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1947/09/20 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第19号
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1947/09/20 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第19号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第19号
昭和二十二年九月二十日(土曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 北村徳太郎君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
 理事 梅林 時雄君 理事 早稻田柳右ェ門君
   理事 塚田十一郎君 理事 葉梨新五郎君
   理事 吉川 久衛君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      林  大作君    松尾 トシ君
      後藤 悦治君    原   彪君
      松田 正一君    泉山 三六君
      島村 一郎君    苫米地英俊君
      井出一太郎君    内藤 友明君
      石原  登君    相馬 助治君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   愛知 揆一君
        法制局次長   井手 成三君
 委員外の出席者
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 大藏省預金部の債權の條件變更等に關する法律
 案(内閣提出)(第二一號)
 會計檢査院法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第三八號)
#2
○北村委員長 會議を開きます。
 前囘大藏省預金部等の條件變更等に關する法律案に關連しまして、政令の内容についての説明がありましたが、これに對して質疑はありませんか。
#3
○葉梨委員 事務當局の説明を聽きたいと思います。
#4
○北村委員長 政令の内容について、もう一度大藏當局より御説明願いたいと思います。
#5
○愛知政府委員 お手もとに配付してございます政令について御説明を申し上げます。議題になつておりまする法律案は、大藏省預金部等の債權の條件變更等に關する法律案でございますが、そのうちの法律案の第一條につきましては、政令に規定しておるものはございません。
 第二條につきまして、大體政令案になつておりますのは、第二條を中心にするものでございますが、その第一點は、政令の要綱案のうちの第一の規定してある分でございまして、この法律案の第二條は總括的に申しますと、預金部が公共團體または金融機關を通じまして、第三者に貸付けました貸付金の免除に關する規定でございますが、これにつきまして、政令安要綱の第一は、免除をなし得る場合は、直接貸付をなした場合と同樣に、同じ評價基準によつて評價をいたしまして、評價損を生じた場合であるかということが規定してあるわけでございます。いま少しく詳しく申し上げますと、法律案の第二條によります債務の免除は、大藏省預金部等損失特別處理法第一條による評價の結果、評價損を生じた運用資産にかかる債權に限つてこれをなし得ることとございますように、さきに前議會におきまして、金融機關等の處理と竝行いたしまして、大藏省預金部等損失特別處理法というのが、議會の議決を經て制定いたされたわけでございますが、その法律案の第一條によりまして、預金部の損失特別處理につきましても、金融機關經理應急措置法に定める指定時における預金部資金に属する運用資産を評價するということになつておりますので、一般の金融機關と同樣の評價基準によりまして、評價いたしました結果、評價損を生じたところの運用資産にかかる債權に限つて、これをなし得るということに相なつておるわけでございます。
 それから要綱案の第二の點でございますが、要綱案の第二は免除をなし得る金額は、轉貸いたしました先が、企業再建整備法等の法律によりまして、債務を免れた金額に限るということを規定したわけでございます。いま少し詳しく申上げますと、法律案の第二條によりまして、債務の全部、または一部の免除をなし得る場合は、次に掲ぐる時期及び金額について大藏大臣がこれを行うということになつておるのでありますが、その第一といたしまして、地方公共團體または金融機關、これらがいわゆる直接融通先でございます。それから第三者すなわち最終融通先に貸付ました際に、その最終融通先が企業再建整備法第十九條によりまして、債務を免れる場合があるわけでございます。この企業再建整備法の第十九條によりまして、さらに他の應急措置法その他の法律が援用されておるわけでございますが、それらの一般的の基準によりまして、債務を特定會社等が免除を受ける場合がございますが、その債務を免除されました場合に、その債務を免除された場合のそれに相當するものが、この法律案及び政令案によりましても、免除を受け得るということに相なるわけでございます。
 それからその次にやはり政令案の第二につきまして、その免除をいたします場合、最終融通先の最終償還期日を六箇月を經過した場合というのが、その他の場合として要綱案の第二の二に規定されておるわけでございますので、その場合におきましては、最終償還期日後六箇月を經過した日におきまして、その日における未償還額に相當するものが、債務の免除額ということに相なるわけでございます。
 それから政令案の要綱の第三は、法律案の第二條によりまして手續が規定されているわけでありますが、法律案の第二條によりまして、公共團體なり金融機關が債務の全部または一部の免除を、以上列記いたしましたところによりまして受けようとする場合は、あらかじめ書面によつて大藏大臣に對して債務の免除の申請をするを要するということが規定されてあるわけでございます。この場合命令の定めるところでございますが、これは免除申請の場合の書類の樣式をきめようとするものでございまして、實體的な規定を命令に讓らんとするものではございません。
 それから政令の要綱案の第四はここに書きました通りでございまして、大藏大臣が以上によりまして申請がありまして、それに對して債務の免除をなします場合は、その時期、金額その他必要と認める事項を、書面によつて相手方に通知しなければならないということを規定いたさんとするものでございます。
 それから次に第五でございますが、第五は法律案の第三條によりまして簡易生命保險及び郵便年金特別會計法による積立金の運用による資金の融通によつて生じた債權につきましては、法律案の第一條、第二條が準用されることになつておりますが、その準用される場合におきましては、諸般の手續はやはりこの政令の要綱案に規定されたそのままをここに準用せんとするものでございます。
 それから要綱案の第六には、簡易生命保險、郵便年金特別會計法に關する部分につきましては、政令に基いて定める委員會できめる預金部運用委員會の代りに、この簡易生命保險及び郵便年金につきましては、それらの政令に定められました委員會がございますので、それを政令で指定しようというわけであります。
 それから最後に施行期日の政令がございますが、法律案の第一條の規定、それから第三條の中で第一條が準用される規定がございますが、これらはすべて法律公布の日からこれを施行することに相なるわけでございます。第二條及び第二條關係のその他の部分は、先ほど申しましたように他の法律、すなわち大藏省預金部等損失特別處理法等の施行によりまして、その施行の期日に當然に施行されるということになるわけでございます。以上の通りでございます。
#6
○北村委員長 これに關する質疑はございませんか。別段に質疑は出ないようでありますから、質疑は全部終了いたしたものといたします。討論採決にはいりたいと思います。討論にはいります。島田君
#7
○島田委員 この大藏省預金部等の債權の條件變更に關する法律案につきまして修正案を出したいと思います。修正案の内容は、第一條を次のように改める「預金部資金の融通を受けた者が、災害その他特殊の事由に因り、元利金の支拂が著しく困難となつたときは、大藏大臣は、預金部資金運用委員會の意見を聽いて、公共の利益のため必要があると認める場合に限り、その融通條件の變更又は延滯元利金の支拂方法の變更をすることができる」これは第一條そのものの修正でありません、文章の修正でありまして、かように修正した方が誤解もなく、一般大衆の理解しやすいという趣旨のもとに修正したのであります。
#8
○北村委員長 島田君に伺いますが、それは各派共同提案ですか。
#9
○島田委員 そうです。
#10
○北村委員長 ではこれより採決をいたします。各派共同提案の修正案に贊成の諸君の起立を求めます。
    〔總員起立〕
#11
○北村委員長 起立總員、よつて修正案は可決せられました。
 次に修正部分を除いた原案について採決いたします。これに贊成の諸君の起立を求めます。
    〔總員起立〕
#12
○北村委員長 起立總員、よつて本案は修正議決せられました。
    ―――――――――――――
#13
○北村委員長 次に會計檢査院法の一部を改正する法律案に對する質疑はありませんか。
#14
○石原(登)委員 法制部の方に參考にちよつとお尋ねしたいと思いますが、今國務大臣竝びに國務大臣と同等以上の給與を受けておるような官職にある種類を一つお聽かせ願いたいと思います。
#15
○井手政府委員 ただいま國務大臣の俸給は、國務大臣としていくらという規定がありませんで、三級事務官の一番下の方からずつと上まで一本の俸給表をもつておりまして、具體的には現在官吏全員につきまして一本の俸給表になつております。私どももその適用を受けておるのでありまして、國務大臣、總理大臣も同樣でありまして、總理大臣はその中の最高の三十四號俸というものを受取つております。これは月額三千圓であります。一般の國務大臣は三十三號俸二千五百圓の月額を受取つております。これは現在の物價事情等から見まして非常に低きに失しますので、近くこれに對して改善し、國務大臣はむしろこういう一般の俸給表に、具體的に當つてはめていくというのでなく法定したいというような考えで、目下その準備に進んでおるのであります。從つて現在國務大臣と比べて具體的にどうかということは、ちよつと説明しにくい場合があります。たとえば會計檢査官は現行法でも五萬圓となつております。總理大臣は先ほど申した三千圓の十二箇月分といたしますと三萬六千圓ですから、總理大臣よりも檢査官の方が現在でも高いということになりますので、今の御質問に對して端的なお答えにならないかも知れませんが、大體のことがわかりますために、總理大臣、國務大臣と比較できるものを一つ列擧してみたいと思います。最高裁判所の長官が内閣總理大臣と同額になつております。從つて近く總理大臣の俸給が決定されますと、それと同額になります。次に最高裁判所判事が一般の國務大臣と同額になつております。それから先ほど申した檢査官が現在において五萬圓でありますから、國務大臣より高くなつております。それから公正取引委員會の委員長が年額十一萬圓となつております。これはわれわれが今豫想しております國務大臣あるいは總理大臣の俸給に近いものとなつております。公正取引委員會の委員長でない委員が九萬圓となつております。それから兩院議長が月額七百圓、副議長が五千圓、ほかに通信費が多少あるというような例がまず國務大臣より高い、もしくはこれと同額というようなものでありまして、各省次官よりは高いが、國務大臣よりはやや低いというのが、高等裁判所の長官、それから檢事總長などがその邊に當つております。
#16
○石原(登)委員 ただいまの高等裁判所の長官とか、あるいは檢事總長のいわゆる給與の方法において、その表現がどういうような用語でありますか、たとえば國會議員の場合は、一般官吏よりも少なからざる俸給というような表現を用いてありますが、高等裁判所の長官とか、あるいは檢事總長、さらに公正取引委員會の委員長、こういうような人達を、わかつておりましたら承知いたしたいと思います。
#17
○井手政府委員 今法文を手許に持ちませんので、必ずしも表現がぴたつとはまつているかどうか疑問ですが、大體記憶いたしておりますところを申し上げますと、高等裁判所長では各省次官より高く國務大臣よりも低い範圍で、最高裁判所がこれを定めるというように書いてあると記憶いたしております。それから檢事總長になりますと、國務大臣の額につぐものとし、内閣でこれを定めると書いてあつたと考えております。大體これくいなところであります。
#18
○石原(登)委員 速記を中止してください。
    〔速止中止〕
#19
○北村委員長 速記をはじめてください。
#20
○石原(登)委員 さような次第でありますので、私どもは今囘この會計檢査官の俸給を決定するにあたりましてし、先般も質問をいたしまして、法制局の御説明も聽きましてその趣旨もよく了承できるのでありますが、ただ一つ私ども懸念いたすことは、新しい國民の總意できめられた國會議員の地位であります。この國會議員の地位が、これまでどちらかと言いますと官僚の擡頭、あるいは軍閥の横暴によりまして非常にゆがめられて、まつたく無氣力な國會になつてしまつた。この結果今日の容易ならざる日本の状態を招來したと思うのであります。事實的に考えてみましても、政府自身に非常な國政的な大權が委讓された。この權力のもとには、いろいろな畫策が安易であります。いわゆる權力のもとには、今度は非常な利權もつきまとうのでありまして、今日國會議員の地位は非常に上昇したとは言われながら、その實質的のものはまだまだこれからだと私どもは考えている。こういうときにおいて國會議員のいわゆる地位を技術的にはかるのが給料であり、これがバロメーターだとすれば、事實的に上位だというような者が次から次へと出てくる。私どもは新憲法の趣旨から考えても、國權の最高機關である國會議員より以上の地位が與えられるはずはないと思つておる。それにもかかわらずいろいろなものが出ておる。ただいまお話があつたように、最高裁判所の長官はともかくといたしましても、公正取引委員會の委員長とかいうものは、どういうような權能があり、どういうような事情があつて國會議員よりも上位の地位が與えられなければならないか。たとえばただいまの會計檢査院の檢査官にしてもさようであります。私どもはこの仕事の内容から考えまして、十二分に經濟的の安定性を與えるといふことについては、決してやぶさかではないのであります。むしろ進んで何らかの形において經濟の安定を保持し、そうして公正なる公務の遂行ができれば、これに越したことはないと思うのでありますが、そういうことを考えました一方において、憲法の根本精神が破壊されていくようなことが現われて來ますならば、これは安易ならざる問題だ、かように考えるわけであります。これは私ども國會議員自體の、いわゆるみずからに對するところの一つの自覺であります。この自覺を高揚するとともに、國民全體がわれわれを代表として選んだところの議員の優位に對して、これまた相當以上に認識をさせなくてはならない。かようなことは、すなわち民主主義でやる。すなわち國家主權が國民にある建前をとつておりますところの國民に、あなた方の考え方というものが、一番國家の中で尊いのだという考え方を徹底させる上におきましても、間接的な存在であるところの役人の方に、國民の代表者たちより以上の國家的待遇を受ける者があつてよいのかどうかということを深く憂うるものであります。先般も詳しく當局者の事情を聽いたのでありますが、その間の問題に對して、私は技術的に相當優遇の方法も考えられると思いますので、この「檢査官の受ける俸給の額は、國務大臣の受ける俸給の額に準ずる額」というような表現のこの法案の改正に對しては、にわかに贊成はいたしかねる。さらにこれだけでなしに公正取引委員會その他最高裁判所、こういうものに對しても將來根本的に、新憲法の趣旨においていま一度ねり直していただきたいと考えておるものであります。
#21
○井手政府委員 ただいま御意見をありがたく拜承いたしました。問題が二つあつたように存じます。この檢査官自體の俸給が國務大臣に準ずるというのはどういうわけか、理解できないじやないかということと、もう一つは國會議員の歳費というものとの均衡において、いろいろ多額の俸給をもらうような官吏をつくるということはどういうことであろうかというような二點と伺いました。その第二の國會議員の歳費とたとえば公正取引委員會の委員の俸給との問題、檢査官あるいは今囘提出しておりまするところの國家公務員法の人事官との俸給というような關係でありますが、議員の歳費というものの性質と、それから國家公務員の受ける俸給というものの性質とは、そこにおのずから差があろうと思うのであります。
    〔委員長退席、早稻田委員長代理著席〕
その高い低いによつて國政に寄與しておる程度とか、あるいは國政における責任とか、あるいはまた國家の公の地位において秩序、順序がつくというような考え方は、私はにわかにとることはできないと思うのであります。歳費というものがいわゆる俸給ではない。もつと違つた性格のものが加味され、あるいは違つた立場が根本になつてできておるものだろうと思いますので、歳費の額によつてその地位が上になり下になるというような考え方で、私どもは官吏の俸給をきめていくことは間違いであろう、公務員は公務員の方で、職責を達していくのに必要な報酬を與えるということの見地からきめていきたい。おのずからそこに、しかし他の一般の社會のいろいろ賃金事情とか、あるいはまた他の手當とか、歳費という多種類のものとの均衡ももちろんございますが、それと必ずしも同じわくの中で考える必要はないであろうと考えておる次第であります。それから、公正取引委員會の委員長が十一萬圓で、取引委員會の委員が九萬圓、現在國務大臣が三萬六千圓、これは實はその擔當しておる職務から見まして、非常に私どもも不均衡だと自覺いたしております。從つて近く國務大臣、内閣總理大臣の俸給につきましては、十分にこういう點も考えて善處したいと思つております。しからば國務大臣に準ずるくらいの俸給を出すのは、どういう程度のものかということになりますが、一般の公務員は最高の地位にある國務大臣の下で、その指揮を受けて仕事をしておるのでありますから、もちろんそれより下級におかるべきたと思いますが、いわゆる行政の中の執行部面が非常に強い、これがある種の日本の民主化に對してどうであつたろうかというような批判もあるくらいでありまして、行政府の行政擔當に對して國會が最高の基準を定め、そうしてこれを指導監督すると同時に、その豫算の實施、會計の經理につきまして、全然獨立の立場からこれを審査せしめるという會計檢査院の職務は、憲法も非常に重視しております。そこにおります、それを構成しまする檢査官は、非常に高い權威のある地位である。從つて國務大臣と對等の給與を與えるということを私どもは必要と考えて、これに準ずる額と書いた次第であります。公正取引委員會の委員長その他の者は、これはまた民間から非常に重要な人を連れてきて、いわゆる獨占禁止法の運用にむしろ全權をもつてあたるというような立場でありますから、その職務も重大であるし、また官吏がいわゆる下から上つていくのではなくて、そとから非常に有力な人を連れてくるというような重要性がありまして、十一萬圓、九萬圓というような特殊な立場から額をきめたような次第であります。
#22
○石原(登)委員 私も給料の金額の多寡によつて、それで優劣、あるいは上下をきめるというようなことは考えない。これは私ももちろんその通り考えます。しかしながらあなた方のここに書いてある表現によると、「國務大臣の受ける俸給の額に準ずる額」、こう書いてある。こうなると國務大臣の受ける俸給の額に準ずるということは、國務大臣と同等に取扱う、そうでありますと、とりも直さずこの文章の裏には、衆議院議員あるいは國會議員より優位ということになる。こういうような文字のいわゆる魔術とでも言いますか、こういう印象が國民に與えるもの、私はこのことを眞劍に考えてもらいたいと思う。決してわれわれはわずか三人の檢査官に對して、これはたとい一人當り十萬圓やつたとしても月に三十萬圓である。その金額なら私は決して多いとも少いとも思いませんけれども、ただこういうような表現の中に、何といつても官僚的な考え方のあり方を私どもはどうも了承できない。こういうような意味であります。さらにただいまの御答辯を聽いておりますと、何かいい人を得るためにというようなお話があつた。いい人を得るためには給料を高くしなければならぬというような意圖のようなお話もありましたか、もちろんそれは方法としてはそういう點も考えられましよう。しかし公正取引所の委員會のごときは、當時の新聞のゴシツプ種にもなつたようなことである。總理大臣の年俸三萬圓くらいに對して、實に數倍ということである。こういうような金額は、これは常識的に考えましても、どうもわれわれは納得できないのでありまして、これは法治國である限りは、法的根據において何か納得できるような方法があつたのではないか、こういうこともわれわれは考えるわけであります、私は先ほど要求いたしました國務大臣に準ずる待遇を受けておる者の、その表現の方法をどういうふうに書くかというようなことをお尋ねしたのも、實はこういうところに關係があるのであります。これがいわゆる官尊民卑的な思想を拂拭する上において、日本の民主化のために非常に障害になるということを私はおそれますために、實質的には十二分に仕事ができるために、しかも十二分のいわゆる經濟的保障をやるということについては、決してわれわれは異存はありません。しかしながらその表現において、日本の民主化を阻害するような表現が行われておることがあるならば、これは斷じてわれわれは容認できない、かように考えているわけであります。ゆえに本案の改正案につきましても、この表現を用いないで、何か別途に適當な表現の方法があるのじやないか、かように考えまするが、その點に對する政府の御所信を承りたい。
#23
○井手政府委員 國務大臣に準ずる俸給の額と書きましたについては、私どもは暗默のうちに會計檢査院の重要性を認めまして、これを構成する會計檢査官なるものは、執行部の最高のポストにいる國務大臣と同樣に扱いたいという考えを御指摘の通りもつております。ただこれが議長が歳費としていくらもろう、月額七千圓、副議長が五千圓、議員がいくら書いてある。これは今申しましたように俸給とは全然別個の角度のものでありまするから、片一方國務大臣の額と同額とするということを書いたから、それと歳費をもらつておる議員との間に、何か差別をつけるというようなおそれは、私どもは全然ないと考えておる次第であります。公務員の間では先ほど申しましたように、どうしても會計檢査官の地位を高くして、政府の豫算經理、財政のやり方について、十分に識見をもつて、權威をもつてこれを監査していただきたい、審議してもらいたいという考えでおる次第であります。從つてただいまのところ、この原案の表現を何か別に考えたらどうかという御質問でございましたが、ちよつとこれという對案を持ち合わしておりません。
#24
○石原(登)委員 ただいまのお答えで、對案を考えていないというようなお話でありましたが、これからこの對案を考えられるお氣持がありますかどうか、その點をお聽きしておきたいと思います。
#25
○井手政府委員 繰返すことになつてはなはだ恐縮でございますが、職責その他の點からみまして、國務大臣と同樣に扱いたいと考えておりますので、考えようと思つておりません。
#26
○西村(榮)委員 先ほど來の法制局次長の答辯は、少し國會の立場から考えなければならぬのでありますが、大臣がいないから、今の法制局次長の答辯に對して、政府を代表して小坂政務次官の見解を承りたい。
#27
○小坂政府委員 お答えいたします。いろいろ勤勞に對しての報酬を受けるということは、勤勞の内容に從つて多種多樣のものがありましようから、その内容に從つての報酬をとるということが原則だと思うのであります。そしてその報酬の内容について、社會一般から、その勤勞の内容をどういうふうに認識せられるかという、客觀的な情勢も考慮しなければならぬと思います。この問題はきわめてむつかしい問題であるのでありまして、私どもといたしましては、これが一定不變の原則でもつてということは、やや困難な點であるというふうに考えるのでありまして、そのときの社會通念によつて流動するものであるというように思つております。ただいまのところといたしまして、われわれは國會が國權の最高機關であるということを強く考えております。その考え方を貫くことによりまして、日本の民主化というものは徹底されるのだというように考えております。ただいまの法制局の答辯に鑑みまして、私どもは俸給と歳費というようなものとの間に、多少の差別があるということは認めなければならないと思います。しかしながら差別があるということは、この間に全然關連がないということと同一でないというふうに思うのであります。非常に問題はデリケートでありますが、私どもといたしましては、單に便宜的に他からよい人を得るために、これだけの金が要るということだけをもつて答辯の趣旨とする點については、多少異議をもつのであります。ただ私どもといたしましては、大臣を補佐する立場でありますから、閣議に列している大臣が適當にお答えする方が筋であるというように考えております。
#28
○西村(榮)委員 ただいま小坂君の答辯はわかつたような、わからぬような――これはちよつと重要だと思いますので、法制局次長の答辯を速記録を調べて、なおかつそれから質問をいたしたいと思います。質問を留保しておきます。
#29
○早稻田委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。
#30
○葉梨委員 法制局次長の先ほど來の御答辯を伺つていると、はなはだ私は意に解しかねることが非常に多いのであります。一々言葉じりをつかまえて申し上げるようなこともしたくないのでありますけれども、規定を念のために伺つて參考に資したいと思うのであります。法制局次長はしからば國會法第三十五條における一般官吏の解釋は、どういうことに解釋しておられるか。
#31
○井手政府委員 この言葉は非常に廣い表現でございまして、これに對していろいろな角度から解釋がおそらくできるだろうと思います。私ども歳費を決定さるべき法規におきまして、どういうぐあいな見地からこれがきめられべきかと申しますと、何と申しますか、總理大臣とか特殊な官吏――すなわち今囘公務員法を出しておりまするが、その公務員法の一般職の中の最高のものというようなものよりは高くしなければならない。特別職というものには今後いろいろなものが出てまいりまして、そういうものは一應これの對象からのけるべきものであろうと考えております。この國家公務員法は委員會でようやく審議が始まつたばかりでありますが、大體あそこにありまする一般職というようなものが、これに考えらるべきものであろうと考えております。
#32
○葉梨委員 その一般官吏という具體的な範圍を私は伺つておる。
#33
○井手政府委員 一般官吏の範圍を、今ちよつと一般職と申しましたが、一般職というものには何と言いますか、國家公務員法の職階制度によつて、いわゆる職務の責任と地位ということによつて、普通の尺度からその俸給額をきめてゆけるというようなものでありまして、特別職と申しますと、たとえば總理大臣であるとか、あるいは今囘問題になつておりまする會計檢査官、そういつた普通の任用とか、普通の職階制度によつて資格とか分限をきめるようなものでないもの、除外したものでなければならぬと考えております。
#34
○葉梨委員 國會法第三十五條の趣旨は、當時私も國會法起草委員の一人として携わつておつた。あなたの今御説明になつたようなものではないと私は心得るが、あなたの御説明のあつたようなこと、それは間違いありませんか。
#35
○井手政府委員 國會法の方は、實は議員の方の提案でありまして、提案の御趣旨につきまして、私は的確にこの條文に觸れて殘念ながらお伺いいたさなかつたものでありまして、あるいは誤解しておるかもしれませんが、できた條文を拜見しまして、私どもはそういうぐあいに解し得ると考えておる次第であります。
#36
○葉梨委員 解釋をもつて逃れようとされているということは、これははなはだ誤まられる。議員提出であれば、より以上にこれは重要な性質をもつものである。新憲法の趣旨は、あなたがよく御承知であろうと思う。新憲法の趣旨によれば、國會が最高の權威となつて、國會の決定によつて解釋がきまるべきものである。しかるに當時の第三十五條立法の國會の意思は、内閣總理大臣あるいは國務大臣を除く他の官吏を一般官吏と呼んでおる。もちろん最高裁判所長官というものは、内閣總理大臣と同格である。こういうことの解釋があつて、各省次官以下、いわゆる一般官吏である。先ほど來のあなたの御説明を承つておると、小麥は小麥として、時にその使用せられる範圍において價値が違うのだというようなお言葉がありました。私の耳の間違いかもしれませんが、その使用すると申しますか、その働き得る立場によつては違うのだというような、まことに融通無礙に解釋できるような御答辯があつた。さように融通無礙に政府が解釋すべきものではない。さように解釋するところに、いわゆる獨裁政治が生ずる。この獨裁政治を戒めて新憲法が制定せられておる。あなたのただいままでの御答辯を承つておるとまつたく從來の舊憲法下における御答辯と何ら異ならない。さようなことでは、國會の存在というものに對するあなたの認識が足りないのじやないか。失禮な申し分であるが、さように考えられる。お考えの中心からして、私は考え直していただく必要があるのではないかと思う。かりに先ほどの取引委員長でありますが、その俸給がかようになつておる。それは何によつておきめになりましたか。どの法律によつて、さような支出をなしておるか。國會の議決なくして、支出が勝手にできないはずである。官吏であるとすれば――官吏としての取扱いをしておるものであれば、當然これは特別法規の制定がなければならない。その他特別法規の制定を用いずしてやつておられるものがあるとすれば、これは特別法規の制定を必要とするものである。はつきりそれは、憲法の上にも明らかに、國の支出について國會の議決を經なければならぬ。國會の議決を經ずしてさような支出をしておるとすれば、それは憲法違反である。私はあなたの答辯を先ほどから默つて伺つておつたけれども、はなはだ腑に落ちかねる點があるからこれを申し上げる。なおあなたの御答辯のいかんによつては、條文をあげてお伺いする。
#37
○井手政府委員 公正取引委員會の委員長と、委員の俸給をきめた根據は何であるかという、この方の問題について、根據をまずお答えいたしたいと思います。これは先ほど申しましたいわゆる獨占禁止法の法文に、その報酬は政令でこれを定めるという委任がございまして、これに基きまして政令を出してきめた次第でございます。これに關係の費用支出はもちろん豫算的措置が要ると思います。それの方の豫算的措置としまして、しかるべき手續を經て出しておると思いますが、それは大藏省所管の方からお答えしたいと思います。なお他の點につきましては大藏政務次官からお答えがございますが、もし必要がございましたら、私からあとでお答えいたします。
#38
○小坂政府委員 大臣が參りますように承知しておりましたので、先ほど西村さんの御質問に對しても、私が出過ぎてはいかぬと思つて差控えておりましたが、ちよつと所用があつてこちらへ參りませんようですから、あらためてお答え申し上げます。ただいま葉梨さんからの御質問もございましたし、先ほど來の御質問に對しての私の考えを申し上げます。私としては、これは一々ごもつともであると考える。こういう政府職員の俸給に對する支出というものは、重要なる國費の一部をなすものであります。これは當然國會がこれをきめるべきであるというふうに私は考えております。ただこういう措置は一應閣議の決定を經てこちらに出てくるのでありまして、この法律についても閣議の決定を經たものがここに出てきておるわけなんで、私といたしましては、この閣議に列しておる一人としてお答えするのでなくて、むしろ國會議員から政府に派遣されておると申しましようか、大藏政務次官としての立場からお答えするわけでありますが、私はそういうふうに考えておる。この原則をあくまでも貫かなければならぬと考えております。
#39
○葉梨委員 獨占禁止法に政令においてこれを定む、こうなつておつたと言うけれども、その政令が他の法規の範圍を越えて決定せられるというような場合においては、當然これは獨立の法規を制定しなければならぬものである。そこに先般來政令という、いわゆる法律が政令に讓る、委任するという點についての疑義が非常にもたれておる。かようなところに獨裁政治の再び具現する憂いがあるのです。政令云々ということがあつたから政令によつてやつたので、何ら差支えない。それはお前たちが議決したじやないかと言えばそれまでだかもしれぬ。しかしそれは他の法規に牴觸しない場合においては、私は、あるいはこれを容認できるかと思う。しかしながら他の法規に牴觸する憂いのある場合は、それは當然質してかかるべきが至當ではないかと思う。政令云々ということがあつたからといつて、他の法規を無視してこれを越える。則を越えるやり方をするということは、從來のやり方と何ら違いのないことである。新憲法の精神には、まつたくこれは反した行為であると私は考える。むしろそういうことをやられておるとすれば、あとからでも遲くない。ただちにこれは直されて、特別の法規を提案されるなり、しかるべく處置をとらるべきが至當ではないかと思う。そうでなかつたならばますますこれは亂れてしまつて、いわゆる支出については國會の議決を經なければならぬという、この明らかなる憲法の條文に對して、これはりつぱな拔け道をつくつたことになる。何ら新憲法制定の意義はなくなることになる。水曜日の本委員會に配付されました司令部側の財政委員會に對する、われわれに對する勸告の書類を拜見しました。お前たちはその點について十分注意しておるであろうなということを、特に念を押してここに配付されておる。われわれとしては責任上これはゆるがせにするわけには相ならぬ。これは御列席の委員の各位にもみな御同感のことであろうと思う。どうか今のような趣旨が政令において云々、他の法規に牴觸する、他の法規の解釋が二、三になるような場合、あるいは憲法の扱け道をつくつておるというような疑念をいだかれるようなことのないように、法制上の整理をされることを私は切望する。もしおやりにならなければ國會としたやらざるを得ないことであろうと思うのであります。
#40
○井手政府委員 支出につきまして國會の意思決定がいるということにつきましては、財政の問題でありますので、大藏省關係の方からお答えを願います。なお葉梨さんからただいま國會を最高權成として、そのわく内において政令が出るべきものであるという點の御趣旨の御發言がございまして、私どももちろんさようでなければならぬと思いますし、今後ますますそういうぐあいにやりたいと思います。もし缺けておりましたらできるだけ御善導願いたいと存じます。
#41
○愛知政府委員 ただいまの法制局の御答辯で御了承願つたと思うわけでありますが、なお財政的な面から見ますると、豫算的な措置を經るわけです。その際に十分に御論議願いたいと思います。先ほど私のことばのうちに、一般の流動する通念として把握できるということを申したのであります。その一般の通念というものは、國會議員の方々がこれを十分に把握しておられると思うので、私はあくまでも國會の決定というものを重んじていくというように政府の一員としてこれからこの考え方を、政府のあらゆる部門に滲透させるように努力したいと考えております。
#42
○川合委員 この會計檢査院法の一部を改正する法律につきましては、各派竝びに各委員において、この法案のままではとうていこれを議決するという空氣にならないようであります。しかも政府においては別に對案をおもち合わせがないようなお話でありまするが、今までの政府委員のお話を承つておりますれば、ごもつともな點もありまするけれども、しかもいろいろな俸給の關係において、まだ統一的な表現を用いていないというような點もありますので、私どもとしましては、たとえば檢査官なら檢査官というものはこういうものだという、統一的な表現を用いてやつたらどうかとい思ますが、この問題は長く上程されておりますので、ひとつ理事會で下相談をして、そうして政府の方と折衝するようにして、この問題をそういうふうに處理されたらどんなものですか。
#43
○佐藤(觀)委員 ちよつと法制局の方に御説明願いたいのですが、官吏の俸給と歳費と根本的に違うということについて伺いたい。
#44
○井手政府委員 根本的に違うという表現をしたように思つておりませんが、なんと申しますか、俸給の方は職務の報酬と生活の基礎を與える、收入を與えるというところに目標があるだろうと思うのですが、歳費の方はややそれと違う。すなわち何といいますか、官吏の方はそれ自體が本務でございます。ところが國會議員の方は、あらゆる分野から本來の地位をもちつつ國會に籍をもたれる。官吏の方はそれによつて報酬が得られ、それによつて勤務をし、それによつて生活をしておるという點があるだろうと考えておるのであります。その點において多少の差があるのではなかろうかと考えております。しかしこれは今政務次官が違うというようにおつしやつておられますから、政府の意見を代表できないと思いますが、なお小坂さんからお話願いたいと思います。なお葉梨さんのお話で、先ほど一般官吏というものについて同感だと言われまして、私として實はその質疑應答を十分了承しませんからと申しまして、はなはだ失禮いたしましたが、その際の大體の考え方が總理大臣及び國務大臣を考えておつたのだと仰せになつたのは、大體そういう趣旨であろうと私ども考えます。この會計檢査官は、その趣旨の程度のものにしていいのではないかと考えた次第であります。
#45
○石原(登)委員 この會計檢査官の俸給額の決定は、これは非常に今後いろいろなものが續々とおそらくは出てくるだろうと思います。これはずつと以前に、陸海軍の大中將を勝手にきめて國の豫算を横取りしたこれがまつたくいい例をなすのではないか。私どもはかように考えられますので、この法案が提出されて非常に長くはなりますが、これによつてさらに公正取引委員會の給料とか、その他の方面のことも十二分に審議したいと思います。實は私は公正取引委員會なんか一つの法律できまつたものだと思つて、かような法律をもしつくつたとすれば、非常に遺憾であるというふうに考えておつたのでありますが、ただいまの答辯によつて、これも政令によつてやられたということが明らかになつて、われわれは實に唖然たるものがあるのであります。これであればあるほどなお政令の限界、少くとも國家支出に關する政令の限界に對しても、なおわれわれは一つの線を引いておくべき必要もありまして、これはただ單に會計檢査官の給料だけというような問題として解決できない、大きなポイントであると考えますので、この問題はさらに十二分に檢討いたしたいと考えます。
#46
○小坂政府委員 法制局次長の御答辯を補足いたします。少し見解の足らざる點があるように思われるのでありまするが、國會議員というものが、會期が年中無休で、必ず一定時間に出勤して一定時間に退廳するというような制度でありますると、これはまつたく官吏の場合と同じだと思います。しかし國會は御承知の通り年中無休というものでありませんので、いろいろ時々によつての職務の内容が違うという點で、一般の官吏の受ける俸給とはちよつと考えをかえてもいいじやないかという點が考えられます。それから官吏の俸給を一般的に統一すべしという御意見實にごもつともであります。この點につきましては政府といたしましても十分に考慮いたしたい。近く公務員法案を提出いたしまするが、その際にこの基準を一切明確にいたすよう、いろいろと個々の例をあげております次第であります。この法案の提出されましたときに、十分にその内容について御檢討いただきたいと考えております。
#47
○川島委員 保留質問をいたしたいと思います。大藏大臣が見えるはずであつたのですが見えませんので、大臣に代つて小坂さんの御見解を聽かせていただきたい。それは今囘の關東及び一部東北の風水害の問題に關連して、昨日内務省側の情報によりますと、群馬、山梨、神奈川、福島、この四縣のみの國の關係と、地方公共團體の關係に屬する損害だけでも、さらに損害を復舊する費用を見積つただけでも、實に十億萬圓の巨額に達しておる。この中には宮城縣、栃木縣、茨城縣、埼王縣、東京都の一部、これは全然除外されておる、おそらくこの宮城、栃木、茨城、埼玉を合せましてその水害高というものは、きわめて厖大な額に達する見込であろうと思うのであります。その問題について今朝までに大藏省が知り得た損害額というものは、どの程度かということをまずお聽かせ願いたい。
#48
○小坂政府委員 内務省から四縣を指定したのは、大體その地方の損害額というものが、さきに明瞭になつたということに基くものではないかと考えるのであります。被害は實に憂慮すべき状態でありまして、刻々にその被害の現況も變りつつあるような次第でございます。そこでさらにその詳細のわかりましたものにつきましては、これを追加していくということは當然のことであろうと思うのであります。ただいまのところ大藏省の知り得ました全貌というものは、まだ洪水が實は今朝も新たなる事態の發生を見ましたような次第で、未だ明確なものをもち得ないことを遺憾といたします。私どもとしては明日の休日を利用いたしまして、早速埼玉縣と群馬縣にまいりまして、一々事情を伺つてまいろう、こう思つております。さような次第でありますので、損害額の全貌というものは、未だに確定いたしておらないような次第であります。
#49
○川島委員 詳細に具體的にわかつておらないということは、一應ごもつともでございますのでこの程度で打切りますが、その場合においてもうすでに損害の外貌がわかつておるところもあります。それに對する國庫負擔の問題、それから地方の公共施設復舊に要する費用が、これまた厖大な額に上る豫定になつておると思います。地方公共團體が財源であれば問題ではありませんが、最近の地方財政は、到るところどの府縣も同樣な赤字財政を續けております。さらにこの被害によつて相當緊急を要する財源を當然に必要とすることになることは言うまでもない。その場合における國庫の問題は別として、地方公共團體の必要とする經費の問題について、大藏省は健全財政の建前から。地方銀行の預金の範圍内でというような考え方も一應あつたようでありますが、この際においてはそういう考え方を當然改めていかなければならないと思いますが、その問題についてどのような見解で今進んでおりますか、それをお聽かせ願いたい。
#50
○愛知政府委員 ただいまの問題についてお答えいたしますが、ただいま政務次官から答辯いたしましたように、ただいまのところ金額については正確にわかりませんが、實は一昨日から大藏省からも財政關係、金融關係の係官も現場に派遣いたしております。これも一部歸つてまいりましての報告もございますが、ほとんど状況においてはちよつと補足することができないような状況であります。從つて私どもの事務的な考えで現在まで考えておりましたところでは、やはり地方費の負擔についても一應その地方において、たとえば地方債とかその他地方として資金を吸收し得る限度内において、何とか救濟をしていただきたい。そうしてただそこまでにいたりますまでのつなぎの資金としては、日銀からの應援といふことを考えておるわけでありますが、はたしてそういつたような從來の考え方で、これが率し得る問題であるかどうであるか。率直に申すならば、これをもつては率し得ないある場合においては相當の救恤的の考え方もしなければならぬのではないかというように考えておるのであります。ただいまのところ的確にまだ事務的にも申し上げる段階になつておらない。ただ御承知のようにこれは主として府縣の負擔の點の御質問であつたわけでありますが、今囘氾濫いたしました河川は、大體ほとんど全部が國費の負擔のものでもありますし、それから被害を受けましたところの復舊についても、國費において相當これは負擔しなければならぬ問題であると思いますので、その方は外貌がすぐに見當がつくと思います。そういたしましたならば、その外貌の判明次第、ある場合におきましては國會の議決を、豫算の上において御協贊を經る前におきましても、大體目安をつけまして、金融的の措置を講じてまいりたい。その際におきましては、地方銀行の負擔、あるいは地方の資金の負擔ということでなしに、その財政の豫想し得る負擔の範圍内でありますならば、日銀からの應援ということで賄つてまいりたい、かように考えております。
#51
○川島委員 もう二點ばかりお尋ねしたいと思います。今のお話大體見透しだけはわかつたような氣がするのでありますが、今度の災害對策に、大藏省は金融措置令の一部改正をはかつて、封鎖をもつておる者の解除に對しては、一世帶五千圓程度の現金引出しを認め、その他の改正を行つたようであります。封鎖預金もしくは現金預金をもつておる者ならばよろしいですが、もたざる方面に對するところの救濟をも、これは地方に委せておくべき問題ではなくして、政府がみずから積極的に、その方面に對する救濟をも、併せ考える必要があるものだと思うのであります。その點についての見解を御表明願いたいと同時に、御承知のごとく殊に今度の被害の大部分は農村である。農村方面における農家の習慣といたしましては、よく言われるいわゆるたんす預金、あるいは床下預金などと言われておりますが、農村の人達の預金というものは、金融機關にあまりなくて、家庭内に藏置しておつた面が多いということは言うまでもありませて。その人達が今囘の被害でその現金をもち出すことができずして、一朝にして多小の小金を貯めたものが、流失の厄に遭つてしまつておる。こういう問題も起つております。そういうことからして當然ここにわれわれが考えなければならない問題といたしましては、そういう被害者に對する積極的な政府の救濟竝びに復舊と併せまして、一面においては被災者に對する増加所得税の問題のごとき、目下訴願中のももであつて、いまだにきまらぬものがあります。そういうきまらぬもののうち、被害者がたまたまもつておつた金も流失してしまつた。そういうような問題が起つてくる。なお財産税においてもそのような事柄がある。その他の租税の關係においても、そういつた問題で、今財産の流失によつて税金支拂不可能な状態、もしくは相當の著しい輕減をしてもらわなければならないというような事態が發生しておる向も、相當に私は多いと想像をいたしておるのでありますが、そういつた税金關係の問題に對しまして、どういう考えをもつて今方針を立てておりますか、その點も併せてお尋ねいたしたいと思います。
#52
○小坂政府委員 今囘の慘事がまことに非常な規模において行われ、その中におきまして御指摘のようないろいろの悲劇があるということも想像されるのであります。先ほど銀行局長からも申しましたように、政府といたしましてはこの際の救助方法を、國家の財政資金においてやろうということを、その全貌が判明するのを待ちまして、國會に緊急災害救助費とでも申しますものを提出いたしまして、御承認を得るというように考えておりわけでありますが、その緊急の災害を救助するというものの中に、どの程度のものをいれるかということは、實はこの國會において、この洪水というものをどの程度の緊急な事態と見るかということが、内閣全體の方針にかかると思います。大藏省といたしましては現在許されている法律内の措置というものを、さしあたりは考えるわけでありますが、これはまつたく緊急である。關東大震災のあとに行つたような措置が、あるいは適當であるということを、内閣全體としてきまりますれば、そういうような措置をとることも可能であると考えます。われわれといたしましてお答え申し上げる範圍というものは大體その程度だと思うのですが、私どもといたしましては、極力この事態について、十分なる同情と關心をもちまして、不幸なる方々の被害を、われわれの身をもつて感じるというような氣持で事に當りたいと考えておるわけであります。
#53
○川島委員 ちよつとくどいようですが、大臣も見えないので、答えがきわめて抽象的でありまして、まことに殘念ですが、もうすでに被害が廣汎にわたり、一週間目になる。少くとも政府においては緊急の事態に處する緊急の根本的、基本的な對策というものは、抽象的であつてももうきまつていなければならぬと私は思う。今の答えによりますと、まだ漠然とした對策であつて、何ら得るところがないような形でありますが、この際一日も早く政府においてそういつた迅速果敢な對策を決定して、それを世間に發表するだけでも、被害者に與える大きな心理的好影響をも併せ考えられるのであります。しかるに一週間になつても、未だに明確な基本的態度すらもきめておらないということは、まことに私ども殘念に思うのであります。最後にもう一つ附け加えておきますが、農村における供出生産品の支拂の問題もあります。こういつた問題についても――農業省の關係でありましようが、こういう方面にも、迅速に特別な措置をもつて現金をどんどん支拂つて、その災害復舊救助に當るという一面の策も私は必要だと思うのであります。今までの御答辯ではほとんど漠然たるもので、まことに遺憾でありますが、できるだけ早急に基本的な大綱の對策だけは立てて、各被害地方の府縣當局、あるいは市町村、公共團體、あるいはまた個々の被害大衆に對して、一種の希望と安心感を與えるような態度を、一日も速やかに決定することが、私は政府當局のなすべきことでもあらうと思いますので、その點十二分にお踏みの上、一刻も速やかにそういつた具體的な救濟の、基本的な對策を立てられんことを希望いたしまして、まことに答辯が殘念でございますが、これで私の質問を終ります。
#54
○葉梨委員 一言伺つておきたいのでありますが、一昨日の衆議院本會議におきまして一松厚生大臣から、災害救助に關します方針を、本會議場において明示せられた。その要旨は、内閣としては災害救助法案を全面的に適用する。災害救助法案に則つて今囘の措置を行うというようなことを明言しておられるのであります。それは大藏當局に對しましては、内閣から連絡がありましたかどうですか。
#55
○小坂政府委員 川島さんの御質問に對しての私の答えが、抽象的であつた點についてお叱りを受けたわけでありますが、私の基本的な考え方というものは、きわめて明白であると思います。つまり私の考えとしては、災害者の心をもつて忠實に事に當るということを言つておるのであります。具體的な問題として葉梨さんのただいまの御質問でありますが、實は私はこの問題についてかかる御質問のあることを豫期いたしておりました。いろいろ調査をやつてまいつたのでありますが、御承知のように災害救助法はまだこの委員會においても成立していないのであります。それでこれが成立しておればということをみな言つておるのでありますが、それを成立したものとして遡及させるかということについては、まだ何も伺つておりません。ただ私のここにはつきり申し上げることは、その精神を貫くということをはつきり申し上げていいと思います。その程度で御了承願います。
#56
○葉梨委員 そういたしますと、一松國務大臣の説明は、ただいま大藏當局の説明がありましたようにその趣旨に則つてというような意味である。つまり災害救助法の通過がなくても、その趣旨に則つて内閣としてはこれが處置をなすという方針をもつて進んでいる、かように了解してよろしゆうございますか。
#57
○小坂政府委員 法律案は、申し上げるまでもなく國會の議決があればそれが適用されるわけであります。國會議員の皆樣がこの法律はぜひこの際適用したいというお氣持があれば、政府がその趣旨に則つて行動をいたしましても御批判を得ないで濟むと思うのであります。要するに皆樣方にそういう非常に厚い御同情心があれば、私はその趣旨を貫き得るというふうに考えるわけであります。
#58
○葉梨委員 そうではないので、皆がこの法律の通りに云々と言うけれども、法律はまだ成立していないという場合に、ただその趣旨で全面的にこれを適用するようにといえばこれを適用するということでなく、その趣旨に則つた必要限度の緊急な法律なり、あるいは豫算の支出案なりを提出されるという意味であるが、かような點を伺つておるのであります。
#59
○小坂政府委員 その通りであります。
#60
○田中(織)委員 ちよつと災害關係に關連しまして、最近起つている水害竝びに旱害等の災害に對する救助については、國家において補償するという考えをぜひ貫いてもらいたいと思うのであります。それに關連して、今度の關東の水害によつて、先般の東北水害、あるいは和歌山縣等の水害は、いくらか影が薄くなつたようでありますが水害ばかりでなく、旱害も相當あつたように承知しております。このことは近畿の方においても言えることでありまして、私の和歌山におきましても、紀南地方の水害で、紀北地方がようやく災害を免れたと思いましたところ、今度は非常な旱害に、和歌山縣の紀北地方のみならず、奈良縣、大阪府、滋賀縣等においても見舞われ、その被害も決して輕視できない状態にあるのであります。この點について目下農林省に方に、關係府縣から旱害對策についての國家補償竝びに資金の融通等について要請しているのでありまして、すでに大藏當局に對する交渉もあつたかと思うのでありますが、この點につきましても、こうした自然的な災害に伴うものとして、同一に取上げていただけるかどうかということをまずお伺いしたいのであります。殊に旱害地帶におきましては、こういう逼迫した食糧事情でありますために、何とかして稻を枯らさずに收穫をあげたいということで、たいへんな勞力と費用を支出いたしまして努力したのでありますが、天のさいわいするところとならず、相當廣汎な地域にわたつて、すでに收穫皆無の状態に陷つておるのであります。ひどいところになりますと、段當りの灌漑用水のための費用が、一萬二千圓もかかつておるというようなところもあるのであります。肥料の配給がないために、段當り八千圓程度のやみ肥料をやつている上に、灌漑費用として一萬二千圓、会計二萬圓の經費を投じまして、預金は全部引出しておるというような状態であるにもかかわらず、收穫が皆無であるというような實に慘憺たる状態にあるのであります。從つて結果としては何ら現われていないのでありますが、これらの努力した部分に對する費用を、金額國庫で補償してもらいたいと思うのであります。この點についての當局の御意見、竝びに新圓預金は全部引出して、まだ借金ができておるような状態でありまするが、一部の農家には、なお封鎖預金ももつておりますので、これの支拂いも水害地については五千圓まで解除になつたようでありますが、旱害農家に對する封鎖預金の支拂いがまだ解除されておらないのであります。これが同一に取扱われるかどうか。竝びにせつかくの稻作がだめになつたために、少くとも來年の夏の麥がとれるまでの間、全然保有米もないというような状態で、この間の農業再生産のために必要な資金も枯渇しておるのでありますが、これに對する融資について當局の用意があるのか。これらの點について小坂政務次官の方針を承りたいと思います。
#61
○小坂政府委員 全般的な問題といたしまして、この荒廢した國土を再建するということを考えなくちやならないのであります。どうも今までございます山の木が、いたずらに濫伐されて、あるいは荒廢した河川の修理がなおざりになつておる。あるいはただいま御指摘の田畑の灌漑用水の點等について、補修や維持管理が十分に行われていない。あるいは耕地改良がなおざりになつておる。そういうようなことが實は非常に多いのでありまして、その反面、開拓による土地の擴張、耕地の擴張ということも必要であることは考えるのでありますが、全體として限られた國費というものを、どういうふうに最も有效に、適切に按分するかという面におきまして、ただいまのところ、いろいろな關係官廳にそれが所屬しております關係上、どうもこの點のバランスが十分じやないのではないかというような氣が私個人としてはいたすのであります。それに鑑みまして、私は今囘できます建設院等について、これをさらにもつと大きく、國家の全面的な再建計畫を取上げるという省の問題にまで持上げて、それによつて調整していくということが望ましいのではないかと考えておるのであります。ただいま御指摘の點につきましては、われわれ財務當局といたしましては、これは今の官廳のわかれておる關係を申し上げるわけではございませんが、農林省の關係もございますし、個々の具體的の例につきまして農林省當局と十分話合いの上で、態度を決定いたしたいと考えております。
#62
○北村委員長 お諮りしたいと思いますが、會計檢査院法の一部を改正する法律案につきましては、修正の意見が大體多數のように思いますので、これは理事會で一應修正點をまとめることにしてはどうかと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○北村委員長 ではさように取計らいます。本日はこの程度にいたしますが、なお理事會をいたしますから、理事の方はちよつとお殘りを願いたいと思います。
 それから委員會報告書の件については、前囘の通り、委員長及び理事にその表現方を御一任願いたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○北村委員長 さように決します。
 本日はこれにて散會いたします。
    午後零時十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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