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1962/06/11 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第23号
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1962/06/11 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 外務委員会 第23号

#1
第043回国会 外務委員会 第23号
昭和三十八年六月十一日(火曜日)
   午前十時四十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岡崎 真一君
   理事
           井上 清一君
           草葉 隆圓君
           長谷川 仁君
           森 元治郎君
   委員
          大野木秀次郎君
           杉原 荒太君
           山本 利壽君
           岡田 宗司君
           加藤シヅエ君
           羽生 三七君
           曾祢  益君
  国務大臣
   外 務 大 臣 大平 正芳君
  政府委員
   外務政務次官  飯塚 定輔君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務省条約局外
   務参事官    須之部量三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○千九百六十二年の国際コーヒー協定
 の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出)
○日本国とビルマ連邦との間の経済及
 び技術協力に関する協定及び千九百
 五十四年十一月五日にラングーンで
 署名された日本国とビルマ連邦との
 間の平和条約第五条1(a)(II
 I)の規定に基づくビルマ連邦の要
 求に関する議定書の締結について承
 認を求めるの件(内閣送付、予備審
 査)
○通商に関する一方日本国と他方オラ
 ンダ王国及びベルギー=ルクセンブ
 ルグ経済同盟との間の協定を改正す
 る議定書及び一方日本国と他方オラ
 ンダ王国及びベルギー=ルクセンブ
 ルグ経済同盟との間の貿易関係に関
 する議定書の締結について承認を求
 めるの件(内閣送付、予備審査)
○通商に関する日本国とフランス共和
 国との間の協定及び関連議定書の締
 結について承認を求めるの件(内閣
 送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡崎真一君) それでは、これから外務委員会を開きます。
 まず、千九百六十二年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件、通商に関する一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の協定を改正する議定書及び一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の貿易関係に関する議定書の締結について承認を求めるの件、通商に関する日本国とフランス共和国との間の協定及び関連議定書の締結について承認を求めるの件、以上を議題といたします。いずれも提案理由の説明は聴取しておりますので、以上三件につきまして補足説明を聴取いたします。須之部外務参事官。
#3
○説明員(須之部量三君) それでは、コーヒー協定からまず補足説明を申し上げます。コーヒー協定に関しましては、先々回でございますか、たしか印刷した資料をお手元に差し上げておるかと存じますが、その資料に基づきまして一応御説明申し上げたいと思います。
 一九六二年の国際コーヒー協定でございますが、このコーヒー協定ができました理由は、一口に申しますと、世界のコーヒーの生産状況が極端な生産過剰になりまして、それに伴って価格が一九五四年当時を峠といたしまして、自後急速に低落したために、コーヒーの輸出に依存しております――後進国が大部分でございますが、その後進国の経済が非常に激しい影響を受けた。このために何とかしなければならないということで、最近の国際連合等で考えられております、貿易を通ずる後進国の援助という一つの考え方に基づきまして、昨年の秋、国連の主催のもとに、ニューヨークで会議が開かれまして、その結果できましたものが今般のコーヒー協定でございます。このコーヒー協定ができるに至りました背景を御説明いたしますために、この資料に基づきまして、若干数字を御説明申し上げたいと存ずるわけでございます。
