
 それから第三に、経済外交の積極的推進、この部門で三千百万円。これは国際経済情勢の調査並びに資料の収集費、通商貿易振興費。この通商貿易振興費というのは、主として旅費が大きな部分でございます。それから、経済貿易に関する啓発宣伝費と、こういったような部門でございます。去年の二千万円から三千百万円。
 それから、海外経済技術協力の質的改善、これが十五億三千万円ばかり認められております。これは、内訳としましては、海外技術協力実施委託費、これは、ここに書いてございますように、コロンボ・プランなどによる専門家技術者の派遣及び研修員の受け入れ、専門家の派遣、大体ことしは専門家百八十名くらい派遣することを考えております。その百八十人のうち、三十人くらいは夫人を同伴して行けるように予算に組んでございます。そのほかに、青年技術者として十名ほど派遣する計画も入っております。研修員の受け入れとございますのは、大体千人の受け入れ分を計上してございます。メコン河総合開発調査、投資前基礎調査、海外技術協力センターの新設と拡充及び要員派遣。このセンターの設置拡充としては、新設はケニヤの小規模工業、それから東北タイの小規模工業、これが新設。それから拡充のほうでは、タイの電気通信センター、セイロンの漁業センター、こういった点を考えております。要員の派遣、これは大体九十八人分を計算してございます。昨年に比べて二十名の増員を考えております。その他調査計画事務費。それから、同じくこの経済協力の中で、海外技術協力事業団の交付金。それから海外技術協力事業団出資金一億円。その他海外技術協力事務費。こういったものが経済協力の予算でございます。
 次に、広報文化活動の強化推進、全体で五億八千四百万ほどでございますが、そのうちで一番大きいのが情報啓発事業費三億九千万。これは大体対内的報道啓発に約一億円、対外報道啓発に約一億四千万、視聴覚啓発活動、これは昨年も取ったのでございますが、約一億、日本紹介事業、これに約三千五百万、そういったものがおもな内容でございます。
 それから国際文化事業実施費として一億九千三百万ほど掲げております。これは国際文化振興会への補助金約一億円。それから国際学友会への補助金約五千万。その他とございますのは、たとえば、文化人等の派遣や招聘に関する経費とか、あるいは国際教育情報センターに対する補助金、そういったものでございます。
 次に、移住行政の予算でございますが、海外移住事業団交付金、これは今度の国会で御審議を願うことになっております海外移住事業団を新設しますが、七月一日から発足を予定しておりますので、その九カ月分として七億七千六百万ほど掲げております。それから移住地の基礎的調査費、移住促進費補助金、移住者渡航費貸付金、移住者支度費補助金、日本海外協会連合会補助金三カ月分。その他、この日本海外協会連合会は、この海外移住事業団ができますと、そちらのほうに事業が移りますので、三カ月分だけ掲げております。
 それから、国際会議参加経費として二億三千四百万ほど揚げております。国外に開催する会議、国内に開催する会議でございます。それから、国際分担金及び拠出金等としまして三十二億円ほど掲げております。これは昨年から見ますとかなり大きくふえております。国際連合等に拠出しておりますお金を、従来は日本も援助を受けておるというようなことで半額にしてもらったりしておりましたが、国際連合に対する協力等に十分誠意を示すということで、今回はそういった割引をしてもらわない、きちんと出すというようなことを考えておりまして、その分はふえております。それから、報償費は昨年同様。その他本省事務運営に必要な基本的経費、これが十七億六千四百万円。
 それから、移住あっせん所、これはあまり変化はございません。
 それから、在外公館の項目は、全体で九十八億六千五百万円ほどでございます。
 そのうちで、在外公館の活動強化というグループに入ります分では、新設公館と、それから既設公館の人員充実、その他でございますが、新設公館は五館で、その人員は十五名、三カ月分だけがついております。新しくできますのは、アルジェリア大使館、象牙海岸大使館、アイルランド大使館、ニカラグァ大使館、ミラノ総領事館、エンカルナシオン駐在員事務所、これはパラグァイの日本の移民のたくさんいるところでございます。このうちで、アイルランド、ニカラグァの下に(兼)と書いてございますのは、従来もこれは兼轄されて、名前だけはあったのでございますが、今度はそれに予算が少しつきまして、館長だけは当分兼轄ということでいくのでありますが、館員のほうはついた、そういった形で、とにかくそこに行けば大使館事務所というものがあるという形になります。