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1947/08/27 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第15号
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1947/08/27 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第15号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第15号
昭和二十二年八月二十七日(水曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 北村徳太郎君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 塚田十一郎君
   理事 葉梨新五郎君
      川合 彰武君    河井 榮藏君
      佐藤觀次郎君    田中織之進君
      西村 榮一君    林  大作君
      後藤 悦治君    中曽根康弘君
      松田 正一君    泉山 三六君
      江崎 真澄君    島村 一郎君
      周東 英雄君    宮幡  靖君
      井出一太郎君    石原  登君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   福田 赳夫君
 委員外の出席者
        大藏事務官   三井 武夫君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 大藏省預金部等の債權の條件變更等に關する法
 律案(内閣提出)(第二一號)
 會計檢査院法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第三八號)
 復興金融金庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)(第四一號)
 救國貯蓄運動に關する決議案(松田正一君外四
 十六名提出)(第五號)
 健全財政、健全金融に關する決議案(淺沼稻次
 郎君外十名提出)(第八號)
    ―――――――――――――
#2
○北村委員長 會議を開きます。
 會計檢査院法の一部を改正する法律案、及び復興金融金庫法の一部を改正する法律案の質疑を繼續いたします。
#3
○松田委員 議事進行について……。表を要求したいと思います。復興金庫の貸付の月別表、五千萬圓以上の貸付先、月別の囘收高の金額、同じく月別の延滯金額を表わしたもの、この表を要求いたします。
#4
○北村委員長 ただいま、松田委員の御發言の要求は、前に西村君から御要求がありまして、それと重複する點があると思うのでありますが、當局の方で前に要求しました書類はまだ出ませんか。
#5
○三井説明員 ただいま揃えておりますから、一日、二日のうちに差出します。
#6
○北村委員長 今の松田委員の要求は、前の要求と少し重複の部分がありますから、適當にお願いします。
#7
○西村(榮)委員 この復興金融金庫の問題を審議することは、きわめて重要だと思うのですが、相なるべくならば大臣の出席のあるときに、根本方針だけ質疑したいと思います。最近大臣の出席の豫定はどうでしようか。
#8
○北村委員長 今ちよつとわかりませんが、大臣の出席を求めましよう、復興金融金庫の問題は非常に重要ですから……。
#9
○河井委員 それから復興金融金庫の改正の原本の法律も、ひとつ出していただきたいと思います。増資の點ばかりでなく、復興金融金庫法がありますればお願いします。
#10
○北村委員長 それでは現行の復興金融金庫法をお出し願いたいと思います。それからこの場合、ほかに書類の要求がありますならば、まとめておいた方がいいと思いますが、ほかに書類の要求はありませんか。
#11
○塚田委員 委員會に付議すべきものとして、今出ております二つの決議案の取扱方でありますが、速記を拔いてひとつ懇談で、事情をお話いただきたいと思います。
#12
○北村委員長 それでは速記を止めまして、一應これで休憩にはいつて懇談いたしたいと思います。しばらく休憩することにいたします。
    午前十時四十三分休憩
     ――――◇―――――
    午前十一時二十八分開議
#13
○島田委員長代理 休憩前に引續き會議を開きます。會計檢査院法の一部を改正する法律案、復興金融金庫法の一部を改正する法律案の審議を繼續いたします。河井君。
#14
○河井委員 復興金融金庫の中小商工業企業の金融にも關係しますし、國民貯蓄の問題にも重大な關係がありますので、この際福田銀行局長にお尋ねいたしたいと思います。今度農業協同組合ができますと、農業會及び實行組合、養蠶實行組合などが解散になつて、その財産は農業協同組合に肩代りすることになるそうであります。ところが東京、大阪あるいは廣島や高松などには、相當數の農業會に屬しておつて、實際において、實際において市街地信用組合と同じような業態、信用事業だけをやつておる、いわゆる單位組合というものがありますが、それは相當に貯金をやつておりますし、殊にこういう末端の金融機關といたしまして、今度の無記名定期預金、今度五百圓が六百圓になるそうですが、そういうものの引受けなどもたくさんありまして、貯蓄増強には相當な貢獻をなしておるのであります。これが農業協同組合法ができると解散になるということで、たいへん貯金者は不安をもつておる。殊にこういう組合の會員は、大都市の中小商工業者あるいは消費者でありまして、農業協同組合の組合員である農民とは全然違うのであります。それをその財産を肩代りするということは不可能なことだと考えております。これらの農業會に屬する單位信用組合の運命はどういうふうになるのでありましようか。この際當局のお考えをはつきりさしていただくことが、今後の貯金者に對する安心を與え、あるいは今後の貯蓄増強についても、たいへん好影響があることだと考えます。できますならばこの機會にはつきりこれらの信用給合はどういうふうなことになるのか、政府のお考えを明確にしていていただききたいと思います。
#15
○福田政府委員 ただいま政府が企圖しておるところの農業協合組合法案によりますると、從來の農業會は解散いたしまして、そうして新たに農業協同組合が設立せられるのであります。設立はこれは任意自由でありますが、その際におきましては既存の農業會の債權債務を、適宜な方法によつて新農業協同組合が引繼ぐことにいたしまして、このために金融上の摩擦困難が起きるというようなことは、極力なきように最善の注意を拂つてまいりたいと思つておるのであります。それからその際におきましてただいまお話のありまする信用組合、これは産業組合法に基くところの施設でありまして、今囘の農業協同組合法によりまして、從來の産業組合法によるところの信用組合には何らの影響はないのであります。從來通り産業組合というものによるところの信用組合、準市街地信用組合というふうに呼んでおりまするが、その信用組合は依然として信用業務を繼續する、かようなことになります。何らの影響はありません。
