くにさくロゴ
1962/03/12 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第11号
姉妹サイト
 
1962/03/12 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第11号

#1
第043回国会 外務委員会 第11号
昭和三十八年三月十二日(火曜日)
   午前十時二十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理 事
           井上 清一君
           草葉 隆圓君
           長谷川 仁君
           森 元治郎君
   委 員
           青柳 秀夫君
          大野木秀次郎君
           鹿島守之助君
           杉原 荒太君
           山本 利壽君
           羽生 三七君
           佐藤 尚武君
           野坂 参三君
  政府委員
   外務政務次官  飯塚 定輔君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務省条約局外
   務参事官    須之部量三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○所得に対する租税に関する二重課税
 の回避のための日本国とオーストリ
 ア共和国との間の条約の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出、衆
 議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税
 の回避及び脱税の防止のための日本
 国政府とグレート・ブリテン及び北
 部アイルランド連合王国政府との間
 の条約の締結について承認を求める
 の件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税
 の回避及び脱税の防止のための日本
 国とニュー・ジーランドとの間の条
 約の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○関税及び貿易に関する一般協定の譲
 許表の訂正及び修正に関する締約国
 団の確認書の締結について承認を求
 めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○国際労働機関憲章の改正に関する文
 書の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
  〔理事井上清一君委員長席に着く〕
#2
○理事(井上清一君) ただいまより外務委員会を開会いたします。
 まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 本日は、前回に引き続き質疑を行ないます。御質問のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#3
○森元治郎君 この二重課税に関する条約は、本委員会でもたくさんやったわけだが、現に交渉中のもの、それから、これからやろうとするもの、国とか、数とかわかれば。
#4
○説明員(須之部量三君) 今まで結ばれておりますのは七件ございます。今回、今御審議いただいております三件、これを御承認いただきますれば、十件になるわけでございますが、そのほかに、タイとの間の租税協定を本国会で近く御承認をお願いしたいと思っております。それも御承認いただきますれば、十一件になるわけでございます。そのほか、具体的に進んでおりますのが、マラヤとの間にほぼ内容的にも固まりかかっておる二重課税防止協定がございます。それから、そのほか交渉を進めております段階にありますものには、たとえばフランス、それからアラブ連合、カナダ等もございます。したがいまして、今後の見通しとしまして、本国会に御審議いただく分はタイでございますが、引き続いて出て参りますものに、おそらくマラヤ、それからフランス、それからスイス、アラブ連合、カナダ等が御審議いただくことになると思います。
#5
○森元治郎君 こういうのはもっともっとたくさん予定されると思うのだが、ただいま言った、フランス、アラブ連合、カナダ、マラヤ、スイス等を終われば、もうこれでこの種の協定というのは結ばないでいいのか、結ばなければならないのか。
#6
○説明員(須之部量三君) たとえば英国あたりの例をとってみますと、ほとんどもう世界中の国と申しますか、一部の中近東を除いてでございますが、ほとんどの国と持っております。それから、たとえば植民地、イギリスの植民地との間にも、やはりこれはいわゆる国際条約ではございませんが、二重課税の防止の取りきめは持っておるわけでございまして、これはなるべく広く行なうのが筋でございます。ただ、おのずから経済的な利害関係の多い国から始めておるわけでございます。できる限り広い国と結んでいくというのが、考え方でございます。
#7
○野坂参三君 今御報告によると、あげられた十件ばかりの今までの承認されたもの、また今後の見通しというようなことですけれども、たとえば社会主義圏と言われているああした国々、それから、いわゆる中立国と言われている国々、ここにはアラブ連合なんかも入っていますけれども、こういう方面には将来どういう努力をされるのか。過去には全然努力されてないようですし、今の報告でもそうですし、それから将来はどういうふうな見通しでおやりになるつもりかどらか、ちょっとその辺。
#8
○説明員(須之部量三君) いわゆる中立系のと申しますか、国でございますが、たとえば日本はすでにインドと結んでおりますし、それから、たとえばビルマあたりとも結びたいのだが、向こうのほうが今のところ二重課税を他とは結んでいないので、やらないというようなことでございまして、特に政治的な色彩でどうこうしているわけではございません。ただ、社会主義国のほうは、この協定をごらんいただけばわかるように、所得税、法人税等が主たる二重課税の対象になっているわけでございまして、税制が基本的に違いまして、いわゆる所得税というものが、社会主義の国であまり大きな比重を持っていないというようなことで、技術的に協定の交渉を進めにくい、あるいは進めるあまり実益がないというようなことで、進んでいないわけでございます。
#9
○野坂参三君 今後は、やるつもりはないと見ていいんですか。
#10
○説明員(須之部量三君) いわゆるノン・アラインメントと申しますか、アジアの諸国とは積極的にやっていくつもりでございます。ただ社会主義の国との間では、今のところ具体的な計画に上がっていないという状況でございます。
#11
○理事(井上清一君) ほかに御質疑はございませんか。――なければ、三件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○理事(井上清一君) 御異議ないと認めます。
 これより、討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○理事(井上清一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を問題に供します。以上三件を承認することに賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#14
○理事(井上清一君) 多数でございます。よって三件は、多数をもって、承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○理事(井上清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#16
○理事(井上清一君) 次に、国際労働機関憲章の改正に関する文書の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の訂正及び修正に関する締約国団の確認書の締結について承認を求めるの件、一括して議題といたします。両件とも提案理由の説明は聴取しておりますので、本日は補足説明をお願いしたいと存じます。須之部条約局次長。
#17
○説明員(須之部量三君) ただいま議題となりました二件につきまして、補足説明を申し上げます。
 まず第一の、国際労働機関憲章の改正でございますが、この憲章の改正は、昨年――一九六二年の六月に国際労働機関の総会で決定されたものでございますが、この内容は、理事会の構成員が現在四十名で構成されておりますのを四十八名に、八名ふやすという内容でございます。ふやす理由は、現在、国際労働機関の加盟国は百五になっておりますが、国がふえたことに伴う措置でございます。現在の理事会の構成は、政府代表が二十名、その政府代表の中を分けますと、主要産業国といわれております十カ国、これはいわば常任的な理事でございますが、十カ国とその他の十カ国、計二十名から成っているわけでございますが、これを、主要産業国の十カ国はそのままといたしまして、その他の理事国の十名を十四名にふやすという内容でございます。それから、労使代表のほうは、それぞれ十名ずつから構成されているわけでございますが、それをそれぞれ十二名で構成するということになるわけでございまして、結局、政府代表二十四名、労使代表それぞれ十二名、計四十八名に増加されるわけでございます。それとともに、現在の国際労働機関憲章の中に、「使用者の代表者二人及び労働者の代表者二人は、ヨーロッパ以外の国に属する者でなければならない。」という規定があるわけでございまして、この元来の趣旨は、労使双方が圧倒的にヨーロッパの国を代表することになるのを避けるという趣旨であったわけでございます。現在の構成状況は、全然新しい国の参加によりまして、もはやそういう規定を置くこと自体意義がないということのために、その規定を削除したいというわけでございまして、この規定は、実は政府代表につきましても元来あった規定でございますが、やはりもはや意義がなくなったということで、一九五三年にそれは削除したわけでございますが、労使代表につきましても、今回それを削除するという内容でございます。この憲章の改正は、主要産業国が十カ国きまっておりますが、そのうちの五カ国を含む全加盟国の三分の二の批准と申しますか、受諾で発効するわけでございますが、現在百五加盟国がございまして、三分の二の七十カ国、そのうち主要産業国の五を含むということで発効しておるわけでございます。現在までにすでに主要産業国は五カ国受諾しておりまして、そのほかに三十カ国、計三十五カ国受諾しておるわけでございます。本年の六月に国際労働機関の総会がございますが、その機会に理事会の改選がございます。それまでにはぜひ七十カ国の批准ないし受諾を得てこの改正を発効せしめたいというのが、国際労働機関のほうの強い希望でもございます。したがいまして、それまでにはわが国もそのような手続を取りたいという希望を持っておるわけでございます。なお、過去における理事国の増加の先例を見てみますと、一九五三年に政府代表がそれまで十八名であったのを二十名に増加したという例がございますが、今回が戦後における二度目の理事国の増加の例でございます。
 それから、ガットの品目分類表の訂正、一般協定の訂正及び修正に関する締約国団の確認という内容でございます。このほうは、昭和三十六年の六月に関税定率法の税率表、国定税率法の税率表が、ブラッセル関税品目分類表という分類表に改正されたわけでございます。それ以前に、ガットに譲許として与えております譲許表は古い税率表に基づいておりましたために、関税定率法の表は新しい分類表であり、ガットの譲許は古い分類表でというふうに二つになっておりましたために、非常に税関としてもその執務上不便もあったわけでございますが、それを今回ガットの譲許表を新しい分類表に直す、その結果、従来ガットの譲許表は三百六十五品目であったわけでございますが、それを新しい分類表に仕分けし直しまして、六百七十二品目にそれを切りかえた。その切りかえに伴いまして、国会の御承認を得、ガット事務局に通告いたしまして、それによって新しい分類表が実施されるということがこの内容でございます。
 このブラッセル関税品目分類表というものはどういうものかということでございますが、現在世界的に関税分類の品目表を統一しようという動きがあるわけでございまして、このブラッセル関税品目表のほかにも、あるいは標準国際貿易分類――SITCと言っておりますが、標準国際貿易分類、あるいはジュネーヴ関税分類というようないろいろな分類の方法があるわけでございますが、このブラッセル品目分類表と申しますのは、戦後、西ヨーロッパの専門家が中心となりまして、新しい戦後の商品、ことに化学品だとか、そういう新しい商品も出てきた。また、新しい貿易構造もあるということを検討して作成したものでございまして、一九五〇年に作成されて、その後、また五五年ごろ、さらに詳しく改訂をされておるわけでございますが、現在、この分類表が非常に多数の国で採用されておりまして、大体六十五カ国程度でこの分類表が採用されておるわけでございます。この分類表は、まあ小分類になりますが、千九十六品目に分けております。非常に新しい商品も含めて、詳細に、また科学的な分類方法がなされているわけでございます。
 それでわが国といたしましては、一昨年六月の関税定率法の改正を行ないましたあと、直ちにこのガットの今までの品目分類表をどういうふうに新しく組みかえるかという作業を行なってきたわけでございます。これを関係国にガットを通じまして連絡いたしまして、そのうち、若干品目分類表をこういうふうに変えてほしいというそれぞれの国の希望もございますので、それらの国と一応折衝して参ったのでございますが、昨年の末にすべての関係国の同意も得、さらにガット事務局を通じてすべての締約国に通告したところが、それぞれの国の異議もないということで、一応内容的には作成したわけでございます。内容的に申しますと、今のように、従来ありました分類表を新しい分類表に組みかえたということで、実際的な相違は別に出てこなかったわけでございます。ただ、理論的に申しますと、分類表が組みかわりましたために、非常に具体的な相違はあり得るようなところもあるわけでございますが、しかし、それらの点はすべて関係国と折衝いたし、関係国の同意を得てそれを作ったわけでございます。この分類表は、国会の御承認を得た後、わが国がガット事務局に通告した日から実施されることになっておるわけでございますが、税関当局のほうとしましては、四月一日からこれを実施いたしますと、例の税関統計等を作りますときに、同じ分類表で作成できれば非常に便利でありますので、御承認を得て四月一日から実施をしたいという希望を持っておる次第でございます。
 以上、簡単でございますが、補足説明といたします。
#18
○理事(井上清一君) 以上で説明は終了いたしましたので、質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。――なければ、両件につきましては、次回に質疑を続行することといたし、本日は、これにて散会をいたします。
   午前十時四十七分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト