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1962/05/09 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第17号
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1962/05/09 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第17号

#1
第043回国会 外務委員会 第17号
昭和三十八年五月九日(木曜日)
   午前十時二十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           井上 清一君
           草葉 隆圓君
           森 元治郎君
   委員
           青柳 秀夫君
           鹿島守之助君
           木内 四郎君
           杉原 荒太君
           山本 利壽君
           岡田 宗司君
           羽生 三七君
           佐藤 尚武君
           曾祢  益君
  政府委員
   外務政務次官  飯塚 定輔君
   郵政省郵務局長 佐方 信博君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務省条約局外
   務参事官    須之部量三君
   食糧庁輸入計画
   課長      岩下 龍一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国政府とニュー・ジーランド政
 府との間の小包郵便約定の締結につ
 いて承認を求めるの件(内閣提出)
○日本国と南アフリカ共和国との間の
 小包郵便約定の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出)
○千九百六十二年の国際小麦協定の締
 結について承認を求めるの件(内閣
 提出)
  ―――――――――――――
  〔理事井上清一君委員長席に着く〕
#2
○理事(井上清一君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 本日は、まず、日本国政府とニュー・ジーランド政府との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件、日本国と南アフリカ共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。本日は、まず提案理由の説明を聴取いたします。飯塚外務政務次官。
#3
○政府委員(飯塚定輔君) ただいま議題となりました「日本国政府とニュー・ジーランド政府との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件」及び「日本国と南アフリカ共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件」につきまして、提案理由を一括御説明いたします。
 ニュー・ジーランド及び南アフリカ共和国は、いずれも、万国郵便連合の小包郵便物に関する約定に参加していないため、わが国とこれら両国との間では直接小包郵便物を交換することができません。よって、政府は、かねてよりこれら両国政府と小包の直接交換のための約定締結交渉を進めて参りましたところ、約定案文についてそれぞれ合意が成立しましたので、ニュー・ジーランドとの間の約定については一九六三年三月十五日に、また、南アフリカ共和国との間の約定については同年四月六日に、東京で署名を了した次第であります。
 これら二約定は、いずれも、わが国と相手国との間で交換する小包の種類、小包の料金、差出郵政庁が名あて郵政庁に割り当てる割当料金等両国の郵政庁が小包の交換を行ならために必要な業務上の基本的事項を規定したものであります。
 わが国とニュー・ジーランド及び南アフリカ共和国との間の小包交換業務は、現在、それぞれ第三国の仲介によって行なわれておりますが、両約定の締結によって、小包は直接に交換されることとなり、公衆の受ける利便が増大することは言うまでもございません。
 よって、ここに二約定の締結について承認を求める次第であります。
 何とぞ、御審議の上、すみやかに御承認あらんことをお願い申し上げます。
#4
○理事(井上清一君) 以上で説明は終了いたし、次いで、ただいまの二件につきまして補足説明をお願いいたします。佐方郵務局長。
#5
○政府委員(佐方信博君) ただいま議題になっております二つの約定につきまして、簡単に補足さしていただきます。
 御承知のとおり、はがきでありますとか手紙等の通常郵便物は、万国郵便連合の万国郵便条約というものに規制されておりまして、世界のほとんどの国がこれに加入しておりますので、個別条約を必要としておりません。しかし、小包郵便物につきましては、小包郵便物に関する約定に参加をしていない国が非常にございますので、そういう国とは個別に約定を結んできておるわけであります。日本はもちろんこの万国小包郵便物に関する約定に参加をいたしております。ただいまニュー・ジーランドとの間では、ずっと豪州を仲介として小包郵便物を送っておりますし、また、南アフリカ共和国に対しましては、ポルトガル領のモザンビクを仲介といたしまして交換を行なっておりましたけれども、第三国の仲介でやりますと、日数が非常にかかりますのと、仲介国に対するいわば手数料というものが要りますために、料金が少し割高になっておりました。今度直接交換ができますと、その辺の点も非常によくなるというふうに考えられます。
 実情から申し上げますと、ニュー・ジーランドにつきましては、大体一カ月の間に日本から四千個以上の小包が送られておりますけれども、向こうからは五十個ぐらいしか来ておりません。それから南ア共和国につきましても、日本からは一カ月に千四百個ほど小包を出しておりますけれども、向こうからは五十個ぐらいしか来ていないというような実情でございます。おのおの大体重量十キロぐらいまでの小包を船便または航空便によって直接交換するということを規定いたした次第でございます。内容につきましては、在来のものとそう大差はございません。これによりまして、直接交換することによりまして、送達所要日数がそれぞれ五日間ほど早くなります。また料金につきましても、これは重さによっていろいろ違いますけれども、一キログラムを例にとりますと、大体三分の二くらいの料金になるわけでございますので、特に日本から多く小包が出されておりますために、日本としても非常にこれは有利になろうかというふうに存ずる次第でございます。
 簡単でございますけれども、説明を終わります。
#6
○理事(井上清一君) それではただいま説明を聴取いたしました二件は後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#7
○理事(井上清一君) それでは、千九百六十二年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件を議題として質疑を行ないます。御質疑のおありの方一は、順次御発言を願います。
#8
○森元治郎君 きょうはいろいろ疑点を一つ一つ御説明を受けたいと思うのですが、これには、この前の協定にはソ連は入ってなかったかと思うんだが、今度はソ連も入っておるわけですね。
#9
○説明員(須之部量三君) そうでございます。
#10
○森元治郎君 イギリスは。
#11
○説明員(須之部量三君) イギリスは五九年の協定には入っておりましたが、今度の協定にも引き続いて入っております。
#12
○森元治郎君 その価格帯というのが今度の協定では十二・五セント引き上げていって、一ブッシェルが一ドル九十セントから二ドル二セント半になったようだけれども、これはアッパー・リミットなんですか。上限を言うのですか。
#13
○説明員(須之部量三君) 十二・五セント上がりましたのは、最低と最高と双方でございます。したがって、同じ価格帯の幅がそのまま上に上がったということでございます。
#14
○森元治郎君 この協定は、過去においてこの協定のねらいとするところは果たしておるのかどうか。ここに書いてあるように、取引価格の安定と需給の調整というようなことの経過をひとつ説明して下さい。
#15
○説明員(須之部量三君) まず基本的にこの協定が元来の目的を達しておったかどうかという点でございますが、この点は、少なくとも今度の六二年の協定ができました当時、その国際会議があったわけでございますが、その国際会議におきます冒頭陳述におきまして、各国の代表とも、現在のワクについてはうまく動いているので問題ないということを発言いたしました。したがいまして、このワクについては各国とも異議がなかったわけでございます。それでただ従来の――今まで四回ほどできておるわけでございますが、違いましたのは一九五九年からは仕組みが多少変わったわけでございますが、その前は一応義務買付量というのがきまっておりまして、輸出国のほうは具体的にどれだけの量を加盟輸出国から買うということが義務になっておったわけでございます。それに対しまして英国等は不満といたしまして、一九五九年までは入らなかったのでございますが、五九年の協定から、そういう具体的な数量の規定ではなくて、各国が輸入する数量の中の一定比率は加盟輸出国から買うという仕組みに変わって参りました。それで英国も実は入ってきたわけでございます。したがいまして、その協定の仕組みの経過ということから申しますと、初めのうちはコール・システムでおりましたが、具体的に輸入数量を規定しておったのが、その後輸入の比率をきめるという形に変わってきたということでございます。
 それから小麦の一般的な状況につきましては、御存じのとおり、戦後非常に食糧不足ということで、むしろ売手市場だったわけでございます。それがその後むしろ買手市場のほうに変わってきておったわけでございます。で、今度の六二年の協定を作ります際に一番問題になりました点は、いわば二つあるわけでございまして、第一の点は先ほど森先生のおっしゃいました価格帯を引き上げるという点だったわけでございます。この価格帯を引き上げる点につきまして、三つの立場があったわけでございまして、輸出国のほうは二十五セント引き上げるということを主張したわけでございます。これは当時ちょうど一昨年から昨年にかけまして、生産国のほうが、アメリカ、カナダ等が不作でもありましたし、それから需要のほうの要素といたしまして、ヨーロッパ諸国、あるいは中共等が大量に買い付けたというようなことから価格がかなり上がって、もちろん最高価格までは上がっておりませんでしたけれども、かなり上がってきておったというような事情を背景といたしまして、輸出国は二十五セントアップを主張したわけでございます。それから、それに対しまして輸入国側は、当然のことでございますが、価格の据え置き、つまり一時的に市場価格は上がっているけれども、まだまだ過剰在庫等もかなりあるし、値段を引き上げるべきでないという立場をとったわけでございます。それから第三の立場といたしましては、これはむしろ後進国のほうなんでございますが、経済的な困難性もあるので値段を引き下げてほしいという立場と三つありまして、これが非常にもめたわけでございます。結局このために会議が非常に難航いたしまして、もし価格の引き上げが行なわれなければ、カナダとかオーストラリアはこの協定に入らない。あるいはアメリカでも国会の承認を得ることは困難であろうというような議論が出まして行き悩んだわけでございますが、結局その妥協といたしまして十二・五セントのアップということで落ち着いたわけでございます。
 それから六二年のこの協定の会議で問題になりました第二の点は、いわゆる各国が買い付けます小麦のどれだけの比率を加盟輸出国から買うかという、この比率の点だったわけでございますが、この点につきましては、もちろん輸出国側はなるべくその比率を高くしてほしいと希望するわけでございまして、今回たまたまソ連も加入することになりまして、世界の輸出国のほとんど全部と言ってよろしいわけでございますが、その全部がこの協定の加盟輸出国になりましたので、これに見合って輸入国側でもその義務比率を引き上げていいじゃないかということになりまして、五九年協定当時は大体平均七一%が輸入国の義務比率であったわけでございますが、それを八五%に引き上げたわけでございます。これに伴いまして、日本も五九年当時五〇%の比率でありましたのを八五%に引き上げたというようなことでございました。大体今までの経過は今御説明申し上げたような次第でございまして、今度の会議におきましても、この小麦協定がそれぞれの目的を達成しているという大きな点については、輸入国、輸出国とも意見が一致しておったということは申せると思います。
#16
○森元治郎君 今のお話で価格帯の引き上げと比率の話が出ましたが、価格の安定と需給の調節がこれによってうまくいっているかどうか、その事情を御説明願いたい。
#17
○説明員(須之部量三君) 需給の調節の点につきましては、現在のところ、実は過剰在庫の状況でございますが、まだアメリカにあるのは事実でございますが、アメリカ以外の国の過剰在庫はほとんどなくなったというふうに見られておるわけでございます。それで、ただこの過剰在庫も、私も必ずしも小麦の品質を詳しく存じませんが、ソフト系という、むしろ品質の低いほうの在庫でございまして、現在の世界の需要の多いのは、ハード系という品質の高いほうの小麦であるというふうに了承しておるわけでございます。ただ需給状況がこれでどう見合うようになるかという点でございますが、この協定の中にも実は年次検討というような条項がございまして、これは第二十三条に書いてございますが、それで各国の生産状況等もこれで一応検討することになっておりますが、ただ国内の生産調整をどの程度行なうかというようなことはそれぞれの国内の政策にまかせておりますので、この協定自体から、たとえば生産国の生産割当をするというようなところまでは行っていないわけであります。
#18
○森元治郎君 こういう議案審査のときは、これは相当資料をあらかじめやはり出しておくほうが当然だと思うのだが、雲をつかむような話を言っても仕方がないので、日本の輸入の数量とあるいは各国の大体の輸入国、輸出国との関係は、資料は、想像されるものは五、六種類くらい当然出すべきだと思いますが、これは本気になって質問すれば相当これはやらなければならぬ問題があるのです。入っていると思うのです。そういう点はもう少し親切に委員長用意をしておいて下さい。
#19
○理事(井上清一君) それじゃ一つ関係の資料を、できる限り外務省側として準備をして御提出をお願いしたいと思います。
#20
○政府委員(飯塚定輔君) その点については十分注意をして、御期待に沿うように、資料もできるだけすみやかに出させるようにいたします。
#21
○羽生三七君 その資料はもちろんお願いしたいのですが、それより前に根本的なことで一つ、二つだけお尋ねをしておきたいと思いますが、それは、この国際小麦協定というものが世界の全般的な食糧事情から見て、たとえば直接にはこの貿易の自由化とかという問題が直接の関連性はもちろんないし、これはまたそういうことを規制するものでもないけれども、ある種の規制であることは間違いないと思うのです。ですから、そういう場合、全般的に見てこれはどういうプラス条件を持っているのか。つまり全くこういう協定なしに一定の安定帯価格を設けて、それから輸入、輸出ともそれぞれの国の一定の数量の範囲をきめて、そういう規定がある場合と、全然そういうものはない野放しの場合、そういう場合におけるプラスとマイナスの条件を、今の世界の小麦の事情、食糧事情から見てどういう役割をこれが現在果たしておるのか。この基本的な問題を政府側としてどういうふうに把握しておるのか、この点をひとつぜひ最初にお伺いしておきたい。
#22
○説明員(岩下龍一君) 私どものこの国際小麦協定に対します基本的な考え方といたしましては、二つの基本的な考え方を持っております。第一は、世界の小麦の需給事情が悪化した場合、この協定によって所要の数量が買い付け得る。こういうことが第一。第二点は国内の農業政策、特に小麦政策を遂行していく上に、海外の価格の安定というものがある程度のめどになりますから、こういう二つの基本的なあれがあると、こう考えております。
#23
○羽生三七君 そんな簡単な問題じゃないのです。私の言うのは、全般的に世界の今の食糧事情、小麦事情をよく検討して、これを日本が今この小麦協定に現に加入しておるわけですが、これを継続して引き続いてこれを進めていく場合、どういうプラス条件があるのか。あるいは今世界の小麦事情がかりに不安定になった場合――逼迫したというようなお話がありましたが、実際に逼迫する条件があるのかないのか。そういうことも問題ですし、そういうことと関連して、どれだけの役割をこの国際小麦協定が果たしておるのか。ただ単に日本だけに限定したことでなく、世界的な今の食糧事情の中で、全然野放しでこういう協定があるのとないのとではどういう条件に違いがあるのか。それをもう少し大局的な立場でお話しを願いたい。
 それから、そういう問題のほかに、今も向こうで二人で話しておったのですが、アメリカの余剰農産物の関係とか世界の関税のガットによる一律引き下げの問題、そういう問題との関連性で今後どういう発展を示すのか。今すぐ御答弁の用意がなければ、準備してきて詳しくひとつ聞かしていただきたいと思うのです。今すぐでなくてもよろしいです。
#24
○説明員(須之部量三君) 今の御質問に対してそれを詳しく申し上げますのは別といたしまして、ただ若干の御参考になるかと思う点だけでございますが、小麦以外のいわゆる国際的な商品協定でございますが、現在できておりますのは、すず、小麦、砂糖があるわけでございます。それから、近く御審議をお願いする予定になっておりますが、コーヒーが一応でき上がったわけでございます。それから、まだ本年中に計画されておりますのは、ココアがあるわけでございます。これらの一次産品について国際的な協定を作る場合、どういうような意義があるかという点でございますが、この商品協定の性格によりまして、やり方はかなり違っております。たとえばすずの場合ですといわゆるバファー・ストックと言っておりますが、一定の基金で売り買いして緩衝在庫を操作して価格を安定するという場合もございます。それから、小麦協定の場合は、典型的な別の形でございますが、一定の価格帯をきめて、その中で輸出国、輸入国が売買するという形をとっておるわけでございます。で、一般的に一次産品が戦後の短かい期間中においては非常に一般的に値上がりをし、その後むしろ今度は逆のほうに激しく動いたという形をとっておるわけでございます。これを何らかの形で安定させなくちゃならぬ。安定させるためにいろいろの方法がございましょうけれども、輸出国と輸入国の利害関係で、一挙に理想的なと申しますか、思い切った措置をとり得ない。したがって、ある程度の妥協であるかと思います。安定させるために徹底した措置をとろうと思えば、もっともっといろいろな国際的な措置も必要となるかと思いますが、そこまでも行けないということで、できる限りのところということで、各関係国の利害の歩み寄りの形で来ておるのが現在の商品協定の形でございます。したがって、小麦協定というものをとりました場合にも、小麦協定の現在の仕組みが理想的であるかといえば、それはもちろん理想的ではあり得ないと思うわけでございます。現に六二年の会議が開かれましたときにも、いろいろの国の主張というものは非常に広く食い違っておったわけでございます。ただしかし、それらの各国の立場の一つの妥協の産物として、しかも今の形で一九五九年以来一応小麦の価格が安定した形で来ているということから見まして、小麦協定というものが世界の小麦の取引について果たしている役割というものは、決して無視できないものじゃなかろうかと思うわけでございますし、それとともに、われわれとしましては、一次産品のこの種の国際商品協定というものについては、なるべく積極的に参加するという方向で考えていくという立場をとっているわけでございます。
#25
○羽生三七君 もう一つ、これも資料のお願いになるのですが、いつごろでしたか、この前、この協定の改正のときの審議の際のことです。記憶がはっきりしていないけれども、当時の一般的市場価格と協定価格との関係でどういう利害得失があったかということを、たしか私この席でお伺いしたと思いますが、現在の条件で、この協定価格の場合と一般的な市場価格、そういう問題との関係もひとつ資料で次の機会に出していただきたいと思います。
#26
○説明員(須之部量三君) 今の点、資料として差し上げるようにいたしますが、大体の傾向を申し上げますと、一九四九年の協定当時でございますが、この当時は市場価格のほうが最高価格を上回っておったわけでございます。その後大体五三年協定のころから、市場価格が最高価格以下になるようになりまして、現在のところ、最高価格が二ドル二セント半になっているわけでございますが、市場価格は大体一ドル九十セント前後というふうに、八十セントから九十セントの間というふうに了解しております。この数字等は資料として差し上げるようにいたします。
#27
○森元治郎君 農林省は、この協定成立にあたって、この条件で全面的に賛成されたのですか。注文が通らなかったという点はないのですか。これは政府部内の折衝と対外折衝と二つあるわけですが。
#28
○説明員(岩下龍一君) 農林省は、最高価格、最低価格につきましては、市場価格の現状を見まして、おおむね妥当であろう、こういうような結論でやっておるわけであります。
#29
○森元治郎君 日本のあれとの関係はとの次伺うことにして、これは改訂時期が六二年の七月三十一日に到来したから今度は改訂交渉になったわけですね。その間の事情で急にやったのではなくて、時期が来たからやっということですね。前の協定と今度の協定との違いは、単に価格帯の引き上げということと比率、この二点だけですか。
#30
○説明員(須之部量三君) 大きな点ではその二点でございます。そのほかに、新たにソ連が加盟したということと、それから、基準量というものがそれできまるわけでございますが、このきめ方が、古い協定では、過去四年間の平均をとっていたわけでございますが、今度は過去五年のうち最初の四年の平均ということに若干改められたという点がございますが、その他の点はほぼ同様でございます。
#31
○羽生三七君 ソ連が加盟した事情、何か特別のことがあるのですか。もしおわかりになっておったら……。
#32