#16
○河井委員 できますればただいまのはつきりしたお考え方を、何らかの機會に政府から御發表なさるお考えがありましようか。この委員會を通じてでも結構です。
#17
○福田政府委員 ただいまの答辯をもちまして、この委員會を通じて政府の態度を發表したということに御了承願いたいと思います。
#18
○塚田委員 大藏省預金部の問題につきましては、私から要求しておる資料がありますので、それが配付せられました上で詳細な點の御質疑をいたしたいと思うのであります。その前に一般的な問題について二、三の點をお尋ねしたいと思います。その第一點はこの間の銀行局長の御説明で、あの法案が出た趣旨を了承したのであります。つまり今までああいうことは法律の根據なしにやつておつた。新しい憲法、財政法の建前で、法律の根據を必要とするからやるというお話であつた。それは非常に結構なんでありますが、もしそういうことであるならば、大體大藏大臣が預金部資金を運用すること全般に、法律的な根據があるというように考えられるわけであります。もちろんその場合に一應舊憲法時代にその根據になつておつた法律があるように承知しておるのであります。しかしそのいろいろの點を讀んでみますと、必ずしも新しい憲法の時代において、その趣旨に合致したものと思えない點が中には若干あるわけであります。殊に新しい憲法は財政の問題に對しては相當根本的な變革を、幾多の點において加えておるのでありますから、この際預金部資金の運用全般についての基礎法規というものを、再檢討を加える必要があるのではないか。修正するなり、またはあれを廢止して新しい法規を出されるなり、そういう必要があるのではないかと考えておるのであります。その點について當局の意向を伺いたいと存じます。
#19
○福田政府委員 預金部資金の運用につきましては、古くから預金法という法律があるのであります。これは御承知の通りであります。これを根據といたしまして大藏大臣はこれが運用にあたつておる。その運用にあたりましては有利確實なる人にのみ運用すべきことが、法律に明定せられておるのであります。それからなお運用するにあたりましては、預金部資金運用委員會というものに諮りましてやるというふうな規定になつておるのでありますが、私どもただいままであまり再檢討ということはしなかつたのでありまして、その法律の中に民主的でないような點があり、また新憲法にふさわしくない點があるというようなことに氣づかなかつたという状況であります。なお再檢討いたしまして、そうしてさような點がありますればこの委員會とも十分相談をいたしまして、新しいものをつくつてもよろしいというふうに存じます。
#20
○塚田委員 その場合に特に御留意願いたいのは、運用委員會の構成その他についてであります。一應規定の上では、あれでもつて民主的な動きが整えられておるように思うのでありますが、その實質が必ずしも民主的な動きというものに合致しておらない點があるように思われるのでありますが、かりに規定そのものの變更がなくても、ああいうものの運用については、少くとも改正をされる必要があるのではないかと實は考えておるわけであります。十分御研究の上善處せられんことを希望いたします。
 それから次に多少本案とは離れるのでありますけれども、近ごろそういう感じを特にもつのでありますが、實は本來であれば金融緊急措置令その他一連の法律でもつてきめなければならないものが、制定當時の緊急状態を反映しまして、勅令で當時きめられたものがある。その後議會において事後承諾を與えたものがあるのであります。そういうものの變更をその後政令で、結局國會にかけることなしに政府が行つておられるという實例が多々あるのであります。これは金融緊急措置令だけでなしに、おそらく他の委員會にも關連した法令があると考えるのであります。これは法令を改廢する場合の形式的ないろいろな議論は別にあるのでありましようが、少くとも實質的な問題として、本來法律であるべきものが勅令になつておつたのでありますから、その改正というものは、當然委員會もしくは國會にかからなければならぬ事柄が非常に多いはずなんです。そういうものを當初勅令になつておるからというような事情で、政府の一存で改廢され、改正されるということは、どうも新憲法の趣旨、財政法の趣旨にも反するように思う。權限を越えておるのではないかというように考える點があるのですが、この點についてのお考えを伺いたい。
#21
○福田政府委員 ただいまのお話まことにごもつともでして、立法機關たる法律局等におきましても、新憲法のもとにおきましては、昔いわゆるポツダム勅令と申しまするか、特殊な勅令をもちましてやつた事項につきましても、今後は法律を用いるというふうな見解になりつつありまして、たとえば今議會に私どもが提出しておりますところの法案の多くは從來でありますればこれは勅令、いわゆるポツダム勅令であるというようないき方であつたものが、法律の形をもちまして御審議を願うということになりつつあるのであります。私どもといたしましても極力法規の形式論にとらわれず、重大なる國民の利害關係があるというものにつきましては、この委員會がありますれば、必ずこの委員會で御相談の上やりたい、かような氣持でおります。法制論としてもただいま申し上げました通り、なるべく議會の協贊を經てやるというように動きつつあるのであります。
#22
○塚田委員 次に同じく法制上の問題でありますが、御承知のように財政法は、大體の條項が全部實施されておるのでありますけれども、その中に施行期日を政令で定めるとして、未だ實施を見ていない規定が三箇條あります。この三箇條のうち、殊に第三條が非常に重要な意義をもつ規定なのでありまして、要するに專賣事業や國の經營するいろいろな事業の事業料金を上げる場合に、法律または國會の議決に基けということになつておるのであります。しかるにこれが施行されておらないために、過般鐡道なども、法的な根據からいけば一應差支えなく、國會に諮らずしてあの料金の値上を行つておる。これが制定の當時こういうようになつた事情は承知しないのでありますけれども、少くとも今日の情勢においては、當然これらの條項は實施されてしかるべきものと考えるのでありますが、それに對して政府の意向を承りたいと思います。
#23
