くにさくロゴ
1962/05/16 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第19号
姉妹サイト
 
1962/05/16 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第19号

#1
第043回国会 外務委員会 第19号
昭和三十八年五月十六日(木曜日)
   午前十時二十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 五月十五日
  辞任      補欠選任
   加藤シヅエ君  千葉  信君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岡崎 真一君
   理事
           草葉 陸圓君
           長谷川 仁君
           森 元治郎君
   委員
           青柳 秀夫君
           杉原 荒太君
           山本 利壽君
           岡田 宗司君
           佐多 忠隆君
           羽生 三七君
           佐藤 尚武君
  政府委員
   外務政務次官  飯塚 定輔君
   外務省条約局長 中川  融君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務省経済局外
   務参事官    二階 重人君
   外務省条約局外
   務参事官    須之部量三君
   食糧庁総務部長 筒井 敬一君
   食糧庁輸入計画
   課長      岩下 龍一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○千九百六十二年の国際小麦協定の締
 結について承認を求めるの件(内閣
 提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡崎真一君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 この際、委員の異動について御報告をいたします。昨五月十五日付をもって加藤シヅエ君が委員を辞任されました。その補欠としまして千葉信君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(岡崎真一君) 次に、千九百六十二年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。前回に引き続き御質問を願、います。
#4
○森元治郎君 小麦協定の調印国の数ですが、ちょっと最初から四回までの数をおっしゃっていただきたい、多くなったり、少なくなったりしておるようだけれども。
#5
○説明員(須之部量三君) 五九年当時からのは、今すぐわかることでございますので、取り調べまして御返事申し上げます。
#6
○森元治郎君 この前の協定より今度のは第四次かな、前の協定より調印参加国は減ったのかな。
#7
○説明員(須之部量三君) 五九年当時の加盟国は四十三カ国でございます。
#8
○森元治郎君 四十三で、今度は三十五ですか。
#9
○説明員(須之部量三君) 六二年の協定ができましたときに署名した国が三十五カ国でございます。ただし会議自体に出席していたのが四十二カ国でございます。現在までに正式に受諾いたしましたのが二十八カ国、それから、国内の憲法上の手続をとりまして受諾するように努力するという意思の通告をいたしましたのが八カ国でございます。署名三十五カ国のほかに、署名しなかったけれども、受諾した国が出て参りましたので、三十六カ国になっております。
#10
○森元治郎君 そうすると前より減ったわけですか。
#11
○説明員(須之部量三君) 実は四十二カ国出たわけでございますが、現在までに三十六カ国もうすでに受諾しておるわけでございますが、そのほかに近く、これに加入する意思があるということを理事会のほうに申し出ておる国が十カ国ございます。それで、これは主としてコスタリカ、ドミニカ等々でございますが、十カ国ございますので、おそらくそれを足しまして四十六カ国になるわけであります。そのほかに、会議に出席した国の中で署名しなかった国、ないしはまだ受諾の意思を表明しなかった国というようなものを加えますと、おそらく旧協定とほぼ同数ないしは若干上回るかと考えるわけでございますが、いずれにしましても、質的に申します場合には、今度は輸出国の側のソ連が入ったわけでございますが、質的には、世界における小麦の取引の大部分をカバーする国が加入しておるという点については、旧協定よりもさらに広まったということが言えると考えるわけでございます。
#12
○森元治郎君 この前の五九年のときか何かに、国内増産がだいぶ進んでおるからこの際入らないという国が三カ国か四カ国かあったようだったが、今度の場合はそれらの国は入る意思を表明しておるのですか。
#13
○説明員(須之部量三君) おっしゃっておる国は、おそらくデンマークのことかと思いますが、デンマークは今度の協定にも引き続いて加入しておりません。
#14
○佐多忠隆君 新たにソ連が加盟したというのですが、今までなぜ加盟しなかったのか、今度どうして加盟するようになったのか、その辺のいきさつを少し。
#15
○説明員(須之部量三君) 今までなぜ入らなかったかという理由でございますが、おそらく今まで商品協定というものに、ソ連は小麦ばかりでなく、ほかの協定についても入っておらなかったわけでございますので、おそらく普通の取引と違った国内の経済構造からソ連として参加するという必要を認めなかったということじゃないかと思います。それで今回なぜ入るようになったかという点でございますが、ソ連は大体一九六〇年ごろからこの国際小麦理事会に非常に深い接触を持つようになりました。今度の会議にも強力な代表団を送りまして、六三年会議の冒頭からこの協定の成立及び参加に積極的な態度を示してきたわけでございます。
 ソ連がどうしてそういう態度をとったかというのにいろいろ見方はあるわけでございます。第一の点は、おそらくソ連として小麦の輸出の増進に努力するという点に重点を置いてきたということであろうと思います。と申しますのは、一九六〇年当時、ソ連がオランダに小麦を輸出しようといたしまして、オランダがこの協定加盟国でありますために期待したような量の輸出ができなかったということを聞いておりますので、おそらくその意味で輸出増進という一般的な目的からこの協定に入ってきたものと考えられます。
 それから第二の点として考えられます点は、最近一次産品の問題が世界的に問題とされてきているわけでございますが、ことに後進国方面、一次産品にもっぱら依存しております後進国方面で、この商品協定というものの意義を非常に高く評価する傾向が現われてきておるわけでございまして、ソ連としても後進国の一般的な要望であるこの種商品協定−もちろん小麦の場合は主たる輸出国は必ずしも後進国と言えないわけでございますが、この種商品協定に一般的に深い関心を示してきておるというふうに考えられるわけでございます。砂糖協定あるいは綿花諮問委員会等にも積極的に参加しておます。それからごく最近できましたコーヒー協定にもソ連は署名しておるわけでございます。したがいまして、輸出の問題と、それから一般的な後進国の要望を反映した最近の商品協定というものに対する世界の関心というものの両面から参加しておるのじゃないかというふうに考えております。