○説明員(須之部量三君) 私どもの了解しておりますのは、大体一九六〇年ごろからソ連が非常に――国際小麦事務局があるわけでございますが、ここにも接近をいたしまして、小麦協定に対する関心を示しておったわけでございますが、今度の会議に招請されて、その冒頭どういうふうなソ連が態度を示すかという点に各国が非常に関心を持っておったわけであります。冒頭におきまして、非常にはっきりと積極的に参加するという意向を示しましたので、それに関連しまして、先ほどちょっと御説明しました各輸入国の義務比率を引き上げてもいいのではないかというようなことになったわけでございます。おそらくソ連のねらいとして考えられますことは、これに入るほうが、ソ連の小麦の輸出を振興するという点に役立つだろうというふうに考えたのが一番大きなねらいではないかと考えております。
#33
○森元治郎君 大きく見ると、やっぱりこれは小麦を生産する国のほうが得のような感じがするのですが、どうですか。大国がこれだけがっちり組んで、そうして不作ということも、最近はよほどの天災でもない限り防げるように農業技術は発達してきているだろうし、市場が安定していれば生産の調節もできるし、しかも値段はある程度きめておるのですから、売るほうが得なように思うのですが、どうですか。
#34
○説明員(須之部量三君) この最高価格と申しますのは、申し上げるまでもなく、この値段で売るというわけではございません。そこまで上がったときには、輸出国はその価格で売らなければならぬということでございますので、別にこれが市場価格が市場価格として動いている以上、別に最高価格が上がったから直ちに輸出国が得をするというようなものでもないと考えるわけでございますが、実際問題として、この協定に入っております諸国をとってみますと、日本の場合も、実は輸入比率八五%でございますが、すでに九九%ぐらいが加盟輸出国から買っている状況でございますので、実際問題として、輸出国だけに得とか、輸入国だけに得というようなことは、今の状況では、まずちょっと考えられないのではないかと思います。
#35
○森元治郎君 日本の場合は、価格は今度の会議に臨んだときには据え置きの方向で行ったのですか、後進国のほうと協力して。後進国のほうは上げるのに反対、日本は据え置きのほうを主張したのか。その点どうですか。
#36
○説明員(須之部量三君) 先ほど三つの立場と申し上げて、後進国は非常に簡単に引き下げと申し上げましたけれども、もちろん後進国の中にも据え置きということを言った国もあるわけでございます。立場をはっきりするために、あえて白黒的に割り切ったことを言ったわけでございますが、わが国の場合は据え置きを初めは主張しておったわけでございます。
#37
○森元治郎君 数量の比率は五〇%が八五%になっても、日本の態度は……。
#38
○説明員(須之部量三君) 数量の義務比率のほうにつきましては、わが国の輸入実績が、実際問題としまして、先ほど申し上げましたとおり、ソ連も入りますと九九%ぐらい加盟輸出国からでございますので、特にわが国としては問題にしなかったということでございます。
#39
○岡田宗司君 国際小麦協定の今度の新しい価格ですね、それから、それに基づいて今後どういうふうに価格が動くか、これは日本の国内の小麦等にも影響を持つものではないか。政府も、おそらく農林省ではこれに対しての一定の政策を持っているだろうと思う。その関連ですね。これをひとつ農林省のほうの方にこの次説明してもらいたいと思う。これは用意しておいて下さい。
 それからもう一つは、アメリカの余剰農産物のうち、小麦がたくさんある。これの処理が一体この国際小麦協定による小麦の国際的な取引と一体どういう関連性を持ってくるか、そういう問題ですね。ひとつこの次に詳しく説明して下さい。
#40
○杉原荒太君 一つ希望を申し上げたいんですが、今羽生さんと岡田さんから要求しておられることですね、基本的な大事な点、しかも、政府としては別にむずかしいことを問われておるわけじゃないと思うんですよ。こういうのは、むしろ初めにあなたのほうから十分説明さるべき事柄ですよ。そういう点がないと、条約についての何かいかにも自信のなさというか、もう少しそこのところはしっかりやってもらわにゃあ。これはこまかい数字的の点なら、あとから資料として差し上げますでいいけれども、基本的なことですね。もう少ししっかり、ないわけじゃないだろうから、ひとつ進んでやるようにしてもらわにゃあ。これは希望しておきますよ、私。
#41