 まず、第一ページをごらんいただきたいと思うわけでございますが、第一が大きな――で「コーヒーの世界の需給状況」ということになっております。で、小さな――で「生コーヒーの世界全生産量及び輸出可能生産量」ということでございまして、この統計は、一番下に書いてありますとおり、米国の農務省の資料によるわけでございますが、この農務省の資料が現在では最も信頼し得る資料というふうに一般的に認められておるものでございます。そこに地域と国名とが書いてございますので、この表自体について特に御説明申し上げることはないと思いますが、米州におきましては、ブラジルが圧倒的に多い、全生産量が。それから、その右に輸出可能生産量がございますが、輸出可能生産量と申しますのは、全生産量から国内消費を差し引いたものでございまして、いわゆるキャリー・オーバーの在庫は含まれておりません。毎年どれだけ生産され、また、国内消費を除いて輸出可能生産量がどれだけあるかということを示す数字でございます。国名を上から申しますと、ブラジル、コロンビアが、先ほど申したとおり、圧倒的に多いわけでございますが、その下にEEDECAMEと書いてございますが、その最初の実はEの字はFの間違いでございます。その点はなはだ申しわけございませんが、いわゆるFフェデイカメと言っておりますが、要するに、アメリカコーヒー生産者連盟というラテン・アメリカの中小生産国が一応一つのグループを作っておりますので、フェデイカメということでまとめてあるわけでございます。米州だけをとってみますと、大体生産量が五九年――六〇年の六千三百万袋――これは単位が袋でございますが、一袋六十キロの袋でございますが、六千三百万、それがずっと推移して輸出可能生産量もそれに伴って動いている、そういうわけでございます。
 二ページに参りまして、それが第二の大きな生産のグループでございます。アフリカの地域及び国名別の表でございます。これも前と同じようになっているわけでございます。それから、第三番目がアジア大洋州のインド、インドネシア等のコーヒーの生産というものが出ているわけでございます。一番下の欄は総計でございます。五九、六〇、六一、六二、六三年度に至るまでの生産量が七千八百万袋、六千六百万袋、七千二百万袋、六千七百万袋と動いているのでございます。コーヒーはこれでごらんになりましてもわかるとおり、五九−六〇は割に多く、六一−六二も割に多く、六〇−六一は割に少なく、六二−六三も割に少ないということでございます。コーヒーの生産には隔年ごとの周期があるそうでございまして、その点でコーヒー協定の各国の割当等につきましても、その点を考慮に入れて作られているわけでございます。
 次に、三ページ目でございます。これは「生コーヒー生産の地域別国別の配分比」でございます。先ほどの量で書いてございましたのを、これを比率に直したものでございます。まず、左側のラテン・アメリカのほうを見ますと、戦前の平均をとってみますと、全世界の総生産量の約九〇%を占めておったわけでございまして、それが六一、六二年度では約七五%に比率は落ちて来ているわけでございます。それから、右の欄のアフリカでございますが、これは戦前には三・三%程度でございましたが、最近は約二〇%というふうに増加して来ているわけでございまして、ここに生産者としてのラテン・アメリカと、それから新しい新興生産者のアフリカと、一応利害の対立というものが出てくるわけでございまして、その点も昨年のコーヒー会議におきましてかなり利害対立が具体的に現われた面でございます。
 それから、次の四ページでございますが、第三表は「生コーヒーの世界輸出量」ということでございまして、これまた地域別、国別の輸出量がここに出ているわけでございます。この統計のとり方は、ほかの統計からとりましたために、暦年単位になっておりますので、先ほどのコーヒー年度とは若干違っている点を御了承いただきたいと思うのでございます。それで大体世界の輸出量というものを見ますと、右側の一番下に統計というところに出ているわけでございますが、大体四千二百万袋から四千三百万袋ということになるわけでございます。したがいまして、先ほどの二ページ目で申し上げました輸出可能生産量の世界全体の総計、これが約五千二百万袋、多いときで約六千万袋に達しておりますので、ここに異常な過剰生産が出ておるということになるわけでございます。