#16
○佐多忠隆君 今度の改正で、日本の輸入基準といいますか、それが五〇%から八五%に引き上げられたというのは、どういう理由からこういうふうに引き上げられたのですか。
#17
○説明員(須之部量三君) わが国の今までのは五〇%であったわけでございますが、今度引き上げられましたのは、実はわが国ばかりではございません。五九年協定当時は、輸入国のほうの約束の百分率が過去の平均をいたしまして七一%であったわけでございますが、それが今回は平均いたしまして八五%まで引き上げられたわけでございます。もちろんこの率を引き上げるということは輸出国側の希望であったわけでございますが、わが国の場合、今回ソ連も加入いたしましたし、ソ連が入らなくても、九九%程度のものは加盟輸出国から買っておる小麦でございますので、実体的に何ら義務をふやすことにもならないわけでございますし、さらに百分率が高くなりますれば、小麦理事会における日本の票数等もふえて参るわけでございまして、内部における発言権もはっきりするというようなことで日本として受諾したものでございます。したがいまして、一般的な傾向に順応して日本もふやせるだけはふやしたということでございます。
#18
○森元治郎君 今のに関連して、ソ連の小麦の生産高と今までの輸出はどういうふうになっているか。
#19
○説明員(須之部量三君) 今の点に関連いたしまして、実はお手元に差し上げました資料をごく簡単に説明してよろしゅうございましょうか。今の御質問の点に関連するわけでございますが、差し上げました資料の一ページの第一表でございますが、これはFAOの資料によっておるわけでございますが、一九五五年以降六一年までの一応の生産高が書いてございます。ソ連の部分は一等最後の欄になっておりますが、一九六一年で約六千六百万トンということでございます。私どもの持っております資料では、ソ連の小麦の作付面積から申しますと、約六千七百八十万ヘクタールで、カナダの六倍、米国の七倍ということでございまして、生産高から申しますと世界第一の国になるわけでございます。
 それからついでに輸出のほうについて申し上げますと、生産量は多いわけでございますが、国内需要が盛んでありますために、輸出量としては比較的少ないわけでございまして、商業取引と特殊取引とで、特殊取引は主として東欧圏諸国に対するものでございますが、約四百万トン前後というふうに承知しております。
 それから、これに関連しましてこの表の説明をごく簡単にちょっと続けさしていただきますと、二ページの第二表が「世界の小麦の輸出入高」でございまして、左が輸出の量、それから右が輸入の量になっているわけでございまして、これはFAOの資料でございます。で、これによりますと、今四百万トンと申しましたが、平均をとったわけでございますが、最近の一九六〇年ごろには、ソ連の輸出が約五百六十万トンという数字を示しているわけでございます。この小麦の輸出入量は、いわゆる商業取引と特殊取引の両方含んだ数字でございます。
 それから、その次のページの第三表でございますが、これは「四大輸出国による小麦の供給及び在庫」ということでございまして、四大輸出国と申しますのは、アメリカとカナダ、オーストラリア、アルゼンチン、これだけの国を合わせたものでございまして、国際小麦理事会の資料によっているわけでございます。この表で特に目立ちますことは生産の欄でございますが、一九六一年−六二年度の生産高が五千三百万と非常に減っておりますが、これは不作、つまり米国、カナダ等で不作であり、特にその中でハード系の小麦が不作であったというために値段の値上がりがあったものでございます。これに見合うものといたしまして「輸出量」という欄がございますが、その輸出量の欄をごらんいただきましても、六〇年−六一年から六一年−六二年と、かなり激しい増加を示しているわけでございまして、これは欧州が二年不作続きであったということのため、あるいは中共からの輸入が多かったということのために輸出がふえているわけでございます。したがいまして、生産が減り、輸出がふえたということのために、その表の一等下に書いてあります正常在庫を除きました過剰在庫というものは、六〇年−六一年の三千三百万から二千三百万トンと約千万トンの減少を来たしているという状況でございます。
 それから、次の第四表でございますが、これは国別に「四大輸出国による小麦の供給及び在庫」というのを三表に一括してございますが、それを一応国別に掲げたものでございます。これでごらんいただきますと、下の欄のカナダ、米国の六一−六二年度の生産量でございますが、カナダあたりは前年度の約半分に落ちているというようなことがはっきりしております。それから米国の場合は三千三百万トン、前年度に比べますとかなり減ったということでございまして、過剰在庫の状況を見てみますと、アルゼンチン、オーストラリアは大体正常在庫をある程度食い込んだ、それからカナダ、米国の場合にはまだ若干あるわけでございますが、大きな過剰在庫は今ないというような形でございます。
 それから、次に第五表といたしまして「協定価格及び輸出価格」というものの推移がここに書いてあるわけでございまして、協定価格帯というのが協定によってきめられた価格帯でございます。それから協定の輸出価格、これはもう前の協定の最高価格に見合うものでございます。それから平均市場価格、これが一九四九年度から五二ないし五三年度までが最高価格を上回っておったわけでございます。したがって、協定に加盟しておる加入国は、この一ドル八十セントの最高価格で市場価格にかかわらず輸入できたわけでございまして、この四年間で加盟輸入国が節約できました外貨は、約七十億ドルというふうに言われておるわけでございます。それから六一−六二年度のところに協定価格帯、最高が一ドル九十セント、それから最低一ドル五十となっております。市場価格は平均一ドル八十一と出ておるわけでございます。これは年度平均とりましたより低いわけでございますが、最高はバンクーバー渡しでは一ドル八十九セントに達し、最高価格一ドル九十セントぎりぎりのところまで接近したことがあるという状況でございます。その事情から今回の最高価格が十二・五セント引き上げられた一つの原因があるわけでございます。
 それから、次の第六表でございますが、これは「わが国が買い付ける主要銘柄・小麦のトンあたりFOB価格」でございます。この点はむしろ農林省のほうから、もし御要望がありますれば、別に御説明申し上げる予定でございます。
