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1947/09/17 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第18号
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1947/09/17 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第18号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第18号
昭和二十二年九月十七日(水曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 島田 晋作君
 理事 中崎  敏君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 塚田十一郎君 理事 葉梨新五郎君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      林  大作君    松尾 トシ君
      中曽根康弘君    細川八十八君
      松田 正一君    島村 一郎君
      周東 英雄君    鈴木 正文君
      苫米地英俊君    井出一太郎君
      内藤 友明君    石原  登君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   愛知 揆一君
 委員外の出席者
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
八月三十日
 元軍馬補充部十勝支部用地の一部拂下の請願(
 高倉定助君外二名紹介)(第三四四號)
 煙草配給制度是正の請願(河井榮藏君紹介)(
 第三九〇號)
 自給製鹽制度存續の請願(福田繁芳君紹介)(
 第四〇八號)
九月十三日
 日精式製鹽窯普及助成の請願(野溝勝君紹介)
 (第四七一號)
 増加所得税額再審査申請即時處理の請願(林大
 作君紹介)(第四八八號)
 新制中學校敷地に官有地拂下の請願(山口好一
 君紹介)(第四九一號)
 望遠鏡等に對する物品税輕減の請願(福田繁芳
 君紹介)(第五五〇號)
 指定海軍航空隊跡敷地魚見嶽地區拂下に關する
 請願(上林山榮吉君紹介)(第五五九號)
 羅臼村所在國有林拂下の請願(伊藤郷一君紹
 介)(第五六五號)
の審査を本委員會に付託された。
八月三十日
 官營事業合理化による低物價政策採用に關する
 陳情書(熊本縣農業會從業員組合球磨分會)(
 第一四三號)
 自給製鹽業務用石炭の搬出許可に關する陳情書
 (佐賀縣自給製鹽組合連合會中原與八)(第一
 五三號)
 企業再建方式に關する陳情書(電氣工業勞働者
 企業整備對策全國會議)(第一八一號)
 戰爭犠牲の公平なる負擔に關する陳情書(富山
 縣海外引揚者協力會會長寺崎治作)(第二一二
 號)
九月十三日
 非戰災特別税に關する陳情書(京都商工會議所
 會頭中野種一郎)(第二三四號)
 勤勞所得税撤廢に關する陳情書(日本都市勞働
 組合同盟兵庫縣連合會結成大會)(第二六一
 號)
 勞働者の生活擁護實施に關する陳情書(北海道
 網走郡美幌町美幌勞働組合長松田仁八外六名)
 (第二六八號)
 埋藏物發掘に關する陳情書(靜岡縣富士宮市大
 宮傳馬町三枝茂三郎)(第二八五號)
 非戰災者臨時課税急速實現の陳情書(長野縣北
 安曇郡松川村瀧澤修之助)(第二九五號)
 各種團體預金等封鎖解除に關する陳情書(茨城
 縣久慈郡町村長會長宮田重文)(第三〇〇號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 大藏省預金部等の債權の條件變更等に關する法
 律案(内閣提出)(第二一號)
 復興金融金庫に關する國政調査承認要求の件
    ―――――――――――――
#2
○島田委員長代理 會議を開きます。
 去る八月二十八日、復興金融金庫法の一部を改正する法律案の審査に關連して、保留いたしました、復金内容の檢討及びその運用等についての調査は、書面をもつて議長の承認を求めたいと思います。この國政調査承認要求書には、調査する事項、調査の目的、方法、期間等を明記することになつていますが、これらの點につきましては委員長及び理事に御一任願えないでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○島田委員長代理 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○島田委員長代理 次に大藏省預金部等の債權の條件變更等に關する法律案を議題といたしまして討論採決にはいりますが、その前に、前囘の委員會におきまして、政府より政府の内容につきまする説明を求めましたにつきまして、本日説明があるそうでございます。政府委員の説明を望みます。
#5
○小坂政府委員 それでは政令の内容について御説明を申し上げます。
 第一は、大藏省預金部等の債權の條件變更等に關する法律第二條によります債務の免除は、大藏省預金部等損失特別處理法第一條による評價の結果、評價損を生じた運用資産にかかる債權に限り、これをなし得ること。
 第二、法第二條による債務の全部または一部の免除は、左の各號に掲げる時期及び金額につき大藏大臣がこれを行うこと。
 第一、地方公共團體または金融機關(以下直接融通先という)から資金の貸付を受けた者が、企業再建整備法第十九條の規定により、その債務を免れたため、直接融通先の有する債權の全部または一部の辨濟を受けることができない場合においては、最終融通先がその債務を免れたときにおいて、その債務を免れた金額に相當する金額。
 第二、その他の場合においては、最終融通先の最終償還期日後六箇月を經過した日において、當日における未償還額(免除の日までの利子を含む)に相當する金額。
 第三、法第二條により、地方公共團體または金融機關が債務の全部または一部の免除を受けようとするときは、あらかじめ書面により大藏大臣に對し、命令の定めるところにより債務の免除の申請をすることを要すること。
 第四、大藏大臣は直接融通先の債務の免除をなすときは、免除の時期、金額その他必要と認める事項を書面により相手方に通知すること。
 第五、第一ないし第四の規定は、法第三條の規定により、第二條の規定を準用する場合に、これを準用すること。
 第六、法第三條の「政令で定める委員會」とあるのは、「簡易生命保險及郵便年金事業委員會」とする。
 なお施行期日の政令案につきましては次のように考えております。
 大藏省預金部等の債權の條件變更等に關する法律第一條の規定及び第三條のうち、第一條において準用する規定は、法律公布の日からこれを施行する。
以上であります。
#6
○葉梨委員 今の説明は朗讀でしかも條文的であるから、これは刷つてでも頂戴せぬと、ただ伺うだけでは内容の見當はつきません、ガリ版にでもしておまわし願いたい。ただ聞いているところによれば、政令の中にまた政令のようなものが出てきたりして非常にややこしくなつている。それはむしろ法律の中に入れて、末端のところは政令に讓る點があるというような程度であれば話がわかるけれども、法律にきめて差支えないようなことが、政令として今お讀みになられた中に出ているように思う。これは刷つたものをひとつ頂戴したい。
#7
○小坂政府委員 刷つたものを配付すべきでありましたが、この政令を説明せよということは、實はわれわれただいま伺つたわけでありまして、そういう御意見があれば、そのようにいたします。
#8
○島田委員長代理 ただいま葉梨委員からの御提案はごもつとでありまして、こちらの方といたしましては、たしか前の委員會において、政令の内容を伺うことになつておつたと思いますが、何かの行き違いのために、本日は政府の方から刷つたものも配付されませんので、これで質疑應答ということは困難と存じます。それでなるべく早く刷つていただきまして、土曜日の前に配つていただくようにしていただきたいと思います。これは次會にいたします。
    ―――――――――――――
#9
○島田委員長代理 なお會計檢査院の一部を改正する法律案につきまして、委員の中からいろいろ保留された質問がございまして、政府の答辯を願うことになつておりますが、本日は政府委員の方がお見えになつておりませんし、まだ質問なさつた方もきようは出席なさつておりませんから、これも次會にしたらいかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○島田委員長代理 ほかに何か御發議ありませんか。
#11
○川合委員 この財政金融委員會は定例日がきまつている、そしてあらかじめ公報をもつて午前十時に集合ということがきまつているにかかわらず、われわれは一時間以上待たされることが多いのであります。本日は十一時になつてようやく自由黨の方が一人見えたというようなことでありますが、このことは記録の上に殘しておいて、今後委員長として各委員に對して極力出席をするように取計らわれんことを希望いたします。
#12
○佐藤(觀)委員 一つ質問したいと思います。地方にまいりますと、到るところ税務署の役人が非常に不親切で、しかもこのやり方が非常に官僚的だ。これはいくら税務官吏を殖やしましても、現在のような實情では絶對に税金を納めぬというような聲が非常に高いのであります。税務官吏に對する監督、そういう點についてどういうふうにお考えになつておるか、御説明いただきたい。
#13
○小坂政府委員 實は私もときどき地方へ出まして、そのたびに税務署を視察しておりますが、まず感じますることは、税務署員の厚生施設というものがまつたくないことに驚かされる。具體的に申しますと、税務署長が人の二階に借り合わしておるというのがほとんど大部分であります。なお署員について見ましても、年齢の若い者が多い。これからの税務行政というものは、國家の財政の一番大きな部面とも言えるような重要な役割をしておる次第でございますので、この現状に鑑みまして、私どもはまずこの税務官吏の待遇をできるだけ改善したいというように考えております。さらにただいま御指摘の税務官吏の質の問題でありますが、これらについても極力改善するようにしたい。現在勤めております税務署員については財務講習所、あるいは高等財務講習所のような、特別にこれを教育するような機關をつくり、さらにまた大學にしばらく留學するような制度を設けて、これが改善をはかつておる次第であります。なおいろいろ今後役所により繁閑の度合が變つてまいります。特に暇になつたような役所で有能な人がありますると、これをできるだけ多く税務署の方に迎え入れたいというようなことを考えて、大臣が個人的に折衝しておるような次第であります。何にしても私どもとしては税務署の數を殖やして、できるだけ多く國民の所得にタツチする機會をつくるようにしたいと思います。これと同時にただいま御指摘の點はまことにごもつともであつてこの税務官吏の質的内容の向上と同時に、待遇の向上、そういう方面に極力意を用いたいと考えております。
#14
○佐藤(觀)委員 それに關連して今一つ御質問したい。御承知のように今の租税を納める上におきましても、まじめにやつた人が非常に税金を納め、不まじめな人が結局脱税をするというふうに、一般の國民が、課説をされることに對してではなくて、税金を納めることの不公平なことに對して、非常に不滿をもつております。そういう點について政府はどういうふうにお考えになつておりますか。
#15
○小坂政府委員 これまたまことにごもつともであります。われわれとしてはできるだけ多く民衆にタツチする面を擴げて、所得を現實に把握していくような方法をとりたい。この面から税務署の數の増加、税務署員の員數の増加等も考えております。今御指摘のような點がどうもあるというふうに私ども思われるのでありまするが、ただいまのところ税法に違反したために、特に嚴罰を受けたような例はあまりないのであります。われわれはこの際一つそういう面を取り上げてみる。國民の非常に大きな義務である租税の納入を怠つた特に著しい者については、嚴罰に處したいというようなことも考えております。なお特に著しい脱税者があるような場合には、できるだけ多くの人からの通報制等も考慮したいという考えであります。
#16
○林(大)委員 今の税金に關連したことで、昭和二十二年四月に決定された増加所得税についてでありますが、これの課税の基礎があまりはつきりしていなかつたということ、實質調査はほとんど行われずに確實な資料なしにやらざるを得なかつたという状況があつたようであります。從つてこれに對する訴願がずいぶん出ておるようであります。ところがこの訴願に對して、殊にこれは田舍の税務官吏だと思いますが、一度きめた税額に對して、胸襟を開いて相談に乘つてきめようという態度がほとんど見られない。一たんきめたものはしやにむに通していく。最近の世情から言うと、訴願したら一應拂わずに突つ張つていこうという状況が見られるのであります。課税する方も納税するつもりで課税しなければいけないと思うのでありますが、納税する方としても納得がいかなければ納税ができないという、どつちもどつちという状態になつておるようであります。それでやみ成金ならばさておき、田舍の殊に都會地から離れておるところの、餘剩利得の少い農家などにあつては、この超過所得がかなり大きな數字をかぶせられて、日夜非常な懊惱悶苦を續けておるという状況が、實際の例として多々見られるのであります。それでこの状況はいわゆる苛斂誅求ということに、形式的にもなつていくというのは、民主政治として非常におもしろくないことである。だから訴願などの起つた場合の處理方法を、ここで迅速かつ親切にやり、そして税務官吏が責任をもつて解決していき、上司に對しても忌憚のない意見をはいて、そうして納める者にも氣持のよい納得のいく納め方をさしてやるという途を、上の大藏省の方からはつきりと、こうする、こうしてやれというような指導の仕方をぜひしていただきたい。私は數種の例をもつておるものでありますから、特にこのことをお願いしておくと同時に、どうおやりになるつもりであるか、御意見を承りたいと思います。
#17
○小坂政府委員 御指摘の點は私においても同感であります。租税についてはこれが合理的な基礎の上に立ち、とる方もとられる方も、それぞれが納得した形においてやることが理想でありますが、これはやはり全般的な戰爭後の不健全な國民心理という、なかなか多くの見逃し得ない面をもつておるのであります。この面とどういうふうに調和させるかといふことは、非常に重大なむずかしい問題であると思います。それで私としてはこのほど行政監察委員會というのができて、これは民間の委員も出ておられますが、これらの委員ともよりより相談しておるのであります。また役所の内部におきましても、今御指摘の點はいろいろと議に上つております。われわれとしてはできるだけ無理のない方法で、十分に今お話のような點が遂行できますようにいろいろと考えております。その裏づけといたしまして、先ほども申し上げました税務官吏の待遇の改善といふことも、やはり取上げていかなくてはならぬと思いまするが、一方におきまして、今申し上げましたような趣旨で寄り寄り考究しておりますから、次第に改善されていくというふうに考えております。
#18
○川合委員 私は主税局長がおられるときに質問するつもりでおつたのでありますが、ちようど今お話が出ましたので、關連してお尋ねすると同時に、私の實際の見聞に基く意見を申し上げたいと思うのであります。
 第一に、税務署の違うことによつての課税の決定の不公平という問題であります。それは、若い、いわゆる有資格の收税官と言いますか、所長が、初めて任官されてきたといつた場合においては、純理的に行う。そうではなくて無資格者が、收税官となつた場合においては、可なり彈力性のある處置をとるということは、實際であり、かつまたこれはわれわれが一番問題とするに足る點であります。從つてかような點に關しまして、これを最も公正に行うように指導するのが、地方財務局長の任務だろうと思うのであります。ところが、私の濱松は、御承知の通り田代君という二十七になる若い所長でありまして、かなり嚴重にやつたようであります。田代君のやつたことは、個人的にもおつきあいしますから、私は支持をいたしますが、しかしその隣りの岩田税務署の署長のやつたことは、かなり寛大であるということであります。かようなことはごく狹い範圍においてもあるのであつて、全國的に相當に問題とすべきものがあるだろうと思うのであります。從いまして、大藏本省としては、各地方財務局に對しまして、税務署長の經歴、あるいはまたいろいろな環境によつて違わないように、どこまでも公正にやるように、指導を徹底化してもらいたいと思う點であります。
 もう一つは、これは徴税技術の問題とも關連するのでありますが、濱松の人たちが、田代君の嚴重なる徴税によつて、本店を東京に移す、いわゆる最近のやみ屋が多いのでありますが、しかし正當に商賣をしておる連中でも、本店を東京に移すことによつて相當違つてくる。と申しますのは、百萬圓の會社は濱松ではずいぶん目につく會社である。ところが東京都に本店をおいた場合に、これが大した會社でなくなるから目こぼしになる。われわれの耳にはいつた範圍においては、東京都の日本橋税務署管内が一番寛大であるという定評があつて、本店を續々と濱松から東京の日本橋管内に移すということであり、また事實移しております。最近大藏省が、徴税機構の改革に伴つて、日本橋税務署管内の範圍をかえたように私は新聞で見ておりますが、このことはさもありなんことでありまして、同時に、われわれは、やみ所得の追及という點において、地方はそういうふうなことで割合に網が細かくいく、しかも大都會の方は網がともすれば大きい、從つて徴税機構を改革して、税務官吏の質的な充實を期すというような場合において、これを地方と都會とが同一になつてくるように、重點をそこに指向していくということが必要ではないかというように思うのであります。それから同時に、私は社會黨の一員として、社會黨自身が、いろいろな税收入の増加というのがある、その税收入の増加が政治の面から漸次行政の面にはいつておる。そういつた面において、社會黨の現在の税收入の増加というのは、まだ若干の缺ける點がある。それはもつと行政技術、あるいはまた徴税技術という面に、具體的に社會黨の政策が指向されなければならないというように考えております。そういう見地から、私はひとつこういう問題を事務的に考えると同時に、事務的な集積を通して一つの政策の樹立ということを考えるのでありまするが、私は、そういうような觀點から、私のところの濱松の税務署長に、いろいろと教える、というと語弊がありますが、いろいろなことを言つておるのであります。その一つの方法といたしまして、われわれはやみ所得を追及する具體的な方法として、盛んに長距離電話が使われておるから、從つて長距離電話の使用先に對して、極力それを目標に追及をやれというようなことを教えております。もちろんその點に關して、私の事務所でも始終長距離電話をやつておりますが、そういうのは具體的に考慮しろということを言つておりますが、現在御承知の通りやみ屋というのは、電話によつてやるのが非常に多いのであります。今までは、鐵道關係、主として通運關係を見れば、やみ物資の動きというものがかなりわかつたのでありますが、最近では祕密トラツクで主として營業車でない自家用トラツクを使つてやるというようなことが一般にやられておるのであります。そういうようなことに對しまして、今後ますます實際のやみ所得の實態を把握するよう、徹底的な指導を願いたいということ、それからもう一つは、これは主として増加所得税の場合に問題になるのでありますが、増加所得税の場合において、各種の組合を税務署が動員したようであります。これは一應徴税方法としては首肯せらるべき方法ではありますけれども、實際においてこの組合の首腦者というものが地方のボスであり、そうしてこの増加所得税の問題をめぐつて、税金のブローカーが相當發生したのであります。現に私の選擧區内におきましても、縣會議員に立つた人は三十萬圓以上の金を税金ブローカーによつて儲けておるというようなわけであります。そのことは先ほど佐藤君及び林君からも話があつたように、増加所得税の課税の標準というものがない。しかも實態の把握が困難であるという關係から、その組合を利用する。そこでまた泣きつかれるというようなこと、そういうようなことで、相當に、いわゆる政治的取引によつて課税がせられたという事實はこれは私も存じておるし、また私自身もそういうようなことで、税務署に依頼に行つたこともあるようなわけであります。そこで私は、そういうような組合なりあるいは團體というものが利用されることは非常に結構であろうと思います。まして、先ほど次官からお話があつた通報制度というものが、日本人の心理からなかなかこれは效果をあげることは困難であるように思われますので私はそういうような組合あるいは團體というものを、極力利用されることは望ましいけれども、しかしながらそういうような組合あるいは團體のボスの意見のみによつて行われるということは、非常に危險性をもつておる。事實そういうようなことがあつたわけであります。ボスによつて偏頗な答申が行われておるということがあります。そこでなるべく、そういう場合におきまして、大衆討議にかける、あるいはまた組合全體にそういうことを周知徹底せしむるようなことを、税務署においても取計らつてもらいたいということを希望したいのであります。どうか、そういうようなことを實際の場合においてわれわれが目撃しておりますので、これがほんとうの意味でのやみ所得の追及、あるいはまた税收入の増加に及ぼす影響力は、けだし至大なるものがあるだろうと私は思うのであります。そういう意味で、ひとつ徴税機構の擴充、あるいはまた税務官吏の質的な向上という面とにらみ合わせて、實際の運用に最善を期してもらいたいということを、この機會に意見として申し上げておきます。
#19
○小坂政府委員 非常に有益な御意見であります。税をとります場合には、もちろん私もただいまのお話のこととまつたく同樣に考えております。全體の構成から見まして、まず税を科學的にと申しますか、資金の撒布される面を追うて、そうして政府から撒布された資金がどういうふうにまわつていくかということをブレースしてまいりますれば、それがどの方面に多く集積されるかということも大體わかるわけであります。その道に沿いながら、さらに末梢の徴税技術の上にまで及ぼして、すべて税務の實際を科學的な體系の上におくということを考えております。まつたく有益な御意見だと存じます。さらにその場所々々によつて、いろいろ徴税の程度が違うようなことになりますのは、ゆゆしき問題でありますので、さような點は十分注意いたしたいと思います。
#20
○林(大)委員 先ほどの私の質問の續きでありまする、が四月の増加所得税のごときは、とにかく迅速に處理をして、そうして安心して正業につかしてやるということが要點であろうと思います。從つてたとえば地方の税務署は何月末までに一つ片づけろ片づかぬものは財務局へ案件をもつて出ろ、何とかいうように區切りをして、なるべく早く片づけるように御盡力を願いたいと思います。それでとにかく納税者の不安状態を早く一掃するような、期日を切つた御處理を要望するものであります。
#21
○小坂政府委員 御指摘のように期日を切つてやるように大體方針を定めております。なおいろいろ具體的な例につきましては、直接承りまして善處していきたいと思つております。
#22
○葉梨委員 私は金融關係のことについて當局の御意見を質してみたいと思います。それは本委員會におきましては、當然金融上の政府の處理の變化のある際には、本委員會にお諮りあつて變更なさる建前であろうと思います。最近金融上の措置としまして緊急な處置は、水害對策に對しまする金融措置が各種行われておることを承知いたしております。しかしその後における今囘の關東大水害等の状況、金融上の措置の變更は、相當廣範圍に行わなくちやならぬようになりつつあるのではないかと思います。從いましてこの際東北水害に對しまする金融上の措置、竝びに今囘の關東大水害に對しまする金融上の措置、これらに對しまして當局は方針を決定しておるかどうか、決定しておればその内容はどういう内容をもつて臨もうとしておるかということにつきまして、本委員會に承認を求められるように詳細御報告があつて、そうして本委員會の議を經るように措置せられたいと思います。
#23
○小坂政府委員 葉梨さんの御意見にお答えいたします。われわれとしては當然御承認を得なければならぬと考えております。ただ東北地方の水害に關しましてはその規模がきわめて廣範であり、また災害が深刻でありましたために、これに關する特別委員會が形成せられましたものですから、それに實は休會の直前まで引張られておりまして、今日は休會後の最初の財政金融委員會であります。この機會をお與えくださいましたことを感謝いたしております。一應われわれが東北水害に關しました措置について、大略をお話し申し上げて御承認を得たいと思います。なお今後の問題といたしましてきわめて緊急で、こちらに事前にお諮りする暇のない場合は、あるいは事後に御承認を得るという場合にもなるかと思いまするから、その點あらかじめ御了承を願つておきたいと思います。この最近の水害の頻發というのはまことに憂うるべき事柄でありまして、申し上げるまでもなく戰時中に非常に無計畫に濫伐し、戰後も燃料あるいは石炭等の不足のために、これを伐採し、あるいは薪炭とする量が非常に多く、炭のごときが工業用の燃料に使われておるというような現状でありまするので、きわめて短時日のうちに急速に伐採した。それも山奧の方へ手が伸びないで、里に近い方の伐りよいところから、無計畫に伐つていつたというような點が、非常に原因になつておると思うのであります。まことに憂慮にたえない状態となつております。東北地方の水害に關しましては、御承知のごとき規模のものでありましたので、大藏省といたしましても早速これが金融について考えなければならぬというので、實は大藏省としては初めての措置をとつたような次第であります。これは大體閣議におきまして財政の支出のわくを定められましたならば、そのわく内において特別融資をしようということにいたしたのであります。今までとりました措置をここに御報告申し上げますれば、まず八月二十一日に藏銀第七百三十五號によりまして、第一囘の融資斡旋方を通報いたしたのであります。これはさらに續きまして八月三十日に七百五十七號によつて通報され、さらに九月六日に七百九十三號、この三囘にわたりまして融資の通報をいたしたのであります。さらに詳細にわたりましては、こちらに銀行局長がおりますから、銀行局長から御説明することにいたします。
#24
○愛知政府委員 ただいま政務次官から御説明いたしましたことに關連しまして、風水害の金融對策につきましては、金融對策といたしまして閣議の了解を得まして、八月二十一日に大體次のような根本方針をきめたわけでございます。
 その第一は、災害復舊のために國庫から支出される補助費がございます。それから府縣の負擔する災害復舊費がございます。その合計金額の範圍内で必要な金額を限りまして、その補助費が現實に支出されるまでの間におきましても、普通銀行等から一時つなぎ資金を融資をするということにいたしたわけであります。そうしてこの融資につきましては金繰りの問題もございますが、できるだけ地方銀行等の自己資金によつていただきたいということは當然でございますが、やむを得ない場合には、日本銀行において資金の斡旋または供給をやるということに方針をきめたわけでございます。
 それから第二は農機具、肥料等、農業生産用品の購入資金につきましても、やはり同樣でございますが、各地方の農業會等から必要に應じまして一般の方法によつて融通をする。この農機具、肥料等の生産用品の購入につきましては、その購入自體について、農林省においてやはり非常の措置を竝行的に考えておられるようでありますが、それと相竝行いたしまして、資金の方は便法を講ずることにいたしたわけであります。たとえば農業會等が融通の資金に不足をいたしております場合は、農林中央金庫から資金の供給をする。それから農林中央金庫が資金に不足をいたしますときは、日本銀行において資金の斡旋または供給を考慮する。いずれも第一に申しました一般の補助費のつなぎの資金、それから農機具、肥料等の關係の資金も、結局は日本銀行において尻をもつということを決意いたしまして、その旨を早速各地方廳、それから大藏省といたしましては日本銀行、財務局地方部等に早速通知をいたしまして、これは便宜の措置で、電話等によつてできるだけ早く各地に徹底するような措置を講じたわけでございます。先ほど政務次官から申しましたように、第一囘がそういうわけで二十一日に閣議の了解を得て先月通知を出しまして、さらにそれに追かけまして八月三十日、それから本月にはいりましてまた追かけて、うまくいくようにという斡旋の指令を出しているような状態でございます。ただここにおことわりしておきたいと思いますのは、何分相當應急の措置でございましたために、各地方等におきまして、こういうことになかなか慣れておらぬ場合もございますので、たとえば私のただいま承知いたしておりますところでは、岩手縣のごときでは、なかなかこういうふうな思い切つた措置が現地においてとりにくかつたような事情は承知いたしております。その間の状況等については、先般も東北六縣の知事の方々とも、大藏當局としても御懇談いたしまして、過去にきまつた分でまだ出ておらぬ分の融資の促進その他について、お打合せをいたしたような次第であります。
 それからもう一つ附け加えておきたいと思いますのは、府縣の負擔になる分については、縣會等の議決を必要といたしますが、その議決がない場合には一體どうなるだろうか。大體縣當局の計畫、補助費その他豫算はございますが、それが縣會等でいかに相なるかということについて、多少銀行方面で縣念をもつた向きもあるのであります。たまたま縣會の開會中でありましたところは、きわめて迅速にいつたようでありますが、そういう關係で遲れたところもあるように承知いたしております。それからなお個人の關係については、水害の被害を受けた場合には、とりあえず第一封鎖をもつております場合には、世帶主に對しては五千圓の自由支拂をただちに認めるように金融緊急措置令の上でも手配いたしたわけであります。
 以上申しましたことは大體今囘の水害についても、少くとも同樣の措置が必要と考えております。ただ、水害全體の規模、國庫及び府縣の負擔等の外貌だけでもきまりましたならば、早速こういう方法を具體的に講じたいと思います。ただいままでのところでは、まだそれがきまつておりません。これは今明日中にでも外貌がわかり次第適切な措置を講じたいと思います。
#25
○葉梨委員 ただいま銀行局長の御説明によりまして大體の措置をとられた經過は了承いたしましたが、今囘の災害についても同樣の措置をとる方針であるという御答辯でありまして、これは一兩日中に全貌がわかり次第ということでありますが、個人の災害等に對する第一封鎖等の個人五千圓の引出しの措置等については、全貌がわかる、わからぬにかかわらず、ただちに指令を出されてしかるべきものじやないかと思うのであります。
 なお復舊補助費、あるいは縣費による事業等に對しまするつなぎ資金の提供、あるいは農機具、その他農業に要する復舊資材に關しまする融資というようなものは、全貌がわからないということは、融資限度の指令を出すことにお困りの關係からじやないかと思います。大體限度を東北六縣はどういうふうに割當ててやられたか、あるいは關東の今囘の水害についての全貌がわかり次第限度額はきまることだと思います。速やかにこれを表示しまして、本委員會に至急御報告を願いたいと思います。個人の面に對します指令は、速やかにお出しを願つたらいかがかと存じます。
#26
○小坂政府委員 ただいま銀行局長から申し上げましたのは、御想像の通り大體の規模が判明いたしませんと、個個の具體的な事例に對する處置がとりにくい、こういう意味で申し上げた次第でありまして、大網といたしましては同樣の措置をとるわけであります。御指摘のように個人關係のものでありますが、世帶主五千圓、さらに一人當り千圓という第一封鎖の解除につきましては、その措置をとるように決定いたしたいと思つております。これは併せてこの機會に御承認を得ておきますれば、一層好都合であります。
#27
○島田委員長代理 別に御發議はありませんか。ではこの程度で散會いたしますが、實は先ほど川合委員からこの財政金融委員會の重大性に反しまして、なかなか出席率が悪く、この通りでございまして、非常に遺憾であるというような御發言があり、委員長からも嚴重に出席率をよくするような措置をとつてくれという、非常にごもつともな提案がありましたので、どの黨というわけではございませんが、どうかお歸りになりましたならば、理事の方は出席率をよくするようにお取計らいを願いたいと存じます。いろいろ御事情もありましようけれども、こういう財政金融的な非常に重大な局面におりますので、お互いに勉強して、この委員會の成果をあげたいと思います。どうぞ御了承を願いたいと思います。
 本日はこれをもつて散會いたします。
    午前十一時四十九分散會
ソース: 国立国会図書館
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