 それから、次の五ページでございますが、これは「生コーヒー輸出の地域別配分比」、先ほどの量を比率に変えたものでございますが、大体米州が七〇%を占めておるわけでございまして、これに対してアフリカが二五・八%というふうに高いということでございます。結局、この意味では、ラテン・アメリカのほうは生産量も、生産比率は高いけれども、アフリカのほうは生産量も伸びてきておるし、同時によく売れてきておるということになるわけでございまして、アフリカのほうは、このように輸出の面で非常に大きな比率をとってきたということの理由としましては、価格が安いという問題とか、あるいは特にフランスでございますが、アフリカの植民地ないし旧植民地からの特恵輸入というような面があるというようなことが考えられるわけでございます。ここにもラテン・アメリカとアフリカの生産者としての競争関係というものが出ておるわけでございます。
 それから、次の六ページでございますが、これは「生コーヒーの世界輸入壁」を大体国別に分けてみたわけでございますが、これでごらんいただきましてもおわかり下さいますように、米国と、それからヨーロッパ諸国というのが圧倒的に多いわけでございます。
 このうちで若干興味を引きますのは、六ページの右側の欄におきまして、国別の下から四つ目にイギリスがございますが、英国がヨーロッパ諸国の中では、御存じのとおりの理由で、コーヒーの消費が比較的少ないという点とか、あるいはソ連のコーヒーの輸入量が五八年から相当急速に伸びてきておるというような点が一つの特徴というふうに考えられます。
 それから、七ページに移りまして、七ページの左の欄は、今の表の続きでございます。総計で締めまして、先ほど申しましたとおり、大体四千二、三百万袋というのが最近の状況でございます。
 それから、七ページの右、第6項でございますが、「生コーヒー輸入の地域別配分比」というので、これは量を比率に直したものでございますが、米国の場合、世界の総輸入量の約半分を占めておるわけでございまして、それにEEC諸国、英国、それから、その他欧州というのを加えてみますと、結局、米国それからヨーロッパというもので約九割以上の輸入を行なっておるわけでございます。日本の場合は、世界の比率からいいますと、そこに書いてありますとおり、まあ〇・三%、最近非常に多くなっても〇・六%という程度の比率でございます。
 次の八ページが、「輸出国における生コーヒーの在庫量」でございますが、先ほど言うとおり、極端な生産過剰になっておりますので、在庫がふえるのは当然なわけでございますが、大体一九六二年度におきまして六千六百万袋、六三年の予想では七千八百万袋というふうに予想されておるわけでございまして、年間の消費量が約四千二百万袋というのに比べまして、非常に膨大な在庫をかかえておるという状況でございます。しかも、その在庫のうちの大部分が、ラテン・アメリカとアフリカグループの二つに分けてみると、ラテン・アメリカがほとんど全部かかえておるわけでございまして、アフリカのほうの在庫は、特に著しい増加も示さず、むしろ正常在庫程度というふうに考えられるわけでございます。
 それから、次の九ページの一番左の欄の、8「輸入国におけるコーヒーの在庫量」でございますが、これは輸入国における在庫量を一応示したものでございます。
 それから、その次の第9項が、「コーヒーの一人当たり消費量」でございますが、そこに二つの欄がございまして、国名の次の欄が一人当たりの消費量のポンド、それから、その右が輸入量でございますが、これは機械的に頭割りにしたものでございます。大体日本の場合は、一人当たり消費量が〇・三二ポンドということでございます。一番多い国のスエーデンあたりが二二・九ポンドというわけでございまして、約百倍近くになっておるわけでございます。
 それから、その次の10の「コーヒーの需要供給」の一覧表でございますが、この供給のほうには輸出生産可能量と在庫量と合わせて表にしてあるわけでございます。この数年間急激に在庫もふえまして、供給過剰になっておるということを一応表にしたものでございます。
 次の十ページでございますが、上記の、今まで申し上げましたようなバック・グラウンドのために価格が当然下がったわけでございますが、コーヒーの実質価格を十九世紀の末ごろから一応とった資料がありますので、ここにあげたわけでございますが、これは当然、価格水準の変動を修正いたしまして出したものであります。ごく最近の一九五五年以降の動きを見ますと、一番高いのは一九五四年がピークでございまして、それから五九年くらいまで急速に落ちまして、五九年あたりから生産者の間の努力で若干横ばいになってきておるというのがそのグラフでございます。