 それから、次の第七表でございますが、これは協定加盟国による取引の概要を一覧表にしたものでございまして、つまり最初が「加盟国間の商業取引」というものの数字をここに掲げてございます。それから、その次の大きな項目としまして、加盟国と非加盟国との商業的取引の数字がそこにあがっておるわけでございまして、上の二つの項目を合わせた商業取引総計が、五九年六〇年度から六一ないし六二年に至るまでに二千五十万トン、二千五百十万トン、二千五百三十万トンというふうに推移しているわけでございます。それから、その次の欄が加盟国間の特殊取引の量でございまして、その推移はそこに書いてあるとおりでございます。それから、その次が非加盟国との特殊取引の数でございますが、このうち下から三行目の「加盟輸出国から非加盟国へ」というところの特殊取引が、六一年度−六二年度におきまして八百六十万トン、前年度に比べてかなり増加しておりますが、これは米国からユーゴー、ポーランド等へ行なわれた食糧供給がこの中にありましたためにふえたものというふうに承知しております。
 次のページは、以上の特殊取引の総計を求めまして、そこに掲げてあるわけでございますが、世界総取引との比率で約九〇%が加盟国の取引ということになっておるわけでございます。
 それから、次の表第八表でございますが、「協定加盟輸入国による加盟輸出国からの買入れの百分率」、これは協定の建前上商業取引のみを計上してあるわけでございまして、と同時に、左のほうの「協定第四条1の約束の百分率」、これは新しい協定−六二年度協定の百分率がここに掲げてございます。従来、実際どのくらい買っておったかということを見るために実際の百分率、これは五九年協定の当時の買い入れ量、したがって、ソ連が当時入っておりませんので、ソ連からの買い入れ量は含まないという計算で出した数字がここに載っているわけでございます。わが国の場合を見ますと、今回八五%になったわけでございますが、五九年度−六二年度で九七・九%、九八・八%、九九・五%というような高い数字でございますので、八五%今度受諾しましても、別に実際上の支障はないというわけでございます。
 それから、その次に第九表、十一ページになるわけでございますが、それは主要国の小麦輸入量を、先ほど一覧表になっておりましたが、多少これを分けまして商業取引と特殊取引とに分けて、大体の輸入量というものをここに掲げたわけでございます。それでたとえば六一年度−六二年度の数字を見た場合、インドなどは全体としますと三百三十二万トンの輸入で、日本の二百六十八万トンを上回っているわけでございますが、その内容を見ますと、特殊取引が二百六十万トンでございまして、商業取引が少ないというような特徴が見られるわけでございますが、そのような関係で、協定による輸入量は、日本が第二位ないし第三位になっているわけであります。商業取引と特殊取引とを分類した表でございます。それから第十表でございますが、これは「主要国の小麦輸出量」ということでございます。今までの表も同様でございますが、申しおくれましたが、この小麦輸出という中には、もちろん小麦粉の輸出も含むわけでございますが、そこにおもな輸出国の小麦の輸出量の大体の推移が出ているというわけでございます。
 それでその次に「日本関係」のほうの資料になるわけでございますが、先ほど御説明申し上げました表と、それから「日本関係」以下の表につきましては、もし御要望がありますれば、農林省のほうから御説明申し上げる予定でございます。
#20
○森元治郎君 これは表にあったかどうか……、日本がどこから買っているか、その買い入れ先の呼称、輸出国の名前と量、昨年くらいの計算で…これは十四ページでいいです。わかりました。
 そこでこれから買う場合には、安定帯の価格の中で買うわけですね。その幅の中で、その場合ソ連というものは、どういう値の建て方をするのか。今までオーストラリア、カナダからたくさん買っておった分に対して、ソ連のほうが安いというふうな傾向にあるのか、その辺のところを教えていただきたい。
#21
○説明員(筒井敬一君) 最初の御質問でございますが、各国からどの程度に買っておるのかというのは、十六ページの計の欄をごらん願いますと、アメリカから六十二万四千三百六十二トン、三十七年度でございますが、ということになっております。それからカナダは、その一番下でございますが、百一万八千百三十一トン、こういうようになっております。それからオーストラリアが、三十七年度はまだはっきり最終的にいたしておりませんが、三十六年度は一万九千九百二十六トン、こういうようになっております。ソ連は一万四千七百八十五トン、三十六年度でありますが、三十七年度は五万二千三百十二トンということになっております。国別でいいますと、ごらんのとおりに、ソ連を入れまして四カ国というように御理解願いたいと思います。
 第二点のソ連の輸入小麦でございますが、セミ・ハードと申しまして、硬質でも半硬質程度のものでございますが、これは一応輸入をいたしておりますけれども、若干品質がよくないということでございまして、国内ではあまり好まれておらないというような傾向にございます。
#22
○森元治郎君 私の聞きたかったのは、日本が買いたい品物がなければ別だが、買いたい種類の小麦がソ連にあった場合、しかも値がカナダやオーストラリア、アメリカよりも安いと、距離も近いし、運賃もかからぬということで、向こうへ振りかえられそうな傾向にあるのかと、高くちゃだめだけれども、品質はよし、安くて便利で、そういう傾向にこれから動きそうですが、どうですか。
#23
○説明員(岩下龍一君) ソ連の小麦の輸入は、ただいま総務部長の申されましたように、昨年は五万数千トン、ことしは六万トンとふえております。これはソ連の小麦はセミ・ハードでございますが、価格が割合に安うございますので、ただいまの表の六ページに小麦の関係がございますが、その中にアメリカのハード・ウィンター−左から二番目の欄でございますが、ハード・ウィンターの価格が出ておりまして、大体それに見合った価格でございまして、まあこれより若干安い、こういうことになっております。それで価格の点では割合に買いやすいと、こう考えております。そのために若干ふえております。しかし一部パン業者等から、含有蛋白の比率が低いというような苦情も出ておりますが、今までのところではそう顕著にはふえませんが、少しずつふえておる。またそういう傾向にあるように思っております。
#24
○森元治郎君 私が聞きたかった気持は、たくさん売り手がそろってきた。これは買うほうのお客さんのほうが強いんじゃないかと、今でもね。だから、たとえば綿製品あたりで変なことをアメリカががさばっているのなら、ちょっと方向を変えて、買い先を変えるというくらいの芸当はやれると思うんだが、ただ従来買っていたからカナダから買う、アメリカから買うということになれば、通産大臣なりあるいは政府としての外交的な麦の買い入れの方策を考えてもいいんじゃないかと思うが、そういうことは確認を得てあったのかどうか。単に惰性で買っておるのか。外交的に利用する買い方はないものかという点をお聞きしたい。
#25
○説明員(岩下龍一君) 食糧庁だけの小麦の購入という立場から申しますと、食糧庁は小麦の各種類別にグローバル・テンダー――世界的の自由競争、こういうことで買い付けておりますので、価格さえ競争できますれば幾らでも買う、こういう建前になっております。
#26
○森元治郎君 底に底があるくらいの上手さがあってもいいと思う、これは商売だから。もちろん安いのはけっこうだけれども、そこらにもう少し配慮があってもいいんじゃないかと想像されるんですがね。そこでどうも私気になるんだけれども、この表を見ても、一番古い、過去七、八年、五五年あたりから見ると、たいへん増産のスピードが著しいようなんだが、この六二年協定の三年間の有効期限中、今後三年間のソ連の生産というのは、予想されるのはどのくらいになるのか、だいぶ上がってくると思うのだがね。そうすると、外国向けの、よその国が食べたがる小麦まで生産する余裕も出てくるならば、少し過剰ぎみになるといいますか、売り手市場になってくるのじゃないかという感じがするのですが、どんなものですか。今のところは特殊、商業合わせて四百万トンから五百六十万トンぐらいだというのですけれども、それがもっともっと出せる量もふえてくるのじゃないかと思うが、その辺のところ。
#27
○説明員(須之部量三君) ソ連の小麦の生産の見通し等につきまして、六二年の国際小麦会議がありましたとき、その会議で特に問題になったというような点は私聞いておりません。それと同時に、六二年協定、五九年協定からでございますが、例の年次協議という規定がございます。したがって、この年次協議の結果、各国の生産状況をそれぞれ加盟国で打ち合わすということになっておりますので、これが動き出せば、ソ連の動きについて、一般的と申しますか、常識的な見方ではなく、ある程度きちんと資料を持っての見通しということを申し上げられるかと思うわけでございますが、少なくとも六二年の会議の議事録、ないしはまだ六二年協定に基づく年次協議も行なわれておりませんので、その意味で今お返事するのも若干ちゅうちょしたわけでございますが、大体の常識的と申しますか、一般的な見方といたしましては、五五年はたしか四千七百万トン、それが六十一年が六千六百万トンで、ふえておるわけでございますが、同時に、五八年当時に比べますれば、むしろ下がってきておるわけでございます。結局これがソ連の国内でどの程度増産の計画があるかということと、それからソ連の人口の増加ないし消費の増加等の関係から内需がどれだけふえるかという問題、あるいは特殊取引等で東欧圏諸国等に供与する部分がどんなふうに動くかということ等を考え合わさなければならないので、今はっきりした見通しということを自信を持って申し上げられ得ないわけでございますが、普通の見方としては、純商業は若干増加するであろうと考えられますが、しかし、この三年間に飛躍的な増加があるというふうには考えられないというのがまあ常識的ではないかと考えるわけでございます。
#28
○森元治郎君 ソ連の小麦で日本がほしい品物はできるのですか、できないのですか。硬質とか半硬質とか全硬質とか、いろいろむずかしい名前があるけれども、日本がほしい品物はソ連の生産にはないのですか。
#29
○説明員(岩下龍一君) 日本がただいまソ連から買っておりますのは、タイプ431というセミ・ハードでございます。これは若干質は落ちますが、日本のほしい品物、こういうことになっております。
#30
○森元治郎君 その他日本がカナダ、オーストラリア、アメリカから買いたいようなものがソ連にあるのかどうか、あるいはないのか。
#31
○説明員(岩下龍一君) ソ連から今来ていますのは、黒海の付近のも一のでございます。奥地のほうにほしいものもあると聞いております。しかしソ連の輸送事情で、そういうものはなかなか日本に出すのは輸送費がかかるというので、日本に到着しますと非常に割高になりまして、私たちが買うことは困難だと、こう聞いております。
#32
○森元治郎君 もう一ぺん、さっきの佐多さんが質問された、なぜこの協定に入ったのだろうかというのをもう少し聞きたいのですがね。
#33
○説明員(須之部量三君) 先ほど、いろいろ見方があるわけでございますが、二点申し上げたわけでございまして、先ほど申しましたとおり、たとえばソ連がオランダ等に対し輸出したいということを考えました場合、おそらくオランダとしても協定に入っている以上、一応一定の比率で買付保証という義務を賃っておるわけでございます。それにおのずから縛られますので、ソ連としてもこの中に入って東欧圏に対する以外に、積極的に市場を開拓したいというふうに考えているのでは
 なかろうかというのが第一点。
  第二点は、例の後進国との関係でございます。この商品協定というものに対する後進国の期待が非常に強まって
 おる。したがって、ソ連の全般的な政策として考えた場合にも、後進国の関心の非常に深い商品協定というものに積極的に参加するという態度を示すのが至当であろうというふうに考えたのではなかろうか。その証拠として、今度のコーヒー協定等も進んで署名しておるわけでございます。その他の商品協定ないし一次産品問題の研究会等に対する態度も積極化しておるというのも、そのラインから考えれば理解できるというふうに考えておるわけでございます。
#34
○森元治郎君 もう少し読んでから御質問します。
  この中共の表は小麦の生産高なんか出ておりますが、中共に対して小麦協定の理事会といいますか、執行部は招請状を出して、お前は入らないのかとか、こういう招待状は出すものですか。黙っていて、どこの国でも参加したい、会議に入ってみたいと言えば、いらっしゃいというふうになるのか、どうですか。
#35
○説明員(須之部量三君) この小麦協定は、国連の主宰のもとに開かれておりまして、国連のほうで招待状を出すわけでございます。中共に対しましては招待状が出されておりませんので、今度の会議には参加しておらないわけでございます。
#36
○森元治郎君 これはいわゆるオブザーバーというものもあり得ると思うのだが、この平和的な経済問題ですから、しかもいろいろな表を見てみると、やはり食糧が増産されている国は国内情勢が安定しているような傾向にあるので、やはりほんとうに世界平和で貿易増進というのなら、中共も商業関係には当然入ってもらえるならば、あるいは加盟国ではないにしても、一つの準備加盟国のような気持で商売に協力させるようなふうにするならば、よほど、かりに相当な過剰な生産があっても、これを消化することができるのじゃないかと思うし、平和の増進に役立つと思うのですがね。法律的な理屈っぽいことは別にして、これをやはり仲間に入れてやるということは努力しないのですか。
#37
○説明員(須之部量三君) この問題は、いろいろ考え方はあり得ると思うわけでございますが、現在、この商品協定等をとりましても、国連の加盟国ないし専門機関の加盟国というものが招請されるというのが現在の国連の主宰いたします商品協定では通例になっておるわけでございまして、中共が招請される、あるいは小麦協定に加盟する道が開かれるかどうかということは、この商品協定それ自身できまるよりは、やはり問題の性質上、国連の代表権というような大きな政治問題として解決されるほかは、今のところではないのじゃないかというふうに考えております。なお、オブザーバーとして出た国がありやせぬかという御質問でございますが、オブザーバーで出ました国としましては若干、ブルガリア、チェッコ、ハンガリー、イラク、スーダン、ユーゴ等ございますが、これらはいずれも国連加盟国でございますし、それからFAOとか、ガットのような国際機関にもオブザーバーを出しておるわけでございますが、中共の場合は、いずれにしましても招待されませんでしたので、今回は全然出席してないというわけでございます。