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この三條の問題、たとえば鐡道の料金であるとか、あるいは郵便電信の料金であるとか、その他につきまして、この財政法の三條の規定が適用を未だされておらぬのであります。これはいろいろ深い關係がございまして、物價の公價の決定ということで、政府もその筋と長い間實は交渉を續けておつたのであります。ところが昨日大體方針がきまりましたので、できれば今週のうちに定時の閣議にかけまして、その方針によつて實行したい。かように考えておる次第でございます、内容といたしましては物價の公定というものが、一々この法律で國會を經るということはむずかしい點もありますし、またさればと言つてすべて任しきりという點も、ぐあいが悪い點がございますので、その筋に、おきましては、大體この解釋で三條の規定を解釋して、その兩方の調和を保つか。あるいは法を改正してするか、いずれにかするような二つの案をもつておるのであります。閣議におきましてもいずれかにこれをきめまして、そうしてこの三條は速やかに實施に移したい、かように考えておる次第であります。
#24
○島田委員長代理 お諮りいたしますが、大臣が見えられましたから、復金法に關しまする根本的な御質疑があれば、それをひとつ願いたいと思います。
#25
○河井委員 大藏大臣にお尋ねします。復興金融金庫の現在の状況下における金融的な地位というものは、支配的な状況にあるというように思われるのでありますが、これは暫定的なものとして認めるか、將來永久的な機關として認めるか、まずこの點をお尋ねします。
#26
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この復興金融金庫につきましては、私きわめて深い關係をもつておるのでございます。本日は實はそういう關係から、また經驗からも、いろいろ問題の根本をも申し上げたいと思つて上つたような次第でございます。これはすでに御承知のように、復興金融金庫は三年間の存立時期がきまつておるのでございます。暫定的に金融をする。それも日本の終戰後の事業金融という面におきまして、普通の金融の方法によつては金融し得ざるものについても、なお國家としては金融をする必要がある場合に、復金を使つてやろう。こういう趣意で三年の暫定期間をおいて、設立されたような次第であります。
#27
○川合委員 この復興金融金庫法の當初の立法的な事情は、今大臣もおつしやつた通りでありますが、現實の機能から見ていくと、また日本の現在の資金状況というものからわれわれが推測した場合において、復興金融金庫というものが永久性をもつというようなことも、一應は考えられるのでありますが、やはり暫定的な三年の期間をもつてこれを閉鎖する方針には、お變りないのですか。
#28
○栗栖國務大臣 お答えいたします。われわれは正常なる金融状態及び方法におきまして、産業金融もどんどんできる。こういう日本經濟が再建した形が、一日も早く速やかに來ることを希望いたしておる次第でございます。大體三年くらいで復金の御用は濟みまして、それからは一般の金融の方に移しても差支ないであろう。こういう目的のもとに復金ができたような次第でございます。しかしこの經濟再建が延びるということになれば、あるいは若干の延長ということも考慮されるわけでありますが、今としてはそういうような具體的な考慮はもつておりません。
#29
○川合委員 私は現在の日本の特殊金融機關あるいは特殊銀行というものが、整理過程にある。しかもこの整理が容易ではない。かりに整理ができて、第二銀行的なものが新設されたにしても、これがその機能を完全に發揮するには、相當の年月がかかるだろうというように考えられるわけです。從つてその意味におきまして復興金融金庫というものが、三箇年の期間をもつて閉鎖になるということには考えられないというように思います。これはあらかじめ大藏當局において、今のうちからお考えを願つておきたい點であります。それと同時に一體この存立期間を三箇年としたというところに、そもそも問題があるというように思われております。なぜならば日本經濟の再建というものは、資金の面だけではなくて、他の産業經濟計畫と對應して、それにマツチするような資金計畫がなければならない。今石炭について言うならば、五箇年間の増炭計畫ができておる。從つてその増炭計畫を可能づけるもの、あるいは他の鐵鋼増産計畫というようなものを可能づけるものは、資金的な面が相當の條件になると思うのであります。そういつた場合に他の特殊銀行、他の特殊金融機關、あるいは市中銀行のこれらに對する融資能力が、完全に増強されるとは考えられません。從つてそういうことを考えるときにおいて、復興金融金庫というものがその機能を發揮しなければいけない。そういうことからわれわれが結論づけられることは、三年でもつてこの復興金融金庫が終るとは思われないのであります。問題は復興金融金庫の運用にあるだろうと思うのであります。われわれの思想から言うならば、むしろこの復興金融金庫というような公的な機關というものは、日本經濟の再建とタイアツプして、資金方面におけるところの活動を、活發にやつてもらいたいとわれわれは思つておるわけであります。そういうことでありますから、私は復興金融金庫が三箇年間の存立期間であるというような、當初の立法的な點にとらわれることなく、現状の事實から歸納してあらかじめ大藏當局が善處されんことを、この機會に要望しておきます。
 それと同時に、この復興金融金庫と關連する問題といたしまして、特殊銀行、あるいは特殊金融機關の整理、統合といつた問題に關する大藏大臣の所見を伺いたいと思います。
#30
○栗栖國務大臣 復興金融金庫の期限の問題でございますが、これは私三十年近くも金融の畑に育つた者でございます。申し上げますが、大體正常なる金融機關の發達、これが最も民主的な日本經濟、日本の産業の發達には必要なのでありまして、この復興金融金庫というがごときものは、いわば異型兒でございまして、そうしてこれはそういうものの發達のつなぎのために、一時的に設ける、こういう趣意でできておるのでございます。そこで一應日本の經濟再建、金融の見透し等が、そう十年もあるいはそのさきというわけに參りませんので、ごく制限的の意味におきまして、三年という一應の目標を立てて、三年の期間にいたしたわけであります。しかし不幸にして日本經濟再建がなお遲れるようで、この機關の存立がなお必要であるというような場合が認められますならば、これは期間を延期する途が開けておるのでありますから、いつでもその情勢が具體的に現われますならば、それに應じてとりたいと考えておる次第であります。これはアメリカの復興金融會社においても同樣であります。
 それから特殊銀行の關係、一般金融の關係であります。これは昨年來金融制度調査會というものができまして、鋭意その制度の改善をすべく、調査をいたしておる次第でございまして、もう今月あるいは來月早々には、その結論も出ると思うのであります。しかし金融の現状を見ますと、日本の機構としまして、市中銀行、地方銀行というような一般銀行のほか、特殊の金融機關が若干必要だということは、これは申すまでもないことだと思うのであります。日本の長期の産業金融というようなものは、外國におけるごとく株とか社債だけで賄うことが、證券市場の發達が十分でない日本におきましては賄い得ざる點がありますので、これはどうしても長期の産業金融を主とする金融機關によつて、これに當らしめなければならぬ、かように相なるわけであります。長期の金融機關によつてこれを當らしめるということになりますと、普通の金融機關がいたしておりますように、預金を吸收して長期の貸出をするということは、この貸出業務と受信業務との間にアンバランスを起すおそれがありますので、それはよろしくないのでありまして
    〔島田委員長代理退席、委員長著席〕
そこで主としてそういうような長期の事業金融をするものにつきましては、債券發行の特例等を認めまして、資金を長期的に集める。そうして安心して長期の事業金融に貸す。そうすれば借り入れる事業は、安心して事業の發達に力を入れることができる、こういうような仕組が日本では必要と思います。普通の銀行のほかに、長期事業金融の特別な銀行が必要と思うのであります。ただいまのところでは興業銀行と勸業銀行、北海道拓殖銀行、それから特殊なものとしては農林中央金庫、商工組合中央金庫等がございます。それもいずれその方面において適當な整理の上で、大いに日本産業の再建に努めさせたい、かように考えておる次第であります。しかしながらこの特殊銀行というものが、從來は政府のひどい監督のもとに運營されておつたのであります。これが運營につきましては十分民主的な意向をくむことが必要だと私は思うのであります。そこでその形態及び監督の方式が、非常に普通銀行に寄つてくるということにも相なろうと思うのであります。
 それからそういうような長期事業金融をするものと普通銀行との關係でありますが、これは一方においては主として債券によつて長期資金をとり入れさす。一方は預金によつて短期資金をとり入れさす。かようにしてその營業の分野を長期設備資金と運轉資金その他というように適當に調整を加えて、金融機關にはすべて平等に保護を與える。平等のもとにあるいは短期金融あるいは長期金融をそれぞれ分擔さして、産業金融の圓滿な疎通をはかりたいと考えております。そういうように金融機關が整備されてまいりますと、そこで復興金融金庫も目的を達成してしまうことに相なるのであろうと思うのであります。そうして一般の金融機關の方にこの重荷を渡すことができる時期が來ましたならば、復興金融金庫はすなわち目的を達成して解散することになる、かように考えておる次第であります。
#31
○川合委員 復興金融金庫の將來は要するに長期資金を供給するというような、日本における起債界の状況いかんにかかわるだろうと思うのでありますが、この起債界の點について現在大藏當局はどういうような御見解をもつておられますか。
#32
○栗栖國務大臣 お答え申し上げます。長期資金ことに事業資金の供給は金融機關によつていたしますが、それよりももつと安定した形は、株式と社債によつてすることであります。この會社の資本形態――廣い意味の資本でありますが――これを銀行その他の金融機關からの借入資本、社債の借入資本、株式による自己資本、そういうものとして適當に調整をとつた形において企業を進めていくということが、今後の企業再建の大きな要素であると思うのであります。そういう意味においてこの金融の面、すなわち金融機關を通ずる資金融通の面の進行をはかると同時に、株式資本及び社債による資金の調達の疏通をはかるということで、兩々相またなければならぬ點において、きわめて重要なことと思うのであります。そこで起債市場の囘復ということももちろん念頭においていたしておるような次第であります。ところで現在のこの端境のときにおきましては、實は起債協議會というものを一種の資金調整の延長の意味において日本銀行に置きまして、そうしてただいまのところ起債し得るものは非特惠會社であり、業績のはつきりしたものは指を折るしかございません。しかしながらそういうものと、それから地方債というようなものとに、發行金額、發行の條件その他の調整を加えまして、そうして市場を壓しないように市場資金の集績を見計らつて徐々にいたしておるような次第であります。今はまことに微々といたさしておりますけれども、しかしやがては起債市場も、日本の産業が立ち直り、再建整備が完了すれば繁榮をいたさしたい、かようにも考えて市場の育成という點には努めておるような次第であります。そこで市場の條件のごときも、ありま低くても賣れないことは確かでございますが、あまり高くても、かえつて將來における起債市場を育成する上に大きな支障となりますので、大體國債を四分五厘の利廻りベースをこしらえまして、地方債を六分五厘から七分、あるいは一流債、社債をそれに準じて竝べまして、そうして條件もあまりはね上つて企業の再建に支障を來たす。起債市場の育成に支障を來たすことのないよう努めておる次第であります。
#33
○川合委員 これは復興金融金庫の直接の問題ではないのですが、日本の將來外資の導入ということが考えられるのでありますが、大藏大臣のかつての前職時代の興銀が、外資導入に對して相當の功績のあつたことは、われわれは認めるのでありますが、今後におけるとろこの外資の導入機關として、特殊的な銀行、金融機關というようなものを、今のうちから考えておる必要があると思うのです。これに對しては如何でしようか。
#34
○栗栖國務大臣 いずれ講和條約ができてから後のことでございますが、長期、短期の外資の導入ということは、ぜひこれは日本の資本層が、また新しい資本が不足しております意味におきましても、輸血の形式においても欲しいと實は念願しておるような次第であります。そういたしますれば、外資の短期の導入機關、あるいは長期の外資の導入機關というのは、從來も興業銀行あるいはその他にあつたわけでございます。これは情勢ができれば、ぜひその特質はもち傳えて、そうしてやがて講和條約の後に日本の經濟再建、あるいは産業が立直つたる事實を見計らつて、外資の導入もぜひ懇請をしたいと考えております。その際にはそういうような特殊機關をも使いたい、さように思つておる次第であります。
#35
○西村(榮)委員 復興金融金庫の問題につきましては、新しく増資をするとともに、復金の將來についてはきわめて厖大な機構と機能をもつであろうということを豫想いたしまして、私はこれを過去の業績に照らして根本的な檢討を加えたいと思うのであります。何分にも私が請求いたしました資料がまだ未提出でありますので、私は具體的な要點には觸れ得ないと思うのですが、大藏大臣の出席を幸いに、根本方策として二、三御質問いたしたい。大藏大臣は、この復興金融金庫の現在のやり方、現在の機構で、はたして日本産業の復興ということで復興金融金庫と名づけられ、かつまたこれができた趣旨に沿つて、その機能を十分果し得るという自信をおもちになるかどうか。遺憾ながら私の見るところは、これで日本の産業を復興し得るとは思わない、復興金庫にあらずして赤字決濟金庫である。その融資の八〇%、八五%は赤字決濟である。これではたしていけるかどうか。率直なる御意見を結論として承りたい。
#36