それから、既設公館の人員充実、これは在外定員の増強ということになるのでございます。四十五人定員がふえることになります。これは六カ月分ついております。この四十五名の内訳は、主として経済関係の職員の増強強化ということになるわけでございます。そのうちで、他省から出向してくるのが十六人ございます。なお、今度初めて一人だけ医務官という、不健康地の一番ひどいようなところに一人だけお医者さんを派遣することができるようになりました。大体西アフリカのガーナあたりと思っております。そこに配置したいと思っております。それから、既設公館の一般経費、これは現地補助員の給与とか電信料とかその他の連絡庁費、在外公館等の借料とかそういったものがこの項目に入っております。報償費は、前年同様でございます。在外公館の職員の交替、休暇帰国旅費、これは若干増額いたしました。これは赴任帰国旅費と休暇帰国旅費でございます。従来は非常にこの項目が少ないので、外国から外国に転勤するような場合も、一度日本を経由して、新らしい日本の情勢にも触れていきたいという非常な希望があるのにもかかわらず、それが経費の関係で認められない。そこで南米からアフリカに、日本に寄らずに直行して赴任しろというようなことを強制せざるを得なかったのでありますが、今回の増額で、ある程度日本に帰って新らしい情勢に触れていくということが可能になるかと思います。休暇帰国の場合も、これも若干ふえました。これも、長い間外国にいて日本の事情にうとくなる。語学の専門家等である地域に長くいるような人がございます。そういう人に、なるべく適当な年数がたったら休暇をとらせて、新らしい情勢をよく見て、また帰るようにしたいと考えております。在外公館の事務所、公邸整備、それから在外公館職員宿舎の設置。在外公館職員宿舎の設置につきましては、今年は西アフリカのナイジェリアに五戸考えております。これは二カ年計画の第一年度分になります。
 次に、輸入制限対策と輸出環境の改善、二億二千四百万円ほどでございます。その中で大きいのが輸入制限対策費一億七千九百万ほど掲げております。そのほか、海外経済調査費、経済及び貿易啓発宣伝費。この最後の経済及び貿易啓発宣伝費、これは経済PRコンサルタントを置く費用でございます。
 それから、広報文化活動の強化推進、一億六千七百万ほど掲げております。対外広報活動事業費、情報文化センター費、インフォーメーション・ブレティン刊行費、こういったものがおもな内容でございます。
 その他在外公館事務運営に必要な基本的経費。
 そこで一番初めに戻っていただきまして、ただいま御説明申し上げましたものの総額が、百九十一億二千八百万ほどでございます。これが大体本年度の総予算額の〇・六七%に当たります。昨年は百七十一億九千五百万ほどでございまして、これは昨年の総予算の〇・七一%でございました。最近、三十五年が〇・八二%、三十六年が〇・七八%、三十七年が〇・七一%、今年は〇・六七%、だんだん総予算に対する比率が減ってくる傾向がございます。戦前の比率を御参考までに申し上げますと、一%をこえている。たとえば昭和十年一・三四%、十一年一・三五%、十二年一・五三%、十三年一・四〇%というふうになっております。せめて総予算の一%ぐらいまではいただいて、将来はもっと外交面の充実かつ拡充をしたいと考えております。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(岡崎真一君) それでは次に、提出予定になっております法案並びに条約の概略説明を願います。
#5
○政府委員(湯川盛夫君) お配りしてあります資料で「第四十二回国会提出予定法案、条約」というのがございます。ごく簡単に御説明申し上げます。法案は三つございます。外務省設置法の一部を改正する法律案、これは先ほど予算の御説明で申し上げましたように、大臣官房に国際資料部新設、それから定員の若干の改正、そういったものを盛ったものでございます。
 それから、その次の在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、これは先ほど御説明申し上げましたように、新設する公館、それからまた、公使館から大使館とか、領事館から総領事館というように昇格する在外公館、こういったものと、それからそれに伴います給与の関係の改正でございます。
 それから、海外移住事業団というものを新設することに関連しての法案でございます。
 それから、条約のほうでございますが、ここに出ておりますが、このうちには、すでに署名の済んだものもあり、また、まだ署名はされていないが遠からず署名されるであろうもの、こういったものとございます。これについては条約局の須之部参事官から御説明申し上げることにいたします。
#6
○説明員(須之部量三君) それでは、今国会で御審議をお願いする予定ないし今考えております条約関係の概要について、簡単に御説明申し上げます。
 まず、第一の、結社の自由及び団結権の保護に関する条約、いわゆるILOの八十七号条約でございますが、これは一九四八年に採択されたわけでございます。これが懸案になっておりますことは、すでに御承知のとおりでございます。
 それから、第二の、日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の通商、居住及び航海条約、これは簡単に申しますと、日英通商条約でございます。この内容は、この名前が示しますとおり、通商、居住、航海等に関する規定でございますが、条約本文におきまして、通商、居住、航海、この三つの事項につきまして、それぞれ最恵国ないし内国民待遇の規定が置いてございます。その内容は、従来のいわゆる通商航海条約と、まずそう差のあるものではございません。その条約本文と、付属いたしまして議定書が一本ついております。それから、さらに貿易事項につきまして議定書が二つついておりまして、第一の議定書はいわゆるセーフガードと言われておりますが、輸入商品がはんらんしたような場合、緊急的な措置をお互いにとれるということが書いてある、いわゆる第一議定書というのがついております。
 それから、さらに貿易に関する第二議定書というのがついておりまして、従来輸入制限を実施しておりました品目のうち、今急に輸入制限を解除いたしますと、国内のそれと競争する生産者等に急激に悪影響を与えるおそれがあるという若干の品目につきまして、貿易上最恵国待遇の規定にもかかわらず、例外的な措置を暫定期間とれるということの規定が書いてあります第二議定書というのがついておるわけでございます。そのほかに、国会に御提出申し上げる文書には、参考という形でございますが、わが国のほうで最恵国待遇で今後いくわけでございますが、あまり貿易が急激に特定の品目について伸びるということになります場合にはまだ悪影響が出てくるおそれもございますので、長期的な見地から、わが国としてある程度自主規制を行なうということを書いてある交換公文書、それから、イギリス側が、この条約が発効すると、ガット三十五条援用を撤回するということを書いた交換公文というものも付属して一緒に御提出申し上げるわけでございます。
 それから次に、オーストリアとの間の二重課税防止条約、それから、その次に書いてあります日本と英国との間の二重課税防止条約、これは例の二重課税防止条約でございまして、内容はほぼ似ておるわけでございます。いずれも西欧諸国の間で、OECDの間で行なっておりますこの二重課税防止条約の定型があるわけでございますが、この定型に大体のっとっておりますので、条文の書き方等もほとんど類似しておりますが、この二重課税防止条約が二本あるわけでございます。
 四ページに参りまして、航空業務に関するいわゆる航空協定をアラブ共和国との間、クウェイトとの間に結んだわけでございます。これは例の日航の南回りの欧州線開設に伴う必要な取りきめでございまして、アラブとクウェイトにこれができ上がりますと、日航の南回り欧州航路の経路につきまして全部でき上がるわけでございます。
 それから次に、地震工学研修所を設立するための国際連合特別基金の援助に関する日本国政府と特別基金との間の協定というのがございます。これは、現在建設省所管になっております建築研究所に、国際地震工学部というのがあるわけでございますが、ここの施設が非常にすぐれておる、また内容的にすぐれておるというので、世界の地震国から留学生をここに連れてきて、ここで地震工学に関する研修をさせたいという話が起こって、それを実施するために国連の特別基金が日本に対して援助を出そうということになりまして、それを取りきめた内容でございます。具体的に申しますと、今後五年間に国連の特別基金のほうから約七十万ドル、それから日本政府として約百万ドルの資金を持ち寄りまして、これは日本政府の機関でございますが、その地震工学研修所というものを作ろうという内容でございます。それに基づきまして、五年間で約百五十名の外国の留学生がここで勉強するということになるわけでございます。
 それから、次の五ページに参りまして、国際連合の特権及び免除に関する条約、それから、専門機関の特権及び免除に関する条約、国際原子力機関の特権及び免除に関する協定――ここだけは協定という言葉を使っております。この三本並んでおりますが、これは、まず第一の国際連合の特権及び免除に関する条約は、国連憲章の中に、国連自体ないし国連の職員それから国連に対する各国政府の代表者というようなものが、加盟国において特権が与えられるという規則がありますが、その規定に基づいて取りきめられておる条約でございます。
 その次の専門機関の特権及び免除に関する条約、これも同様に国際連合の専門機関、すなわち国連の機関ではございませんが、国連と特殊な連係関係にある機関、これに対してもある程度の特権を与えることになっておりますが、それをきめたもの。
 それから、次の国際原子力機関の特権及び免除に関する協定、これも同様のものでございます。内容的に申しますと、この三本とも機関の特殊性に基づいて若干の違いはございますが、ほぼ同じような内容を盛ったものでございます。
 第一の国際連合の特権及び免除に関する条約につきましては、現在七十四カ国が採択しておるという状況でございます。
 それから、その次の国際労働機関憲章を改正する文書、これは機関の憲章でILOの理事会の構成員が現在四十名、その政府代表が二十、それから使用者及び被用者の代表でそれぞれ十名ということになっておりますが、それを四十八名に増員するということを内容とした、これは簡単なものでございます。
 それから、次の国際原子力機関憲章の改正に関する文書、これは理事会の構成員を、現在十名のものを十二名にふやすということを内容としたものでございます。
 それから、次のわが国のガット譲許表に品目分類上の変更を加える文書というのがございますが、これは昭和三十六年までわが国の関税定率法が古い品目分類表を使っておったわけでございますが、その後ここに書いてあります、ブラッセル・ノーメンクラチャーと言われております新しい品目分類表にかえたわけでございます。そのために、従来ガット譲許表の形で与えておりました品目分類を新しい品目分類に直さざるを得ませんので、それを切りかえるために、これは作業としては大きな作業でございましたが、一応でき上がりましたために、今回御承認を願うというものでございます。
 それから、次の六ページ、ガット二十八条に基づく補償交渉の結果に関する文書、これはわが国の自由化に伴いまして、若干品目の関税譲許の撤回、つまり関税を引き上げるということになりましたので、それに見合う他の品目について譲許を与える。つまり関税を引き下げるということが必要になったわけでございますが、それが関係国と行ないましてでき上がりましたので、それの御承認をいただくという内容でございます。
 それから、その次のガット譲許の追加(日本・ニュー・ジーランド)に関する議定書でございますが、これはニュー・ジーランドが対日の三十五条援用撤回を行ないまして、従来関税交渉を行なっておりませんでしたので、つまり三十五条がありましたので関税交渉を行なっておりませんでしたので、今度初めて関税交渉をしまして、その結果でき上がった結果をガット譲許に追加した議定書でございます。
 それから、次の一九六二年の国際小麦協定、これは今までも一九五九年の小麦協定というのがあったのでございますが、これが三年間でちょうど満期になりましたので、それにかわる新たな協定ができ上がったわけでございまして、これも期間は今後三年間ということになっておるわけでございます。小麦の需給を、安定した値段で一応輸出国、輸入国双方の利益のために確保しようという立て方につきましては、従来の一九五九年の、これはもちろん日本も入っておったわけでありますが、その小麦協定と同じ内容でございます。
 それから、次の一九六二年の国際コーヒー協定、これはコーヒーの世界的な供給過剰という問題がありましたために、昨年の初めから、ニューヨークの国連が中心になりまして会議を開きまして、わが国もこれに参加したわけでございます。期間五年間の商品協定で、これは主として内容は、輸出国側、つまり生産国側の生産調整という形で供給過剰問題を解決しようというやり方にいたしておりますが、わが国としても輸入国としての若干の義務も必要でございますので、国会の御承認を求めるものでございます。
 それから、次の一九六〇年の海上人命安全条約、これは今まで一九四八年に海上人命安全条約というのがあったわけでございますが、それが多少年も経過いたしましたし、若干技術的に進歩した面もありますので、規定を詳しくするという内容のものでございます。