#38
○森元治郎君 過去、ここ数年、中共に小麦を売り込んだ国の名前と、量と、それから国際市場価格と比較した価格、わかりますか。
#39
○説明員(須之部量三君) 中共に対する輸出状況、必ずしもはっきりしない点もあるわけでございますが、今手元に持っております資料から申しますと、まず、数量のほうを申し上げますと、六〇年−六一年度、豪州が約百二十万トン出しております。それからカナダが七十八万トン、それから西独が一万トン、大体百九十六万トン、約二百万トン近いものが一九六〇年ないし六一年に出ております。それから六一年−六二年度の数字でございますが、豪州が百九十五万トン、それからカナダが百九十六万トン、それからその他大きいところでは西独が三十八万トン、それからソ連が十万トン、合計四百七十万トンというものが中共向けに輸出されておるという数字はございますが、価格の点につきましては、発表された資料もないようでございます。今直ちにはわかりかねる次第でございます。
#40
○森元治郎君 全然わからないのかな、価格は。いわゆる第三次協定の取引のあの値段より判っていることはないだろうと思うのだが、見当つきませんか。あれより下げて売ったのか。
#41
○説明員(須之部量三君) 豪州、カナダ等光っておりますのは、別にいわゆる特殊取引という形でございませんで、普通の市場価格で買っておるわけでございますから、最低価格を割っているということはあり得ないと思います。ただ、具体的にどういう銘柄かで値段もかなり違ってくると思いますので、具体的に数量、幾らでという資料は、今手元にないわけでございます。
#42
○森元治郎君 中共は外貨も不足して、買いたいことは買いたいのだが、政治関係、お金のふところ工合から買えないのだろうが、若干ふところに余裕もできれば、どのくらい小麦が入り得る余裕があると計算しますか。相当な量は入るのじゃないかな。
#43
○説明員(須之部量三君) 中共が昨年、一昨年当時買いましたのは、かなり中共自体の作柄が不作であったということの反映でございます。で、中共の生産高がどの程度であったかという点は、一九五九年以降発表されていないわけでございまして、お手元の資料の第一表の中で、中共の生産高というFAOの資料があるわけでございますが、このうち公表されました数字は、五八年までの数字でございまして、大体二千三百万トン前後であったわけでございます。一九五九年の数字が三千百万トンという数字になっておりますが、これは公表された数字ではございません。それで実際の量に対する見通しは、だいぶ差があるわけでございまして、たとえば小麦理事会等は約二千八百万トン程度であったのじゃなかろうかという見方をしております。それから、その他の、たとえば英国のエコノミスト等の見ました数字では、大体二千七百万トン程度であったのではないかという見通しを持っておるわけでございます。このエコノミストの数字をかりにとるといたしますと、一九五九年の生産高が二千七百万トン、それから一九六〇年が二千五百万トン、それから一九六一年が二千四百万トンというような数字というふうに大体推定されておるわけでございます。この最近四百万トンか五百万トンを輸入したというのは、国内の不作と見合う数字であったわけでございます。今後外貨が自由になった場合どのくらいふえるだろうかという問題でございますが、これは国内の生産の状況と、それから中共の人口増がかなり激しいようでございますので、その内需の増加との見合いになるわけでございまして、的確には何百万トンぐらい伸びるだろうというふうに数字を申し上げる根拠もないわけでございますが、一般的に言えることは、今回この一、二年の四百万ないし五百万トンという数字は、むしろ中共の輸入量というものは、不作のため異例に多かった数字ではないかというふうに見られるわけでございます。
#44
○岡田宗司君 中国の小麦輸入が六〇−六一年度、それから六一年度−六二年度たいへん多いのですが、六二年度以降、つまり本年にかけまして輸入の傾向はどうなっておりますか。ぐっと減っておりますか。それとも相当多いのですか。
#45
○説明員(須之部量三君) 昨年の小麦年度−御存じのとおり八月から七月でございますので、昨年の八月以降の数字というのは、必ずしもまだ明確につかんでおりませんが、一つの資料として私どもが持っておりますのは、昨年の六月から本年の九月−今五月でございますが、九月までの期間に船積みするという契約を結んだという一つの資料がございますが、それによりますと約五百万トンという資料を持っておりますので、大体本年も四百万ないし五百万ぐらいの水準ではないかと考えております。
#46
○岡田宗司君 カナダ、オーストラリアがおもですね。これは現金払いでなくて、たしか延べ払いの条件で輸出していると思いますが、それらについてはどうなっておりますか。
#47
○説明員(須之部量三君) 支払いの条件は必ずしもはっきりしないようでございますが、私どもが聞いておりますのでは、二五%現金、それから一年間延べ払いという支払い条件であるということは聞いておりますが、必ずしも確認はいたしておりません。
#48
○岡田宗司君 中国に対する延べ払いということになりますというと、いろいろアメリカのほうから文句が出ておるわけでありますが、日本などでやります場合に、必ず何かしら、その延べ払いは中国を助けるのだというふうなことで文句が出ておりますが、このカナダだのオーストラリアが、とにかく一年にしろ延べ払いをし、しかも大量の食糧を輸出していることに対しまして、アメリカ側から何らかの抗議なり、あるいはまたそのほか非難めいたことが言われておりますかどうか。
#49
○説明員(二階重人君) オーストラリアのほうについてはよくわかりませんですが、カナダが中共に対して小麦の延べ払いをやっているということについては、アメリカはかなりやかましく言っているようでございます。
#50
○森元治郎君 このさっきの表、須之部参事官の話では、六一年−六二年の中国に対する外国の輸出量の中で西ドイツが三十八万トンというのですが、そのとおりですか。
#51
○説明員(須之部量三君) 私どもの資料では、三十八万トンという数字になっております。
#52
○森元治郎君 ちょっと多いようだが、これはやはり何かの呼び水みたいな政治的な輸出だと思うので、西ドイツの場合は、これは大きな輸入国である。その中から三十八万トンなんというものを送り出したのは、大きな商売上の作戦だと思うのだが、その辺の事情はわかりませんか。
#53
○説明員(二階重人君) これは政治的なねらいであるかどうかということにつきましては、私たちつまびらかにいたしておりませんけれども、西独が中共に輸出しておりますのは、これは小麦粉でございまして、小麦そのものではございません。
#54
○森元治郎君 それから今度きめられた価格帯ですが、上と下、これは将来−将来というのは、この三年間大体これで行けるという見通しですか。これより下は、上下のリミットですね、これは動かないという確信があるのですか。
#55
○説明員(須之部量三君) この最高価格、最低価格、この価格帯は今回の協定三年間は動かないことになっております。また、おそらく市場価格も、今の見通しでは、この価格帯の中に安定していくだろうという見通しでございます。
#56
○岡田宗司君 アメリカの余剰農産物としての小麦ですね。これはアメリカとしていろいろな形で方々に出しておるわけですけれども、大体アメリカが余剰農産物としての小麦を外国に出しておる状況、それから条件といいますか、そういうものをちょっと御説明願いたいのですが。
#57
○説明員(二階重人君) アメリカが余剰農産物として出しておりますのは、大体五九年−六〇年で千三百万トン、それから六〇年−六一年に千七百万トン、六一年−六二年で千九百万トンで、総輸出に対する割合を申し上げますと、五九年−六〇年の割合が七三・六%、六〇年−六一年の割合が七〇・三%、六一年−六二年が七〇・一%、こういう状況になっております。
#58
○岡田宗司君 まあ数量とパーセンテージはわかりますが、これについてアメリカ側はかなり政治的なやり方で出しておると思うんですね。たとえばポーランド等に対する余剰農産物としての小麦、これなどはかなり政治的な意味を持ったものだと思いますが、そういうふうなかなり政治的の意味を持った、たとえば後進国の援助とか、そういう形で出ておるのは主としてどういう国に出ておりますか。
#59
○説明員(二階重人君) どういう国に出しておるかという数字は、実はここに今持ち合わせておりませんので、この中で大部分どういうところに使われておるかということを御説明申し上げますと、大体、現地通貨で売るものが非常に多いということと、それから、その他贈与のものが多いと、こういうことは言えるかと思います。数字で申しますと、五九年−六〇年にはいわゆる公法四百八十によって現地通貨で売りましたものが八百万トン、六〇年−六一年に売りましたのが大体九百万トン、それから六一年−六二年が大体一千万トンということで、この点からも、大体いわゆるキャッシュ・ベースで買えないような国にそれを売っておるということは言えるかと思います。それから、贈与の点につきまして念のために数字を申しますと、五九年−六〇年に六十六万トン、それから六〇年−六一年に八十三万トン、それから六一年−六二年に百万トン近くのものを出しております。
#60
○岡田宗司君 日本には昭和二十九年にはいわゆるMSAの協定による面で行なわれて、その後はないようですけれども、つまりああいう形で贈られておるわけですか。
#61
○説明員(二階重人君) MSAの類似のものは非常に最近減っておりまして、数字で申し上げますと、五九年−六〇年に三十六万トン、それから六〇年−六一年にこれは少しふえておりますが九十六万トン、それから六一年−六十二年に一万九千トンでございます。それで、先ほど公法四百八十でというのは別項目になっておりまして、これは現地通貨で出して売るんだと、こういう形になっております。
#62
○岡田宗司君 今、日本にはこういう形のアメリカの余剰農産物ですね、小麦は入ってきていないわけですね。
#63
○説明員(二階重人君) 入ってきておりません。
#64
○岡田宗司君 そうすると、それは昭和三十二年度ぐらいで終わっておるわけですか。
#65
○説明員(二階重人君) そのとおりでございます。
#66
○岡田宗司君 次にお伺いしたいのは、日本の小麦の輸入の今後の見通しですね。まあ、これからパン食もふえていくし、人口増加、パン食がふえていくことと、それから工業用等に使われるものの原料としての輸入増ということが考えられます。国内における生産はそう増加しませんから、したがって輸入がふえると思うんですが、今後の趨勢ですね。現在から見てこの五年間に大体毎年どれくらいずつふえていくか。その趨勢をちょっとお伺いしたい。
#67
○説明員(筒井敬一君) 小麦の輸入の見通しでございますが、お話しのとおりに、国内の生産量とそれから需要との差を輸入に仰ぐという形になるわけでございますので、さしあたり生産のほうの見通しを申し上げてみたいと思います。
 御承知のように、小麦の生産状況は、先般大麦、裸麦のいわゆる精麦、押麦でございますが、そういうものの需要からいたしまして、あまり好ましい傾向ではございませんでしたので、作付転換を奨励いたしているわけでございますので、顕著に大麦、裸麦は減って参っております。それにかわります農作物といたしては、いろいろございますけれども、一つは小麦の生産はふえてもいいのじゃないかというように考えているわけでございます。しかし、現実の問題といたしますと、なかなか国内の小麦の増産というのも非常に労力の関係、裏作の関係等でなかなか進みにくいのじゃなかろうか、こういうように考えておりますが、したがいまして、先般基本法に基づきまして発表いたしました四十六年度の見通しにおきましても、面積といたしましてはそう大きくふえるとは考えておらない発表をいたしております。で、六十三万町歩程度になる。現在三十七年度で六十四万町歩ぐらいでございますから、まあ横ばい程度の作付面積ではなかろうかと、こういうように考えております。しかしながら、反収のほうは、もう少し、現在のやり方なりあるいは品種の改良等によりまして、あるいは農薬その他の生産技術の改善によってふえるのじゃなかろうかということで、これはかなりふえるという見通しを立てておりまして、国内の生産量といたしましては、昭和四十六年度に大体百七十八万トンぐらい小麦の生産はいくのじゃなかろうか、こういうように見ているわけでございまして、そういうことで、国内の生産というのは大体そのくらいじゃなかろうかと見ております。
 それから、需要のほうでございます。国内の小麦に対する需要でございますが、これはいろいろの見方もあるわけでございますが、大体現在一年間に一人頭当たりに換算いたしますと、二十五キロぐらい使っているわけでございますが、それがまあ大体その程度かあるいは若干ふえるというような見通しを立てておりまして、人口の増などを考えますというと、これは見通しでございますので、若干アローアンスをとりますというと、四百八十六万トンから五百五十万トン程度の需要があるのじゃなかろうか――これは四十六年でございます――という見通しを立てておるわけでございます。そういたしますというと、現在の輸入量からいたしますというと、現在、御存じのように二百七十万程度輸入いたしておりますけれども、大体横ばい、若干ふえるという程度の輸入じゃなかろうか、こういうように考えておりまして、今後の小麦の国内の生産状況あるいは国内の小麦の需要状況いかんによって変わるかもしれませんけれども、大体の見通しとしては、若干ふえるという程度ではなかろうか、かように思っております。
#68
○岡田宗司君 この輸入小麦をもとにしまして小麦製品の輸出、たとえば製粉あるいはまたそのほかの品物の輸出、それは現在どういう状況ですか。その種類、数量、金額、それから将来それがどういう状況でふえていくか、それらの見通しはどうでしょうか。