 12は、「最近におけるコーヒー価格の推移」ということでございます。これは、現実にニューヨークの現物の操作がどう動いているかということを一九五九年以降から示したものでございますが、これは結局、五九年に生産者の短期協定というのができたわけでございますが、それにもかかわらず、ずるずるとやはり下がっていくということのために、今回の六二年の協定にまで発展したということを示すものでございます。
 次の十一ページ、これはコーヒーの主要銘柄別価格」、これはニューヨークの現物平均でございます。これで見ましても、ブラジル・サントス号というのが一番標準物であるらしいのですが、一九五四年で一ポンド七八・七一セントというのが、六一年には三十六セントに落ちている。半分以下に落ちているという現状でございます。
 それから14が、「米国における主要原産地別コーヒーの輸入価格の推移」ということでございます。これも同じような傾向を示すために作ってある統計でございまして、そこにも原産地別にアメリカ平均、アフリカ平均、それからアジア平均ということで出ておりますが、その動きを全地域平均いたしますと、五四年に八六・九セントでございましたのが、六一年が四二・九セントというふうに落ちているわけでございます。
 それから次の十二ページ、これは「米国におけるコーヒーの年平均小売価格の推移」ということでございますが、これは一応ごらんいただければ、けっこうかと存じます。
 それから、同じく十二ページの16は、「主要輸出国のコーヒーによる外貨収入の減少状況」、つまり、このようにコーヒーの価格が下がりましたために、コーヒーの原産国に対しましての外貨収入が非常に減ったわけでございます。ブラジルをとってみますと、一九五三年には十億八千万ドルという外貨収入がコーヒーからありましたのに、それが六一年には七億一千万ドルというふうに落ち込んでおるわけでございます。それで、その一番右の欄には、一九六一年度のそれぞれの国のコーヒーによる外貨収入額が、それぞれの国の輸出総額において占める割合を一応出しておるわけでございます。ブラジルは五一%がコーヒーに依存しており、コロンビアは七一%というわけでございまして、コーヒーがこれらのコーヒー生産国に対して非常に重要な意義を持っているということを示すものでございます。
 それから、次に十三ページに移りまして17表でございますが、これはブラジルが作りました資料でございます。かりに一九五三年の価格が維持されたならば、ブラジルとしてはどのくらい外貨が取得できたであろうかという比較をしてみたというものだけのことでございますが、つまり一九五三年には千五百万袋を輸出して約十億ドルの外貨収入をあげた。一九六二年には千六百万袋の輸出をしながら六億四千万しか外貨が入らなかった。したがって、かりに五三年の価格が維持されたのであるならば、六二年においても十一億四千万の外貨が入ったであろうということを示したものでございます。
 それから、その次のIII、これは日本関係でございますので、むしろこれは食糧庁のほうから御説明をすべきかと思いますが、便宜続けさしていただきたいと思いますが、わが国のコーヒー輸入数量及び金額をそこに出したものでございます。それで、生コーヒーといりコーヒーとインスタント・コーヒーと分けて、それぞれ左が数量、右側が金額ということで、こういう一覧表にしてあるわけでございます。
 それから、次の十四ページでございますが、これは「わが国のコーヒーの需給事情」でございまして、生産輸入状況は、大体三十五、三十六、三十七年をとりまして、コーヒー豆を約一万トン、一万五千トン、一万五千トンというふうに入れているわけでございますが、この輸入された生のコーヒー豆がどれだけ、どのようにいりコーヒーになっているかということ、あるいはインスタント・コーヒーになっているかということでございまして、かりにこの表は、もしも三十五年度をとってみますと、約一万七百トンを輸入いたしまして、そのうちいりコーヒーに一万百トンが使われたと、それで大体七五%が歩どまりでございますので製品量が七千五百八十万トンになった。輸入が六十三トンであったが、それぞれのコーヒーの国内需要の合計は七千六百四十三トンになった。一方、生で輸入されたコーヒーのうち六百トンがインスタント・コーヒーの原料として使われた。その歩どまりが二五%でございますので百五十万トンがインスタント.コーヒーの製品量、それに輸入が二十八トンで合計百七十八トンであったということでございます。この表でごらんいただきましてもわかりますように、インスタント・コーヒーの輸入が最近ふえているのは事実でございます。そこで日本の国内におきますコーヒーのいり工場の数とか能力をここに一応調べたわけでございますが、まあレギュラー・コーヒーが千六百で、インスタント・コーヒーが六ということになっております。それから自由化の状況でありますが、自由化の状況は、ここに書いてございますが、四百グラム以上の大型のカンに入っておりますコーヒーはレギュラー・コーヒーと書いてございますが、これは資金割当で自由化しておりません。それから四百グラム以下のものは三十八年四月一日から自由化しております。それからインスタント・コーヒーは三十六年七月一日から自由化しております。それから生のコーヒー豆は三十六年四月一日から自由化しているわけでございます。これに対します関税率は、レギュラーは四百グラム以上のものと未満のものが三五%の関税率がかかっております。インスタント・コーヒーは二五%、それから生のコーヒ豆は来年三月から一〇%ということになっております。生コーヒーの一〇%とレギュラー・コーヒーの三五%という差は、結局国内のロースターと言いますか、コーヒーの焙煎業者の保護ということが趣旨になっているようでございます。
 それから、次の十五ページでございますが、これは「わが国の生コーヒーの国別輸入量」を示した表でございまして、地域別、国別に書いてあるわけでございますが、大体まとめて申し上げますと、一番上の米州、これがブラジル、コロンビア、その他と合わせますと五八・四%になるわけでございまして、三十七年度では五八%がラテン・アメリカから入ってくる。アフリカからが次のページに出ておりますが二四・九%ということになって、その他が一五%というのが大体円木の輸入状況でございます。
 それから、最後に十七ページの21、これはわが国のインスタント・コーヒーの輸入量がふえておりますために、一応集めたものでございます。
 以上、大体資料でございますので、この協定ができましたバック・グラウンドはおわかりいただけたと思いますが、以下簡単に協定の構造だけを申し上げたいと思います。
 このようなバック・グラウンドに立ちまして、結局生産者のほうでも一九五八年ころからラテン・アメリカの生産国、さらに一九五九年からはアフリカの生産国を加えまして、生産者だけの協定を作って価格の低下を防ごうとしたわけでございますが、なかなか思うとおりにいかない。ことに輸入国のほうの協力もございませんとなかなか輸出の統制等もできないということもございまして、結局、昨年の会議で新しいコーヒー協定ができたわけでございます。このコーヒー協定がどういう仕組みでコーヒーの価格の維持をやろうとしているかという点でございますが、一番中心は、輸出国側に国別に輸出割当を行なっているわけでございまして、それぞれの国がどれだけの輸出ができるかということをきめておるわけでございます。それとともに、生産過剰の状況にかんがみまして、生産統制なりあるいは在庫統制について、それぞれの国が計画を立てるということになっているわけでございます。したがって、輸出国側は非常にきつい制限ワクをはめられておるということが言えるわけでございます。一方、これに対して輸入国側の義務でございますが、これは実はこの協定を作るほうから申しますと、比較的義務が軽くなっておるわけでございまして、結局、輸出国がやみで輸出しないように、輸入する場合には原産地証明をとる。あるいは、もし輸入国が再輸出する場合に再輸出証明書を出すというようなこと、それから、理事会が決定するときには、このコーヒー協定に加盟していない国からの輸入を過去の実績以下に制限する、あるいはコーヒーの輸入の障害、つまり自由化とか関税等の問題でございますが、これらの点についてなるべく除去するように努力するというような点がこの協定の規定しておるところでございます。この協定には、昨年の十一月の末までにすでに五十四カ国署名しておるわけでございます。この協定が発効いたしますためには、輸出国側で二十カ国、輸入国側で十カ国がこれを正式に受諾する必要があるわけでございますが、今日までに輸出国側ではすでに二十二カ国受諾しておりまして、したがって、輸出国側については発効の要件は満たされているわけでございますが、一方輸入国のほうにつきましては、現在までのところ七カ国正式に受諾しているわけでございますが、最近米国の上院でこれが承認を取りつけましたし、デンマークがすでに受諾するということを言っておりますし、それからスエーデンも国内手続が完了した等々のことから、近く正式に発効するということはまず確実というふうに見通されておるわけでございます。
 この協定にわが国が入る意義でございますが、小麦協定等と違いまして、わが国のコーヒーの輸入量は、先ほどの表でもおわかりいただけますように、非常に少ないわけでございます。したがって、日本が加入するととがコーヒーの輸出国に直ちに決定的な影響があるという点は、必ずしも言えないということは言えると思います。それと同時に、この協定の中で日本は輸出のいわゆる新市場ということになっておりまして、輸出国が、先ほど申しました輸出割当のワク外で輸出していいということになっておりますので、その点でも、日本はこの協定に縛られる点は非常に少ないと言えば少ないわけでございます。しかし一方、このコーヒー協定というものが後進国のほうから非常に大きな期待を持って注目されておるわけでございまして、昨年の国連総会でも、コーヒー協定をなるべく早く受諾すべしという決議もできておるわけでございます。それでわれわれとしましては、今日一次産品の世界的な安定ということにつきまして、非常に広い努力がなされておるわけでございますが、貿易を通じ後進国の援助という一つの考え方を建前とする以上、やはりこの協定を進んで受諾するということが正しい行き方であろうというふうに考えるわけでございます。なお、この協定の加入に伴いまして、分担金があるわけでございますが、分担金等も実は年間日本が千ドル程度でありまして、非常に少ないものでございますから、少なくともわが国としては、その寄与する役割は小さいといたしましても、後進国に対する協力という建前からも、このコーヒー協定に入るべきであるというふうに考えるわけでございます。それがさらにひいてはコーヒー以外のその他の商品協定におきましても、日本の発言権等を漸次高めて、また現に強いわけでございますが、さらに強めるゆえんでもあるかというふうに考えておるわけでございます。以上、説明を申し上げました。
#4
○委員長(岡崎真一君) ただいま大臣がお見えになりましたので、通商に関する二件の補足説明は後刻に譲ります。
#5
○委員長(岡崎真一君) 日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定及び千九百五十四年十一月五日にラングーンで署名された日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1aIIIの規定に基づくビルマ連邦の要求に関する議定書の締結について承認を求めるの件の提案理由をお願いいたします。大平外務大臣。
#6
○国務大臣(大平正芳君) ただいま議題となりました「日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定及び千九百五十四年十一月五日にラングーンで署名された日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1aIIIの規定に基づくビルサ連邦の要求に関する議定書の締結について国会の承認を求めるの件」につきまして、提案理由を御説明いたします。
 わが国は、昭和二十九年十一月五日に署名され昭和三十年四月十六日に発効したビルマ連邦との間の平和条約及び賠償及び経済協力に関する協定により、賠償として二億ドルを十年間にわたってビルマに供与することを約し、その支払いを実施してきましたが、ビルマ側は、昭和三十四年四月、前記の平和条約第五条1aIIIの規定に基づき、賠償の再検討を求めてきました。
 自来、賠償の再検討に関する問題は、両国間における重要な懸案となっておりましたが、昭和三十八年一月東京において、本大臣とアウン・ジィ前ビルマ連邦貿易工業大臣との間で交渉が行なわれました結果、同月二十五日原則的な合意に到達し、この合意に基づき引き続き両政府間で行なわれた正式協定作成交渉の結果意見の一致を見るに至り、三月二十九日ラングーンにおいて、日本側は飯塚外務政務次官及び小田部駐ビルマ大使、ビルマ側はティ・ハン外相によって、経済及び技術協力に関する協定及び日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1aIIIの規定に基づくビルマ連邦の要求に関する議定書が署名されるに至ったものであります。
 この協定は、わが国がビルマ連邦に対し、現行の賠償及び経済協力に関する協定の終了する昭和四十年四月から十二年間に、一億四千万ドルにひとしい日本国の生産物及び日本人の役務からなる無償の経済援助を供与することを骨子としており、また、議定書によって、ビルマ連邦は、この協定の発効後は前記の平和条約第五条1aIIIに基づく賠償再検討の要求を提起しないこととなるものであります。
 この協定及び議定書の締結により、両国間の長年にわたる懸案が最終的に解決され、両国間の友好関係は一段と強化されるものと期待される次第であります。
 よって、ここに、この協定及び議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につきずみやかに御承認あらんことを希望いたします。
#7
○委員長(岡崎真一君) ただいまの案件に対しましての補足説明は、後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(岡崎真一君) 通商に関する一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の協定を改正する議定書及び一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の貿易関係に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び通商に関する日本国とフランス共和国との間の協定及び関連議定書の締結について承認を求めるの件の補足説明をお願いいたします。須之部外務参事官。
#9
○説明員(須之部量三君) まずベネルックスとの間の通商協定につきまして簡単に補足説明を申し上げます。国会のほうに御提出申し上げておりますベネルックスとの通商協定関係の書類でございますが、これはたしか六つ差し上げてあると思うわけでございます。それで、その関係につきまして、ごく簡単に申し上げたいと思います。一般的に申しまして、ベネルックスとの間の貿易の関係でございますが、日本が昭和三十年にガットに加入いたしました際に、ベネルックスは日本に対して三十五条を援用したわけでございます。しかし、この三十五条の援用を向こうはいたしましたけれども、この関係を何とか是正したいということで、昭和三十五年に現行のベネルックスとの通商協定ができまして、この通商協定は、当時国会の御承認を得て発効したわけでございます。しかし、通商協定はできましたが、原則的には一応日本とベネルックスの間に相互に最恵国待遇を与え合うことになったわけでありますが、しかし、依然として三十五条の援用は撤回しなかったわけでありまして、その点の交渉が引き続き行なわれておったわけでありますが、今回先方も三十五条の援用を撤回する、それで一応原則としては全面的な最恵国待遇になるということになったわけでございます。それで、国会の御承認を得ます関係文書といたしましては、第一に、通商に関するベネルックスとの協定を改正する議定書という非常に短かいのがございますが、これが要するに一番中心になる文書でございまして、現行の通商協定の第三条を改正いたしまして、ガット関係に両国が入りますので、ガット関係が両国間に適用になるということを書いた新しい第三条に渇きかえるという内容のものでございます。
 それで、第二に、貿易関係に関する議定書というのが、これも国会の御承認を得ることになるわけでございますが、これは要するに三十五年の現行の協定に第二議定書というのがございまして、ちょうどイギリスとの協定との間と同様でございますが、セーフ・ガードというのとセンシティヴ・アイテムというのと二つの制度を設けておるのでございますが、したがいまして、ベネルックスとの間におきましては三十五年協定――現行協定でも認められておりました制度をそのまま引き続き認めるということを内容としておるものでございます。
 それから、第三の文書といたしまして、これは参考として御提出申し上げておりますが、合意議事録――、「合意された議事録」というのがあるのでございまして、この「合意された議事録」の内容は、要するに、先ほどの貿易関係議定書のセンシティヴ・リストに関連する取りきめでございまして、毎年々々一年ごとに取りきめていくということを定めておるわけでございます。それで現在の日本とベネルックスとの間には、現在のところ昨年八月に作りましたセンシティヴ・リストの表があるわけでございますが、これは一応ことしの一月からそれが事実上適用になっておりますが、現在東京におきましてベネルックスと交渉中でございまして、それがまとまれば、またそのリストもさらに縮められるであろうと考えておるわけであります。それから、あとほかの二つの文書は、オランダ及びベルギーが三十五条援用を撤回しますということを書いた交換公文、それから、参考までに、昨年の八月に作りました――つまり、ことしの一月現在まで事実上適用になっておりますセンシティヴ・リストの取りきめにつきまして、昨年八月の交換公文を一応参考資料としておつけしたというのがその内容でございます。
 それから、ベネルックスと日本との貿易関係でございますが、御存じのように、EEC諸国の中ではベネルックスは非常に自由な貿易政策をとっておるわけでありまして、わが国に対しましても、現在制限品目は三十八品目ということになっておるわけでございます。ですから、数も少ないわけでございますし、それから、両国間の貿易関係も、一九六〇年当時の日本側の輸出が六千三百万ドル、それから輸入が四千二百万ドルというのが、六二年には、輸出が九千三百万、それから輸入が五千六百万というふうに、かなりそれぞれ日本が出超という形で、輸出入とも伸びておるという状況でございます。
 それから、続いてフランスとの間の通商協定でございますが、フランスとの通商協定の立て方も、ベネルックスとの協定の立て方と完全に同じであると申してよろしいかと思うわけでございます。もちろん若干字句の違いはございますけれども、趣旨は全く同様でございます。したがいまして、ベネルックスの場合と同様、まず第一に通商協定というのがあるわけでございまして、この通商協定で、関税事項とか、あるいは輸入数量制限というものについての最恵国待遇というものを相互に与え合う。それから、三十五条をフランスが撤回いたしますので、ガットの優先適用の条項があるというような点は、ベネルックスの協定と全く同様でございます。
 それから、この協定と並びまして、貿易関係の議定書というのがあるわけでございますが、この貿易関係の議定書の内容は、実は先ほどのベネルックスと同じで、セーフ・ガードの規定と、それからもうしばらく暫定的に輸入制限を続けるセンシティヴ・リストの規定とがこの議定書に入っておるわけでございます。
 それに、第三の文書といたしまして、参考として御提出申し上げておりますが、「輸入制限品目に関する交換公文」というのがございますが、これで具体的に――先ほどの貿易関係議定書の規定に基づきまして、どういう品目が当分の間日本に対し輸入制限品目になるかということが書いてあるわけでございます。それで、この品目表は、結局現在工業製品が八十四品目、それから農業製品が二十三品目でございますが、二十三品目は、実は日本としては何ら利害関係のない品目でございますが、フランスの輸入規制の制度上、一応二十三品目を並べておるのでありまして、実質的には八十四品目が一応対日輸入制限品目になっておるわけであります。しかし、先ほどのベネルックスの三十四品目に比べますと、まだだいぶ多いわけでございます。ただ、フランスとの交渉の経過を見て参りますと、一九六〇年の六月――三年前には、約四百品目の対日輸入制限品目があったわけでございますが、それが六二年の一月ごろまでには二百六十六品目に減りまして、さらに、昨年の十月の交渉で百八十五というふうに減りまして、さらに、本年の春に百四十八まで減らしたわけでございますが、その百四十八を今回の協定の交渉の際に八十四まで減らしたということでございます。この二、三年間に実質的に輸入制限品目が大幅に減りましたし、同時に、建前も、今までの三十五条援用ということから最恵国待遇を原則とすることに建前が変わったわけでございます。それでこの「輸入制限品目に関する交換公文」というものと、さらに付属としまして「千九百六十三年度の輸入割当てに関する交換公文」が一つございます。これは今申しました八十四品目を、六三年度――本年の四月から来年の三月ということになっておりますが、その一年間に具体的にどれだけのクォータを出すかということを取りきめてあるわけでございます。
 さらにもう一つ、ただいまの本年度の輸入クォータの取りきめに関する交換書簡に附属する議定書がございますが、これは具体的な品目につきまして解釈を明らかにするという点でございます。フランスとわが国の貿易量は、先ほどのベネルックスに比べますとかなり少ないわけでございます。一九六
○年程度で日本の輸出が千五百六十万ドル、日本の輸入が三千二百万、これは日本の入超になっておるわけです。六一年の輸出が千七百六十万、輸入が三千九百三十万、六二年度の輸出が二千三百万、輸入が四千六百三十万というわけでございまして、今回の協定の成立を機にいたしまして、わが国のフランスへの輸出がもっと大幅に伸びる見通しでございますが、さらに改善することを期待しておるわけでございます。ヨーロッパ諸国をとってみますと、これで三十五条の援用撤回がかなり進んだわけでございまして、あと小さな国でオーストリアないしポルトガルが残っておるわけでございます。これあたりとも、それぞれ今後の懸案事項として、交渉を進めなければならぬと考えておるわけでございます。
 以上でございます。
#10
○委員長(岡崎真一君) 以上で提案理由の説明は済みましたが、質疑は後日に譲りまして……。
#11
○岡田宗司君 ビルマ賠償関係の資料をひとつ、何々って言いませんから、取りまとめて出していただきたい。それから、一般の賠償の進行状況ですね、そういうものの資料を取りまとめて出していただきたい。それからベネルックス及びフランスとの今後の貿易のやはり表ですね、それをひとつお出し願いたい。
#12
○委員長(岡崎真一君) これをもって散会いたします。
   午後十一時三十八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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