○栗栖國務大臣 お答えいたします。復興金融金庫の設立その他につきましては、内外ともに私關係しておるのであります。この機構を本然の形で進めていくならば、十分この機構は、經濟再建、産業の再編成、産業の立直りに對しては、十分機能を果し得ると私は確信するのであります。しかしながらその運營の末端、その他につきましては、私自身も缺點を指摘しておるのでありまして、就任早々實を申せば改善を銀行局長に申しておるような次第であります。その改善すべき點を申し述べております中には、先ほど承りますと、皆様の御質問にもあるのでありますが、これは十分改善をいたしたいと考えております。この改善の點は内部の機構及びそれを取巻く外の運營の機構というものにも、ずいぶん缺點があります。率直に申しますと、運營などの機構については、復興金融金庫專門家の意見があまり尊重されないで、各省が豫算を取り合うようなつもりでなわ張りがきまる重大な缺點があります。これは私はここで斷言いたしますが、復興金融金庫内部の關係者といたしまして、運營が十分でないという點を痛感いたしたのであります。就任いたす早早、銀行局長とまつたく同感でありまして、これは改めたい、かように考えたのであります。なお復興金融金庫は將來の日本産業の發展と、これが再建につきましては、ぜひいろいろの役割を果さなければならぬのであります。必要に應じてはその役割をも變更してやつていきたいと、かように考えておる次第であります。それから赤字救濟のための資金の貸出が多いというお話がありましたが、私内部におりまして、明らかに申し上げますけれども、必ずしもそうではないのであります。石炭といい、肥料といい、鐵鋼といい、その他の點といい、どのくらいあそこの資金が、今日までの日本の經濟再建に役立つておるかということは、具體的によく御存じだと思うのであります。ただ將來いろいろ赤字のしりをあそこへもつていつて、そうして正常に出すべき産業資金というものを、あそこで金額のわくを少くしてしまうというようなことは、逆な、好ましからざる效果をもつものでありますので、こういう點は十分考慮してやりたいと考えておる次第であります。
#37
○西村(榮)委員 御囘答を承つて感謝いたします。大體あらゆる赤字しりぬぐい投資と、それから生産方面に出した投資と、これは限界がまことにむずかしいが、概要はどのくらいですか。
#38
○栗栖國務大臣 現在の數字がどのくらいあるかは申し上げませんけれども、しりぬぐいということが、實は物價の改訂その他を控えておりまして、そしてやがて黒字に轉換し、やがてはそれが日本の緊要産業でなければならぬところのものに相なるものが相當多いのであります。たとえてみますと、この間の融資委員會におきましても申したのでありますが、若干いろいろのやむを得ない都合で物價の改訂が一部遲れております。そうしますとその遲れておる産業については、これは國家としてはぜひ盛り立てて、そして生産を増さなければならぬのであります。改訂がやむを得ざる事情で遲れておるために相當大きな赤字を出すのであります。この赤字を救わないでおくと、その産業は壊滅してしまうわけでありますから、こういうときには復興金融金庫の本來の目的にも合するわけでありますので、赤字金融をいたしております。しかしこれは改訂がなり次第黒字になつてまいるものであります。かようなものが相當ありますので、純然たるしりぬぐいの赤字金融というものは、ほとんどないのだろうと、かように考えております。數字はここにもち合わせませんから申し上げるわけにまいりません。
#39
○西村(榮)委員 あなたの豫定通り黒字が出ないで、赤字が出たとき、どこが責任をもつのですか。
#40
○栗栖國務大臣 それは會社が新舊勘定にわかれております。そして新勘定に融資をしておるのであります。そうして新勘定に負擔が、具體的名前をあげることは、ここでははばかりますけれども、あげますればよく御存じだと思うのであります。そこで新勘定においては相當そういう債務をもつた新會社、あるいは新舊勘定を合併いたしまして、資産その他がブツクバリユーに大體相なつておりますので、相當のゆとりがまだあるわけであります。そこでそのゆとりの範圍においては、新會社が負擔してもなお差支えない、かように考えているわけであります。それ以上の場合には具體的に問題が起きたときに、いろいろ詮議をしてみないとわからないと思います。復興金融金庫の役員の肩をもつわけではありませんけれども、そこまでも見透して實は苦勞して融通しているような次第でございます。
#41
○西村(榮)委員 具體的の問題は、資料がないとどこまでが赤字で、どこまでが眞の産業投資であるかということがはつきりしないのでありますが、やがて資料を提供されたときに御質問しようと思ひます。ただ次に三百億圓増資されるのでありますが、過去の實績からいうと、かつまた先般不十分ながら提供された資金計畫によると、工業の方へは五十六億三千三百九十八萬圓の投資計畫――工業はそれだけ投資されておりますが、私はこの工業に對する投資の内譯と、このしりぬぐいの問題を一體復金はどこに請求するのであるかという點をお尋ねしたいのであります。同時にそれと關連して四半期の豫定資金計畫の中に、私どもとしては腑に落ちない點がたくさいあるのであります。一例を言うと、工業關係その他においては厖大な比率を占めておりますが、日本の將來の貿易を双肩に擔つて、かつまた日本の國民經濟の中心になる中小商工業者に對しまして、わずかに一億の資金計畫しか盛られていない。これは私は○の一つや二つつけ違いではないかと思つた。印刷も刷れておりまして、そのプリントによりますと、資金計畫の中に、中小商工業者は一億圓しか見積られていない。三百億圓の中で一億圓という中小商工業者對策というものは、一體どういうふうな考え方からそれを出されたものなの商か。しかも貿易が再開されて、中小工業者に日本の産業の重點をおかなければならぬというときに、また一面獨占禁止が通過し、企業の集中強化ということは否定しなければならない。中小商工業者に中心をおかなければならぬ。しかも中小商工業者はおのおの能力はもつてはいるが、力が弱くして國家の援助を要請している。そういうときに一億で一體何ができるか。これは一例を示したにすぎないのでありますが、資金計畫の面について、詳細の御説明を伺いたいと思います。
#42
○栗栖國務大臣 この中小商工業の點からさきに申し上げます。第二、四半期は一億五千萬圓を豫定したのであります。一億圓は何かのお間違いであろうと思うのであります。これは實はもう七、八、九と九月だけまでの豫定でございます。そうしてもし資金が不足いたしますならば、その他として三億圓ばかりあげておりますから、その方でまわしたいと思うのであります。ところで、ここでひとつ御注意を願わなければならぬことは、中小工業は、金額の面においては總計というものが非常に少いのであります。しかし大體中小商工業が震災後日本に起つたときにおきましては、十萬もしくは二十萬以下をもつて中小商工業といたしたのであります。そうしてこれは興業銀行でやつたのですが、震災後の經濟復興ということに、かなり資したのであります。なお總計は二千四、五百萬圓にしか及ばなかつたのであります。復興金融金庫が發足してから中小商工業を大體百萬以下と見積りますと、詳しい數字はいずれ數字をごらんに入れるときに申し上げますが、たしか通計で八億くらいしかないと思うのであります。しかし口數は全體の貸出しの半分以上を占めておる、こういうような數字であります。私實は一億圓だけの金額を中小商工業に貸出すにつきまして、一箇月とか一箇月半の間には、なかなか口數が多くて、骨が折れるのであります。金額面ではあたかも少いようでございますけれども、その口數は相當廣くなりまして、われわれ多年の經驗によりますと、資金はまず大丈夫だろうと思うのであります。しかし輸出貿易その他を控えておりますので、なおその他に三億圓を用意いたしまして、どうしても資金不足を告げるようでありますれば、そこでやはり賄いたいと思うのであります。さらに非常に結構でありますが、貿易金融その他のために、中小商工業が資金が要るというような場合に、その三億圓を使い果すというようなことが、かりにありますれば、今度は日銀資金を興業銀行に出して興業銀行の代理貸しというような手も打てるのであります。もちろんそういう必要なしに、一億五千萬圓がすべて賄えるかどうかがなお疑問だ。しかしながら融資をいたします口數は相當廣くなつて、現下の需要には相當の效果をいたす、かように考えておる次第であります。その他の資金につきましては、いずれ細かい數表などを差上げまして、その上で御檢討を願つて、あらためて御質問をお願いいたしたいと思つております。
 なおその數字でございますが、これは各地に支所、代理所がありまして、集めておりますから、細かい數字がなかなか集まりかねる點もあります。それから小口の點を一々ということも、營業上いろいろ關係もあつて、出しかねる點もあろうと思いますが、ここで御使用になる御趣意に副う程度の數字は、なるべく早く差上げまして、いろいろの御審議に支障を來さないようにいたしたい、かように考える次第でございます。併せて申し上げます。
#43
○西村(榮)委員 中小商工業者が一億五千萬圓で足りなかつたら、あと三億圓あるので、これは使い切れまいという大藏大臣の御説明でありましたが、私はその樂觀論に對しては御賛成しかねる。なぜならば、鑛工業關係、工業關係、竝びに化學工業關係、水産關係というふうな會社は、大きな政治的な發言權を持つておるのであります。私が資料を要求して檢討を加えたいというのはその點なのであります。中小商工業者は政治的に發言權を持つておりません。また金融業者から見まして、その信用程度に對しては人物を中心として、將來の國家の産業政策とにらみ合わしてみてやらなければならぬのでありまして、復金から金を融資する、融通を受けるという途は、中小商工業者にとだえておるのであります。同時に物的信用をもつておらぬというふうなことで、なかなか使い切れないだろうということを樂觀的に申されるが、私はその點において將來の運用上、深甚な考慮を煩わさなければ、その數字だけをもつて中小商工業者の資金需要が少いということにはならない。しかし資料が出ていないし、今大藏大臣も資料を出してから質問してくれとおつしやるから、私はこれを留保いたしておきますが、少くともこういう法案の審議上、この復興金融金庫法改正案というこの法律案をお出しになるならば、單に二百五十億を五百五十億に改めると、これだけを書かないで、こういう簡單な法律であればあるほど、これに對する資金計畫その他の參考資料を同時に提出されることが、委員會に對する敬意を表するゆえんじやないかと思う。この點を御注意を願いたい。
 それから私の今の質問は資料が出るまで留保いたしておきますが、その他の方面で御質問申し上げたいことは、大體復興金融金庫の資金調達方法であります。これはどのくらいが一般に消化されて、どの程度が日銀の背負いこみになつておるか。大體のことは聞いておりますが、明確にお答えを願うとともに、將來この資金の獲得方法、復興金融金庫の基金をどうして賄つていくかということについて、見透しを承りたいのであります。
#44
○栗栖國務大臣 お答えいたします。先ほどあるいは誤解があつたのではないかと思いますが、もう一度附け加えておきたいと思います。一億五千萬圓はこの九月までの所要資金の割當でございます。あと一月しかないものであります。十月からさらに第三、四半期においては、状況に應じてあらためて中小工業資金、貿易資金等の資金の割當をいたしたいと思います。さらに第四・四半期については、一月から三月まで、またそれをいたすわけであります。年四囘にわたつて、つまり實情が通らぬといかぬと思いまして、細分して割當をしておるわけであります。そこで金は十分だと思います。なかつたらまた考えます。
 それから今の復興金融金庫の資金の調達方法でありますが、これにつきましてはいろいろ改善すべき點もあり、すでに改善をいたしたような點もあるのであります。しかしながらその筋との關係上非常に苦勞もいたしておるのであります。これは實は普通の資本金というものと違いまして、資本金の構成は、政府の出資金と、債券發行と、復興金融金庫が一般の金融機關が貸出をする場合に保證する、その保證と、三つの部分から成り立つておるのであります。そうして政府の出資だけが一般豫算の面に上つてくる、かような次第であります。從來は實は一錢二厘の短期債、一年の割引債券を發行いたしておるのであります。しかし一錢二厘ということでは金利情勢がだんだん高騰してまいりました今日におきましては、非常に困難があるのでありまして、そこでどうしてもこれは引上げをせねばならぬ、こういうことに考えたような次第でございます。實は今囘の國債の利囘りを四分五厘に押えましたのに次ぎまして、これを引き上げまして、大體利囘りは一錢五厘七、八毛ぐらいで、五分五厘になるのであります。これは税がかかりませんので、まるどりになるわけであります。相當有利に相なつたわけであります。そうしてまたこれは一種の國債と同じような形をとるものでありますが、現在の國債は四分五厘ベーシスであります。そうして五年とか相當長い期間になろうと思いますが、そうするとこれは一年であります。今日の金融情勢からいたしますと、資金出囘りが今少しよくなると、長期のものを買うよりも、まずつなぎとして一年物のこういうものがB型國債として相當買い慕われるだろう、かように考えておる次第であります。そこでこれらの點も大體にらみ合わせまして、政府では一般の公募はいたしませんけれども、金融機關を通じて、金融機關にもつてもらう國債、こういうものを併せもつてもらいまして、バラエテイをつけまして消化する、かように考えております。そうすれば從前のごとくわずかに一〇%、このくらいの消化率でなしに、相當な消化をあげ得る、かように考える次第であります。それから市場でも資金がもう少し出廻らぬといかぬのでございまして、市場資金の出囘り等につきましても、いろいろ苦勞も重ねておる次第でございます。先般申し上げましたように、政府の支拂いを相當大幅に促進するということで、市場への資金、金融機關の手もと資金を潤澤にいたしまして、あるいはその集まつた資金の一部が、直接に産業への貸出になるとか、あるいは復興金融金庫の債券を引受けて、間接的に産業へ放出する。こういうような形體をもとらせ、その循環を敏活にさせたい、かように心がけておる次第であります。
#45
○西村(榮)委員 日銀と一般市中銀行の引受の率はいくらですか。
#46
○福田政府委員 ただいま資料を配付しましたから、それでごらん願います。
#47
○西村(榮)委員 そうすると大藏大臣は、復興債券は一錢五厘ないし六厘、短期一年間、大體この程度の條件で市中で消化できるという確信をもつておられますか。
#48
○栗栖國務大臣 今も申し上げましたように、一年の市場操作、つまり市場への資金出囘り、それはたんすの中に入れておる預金を開放して持込むことと、一方に政府支拂などを促進して資金を持込むこと、そういうことをいたしました。そういうことによつて相當部分の消化はできると思うのであります。形式は民間引受、縁故引受の形で、金融機關を通つてまいりたい。なお一部におきましては、もちろん今度の増資額の一部分は政府出資の形をとつていきたいと思います。その政府出資の金額その他につきましては、目下その筋と交渉を頻繁にいたしておるような次第でございます。これは今月一ぱいに何か片がつく、かように考えておる次第でございます。
#49
○西村(榮)委員 質問中であるので、この表をざつとしか拜見できないのですが、ほとんど日銀引受です。そこで私は、あなたがどの程度の確信をもつて、市中で消化できるかということの答辯を避けられておるようでありますから、それをあえて答辯を求めようとはいたしません。これは立法府も政府も協力して、國家の公債の資金の吸收にあたらなければならぬと思うのでありますから、あえてお尋ねいたしませんが、ただ一點矛盾のあることは、復興債券は一箇年の期限である。しかも復興金融金庫は三箇年間存續する。しかも日本の荒廢に歸しておる産業界を囘復するためには、三箇年間では囘復しません。繼續しなければならぬところの機關である。これに對して短期間金利を上げて、市中消化をはかるというふうなことは、少し甘く現在の金融状態を見過ぎておるものである。同時に一般において過去の例が、新聞でもちらほら知られておるように、一般國民が、大體において生産方面に資金が放出せられずして、政府の價格操作に一役を買つたり、あるいは巷間種々な思わしからざるデマが飛ぶ融資状態のもとにおいて、はたして復興債券というものを國民が喜んで買うかどうか。それよりも私は別個に、日本の産業を復興するためには、零細な國民の汗と脂の預貯金を、愛國的に要求するのだというふうな呼びかけ方と、それにふさわしい諸條件を備えたところの復興債券、しかも一年間という子供だましのような切り方をするということでなしに、相當思い切つた長期計畫を立てて、それに要する資金が要るのだ。そうしてこの復興債券の金利はこうであるが、復興が成つた曉における特別報酬は、この債券の上にこうするのだ。同時に皆さんの愛國心に訴えて、これはぜひ消化してもらいたいという政治的な呼びかけがなければ、この資金はほとんどが日銀が引受けるということになります。日本銀行が引受けるということになりますと、そこに申し上げるまでもなく通貨の膨脹を來しまして、インフレーシヨンの原因になります。しかもその日本銀行が引受けた資金は生産方面に向わずして、非生産方面へ向つておる。これは質問の材料を與えられずして私は質問しておるのでありますから、隔靴掻痒の感があるが、水産にしても、鑛工業にしても、化學工業にしても、私は具體的に質問したいものをたくさんもつておるが、それらの非生産的な方面に投資されることについて、國民ははたしてこの窮乏の中から復興債券を消化しきるか。氣分的に、能力的にこれを解決しなければ、増資問題が解決しない。私はそう思う。明確な答辯を願いたい。
#50
○栗栖國務大臣 一部ちよつと誤解があるのじやないかと思いますので、私はさらに言葉を補足して申し上げたいと思います。復興金融債をただちに市場で消化しないということは、復興金融債は、その元である復興金融金庫というものが國家の力でできておりまして、いろいろ普通の金融ならざる金融をするということであつて、損害を蒙るおそれがあるかもしれぬ。そういうものについては、直接公募はしない、こういう趣意で現在のところはいつておるのであります。しかしながら金融機關だけにもたすというのではないのでありまして、私どもの言葉で申しますれば、間接公募を公衆にいたしておるわけであります。公衆は、この九月からもぜひ皆さまにお願いしなければならぬのでありますが、國民貯蓄の増強、こういうことによりまして、大幅な資金を金融機關に集めまして、集まつた資金の一部をもつて復興金融債券というものを引受けさせて、いわゆる信用代理という形において、國民には損失をかけないようにして、しかもまたこの貯蓄の實績を上げる、こういう形のもとにこれが行われておるのであります。それから、復興金融金庫は三年の營業期間でありますが、整理その他のためには、あるいは十年か十五年かかるということは申すまでもないことであります。相當長期の金融をいたしております。そういうような關係になりますと、長期の債券の發行ももちろんできるわけであり、計畫するわけであります。現在の資金市場の情勢からいいますと、短期債の一年ものしかほとんど消化しないのであります。そこで、一年ものを消化して借替えていくうちに、市場情勢がよくなれば、さらに長期ものに借替えて安定をする。あるいは市場の情勢が引立つてきて、市場で長期ものができるようになれば、もちろん長期ものを出してする。その長期ものの條件については、そのときの情勢に應じ、國債の基準等をも考え合わせてきめたい。かように考えて、一應の資金計畫をもつておるのでありますが、先ほどのお尋ねは一部でございましたので、さように申した次第であります。
#51
○西村(榮)委員 最後にもう一つお尋ねしたいのですが、この復舊金融金庫を將來運營していく上において、それから營業の實體がどうなつておるかという上において、これを絶えず協力し、かつまた監視する民主的な機關が、今のような法文的なものじやなしに、眞實の存在を示す機關が必要だと私は思うのですが、大藏大臣はこれに對する何かの方針をおもちですか。
#52
○栗栖國務大臣 お答えいたします。私も實はそういうような民衆事業家と直接する專門の委員會というようなもの、あるいは何か運營會というようなものも必要だと考えておるのであります。そこで、これは先ほど申し上げましたように、運營委員會をいろいろ改めてみたいと考えるのであります。その機會に十分そういうような點も取入れたい、かように考えて、そう決心しておるような次第であります。
#53
○西村(榮)委員 わかりました。これ以上は意見の交換になりますから別の機會にいたしたいと思いますが、本委員會が本案を審議する上において必要でありますから、相なるべくならば今の監査竝びに運營委員會の構成機構に對しまして、大藏大臣は、單なる大藏大臣の希望あるいは御見解でなしに、明確なそういう機構をぜひ提示せられんことを希望します。同時に、三百億圓の増資を審議する上において必要でありますから、その資金計畫をも併せてひとつ提示していただきたい。これをもつて私の質問を打切ります。但し先ほどお話した資料が出てからの質問は留保いたします。
#54
○栗栖國務大臣 この運營の點につきましては、この法案と同時にということは、いろいろまたその筋との連絡等もあつてできないのでありますが、しかしすでにもう交渉はいろいろ開始しておりますので、なるべく早い機會に委員各位の御希望に副うようなことをいたしたいと考える次第でございます。なお資金計畫その他は一應復金で立てるようなことになつております。適當なる方法をもちまして御説明をする機會をつくるようにお願いいたしたいと考えております。
#55
○川合委員 今朝の新聞によりますと、大藏省は為替の換算率というようなものを發表しておつたのでありますが、今までのこの財政金融委員會におきましては、われわれが最も關心を拂つておるところの為替レートの問題には、大藏當局は何ら觸れるところがなかつたわけであります。しかるに商業委員會におきましては、貿易長官が大體一ドルは百七十圓ないし百八十圓見當だろうというような答辯があつたやに聞いておるのであります。その意味におきまして、今朝の朝日新聞に出ておつたところの大藏省の為替の換算率の問題は、相當重要な問題だろうと思うのであります。しかるに、かかる重要な事柄が、從來この委員會において一言も觸れることなくして、突如として新聞に發表されたということは、この委員會の面目から考えまして、私は遺憾の念を禁じ得ないのであります。その事情と、それから、元來日本の為替レートをいかにきめるかというような問題は、貿易局というような一部局できめるべき問題ではありませんで、またこれは日本側だけできめられるべき問題でなくて、結論的に申しますならば、與えられた為替レートが日本の為替レートになるというふうに私は了解しております、しかしかような點はさておきまして、日本の金融經濟諸般の状態から勘案して、平和會議後にあける、あるいはまたプレトンウツヅ協定に參加する場合に、日本の為替レートがいくらであるということをあらかじめ想定することが――日本の現在の貨幣價値に對する國内價値を逆算して、一應の目安を定めたらというようなことから考えまして、この為替レートの問題に關する大藏大臣の御所見を承りたいと思います。
#56
○栗栖國務大臣 御答えいたします。實は今委員のお方のお話のように、私も驚いたのであります。商業の委員會で為替相場をきめるということが出ておるのであります。しかしこれは、安本もでございましようが、大藏大臣として重大なる問題である。まつたく全然連絡なしにきめるというようなことはおかしいと考え、かつまた今きめる時期ではないと思つておるのであります。實は抗議を申込んだのであります。そうして、これは先週の土曜日でありますが、長官に會いまして、あなたは為替相場という言葉をお使いになるかどうか、これは司令部ではエキスチエンジ、フアクターズと複數にしております。私ども普通はコンバンシヨン、レートつまり箇々の引合にする圓とドルとの換算率をきめるというわけでありますが、それを為替相場という言葉をもつて表わされると、これは國内國外ともに重要なる影響を與えますから、愼重にしていただきたいということを申し上げたのであります。為替相場というものは、國と國の經濟力の比率でありまして、これは國内國外諸情勢をよく見きわめてきめなければならぬのでありまして、きめるにはもちろん皆樣にも御相談をいたします。實はこれについては抗議いたしたいのでありまして、これはエキスチエンジ、フアクターズということであつて、用語も違つているという説明をした次第でございます。まだそこまでに至つておりませんが、今後そういう言葉の用語なども、政府において統一いたしたいと考えております。
#57
○川合委員 為替レートの決定は國力が決定する。これは理論的に言えば、いわゆる購買力平價説が、理論的妥當性の根據があるわけであります。しかしながらわれわれは日本の為替レートの決定というものが單なる理論的購買力平價説にあるということは、早計の感があるというように考えます。これは箇々の物價あるいはドル地域に對するところの商品、あるいはポンド地域に對する輸出入商品の問題というように、總合的な視角から檢討しなければならぬと考えます。そういう意味において、私は先ほど申し上げました通り、與えられるところのエキスチエンジ、レートになるだらうと思いますが、しかし日本側の要請というものを向うに示すということも必要ではないか。そういう意味において、これらの問題に關する主管官廳である大藏省が、今のうちからあらゆる資料を蒐集して、深い檢討を加えられんことをこの機會に切望しておきます。
#58
○栗栖國務大臣 御注意まことにありがとうございました。實は省内でも國際金融に關する研究會などを設けておりまして、その途の專門家をも集めて、また事務的にも資料などを集めて研究いたしております。これはきまる際には、必ずこの委員會に私御相談いたしまして、これは與えられるものであるかもしれませんけれども、われわれとしての一つの主張というものはもつて、十分遺漏のないよう折衝をいたしたい。その際には國内だけでなしに、國外の諸情勢をもにらみ合わせてきめたいと思う次第であります。
#59
○島田委員 ちよつと銀行局長に申し上げたいのですが、先ほど西村委員からもお話がありましたが、これに附け加えましてちよつとお願いしたいと思います。それは、この復興金融金庫法が出ましたとき、昨年の委員會におきまして福田銀行局長から、第一條の、どういう目的に、どういうときに使うかということについて、具體的に三つの點をあげておられた。將來日本の基幹産業となるが、育成に日時を要し、さしあたり採算はとれない。將來は採算がとれるのだ。これが一つ、それから第二は、現在設備はもつているが、割合操業度が抵いため收支が困難である。操業度を高めるために、それからもう一つは、貿易再開に處して多少の危險があつても融資する。こういうように三つに分けられてこの金庫の運營について、お話がありましたが、これについて先ほど西村委員が言われたように、この金庫の運營については、いろいろな説が巷間傳えられております。私ども委員としても、かりに世の中に疑惑があればこれを解きたい。そこでこれがどういうふうに運營されておつたか、單に資本金とか、會社の名前とか、理事の名前というようなことでなくどういう用途、目的のために融資したというようなことも、できるだけお知らせ願いたいと思います。
#60
○福田政府委員 昨年委員會において、私が主として三つの點にあるということを申し上げたことは事實であります。しかしながらこれをそういう形體で分類するということはきわめて困難でありますので、これはこの委員會において、中味を一切この委員會にさらけ出したい、かように考えておりますので、よろしくお願いしたいと存じます。
#61
○島田委員 よくわかりました。ただ機械的な分類でなく、今おつしやたように、全部さらけ出していただきたいということをお願いいたしておきます。
#62
○北村委員長 本日はこの程度で散會いたします。
    午後零時四十七分散會
ソース: 国立国会図書館
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