○佐藤尚武君 たいへん幼稚な質問をすることになるかもしれませんけれども、日本は莫大な数量の小麦を方々から輸入しているんで、ことにアメリカにとってはずいぶんいいお得意になっていると思うんです。日本の輸入しておる小麦というのは、主として硬質の小麦なのですか。日本国内で産出する小麦は軟質とか言われておるんで、主としてめん類に使われるんだというふうにしろうととしての説明を持っているんですが、パンを作るためには硬質の麦でなければいかぬらしいので、そのためにつまりアメリカなり、カナダなり、そういう方面から主として硬質の小麦を取っているということなのか。ちょっとその辺ひとつ御説明願いたい。
#42
○説明員(岩下龍一君) わが国は、外麦は硬質並びに半硬質、軟質、三種類を輸入しております。硬質の小麦は、今なにもございましたように、パン用でございます。軟質小麦、これは主としてめん用、めん類でございます。それから、さらに主食用のほかに、軟質小麦としましてえさ用の小麦を相当量輸入しております。
#43
○佐藤尚武君 そうしますると、一がいに小麦々々と言うけれども、たとえば日本のごときは硬質の小麦が必要で、よその国ではあるいは軟質のほうが必要だというようなふうに分かれてくるらしく考えられるんですが、そこで硬質の小麦というものは主としてパンの製造に充てられるとして、しからば、その硬質の小麦でもってめん類というものはできないのですか、一体。また、軟質の小麦、日本の小麦のごときではパン類を作るということはできないのか。つまり硬質と軟質というのはお互いに用途がはっきりきまっていて、そうして軟質のものではパンができないとか、硬質のものではめん類ができないとか、そういうふうになっているんですか、どうですか。
#44
○説明員(岩下龍一君) 現在のところ、小麦の世界的な需給事情のもとでは――小麦に対する需要と小麦の供給事情でございます。これが買手市場になっておりまして、主として政府が小麦を買い入れ、売り渡す場合も、需要の面を尊重して買い入れ、売り渡しの操作に従っておるわけでございます。そういうことになりますと、需要の面を尊重することになりますと、パンの問題について見ますと、軟質小麦でもある程度のパンはできるわけでございます。しかし、パン用小麦というものは、現在のところ硬質小麦に対する需要が圧倒的に強くなっております。まためんにつきましても、硬質小麦を入れましてもめんは技術的にできます。しかし、需要の面を見ますと、やはりめんの需要は軟質小麦に対する需要が圧倒的に多くなっております。こういう点から主として硬質小麦はパン、軟質小麦はめんと、こういうふうに小麦が使われております。
#45
○佐藤尚武君 しからば、軟質とか硬質とかいうのは、土壌の関係とか気候の関係とか、そういうところから来るのでしょうか。日本がそれほど硬質の小麦が必要であるとするならば、たとえば品種の改良とかなんとかいうことで、日本の今までの軟質の小麦を硬質に向けていくとか、そういうことはできないわけですか。
#46
○説明員(岩下龍一君) この小麦の軟質、硬質の区別は、土壌条件、気候条件、湿度、こういうところから来ております。日本の場合は非常に多湿でございまして、湿気も多うございまして、暖かいところが多うございます。こういうところは硬質小麦というものは一般的に適しておりません。ただし品種改良しまして、軟質小麦を硬質小麦にしようとしても、ある程度は行くかもしれませんが、その場合、生産費がきわめて高くつきます。現在は主として日本の小麦は軟質小麦でございます。いろいろ外国小麦に比較すると生産費は六割ないし七割高くなっております。これは無理に硬質小麦を作るといたしましても、その点で難点がございます。さらに、今申し上げましたように、自然条件的に非常に難点があります。日本では一部の地方を除きまして一般的に硬質小麦は不適当だと、こういうことになります。
#47
○羽生三七君 今の点だけもう一つ関連して。これも私自身ある程度は心得ておるつもりですが、念のため。日本の小麦の作付面積がどんどん減っていく理由は、一番大きな原因は何ですか。
#48
○説明員(岩下龍一君) 麦全体では作付面積が減少しております。小麦は若干減りましたが、おおむね横ばいと、こういうことになっております。麦がどんどん減っていきますのは、二条大麦を除きまして麦を食わない、こういうことでございます。
#49
○理事(井上清一君) ほかに御質疑もなければ、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。
   午前十一時八分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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