 それから、麻薬単一条約、これは現在麻薬の国際的規制に関する現行八条約がありまして、わが国はこれはいずれも入っておるわけでございますが、これを一つの条約にまとめて、内容も多少新しくしたというものでございます。
 ここまでは大体もうほとんど見通しがついたものでございますが、次の米国との間の領事条約、これは日米間における領事館設置及び領事の特権それから職務執行等に関する条約でございますが、これはまだ署名まで参っておりません。
 それから、フィリピンとの間の小包郵便約定、これはフィリピンが、万国郵便同盟の小包郵便約定というのがございますが、それに入っておりませんために、日本とフィリピンと直接小包郵便が送れなかったのでございますが、それの道を開くものでございます。内容は、従来締結いたしました小包郵便条約とほぼ同様でございます。
 それから、次のニュー・ジーランドとの間の所得に対する租税に関する二重課税防止条約、それからタイとの間の所得に対する租税に関する二重課税防止条約、それからマラヤとの間の所得に対する租税に関する二重課税防止条約、三本並んでおりますが、このうちニュー・ジーランドはつい先日署名まで持って参りましたが、タイ、マラヤはまだ署名まで行っておりません。内容は、先ほど申したような二重課税防止条約とほぼ似たものでございます。
 それから、次の道路交通に関する条約でございますが、これは一九四九年にジュネーヴで開かれました国際道路自動車輸送会議というもので採択されたものでございますが、これは非常に技術的なものでございまして、中には道路規則とか標識等があるわけでございますが、それから、例の国際的に自動車の免許状を認め合うというのがこの中に入っておるわけでございます。オリンピックに備えてこれに入るという話があるわけでございますが、これはまだ若干御審議願おうかと思っている程度でございまして、まだ、はたして確実に御審議いただくかどうかちょっときめておりません。
 それから、次の領海及び接続水域に関する条約、それから、公海に関する条約、それから、八ページにございますが、紛争の義務的解決に関する選択議定書、この三つは一本のものでございますが、一九五八年に国連で開かれました、従来の海に関する国際慣習を成文化しようということに伴って成立した条約でございます。
 それから、次の豪州との間の通商に関する協定を改正する議定書、現在豪州との間には昭和三十二年にできました通商協定があるわけでございますが、目下豪州の三十五条援用撤回をも含めまして交渉を行なっておりますので、これはまだできておりませんけれども、できましたらば――間に合えば、本国会にも御審議をお願いしようかと思っているものでございます。
 それから、次の米国との間の原子力の非軍事的利用に関する協力のための協定を改正する議定書、これは現在の協定の第五条に、アメリカから日本が買います原子力資材の量が制限されておるわけでございますが、最近研究用資材等をもう少したくさん買えるようにしたいという希望がございまして、これは目下交渉中のものでございます。
 それから、次にニュー・ジーランドとの間の小包郵便約定、南ア共和国との間の小包郵便約定、これは先ほどフィリピンについて御説明を申し上げましたと全然同じ内容の約定でございます。
 以上が、大体本国会で御審議を考えております概要でございます。
#7
○委員長(岡崎真一君) これで説明は終了いたしましたけれども、御質問のある方は御質問願います。
#8
○羽生三七君 一つ承りますが、この三十八年度予算の大要で、移住関係のようないわゆる事業費的なものは別として、純然たる外交関係の所要経費として、ほぼ日本と同じ程度の国と比較して、予算の規模というものは一体どの程度のものか、参考までにお聞かせいただきたい。
#9
○政府委員(湯川盛夫君) 外国との比較でございますが、いろいろな予算の分類の仕方がございますので、必ずしもぴちっと合わないかもしれませんです。たとえばアメリカでございますが、アメリカは一九六一年度のやつをとってみますと、国家予算の総額が八百九十一億ドルとなっておりまして、そのうち国務省の予算総額が四億五千二百六十二万ドルとなっております。この比率からいいますと〇・五〇八というふうに出ております。これは、アメリカの場合は国防費なんかが非常に大きなものになっておりますので、国務省の予算が比較的パーセンテージが低いのかとも思われます。カナダの場合は国家総予算が六千二億八千百万カナダドルでございまして、そのうち外務省の予算が九千三百七千六万カナダドルとなっておりまして、この比率が一・四九三という比率になっております。それから、西ドイツの場合をとりますと、国家予算が四百五十一億一千六百万マルクでございまして、そのうち外務省の予算が四億一千九百三十万マルク、大体この比率は〇・九二九になっております。それから、イタリアの場合をとってみますと、国家総予算が三兆九千四百十八億四千八百八十万リラ。リラの単位になっております。そのうちで外務省の予算総額が三百六十二億二千万リラ。この比率がやはり〇・九一九、大体〇・九二くらいになっております。まだありますが、あとオランダあたりが一・九六二、それからイギリスが〇・八一五、インドが一・一一三、大体一コンマ近いものが大部分でございます。それをこえているのもございます。
#10
○羽生三七君 日本の本年度のやつは幾らでしたか。
#11
○政府委員(湯川盛夫君) 本年度は〇・六七。
#12
○佐藤尚武君 移住問題についていろいろここに予算があげられておりまして、これは移住促進のための予算らしくちょっとうかがえたのですが、それはむろんそれでけっこうなことですが、ただ移住者が移住地に定着することができなくて引き揚げてくる、そういう場合のあることが予想されるんですが、その場合の予算とか設備とかなんとかいうことは、この予算の中に見込んであるんですか。
#13
○政府委員(佐藤正二君) 移住振興の移住者送出及び保護費――資料の中でございますと、移住行政の「その他」の中に入っておると思いますが、送還費という費目が入っておりまして、これは国援法と普通言っておりますんですが、「国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律」、それによりまして送り返す費用を五百万円入れております。
#14
○佐藤尚武君 これはこの予算の問題と関係はないのでありまするけれども、賠償の問題についての報告をある時期に外務委員会としても一度正規の説明を聞きたいと思うんですが、ということは、ビルマのついこの間の追加を含めて、一体日本は総額でどれだけの賠償を支払う義務を引き受けているのか。また、そのうち、もう七、八年もたっておりましょうからして、そのうちですでに支払い済みの額が幾らになっているか。また、ビルマ、タイ、フィリピン、インドネシア、南ベトナム等、国別にしてもその総額は幾ら、現在まで支払い済みが幾ら、そうして、大体のところでいいんですけれども、賠償として着手されている事業がどういうふうに進んでいるかというようなことについての説明をある時期に求めたらばどうかと思うんですけれども、これは委員長のほうでひとつお考えを願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#15
○委員長(岡崎真一君) ただいま佐藤さんからお話しのありました、その説明を機会を見てしていただくか、資料か何かにして、ここでひとつ御説明願いたいと思います。
#16
○岡田宗司君 具体的なことは理事会で。
#17
○井上清一君 移住事業団法だけで、移住法か移住事業法というのを出すんでしょう。そのこともあらかじめお話ししておいたほうがいいんじゃないですか。
#18
○政府委員(湯川盛夫君) 触れていないのでございます。考慮中でございます。
#19
○森元治郎君 その資料はできているんだろうから、あしたくらいに、間に合えば出してもらいたい。
#20
○政府委員(湯川盛夫君) なるべく早く出します。
#21
○鹿島守之助君 賠償の説明と関連いたしまして、賠償は進んでおりますけれども、経済協力というものは進まない。それと一緒にまたひとつ説明をしていただきたいと思います。
#22
○委員長(岡崎真一君) それでは、今の経済協力と賠償の問題と一緒に理事会に諮りまして、皆さんの御希望に沿うようにいたしたいと思います。
#23
○曾祢益君 その点に関して、国連あるいは二国間のあれとか、対外的なサービスその他を含めて全部出してもらいたいと思います。賠償、経済協力……経済協力の中に入るかもしれませんけれども、いろいろなものがあると思います。
#24
○委員長(岡崎真一君) それも合わせてお願いいたします。
 他に御質問もなければ、これをもちまして散会いたします。
   午後二時十分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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