#69
○説明員(筒井敬一君) 現在これは非常に輸出の量はわずかでございまして、四万ないし五万トンくらいの、粉にいたしまして輸出いたしておるようでございます。これは将来そう大きく伸びるというふうには期待できないのじゃなかろうか、大体このくらいの程度のものでいくのじゃなかろうか、かように考えております。
#70
○岡田宗司君 味の素ですか、ああいうようなものの原料としても使われるわけですが、そういうような形――これは一部でしょうけれども、そういうような形で再輸出されるようなものもあるわけですが、それはどういうふうになりましょうか。
#71
○説明員(筒井敬一君) お話しのように、味の素のような形で現在も輸出しておるわけでございますが、御存じのように、各国においてもグルタミン酸ソーダの生産はふえておるようでございますので、これも現在よりさらに大きく海外に――現在までは相当御存じのように伸びておりますけれども、今後はそう大きく輸出量がふえるだろうというふうには考えられないのでございます。
#72
○岡田宗司君 そうすると、結論として、これから輸入される小麦はほとんど国内需要に回される、そう見ていいわけですか。
#73
○説明員(筒井敬一君) お説のとおりと考えていただいてけっこうです。
#74
○岡田宗司君 また前のアメリカの余剰農産物の問題に戻るのですけれども、日本に昭和三十二年まで入りました大体の数量、何年から何年まで入ったかの一この第十三表に出ていますが、これだけですか。
#75
○説明員(岩下龍一君) 余剰農産物の輸入につきまして申し上げます。第一次協定による輸入数量、これは日本の到着ベースといたしまして、昭和三十年八月から十二月までの間に三十七万二千四百七十九トン入っております。それから第二次協定、これは三十一年九月から三十二年九月までの間でございまして、四十七万六百十トン入っております。
#76
○岡田宗司君 それから三十二年から切りかえられまして借款になっていますね。三十二年と三十二年、借款というのがありますね。これらはどういう条件になったのですか。
#77
○説明員(岩下龍一君) 借款の条件としまして、総額六千五百万ドル、期間九カ月、金利四・五%、こういうふうになっております。
#78
○岡田宗司君 日本が占領されてから三十二年まで、アメリカの余剰農産物がいろいろな形で入ってきているわけですけれども、それの年度別の数量と、それからドルで表わした金額、それから円で表わした金額、それらを表にして出していただけませんか。それと、たとえば日本通貨で払われたもの、それが一体どういうふうに使われているか。たとえばMSA協定によるものはどういうものに投資されたか。それから現地通貨で支払ったものは、その金が日本でどういうふうに使われたか。それがわかりましたら、簡単な一覧表でけっこうですが、出していただけませんか。
#79
○委員長(岡崎真一君) 今の岡田君の、よろしいですか。
#80
○説明員(岩下龍一君) 承知いたしました。
#81
○委員長(岡崎真一君) では出していただきます。
#82
○岡田宗司君 それから、今のアメリカ余剰農商物ですが、共産圏の国へ出しているのは、ポーランドだけですか。
#83
○説明員(二階重人君) チェッコ、それからポーランド、ユーゴでございます。
#84
○岡田宗司君 それらの国々に対し
 て、ポーランドとユーゴは今やっているのですか。チェッコも現在やっておりますか。
#85
○説明員(二階重人君) 先ほどの御質問とも関連するわけでございますが、チェッコに出しておりますのは、六〇年−六一年に三十万トン、それから六一年−六二年はございません。それからポーランドに対しましては、六〇年−六一年に百二十五万トン、六一年−六二年に七十六万トン、それからユーゴに対しましては、六〇年−六一年に二十八万トン、六一年−六二年に百九万トン、こういう数字になっております。
#86
○岡田宗司君 これはやはり現地通貨の支払いになっておりますか。
#87
○説明員(二階重人君) 条件の点はつまびらかにいたしておりません。
#88
○岡田宗司君 アメリカの余剰農産物の日本に輸入されたものの支払いと、その支払った金の使い方については、先ほど一覧表をお願いしたのですが、大体のところ国内においてそれらの金はどういうふうに使われたか。ごく簡単でけっこうですから、御説明を願いたいと思います。
#89
○説明員(岩下龍一君) 第一次の場合、見返り金額は二千四百二十三万二千ドルになっております。そのうちのおおむね三〇%がアメリカ側が使っております。あと七〇%が日本側が使っておりまして、そのうち大体一〇%は農業関係投資その他いろいろ−道路とかであります。それから第二次につきましては、六千二百九十八万五千ドルでございまして、そのうちの七五%が日本側が使っておりまして、前回より五%ふえております。それからそのうち三七・五%が農業関係に投資したり、八郎潟、愛知用水公団、三崎の漁港等に、大体のところそういうことでございます。
#90
○岡田宗司君 アメリカ側が使っておるのは大体どういうものに使っておりますか。
#91
○説明員(岩下龍一君) 米軍人軍属住宅建設、第三国向け域外買付、それからアメリカの農産物を日本で市場開拓する費用、学生交換等でございます。
#92
○岡田宗司君 ありがとうございました。
#93
○杉原荒太君 さっき岡田さんの質問に対する答弁の中に、わが国の小麦の国内生産量と輸入量の趨勢の説明がございました。実は私もこの点を聞きたいと思っておりましたのですが、答えがあったので全般的の必要はありませんが、その説明の中に、わが国の今後の小麦の国内生産高ですね、それを四十六年に大体百七十八万トンぐらい、これはまあ見込みでありますが、見積りだけれども、そういうことだということですが、ここにいただいた表を見るというと、六一年−六二年度がちょうど百七十八万トンと、こうなっておるが、質の改良の点は別にしても、数数量の点からいうと偶然に一致するわけで、全然増加がないのだけれども、これは一体どういうことなんですか。
#94
○説明員(筒井敬一君) さっき若干申し上げたのでありますが、先ほど御説明いたしました四十六年度の見通しは、正式に政府が発表したものでございますが、これは三十四年を基礎にいたしまして、そして一応出した関係もございまして、その後、その見通しの過程におきまして若干数字が見通しよりは狂うといいますか、というような関係になっておりまして、三十七年度におきましては百六十三万トンの生産があったということでございます。三十七年度は、これは今申し上げました数字はちょうど昨年の数字でございますが、その程度でございまして、このFAOの報告と四十六年度大体一致いたしておるというような点もございますけれども、若干見通しでございましたので、そごもあろうかと思いますけれども、まあこの程度のものではなかろうかと、こういうふうに考えております。
#95
○杉原荒太君 要するに、見通しだからどうのこうのと議論するわけではない。しかし何ですか、この四十六年度の大体の見通しは、ちょうど六一年−六二年、ここに百七十八万トンというのが出ているでしょう。これとちょうど一致しているぐらいで、少しも小麦の生産は、奨励するというふうになっておるのだけれども、しかし、何だね、質の改良は別ですよ。しかし数量の上からすれば、一つもふえやせぬ。そういう見通しですか、四十六年になっても。
#96
○説明員(筒井敬一君) 実はその見通しでございまして、この面積におきましても大体横ばいと当時は考え、若干ふえるというように見ておりましたのも、具体的に申しますと、三十六年度では六十五万四千町歩の作付があって、大体百七十八万トンの三十六年度では数量ができております。しかし三十七年度になりますと、今度は若干面積が減ってきております。六十四万六千町歩というようになっておりまして、当初の見通しから比べますと、そういう点でいろいろ社会的な条件、経済的な条件、農村の事情等、当初で考えておりましたものよりはかなり違った部面も出てきておりますので、今後この見通しにつきましても、さらに検討をいたさなければならぬのではないかというように考えております。
#97
○岡田宗司君 まあこれから三カ年間なり何なりの間に、天候等の問題は別として、特にいろいろな点で非常に小麦の生産が大きく増加するとか、あるいはたいへん少なくなるとか、そういうようなことは予想されておらないわけですか。そういうような大きな変化をもたらすような状況は大体ないと、これはまあFAOのほうでそういうふうに推測をいたしておるわけですか。
#98
○説明員(須之部量三君) 今のお尋ねの点でございますが、ちょうど米国のケネディ政権になりましてからの農業政策といたしまして、かなり小麦の減産政策で強い政策をとるということを聞いております。それでこの五月の下旬に農民の投票がございまして、相当思い切った減反政策をやるという予定でございますので、もしそれが今の計画どおり実現いたしまするとしますと、従来の十五億ブッシェルぐらいの生産が、大体十二億ブッシェルぐらいに減るということになると聞いております。したがいまして、今の見通しといたしましては、これだけ減れば、米国の過剰在庫の累積は食いとめられるということになりますし、大体見通しとしましては、今の価格が大体横ばいでいくだろうというのが、小麦会議当時の関係国の見方になっております。
#99
○岡田宗司君 世界の人口の増加で需要のほうもふえ、それから供給のほうは、今言ったように、一番大きいアメリカにおいて減産政策を行なって減るということになると、需給のバランスというものは、大体今後三年間均衡が保たれていく、こういうことになるのですか。
#100
○説明員(須之部量三君) この結論から申しますとそのとおりでございまして、非常に過剰生産のため値段が下回って、現在、今回きめられました最低価格を割ることがあり得るだろうかというふうな議論は、ほぼ関係国でも議論の際に念頭に置かなかったという実情でございます。むしろ最高価格のほうがどうなるかということでございますが、現在のところはそこまではいかないという見通しでございますので、普通の、これは非常に常識的な言い方になりますが、一ドル八十から九十の間に現在あるのでございますが、大体それが横ばいするだろう、当面の問題としまして、これで欧州の作柄がどうなるか、あるいは中共の作柄がどうであろうかということが、この過去一、二年の間価格を動かします大きな要素になりました点、これは必ずしもまだはっきりいたしておりませんので、確実なことは言えないわけでございますが、かりにその点が、従来ここ一、二年間同じ傾向が続いたといたしましても、価格としましては、大体急激の上昇はなくして推移するように考えられるわけでございます。
#101
○岡田宗司君 そうすると、輸入国の日本として、まあまあ安心して買付ができる、こういうことでしょうか。
#102
○説明員(須之部量三君) その点、大体今の市場価格は、価格帯の中に安定するということは非常にけっこうなんでございますが、日本の場合、かりに市場価格が価格帯の最高価格を上回りましても、少なくとも最高価格では買い付けられるという二兎の保障になっておるわけでございます。
#103
○杉原荒太君 一つだけ簡単に。ごく大ざっぱな話ですが、今の小麦の生産原価とよその国との比較の問題ですけれども、ほかのいろいろ要素を別にして、単に生産費等の関係のみからして、日本の小麦の生産のあり方というようなものを考える場合、しかも、生産量というものが大体今後さっき言われたようなふうなところにいくその場合でも、今後日本の生産費の割高の是正というようようなこと、これは相当見込みがあるものかどうか。非常にばくとした質問だけれども、その辺の大体の観測を聞きたい。
#104
○説明員(筒井敬一君) 国内の小麦の生産費は、先生の今御指摘のとおりに、国際的な生産費からいたしますと、相当割高になっておりますので、政府で買っております価格も、国際的に見ればかなり割高な形になっております。そこで小麦の生産性をどういうふうにして上げていくか、生産費をどうして下げていくかということなり、あるいはその見通しでございますが、これはやはり適地適産と申しますか、最もその生産性の上がるようなところでやっていくというようなこと、あるいはさらに品種なり、あるいは省力的な、手を省くような−最近農村におきます労働力の移動も非常に激しゅうございますから、できるだけ手を省くような形でやっていく、あるいは機械を導入いたしていくとかいうような形で、生産費を切り下げていかなければならぬのじゃないか。やはり生産費の中の約半分は労働費ということになっておりますので、この労働時間なり、あるいは労働費をどういうふうにして切り詰めていくかということが、今後の小麦の生産性を上げていくポイントではないだろうか。こういうふうに思っております。ですから、これはやはり麦を最近いろいろやっておりますような農業の構造改善全体の一環といたしまして、できるだけ面積を広く作っていくとかいうようなことで、生産性の向上をはかっていきますならば、まだ改良すべき余地は相当あるんじゃないだろうかと思います。しかし、またちょうど裏作になっているところも多うございますから、農村としては少々生産費が高くてもやっていかざるを得ないような地帯もないことはないわけでございますが、しかし、全般的といたしますれば、まだいろいろと改良していく余地があるのじゃなかろうか、こういうふうな状況にあると考えております。
#105
○岡田宗司君 もう一つ。今の話と関連するんですが、小麦を政府が買い上げて安く売っているんですが、その食糧管理のほうでどれくらい小麦について赤字が出ておるんですか。どれくらい毎年損しておるんですか。
#106
○説明員(筒井敬一君) 御存じのように、食糧管理の特別会計では、国内の麦の勘定というのを別に設けまして、それの損益というのを明確にいたしておるわけでございます。三麦入れまして、大麦、裸麦、小麦を入れまして、大体百三十億くらいの赤字を今年度は見込んでおります。
#107
○委員長(岡崎真一君) 本日は、この程度で散会いたします。
  午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト